JP2014055103A - Iii族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

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Hitoshi Kasai
仁 笠井
Takuji Okahisa
拓司 岡久
Shunsuke Fujita
俊介 藤田
Naoki Matsumoto
直樹 松本
Hideyuki Ijiri
英幸 井尻
Fumitaka Sato
史隆 佐藤
Kensaku Motoki
健作 元木
Seiji Nakahata
成二 中畑
Koji Uematsu
康二 上松
Tatsu Hirota
龍 弘田
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Abstract

【課題】結晶成長の際に反応室内に付着した堆積物を効果的に洗浄する方法を含むIII族窒化物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】III族窒化物結晶11の製造方法は、反応室110にHClガス1を導入して反応室110内を洗浄する工程と、洗浄された反応室110内でO原子およびSi原子がドーピングされたIII族窒化物結晶11を気相成長させる工程と、を含み、III族窒化物結晶11は、ファセットで成長した領域とC面で成長した領域とを含み、ファセットで成長した領域におけるO原子濃度が1.2×1019cm-3以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種半導体デバイスの基板などに広く用いられるIII族窒化物結晶の製造方法に関する。詳しくは、III族窒化物結晶の成長の際に反応室内に付着した堆積物を効果的に洗浄する方法を含むIII族窒化物結晶の製造方法に関する。
GaN結晶、AlN結晶などのIII族窒化物結晶は、発光素子、電子素子、半導体センサなどの各種半導体デバイスの基板として非常に有用なものである。かかるIII族窒化物結晶の製造方法としては、ハイドライド気相成長法(以下、HVPE法という)、有機金属塩化物気相成長法(以下、MOC法という)および有機金属化学気相堆積法(以下、MOCVD法という)などの各種気相成長方法が用いられている(たとえば、特許文献1を参照)。
しかし、上記のいずれの気相成長法を用いても、反応室内の下地基板上にIII族窒化物結晶を成長させる際に、反応室内、特に結晶成長部および原料導入部に、III族窒化物の多結晶で形成される堆積物が付着する。かかる堆積物は、原料の安定な供給を阻害したり、次に成長させるIII族窒化物結晶中に混入するため、除去する必要がある。
上記堆積物を除去するために、従来は、反応室である反応管を使い捨てにしたり、反応室内をリン酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの液体で洗浄していた。反応管を使い捨てにすると、反応管が高価である上に、空焼き(結晶成長前の反応室の熱処理をいう、以下同じ)をする必要があり、製造効率が低下し、製造コストが高くなるという問題があった。また、反応室内をリン酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの液体で洗浄すると、液体中に含まれるリン、イオウ、ナトリウム、カリウムおよび酸素の少なくともいずれかの原子が反応室内に残存し、次に成長させる結晶に混入するという問題があった。
国際公開第99/23693号パンフレット
本発明は、上記問題点を解決し、結晶成長の際に反応室内に付着した堆積物を効果的に洗浄する方法を含むIII族窒化物結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、反応室にHClガスを導入して反応室内を洗浄する工程と、洗浄された反応室内でO原子およびSi原子がドーピングされたIII族窒化物結晶を気相成長させる工程と、を含み、III族窒化物結晶は、ファセットで成長した領域とC面で成長した領域とを含み、ファセットで成長した領域におけるO原子濃度が1.2×1019cm-3以下であるIII族窒化物結晶の製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法においては、III族窒化物結晶を気相成長させる工程において、下地基板としてサファイア基板が用いられ得る。また、III族窒化物結晶を気相成長させる工程において、下地基板として(111)GaAs基板、(0001)SiC基板およびLiAlGaO基板のいずれかひとつが用いられ得る。また、III族窒化物結晶を気相成長させる工程において、下地基板としてGaN基板が用いられ得る。また、III族窒化物結晶のキャリア濃度が所定の値になるようにSiドーピングガスの量を制御しながらIII族窒化物結晶を成長させることができる。また、Siドーピングガスは、SiH4ガス、SiH2Cl2ガス、およびSiCl4ガスのいずれかひとつとすることができる。また、反応室内の原料導入部の温度を650℃以上1200℃以下の範囲で調節することにより、III族窒化物結晶中のO原子濃度およびSi原子濃度を調節することができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法においては、反応室にトラップ装置を取り付け、反応室内を洗浄する工程およびIII族窒化物結晶を気相成長させる工程の少なくともいずれかの工程において、副生成物として生成した塩化アンモニウム粉末をトラップ装置内にトラップすることができる。
本発明によれば、結晶成長の際に反応室内に付着した堆積物を効果的に洗浄する方法を含むIII族窒化物結晶の製造方法を提供することができる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法および製造装置の一実施形態を示す概略図である。ここで、(a)は反応室内にHClガスを導入して反応室内を洗浄する工程を示し、(b)は洗浄された反応室内でIII族窒化物結晶を気相成長させる工程を示す。 本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置の別の実施形態を示す概略図である。 本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法のさらに別の実施形態を示す概略図である。 従来のIII族窒化物結晶の製造装置を示す概略図である。
(実施形態1)
図1を参照して、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法の一実施形態は、図1(a)に示すように反応室110内にHClガス1を導入して反応室110内を洗浄する工程と、図1(b)に示すように洗浄された反応室110内でIII族窒化物結晶11を気相成長させる工程とを含む。
図1(a)および(b)を参照して、発明者らは、III族窒化物結晶11の成長の際に反応室110内に堆積したIII族窒化物の多結晶から形成される堆積物9が、HClガス1によってエッチングされることを見出し、これを反応室110内の洗浄に用いることにより、本発明を完成させた。
たとえば、III族窒化物であるGaNは、以下の反応式(1)〜(3)のように、
GaN(s) + HCl(g) → GaCl(g) + (1/2)N2(g) + (1/2)H2(g) (1)
GaN(s) + 2HCl(g) → GaCl2(g) + (1/2)N2(g) + H2(g) (2)
GaN(s) + 3HCl(g) → GaCl3(g) + (1/2)N2(g) + (3/2)H2(g) (3)
HClガスと反応して、GaClガス、GaCl2ガスまたはGaCl3ガスとなって除去される。これは、GaN以外のAlNなどのIII族窒化物についても同様である。
図1(b)を参照して、III族窒化物結晶を成長させる際に、反応室110内、特に原料導入部(III族元素原料ガス導入管123、窒素原料ガス導入管113およびHClガス導入管111の端部の近傍の部分であって主としてヒータ132によって加熱される部分をいう、以下同じ)および結晶成長部(結晶を成長させるための基板ホルダ119の近傍の部分であって主としてヒータ133によって加熱される部分をいう、以下同じ)に、III族窒化物の多結晶で形成される堆積物9が付着する。
ここで、図1(a)を参照して、反応室110内にHClガス1を導入して反応室110内を洗浄する工程においては、HClガス導入管111を介して上記堆積物9が付着している反応室110内にHClガス1を導入する。ここで、HClガスを効率的に輸送したり、HClガスの分圧を調節するために、キャリアガスが併用される。キャリアガスとしては、H2ガス、N2ガス、Arガス、Heガスなどが用いられる。キャリアガスは、III族窒化物の多結晶で形成されている堆積物9の除去を促進する観点、あるいはコストの観点から、H2ガスが好ましい。堆積物9はHClガス1と反応して、III族元素塩化物ガス、N2ガスおよびH2ガスが生成する。かかるIII族元素塩化物ガス、N2ガスおよびH2ガスは、反応室110内からガス排出管115を介して排ガス5として排出され、反応室110内が洗浄される。ここでHClガス導入管111の開口部は、窒素原料ガス導入管113およびIII族元素原料ガス導入管123の先端部、つまり多結晶で形成される堆積物9が付着する領域よりも上流側にあることが好ましい。
次に、図1(b)を参照して、洗浄された反応室110内でIII族窒化物結晶11を気相成長させる工程は、以下のようにして行なわれる。HClガス1をHClガス導入管122を介してIII族元素原料ガス生成室120に導入する。III族元素原料ガス生成室120内には、III族元素2が入っているIII族元素ボート121が配置されており、III族元素2はHClガス1と反応して、III族元素原料ガス3であるIII族元素塩化物ガスを生成する。
このIII族元素原料ガス3は、III族元素原料ガス生成室120からIII族元素原料ガス導入管123を介して反応室110内に導入される。また、窒素原料ガス4であるNH3ガスが、窒素原料ガス導入管113を介して反応室110内に導入される。反応室110内でIII族元素原料ガス3と窒素原料ガス4とが反応して結晶成長部の基板ホルダ119上に配置された下地基板10上にIII族窒化物結晶11が成長する。過剰のガスは排ガス5として、ガス排出管115を介して反応室110内から排出される。このとき、III族元素原料ガスおよび窒素原料ガスを効率的に輸送したり、各原料ガスの分圧を調節するために、キャリアガスが併用される。キャリアガスとしては、H2ガス、N2ガスなどが用いられる。
このとき、上記のように、反応室110内、特に原料導入部およびに結晶成長部に、III族窒化物の多結晶で形成される堆積物9が付着する。III族元素原料ガス導入管123、窒素原料ガス導入管113およびHClガス導入管111の先端部に堆積物9が付着してしまうと、原料ガスの供給が阻害されるため、安定した品質の結晶を得ること、および長時間成長させて厚い結晶を得ることが困難となる。
したがって、さらに、上記の反応室内にHClガスを導入して反応室内を洗浄する工程、洗浄された反応室内でIII族窒化物結晶を気相成長させる工程を繰り返し行なうことにより、気相中で効率的に反応室の洗浄およびIII族窒化物結晶の成長を行うことができ、効率的に結晶性のよいIII族窒化物結晶が得られる。
本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法において、反応室内を洗浄する工程は、HClガス分圧が1.013hPa以上1013hPa以下(0.001atm以上1atm以下)、反応室内温度が650℃以上1200℃以下の条件で行なうことが好ましい。HClガス分圧が1.013hPaより低いと堆積物9の除去効果が低減し、1013hPaより高いと導入されたHClガスを反応室内から排出することが困難となる。また、反応室内温度が650℃より低いと堆積物9の除去効果が低減し、1200℃より高いと反応室の劣化および/または損傷が起こる。かかる観点から、反応室内温度は800℃以上が好ましく、900℃以上がより好ましい。
本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法においては、洗浄された反応室内でIII族窒化物結晶を気相成長させる工程において、反応室内の原料導入部の温度を調節することにより、III族窒化物結晶中の酸素原子濃度およびケイ素原子濃度を調節することができる。
反応室が石英などの酸素含有材料から形成されている場合は、III族窒化物結晶の成長の際に、反応室に含有される酸素原子およびケイ素原子がIII族窒化物結晶に混入する。たとえば、石英SiO2(s)に対してNH3(g)およびH2(g)が接触する系における石英の熱分解について、SiO2(s):NH3(g):H2(g)が1:10:40のモル比で存在し、NH3(g)およびH2(g)の全圧が1013hPa(1atm)の場合の熱力学的計算を行なうと、反応室内温度が上がるとともに水蒸気(すなわちH2O(g))およびSi系ガス(たとえばSi22O(g))が生成することがわかった。生成するH2O(g)およびSi系ガスの分圧は、それぞれ、600℃で0.41Pa(4×10-6atm)および0.10Pa(1×10-6atm)と、1000℃で2.43Pa(2.4×10-5atm)および0.61Pa(6×10-6atm)と、反応室内温度の上昇とともに増大する。この水蒸気中の酸素原子およびSi系ガス中のケイ素原子が不純物としてIII族窒化物結晶に取り込まれる。
ここで、反応室内温度は、主に原料導入部および結晶成長部の温度を調節することにより調節される。結晶性のよいIII族窒化物結晶を安定して成長させる観点から、結晶成長部は1000〜1200℃程度に維持することが好ましい。したがって、酸素原子濃度およびケイ素原子濃度を制御するための反応室内温度の調節は、現実的には多くの場合、結晶成長部の温度調整ではなく、原料導入部の温度調節あるいは、反応室内部に石英製の部品を設置し、それを加熱することでH2OガスおよびSi22Oガスを発生させても構わない。また、結晶成長部とは、III族窒化物結晶を成長させる部分をいい、図1では反応室110においてヒータ133で加熱される部分をいう。
III族窒化物結晶としてGaN結晶を成長させる場合は、III族元素原料ガス生成室120内および原料導入部の温度を650℃以上1200℃以下の範囲で調節することが好ましい。III族元素原料ガス生成室120内の温度が650℃より低いと、HClガス1と金属Ga(III族元素2)との反応性が低下しGaClガス(III族元素原料ガス3)の反応室110への導入が困難となり、原料導入部の温度が1200℃より高いと石英部品などの劣化および/または損傷が起こりやすくなる。
(実施形態2)
図1を参照して、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置の一実施形態(製造装置100)は、反応室110内に直接HClガス1を導入する構造とHVPE法によりIII族窒化物結晶を成長させる構造とを備える。反応室110内に直接HClガス1を導入する構造を備えることにより、III族窒化物結晶11を成長させた際に反応室110内に付着したIII族窒化物の多結晶で形成される堆積物9を気相中で効率的に除去することができる。
本実施形態のIII族窒化物結晶の製造装置100は、上記堆積物9を除去するために、反応室110内に直接HClガス1を導入する構造を備える。反応室内に直接HClガスを導入する構造には、特に制限はないが、たとえば、図1を参照して、HClガス1を直接反応室110内に導入するためのHClガス導入管111が挙げられる。本実施形態のIII族窒化物結晶の製造装置は、HClガス1を直接反応室110内に導入するためのHClガス導入管111が配設されているため、反応室110内の堆積物9を効率的に除去することができる。
また、本実施形態のIII族窒化物結晶の製造装置は、HVPE法によりIII族窒化物結晶を成長させる構造を備える。ここで、HVPE法とは、III族元素原料ガスであるIII族元素塩化物ガスと、窒素原料ガスであるNH3ガスとを反応させて、気相でIII族窒化物結晶を成長させる方法をいう。また、HVPE法により結晶を成長させる装置をHVPE装置とよぶ。
たとえば、図1を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶の製造装置100には、反応室110、III族元素原料ガス生成室120、ならびに反応室110およびIII族元素原料ガス生成室120を加熱するためのヒータ131,132,133を備える。反応室110およびIII族元素原料ガス生成室120には、HClガス1をIII族元素原料ガス生成室120に導入するためのHClガス導入管122が配設されている。III族元素原料ガス生成室120には、その内部にIII族元素2を入れるIII族元素ボート121が配置され、生成されたIII族元素原料ガス3を反応室110に導入するためのIII族元素原料ガス導入管123が配設されている。反応室110には、窒素原料ガス4を反応室110内に導入するための窒素原料ガス導入管113および排ガス5を反応室110から排出するためのガス排出管115が配設されている。また、反応室110内には、III族窒化物結晶11を成長させるための下地基板10を配置するための基板ホルダ119が配置されている。反応室110を形成する反応管101には、特には制限はないが、大きな反応管が容易に作製できる観点から、石英反応管が好ましく用いられる。
ここで、成長時あるいはエッチング時には、副生成物として、塩化アンモニウム(NH4Cl)粉末が生成する。この粉末は、ガス排出管115を詰まらせ、長時間の結晶成長、つまり厚い結晶を得ることを阻害する要因となるため、ガス排出管115の入口部115aおよび/または出口部115bに、塩化アンモニウムをトラップする装置(トラップ装置116)を取り付けることが好ましい。塩化アンモニウムは、約340℃以下でHClとNH3が存在すると生成する。その形態は粉末状である。そこで、トラップ装置116内は空冷でも水冷でもよいが、冷却することが好ましい。メンテナンスのし易さから、空冷であることが好ましい。トラップ装置116には、フィルター116fが内蔵されていてもよい。また、トラップ装置116は、ガスの入口と出口が装置の上部にあり、装置の下部は塩化アンモニウム粉末が蓄積されるように深くなっていると、ガスの入口と出口が詰まりにくいため好ましい。
(実施形態3)
図2を参照して、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置の別の実施形態(製造装置200)は、図1の実施形態2におけるIII族窒化物結晶の製造装置100の反応室110の結晶成長部に反応室110の保護部材117が配置されている。保護部材117は、図2のように反応室110となる反応管101の内壁に密着させてもよいし、反応管101の内壁から離してもよい。
反応室110の結晶成長部では結晶成長の際に1000℃〜1200℃程度の高温となる。したがって、結晶成長部付近の反応管101の内壁も、結晶成長部と同程度の温度となり、結晶が生成しやすい環境となるため、結晶成長部付近の反応管101の内壁にも多結晶のIII族窒化物(たとえば、GaN結晶を成長させる場合は多結晶GaN、AlN結晶を成長させる場合は多結晶AlN)が多く付着する。また、反応管101が石英などの酸素含有材料で形成されている場合は、窒素原料ガスであるNH3ガスおよび/またはキャリアガスであるH2ガスと反応して、水蒸気を生成してIII族窒化物結晶に酸素原子が混入するとともに、反応管101を劣化させ損傷させる。
反応室110の結晶成長部に反応管101の保護部材117を配置することにより、結晶成長部における反応管101を形成する石英と原料ガスおよび/または水素ガスとの接触を抑制することができ、結晶成長部付近の反応管101の内壁への多結晶のIII族窒化物の付着を抑制することができる上、反応管101の劣化および損傷を抑制することができる。また、この反応管101の結晶成長部における石英(SiO2)が分解しても、III族窒化物結晶成長部とSiO2分解領域が保護部材117で分断されているため、酸素原子およびケイ素原子を含んだガスが結晶成長部へとは行かず、III族窒化物結晶11への酸素原子およびケイ素原子の混入、反応管101の劣化および損傷を抑制することができる。保護部材117には、特に制限はないが、III族窒化物結晶への酸素原子の混入、反応管101の劣化および損傷を抑制する観点から、pBN(熱分解窒化ホウ素)、カーボン、SiC、WC、TaCなどの酸化物以外の材料などで形成されていることが好ましい。なお、ガス排出管115の入口部115aおよび/または出口部115bにトラップ装置116が取り付けられていることが好ましく、また、このトラップ装置116にフィルター116fが含まれていてもよいことは、実施形態2の場合と同様である。
(実施形態4)
図3を参照して、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法のさらに別の実施形態は、反応室110内を洗浄する工程において、III族元素原料ガス生成室120およびIII族元素原料ガス導入管123を、製造装置300の反応室110から取り外した後、HClガス導入管122を介して反応室110内にHClガスを導入することにより、反応室110内を洗浄する実施形態である。なお、取り外されたIII族元素原料ガス生成室120およびIII族元素原料ガス導入管123は、別途、HClガスによる気相エッチング、リン酸、硫酸などによる液相エッチングなどにより、洗浄される。
次に、洗浄されたIII族元素原料ガス生成室120およびIII族元素原料ガス導入管123を、洗浄された反応室110に再び取り付けた後、この洗浄された反応室110内でIII族窒化物結晶を成長させる。
本実施形態における反応室内を洗浄する工程によれば、III族窒化物結晶を成長させる工程の際にはIII族元素原料ガス生成室120にHClガスを導入するHClガス導入管122を用いて、反応室110に直接HClガス1を導入することができる。このため、図1の製造装置100に示すような反応室110に直接HClガス1を導入するためのHClガス導入管111を設ける必要がない。しかし、III族元素原料ガス生成室120およびIII族元素原料ガス導入管123を別途洗浄する必要がある。なお、本実施形態において用いられる製造装置300において、ガス排出管115の入口部115aおよび/または出口部115bにトラップ装置116が取り付けられていることが好ましく、また、このトラップ装置116にフィルター116fが含まれていてもよいことは、実施形態2の場合と同様である。
なお、上記実施形態1〜4においては、HVPE法における本発明の実施形態を説明したが、本発明は、HVPE法以外の各種気相成長方法、たとえばMOC法、MOCVD法に好ましく適用することができる。ここで、MOC法とは、III族元素原料ガスとして、III族元素の有機金属化合物ガスとHClガスとを反応させてIII族元素塩化物ガスを生成させ、このIII族元素塩化物ガスと窒素原料ガスであるNH3ガスとを反応させて、気相でIII族窒化物結晶を成長させる方法である。また、MOCVD法とは、III族元素原料ガスであるIII族元素の有機金属化合物ガスと窒素原料ガスであるNH3ガスとを反応させて、気相でIII族窒化物結晶を成長させる方法である。
(比較例1)
図4に示す従来のIII族窒化物結晶の製造装置400を用いてGaN結晶を成長させた。なお、この製造装置400には、ガス排出管115に塩化アンモニウムをトラップする装置(トラップ装置)を設けずに成長を行なった。まず、反応室110となる新品の石英反応管101を製造装置400にセットした後、この石英反応管101内に付着した水分などの不純物を除去するため、反応室110内にN2ガスを流しながら1050℃で50時間の空焼きを行なった。
その後、反応室110内に下地基板10として直径50.8mmの(0001)サファイア基板(結晶成長面が(0001)面であるサファイア基板をいう、以下同じ)をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120内および原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた(1回目の結晶成長)。以下、比較例ならびに実施例においては直径50.8mmの基板を使用して成長を実施した。得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、得られたGaN結晶の外周部には、多結晶GaNが付着していた。
このGaN結晶の外周部の多結晶GaNを外周研削で削り落とした後、表面を研削および研磨して平滑にした。かかる外周研削、表面研削、研磨の過程ではクラックは観察できなかった。このGaN結晶の平滑にされた表面を、蛍光顕微鏡を用いて可視光観察したところ、明るい領域と暗い領域とが見られた。ここで、暗い領域は(11−22)面などのファセットで成長した領域(以下、ファセット成長領域という)を示し、明るい領域は(0001)面で成長した領域(以下、C面成長領域という)を示す。結晶成長において、ファセット成長領域とC面成長領域とを共存させることにより、ファセットにより形成される凹状のピット部の頂点から結晶内にC面対して垂直に結晶内に伸びる領域に転位を集めることができ、この転位集中領域以外の領域の転位密度を低減することができる。なお、かかるファセット成長領域は、結晶成長温度を低くするほど、また、III族元素原料ガスの分圧に対する窒素原料ガスの分圧の比を低くするほど、形成されやすい。
GaN結晶のファセット成長領域の不純物濃度をSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy;2次イオン質量分析法)によって測定したところ、不純物としてH原子、C原子、Si原子およびO原子が観察された。H原子、C原子およびSi原子の濃度はいずれも1.0×1017cm-3未満であった。また、O原子濃度は1.2×1019cm-3であった。また、GaN結晶のC面成長領域の不純物濃度は、O原子、H原子およびC原子の濃度はいずれも1.0×1017cm-3未満であり、Si原子濃度は1.0×1018cm-3であった。
このGaN結晶を成長させた後の反応室110内、特に、結晶成長部および原料導入部(特に、III族元素原料ガス導入管123、窒素原料ガス導入管113およびHClガス導入管111の端部、実施例および比較例において以下同じ)にGaNの多結晶で形成されている堆積物9が、厚さ0.3〜0.7mm程度で付着していた。さらに、ガス排出管115の内壁には塩化アンモニウムが厚さ2〜4mm程度で堆積していた。
この石英反応管101を反応室110として用いて、再度、1回目の結晶成長と同じ条件でGaN結晶を成長させた(2回目の結晶成長)。得られたGaN結晶は、厚さが約1mm程度と1回目に成長させたGaN結晶よりも厚さが薄く、茶色透明であり、その表面に凸凹が見られた。また、得られたGaN結晶の外周部には、多結晶GaNが付着していた。このGaN結晶のファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.2×1019cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および1.0×1018cm-3であった。また、評価するにあたり、上記同様の加工を実施したが、クラックは観察できなかった。この2回目の結晶成長後の反応室110内、特に、結晶成長部および原料導入部にGaNの多結晶で形成されている堆積物9の厚さは、1.1〜2.4mmとなった。すなわち、2回目の結晶成長の際に、1回目結晶成長の際の倍以上の厚さの堆積物が付着したものと考えられる。また、2回目の結晶成長の際、ガス排出管115の内壁には、1回目の結晶成長に比べて、倍以上の厚さの塩化アンモニウムが堆積していた。すなわち、2回目の結晶成長においては、1回目の結晶成長に比べて、より多くのGa原料および窒素原料が堆積物9となり、さらにはガス排出管115が詰まってきたことにより、GaN結晶の成長効率が低減していることがわかる。
(比較例2)
比較例1における2回目の結晶成長後の反応室110内に厚さが1.1〜2.4mm程度の堆積物9が付着しており、ガス排出管115内に厚さ5〜10mm程度の塩化アンモニウムが付着していた。この堆積物9が付着した石英反応管101を製造装置400から取り出して、モル比1:1の燐酸と硫酸との混合溶液(液温180℃)中に浸漬して、24時間エッチングすることにより石英反応管の洗浄を行なった(液相エッチングによる洗浄)。その結果、残存していた堆積物においてエッチング前の厚さ2.4mmがエッチング後の厚さ1.0mmとなった。このことから、この堆積物のエッチング速度は、約60μm/hrと見積もることができた。そこで、この堆積物が残存している石英反応管101を同条件でさらに24時間エッチングを行ない、残存している堆積物を除去した。さらに、塩化アンモニウムが付着しているガス排出管115を水で洗浄して、付着している塩化アンモニウムを除去した。
上記のようにして洗浄された石英反応管101を反応室110として製造装置400にセットした後、この石英反応管101内に付着した水分を除去するため、反応室110内にN2ガスを流しながら1050℃で50時間の空焼きを行なった。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1において成長させたGaN結晶より濃い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、得られたGaN結晶の外周部には、多結晶GaNが付着しており、多結晶部と単結晶部の界面に長さが数十から数百μm程度のクラックが観察された。酸素濃度分析を実施するため、比較例1と同様な加工処理を実施したにもかかわらず、加工後の結晶には、加工前に見られたクラック以外場所に、長さが数十から数百μm程度の微細なクラックが観察できた。微細なクラックを避けてGaN結晶の不純物濃度を評価した。このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ3.5×1019cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および2.0×1018cm-3であった。このGaN結晶の不純物である酸素原子の濃度が、比較例1において成長させたGaN結晶の不純物である酸素原子の濃度よりも高かったことから、本比較例のような液相エッチングによる洗浄の場合は、1050℃で50時間程度の空焼きでは充分でないと考えられる。また、比較例1では観察できなかったクラックが発生したことから、酸素濃度が高くなると不純物硬化によって、結晶がもろくなったと考えられる。
(実施例1)
図1に示す本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置100を用いてGaN結晶を成長させた。なお、この製造装置100には、塩化アンモニウムをトラップする装置(トラップ装置116)は設けずに成長を行なった。まず、反応室110となる新品の石英反応管101を製造装置100にセットした後、この石英反応管101内に付着した水分などの不純物を除去するため、反応室110内にN2ガスを流しながら反応室内温度1050℃で50時間の空焼きを行なった。その後、反応室110内に下地基板10として直径50.8mmの(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。得られたGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.2×1019cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および1.0×1018cm-3であった。
このGaN結晶を成長させた後の反応室110内、特に、結晶成長部および原料導入部にGaNの多結晶で形成されている堆積物9が、厚さ0.3〜0.7mm程度で付着していた。さらに、ガス排出管115の内壁には塩化アンモニウムが厚さ2〜4mm程度で堆積していた。
この堆積物9が付着した反応室110内に、HClガス導入管111を介してHClガス1およびH2ガス(キャリアガス)を導入して、反応室内温度1000℃で5時間エッチングすることにより、反応室110内を洗浄した(気相エッチングによる洗浄)。ここで、HClガス1の分圧は50.65hPa(0.05atm)とした。その結果、反応室110内の堆積物9は気相エッチングにより全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約500μm/hrと見積もることができた。なお、ガス排出管115には、塩化アンモニウムが付着していた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶のファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ6.6×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.5×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。
(実施例2)
実施例1のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてN2ガスを用いて、HClガス分圧50.65hPa(0.05atm)、反応室内温度1000℃で5時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約200μm/hrと見積もることができた。実施例1と比較してエッチング速度が低下した理由は、キャリアガスとしてN2ガスを用いたことで、窒素ガス分圧が上がり、堆積物9を形成する多結晶のGaNからの窒素の抜けおよび分解が抑制されたためと考えられる。
その後、ガス排出管115の入口部115aに、塩化アンモニウムをトラップする装置(トラップ装置116)を取り付けた。取り付けたトラップ装置116は、SUS製の容器であり、容器内に塩化アンモニウムが溜まるように設計されている。次に、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ6.2×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.3×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。また、トラップ装置116を取り外してみると、トラップ装置116内に塩化アンモニウムが溜まっている一方、ガス排出管115には塩化アンモニウムが薄く(厚さが0.1〜0.2mm程度)付着しているだけで、ガス排出管115が詰まる様子は全く見受けられなかった。
(実施例3)
実施例2のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてH2ガスを用いて、HClガス分圧50.65hPa(0.05atm)、反応室内温度850℃で8時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約100μm/hrと見積もることができた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ6.0×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.2×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。
ここで、上記実施例1、2および3に示すように、GaN結晶中の不純物である酸素原子の濃度は、結晶成長の回数を重ねるほど、若干低下する傾向が見られた。これは、使用した石英反応管101内のH2OあるいはCOなどの酸素原子を含む不純物が少しずつ減少しているため、および/または、石英反応管の内壁面は、使用開始時には微細な凹凸がありNH3などの窒素原料ガスとの反応面積が大きかったのに対し、使用を続けることで、内壁面の表面が、エッチングおよび/または高温雰囲気により滑らかになり、窒素原料ガスと反応する面積が減少しているためと考えられる。
また、実施例1、2および3で得られたGaN結晶について、ホール測定を室温(25℃)で実施したところ、SIMSで得られた酸素濃度と、ホール測定で測定したキャリア濃度がほぼ一致しており、これらのGaN結晶のキャリアは、この結晶中の不純物である酸素原子に関係したものであることがわかった。
(実施例4)
図1に示す本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置100を用いてGaN結晶を成長させた。まず、反応室110となる新品の石英反応管101を製造装置100にセットした後、この石英反応管101内に付着した水分などの不純物を除去するため、反応室110内にN2ガスを流しながら1050℃で50時間の空焼きを行なった。その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120およびGa原料導入部の温度を850℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。得られたGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.2×1019cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.9×1017cm-3であった。
このGaN結晶を成長させた後の反応室110内、特に、結晶成長部および原料導入部にGaNの多結晶で形成されている堆積物9が、厚さ0.3〜0.7mm程度で付着していた。
この堆積物9が付着した反応室110内に、HClガス導入管111を介してHClガス1およびH2ガス(キャリアガス)を導入して、反応室内温度800℃で10時間エッチングすることにより、反応室110内を洗浄した(気相エッチングによる洗浄)。ここで、HClガス1の分圧は50.65hPa(0.05atm)とした。その結果、反応室110内の堆積物9は気相エッチングにより全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約80μm/hrと見積もることができた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を650℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.5mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ5.3×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.7×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。これまでの実施例と比較して、本実施例で得られたGaN結晶の厚みが薄い理由は、III族元素原料ガス生成室の温度を650℃としたことで、GaClガスの生成効率が低下したためと考えられるが、結晶品質ならびに製造上で問題はない。
(実施例5)
実施例4のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてH2ガスを用いて、HClガス分圧50.65hPa(0.05atm)、反応室内温度700℃で15時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約50μm/hrと見積もることができた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を750℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ5.7×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および4.2×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。本実施例で得られたGaN結晶の厚さが約1.7mmと実施例1〜3と同等であることから、III族元素原料ガス生成室120の温度を少なくとも750℃とすれば、GaClガスの生成効率を高く維持できることがわかった。
(実施例6)
実施例5のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてH2ガスを用いて、HClガス分圧50.65hPa(0.05atm)、反応室内温度900℃で5時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約200μm/hrと見積もることができた。
実施例1、3、4、5および6におけるエッチング速度を比較すると、エッチング温度(エッチングの際の反応室内温度をいう、以下同じ)が高いほど、エッチング速度が大きくなっており、この理由はHClとGaNとの反応速度あるいはGaN自体の分解速度が大きくなるためと考えられる。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を1000℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶と同程度の濃い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ7.8×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.5×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。
実施例4〜6から、反応室110内の結晶成長部以外の温度(たとえば、Ga原料導入部の温度)を上げると、GaN結晶中の不純物である酸素原子の濃度が高くなることがわかった。これは、反応室110となる石英反応管101を形成する石英とNH3ガスとH2ガスとが反応して生成する水蒸気量が増加し、水蒸気中の酸素原子がより多くGaN結晶に取り込まれるためと考えられる。また、キャリアガスをArガス、Heガスとした以外は実施例4〜6と同条件で気相エッチングを実施したところ、キャリアガスをH2ガスとした実施例4〜6と同程度のエッチング速度が得られることがわかった。
(実施例7)
実施例6のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてH2ガスを用いて、HClガス分圧6.078hPa(0.006atm)、反応室内温度1000℃で15時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約50μm/hrと見積もることができた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、図2を参照して、結晶成長部における石英反応管101の内壁への堆積物9の付着を防止するため、石英反応管101と下地基板10との間に保護部材117としてpBN製の保護筒を挿入した。反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を1000℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において結晶成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ4.7×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.5×1017cm-3であった。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。
(実施例8)
実施例7のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてH2ガスを用いて、HClガス分圧12.156hPa(0.012atm)、反応室内温度1000℃で10時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約100μm/hrと見積もることができた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、図2を参照して、結晶成長部における石英反応管101の内壁への堆積物9の付着を防止するため、石英反応管101と下地基板10との間に保護部材117としてカーボン製の保護筒を挿入した。反応室110内のIII族元素原料ガス120および原料導入部の温度を1000℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において結晶成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ4.1×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および6.4×1017cm-3であった。また、同測定方法でC原子濃度分析をした結果、2×1017cm-3と比較例1よりも多く含まれており、カーボン製の保護筒から発生したC原子が結晶中に含まれているものと考えられる。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。
(実施例9)
実施例8のGaN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、GaNの多結晶で形成されている厚さ0.3〜0.7mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した反応室110内を、キャリアガスとしてH2ガスを用いて、HClガス分圧202.6hPa(0.2atm)、反応室内温度1000℃で5時間気相エッチングすることにより洗浄したところ、堆積物9は全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約600μm/hrと見積もることができた。
その後、反応室110内に下地基板10として(0001)サファイア基板をセットした後、図2を参照して、結晶成長部における石英反応管101の内壁への堆積物9の付着を防止するため、石英反応管101と下地基板10との間に保護部材117としてSiC製の保護筒を挿入した。反応室110内のIII族元素原料ガス120および原料導入部の温度を1000℃、結晶成長部の温度を1030℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)20.26hPa(0.02atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、厚さが約1.7mmで、比較例1および比較例2において成長させたGaN結晶より淡い茶色透明であり、その表面に凹凸が見られた。また、比較例と同様にGaN結晶の外周部には多結晶GaNが付着していた。比較例と同様の加工ならびに測定を実施した結果、このGaN結晶にはファセット成長領域とC面成長領域とが含まれ、ファセット成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ4.1×1018cm-3および1.0×1017cm-3未満であり、C面成長領域のO原子濃度およびSi原子濃度はそれぞれ1.0×1017cm-3未満および7.1×1017cm-3であった。本実施例のC面成長領域のSi原子濃度が実施例8に比べて高いのは、保護部材117として使用したSiCから発生したSi原子がGaN結晶に取り込まれたためと考えられる。また、成長後、加工後においてクラックは観察できなかった。
実施例7〜9の結果から、反応室110内の結晶成長部付近の高い温度領域に保護部材117を配置することで、酸素濃度の低いGaN結晶が得られることがわかった。これは石英反応管101の結晶成長部における石英(SiO2)が分解しても、GaN結晶成長部とSiO2分解領域が保護部材117で分断されているため、酸素を含んだガスが結晶成長部へとは行かず、ガス排出管115から外部へ排出されるため結晶への不純物である酸素原子の混入が減少するためと考えられる。また、実施例7〜9と同条件で、WC、TaCなどの保護筒を用いて成長を実施したが、実施例7〜9と同程度の効果が得られた。
(比較例3)
図2に示すIII族窒化物結晶の製造装置200を用いてGaN結晶を成長させた。まず、反応室110となる新品の石英反応管101を製造装置200にセットした後、この石英反応管101内に付着した水分などの不純物を除去するため、反応室110内にN2ガスを流しながら1050℃で50時間の空焼きを行なった。
その後、反応室110内に、下地基板10として直径50.8mmの(0001)サファイア基板をセットした後、保護部材117として石英反応管101と下地基板10との間にpBN製の保護筒を挿入した。反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120および原料導入部の温度を1000℃、結晶成長部の温度を1100℃として、AlCl3ガス分圧5.065hPa(0.005atm)、NH3ガス分圧506.5hPa(0.5atm)で10時間、下地基板10上にAlN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。ただし、本比較例においては、比較例1,2および実施例1〜9の場合とは異なり、III族元素原料ガス生成室120のIII族元素ボート121にIII族元素2を配置することなく、固体のAlCl3を反応室110の外部で昇華させて得られたAlCl3ガスを、HClガス導入管122、III族元素原料ガス生成室120およびIII族元素原料ガス導入管123を通じて、反応室110内に導入した。
得られたAlN結晶は、厚さが約0.9mmで、茶色透明であり、その表面は凹凸がなく平坦であり、その外周部は多結晶AlNで覆われていた。このAlN結晶の表面は、XRD(X線回折)により測定したところ、(0001)面であった。すなわち、このAlN結晶は、C面で成長した領域(C面成長領域)で形成されていた。
得られたAlN結晶について、その外周を覆う多結晶AlNを除去するために、外周研削を実施したところ、外周から内側に向かって無数のクラックが発生し、SIMSによる分析が困難となった。ここで、外周研削は、砥石としてダイヤモンドカップホイールを用い、テーブル送り速度が0.5〜1.0mm/min、ワーク回転数が10±2rpm、結晶クランプ圧が490kPa(5kg/cm2)の条件で実施した。
そこで、本比較例の条件で、再度AlN結晶を約0.9mmの厚さに成長させた。得られたAlN結晶を、今度は円筒状に研削刃がついた円筒研削装置を用いて、直径45mmの単結晶部分とその外周部の多結晶AlN部分とに分離したところ、クラックの発生はなくなった。ここで、円筒研削は、ドリルとしてダイヤモンド電着ドリルを用い、水溶性のクーラントを用い、ワックスにより結晶をホルダーに固定し、砥石の回転数が5000〜8000rpm、加工速度が0.5〜30mm/minの条件で実施した。次に、このAlN結晶の表面を研削ならびに研磨して平滑にした。その際、このAlN結晶に長さが数十から数百ミクロンの微細なクラックが発生した。クラックが発生していない領域を選んでAlN結晶中の不純物濃度をSIMSによって測定した。このAlN結晶の不純物として、H原子、C原子、Si原子およびO原子が観察された。ここで、、H原子およびC原子の濃度はいずれも1.0×1017cm-3未満であった。また、O原子濃度は、6.2×1019cm-3であり、Si原子濃度は3.0×1017cm-3であった。
先に成長させたAlN結晶に外周研削を実施するとクラックが入った理由は、結晶中の不純物が多く、結晶が脆くなっていた上に、研削中に剥がれ落ちた多結晶AlNがAlN結晶と研削砥石の間に挟みこまれ、局所的に負荷がかかったためと考えられる。一方、後に成長させたAlN結晶に実施した円筒研削では、多結晶部を研削しないため、局所的は負荷は発生せず、クラックのない結晶が得られたと考えられる。
上記のAlN結晶成長後の反応室110内を観察すると、結晶成長部および原料導入部にAlNの多結晶で形成されている堆積物9が、0.1〜0.5mm程度の厚さで付着していた。そこで、堆積物9が付着した石英反応管101を製造装置から取り出して、モル比1:1の燐酸と硫酸との混合溶液(液温180℃)中に浸漬して、24時間エッチングすることにより石英反応管101内に付着していた堆積物9を除去した(液相エッチングによる洗浄)。
その後、上記と同じ条件でAlN結晶を約0.9mmの厚さに成長させた。得られたAlN結晶は、外周部に多結晶AlNが付着しており、微細なクラックが入っているのが観察された。そこで、それらのクラックの進展を抑制するため、外周部に多結晶AlNをつけたまま、10mm×10mm角に評価用のAlN結晶サンプルを切り出した。そして、このサンプルについて、研削および研磨した後、クラックのない箇所を選んで、SIMS分析した。このAlN結晶サンプル中のO原子濃度は8.5×1019cm-3であり、Si原子濃度は3.0×1017cm-3であった。
(実施例10)
比較例3と同様にして、反応室110となる新品の石英反応管101を製造装置200にセットした後、この石英反応管101の空焼きを行なった。石英反応管の空焼き後、比較例3と同様にして、AlN結晶を成長させた。このAlN結晶の不純物として、H原子、C原子、Si原子およびO原子が観察された。ここで、H原子およびC原子の濃度はいずれも1.0×1017cm-3未満であった。また、O原子濃度は6.2×1019cm-3であり、Si原子濃度は3.0×1017cm-3であった。
AlN結晶成長後の反応室110を観察したところ、結晶成長部および原料導入部にAlNの多結晶で形成されている堆積物9が、0.1〜0.5mm程度の厚さで付着していた。
この堆積物9が付着した反応室110内に、HClガス導入管111を介してHClガス1およびH2ガス(キャリアガス)を導入して、反応室内温度1000℃で5時間エッチングすることにより、反応室110内を洗浄した(気相エッチングによる洗浄)。ここで、HClガス1の分圧は50.65hPa(0.05atm)とした。その結果、反応室110内の堆積物9は気相エッチングにより全て除去された。また、別の気相エッチング実験から、本条件における堆積物9のエッチング速度は約340μm/hrと見積もることができた。
その後、比較例3と同様に、反応室110内に(0001)サファイア基板(下地基板10)およびpBN製の保護筒(保護部材117)を配置した後、比較例3と同じ条件でAlN結晶を成長させた。得られたAlN結晶は、比較例3において成長させた2つのAlN結晶に比べて、透明度が高く、クラックも見られなかった。このAlN結晶について、外周研削を実施したところ、外周から内側に向かって数本のクラックが発生し、大きなサイズの結晶が得られなかった。ここで、外周研削は、砥石としてダイヤモンドカップホイールを用い、テーブル送り速度が0.5〜1.0mm/min、ワーク回転数が10±2rpm、結晶クランプ圧が490kPa(5kg/cm2)の条件で実施した。
そこで、本実施例(すなわち、比較例3)の条件で、再度AlN結晶を約0.9mmの厚さに成長させた。得られたAlN結晶を、今度は円筒状に研削刃がついた円筒研削装置を用いて、直径45mmの単結晶部分とその外周部の多結晶AlN部分とに分離したところ、クラックの発生はなくなった。ここで、円筒研削は、ドリルとしてダイヤモンド電着ドリルを用い、水溶性のクーラントを用い、ワックスにより結晶をホルダーに固定し、砥石の回転数が5000〜8000rpm、加工速度が0.5〜30mm/minの条件で実施した。次に、単結晶部分の表面を研削および研磨して平滑にしたところ、クラックのない直径45mmのAlN結晶を得ることができた。なお、今回は、下地基板として直径50.8mmの(0001)サファイア基板を用いて成長し、円筒研削したため、直径が50.8mmより小さい(すなわち、直径45mmの)AlN結晶が得られたが、直径50.8mmよりも大きい直径(たとえば、直径76.2mmなど)の下地基板を用いることにより、円筒研削した後の直径が50.8mm以上のAlN基板を得られることは言うまでもない。
次に、上記の円筒研削、表面研削および研磨加工後のAlN結晶中の不純物濃度をSIMSによって測定した。このAlN結晶は、不純物として、H原子、C原子、O原子およびSi原子が観測され、H原子およびC原子はいずれも1.0×1017cm-3未満であり、O原子濃度は6.3×1018cm-3であり、Si原子濃度は1.0×1017cm-3であり、比較例3に比べて不純物濃度が低くなった。
(実施例11)
実施例10のAlN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、保護筒の内壁および原料導入部にはAlNの多結晶で形成されている厚さ0.1〜0.5mm程度の堆積物9が付着していた。この堆積物9が付着した石英反応管101を実施例10と同様にして気相エッチングにより洗浄した。
次に、実施例10と同様に、反応室110内に(0001)サファイア基板(下地基板10)およびpBN製の保護筒(保護部材117)を配置した。その後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室120の温度を1000℃、原料導入部の温度を700℃、結晶成長部の温度を1100℃として、AlCl3ガス分圧50.65hPa(0.05atm)、NH3ガス分圧506.5hPa(0.5atm)で10時間、下地基板10上にAlN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたAlN結晶のO原子濃度は5.8×1018cm-3であり、Si原子濃度は1.0×1017cm-3未満であった。また、このAlN結晶は、外周研削、表面研削および研磨加工後においても、クラックは観察できなかった。さらに、AlN結晶成長後の反応室110内を観察したところ、石英反応管101の内壁には実施例10と同様に、AlNの多結晶で形成される厚さ0.1〜0.5mm程度の堆積物が付着していたが、III族元素原料ガス導入管123および窒素原料ガス導入管113の端部に付着していたAlNの多結晶で形成される堆積物の厚さは0.1mm以下と薄いことが確認できた。III族元素原料ガス導入管123および窒素原料ガス導入管113の端部、すなわち原料同士が合流する部分の温度を下げることで多結晶AlNが成長しにくくなっているものと考えられる。
(実施例12)
図1に示す本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置100を用いてGaN結晶を成長させた。なお、この製造装置100には、塩化アンモニウムをトラップする装置(トラップ装置116)はつけずに成長を行なった。まず、反応室110となる新品の石英反応管を製造装置100にセットした後、この石英反応管101内に付着した水分などの不純物を除去するため、反応室110内にN2ガスを流しながら反応室内温度1050℃で50時間の空焼きを行なった。その後、反応室110内に下地基板10として直径50.8mmの(0001)サファイア基板をセットした後、反応室110内のIII族元素原料ガス生成室および原料導入部の温度を1000℃、結晶成長部の温度を1100℃として、HClガス分圧(GaClガス分圧)5.065hPa(0.005atm)、NH3ガス分圧303.9hPa(0.3atm)で15時間、下地基板10上にGaN結晶(III族窒化物結晶11)を成長させた。
得られたGaN結晶は、表面が平坦で、外周部には多結晶GaNが付着していた。このGaN結晶の表面は、XRD(X線回折)により測定したところ、(0001)面であった。すなわち、このGaN結晶は、C面で成長した領域(C面成長領域)で形成されていた。また、このGaN結晶の厚さは2.6mmであり、クラックは観察されなかった。このGaN結晶を外周研削機で研削することにより、直径50mmの円盤状のGaN結晶が得られた。その後、このGaN結晶について、表面の研削および研磨を実施し、SIMS分析を行なった。このGaN結晶のO原子濃度は1.0×1017cm-3未満であり、Si原子濃度6.8×1017cm-3であった。また、このGaN結晶のキャリア濃度は、ホール測定装置で測定したところ、6.6×1017cm-3と、Si原子濃度とほぼ一致していた。
(実施例13)
ここで、GaN結晶基板をLED(発光ダイオード)、LD(レーザダイオード)などの導電性基板として使用する場合、GaN結晶基板のキャリア濃度は0.8×1018cm-3以上が必要であり、好ましくは1.0×1018cm-3以上である。そこで、石英反応管101から発生するSi原子に加えて、SiH4ガスを用いてキャリア濃度が1.0×1018cm-3になるように、SiH4ガス分圧を4.559×10-3Pa(4.5×10-8atm)としてSi原子のドーピングを行ったこと以外は実施例12と同様にしてGaN結晶を成長させた。その結果、キャリア濃度が1.2×1018cm-3とほぼ設計通りのGaN結晶を得ることができた。
(実施例14)
実施例13の結晶成長条件で延べ550時間GaN結晶を成長させると、分圧4.559×10-3Pa(4.5×10-8atm)のSiH4ガスでSi原子をGaN結晶にドーピングしているにもかかわらず、キャリア濃度が0.8×1018cm-3を下回り始めた。そこで、SiH4ガスを止めて、実施例12と同様の条件でGaN結晶を成長させた。得られた結晶を円筒研削機で研削し、直径48mmの円盤状のGaN結晶を得た。この円盤状のGaN結晶の両主面を研削および研磨した後、顕微鏡観察したが、クラックは存在していなかった。GaN結晶のSi原子濃度は、SIMS分析したところ、1.3×1017cm-3まで低減していた。そこで、結晶のキャリア濃度が1.0×1018cm-3となるようにSiH4ガス分圧を1.013×10-2Pa(1.0×10-7atm)としてSiをドーピングしたこと以外は実施例12と同様にしてGaN結晶を成長させた。その結果、キャリア濃度が1.2×1018cm-3とほぼ設計通りのGaN結晶を得ることができた。
(実施例15)
実施例14の結晶成長条件でさらに延べ550時間GaN結晶を成長させると、分圧1.013×10-2Pa(1.0×10-7atm)のSiH4ガスでSi原子をGaN結晶にドーピングしているにもかかわらず、キャリア濃度が0.8×1018cm-3を下回り始めた。そこで、SiH4ガスを止めて、実施例12と同様の条件でGaN結晶を成長させた。得られた結晶を実施例14と同様に、円筒研削、両面の研削および研磨した後、SIMS分析したところ、GaN結晶のSi原子濃度は、0.9×1017cm-3まで低減していた。そこで、結晶のキャリア濃度が1.0×1018cm-3となるようにSiH4ガス分圧を1.216×10-3Pa(1.2×10-8atm)としてSiをドーピングしたこと以外は実施例12と同様にしてGaN結晶を成長させた。その結果、キャリア濃度が1.2×1018cm-3とほぼ設計通りのGaN結晶を得ることができた。
実施例13〜15から、GaN結晶にSi原子をドーピングする場合には石英反応管101の使用時間とともに、ドーピングガスの濃度を変更する必要があることがわかる。なお、実施例13〜15においてはドーピングガスとしてSiH4ガスを用いた例を示したが、結晶中のSi濃度が石英反応管の使用時間とともに変化する原因は、ドーピングガス量の変化ではなく、石英反応管101から発生するSi系のガス量の変化にあるため、ドーピングガスとしてSiH2Cl2ガス、SiCl4ガスなどを用いても全く同じ結果が得られる。
また、実施例1〜9のGaN結晶のファセット成長領域のO原子濃度のコントロールに関して、たとえば、実施例9の結晶成長条件でGaN結晶の成長を続けた場合、石英反応管101の使用時間とともにGaN結晶のO原子濃度が低減していくことが確認された。また、実施例4〜6に示すように、原料導入部の温度を高くすることによりO原子濃度を高くできることが確認された。また、水蒸気(H2Oガス)またはO2ガスをドーパントガスとして使用できることも確認された。
実施例1〜15においては、下地基板にサファイア基板を用いた例を示したが、(111)GaAs基板(結晶成長面が(111)面であるGaAs基板をいう)、(0001)SiC基板(結晶成長面が(0001)面であるSiC基板をいう)、LiAlGaO基板、GaN基板を用いても全く同じ効果が得られることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 HClガス、2 III族元素、3 III族元素原料ガス、4 窒素原料ガス、5 排ガス、9 堆積物、10 下地基板、11 III族窒化物結晶、100,200,300,400 製造装置、101 反応管、110 反応室、111,122 HClガス導入管、113 窒素原料ガス導入管、115 ガス排出管、115a 入口部、115b 出口部、116 トラップ装置、116f フィルター、117 保護部材、119 基板ホルダ、120 III族元素原料ガス生成室、121 III族元素ボート、123 III族元素原料ガス導入管、131,132,133 ヒータ。

Claims (8)

  1. 反応室にHClガスを導入して前記反応室内を洗浄する工程と、洗浄された前記反応室内でO原子およびSi原子がドーピングされたIII族窒化物結晶を気相成長させる工程と、を含み、
    前記III族窒化物結晶は、ファセットで成長した領域とC面で成長した領域とを含み、前記ファセットで成長した領域におけるO原子濃度が1.2×1019cm-3以下であるIII族窒化物結晶の製造方法。
  2. 前記III族窒化物結晶を気相成長させる工程において、下地基板としてサファイア基板が用いられる請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  3. 前記III族窒化物結晶を気相成長させる工程において、下地基板として(111)GaAs基板、(0001)SiC基板およびLiAlGaO基板のいずれかひとつが用いられる請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  4. 前記III族窒化物結晶を気相成長させる工程において、下地基板としてGaN基板が用いられる請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  5. 前記III族窒化物結晶のキャリア濃度が所定の値になるようにSiドーピングガスの量を制御しながら前記III族窒化物結晶を成長させる請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  6. 前記Siドーピングガスは、SiH4ガス、SiH2Cl2ガス、およびSiCl4ガスのいずれかひとつである請求項5に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  7. 前記反応室内の原料導入部の温度を650℃以上1200℃以下の範囲で調節することにより、III族窒化物結晶中のO原子濃度およびSi原子濃度を調節する請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  8. 前記反応室にはトラップ装置が取り付けられ、前記反応室内を洗浄する工程および前記III族窒化物結晶を気相成長させる工程の少なくともいずれかの工程において、副生成物として生成した塩化アンモニウム粉末を前記トラップ装置内にトラップする請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
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