JPH11354458A - p型III−V族窒化物半導体およびその製造方法 - Google Patents

p型III−V族窒化物半導体およびその製造方法

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JPH11354458A
JPH11354458A JP16312098A JP16312098A JPH11354458A JP H11354458 A JPH11354458 A JP H11354458A JP 16312098 A JP16312098 A JP 16312098A JP 16312098 A JP16312098 A JP 16312098A JP H11354458 A JPH11354458 A JP H11354458A
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iii
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group iii
hydrogen
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JP16312098A
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Masaaki Yuri
正昭 油利
Osamu Kondo
修 今藤
Masahiro Ishida
昌宏 石田
Shinji Nakamura
真嗣 中村
Kenji Orita
賢児 折田
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Matsushita Electronics Corp
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    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
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    • H01L33/30Materials of the light emitting region containing only elements of Group III and Group V of the Periodic Table
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Mg添加III-V族窒化物半導体結晶中の水素
を排除し低抵抗のp型III-V族窒化物半導体を得る。 【解決手段】 GaN基板1の上にアンドープGaN層
2、Mg添加のGaN層3、Pd薄膜5を順次形成した
後、GaN基板1を加熱処理炉に投入し、加熱温度を5
00℃以下にして、窒素ガス雰囲気中で30分加熱処理
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青色発光ダイオー
ド、青色半導体レーザ等のIII-V族窒化物半導体素子に
必要なp型III-V族窒化物半導体およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウ
ム(InN)、窒化アルミニウム(AlN)に代表され
るIII-V族窒化物半導体は、1.9eVから6.2eV
までにわたる広範なバンドギャップエネルギーを有し、
可視域から紫外域までをカバーする発光および受光デバ
イス用の半導体材料として有望である。また、III-V族
窒化物半導体は、高い電子飽和速度と優れた熱伝導度を
有することから、高速トランジスタ用の半導体材料とし
ても注目されている。
【0003】III-V族窒化物半導体のpn接合またはp
in接合を用いた半導体レーザや受光素子、ヘテロバイ
ポーラトランジスタ等を作製する場合、発熱や電力損失
を低減するために低抵抗のp型III-V族窒化物半導体層
とそれに対する低抵抗のオーミック電極を形成すること
が重要である。III-V族窒化物半導体に関するp型の不
純物としてマグネシウムが知られている。マグネシウム
添加のIII-V族窒化物半導体は主として有機金属気相成
長法(以下MOCVD法という)により形成され、マグ
ネシウム原料としてシクロペンタジエニルマグネシウム
(以下Cp2Mgという)等が用いられている。
【0004】MOCVD法によりマグネシウムを添加し
て成長した直後のIII-V族窒化物半導体には、結晶成長
中の原料ガスおよびキャリアガスの分解により生成され
る水素原子がマグネシウム原子と同程度の密度で取り込
まれ、この水素原子がマグネシウムの一結合手を終端し
アクセプタとしての機能を不活性化することが知られて
いる。その結果、成長直後のマグネシウム添加のIII-V
族窒化物半導体はp型の導電型を示さず、高抵抗とな
る。そこで従来より、p型III-V族窒化物半導体および
その製造方法として、図5に示すような工程が知られて
いる。
【0005】まずMOCVD法により、GaN基板1上
にアンドープGaN層2およびMg添加のGaN層3を
順次形成する(図5(a))。次に、GaN基板1を加
熱処理炉に投入し、窒素ガス雰囲気中で加熱処理する
(図5(b))。ここで、図中の矢印は加熱処理を行う
ことを表す。しかる後、Mg添加GaN層3の上にNi
等の金属薄膜4を形成し、p型III-V族窒化物半導体を
完成させる(図5(c))。
【0006】この工程に関して、以下のことが知られて
いる。特開平5−183189号公報には、Mg添加の
GaN層3を窒素等の不活性ガス中で400℃以上に加
熱処理することにより低抵抗化が可能であることが記載
されている。
【0007】また、Journal of Elect
rochemical Society(ジャーナル・
オブ・エレクトロケミカル・ソサエティ)vol.14
2、No.9、p.163−165(1995)によれ
ば、約700℃、60分の加熱処理をする前後の、Ga
N層3を二次イオン質量分析法(以下SIMSという)
により水素原子の濃度を定量分析した結果、GaN層3
中の水素原子の濃度が、加熱処理前には約5×1018
-3であったものが加熱処理後には1〜5×1017cm
-3にまで低減され、その結果としてホール濃度が約5×
1018cm-3、抵抗率が0.5Ωcmのp型GaN層を
得たと報告されている。
【0008】さらに、Japanese Journa
l of Applied Physics(ジャパニ
ーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス)
vol.28、p.2112(1989)によれば、G
aN層3を高真空下に保持し、低速電子線ビームを照射
し局所的に熱エネルギーを与えることにより照射部分に
含有されていた水素原子を結晶外に排除し、これにより
低抵抗のp型GaNを得たと報告されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のp型III-V族窒化物半導体およびその製造方法に関
しては、以下に示すような問題があった。
【0010】GaN層3を加熱処理する方法またはGa
N層3を高真空下に保持し、低速電子線ビームを照射す
る方法は、結晶成長工程と電極形成工程の間に、加熱処
理または電子ビーム照射のための新たな工程およびその
ための設備を必要とするので、III-V族窒化物半導体素
子を製造する際の製造歩留まり率が低下し、かつ経済的
でなかった。
【0011】また、GaN層3を加熱処理する方法につ
いて、抵抗率が十分に小さいp型GaN層を安定して得
るためには通常600℃〜900℃程度の高温を必要と
する。そのため、Mgを添加したp型GaN層を含むII
I-V族窒化物半導体素子を作成した場合、III-V族窒化物
半導体層の結晶劣化や半導体層の界面の急峻性の劣化ま
たはMgの拡散等の問題が生じ、良好な素子特性を得る
ことができなかった。
【0012】さらに、GaN層3を加熱処理する方法に
ついて、600℃〜900℃程度の高温加熱を行うの
で、GaN結晶の表面からの窒素の脱離が生じやすくな
り、GaN層3の表面に結晶性の悪い変性層を形成して
いた。そのため、良好な結晶性を有するp型GaN層を
得ることができなかった。
【0013】また、GaN層3を高真空下に保持し、低
速電子線ビームを照射する方法について、GaN層3の
表面から深部へ向かうにつれて水素を排除する効果が弱
くなる。そのため、GaN層3全体を低抵抗化すること
が困難であった。
【0014】さらにGaN層3を高真空下に保持し、低
速電子線ビームを照射する方法について、電子線ビーム
を照射するのに電子ビーム走査によって行うため、Ga
N層3の表面の大面積にわたる低抵抗化が困難であっ
た。
【0015】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
であり、結晶成長工程と電極形成工程の間に加熱処理ま
たは電子ビーム照射のための新たな工程を含まず、比較
的低温でIII-V族窒化物半導体結晶中の水素を効果的に
排除し低抵抗のp型III-V族窒化物半導体およびその製
造方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、マグネシウム
を含むIII-V族窒化物半導体の上に形成される導電性物
質のうち、水素吸着作用および水素透過作用を有するも
のに発明者自らが着目し、実験を重ねた結果、マグネシ
ウムを含むIII-V族窒化物半導体の上にパラジウム等の
水素を吸着する導電性物質を形成すれば、マグネシウム
を含むIII-V族窒化物半導体を、水素を含まない雰囲気
中で500℃以下の低温にて加熱することにより低抵抗
のp型III-V族窒化物半導体を得ることができ、かつ導
電性物質とp型III-V族窒化物半導体との間で良好なオ
ーミック接触を得ることができたという結果に基づいて
なされたものである。
【0017】本発明のp型III-V族窒化物半導体は、基
板と、前記基板の上に形成されたp型の導電性を有する
III-V族窒化物半導体と、前記III-V族窒化物半導体の上
に形成された、水素を吸着する導電性物質よりなる薄膜
とを有し、前記III-V族窒化物半導体はマグネシウムを
含み、前記薄膜と前記III-V族窒化物半導体との間でオ
ーミック特性を有するものである。
【0018】この構成により、水素を吸着する導電性物
質が水素を吸収するので、マグネシウムを含むIII-V族
窒化物半導体中に存在する水素原子を排除することがで
きる。
【0019】本発明のp型III-V族窒化物半導体の製造
方法は、基板の上に、マグネシウムを含むIII-V族窒化
物半導体層を有機金属気相エピタキシャル成長法により
結晶成長し、前記III-V族窒化物半導体層の上に水素を
吸着する導電性物質よりなる薄膜を形成した後、水素を
含まない雰囲気中で前記基板を加熱するものである。
【0020】この構成により、薄膜を形成した後に加熱
を行うので、金属薄膜蒸着前の加熱処理または電子ビー
ム照射のための新たな工程およびそのための設備を必要
としない。
【0021】また、この構成により、マグネシウムを含
むIII-V族窒化物半導体層の上に水素を吸着する導電性
物質よりなる薄膜を蒸着しているので、マグネシウムを
含むIII-V族窒化物半導体層の表面から深部まで、かつ
表面の大面積にわたって水素を一様に排除することがで
きる。
【0022】本発明のp型III-V族窒化物半導体の製造
方法は、基板の上に、マグネシウムを含むIII-V族窒化
物半導体層を有機金属気相エピタキシャル成長法により
結晶成長し、前記マグネシウムを含むIII-V族窒化物半
導体層の上に水素を吸着する導電性物質よりなる薄膜を
形成した後、水素を含まない雰囲気中で前記基板を加熱
し、前記基板を加熱する時の温度が200℃以上500
℃以下であるものである。
【0023】この構成により、加熱処理の温度が500
℃以下であるので、III-V族窒化物半導体層の界面の急
峻性が良好に保たれ、かつマグネシウムの拡散を防止す
ることができる。
【0024】また、この構成により、加熱処理の温度が
500℃以下であるので、III-V族窒化物半導体層の表
面からの窒素の脱離を防止することができ、III-V族窒
化物半導体層の表面に結晶性の悪い変性層が形成される
のを防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0026】本発明の一実施の形態におけるp型III-V
族窒化物半導体は、図1に示すようにGaN基板1の上
に層厚が0.5μmのアンドープGaN層2、層厚が2
μmのMg添加のGaN層3および層厚が1.0μmの
Pd薄膜5が順次形成されている。GaN層3のMg添
加量は、5×1019cm3である。
【0027】この構成によれば、Pdが水素を吸収する
ので、GaN層3中に存在する水素原子を排除すること
ができる。その結果、GaN層3の表面の大面積にわた
って低抵抗化することができる。
【0028】このp型III-V族窒化物半導体の製造方法
について、次に説明する。まず、常圧のMOCVD装置
内において、流量が5slmのアンモニア(NH 3)と
流量が10slmの水素との混合ガスの雰囲気中でGa
N基板1を1000℃、5分間加熱し、GaN基板1の
表面のクリーニングを行う。次に流量が30sccmの
トリメチルガリウム(以下TMGaという)を供給し、
層厚0.5μmのアンドープGaN層2を形成する。引
き続き、流量が40sccmのCp 2Mgを供給して、
Mgを添加した、層厚2.0μmのGaN層3を形成す
る。その後、TMGa、Cp2Mgの供給を停止して、
GaN基板1の温度を室温まで下げ、GaN基板1をM
OCVD装置から取り出す。次に、GaN基板1を電子
ビーム蒸着装置内に投入し、GaN層3の上にPd薄膜
5を約1.0μm、電子ビーム蒸着により形成する(図
1(a))。しかる後、GaN基板1を加熱処理炉に投
入し、流量が8slmかつ1気圧の窒素ガス雰囲気中で
30分加熱処理する(図1(b))。加熱温度は500
℃以下である。その後、GaN基板1を加熱処理炉から
取り出してp型III-V族窒化物半導体を完成させる(図
1(c))。
【0029】この構成によれば、Pd薄膜5を形成した
後に加熱を行うので、金属薄膜蒸着前の加熱処理または
電子ビーム照射のための新たな工程およびそのための設
備を必要とせず、III-V族窒化物半導体を製造する際の
製造歩留まり率が従来よりも向上する。また、GaN層
3の上にPd薄膜5を蒸着しているので、GaN層3の
表面から深部まで、かつ表面の大面積にわたって水素を
一様に排除することができる。その結果、低抵抗のp型
GaN層を従来よりも広い面積にわたって得ることがで
きる。さらに、加熱処理の温度が500℃以下であるの
で、アンドープGaN層2とGaN層3との間の界面の
急峻性が良好に保たれ、かつGaN層3からアンドープ
GaN層2へのMg不純物の拡散を防止することができ
る。その結果、従来よりも良好な導電性を有するp型G
aN層を得ることができる。しかも、加熱処理の温度が
500℃以下であるので、GaN層3の表面から窒素の
脱離が生じることがなく、GaN層3の表面に結晶性の
悪い変性層が形成されることがない。その結果、良好な
結晶性を有するp型GaN層を得ることが可能になる。
【0030】次に、本発明の一実施の形態におけるp型
III-V族窒化物半導体(以下本発明の半導体という)と
従来のp型III-V族窒化物半導体(以下従来の半導体と
いう)との抵抗率と加熱温度との関係について、比較し
て説明する。
【0031】本発明の半導体および従来の半導体に関す
る抵抗率の測定は、それぞれの半導体の周辺部4個所に
Inにより電極を形成し、ファンデルポール法により行
った。なお、本発明の半導体においてはPd薄膜5を塩
酸溶液中で完全に除去した。
【0032】本発明の半導体および従来の半導体に関す
る抵抗率と加熱温度との関係は、図2に示すようになっ
た。図2において、曲線Aは本発明の半導体、曲線Bは
従来の半導体をそれぞれ表す。
【0033】従来の半導体の抵抗率は、加熱温度が10
0℃から500℃までの範囲について105Ωcm以上
の値を示し、加熱処理によるp型化、低抵抗化は一切観
測されなかった。一方、本発明の半導体の抵抗率は、加
熱温度が150℃を超えるあたりから抵抗率の急激な減
少が見られ、加熱温度が約200℃以上になると2〜3
Ωcmの低抵抗となり、p型の導電型が認められた。
【0034】本発明の半導体および従来の半導体の電流
電圧特性について、次に説明する。
【0035】まず、本発明の半導体において、Pd薄膜
5を塩酸溶液中で完全に除去する。次に、この半導体に
おいて、フォトリソグラフィ法により、図3に示すよう
に幅500μm、長さ100μmの5つのPd薄膜6を
長さ方向に順に50μm、100μm、200μmおよ
び400μm間隔で残すように配置し、トランスミッシ
ョンライン法により電極抵抗を測定し、電流電圧特性を
評価した。なお、本発明の半導体において、加熱処理の
温度は350℃である。
【0036】従来の半導体についても全く同様に、図3
に示すようなPd薄膜6を配置する。
【0037】本発明の半導体および従来の半導体の電流
電圧特性は、図4に示すようになった。図4において、
直線Cは本発明の半導体、曲線Dは従来の半導体の電流
電圧特性のグラフをそれぞれ示す。
【0038】その結果、従来の半導体はオーミック特性
を示さず高抵抗のままであった。一方、本発明の半導体
は電極比抵抗が10-3Ωcm2の非常に良好なオーミッ
ク電極を形成していることが認められた。
【0039】なお、上記実施の形態において、以下に示
す置き換えを行っても同様の効果が得られる。
【0040】Pd薄膜5の代わりに他の水素を吸着する
導電性物質からなる薄膜を用いてもよい。
【0041】GaN層3の代わりにMg添加(Aly
1-y1-zInzN(0≦y≦1、0≦z<1)を用い
てもよい。
【0042】Pd薄膜5の膜厚を非常に大きくすると、
はがれ等の問題が生じるため、約5μm以下にすること
が望ましい。
【0043】加熱処理中の加熱処理炉内を流れるガスと
して、アルゴンやヘリウム、またはそれらの混合ガスの
ように水素を含まないガスであればよい。
【0044】加熱処理中の加熱処理炉内を流れるガスと
して、酸素を含むガスを用いてもよい。酸素を含むガス
を用いた場合、GaN層3よりPd薄膜5を透過する水
素原子が酸素と活発に反応するため、GaN層3から水
素原子を効果的に排除することができる。
【0045】加熱処理を高真空中で行ってもよい。その
場合、GaN層3よりPd薄膜5を透過する水素原子が
真空中に放出されるため、GaN層3から水素原子を効
果的に排除することができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水素を
吸着する導電性物質が水素を吸収するので、マグネシウ
ムを含むIII-V族窒化物半導体中に存在する水素原子を
排除することができ、その結果、マグネシウムを含むII
I-V族窒化物半導体の表面の大面積にわたって低抵抗化
することができる。また、本発明によれば、水素を吸着
する導電性物質からなる薄膜を形成した後に加熱を行う
ので、従来と異なり、金属薄膜蒸着前の加熱処理または
電子ビーム照射のための新たな工程およびそのための設
備を必要とせず、その結果III-V族窒化物半導体を製造
する際の製造歩留まり率が従来よりも向上する。さら
に、本発明によれば、マグネシウムを含むIII-V族窒化
物半導体層の上に水素を吸着する導電性物質からなる薄
膜を形成しているので、マグネシウムを含むIII-V族窒
化物半導体層の表面から深部まで、かつ表面の大面積に
わたって水素を一様に排除することができる。その結
果、低抵抗のp型III-V族窒化物半導体を従来よりも広
い面積にわたって得ることができる。しかも、本発明に
よれば、加熱処理の温度を500℃と従来に比して低く
設定できるので、III-V族窒化物半導体層の界面の急峻
性を良好に保つことができ、かつマグネシウム不純物の
拡散を防止することができる。その結果、従来よりも良
好な導電性を有するp型III-V族窒化物半導体を得るこ
とができる。
【0047】その上、本発明によれば、加熱処理の温度
が500℃以下であるので、III-V族窒化物半導体層の
表面からの窒素の脱離を防止することができ、III-V族
窒化物半導体層の表面に結晶性の悪い変性層が形成され
るのを防止することができる。その結果、良好な結晶性
を有するp型III-V族窒化物半導体を得ることが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるp型III-V族窒
化物半導体の製造工程を示す断面図
【図2】本発明のp型III-V族窒化物半導体と従来のp
型III-V族窒化物半導体との抵抗率と加熱温度との関係
を比較して示す図
【図3】本発明のp型III-V族窒化物半導体のパラジウ
ム電極の配置状態を示す断面図
【図4】本発明のp型III-V族窒化物半導体と従来のp
型III-V族窒化物半導体との電流電圧特性を比較して示
す図
【図5】従来のp型III-V族窒化物半導体の製造工程を
示す断面図
【符号の説明】
1 GaN基板 2 アンドープGaN層 3 GaN層 5、6 Pd薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 真嗣 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 折田 賢児 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板の上に形成されたp型
    の導電性を有するIII-V族窒化物半導体と、前記III-V族
    窒化物半導体の上に形成された、水素を吸着する導電性
    物質よりなる薄膜とを有し、前記III-V族窒化物半導体
    はマグネシウムを含み、前記薄膜と前記III-V族窒化物
    半導体との間でオーミック特性を有することを特徴とす
    るp型III-V族窒化物半導体。
  2. 【請求項2】 前記III-V族窒化物半導体が(AlyGa
    1-y1-zInzN(0≦y≦1、0≦z<1)よりなる
    ことを特徴とする請求項1記載のp型III-V族窒化物半
    導体。
  3. 【請求項3】 前記薄膜の膜厚が5μm以下であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のp型III-V族窒
    化物半導体。
  4. 【請求項4】 前記導電性物質がパラジウムからなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のp
    型III-V族窒化物半導体。
  5. 【請求項5】 基板の上に、マグネシウムを含むIII-V
    族窒化物半導体層を有機金属気相エピタキシャル成長法
    により結晶成長し、前記III-V族窒化物半導体層の上に
    水素を吸着する導電性物質よりなる薄膜を形成した後、
    水素を含まない雰囲気中で前記基板を加熱することを特
    徴とするp型III-V族窒化物半導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板を加熱する時の温度が200℃
    以上500℃以下であることを特徴とする請求項5記載
    のp型III-V族窒化物半導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記水素を含まない雰囲気が、窒素、ア
    ルゴン、ヘリウムまたはそれらの混合ガスの雰囲気であ
    ることを特徴とする請求項5または6記載のp型III-V
    族窒化物半導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記水素を含まない雰囲気が、酸素を含
    むガスであることを特徴とする請求項5または6記載の
    p型III-V族窒化物半導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水素を含まない雰囲気中で前記基板
    を加熱する代わりに、高真空中で前記基板を加熱するこ
    とを特徴とする請求項5または6記載のp型III-V族窒
    化物半導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記III-V族窒化物半導体が(Aly
    1-y1-zInzN(0≦y≦1、0≦z<1)よりな
    ることを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載
    のp型III-V族窒化物半導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記導電性物質よりなる薄膜の膜厚が
    5μm以下であることを特徴とする請求項5ないし10
    のいずれかに記載のp型III-V族窒化物半導体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記導電性物質がパラジウムからなる
    ことを特徴とする請求項5ないし11のいずれかに記載
    のp型III-V族窒化物半導体の製造方法。
JP16312098A 1998-06-11 1998-06-11 p型III−V族窒化物半導体およびその製造方法 Pending JPH11354458A (ja)

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