JPH11224859A - 窒化ガリウム系化合物半導体のドーピング方法および半導体素子の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体のドーピング方法および半導体素子の製造方法

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JPH11224859A
JPH11224859A JP4119398A JP4119398A JPH11224859A JP H11224859 A JPH11224859 A JP H11224859A JP 4119398 A JP4119398 A JP 4119398A JP 4119398 A JP4119398 A JP 4119398A JP H11224859 A JPH11224859 A JP H11224859A
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compound semiconductor
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thin film
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JP4119398A
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Masayuki Hata
雅幸 畑
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/22Diffusion of impurity materials, e.g. doping materials, electrode materials, into or out of a semiconductor body, or between semiconductor regions; Interactions between two or more impurities; Redistribution of impurities
    • H01L21/225Diffusion of impurity materials, e.g. doping materials, electrode materials, into or out of a semiconductor body, or between semiconductor regions; Interactions between two or more impurities; Redistribution of impurities using diffusion into or out of a solid from or into a solid phase, e.g. a doped oxide layer
    • H01L21/2258Diffusion into or out of AIIIBV compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一度に大面積かつ複数の所望の部分へのドー
ピングを可能にする、窒化ガリウム系化合物半導体のド
ーピング方法、および、一の基板を用いて窒化ガリウム
系化合物半導体を複数個製造する場合に製造工程を簡略
化することができる、半導体素子の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 サファイアからなる基板10上に、アン
ドープのAlGaNバッファ層12、アンドープのGa
Nからなる窒化ガリウム系化合物半導体層14、および
干渉層16を積層する。その後、干渉層16上の一部に
Mg薄膜18を形成し、基板10を一定時間熱処理する
ことによって、窒化ガリウム系化合物半導体層14のう
ち、Mg薄膜18が形成された部分に対応する部分にの
みMgをドーピングし、p型領域20を形成する。ま
た、この方法を用いることによって、一度に大面積かつ
所望の位置にMgをドーピングすることができるため、
窒化ガリウム系化合物半導体を含む半導体素子の製造工
程を簡略化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化ガリウム系
化合物半導体のドーピング方法、および発光ダイオード
やレーザダイオード等の、窒化ガリウム系化合物半導体
を含む半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】AlXGaYIn1-X-YN(但し、0≦X
≦1、0≦Y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半
導体は、青色発光素子を構成するものとして極めて重要
であるが、発光素子として利用する場合には、伝導性制
御が不可欠となる。
【0003】従来、n型の窒化ガリウム系化合物半導体
を形成する場合には、MOCVD法等を用いて半導体を
結晶成長させる際に、Si等をドーパントガスとして用
いる方法が一般的である。
【0004】一方、p型の窒化ガリウム系化合物半導体
を形成する場合には、MOCVD法等を用いて窒化ガリ
ウム系化合物半導体を結晶成長させる際に、シクロペン
タジエニルマグネシウム(以下、「Cp2Mg」と記
す。)等をドーパントガスとして用いることによってM
gをドーピングし、その後熱処理あるいは電子線照射す
ることによってドーパントを活性化する方法が一般的で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に発光素子やトラ
ンジスタ等の半導体素子を形成する場合には、半導体の
所望の位置のみをp型化することが重要であり、このた
めには、所望の位置にのみドーピングすれば良いが、上
記従来の方法では、窒化ガリウム系化合物半導体全体に
Mgがドーピングされるため、窒化ガリウム系化合物半
導体の所望の位置のみにドーピングすることが困難であ
る。
【0006】また、上記従来の方法を用いた場合でも、
全体にMgがドーピングされた窒化ガリウム系化合物半
導体の一部のみを電子線照射することによって、その部
分のみを活性化してp型化することも可能である。しか
し、この場合には工程の手間がかかるという問題があ
る。すなわち、一般に、半導体素子を製造する場合は、
一つの基板上に多数の半導体素子を同時に形成するが、
上記電子線照射によるp型化では、各素子ごとに電子線
照射をしなければならない。
【0007】従って、従来のドーピング方法では、一度
に大面積かつ複数の所望の部分へドーピングすることが
困難であるという問題があった。
【0008】それゆえに、この発明の主たる目的は、一
度に大面積かつ複数の所望の部分へのドーピングを可能
にする、窒化ガリウム系化合物半導体のドーピング方法
を提供することである。この発明の他の目的は、窒化ガ
リウム系化合物半導体を含む半導体素子を一の基板を用
いて複数個製造する場合に、製造工程を簡略化すること
ができる、半導体素子の製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体のド
ーピング方法は、窒化ガリウム系化合物半導体にp型ド
ーパントをドーピングする窒化ガリウム系化合物半導体
のドーピング方法であって、窒化ガリウム系化合物半導
体上に干渉層を介してp型ドーパントを含む薄膜を形成
した後に、熱処理を施すことにより窒化ガリウム系化合
物半導体中にp型ドーパントをドーピングすることを特
徴とする。
【0010】請求項2に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、請求項1に記載の窒化ガリウ
ム系化合物半導体のドーピング方法において、p型ドー
パントがMgであることを特徴とするものである。
【0011】請求項3に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、請求項1または2に記載の窒
化ガリウム系化合物半導体のドーピング方法において、
干渉層が、SiO2、TiO2、MgO、SiNまたはT
iNのいずれかであるものである。
【0012】請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、窒化ガリウム系化合物半導体
の所定部にp型ドーパントをドーピングする窒化ガリウ
ム系化合物半導体のドーピング方法であって、窒化ガリ
ウム系化合物半導体の所定部を露出せしめて所定部を除
く窒化ガリウム系化合物半導体上に障壁層を形成した後
に、p型ドーパントを含むガス雰囲気中で熱処理を施す
ことにより、窒化ガリウム系化合物半導体の所定部にp
型ドーパントをドーピングすることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項5に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、請求項4に記載の窒化ガリウ
ム系化合物半導体のドーピング方法において、p型ドー
パントを含むガスがシクロペンタジエニルマグネシウム
であることを特徴とするものである。
【0014】請求項6に記載の半導体素子の製造方法
は、一の基板を用いて窒化ガリウム系化合物半導体を含
む半導体素子を複数個製造する、半導体素子の製造方法
であって、窒化ガリウム系化合物半導体のドーピングを
すべき所定箇所に干渉層を介してp型ドーパントを含む
薄膜を形成し、次いで熱処理を施すことにより窒化ガリ
ウム系化合物半導体の所定箇所にp型ドーパントをドー
ピングする工程を備えることを特徴とするものである。
【0015】請求項7に記載の半導体素子の製造方法
は、一の基板を用いて窒化ガリウム系化合物半導体を含
む半導体素子を複数個製造する、半導体素子の製造方法
であって、窒化ガリウム系化合物半導体のドーピングを
すべき所定箇所を除いて窒化ガリウム系化合物半導体上
に障壁層を形成し、次いでp型ドーパントを含むガス雰
囲気中で熱処理を施すことにより、窒化ガリウム系化合
物半導体の所定箇所にp型ドーパントをドーピングする
工程を備えることを特徴とするものである。
【0016】請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法によれば、窒化ガリウム系化合物
半導体上に干渉層を介してp型ドーパントを含む薄膜を
形成した後に、熱処理することによって、p型ドーパン
トを含む薄膜からp型ドーパントが干渉層を介して窒化
ガリウム系化合物半導体に拡散するため、窒化ガリウム
系化合物半導体にp型ドーパントをドーピングすること
ができる。ここで、p型ドーパントを含む薄膜は、常法
に従い容易に大面積に形成できるため、容易に大面積の
窒化ガリウム系化合物半導体にp型ドーパントをドーピ
ングすることができる。
【0017】また、p型ドーパントを含む薄膜を干渉層
上の一部にのみ形成することによって、窒化ガリウム系
化合物半導体のうち、p型ドーパントを含む薄膜が形成
された部分に対応する部分にのみp型ドーパントをドー
ピングすることができる。ここで、p型ドーパントを含
む薄膜は、常法に従い、容易に干渉層の所望の位置に形
成することが可能であるため、大面積かつ複数の所望の
位置に、容易にp型ドーパントをドーピングすることが
できる。
【0018】請求項2に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、p型ドーパントとしてMgが
適していることに鑑み、Mgをp型ドーパントに用いる
ものである。
【0019】請求項3に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、干渉層として、SiO2、T
iO2、MgO、SiNまたはTiNが適していること
に鑑み、これらを干渉層に用いるものである。
【0020】請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法によれば、窒化ガリウム系化合物
半導体の所定部を露出せしめて所定部を除く窒化ガリウ
ム系化合物半導体上に障壁層を形成した後に、p型ドー
パントを含むガス雰囲気中で熱処理を施すことにより、
窒化ガリウム系化合物半導体のうち、障壁層の形成され
ていない部分にのみp型ドーパントがドーピングされ
る。ここで、障壁層は、常法に従い、容易に大面積の窒
化ガリウム系化合物半導体上の所望の位置に形成するこ
とができるため、大面積かつ複数の所望の位置に、容易
にp型ドーパントをドーピングすることができる。
【0021】請求項5に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体のドーピング方法は、p型ドーパントを含むガスと
してシクロペンタジエニルマグネシウムが適しているこ
とに鑑み、シクロペンタジエニルマグネシウムをp型ド
ーパントを含むガスとして用いるものである。
【0022】請求項6または請求項7に記載の半導体素
子の製造方法によれば、一の基板を用いて窒化ガリウム
系化合物半導体を含む半導体素子を複数個製造する場合
に、窒化ガリウム系化合物半導体の所望の位置に容易に
p型ドーパントをドーピングすることができるため、製
造工程を簡略化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0024】図1を参照して、この発明の一実施形態に
ついて説明する。この実施形態は、アンドープのGaN
単結晶へMgをドーピングする場合のものであり、干渉
層として、SiO2、TiO2、またはMgOを用いたも
のである。
【0025】まず、図1(a)に示すように、サファイ
アからなる基板10の(0001)面上に、アンドープ
のAlGaNバッファ層12、アンドープのGaNから
なる窒化ガリウム系化合物半導体層14、SiO2から
なる干渉層16を積層し、干渉層16上の一部にストラ
イプ状にMg薄膜18を形成する。
【0026】すなわち、まず、基板10を非単結晶成長
温度、例えば600℃の成長温度に保持し、キャリアガ
スとして水素ガス(H2)および窒素ガス(N2)、原料
ガスとしてアンモニア(NH3)、トリメチルガリウム
(Ga(CH33)、およびトリメチルアルミニウム
(Al(CH33)等を用いて、基板10上に、たとえ
ば膜厚11nmで非単結晶であるアンドープのAlGa
Nバッファ層12を成長させる。
【0027】次に、基板10を単結晶成長温度、例えば
1150℃の温度に保持し、キャリアガスとして水素ガ
スおよび窒素ガス、原料ガスとしてアンモニアおよびト
リメチルガリウム等を用いて、基板10上に、たとえば
膜厚3μmでアンドープのGaNからなる窒化ガリウム
系化合物半導体層14を結晶成長させる。なお、AlG
aNバッファ層12は、窒化ガリウム系化合物半導体層
14の結晶性を向上させるために挿入するものであり、
基板10上に直接窒化ガリウム系化合物半導体層14を
形成しても良い。
【0028】次に、窒化ガリウム系化合物半導体層14
上に、膜厚2nm〜150nmのSiO2、TiO2、ま
たはMgOからなる干渉層16を形成し、さらに、メタ
ルマスクを用いた抵抗加熱法等によって干渉層16上に
ストライプ状のMg薄膜18を蒸着する。ここで、干渉
層16としてSiO2を用いる場合には、SiO2は、た
とえば熱CVD法によって形成することができる。ま
た、干渉層16としてTiO2を用いる場合にはたとえ
ばEB法、MgOを用いる場合にはたとえばスパッタ法
によって、それぞれTiO2またはMgOを形成するこ
とができる。
【0029】その後、基板10を窒素雰囲気中で100
0℃まで加熱し、そのまま1000℃で30分間熱処理
を行う。
【0030】その後、基板10全体を硝酸、フッ酸で順
次洗浄することによって、図1(b)に示すように、M
g薄膜18および干渉層16を除去する。
【0031】このように処理された窒化ガリウム系化合
物半導体層14について、二次イオン質量分析法(以下
「SIMS」という。)による測定、およびホール効果
の測定を行ったところ、窒化ガリウム系化合物半導体層
14のうち、Mg薄膜18が存在していた部分に対応す
る領域aには、Mgがドーピングされているp型領域2
0が存在することがわかった。
【0032】一方、図1(b)の領域bの部分をSIM
Sで測定した結果、領域bの部分にはMgがドーピング
されていないことがわかった。このことから、干渉層1
6上に選択的にMg薄膜18を形成することによって、
窒化ガリウム系化合物半導体層14の所望の位置にMg
をドーピングしてp型とすることが可能であることがわ
かる。
【0033】従って、上記方法を用いれば、窒化ガリウ
ム半導体の所望の位置をp型化することが可能であり、
また、一度に大面積かつ複数の所望の位置をp型化する
ことが可能である。
【0034】なお、上記方法では、窒化ガリウム系化合
物半導体層14とMg薄膜18との間に干渉層16を設
けているため、Mgによる窒化ガリウム系化合物半導体
層14のシンタリングやエッチングを防止することがで
きるという効果がある。すなわち、窒化ガリウム系化合
物半導体層14上に直接Mg薄膜18を形成して熱処理
した場合には、窒化ガリウム系化合物半導体層14がシ
ンタリングやエッチングによるダメージを受けるという
問題があるが、上記実施形態に示した方法では、干渉層
16によってシンタリングやエッチングを防止しつつM
gをドーピングすることができる。
【0035】図2に、干渉層16として膜厚10nmの
SiO2を用い、Mg薄膜18の膜厚を0.2μmとし
た場合の、領域aのSIMSの測定結果を示す。図2で
は、表面からの深さが0.02μmの位置が窒化ガリウ
ム系化合物半導体層14の実際の表面に該当する。図2
に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体層14表面
で略4×1019cm-3のMgがドーピングされており、
表面から0.1μmの位置で略2×1018cm-3のMg
がドーピングされている。さらに、領域aの部分のホー
ル測定を行った結果、領域aはホール濃度が略2×10
17cm-3のp型を示すことがわかった。
【0036】図3に、干渉層16として膜厚5nmのS
iO2を用い、Mg薄膜18の膜厚を0.1μmとした
場合の、領域aのSIMSの測定結果を示す。図3でも
図2と同様に、表面からの深さが0.02μmの位置が
窒化ガリウム系化合物半導体層14の実際の表面に該当
する。図3に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体
層14表面で略9×1019cm-3のMgがドーピングさ
れており、表面から0.1μmの位置で略4×1018
-3のMgがドーピングされている。
【0037】図4に、干渉層16として膜厚10nmの
MgOを用い、Mg薄膜18の膜厚を0.1μmとした
場合の、領域aのSIMSの測定結果を示す。図4でも
図2と同様に、表面からの深さが0.02μmの位置が
窒化ガリウム系化合物半導体層14の実際の表面に該当
する。図4に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体
層14表面で略2×1021cm-3のMgがドーピングさ
れており、表面から0.5μmの位置で略2×1019
-3のMgがドーピングされている。
【0038】なお、上記実施形態では、干渉層16の膜
厚を5nmまたは10nmとしたが、干渉層16の膜厚
はこれに限定されず2nm〜150nmの膜厚であれば
良い。ただし、厚すぎるとMgのドーピング量が少なく
なり、薄すぎると窒化ガリウム系化合物半導体層14が
エッチングされてしまうことから、干渉層16の膜厚は
5nm〜50nmが好ましいという結果が得られた。
【0039】また、上記実施形態では、Mgを拡散する
際の熱処理の温度を1000℃としたが、400℃以上
であればMgが拡散する効果が得られる。また、熱処理
の温度を800℃以上とすることによって、Mgの拡散
の効率を向上させることができ、熱処理の温度を100
0℃以下とすることによって、ドーピング後の窒化ガリ
ウム系化合物半導体層14の表面形状が荒れることを防
止することができる。従って、熱処理温度としては80
0℃〜1000℃が好ましい。
【0040】さらに、上記実施形態では、干渉層16と
してSiO2、TiO2、またはMgOを用いた場合を示
したが、SiNまたはTiNであっても良い。
【0041】また、上記実施形態ではp型ドーパントの
供給源としてMg薄膜を用いた場合を示したが、p型ド
ーパントとしてMg以外のもの(たとえばBeやCa、
Zn、Cd等)を用いても良く、また、p型ドーパント
を一部に含むものであればp型ドーパントの供給源とし
て使用することができる。
【0042】さらに、上記実施形態では、窒化ガリウム
系化合物半導体層14がアンドープのGaNからなる場
合を述べたが、窒化ガリウム系化合物半導体層14は、
AlXGaYIn1-X-YN(但し、0≦X≦1、0≦Y≦
1)で表される半導体層であればいかなるものであって
も良く、またアンドープであってもp型であっても良
い。
【0043】図5を参照して、p型の窒化ガリウム系化
合物半導体にMgをドーピングする場合の一例について
説明する。
【0044】図5(a)に示すように、まず、サファイ
アからなる基板10の(0001)面上に、AlGaN
バッファ層12、アンドープGaN層22、Mgドープ
のp型GaNからなる窒化ガリウム系化合物半導体層2
4、およびSiO2からなる干渉層26を積層し、干渉
層26上の一部にストライプ状にMg薄膜28を形成す
る。ここで、p型GaN層22を形成する場合にドーパ
ントガスとして、たとえばCp2Mgを用いることを除
いて、図5(a)の工程は図1(a)の工程と同様のも
のであり、重複する説明は省略する。なお、各層の膜厚
は、たとえば、AlGaNバッファ層12が11nm、
アンドープGaN層22が0.5μm、p型GaN層2
4が2μm、干渉層26が10nm、Mg薄膜28が
0.2μmである。
【0045】Mg薄膜28を形成した後は、基板10を
窒素雰囲気中で1000℃まで加熱し、そのまま100
0℃で30分間熱処理を行う。
【0046】その後、基板10全体を硝酸、フッ酸で順
次洗浄することによって、図5(b)に示すように、M
g薄膜28および干渉層26を除去する。
【0047】このように処理された、窒化ガリウム系化
合物半導体層24のホール効果の測定をしたところ、M
g薄膜28が形成されていた部分に対応する領域aはホ
ール濃度が略7×1017cm-3のp型を示し、Mg薄膜
28が形成されていない部分に対応する領域bはホール
濃度が略5×1017cm-3のp型を示した。このことか
ら、干渉層26を介して、Mgが窒化ガリウム系化合物
半導体層24に拡散し、よりホール濃度が高いp型領域
30が形成されたことがわかる。従って、上記方法を用
いることによって、p型窒化ガリウム半導体の所望の位
置のドーピング濃度を容易に高くすることができる。
【0048】図6を参照して、この発明の他の実施形態
について説明する。
【0049】まず、図6(a)に示すように、サファイ
アからなる基板10上に、AlGaN層12およびアン
ドープのGaNからなる窒化ガリウム系化合物半導体層
32を積層し、窒化ガリウム系化合物半導体層32上の
一部にストライプ状にSiO2からなる障壁層34を形
成する。なお、AlGaN層12および窒化ガリウム系
化合物半導体層32の形成方法は、図1で説明した方法
と同様であり、それぞれの層の膜厚は、たとえば、Al
GaN層12が11nm、窒化ガリウム系化合物半導体
層32が3μmである。
【0050】ストライプ状に障壁層34を形成する方法
としては、たとえば、窒化ガリウム系化合物半導体層3
2上の全面に熱CVD法によって膜厚0.2μmのSi
2層を形成した後、フォトリソ工程およびバッファー
ドフッ酸によるエッチング工程により、SiO2層の一
部を除去すればよい。
【0051】なお、SiO2からなる障壁層34の膜厚
は、Mgの拡散を防止するため、0.05μm以上とす
ることが好ましい。
【0052】その後、基板10を、たとえば、MOCV
D装置(図示せず)内に設置し、基板10の温度を10
00℃に保持したまま、MOCVD装置内の圧力を1気
圧に保ってCp2Mgを毎分100cc、窒素ガスを毎
分2000cc、アンモニアガスを毎分1000cc流
し、そのまま1時間保持する。
【0053】なお、このときのMOCVD装置の圧力
は、窒化ガリウム系化合物半導体層32の膜荒れ防止の
ために窒化ガリウム系化合物半導体の分解圧以上とする
ことが好ましい。また、基板10を保持する温度につい
ては、400℃以上であればMgが拡散する効果が得ら
れる。また、熱処理の温度を800℃以上とすることに
よって、Mgの拡散の効率を向上させることができ、熱
処理の温度を1000℃以下とすることによって、ドー
ピング後の窒化ガリウム系化合物半導体層32の表面形
状が荒れることを防止することができる。従って、熱処
理温度としては800℃〜1000℃が好ましい。
【0054】その後、基板10全体を硝酸、バッファー
ドフッ酸で順次洗浄することによって、図6(b)に示
すように、障壁層34を除去する。
【0055】その後、窒化ガリウム系化合物半導体層3
2のMg濃度をSIMSによって測定した。
【0056】その結果、図6(b)に示す障壁層34が
形成されていなかった部分に対応する領域cではMgが
検出されたのに対し、障壁層34が形成されていなかっ
た部分に対応する領域dではMgが検出されなかった。
従って、上記方法によって、窒化ガリウム系化合物半導
体層32のうち、障壁層34が形成されていなかった部
分にはMgが拡散したMg拡散領域36が形成されたこ
とがわかる。
【0057】図7に、領域cについてSIMSの測定を
行った結果を示す。図7では、横軸で0.02μmの位
置が実際の窒化ガリウム系化合物半導体層32の表面に
対応する。図7に示すように、窒化ガリウム系化合物半
導体層32の表面で略5×1019cm-3のMgが検出さ
れ、表面から0.02μmの位置で略5×1018cm-3
のMgが検出された。
【0058】さらに、窒化ガリウム系化合物半導体層3
2の領域cについてホール測定を行った結果、領域cは
ホール濃度が略1×1017cm-3のp型を示すことがわ
かった。
【0059】以上のことから、上記方法によって、窒化
ガリウム系化合物半導体層32のうち、障壁層34で覆
われた部分にはMgがドーピングされず、障壁層34で
覆われていない部分にのみMgがドーピングされてp型
を示すことがわかる。従って、上記方法を用いれば、窒
化ガリウム半導体の所望の位置にMgをドーピングして
p型化することが可能であり、また、一度に大面積かつ
複数の所望の位置にMgをドーピングしてp型化するこ
とが可能である。
【0060】なお、上記実施形態では、ドーパントガス
としてCp2Mgを用いたが、Cp2Mgのかわりに、メ
チルシクロペンタジエニルマグネシウムや、エチルシク
ロペンタジエニルマグネシウム等のアルキル化シクロペ
ンタジエニルマグネシウムを用いても良い。さらに、M
g以外のドーパントを用いる場合には、ドーパントに応
じて適宜ドーパントガスを選択し、使用することができ
る。
【0061】また、上記実施形態では、障壁層34とし
てSiO2を用いたが、これ以外でも、ドーパントガス
雰囲気中からのMgの拡散を抑えるものであれば良く、
たとえば、TiO2、SiN等であっても良い。
【0062】図8を参照して、この発明の他の実施形態
について説明する。この実施形態は、この発明を用い
て、p型チャネルを有する電界効果トランジスタ40を
製造する場合の一例である。なお、電界効果トランジス
タ40は、一般に、同一基板上に複数個形成されるか、
または同一基板上に他の半導体素子と組み合わせて形成
されるものであるが、図8では説明を簡略化するため、
一つの電界効果トランジスタ40についてのみ図示す
る。
【0063】まず、図8(a)に示すように、サファイ
アからなる基板41の(0001)面上に、非単結晶成
長温度(たとえば600℃)でアンドープのAlGaN
バッファ層42、単結晶成長温度(たとえば1150
℃)でアンドープのGaN層44を、MOCVD法によ
って順次積層する。反応条件は、図1(a)で説明した
ものと同様であり、各層の膜厚は、AlGaNバッファ
層42が11nm、GaN層44が3μmである。
【0064】その後、図8(b)に示すように、GaN
層44上に開口部46を有するTiO2薄膜48を形成
する。すなわち、GaN層44上の全面に、EB蒸着法
によって膜厚0.5μmのTiO2層を形成した後、フ
ォトリソ工程とエッチング工程によって、開口部46を
有するTiO2薄膜48を形成する。
【0065】その後、図8(c)に示すように、GaN
層44およびTiO2薄膜48上の全面に、熱CVD法
によって膜厚10nmのSiO2層50を形成した後、
SiO2層50上に、抵抗加熱法によって膜厚0.2μ
mのMg層52を形成する。
【0066】次に、Mg層52を形成した基板41を1
000℃まで加熱し、1000℃で30分間保持する。
これによって、TiO2薄膜48の開口部46直下のG
aN層44には、Mgがドーピングされたp型領域54
が形成される。
【0067】その後、図8(d)に示すように、硝酸で
Mg層52を除去し、バッファードフッ酸でSiO2
50を除去する。
【0068】さらに、基板41を窒素雰囲気中800℃
で30分間保持した後、図8(e)に示すように、Ti
2薄膜48の開口部46の周辺部に、電子線ビーム蒸
着法によってPd電極56を形成した後、開口部46の
中心部にAl電極58を形成する。
【0069】Pd電極56は、p型領域54とオーミッ
ク接触しており、Pd電極56はソース、ドレーン電極
として機能する。また、Al電極44は、p型領域54
とショットキー接触しており、ゲート電極として機能す
る。
【0070】このように、上記実施形態によって、p型
領域54がp型チャネルとして機能する電界効果トラン
ジスタ40が形成される。
【0071】上記実施形態に示した電界効果トランジス
タ40の製造方法によれば、GaN層44上の所望の位
置をp型領域54とすることができるため、たとえば同
一基板上に複数の半導体素子を形成する場合であって
も、容易に各素子を形成することが可能である。
【0072】なお、上記実施形態では、p型領域54を
形成する方法として、図1で説明したドーピング方法を
用いたが、図6で説明したドーピング方法を用いても良
い。すなわち、開口部46を有するTiO2薄膜48を
形成した基板41(図8(b))をシクロペンタジエニ
ルマグネシウム等のドーパントガス雰囲気中で熱処理す
ることによっても、p型領域54を形成することができ
る。
【0073】図9および図10を用いて、この発明の他
の実施形態について説明する。この実施形態は、半導体
レーザの製造方法に関するものである。
【0074】図9(a)は、この発明の製造方法を用い
て製造された半導体レーザ60の斜視図である。なお、
この図では、接合端面に形成される誘電体多層膜は省略
している。
【0075】図9(a)に示すように、半導体レーザ6
0は基板62を含み、基板62上には、AlGaNバッ
ファ層64、GaN下地層66、n型GaNコンタクト
層68、n型AlGaNクラッド層70、InGaN活
性層72、AlGaNクラッド層74、GaNキャップ
層76、およびTiO2薄膜78が形成されている。T
iO2薄膜78には、ストライプ状の開口部80と円柱
状の開口部82とが形成されており、開口部80直下に
は、p型領域84が存在し、p型領域84上には、p側
電極86が形成されている。
【0076】図9(a)に示す半導体レーザ60の製造
工程を、線XYに沿った模式断面図によって図10に示
す。なお、半導体レーザ60は、図9(b)に示すよう
に一の基板を用いて複数個形成された後、分離されるも
のであるが、図10では説明を簡略化するため、隣接す
る2つの半導体レーザについての製造工程を示す。
【0077】図10を参照して、まず、図10(a)に
示すように、基板62上に、膜厚11nmでアンドープ
のAlGaNバッファ層64、膜厚0.4μmでアンド
ープのGaN下地層66、膜厚3μmのn型GaNコン
タクト層68、膜厚0.5μmのn型AlGaNクラッ
ド層70、膜厚0.2μmでアンドープのInGaN活
性層72、膜厚0.1μmでアンドープのAlGaNク
ラッド層74、膜厚0.05μmでアンドープのGaN
キャップ層76を形成し、GaNキャップ層76上に、
開口部80および82を有する膜厚0.5μmのTiO
2薄膜78を形成する。
【0078】ここで、AlGaNバッファ層64〜Ga
Nキャップ層76は、MOCVD法によって形成され、
原料ガスとして、トリメチルガリウム、トリメチルイン
ジウム、トリメチルアルミニウム、およびアンモニアガ
ス等が用いられ、ドーパントガスとしてシランガス等が
用いられる。また、各半導体層を成膜する際の成長温度
は、たとえば、AlGaNバッファ層64が600℃、
InGaN活性層72が800℃、その他の層が115
0℃であり、AlGaNバッファ層64のみが非晶質で
ある。なお、InGaN活性層72は、非量子井戸構
造、単一量子井戸構造、または多重量子井戸構造のいず
れを用いても良い。
【0079】また、TiO2薄膜78は、たとえば、E
B蒸着によってGaNキャップ層76上に0.5μmの
厚さでTiO2層を形成した後、フォトリソ工程および
エッチング工程によって、幅3μmストライプ状の開口
部80および直径100μmの円柱状の開口部82を形
成すれば良い。
【0080】次に、図10(b)に示すように、TiO
2薄膜78および開口部80を覆うように膜厚10nm
のSiO2薄膜88を形成し、SiO2薄膜88および開
口部82を覆うように膜厚0.2μmのMg薄膜90を
形成する。
【0081】SiO2薄膜88を形成する方法として
は、たとえば、開口部82のみにフォトレジストを形成
した後、熱CVD法でSiO2層を表面全体に形成し、
その後フォトレジストを除去すれば良い。また、Mg薄
膜90は、たとえば抵抗加熱法による蒸着によって形成
すれば良い。
【0082】次に、Mg薄膜90を形成した基板62を
窒素雰囲気中で、800℃で30分間熱処理した。これ
によって、図1の実施形態と同様にMgが拡散し、図1
0(c)に示すように、開口部80直下のGaNキャッ
プ層76およびAlGaNクラッド層74にp型領域8
4が形成された。また、熱処理によって、n型GaNコ
ンタクト層68に到達するまで開口部82直下の半導体
層70〜76がエッチングされた。
【0083】その後、図10(d)に示すように、p型
領域84上にPdからなるp側電極86を形成し、開口
部82直下のn型GaNコンタクト層68上にAlから
なるn側電極92を形成する。
【0084】その後は、常法に従い、各素子ごとに分離
した後、接合端面に誘電体多層膜を形成することによっ
て、半導体レーザ60が製造される。
【0085】上記実施形態によって製造される半導体レ
ーザ60は、Mgの拡散によって形成されたp型領域8
4のみがp型を示し、電流狭窄構造を形成する。この半
導体レーザ60に通電したところ、p型領域84を通っ
て電流が流れ、半導体レーザとして動作することが確認
された。
【0086】従来法では、一つの基板を用いて複数の半
導体レーザを形成する場合、複数のp型領域を個別に電
子線照射して活性化することが必要であった。一方、図
10に示した実施形態では、複数のp型領域84を一度
に形成することが可能である。従って、製造工程の簡略
化、迅速化を図ることができ、さらには製造コストを抑
えることができる。
【0087】図11および図12を用いて、この発明の
その他の実施形態について説明する。この実施形態は、
発光ダイオードの製造方法に関するものである。
【0088】図11(a)は、この発明の製造方法を用
いて製造された発光ダイオード100の斜視図である。
【0089】図11(a)に示すように、発光ダイオー
ド100は基板102を含み、基板102上に、AlG
aNバッファ層104、GaN下地層106、n型Ga
Nコンタクト層108、InGaN活性層110、Al
GaN層112、GaN層114、およびTiO2薄膜
116が形成されている。TiO2薄膜116には、円
柱状の開口部118とL字状の開口部120とが形成さ
れており、開口部120によって露出しているGaN層
114上にはp側電極122が形成されている。
【0090】図11(a)に示す発光ダイオード100
の製造工程を、線XYに沿った模式断面図によって図1
2に示す。なお、発光ダイオード100は、図11
(b)に示すように一の基板を用いて複数の発光ダイオ
ードが形成された後、分離されるものであるが、図12
では説明を簡略化するため、隣接する2つの発光ダイオ
ードについての製造工程を示す。
【0091】図12を参照して、まず、図12(a)に
示すように、基板102上に、膜厚11nmでアンドー
プのAlGaNバッファ層104、膜厚0.4μmでア
ンドープのGaN下地層106、膜厚3μmのn型Ga
Nコンタクト層108、膜厚0.2μmでアンドープの
InGaN活性層110、膜厚0.1μmでアンドープ
のAlGaN層112、膜厚0.05μmでアンドープ
のGaN層114を形成し、GaN層114上に、開口
部118および120を有する膜厚0.5μmのTiO
2薄膜116を形成する。
【0092】ここで、AlGaNバッファ層104〜G
aN層114は、MOCVD法によって形成され、原料
ガスとして、トリメチルガリウム、トリメチルインジウ
ム、トリメチルアルミニウム、およびアンモニアガス等
が用いられ、ドーパントガスとしてシランガス等が用い
られる。また、各半導体層を成膜する際の成長温度は、
たとえば、AlGaNバッファ層104が600℃、I
nGaN活性層110が800℃、その他の層が115
0℃であり、AlGaNバッファ層104のみが非晶質
である。
【0093】また、TiO2薄膜116は、たとえば、
EB蒸着によってGaN層114上に0.5μmの厚さ
でTiO2層を形成した後、フォトリソ工程およびエッ
チング工程によって円柱状の開口部118およびL字状
の開口部120を形成すれば良い。
【0094】次に、図12(b)に示すように、TiO
2薄膜116および開口部120を覆うように膜厚10
nmのSiO2薄膜124を形成し、SiO2薄膜124
および開口部118を覆うように膜厚0.2μmのMg
薄膜126を形成する。
【0095】SiO2薄膜124を形成する方法として
は、たとえば、開口部118のみにフォトレジストを形
成した後、熱CVD法でSiO2層を表面全体に形成
し、その後フォトレジストを除去すれば良い。また、M
g薄膜126は、たとえば抵抗加熱法による蒸着によっ
て形成すれば良い。
【0096】次に、Mg薄膜126を形成した基板10
2を窒素雰囲気中で、800℃で30分間熱処理した。
これによって、図1の実施形態と同様にMgが拡散し、
図12(c)に示すように、開口部120直下のGaN
層114およびAlGaN層112にp型領域128が
形成された。また、熱処理によって、n型GaNコンタ
クト層108に到達するまで開口部120直下の半導体
層110〜114がエッチングされた。
【0097】その後、図12(d)に示すように、p型
領域128上にPdからなるp側電極122を形成し、
開口部118直下のn型GaNコンタクト層108上に
Alからなるn側電極130を形成する。
【0098】その後、各素子ごとに分離することによっ
て、発光ダイオード100が形成される。
【0099】上記実施形態によって製造される発光ダイ
オード100は、Mgの拡散によって形成されたp型領
域128のみがp型を示し、この発光ダイオード100
に通電したところ、p型領域128を通って電流が流
れ、発光ダイオードとして動作することが確認された。
【0100】図12に示した製造方法では、従来法と異
なり、一つの基板102を用いて複数の発光ダイオード
を形成する場合であっても、複数のp型領域128を個
別に形成することなく一度に形成することが可能であ
る。従って、製造工程の簡略化、迅速化を図ることがで
き、さらには製造コストを抑えることができる。
【0101】以上、この発明の実施形態について例を挙
げて説明したが、上記実施形態はこの発明を用いた場合
の一例にすぎず、この発明は上記実施形態に限定される
ものではない。
【0102】たとえば、上記実施形態で示した、電界効
果トランジスタ、半導体レーザ、発光ダイオードの構造
は一例に過ぎず、半導体層の追加、削除、材料および膜
厚の変更が可能である。
【0103】また、上記実施形態では、電界効果トラン
ジスタ、半導体レーザ、および発光ダイオードの製造方
法のみを示したが、これらは一例にすぎず、p型領域を
有する窒化ガリウム系化合物半導体を含む半導体素子で
あれば、いかなる素子であってもこの発明を適用するこ
とが可能である。
【0104】
【発明の効果】この発明によれば、窒化ガリウム系化合
物半導体へドーピングする場合に、一度に大面積かつ複
数の所望の部分へのドーピングをすることができ、ま
た、窒化ガリウム系化合物半導体を含む半導体素子を一
の基板を用いて複数個製造する場合に製造工程を簡略化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を用いた窒化ガリウム系化合物半導体
のドーピング方法の一例を示す模式図である。
【図2】図1の実施形態における窒化ガリウム系化合物
半導体のMgの拡散を示す、SIMSの測定データであ
る。
【図3】図1の実施形態における窒化ガリウム系化合物
半導体のMgの拡散を示す、他のSIMSの測定データ
である。
【図4】図1の実施形態における窒化ガリウム系化合物
半導体のMgの拡散を示す、その他のSIMSの測定デ
ータである。
【図5】この発明を用いた窒化ガリウム系化合物半導体
のドーピング方法の他の一例を示す模式図である。
【図6】この発明を用いた窒化ガリウム系化合物半導体
のドーピング方法のその他の一例を示す模式図である。
【図7】図6の実施形態における窒化ガリウム系化合物
半導体のMgの拡散を示す、SIMSの測定データであ
る。
【図8】この発明を用いた電界効果トランジスタの製造
方法を示す工程図である。
【図9】この発明を用いた半導体素子の製造方法によっ
て製造される半導体レーザの構造を示す図解図である。
【図10】この発明を用いた半導体レーザの製造方法を
示す工程図である。
【図11】この発明を用いた半導体素子の製造方法によ
って製造される発光ダイオードの構造を示す図解図であ
る。
【図12】この発明を用いた発光ダイオードの製造方法
を示す工程図である。
【符号の説明】
10 基板 14、24、32 窒化ガリウム系化合物半導体層 16、26 干渉層 18、28 Mg薄膜 20、30、54、84、128 p型領域 34 障壁層 36 Mg拡散領域 40 電界効果トランジスタ 60 半導体レーザ 100 発光ダイオード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ガリウム系化合物半導体にp型ドー
    パントをドーピングする窒化ガリウム系化合物半導体の
    ドーピング方法であって、 前記窒化ガリウム系化合物半導体上に干渉層を介して前
    記p型ドーパントを含む薄膜を形成した後に、熱処理を
    施すことにより前記窒化ガリウム系化合物半導体中に前
    記p型ドーパントをドーピングすることを特徴とする窒
    化ガリウム系化合物半導体のドーピング方法。
  2. 【請求項2】 前記p型ドーパントがMgであることを
    特徴とする、請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半
    導体のドーピング方法。
  3. 【請求項3】 前記干渉層が、SiO2、TiO2、Mg
    O、SiNまたはTiNのいずれかである、請求項1ま
    たは2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体のドーピン
    グ方法。
  4. 【請求項4】 窒化ガリウム系化合物半導体の所定部に
    p型ドーパントをドーピングする窒化ガリウム系化合物
    半導体のドーピング方法であって、 前記窒化ガリウム系化合物半導体の前記所定部を露出せ
    しめて前記所定部を除く前記窒化ガリウム系化合物半導
    体上に障壁層を形成した後に、前記p型ドーパントを含
    むガス雰囲気中で熱処理を施すことにより、前記窒化ガ
    リウム系化合物半導体の前記所定部に前記p型ドーパン
    トをドーピングすることを特徴とする窒化ガリウム系化
    合物半導体のドーピング方法。
  5. 【請求項5】 前記p型ドーパントを含むガスがシクロ
    ペンタジエニルマグネシウムであることを特徴とする、
    請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半導体のドーピ
    ング方法。
  6. 【請求項6】 一の基板を用いて窒化ガリウム系化合物
    半導体を含む半導体素子を複数個製造する、半導体素子
    の製造方法であって、 窒化ガリウム系化合物半導体のドーピングをすべき所定
    箇所に干渉層を介してp型ドーパントを含む薄膜を形成
    し、次いで熱処理を施すことにより前記窒化ガリウム系
    化合物半導体の前記所定箇所に前記p型ドーパントをド
    ーピングする工程を備えることを特徴とする半導体素子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 一の基板を用いて窒化ガリウム系化合物
    半導体を含む半導体素子を複数個製造する、半導体素子
    の製造方法であって、 窒化ガリウム系化合物半導体のドーピングをすべき所定
    箇所を除いて前記窒化ガリウム系化合物半導体上に障壁
    層を形成し、次いでp型ドーパントを含むガス雰囲気中
    で熱処理を施すことにより、前記窒化ガリウム系化合物
    半導体の前記所定箇所に前記p型ドーパントをドーピン
    グする工程を備えることを特徴とする半導体素子の製造
    方法。
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