JP3735960B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Nを含むIII−V族化合物からなる発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
次世代高密度情報処理技術のキーデバイスとして、レーザの短波長化が可能な、Nを含むIII−V族化合物半導体は注目を浴びている。
【0003】
従来よりNを含むIII−V族化合物半導体より構成されるレーザ構造として、図14に示されている構造が知られている。この構造のキャビティ長は1mm、ストライプ幅20μmで、活性層がMQW構造であるダブルヘテロ構造を有することを特徴としている。この構造により発振波長417nm、しきい値電圧17〜40V、しきい値電流0.2〜2A、しきい値電流密度4〜10kA/cm2、デューティ0.1%の室温パルス発振が実現している(Japanese Journal of Applied Physics Vol.35(1996)pp.L74ーL76.、ibid.;Japanese Journal of Applied Physics Vol.35(1996)pp.L217ーL220.、ibid.;Applied Physics Letters Vol.68(1996)pp.2105ー2107.)。
【0004】
さらにp型のNを含むIII−V族化合物半導体と金属より構成されるコンタクト構造として、図15に示す、p型GaN層の上にMg電極をのせた構造が知られている(特開平8−64871号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
Nを含むIII−V族化合物半導体より構成されるレーザ構造に関する技術に関しては、NiとGaNの価電子帯との間のショットキーバリアの高さφBが0.79eVと大きい(石川英憲他:平成7年度第56回秋期応用物理学会学術講演会27p−ZE−17(1995年、講演予稿集第1分冊p.247))ためにp型コンタクト層と金属との間の接触抵抗が10-2Ω・cm2と大きく、そのためにレーザの動作電圧が上昇するという問題があった。
【0006】
前記の、p型のNを含むIII−V族化合物半導体と金属より構成されるコンタクト構造に関する技術に関しては、p型GaN層の上にMg電極をのせた後に加熱処理を行う際に、300℃以上に加熱処理を行えばMgがp型GaN層を超えて拡散し、レーザ構造内の活性層にまでMgが入り込み、そのためにレーザの特性が低下するという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、コンタクト構造を改良することによりしきい値電圧が従来より低い、Nを含有するIII−V族化合物より構成される半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本件発明者は、上記問題点を解決する、Nを含むIII−V族化合物からなるレーザ構造に関する技術として、以下(1)〜(3)に示す技術を考案した。
【0009】
(1)Nを含むIIIーV族化合物より成るダブルヘテロ構造の上に積層されたp型GaNコンタクト層の上に、図8に示すようにGaNに格子定数が近いSiCまたはZnOを積層する。SiC、ZnOはともに容易にp型の導電性の結晶が得られ、金属との間のバリア高さがGaNよりも小さい。そのため、p型SiCコンタクト層の上にNiを積層した場合、GaNの価電子帯との間のショットキーバリアの高さφBがp型GaNコンタクト層の場合の半分以下と小さくなり、p型コンタクト層と金属との間の接触抵抗を低減することができ、結果としてレーザの動作電圧が低下する。
【0010】
(2)前記p型GaNコンタクト層の代わりにp型Ga1-xInxN(0<x<1)コンタクト層を用い、p型Ga1-xInxNコンタクト層の上にMgやZnのようなIIa族またはIIb族に属する金属の層を積層し、さらにその上にNi層を積層する。IIa族またはIIb族に属する金属の層を積層するのは、GaN中にIIa族またはIIb族に属する金属が拡散し、高いp型コンタクト層が形成され、コンタクト抵抗が下がるからである。GaN中にIIa族またはIIb族に属する金属の層は薄ければ薄いほどよく、100Å以下が望ましい。なぜならばIIa族またはIIb族に属する金属の層厚が、その金属の拡散によって薄くなり、ホールがp型Ga1-xInxNコンタクト層とIIa族またはIIb族に属する金属の層との間の障壁をトンネル効果によって透過しやすくなるためである。また、Ni層を積層するのは、GaNとの密着性がIIa族またはIIb族に属する金属のみを積層する場合に比べて向上するからである。さらにGa1-xInxNはInを含む混晶をp型コンタクト層に用いているので、その上にMgをのせて300℃以上に加熱処理を行ってもMgがp型GaNコンタクト層を超えて拡散するというようなことはなく、レーザの特性が低下するという問題は起こらない。
【0011】
(3)前記p型GaNコンタクト層を作製するのに、IIa族またはIIb族に属する金属をイオン化してNを含むIIIーV族化合物よりなるコンタクト層に添加する。そうすることによりp型GaNコンタクト層の表面が高濃度にドーピングされて金属との間のバリア高さが小さくなり、p型GaNコンタクト層と金属との間のコンタクト抵抗が小さくなるからである。さらに電極形成過程において加熱処理はいっさいおこなわないので、例えばMgがp型GaNコンタクト層を超えて拡散するというような問題は起こらず、レーザの特性が低下することはない。
【0012】
本発明の半導体発光素子の作製は、図4に示されている有機金属気相エピタキシャル装置を用い、有機金属気相エピタキシシャル成長法により行われるものである。ZnOまたはSiCの積層はCVDにより行われるものである。また、金属の蒸着は真空蒸着装置により行われるものである。また、金属をイオン化してNを含むIIIーV族化合物よりなるコンタクト層に添加することは、イオン注入装置により行われるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の、半導体発光素子とその製造方法ならびに特性について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施の形態1)
実施の形態1を、図1、図4、図5、図9を用いて説明する。まず最初に有機溶媒による洗浄及び前処理を施され、SiC(0001)基板101を炭素製の基板ホルダ401上に置き、図4に示すような有機金属気相エピタキシャル成長装置内に投入する。この有機金属気相エピタキシャル成長装置は原料ガスの供給が2フロータイプ、すなわち基板に平行に流れるガス流と基板上方から流れるガス流の2つから構成されており、従来よりよく使用されている。SiC(0001)基板101に対して有機溶媒による洗浄及び前処理を行う。
【0015】
次に成長室409内を圧力70Torrの水素で満たし、水素雰囲気中でn型SiC(0001)基板101を炭素製の基板ホルダ401ごとヒータ408で1090℃まで加熱し、表面に付着している吸着ガスや酸化物、水分子等を取り除く。その後n型SiC(0001)基板101の温度を1000℃まで下げ、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シランのガス供給ラインのバルブ403、405、407を開け、トリメチルアルミニウム5.5sccm、アンモニア2.5l/min、シラン12.5sccmを流し、n型AlNバッファ層102を300Å積層する。
【0016】
n型AlNバッファ層102を積層した後、n型SiC(0001)基板101の温度を1030℃まで上げ、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シランのガス供給ラインのバルブ402、403、405、407を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルアルミニウム8.7sccm、アンモニア2.5l/min、シラン12.5sccmを流し、層厚1.5μmのn型Al0.2Ga0.8N103を積層する。
【0017】
n型Al0.2Ga0.8N103を積層した後、トリメチルアルミニウム及びシランのガス供給ライン403、407を閉じ、トリメチルガリウム、アンモニアのガス供給ラインのバルブ402、405を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、アンモニア2.5l/minを流し、アンドープGaN光ガイド層104を1000Å積層する。
【0018】
アンドープGaN光ガイド層104を積層した後、n型SiC(0001)基板101の温度を680℃まで下げ、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニアのガス供給ラインのバルブ402、404、405を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルインジウム27sccm、アンモニア10l/minを流し、アンドープGa0.85In0.15N活性層105を100Å積層する。
【0019】
アンドープGa0.85In0.15N活性層105を100Å積層した後、トリメチルインジウムのガス供給ラインのバルブ404を閉じ、n型SiC(0001)基板101の温度を1030℃まで上げ、トリメチルガリウム、アンモニアのガス供給ラインのバルブ402、405を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、アンモニア2.5l/minを流し、アンドープGaN光ガイド層106を1000Å積層する。
【0020】
アンドープGaN光ガイド層106を1000Å積層した後、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ402、403、405、406を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルアルミニウム8.7sccm、アンモニア2.5l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム5.0sccmを流し、p型Al0.2Ga0.8Nクラッド層107を1.0μm積層する。
【0021】
p型Al0.2Ga0.8Nクラッド層107を積層した後、トリメチルアルミニウムのガス供給ラインのバルブ403を閉じ、トリメチルガリウム、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ402、406を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、アンモニア2.5l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム5.0sccmを流し、p型GaNコンタクト層108を1000Å積層する。
【0022】
その後、水素のガス供給ラインのバルブのみを開け、圧力70Torrの水素雰囲気中でSiC(0001)基板101の温度を700℃に設定し、1時間アニールを行い、p型のドーパントであるマグネシウムを活性化する。アニール終了後、SiC(0001)基板101の温度を室温まで戻し、レーザ構造102〜108が積層されたSiC(0001)基板101を有機金属気相エピタキシャル成長装置の外へ取り出す。
【0023】
次にp型GaNコンタクト層108が積層された基板101に厚さ1000Åのp型SiC層109を、p型GaNコンタクト層108の上に積層する方法を説明する。p型GaNコンタクト層が積層された基板101をプラズマCVD装置内に投入し、シラン、メタンおよびトリメチルアルミニウムをプラズマCVD装置内に流し、層厚1000ÅのAlがドープされたp型SiCコンタクト層109をCVD法によりp型GaNコンタクト層108上全面にわたって積層する。プラズマCVD装置の代わりに光CVD装置を用いても同様な結果が得られる。
【0024】
次にp型SiCコンタクト層が積層された基板101に幅10μmの領域を残して厚さ1000ÅのSiO2絶縁層110を、p型SiCコンタクト層109の上に積層する方法を、図5を用いて説明する。
【0025】
n型SiC(0001)基板101をCVD装置内に投入し、層厚1000ÅのSiO2110をCVD法によりp型SiCコンタクト層109上全面にわたって積層する。CVD装置としては、光CVD装置を用いてもよく、またプラズマCVD装置を用いてもよい。
【0026】
次にSiO2110を全面に積層されたn型SiC(0001)基板101に対してSiO2110上全面にレジスト501を塗布する。
【0027】
レジスト501を塗布されたn型SiC(0001)基板101に対して幅10μmのすきまが開いているマスク502をかぶせ、光を照射してマスク502に覆われていない部分のレジストを化学変化させて取り除く。その後、マスクを取り外しHF:NH4F=1:10の水溶液を用い、レジストが取り除かれた部分のSiO2110を取り除く。その後アセトンおよびO2プラズマによりレジスト501を取り除く。このようにしてp型SiCコンタクト層109上に幅10μmの領域以外の部分に厚さ1000ÅのSiO2110が積層される。
【0028】
最後にレーザ構造が積層されたSiC基板101に対して、真空蒸着装置を用いて基板101裏面にチタン111、金112を、p型SiCコンタクト層109の表面にそれぞれの厚さが1500Åのニッケル113及び金114を蒸着させ、基板101をキャビティ長1mmにへき開してレーザを完成させる。
【0029】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は410nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は10cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0030】
次に電気的特性について述べる。p型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層107、103、およびp型GaNコンタクト層108、p型SiCコンタクト層109のキャリア密度はそれぞれ1×1018/cm3である。移動度はp型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層107、103、およびp型GaNコンタクト層108、p型SiCコンタクト層109それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・s、10cm2/V・s、20cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型およびn型クラッド層107、103、およびp型GaNコンタクト層108、p型SiCコンタクト層109が製造されている。
【0031】
また、p型SiCコンタクト層109とニッケル113の間で1×10-4Ω・cm2と従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて2桁抵抗の小さいオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板101とチタン111との間にもオーム性接触が実現している。p型SiCコンタクト層109とニッケル113の間で従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて2桁抵抗の小さいオーム性接触が得られるのは、SiCとニッケルとの間のバリア高さが0.3eV以下と従来のGaNとニッケルとの間のバリア高さの半分以下であるからである。レーザの電流−電圧−光出力特性は図9の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は100mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。レーザの動作電圧は10Vと、従来のレーザの1/3になる。これはp型SiCコンタクト層109とニッケル113の間で従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて2桁抵抗の小さいオーム性接触が得られるからである。
【0032】
なお、上記SiC基板101の代わりにSi基板等の導電性基板、またはサファイアや、ZnO、LiAlO2等の酸化物基板を用いても同様な結果が得られる。また、p型SiCコンタクト層の代わりにp型ZnOコンタクト層を用いても同様な効果が得られる。
【0033】
(実施の形態2)
実施の形態2を、図2、図4、図6、図10、図12を用いて説明する。SiC(0001)基板201上にp型Al0.2Ga0.8Nクラッド層207までのレーザ構造202〜207を積層するまでは実施の形態1に同じである。
【0034】
p型Al0.2Ga0.8Nクラッド層207を積層した後、トリメチルアルミニウムのガス供給ラインのバルブ403を閉じ、n型SiC(0001)基板201の温度を700℃まで下げ、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニア、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ402、404、405、406を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルインジウム27sccm、アンモニア10l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム5.0sccmを流し、p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208を1000Å積層する。
【0035】
その後、実施の形態1と同様に圧力70Torrの水素雰囲気中でSiC(0001)基板201の温度を670℃に設定し、1時間アニールを行い、p型のドーパントであるマグネシウムを活性化する。アニール終了後、SiC(0001)基板201の温度を室温まで戻し、SiC(0001)基板201を有機金属気相エピタキシャル成長装置の外へ取り出す。
【0036】
その後、実施の形態1と同様に幅10μmの領域以外の部分に厚さ1000ÅのSiO2絶縁層209を、p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208の上に積層する。
【0037】
その後、実施の形態1と同様にn型SiC基板の裏面にチタン210および金211を蒸着する。さらに真空蒸着装置を用いてp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208の表面に厚さ50ÅのMg212を蒸着させ、さらにMg212の上に厚さ1000ÅのNi213および厚さ1000ÅのAu214を蒸着させ、基板201を650℃にして10分間加熱する。
【0038】
最後に基板201を室温まで戻し、へき開によりキャビティ長1mmに加工して発光素子を完成させる。
【0039】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は410nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は15cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0040】
次に電気的特性について述べる。p型およびn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層207、203のキャリア密度はそれぞれ1×1018/cm3である。移動度はp型およびn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層207、203それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型およびn型クラッド層207、203、およびp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208が製造されている。また、p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208とニッケル213の間で1×10-3Ω・cm2と従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて1桁抵抗の小さいオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板201とチタン210との間にもオーム性接触が実現している。
【0041】
p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層201とニッケル113の間で従来に比べて1桁抵抗の小さいオーム性接触が得られるのは、p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208にMg層212からMgが拡散して、表面付近に1018/cm3台後半以上の高いp型キャリア密度を持った低抵抗のp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208が形成されているためであり、さらにMg層212の層厚がMgの拡散によって30Å以下と薄くなり、ホールがp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208とMg層212との間の障壁をトンネル効果によって透過しやすくなるためである。
【0042】
また、本発明の、上記レーザ素子内のMgの分布および従来の、図15に示すようなMgを含む金属をp型GaNに直接積層した電極を有するレーザ素子内のMgの分布を調べると、図12のようになる。図12において、太線が本発明の、上記レーザ素子内のMgの分布を表し、細線が従来のレーザ素子内のMgの分布を表す。図12よりMgの拡散は、上記レーザ素子に関してはp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208のところで止まっており、従来のレーザ素子のように活性層付近までMgが拡散するようなことはない。p型コンタクト層にInを含む混晶を用いているので、Mgをのせて加熱処理を行ってもMgがp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208を超えて拡散することがないからである。レーザの電流−電圧−光出力特性は図10の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は120mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。レーザの動作電圧は12Vと、従来のレーザの2/5になる。これはp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208とニッケル213の間で従来に比べて1桁抵抗の小さいオーム性接触が得られ、さらにMgの拡散がp型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208のところで止まっているからである。
【0043】
なお、上記SiC基板201の代わりにSi基板等の導電性基板、またはサファイアや、ZnO、LiAlO2等の酸化物基板を用いても同様な結果が得られる。
【0044】
また、p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層208の表面に蒸着する金属として、Mgの代わりにZnまたはCaのようなIIa族またはIIb族に属する金属、またはIIa族またはIIb族に属する金属を含む金属の多層膜を用いても同様な結果が得られる。
【0045】
(実施の形態3)
実施の形態3を、図3、図7、図11、図13を用いて説明する。SiC(0001)基板301上にp型GaNコンタクト層308までのレーザ構造302〜308を積層し、圧力70Torrの水素雰囲気中でアニールを行うことは実施の形態1に同じである。その後SiC(0001)基板301の温度を室温まで戻し、SiC(0001)基板301を有機金属気相エピタキシャル成長装置の外へ取り出す。
【0046】
レーザ構造302〜308を積層し、圧力70Torrの水素雰囲気中でアニールを行ったSiC(0001)基板301を今度はイオン注入装置に投入し、フラックス密度1015/cm2の、300eVに加速されたMgイオンをp型GaNコンタクト層308に注入する。
【0047】
その後、実施の形態1と同様に幅10μmの領域以外の部分に厚さ1000ÅのSiO2絶縁層309を、p型GaNコンタクト層308の上に積層する。
【0048】
レーザ構造302〜308およびSiO2絶縁層309が積層されたSiC(0001)基板301に対して、真空蒸着装置を用いて基板301裏面にチタン310、金311を、p型GaNコンタクト層308の表面に厚さがそれぞれ1500Åのニッケル312および金313を蒸着させ、基板301をキャビティ長1mmにへき開してレーザを完成させる。
【0049】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は410nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は15cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0050】
次に電気的特性について述べる。p型およびn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層307、303それぞれ1×1018/cm3である。移動度はp型およびn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層307、303それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型およびn型クラッド層307、303が製造されている。また、p型GaNコンタクト層308とニッケル312の間で1×10-3Ω・cm2と従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて1桁抵抗の小さいオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板301とチタン310との間にもオーム性接触が実現している。p型GaNコンタクト層308とニッケル312の間で従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて1桁抵抗の小さいオーム性接触が得られるのは、p型GaNコンタクト層308にMgをイオン注入することによってp型GaNコンタクト層308のキャリア密度が1018/cm3台後半以上となっているからである。
【0051】
また、本発明の、上記レーザ素子内のMgの分布および従来のレーザ素子内のMgの分布を調べると、図13のようになる。図13において、太線が本発明の、上記レーザ素子内のMgの分布を表し、細線が従来の、図15に示すようなMgを含む金属をp型GaNに直接積層した電極を有するレーザ素子内のMgの分布を表す。図13よりMgの拡散は、上記レーザ素子に関してはp型GaNコンタクト層308のところで止まっており、従来のレーザ素子のように活性層付近までMgが拡散するようなことはない。イオン注入することによって電極形成過程での加熱処理をおこなわずに済むからである。レーザの電流−電圧−光出力特性は図11の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は100mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。レーザの動作電圧は12Vと、従来のレーザの2/5になる。これはp型GaNコンタクト層308とニッケル312の間で従来のp型GaNコンタクト層を用いた場合に比べて1桁抵抗の小さいオーム性接触が得られるからである。
【0052】
なお、上記SiC基板301の代わりにSi基板等の導電性基板、またはサファイアや、ZnO、LiAlO2等の酸化物基板を用いても同様な結果が得られる。
【0053】
また、p型GaNコンタクト層308にイオン注入する金属として、Mgの代わりにZnまたはCaのようなIIa族またはIIb族に属する金属を用いても同様な結果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
上記の方法によって作製されるp型コンタクト層、およびその製造方法により、半導体発光素子の動作電圧が低下し、従来よりも特性が良好な、Nを含むIII−V族半導体レーザが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の発光素子に関する構造断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態の発光素子に関する構造断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態の発光素子に関する構造断面図
【図4】本発明の半導体発光素子を作製する、有機金属気相エピタキシャル装置の構造断面図
【図5】本発明の第1の実施の形態における発光素子に関する、SiO2絶縁層形成の手順に関する図
【図6】本発明の第2の実施の形態における発光素子のプロセスに関する図
【図7】本発明の第3の実施の形態における発光素子のプロセスに関する図
【図8】III−V族化合物半導体のバンドギャップと格子定数との関係、およびよく用いられる基板の格子定数を表す図
【図9】本発明の第1の実施の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図10】本発明の第2の実施の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図11】本発明の第3の実施の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図12】本発明の、第2の実施の形態の発光素子内のMgの分布および従来の発光素子内のMgの分布を表す図
【図13】本発明の、第3の実施の形態の発光素子内のMgの分布および従来の発光素子内のMgの分布を表す図
【図14】従来の半導体発光素子に関する構造断面図
【図15】従来のp型コンタクト構造に関する構造断面図
【符号の説明】
108 p型GaNコンタクト層
109 p型SiCコンタクト層
208 p型Ga0.9In0.1Nコンタクト層
308 p型GaNコンタクト層

Claims (2)

  1. Nを含むIIIーV族化合物より成るダブルヘテロ構造と、前記ダブルヘテロ構造の上に積層されたp型の導電性を有しZnOからなるコンタクト層を有する半導体発光素子。
  2. 前記ダブルヘテロ構造は基板の上に形成され、前記基板としてサファイア、SiC、Si、ZnOまたは酸化物基板のいずれかを用いる請求項1に記載の半導体発光素子。
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