JP3767031B2 - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示素子やフルカラーディスプレイ、そして光ディスクの光源に用いる窒化物を用いた発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
次世代高密度情報処理技術のキーデバイスとして、レーザの短波長化が可能な、Nを含むIII−V族化合物半導体は注目を浴びている。
【0003】
従来よりNを含むIII−V族化合物半導体より構成されるレーザ構造として、図17に示されている構造が知られている。この構造のキャビティ長は1mm、ストライプ幅20μmで、活性層がMQW構造であるダブルヘテロ構造を有することを特徴としている。この構造により発振波長410nm、しきい値電圧17〜40V、しきい値電流0.2〜2A、しきい値電流密度4〜10kA/cm2、デューティ0.1%の室温パルス発振が実現している(Shuji Nakamura et al.;Japanese Journal of Applied Physics Vol.35(1996)pp.L74ーL76.、ibid.;Japanese Journal of Applied Physics Vol.35(1996)pp.L217ーL220.、ibid.;Applied Physics Letters Vol.68(1996)pp.2105ー2107.、特開平7−162038号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のNを含むIII−V族化合物半導体より構成されるレーザ構造に関する技術には、次にあげる2つの問題があった。
【0005】
1つ目は、上記図17に示すようなレーザ構造は、ストライプ幅が20μmと広く、電流狭窄が困難であり、そのためにしきい値電流が0.2〜2Aと非常に大きくなり、レーザの室温連続発振は困難であった。
【0006】
2つ目は、上記図17に示すようなレーザ構造は、ストライプ幅が20μmと広く、横方向の屈折率差がつかず、横モード制御ができない。そのため、光情報記録・再生用のレーザとしての単一横モード発振を実現することはできなかった。
【0007】
そこで本発明では、電流狭窄を施してしきい値電流が従来より低い、Nを含有するIII−V族化合物より構成される半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記問題点を解決する、Nを含むIII−V族化合物からなるレーザ構造及びそれを製造する技術として、以下(1)〜()に示す技術を考案した。
【0009】
(1)SiC基板のような、導電性の基板に対してあらかじめZnO等の、基板に対して格子定数が近い絶縁物結晶を、幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分に積層し、その上にNを含むIII−V族化合物からなるダブルヘテロ構造を製造する。そうすれば、幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分には電流が流れず、電流狭窄が実現し、レーザのしきい値電流が低下する。
【0011】
)SiC基板のような、導電性の基板に対してあらかじめ逆の導電性を持った、Nを含むIII−V族化合物を幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分に積層し、その上にNを含むIII−V族化合物からなるダブルヘテロ構造を製造する。そうすれば、幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分には電流が流れず、電流狭窄が実現し、レーザのしきい値電流が低下する。
【0012】
)SiC基板のような、導電性の基板に対してあらかじめZnO等の、Nを含むIII−V族化合物または基板に対して格子定数が近い絶縁物結晶を、幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分に積層し、その上にNを含むIII−V族化合物からなるダブルヘテロ構造を製造する。さらにドライエッチングにより幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分を絶縁物結晶まで取り除き、その上に前記ダブルヘテロ構造とは逆の導電性プロファイルを持ち、かつダブルヘテロ構造の実効屈折率よりも小さい屈折率を持ったNを含むIII−V族化合物を積層する。そうすれば、幅5〜10μm程度の電流注入領域以外の部分には電流が流れず、電流狭窄が実現し、レーザのしきい値電流が低下する。また、屈折率導波型レーザなので安定な単一横モード発振レーザが実現する。
【0013】
本発明のレーザ構造の作製は、図5に示されている有機金属気相エピタキシャル装置を用い、有機金属気相エピタキシャル成長法により行われるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の、半導体発光素子、その製造方法及び素子の特性について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施の形態1)
実施の形態1を、図1、図5、図6を用いて説明する。まず最初にアンドープSiC電流狭窄層102をn型SiC(0001)基板101上に積層する方法を説明する。
【0016】
n型SiC(0001)基板101をCVD装置内に投入し、層厚1000ÅのSiO2601をCVD法によりn型SiC(0001)基板101上全面にわたって積層する。CVD装置としては、光CVD装置を用いてもよく、またプラズマCVD装置を用いてもよい。
【0017】
次にSiO2601を全面に積層されたn型SiC(0001)基板101に対してSiO2601上全面にレジスト602を塗布する。
【0018】
レジスト602を塗布されたn型SiC(0001)基板101に対して幅10μmのマスク603をかぶせ、光を照射してマスク603に覆われていない部分のレジストを化学変化させて取り除く。その後、マスクを取り外しHF:NH4F=1:10の水溶液を用い、レジストが取り除かれた部分のSiO2601を取り除く。その後アセトンおよびO2プラズマによりレジスト602を取り除く。このようにして幅10μmのストライプ状のSiO2601がn型SiC(0001)基板101上に積層される。
【0019】
次に有機溶媒による洗浄及び前処理を施され、幅10μmのストライプ状のSiO2601が積層されたn型SiC(0001)基板101をスパッタ装置内に投入し、基板温度を300℃とし、SiCに電子線を照射してSiCの分子線強度が10-7Torrになるようする。その後、SiCのビームを基板に照射し、アンドープSiC電流狭窄層102を1000Å積層する。その後、基板101を室温に戻し、SiC層102が積層された基板101をスパッタ装置の外へ取り出す。SiO2とSiCは格子定数の違いが大きいのでSiO2の上にSiCはほとんど積層されない。このSiC層を積層する方法は、従来より知られた方法である。
【0020】
SiC層102が積層された基板101に対して、フッ酸によってSiO2層601を取り除く。
【0021】
SiC層102が積層された基板101を有機溶媒による洗浄及び前処理を施し、今度は基板101を炭素製の基板ホルダ501上に置き、有機金属気相エピタキシャル成長装置の成長室509内に投入する。n型SiC(0001)基板101に対して有機溶媒による洗浄及び前処理を行う。
【0022】
次に成長室509内を圧力70Torrの水素で満たし、水素雰囲気中でn型SiC(0001)基板101を炭素製の基板ホルダ501ごとヒータ508で1090℃まで加熱し、表面に付着している吸着ガスや酸化物、水分子等を取り除く。その後n型SiC(0001)基板101の温度を1000℃まで下げ、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シランのガス供給ラインのバルブ503、505、507を開け、トリメチルアルミニウム5.5sccm、アンモニア2.5l/min、シラン12.5sccmを流し、n型AlNバッファ層103を300Å積層する。
【0023】
n型AlNバッファ層103を積層した後、n型SiC(0001)基板101の温度を1030℃まで上げ、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シランのガス供給ラインのバルブ502、503、505、507を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルアルミニウム8.7sccm、アンモニア2.5l/min、シラン12.5sccmを流し、層厚1.5μmのn型Al0.2Ga0.8N104を積層する。
【0024】
n型Al0.2Ga0.8N104を積層した後、トリメチルアルミニウム及びシランのガス供給ライン503、507を閉じ、トリメチルガリウム、アンモニアのガス供給ラインのバルブ502、505を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、アンモニア2.5l/minを流し、アンドープGaN光ガイド層105を1000Å積層する。
【0025】
アンドープGaN光ガイド層105を積層した後、n型SiC(0001)基板101の温度を680℃まで下げ、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニアのガス供給ラインのバルブ502、504、505を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルインジウム27sccm、アンモニア10l/minを流し、アンドープGa0.9In0.1N活性層106を100Å積層する。
【0026】
アンドープGa0.9In0.1N活性層106を100Å積層した後、トリメチルインジウムのガス供給ラインのバルブ504を閉じ、n型SiC(0001)基板101の温度を1030℃まで上げ、トリメチルガリウム、アンモニアのガス供給ラインのバルブ502、505を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、アンモニア2.5l/minを流し、アンドープGaN光ガイド層107を1000Å積層する。
【0027】
アンドープGaN光ガイド層107を1000Å積層した後、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ502、503、505、506を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、トリメチルアルミニウム8.7sccm、アンモニア2.5l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム5.0sccmを流し、p型Al0.2Ga0.8Nクラッド層108を1.0μm積層する。
【0028】
p型Al0.2Ga0.8Nクラッド層108を積層した後、トリメチルアルミニウムのガス供給ラインのバルブ503を閉じ、トリメチルガリウム、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ502、506を開け、トリメチルガリウム2.7sccm、アンモニア2.5l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム5.0sccmを流し、p型GaNコンタクト層109を1000Å積層する。
【0029】
その後、水素のガス供給ラインのバルブのみを開け、圧力70Torrの水素雰囲気中でSiC(0001)基板101の温度を700℃に設定し、1時間アニールを行い、p型のドーパントであるマグネシウムを活性化する。アニール終了後、SiC(0001)基板101の温度を室温まで戻し、レーザ構造が積層されたSiC(0001)基板101を有機金属気相エピタキシャル成長装置の外へ取り出す。
【0030】
次にp型GaNコンタクト層が積層された基板101に幅10μmの領域を残して厚さ1000ÅのSiO2絶縁層110を、p型GaNコンタクト層109の上に積層する方法を、図7を用いて説明する。
【0031】
n型SiC(0001)基板101をCVD装置内に投入し、層厚1000ÅのSiO2110をCVD法によりp型GaNコンタクト層109上全面にわたって積層する。CVD装置としては、光CVD装置を用いてもよく、またプラズマCVD装置を用いてもよい。
【0032】
次にSiO2110を全面に積層されたn型SiC(0001)基板101に対してSiO2110上全面にレジスト701を塗布する。
【0033】
レジスト701を塗布されたn型SiC(0001)基板101に対して幅10μmのすきまが開いているマスク702をかぶせ、光を照射してマスク702に覆われていない部分のレジストを化学変化させて取り除く。その後、マスクを取り外しHF:NH4F=1:10の水溶液を用い、レジストが取り除かれた部分のSiO2110を取り除く。その後アセトンおよびO2プラズマによりレジスト701を取り除く。このようにしてp型GaNコンタクト層109上に幅10μmの領域を残して厚さ1000ÅのSiO2110が積層される。
【0034】
最後にレーザ構造が積層されたSiC基板101に対して、基板101裏面にチタン111、金112を、p型GaNコンタクト層109の表面に厚さ1000Åのニッケル113及び金114を蒸着させ、基板101をキャビティ長1mmにへき開してレーザを完成させる。
【0035】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は400nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は15cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0036】
次に電気的特性について述べる。p型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層104、108のキャリア密度は1×1018/cm3である。移動度はp型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層104、108それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型及びn型クラッド層104、108が製造されている。また、p型GaNコンタクト層109とニッケル113の間でのオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板101とチタン111との間にもオーム性接触が実現している。レーザの電流−電圧−光出力特性は図12の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は95mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。これはSiC基板側をSiC層102で電流狭窄をおこなったためである。
【0037】
なお、SiC層102の代わりにZnO層を用い、分子線エピタキシャル成長法によってGaN系レーザ構造を作製しても同様な効果が得られる。さらに図11に示すようにZnO層はGaN系に格子整合するのでSiC層102を使うよりも欠陥密度が減少し、GaN系レーザ内部損失が10cm-1とSiC層102の場合に比べて小さくなり、しきい値電流が85mAとSiC層102の場合に比べてさらに小さくなる。さらにZnO層に対しては王水を用いたウェットエッチングが容易にできるので、エッチングによるダメージがSiC層102の場合に比べてさらに小さくなる。
【0038】
なお、SiC基板101の代わりに他の導電性基板、例えばSi基板またはGaAs基板を用いても同様な効果が得られる。また、SiO2絶縁層110の代わりに他の酸化物、例えばAl23、ZnOまたはMgAl24を用いても同様な効果が得られる。
【0039】
参考の形態1
参考の形態1を、図2、図5、図8を用いて説明する。まず最初にスパッタ装置内において層厚1μmのZnO層801をn型SiC(0001)基板201に積層し、その後スパッタ装置より取り出した基板201のZnO層801の上に幅10μmの領域にレジスト802を塗布し、レジストでおおわれていないZnO層801をHCl:HNO3=3:1の水溶液によって取り除き、その後レジストを除去する。その後500eVに加速された水素イオンを基板201に打ち込み、領域202を作製する。
【0040】
そしてHCl:HNO3=3:1の水溶液によってZnO層801を取り除く。ZnO層をマスクに用いるのは、ZnOがSiC(0001)基板201に格子定数が近く、良質で、かつイオン打ち込みに耐えるような厚いマスクが得られるからである。
【0041】
次に基板201を炭素製の基板ホルダ501上に置き、有機金属気相エピタキシャル成長装置の成長室509内に投入する。n型SiC(0001)基板201に対して有機溶媒による洗浄及び前処理を行う。
【0042】
次にダブルヘテロ構造203〜209およびSiO2層210、電極211〜214を作製する。ダブルヘテロ構造203〜209を作製する方法は、実施の形態1に同じである。
【0043】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は400nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は15cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0044】
次に電気的特性について述べる。p型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層204、208のキャリア密度は1×1018/cm3である。移動度はp型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層204、208それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型及びn型クラッド層204、208が製造されている。
【0045】
また、p型GaNコンタクト層209とニッケル213の間でのオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板201とチタン211との間にもオーム性接触が実現している。レーザの電流−電圧−光出力特性は図13の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は95mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。これはSiC基板201の、幅10μmの電流を注入する以外の部分202が水素イオン打ち込みによって高抵抗化され、電流狭窄が実現しているためである。
【0046】
なお、SiC基板201の代わりに他の導電性基板、例えばSi基板またはGaAs基板を用いても同様な効果が得られる。また、SiO2絶縁層210の代わりに他の酸化物、例えばAl23、ZnOまたはMgAl24を用いても同様な効果が得られる。
【0047】
参考の形態2
参考の形態2を、図3、図5を用いて説明する。まず最初にn型SiC(0001)基板301に対して、有機溶媒による洗浄及び前処理を施し、基板301を炭素製の基板ホルダ501上に置き、有機金属気相エピタキシャル成長装置の成長室509内に投入する。n型SiC(0001)基板301に対して有機溶媒による洗浄及び前処理を行う。
【0048】
次に成長室509内を圧力70Torrの水素で満たし、水素雰囲気中でn型SiC(0001)基板301を炭素製の基板ホルダ501ごとヒータ508で1090℃まで加熱し、表面に付着している吸着ガスや酸化物、水分子等を取り除く。その後n型SiC(0001)基板301をの温度を1000℃まで下げ、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ503、505、506を開け、トリメチルアルミニウム5.5sccm、アンモニア2.5l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム12.5sccmを流し、p型AlNバッファ層302を300Å積層する。その後基板301を室温まで冷却し、有機金属気相エピタキシャル成長装置の外に取り出す。
【0049】
次にp型AlNバッファ層302を幅10μmにわたってドライエッチングする方法を、図9を用いて説明する。p型AlNバッファ層302が積層されたn型SiC(0001)基板301に対して、スパッタにより幅10μmのストライプ状にZnO層901を積層し、今度はドライエッチング装置内にてZnO層901が積層されていない部分のp型AlNをHClガスを用いてエッチングを施して取り除く。その後基板301をドライエッチング装置の外に取り出し、ZnO層901をHCl:HNO3=3:1の水溶液によって取り除く。幅10μmのストライプ状にZnOを積層する方法は、実施の形態1と同様な方法である。
【0050】
ZnO層901が取り除かれた基板301に対して再び有機溶媒による洗浄及び前処理を施し、今度は基板301を炭素製の基板ホルダ501上に置き、有機金属気相エピタキシャル成長装置の成長室509内に投入する。n型SiC(0001)基板301に対して有機溶媒による洗浄及び前処理を行う。
【0051】
次にダブルヘテロ構造303〜309およびSiO2層310、電極311〜314を作製する。ダブルヘテロ構造303〜309を作製する方法は、実施の形態1に同じである。
【0052】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は400nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は15cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0053】
次に電気的特性について述べる。p型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層304、308のキャリア密度は1×1018/cm3である。移動度はp型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層304、308それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型及びn型クラッド層304、308が製造されている。
【0054】
また、p型GaNコンタクト層309とニッケル313の間でのオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板301とチタン311との間にもオーム性接触が実現している。レーザの電流−電圧−光出力特性は図14の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は95mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。これはn型SiC基板側をp型AlNで電流狭窄をおこなったためである。
【0055】
なお、SiC基板301の代わりに他の導電性基板、例えばSi基板またはGaAs基板を用いても同様な効果が得られる。また、SiO2絶縁層310の代わりに他の酸化物、例えばAl23、ZnOまたはMgAl24を用いても同様な効果が得られる。
【0056】
(参考の形態3)
参考の形態3を、図4、図5、図10を用いて説明する。まず最初にn型SiC(0001)基板401に対して、有機溶媒による洗浄及び前処理を施し、基板401を炭素製の基板ホルダ501上に置き、有機金属気相エピタキシャル成長装置の成長室509内に投入する。n型SiC(0001)基板401に対して有機溶媒による洗浄及び前処理を行う。
【0057】
次に成長室509内を圧力70Torrの水素で満たし、水素雰囲気中でn型SiC(0001)基板401を炭素製の基板ホルダ501ごとヒータ508で1090℃まで加熱し、表面に付着している吸着ガスや酸化物、水分子等を取り除く。その後n型SiC(0001)基板401の温度を1000℃まで下げ、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シランのガス供給ラインのバルブ503、505、507を開け、トリメチルアルミニウム5.5sccm、アンモニア2.5l/min、シラン12.5sccmを流し、n型AlNバッファ層402を300Å積層する。その後基板401を室温まで冷却し、有機金属気相エピタキシャル成長装置の外に取り出す。
【0058】
次にダブルヘテロ構造403〜408を作製する。ダブルヘテロ構造403〜408を作製する方法は、実施の形態1に同じである。
【0059】
ダブルヘテロ構造403〜408が積層されたn型SiC(0001)基板401に対して、スパッタにより幅10μmのストライプ状の部分にZnOからなるマスクを積層し、今度はドライエッチング装置内にてZnOが積層されていない部分のダブルヘテロ構造403〜408を、HClガスを用いてn型GaN層の途中、残し厚み1.0μmになるまでエッチングを施して取り除く。その後基板401をドライエッチング装置の外に取り出し、ZnOマスクをHCl:HNO3=3:1の水溶液によって取り除く。ZnOマスクを用いてドライエッチングを行う方法は、参考の形態2に同じである。
【0060】
次に埋め込み再成長に関する手順を、図10を用いて説明する。ZnOマスクが取り除かれた基板401に対して再び有機溶媒による洗浄及び前処理を施し、今度は基板401を炭素製の基板ホルダ501上に置き、有機金属気相エピタキシャル成長装置の成長室509内に投入する。
【0061】
その後基板温度を1030℃に設定し、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ502、503、505、506を開け、トリメチルガリウム3.7sccm、トリメチルアルミニウム8.7sccm、アンモニア2.5l/min、シクロペンタジエニルマグネシウム5.0sccmを流し、層厚0.6μmのp型Al0.3Ga0.7N409を、ダブルヘテロ構造403〜408の、活性層405の途中あたりまで積層する。
【0062】
その後、シクロペンタジエニルマグネシウムのガス供給ラインのバルブ506を閉じ、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、シランのガス供給ラインのバルブ502、503、505、507を開け、トリメチルガリウム3.7sccm、トリメチルアルミニウム8.7sccm、アンモニア2.5l/min、シラン12.5sccmを流し、層厚1.1μmのn型Al0.3Ga07N410を積層する。
【0063】
その後、水素のガス供給ラインのバルブのみを開け、圧力70Torrの水素雰囲気中でSiC(0001)基板401の温度を700℃に設定し、1時間アニールを行い、p型のドーパントであるマグネシウムを活性化する。アニール終了後、SiC(0001)基板401の温度を室温まで戻し、レーザ構造が積層されたSiC(0001)基板401を有機金属気相エピタキシャル成長装置の外へ取り出す。
【0064】
次にレーザ構造が積層された基板401に、実施の形態1と同様に幅5μmの領域を残して厚さ1000ÅのSiO2絶縁層411を積層する。
【0065】
最後にレーザ構造が積層されたSiC基板401に対して、基板401裏面にチタン412および金413、p型GaNコンタクト層408の表面に厚さ1000Åのニッケル414及び金415を蒸着させ、基板401をキャビティ長1mmにへき開してレーザを完成させる。
【0066】
本発明の、上記レーザの特性を以下に述べる。
まず光学的特性について述べる。レーザの発振波長は400nmである。端面の反射率はフロント、リアとも22%である。またレーザの内部損失は20cm-1、共振器における損失は20cm-1である。
【0067】
次に電気的特性について述べる。p型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層403、407のキャリア密度は1×1018/cm3である。移動度はp型及びn型Al0.2Ga0.8Nクラッド層403、407それぞれ10cm2/V・s、250cm2/V・sであり、十分抵抗率の小さいp型及びn型クラッド層403、407が製造されている。
【0068】
また、p型GaNコンタクト層408とニッケル414の間でのオーム性接触が実現し、さらに裏面のn型SiC基板401とチタン412との間にもオーム性接触が実現している。レーザの電流−電圧−光出力特性は図15の太線のようになり、細線に示す従来のものより特性が良い。しきい値電流は105mAと、従来のレーザ構造よりも小さくなっている。これはn型SiC基板側をp型AlNで電流狭窄をおこなったためである。また、レーザ発振の、水平横モードのファーフィールドパターンは図16のようになり、単一横モード閉じ込めレーザが実現していることがわかるが、これはp型およびn型Al0.3Ga0.7N層409、410による埋め込みの効果である。
【0069】
なお、SiC基板401の代わりに他の導電性基板、例えばSi基板またはGaAs基板を用いても同様な効果が得られる。また、SiO2絶縁層411の代わりに他の酸化物、例えばAl23、ZnOまたはMgAl24を用いても同様な効果が得られる。また、n型Al0.3Ga0.7N層410の代わりにアンドープAl0.3Ga0.7N層を用いた場合、アンドープAl0.3Ga0.7Nが高抵抗またはn型の導電性を示すので、上記と同様な効果が得られる。
【0070】
また、上記ZnOが積層されていない部分のダブルヘテロ構造403〜408を残し厚み1.0μmになるまでエッチングを施して取り除く代わりに、ZnOが積層されていない部分のダブルヘテロ構造403〜408をすべて取り除き、その取り除いた部分にアンドープAl0.3Ga0.7N層を積層しても同様な効果が得られる。
【0071】
以上説明した実施形態1の発光素子は、紫〜青色の発光を示すことから、ディスプレイ等の表示装置や、短波長の光源が必要とされる光ディスク装置の光源に用いることができるものである。
【0072】
【発明の効果】
本発明の、レーザ構造及びその製造方法により、従来のレーザ構造よりもしきい値電流が低下し、単一横モード閉じ込めが実現し、素子としての信頼性の高い、歩留まり率の良いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の、第1の実施の形態の発光素子に関する構造断面図
【図2】 本発明の、第1の参考の形態の発光素子に関する構造断面図
【図3】 本発明の、第2の参考の形態の発光素子に関する構造断面図
【図4】 本発明の、第3の参考の形態の発光素子に関する構造断面図
【図5】 本発明の半導体発光素子を作製する、有機金属気相エピタキシャル装置の構造断面図
【図6】 本発明の、第1の実施の形態における発光素子のプロセスに関する図
【図7】 本発明の、第1の実施の形態における発光素子に関する、SiO2絶縁層形成の手順に関する図
【図8】 本発明の、第1の参考の形態における発光素子のプロセスに関する図
【図9】 本発明の、第2の参考の形態における発光素子に関する、ドライエッチングに関する図
【図10】 本発明の、第3の参考の形態における発光素子の埋め込み再成長に関する図
【図11】 III−V族化合物半導体のバンドギャップと格子定数との関係、およびよく用いられる基板の格子定数を表す図
【図12】 本発明の、第1の実施の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図13】 本発明の、第1の参考の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図14】 本発明の、第2の参考の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図15】 本発明の、第3の参考の形態の発光素子に関する電流−電圧−光出力特性を表す図
【図16】 本発明の、第3の参考の形態の発光素子に関する、レーザ発振時のファーフィールドパターンを表す図
【図17】 従来の半導体発光素子に関する構造断面図
【符号の説明】
101 n型SiC基板
102 アンドープSiC電流狭窄層
201 n型SiC基板
202 n型SiC基板の水素打ち込み領域
301 n型SiC基板
302 p型AlNバッファ層
401 n型SiC基板
409 p型Al0.3Ga0.7N層
410 n型Al0.3Ga0.7N層

Claims (1)

  1. 導電性を有する基板と、前記基板と接するように1000Å以下の層厚に積層された絶縁層と、前記絶縁層を一部除去した領域と、前記絶縁層を除去した領域の上に、Nを含むIII−V族化合物より成るダブルへテロ構造を有し、前記絶縁層としてSiC又はZnOを用いることを特徴とする半導体発光素子。
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