JP2009212343A - 窒化物半導体素子および窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体素子および窒化物半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 非極性面または半極性を主面とするp型のIII族窒化物半導体層に対して、良好なオーミックコンタクトをとることができる電極を有する窒化物半導体素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 半導体レーザダイオード70において、非極性面を主面とする基板1の主面にp型半導体層12を成長させる。p型半導体層12におけるp型GaNコンタクト層19の、絶縁層6から露出する成長主面25は、基板1の主面に平行な非極性面である。そして、p型電極4を、Ptが主として含有される下層が、絶縁層6から露出するp型GaNコンタクト層19の成長主面25に接触するように、絶縁層6およびp型GaNコンタクト層19の成長主面25に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体を用いた窒化物半導体素子およびその製造方法に関する。
III-V族半導体においてV族元素として窒素を用いた半導体は「III族窒化物半導体」と呼ばれ、その代表例は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)である。一般には、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)と表わすことができる。
c面を主面とする窒化ガリウム(GaN)基板上にIII族窒化物半導体(たとえば、GaN)を有機金属気相成長法(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)によって成長させる窒化物半導体の製造方法が知られている。この方法を適用することにより、n型のGaN層およびp型のGaN層を有する窒化物半導体積層構造を形成することができる。そして、GaN基板の裏面にはn型電極が形成され、p型のGaN層の成長主面にはp型電極が形成される。
n型電極として用いられる電極の具体例としては、Al電極が挙げられる。
一方、p型電極としては、GaNの電子親和力(4.1eV)とバンドギャップ(3.4eV)との和が大きいため、可能な限り大きな仕事関数を有する電極が適用され、たとえば、Pd(仕事関数:5.1eV)/Au電極などが適用される。Pd/Au電極は、アニール処理によりGaNと合金化するので、c面を主面とするp型GaNに対して良好にオーミックコンタクトをとることができる。
そして、上記した窒化物半導体積層構造は、窒化物半導体素子として、たとえば、レーザデバイス、発光デバイスなどに利用される。
T. Takeuchi et al., Jap. J. Appl. Phys. 39, 413-416, 2000 A. Chakraborty, B. A. Haskell, H. S. Keller, J. S. Speck, S.P. DenBaars, S. Nakamura and U. K. Mishra: Jap. J. Appl. Phys. 44 (2005) L173
ところで、c面以外の面、すなわち、a面、m面などの非極性(ノンポーラ)面、または半極性(セミポーラ)面を成長主面とするGaNを成長させて、窒化物半導体積層構造を形成することが検討されている。
ところが、成長主面が異なれば、GaNの表面における原子組成が異なる。たとえば、c面を主面とするGaNでは、その表面における原子組成がほぼ全てGa原子である。一方、m面を主面とするGaNでは、その表面における原子組成はGa原子:N原子=1:1である。
そのため、アニール処理時におけるGaNと金属との反応性が異なる。たとえば、アニール処理をするときの温度(アニール温度)の適切値が異なる。c面を主面とするGaNのp型電極として、Pd/Au電極を適用した場合、図13に示すように、適切なアニール温度が640℃である。アニール温度が640℃であれば、PdとGaNとの合金化反応が生じることにより、良好なオーミックコンタクトができる。一方、m面を主面とするGaNのp型電極として、Pd/Auを適用した場合、適切なアニール温度が200℃である。つまり、GaNの成長主面がc面である場合に比べて、適切なアニール温度が低く、この温度ではPdとGaNとの合金化反応が起こらず、良好なオーミックコンタクトをとることが困難である。
そこで、c面以外の面方位を成長主面とするp型のIII族窒化物半導体に対して良好にオーミック接触できる電極を検討する必要がある。
本発明の目的は、非極性面または半極性を主面とするp型のIII族窒化物半導体層に対して、良好なオーミックコンタクトをとることができる電極を有する窒化物半導体素子およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、非極性面または半極性面を主面とするp型III族窒化物半導体層と、前記p型III族窒化物半導体層の主面に形成され、前記主面に接する接触領域にPtを含有する電極とを有する、窒化物半導体素子である。
この構成によれば、p型III族窒化物半導体層の主面が非極性面または半極性面である。そして、上記した面方位の主面に形成される電極において、主面に接する接触領域には、Ptが含有されている。これにより、非極性面または半極性面の主面にPtを接触させることができるため、p型III族窒化物半導体層に対して、良好なオーミックコンタクトをとることができる。その結果、窒化物半導体素子の電気特性の低下を抑制することができる。
なお、非極性面とは、a面およびm面である。半極性面の具体例は、(10−1−1)面、(10−1−3)面、(11−22)面などである。
これら非極性面および半極性面のうち、前記p型III族窒化物半導体層の主面は、請求項2に記載されているように、m面であることが好ましい。
p型III族窒化物半導体層の主面がm面であれば、結晶成長を極めて安定に行なうことができ、c面やその他の結晶面を結晶成長の主面とする場合に比較して、結晶性を向上させることができる。その結果、高性能の窒化物半導体素子の作製が可能になる。
また、請求項3に記載の発明は、非極性面または半極性面を主面とするp型III族窒化物半導体層の主面に電極を有する窒化物半導体素子の製造方法であって、Ptを含有する電極材料を、前記主面に接するように形成する電極形成工程を含む、窒化物半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、Ptを含有する電極材料が、p型III族窒化物半導体層の主面(非極性面または半極性面)に接するように電極を形成するので、非極性面または半極性面の主面にPtを接触させることができる。そのため、p型III族窒化物半導体層に対して、良好なオーミックコンタクトをとることができる。その結果、窒化物半導体素子において、電気特性の低下を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記電極形成工程後、前記電極材料に対して400℃以下でアニール処理を行なうアニール処理工程を含む、請求項3に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
c面を主面とするIII族窒化物半導体と、非極性面または半極性面を主面とするIII族窒化物半導体とでは、これらの表面における原子組成が異なる。そのため、アニール処理時におけるIII族窒化物半導体と電極材料との反応性が異なる。たとえば、アニール処理するときの温度(アニール温度)の適切値が異なる。m面を成長主面とするp型GaNにPtを含有する電極材料を形成し、この材料をアニール処理する場合、適切なアニール温度は200℃であり、400℃を超えると、p型GaNに対する電極のコンタクト特性が低下する場合がある。
そのため、p型III族窒化物半導体層の主面(非極性面または半極性面)に形成された電極をアニール処理する場合、そのアニール温度は、400℃以下であることが好ましい。
請求項4に記載の発明では、電極材料に対して400℃以下でアニール処理を行なうので、p型III族窒化物半導体層に対する電極のオーミック特性の低下を抑制することができる。その結果、窒化物半導体素子の電気特性の低下を抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記アニール処理工程が、前記電極材料に対して200℃でアニール処理を行なう工程である、請求項4に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
上記したように、非極性面の一例であるm面に形成された電極のアニール温度の適切値は、200℃である。そのため、電極材料のアニール処理を200℃で行なえば、p型III族窒化物半導体層に対して、電極を極めて良好にオーミック接触させることができる。その結果、窒化物半導体素子において、優れた電気特性を発現させることができる。
また、Pt(仕事関数:5.3eV)は、Pd(仕事関数:5.1eV)よりも仕事関数が大きい。そのため、p型III族窒化物半導体とPtを含有する電極材料との合金化反応が生じない場合でも、良好なオーミックコンタクトをとることができる。したがって、請求項6に記載されているように、前記電極形成工程後、アニール処理を行なわない場合でも、良好にオーミック接触させることができ、窒化物半導体素子において、優れた電気的特性を発現させることができる。
また、請求項7に記載の発明は、前記電極形成工程後の工程において、前記電極材料が晒される工程温度が400℃以下に保持される、請求項3〜6のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
上記したように、p型III族窒化物半導体層の主面(非極性面または半極性面)に形成された電極材料を、400℃を超える温度でアニール処理すると、p型III族窒化物半導体層に対する電極のオーミック特性が低下して、窒化物半導体素子の電気特性が低下する場合がある。
請求項7に記載の発明では、電極形成工程後の工程において、電極材料が晒される工程温度が400℃以下に保持されるので、p型III族窒化物半導体層に対する電極のオーミック特性の低下を抑制することができる。その結果、窒化物半導体素子の電気特性の低下を抑制することができる。
また、請求項8に記載の発明は、前記電極形成工程後の工程において、前記電極材料が晒される工程温度が200℃以下に保持される、請求項3〜7のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
上記したように、電極材料のアニール処理を200℃で行なうか、あるいは、アニール処理を行なわないことによって、窒化物半導体素子において、優れた電気特性を発現させることができる。
請求項8に記載の発明では、電極形成工程後の工程において、電極材料が晒される工程温度が200℃以下に保持される。そのため、たとえば、電極材料のアニール処理を200℃で行なうか、あるいは、アニール処理を行なわないことによって、p型III族窒化物半導体層に対して、電極を極めて良好にオーミック接触させることができる。その結果、窒化物半導体素子において、優れた電気特性を発現させることができる。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザダイオードの構成を説明するための斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿う縦断面図であり、図3は、図1のIII−III線に沿う横断面図である。
この半導体レーザダイオード70は、基板1と、基板1上に結晶成長によって形成されたIII族窒化物半導体積層構造2と、基板1の裏面(III族窒化物半導体積層構造2と反対側の表面)に接触するように形成されたn型電極3と、III族窒化物半導体積層構造2の成長主面に接触するように形成されたp型電極4とを備えたファブリペロー型のものである。
基板1は、この実施形態では、GaN単結晶基板で構成されている。この基板1は、非極性面を主面としたものである。非極性面とは、a面またはm面である。この主面上における結晶成長によって、III族窒化物半導体積層構造2が形成されている。したがって、III族窒化物半導体積層構造2は、非極性面を結晶成長主面とするIII族窒化物半導体からなる。
III族窒化物半導体積層構造2は、発光層10と、n型半導体層11と、p型半導体層12とを備えている。n型半導体層11は発光層10に対して基板1側に配置されており、p型半導体層12は発光層10に対してp型電極4側に配置されている。こうして、発光層10が、n型半導体層11およびp型半導体層12によって挟持されていて、ダブルヘテロ接合が形成されている。発光層10には、n型半導体層11から電子が注入され、p型半導体層12から正孔が注入される。これらが発光層10で再結合することにより、光が発生するようになっている。
n型半導体層11は、基板1側から順に、n型GaNコンタクト層13(たとえば2μm厚)、n型AlGaNクラッド層14(1.5μm厚以下。たとえば1.0μm厚)およびn型GaNガイド層15(たとえば0.1μm厚)を積層して構成されている。一方、p型半導体層12は、発光層10の上に、順に、p型AlGaN電子ブロック層16(たとえば20nm厚)、p型GaNガイド層17(たとえば0.1μm厚)、p型AlGaNクラッド層18(1.5μm厚以下。たとえば0.4μm厚)およびp型GaNコンタクト層19(たとえば0.3μm厚)を積層して構成されている。
n型GaNコンタクト層13およびp型GaNコンタクト層19は、それぞれn型電極3およびp型電極4とのオーミックコンタクトをとるための低抵抗層である。n型GaNコンタクト層13は、GaNにたとえばn型ドーパントとしてのSiを高濃度にドープ(ドーピング濃度は、たとえば、3×1018cm-3)することによってn型半導体とされている。また、p型GaNコンタクト層19は、p型ドーパントとしてのMgを高濃度にドープ(ドーピング濃度は、たとえば、3×1019cm-3)することによってp型半導体層とされている。
n型AlGaNクラッド層14およびp型AlGaNクラッド層18は、発光層10からの光をそれらの間に閉じ込める光閉じ込め効果を生じるものである。n型AlGaNクラッド層14は、AlGaNにたとえばn型ドーパントとしてのSiをドープ(ドーピング濃度は、たとえば、1×1018cm-3)することによってn型半導体とされている。また、p型AlGaNクラッド層18は、p型ドーパントとしてのMgをドープ(ドーピング濃度は、たとえば、1×1019cm-3)することによってp型半導体層とされている。
n型GaNガイド層15およびp型GaNガイド層17は、発光層10にキャリア(電子および正孔)を閉じ込めるためのキャリア閉じ込め効果を生じる半導体層である。これにより、発光層10における電子および正孔の再結合の効率が高められるようになっている。n型GaNガイド層15は、GaNにたとえばn型ドーパントとしてのSiをドープ(ドーピング濃度は、たとえば、1×1018cm-3)することによりn型半導体とされており、p型GaNガイド層17は、GaNにたとえばp型ドーパントとしてのMgをドープする(ドーピング濃度は、たとえば、5×1018cm-3)ことによってp型半導体とされている。
p型AlGaN電子ブロック層16は、AlGaNにp型ドーパントとしてのたとえばMgをドープ(ドーピング濃度は、たとえば、5×1018cm-3)して形成されたp型半導体であり、発光層10からの電子の流出を防いで、電子および正孔の再結合効率を高めている。
発光層10は、たとえばInGaNを含むMQW(multiple-quantum well)構造(多重量子井戸構造)を有しており、電子と正孔とが再結合することにより光が発生し、その発生した光を増幅させるための層である。発光層10は、具体的には、InGaN層(たとえば3nm厚)とGaN層(たとえば9nm厚)とを交互に複数周期繰り返し積層して構成されている。この場合に、InGaN層は、Inの組成比が5%以上とされることにより、バンドギャップが比較的小さくなり、量子井戸層を構成する。一方、GaN層は、バンドギャップが比較的大きなバリア層(障壁層)として機能する。たとえば、InGaN層とGaN層とは交互に2〜7周期繰り返し積層されて、MQW構造の発光層10が構成されている。発光波長は、量子井戸層(InGaN層)におけるInの組成を調整することによって、たとえば400nm〜550nmとされている。
p型半導体層12は、その一部が除去されることによって、リッジストライプ20を形成している。より具体的には、p型GaNコンタクト層19、p型AlGaNクラッド層18およびp型GaNガイド層17の一部がエッチング除去され、横断面視ほぼ台形形状のリッジストライプ20が形成されている。このリッジストライプ20は、c軸方向に沿って形成されている。
III族窒化物半導体積層構造2は、リッジストライプ20の長手方向両端における劈開により形成された1対の端面21,22を有している。この1対の端面21,22は、互いに平行であり、いずれもc軸に垂直である。こうして、n型GaNガイド層15、発光層10およびp型GaNガイド層17によって、端面21,22を共振器端面とするファブリペロー共振器が形成されている。すなわち、発光層10で発生した光は、共振器端面21,22の間を往復しながら、誘導放出によって増幅される。そして、増幅された光の一部が、共振器端面21,22からレーザ光として素子外に取り出される。
n型電極3は、たとえばAl金属からなり、基板1にオーミック接続されている。
p型電極4は、Ptを含有する金属からなり、たとえば、Ptを主として含有し、p型GaNコンタクト層19に接触する下層(仕事関数:5.3eV 層厚:5〜50nm)と、Auを主として含有し、上記下層に積層された上層(層厚:10〜150nm)とからなる2層構造の金属からなる。p型電極4は、p型GaNコンタクト層19にオーミック接続されている。具体的には、p型電極4がリッジストライプ20の頂面のp型GaNコンタクト層19だけに接触するように、n型GaNガイド層17およびp型AlGaNクラッド層18の露出面を覆う絶縁層6が設けられている。これにより、リッジストライプ20に電流を集中させることができるので、効率的なレーザ発振が可能になる。
そして、p型電極4は、Ptが主として含有される下層が、リッジストライプ20の頂面として絶縁層6から露出するp型GaNコンタクト層19の成長主面25に接触するように、絶縁層6およびp型GaNコンタクト層19の成長主面25に形成されている。
共振器端面21,22には、それぞれ絶縁膜23,24(図1では図示を省略した。)が形成されている。本実施形態の場合、共振器端面21,22は、c面(+c面または−c面)であり、共振器端面21は、たとえば+c軸側端面であり、共振器端面22は、たとえば−c軸側端面である。この場合、共振器端面21の結晶面は+c面であり、共振器端面22の結晶面は−c面である。
図4に図解的に示すように、+c面である共振器端面21を被覆するように形成された絶縁膜23は、たとえばZrO2の単層膜からなる保護膜である。これに対し、−c面である共振器端面22に形成された保護膜としての絶縁膜24は、たとえばSiO2膜とZrO2膜とを交互に複数回(図4の例では5回)繰り返し積層した多重反射膜で構成されている。絶縁膜23を構成するZrO2の単膜は、その厚さがλ/2n1(ただし、λは発光層10の発光波長。n1はZrO2の屈折率)とされている。一方、絶縁膜24を構成する多重反射膜は、膜厚λ/4n2(但しn2はSiO2の屈折率)のSiO2膜と、膜厚λ/4n1のZrO2膜とを交互に積層した構造となっている。+c面である共振器端面21についても、必要な反射率に応じて、屈折率の異なる材料(たとえば、ZrO2およびSiO2)からなり前記膜厚の層の組み合わせからなる多層膜を保護膜として用いてもよい。
このような構造により、+c軸側端面21における反射率は小さく、−c軸側端面22における反射率が大きくなっている。より具体的には、たとえば、+c軸側端面21の反射率は20%程度とされ、−c軸側端面22における反射率は99.5%程度(ほぼ100%)となる。したがって、+c軸側端面21から、より大きなレーザ出力が出射されることになる。すなわち、この半導体レーザダイオード70では、+c軸側端面21が、レーザ出射端面とされている。
このような構成によって、n型電極3およびp型電極4を電源に接続し、n型半導体層11およびp型半導体層12から電子および正孔を発光層10に注入することによって、この発光層10内で電子および正孔の再結合を生じさせ、たとえば波長400nm〜550nmの光を発生させることができる。この光は、共振器端面21,22の間をガイド層15,17に沿って往復しながら、誘導放出によって増幅される。そして、レーザ出射端面である共振器端面21から、より多くのレーザ出力が外部に取り出されることになる。
図5は、III族窒化物半導体の結晶構造のユニットセルを表した図解図である。III族窒化物半導体の結晶構造は、六方晶系で近似することができ、1つのIII族原子に対して4つの窒素原子が結合している。4つの窒素原子は、III族原子を中央に配置した正四面体の4つの頂点に位置している。これらの4つの窒素原子は、1つの窒素原子がIII族原子に対して+c軸方向に位置し、他の3つの窒素原子がIII族原子に対して−c軸側に位置している。このような構造のために、III族窒化物半導体では、分極方向がc軸に沿っている。
c軸は六角柱の軸方向に沿い、このc軸を法線とする面(六角柱の頂面)がc面(0001)である。c面に平行な2つの面でIII族窒化物半導体の結晶を劈開すると、+c軸側の面(+c面)はIII族原子が並んだ結晶面となり、−c軸側の面(−c面)は窒素原子が並んだ結晶面となる。そのため、c面は、+c軸側と−c軸側とで異なる性質を示すので、極性面(Polar Plane)と呼ばれる。
+c面と−c面とは異なる結晶面であるので、それに応じて、異なる物性を示す。具体的には、+c面は、アルカリに強いなどといった化学反応性に対する耐久性が高く、逆に、−c面は化学的に弱く、たとえば、アルカリに溶けてしまうことが分かっている。
一方、六角柱の側面がそれぞれm面(10-10)であり、隣り合わない1対の稜線を通る面がa面(11-20)である。これらは、c面に対して直角な結晶面であり、分極方向に対して直交しているため、極性のない平面、すなわち、非極性面(Nonpolar Plane)である。さらに、c面に対して傾斜している(平行でもなく直角でもない)結晶面は、分極方向に対して斜めに交差しているため、若干の極性のある平面、すなわち、半極性面(Semipolar Plane)である。半極性面の具体例は、(10-1-1)面、(10-1-3)面、(11-22)面などの面である。
非特許文献1に、c面に対する結晶面の偏角と当該結晶面の法線方向の分極との関係が示されている。この文献から、(11-24)面、(10-12)面なども分極の少ない結晶面であり、大きな偏光状態の光を取り出すために採用される可能性のある有力な結晶面であると言える。
非極性面の例として、たとえば、m面を主面とするGaN単結晶基板は、c面を主面としたGaN単結晶から切り出して作製することができる。切り出された基板のm面は、たとえば、化学的機械的研磨処理によって研磨され、(0001)方向および(11−20)方向の両方に関する方位誤差が、±1°以内(好ましくは±0.3°以内)とされる。こうして、m面を主面とし、かつ、転位や積層欠陥といった結晶欠陥のないGaN単結晶基板が得られる。このようなGaN単結晶基板の表面には、原子レベルの段差が生じているにすぎない。
このようにして得られるGaN単結晶基板上に、有機金属気相成長法によって、半導体レーザダイオード構造を構成するIII族窒化物半導体積層構造2が成長させられる。
m面を主面とするGaN単結晶基板1上にm面を成長主面とするIII族窒化物半導体積層構造2を成長させてa面に沿う断面を電子顕微鏡(STEM:走査透過電子顕微鏡)で観察すると、III族窒化物半導体積層構造2には、転位の存在を表す条線が見られない。そして、表面状態を光学顕微鏡で観察すると、c軸方向への平坦性(最後部と最低部との高さの差)は10Å以下であることが分かる。このことは、発光層10、とくに量子井戸層のc軸方向への平坦性が10Å以下であることを意味し、発光スペクトルの半値幅を低くすることができる。
このように、無転位でかつ積層界面が平坦なm面III族窒化物半導体を成長させることができる。ただし、GaN単結晶基板1の主面のオフ角は±1°以内(好ましくは±0.3°以内)とすることが好ましく、たとえば、オフ角を2°としたm面GaN単結晶基板上にGaN半導体層を成長させると、GaN結晶がテラス状に成長し、オフ角を±1°以内とした場合のような平坦な表面状態とすることができないおそれがある。
m面を主面としたGaN単結晶基板上に結晶成長させられるIII族窒化物半導体は、m面を成長主面として成長する。c面を主面として結晶成長した場合には、c軸方向の分極の影響で、発光層10での発光効率が悪くなるおそれがある。これに対して、非極性面であるm面を結晶成長主面とすれば、量子井戸層での分極が抑制され、発光効率が増加する。これにより、閾値の低下やスロープ効率の増加を実現できる。また、分極が少ないため、発光波長の電流依存性が抑制され、安定した発振波長を実現できる。
さらにまた、m面を主面とすることにより、c軸方向およびa軸方向に物性の異方性が生じる。加えて、Inを含む発光層10(活性層)には、格子歪みによる2軸性応力が生じている。その結果、量子バンド構造が、c面を主面として結晶成長された活性層とは異なるものとなる。したがって、c面を成長主面とした活性層の場合とは異なる利得が得られ、レーザ特性が向上する。
また、m面を結晶成長の主面とすることによって、III族窒化物半導体の結晶成長を極めて安定に行なうことができるので、III族窒化物半導体積層構造2の結晶性を向上することができる。これにより、高性能の半導体レーザダイオードを実現することができる。
そして、絶縁層6から露出するp型GaNコンタクト層19の成長主面25がm面であって、p型電極4の下層がこの成長主面25(m面)に接触するように、p型電極4が絶縁層6およびp型GaNコンタクト層19の成長主面25に形成されている。すなわち、Ptを含有する層がm面の成長主面25に接触するようにp型電極4が形成される。これにより、成長主面25がm面であるp型GaNコンタクト層19の成長主面25にPt(仕事関数:5.3eV)を接触させることができるため、p型GaNコンタクト層19に対して、良好なオーミックコンタクトをとることができる。その結果、半導体レーザダイオード70の電気特性の低下を抑制することができるので、レーザ特性を向上することができる。
発光層10は、m面を結晶成長主面として成長させられたIII族窒化物半導体からなるので、ここから発生する光は、a軸方向、すなわちm面に平行な方向に偏光しており、TEモードの場合、その進行方向はc軸方向である。したがって、半導体レーザダイオード70は、結晶成長主面が偏光方向に平行であり、かつ、ストライプ方向、すなわち導波路の方向が光の進行方向と平行に設定されている。これにより、TEモードの発振を容易に生じさせることができ、レーザ発振を生じさせるための閾値電流を低減することができる。
また、この実施形態では、基板1としてGaN単結晶基板を用いているので、III族窒化物半導体積層構造2は、欠陥の少ない高い結晶品質を有することができる。その結果、高性能の半導体レーザダイオードを実現できる。
さらにまた、実質的に転位のないGaN単結晶基板上にIII族窒化物半導体積層構造を成長させることにより、このIII族窒化物半導体積層構造2は基板1の成長面(m面)からの積層欠陥や貫通転位が生じていない良好な結晶とすることができる。これにより、欠陥に起因する発光効率低下などの特性劣化を抑制することができる。
図6は、III族窒化物半導体積層構造2を構成する各層を成長させるための処理装置の構成を説明するための図解図である。処理室30内に、ヒータ31を内蔵したサセプタ32が配置されている。サセプタ32は、回転軸33に結合されており、この回転軸33は、処理室30外に配置された回転駆動機構34によって回転されるようになっている。これにより、サセプタ32に処理対象のウエハ35を保持させることにより、処理室30内でウエハ35を所定温度に昇温することができ、かつ、回転させることができる。ウエハ35は、前述のGaN単結晶基板1を構成するGaN単結晶ウエハである。
処理室30には、排気配管36が接続されている。排気配管36はロータリポンプ等の排気設備に接続されている。これにより、処理室30内の圧力は、1/10気圧〜常圧とされ、処理室30内の雰囲気は常時排気されている。
一方、処理室30には、サセプタ32に保持されたウエハ35の表面に向けて原料ガスを供給するための原料ガス供給路40が導入されている。この原料ガス供給路40には、窒素原料ガスとしてのアンモニアを供給する窒素原料配管41と、ガリウム原料ガスとしてのトリメチルガリウム(TMG)を供給するガリウム原料配管42と、アルミニウム原料ガスとしてのトリメチルアルミニウム(TMAl)を供給するアルミニウム原料配管43と、インジウム原料ガスとしてのトリメチルインジウム(TMIn)を供給するインジウム原料配管44と、マグネシウム原料ガスとしてのエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCp2Mg)を供給するマグネシウム原料配管45と、シリコンの原料ガスとしてのシラン(SiH4)を供給するシリコン原料配管46とが接続されている。これらの原料配管41〜46には、それぞれバルブ51〜56が介装されている。各原料ガスは、いずれも水素もしくは窒素またはこれらの両方からなるキャリヤガスとともに供給されるようになっている。
たとえば、m面を主面とするGaN単結晶ウエハをウエハ35としてサセプタ32に保持させる。この状態で、バルブ52〜56は閉じておき、窒素原料バルブ51を開いて、処理室30内に、キャリヤガスおよびアンモニアガス(窒素原料ガス)が供給される。さらに、ヒータ31への通電が行なわれ、ウエハ温度が1000℃〜1100℃(たとえば、1050℃)まで昇温される。これにより、表面の荒れを生じさせることなくGaN半導体を成長させることができるようになる。
ウエハ温度が1000℃〜1100℃に達するまで待機した後、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52およびシリコン原料バルブ56が開かれる。これにより、原料ガス供給路40から、キャリヤガスとともに、アンモニア、トリメチルガリウムおよびシランが供給される。その結果、ウエハ35の表面に、シリコンがドープされたGaN層からなるn型GaNコンタクト層13が成長する。
次に、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52およびシリコン原料バルブ56に加えて、アルミニウム原料バルブ53が開かれる。これにより、原料ガス供給路40から、キャリヤガスとともに、アンモニア、トリメチルガリウム、シランおよびトリメチルアルミニウムが供給される。その結果、n型GaNコンタクト層13上に、n型AlGaNクラッド層14がエピタキシャル成長させられる。
次いで、アルミニウム原料バルブ53を閉じ、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52およびシリコン原料バルブ56を開く。これにより、原料ガス供給路40から、キャリヤガスとともに、アンモニア、トリメチルガリウムおよびシランが供給される。その結果、n型AlGaNクラッド層14上にn型ガイド層がエピタキシャル成長させられる。
次に、シリコン原料バルブ56が閉じられ、多重量子井戸構造の発光層10(活性層)の成長が行なわれる。発光層10の成長は、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52およびインジウム原料バルブ54を開いてアンモニア、トリメチルガリウムおよびトリメチルインジウムをウエハ35へと供給することによりInGaN層を成長させる工程と、インジウム原料バルブ54を閉じ、窒素原料バルブ51およびガリウム原料バルブ52を開いてアンモニアおよびトリメチルガリウムをウエハ35へと供給することにより、無添加のGaN層を成長させる工程とを交互に実行することによって行なえる。たとえば、GaN層を始めに形成し、その上にInGaN層を形成する。これを、たとえば、5回に渡って繰り返し行なう。発光層10の形成時には、ウエハ35の温度は、たとえば、700℃〜800℃(たとえば730℃)とされることが好ましい。このとき、成長圧力は700torr以上とすることが好ましく、これにより、耐熱性を向上することができる。
次いで、p型AlGaN電子ブロック層16が形成される。すなわち、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52、アルミニウム原料バルブ53およびマグネシウム原料バルブ55が開かれ、他のバルブ54,56が閉じられる。これにより、ウエハ35に向けて、アンモニア、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウムおよびエチルシクロペンタジエニルマグネシウムが供給され、マグネシウムがドープされたAlGaN層からなるp型AlGaN電子ブロック層16が形成されることになる。このp型AlGaN電子ブロック層16の形成時には、ウエハ35の温度は、1000℃〜1100℃(たとえば1000℃)とされることが好ましい。
次に、アルミニウム原料バルブ53が閉じられ、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52およびマグネシウム原料バルブ55が開かれる。これにより、ウエハ35に向けて、アンモニア、トリメチルガリウムおよびエチルシクロペンタジエニルマグネシウムが供給され、マグネシウムがドープされたp型GaN層からなるガイド層17が形成されることになる。このp型GaNガイド層17の形成時には、ウエハ35の温度は、900℃〜1100℃(たとえば1000℃)とされることが好ましい。
次いで、再び、アルミニウム原料バルブ53が開かれる。すなわち、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52、アルミニウム原料バルブ53およびマグネシウム原料バルブ55が開かれ、他のバルブ54,56が閉じられる。これにより、ウエハ35に向けて、アンモニア、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウムおよびエチルシクロペンタジエニルマグネシウムが供給され、マグネシウムがドープされてp型とされたAlGaN層からなるクラッド層18が形成されることになる。このp型AlGaNクラッド層18の形成時には、ウエハ35の温度は、900℃〜1100℃(たとえば1000℃)とされることが好ましい。
次に、p型GaNコンタクト層19が形成される。すなわち、窒素原料バルブ51、ガリウム原料バルブ52およびマグネシウム原料バルブ55が開かれ、他のバルブ53,54,56が閉じられる。これにより、ウエハ35に向けて、アンモニア、トリメチルガリウムおよびエチルシクロペンタジエニルマグネシウムが供給され、マグネシウムがドープされたGaN層からなるp型GaNコンタクト層19が形成されることになる。p型GaNコンタクト層19の形成時には、ウエハ35の温度は、900℃〜1100℃(たとえば1000℃)とされることが好ましい。
p型半導体層12を構成する各層は、1000℃以下の平均成長温度で結晶成長させられることが好ましい。これにより、発光層10への熱ダメージを低減できる。
ウエハ35(GaN単結晶基板1)上にIII族窒化物半導体積層構造2の構成層10,13〜19を成長するのに際しては、いずれの層の成長の際も、処理室30内のウエハ35に供給されるガリウム原料(トリメチルガリウム)のモル分率に対する窒素原料(アンモニア)のモル分率の比であるV/III比は、1000以上(好ましくは3000以上)の高い値に維持される。
この実施形態では、このような高いV/III比を用い、かつ、GaN単結晶基板1とIII族窒化物半導体積層構造2との間にバッファ層を介在することなく、m面等を主面とするIII族窒化物半導体積層構造2が、無転位の状態で、かつ、平坦に成長する。このIII族窒化物半導体積層構造2は、GaN単結晶基板1の主面から生じる積層欠陥や貫通転位を有していない。
こうして、ウエハ35上にIII族窒化物半導体積層構造2が成長させられると、このウエハ35は、エッチング装置に移され、たとえばプラズマエッチング等のドライエッチングによって、p型半導体層12の一部を除去してリッジストライプ20が形成される。このリッジストライプ20は、c軸方向に平行になるように形成される。
リッジストライプ20の形成後には、絶縁層6が形成される。絶縁層6の形成は、たとえば、リフトオフ工程を用いて行なわれる。すなわち、ストライプ状のマスクを形成した後、p型AlGaNクラッド層18およびp型GaNコンタクト層19の全体を覆うように絶縁体薄膜を形成した後、この絶縁体薄膜をリフトオフしてp型GaNコンタクト層19を露出させるようにして、絶縁層6を形成できる。
次いで、p型GaNコンタクト層19にオーミック接触するp型電極4が形成される。具体的には、たとえば、抵抗加熱または電子線ビームによる金属蒸着装置によって、絶縁層6から露出するp型GaNコンタクト層19および絶縁層6の全体を覆うように、PtおよびAuが順に蒸着される。
Auが蒸着されてPt/Auからなるp型電極4を構成する電極材料が形成された後には、Au膜の全体を覆うように、フォトレジストが形成される。次いで、このフォトレジストのプリベーク処理が、たとえば、400℃以下、好ましくは、200℃以下の温度で行なわれる。そして、ストライプ状のマスクを介してフォトレジストが露光され、現像された後、フォトレジストのポストベーク処理が、たとえば、400℃以下、好ましくは、200℃以下の温度で行なわれる。
その後は、現像されたフォトレジストを介してPt/Au膜がエッチングされ、フォトレジストがリフトオフされることにより、p型電極4が形成される。
p型電極4が形成された後には、p型電極4が、たとえば、酸素を含む雰囲気(たとえば大気雰囲気)下など、200℃でアニール処理される。その後、n型GaNコンタクト層13にオーミック接触するn型電極3が、p型電極4と同様の方法により、形成される。
次の工程は、個別素子への分割である。すなわち、ウエハ35をリッジストライプ20に平行な方向およびこれに垂直な方向に劈開して、半導体レーザダイオードを構成する個々の素子が切り出される。共振器端面21,22をc面とする場合、リッジストライプに平行な方向に関する劈開はa面に沿って行なわれる。また、リッジストライプ20に垂直な方向に関する劈開はc面に沿って行なわれる。こうして、+c面からなる共振器端面21と、−c面からなる共振器端面22とが形成される。一方、共振器端面21,22をa面とする場合、リッジストライプに平行な方向に関する劈開はc面に沿って行なわれる。また、リッジストライプ20に垂直な方向に関する劈開はa面に沿って行なわれる。こうして、a面から成る共振器端面21,22が形成される。
次に劈開の方法について説明する。
劈開を行なう場合、基板1と、半導体積層構造2の成長方向の厚さとの総厚が200μm以下であることが好ましく、そのため、予め基板1を機械的、化学的研磨を行なう場合もある。劈開の具体的方法は、まず、半導体積層構造2の表面に、ダイヤモンドペンによりスクライブラインを加える、またはレーザにより、半導体積層構造2の内部に焦点を合わせることで、半導体内部にスクライブラインを入れる。それ以外にも、スクライブラインとは、劈開にそった方向に半導体に損傷を加えることを意味する。次に、そのスクライブラインにそって、外部から応力を加えるなどして、劈開を行なう。劈開面がc面またはa面であるので、対称性のよい劈開を行なうことができる。
次に、共振器端面21,22に、それぞれ前述の絶縁膜23,24が形成される。この絶縁膜23,24の形成は、たとえば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)成膜法によって行なうことができる。こうして、図1〜3に示す半導体レーザダイオード70を得ることができる。
以上のように得られる半導体レーザダイオード70は、たとえば、配線回路基板のランド(図示せず)に塗布されたボンディングペーストに載置され、たとえば、400℃以下、好ましくは、200℃以下で加熱されるとともに、加圧されることにより、配線回路基板に実装される。
このように、半導体レーザダイオード70の製造工程では、p型電極4が形成された後、p型電極4が200℃でアニール処理される。
c面を主面とするIII族窒化物半導体と、非極性面または半極性面を主面とするIII族窒化物半導体とでは、これらの表面における原子組成が異なる。そのため、アニール処理時におけるIII族窒化物半導体と電極材料との反応性が異なる。たとえば、アニール処理するときの温度(アニール温度)の適切値が異なる。m面を成長主面とするp型GaNにPtを含有する電極材料を形成し、この材料をアニール処理する場合、適切なアニール温度は200℃であり、400℃を超えると、p型GaNに対する電極のコンタクト特性が低下する場合がある。
上記した製造工程では、p型電極4が形成された後、p型電極4に対するアニール処理が200℃で行なわれるので、p型GaNコンタクト層19に対して、p型電極4を極めて良好にオーミック接触させることができる。その結果、半導体レーザダイオード70において、優れた電気特性を発現させることができるので、レーザ特性を向上することができる。
さらに、p型電極4を構成する電極材料が形成された後の工程において、この電極材料(p型電極4を含む)が晒される工程温度が400℃以下に保持される。具体的には、電極材料が形成された後の、フォトレジストのプリベーク処理工程およびポストベーク処理工程においては、その工程温度が、たとえば、400℃以下、好ましくは、200℃以下に保持される。そのため、p型GaNコンタクト層19に良好にオーミック接触したp型電極4のオーミック特性の低下を抑制することができる。その結果、半導体レーザダイオード70において、電気特性を抑制することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザダイオードの構成を示す斜視図であり、図8は、図7の切断線VIII−VIIIに沿う縦断面図である。これらの図7および図8において、前述の図1〜図3に示された各部に相当する部分には、同一の参照符号を付して示す。
この実施形態の半導体レーザダイオード80では、結晶主成長面が非極性面または半極性面であり、半極性面の具体例は、(10-1-1)面、(10-1-3)面などである。また、リッジストライプ20がa軸方向に平行に形成されており、したがって、共振器端面21,22は、いずれもa面となっており、p型GaNコンタクト層19の成長主面25は、半極性面となっている。
III族窒化物半導体積層構造2をエピタキシャル成長する際に生じる積層欠陥は、c面に平行に発生する。そのため、前述の第1の実施形態の構成では、積層欠陥と導波路とが交差することになる。これに対して、この実施形態では、ストライプ方向をa軸に平行にしてあり、したがって、導波路はa軸と平行になっている。そして、a軸はc面と平行であるので、c面と平行に発生する積層欠陥が導波路と交差することがなくなる。これによって、積層欠陥による光導波の妨害やリーク電流の増加を回避することができる。
また、p型電極4の下層が絶縁層6から露出するp型GaNコンタクト層19の成長主面25(半極性面)に接触するように、p型電極4が、絶縁層6およびp型GaNコンタクト層19の成長主面25(半極性面)に形成される。すなわち、Ptを含有する層が半極性面の成長主面25に接触するようにp型電極4が形成される。これにより、成長主面25が半極性面であるp型GaNコンタクト層19の成長主面25にPt(仕事関数:5.3eV)を接触させることができるため、p型GaNコンタクト層19に対して、良好なオーミックコンタクトをとることができる。その結果、半導体レーザダイオード70の電気特性の低下を抑制することができるので、レーザ特性を向上することができる。
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、半導体レーザダイオードを例示して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、たとえば、III族窒化物半導体を用いて形成される発光ダイオードなどに適用することもできる。
また、たとえば、III族窒化物半導体積層構造2を構成する各層の層厚や不純物濃度等は一例であり、適宜適切な値を選択して用いることができる。また、クラッド層14,18は、AlGaNの単層である必要はなく、AlGaN層とGaN層とで構成された超格子によりクラッド層を構成することもできる。
また、III族窒化物半導体積層構造2を形成し、p型電極4を形成した後にレーザリフトオフなどで基板1を除去し、基板1のない半導体レーザダイオードとすることもできる。この場合、n型電極3は、基板1が除去されることにより露出するn型GaNコンタクト層13の裏面に接触するように形成される。具体的には、p型電極4が形成された後、III族窒化物半導体積層構造2が、たとえば、ワックスなどの接着剤により支持基板に接着されて支持される。次いで、たとえば、化学的機械的研磨処理や、エッチング処理などによって、基板1が除去されてn型GaNコンタクト層13の裏面が露出する。そして、露出したn型GaNコンタクト層13の裏面にn型電極3が形成される。III族窒化物半導体積層構造2を支持していた支持基板は、たとえば、400℃以下、好ましくは、200℃以下の温度でワックスを溶解させることにより取り外される。この場合にも、p型電極4が形成された後のワックスを溶解するときの工程温度が、たとえば、400℃以下、好ましくは、200℃以下に保持される。つまり、p型電極4が晒される温度が400℃以下に保持される。そのため、p型GaNコンタクト層19に良好にオーミック接触したp型電極4のオーミック特性の低下を抑制することができる。その結果、半導体レーザダイオード70において、電気特性の低下を抑制することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜3
上記第1の実施形態で説明した製造工程に従って、図1〜3に示した構造を有する半導体レーザダイオードを作製した。
なお、実施例1では、Pt/Au金属からなるp型電極の形成後、p型電極に対してアニール処理を行なわなかった。また、実施例2および実施例3では、それぞれ200℃および400℃でアニール処理を行なった。
比較例1〜4
p型電極として、Pdを含有する下層と、Auを含有する上層とからなる2層構造のPd/Au金属からなる電極を形成した以外は、上記第1の実施形態で説明した製造工程に従って、図1〜3に示した構造を有する半導体レーザダイオードを作製した。
なお、比較例1では、Pd/Au金属からなるp型電極の形成後、p型電極に対してアニール処理を行なわなかった。また、比較例2〜4では、それぞれ200℃、400℃および600℃でアニール処理を行なった。
(評価試験)
1)通電試験
各実施例および各比較例で作製された半導体レーザダイオードに対して、室温において、直流電流を0〜100mAまで変化させながら注入することにより通電試験を行なった。
2)順方向電圧(Vf)評価
1)の通電試験において、注入電流が50mAのときの、各実施例および各比較例で作製された半導体レーザダイオードの順方向電圧(Vf)を比較評価した。グラフを図9に示す。
図9に示すように、p型電極がPt/Au金属からなる実施例1(アニール温度:0℃)、実施例2(アニール温度:200℃)および実施例3(アニール温度:400℃)の半導体レーザダイオードのVfは、それぞれ5.6V、5.4Vおよび6.3Vであった。
一方、p型電極がPd/Au金属からなる比較例1(アニール温度:0℃)、比較例2(アニール温度:200℃)、比較例3(アニール温度:400℃)および比較例4(アニール温度:600℃)の半導体レーザダイオードのVfは、それぞれ6.5V、6.2V、6.8Vおよび8.0Vであった。
これにより、p型電極がPt/Au金属からなる半導体レーザダイオードでは、p型電極がPd/Au金属からなる半導体レーザダイオードよりも、p型電極とp型GaNコンタクト層との間の抵抗値が低く、p型GaNコンタクト層に対して、p型電極が良好にオーミック接触していることが確認された。
3)電流−電圧特性(I−V特性)評価
1)の通電試験において、注入電流を0〜100mAまで変化させたときの、各実施例で作製された半導体レーザダイオードの順方向電圧(Vf)の変化量を評価した。そのI−V曲線を図10〜12に示す。
図10〜12に示すように、たとえば、注入電流が50mAのときの、実施例1〜3の半導体レーザダイオードのVfは、それぞれ、5.6V、5.4Vおよび6.3Vであった。
これにより、いずれの実施例の半導体レーザダイオードにおいても、p型電極とp型GaNコンタクト層との間の抵抗値が低く、p型GaNコンタクト層に対して、p型電極が良好にオーミック接触していることが確認された。とりわけ、p型電極の形成後、アニール処理を行なわない実施例1および200℃でアニール処理を行なった実施例2の半導体レーザダイオードにおいて、極めて良好にオーミック接触していることが確認された。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザダイオードの構成を説明するための斜視図である。 図1のII−II線に沿う縦断面図である。 図1のIII−III線に沿う横断面図である。 共振器端面に形成された絶縁膜(反射膜)の構成を説明するための図解図である。 III族窒化物半導体の結晶構造のユニットセルを表した図解図である。 III族窒化物半導体積層構造を構成する各層を成長させるための処理装置の構成を説明するための図解図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザダイオードの構成を示す斜視図である。 図7の切断線VIII−VIIIに沿う縦断面図である。 注入電流が50mAのときの、各実施例および各比較例で作製された半導体レーザダイオードの順方向電圧(Vf)を示すグラフである。 実施例1で作製された半導体レーザダイオードのI−V曲線を示すグラフである。 実施例2で作製された半導体レーザダイオードのI−V曲線を示すグラフである。 実施例3で作製された半導体レーザダイオードのI−V曲線を示すグラフである。 c面およびm面を成長主面とするp型GaNにPd/Au電極を接合し、アニール処理したときの、アニール温度と順方向電圧(Vf)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 III族窒化物半導体積層構造
4 p型電極
12 p型半導体層
16 p型AlGaN電子ブロック層
17 p型GaNガイド層
18 p型AlGaNクラッド層
19 p型GaNコンタクト層
25 成長主面
70 半導体レーザダイオード
80 半導体レーザダイオード

Claims (8)

  1. 非極性面または半極性面を主面とするp型III族窒化物半導体層と、
    前記p型III族窒化物半導体層の主面に形成され、前記主面に接する接触領域にPtを含有する電極と
    を有する、窒化物半導体素子。
  2. 前記p型III族窒化物半導体層の主面がm面である、請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. 非極性面または半極性面を主面とするp型III族窒化物半導体層の主面に電極を有する窒化物半導体素子の製造方法であって、
    Ptを含有する電極材料を、前記主面に接するように形成する電極形成工程を含む、窒化物半導体素子の製造方法。
  4. 前記電極形成工程後、前記電極材料に対して400℃以下でアニール処理を行なうアニール処理工程を含む、請求項3に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
  5. 前記アニール処理工程が、前記電極材料に対して200℃でアニール処理を行なう工程である、請求項4に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
  6. 前記電極形成工程後、前記電極材料に対してアニール処理を行なわない、請求項3に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
  7. 前記電極形成工程後の工程において、前記電極材料が晒される工程温度が400℃以下に保持される、請求項3〜6のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
  8. 前記電極形成工程後の工程において、前記電極材料が晒される工程温度が200℃以下に保持される、請求項3〜7のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
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