JPH11208097A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

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JPH11208097A
JPH11208097A JP30066498A JP30066498A JPH11208097A JP H11208097 A JPH11208097 A JP H11208097A JP 30066498 A JP30066498 A JP 30066498A JP 30066498 A JP30066498 A JP 30066498A JP H11208097 A JPH11208097 A JP H11208097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料を含むインクを用いたインクジェット記
録法を利用し、インク吸収性の劣る基材に対しても、耐
擦過性及び耐水性に優れる高品位画像を形成できる画像
記録方法の提供。 【解決手段】 (i)基材及び熱可塑性樹脂層を有し、
且つ該熱可塑性樹脂層が最外層である記録媒体を準備す
る工程、(ii)上記記録媒体の熱可塑性樹脂層の外側表
面に対して、分散剤なしに水に分散可能な顔料を含む水
系インクをインクジェット記録法によって吐出させ、該
顔料を熱可塑性樹脂層の外側表面に付着させる工程、及
び、(iii)熱可塑性樹脂層の外側表面に付着している顔
料を、熱可塑性樹脂層中に移動させる工程を有すること
を特徴とする画像記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、より一層優れた高
品位画像を高速に得ることができる画像記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式は、高
速、高解像度、低騒音、多色化が容易であり、記録パタ
ーンの融通性が大きい等の特徴を有していることから、
漢字等の文字記録をはじめとし、種々の図形情報のハー
ドコピー、その他多くの用途において急速に普及してい
る。各種のインク液が使えること、及び記録パターンの
融通性が大きいことを利用し、コンピューター端末等の
カラーハードコピーを得る手段として特に注目されてい
る。更に、多色インクジェット方式により形成される画
像は、通常の多色印刷によるものに比較して遜色のない
画質が得られるため、作成部数が少ない場合には通常の
製版方式によるよりも安価に作成できることから、イン
クジェット記録方式を多色印刷やカラー写真印画用の分
野にまで応用する試みがなされている。特に、従来は、
インクジェット記録用インクに使用する色材としては専
ら水性染料が用いられていたが、近年では、インクの色
材として顔料を使用することが可能となってきているた
め、より鮮明で、より色調の優れた画像が得られるよう
になってきている。
【0003】一般に、インクジェット記録方式には、荷
電量制御方式、電界制御方式等の加圧振動型、対向電極
との間の電圧によって静電的に加速噴出する静電加速
型、圧力パルスによってインクを押し出すオンデマンド
タイプの圧力パルス型、或いは超音波の振動によりミス
トを発生させるインクミスト方式等があるが、いずれに
しても液状のインクを記録媒体に付着させて記録画像を
得るものである。
【0004】しかしながら、一部の上質紙やコーテッド
紙、写真印画紙の基材として使用されるバライタ紙やレ
ジンコーテッド紙、及び、オーバーヘッドプロジェクタ
ー用等の光透過型の記録媒体に使用されている透明高分
子フィルム等には、液状インクの吸収性に劣るものがあ
り、インクジェット記録媒体としてこれらを使用した場
合に、記録媒体の表面上に未吸収のインクが長時間残っ
てしまうことがある。このときに、未吸収のインクが装
置の一部に触れたり、取扱い者が未吸収のインクに触れ
たり、連続して排出されたシートが重なったりして記録
面が擦られると、画像汚れが生じたり、インクが流れ出
したりする等して鮮明な画像を得られないことがある。
【0005】そこで、上記した記録媒体に対しても、イ
ンクジェット記録方式による高品質な画像の記録を可能
とするために、インク吸収性がよく、記録媒体に付着し
たインクが速やかに吸収されて、見かけ上乾いた状態に
なるようなインク受容層を、記録媒体表面に設けること
が考えられる。このような要求に応えられるインク吸収
性の高いインク受容層の一態様として、多数の空隙を有
するインク受容層が挙げられる。インク吸収性の高いイ
ンク受容層を形成する方法として、例えば、インク受容
層の形成材料に熱可塑性樹脂粒子を使用し、これらの粒
子間に形成される空隙にインクを吸収保持させることが
行なわれている。しかし、その際に形成されるインク受
容層中の空隙の大きさがインク中に含有されている色材
よりも小さいと、該色材が記録媒体の表面に残り、形成
した画像の耐擦過性に問題を生じることがある。色材と
して染料を用いたインクにより画像を形成した場合に
は、耐擦過性や耐水性についての大きな問題は生じな
い。これは、インク中に溶解している染料分子が充分に
小さいため、上記したようにして形成した記録媒体のイ
ンク受容層中の空隙に入り込み易いためと考えられる。
これに対して、染料と比べてサイズの大きい顔料を用い
たインクによって形成された画像の耐擦過性や耐水性
は、顔料のサイズと、インク受容層中の形成されている
空隙のサイズに影響される。即ち、顔料を含むインクを
用いたインクジェット記録においては、形成される画像
の品位が、インクと記録媒体とのマッチング状態に影響
され、高品位画像が安定して得られない場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した課
題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、顔料を
含むインクを用いたインクジェット記録法を利用して、
インク吸収性の劣る基材に対しても、より高品位な画像
を得ることのできる画像記録方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、(i)基材及び
熱可塑性樹脂層を有し、且つ該熱可塑性樹脂層が最外層
である記録媒体を準備する工程、(ii)上記記録媒体の
熱可塑性樹脂層の外側表面に対して、分散剤なしに水に
分散可能な顔料を含む水系インクをインクジェット記録
法によって吐出させ、該顔料を熱可塑性樹脂層の外側表
面に付着させる工程、及び(iii)熱可塑性樹脂層の外
側表面に付着している顔料を、熱可塑性樹脂層中に移動
させる工程を有することを特徴とする画像記録方法であ
る。
【0008】本発明者らは、上記した従来技術の問題点
を解決すべく鋭意検討した結果、顔料及び該顔料の分散
剤を含む一般的な顔料インクを用いて、最外層として表
面に熱可塑性樹脂層を有する記録媒体にインクジェット
記録法によって画像を形成する場合に、上記インクを記
録媒体に付与した後、その記録媒体を加熱しても、イン
ク中の顔料が上記熱可塑性樹脂層中にスムーズに移動し
ない場合があること、そして、これに対して、色材とし
て分散剤なしで水中に分散可能な顔料、特に、表面改質
が行われて分散剤なしで水に分散させることが可能なカ
ーボンブラック(以下、「自己分散型カーボンブラッ
ク」と称す)を用いることによって、顔料分散剤を加え
なかったインクを用いて同様の記録を行うと、極めて高
品質な画像記録を安定的に行うことができることがわか
った。本発明者らは、このような知見に基づき、一般的
な顔料インクに含まれている顔料の分散剤の存在が、顔
料と、記録媒体を構成している熱可塑性樹脂層との相溶
性を損なわせ、特に、熱可塑性樹脂層表面に付着したイ
ンク中の顔料の熱可塑性樹脂層への移動性を左右してい
る原因ではないかと考え、本発明の画像形成方法に至っ
た。
【0009】即ち、本発明の画像形成方法では、一般的
な顔料インクに含まれている分散剤を使用することな
く、最外層に熱可塑性樹脂層を有する記録媒体上にイン
クジェット記録法によって、極めて高品質な画像記録を
安定的に形成することを可能とする。特に、本発明の画
像形成方法の好ましい態様である、熱可塑性樹脂層を多
孔質層で形成した記録媒体を用い、該表面にインクを付
着させた後、記録媒体を加熱する方法によれば、該記録
媒体表面にインクジェット記録法によってインクが付与
された場合に、付与されたインク中の顔料が熱可塑性樹
脂層に速やかに移動し、且つ、顔料が熱可塑性樹脂によ
っても被覆されることになるため、耐擦過性や耐水性に
優れ、又、耐久性にも優れた極めて高品位な画像が得ら
れる。かかる態様によれば、従来のように、画像品位
が、顔料粒子のサイズと、記録媒体表面に形成した空隙
(ポア)のサイズとによって影響を受けないため、均一
な画像品位を有する優れた記録画像を安定して得ること
が達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。先ず、本発
明の画像記録方法の(i)の工程において使用する記録
媒体について、図9を参照しながら説明する。図9に示
したように、本発明で使用する記録媒体は、基材901
と熱可塑性樹脂層903とを有し、且つ該熱可塑性樹脂
層903が最外層となるように構成されている。以下、
本発明で使用する記録媒体の構成材料等について説明す
る。
【0011】上記記録媒体を構成する基材901として
は、例えば、ポリエステル、ポリスルホン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の材料からなる透明なフィルム、或いは、こ
れらの材料に白色顔料を充填したり、微細な発泡を生じ
させたりして得られる白色フィルム、更に、一般紙、コ
ーテッド紙、バライタ紙、レジンコーテッド紙、及び金
属箔等の不透明なシート状物質等が挙げられる。この
際、紙やフィルム中に充填させるための白色顔料として
は、例えば、酸化チタン、硫酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、シリカ、クレー、タルク等の、通常、填料や塗料
用顔料及び練り込み用等で使用される多くのものが使用
可能である。本発明において、これらの材料からなる基
材の厚みについては特に制限はないが、通常、10μm
〜300μm程度のものが多用されている。
【0012】又、本発明においては、図9(b)に示し
たように、上記のような材料からなる基材901−1の
表面に、インク吸収性を向上させるためのインク受容層
901−2が設けられたものを、基材901として用い
ることもできる。この際に使用するインク受容層901
−2を構成する材料としては、例えば、所謂、水系イン
クを受容できる、水系インクに対して溶解性或いは親和
性を示す親水性ポリマー等を用いることができる。この
ようなポリマーの例としては、例えば、ポリビニルアル
コール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、
ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、ヒドロキ
シエチルセルロース、メラミン樹脂、或いはこれらの変
性物等の合成樹脂、又、アルブミン、ゼラチン、カゼイ
ン、澱粉、カチオン化澱粉、アラビアゴム、アルギン酸
ソーダ等の天然樹脂等が挙げられる。そして、これら
は、単独でも、複数を同時に用いることも可能である。
【0013】基材901−1の表面にインク受容層90
1−2を形成させる場合には、下記のような方法を用い
ればよい。先ず、上記に挙げたような親水性ポリマー
を、水、或いはアルコール、多価アルコール類、又は他
の適当な有機溶剤に溶解又は分散して塗工液を調製す
る。次に、得られた塗工液を、例えば、ロールコーター
法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲー
トロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス
法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテン
コーター法等の塗工方法によって、基材901−1の表
面に塗工し、その後、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等
を用いて塗工液を乾燥させて、基材901−1の表面に
インク受容層901−2を形成し、図9(b)に示した
ような構成の基材901を得る。
【0014】この際に、インク受容層901−2中に各
種フィラー添加剤を含有させてもよい。フィラーの例と
しては、例えば、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイド
ロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、及びポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレー
ト等のプラスチックピグメント等が挙げられる。そし
て、これらの材料から選ばれる少なくとも1つ又は2つ
以上を含ませることができる。更に、他の添加剤とし
て、例えば、各種界面活性剤、染料固着剤(耐水化
剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑
剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0015】上記したようなインク受容層901−2を
備えた基材の例としては、例えば、インクジェット記録
用として作製されたコート紙やOHP用透明フィルム、
更には、一般の光沢紙を挙げることができる。市販され
ているこのような記録媒体の例としては、CA−10
1、HG−201、CF−301(いずれもキヤノン社
製)等が挙げられる。
【0016】本発明の画像形成方法で使用する記録媒体
を作製する場合には、図9に示したように、上記で説明
したような基材901の少なくとも一方の表面上に、そ
の最外層となるように熱可塑性樹脂層903を形成す
る。この際、基材表面と熱可塑性樹脂層との接着性を改
善するために、基材表面に、コロナ放電処理、サンドブ
ラスト処理、火炎処理、その他の一般的な接着性改善の
ための処理を施してもよいし、熱可塑性樹脂層を設ける
側の基材表面に下引層を設けてもよい。この場合の下引
層としては、例えば、ゼラチン、ニトロセルロース等か
らなる樹脂層を挙げることができる。
【0017】以下、本発明で使用する記録媒体を構成す
る熱可塑性樹脂層903について説明する。先ず、熱可
塑性樹脂層の構成材料としては、記録媒体に形成する記
録画像に充分に優れた耐擦過性、耐水性等を与えるため
に、記録媒体の自己保持性に実質的な影響を与えない範
囲で、記録媒体を加熱したときに熱可塑性樹脂層の少な
くとも一部が軟化し、或いは溶融して熱可塑性樹脂層の
外側表面に付着した顔料が熱可塑性樹脂層内部に取り込
まれるような材料を用いることが好ましい。具体的な材
料としては、設定する加熱温度によっても異なるが、例
えば、ポリモノビニリデン芳香族(例えば、ポリスチレ
ン、ポリメチルスルホン、ポリメトキシスチレン、ポリ
クロルスチレン等)、ポリオレフィン或いはポリハロオ
レフィン(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニル−シク
ロヘキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニリデン等)、α,β−エチレン性不飽和酸のエステ
ル類(ポリメタクリレートのエステル、ポリクロルアク
リレートのエステル、ポリメチルメタクリレートのエス
テル等)、更には、これらのポリマーを構成している単
量体を含む各種の共重合体が挙げられる。そして、これ
らの材料からなる熱可塑性樹脂層の形成方法としては、
例えば、上記した材料を適当な溶剤に溶解させ、その溶
液を基材上に塗布する方法等が挙げられる。
【0018】本発明の画像形成方法においては、本発明
で使用する記録媒体として、上記熱可塑性樹脂層が、図
10に示したように、上記材料からなる熱可塑性樹脂粒
子を含有して構成されているものを使用することも好ま
しい態様の一つである。その理由は、図10に示すよう
に、熱可塑性樹脂粒子を含んだ態様で記録媒体の最外層
の熱可塑性樹脂層を形成すれば、熱可塑性樹脂粒子間に
空隙が形成されるので、記録媒体の外側表面が多数の空
隙(ポア)を有する多孔層となり、かかる記録媒体上に
インクジェット記録法によってインクを付与した場合
に、インクを付着し易くできるからである。
【0019】上記の場合に使用する微粒子状の熱可塑性
樹脂としては、好ましくは、一種又はそれ以上のビニル
系単量体を懸濁重合して作られた、所謂スラリー状のプ
ラスチックピグメントやその乾燥物、或いは、上記した
熱可塑性樹脂材料からなる固形状のプラスチックを各種
手段によって粉砕して得られる微粉末や、微粒子状に成
形された粉末等を好適に使用できる。本発明で使用する
微粒子状の熱可塑性樹脂としては、その平均粒径が0.
05〜20μm、好ましくは0.1〜12μm程度の大
きさのものを用いることが好ましい。
【0020】上記したような熱可塑性樹脂微粒子を含む
熱可塑性樹脂層を形成する方法としては、熱可塑性樹脂
粒子を接着剤中に分散させて塗工液を作製し、該塗工液
を基材上に塗布する方法が挙げられる。この際に使用す
る接着剤としては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、
ポリビニルアルコール及びその誘導体、無水マレイン酸
樹脂、通常のスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重
合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラ
テックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重
合体ラテックス、或いはこれらの多種重合体のカルボキ
シル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラ
テックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂系
の接着剤等が挙げられる。又、カチオン変性した澱粉や
ポリビニルアルコール、更に、窒素含有各種カチオン性
樹脂等を併用することも可能である。
【0021】上記塗工液中に必要ならば、例えば、顔料
分散剤、増粘剤、流動変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤
或いは着色剤等を適宜に配合しておいても何ら差し支え
ない。但し、形成される熱可塑性樹脂層中へのインク中
の顔料の移動に影響を与えないような材料を用いること
が好ましく、又、インク受容層中における該顔料の沈降
に影響を与えない範囲の量を添加することが好ましい。
【0022】上記のような構成の塗工液を、先に説明し
たような基材上に塗工して熱可塑性樹脂層を形成する際
に使用できる塗工機としては、例えば、一般に、顔料塗
工紙(コート紙)を製造する場合に用いられているよう
な、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコ
ーター、ブラッシュコーター、カーテンコーター、チャ
ンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコータ
ー等が挙げられ、これらをいずれも適用することができ
る。熱可塑性樹脂層の形成にあたっては、これらの方法
によって1回に必要量の塗工液を基材上に塗布してもよ
いし、或いは2回以上重ね塗りすることによって、形成
される熱可塑性樹脂層に所望の厚さを持たせることも可
能である。このようにして基材上に形成する熱可塑性樹
脂層の厚みとしては、顔料の移動度(mobilit
y)や最終的に得られる画像の品質(耐擦過性等)を考
慮すると、1〜200μm、特に3〜50μmとするこ
とが好ましい。
【0023】更に、本発明で使用する記録媒体の熱可塑
性樹脂層を形成する場合には、上記のような方法で基材
上に塗工液を塗布した後、これを乾燥させて熱可塑性樹
脂層を形成してもよい。その際の乾燥方法としては、通
常の乾燥方法、例えば、ガスヒーター、電気ヒーター、
蒸気加熱ヒーターや熱風等による加熱等の各種の乾燥方
式を用いることができる。これらの方法等によって乾燥
する場合には、記録媒体の最外層である熱可塑性樹脂層
に加えられる温度が、該熱可塑性樹脂層を形成する材料
として用いた熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性樹脂微粒子
の融点以下であることが好ましい。即ち、乾燥工程にお
いて熱可塑性樹脂層の乾燥温度を抑えることによって、
熱可塑性樹脂層の被膜化或いは被膜の緻密化によってイ
ンク吸収性が損なわれることを抑えることができる。
【0024】本発明の画像形成方法では、その(i)の
工程で、上記のような構成を有する記録媒体を用意し、
しかる後、(ii)の工程によって、熱可塑性樹脂層の外
側表面に対して、分散剤なしに水に分散可能な顔料を含
む水系インクをインクジェット記録法によって吐出さ
せ、該顔料を熱可塑性樹脂層の外側表面に付着させる。
そして、その後に、(iii)の工程で、熱可塑性樹脂層
の外側表面に付着している顔料を、熱可塑性樹脂層中に
移動させて画像を形成する。本発明の画像形成方法の好
ましい態様としては、上記(iii)の工程で、熱可塑性
樹脂層の外側表面に顔料が付着している記録媒体を加熱
する工程である。
【0025】以下、この際に行なう顔料が付着している
記録媒体を加熱する方法について説明する。即ち、本発
明の好ましい態様では、上記したような構成を有する記
録媒体の熱可塑性樹脂層の外側表面にインクジェット記
録法によってインクを付着させた後、該熱可塑性樹脂層
を加熱して軟化させ、或いは一部を溶融させてインクを
熱可塑性樹脂層中に沈降させる。加熱する方法として
は、熱した金属板や金属ロールに、記録媒体の熱可塑性
樹脂層側を圧着させたり、電気ヒーターや赤外線ランプ
等の輻射熱、或いは熱風等によって熱可塑性樹脂層側の
表面を加熱する方法等が挙げられる。これらの熱風や輻
射熱等によって熱可塑性樹脂層を加熱する際に、画像が
形成された後の記録媒体の表面を平滑に成形するため
に、透明で平滑なプラスチックフィルム等を熱可塑性樹
脂層の外側表面に当接する等して加熱圧着することも有
効な方法である。このとき、更に、熱可塑性樹脂層と表
面に当接させるフィルムとの間に、熱溶融するようなプ
ラスチック粉末やプラスチックフィルム等を挟んでから
加熱溶融することもできる。更に、加熱圧着する面を鏡
面、粗面及び特殊なパターンを彫んだ面とすることによ
り、加熱溶融後の画像表面に所望の光沢を付与したり、
凹凸を施したりすることも可能である。
【0026】特に、先に述べたように、熱可塑性樹脂に
通常使われている紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、
安定剤等を、熱可塑性樹脂層の形成材料中に含有させて
おけば、画像が形成された後の記録媒体の最外層となる
熱可塑性樹脂層の劣化を有効に防げ、インクジェット画
像を構成している色材の耐候性を向上させることができ
るため、望ましい。
【0027】本発明の画像記録方法において用いる水系
インクとしては、分散剤なしで水に分散可能な顔料を色
材として含むインクを用いる。即ち、このような顔料を
用いれば、通常の顔料インクに用いられている水溶性ポ
リマー等の顔料分散剤を用いることなしに、顔料が良好
な状態で水系媒体中に分散するので、これをインクジェ
ット用インクとして用いる。そして、このようなインク
を、先に述べたような構成を有する記録媒体の熱可塑性
樹脂層の外側表面にインクジェット記録法を用いて付与
した後、先に述べたような方法で、その記録媒体を加熱
することによって、画像形成にかかわる記録媒体上の顔
料の殆どを、熱可塑性樹脂層中に移動させることができ
る。この結果、記録媒体上の顔料の殆どを、熱可塑性樹
脂の被膜によって被覆することができる。この理由は、
上記熱可塑性樹脂層の外側表面に付着させた顔料の熱可
塑性樹脂層中への移動が、分散剤(例えば、水溶性ポリ
マー)によって妨げられることがないためと考えられ
る。更に、このようにして得られる画像は、顔料による
画像の特徴である、より鮮明で且つより優れた色調を備
えたものとなる。
【0028】本発明の画像記録方法において用いる水系
インクを構成する分散剤なしで水に分散可能な顔料とし
ては、例えば、表面改質を行ったカーボンブラックが挙
げられる。具体的には、少なくとも1つの親水性基がカ
ーボンブラック表面に、直接若しくは他の原子団を介し
て結合している自己分散型カーボンブラックを用いるこ
とができる。係る自己分散型カーボンブラックを色材と
して用いることで、従来の顔料インクのように、カーボ
ンブラックを分散させるための分散剤の添加が不要とな
る。本発明で使用し得る自己分散型カーボンブラックと
しては、インク中での分散性を考慮した場合、イオン性
を有するものが好ましく、例えば、アニオン性に帯電し
たものや、カチオン性に帯電したものが好適に用いられ
る。
【0029】先ず、アニオン性に帯電した自己分散型カ
ーボンブラックについて説明する。アニオン性に帯電し
た自己分散型カーボンブラックとしては、表面に直接若
しくは他の原子団を介して結合されている親水性基が、
例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO
32、−SO2NH2、−SO2NHCOR(但し、上記
式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又
は第4級アンモニウムを表わし、Rは、炭素原子数1〜
12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、置換若しくは
未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチ
ル基を表わす)である場合が挙げられる。これらの中で
も、少なくとも、−COOM、−SO3Mのいずれか一
方が、カーボンブラック表面に他の原子団を介して結合
し、アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラ
ックはインク中における分散性が良好であり、特に好適
である。尚、上記親水性基中の「M」は、アルカリ金属
としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等
が挙げられ、有機アンモニウムとしては、例えば、モノ
乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアン
モニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げ
られる。
【0030】上記したようなアニオン性に帯電している
自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、
下記に挙げるようなものがある。例えば、カーボンブラ
ック表面に、−Ar−COONa基(但し、Arはアリ
ール基を表わす)を連結させる方法として、NH2−A
r−COONa基に亜硝酸を作用させ、ジアゾニウム塩
とし、カーボンブラック表面に結合させる方法がある。
又、表面に−COOMが結合している自己分散型カーボ
ンブラックの他の製法としては、例えば、市販されてい
る酸性カーボンブラックの酸化処理の程度を高める方法
がある。
【0031】上記で用いる酸性カーボンブラックは、一
般に、常套の酸化剤(例えば、硝酸、オゾン、過酸化水
素及び窒素酸化物等)を使用する酸化法、又は、プラズ
マ処理等の表面改質法によって、例えば、ファーネスブ
ラックやチャンネルブラックのようなカラー用のカーボ
ンブラックを適度に酸化することによって得られる。こ
のような酸性カーボンブラックは、三菱化成社からは、
「MA100」、「2400B」及び「MA8」の商品
名で、及び、デグサ社からは、「カラー・ブラック(C
olorBlack)FW200」の商品名で、夫々市
販されている。
【0032】これらの酸性カーボンブラックを、本発明
で使用し得る自己分散型カーボンブラックとする方法と
しては、これらの酸性カーボンブラックを更に酸化し
て、通常よりも酸化処理の処理度が高い酸性カーボンブ
ラックにするために、例えば、次亜ハロゲン酸塩を用い
て表面改質を行なう。この際に使用する次亜ハロゲン酸
塩としては、具体的には、次亜塩素酸ナトリウムや次亜
塩素酸カリウムが挙げられるが、特に、次亜塩素酸ナト
リウムが反応性の点から好ましい。
【0033】以下、具体的な酸性カーボンブラックの酸
化の方法について説明する。先ず、酸性カーボンブラッ
クの酸化は、一般に、上記したような酸性カーボンブラ
ックと、カーボンブラックの重量に対して有効ハロゲン
濃度で10〜30%の次亜ハロゲン酸塩(例えば、次亜
塩素酸ナトリウム)とを適量の水中に投入し、5時間以
上、好ましくは約10〜15時間、50℃以上、好まし
くは95〜105℃で撹拌することによって行う。この
ようにして得られるカーボンブラックは、例えば、1.
5mmol/g以上の表面活性水素含有量を有する。
【0034】次いで、上記で得た生成物を濾過し、副生
塩をイオン交換水で洗浄することにより除去する。更
に、逆浸透膜や限外濾過膜のような0.01μm以下の
孔径を有する分離膜を用いて精製及び濃縮する。濃縮
は、一般に、カーボンブラックの含有率が水に対して1
0〜30重量%程度の濃厚な顔料分散液になるように行
う。ここで得られた顔料分散液は、そのままインクジェ
ット記録方法で使用する分散剤を用いていない水系顔料
インクとすることができる。他には、濃縮された顔料分
散液を更に乾燥して粉末状顔料としてもよく、或いは、
更に濃縮して顔料濃度50重量%程度の顔料ペーストと
してもよい。その後、これらを水性溶媒に分散して所望
の濃度に調節することによってもインクジェット記録方
法で使用し得る水性顔料インクが得られる。
【0035】次に、カチオン性に帯電した自己分散型カ
ーボンブラックについて説明する。カチオン性に帯電し
た自己分散型カーボンブラックとしては、カーボンブラ
ック表面に、例えば、下記に示す第4級アンモニウム基
から選ばれる少なくとも1つを結合させたものが挙げら
れる。
【0036】
【化2】 (但し、上記式中、Rは、炭素原子数1〜12の直鎖状
又は分岐鎖状のアルキル基、置換若しくは未置換のフェ
ニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基を表わ
す。)
【0037】上記したような親水性基が結合されたカチ
オン性に帯電している自己分散型カーボンブラックを製
造する方法としては、下記に挙げる方法がある。親水基
として下記に示す構造のN−エチルピリジル基を結合さ
せる方法を例にとって説明すると、例えば、カーボンブ
ラックを、3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイ
ドで処理する方法がある。
【化3】
【0038】以上で説明したような方法によって、カー
ボンブラック表面へ親水性基が導入されたアニオン性若
しくはカチオン性に帯電したカーボンブラックは、イオ
ンの反発によって優れた水分散性を有するため、水系イ
ンク中に含有させた場合において、インク中に顔料の分
散剤等を添加しなくても安定した分散状態を維持するこ
とができる。
【0039】ところで、上記したような種々の親水性基
は、カーボンブラックの表面に直接結合させてもよい
し、或いは、他の原子団をカーボンブラック表面と上記
親水性基との間に介在させて、上記したような種々の親
水性基をカーボンブラック表面に間接的に結合させても
よい。ここで、他の原子団の具体例としては、例えば、
炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキ
レン基、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若し
くは未置換のナフチレン基が挙げられる。又、上記フェ
ニレン基及びナフチレン基の置換基としては、例えば、
炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げ
られる。他の原子団と親水性基との組み合わせの具体例
としては、例えば、−C24−COOM、−Ph−SO
3M、−Ph−COOM等(但し、Phはフェニル基を
表わす)が挙げられる。
【0040】上記したような構成を有する自己分散型カ
ーボンブラックは、単独でも、これらの中から2種若し
くはそれ以上を適宜に選択してインクの色材に用いても
よい。又、インク中の自己分散型カーボンブラックの含
有量としては、インク全量に対して、0.1〜15重量
%、特には、1〜10重量%の範囲とすることが好まし
い。即ち、含有量をこの範囲とすれば、インク中におけ
る自己分散型カーボンブラックの良好な分散状態を安定
に維持することができる。尚、市販されている自己分散
型カーボンブラックとしては、例えば、キャボット
(株)製の、商品名CAB−O−JET200やCAB
−O−JET300等がある。
【0041】本発明で使用する水系インク中には、その
色調の調整等を目的として、色材として、上記した自己
分散型カーボンブラック等の分散剤なしに水に分散可能
な顔料と共に染料を添加し、併存させてもよい。例え
ば、分散剤なしで水に分散可能な顔料として、先に述べ
た酸性カーボンブラックを酸化処理したものを用いた場
合には、例えば、可溶化基としてアニオン性基を有する
水溶性染料を好適に用いることができる。この際に使用
し得るアニオン性基を有する水溶性染料としては、例え
ば、カラーインデックス(COLOUR INDEX)
に記載されている水溶性の、酸性染料、直接染料、反応
性染料であれば特に限定はない。又、カラーインデック
スに記載のない染料であっても、アニオン性基、例え
ば、スルホン基及びカルボキシル基等を有するものであ
れば特に限定はない。ここでいう水溶性染料の中には、
溶解度にpH依存性があるものも当然に含まれる。これ
らの染料は、インク中に、好ましくは、1〜10重量
%、より好ましくは1〜5重量%の範囲で用いることが
できる。
【0042】又、本発明の画像形成方法で使用する、色
材として、分散剤なしで水に分散可能な顔料を用いた水
系顔料インクの場合は、インク全体が、中性又はアルカ
リ性に調整されていることが好ましい。即ち、この様に
すれば、長期保存性に一層優れた水系インクとすること
ができる。インクジェット記録装置に使われている種々
の部材の耐久性を考慮すると、インクのpHを、7〜1
0の範囲とすることが望ましい。この際に使用されるp
H調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属
の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げら
れる。
【0043】次に、インクに用いられる水性媒体は、
水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水
としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イ
オン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
又、水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケト
ン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜
6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセ
リン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エ
ーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレン
グリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0044】上記したような水溶性有機溶剤のインク中
における含有量は、一般的には、インク全重量の3〜5
0重量%の範囲とし、好ましくは3〜40重量%の範囲
とする。又、使用される水の含有量としては、インク全
重量の10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%
の範囲とする。
【0045】又、本発明の画像形成方法に使用されるイ
ンクは、必要に応じて所望の物性を有する水系インクと
するために、上記の成分の他に、例えば、粘度調整剤、
界面活性剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤等を適宜に添
加することができる。又、色材として上記顔料の他に、
前記した様な水溶性染料等を適宜添加することもでき
る。
【0046】本発明で使用する上記したような構成を有
するインクの作製方法としては、始めに、水が少なくと
も含有された水性液媒体に顔料を添加し、撹拌した後、
後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心
分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散
液にサイズ剤、及び、上記で挙げた様な適宜に選択され
た添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用するインク
とする。
【0047】上記した顔料を水性液媒体中に分散させる
ために使用される分散機は、一般に使用される分散機な
ら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロ
ールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、
高速型のサンドミルが好ましく使用され、この様なもの
としては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダ
ー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノ
ーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)
等が挙げられる。
【0048】又、前記したようなインクをインクジェッ
ト記録方法に使用する場合には、耐目詰り性等の要請か
ら、最適な粒度分布を有する顔料が用いられるが、所望
の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の
粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディア
の充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、
吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルターや遠心分離
機等で分級すること及びこれらの手法の組合せ等の手法
が挙げられる。
【0049】又、水系インク中に含有させるアニオン性
化合物としては、アニオン性の界面活性剤或いはアニオ
ン性の高分子物質等を用いることができる。この際のア
ニオン性化合物の添加量としては、0.05〜10重量
%、好ましくは0.2〜5重量%とするとよい。又、両
性界面活性剤をその等電点以下のpHに調整して含有さ
せるのも好ましい態様である。この際に使用されるアニ
オン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸
エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般
に使用されているものをいずれも好ましく使用すること
ができる。又、アニオン性高分子の例としては、アルカ
リ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、
或いは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を
挙げることができるが、勿論、これらに限定されない。
【0050】本発明の画像記録方法の好ましい態様で
は、図11に示したように、前述したような構成を有す
る記録媒体の表面に、インクジェット記録方法によって
上述したような水系インク1101を付与し(図11
(a)参照)、しかる後、加熱処理して顔料1103を
熱可塑性樹脂層903中に移動させて(図11(b)参
照)、画像形成が行われる。この結果、インク吸収性の
劣る基材901−1からなる記録媒体に対しても、記録
画素の鮮明さ、色再現性及び色濃度に優れるという顔料
の利点を活かしつつ、耐水性、耐擦過性、耐候性に優れ
た、透明で光沢のある鮮明な画像形成が可能となる。
【0051】本発明の画像形成方法において、例えば、
記録媒体の基材として、透明な高分子フィルムを使用し
た場合には、記録画像は完全に透明なフィルム上に得ら
れ、且つ、上記したように、インク吸収性に劣る基材を
用いていても、記録画素の鮮明さ、色再現性及び色濃
度、耐水性、耐擦過性、耐候性に優れたものとなるた
め、オーバーヘッドプロジェクター用の原稿として好適
である。又、記録媒体の基材として白色顔料を塗抹した
コーテッド紙、バライタ紙、及びレジンコーテッド紙等
の、高級印刷用紙や写真用基材等を用いた場合には、イ
ンクジェット画像は、不透明な基材上に光沢のある被膜
として得られる。この結果、色再現性、色濃度、解像度
に優れた強光沢画像を提供することが可能になる。
【0052】更に、記録媒体の基材として、写真業界で
知られている絹目、微粒面等の表面を持つものを使用す
れば、得られる記録画像が、それに相当する面として得
られる。又、記録媒体の最外層である熱可塑性樹脂層
を、軟化・溶融させた後、加熱して被膜化する際に、そ
の表面を型付面に圧着すれば、それに相当する型付表面
を持つ意匠性に優れたインクジェット記録画像が得られ
る。
【0053】次いで、本発明に用いられる上記した様な
インクジェット記録方式を適用した記録装置について説
明する。本発明では記録ヘッドの記録インクに記録信号
を与え、発生した熱エネルギーにより液滴を吐出する方
式が好ましい。その装置の主要部である記録ヘッドの構
成を図1、図2、図3に示す。
【0054】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミック、又はプラスチック等と感熱記録に
用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図では
薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるもので
はない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化
シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極
17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵
抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基
板20よりなっている。
【0055】記録インク21は吐出オリフィス22まで
来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成してい
る。ここで、アルミニウム電極17−1及び17−2に
電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領
域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡
が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク
21が吐出しインク小滴24となり、吐出オリフィス2
2より記録媒体25に向かって飛翔する。図3には図1
に示したノズルを多数並べた記録ヘッドの概略図を示
す。該記録ヘッドは多数の流路を有するガラス板等27
と図1において説明したものと同様の発熱ヘッド28を
密着して作られる。尚、図1は、インク流路に沿ったヘ
ッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での断
面図である。
【0056】図4に、該ヘッドを組み込んだインクジェ
ット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイ
ピング部材としてのブレードで、その一端はブレード保
持部材によって保持されて固定端となり、カレンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による
記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、
記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持され
る。62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであ
り、ブレード61に隣接するホームポジションに配設さ
れ、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動し
て、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成
を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられ
るインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッ
ド65の移動経路中に突出した形態で保持される。前記
ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によ
って吐出回復部64が構成され、ブレード61及びイン
ク吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵等の除
去が行われる。
【0057】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジ
である。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係
合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動
されるベルト69と接続(図示せず)している。これに
よりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能
となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接し
た領域の移動が可能となる。
【0058】51は記録媒体を挿入するための給紙部、
52はモーター(図示せず)により駆動される紙送りロ
ーラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の
吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が
進行するにつれて、排紙ローラー53を配した排紙部へ
排紙される。
【0059】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接し
てキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッド
65の移動経路中に突出するように移動する。
【0060】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は前記したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。前記の記録ヘッド65のホ
ームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ば
かりではなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域
を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホーム
ポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピング
が行われる。
【0061】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供
給用インクを収容したインク収容部、例えばインク袋で
あり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。
この栓42に針(図示せず)を挿入することにより、イ
ンク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。
44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク
収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、
特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0062】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、前記の如きヘッドとインクカートリッジが
別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一
体となったものも好適に用いられる。
【0063】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にインクを収容したインク収容部、例えばイ
ンク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中の
インクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からイ
ンク滴として吐出される構成になっている。インク吸収
体の材料としては、例えばポリウレタンを用いることが
できる。72は記録ユニット内部を大気に連通させるた
めの大気連通口である。この記録ユニット70は、図4
で示す記録ヘッドに変えて用いられるものであって、キ
ャリッジ66に対し着脱自在になっている。尚、本発明
に使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネ
ルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェッ
ト記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用す
るピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用
できる。
【0064】さて、本発明の記録方法を実施する場合に
は、例えば、前記図3に示した記録ヘッドを4つキャリ
ッジ上に並べた記録装置を使用する。図7はその一例で
ある。81、82、83、84はそれぞれイエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラック各色の記録インクを吐出する
ための記録ヘッドである。該ヘッドは前記した記録装置
に配置され、記録信号に応じて、各色の記録インクを吐
出する。図7では記録ヘッドを4つ使用した例を示した
が、これに限定されるものではなく、図8に示した様
に、1つの記録ヘッドでイエロー、マゼンタ、シアン、
ブラックを液流路を分けて行うのも好ましい。
【0065】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とある
のは特に断りのない限り重量基準である。 <実施例1〜3>下記のa〜bの手順で画像を作製し、
各評価を行った。 (a.記録媒体の作製)接着剤としてポリビニルアルコ
ール5部を用い、これに水45部を加え、更に、表1に
示される各熱可塑性樹脂微粒子を含むラテックス50部
を加えて塗工液とし、該塗工液を、キヤノン(株)製
の、インク受容層が設けられている透明のトランスペア
レンシーフィルムCF−301上に、固形分5g/m2
になるように塗布した。その後、70℃で乾燥させて、
トランスペアレンシーフィルムのインク受容層の上に、
厚さ5μmの熱可塑性樹脂微粒子を有する熱可塑性樹脂
層が設けられた記録媒体を作製した。
【0066】
【表1】表1:実施例で用いた熱可塑性樹脂粒子
【0067】(b.インクの作製)分散剤なしで水に分
散可能な顔料を含む顔料分散液として、CAB−O−J
ET200、CAB−O−JET300(いずれも商品
名、キャボット(株)製)を用意した。ここで、CAB
−O−JET200は、表面に、親水性基としてスルホ
ン基を有する自己分散型カーボンブラック(平均粒径1
30nm)が20重量%の割合で分散されているpH
7.8の顔料分散体である。又、CAB−O−JET3
00は、表面に、親水性基としてカルボキシル基を有す
る自己分散型カーボンブラック(平均粒径150nm)
が15重量%の割合で分散されているpH7.8の顔料
分散体である。このような顔料分散体を用いて、下記表
2に示す組成の各実施例で使用する水系インクを調製し
た。各々のインクは、各々の成分を混合し、スターラー
により12時間撹拌することにより作製した。
【0068】
【表2】表2:実施例1〜3で用いたインクの組成
【0069】(c.画像の作製及び評価)前記工程a.
で得られた記録媒体と、前記工程bにより作製した水系
インクとを用いて、キヤノン(株)製のプリンターBJ
C−400Jにより画像を形成した。画像形成の30分
後に、この記録媒体の熱可塑性樹脂層側を、表3に示し
た加熱温度で20分間加熱保温して画像を形成した。次
に、得られた画像について、下記に示す評価方法及び評
価基準で耐擦過性及び耐水性を評価した。その結果を表
3にまとめて示した。
【0070】評価基準 (1)耐擦過性 上記で形成したベタ画像及び英数文字画像を乾いたティ
ッシュにて擦り、ティッシュにインク中の色材がつかな
ければ、耐擦過性を○、色材がつけば、耐擦過性を×と
して評価した。
【0071】(2)耐水性 上記したと同様の方法で記録媒体上に形成したベタ画像
及び英数文字を、室温雰囲気中で1時間放置した後、水
温20℃の水道水中へ10秒間浸漬した。その後、水温
から取り出してそのまま風乾し、目視にて、形成画像の
耐水性を評価した。評価基準は以下の通りである。
【0072】
【表3】表3:媒体加熱温度、画像評価結果
【0073】 比較例1 (黒色インクの調製) ・高分子分散剤(アニオン系高分子水溶液(スチレン−メタクリル酸−エチル アクリレート、酸化=400、重量平均分子量=6000、固形分20重量 %の水溶液、中和剤:モノエタノールアミン) 40部 ・カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化成(株)社製) 24部 ・エチレングリコール 20部 ・水 16部 上記の材料を、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス
社製)に投入し、更に、1mm径のガラスビーズを投入
して、水冷しつつ3時間分散処理を行った。分散後の液
体の粘度は9cps、pHは10であった。この液体を
遠心分離機を用いて遠心分離し、粗大粒子を除去して、
平均粒径135nm、固形分13%の分散剤入り黒色イ
ンクを得た。上記の方法によって作製したインクを用い
た以外は、実施例1と同様にして(媒体加熱温度=11
0℃)画像形成を行った。その結果、得られた記録物を
観察したところ、記録媒体表面に付着した顔料が、充分
には熱可塑性樹脂層中に移動していないことがわかっ
た。又、画像の耐擦過性を実施例と同様の方法で評価し
たところ、その評価結果は「×」であった。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インク吸収性の劣る基材に対しても、簡便なインクジェ
ット記録方法によって、耐擦過性及び耐水性のよい鮮明
な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】本発明の実施例で使用した複数の記録ヘッドが
配列した記録部を示した斜視図である。
【図8】本発明に使用する別の記録ヘッドの斜視図であ
る。
【図9】本発明の一実施形態に係る記録媒体の概略断面
図である。
【図10】熱可塑性樹脂層が熱可塑性樹脂粒子を含む層
とした構成を説明する図である。
【図11】本発明の画像記録方法の概略説明図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15、28:発熱ヘッド 16:保護膜 17:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:記録媒体 26:マルチ溝 27:ガラス板 40:インク袋 42:ゴム製の栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 81:イエローインク用記録ヘッド 82:マゼンタインク用記録ヘッド 83:シアンインク用記録ヘッド 84:ブラックインク用記録ヘッド 901:基材 901−1:基材 901−2:インク受容層 903:熱可塑性樹脂層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)基材及び熱可塑性樹脂層を有し、
    且つ該熱可塑性樹脂層が最外層である記録媒体を準備す
    る工程、(ii)上記記録媒体の熱可塑性樹脂層の外側表
    面に対して、分散剤なしに水に分散可能な顔料を含む水
    系インクをインクジェット記録法によって吐出させ、該
    顔料を熱可塑性樹脂層の外側表面に付着させる工程、及
    び(iii)熱可塑性樹脂層の外側表面に付着している顔
    料を、熱可塑性樹脂層中に移動させる工程を有すること
    を特徴とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】 工程(iii)に、熱可塑性樹脂層の外側
    表面に顔料が付着している記録媒体を加熱する工程を含
    む請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂層が、多孔質層である請求
    項1に記載の画像記録方法。
  4. 【請求項4】 多孔質層が、熱可塑性樹脂粒子を含んで
    構成されている請求項3に記載の画像記録方法。
  5. 【請求項5】 分散剤なしに水に分散可能な顔料が、表
    面改質を行ったカーボンブラックである請求項1に記載
    の画像記録方法。
  6. 【請求項6】 表面改質を行ったカーボンブラックが、
    表面に親水性基が直接若しくは他の原子団を介して結合
    して構成されている請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 親水性基が、下記に示すグループから選
    ばれる少なくとも1つである請求項6に記載の画像記録
    方法。 【化1】 (但し、上記式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、ア
    ンモニウム又は第4級アンモニウムを表わし、Rは、炭
    素原子数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、
    置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未
    置換のナフチル基を表わす。)
  8. 【請求項8】 他の原子団が、炭素原子数1〜12のア
    ルキレン基、置換若しくは未置換のフェニレン基、又は
    置換若しくは未置換のナフチレン基である請求項6に記
    載の画像記録方法。
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