JP3320224B2 - 記録媒体の製造方法及びそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

記録媒体の製造方法及びそれを用いたインクジェット記録方法

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JP3320224B2
JP3320224B2 JP28315894A JP28315894A JP3320224B2 JP 3320224 B2 JP3320224 B2 JP 3320224B2 JP 28315894 A JP28315894 A JP 28315894A JP 28315894 A JP28315894 A JP 28315894A JP 3320224 B2 JP3320224 B2 JP 3320224B2
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    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録方法
及びインクジェット記録に好適に用いられる記録媒体
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々のイン
ク吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いて
インクに機械的振動又は変移を与える方式、インクを加
熱して発泡させその圧力を利用する方式等により、イン
クの小滴を発生、飛翔させて、それらの一部もしくは全
部を紙、或いはインク受容層を塗工したプラスチックフ
ィルム等の被記録材に付着させて記録を行なうものであ
るが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字を行な
うことができる方式として注目されている。
【0003】インクジェット記録方式用のインクとして
は、安全性、記録特性等の面から主に水を主成分とする
ものが使用され、ノズルの目詰まり防止し、吐出安定性
向上のために多価アルコール類等が添加されている場合
が多い。
【0004】このようなインクジェット記録方式におい
ては、インクとして各種の水溶性染料を水、又は水と有
機溶剤との混合液に溶解させたものが使用されている。
然しながら、水溶性染料を用いた場合には、これらの水
溶性染料は本来耐光性が劣るので、記録画像の耐光性が
問題になる場合が多い。
【0005】また、インクが水溶性であるために、記録
画像の耐水性が問題となる場合も多い。即ち、記録画像
に雨、汗、或いは飲食用の水等が触れた場合、記録画像
が滲んだり、消失したりすることがある。
【0006】一方、ボールペン等の染料を用いた文房具
においても同様の問題があり、耐光性、耐水性の問題を
解決するために種々の文房具用水性顔料インクの提案が
なされている。水性顔料インク実用化のため、分散安定
性、ペン先でのインクの固化防止、ボールペンのボール
の摩耗防止を検討している例としては、特開昭58−8
0368号、同61−200182号、同61−247
774号、同61−272278号、同62−568
号、同62−101671号、同62−101672
号、特開平1−249869号、同1−301760号
等の各公報が挙げられる。
【0007】最近では、水性顔料インクを用いたボール
ペンや、マーカーが商品として市場に出廻るようになっ
てきた。また、水性顔料インクを用いたインクジェット
用インクとしては、特開昭56−147859号、及び
同56−147860号公報等に、特定の水溶性溶剤と
高分子分散剤を用いた顔料インクが提案されている。上
記のように、インクジェット用顔料インクに関しての提
案は、数多くなされている。
【0008】また、従来インクジェット記録に用いられ
る記録媒体としては、特公平3−26665号公報に記
載されているように、基材紙上に微粉シリカとポリビニ
ルアルコールのような水溶性バインダーを含む塗工層を
設けた記録紙や、特公平3−25352号公報に記載さ
れているように、キャストコート紙にけん化度50〜9
0モル%のポリビニルアルコールと架橋剤を含有する皮
膜を形成した光沢紙、更には特開昭60−220750
号公報に記載されているように、ポリエステルフィルム
上にけん化度70〜90モル%の水溶性ポリビニルアル
コールから成る親水性皮膜を設けたオーバーヘッドプロ
ジェクター(OHP)用記録シートが用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、記録の高速化、
多色化等のインクジェット記録装置の性能の向上に伴っ
て、インクジェット用記録媒体に対しても、より高度で
広範な特性が要求されている。即ち、 (1)染料本来の色調から、ずれを生じることなく、適
正な色混合が行ない得ること (2)インクの吸収能力が高い(吸収容量が大きく、吸
収時間が速い)こと (3)ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼけない
こと (4)ドット形状が真円に近く、その周辺が滑らかであ
ること (5)温度、湿度の変化による特性の変化が小さく、カ
ールを起さないこと (6)ブロッキングを起さないこと (7)画像が長期保存にて安定で変質しない(特に高温
高湿環境下で)こと (8)記録媒体自体が長期保存にて安定で変質しない
(同上)こと 等々の特性を同時に満足させることが要求される。
【0010】また、OHP用記録シート、カラーフィル
タ等においては、更に記録媒体自体が透明性に優れてい
ることも重ねて要求される。上記のように、最近では、
画像の記録媒体上での耐水性、耐光性を向上させるため
に、顔料インクをインクジェットに用いたタイプのもの
が数多く報告されている。
【0011】然しながら、顔料インクの特徴として、あ
るpH領域に達すると急激に凝集するという不都合な現
象が挙げられる。これは、記録媒体として、紙のような
非透明体に印字し、反射した光を観察する場合には濃度
アップ等の利点も発生することはある。然しながら、記
録媒体側のpHによっては、顔料の凝集があまりにも急
激に起こるために、顔料本来の色調からずれを生じ、適
正な色混合が行ない得なくなるといった問題が発生して
いた。
【0012】また、特に記録媒体として、OHPフィル
ムのような透明体を用いた場合には大きな問題となる。
特にOHP用記録シート、カラーフィルム等の透明性を
要求されるものについては、顔料の凝集が強力に起こっ
た場合、顔料本来の色調からずれを生じ、適正な色混合
が行なえなくなるといった問題だけではなく、表面が曇
ってしまうことにより、印字部が光を透過しなくなるに
至るという重大な問題が発生する。
【0013】因みに、ここでいう顔料インクの安定領域
のpHとは、インク中で顔料が良好に分散しており、凝
集、沈殿を全く発生していない状態をいう。例えば、特
開昭56−89594号公報には、インクのpHと記録
シート表面のpHの差を2以内にすることにより、色調
のずれを抑制させる方法が示されているが、耐水性を発
現するような顔料を含むインクジェット用インクを用い
た場合には、顔料本来の色調からずれを生じ、適正な色
混合が行ない得なくなるといった問題が解決されない。
【0014】このように、記録の高速化、画像の高密度
化、カラー化、耐水化が進むにつれて、色調、画像品位
の低下が深刻な問題となっている。本発明の目的は、上
記の諸特性をバランス良く同時に満足し、前述のよう
な、耐水性、耐光性を発現する顔料を用いた場合でも、
顔料本来の色調からずれを生じることなく、適正な色混
合を行なうことが可能で、OHPフィルムのような透光
性基材を用いた場合でも、インクジェットによる印字部
の光透過性に優れるインクジェット記録方法及び記録媒
体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下に示す
本発明によって達成される。即ち、本発明は、透光性基
材と、該基材の表面に形成されたインク受容層を有し、
記録信号に従い記録ヘッドのオリフィスから顔料インク
滴を吐出させて該インク受容層に吸収または付着させて
記録を行なうことを特徴とするインクジェット記録に用
いられる記録媒体の製造方法において、該インク受容層
の形成が、該透光性基材上への塗工液の塗工により行な
われることと、記録に用いられる顔料インクを想定し、
該想定された顔料インクが凝集や沈殿を起こさないpH
領域(安定pH領域)に該記録媒体の表面pHを調整するこ
とを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法を開
示するものである。
【0016】また、本発明は、透光性基材と、該基材の
表面に形成されたインク受容層を有する記録媒体に向け
て、記録信号に従い記録ヘッドのオリフィスから顔料イ
ンク滴を吐出させ、該インク受容層に該顔料インク滴を
吸収または付着させて記録を行なうことを特徴とするイ
ンクジェット記録方法において、前記記録媒体の表面p
Hが、あらかじめ、記録に用いられる顔料インクが凝集
や沈殿を起こさないpH領域(安定pH領域)に調整されて
いることを特徴とするインクジェット記録方法をも開示
するものである。
【0017】
【作用】本発明者等は、インクジェット記録に適した、
高い耐水性、耐光性を発現するインクジェット記録方
法、及びインク、記録紙、オーバーヘッドプロジェクタ
ー用のトランスペアレンシーフィルム等の記録媒体の開
発を進める過程にて、上記のように基材上に塗工液を塗
工した記録媒体の表面pHを顔料インクの安定pH領域
に存在せしめることによって、顔料本来の色調からずれ
を生じることなく、適正な色混合を行なうことが可能で
あり、またOHPフィルムのような透光性基材を用いた
場合でも、インクジェットによる印字部の光透過性に優
れるインクジェット記録方法及び記録媒体を提供するこ
とができることを見いだし、本発明を完成するに至った
ものである。
【0018】尚、本発明における顔料インクの安定pH
領域とは、インク中の顔料の凝集が起こず、また沈殿
も発生しない状態の範囲におけるpHの領域をいう。次
に、好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。本発明において使用するインクジェット用顔料イ
ンクとしては、特に限られるものではないが、以下にそ
の概要を説明する。
【0019】本発明における顔料インクに含有される顔
料の量は、重量比で1〜20重量%であり、好ましく
は、2〜12重量%の範囲で用いることが好ましい。本
発明に使用される顔料は、如何なるものでも使用可能で
ある。黒インクに使用されるカーボンブラックとして
は、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブ
ラックであって、一次粒子径が15〜40mμ、BET
法による比表面積が50〜300平方m/g、DBP吸
油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜
10%、pH値が2〜9を有するものであって、例え
ば、NO.2300、同900,MCF88,NO.3
3、同40、同45、同52,MA7、同8,NO.2
200B(以上三菱化成社製)、R AVEN1255
(コロンビア社製)、REGAL400R、同330
R、同660R,MOGUL L(キャボット社製)、
Color Black FW1、同FW18、同S1
70、同S150,Printex 35、及び同 U
(デグッサ社)等の市販品を使用することが出来る。ま
た、イエローインクに使用される顔料としては、C.
I.Pigment Yellow 1、同2、同3、
同13、同16、及び同83等が挙げられる。また更
に、マゼンタインクとして使用される顔料としては、
C.I.Pigment Red 5、同7、同12、
同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同
112、及び同122等が挙げられる。更には、シアン
インクとして使用される顔料として、C.I.Pigm
entBlue 1、同2、同3、同15:3、同1
6、同22、同4,C.I.Vat Blue 4、及
び同6等が挙げられる。但し、列挙した上記顔料のみに
限定されるものではなく、本発明のために新たに製造さ
れたものでも使用可能である。
【0020】本発明における顔料インクの顔料の分散剤
は、水溶性樹脂なら如何なるものでも使用可能である
が、重量平均分子量は、1000〜30000の範囲が
好ましい。更に、好ましくは、3000〜15000の
範囲がよい。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、
ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−
エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステ
ル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マ
レイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマ
ール酸、フマール酸誘導体等から選ばれる少なくとも2
種以上の単量体(このうち少なくとも1種は親水性単量
体)から成るブロック共重合体、或いは、ランダム、グ
ラフト共重合体、また、これらの塩等が挙げられる。
【0021】これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液
に可溶で、アルカリ可溶型樹脂である。更に、親水性単
量体から成るホモポリマー、又は、それらの塩でも良
い。また、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合
物等の水溶性樹脂も使用することが可能である。
【0022】また更に、N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリ
レート、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノメタクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピルメタクリルアミド等を塩化メチル、ジメチ
ル硫酸、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリン等で
4級化したモノマー単位を含むアクリル共重合体等の、
カチオン性分散剤を用いたものでもよい。
【0023】しかし、アルカリ可溶型の樹脂を用いた場
合の方が、分散液の低粘度化が可能で、分散も容易であ
るという利点が有る。更に、pH6以下で、凝集を開始
する樹脂が、印字濃度の向上には、特に好ましい。尚、
前記水溶性樹脂は記録液全量に対して0.1〜5重量%
の範囲で含有される事が好ましい。
【0024】更に、本発明に用いる顔料インクは、好ま
しくは記録液全体が中性又はアルカリ性に調整されてい
ることが、前記水溶性樹脂の溶解性を向上させ、一層の
長期保存性に優れた記録液とすることができるので望ま
しい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使わ
れている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので
好ましくは7〜10のpH範囲とされるのが望ましい。
【0025】また、pH調整剤としては、例えば、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機ア
ミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、
有機酸、並びに鉱酸が挙げられる。
【0026】以上のごとき、顔料及び水溶性樹脂は水溶
性媒体中に分散又は溶解される。本発明に用いる顔料イ
ンクにおいて好適な水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤
の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する
一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用
するのが好ましい。
【0027】また、その他、併用し得る溶剤成分として
は、水と混合して使用される水溶性有機溶剤として、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン
又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6
個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリ
ン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エー
テル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレン
グリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0028】更に、吐出の安定性を得るためにはエタノ
ール、或いは、イソプロピルアルコールを1%以上添加
することが効果的である。これは、これら溶剤を添加す
ることによって記録液の薄膜抵抗体上での発泡をより安
定に行うことができるからと考えられる。
【0029】本発明に用いる顔料インク中の上記水溶性
有機溶剤の含有量は、一般には記録液全重量の3〜50
重量%の範囲であり、好ましくは、3〜40重量%の範
囲がよく、使用する水は記録液全重量の10〜90重量
%、好ましくは30〜80重量%の範囲がよい。
【0030】又、本発明に用いる顔料インクは、上記の
成分の他に必要に応じて所望の物性値を有する記録液と
するために、界面活性剤、消泡材、防腐剤等を添加する
ことができ、更に、市販の水溶性染料等を添加すること
もできる。
【0031】界面活性剤としては、インクに対して保存
安定性等の悪影響を及ぼさないものであれば限られるも
のではなく、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸
エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキル
アリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン
ソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコー
ル、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤が
挙げられ、これらの1種又は、2種以上を適宜選択して
使用することができる。その使用量は分散剤により異な
るがインク全量に対して0.01〜5重量%が望まし
い。
【0032】本発明に用いる顔料インクの作成方法とし
ては、先ず始めに、分散樹脂、水を少なくとも含有する
水溶液に顔料を添加し、攪拌した後、後述の分散手段を
用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行い、
所望の分散液を得る。次に、この分散液に本発明におい
て使用される化合物、上記に列挙したような成分を加
え、攪拌して記録液とする。
【0033】また、アルカリ可溶型樹脂を使用する場
合、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要
である。更に、顔料を含む水溶液を分散処理する前にプ
レミキシングを30分間以上行うことが効果的である。
このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善
し、顔料表面への吸着を促進するものである。
【0034】アルカリ可溶型樹脂を使用した場合の分散
液に添加される塩基類としては、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミ
ンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或
いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が
好ましい。
【0035】一方、本発明に用いられる顔料インクを作
成するための分散機としては、一般に使用される分散機
であれば、如何なるものでも良いが、例えば、ボールミ
ル、ロールミル、サンドミル等が挙げられる。その中で
も、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、スーパー
ミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミ
ル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミ
ル(何れも商品名)等が挙げられる。
【0036】本発明において、所望の粒度分布を有する
顔料を得る方法としては、 (1)分散機の粉砕メデイアのサイズを小さくする (2)粉砕メデイアの充填率を大きくする (3)処理時間を長くする (4)吐出速度を遅くする (5)粉砕後フィルターや遠心分離機分等で分級する 等々の手法が用いられるが、更にはそれらの手法の組合
せも可能である。
【0037】本発明において使用される記録媒体中のイ
ンク受容層に用いる成分としては、本発明による効果を
示すもの即ち、いわゆる水性インクを受容することがで
き、水性インクに対して溶解性或いは親和性を示し、更
に、基材上に塗工液を塗工した記録媒体の表面のpH
が、顔料インク中の顔料の沈殿を発生させない、即ち顔
料インクの安定pH領域にあるものであれば、特に限ら
れるものではない。従って、単独でこの条件を満たす材
料、或いはこの条件を満たさなくても、2種類以上の材
料の混合により、この条件を満たすように調整可能なも
のであれば何ら問題なく使用することができる。
【0038】本発明に用いられるインク受容層の材料と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
セタール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、ヒド
ロキシエチルセルロース、メラミン樹脂、或いはこれら
の変性物等の合成樹脂、また、アルブミン、ゼラチン、
カゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷん、アラビアゴ
ム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂を挙げることができ
るがこれらに限られるものではない。
【0039】そしてこれらの複数を同時に用いることも
可能である。更に、基材上に塗工液を塗工した記録媒体
の表面のpHが、顔料インク中の顔料の沈殿が発生しな
い、即ち顔料インクの安定pH領域にあるという条件を
満たしていない場合には、各種カチオン活性剤やアニオ
ン活性剤、各種カチオン又はアニオンポリマー或いはオ
リゴマー、及び各種pH調整剤を混合させることができ
る。これらには、ごく一般的な公知の化合物を用いるこ
とができる。
【0040】アニオン性化合物としては、分子内にアニ
オン性部分を含むものであれば特に限られるものではな
い。例えば、アニオン性の界面活性剤としては、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ア
ルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマ
リン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステ
ル等のアニオン性界面活性剤を挙げることがすることが
できる。更には、アニオン性部分を含むアルキルベタイ
ン、イミダゾリミウムベタイン、アラニン系等の両性界
面活性剤でもよい。
【0041】また、アニオン性のポリマー、或いはオリ
ゴマーとしては、その分子中にスルホン酸基、カルボン
酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基、フェノール性
水酸基、アルコール性水酸基等を有するものが挙げられ
る。例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとを反応
させて得られる末端カルボキシル基ポリエステル、各種
多価カルボン酸で変性した酸性セルロース誘導体、多価
カルボン酸のビニルエーテルエステルモノマー等の単独
重合体又は他の一般的なモノマーとの共重合体、(メ
タ)アクリル酸等の単独重合体又は他の一般的なモノマ
ーとの共重合体、無水マレイン酸、イタコン酸等のα,
β−不飽和ビニルモノマー等の単独重合体又は他の一般
的なモノマーとの共重合体、ポリビニルアルコール又は
ビニルアルコール共重合体のスルホン酸化合物によるス
ルホン酸変性ポリマー、エチルセルロース、ベンジルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース等の水酸基を有する化合物、その他、
スルホン酸基、カルボン酸基、硫酸エステル基、燐酸エ
ステル基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基等
を有するものであれば何れも好適に使用される。
【0042】また、カチオン性化合物としては、分子内
にカチオン性部分を含むものであれば特に限られるもの
ではない。例えば、カチオン性界面活性剤として、モノ
アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニ
ウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライド、エチ
レンオキサイド付加アンモニウムクロライド等の4級ア
ンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、或いはアミン
塩型のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。更には、
前述したような、カチオン性部分を含むアルキルベタイ
ン、イミダゾリミウムベタイン、アラニン系等の両性界
面活性剤でもよい。
【0043】また、カチオン性のポリマー、或いはオリ
ゴマーとしては、ポリアクリルアミドのカチオン変性物
或いはアクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合
体、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニ
ルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂、ポリビニルピリジニウムハライド等が
挙げられる。更に、ビニルピロリドン系モノマーの単独
或いは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルオ
キサゾリドン系モノマーの単独或いは、他の一般的なモ
ノマーとの共重合体、ビニルイミダゾール系モノマーの
単独或いは、他の一般的なモノマーとの共重合体等が挙
げられる。上記の一般的なモノマーとしては、メタクリ
レ−ト、アクリレート、アクリロニトリル、ビニルエー
テル、酢酸ビニル、エチレン、スチレン等が挙げられ
る。また、カチオン変性したポリビニルアルコール、セ
ルロース等でもよい。勿論、これらに限られるものでは
ない。
【0044】更に、pH調整剤としては、前述したよう
な、例えば、アンモニア、或いはジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、無機酸が
挙げられる。
【0045】そしてこれらの複数の各種化合物を同時に
用いることも可能であり、結果的に前述の、基材上に塗
工液を塗工した記録媒体の表面のpHが、顔料インク中
の顔料の沈殿が発生しない、即ち顔料インクの安定pH
領域にあるという条件を満たすものであれば特に限られ
るものではない。
【0046】本発明では上記の条件を満たす組成物を、
基材表面の少なくとも片方の面に被覆して基材表面にイ
ンク受容層を有する記録媒体とするものであるが、この
組成物には、本発明の目的達成を妨げない範囲において
各種フィラー添加剤を併用することができる。フィラー
の一例としてはシリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タ
ルク、クレイ、ハオドロタルサイト、炭酸カルシウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、及びポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリアクリレート等のプラスチックピグメント等が
挙げられるがこれらに限定はされない。更に、添加剤の
具体的な一例としては各種界面活性剤、染料固着剤、消
泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、分散
剤、粘度調整剤、防カビ剤、可塑剤等々が挙げられる。
これらの添加剤については従来公知の化合物から目的に
応じて任意に選択すればよい。
【0047】本発明の記録媒体を構成する基材として、
例えば上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、再生紙、
バライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙等の紙
や、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリ
アセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデ
ンクロライド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のプラスチックから成るフィルムもしくは
板、ガラス板、或いは木綿、レーヨン、アクリル、ナイ
ロン、絹、ポリエステル等の布を使用することがするこ
とができる。記録媒体の記録目的、記録画像の用途、或
いはその上部に被覆される組成物との密着性等の諸条件
に応じて上記基材の中から適宜選択される。
【0048】特に本発明では、透明フィルム、ガラス等
の透明体が望ましいものである。本発明の記録媒体を作
成するに当たっては、まず前記組成物を、必要により他
の添加剤と共に、水或いはアルコール、多価アルコール
類、又は他の適当な有機溶媒に溶解、又は分散し、塗工
液を調整する。
【0049】得られた塗工液を、例えば、ロールコータ
ー法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲ
ートロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス
法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテン
コーター法等により基材表面に塗工する。その後、例え
ば熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて乾燥し、本発明の被
記録媒体が得られる。更に必要に応じてインク受容層の
平滑化或いは表面強度を上げるためにスーパーカレンダ
ー処理等を施してもよい。
【0050】インク受容層の塗工量としては、総量とし
て0.2〜50g/m2 、より好ましくは1〜30g/
2 の範囲内の量であるが、塗工量が少ない場合には基
材の一部が表面に露出していてもよい。塗工量が0.2
g/m2 に満たない場合には、インク受容層を設けなか
った場合に比べて塗料の発色性の点で効果がなく、また
一方、50g/m2 を越えて設けた場合には特に、低温
低湿環境下におけるカールの発生が著しくなって好まし
くない。塗工量を厚さで表した場合の塗工量は0.5〜
100μmの厚みになる範囲が好適である。
【0051】前記の記録媒体に上記のインクを付与して
記録を行うための方法は、好ましくはインクジェット記
録方法であり、該方法は、インクをノズルより効果的に
離脱させて、射程体である記録媒体にインクを付与し得
る方式であれば如何なる方式でもよい。
【0052】特に、特開昭54−59936号公報に記
載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたイン
クが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力
によって、インクをノズルから吐出させるインクジェッ
ト方式は有効に使用することがすることができる。
【0053】本発明の記録媒体を用いて記録を行うのに
好適な一例のインクジェット記録装置を以下に説明す
る。該装置の主要部であるヘッド構成例を図1〜3に示
す。ヘッド13は、インクを通す溝14を有するガラ
ス、セラミックス又はプラスチック板等を、感熱記録に
用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されてい
るが、これに限定されるものではない)とを接着して得
られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される
保護膜16、アルミニウム電極17−1,17−2、ニ
クロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、
アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなっている。イ
ンク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来てお
り、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0054】今、電極17−1,17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
され、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録
媒体25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッ
ドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチ
ヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に
説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して作製さ
れている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13
の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図であ
る。
【0055】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の1例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
り記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、
記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって
吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体6
3によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行わ
れる。
【0056】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジ
である。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係
合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動
されるベルト69と接続(不図示)している。これによ
りキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能と
なり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した
領域の移動が可能となる。
【0057】51は記録媒体を挿入するための給紙部、
52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラで
ある。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対
向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつ
れて排紙ローラ53を介して排紙される。
【0058】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ド65の移動経路中に突出するよう移動する。
【0059】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0060】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のための記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0061】
【実施例】以下実施例に基ずき本発明を更に詳細に説明
するが、本発明がこれらによって何ら限定されるもので
はない。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのな
い限り重量基準である。
【0062】 実施例1〜4、比較例1 (使用インク:マゼンタ色) (顔料分散液の調製) スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体: 1.5部 (酸価140、重量平均分子量5000) モノエタノールアミン: 1 部 イオン交換水: 81.5部 ジエチレングリコール: 5 部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にC.I.Pig
ment Red 112の10部、イソプロピルアル
コールの1部を加え、30分間プレミキシングを行なっ
た後、下記の条件で分散処理を行なった。
【0063】 分散機: サンドグラインダー(五十嵐機械製) 粉砕メデイア: ジルコニウムビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率: 50%(体積) 粉砕時間: 3時間 更に遠心分離処理(12000RPM,20分間)を行
ない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0064】 (記録液の調製) 上記分散液: 30 部 グリセリン: 10 部 エチレングリコール: 5 部 N−メチルピロリドン: 5 部 エチルアルコール: 2 部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル工業製): 0.2部 イオン交換水: 47.8部 上記成分を混合し、記録液を調製した。この顔料インク
のpH安定領域は7.2以上であった。尚、顔料インク
のpH安定領域については、良好な分散状態にある顔料
インクのpHを、モノエタノールアミン、及び塩酸を加
えることによりそのpHを変化させて、沈殿凝集が発生
しない範囲のpHを測定した。
【0065】(塗工液の調製及び塗工、印字) (i)ポリビニルアルコール:PVA217(クラレ社
製)、(ii)ポリエチレンイミン:SP−200(日本
触媒社製)の混合物を水97部、メタノール3部中に攪
拌混合しながら添加し溶解した。成分(i)及び(ii)
の配合割合を表1に示す。得られた塗工液をワイヤーバ
ーを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ100μm、ルミラー:東レ社製)に、乾燥後の塗布
厚が10μmになるように塗布した後、120℃にて5
分間乾燥して本実施例、及び比較用の記録媒体を調製し
た。
【0066】また、このようにして調製したインク受容
層表面のpHを、紙面測定用pH計(共立理化学研究所
製)により測定した。この表面pHの値を合わせて表1
に示す。
【0067】
【表1】 次に、上記記録媒体に、上記組成のインクを用いて、熱
エネルギーによりインクを発泡させてインクを吐出させ
るインクジェット記録装置により下記条件で記録を行っ
た。 (記録条件) 吐出周波数 :4kHz 吐出液滴の容量 :45pl 記録密度 :360DPI 最大単色インク付与量 :8nl/mm2
【0068】実施例5 実施例1において下記のインクを用いた他は、全く同様
にして記録媒体を調製し、熱エネルギーによりインクを
発泡させてインクを吐出させるインクジェット記録装置
により記録を行った。 (使用インク:シアン色) (顔料分散液の調製) スチレン−マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体: 4部 (酸価70、重量平均分子量12000) アミノメチルプロパノール: 2部 イオン交換水: 74部 ジエチレングリコール: 5部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にC.I.Pig
ment Blue 22の15部を加え、30分間プ
レミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行っ
た。
【0069】分散機: パールミル(アシザワ製) 粉砕メデイア: ガラスビーズ 粉砕メデイアの充填率: 50%(体積) 吐出速度: 100ml/min. 更に遠心分離処理(12000RPM,20分間)を行
い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0070】 (記録液の調製) 上記分散液: 30部 グリセリン: 80部 エチレングリコール: 5部 エタノール: 5部 イオン交換水: 56部 上記成分を混合し、記録液とした。尚、この顔料インク
のpH安定領域は7.4以上であった。
【0071】実施例6〜9、比較例2 (使用インク:シアン色)実施例5で用いたインクにお
いて、顔料をC.I.Pigment Blue3に変
えた他は全く同様にして顔料インクを調製した。尚、こ
の顔料インクのpH安定領域は7.9以上であった。
【0072】(マゼンタ色)実施例1で用いたインクに
おいて、顔料をC.I.Pigment Red7に変
えた他は全く同様にして顔料インクを調製した。尚、こ
の顔料インクのpH安定領域は7.7以上であった。
【0073】(イエロー色)実施例5で用いたインクに
おいて、顔料をC.I.Pigment Yellow
13に変えた他は全く同様にして顔料インクを調製し
た。尚、この顔料インクのpH安定領域は8.0以上で
あった。
【0074】(ブラック色)実施例1で用いたインクに
おいて、顔料をカーボンブラック(MCF88,三菱化
成社製)に変えた他は全く同様にして顔料インクを調製
した。尚、この顔料インクのpH安定領域は7.8以上
であった。
【0075】(塗工液の調製及び塗工、印字) (i)ポリビニルアセタール:エスレックKW−1(積
水化学社製、アセタール化度9mol%)、(ii)ポリ
アリルアミン:PAA−10C(日東紡社製)を水の9
5部、エチレングリコールの5部中に攪拌混合しながら
添加し溶解した。成分(i)及び(ii)の配合割合を表
2に示す。
【0076】
【表2】 得られた塗工液をワイヤーバーを用いて、ポリエチレン
テレフタレートフィルム(厚さ100μm、ルミラー:
東レ社製)に、乾燥後の塗布厚が15μmになるように
塗布した後、120℃にて5分間乾燥して本実施例、及
び比較用の記録媒体を調製した。また、このようにして
調製したインク受容層表面のpHを、紙面測定用pH計
(共立理化学研究所製)により測定した。このpHの値
を表2に合わせて示す。更に、上記記録媒体に、実施例
1〜4の場合と同様にして、熱エネルギーによりインク
を発泡させてインクを吐出させるインクジェット記録装
置により、上記の4色のインクによるカラー記録を行な
った。
【0077】実施例10,11 基材として、アート紙、上質紙を用いた以外は、実施例
6と同様にして本発明の記録媒体を調製した。得られた
カラープリントサンプルについて以下の項目について評
価を行った。
【0078】(評価項目) (1)画像濃度 上記のプリンターを用いてベタ印字(200%Dut
y)した印画物のブラック(Bk)の画像濃度を、マク
ベス濃度計RD−918を用いて評価した。
【0079】(2)画像ムラ 画像ムラは、上記のプリンターを用いてベタ印字した印
字物において、濃淡ムラが認められないものを○、印字
物と肉眼とを50cm離した距離からの目視でも確認出
来るものを×、その中位のものを△とした。
【0080】(3)画像の色調及び光透過度 上記のようにして作成された印字物を透過型オーバーヘ
ッドプロジェクタにより投影し、各印字部の色調が明ら
かに変わったもの、或いは投影画像が暗くなったものを
×、若干色調が変わったもの、或いは投影画像が暗くな
ったものを△、全く問題のないものを○とした。評価結
果をまとめて、表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】上記のように、本発明によって、画像の
耐水性、耐光性を向上させるために顔料インクを用いた
場合にも、顔料本来の色調からずれを生じることなく、
適正な色混合を行なうことが可能であり、OHPフィル
ムのような透光性基材を用いた場合でも、インクジェッ
トによる印字部の光透過性に優れるインクジェット記録
方法及び記録媒体を得ることが可能となり顕著な効果が
奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図3】ヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15,28 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1,17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 記録小滴 25 被記録媒体 26 マルチ溝 27 ガラス板 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モーター 69 ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−125306(JP,A) 特開 昭56−89594(JP,A) 特開 昭64−11877(JP,A) 特開 平5−148422(JP,A) 特開 平6−219044(JP,A) 特開 昭59−78885(JP,A) 特開 平4−331182(JP,A) 特開 平4−372670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 C09D 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基材と、該基材の表面に形成され
    たインク受容層を有し、 記録信号に従い記録ヘッドのオリフィスから顔料インク
    滴を吐出させて該インク受容層に吸収または付着させて
    記録を行なうことを特徴とするインクジェット記録に用
    いられる記録媒体の製造方法において、 該インク受容層の形成が、該透光性基材上への塗工液の
    塗工により行なわれることと、 記録に用いられる顔料インクを想定し、該想定された顔
    料インクが凝集や沈殿を起こさないpH領域(安定pH領
    域)に該記録媒体の表面pHを調整することを特徴とする
    インクジェット記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記透光性基材が、プラスチックフィル
    ムであることを特徴とする請求項記載のインクジェッ
    ト記録媒体の製造方法
  3. 【請求項3】 透光性基材と、該基材の表面に形成され
    たインク受容層を有する記録媒体に向けて、記録信号に
    従い記録ヘッドのオリフィスから顔料インク滴を吐出さ
    せ、該インク受容層に該顔料インク滴を吸収または付着
    させて記録を行なうことを特徴とするインクジェット記
    録方法において、 前記記録媒体の表面pHが、あらかじめ、記録に用いら
    れる顔料インクが凝集や沈殿を起こさないpH領域(安定
    pH領域)に調整されていることを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記記録媒体が請求項1に記載の方法で
    製造されたものであることを特徴とする請求項記載の
    インクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記記録媒体の透光性基材が、プラスチ
    ックフィルムであることを特徴とする請求項3または4
    記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記インクの吐出を、熱エネルギーによ
    って行なうことを特徴とする請求項3または4記載のイ
    ンクジェット記録方法。
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