JP4136814B2 - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通紙に対してカラー画像を形成するときに生じる、所謂、カラーブリーディング(現象)を低減し、且つ、非インク吸収性表面、乃至は低インク吸収性表面に印字した際にも耐擦過性に優れた画像が得られる技術に関し、とりわけ、インクジェット記録方式を利用した画像形成に最適に使用される、インクと反応液とを組み合わせたインクセット、及びこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。これらの中でも、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を発生させる方式のインクジェット記録方法によれば、記録へッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
このようなインクジェット記録に使用されるインクとしては、水を主成分とし、これに染料や顔料といった着色成分、及び目詰まり防止等を目的としてグリコール等の水溶性高沸点溶剤を含有させたインクが一般的である。しかし、このような水系インクを用いて普通紙に記録を行った場合には、十分な定着性が得られなかったり、記録媒体である紙等の表面における填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定される不均一画像が発生する等の問題があった。又、特にカラー画像を形成する場合には、ある色のインクが記録媒体に定着する以前に複数の他の色のインクが次々と重ねられることから、異色の画像の境界部分で色が滲んだり、不均一に混ざり合って(以下、この現象をブリーディングと呼ぶ)、満足すべき画像が得られない場合があった。
【0004】
これに対し、インクの定着性を高める手段として、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加する方法の提案(例えば、特許文献4参照)や、揮発性溶剤を主体としたインクを用いることの提案(例えば、特許文献5参照)がある。
【0005】
しかしながら、前者のインク中に界面活性剤等を添加する方法では、記録媒体へのインクの浸透性が高まり、インクの定着性やブリーディングについてはある程度向上するものの、インク中の色材も記録媒体の奥深くまで浸透してしまうため、画像濃度及び彩度が低下する等の不都合が生じる。その他、インクの横方向に対する広がりも発生し、その結果、エッジのシャープさが低下したり、解像度が低下したりする等の問題も発生した。一方、後者の揮発性溶剤を主体としたインクを用いる方法の場合には、上記した前者の場合と同様の不都合が生じるのに加えて、記録ヘッドのノズル部での溶剤の蒸発による目詰まりが発生し易く、この点でも好ましくなかった。
【0006】
更に、上述した問題を改善するために、インクの噴射に先だって、記録媒体上に予め画像を良好にせしめる液体を付着させておく方法が提案されている。例えば、1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体を記録媒体上に付着させた後、アニオン性の顔料が含有されたインクで記録する方法(例えば、特許文献6参照)や、コハク酸等を含有した酸性液体を記録媒体上に付着させた後、アニオン性顔料が含有されたインクで記録する方法(例えば、特許文献7参照)や、顔料を不溶化させる液体をインクの記録に先だって付与するという方法(例えば、特許文献8参照)がある。
【0007】
しかしながら、上記いずれの方法も、その方式が顔料自体を析出させることによって画像の滲みや耐水性を向上させようとするものであるため、前述したカラーインク間におけるブリーディング抑制効果が不十分であり、又、析出した顔料が記録媒体上で不均一に分布し易いため、記録媒体である紙等のパルプ繊維に対する被覆性が悪く、画像の均一感が低下することが生じる。更には、上記いずれの方法を用いた場合も、インクを吸収しない非インク吸収性の記録媒体、乃至はインク吸収性の低い低インク吸収性の記録媒体に画像を形成しようとすると、画像表面の密着性が低いために記録部の色材が剥がれ落ちたり、傷が付いたりして、画像の耐擦過性が劣るという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特公昭61−59911号公報
【特許文献2】
特公昭61−59912号公報
【特許文献3】
特公昭61−59914号公報
【特許文献4】
特開昭55−65269号公報
【特許文献5】
特開昭55−66976号公報
【特許文献6】
特開昭63−299971号公報
【特許文献7】
特開昭64−9279号公報
【特許文献8】
特開昭64−63185号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記の実情に鑑み下記に挙げる5点の課題を解決するためになされたものである。先ず、特に、非インク吸収性乃至は低インク吸収性の記録媒体に対してインクジェット記録を行って画像を得る場合になる課題としては、下記の2点が挙げられる。
(1)画像が、良好な耐擦過性(画像の密着性)を有しながら印字品位も良好であること。
(2)十分な濃度の画像が得られ、ベタ画像の均一性が高いこと。
又、特に、インク吸収性の高い普通紙に対してカラー画像を形成する場合においては、課題として、上記の点に加えて下記の3点が挙げられる。
(3)ブリーディングが抑制された画像が得られること。
(4)画像の定着速度が十分に速いこと。
(5)色再現性が良好であり、高精細な画像が得られること。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、[1]色材として顔料を含有するインクと、画像形成の際に該顔料と接触して凝集物を発生させる化合物を含有する反応液とを独立に有してなるインクセットにおいて、上記インクが、少なくともカルボニル基を含有する高分子化合物を含み、上記反応液が、多価金属塩と、上記インク中の上記高分子化合物と架橋反応を生じる化合物としてヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物を少なくとも含有することを特徴とするインクセットである。
【0011】
上記したインクセットの好ましい形態としては、下記の[2]〜[5]が挙げられる。[2]前記インク中の前記高分子化合物が、少なくともN−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドから合成された高分子化合物である上記[1]に記載のインクセット。[3]前記インク中の前記高分子化合物が、少なくともN−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドと、非イオン性の親水基を含んでなるモノマーとから合成された共重合体である上記[1]に記載のインクセット。[4]前記ヒドラジド基含有化合物が、アジピン酸ジヒドラジドである上記[1]に記載のインクセット。[5]前記顔料と接触して凝集物を発生させる化合物が、多価金属塩である上記[1]に記載のインクセット。
【0012】
又、本発明の別の実施形態としては、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施態様を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
先ず、図9に従って、本発明にかかるインクと反応液とを独立に組み合わせてなるインクセットの画像形成時における作用について説明する。
【0014】
本発明にかかるインクセットはインクと反応液とを独立に組み合わせてなるが、インクは、色材として顔料を含む顔料インクである。顔料としては、カーボンブラックや有機顔料が好ましく用いられる。更に好ましくは、アニオン性の自己分散性の顔料、若しくは、アニオン性の官能基を有する水溶性高分子化合物で分散された顔料を用いる。これらの色材については後述する。又、本発明では、少なくともカルボニル基を含有する高分子化合物を含むインクを用いる。一方、該インクと組み合わせて用いる反応液は、上記したインクと接触した際に凝集物を発生させる化合物を含有してなるが、多価金属塩と、上記インク中のカルボニル基を含有する高分子化合物と架橋反応を生じる化合物が少なくとも含有されている。
【0015】
上記したような成分を含むインク及び反応液の2種の液が、記録媒体上で、或いは記録媒体に浸透した位置で混合されると、図9の(c)に示したように、反応の第1段階として、反応液中に含まれている多価金属塩と、インク中の、例えば、アニオン性の顔料分散体とがイオン的相互作用により会合を起こし、インク中の顔料分散体が瞬間的に凝集し、インク中の水や有機溶媒等の溶液相から分離を起こす。これによってカラーブリードの発生が抑えられ、且つ非インク吸収性の記録媒体表面で特に生じやすかったビーディングも抑えられる。
尚、ここで言うビーディング現象とは、インクがインク受容層に定着する前の流動性を有しているときに、ドットがインク受容層表面の面方向へ不規則に移動し、隣接するドットと新たなドットの集合体を形成して記録画像に濃度ムラを生じる現象を言う。
【0016】
次に、反応の第2段階として、インク中に含まれているカルボニル基を含有する高分子化合物と、反応液中の、該高分子化合物と架橋反応を生じる化合物とが反応を起こし、上記したインク中の顔料と、反応液中の多価金属塩との接触によって生じた凝集体を記録媒体上で包み込むようにして、被膜を形成する。この結果、カラーブリード及びビーディングの発生がなく、且つ耐擦過性も良好な記録画像が得られる。
【0017】
次に、本発明にかかるインクセットを構成するインク及び反応液に含まれる各成分について、説明する。先ず、本発明で使用するインクについて説明するが、該インクは、有機顔料等を含む顔料分散体と、少なくともカルボニル基を含有する高分子化合物を含むことを特徴とする。以下、本発明で使用するインクの必須成分である、カルボニル基を含有する高分子化合物について詳細に説明する。当該カルボニル基を含有する高分子化合物の本発明における作用は、先の図9を用いて説明した通り、インクと反応液との反応の第2段階として、第1段階で得られた顔料分散体と多価金属塩との凝集物を記録媒体上で包み込むようにして被膜を形成することにあり、その効果としては、これによりインク画像の記録媒体表面に対する密着性が向上し、耐擦過性に優れる画像形成が可能となることが挙げられる。
【0018】
本発明で使用するカルボニル基を含有する高分子化合物としては、例えば、カルボニル基を含有するビニル系モノマーを出発材料として合成された高分子化合物が挙げられる。具体的には、例えば、アクリルアミド系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、アクリル酸エステル系ポリマー等が好ましく使用できる。より好ましいものとしては、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドを出発材料として合成された高分子化合物が挙げられる。更には、非イオン性の親水基を含んでなる構造単位を有する、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドと、非イオン性の親水基を含んでなるモノマーとから合成された共重合体を用いることが好ましい。
【0019】
その理由としては、重合体中にイオン性の官能系、特にカルボキシル基等のアニオン性の官能基が含有されていると、反応液中に含有されている多価金属塩と凝集物を形成することが生じ、本発明の、顔料と記録媒体表面との密着性を向上させる効果が損なわれてしまう恐れがあるからである。このような理由から、本発明で使用されるカルボニル基を含有する高分子化合物の好ましいものとしては、上記した非イオン性の親水基を有する共重合体であることが好ましい。ここで、非イオン性の親水基とは、水酸基、エチレンオキサイド基等の官能基を指す。そのような非イオン性の親水基を有し、且つカルボニル基を含有するビニル系モノマー等と共重合可能なモノマーとしては、下記のような化合物を挙げることができる。
【0020】
例えば、下記一般式で示される構造を有する化合物が使用できる。
CH2=C(CH3)−COO−(CH2CH2O)m−H
(上記式中のmは1〜9の範囲内の数である。)
【0021】
上記一般式で表される具体的なモノマーとしては、下記の市販の化合物が挙げられる。
(1)CH2=C(CH3)−COO−(CH2CH2O)m−H:ブレンマーPE−90(商品名、m=1.9、Nippon Oil&Fats Co.)
(2)CH2=C(CH3)−COO−(CH2CH2O)m−H:ブレンマーPE−200(商品名、m=4.4、Nippon Oil&Fats Co.)
(3)CH2=C(CH3)−COO−(CH2CH2O)m−H:ブレンマーPE−350(商品名、m=7.7、Nippon Oil&Fats Co.)
【0022】
又、下記一般式で示される構造を有する化合物も使用することができる。
(上記式中のR1は、メチル基、水素原子のいずれかであり、R2はメチル基、ブチル基、フェニル基のいずれかであり、nは、1〜9の範囲内の数である。)
【0023】
上記一般式で表される具体的なモノマーとしては、下記の市販の化合物が挙げられる。
(1)メトキシトリエチレングリコールアクリレート(R1=H、n=3、R2=メチル基):NKエステルAM−30G(商品名、新中村化学工業製)
(2)メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(R1=H、n=約10、R2=メチル基):NKエステルAM−90G(商品名、新中村化学工業製)
(3)メトキシジエチレングリコールメタアクリレート(R1=メチル基、n=2、R2=メチル基):NKエステルM−20G(商品名、新中村化学工業製)
(4)メトキシテトラエチレングリコールメタアクリレート(R1=メチル基、n=4、R2=メチル基):NKエステルM−40G(商品名、新中村化学工業製)
(5)メトキシポリエチレングリコール#400メタアクリレート(R1=メチル基、n=約10、R2=メチル基):NKエステルM−90G(商品名、新中村化学工業製)
(6)メトキシポリエチレングリコール#1000メタアクリレート(R1=メチル基、n=約24、R2=メチル基):NKエステルM−230G(商品名、新中村化学工業製)
(7)ブトキシジエチレングリコールアクリレート(R1=水素原子、n=2、R2=ブチル基):NKエステルAB−20G(商品名、新中村化学工業製)
(8)フェノキシジエチレングリコールアクリレート(R1=水素原子、n=2、R2=フェニル基):NKエステルAMP−20G(商品名、新中村化学工業製)
(9)フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(R1=水素原子、n=約5、R2=フェニル基):NKエステルAMP−60G(商品名、新中村化学工業製)
【0024】
その他のものとしては、下記の構造を有するノニルフェノキシエチルアクリレート:NKエステルNPA−10G(商品名、新中村化学工業製)が挙げられる。
【0025】
又、必要に応じて下記のような疎水性モノマーを更に共重合させたものを用いることもできる。使用することのできる具体的な疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル類である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブメチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−エトキシブチルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、等が挙げられる。
【0026】
上記に列挙したようなモノマーから合成できる本発明で使用するカルボニル基を含有する高分子化合物は、その重量平均分子量が500〜30,000の範囲内のものであることが好ましい。更に好ましくは、1,000〜15,000の範囲のものを使用する。又、上記に列挙したようなモノマーから共重合体を合成する場合の重合方法としては、ラジカル重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等、公知の各種重合方法を利用することができる。その際に使用する重合開始剤としては、公知の過酸化物やアゾ系化合物が使用できる。本発明にかかるインクセットを構成するインクに含有される上記した高分子化合物の含有量としては、質量基準で、インク中に0.01〜30%が好適な範囲である。
又、上記カルボニル基を含有する高分子化合物を単に着色インクに溶解・混合させるのでなく、後述の顔料分散ポリマーとして用いてもよい。
【0027】
次に、本発明にかかるインクセットを構成するインクの色材成分として使用する顔料について説明する。本発明で使用されるインク中の顔料の量は、インク全量に対して、質量基準で、1〜20%、好ましくは2〜12%の範囲で用いる。
【0028】
本発明において使用する黒色のインクの成分として用いることのできる顔料としては、カーボンブラックが挙げられる。具体的なものとしては、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。上記したような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Color Black FWl、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があるが、いずれのものも好ましく使用することができる。
【0029】
又、本発明において使用するイエローインクの成分に使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。
【0030】
又、本発明において使用するマゼンタインクの成分に使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。
【0031】
又、本発明において使用するシアンインクの成分に使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.PigmentBlue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。しかしながら、本発明は、これらに限られるものではない。又、以上の他、本発明のために新たに製造された顔料も勿論使用することが可能である。
【0032】
又、上記したような顔料を使用する際に必要となる分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用することができるが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものが好ましい。このような分散剤としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、インク全量に対して、質量基準で、0.1〜5%の範囲で用いることが好ましい。
【0033】
特に、先に列挙したような顔料が含有されているインクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようにすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすることができる。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記したような顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解される。
【0034】
本発明で使用される顔料が含有されたインクにおいて好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0035】
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0036】
上記したような水溶性有機溶剤のインク中の含有量は、一般的にはインク全質量の3〜50質量%の範囲とし、好ましくは3〜40質量%の範囲とする。又、使用される水の含有量としては、インク全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
【0037】
又、本発明で使用する顔料が含有されたインクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。又、色材として上記顔料の他に水溶性染料等を適宜添加することもできる。又、本発明においては、インクの表面張力が、併用する反応液の表面張力よりも大きい方が好ましい。従って、インク中に含有させる界面活性剤等によりインクの表面張力をそのように調整することが好ましい。
【0038】
上記したような顔料が含有されたインクの作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の顔料分散液を得る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用するインクとする。
【0039】
尚、分散剤として前記したようなアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要であるが、この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用される。
【0040】
又、顔料が含有されているインクの作製方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
【0041】
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用され、このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0042】
又、顔料が含有されているインクをインクジェット記録方法に使用する場合には、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料が用いられるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルターや遠心分離機等で分級すること及びこれらの手法の組み合わせ等の手法が挙げられる。
【0043】
インク中に上記で説明した各種成分の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高分子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好ましい。特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられていない場合には、このようなアニオン性物質を添加することが必須である。この際の添加量としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%とする。又、両性界面活性剤をその等電点以下のpHに調整して含有させるのも好ましい態様である。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することができる。又、アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることができるが、勿論、これらに限定されない。
【0044】
次に、本発明にかかるインクセットを構成する上記で説明した顔料インクとともに使用される反応液について説明する。本発明で使用する反応液は、多価金属塩と、前記で説明したようなインク中に含有されたカルボニル基を含有する高分子化合物と架橋反応を生じる化合物を少なくとも含有するものであることを特徴とする。
【0045】
上記したインク中の高分子化合物と架橋反応を生じる化合物としては、ヒドラジド基を含有する化合物を用いる。本発明で用いる反応液に含有された架橋反応を生じる化合物の効果としては、先に図9を用いて説明した通り、インク中に含まれているカルボニル基を含有する高分子化合物と、反応液中の化合物とが架橋反応を起こすことで、インク中の顔料と、反応液中の多価金属塩との接触によって生じた凝集体を記録媒体上で包み込むようにして被膜を形成し、これによって記録画像の耐擦過性を向上させるところにある。
【0046】
反応液の成分として好適なヒドラジド化合物としては、具体的には、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド(以上、大塚化学製)、ACRONAL(商品名、三菱油化パーディッシェ製)等のジヒドラジド化合物を好ましく使用することができる。
【0047】
反応液中における上記したようなヒドラジド化合物に代表される、インク中のカルボニル基を含有する高分子化合物と架橋反応を生じる化合物の含有量は、質量基準で、0.1〜10%とすることが好ましく、更には、0.5〜5%の範囲がより好適である。即ち、これら化合物の含有量が、0.1%未満と含有量が少ないと、本発明において改善しようとしている、印字物の耐擦過性の向上を図ることが難しくなり、一方、含有量が10%よりも多くなると、反応液の粘度上昇による吐出口の目詰り等を発生する恐れがあり、好ましくない。
【0048】
次に、反応液を構成するその他の成分について具体的に説明する。本発明にかかる反応液は、上記したヒドラジド化合物に代表される、インク中のカルボニル基を含有する高分子化合物と架橋反応を生じる化合物を含有することが最大の特徴であるが、その他の成分として、多価金属塩を含有してなる。本発明では、多価金属塩を含有した反応液を使用することで、先に図9を用いて説明した通り、反応液中の多価金属塩と、インク中の顔料微粒子とが接触した直後に顔料粒子が凝集を起こし、その結果、画像形成直後における画像のブリーディング、ビーディングを抑えることが可能となる。
【0049】
本発明で使用する多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成されてなるものである。多価金属イオンの具体例としては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。又、陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、SO4 2-等が挙げられる。これらの中でも、少量の添加で効率的に凝集反応が生じる、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩のいずれかを単独で、或いは適宜に混合して使用することが好ましい。
【0050】
又、本発明で使用する反応液には、上記に挙げたような多価金属塩以外にも、同様の効果が得られる化合物として、多価金属塩に加えて有機カチオン化合物を併存させることもできる。この際に使用することのできる有機カチオン化合物としては、例えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスルホン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩等を挙げることができる。
【0051】
その他、下記に挙げるようなノニオン性高分子物質の一部をカチオン化した化合物も、同様に用いることもできる。具体的には、ビニルピロリドンとアミノアルキルアルキレート4級塩との共重合体、アクリルアマイドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合体等が挙げられる。更に、上述した有機カチオン化合物やカチオン性の高分子物質は水溶性のものでなくても、ラテックスやエマルションのような分散体であってもかまわない。これらのカチオン性物質を本発明で使用する場合には、その分子量が、1,500以上10,000以下の化合物を用いることが好ましい。更には、1,500以上7,000以下の化合物を用いることが、インクの発色性を低下させないという点で、より好ましい。又、反応液をインクジェット記録ヘッドを用いて記録媒体に塗布する際に、分子量が低分子量側にある化合物ほど含有量を上げても溶液粘度が低く保たれるので、反応液の吐出特性が良好に保たれるといった利点もある。
【0052】
発明で使用する反応液は、上記で説明したような多価金属塩と、先に説明したヒドラジド化合物に代表されるインク中のカルボニル基を含有する高分子化合物と架橋反応を生じる化合物とを含有するが、通常、その他に、これらの成分を溶解或いは分散するための水系媒体、及び必要に応じて添加される添加剤を含んでなる。水系媒体としては、水、或いは水及び水溶性有機溶剤からなる混合媒体を使用することが好ましい。
【0053】
この際に使用できる水溶性有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。上記水溶性有機溶剤の含有量について特に制限はないが、反応液の全量に対して、質量基準で5〜60%、更に好ましくは、5〜40%が好適な範囲である。
【0054】
本発明で使用する反応液には、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤等の添加剤を適宜に配合してもかまわない。界面活性剤の選択は、液体の記録媒体への浸透性を調整する上で特に重要である。
【0055】
本発明で使用する反応液は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上等でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。更に、以上のような成分からなる反応液の各種物性の好適な範囲としては、25℃付近でのpHが、3〜12、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜5となるように調整し、表面張力が、10〜60dyn/cm(mN/m)、より好ましくは10〜40dyn/cm(mN/m)とし、粘度を1〜30cps.(mPa・s)としたものである。尚、本発明で使用する反応液の表面張力は、該反応液と共に使用するインクの表面張力よりも低い方が好ましい。
【0056】
前述した本発明にかかるインクセットを構成するインクにおける好適な物性範囲も、上記した反応液の場合と同様である。但し、インクの表面張力を、併用する反応液の表面張力よりも高くした方が、本発明にかかるインクセットを用いてインクジェット記録方法で画像形成を行った場合に、本発明による効果が、より有効に得られる。これは、このように両者の表面張力が調整されたインクセットとした場合には、例えば、印字プロセス上、先に打ち込まれた反応液が、後から打ち込まれるインクの記録媒体上での濡れ性を均一にし得る効果を発揮するためであろうと考えられるが、その詳細は明らかではない。
【0057】
次に、上記のような構成を有する本発明にかかるインクセットを用いたインクジェット記録方法について説明する。この場合に用いるインクジェット記録方法は、上記で説明したような構成の反応液を、記録媒体上の画像形成領域、又は画像形成領域とその近傍とに付着させる工程と、上記で説明したような構成の顔料インクを、記録信号に従って吐出オリフィスから液滴として記録媒体に噴射する工程とを含むものであることが好ましい。ここでいう画像形成領域とは、インクのドットが付着する領域のことであり、画像形成領域の近傍とは、インクのドットが付着する領域の外側の1〜5ドット程度離れた領域のことを指す。
【0058】
本発明のインクジェット記録方法としては、前記した本発明で使用する反応液とインクとが記録媒体上等で共存する状態となればいずれのものでもよく、従って、反応液とインクのいずれを先に記録媒体上に付与するかは問題ではない。又、反応液を記録媒体に先に付着させた場合に、反応液を記録媒体に付着せしめてからインクを記録媒体上に付着させるまでの時間については特に制限されるものではないが、ほぼ同時、或いは数秒以内にインクを記録媒体上に付着させるのが好ましい。
【0059】
上記したインクジェット記録方法で使用する記録媒体としては、特に限定されるものではなく、従来から使用されている、コピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適に使用される。勿論、インクジェット記録用に特別に作製されたコート紙やOHP用透明フィルムも好適に使用される。更に、一般の上質紙や光沢紙にも好適に使用することができるが、特に、本発明のインクセットを用いれば、従来困難であった非インク吸収性媒体、乃至は低インク吸収性の記録媒体表面に対しても良好な画質の記録画像を形成することが可能である。
【0060】
反応液を記録媒体上に付着せしめる方法としては、例えば、スプレーやローラー等によって記録媒体の全面に付着せしめる方法も考えられるが、好ましくは、インクが付着する画像形成領域、或いは画像形成領域とその画像形成領域の近傍にのみに選択的且つ均一に反応液を付着せしめることのできるインクジェット方式により行う。又、この際には、種々のインクジェット記録方式を用いることができるが、特に好ましいのは、熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する方式である。
【0061】
次いで、本発明にかかるインクジェット記録方法に用いることのできる記録装置について説明する。本発明に用いるものとしては、記録ヘッドのインクに記録信号を与え、発生した熱エネルギーにより液滴を吐出する方式の装置が好ましい。その装置の主要部である記録ヘッドの構成を図1、図2、図3に示す。
【0062】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミック、又はプラスチック板等と感熱記録に用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなっている。
【0063】
インク21は吐出オリフィス22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。ここで、アルミニウム電極17−1及び17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、記録媒体25に向かって飛翔する。図3には図1に示したノズルを多数並べた記録ヘッドの概略図を示す。該記録ヘッドは多数の流路を有するガラス板等27と図1において説明したものと同様の発熱ヘッド28を密着して作られる。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面図である。
【0064】
図4に、該ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードで、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。62は、記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。前記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵等の除去が行われる。
【0065】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ−68によって駆動されるベルト69と接続(図示せず)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0066】
51は記録媒体を挿入するための給送部、52はモーター(図示せず)により駆動される紙送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給送され、記録が進行するにつれて、排出ローラー53を配した排出部へ排出される。
【0067】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0068】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は前記したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。前記の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0069】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えばインク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(図示せず)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0070】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、前記の如きヘッドとインクカートリッジが別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体となったものも好適に用いられる。
【0071】
図6において、70は記録ユニットであって、この中にインクを収容したインク収容部、例えばインク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、例えばポリウレタンを用いることができる。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。尚、本発明に使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用できる。
【0072】
さて、本発明の記録方法を実施する場合には、例えば、前記図3に示した記録ヘッドを5つキャリッジ上に並べた記録装置を使用する。図7はその一例である。81、82、83、84はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のインクを吐出するための記録ヘッドである。又、85は反応液を吐出するヘッドである。該ヘッドは前記した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。又、反応液は、例えば、それに先立ち、少なくとも各色のインクが記録媒体に付着する部分に予め付着させておく。図7では記録ヘッドを5つ使用した例を示したが、これに限定されるものではなく、図8に示したように、1つの記録ヘッドで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及び反応液を液流路を分けて行うのも好ましい。勿論、反応液とインクの記録順が上記した順序とは逆になるようなヘッドの配置をとってもよい。
【0073】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に示さない限り質量基準とする。又、反応液及びインクの組成は、全量が100部となるようにイオン交換水で調整した。
【0074】
<<実施例1>>
[反応液Aの作製]
先ず、下記の組成からなる各成分を混合溶解した後、更に、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、pHが4.8に調整されている反応液Aを得た。
(反応液Aの組成)
・アジピン酸ジヒドラジド 3.0部
・硝酸マグネシウム6水和物 10.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・サーフィノール465(日信化学製) 0.3部
・イオン交換水 残部
【0075】
[着色インクのセットIの作製]
<ブラックインクB1の作製>
(顔料分散液の組成)
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重
量平均分子量9,000) 1.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・サーフィノール465(日信化学製) 1.0部
・イオン交換水 残部
【0076】
上記した組成の各成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液に、新たに試作されたカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を10部と、イソプロピルアルコールを1部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行って、粗大粒子を除去して顔料分散液とした。
【0077】
上記で得た顔料分散液を含む下記の組成を有する各成分を混合し、顔料を含有するブラックインクB1を作製した。ここで、カルボニル基を含有する高分子化合物としては、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドとブレンマーPE−90(商品名、Nippon Oil&Fats Co.)との共重合体(モノマー仕込み比1:1、重量平均分子量約7,000)を用いた。
(インクの組成)
・上記顔料分散液 30.0部
・カルボニル基を含有する高分子化合物 5.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 残部
【0078】
<イエローインクY1の作製>
ブラックインクB1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外はブラックインクB1の調製と同様にして、顔料を含有するイエローインクY1を調製した。
【0079】
<マゼンタインクM1の作製>
ブラックインクB1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外はブラックインクB1の調製と同様にして、顔料を含有するマゼンタインクM1を調製した。
【0080】
<シアンインクC1の作製>
ブラックインクB1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外はブラックインクB1の調製と同様にして、顔料を含有するシアンインクC1を調製した。
【0081】
上記のようにして調製した、ブラックインクB1、イエローインクY1、マゼンタインクM1及びシアンインクC1の4色のインクを独立に組み合わせて着色インクのセットIとした。
【0082】
上記のようにして得られた反応液Aと、着色インクのセットIを用いて本実施例のインクセットとした。このインクセットを用いてPPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、図4に示したのと同様の記録装置を用い、図7に示した5つの記録ヘッドを用いてカラー画像を形成した。この際、反応液Aを先打ちして先ず記録媒体上に付着させ、その後に着色インクのセットIを構成している各インクを付着させた。ここで用いた記録ヘッドは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数15kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、イエロー、マゼンタ及びシアンインク、更に無色の反応液については夫々4plのヘッドを使用し、ブラックインクについては1ドットあたり8plのヘッドを使用した。又、印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
【0083】
<<実施例2>>
[反応液Bの作製]
実施例1で使用した反応液Aと同様にして、下記の組成の成分からなる本実施例で使用する反応液Bを作製した。
(反応液Bの組成)
・アジピン酸ジヒドラジド 3.5部
・硫酸アルミニウム18水和物 8.0部
・1,3−プロパンジオール 20.0部
・サーフィノール465(日信化学製) 0.2部
・イオン交換水 残部
【0084】
上記のようにして得られた反応液Bと、実施例1で使用した4種類の着色インクを組み合わせてなるインクのセットIを用いて本実施例のインクセットとした。この本実施例のインクセットを用いて、実施例1と同様の条件で、PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。この際、反応液Bを先打ちして先ず記録媒体上に付着させ、その後にセットIを構成している各インクを付着させて画像を形成した。
【0085】
<<比較例1>>
実施例1で使用した反応液Aを使用しなかったことを除いては、実施例1と全く同様の条件で、4種類の着色インクを組み合わせてなるインクのセットIを用いて画像を形成した。
【0086】
[評価1]
実施例1、2及び比較例1で得られた夫々の記録画像について、下記の評価方法及び評価基準で評価を行った。表1に、実施例1、2及び比較例1で使用したインクセットの構成、及び得られた評価結果をまとめて示した。
1.耐擦過性
上記の印字物を印字5分後、ベタ部分を爪で軽く擦り、色材(顔料)が指に付着しないものを〇、僅かに付着するものを△、明らかに付着するものを×とした。
【0087】
2.文字品位
反応液とブラックインクとを用いて、ブラックの英数文字を印字し、目視にて評価した。フェザリングが殆ど目立たないものを○とし、フェザリングがやや目立つが実用上問題ないレベルのものを△とし、それ以下のレベルのものについては×とした。
【0088】
3.画像濃度
ベタ画像を反応液とブラックインクとを用いて形成し、12時間放置後の反射濃度を反射濃度計マクベスRD915(マクベス社製)にて測定した。評価基準は以下の通りである。
○;反射濃度が、1.30以上
△;反射濃度が、1.20以上1.30未満
×;反射濃度が、1.20未満
【0089】
4.ブリーディング
キヤノン製のカラーバブルジェット(登録商標)プリンターBJS700を用いて、1Pass、片方向印字モードで、反応液と、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色インクのベタ部を隣接して印字し、各色の境界部でのブリーディングの程度を目視により観察した。評価基準は、ブリーディングが殆ど発生していないものを○とし、ブリーディングがやや発生しているものを△とし、それ以外のレベルのものは×とした。
【0090】
5.定着性
反応液と、イエローインク及びマゼンタインクとを用いて、レッドのベタ画像を形成した後、別の白紙をその自重で記録画像の上に重ね、紙の裏側に記録した画像の転写がなくなり、地汚れが発生しなくなるまでの時間を、記録の終了時を時間ゼロとしてこれを基準に測定し、定着性の尺度とした。評価基準は、以下の通りである。
○:定着性が20秒未満
△:定着性が20秒以上40秒未満
×:定着性が40秒以上
【0091】
【0092】
<<実施例3>>
実施例1の、4種類の着色インクを組み合わせてなるインクのセットIと、反応液Aとからなるインクセットを用い、記録媒体をレーザープリンタ用OHPフィルム(キヤノン製)とした以外は、実施例1で行ったと同様の条件にて印刷した。
【0093】
<<実施例4>>
実施例2の、4種類の着色インクを組み合わせてなるインクのセットIと、反応液Bからなるインクセットを用い、記録媒体をレーザープリンタ用OHPフィルム(キヤノン製)とした以外は、実施例2で行ったと同様の条件にて印刷した。
【0094】
<<比較例2>>
実施例3で使用した反応液Aを使用しなかったことを除いては、実施例3と全く同様の印字を行った。
【0095】
[評価2]
6.密着性評価
上記した実施例3、4及び比較例2で得た印字物について、下記の方法で、画像の密着性について調べ、下記の基準で評価した。印字1時間後、ベタ部分を爪で軽く擦り、色材(顔料)が全く剥がれ落ちないものを〇、僅かに剥がれ落ちるものを△、明らかに印字部の剥がれ落ちが認められるものを×と、評価した。
【0096】
この結果、上記密着性評価において、表2に示した通り、実施例3及び4で得られた画像は、爪で擦った部分の剥がれ落ちがなく、上記ランクで○レベルにあった。しかし、比較例2で得られた画像は、明らかに色材の剥がれ落ちが生じ、×レベルであった。
【0097】
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、普通紙に対するカラーインクジェット記録を行った場合に、耐擦過性が良好で、且つ高印字品位で十分な画像濃度を有し、更にブリードレスで色再現性も良好な、高精細なインクジェット記録画像が得られる、高速定着性を有するインクセットが提供される。又、本発明によれば、非インク吸収性表面、乃至は低インク吸収性表面に印字した際にも耐擦過性に優れた、上記の良好な画像が得られるインクセットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図5】インクカートリッジの一例を示す縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】記録ユニットが同一キャリッジ上に装着された状態を示す模式的な概略図である。
【図8】図4のインクジェット装置の記録ヘッド部の一態様のオリフィス部の模式的な拡大図である。
【図9】本発明のインクセットを用いて画像形成をした際の、インクに対する反応液の作用を模式的に説明するための図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:記録媒体
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給送部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
81、82、83、84、85:記録ヘッド
Claims (6)
- 色材として顔料を含有するインクと、画像形成の際に該顔料と接触して凝集物を発生させる化合物を含有する反応液とを独立に有してなるインクセットにおいて、
上記インクが、少なくともカルボニル基を含有する高分子化合物を含み、
上記反応液が、多価金属塩と、上記インク中の上記高分子化合物と架橋反応を生じる化合物としてヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物を少なくとも含有することを特徴とするインクセット。 - 前記インク中の前記高分子化合物が、少なくともN−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドから合成された高分子化合物である請求項1に記載のインクセット。
- 前記インク中の前記高分子化合物が、少なくともN−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドと、非イオン性の親水基を含んでなるモノマーとから合成された共重合体である請求項1に記載のインクセット。
- 前記ヒドラジド基含有化合物が、アジピン酸ジヒドラジドである請求項1に記載のインクセット。
- 前記顔料と接触して凝集物を発生させる化合物が、多価金属塩である請求項1に記載のインクセット。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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