JPH08252969A - 記録媒体、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

記録媒体、及びそれを用いた画像形成方法

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JPH08252969A
JPH08252969A JP7057882A JP5788295A JPH08252969A JP H08252969 A JPH08252969 A JP H08252969A JP 7057882 A JP7057882 A JP 7057882A JP 5788295 A JP5788295 A JP 5788295A JP H08252969 A JPH08252969 A JP H08252969A
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JP
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ink
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JP7057882A
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Mamoru Sakaki
守 坂木
Mifune Hirose
みふね 廣瀬
Masato Katayama
正人 片山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色濃度が高く、高解像度、高光沢で、耐水
性、耐湿性に優れた記録紙等の記録媒体を提供する。 【構成】 基材102上に、少なくとも顔料及びバイン
ダーを含有するインク受容層104と有機樹脂粒子を有
する表面層106とをこの順序で積層すると共に、前記
表面層の表面を光沢処理した記録媒体100の前記有機
樹脂粒子をビニルピロリドンとスチレンとの共重合体、
またはビニルアルコールとスチレンとの共重合体で構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
法による記録等に用いて好適な記録媒体及びそれを用い
た画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来インクジェット記録方法を用いて画
像を形成する記録媒体(記録紙等)としては、特公平3
−26665号公報に記載されている様に、基紙上に微
粉シリカとポリビニルアルコールのような水溶性バイン
ダーを含む塗工層を設けた記録紙や、特公平5−362
37号公報に記載されている様に、合成紙等の不透明基
材上に水溶性樹脂を主体とする皮膜を形成した光沢紙が
ある。また、特開昭63−265680号公報には、シ
リカとバインダーを主体とする塗工層をキャスト法によ
り設けたインクジェット記録用のキャストコート紙が記
録されている。
【0003】一方、近年の記録の高速化、多色化などに
代表されるインクジェット記録装置の性能の向上に伴
い、インクジェット用記録媒体に対しても、より高度で
広範な特性が要求されるようになっている。即ち、 (1)インクの吸収能力が高く、インクの乾燥が速いこ
と (2)ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼけない
こと (3)ドット形状が真円に近く、その周辺が滑らかであ
ること (4)ベタ印字部に、濃淡ムラがなく、均一性に優れて
いること (5)異色のインクが隣り合って印字されても、境界が
鮮明であり、にじみが発生しないこと (6)画像の耐水性、耐湿性、耐光性等が良好であり、
画像が長期保存に安定で変質しないこと 等が要求されている。
【0004】また、インクジェット記録方法を用いて、
表面に高光沢を有する画像を形成することに対する要求
もあることから、表面光沢を有する記録シート(光沢
紙)も要求されている。
【0005】特公平3−26665号公報に記載のコー
ト紙は、表面がマット調であり、光沢がない。一方で、
特公平5−36237号公報に記載の光沢紙は高光沢、
高濃度の画像が形成可能である。しかしながら、表面が
親水性の樹脂被膜で形成されているために、表面に付着
したインクの乾燥、定着が遅く、印字部がいつまでもべ
たついて、連続記録に支障がある。また、インクの吸収
速度が遅いため、ベタ印字部に濃淡ムラを発生したり、
インク受容層が水溶性であるために、画像の耐水性にか
ける問題がある。
【0006】特開昭63−265680号公報に記載の
インクジェット用のキャストコート紙は、インクの乾
燥、定着性の面では良好であるが、画像の耐水性、耐湿
性等の耐久性及び発色性の面で不十分である。従って、
従来の記録媒体はいずれも一長一短があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、上記した諸要求特性をバランス良く同時に満足する
画像形成方法を提供することにあり、特に、濃度が高
く、高解像度、高光沢な記録画像を形成する記録媒体及
び画像形成方法を提供することにある。
【0008】更に、本発明の別の目的は、画像の耐水性
や耐湿性に優れ、特に高湿度の環境に放置されても画像
にじみを発生しない、画像の耐久性に優れた記録媒体を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。
【0010】即ち本発明は、基材上に、少なくとも顔料
及びバインダーを含有するインク受容層と有機樹脂粒子
を有する表面層とをこの順序で積層すると共に、前記表
面層の表面を光沢処理してなる記録媒体において、前記
有機樹脂粒子が、ビニルピロリドンとスチレンとの共重
合体、またはビニルアルコールとスチレンとの共重合体
からなることを特徴とする記録媒体であり、記録媒体表
面層表面の75°鏡面光沢度が45%以上であること、
顔料が、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物及び塩基性
炭酸マグネシウムから選択される1の顔料であること、
インク受容層がカチオン物質を含むものであること、イ
ンク受容層が多孔質構造のものであること、基材が紙で
あることを含む。
【0011】また、本発明は、シアン、マゼンタ、イエ
ロー及びブラックの各インクの小滴を記録信号に従って
記録ヘッドのオリフィスから吐出させ、前記の記録媒体
に付着させて記録を行うことを特徴とする画像形成方法
であり、各色のインクを吐出するオリフィスを各色毎に
複数有してなり、複数の同色のオリフィスから同時に複
数の同色インク滴を吐出させることにより画像形成を行
うことを含む。
【0012】
【作用】本発明者等は、カラーインクジェット記録方法
に使用できる表面に高光沢を持った記録媒体を用いた画
像の形成方法について検討を行う中で、前記の要求性能
を満足する画像を形成するためには、以下の構成を有す
る記録媒体が必須であることを見いだし、本発明を完成
するに至ったものである。
【0013】(i)記録媒体のインク受容層が、顔料と
バインダーを主体としてなる多孔質構造であること。
【0014】(ii)インク受容層が、染料の定着剤とし
てのカチオン性物質を含むこと。
【0015】(iii )特定の有機粒子よりなる、表面層
を有し、その表面が光沢処理されていること。
【0016】また、本発明で言う表面光沢性記録媒体と
は、少なくとも一方の面の75度鏡面光沢が45%以上
のものである。ここで言う、75度鏡面光沢とは、JI
S−Z−8741に基づいて測定された値である。
【0017】また、銀塩写真並みの表面光沢を有する画
像を形成する場合には、75度鏡面光沢は65%以上で
あることが望ましく、更に、20度鏡面光沢が20%以
上であることが必要である。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】図5は本発明の記録媒体の一例を示すもの
で、同図中100は記録媒体を示す。この記録媒体10
0は、基材102上に順次インク受容層104、表面層
106を積層して形成してあり、更に前記表面層106
の表面は光沢処理をして形成されている。
【0020】基材102は、LBKP,NBKP等に代
表される化学パルプ、サイズ剤、填料を主体とし、その
他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙され
たものが使用可能である。使用されるパルプ材として
は、機械パルプや古紙再生パルプを併用しても良く、ま
た、これらを主体とするものであってもよい。サイズ剤
としては、ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー、ア
ルケニル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロル
ヒドリン、アクリルアミド等が挙げられる。填料として
は、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン
等が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、
ジアセテート、トリアセテート、セロハン、セルロイ
ド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリビニルクロラ
イド、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリレート、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックから
なるフィルムもしくは板などを使用することができる。
【0021】上記基材102の上面に積層するインク受
容層104は、主として、顔料及びバインダーを主体と
して構成する。
【0022】顔料とバインダーの好ましい比率は、重量
比で、10/1〜1/2の範囲内である。
【0023】インク受容層に用いる顔料の例としては、
シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネ
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハ
オドロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化
亜鉛などの無機顔料、及びポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリアクリレートなどのプラスチックピグメントな
どが挙げられる。高濃度、高解像度の画像を形成するに
は、上記のうち、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、
塩基性炭酸マグネシウムの群の中に一つ以上を含むこと
が好ましい。
【0024】インク受容層に用いるバインダーとして
は、ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デン
プン、カゼイン、ゼラチン、アクリル樹脂、アルギン酸
ソーダ、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂
や、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合
体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、カル
ボキシル変性共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体などのビニル系共重合体ラテ
ックスなどを挙げることができる。これらは、それぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0025】本発明においては、更に、インク受容層
が、染料の定着剤としてのカチオン物質を含有すること
が好ましい。
【0026】これらのカチオン物質としては、例えば、
ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスルホン塩酸塩、
ポリビニルアミン塩酸塩、キト酸酢酸塩等を挙げること
ができる。また、カチオン性基を有する以下のようなモ
ノマーの単独、又は、他のものとの共重合体;ジメチル
アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタ
アクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジ
エチルアミノエチルメタアクリレート、メチルエチルア
ミノエチルアクリレート、メチルエチルアミノエチルア
クリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノ
スチレン、メチルエチルアミノスチレン、およびその4
級化化合物等、側鎖に1〜3級アミン乃至4級アンモニ
ウム塩基を有するモノマーの単独、又は、他のものとの
共重合体等も使用可能である。また、前記のバインダー
樹脂の一部をカチオン化してもよい。具体的には、ビニ
ルピロリドンとアミノアルキルアルキレート4級塩との
共重合体、アクリルアマイドとアミノメチルアクリルア
マイド4級塩との共重合体等を挙げることができる。も
ちろんこれらの化合物に限定されないことは言うまでも
ない。さらに、上述した高分子物質及びカチオン性の高
分子物質は水溶性であれば申し分ないが、ラテックスや
エマルションの様な分散体であってもかまわない。
【0027】上記カチオン物質の含有量は、インク受容
層の全重量に対し0.01〜20重量%とすることが好
ましく、0.1〜10重量%とすることが更に好まし
い。
【0028】また、本発明においては、インク受容層
が、さらに必要に応じて、メラミン樹脂、グリオキザー
ル、イソシアネート等の架橋剤や、界面活性剤、消泡
剤、酸化防止剤、蛍光漂白剤、紫外線吸収剤、分散剤、
粘度調製剤、pH調製剤、防カビ剤、可塑剤などを含ん
でもよい。
【0029】これらの含有量はその含有目的に応じて適
宜決定されるものである。
【0030】インク受容層の厚さは3〜40g/m2が好
ましく、更に3〜10g/m2が好ましい。
【0031】本発明の記録媒体100は上記インク受容
層104の上面に更に表面層106を積層してなる。
【0032】表面層106は、有機粒子を主体として構
成され、その表面の光沢処理をした光沢処理部はこれら
有機樹脂粒子が一部融着した構造を有している。又、必
要に応じて、表面層の強度を増すために後述するその他
のバインダーを含んでもよく、更に、インク吸収性を増
すためにコロイダルシリカ等の無機微粒子を含んでも良
い。
【0033】本発明の最大の特徴は、上記の有機樹脂粒
子として、ビニルピロリドンとスチレンの共重合体、ま
たは、ビニルアルコールとスチレンの共重合体である、
有機粒子を用いることにある。これらは、それぞれのモ
ノマーのランダム、ブロック、グラフト共重合体のいず
れのものであってもよいが、特に好ましいものは、グラ
フト共重合体、又はランダム共重合体である。
【0034】ビニルピロリドンとスチレンとの共重合比
はモル基準で10:1〜1:10が好ましい。
【0035】ビニルアルコールとスチレンの共重合比は
モル基準で10:1〜1:10が好ましい。
【0036】有機樹脂粒子の平均粒子径は0.01〜5
μmが好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0037】上記有機樹脂粒子は常法により合成しても
良いが、例えば下記市販品を用いることもできる。
【0038】ビニルピロリドンとスチレンの共重合体
は、アンタラの商品名で市販されている。ビニルアルコ
ールとスチレンの共重合体は、酢酸ビニルとスチレンの
共重合体をケン化することによって得ることができる。
いずれの物質とも、すでに知られたものである。
【0039】従来使用されてきた、アクリル系エマルジ
ョンや、SBRラテックス等に比べ、これらの樹脂粒子
は、分子中にインクとの親和性の強い構造を持っている
ため、表面層内をインクが記録面からインク受容層に浸
透していく際に、インク中の染料が、粒子に捕捉される
確率が高くなり、そのため、色濃度が高く、耐湿性にも
優れる画像の形成が可能となったと考えられる。
【0040】もちろん、本発明においては、ビニルピロ
リドンとスチレンの共重合体、または、ビニルアルコー
ルとスチレンの共重合体である有機粒子に、一部、従来
公知の上記の有機粒子を本発明の効果を妨げない範囲で
併用してもよい。
【0041】表面層106の厚さは1〜40g/m2が好
ましく、特に3〜10g/m2が好ましい。
【0042】次に、本発明の記録媒体の製造方法につい
て説明する。
【0043】まず、インク受容層又は表面層形成用の塗
工液を調製する。即ち、インク受容層又は表面層を構成
する各種成分、必要な添加剤等を水あるいはアルコー
ル、または他の適当な有機溶媒等に溶解、または分散
し、インク受容層形成用塗工液又は表面層形成用塗工液
を調製する。
【0044】インク受容層形成用塗工液を基材に塗工す
る方法、及び表面層をインク受容層の上面に塗工する方
法としては、例えば、ロールコーター法、ブレードコー
ター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター
法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコート
法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などが好
ましい。
【0045】塗工量は、乾燥重量で3〜40g/m2が好
ましい。
【0046】複数の塗工層を設ける場合には、第1層
を、上記の方法で塗工し、次いで常法により乾燥した後
に第1層上に上記の塗工液を塗布する。
【0047】このようにしてインク受容層形成用及び表
面層形成用塗工液を基材表面に塗工してインク受容層及
び表面層を基材上に形成した後、表面層表面をキャスト
法によって光沢処理をする。
【0048】キャスト法としては、例えば、鏡面を有す
る加熱仕上げ面に、湿潤塗工層を圧着して光沢仕上げを
行うウェットキャスト法、湿潤塗工層を一旦乾燥した
後、再湿潤により可塑化して鏡面を有する加熱仕上げ面
に圧着して光沢仕上げを行うリウェットキャスト法、湿
潤塗工面をゲル状態にして鏡面を有する加熱仕上げ面に
圧着するゲルキャスト法などを用いることができる。記
録媒体表面を光沢仕上する方法は、キャスト法が最も好
ましいが、その他の方式を用いてもよい。
【0049】本発明に使用するインクは、像を形成する
ための色素と該色素を溶解または分散するための液媒体
を必須成分とし、必要に応じて各種の分散剤、界面活性
剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防カビ
剤、記録剤の溶解(あるいは分散)安定化剤等を添加し
調製される。
【0050】インクに使用する記録剤としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分
散染料、油性染料、各種顔料等が挙げられるが、従来公
知のものは、特に制限なく使用することができる。この
ような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要
求される特性等に依存して決定されるが、従来のインク
中において一般には約0.1〜20重量%を占める割合
で使用されており、本発明においてもこの割合と同様で
よい。
【0051】本発明に用いるインクに於て、上記のごと
き色素を溶解または分散する液媒体としては、水又は水
と水溶性有機溶剤との混合溶媒を挙げることができ、特
に、好適なものは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であ
って、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有
する水混和性グリコール類もしくはグリコールエーテル
類を含有するものである。
【0052】本発明に用いるインクに使用可能な有機溶
剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、n−ブタノール等のアルキルアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;アセトン、アセトンアルコール等のケトン、ケト
アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ジ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、ポリエチレングリコール等のアルキレングリコール
類;グリセリン類;(ジ)エチレングリコールモノメチ
ル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコール
モノ(またはジ)メチル(またはエチル)エーテル等の
多価アルコールのアルキルエーテル類;スルホラン、n
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等が挙げられ、これらの1種以上が使用
される。
【0053】本発明に用いるインクは、以上の材料を用
いて、更に必要に応じて界面活性剤等を添加して、前記
所定の表面張力に調整される。
【0054】本発明で使用するインクジェット記録方法
は、インクをノズルより効果的に離脱させて、被写体で
ある記録媒体にインクを付与し得る方式であればいかな
る方式でもよいが、特に、特開昭54−59936号公
報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受け
たインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による
作用力によって、インクをノズルから吐出させるインク
ジェット方式は有効に使用することができる。
【0055】本発明のインクジェット記録方法に好適な
インクジェット記録装置の一例を以下に説明する。
【0056】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1,図2及び図3に示す。
【0057】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミック又はプラスチック板等を、感熱記録
に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されて
いるが、これに限定されるものではない)とを接着して
得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成され
る保護膜16、アルミニウム電極17−1,17−2、
ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層1
9、アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなってい
る。
【0058】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0059】今、電極17−1,17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、記録シー
ト25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッド
を多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘ
ッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説
明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作され
ている。
【0060】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面で
ある。
【0061】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の1例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
り記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、
記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって
吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体6
3によってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行わ
れる。
【0062】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿って移動が可能とな
り、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。
【0063】51は記録媒体を挿入する為の給紙部、5
2は不図示のモータにより駆動される紙送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれ
て排紙ローラ53を介して排紙される。
【0064】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0065】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0066】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドの記録の為の記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0067】既に述べたように、本発明は、特に、表面
光沢に優れる記録画像をインクジェット記録方式を用い
て形成するにあたり、記録の高速化、高密度化、カラー
化に伴って発生した問題を解決することを主目的として
いる。従って、低速あるいは低密度の記録においては、
このような問題はさほど顕著ではない。本発明が、効果
的であるインクジェット記録方法は、少なくとも3KH
z以上の駆動周波数で各色インクの小滴を記録ヘッドの
オリフィスから吐出させて記録を行うカラーインクジェ
ット記録方法であり、少なくとも各色のインクを吐出す
るオリフィスを1色当たり2つ以上有し、同時に同色の
インク滴を2滴以上吐出可能なインクジェット記録装置
を用いた記録方法であって、更に、各色のインク単色の
最大記録密度が6nl/mm2 以上であるインクジェット
記録方法である。
【0068】尚、本発明で言う最大記録密度とは、その
記録システムを用いた場合の単位面積当たりに付着させ
うる単色インク滴の最大のドット数に、吐出されるイン
ク滴の体積をかけ合わせたものである。
【0069】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限
り重量基準である。
【0070】(実施例1)原料パルプとしてLBKP9
0部、NBKP10部を混合し、叩解した後、カオリン
(土屋カオリン製)10部、アルケニル無水コハク酸
0.1部、カチオン化でんぷん0.2部を配合して、常
法により坪量72g/m2、ステキヒトサイズ度10秒の
記録原紙(基材)を抄造した。下記組成のインク受容層
形成用塗工液(1)をワイヤーバーを用いて、原紙上に
乾燥塗工量で10g/m2となるように塗布した後、80
℃にて5分間乾燥し、インク受容層を形成した後、下記
組成の表面層形成用塗工液(2)をワイヤーバーを用い
て、乾燥塗工量が5g/m2の割合で塗布し、表面層が湿
潤状態にあるうちに120℃に加熱したステンレスロー
ルに圧着して乾燥すると共に表面層表面に光沢処理部を
形成し、本発明の記録媒体を調製した。 塗工液(1)の組成 ・アルミナ(AKP−G015 住友化学製) 100部 ・ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製) 15部 ・ポリアリルアミン塩酸塩(PAAHCI−3L 日東紡製) 10部 ・水 875部 塗工液(2)の組成 ・ビニルピロリドンとスチレンの共重合体 (アンタラ430 GAF製) 50部 ・アイオノマー樹脂(ケミパールSA−100 三井石油化学製) 7部 ・コロイダルシリカ(スノーテックス100 日産化学製)(固形分) 50部 ・ステアリン酸カルシウム 3部 ・水 490部 (実施例2)塗工液(1)(2)以外は実施例1と同様
にして記録媒体を調製した。 塗工液(1)の組成 ・アルミナ(AKP−G030 住友化学製) 50部 ・塩基性炭酸マグネシウム(徳山曹達製) 50部 ・ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製) 15部 ・モノアリルアミン/ジメチルアミン塩酸塩の共重合体 (PAA−D11−HCI 日東紡製) 10部 ・水 975部 塗工液(2)の組成 ・ビニルピロリドンとスチレンの共重合体 (アンタラ430 GAF製) 50部 ・コロイダルシリカ(スノーテックス100 日産化学製)(固形分) 50部 ・ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製) 5部 ・ステアリン酸カルシウム 5部 ・水 470部 (実施例3)塗工液(1)(2)以外は実施例1と同様
にして記録媒体を調製した。 塗工液(1)の組成 ・シリカ(ミズカシルP−78D 水沢化学製) 100部 ・ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製) 15部 ・ポリアリルアミン(PAA−10C 日東紡製) 10部 ・水 975部 塗工液(2)の組成 ・ビニルアルコールとスチレンの共重合体 (モビニール742N ヘキスト製) 50部 ・スチレン−ブタジエンゴム(JSR6619 日本合成ゴム製) 10部 ・コロイダルシリカ(スノーテックス100 日産化学製)(固形分) 50部 ・ステアリン酸鉛 3部 ・水 482部 (実施例4)実施例1の塗工液(2)のビニルピロリド
ンとスチレンの共重合体をビニルアルコールとスチレン
の共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にして記
録媒体を調製した。
【0071】(比較例1)実施例1と同様にして基材上
にインク受容層のみを設けた。
【0072】従って、この記録媒体は表面層を有してい
ないものである。
【0073】(比較例2)基材として、白色のポリエチ
レンテレフタレートフィルム(メリネックス ICI
製)を用い、下記組成の塗工液を、乾燥塗工量が10g
/m2になるように、基材上に塗布し、100℃の温度
で、3分間乾燥して形成した。 塗工液組成 ・ポリビニルアルコール(PVA−217 クラレ製) 100部 ・水 900部 (比較例3)実施例1の塗工液(2)のビニルピロリド
ンとスチレンの共重合体をエチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(フローバックQ16079N 製鉄化学製)に
変更した以外は、実施例1と同様にして記録媒体を調製
した。
【0074】(比較例4)比較例7の塗工液(1)よ
り、ポリアクリルアミンを除いた以外は、比較例7と同
様にして記録媒体を調製した。
【0075】上記、記録媒体に、下記組成のインクを用
いて、熱エネルギーによりインクを発泡させてインクを
吐出させるインクジェット記録装置により下記条件でカ
ラー記録を行った。
【0076】インク組成 ・染料 3部 ・グリセリン 4部 ・チオジグリコール 6部 ・尿素 8部 ・アセチレングリコール 0.1部 ・水 79部 染料 Y:C.I.ダイレクトイエロー#86 M:C.I.アシッドレッド#23 C:C.I.ダイレクトブルー#199 Bk:C.I.フードブラック#2 記録条件 吐出周波数 :6KHz 吐出液滴の容量 :50pl 記録密度 :360DPI 単色の最大記録密度 :10nl/mm2 得られたカラープリントサンプルについて以下の項目に
ついて評価を行った。
【0077】(評価項目) (1)画像濃度 上記の記録装置を用いてベタ印字した印字物のブラック
(Bk)の画像濃度を、マスベス濃度計RD−918を
用いて評価した。
【0078】(2)表面光沢度 媒体の白地部の、JIS−Z−8741に基づく75度
及び20度鏡面光沢度を、デジタル変角光沢計UGV−
5D(スガ試験機製)を用いて測定した。
【0079】(3)耐水性 上記の記録装置を用いて印字した文字の上にスポイトで
水を1滴たらして自然乾燥させ、目視にて評価した。画
像の流れを生じないものを〇とした。また、画像の流れ
を生じず、更に、文字の太りも発生しないものを◎とし
た。また、それ以外のレベルのものは×とした。
【0080】(4)耐湿性 上記の記録装置を用いて印字した文字を、30℃/80
%RHの環境下に7日間放置した後に、目視にて評価し
た。文字の太りを発生しないものを〇とした。文字の太
りはあるが、判読可能なものを△とした。文字が判読不
能のものを×とした。
【0081】評価結果をまとめて、表1に示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は前記のよ
うに構成したので、光学濃度が高く、高品位で、高精細
な画像の形成ができるばかりでなく、耐水性、耐湿性に
優れた記録画像の形成ができる。
【0084】更に、銀塩写真に匹敵する解像力と表面に
高光沢を有し、且つ、耐久性にも優れた記録画像の形成
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の記録媒体の一例を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1,17−2 電極 18 発熱抵抗層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 オリフィス 23 メニスカス 24 記録小滴 25 記録シート 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ワイピング部材 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モータ 69 ベルト

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、少なくとも顔料及びバインダ
    ーを含有するインク受容層と有機樹脂粒子を有する表面
    層とをこの順序で積層すると共に、前記表面層の表面を
    光沢処理してなる記録媒体において、前記有機樹脂粒子
    が、ビニルピロリドンとスチレンとの共重合体、または
    ビニルアルコールとスチレンとの共重合体からなること
    を特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録媒体表面層表面の75°鏡面光沢度
    が45%以上である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 顔料が、シリカ、アルミナ、アルミナ水
    和物及び塩基性炭酸マグネシウムから選択される1の顔
    料である請求項1に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 インク受容層がカチオン物質を含む請求
    項1に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 インク受容層が多孔質構造のものである
    請求項1に記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 基材が紙である請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 シアン、マゼンタ、イエロー及びブラッ
    クの各インクの小滴を記録信号に従って記録ヘッドのオ
    リフィスから吐出させ、請求項1乃至6のいずれかに記
    載の記録媒体に付着させて記録を行うことを特徴とする
    画像形成方法。
  8. 【請求項8】 各色のインクを吐出するオリフィスを各
    色毎に複数有してなり、複数の同色のオリフィスから同
    時に複数の同色インク滴を吐出させることにより、画像
    形成を行う請求項7に記載の画像形成方法。
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