JP2003072230A - インクジェット用記録媒体および記録方法並びに記録物 - Google Patents

インクジェット用記録媒体および記録方法並びに記録物

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JP2003072230A
JP2003072230A JP2001269459A JP2001269459A JP2003072230A JP 2003072230 A JP2003072230 A JP 2003072230A JP 2001269459 A JP2001269459 A JP 2001269459A JP 2001269459 A JP2001269459 A JP 2001269459A JP 2003072230 A JP2003072230 A JP 2003072230A
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pigment
resin
jet recording
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JP2001269459A
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Yuko Suga
祐子 菅
Yoshiyuki Shino
義之 志野
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散樹脂の含有量が少ない顔料インクで印字
した場合でも、擦過性、印字品位に優れたインクジェッ
ト記録を可能とする。 【解決手段】 非溶解成分を含むインクの滴を付着させ
て記録を行うための、基材の少なくとも―方の面に一層
以上のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体
において、前記非溶解成分を担持できるインク受容層
を、前記一層以上のインク受容層の最も外側に有する。
この記録媒体を用いて画像が記録された記録物。この記
録媒体に、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンおよ
びブラックの顔料インクを用いて記録するインクジェッ
ト記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方法に適用する記録媒体および記録物並びにカラーイ
ンクジェット記録方法に関し、とりわけ、顔料インクを
用いた場合に好適な顔料インク用インクジェット記録媒
体および該媒体を用いた記録物並びにカラーインクジェ
ット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジエツト記録方法は、記録時の騒
音が少なく、また、カラー化が容易でさらには、高集積
のヘツドを使用することにより、高解像の記録画像が高
速で得られるという利点を有しており、近年急速に普及
している。
【0003】インクジエツト記録方法では、インクとし
て各種の水溶性染料を水、有機溶剤、添加剤等の混合液
に溶解させたものが主流であるが、水溶性染料を用いた
場合には、記録画像の耐光性、耐水性が必ずしも充分と
はいえないため、近年では記録物の保存性・耐候性の点
で優れている顔料インクが注目されている。顔料は水に
不溶であるため分散樹脂などを用いて微粒子状に水に分
散させた顔料インクが知られている。
【0004】一方、インクジェット記録方法に使用され
る記録媒体としては、普通紙(コピー用紙、レター用紙
等)、コート紙、OHP用シート、光沢紙、光沢フィル
ム等が知られているが、記録技術の高密度化により写真
画像の印刷が可能になり、光沢記録媒体の需要が拡大し
ている。こうした光沢記録媒体としてはシリカ、アルミ
ナなどの微粒子とポリビニルアルコールなどのバインダ
ーとからなるインク吸収層を基材の上に形成したものが
すぐれた画像品位を有することから広く使用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来の染料イ
ンク用光沢記録媒体はインク受容層の主な構成材料であ
る無機微粒子によって形成される空隙にインクを受容さ
せることにより良好な印字品位を実現させている。こう
した記録媒体に顔料インクを用いて記録すると、これら
の空隙の大きさよりも顔料粒子の粒子径がはるかに大き
いため、顔料粒子がインク受容層に浸透できず、記録紙
の表面に顔料粒子のみがとどまるような状況となり、擦
過性が著しく悪くなることがある。一方、記録紙の空隙
を大きくしてインクの浸透性をあげてしまうと顔料粒子
が紙の中に浸透してしまうため、十分な記録濃度が得ら
れないという不具合が起きることがあった。
【0006】こうした問題点を解決するものとして、特
開平9−123593号公報には、水溶性樹脂層とアル
ミナ水和物多孔質層から構成される記録媒体、特開20
00−127613号公報には顔料定着層と溶媒定着層
を設けた顔料インク用記録媒体、また、特開2000−
168228号公報には水溶性樹脂と無機微粒子の配合
比を変えて2層形成したインク受容層を有するインクジ
ェット用記録媒体が開示されている。
【0007】しかし、これらのインクジェット用記録媒
体は、顔料を分散させるために顔料インクに使用されて
いる分散樹脂が比較的多い顔料インクでは良好な印字特
性を示すが、分散樹脂が比較的少ない顔料分散体を使用
している顔料インクに対しては、擦過性、印字濃度とも
必ずしも満足のいくものではなかった。一方で、顔料イ
ンク中の分散樹脂の量を多くするとインクの粘度が大き
くなったり、分散安定性が劣化したりするため高解像記
録用の顔料インクにおいては、分散樹脂をできるだけ減
らすことが望ましい。
【0008】そこで、本発明の目的は、高解像記録用の
比較的分散樹脂の少ない顔料インクを用いても良好な擦
過性、定着性(インク乾燥時間)、画像品位を得ること
のできるインクジェット記録媒体および記録方法、また
これら特性に優れた記録物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、非溶解成分を
含むインクの滴を付着させて記録を行うためのインクジ
ェット用記録媒体であって、基材の少なくとも―方の面
に一層以上のインク受容層を有するインクジェット用記
録媒体において、前記非溶解成分を担持できるインク受
容層を、前記一層以上のインク受容層の最も外側に有す
ることを特徴とするインクジェット用記録媒体である。
【0010】このインクジェット用記録媒体において
は、前記非溶解成分を担持できるインク受容層が、イン
クに含有される非溶解成分に含まれる成分を主成分とし
て形成されたことが好ましい。
【0011】また、前記インクが顔料と、顔料を分散さ
せるための高分子樹脂である顔料分散用樹脂とを含有
し、かつ、前記非溶解成分を担持できるインク受容層
が、該顔料分散用樹脂と同じもしくは類似の高分子樹脂
を主成分とすることも好ましい。
【0012】前記顔料分散用樹脂が、疎水性モノマーと
親水性モノマーとの共重合体もしくは該共重合体の塩で
あり、酸価が20〜400であり、かつ、重量平均分子
量が1000〜30000であることも好ましい。
【0013】前記疎水性モノマーがスチレン、スチレン
誘導体、アクリル酸のアルキルエステルおよびメタクリ
ル酸のアルキルエステルからなる群から選ばれる一種以
上であることも好ましい。
【0014】前記親水性モノマーがアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸及びこれ
らの誘導体からなる群から選ばれる一種以上であること
も好ましい。
【0015】前記非溶解成分を担持できるインク受容層
の表面が、JIS Z−8741で規定される75度鏡
面光沢度が50以上であることも好ましい。
【0016】本発明はまた、上記インクジェット用記録
媒体を用いて画像が記録された記録物である。
【0017】本発明はさらに、上記インクジェット用記
録媒体に、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンおよ
びブラックの顔料インクを用いて記録することを特徴と
するインクジェット記録方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る顔料インク用
インクジェット記録媒体および記録物並びにカラーイン
クジェット記録方法の実施の形態について、詳細に説明
する。なお、図1は、本発明における第1の実施の形態
を示す顔料インク用インクジェット記録媒体の断面図で
ある。図2は本発明における他の実施の形態を示す顔料
インク用インクジェット記録媒体の断面図である。
【0019】図1に示すように、本実施の形態における
特徴的構成は、記録媒体1の基材2の記録面側に記録イ
ンク中に含まれる非溶解成分を担持できるインク受容層
(以下場合により、非溶解成分担持インク受容層と称
す)3を設けたことである。ここではインク受容層は基
材片面の一層のみであり、この層がインク受容層の最も
外側に位置するインク受容層である。
【0020】図2に示す形態では、片面にインク受容層
が二層形成されており、最外層に非溶解成分担持インク
受容層3を有し、この層と基材2との間に、別のインク
受容層が設けられている。ここでは二層としたが、3層
以上であってもよい。
【0021】また、基材の両面にそれぞれインク受容層
を一層もしくは二層以上形成した形態も可能である。こ
の場合、両面のそれぞれの最外層を非溶解成分担持イン
ク受容層とする形態、あるいは一方の面の最外層は非溶
解成分担持インク受容層とするが、他方の面の最外層は
非溶解成分担持インク受容層としない形態がありうる。
【0022】最外層と基材との間に設けられるインク受
容層は、例えば、特開平07−186521号公報に記
載されているような水溶性樹脂、親水性樹脂、無機微粒
子、有機微粒子、非水溶性樹脂からなり、インクに含ま
れる水溶性有機溶剤や水を吸収したり、基材と最外層の
密着性をあげる目的で形成される。
【0023】ここでインクに含まれる非溶解成分の好ま
しい例は、インクの色材として使用される顔料分散体で
ある。顔料分散体は顔料粒子に分散のための高分子樹脂
等が吸着したものである。顔料分散体は、高分子樹脂等
の分散効果によりインク中に均一に存在させることがで
きる。顔料分散体を用いた場合、非溶解成分を担持する
とは、前述の顔料分散体を記録媒体の最外層に設けられ
たインク受容層中にとどめ、下層にインク溶剤等を浸透
させるようすることをさす。
【0024】前記非溶解成分を担持できるインク受容層
が、非溶解成分に含まれる成分を主成分とすることが好
ましい。例えば前記顔料分散体を使用する場合、非溶解
成分に含まれる成分は、前述の顔料を分散するために使
用されている高分子分散剤である。主成分とするとはイ
ンク受容層の主な構成要素であることを意味し、必要に
応じて他の添加剤を含有させることができる。
【0025】上記インクジェット記録媒体1の特徴につ
いて、更に詳細に説明する。ここでは、インクが顔料
と、顔料を分散させるための高分子樹脂である顔料分散
用樹脂(以下場合により、分散樹脂と称す。)とを含有
する顔料インクである。インク受容層3は、使用する顔
料インクの分散樹脂と同じもしくは類似の高分子樹脂を
使用する。このような構成にすることにより、インクジ
ェット記録方式により顔料インクを従来の光沢記録媒体
に印字した場合の不具合である擦過性及び、印字品位が
著しく向上する。
【0026】一般に、文具用インクや塗装液では分散樹
脂の比率を高くしたり、エマルジョンを添加することに
よって印字物の耐擦性を向上させている。しかし、イン
クジェット用顔料インクの場合、このようにインク中の
高分子分散樹脂の含有量を増やしたり、別途エマルジョ
ンを添加することは、インクの粘度があがり吐出が不安
定になったり、長期の保存性が劣化するなどの不具合が
発生することがあるため好ましくない。そこで本発明者
らは、顔料分散に使用したものと同様あるいは類似の分
散樹脂を記録媒体の最外層に含有させることにより比較
的少ない分散樹脂をもちいて調整した顔料インクにおい
ても光沢記録媒体に良好な擦過性、印字品位を有する画
像が得られることを見出し本発明に至った。
【0027】この機能についてさらに詳細に述べる。図
3に従来の光沢記録媒体上に、インク中の顔料含有量に
対して比較的少ない分散樹脂しか含有していない顔料イ
ンクをもちいて、記録媒体上に記録させた場合のインク
の浸透プロセスに関して簡略に示した。インクが記録媒
体に着弾すると始めにインクの溶媒成分がインク受容層
3に浸透する。次に顔料粒子に吸着されていた分散樹脂
は親水性の官能基を有しているために顔料粒子から脱離
してインク受容層3に吸収される。インクジェット記録
に使用される顔料粒子の大きさは50nmから300n
mであるためこれらの顔料粒子はインク受容層の空隙
(約10nm)に入り込む事はできない。そのため、ほ
とんどの顔料粒子はインク受容層内に表面に残るが、そ
の際、前述したように一部の分散樹脂が顔料粒子から脱
離するため、記録媒体の表面に残存する顔料粒子は相互
に結着する力が弱くなり、印字物を擦ることにより記録
媒体上から容易に剥がれ落ちてしまう。
【0028】これに対し、図1及び2に示すように記録
媒体の最外層3に使用する顔料インクの分散樹脂と同じ
もしくは類似の高分子樹脂を含有させることにより、イ
ンクが浸透する過程において、顔料粒子からの分散剤脱
離が防止されるため顔料粒子間の結合力が損なわれるこ
とがなく、さらには記録媒体と顔料粒子の結合力を増す
ことも可能になり、耐擦過性が著しく向上する。
【0029】本発明の記録媒体に使用可能な高分子樹脂
は、アルカリ可溶型の高分子樹脂が好適である。また、
高分子樹脂は、酸価が20〜400、重量平均分子量が
1000〜30000であるものが好適である。具体的
には、疎水性モノマーと親水性モノマーとの共重合体及
びそれらの塩等が好ましい。酸価が20以下では記録媒
体を作成する際、塗工液を均一にすることが難しくなる
傾向があるという点で不利である。また、酸価が400
以上では記録媒体の耐水性が低下する傾向があるという
点で不利である。
【0030】疎水性モノマーとしてはスチレン、αメチ
ルスチレンなどのスチレン誘導体、アクリル酸のアルキ
ルエステル、メタクリル酸のアルキルエステル等が好ま
しく、親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、及びアル
キル化、ハーフエステル化、ヒドロキシルエチル化、ア
ミド化、エポキシ化された誘導体等が好ましい。疎水性
モノマーおよび親水性モノマーは、それぞれ一種のみ用
いてもよく、あるいは複数種用いてもよい。共重合体の
塩としては、アルカリ金属塩、有機アミン塩などが好ま
しい。
【0031】上記共重合体はランダム、ブロック、グラ
フト等のいずれの構造を有していてもよい。
【0032】これら高分子樹脂は、使用する顔料インク
の分散樹脂と同様の構造、物性値を有するものが最適で
あるが、特に、複数のインクを使用するカラー記録の場
合は、顔料の種類によって好適な分散樹脂が異なる場合
もあるため、各色の分散樹脂と類似の高分子樹脂をイン
ク受容層(最外層)に用いることで印字物の擦過性と記
録インクの安定性の両立を図ることが可能である。
【0033】顔料分散用樹脂と同じ高分子樹脂とは、使
用する一以上の顔料インクに含まれる顔料分散用樹脂が
一種のみの場合に、その顔料分散用樹脂と同じ高分子樹
脂をいう。
【0034】顔料分散用樹脂と類似の高分子樹脂とは、
次のいずれかのものをいう。1)顔料分散用樹脂と構成
モノマーが共通であって、酸価の違いが100以内かつ
重量平均分子量の違いが10000以内の高分子樹脂。
2)顔料分散用樹脂と構成モノマーの一部が異なり(一
部は共通)、酸価、重量平均分子量が同等の高分子樹
脂。ここで同等とは酸価の違いが50以内かつ重量平均
分子量の違いが5000以内の高分子樹脂。
【0035】上記高分子樹脂に加えて、最外層にシリ
カ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイド
ロタルサイト、炭酸力ルシウム、酸化チタン、コロイダ
ルシリカ、アルミナ水和物等の無機微粒子を含有させる
ことにより、インクの吸収性をあげることも可能であ
る。これらは一種のみ使用しても、複数種使用しても良
い。
【0036】また、最外層にポリビニルアルコール、ア
ルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオンで
んぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹
脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、四級化ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイ
ミン、ポリビニルピリジリウムハライド、メラミン樹
脂、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリル酸ソー
ダ、SBRラテックス、NBRラテックス、ポリビニル
ホルマール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の合
成樹脂を上記目的の高分子樹脂とは別に含有させること
により、最外層の塗膜強度、記録物のにじみ、光沢性な
どを調整することが可能である。これらは一種のみ使用
しても、複数種使用しても良い。
【0037】更に、画像の耐水性を向上させる目的で、
最外層にカチオン性化合物をさらに含有させてもよい。
このカチオン性化合物は、分子内にカチオン性部分を含
むものであれば特に限られるものではない。例えば、モ
ノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモ
イウムクライド、エチレンオキサイド付加アンモニウム
クロライド等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面
活性材、あるいはアミン塩型のカチオン性界面活性材、
さらにはカチオン性部分を含むアルキルベタイン、イミ
ダゾリミウム、アラニン系等の両性界面活性剤また、ポ
リマーあるいはオリゴマーでもよいが使用できるカチオ
ン性化合物はこれらに限定されるものではない。これら
は一種のみ使用しても、複数種使用しても良い。
【0038】さらに、界面活性剤、染料固着剤(耐水化
剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑剤など
の各種添加剤も必要に応じて含有させることもできる。
【0039】前記非溶解成分を担持できるインク受容層
(最外層)は、該顔料分散用樹脂と同じもしくは類似の
高分子樹脂を主成分とすることが好ましいが、ここで主
成分とするとは形成されたインク受容層の主たる構成成
分のことを示し、この成分によって印字濃度、定着性、
耐候性などの印刷特性を制御することができる。
【0040】最外層の好ましい組成としてはインク中の
顔料分散体に含有される高分子分散樹脂または、類似の
高分子分散樹脂から構成されるインク受容層である。
【0041】主成分として使用される高分子樹脂の含有
量は、塗工液中に5重量%から50重量%が好ましく、
インク受容層の塗工量は0.5〜30g/m2が好まし
い。0.5g/m2以下では非溶解成分を担持する効果
が不十分であり、30g/m2を超えると低湿環境下で
カールが発生しやすくなり、記録装置内で搬送不良が発
生する。
【0042】本発明の記録媒体を構成する基材として
は、上質紙、中質紙、アート紙、光沢紙、ボンド紙、再
生紙、バライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙、
非木材紙、合成紙などの紙や、ポリエステル、ポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ジ
アセテート、トリアセテート、セロハン、セルロイド、
ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、
ポリビニリデンクロライド、ポリアクリレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ
−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル、ポリ
塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどの合
成樹脂フィルムもしくは板、ガラス板、セラミツクス、
金属板などを使用することができる。また、これらの基
材を貼り合せたものでも良い。更に印字面の反対側にマ
ツト層、剥離粘着層などを設けても良く又印字後、印字
面に粘着層、保護層などを設けても良い。
【0043】さらに、図2に示すように、最外層の下に
別途、前述の無機微粒子、天然樹脂、合成樹脂、カチオ
ン性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を適宜含むイン
ク受容層を設けることも可能である。
【0044】このような構成の記録媒体を形成する方法
としては、前記の如き高分子分散剤を適宜の溶剤に溶解
または分散させ、必要に応じて各種の添加物を添加して
塗工液を調製し、該塗工液を例えばロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング
法、エアナイフコーティング法等の公知の方法により基
材上に塗工することができる。
【0045】以上の如く基材上に形成する非溶解成分担
持インク受容層3の厚さは、1〜100μm程度、好ま
しくは4〜50μm程度とすることができる。
【0046】本発明のインクジェット用記録媒体は、高
品位な画像を提供するためにJISZ−8741で規定
される75度鏡面光沢度が50以上であることが好まし
い。75度鏡面光沢度が50以下ではインクジェット光
沢記録物としての品位が低下する傾向があるという点で
不利である。
【0047】次に本発明の記録方法で使用する顔料イン
クに関し詳細に述べる。本発明に使用される顔料インク
に含有される顔料の量は1〜20質量%が好ましく、よ
り好ましくは2〜12質量%の範囲である。
【0048】ブラックインクに含まれる顔料として使用
できるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャ
ネル法、或は、石油コークスを多量のアルカリを用いて
賦活化して製造される高比表面積カーボンが好ましい。
これらのカーボンブラックは、一次粒径が15から40
μm、BET法による比表面積が50から3000平方
m/g、DBP吸油量が40から150ml/100
g、揮発分が、0.5から10%、pH値が、2から9
を有するものが好ましい。
【0049】それらのカーボンブラック顔料(C.I.Pigm
ent Black 7)としてはNo.2300,No.900, MCF-88, No.3
3, No.40, No.45, No.52, MA7, MA8, MA100, No.2200B
(以上三菱化学製);Raven 700, Raven 5750, Raven
5250, Raven 5000, Raven 3500, Raven 1255(以上コ
ロンビア製);Regal 400R, Regal 330R, Regal 660R,M
ogul L, Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880,
Monarch 900, Monarch1000, Monarch 1100, Monarch
1300, Monarch 1400(以上キャボット製);ColorBlac
k FW1, ColorBlack FW2, ColorBlack FW2V, ColorBlac
k FW18, ColorBlack FW200, ColorBlack S150, Color
Black S160, ColorBlack S170, Printex 35, Printex
U, Printex V, Printex 140U, Printex140V, Spec
ialBlack 6, Special Black 5, Special Black 4A, S
pecial Black 4,(以上デグッサ製);マックスソーブ
G-40, マックスソーブ G-15, マックスソーブ G-08
(以上関西熱化学株製)等を使用することが出来る。
【0050】イエローインクに使用される顔料として
は、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow 2,C.I.
Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow 12,C.I.Pigment
Yellow 13,C.I.Pigment Yellow 14,C.I.Pigment Yello
w 16,C.I.Pigment Yellow 17,C.I.Pigment Yellow 73,
C.I.Pigment Yellow 74,C.I.Pigment Yellow 75,C.I.Pi
gment Yellow 83,C.I.Pigment Yellow 93,C.I.Pigment
Yellow 95,C.I.Pigment Yellow 97,C.I.Pigment Yellow
98, C.I.Pigment Yellow 109, C.I.Pigment Yellow 11
0,C.I.Pigment Yellow 114,C.I.Pigment Yellow 128,C.
I.Pigment Yellow129,C.I.Pigment Yellow 151,C.I.Pig
ment Yellow 154, C.I.Pigment Yellow 155、マゼンタ
インクとして使用される顔料としては、C.I.Pigment Re
d 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.Pigme
nt Red 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn),C.I.Pigment R
ed 57(Ca),C.I.Pigment Red 57:1,C.I.Pigment Red 11
2, C.I.Pigment Red 122,C.I.Pigment Red 123,C.I.Pig
ment Red 168,C.I.Pigment Red184,C.I.Pigment Red 20
2,シアンインクとして使用される顔料としては、C.I.Pi
gment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I.Pigment Blue
3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 15:34,C.
I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Pigment
Blue 60,C.I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue 60等が挙げら
れるが、これらに限られるものではない。
【0051】本発明で用いるインクに使用される顔料分
散用樹脂は、分散液の低粘度化が可能で、分散も容易で
あるという利点から、アルカリ可溶型の水溶性樹脂が好
適である。これら高分子分散樹脂の重量平均分子量は好
ましくは1000から30000であり、より好ましく
は3000から15000の範囲である。重量平均分子
量が30000を越える樹脂では分散体の粘度が大きく
なり、インクジェット記録方式に使用した場合、吐出特
性が劣る傾向があるという点で不利である。また、重量
平均分子量が1000より小さいと立体障害による十分
な分散効果が得られにくく、分散安定性に劣る傾向があ
るという点で不利である。具体的には、スチレン、スチ
レン誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、メタクリ
ル酸のアルキルエステル等の疎水性モノマーと、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマー
ル酸、及びそれらの誘導体等の親水性モノマーからなる
共重合体及びそれらの塩等が好ましい。共重合体はラン
ダム、ブロック、グラフト等のいずれの構造を有してい
てもよく、酸価は、好ましくは20から400、より好
ましくは100から300の範囲である。これらの水溶
性高分子分散樹脂の使用量は、顔料の質量;分散剤の質
量=10:6〜10:0.5の範囲が好ましい。適性な
比率は選択した顔料と水溶性高分子樹脂とを用いて実験
的に決定されるが、顔料に吸着せず溶解している樹脂の
量は、インク中で2質量%以下であることが好ましい。
【0052】上記アルカリ可溶型樹脂を水に可溶化させ
る塩基性物質としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタ
ノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプ
ロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイ
ソプロパノールアミン等のアルカノールアミンやアンモ
ニア等の有機アミン、あるいは水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム等の無機塩基類を用いることが可能である。
【0053】前記のごとき顔料は、周知の分散方法を用
いて水溶性高分子を含む水性媒体中に分散することがで
きる。
【0054】本発明に用いる顔料インクには、水を主体
とし、これに水溶性有機溶媒を混合した水性媒体を用い
ることができる。水溶性有機溶媒の総量はおおむねイン
ク全体に対して5〜40質量%が好ましい。顔料インク
を調製する上で、保存安定性とノズル先端部での保湿性
そして記録紙における定着性を調節するために、溶媒系
の選択は重要であり、溶媒の沸点、揮発性、粘度、表面
張力などの溶媒の特性、また、溶媒の含有量を十分考慮
して調整する。
【0055】水溶性有機溶剤の好ましい具体例は、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコー
ル、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール3
00、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリド
ン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチ
ルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソブロピルエーテル、エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、
ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、
1,4−シクロヘキサンジオール、ヘキシレングリコー
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチル
エーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、グリセリン、グリセリンモノアセテート、グリ
センリンジアセテート、グリセンリントリアセテート、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シ
クロヘキサノール、1,2−シクロヘキサンジオール、
1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、3−ヘキセン−2,5−ジオール、2,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタ
ンジオール、2,5−ヘキサンジオール、エタノール、
n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−
2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒド
ロフルフリルアルコール等である。
【0056】顔料インクには、前記の各材料に加えて、
界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、その他物性調節の為
の補助材料を添加することが出来る。
【0057】界面活性剤の好ましい具体例として、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルエステル類、アセチレングリコール化合物類、
ソルビタンエステル類、ソルビタンエステルエーテル
類、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー
類、オキシエチレンアルキルアミン類、脂肪酸のアルコ
ールアミド類、多価アルコールの脂肪酸エステル類、ア
セチレングリコールのエチレンオキシド付加化合物、等
のノニオン界面活性剤;ジメチルアルキル(ヤシ)ベタ
イン、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグ
リシン、アミドベタイン型、イミダゾリン型等の両性界
面活性剤;オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルア
ミン酢酸塩、牛脂アルキルプロピレンジアミン酢酸塩、
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アル
キル(牛脂)トリメチルアンモニウムクロライド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキル(ヤ
シ)トリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシル
トリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、アルキル(牛脂)イミダゾ
リノン4級塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ポリオキシエチレンドデシルメチルアンモニウム
クロライド等のカチオン界面活性剤が挙げられる。
【0058】これらの界面活性剤は、紙への浸透性アッ
プ、吐出デバイス部材とのぬれ性、流動特性、分散安定
に対する補助剤として等の目的で必要に応じて使用され
る。
【0059】インクの作成方法としては、例えば、はじ
めに、顔料分散用樹脂を塩基水溶液に溶解させ、この水
溶液に顔料を添加し、プレミキシングにより顔料の表面
を濡らした後、ボールミル、ロールミル、サンドミルな
どの分散機を用いて分散する。その中でも、高速型のサ
ンドミルが好ましく、たとえば、スーパーミル、サンド
グラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミ
ル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも
商品名)等が挙げられる。このように作成された顔料分
散体は、粗大粒子を除く為に遠心分離、メンブランを用
いた加圧濾過などを行い、所望の分散液を得ることがで
きる。次に、この分散液に前記した水溶性有機溶剤を加
え、必要に応じその他の添加剤(界面活性剤、pH調整
剤、防腐剤など)を加え攪拌して記録インクとすること
ができる。
【0060】また、記録インクの物性は、pHは7〜1
2、表面張力は20〜60dyn/cm(0.02〜
0.06N/m)、粘度は1〜30cps(0.001
〜0.03Pa・s)の範囲で調整されることが好まし
い。
【0061】本発明に使用されるインクの好適な組成
は、インク全体に対して顔料の含有量が2〜12質量
%、アルカリ可溶型の水溶性樹脂の含有量が0.1〜
7.2重量%であり、水溶性有機溶媒の含有量が5〜4
0質量%、その他、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤等
の補助材料を必要に応じて添加しているものが好適であ
る。
【0062】
【実施例】以下に、実施例を用いて、本発明を更に詳し
く説明する。以下の実施例で部は特にことわらない限り
質量部である。
【0063】〔実施例1〕 記録媒体 スチレン/アクリル酸/エチルアクリレート共重合体
(酸価210、重量平均分子量9000、ガラス転移点
92℃)のアンモニア水溶液(中和率150%、樹脂固
形分46質量%)からなる塗工液をワイヤーバーを用い
て、坪量160g/m2の上質紙に塗布した後、80℃
にて5分間乾燥して図1に示すような記録媒体を得た。
鏡面光沢度はデジタル変角光沢計UGV−5D(スガ試
験機製)を用いて、記録媒体未印字部のJIS−Z−8
741に基づき、測定角度75度で測定した。インク受
容層の厚さは15μm、鏡面光沢度は82であった。
【0064】記録液の作成 (ブラック顔料分散液の作成)顔料分散用樹脂としてス
チレン/アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(酸
価210、重量平均分子量9000、ガラス転移点92
℃)を用い、そのアンモニア水溶液(中和率150%、
樹脂固形分2.5質量%)を75部、エチレングリコー
ル5部、エチルアルコール5部からなる溶液に純水で洗
浄したカーボンブラック(MCF−88,三菱化学製)
15部を添加し、プレミキシングした後、サンドミルを
用いて3時間分散し、水性分散体を作成した。この分散
体を遠心分離機で遠心分離し、粗大粒子などを除去し
た。
【0065】(ブラックインクの作成) 上記分散液 40部 グリセリン 10部 ポリエチレングリコール 8部 アセチレノールEH(*1) 1部 イオン交換水 41部 *1:アセチレノールEHは、川研ファインケミカル
(株)製のアセチレングリコールのエチレンオキサイド
(EO)付加物の商品名である。
【0066】上記組成物を3時間攪拌し、1ミクロンの
メンブランフィルターで濾過した後、イオン交換樹脂層
を通してカルシウム等の不純物を除去して所望の記録液
を得た。
【0067】(イエロー顔料分散液の作成)顔料にC.
I.Pigment Yellow 74、顔料分散用
樹脂にスチレン/アクリル酸/エチルアクリレート共重
合体(酸価180、重量平均分子量12000、ガラス
転移点75℃)の水酸化リチウム水溶液(中和率150
%、樹脂固形分2.5質量%)を用いた以外は上記ブラ
ック分散液の作成と同様に分散液を調整した。
【0068】(イエローインクの作成)分散液として上
記イエロー顔料分散液を50部用いた以外は上記ブラッ
クインクの作成と同様にインクを調整した。
【0069】(マゼンタ顔料分散液の作成)顔料にC.
I.Pigment Red 122、顔料分散用樹脂
としてαメチルスチレン/スチレン/アクリル酸/エチ
ルアクリレート共重合体(酸価210、重量平均分子量
9000、ガラス転移点88℃)を用いた以外は上記ブ
ラック顔料分散液の作成と同様に分散液を調整した。
【0070】(マゼンタインクの作成)分散液として上
記マゼンタ顔料分散液を40部用いた以外は上記ブラッ
クインクの作成と同様にインクを調整した。
【0071】(シアン顔料分散液の作成)顔料にC.
I.Pigment Blue 15:3を用いた以外
は上記ブラック顔料分散液の作成と同様に分散液を調整
した。
【0072】(シアンインクの作成)分散液として上記
シアン顔料分散液を40部用いた以外は上記ブラックイ
ンクの作成と同様にインクを調整した。調整したインク
の物性を次に示す。 ブラックインク pH 9.25 表面張力 33.4mN/m 粘度 3.5mPa・s イエローインク pH 8.80 表面張力 32.4mN/m 粘度 2.9mPa・s マゼンタインク pH 9.10 表面張力 34.1mN/m 粘度 3.5mPa・s シアンインク pH 9.11 表面張力 33.2mN/m 粘度 3.1mPa・s 〔実施例2〕ポリビニルアルコール 50部、シリカ微
粒子を固形分換算で50部からなる組成物を水に溶解混
合した。得られた塗工液をワイヤーバーを用いて、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラー、
厚さ100μm、東レ(株)製)に、乾燥後のインク受
容層が10μmになるように塗布した後120℃にて3
分間乾燥してインク受容層を得た。
【0073】更にスチレン/アクリル酸/エチルアクリ
レート共重合体(酸価210、重量平均分子量900
0、ガラス転移点 92℃)のアンモニア水溶液(中和
率150%、樹脂固形分46質量%)からなる塗工液を
ワイヤーバーを用いて、上記で調整したフィルム上に乾
燥後の層厚が5μmになるように塗布した後80℃にて
5分間乾燥して記録媒体を得た。
【0074】〔実施例3〕スチレン/アクリル酸/エチ
ルアクリレート共重合体(酸価210、重量平均分子量
9000、ガラス転移点 92℃)のアンモニア水溶液
(中和率150%、樹脂固形分46質量%)50部、無
定形シリカ 固形分換算50部からなる混合溶液を塗工
液としてワイヤーバーを用いて、坪量160g/m2
上質紙に塗布した後、80℃にて5分間乾燥してインク
受容層の厚みが15μmの記録媒体を得た。
【0075】〔比較例1〕塗工液のスチレン/アクリル
酸/エチルアクリレート共重合体アンモニア水溶液をポ
リビニルアルコールに変更した以外は実施例1同様にし
て比較例の記録媒体を調整した。
【0076】[評価項目]次に、上記のようにして得ら
れた記録媒体及びインクを用いて、600DPIの記録
ノズルを有する熱の作用によりインク滴を吐出させるイ
ンクジェット方式の記録ヘッドを搭載した記録装置によ
りカラー画像を形成し、記録画像を評価した。
【0077】(1)擦過性 ブラック及びイエロー、シアン、マゼンタの各色のフル
ドットで記録してから室温にて12時間放置した後、各
色部にシルフォン紙を重ね合わせ、上部から4kg/c
2(0.4MPa)の圧力で擦り、用紙をはがしたと
きに、用紙に明らかにインクが転写しており、記録部に
明らかに傷がついているものを×、転写、傷が全く認め
られないものを○とした。
【0078】(2)インク乾燥性 ブラック及びイエロー、シアン、マゼンタの各色のフル
ドットで記録してから室温にて5分間放置した後、各色
記録部にそれぞれにシルフォン紙を重ね合わせ、上部か
ら500g/cm2(0.05MPa)の圧カで擦り、
用紙に明らかにインクが転写しており、記録部に明らか
に傷がついているものを×、若千の転写が認められ、小
傷がついているものを△、転写、傷が全く認められない
ものを○とした。評価結果を、まとめて表1に示す。
【0079】(3)印字品位 23℃/60%の環境下において、ブラック及びイエロ
ー、シアン、マゼンタの各色のフルドットで記録を行
い、OD(光学濃度)を測定した。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、耐候性に優れた顔
料インクを用いてインクジェット記録を行なう場合に、
顔料インクに使用されている分散樹脂と同じあるいは類
似の樹脂を記録媒体の最外層に含有させることにより、
比較的少ない量の分散樹脂で調整されている顔料インク
で印字した場合においても、顔料インクが記録媒体に着
弾された際に引き起こされる顔料粒子からの分散樹脂の
脱離を防止し、従来の染料用光沢記録媒体では問題とな
り得た顔料インクの記録物の擦過性を大きく改善し、さ
らには印字品位に優れた記録媒体を得ることが可能にな
った。また、本発明により、擦過性および印字品位に優
れた記録物、このように優れた記録物を得ることのでき
るインクジェット記録方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるインクジェット記録媒体の第
一の実施の形態を示す模式的断面図である。
【図2】本発明にかかわるインクジェット用記録媒体の
第2の実施形態を示す模式的断面図である。
【図3】従来のインクジェット記録媒体に顔料インクが
印字された状態を示す概要図。
【符号の説明】
1 記録媒体 2 基材 3 インク受容層(最外層) 4 インク受容層(最外層以外) 5 顔料インク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日隈 昌彦 茨城県水海道市坂手町5540−11 キヤノン アプテックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA13 FC06 2H086 BA15 BA16 BA34 BA41 BA55 BA59

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非溶解成分を含むインクの滴を付着させ
    て記録を行うためのインクジェット用記録媒体であっ
    て、基材の少なくとも―方の面に一層以上のインク受容
    層を有するインクジェット用記録媒体において、前記非
    溶解成分を担持できるインク受容層を、前記一層以上の
    インク受容層の最も外側に有することを特徴とするイン
    クジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記非溶解成分を担持できるインク受容
    層が、インクに含有される非溶解成分に含まれる成分を
    主成分とする請求項1に記載のインクジェット用記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記インクが顔料と、顔料を分散させる
    ための高分子樹脂である顔料分散用樹脂とを含有し、か
    つ、前記非溶解成分を担持できるインク受容層が、該顔
    料分散用樹脂と同じもしくは類似の高分子樹脂を主成分
    とする請求項1記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記顔料分散用樹脂が、疎水性モノマー
    と親水性モノマーとの共重合体もしくは該共重合体の塩
    であり、酸価が20〜400であり、かつ、重量平均分
    子量が1000〜30000である請求項1〜3のいず
    れか一項記載のインクジェット用記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記疎水性モノマーがスチレン、スチレ
    ン誘導体、アクリル酸のアルキルエステルおよびメタク
    リル酸のアルキルエステルからなる群から選ばれる一種
    以上である請求項4記載のインクジェット用記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記親水性モノマーがアクリル酸、メタ
    クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸及びこ
    れらの誘導体からなる群から選ばれる一種以上である請
    求項4または5記載のインクジェット用記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記非溶解成分を担持できるインク受容
    層の表面が、JISZ−8741で規定される75度鏡
    面光沢度が50以上である請求項1〜6のいずれか一項
    記載のインクジェット用記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項記載のイン
    クジェット用記録媒体を用いて画像が記録された記録
    物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一項記載のイン
    クジェット用記録媒体に、少なくともイエロー、マゼン
    タ、シアンおよびブラックの顔料インクを用いて記録す
    ることを特徴とするインクジェット記録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7600868B2 (en) 2004-04-28 2009-10-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Recording paper and image recording method thereof
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JP2012035454A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Seiko Epson Corp 平版印刷版の製造方法、平版印刷版、及び平版印刷版製造装置

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