JP2003094793A - 画像形成に用いられる反応性材料 - Google Patents

画像形成に用いられる反応性材料

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JP2003094793A JP2001290563A JP2001290563A JP2003094793A JP 2003094793 A JP2003094793 A JP 2003094793A JP 2001290563 A JP2001290563 A JP 2001290563A JP 2001290563 A JP2001290563 A JP 2001290563A JP 2003094793 A JP2003094793 A JP 2003094793A
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格二 村上
Takesada Hirose
武貞 広瀬
Hitoshi Arita
均 有田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多種多様な被記録材に対して、フェザリン
グ、色境界にじみ、インクの裏抜けを防止し、高速で印
字した場合にも、高品質の画像が得られ、被記録材のカ
ールやコックリング等が発生しにくく、被記録材のプリ
ンタにおける搬送信頼性の高い、画像記録方法に用いら
れる反応性材料を提供する。 【解決手段】 着色剤を含んでなる記録液を、画像信号
に応じて液滴として吐出し、転写体上に付与する工程
(A)と、記録液中の1成分と反応しうる化合物を含有
する反応性物質を、転写体上に付与する工程(B)と、
該記録液と該反応性材料とを転写体上で接触混合せしめ
る工程(C)と、該混合物を被記録材に転写する工程
(D)、とを有する画像形成方法に用いられる反応性材
料であって、該反応性物質が記録液中の1成分の溶解性
や分散性を低下させうる化合物を含有し、かつ該反応性
材料が、造膜しうるポリマー微粒子分散体を含有するこ
とを特徴とする反応性材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な画像形成方
法に用いられる反応性材料に関し、着色剤を含む記録液
を画像信号に従って液滴として吐出し、転写体上に付与
する工程(A)と、記録液中の1成分と反応しうる化合
物を含有する反応性物質を、転写体上に付与する工程
(B)と、該記録液と該反応性物質とを転写体上で接触
混合せしめる工程(C)と、該混合物を被記録材に転写
する工程(D)とを有する画像形成方法に用いられる反
応性材料に関するものである。特に記録液を液滴として
吐出するインクジェット記録方法を含む画像形成方法に
よって形成される画像特性を改善するための反応性材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターは低騒
音、低ランニングコストといった利点から普及し、普通
紙に印字可能なカラープリンターも市場に投入されてい
る。従来は、インクの目詰まり等の問題からオフィス用
インクジェットプリンターのインクには着色剤として溶
解性の高い染料が主に用いられてきたが、耐水性、耐光
性が要求されるポスター等を作成するために着色剤とし
て顔料を含有するインクの使用も増加してきている。ま
た、普通紙にインクジェットプリンターによりカラー画
像を印字する際には、2色重ね部分等の色境界でのにじ
みを押さえるために、インクに界面活性剤などを添加す
ることによりインクの浸透性を高めることが行なわれて
いる(特開昭55−65269号公報等)。インクの浸
透性を高めることにより、色境界でのにじみは防止でき
るが、その反面、浸透性の高いインクを使用することに
より、文字や細線でフェザリングが発生し易くなる。色
境界にじみの防止と、黒文字でのフェザリングを防止す
るために、黒文字を印字する際のみに浸透性の低いイン
クを使用する等の工夫がなされているが、その場合に
は、黒色インクの乾燥性が悪く高速印字が困難であると
いう問題が残る。すなわち、現状の技術では、色境界に
おけるにじみの抑制および文字や細線でのフェザリング
発生の防止を両立させることが困難である。
【0003】そこで、このような問題を解決するため
に、インク中の染料を定着するための材料を予め塗工し
た被記録材や表面に白色顔料や水溶性高分子を塗工した
インクジェット記録用の被記録材が特開昭56−867
89号公報、特開昭55−144172号公報、特開昭
55−81992号公報、特開昭52−53012号公
報または特開昭56−89594号公報等に提案、開示
されている。これらのインクジェット記録に適した専用
紙を用いることにより、画像品質は格段に改善される。
しかしながら、専用紙においても、プリンタシステムと
の適合性があり、一定の専用紙で、どのプリンタでも良
好な画像が得られるまでには、至っておらず、専用紙の
入手はコスト面を含めて問題がある。また、専用紙で
は、コート層が厚いため、一般に好まれる紙の感触とは
かけ離れたものとなってしまうという問題もあった。
【0004】普通紙などの一般的な被記録材に対応する
ため、特開昭56−89595号公報には、被記録材上
に予めカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル等のポリマー溶液を噴射し、つい
でそのポリマー溶液が付着した部分にインクを噴射して
印字するインクジェット記録方法が開示されている。し
かし、これらのポリマー溶液ではフェザリングを抑えら
れず、また耐水性もなんら改善されなかった。また、イ
ンク中の染料を不溶化する化合物を含む反応液を被記録
材上にインクジェット方法により付着した後にその反応
液が付着した部分にインクを噴射して印字するインクジ
ェット記録方法が特開昭64−63185号公報、特開
平8−20159号公報または特開平8−20161号
公報等に開示されている。これらの方法では、色境界に
じみとフェザリングの両者がある程度の水準で改善され
る。しかしながらこれらの方法では、反応液を安定して
吐出せしめるために、反応液の粘度を低くする必要があ
り、よって染料を不溶化せしめる化合物を低濃度にせざ
るを得なかった。このような反応液で充分な画質改善効
果を得るためには、反応液を比較的多量に付与しなけれ
ばならず、水分を含む液体を多量に被記録材に付与する
ため、被記録材のカールやコックリングが発生しやすか
った。特に、緑色、青色、赤色の画像など、2色重ね部
での反応液とインクの付着量が大きく、コックリングが
発生するのみならず、インクの裏抜け、両面印字が困難
になるという問題もあった。
【0005】特開平8−142500号公報には、シリ
コーンオイルなどのシリコーン化合物とカチオン性化合
物とを少なくとも含有した無色の液体組成物を記録媒体
に塗布した後、アニオン性成分を含有する記録インクを
インクジェット記録方式により付着させることを特徴と
する画像形成方法が開示されている。しかしながら、シ
リコーン化合物が付着した部分はインクの浸透性が著し
く低いため画像部の乾燥が遅く、また、この画像形成方
法で高速印字を行なうと、低浸透に加え記録媒体への濡
れ性が悪いので隣接ドットの合一を生じ、べた画像部等
にヘッド主走査方向に沿って白筋が発生するなど、著し
く画質が悪化するという問題を生じる。また、この無色
液体組成物は、長期保存するとシリコーンオイルが相分
離を生じてしまい、安定な記録特性が得られないという
問題もある。
【0006】特開平10−250216号公報では、記
録液の浸透性や濡れ性を改善するため、着色剤を不溶化
する化合物および所定の界面活性剤を含有する画像記録
促進液を被記録材に対して付与した後、記録液を液滴と
して吐出して被記録材に付着させることにより画像を形
成する方法が開示されている。この方法によれば、画像
記録促進液中の界面活性剤が、記録液の被記録材に対す
る浸透性や濡れ性を改善するため、画像の乾燥性が向上
し、高速記録に対応が可能となるものの、反応液中のイ
ンク中の着色剤を不溶化せしめる成分量が少ないため、
色境界にじみやフェザリングの防止効果が不充分であ
り、更なる改善が求められていた。
【0007】特開2000−37942号公報には、水
溶性の多価金属塩をあるいはポリアリルアミンを、20
〜25重量%の濃度で含有する反応液をインクジェット
法により被記録材に付与し、液が付与された被記録材を
加圧または加熱した後、着色剤として顔料を含む記録液
で記録する方法が開示されている。この方法では、従来
の加圧工程を行なわない方法に比較して、反応液が1/
10〜1/2程度で同等の画像が得られるとされてい
る。また、加圧を行なうことにより、被記録材に発生す
る皺を防止できるとされている。しかしながら、この方
法では、被記録材を加圧したり、加熱したりする工程が
必要であり、画像を形成するための装置が複雑となる。
ちなみに、ここでは、オンディマンド・インクジェット
法により反応液が被記録材に付与されていることから、
反応液の粘度は20mPa・sec未満のものが使用さ
れているものと推定される。
【0008】特開平11−10856号公報、特開20
00−44855号公報、特開2000−63719号
公報等にも、水溶性の多価金属塩を35重量%の濃度ま
で含有させた反応液処方が開示されている。しかしなが
ら、これらの公報に開示された反応液は、前記公報と同
様に、いずれも、オンディマンド・インクジェット法に
より反応液が被記録材に付与されていることから、反応
液の粘度は2020mPa・sec未満のものが使用さ
れているものと推定される。このように低粘度の反応液
を使用した場合には、画像品質を高める効果が弱く、ポ
リマー粒子を含む記録液を用いるなど、特殊な記録液を
用いる必要があった。
【0009】また、特開平5−96720号公報は、イ
ンクジェット記録ヘッドを用いて画像を形成する装置で
あって、インクを吸収する吸水性樹脂粒子を被記録材に
塗布し、この吸水性樹脂粒子にインクで画像を形成する
記録方法ならびにその記録方法を実施するために前記吸
水性樹脂粒子を被記録材に塗布する手段と、インクを被
記録材に塗布された吸水性樹脂粒子上に吐出させる手段
と、前記吸水性樹脂粒子を被記録材に定着させる手段と
からなる画像形成装置を開示している。しかしながら、
この方法ではインクの吸収に時間がかかり、高速での印
字の場合、境界滲みを生じやすい。吸水性樹脂粒子は吸
湿しやすく、装置内あるいは保管時に吸湿により塊状と
なり、被記録材に吸水性樹脂粉体を均一に塗布すること
が困難になるなどの不具合を生じやすい。
【0010】インク中の染料を不溶化する化合物を含む
反応液を被記録材上にインクジェット方法により付着し
た後にその反応液が付着した部分にインクを噴射して印
字するインクジェット記録方法が特開昭64−6318
5号公報、特開平8−20159号公報または特開平8
−20161号公報等に開示されている。これらの方法
では、色境界にじみとフェザリングの両者がある程度の
水準で改善される。しかしながらこれらの方法では、反
応液を安定して吐出せしめるために、反応液の粘度を低
くする必要があり、よって染料を不溶化せしめる化合物
を低濃度にせざるをえなかった。このような反応液で充
分な画質改善効果を得るためには、反応液を比較的多量
に付与しなければならず、水分を含む液体を多量に被記
録材に付与するため、被記録材のカールやコックリング
が発生しやすかった。特に、緑色、青色、赤色の画像な
ど、2色重ね部での反応液とインクの付着量が大きく、
コックリングが発生するのみならず、インクの裏抜けが
発生しやすく、両面印字が困難になるという問題もあっ
た。
【0011】特開平8−142500号公報には、シリ
コーンオイルなどのシリコーン化合物とカチオン性化合
物とを少なくとも含有した無色の液体組成物を記録媒体
に塗布した後、アニオン性成分を含有する記録インクを
インクジェット記録方式により付着させることを特徴と
する画像形成方法が開示されている。しかしながら、シ
リコーン化合物が付着した部分はインクの浸透性が著し
く低いため画像部の乾燥が遅く、また、この画像形成方
法で高速印字を行なうと、低浸透に加え記録媒体への濡
れ性が悪いので隣接ドットの合一を生じ、べた画像部等
にヘッド主走査方向に沿って白筋が発生するなど、著し
く画質が悪化するという問題を生じる。また、この無色
液体組成物は、長期保存するとシリコーンオイルが相分
離を生じてしまい、安定な記録特性が得られないという
問題もある。
【0012】特開平10−250216号公報では、記
録液の浸透性や濡れ性を改善するため、着色剤を不溶化
する化合物および所定の界面活性剤を含有する画像記録
促進液を被記録材に対して付与した後、記録液を液滴と
して吐出して被記録材に付着させることにより画像を形
成する方法が開示されている。この方法によれば、画像
記録促進液中の界面活性剤が、記録液の被記録材に対す
る浸透性や濡れ性を改善するため、画像の乾燥性が向上
し、高速記録に対応が可能となるものの、反応液中のイ
ンク中の着色剤を不溶化せしめる成分量が少ないため、
色境界にじみやフェザリングの防止効果が不充分であ
り、更なる改善が求められていた。
【0013】特開平11−10856号公報、特開20
00−44855号公報、特開2000−63719号
公報等にも、水溶性の多価金属塩を35重量%の濃度ま
で含有させた反応液処方が開示されている。しかしなが
ら、これらの公報に開示された反応液は、前記公報と同
様に、いずれも、オンディマンド・インクジェット法に
より反応液が被記録材に付与されていることから、反応
液の粘度は20mPa・sec未満のものが使用されて
いるものと推定される。このように低粘度の反応液を使
用した場合には、画像品質を高める効果が弱く、ポリマ
ー粒子を含む記録液を用いるなど、特殊な記録液を用い
る必要があった。
【0014】米国特許第4538156号明細書、同第
5099256号明細書には、中間転写体上にインクジ
ェット記録方法によりインク像を形成し、その後インク
像を中間転写媒体から記録媒体上に転写する中間転写方
式と呼ばれる方法が開示されている。これらの公報に記
載されている中間転写方式では、記録ヘッドを記録紙か
ら離して配置することができ、紙粉の付着による記録ヘ
ッドのノズルの目詰まりを防止することで目的を達する
ことができるが、インク液滴が中間転写体上に付与され
たときに、中間転写体上で不均一に拡がったり、流れた
り、カラー記録の場合には、不均一な混色(カラー・ブ
リード)を生じ、画像の乱れを防止することが困難であ
り、画像品質を向上するという画題を解決してはいな
い。
【0015】特開昭62−92849号公報等には、米
国特許第4538156号明細書、同第5099256
号明細書にかかる方法を改良するものとして、インク滴
を一旦転写媒体上に吐出してインク像を形成した後、中
間転写媒体上でインク中の大半の水分を蒸発させて、濃
縮したインクを紙等の記録媒体上に転写する方法が開示
されている。この方法では、一旦、中間転写媒体上に良
好な画像が形成されれば、一般に使用されている紙、所
謂、普通紙上で良好な画像品質を得るための改善効果は
認められる。しかしながら、これらの方法では、常温で
はインクの濃縮に時間を要するため、中間転写媒体を加
熱してインク中の溶媒の蒸発を促進する必要があった
り、非吸収性の表面を有する中間転写媒体上では、異色
のインクの不均一な混合(カラーブリード)が生じ易い
という問題があった。更に、中間転写体表面の濡れ性
が、繰り返し使用により変化するとインク滴の拡がりが
変化し、画像品質を一定に保つことが困難であるといっ
た課題を残している。
【0016】特開平5−200999号公報には、中間
転写体の表面にポリアクリル酸のアルカリ金属塩などの
高分子吸水剤の層あるいは小径のメッシュ層を設けて、
中間転写体に付与される水溶性インク中の水成分を吸収
した後に、残る成分を記録媒体に転写する装置が開示さ
れている。 このような装置では、特開昭62−928
49号公報で生じるような前記のカラーブリードの発生
は低減できるものの、小径のメッシュの孔や高分子吸水
剤に、顔料、染料などのインク成分が定着され易く、繰
り返し使用することにより、中間転写体の吸水性が低下
したり、色材が残るために画像が汚れてしまうという問
題を解決することが困難であった。更に、中間転写体に
吸収したインク中の液媒体を蒸発せしめたり、吸引除去
する手段が必要であり、高速印字や省エネルギーをする
要請に充分に答えられるものではなかった。
【0017】再公表特許WO/98/05504には、
インク中の成分と反応する材料を含んでなる第一液を中
間転写媒体上に付着させ、中間転写媒体上に付着した第
一液を被記録材に転写した後に、第一液を反応するイン
ク組成物を被記録材に吐出せしめて画像を形成するイン
クジェット記録方法が開示されている。この方法におい
ては、被記録材に付着する第一液を少なくし、被記録材
として用いる紙の生じるカールやコックリングを低減で
きる。しかしながら、この方法を達成するためには、イ
ンク組成物を画像に従い被記録材に付与する手段とは、
別系統の中間転写体に第一液を付与する手段が必要であ
り、この方法を実施するための画像形成装置が複雑、高
コストになることが避けられなかった。また、被記録材
にインク組成物の液滴を吐出して画像を形成した後、中
間転写媒体上に付着した第一液を被記録材に転写する場
合には、インクが記録媒体中に浸透してしまうため、画
質改善に充分な効果を得ることが困難となる欠点があっ
た。また、中間転写媒体上に付着した第一液を記録媒体
に転写した後、その被記録材にインク組成物を用いて画
像を形成した場合にも、第一液が被記録材に浸透してし
まうため、画質の改善効果が不充分であり、本質的に
は、記録紙に反応液を塗布するものであるため、紙の中
に浸透する分の反応液量を加えて塗布する必要があり、
従来法に比較して、その塗布量は少ないものの、依然と
して塗布量が多いという問題は完全に解決されていなか
った。
【0018】特開平6−40025号公報では、転写媒
体表面上にインクを吐出し、その後、記録媒体上にイン
ク像を得るインクジェット記録方法であり、インクジェ
ットインクとして、溶媒と溶媒に対して分散した顔料お
よび/または溶解した染料および分散及び/または溶解
した樹脂からなる着色剤固形成分から構成され、前記溶
媒は、(a)前記転写媒体に対する浸透性を有するイン
ク溶媒浸透成分と、(b)前記転写媒体に対する浸透性
を持たないインク溶媒非浸透成分、とからなり、(1)
転写媒体上にインク像を形成する工程と、(2)転写媒
体上のインク像からインク溶媒浸透成分を転写媒体に浸
透させる工程と、(3)インク溶媒浸透成分の浸透後の
溶媒非浸透成分と顔料及び/または染料及び樹脂からな
るインク像を転写媒体から記録媒体に転写する工程と、
(4)転写媒体からインク溶媒浸透成分を除去する工程
とからなることを特徴とするインクジェット記録方法が
開示されている。インクに含まれる浸透成分が転写媒体
中に浸透することで、着色剤の溶媒組成が変動し、転写
に適した物性(粘度)に制御することが可能となり、し
たがって良好な転写画像を得ることができるとしてい
る。しかしながら、転写媒体への溶媒種による選択的浸
透現象を利用したこの方式は、材料面での制約が大き
く、例示されている構成、すなわち転写媒体としてシリ
コーンゴムを用いた場合、インクが石油系溶剤など、火
災の発生、人体への有害性などの安全性において問題の
ある液媒体を使用しなくてはならないという欠点があ
る。更に、繰り返し使用するためには、乾燥、吸引など
により、中間転写媒体に浸透した液媒体を除去する手段
が必要であり、このために装置のコストが高くなった
り、乾燥により、前記のインク媒体が空気中に蒸散し、
画像形成装置を使用する環境の空気を汚染するという問
題があった。
【0019】また、特開平11−188858号公報に
は、液滴を画像信号に応じて中間転写体上に噴射して該
中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画
像を記録紙上に転写する記録方法において、前記中間転
写体上全面に予め前記液滴により溶解又は膨潤可能でか
つ該液滴の粘度を上昇させることができ、かつ、前記中
間転写体から剥離可能な粉末の層を形成し、次いで、前
記粉末の上に前記液滴を噴射して前記中間転写体上に形
成された前記可視画像を記録紙に転写することを特徴と
する記録方法が開示されている。しかしながら、特開平
5−96720号公報と同様に、この方法ではインクの
吸収に時間がかかり、高速での印字の場合、境界滲みを
生じやすい。吸水性樹脂粒子は吸湿しやすく、装置内あ
るいは保管時に吸湿により塊状となり、被記録材に吸水
性樹脂粉体を均一に塗布することが困難になるなどの不
具合を生じやすい、などの問題があった。
【0020】特開平7−89067号公報には、中間転
写体に界面活性剤を付与し、その界面活性剤が付与され
た中間転写体にインクジェット記録方法により画像を形
成し、その形成された画像を被記録材に転写せしめる方
法および装置が開示されている。この方法においては、
インクの被記録材への転写効率は向上するものの、界面
活性剤がインクと反応性のないものであるために、転写
体上で形成される画像の品位は、前記の従来例と本質的
に変わりのないものであり、カラーブリードなどを生じ
易いものであった。
【0021】特開平11−28862号公報には、転写
体にインク薄膜を塗布し、そこにインクを固化せしめる
液をインクジェット記録で印字し、未固化インク部分を
記録紙に転写する方法が開示されている。この方法は、
インクを転写体全面に塗布するため、不使用インクの量
が多くなり、無駄なインクの消費を生じる問題があっ
た。
【0022】また、特開平10−58664号公報に
は、中間転写体にカチオン交換性を有するアニオン系の
イオン交換樹脂層を設けて、アンモニウムをカウンター
イオンとするアニオン染料をインクに使用して、インク
が中間転写体に付与されたときに、染料中のイオンを交
換して、親水性を低下せしめて転写特性を向上する装置
が開示されている。この装置においても、イオン交換層
が中間転写体に固定化されているため、特開平5−20
0999号公報の場合と同様に、繰り返し使用により劣
化した中間転写体を再生する必要がある。また、特開平
5−200999号公報にかかる装置、特開平10−5
8664号公報にかかる装置、いずれの場合にも、高分
子吸水剤やイオン交換樹脂に吸収された水分を蒸発する
ためや、イオン交換樹脂のイオン交換能を維持するため
に、中間転写体を加熱する必要があり、消費電力が大き
くなるなど、高速印字には適さないものであった。
【0023】また、特許第2867491号公報、特許
第3088588号公報には、インクまたはインク中に
含有する成分の最低造膜温度を規定し、インクとしての
保存安定性、ノズルの目詰まりを生じさせない信頼性を
有し、にじみ等の画像品位に優れ、かつ定着性、擦過
性、耐水擦性、耐水性、耐光性等の画像堅牢性にも優れ
た印字が得られるインクジェット記録用インクが開示さ
れている。これらの開示では、インクジェット記録用イ
ンクとしての信頼性を保持するため、インクまたはイン
ク中に含有する成分の最低造膜温度を高く設定する必要
があったり、造膜成分の添加量を高く設定することが困
難である。そのため銀塩写真並の画像品位や画像堅牢性
を確保できていないのが現状である。
【0024】上述のように被記録材に対して高画質かつ
高速で記録するために、種々の技術が開示なされている
が、いまだ充分な解決方法は提案されていなかった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上述の問題点を解決することがその目的である。す
なわち、多種多様な被記録材に対して、フェザリングを
生じることなく、細線等の再現性に優れ、色境界にじみ
のない画像が得られる画像記録法に用いられる反応性材
料を提供することにある。本発明の他の目的は、インク
の裏抜けを防止することにより、両面印字性に優れ、画
像濃度が高く、色調再現性に優れ、耐水性の高い画像が
得られる画像記録法に用いられる反応性材料を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、高速で印字し
た場合にも、上述のような高品質の画像が得られる画像
記録方法に用いられる反応性材料を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、被記録材のカールやコ
ックリング等が発生しにくく、被記録材のプリンタにお
ける搬送信頼性の高い、画像記録方法に用いられる反応
性材料を提供することにある。更に、本発明の他の目的
は、安価で且つ良好な画像品質が得られる画像記録方法
に用いられる反応性材料を提供することにある。さらに
また、本発明の別の目的は、特に着色剤が顔料であると
きには、光沢紙等の写真メディア上での画像部光沢性が
損なわれず、かつ画像部の定着性、擦過性等の画像堅牢
性が向上された画像を、得ることができる記録方法に用
いられる反応性材料を提供することにある。また着色剤
が染料であるときには、特にその耐水性、耐光性、耐湿
性等の画像堅牢性が向上された画像を、得ることができ
る記録方法に用いられる反応性材料を提供することにあ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「少なくとも着色剤を含んでなる記録液を、画像
信号に応じて液滴として吐出し、転写体上に付与する工
程(A)と、記録液中の少なくとも1成分と反応しうる
化合物を含有する反応性物質を、転写体上に付与する工
程(B)と、該記録液と該反応性材料とを転写体上で接
触混合せしめる工程(C)と、該混合物を被記録材に転
写する工程(D)、とを有する画像形成方法に用いられ
る反応性材料であって、該反応性物質が記録液中の少な
くとも1成分の溶解性や分散性を低下させうる化合物を
含有し、かつ該反応性材料が、造膜しうるポリマー微粒
子分散体を含有することを特徴とする反応性材料」、
(2)「反応性材料が、着色剤の溶解性や分散性を低下
させうる化合物を10〜80重量%、かつ造膜しうるポ
リマー微粒子分散体を1〜70重量%含有し、外観が無
色もしくは薄色であることを特徴とする前記第(1)項
に記載の反応性材料」、(3)「造膜しうるポリマー微
粒子分散体が、最低造膜温度25℃以下の樹脂エマルジ
ョンであることを特徴とする前記第(1)項または第
(2)項に記載の反応性材料」、(4)「水および水溶
性の液状化合物を20〜80重量%含有することを特徴
とする前記第(3)項に記載の反応性材料」、(5)
「水の含有量が0〜40重量%であり、水溶性液状化合
物の含有量が20〜80重量%であることを特徴とする
前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の反応
性材料」、(6)「水の含有量を、含有する水溶性液状
化合物の50〜60%RHにおける平衡水分量以下と
し、開放された反応性材料の付与装置で使用しても、該
相対湿度においては反応性材料からの水分蒸発が生じな
いようにしたことを特徴とする前記第(1)項乃至第
(5)項の何れか1に記載の反応性材料」、(7)「界
面活性剤および/又は濡れ促進剤を含み、その表面張力
が40mN/m以下に調整されていることを特徴とする
前記第(1)項乃至第(6)項の何れか1に記載の反応
性材料」、(8)「防腐・防かび剤が0.1〜5重量%
含まれていることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(7)項の何れか1に記載の反応性材料」、(9)「記
録液が少なくともアニオン性化合物を含有し、該アニオ
ン性化合物の溶解性や分散性を低下せしめる化合物が、
カチオン性化合物であることを特徴とする前記第(1)
項乃至第(8)項の何れか1に記載の反応性材料」、
(10)「カチオン性化合物が下記式で示される化合物
であることを特徴とする前記第(9)項に記載の反応性
材料;
【0027】
【化2】 (Xはハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、
酢酸イオン等の陰イオン、Rは炭素数1〜3のアルキレ
ン基、nは独立の整数)」、(11)「カチオン性化合
物が液媒体に粒子として分散されていることを特徴とす
る前記第(9)項に記載の反応性材料」、(12)「液
媒体に粒子として分散されているカチオン性化合物がカ
チオン性シリカであることを特徴とする前記第(11)
項に記載の反応性材料」、(13)「液媒体に粒子とし
て分散されているカチオン性化合物がカチオン性エマル
ジョンであることを特徴とする前記第(11)項に記載
の反応性材料」、(14)「記録液中の少なくとも1成
分の溶解性や分散性を低下させる化合物が、炭素数6以
上のアルキル基を有するイオン性化合物であることを特
徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れか1に記
載の反応性材料」、(15)「記録液中の少なくとも1
成分の溶解性や分散性を低下させる化合物が、水溶性の
多価金属塩であることを特徴とする前記第(14)項に
記載の反応性材料」、(16)「着色剤の溶解性や分散
性を低下させうる化合物を10〜80重量%含有し、粘
度が20〜10000mPa・secであり、外観が無
色もしくは薄色の液であることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(15)項のいずれか1に記載の反応性
材料」により達成される。
【0028】本発明者等は、鋭意研究の結果、インクジ
ェット法により転写体上に付与した記録液と、転写体上
に付与した、記録液中の1成分と反応しうる化合物を含
有し、かつ造膜しうるポリマー微粒子分散体を含有する
特定の反応性材料を、転写体上で接触混合後、被記録材
に転写することにより上記の問題を解決できることを見
出した。すなわち、本発明は、画像形成時に記録液の1
成分と反応しうる化合物を含有し、かつ造膜しうるポリ
マー微粒子分散体を含有する特定の反応性材料である。
従来記録液と反応性物質を用いた記録方法はあったが、
これに転写体からの転写により画像を形成するため、被
記録材の種類・品質によらず一様な画像品質を得ること
が可能である。
【0029】本発明においては、反応性材料が転写体表
面に当接する付与手段で転写体上に付与されることが好
ましい。本発明の反応性材料を転写体表面に当接して付
与する手段としては、ローラ塗布機、ワイヤーバーやコ
ーティングブレード、反応性材料を含浸せしめた発泡体
を当接するなどの手段が例示できる。非当接の付与手段
の中でも、ローラを用いることにより、簡素な装置構成
で、充分な画像品質の向上効果が得られる付与量になる
ように、均一に付与することが可能であり、付与手段を
低コストで、かつコンパクトに作製することが可能にな
るため好ましい。このように、高濃度の定着剤を含有す
る反応性材料を、非当接の付与手段で、転写体に、従来
の反応性材料の付与量よりも、遥かに少ない量付与する
ことにより、従来、生じていた被記録材のコックリング
の発生を防止できるとともに、従来法以上の画像品質の
向上効果が得られる。
【0030】記録液中の成分と反応性材料中の化合物と
の間に生じる反応とは、化学的反応全般を意味する。中
でも、イオン反応は、記録液と反応性材料の混合のみで
反応を開始するため、反応を開始するための特別な働き
かけ、例えば反応開始剤の投入あるいは熱や光などのエ
ネルギーの投入などが不要であり、よって簡素な装置構
成で達成される。記録液中の成分と反応性材料中の成分
との混合により生じる反応がイオン反応であり、該反応
により記録液と反応性材料との混合物中に凝集を生じ
る、あるいは、記録液と反応性材料との混合物が増粘す
ることが好ましい。凝集あるいは増粘が生じることによ
り、転写体ならびに被記録材上で画像が過度に濡れ広が
ったり浸透することを抑制することができるため、フェ
ザリングや境界滲みのないシャープで高発色な画像を得
ることができる。
【0031】特に反応性材料が、記録液中の着色剤の溶
解性や分散性を低下させうる化合物を含有することが好
ましく、転写体上で着色剤を増粘、凝集等ある程度固定
した状態で被記録材表面へ転写させるため、着色剤の被
記録材への浸透が少なく、フェザリング、カラーブリー
ド等のにじみや裏抜けの少ないシャープで高彩度の画像
を得ることができる。このように着色剤の溶解性や分散
性を低下させうる化合物は反応性材料中、10〜80重
量%という高濃度であることが好ましく、該化合物が1
0重量%より少ないと着色剤の溶解性や分散性を低下す
るために大量の反応性材料を付与する必要があり好まし
くない。80重量%より多いと、温度変化、蒸発などに
より、反応性材料を安定して付与することが困難にな
る。着色剤の溶解性や分散性を低下させうる化合物の反
応性材料中での最適な含有量は、用いる化合物、記録液
の処方、単位面積当たりに印字される記録液の量などの
要素により変わるけれど、20〜60重量%が特に好ま
しい範囲である。また、反応性材料は画像形成時、記録
液と接触混合するため、着色剤の色調を阻害しないよう
その外観が無色もしくは薄色であることが好ましい。
【0032】反応液の形の反応性材料は、粘度が20〜
10000mPa・secとすることが好ましい。反応
液の粘度は、回転粘度計、振動式粘度計、流動型粘度計
などにより測定できるが、本発明においては、20〜1
0000mPas・secの粘度の反応液が好適に用い
られる。前記粘度範囲の反応液を用いることにより、画
像の改善効果が大きいのは、次のように説明される。す
なわち、従来の低粘度の反応液では、反応液を浸透性の
液にすると、転写後被記録材、特に普通紙の奥深くまで
入り込んでしまい、裏抜けの防止、フェザリングの防
止、色境界にじみの防止効果が小さくなってしまう。反
応液の粘度が、10000mPas・secを超える
と、液を均一に転写体に付与することが困難になること
があり、反応液が、転写後被記録材上でなじみにくく、
画像形成後の被記録材にべたべた感が残り、好ましくな
いことがある。反応液の粘度として特に好ましい範囲
は、100〜3000mPa・secであり、とりわ
け、300〜2000mPa・secが、画像品質の向
上効果、反応液の乾燥性のバランスが良く好ましい。ま
た反応液は画像形成時、記録液と接触混合するため、着
色剤の色調を阻害しないようその外観が無色もしくは薄
色であることが好ましい。
【0033】本発明の反応性材料の詳細な組成について
説明する。現在、一般的に用いられている水性の記録液
には、アニオン性化合物または、負に帯電した粒子が含
まれている場合が大多数である。従って、記録液に含有
されるアニオン性染料、アニオン性顔料、アニオン性高
分子化合物、アニオン性ママルジョンなどのアニオン性
化合物または、負に帯電した粒子と反応して、分散性、
溶解性を低下せしめる化合物として、反応性材料には、
カチオン性の化合物を含有することが好ましい。カチオ
ン性の化合物の中でも、カチオン性の高分子化合物が、
特に記録液中のアニオン性の化合物や負に帯電した粒子
と反応する能力が高く、好ましい。
【0034】本発明者が鋭意研究した結果、以下のカチ
オン性高分子が、いずれも好ましく本発明の反応性材料
に用いられることが確認された。すなわち、本発明に好
ましく用いられるカチオン性高分子化合物の例を挙げれ
ば、本発明で好ましく用いられるカチオン性高分子化合
物例1:
【0035】
【化3】 (Xはハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、
酢酸イオン等の陰イオン、 Rは炭素数1〜3のアルキ
レン基、nは独立の整数) 上記化合物例1で示されるカチオン性高分子化合物の具
体例としては、PAA−HCl−3L、PAA−HCl
−10L(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−10C
(ポリアリルアミン)(以上日東紡績製)等を挙げるこ
とができる。また化合物例のカチオン性高分子化合物以
外にも、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮物、ジシア
ンジアミド・ジエチレントリアミン重縮物、エピクロル
ヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリ
ルアンモニウムクローライド・SO共重合物、ジメチ
ルジアリルアンモニウムクローライド重合物、ジアリル
アミン塩・SO共重合物アリルアミン塩の重合物、ジ
アルキルアミノエチル(メタ)アクルレート4級塩重合
物、カチオンエポキシ樹脂、ポリエチレンイミン、ポリ
アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポ
リビニルホルムアミド等各種カチオン性高分子化合物を
用いてもよい。
【0036】記録材中の染料や顔料の分散剤などのアニ
オン性化合物と反応させて画像品質を向上させるには、
前記のようなカチオン性の高分子化合物を用いることが
最も好ましい。しかしながら、下記のようなアニオン性
化合物と反応して溶解性、分散性を低下せしめるモノマ
ー化合物を反応性材料に添加することも有効であり、特
に、カチオン性高分子化合物と併有することにより,カ
チオン性高分子化合物と記録材中のアニオン性化合物と
の反応が促進される点で好ましい。
【0037】
【化4】 (Xはハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、
酢酸イオン等の陰イオン、R〜Rは、R、R
の炭素数の合計が5〜32であるアルキル基)
【0038】上記カチオン性化合物において、R、R
がともにメチル基であり、かつ、Rが炭素数10〜
20である化合物が、溶解性が高く、且つ、記録液中の
アニオン化合物と反応で溶解性、分散性を低下せしめる
効果も高いという両面を備えていて好ましい。炭素数が
それより大きいものでは、反応性材料での溶解性に欠
け、保存や環境変化により、沈殿物を生じるなどの問題
を生じる。炭素数が小さい化合物では、溶解安定性には
優れるものの、記録液中のアニオン性化合物との反応で
溶解性や分散性を低下せしめる能力が小さく、画像品質
を向上する効果が小さい。上記一般式で示されるカチオ
ン性化合物のより具体例として、次のような構造化合物
を例示することができる。本発明の反応性材料には、こ
れらのカチオン化合物を単独、あるいは混合して用いる
ことができる。
【0039】
【表1】 これらカチオン性化合物は、市販のものを用いることが
可能で、具体的に商品名で示すと、カチオンS,カチオ
ンSK,カチオンM、カチオンG−50(以上、三洋化
成製)、カチオンF2−35R,カチオンF2−40
E、カチオンM2−100、カチオンS2−100(以
上、日本油脂製)、サニザールC、サニゾールB−50
(以上、花王製)などが挙げられる。
【0040】前述の通り、カチオン性の高分子化合物と
上式の化合物とを反応性材料に併用して用いることが好
ましいが、それは、上式の化合物が、適度な界面活性能
を有し、転写体に対する反応性材料の濡れ性を一様にす
るためと推定される。一般の記録液を代表的な被記録材
である上質紙などに直接付与した場合、微視的には表面
サイズ剤の分布等に応じて、記録液に濡れやすいところ
と濡れにくいところが存在し、それが滲みやべた画像部
の濃度むらなどの画質低下を生じるものと推定される。
転写体上で反応性材料と記録液を接触混合した後、被記
録材に転写させることで、フェザリングが少なく細線等
の再現性に優れ色境界にじみのない高画質で、且つ画像
濃度の高い画像を得ることができる。更に、上記式で示
されるモノマー・カチオン性化合物は、前述のカチオン
性高分子化合物との相溶性が高く、反応性材料中で析
出、分離などを起こさず、一様な混合が容易であるた
め、保存安定性、塗布量の安定性などに優れた信頼性の
高い反応性材料を提供することができる。
【0041】記録液中の溶解性や分散安定性を低下せし
める化合物として、前述の水に溶解性を示すカチオン性
高分子化合物の他に、カチオン粒子が分散、懸濁された
反応性材料を用いることも有効である。これらは同時に
造膜しうるポリマー微粒子として用いることも可能であ
る。但し、カチオン性エマルジョンでは、反応性材料中
のカチオン濃度が低くなりがちであり、画像品質を充分
に高めるためには、水溶性カチオン性高分子化合物や、
高級アルキル基を有するカチオン性界面活性剤等、他の
カチオン化合物と併用して用いることが好ましい。カチ
オン性粒子が分散、懸濁された液の例として、カチオン
性を有する樹脂エマルジョン、カチオン性の白色または
薄色の顔料分散体が挙げられる。カチオン性のエマリル
ジョンの例としては、例えば、アクリットUW319−
SX、アクリットRKW−460、アクリットRKW−
400SX、アクリットRKW−450SX、アクリッ
トRKW−450(以上大成化工株式会社製)などのス
チレン−アクリル系のカチオン性エマルジョンが市販品
として入手できるものである。反応性材料にカチオン性
樹脂エマルジョンを添加することにより、水溶性を有す
るカチオン性高分子化合物を単独で用いた場合に比較し
て、光沢性のある画像が得られ、高い画像の耐水性、耐
摩擦性を持たせることができる。また、エマルジョン中
に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、クエンチャーなどを含
有せしめておくことにより、画像の耐光性を高めること
もできる。
【0042】カチオン性粒子が分散、懸濁された液の例
として、カチオン性を有するシリカの分散体を例示する
ことができる。カチオン性シリカとしては、例えば、ス
ノーテックスAK(日産化学工業株式会社製)、SMR
8−17−109SMSG3CS(グレースジャパン株
式会社製)、CEP10AK97002(CABOT社
製)などが市販品として入手できるものである。但し、
カチオン性シリカを用いる場合においても、カチオン性
シリカ単独では、カチオン性樹脂エマルジョンと同様
に、反応性材料中のカチオン濃度が低くなりがちであ
り、画像品質を充分に高めるためには、水溶性カチオン
性高分子化合物や、高級アルキル基を有するカチオン性
界面活性剤等、他のカチオン化合物と併有して用いるこ
とが好ましい。反応性材料にカチオン性樹脂シリカを添
加することにより、水溶性を有するカチオン性高分子化
合物を単独で用いた場合に比較して、画像印字直後のべ
たつき感を低減できる。
【0043】反応性材料には、記録液の溶解性、分散性
を低下せしめる化合物として、塩化アルミニウム、塩化
カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、塩
化マグネシウム、硝酸カルシウム等の多価金属塩を用い
ることも有効である。しかしながら、多価金属塩は、一
般に、カチオン性高分子化合物に比較して、記録液の溶
解安定性や分散安定性を低下する能力がやや弱いため
に、多価金属を用いる場合には、記録材にどのようなア
ニオン性化合物を用いるかが重要である。多価金属塩を
用いる場合には、一分子中に2つ以上、好ましくは3つ
のカルボキシル基またはスルホン酸基を有する染料を用
いることが好ましい。また、顔料を使用した記録液であ
れば、カルボキシル基を有する高分子化合物を分散剤と
して用いるか、共有結合でカルボキシル基を導入した顔
料を用いることが好ましい。多価金属塩を反応性材料に
用いる場合には、記録液に染料を用いると、染料と金属
との間で錯体が形成され、記録された画像の耐光性が向
上する。
【0044】本発明の反応性材料には、記録液中の少な
くとも1成分の溶解性や分散性を低下させうる化合物と
共に、造膜しうるポリマー微粒子分散体を含有してい
る。造膜しうるポリマー微粒子分散体とは、水分蒸発な
どに代表される反応性材料組成の変動、または熱エネル
ギーの付与や被記録材との接触等の外的な要因により、
造膜可能な化合物であれば特に限定されないが、反応性
材料に含有し、工程(B)にて転写体上に簡素な装置で
付与できることが好ましい。また工程(D)にて被記録
材に転写されたあと、記録液の着色剤を被覆しているこ
とが好ましい。この場合、記録液を転写体上に付与する
工程(A)より先に、反応性材料を転写体上に付与する
工程(B)が行なわれることが好ましい。このような造
膜しうるポリマー微粒子分散体は、反応性材料中に1〜
70重量%含有していることが好ましい。1重量%未満
では、画像部の光沢性や画像堅牢性を充分に得ることが
難しく、70重量%より多いと、工程(B)の転写体へ
の付与や、工程(D)の被記録材への転写等の取り回し
が煩雑になりやすく、また記録液の溶解性や分散性を低
下させうる化合物の含有量を上げることが困難となる。
分散媒としては水、または水溶性の液状化合物が好まし
い。さらには造膜しうるポリマー微粒子分散体が、最低
造膜温度25℃以下の樹脂エマルジョンであることが好
ましい。造膜しうるポリマー微粒子分散体が、被記録材
上で着色剤を被覆し造膜した場合、樹脂が保護層とな
り、画像部の定着性、擦過性、耐水性、耐光性、耐湿性
等の画像堅牢性を向上することが可能となる。着色剤が
顔料等の分散粒子であり、造膜しうるポリマー微粒子分
散体が、分散粒子のすべてを被覆できなかった場合で
も、造膜により分散粒子を被記録材上にとどめるアンカ
ーとして働き、物理的な画像堅牢性を向上することが可
能となる。樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃よ
り大きいと、被記録材上での造膜性が低く、水分の蒸発
等により結晶が析出するなど、好ましい保護層を設ける
ことが困難となる。より好ましくは最低造膜温度25℃
以下の水系樹脂エマルジョンが挙げられ、その電荷は着
色剤の溶解性や分散性を低下させうる化合物の電荷と相
反していると好ましくない。
【0045】このようなエマルジョンを形成するポリマ
ー微粒子の粒径として、好ましくは0.005〜0.4
μm程度であり、より好ましくは0.005〜0.2μ
m程度である。
【0046】本発明においては、ポリマー微粒子として
単粒子構造のものを利用することができる。一方、本発
明においてはコア部とそれを囲むシェル部とからなるコ
アシェル構造を有するポリマー微粒子を利用することも
可能である。本発明において「コアシェル構造」とは、
「組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離し
て存在する形態」を意味する。従って、シェル部がコア
部を完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部
を被覆しているものであってもよい。また、シェル部ポ
リマーの一部がコア粒子内にドメインなどを形成してい
るものであってもよい。さらに、コア部とシェル部の中
間に、更にもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以
上の多層構造を持つものであってもよい。
【0047】水および水溶性有機溶媒の減少により、ポ
リマー微粒子同士が合一し造膜に伴う圧力によって変形
する。これによって、コア部とシェル部とが結合して、
網目構造を形成する。これにより、より強度の大きな皮
膜を形成することができるとの利点が得られる。このよ
うなポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させ、硬
化剤を添加しなくとも造膜時にそれら基を反応させ網目
構造を形成する性質を本発明にあっては「自己架橋性」
と呼ぶ。
【0048】本発明において用いられるポリマー微粒子
は、公知の乳化重合によって得ることができる。すなわ
ち、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重
合触媒、および乳化剤を存在させた水中において乳化重
合することによって得ることができる。
【0049】不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳
化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタ
クリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビ
ニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、
ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量
体類が挙げられる。さらに、具体例としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート等
のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n
−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、
n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリ
レート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類、および酢酸
ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリ
デン、塩化ビニル等のハロゲン化単量体類;スチレン、
2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチ
レン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフ
タレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレ
ン、イソプロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、ク
ロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケト
ン、ビニルピロリドン等のビニル単量体類が挙げられ
る。また、使用可能な乳化剤としては、アニオン界面活
性剤、ノニオン界面活性剤、およびこれらの混合物が挙
げられる。
【0050】また、上記したように本発明にあっては、
上記モノマー由来の分子を、重合可能な二重結合を二つ
以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有す
ることが好ましい。重合可能な二重結合を二つ以上有す
る架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,
2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)
プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
エタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリ
アクリレート等のトリアクリレート化合物、ジトリメチ
ロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート等のテトラアクリレート化合物、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化
合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコ
ールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメ
タクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレー
ト、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
エタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合
物、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンが
挙げられる。
【0051】さらに、上記単量体に加えて、アクリルア
ミド類または水酸基含有単量体を添加することによっ
て、さらに印字安定性を向上させることがでる。アクリ
ルアミド類の例としては、アクリルアミドおよびN,
N’−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。また、水
酸基含有単量体の例としては2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、および2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレートが挙げられ、これらを単独ま
たは二種以上混合して使用することができる。
【0052】また、コアシェル構造のポリマー微粒子
は、公知の手法により、一般的には多段階の乳化重合な
どによって製造される。例えば、特開平4−76004
号公報で開示されている方法によって製造することがで
きる。重合に用いられる不飽和ビニル単量体の例として
は、上記したものが同様に挙げられる。また、乳化重合
の際に使用される開始剤、界面活性剤、分子量調整剤、
さらには中和剤等も常法に準じて使用してよい。
【0053】本発明にかかる反応性材料には、水よりも
沸点の高い、水溶性溶媒を20〜80重量%用いること
が好ましい。また、反応性材料中の水などの溶媒成分が
蒸発することにより粘度が変化すると、転写体への付与
量も変化してしまい、一定の画像品質を確保することが
できない。乾燥防止以外に、反応性材料を所望の物性に
するため、記録液中の着色剤を不溶化する化合物やその
他添加剤の溶解安定性を向上させるため、また反応性材
料の塗工特性を安定にするため等の目的で下記の水溶性
有機溶媒を使用することができる。水溶性有機溶剤の含
有量は、20〜80重量%の範囲が好ましい。20重量
%未満では、反応性材料から水分が蒸発するのを抑制す
る効果が小さく、水分蒸発による反応性材料の粘度変化
が大きくなり、付与量の安定性に欠ける。また、水分蒸
発により、カチオン性高分子化合物の溶解安定性も悪く
なり、反応性材料がゲル化したり、不溶物が発生したり
する。
【0054】本発明の反応性材料に用いられる水溶性有
機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,
2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリ
オール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル
等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ
ベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル
類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチ
ル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素
複素環化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミン類、スルホラ
ン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレン
カーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチローラクトン等
を用いることができる。これらの溶媒は、水とともに単
独もしくは、複数混合して使用することができる。
【0055】本発明の反応性材料に用いられる最適な水
溶性有機溶媒の種類と組成比は、反応性材料に用いる他
の材料により選択されるべきである。本発明では特にカ
チオン性高分子化合物等の記録液の溶解性や分散性を低
下せしめる化合物を高濃度で用いているので、その化合
物の溶解性を確保することが重要である。
【0056】これらの中で特に好ましいものはジエチレ
ングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコ
ール200〜600、トリエチレングリコール、グリセ
リン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジ
オール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシ
エチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル
イミダゾリジノンであり、これらを用いることによりカ
チオン高分子化合物などの不溶化する化合物の溶解性を
保つことができ、信頼性が高く、反応性材料を転写体に
付与することができる。
【0057】更に、反応性材料にはエタノールなどの一
価アルコールを含有させることができる、それにより反
応性材料の泡立ちによる塗布むらなどの発生を防止する
ことができ、転写体への反応性材料の付与を均一に行な
うことが可能となる。
【0058】本発明の反応性材料には、水を加えること
ができるが、水の添加量は従来の反応性材料に比較して
少ない方が、液の転写体への付与安定性を保つために好
ましい。また、水の組成比を、反応性材料から水を除い
た組成物が、記録装置の使用環境における大気の湿度
(相対湿度で例えば20〜70%)と平衡状態で吸収す
る水分比よりも少なくするか、あるいはそれに近い組成
比にすることにより、反応性材料の転写体への付与時
や、付与装置の放置期間中に水分が蒸発するこを防止で
きるばかりでなく、反応性材料を転写体上に付与してか
ら画像を形成するまでの時間が例えば5分程度と長くな
っても、付与直後に画像形成を行なった場合と同等の画
像品質の向上効果を得ることができる。
【0059】水の含有量は、0〜40重量%が好まし
い。特に好ましいのは、10〜30重量%の範囲であ
る。水分量が40重量%を超えると、反応性材料の転写
体上への付与時や、付与装置の放置期間中に水分が蒸発
することにより、液の粘度が上昇したり、ゲル化を生じ
たり、不溶物が析出したりする問題が生じやすい。ま
た、反応性材料を付与してから画像記録を行なうまでの
時間に、水分が蒸発し、反応性材料の流動性が失われ、
記録液との反応が緩慢になり、充分な画像品質の向上効
果が得られ難くなる。また、画像の先端や後端などで、
反応性材料を付与してから画像記録までの時間差がある
場合に、画像品質に差が生じてしまうという問題も発生
する。水分量が10重量%未満でも、カチオン性化合物
の溶解性が不充分になり易く、ゲル化、不溶物の生成の
問題が生じ易い。
【0060】本発明の反応性材料には、水および水溶性
の液状化合物を20〜80重量%含有することが好まし
い。20重量%未満では、カチオン性高分子化合物の溶
解安定性も悪く、反応性材料がゲル化したり、不溶物が
発生したりする。
【0061】本発明の反応性材料は、界面活性剤および
/又は濡れ促進剤を添加し、その表面張力が40mN/
m以下に調整され、転写体や反応性材料を付与するため
に用いる付与手段への濡れ性を高めることが好ましい。
濡れ性を高めることにより、転写体に均一に反応性材料
が付着するため、少ない付与量で、画像品質を高めるこ
とが可能となる。
【0062】また、ゴムローラ、金属ローラなどの液付
与手段への濡れ性を高めることにより、転写体への均一
な塗布が容易となる。本発明の反応性材料に使用できる
界面活性剤は特に限定されないが、アニオン性界面活性
剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェー
トの塩、ジアルキルスルホコハク酸塩など。
【0063】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエ
チレンアルキルアミドなどが挙げられるが、これに限ら
ない。
【0064】前記界面活性剤は、単独または二種以上を
混合して用いることができる。表面張力を調整する目的
で界面活性剤以外の濡れ促進剤を添加することができ、
このような化合物としては、ジエチレングリコールモノ
フェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエ
ーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエ
チレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフ
ェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリ
ールエーテル類、1,6-ヘキサンジオール、1,5−
ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、などの多価アルコール類、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロック共重合体、エタノール、2
−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられる。
【0065】また、本発明における反応性材料には、細
菌の繁殖による液の変質を防止するために、防腐防黴剤
を加えることが好ましい。添加することのできる、防腐
防黴剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロ
ロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−
オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒド
ロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3
−オンなどが挙げられる。
【0066】反応性材料のpH値は、中性に保たれるこ
とが好ましい。pH値は、8〜11の範囲に保つことが
ステンレスやニッケルを液付与部材として用いる場合に
は、その腐食性を抑える意味で好ましいが、カチオン樹
脂の溶解性は一般に比較的pH値の低い領域が高く、両
者のバランスから、中性に近い領域が好ましい。反応性
材料のpH値を所望の値に調整するために、反応性材料
には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の
アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモ
ニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニ
ウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を添加することがで
きる。
【0067】その他、画像の耐光性を向上するために、
反応性材料に、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加す
ることもできる。紫外線防止剤としては、各種のベンゾ
トリアゾール系、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノ
ン系、シアノアクリレート系、ベンゾフラン誘導体、置
換アクリロニトリル系、置換−N−フェニルアミノエチ
レン系、ピロン系、メチレンマロン酸エステル、ケイ皮
酸エステル、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン
系等が好適に挙げられる。酸化防止剤としては、各種の
フェノール系、硫黄系、リン酸系、ナフトール系、ヒン
ダートフェノール類、パラフェニレンジアミン類、ハイ
ドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機リン化合物類、
ヒンダートアミン、クロマン系、スピロインダン系、ヒ
ドラジン等が好適に挙げられる。これら紫外線防止剤、
酸化防止剤は分散性をあげるため、エマルジョンとして
添加されていてもよい。
【0068】本発明に用いることのできる記録液は、必
ずしも水性の記録液である必要はない。また、本発明は
記録液の分散安定性、溶解安定性を低下させる化合物を
含む反応性材料を転写体上で記録液に接触混合すること
が特徴であり、必ずしも記録液にイオン性の化合物を含
んでいる必要もない。しかしながら、前述の通り、現
在、一般のインクジェット用の記録液には、アニオン性
の染料または顔料が用いられている。本発明では、用い
られる記録液の組成は限定されたものではないが、一般
に用いられているアニオン性の着色剤を用いた記録液と
カチオン性の化合物を含む反応性材料との組み合わせで
用いることが、最も効果が大きい。
【0069】すなわち、本発明の記録方法に用いられる
記録液としては、染料として、カラーインデックスにお
いて酸性染料、直接性染料、反応性染料、食用染料に分
類される水溶性染料、より具体的には酸性染料及び食用
染料として、より具体的には、酸性染料および食用染料
として、 C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,
79,142 C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,
26,27,35,37,42,52,82,87,8
9,92,97,106,111,114,115,1
34,186,249,254,289 C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,24
9 C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,
94 C.I.フードイエロー 3,4 C.I.フードレッド 7,9,14 C.I.フードブラック 1,2
【0070】直接性染料として、 C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,
33,44,50,86,120,132,142,1
44 C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,
20,28,31,39,80,81,83,89,2
25,227 C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,10
2 C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,
25,71,76,79,86,87,90,98,1
63,165,199,202 C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,3
8,51,56,71,74,75,77,154,1
68,171
【0071】反応性染料として、 C.I.リアクティブ.ブラック3,4,7,11,1
2,17 C.I.リアクティブ.イエロー1,5,11,13,
14,20,21,22,25,40,47,51,5
5,65,67 C.I.リアクティブ.レッド1,14,17,25,
26,32,37,44,46,55,60,66,7
4,79,96,97 C.I.リアクティブ.ブルー1,2,7,14,1
5,23,32,35,38,41,63,80,95
【0072】インクジェット用に開発された染料として
は、アビシア社製のProjet Fast Black
2、Projet Fast Cyan2、Projet
Fast Magenta2、Projet Fast
Yellow2等のアニオン性染料を用いることが好ま
しい。
【0073】本発明の画像形成方法および反応性材料
は、染料を着色剤とする記録液ばかりではなく、顔料を
着色剤とする記録液に適用した場合にも画像品質の向上
などの点で大きな効果が観察された。本発明の記録方法
で記録液に用いられる顔料は、特にその種類を限定する
ことなく、無機顔料、有機顔料を使用することができ
る。無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バ
リウムなどの白色顔料や酸化鉄などの黒色顔料などを用
いることができる。
【0074】有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料
などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔
料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジ
ゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料な
ど)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、
酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔
料、アニリンブラックなどを使用できる。また、コンタ
クト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法に
よって製造されたカーボンブラックを使用することがで
きる。より具体的には、カラー用としては、C.I.ピ
グメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12
(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、2
4、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、5
5、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、9
7、98、100、101、104、408、109、
110、117、120、138、153、C.I.ピ
グメントオレンジ5、13、16、17、36、43、
51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、1
7、22(ブリリアントファーストスカレット)、2
3、31、38、48:2(パーマネントレッド2B
(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(C
a))、48:3(パーマネントレッド2B(S
r))、48:4(パーマネントレッド2B(M
n))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブ
リリアントカーミン6B)、60:1、63:1、6
3:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、8
3、88、101(ベンガラ)、104、105、10
6、108(カドミウムレッド)、112、114、1
22(キナクリドンマゼンタ)、123、146、14
9、166、168、170、172、177、17
8、179、185、190、193、209、21
9、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレー
キ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.
ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー
R)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニン
ブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.
I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、
18、36等がある。
【0075】これら顔料を記録液に用いるときには、ア
ニオン性分散剤で分散されたものが好ましい。アニオン
性の分散剤と反応性材料に含有されるカチオン性化合物
との反応により、顔料粒子に吸着された分散剤は、その
電荷を失うことにより、著しく分散性が低下するからで
ある。本発明の記録方法に用いることのできる記録液に
おいては、特に、アニオン性高分子化合物により分散さ
れた顔料分散体を使用することが特に好ましい。顔料を
水溶媒中に分散せしめるのに好適な高分子分散剤として
は、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸お
よびその塩、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体お
よびその塩、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体
およびその塩、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体およびその塩、スチレン−アクリル酸共重合
体およびその塩、スチレン−メタクリル酸共重合体およ
びその塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキル
エステル共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル
酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその
塩、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合
体およびその塩、スチレン−α−メチルスチレン−アク
リル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体
およびその塩、スチレン−マレイン酸共重合体およびそ
の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体およびそ
の塩、酢酸ビニル−エチレン共重合体およびその塩、酢
酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体およびその
塩、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体およびそ
の塩、酢酸ビニル−クロトン酸共重合およびその塩、酢
酸ビニル−アクリル酸共重合体およびその塩等が挙げら
れる。
【0076】上述の高分子分散剤の他に、アニオン性の
界面活性剤で顔料を分散せしめた記録液も本発明の記録
方法に対しては好ましい。例えば、オレイル酸およびそ
の塩、ラウリル酸およびその塩、ベヘン酸およびその
塩、ステアリン酸およびその塩のような脂肪酸およびそ
の塩、ドデシルスルホン酸およびその塩、デシルスルホ
ン酸及びその塩なアルキルスルホン酸とその塩、ラウリ
ル硫酸塩、オレイル硫酸塩などのアルキル硫酸エルテル
類、ドデシルベンゼンスルホン酸およびその塩、ラウリ
ルベンゼンスルホン酸およびその塩など、アルキルベン
ゼンスルホン酸とその塩、ジオクチルスルホ琥珀酸およ
びその塩、ジヘキシルスルホ琥珀酸およびその塩などの
ジアルキルスルホ琥珀酸およびその塩、ナフチルスルホ
ン酸およびその塩、ナフチルカルボン酸およびその塩な
どの芳香族アニオン系界面活性剤、フッ素化アルキルカ
ルボン酸およびその塩、フッ素化アルキルスルホン酸お
よびその塩等のフッ素系アニオン性界面活性剤などを用
いて顔料を分散し、記録液に用いることができる。
【0077】またカーボンなどの顔料と、親水基を有す
るジアゾニウム化合物とをラジカル反応により、顔料に
直接親水基を共有結合させたり、カーボンなどの顔料の
表面だけを酸化反応により、カルボン酸基を導入した
り、顔料と発煙硫酸とを反応させて顔料表面にスルホン
酸基を導入するなど、顔料自体の表面修飾反応により、
分散剤を用いずにイオン性を持たせた顔料を用いた記録
液は、本発明の効果を得るのには、極めて有利な記録液
である。
【0078】顔料を分散させた記録液を用いる場合に、
顔料の粒径に特に制限はないが、最大個数換算で最大頻
度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いること
が本発明では好ましい。粒径が150nmを超えると、
記録液としての顔料分散安定性が悪くなるばかりでな
く、記録液の吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像
品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満で
は、記録液の保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定
し、反応性材料を用いる場合には、高い画像品質も得ら
れるが、そのように細かな粒径にまで分散せしめるの
は、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録
液を製造することが困難となる。
【0079】本発明の記録方法に適用できる更に別の記
録液の態様として、着色樹脂微粒子が懸濁された記録液
を挙げることができる。着色樹脂微粒子は、スチレン−
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂な
どを油性染料、分散染料または顔料などにより着色した
ものである。微粒子の殻に当たる部分をポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸などの親水性を有する樹脂で形成
したり、反応性の界面活性剤などイオン性を有する界面
活性剤で懸濁することにより例えばアニオン性の着色微
粒子が水を主体とする液媒体に懸濁された記録液を得る
ことができる。
【0080】本発明の記録方法に用いる記録液には負帯
電の樹脂エマルジョンを添加してもよい。負帯電の樹脂
エマルジョンを記録液に含有せしめることにより、着色
剤ばかりでなく、樹脂エマルジョンが反応性材料によ
り、転写体上で著しい増粘・凝集作用を起こし転写され
ることで、着色剤などの着色成分の被記録材内部への浸
透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有
する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材
上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性、耐光性、耐水性を
も向上させる効果を有する。
【0081】樹脂エマルジョンとは、連続相が水であ
り、分散相が次のような樹脂成分であるエマルジョンを
意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン
系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。本発明の好
ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部
分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これ
らの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特
に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、よ
り好ましくは5〜100nm程度である。
【0082】これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子
を、場合によって界面活性剤とともに水に混合すること
によって得ることができる。市販の樹脂エマルジョンと
しては、マイクロジェルE−1002、E−5002
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイン
ト株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂
エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボ
ンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1
014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本
ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アク
リル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)な
どが挙げられる。
【0083】記録液中、樹脂エマルジョンは、その樹脂
成分が記録液の0.1〜40重量%となるよう添加する
のが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲で
ある。
【0084】本発明の記録方法に用いる記録液には、記
録液が水溶性の場合には、親水性高分子化合物を添加す
ることができ、特に、アニオン性の水溶性高分子化合物
を添加することにより、カチオン性化合物を含有す反応
性材料により記録液の分散性、溶解性の破壊を促進する
効果を得ることができる。
【0085】記録液に添加できる親水性高分子化合物と
しては、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グー
アガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノ
ガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植
物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻
系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲ
ン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等
の微生物系高分子またはセラック等、半合成系ではメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、力ルボキシ
メチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコ
ール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム
等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、
純合成系ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、
非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのア
ルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリ
ル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニ
ルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマ
レイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の
アルカリ金属塩等が挙げられる。
【0086】本発明の記録方法に用いる記録液には、界
面活性剤などの浸透促進剤を添加することができ、それ
により記録液の表面張力を調整してインクジェットプリ
ンタのヘッド部材に対する記録液の濡れ性を向上させる
ことにより記録液の吐出安定性を改良することができ
る。
【0087】従来の反応性材料を用いないインクジェッ
ト記録方法では、記録液の浸透性を高めると、記録液の
裏抜け、フェザリングが生じ易かったが、本発明の転写
工程を加えた記録方法により、著しく浸透性を高めた記
録液を用いて高速記録した場合においても、裏抜け、フ
ェザリングを防止することができる。
【0088】本発明の記録方法に用いる記録液に添加で
きる界面活性剤は特に限定されないが、アニオン性界面
活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸
塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサル
フェートの塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等が挙げら
れる。
【0089】非イオン性界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオ
キシエチレンアルキルアミド、酸化エチレン基で修飾さ
れたアセチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤等が
挙げられる。
【0090】浸透剤としては、ジエチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニル
エーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ
エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロ
フェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びア
リールエーテル類、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
ール等の多価アルコール類、エタノール、2−プロパノ
ール等の低級アルコール類等が挙げられる。
【0091】本発明の反応性材料と転写体上で接触混合
する画像記録方法において記録液を液滴として転写体上
に付与させる手段としては、公知のあらゆるインクジェ
ット記録方法が適用できる。記録ヘッドの構成として
は、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネ
ルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュ
エータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いる
こともできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッド
で記録することもできる。
【0092】次に、本発明の反応性材料を用いて画像形
成を行なう装置の例を示す。図1は、画像記録装置の構
成図の一例を示した図であり、転写体(1)に反応性材
料付与手段(2)(インクジェットヘッド)により、反
応性材料が塗られる。反応性材料が塗られた転写体
(1)に、インクジェットヘッド(3)により、記録が
行なわれ、転写体(1)上に画像が形成される。記録液
は反応性材料と反応し高粘度状態となる。被記録材
(4)は加圧ローラ(6)と転写体(1)の間の搬送路
を搬送され、この際、転写体(1)上の画像が被記録材
(4)に転写される。転写体(1)を清掃するクリーニ
ング手段(5)が、転写部と反応性材料付与手段(2)
との間に設けられている。
【0093】図2は、画像記録装置の構成図の一例を示
した別の図であり、転写体(1)に反応性材料付与手段
(7)(塗布ローラ)により、反応性材料が塗られる。
反応性材料が塗られた転写体(1)に、インクジェット
ヘッド(3)により、記録が行なわれ、転写体(1)上
に画像が形成される。記録液は前処理液と反応し高粘度
状態となる。被記録材(4)は加圧ローラ(6)と転写
体(1)の間の搬送路を搬送され、この際、転写体
(1)上の画像が被記録材(4)に転写される。転写体
(1)を清掃するクリーニング手段(5)が、転写部と
反応性材料付与手段(7)との間に設けられている。
【0094】図3は、画像記録装置の構成図の一例を示
した更に別の図であり、転写体(1)に反応性材料付与
手段(8)(スプレイノズル)により、反応性材料が塗
られる。反応性材料が塗られた転写体(1)に、インク
ジェットヘッド(3)により、記録が行なわれ、転写体
(1)上に画像が形成される。記録液は前処理液と反応
し高粘度状態となる。被記録材(4)は加圧ローラ
(6)と転写体(1)の間を搬送され、この際、転写体
(1)上の画像が被記録材(4)に転写される。転写体
(1)を清掃するクリーニング手段(5)が、転写部と
反応性材料付与手段(8)との間に設けられている。
【0095】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
実施例に記載の各成分の量(%)は特に記載のない場合
は重量%である。
【0096】(実施例1) 《記録液の調製》下記記録液処方にて混合攪拌した後、
pHが10.5になるように水酸化ナトリウムにて調整
した。その後、平均孔径0.1μmのメンブレンフィル
ターで濾過を行ない記録液組成物を得た。 [イエロー記録液1] C.I.アシッドイエロー23 2重量% N−メチル−2−ピロリドン 10重量% ポリエチレングリコール200 15重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量% 1,5,−ペンタンジオール 3重量% アルギン酸ナトリウム 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.4重量% イオン交換水 残量 [マゼンタ記録液1] C.I.アシッドレッド52 1.5重量% C.I.アシッドレッド254 1.5重量% N−メチル−2−ピロリドン 10重量% ポリエチレングリコール200 15重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量% 1,5,−ペンタンジオール 3重量% アルギン酸ナトリウム 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.4重量% イオン交換水 残量 [シアン記録液1] C.I.アシッドブルー9 1.5重量% Projet Fast Cyan2(アビシア社製) 1.5重量% N−メチル−2−ピロリドン 10重量% ポリエチレングリコール200 15重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量% 1,5,−ペンタンジオール 3重量% アルギン酸ナトリウム 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.4重量% イオン交換水 残量 [ブラック記録液1] C.I.フードブラック2 5重量% N−メチル−2−ピロリドン 10重量% ポリエチレングリコール200 15重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量% 1,5,−ペンタンジオール 3重量% アルギン酸ナトリウム 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.4重量% イオン交換水 残量
【0097】《反応性材料の調製》下記組成物を攪拌混
合し被記録材の反応性材料例1を作製し、pHが7にな
るようにトリエタノールアミンで調整した。 [反応性材料例1] カチオン性高分子化合物例1の化合物 20重量% (Rの炭素数は1、対イオンは塩素イオン:重量平均分子量8000) アクリットRKW−450 (大成化工製スチレン−アクリル樹脂エマルジョン) 10重量% ジエチレングリコール 20重量% 1,3−ジメチルイミダゾリジノン 20重量% ペンタクロロフェノール 0.5重量% イオン交換水 残量
【0098】《画像記録評価》上記反応性材料1を図1
に示す画像記録装置の反応性材料塗布用インクジェット
ヘッドに(2)に充填し、イエロー記録液1、マゼンタ
記録液1、シアン記録液1、ブラック記録液1を、画像
記録用インクジェットヘッド(3)から吐出できるよう
に充填した。それぞれのインクジェットヘッドには、P
ZTを用いたオンディマンド型のインクジエットヘッド
を用い、最高周波数16KHz、記録液の液滴体積14
pl、反応性材料の液滴体積5plで、画素密度600
dpiで、反応性材料も画像に従って中間転写体1に付
与し、画像記録を行なった。被記録材としては、市販の
コピー用紙(NBSリコー:マイペーパー)およびIJ
用光沢紙(コニカ製QPフォト光沢薄手QP20A4G
M)を用いた。
【0099】1)普通紙画像品質 普通紙画像の濃度、色境界にじみ、フェザリング、画像
裏抜けを目視にて総合的に官能評価した。すべてに優れ
ているものを○、1項目でも許容できないものを△、2
項目以上許容できないものを×とした。 2)普通紙画像耐水性 30℃の純水に普通紙画像を1分間浸漬した前後の画像
を目視にて官能評価した。変化のないものを◎、画像周
囲ににじみの少なく許容できるものを○、画像周囲にに
じみがあるものを△、画像が流れて認識できなくなるも
のを×として判定した。 3)光沢紙画像光沢性 光沢紙画像ベタ部の光沢性を目視により総合的に官能評
価した。ベタ画像部が地肌と同等以上の光沢感を持って
いるものを○、ベタ画像部が地肌より光沢感が損なって
いるものを×として判定した。 4)光沢紙画像定着性 クロックメータCM−1(東洋精機製)を用い、白綿布
(JISL0803綿号)により加重900gで光沢紙
画像部を5往復摩擦した前後の状態を目視により官能評
価した。変化のないものを◎、画像濃度低下はほとんど
なく、画像周囲の汚れも少なく許容できるものを○、画
像濃度低下は小さいが、画像周囲に汚れがあるものを
△、画像濃度低下および画像周囲の汚れが著しいものを
×、として判定した。評価結果を表2に示した。
【0100】(比較例1)中間転写体1に、実施例1で
用いたものと同様な被記録材を貼り付け、反応性材料の
付与をせずに、実施例1で用いた記録液を使用して、実
施例1と同様に画像を形成した。得られた画像を実施例
1と同様に評価を行なった。結果を表2に示した。
【0101】(比較例2)反応性材料例1のアクリット
RKW−450を除いた以外は実施例1と同様に画像を
形成した。得られた画像を実施例1と同様に評価を行な
った。結果を表2に示した。
【0102】(実施例2) 《顔料分散液の調製》下記分散液処方にて各色顔料の分
散液組成物を混合攪拌した後、直径2mmのジルコニア
ビーズを用い、ビーズミルにて8時間の分散を行ない、
顔料分散液を調製した。 [イエロー顔料分散液1] C.I.ピグメントイエロー74 15重量% ヘキシルアクリレート−メタクリル酸共重合体ナトリウム塩 3重量% ジエチレングリコール 15重量% イオン交換水(分散後の粒径最頻値118nm) 残量 [マゼンタ顔料分散液1] C.I.ピグメントレッド122 15重量% スチレン−ヘキシルアクリレート− メタクリル酸共重合体ジエタノールアミン塩 5重量% エチレングリコール 13重量% イオン交換水(分散後の粒径最頻値110nm) 残量 [シアン顔料分散液1] C.I.ピグメントブルー15:3 15重量% スチレン−ヘキシルアクリレートー メタクリル酸共重合体ジエタノールアミン塩 4重量% エチレングリコール 15重量% イオン交換水(分散後の粒径最頻値85nm) 残量 [ブラック顔料分散液1] カーボンブラック 15重量% ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体 3重量% ジエチレングリコール 15重量% イオン交換水(分散後の粒径最頻値120nm) 残量
【0103】《記録液の調製》下記記録液処方にて混合
攪拌した後、pHが9になるように水酸化リチウム10
%水溶液にて調整して記録液とした。その後、平均孔径
1.0μmのメンブレンフィルターで濾過を行ない記録
液組成物を得た。 [イエロー記録液2] イエロー顔料分散液1 26.7重量%(顔料4重量%) グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 10重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸ナトリウム塩 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量% マイクロジェルE−5002(樹脂エマルジョン) 3重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤) 0.2重量% イオン交換水 残量 [マゼンタ記録液2] マゼンタ顔料分散液 1 26.7重量%(顔料4重量%) グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 10重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸リチウム塩 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量% マイクロジェルE−5002(樹脂エマルジョン) 3重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤) 0.2重量% イオン交換水 残量 [シアン記録液2] シアン顔料分散液1 20重量%(顔料3重量%) グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 10重量% ジヘキシルスルホ琥珀酸塩(アニオン性界面活性剤) 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量% マイクロジェルE−5002(樹脂エマルジョン) 3重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤) 0.2重量% イオン交換水 残量 [ブラック記録液2] ブラック顔料分散液1 33.3重量%(顔料5重量%) グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 10重量% ジヘキシルスルホ琥珀酸塩(アニオン性界面活性剤) 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(浸透剤) 2重量% マイクロジェルE−5002(樹脂エマルジョン) 3重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム(防腐剤) 0.2重量% イオン交換水 残量
【0104】《反応性材料の調製》下記組成物を攪拌混
合し被記録材の反応性材料例2を作製し、pHが7にな
るように水酸化リチウムで調整した。 [反応性材料例2] PAA−HCl−10L(日東紡績製ポリアリルアミン塩酸塩) 15重量% アクリットRKW−450 10重量% (大成化工製スチレン−アクリル樹脂エマルジョン) グリセリン 20重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 5重量% 1,6−ヘキサンジオール 15重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 1重量% イオン交換水 残量
【0105】《画像記録評価》上記反応性材料2を図2
に示す画像記録装置の反応性材料塗布用ローラ装置
(7)に充填し、イエロー記録液2、マゼンタ記録液
2、シアン記録液2、ブラック記録液2を、画像記録用
インクジェットヘッド(3)から吐出できるように充填
した。インクジェットヘッドには、PZTを用いた長尺
のオンディマンド型のインクジエットヘッドを用い、最
高周波数60KHz、記録液の液滴体積8pl、で、画
素密度1200dpiで、反応性材料も画像に従って中
間転写体1に付与し、画像記録を行なった。被記録材と
しては、市販の普通紙(NBSリコー:マイペーパー)
およびIJ用光沢紙(コニカ製QPフォト光沢薄手QP
20A4GM)を用いた。反応性材料の中間転写体への
付着量は、湿潤付着量で1.3g/m中となるように
ローラの回転速度を調整した。得られた画像を実施例1
と同様に評価した。結果を表2に示した。
【0106】(比較例3)中間転写体1に、実施例2で
用いたものと同様な被記録材を貼り付け、反応性材料の
付与をせずに、実施例2で用いた記録液を使用して、実
施例2と同様に画像を形成した。得られた画像を実施例
2と同様に評価を行なった。結果を表2に示した。
【0107】(比較例4)反応性材料例2からアクリッ
トRKW−450を除いた以外は実施例2と同様に画像
を形成した。得られた画像を実施例1と同様に評価を行
なった。結果を表2に示した。
【0108】(実施例3) 《反応性材料の調製》下記記録液処方にて混合攪拌し、
反応性材料例3の調製を行なった。 [反応性材料例3] 硝酸マグネシウム 25重量% アルマテックスZ116 30重量% (三井化学製アクリル系エマルジョン:最低造膜温度7℃) グリセリン 8重量% ジエチレングリコール 10重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 2重量% イオン交換水 残量 上記反応性材料3を図1に示す画像記録装置の反応性材
料塗布用インクジェットヘッドに(2)に充填し、イエ
ロー記録液2、マゼンタ記録液2、シアン記録液2、ブ
ラック記録液2を、画像記録用インクジェットヘッド
(3)から吐出できるように充填した。実施例1と同様
に、それぞれのインクジェットヘッドには、PZTを用
いたオンディマンド型のインクジエットヘッドを用い、
最高周波数16KHz、記録液の液滴体積14pl、反
応性材料の液滴体積5plで、画素密度600dpi
で、反応性材料も画像に従って中間転写体1に付与し、
画像記録を行なった。被記録材としては、市販の普通紙
(NBSリコー:マイペーパー)およびIJ用光沢紙
(コニカ製QPフォト光沢薄手QP20A4GM)を用
いた。得られた画像を実施例1と同様に評価した。結果
を表2に示した。
【0109】(実施例4)《記録液の調製》下記組成物
を混合溶解し0.22μmのポリテトラフロロエチレン
系フッ素樹脂フィルターにより濾過し各色の記録液3を
製造した。 [イエロー記録液3] C.I.アシッドイエロー23 1重量% C.I.ダイレクトイエロー142 1重量% グリセリン 5重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量% カラギーナン 0.8重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 [マゼンタ記録液3] C.I.リアクティブレッド180 2重量% C.I.アシッドレッド52 1重量% グリセリン 5重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量% ポリビニルアルコール 1重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 [シアン記録液3] C.I.アシッドブルー249 2重量% C.I.ダイレクトブルー199 1重量% グリセリン 5重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量% ポリビニルアルコール 1重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 [ブラック記録液2] Projet Fast Black2 3重量% C.I.アシッドイエロー23 0.2重量% グリセリン 5重量% 2−ピロリドン 5重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 1重量% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量% カラギーナン 0.5重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0110】《反応性材料の調製》下記組成物を攪拌混
合し、反応性材料4を製造した。 [反応性材料4] ミリスチルジメチルベンザルコニウムクロライド 3重量% アクリットRKW−450 10重量% (大成化工製スチレン−アクリル樹脂エマルジョン) トリエチレングリコールモノブチルエーテル 20重量% 硼酸リチウム 5重量% ジエチレングリコール 5重量% プロピレングリコール 10重量% イオン交換水 残量
【0111】《画像記録評価》上記反応性材料4を図1
に示す画像記録装置の反応性材料塗布用インクジェット
ヘッドに(2)に充填し、イエロー記録液3、マゼンタ
記録液3、シアン記録液3、ブラック記録液3を、画像
記録用インクジェットヘッド(3)から吐出できるよう
に充填した。それぞれのインクジェットヘッドには、P
ZTを用いたオンディマンド型のインクジエットヘッド
を用い、最高周波数16KHz、記録液の液滴体積12
pl、反応性材料の液滴体積7plで、画素密度600
dpiで、反応性材料も画像に従って中間転写体1に付
与し、画像記録を行なった。被記録材としては、市販の
普通紙(NBSリコー:マイペーパー)およびIJ用光
沢紙(コニカ製QPフォト光沢薄手QP20A4GM)
を用いた。得られた画像を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示した。
【0112】(比較例5)中間転写体1に、実施例4で
用いたものと同様な被記録材を貼り付け、反応性材料の
付与をせずに、実施例4で用いた記録液を使用して、実
施例4と同様に画像を形成した。得られた画像を実施例
4と同様に評価を行なった。結果を表2に示した。
【0113】(比較例6)反応性材料例4のアクリット
RKW−450を除いた以外は、実施例4と同様に画像
を形成した。得られた画像を実施例4と同様に評価を行
なった。結果を表2に示した。
【0114】
【表2】
【0115】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の請求項1の反応性材料は、記録液の
1成分と溶解性や分散性を低下させうる化合物と造膜し
うるポリマー微粒子分散体を含有する反応性材料であ
り、転写体上で記録液と接触混合した後に、被記録材へ
転写されるため、従来被記録材へ直接記録できなかった
ような記録液も使用が可能となる。被記録材の種類・品
質によらず、フェザリング、カラーブリード等を防止で
き画像品質の向上が得られる。また画像が被記録材表面
へ転写され形成されるため、内部に浸透しにくいため、
画像の裏抜けを防止でき、被記録材の種類によらず、例
えば普通紙などへも両面印字が可能となる。また被記録
材表面を画像と共に造膜することで画像堅牢性を向上す
ることが可能となる。また、本発明の請求項2の反応性
材料は、記録液中の着色剤を不溶化または凝集せしめる
化合物を10〜80重量%含有し、にじみや裏ぬけとし
て現れる記録液中の着色剤そのものを不溶化または、凝
集せしめる効果があり、また被記録材表面を着色剤を被
覆して造膜することで特に画像品質、画像堅牢性を向上
せしめる効果が大である。また、本発明の請求項3の反
応性材料に含有するポリマー微粒子分散体の最低造膜温
度が25℃以下であることより、被記録材上で水分蒸発
と共に室温付近での造膜が可能となり、画像堅牢性を向
上することが比較的簡易な画像形成方法で可能となる。
また、本発明の請求項4の反応液は、水および水溶性の
液状化合物を20〜80重量%含有するが、記録液の溶
解性を低下するかあるいは分散性を低下せしめる化合物
は、一般にイオン性を有するなど親水性が強いため、反
応液で高濃度の化合物を含むにもかかわらず、水および
水溶性の液状化合物を20〜80重量%含有することに
より、反応液の溶解性を保つことができ、信頼性の高い
反応液の転写体への付与を可能とならしめる。また、本
発明の請求項5の反応性材料は、水の含有量が0〜40
重量%であり、水溶性液状化合物の含有量が20〜80
重量%の組成で構成され、水の含有量が比較的少なく、
且つ、水よりも高沸点である水溶性液状化合物の含有量
が多いため、ローラなどの前処理付与装置を、大気に開
放された状態で使用しても、反応性材料からの水分蒸発
量が少なくすることができ、且つ、親水性が強い記録液
の溶解性を低下するかあるいは分散性を低下せしめる化
合物の溶解性を水溶性液状化合物で保つことができるた
め、反応性材料の液の物性が安定し、信頼性の高い反応
性材料の転写体への付与が可能となる。また、本発明の
請求項6の反応性材料は、水の含有量を、含有する水溶
性液状化合物の50〜60%RHにおける平衡水分量以
下の組成で構成されるため、ローラなどの前処理付与装
置を、大気に開放された状態で使用しても、反応性材料
からの水分蒸発量が少ないために、付与量の経時や連続
使用による変化を小さくすることが可能になる。また、
本発明の請求項7の反応性材料は、界面活性剤および/
又は濡れ促進剤を含み、その表面張力が40mN/m以
下に調整されているので、反応性材料が転写体に付与さ
れた時に、単位面積当たりの反応性材料の付与量が少な
い場合にも転写体を均一に濡らすことができ、付与量が
少ない状態でも画像品質向上効果が大きい。本発明の請
求項8の反応性材料は、防腐・防かび剤が0.1〜5重
量%含まれている反応性材料であるが、本発明の方法の
ように、大気に開放系である付与装置である反応性材料
は腐敗しやすい。防腐剤を本発明の反応性材料に添加す
ることにより、反応性材料の腐敗、黴の発生を防止で
き、信頼性の高い反応性材料の提供が可能となる。本発
明の請求項9の反応性材料は、記録液の1成分の溶解性
や分散性を低下せしめる化合物として、カチオン性化合
物を含有するため、記録液として用いられている、アニ
オン性の染料や、アニオン性の分散剤などで分散された
アニオン性を有する顔料ばかりではなく、記録液に含ま
れるアニオン性の水溶性高分子化合物などのアニオン性
化合物との反応により、記録液を不溶化したり、凝集し
たりする能力が特に大きく、反応性材料を少量転写体に
付与した場合においても、画像品質の向上効果が大き
い。本発明の請求項10の反応性材料は、特定の構造の
カチオン性高分子化合物を含む反応性材料であるが、こ
れらのカチオン性高分子化合物の多くは、その溶液の粘
度が高いために、従来の反応性材料を付与するのにイン
クジェット法により液を吐出せしめて付与する方法に用
いることが困難であった。高粘度の反応性材料を使用す
る本発明の記録方法においては、これらのカチオン高分
子化合物を高濃度で含有する反応性材料を使用すること
ができ、これらの化合物により、普通紙に画像を記録し
た時の画像品質を著しく向上することが可能となる。本
発明の請求項11の反応性材料は、カチオン性化合物が
液媒体に粒子として分散されている反応性材料である
が、カチオン性粒子そのものが、アニオン性染料、アニ
オン性分散剤で分散された顔料又は染料、アニオン性基
で修飾された顔料、アニオン性着色微粒子から選ばれる
着色剤を含有する一般にインクジェット用記録液として
使用されている記録液の着色剤を不溶化したり、凝集せ
しめる効果を有するが、カチオン性粒子は、画像の定着
性、耐水性、耐光性、光沢性を向上するなど、カチオン
性粒子に所望の機能を付加することが容易にできる。特
に、カチオン性水溶性高分子化合物と併用する場合に
は、フェザリング、色境界にじみ、裏抜けなどの防止効
果と同時に、上記の付加機能を得ることができる。本発
明の請求項12の反応性材料は、カチオン性シリカが分
散されてなる反応性材料であるが、カチオン性シリカそ
のものが、一般にインクジェット用記録液として使用さ
れている記録液の着色剤を不溶化したり、凝集せしめる
効果を有し、画像品質を向上せしめる効果がある。更
に、カチオン性シリカを含む反応性材料では、反応性材
料付与、画像形成後の被記録材のべたつきを防止する効
果がある。特に、カチオン性水溶性高分子化合物と併用
する場合には、フェザリング、色境界にじみ、裏抜けな
どの防止効果と同時に、上記の付加機能を得ることがで
きる。本発明の請求項13の反応性材料は、カチオン性
エマルジョンを含む反応性材料であり、エマルジョンそ
のものが、一般にインクジェット用記録液として使用さ
れている記録液の着色剤を不溶化したり、凝集せしめる
効果を有するが、更に、水に不溶の樹脂化合物、紫外線
吸収剤、酸化防止剤をエマルション中に含有させるなど
により、画像の定着性、耐水性、耐光性、光沢性を向上
するなど、反応性材料に所望の機能を付加することが容
易にできる。特に、カチオン性水溶性高分子化合物と併
用する場合には、フェザリング、色境界にじみ、裏抜け
などの防止効果と同時に、上記の付加機能を得ることが
できる。本発明の請求項14の反応性材料は、記録材中
の少なくとも一つの成分を不溶化せしめる化合物とし
て、炭素数6以上のアルキル基を有するイオン性化合物
を含む反応性材料であるが、炭素数6以上のアルキル基
を有するイオン性化合物そのものが、一般にインクジェ
ット用記録液として使用されている記録液の着色剤を不
溶化したり、凝集せしめる効果を有する。更に、炭素数
6以上のアルキル基を有するイオン性化合物は、その界
面活性効果により、反応性材料の転写体への濡れ性を向
上する効果があり、反応性材料を転写体に均一に付着さ
せることができるため、反応性材料の転写体への付与量
が少ない場合においても、画像品質を大きく改善する効
果をもたらす。特に、カチオン性水溶性高分子化合物と
併用して用いた場合においても、炭素数6以上のアルキ
ル基を有するカチオン性化合物は、カチオン性水溶性高
分子化合物を不溶化せしめる効果が弱く、反応性材料の
溶解性を保ちながら、転写体への濡れ性を高めることが
できる。本発明の請求項15の反応性材料は、水溶性の
多価金属塩を含む反応性材料であるが、多価金属そのも
のが、一般にインクジェット用記録液として使用されて
いる記録液の着色剤を不溶化したり、凝集せしめる効果
を有する。更に、多価金属は、特に染料系記録液と組み
合わせて用いることにより、画像の耐光性を向上する効
果を有する。本発明の請求項16の反応性材料は、記録
液中の着色剤を不溶化または凝集せしめる化合物を10
〜80重量%含有し、粘度が20〜10000mPas
・secであり、にじみや裏ぬけとして現れる記録液中の
着色剤そのものを不溶化または、凝集せしめる効果があ
り、特に画像品質を向上せしめる効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像記録装置の構成図の一例を
示した図である。
【図2】本発明における画像記録装置の構成図の一例を
示した別の図である。
【図3】本発明における画像記録装置の構成図の一例を
示した更に別の図である。
【符号の説明】
1 転写体 2 反応液塗布用インクジェットヘッド 3 画像記録用インクジェットヘッド 4 被記録材 5 クリーニング装置 6 加圧ローラ 7 反応液塗布用ローラ装置 8 反応液塗布用スプレイノズル 9 搬送ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 格二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 広瀬 武貞 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 有田 均 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA02 BA05 BA51 BA59 BA60 BA62 4J039 AD03 AD05 AD08 AD09 AD10 AD12 AD15 AD23 AE01 AE05 AF07 BA12 BC33 BC44 BE01 BE02 BE19 BE22 BE28 CA06 EA18 EA21 EA33 EA35 EA36 EA38 EA43 EA47 EA48 GA05 GA24

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤を含んでなる記録液
    を、画像信号に応じて液滴として吐出し、転写体上に付
    与する工程(A)と、記録液中の少なくとも1成分と反
    応しうる化合物を含有する反応性物質を、転写体上に付
    与する工程(B)と、該記録液と該反応性材料とを転写
    体上で接触混合せしめる工程(C)と、該混合物を被記
    録材に転写する工程(D)、とを有する画像形成方法に
    用いられる反応性材料であって、該反応性物質が記録液
    中の少なくとも1成分の溶解性や分散性を低下させうる
    化合物を含有し、かつ該反応性材料が、造膜しうるポリ
    マー微粒子分散体を含有することを特徴とする反応性材
    料。
  2. 【請求項2】 反応性材料が、着色剤の溶解性や分散性
    を低下させうる化合物を10〜80重量%、かつ造膜し
    うるポリマー微粒子分散体を1〜70重量%含有し、外
    観が無色もしくは薄色であることを特徴とする請求項1
    に記載の反応性材料。
  3. 【請求項3】 造膜しうるポリマー微粒子分散体が、最
    低造膜温度25℃以下の樹脂エマルジョンであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の反応性材料。
  4. 【請求項4】 水および水溶性の液状化合物を20〜8
    0重量%含有することを特徴とする請求項3に記載の反
    応性材料。
  5. 【請求項5】 水の含有量が0〜40重量%であり、水
    溶性液状化合物の含有量が20〜80重量%であること
    を特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の反応性
    材料。
  6. 【請求項6】 水の含有量を、含有する水溶性液状化合
    物の50〜60%RHにおける平衡水分量以下とし、開
    放された反応性材料の付与装置で使用しても、該相対湿
    度においては反応性材料からの水分蒸発が生じないよう
    にしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記
    載の反応性材料。
  7. 【請求項7】 界面活性剤および/又は濡れ促進剤を含
    み、その表面張力が40mN/m以下に調整されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1に記載の反
    応性材料。
  8. 【請求項8】 防腐・防かび剤が0.1〜5重量%含ま
    れていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1に
    記載の反応性材料。
  9. 【請求項9】 記録液が少なくともアニオン性化合物を
    含有し、該アニオン性化合物の溶解性や分散性を低下せ
    しめる化合物が、カチオン性化合物であることを特徴と
    する請求項1乃至8の何れか1に記載の反応性材料。
  10. 【請求項10】 カチオン性化合物が下記式で示される
    化合物であることを特徴とする請求項9に記載の反応性
    材料。 【化1】 (Xはハロゲンイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、
    酢酸イオン等の陰イオン、 Rは炭素数1〜3のアルキ
    レン基、nは独立の整数)
  11. 【請求項11】 カチオン性化合物が液媒体に粒子とし
    て分散されていることを特徴とする請求項9に記載の反
    応性材料。
  12. 【請求項12】 液媒体に粒子として分散されているカ
    チオン性化合物がカチオン性シリカであることを特徴と
    する請求項11に記載の反応性材料。
  13. 【請求項13】 液媒体に粒子として分散されているカ
    チオン性化合物がカチオン性エマルジョンであることを
    特徴とする請求項11に記載の反応性材料。
  14. 【請求項14】 記録液中の少なくとも1成分の溶解性
    や分散性を低下させる化合物が、炭素数6以上のアルキ
    ル基を有するイオン性化合物であることを特徴とする請
    求項1乃至7の何れか1に記載の反応性材料。
  15. 【請求項15】 記録液中の少なくとも1成分の溶解性
    や分散性を低下させる化合物が、水溶性の多価金属塩で
    あることを特徴とする請求項14に記載の反応性材料。
  16. 【請求項16】 着色剤の溶解性や分散性を低下させう
    る化合物を10〜80重量%含有し、粘度が20〜10
    000mPa・secであり、外観が無色もしくは薄色
    の液であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれ
    か1に記載の反応性材料。
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