JP2009220299A - インクジェット記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色材移動、カールの発生を抑制することができるインクジェット記録装置および記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】微粒子が溶媒に分散した微粒子含有液を記録媒体114に付与する微粒子含有溶液付与手段130と、微粒子含有溶液中の溶媒を乾燥させる微粒子含有溶液乾燥手段132と、乾燥後の微粒子上に色材と反応する成分を含有する処理液を付与する処理液付与手段136と、処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段138と、乾燥後の処理液が付着した記録媒体に、インクを吐出させるインクヘッド140と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置100である。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット記録装置および記録方法に係り、特に、記録媒体にインクと反応液を付着させて印字を行うインクジェット記録装置および記録方法に関する。
インクジェット記録装置は、多数のノズル(吐出口)を有する記録ヘッドを備え、各ノズルからインク液を吐出することによって、記録媒体上に所望の画像を形成するものである。この記録装置は、多種態様の記録媒体に対して、高品位な画像を記録できることから、幅広い応用分野で利用されている。
また、近年においては、さらに、高品位画質化が求められており、記録媒体へ直接インクジェットで吐出を行う場合には、次のような課題があった。記録される画像に対する課題としては、滲み、裏移り、光学濃度の低下など、それ以外の課題として、紙のカール、色材の定着性などがあった。
これに対し、下記の特許文献1に記載されている記録方法は、インクとは別に、インク中の色材と反応する反応液を記録媒体へ付着させる工程と、インクの打滴工程と、印刷後に記録媒体を極性溶媒で洗浄する工程と、を含む記録方法である。反応液にカチオン性無機微粒子および/またはカチオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶剤を含み、色材の定着性、耐擦性、耐候性、耐光性を向上させることができることが記載されている。
特開2002−225414号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、印刷用のコート紙(非インクジェット専用紙)に高速で印刷を行った場合、インク中の色材と反応する液体(処理液)を用いることによりある程度のにじみは防げるが、以下のような課題があった。
色材移動:処理液を用いることにより、処理液の液膜中にインク滴を打ち込むことになるため、色材が記録媒体と接触せず、処理液中に浮遊した状態になり、ドットが所望の位置に形成できなかった(ドット浮遊)。また、インク打滴時に処理液が浸透していたとしても、凝集した色材と記録媒体との密着性(アンカリング)が弱いため色材が動くことがあった(色材変形)。
カール:水系のインクを用いて高速で描画しているため、紙がカールを起こしやすい。微粒子を処理液に含有しているため、インクの溶媒の紙内部への浸透は微粒子により幾分遅くなるが、処理液自体の浸透が避けられないため、結果としてカールが起こってしまった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上記課題の中でも特に、色材移動を抑制することができるインクジェット記録装置および記録方法を提供する。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、微粒子が溶媒に分散した微粒子含有液を記録媒体に付与する微粒子含有溶液付与手段と、前記微粒子含有溶液中の溶媒を乾燥させる微粒子含有溶液乾燥手段と、前記乾燥後の微粒子上に色材と反応する成分を含有する処理液を付与する処理液付与手段と、前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段と、前記乾燥後の処理液が付着した記録媒体に、インクを吐出させるインクヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
請求項1によれば、微粒子含有液を付与した後、および処理液を付与した後に、乾燥を行い、塗布後の液中の溶媒を除去している。したがって、次のインクジェットによるインクの付与において、インクと記録媒体が直接触れるため、ドットの浮遊を防止することができるので、凝集した色材の移動を防止することができる。
また、処理液を付与する前に、微粒子含有溶液を付与しているため、微粒子含有溶液を付与後、乾燥することにより、記録媒体表面に微粒子の凹凸を形成することができるので、水平方向のアンカリング力を発現させることができるので、色材変形を抑制することができる。
請求項2は請求項1において、前記微粒子含有液中に、さらに樹脂を含有していることを特徴とする。
請求項2によれば、微粒子含有液中に、樹脂を含有しているため、微粒子含有溶液を乾燥することにより、樹脂が記録媒体上で皮膜を形成することができる。したがって、その後の処理液、インクの溶媒が記録媒体に浸透することを防止することができるので、カールの発生を抑制することができる。
請求項3は請求項2において、前記微粒子のガラス転移温度をTg1、前記樹脂のガラス転移温度をTg2、前記微粒子含有溶液を乾燥させる温度をT1としたとき、Tg1>T1>Tg2であることを特徴とする。
請求項3によれば、微粒子含有溶液の乾燥温度T1を、微粒子のガラス転移温度Tg1より高く、樹脂のガラス転移温度Tg2より低くすることにより、微粒子含有溶液の乾燥により、樹脂のみを溶融させることができる。したがって、上記温度範囲で微粒子含有溶液の乾燥を行うことにより、記録媒体上に樹脂の皮膜を形成し、溶媒の記録媒体への浸透を防止し、微粒子は形状を保ったまま記録媒体上で凹凸を形成することができるので、色材移動、カールの発生を防止することができる。
請求項4は請求項1から3いずれかにおいて、前記インクが付与された記録媒体を加熱する加熱定着手段を備え、前記微粒子のガラス転移温度をTg1、加熱定着手段の加熱温度をT2としたとき、Tg1<T2であることを特徴とする。
請求項4によれば、加熱定着手段を備え、この加熱定着手段の温度T2を微粒子のガラス温度Tg1より大きくすることにより、加熱定着手段において、微粒子を溶融させることができる。微粒子を溶融させることにより、インクと樹脂により形成された皮膜(以下、「浸透抑制層」ともいう)、皮膜と記録媒体の定着性を向上させることができるので、色材移動を防止することができる。
請求項5は請求項2から4いずれかにおいて、前記微粒子の粒子径をφ1、前記樹脂の粒子径をφ2としたとき、φ1>φ2であることを特徴とする。
請求項5によれば、樹脂の粒子径が小さいため、記録媒体上に浸透抑制剤としての皮膜が形成しやすくなり、また、微粒子の粒径を大きくすることにより、皮膜が形成されても、微粒子の粒径が大きいため、凹凸を形成することができる。
請求項6は請求項1から5いずれかにおいて、前記微粒子の付与量が0.1g/m以上3.0g/m以下であり、請求項7は請求項6において、前記微粒子の付与量が0.3g/m以上2.0g/m以下であることを特徴とする。
請求項6および請求項7は、微粒子の付与量を規定したものであり、記録媒体上に色材移動を防止するための凹凸を形成するためには、微粒子の付与量を0.1g/m以上3.0g/m以下とすることが好ましく、より好ましくは0.3g/m以上2.0g/m以下である。
請求項7は前記目的を達成するために、色材と反応する成分を含有する処理液とインクとの両方を付着させるインクジェット記録方法において、微粒子が溶媒に分散した微粒子含有液を記録媒体に付与する微粒子含有溶液付与工程と、前記微粒子含有溶液中の溶媒を乾燥させる微粒子含有溶液乾燥工程と、前記処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥工程と、前記インクを打滴するインク打滴工程と、を有することを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
請求項7は請求項1に記載のインクジェット記録装置をインクジェット記録方法として展開したものであり、本発明のインクジェット記録方法によれば、インクジェット記録装置と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、インクの付与前に乾燥手段を備えているため、インクを付与する際には溶媒を除去することができているため、インクのドット浮遊を防止することができる。また、処理液を付与する前に、微粒子含有溶液を付与し、乾燥することにより、記録媒体上に微粒子の凹凸を形成することができるので、色材の移動を防止することができる。さらに、樹脂を用いて記録媒体上に皮膜を形成し、溶媒の記録媒体への浸透を防止することができるので、カールの発生を抑制することができる。以上より、色材の定着性が良好で、カールの発生を抑制したインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、添付図面に従って、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置100の概略構成を示す全体構成図である。図1に示すインクジェット記録装置(画像記録装置)100は、記録媒体114の片面のみに印刷可能な片面機である。このインクジェット記録装置100は、記録媒体114を供給する給紙部102と、記録媒体114に対して微粒子含有溶液を付与する微粒子含有溶液付与部104と、記録媒体114に処理液を付与する処理液付与部106と、記録媒体114に色インクを付与して画像形成を行う印字部108と、記録媒体114を加熱し色インクを定着させる加熱定着部110と、画像が形成された記録媒体114を搬送して排出する排紙部112とから主に構成される。
給紙部102には、記録媒体114を積載する給紙台120が設けられている。給紙台120の前方(図1において左側)にはフィーダボード122が接続されており、給紙台120に積載された記録媒体114は1番上から順に1枚ずつフィーダボード122に送り出される。フィーダボード122に送り出された記録媒体114は、図1における時計回り方向に回転可能に構成された渡し胴124aを介して、微粒子含有溶液付与部104の圧胴126aの表面(周面)に給紙される。渡し胴124a、圧胴126aには、グリッパーが備えられており、記録媒体114はグリッパーに保持され、渡し胴124a、圧胴126aの周面上を回転する。
微粒子含有溶液付与部104には、圧胴126aの回転方向(記録媒体114の搬送方向;図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126aの表面(周面)に対向する位置に、用紙予熱ユニット128、微粒子含有溶液ヘッド130、及び微粒子含有溶液乾燥ユニット132がそれぞれ設けられている。
微粒子含有溶液ヘッド130は、圧胴126aに保持される記録媒体114に対して微粒子含有溶液を打滴するものであり、後述する印字部108の各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bと同一構成が適用される。
本例では、記録媒体114の表面に対して微粒子含有溶液を付与する手段として、インクジェットヘッドを適用したが、微粒子含有溶液を付与する手段については特に本例に限定されるものではない。例えば、スプレー方式、塗布方式などの各種方式を適用することも可能である。
<微粒子含有溶液>
微粒子含有溶液ヘッド130のより付与される微粒子含有溶液は、記録媒体114上に凹凸を形成させる微粒子が分散した溶液である。記録媒体114上に付与された微粒子含有溶液は、次の微粒子含有溶液乾燥ユニット132により、乾燥され溶媒を除去されることにより、記録媒体114上に微粒子の凹凸が形成される。これにより、記録媒体114上に付与された色材の移動を防止することができる。
また、微粒子含有溶液中には樹脂を含有させることが好ましく、含有させる状態は、エマルジョンの状態で分散させても良く、樹脂を溶解させた状態で含有させることができる。樹脂を含有させることにより、次の微粒子含有溶液乾燥ユニット132により溶媒を除去することで、記録媒体114上に樹脂の皮膜を形成することができる。したがって、処理液、インクを付与した際に、溶媒が記録媒体114中に浸透することを防止することができ、カールの発生を抑制することができる。樹脂をエマルジョンの状態で分散させる場合、樹脂の粒子径(直径)は微粒子の粒子径より小さいことが好ましい。樹脂の粒子径を小さくすることにより、樹脂が記録媒体上に敷き詰められ、皮膜化を良好に行うことができる。なお、樹脂を溶媒に溶解させた状態で含有させた場合は、樹脂の粒径は0と考える。
なお、本発明において、「樹脂」と「微粒子」は、単に溶融性の違いを示しているものであり、皮膜化させることで浸透抑制層を形成する物質を「樹脂」、インクを打滴時においても、粒子形状を保っているものを「微粒子」といい、区別している。
≪微粒子≫
本発明で用いられる微粒子は実質的に白色または透明であることが好ましく、粒子径(直径)は、0.1μm以上10μm以下が好ましく、さらに0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。また微粒子の付与量は、0.1g/m以上3.0g/m以下が好ましく、さらに、0.3g/m以上2.0g/m以下であることが好ましい。また、微粒子の粒子径および付与量は、顔料の粒子径に応じて調整することが好ましい。なお、微粒子付与量が1g/mである場合の濃度は全可視領域(400nm〜800nm)において0.1以下であることが好ましい。濃度がこれ以上であると本発明の効果を発揮した場合に、最終画像に不必要な色が乗ってしまうことがあるからである。
以下に好ましい微粒子の具体例を記載する。微粒子含有溶液中に含有させることができる微粒子としては、無機微粒子、ワックスなどの低分子有機化合物微粒子、ポリマー微粒子、有機化合物などを含有したマイクロカプセルなどを挙げることができる。
本発明で用いられる無機微粒子の具体例としては二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化錫、酸化アルミニウムなどの無機顔料、無機結晶、アルミニウム、銀、プラチナなどの金属微粒子、シリコンオイルなどの無機液体が挙げられる。低分子有機化合物微粒子としてはワックス状のもの、結晶状のもの、液体状のものが挙げられ、中でもワックス状のものが好ましい。ワックスとしては、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、アルコールワックス、ポリエチレンワックス、PTFEワックス、合成酸化ワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。ポリマー微粒子としては、下記の動的貯蔵弾性特性を満たすものであればいずれのポリマー微粒子を使用することができるが、例えばポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニル、ポリアクリル、ポリハロオレフィン、ポリジエン、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリイミン、ポリシロキサン、ポリフォスファゼン、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンの単独重合体や供重合体が挙げられる。マイクロカプセルとしてはウレタン系のマイクロカプセルが挙げられ、含有されるものとしてはリン酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステルなどの可塑剤や、アクリレートなどの重合性モノマーなどが用いられる。
これらの微粒子の中でもポリマー微粒子が好ましく用いられる。中でも以下に示す動的貯蔵弾性特性を有するポリマー微粒子が特に好ましく用いられる。本発明では80℃での動的貯蔵弾性率をG’(80℃)、150℃での動的貯蔵弾性率をG’(150℃)とした時、Log[G’(80℃)/G’(150℃)]≦2.0の関係を満たすポリマー微粒子が好ましく用いられる。より好ましくは1.0以下であり、更に好ましくは0.75以下である。本発明において、ポリマー微粒子の動的貯蔵弾性率とはポリマー微粒子を粉体化して測定した動的貯蔵弾性率のことである。動的貯蔵弾性率G’はポリマー微粒子分散物を凍結乾燥機で粉体化し、錠剤成形機で約直径10mmの円柱型の錠剤を作製し、Anton Paar社製 粘弾性測定装置Physica MCR301にて測定した。測定条件は粉体化したポリマーを150℃昇温した後、直径8.0mmのパラレルプレートを用い、各周波数ω=6.28 rad/sec(1Hz)、ひずみ角0.1°、ギャップ1.0mmで150℃から20℃まで3℃/分で降温しながら測定を行った。
G’(150℃)としては1.0×10〜1.0×10Paが好ましく、より好ましくは1.0×10〜1.0×10Paである。また、G’(80℃)としては1.0×10〜1.0×10Paが好ましく、より好ましくは1.0×10〜1.0×10Paである。
上記ポリマー微粒子の中でも、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニル、ポリアクリル、ポリハロオレフィン、ポリジエン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリイミンの単独重合体あるいはその供重合体が好ましく、更に好ましくはポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリハロオレフィン、ポリジエン、ポリエーテル、ポリエチレンの単独重合体あるいはその供重合体であり、特に好ましくはポリスチレン、ポリアクリルの単独重合体あるいはその供重合体であり、スチレン−アクリル共重合体が好ましい。また、本発明の動的貯蔵粘弾性特性を満たす化合物としはスチレンが50%以上含まれていることが好ましい。
ポリスチレンを構成するスチレンモノマー誘導体としは具体的には、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレンなどが挙げられる。ポリアクリルを構成するモノマーとしてはアクリル酸およびそのエステル、アミド、メタクリル酸およびそのエステル、アミドが挙げられる。
アクリル酸エステル類としてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレートなどが挙げられ、アクリル酸アミド化合物としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどが挙げられ、メタクリル酸エステル類としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
また、ポリスチレンやポリアクリルと共重合可能な成分であれば共重合成分として含有されていてもよく、例えば、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニルなど)、ビニルシアン化合物類(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど)、ハロゲン化単量体類(例えば、塩化ビニリデン、塩化ビニルなど)、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレン)、ジエン類(例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど)ビニル単量体類(例えば、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドンなど)などが挙げられる。
また、ポリマー微粒子の分散安定化効果を向上させるモノマーとしてアニオン性ポリマーやカチオン性ポリマーを有していてもよい。アニオン性モノマーとはマイナスの電荷を持ちうるアニオン性基を含んでいるモノマー化合物のことを表している。アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
ポリマーの質量平均分子量は1000〜100万であり、より好ましくは1万〜100万であり、更に好ましくは2万〜50万であり、特に好ましくは4万〜50万である。
≪樹脂≫
本発明で用いる樹脂のガラス転移温度Tg2は、−10℃〜100℃が好ましく、10℃〜70℃がより好ましく、30℃〜50℃がさらに好ましい。ガラス転移温度が低いと吐出の際にノズル面近傍で皮膜を形成しやすくなり、吐出の安定性が低下する、という問題がある。また、ガラス転移温度が高いと皮膜を形成する際に多大な熱をかける必要があるため好ましくない。樹脂は後述する溶媒に溶解若しくは粒子状態で分散されている形態で含有させることができるが、粒子状態で分散させた方が溶液全体の粘度を下げることができるので、記録媒体上に均一に付与することができるので好ましい。粒子の場合には粒子径は、0.01μm〜5μmの範囲が好ましく、0.05μm〜1μmの範囲がさらに好ましい。粒子径が小さすぎると紙の内部に粒子が浸透してしまって表面で皮膜が形成できない、という問題があり、粒子径が大きすぎると、熱をかけても十分な皮膜を形成できない、吐出時にノズルに粒子が詰まる、という問題がある。樹脂の質量パーセント濃度は、1〜40質量%の範囲が好ましく、5〜30質量%の範囲がさらに好ましく、10〜20質量%の範囲がさらに好ましい。濃度が低いと樹脂同士が十分に皮膜を形成せず、一部に欠陥が出来てしまう、という問題があり、濃度が高いと液の保存安定性が悪い(樹脂が析出する)、粘度が高すぎる、という問題がある。
本発明で用いる樹脂は上記を満たすものであればいずれでも良く、具体的には、オレフィン重合体及び共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び共重合体、スチレン及びその誘導体の重合体及び共重合体、オレフィン−スチレンオレフィン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキルビニルエ−テル共重合体、アクリル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エステル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、複素環を含有する共重合体(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキセタン環など)、セルローズ系樹脂、脂肪酸変性セルローズ系樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
≪溶媒≫
次に、微粒子を分散させ、樹脂を溶解若しくは分散させる非水溶媒について説明する。本発明に用いる非水溶媒としては、微粒子を分散させ、樹脂を安定的に溶解若しくは分散させておくことができ、それ自身が記録媒体に浸透してもカールを起こさない、若しくはカールが軽微であるものであればよい。具体的には、直鎖状もしくは分枝状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、及びこれらのハロゲン置換体を用いることができる。例えばオクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)などを単独あるいは混合して用いることができる。
用紙予熱ユニット128及び微粒子含有溶液乾燥ユニット132には、それぞれ所定の範囲で温度制御可能なヒータが設けられる。圧胴126aに保持された記録媒体114は、用紙予熱ユニット128や微粒子含有溶液乾燥ユニット132に対向する位置を通過する際に、これらユニットのヒータによって加熱される。また、圧胴126aにヒータなどの発熱体を設置するという方法や、記録媒体114の上面から熱風を当てるという方法、赤外線ヒータなどを用いた加熱などを挙げることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。また、記録媒体114の種類(材質、厚みなど)や環境温度などによって記録媒体の表面温度が変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部を持つことが好ましい。さらに、計測部により記録媒体の表面温度を計測し、その値を加熱部へフィードバックする機構をもつことが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触または非接触の温度計が好ましい。
記録媒体の温度は、微粒子含有溶液乾燥ユニット132における記録媒体114の温度をT1、微粒子のガラス転移温度をTg1、樹脂のガラス転移温度Tg2の関係を、Tg1>T1>Tg2とすることが好ましい。また、記録媒体114の温度T1と、樹脂のガラス転に温度との差Tg2との差は、10〜20℃であることが好ましい。各温度の関係を上記のようにすることで、微粒子含有溶液乾燥ユニット132において、樹脂のみを溶融させることができるので、記録媒体114表面に、樹脂が溶融したことによる浸透抑制層と、溶融せずに形状を保った微粒子による凹凸を形成することができる。
微粒子含有溶液付与部104の後段(記録媒体114の搬送方向下流側)には、処理液付与部106が設けられている。微粒子含有溶液付与部104の圧胴126aと処理液付与部106の圧胴126bとの間には、これらに対接するようにして渡し胴124bが設けられている。かかる構造により、微粒子含有溶液付与部104の圧胴126aに保持された記録媒体114は、微粒子含有溶液の付与、乾燥が行われた後に、図1における時計回り方向に回転可能に構成された渡し胴124bを介して処理液付与部106の圧胴126bに受け渡される。
処理液付与部106には、圧胴126bの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126bの表面に対向する位置に、用紙予熱ユニット134、処理液ヘッド136、及び処理液乾燥ユニット138がそれぞれ設けられている。
処理液付与部106の各部(用紙予熱ユニット134、処理液ヘッド136、及び処理液乾燥ユニット138)については、上述した微粒子含有溶液付与部104の用紙予熱ユニット128、微粒子含有溶液ヘッド130、及び微粒子含有溶液乾燥ユニット132とそれぞれ同様の構成が適用されるため、ここでは説明を省略する。もちろん、微粒子含有溶液付与部104と異なる構成を適用することも可能である。
本例で用いられる処理液は、処理液付与部106の後段に設けられる印字部108が具備する各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bから記録媒体114に向かって吐出されるインクに含有される色材(顔料もしくは染料)を凝集もしくは増粘させる成分を含有する液である。
<処理液>
処理液としては、具体的には、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液などを挙げることができる。そして、インクと処理液とを反応させる手段としては、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることで、インクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし、顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法などが挙げられる。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、本発明に用いられる処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
本発明に用いられる処理液はインクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
本発明に用いられる処理液の中における、インクの顔料およびポリマー微粒子を凝集させる成分の添加量としては、液体の全重量に対し、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましい。0.01重量%以下の場合は処理液とインクが接触時に、濃度拡散が十分に進まずpH変化による凝集作用が十分に発生しないことがある。また20重量%以上であると、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
本発明に用いられる処理液は、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水、その他添加剤溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水、その他添加剤溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
これらの溶媒は、水,その他添加剤と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
水、その他添加剤溶性有機溶媒の含有量は処理液の全重量に対し、60重量%以下であることが好ましい。60重量%以上よりも多い場合は処理液の粘度が増加し、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分をさらに含有してもよい。樹脂成分は、処理液をインクジェット方式によって打滴する場合ヘッドからの吐出性を損なわないもの、保存安定性があるものであればよく、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンなどを自由に用いることができる。
樹脂成分としては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ビニル系、スチレン系等が考えられる。定着性向上といった機能を充分に発現させるには、比較的高分子のポリマーを高濃度1重量%〜20重量%に添加することが必要である。しかし、上記材料を液体に溶解させて添加しようとすると高粘度化し、吐出性が低下する。適切な材料を高濃度に添加し、かつ粘度上昇を抑えるには、ラテックスとして添加する手段が有効である。ラテックス材料としては、アクリル酸アルキル共重合体、カルボキシ変性SBR(スチレン−ブタジエンラテックス)、SIR(スチレン−イソプレン)ラテックス、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエンラテックス)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンラテックス)、等が考えられる。ラテックスのガラス転移点Tgはプロセス上、定着時に影響の強い値で、常温保存時の安定性と加熱後の転写性を両立するために、50℃以上120℃以下であることが好ましい。さらに最低造膜温度MFTはプロセス上、定着時に影響の強い値で、低温で充分な定着を得る為に100℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。
インクと逆極性のポリマー微粒子を処理液に含ませ、インク中の顔料及びポリマー微粒子と凝集させることによってさらに凝集性を高めてもよい。
また、インクに含まれるポリマー微粒子成分に対応した硬化剤を処理液に含有し、二液が接触後、インク成分中の樹脂エマルジョンが凝集するとともに架橋又は重合するようにして、凝集性を高めてもよい。
本発明に用いられる処理液は、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて記録媒体上でのぬれ性を高めるのに効果がある。また、インクを先立って打滴する場合においてもインク上でのぬれ性を高め、二液の接触面積の増加により効果的に凝集作用がすすむ。
本発明に係る処理液の表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、また、記録媒体上でのぬれ性と液滴の微液滴化および吐出性の両立の観点から、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
本発明に用いられる処理液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線、吸収剤、等も添加することができる。
処理の付与方法としては、インクジェット方式による打滴、スプレー塗布、ローラ塗布などが好適に用いられる。特に、インクジェット方式による打滴では、後述する色材入りインクの打滴箇所およびその周辺にのみ選択的に付与することができるので、好適に用いることができる。
また、微粒子含有溶液付与部104にて付与される微粒子含有溶液中に樹脂が含まれている場合には、記録媒体114表面に樹脂による浸透抑制層が形成されているため、処理液中の溶媒が記録媒体114の内部へ浸透することを抑制、結果的に記録媒体114のカールを抑制することができる。
処理液乾燥ユニット138のヒータの加熱温度は、圧胴126bの回転方向上流側に配置される処理液ヘッド136の吐出動作によって記録媒体114の表面に付与された処理液を乾燥させて、記録媒体114上に固体状又は半固溶状の凝集処理剤層(処理液が乾燥した薄膜層)が形成されるような温度に設定される。
ここでいう「固体状または半固溶状の凝集処理剤層」とは、以下に定義する含水率が0〜70%の範囲のものを言うものとする。
Figure 2009220299
含水率の測定方法としては、100mm×100mmの大きさの用紙を切り出し、処理液付与後の総重量(用紙+乾燥前処理液)と乾燥後の総重量(用紙+乾燥後の処理液)を測定し、重量の減少分を測定することで、残水分量を計算した。また、乾燥前の水分量は処理液の調整処方からの計算値を用いた。
インク打滴に先立って処理液を付与する場合、インクが処理液の液体層に着弾するとインク凝集時にインク(色材)が処理液中に浮遊(移動)してしまい、高画質化を追求する場合、画質が悪化することがある。処理液に対するインクの色材浮遊(移動)を防止するためには、処理液を付与後、インク打滴前に、処理液を乾燥蒸発させて処理液を固体状または半固溶状にすることが有効である。これを処理液中の含水率で評価した結果、下記の表1のように処理液の含水率を70%以下まで固体または半固溶状に蒸発乾燥させるとインクの色材浮遊によるドット移動が目立たなくなり、さらには50%以下になると目視によるドット移動の確認が出来ない良好なレベルとなり、画像劣化の防止が可能である実験結果が得られた。
Figure 2009220299
本例の如く、記録媒体114上に処理液が付与される前に、用紙予熱ユニット134のヒータによって記録媒体114を予備加熱する態様が好ましい。この場合、処理液の乾燥に要する加熱エネルギーを低く抑えることが可能となり、省エネルギー化を図ることができる。
処理液付与部106の後段には印字部108が設けられている。処理液付与部106の圧胴126bと印字部108の圧胴126cとの間には、これらに対接するようにして、図1の時計回り方向に回転可能に構成された渡し胴124cが設けられている。かかる構造によって、処理液付与部106の圧胴126bに保持された記録媒体114は、処理液が付与されて固体状又は半固溶状の凝集処理剤層が形成された後に、渡し胴124cを介して印字部108の圧胴126cに受け渡される。
印字部108には、圧胴126cの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126cの表面に対向する位置に、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(黒)、R(赤)、G(緑)、B(青)の7色のインクにそれぞれ対応したインクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bと、溶媒乾燥ユニット142a、142bがそれぞれ設けられている。
各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bは、上述した微粒子含有溶液ヘッド130や処理液ヘッド136と同様に、インクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)が適用される。即ち、各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bは、それぞれ対応する色インクの液滴を圧胴126cに保持された記録媒体114に向かって吐出する。
各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bは、それぞれ圧胴126cに保持される記録媒体114における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズル(図1中不図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bが圧胴126cの回転方向(記録媒体114の搬送方向)と直交する方向に延在するように固定設置される。
記録媒体114の画像形成領域の全幅をカバーするノズル列を有するフルラインヘッドがインク色毎に設けられる構成によれば、記録媒体114の搬送方向(副走査方向)について、記録媒体114と各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体114の画像形成領域に1次画像を記録することができる。これにより、記録媒体114の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドが適用される場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
また、本例では、CMYKRGBの7色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよいし、除いてもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成や、CMYKの4色構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
インクヘッドから記録媒体114にインクが着弾すると、記録媒体114表面に予め付与した処理液(凝集処理剤層)とインクとの接触面から凝集反応が始まる。凝集反応は接触面近傍のみで起こり、インク着弾時における所定の面積で付着力を得た状態でインク内の色材が凝集されるため、色材移動を抑制することができる。また、この着弾したインクに隣接して他のインクが着弾しても、先に着弾してインクの色材は既に凝集化しているため、後から着弾するインクとの間で色材同士が混合せず、にじみ(着弾干渉)を抑制することができる。
また、微粒子含有溶液を付与後に乾燥、処理液を付与後に乾燥を行っているため、インクは液中ではなく、略固体面上にインクを打滴することになり、ドット浮遊が発生しない、したがって、色材移動を防止することができる。更に、記録媒体の表面には、微粒子が析出し、凹凸が形成されているため、凝集した色材の移動(変形)が制限される。したがって、色材変形も防止することができる。さらに、樹脂により浸透抑制層である皮膜が形成されている場合には、インク中の溶媒が記録媒体の内部への浸透を抑制することができるので、カールの発生を抑制することができる。
<インク>
本発明で用いられるインクは、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料やポリマー微粒子などを含有する水性顔料インクが用いられる。
溶媒不溶性材料の濃度は、吐出に適切な粘度20mPa・s以下を考慮して1wt%以上20wt%以下であることが好ましい。より好ましくは画像の光学濃度を得るために4wt%以上の顔料濃度である。
インクの表面張力は、吐出安定性を考慮して20mN/m以上40mN/mであることが好ましい。
インクに使用される色材は、顔料あるいは染料と顔料とを混合して用いることができる。処理液との接触時における凝集性の観点から、インク中で分散状態にある顔料の方がより効果的に凝集するため好ましい。顔料の中でも、分散剤により分散されている顔料、自己分散顔料、樹脂により顔料表面を被覆された顔料(マイクロカプセル顔料)、及び高分子グラフト顔料が特に好ましい。また、顔料凝集性の観点から、解離度の小さいカルボキシル基によって修飾されている形態がより好ましい。
マイクロカプセル顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水に対して自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常、数平均分子量が1,000〜100,000範囲程度のものが好ましく、3、000〜50、000範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量がこの範囲であることにより、顔料における被覆膜として、又はインク組成物における塗膜としての機能を十分に発揮することができる。
前記樹脂は、自己分散能あるいは溶解するものであっても、又はその機能が何らかの手段によって付加されたものであってもよい。例えば、有機アミンやアルカリ金属を用いて中和することにより、カルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン酸基等のアニオン性基を導入されてなる樹脂であってもよい。また、同種または異種の一又は二以上のアニオン性基が導入された樹脂であってもよい。本発明にあっては、塩基をもって中和されて、カルボキシル基が導入された樹脂が好ましくは用いられる。
本発明に用いる顔料としては、特に限定はされないが、具体例としては、オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。レッドまたはマゼンタ用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明に係る着色インク液には、処理液と反応する成分として、着色剤を含まないポリマー微粒子を添加することが好ましい。ポリマー微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。特に、アニオン性のポリマー微粒子をインクに含有せしめることにより、安全性の高いインクが得られる。
処理液と反応して、増粘・凝集作用を起こすポリマー微粒子をインクに用いることにより、画像の品位を高めることができると同時に、ポリマー微粒子の種類によっては、ポリマー微粒子が記録媒体で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
ポリマーインクでの分散方法はエマルジョンに限定するものではなく、溶解していても、コロイダルディスパージョン状態で存在していてもよい。
ポリマー微粒子は、乳化剤を用いてポリマー微粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては、通常、低分子量の界面活性剤が用いられているが、高分子量の界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型のポリマー微粒子(粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー微粒子)を用いることも好ましい。
分散手法として、低分子量の界面活性剤を用いていないポリマー微粒子は、高分子量の界面活性剤を用いたポリマー微粒子、乳化剤を使用しないポリマー微粒子を含めてソープフリーラテックスと呼ばれている。例えば上記に記述した、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるブロックポリマー)を乳化剤として用いたポリマー微粒子もこれに含まれる。
本発明では、特にこのソープフリーラテックスを用いることが好ましく、ソープフリーラテックスは従来の乳化剤を用いて重合したポリマー微粒子にくらべ、乳化剤がポリマー微粒子の反応凝集や造膜を阻害したり、遊離した乳化剤がポリマー微粒子の造膜後に表面に移動し、顔料とポリマー微粒子の混合した凝集体と記録媒体との接着性を低下させる懸念がない。
インクにポリマー微粒子として添加する樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリマー微粒子への高速凝集性付与の観点から、解離度の小さいカルボン酸基を有するものがより好ましい。カルボン酸基はpH変化によって影響を受けやすいので、分散状態が変化しやすく、凝集性が高い。
ポリマー微粒子のpH変化に対する分散状態の変化は、アクリル酸エステルなどのカルボン酸基を有する、ポリマー微粒子中の構成成分の含有割合によって調整することができ、分散剤として用いるアニオン性の界面活性剤によっても調整可能である。
ポリマー微粒子の樹脂成分は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。疎水性部分を有することで、ポリマー微粒子の内側に疎水部分が配向し、外側に親水部分が効率よく外側に配向され、液体のpH変化に対する分散状態の変化がより大きくなる効果があり、凝集がより効率よく行われる。
本発明に用いられる酸ポリマーはカルボン酸系の酸ポリマーが好ましく用いられる。
カルボン酸のpKaは概ね3〜4であるため、pH5であれば酸ポリマーはほとんど解離した状態であるので、電化反発により、分散安定性を有し、凝集を起こさない。これ以下であると、非解離状態となり、電荷反発が失われ、凝集を起こす。
市販のポリマー微粒子の例としては、ジョンクリル537、7640(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー株式会社製)、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、ジュリマーET−410、FC−30(アクリル系樹脂エマルジョン、日本純薬株式会社製)、アロンHD−5、A−104(アクリル系樹脂エマルジョン、東亞合成株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、ザイクセンL(アクリル系樹脂エマルジョン、住友精化株式会社製)などが挙げられるが、これに限定するものではない。
顔料に対するポリマー微粒子添加量の重量比率は2:1から1:10が好ましい、より好ましくは1:1から1:3である。顔料に対するポリマー微粒子添加量の重量比率は2:1より少ないと、樹脂の融着による凝集体の凝集力が効果的に向上しない。また、添加量が1:10より多くてもインクの粘度が高くなりすぎ、吐出性などが悪化する。
インクに添加するポリマー微粒子の分子量は融着したときの付着力を鑑みて、5,000以上が好ましい。5,000未満だと、凝集したときのインク凝集体の内部凝集力向上や記録媒体に画像の定着性に効果が不足し、また画質改善効果が不足する。
ポリマー微粒子の体積平均粒子径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜500nmの範囲がより好ましく、20〜200nmの範囲が更に好ましく、50〜200nmの範囲が特に好ましい。10nm以下では、凝集しても画質の改善効果、転写性の向上に効果があまり期待できない。1μm以上では、インクのヘッドからの吐出性や保存安定性が悪化するおそれがある。また、ポリマー粒子の体積平均粒子径分布に関しては、特に制限は無く、広い体積平均粒子径分布を持つもの、又は単分散の体積平均粒子径分布を持つもの、いずれでもよい。
また、ポリマー微粒子を、インク内に2種以上混合して含有させて使用してもよい。
本発明に用いられるインクに添加するpH調整剤としては中和剤として、有機塩基、無機アルカリ塩基を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましい。
本発明に用いられるインクは、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
水溶性有機溶媒としては、処理液の場合と同様に、例えば、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明に用いられるインクには、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて固体状又は半固溶状の凝集処理層上でのぬれ性を高め、拡がり率を増加させることができる。
本発明に用いられるインクの表面張力は、記録媒体上でのぬれ性と液滴の微液滴化および吐出性の両立の観点からは、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
本発明に用いられるインクの粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
溶媒乾燥ユニット142a、142bは、上述した用紙予熱ユニット128、134や微粒子含有溶液乾燥ユニット132、処理液乾燥ユニット138と同様に、所定の範囲で温度制御可能なヒータを含んで構成される。また、記録媒体114表面に、多孔質体のローラなどを接触させてインク中の溶媒を吸収除去することも併用して用いることができる。記録媒体114上に形成された固体状又は半固溶状の凝集処理剤層上にインク液滴が打滴されると、記録媒体114上にはインク凝集体(色材凝集体)が形成されるとともに、色材と分離されたインク溶媒が広がり、凝集処理剤が溶解した液体層が形成される。このようにして記録媒体114上に残った溶媒成分(液体成分)は、記録媒体114のカールだけでなく、画像劣化を招く要因となる。そこで、本例では、各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bからそれぞれ対応する色インクが記録媒体114上に打滴された後、溶媒乾燥ユニット142a、142bのヒータによって加熱を行い、溶媒成分を蒸発させ、乾燥を行っている。
印字部108の後段には加熱定着部110が設けられている。印字部108の圧胴126cと加熱定着部110の圧胴126dとの間には、これらに対接するように、図1における時計回り方向に回転可能に構成された渡し胴124dが設けられている。これにより、印字部108の圧胴126cに保持された記録媒体114は、各色インクが付与された後に、渡し胴124dを介して加熱定着部110の圧胴126dに受け渡される。
加熱定着部110には、圧胴126dの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126dの表面に対向する位置に、印字部108による印字結果を読み取る印字検出部144、加熱ローラ148a、148bがそれぞれ設けられている。
印字検出部144は、印字部108の印字結果(各インクヘッド140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140Bの打滴結果)を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良や、打滴画像のムラ(濃度ムラ)をチェックする手段として機能する。
加熱ローラ148a、148bは、インクが付与された記録媒体114に接触させることにより、インクと浸透抑制層、および、浸透抑制層と記録媒体との密着性を図ることができる。加熱定着時の温度は、定着時の温度をT2、微粒子のガラス転移温度をTg1としたとき、Tg1<T2とすることが好ましい。加熱定着時の温度を微粒子のガラス転移温度より高くすることにより、加熱定着時に微粒子を溶融することができるので、色材の定着性を向上させることができる。
加熱定着部110の後段には排紙部112が設けられている。排紙部112には、記録媒体114を受ける排紙胴150と、該記録媒体114を積載する排紙台152と、排紙胴150に設けられたスプロケットと排紙台152の上方に設けられたスプロケットとの間に掛け渡され、複数の排紙用グリッパーを備えた排紙用チェーン154とが設けられている。
〔インクジェット記録方法〕
次に、本発明に係るインクジェット記録方法について説明する。図2は、本発明に係るインクジェット記録方法の一例を示した模式図である。
本発明に係るインクジェット記録方法は、まず、図2(a)、(b)に示す記録媒体10上に微粒子16および樹脂14を含む微粒子含有溶液12を付与する(微粒子含有溶液付与工程)。微粒子含有溶液を付与する方法としては、塗布ローラを用いて記録領域の付与する方法が挙げられる。また、塗布ローラに代えて、インクジェットヘッドを用いて微粒子含有溶液を処理液滴、インク液滴の着弾位置に対して選択的に打滴するようにしてもよい。この場合、記録媒体10上の溶媒量を削減することができる。
次に図2(c)に示すように、記録媒体10をヒータなどの加熱手段を用いて記録媒体10上の微粒子含有溶液を乾燥し、浸透抑制層18を形成する(微粒子含有溶液乾燥工程)。これにより、次工程の処理液付与工程、インク打滴工程において付与される溶媒が、記録媒体10に浸透することを防止することができ、カールの発生を抑制することができる。また、微粒子含有溶液中の溶媒を除去することにより、インク打滴工程で打滴される色材の移動を防止することができる。
乾燥後の記録媒体10上に処理液20を付与する(図2(d)、処理液付与工程)。そして処理液20を乾燥することにより、凝集処理層22を形成する(図2(e)、処理液乾燥工程)。処理液の付与、乾燥には、上述した微粒子含有溶液と同様の方法により行うことができる。
次に、凝集処理層22が形成された記録媒体10に対してインクを打滴する(図2(f)、インク打滴工程)。記録媒体10上に凝集処理層22を形成してからインクを打滴することにより、凝集処理層22上には所定の大きさに広がったインク凝集体(色材凝集体)24が形成される。
記録媒体10上に形成された凝集処理層22の上にインクが着弾すると瞬時に凝集処理層22との接触面から凝集反応が開始され、インク凝集体24が形成される。記録媒体10上には微粒子16により凹凸が形成されているため、形成されたインク凝集体24が移動することを抑制し、色材移動を防止することができる。
最後に図2(g)で示すように、加熱ローラ26でインク凝集体24と浸透抑制層18、浸透抑制層18と記録媒体10との密着性を図る(加熱定着工程)。この時、加熱ローラ26の温度を微粒子16のガラス転移温度より高くすることにより、微粒子16を溶融させることができ、インク凝集体の定着性を向上させることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[記録媒体]
紙 日本製紙(株)製「ユーライト」(坪量84.9g/m)を用いた。
[微粒子含有溶液]
・微粒子(A1)の作製方法
下記構造の分散安定用樹脂(Q−3)14g、下記構造のマクロモノマー(M−1)10gおよびアイソパーH(エクソン社、商品名)533gの混合溶液を窒素気流下、攪拌しながら温度55℃に加熱した。これに、メチルメタクリレート51.2g、メチルアクリレート30g、アクリル酸12.5g、3−メチカプトプロピオン酸メチル1.3gおよび2,2−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)(略称A.C.P.P.)1.2gの混合溶液を滴下時間1時間で滴下し、そのまま更に1時間反応した。次に、2,2−アゾビス(イソバレロニトリル)(略称A.I.V.N)0.8gを加えた後、200メッシュのナイロン布を通し、重合率98%の白色分散物を得た。直ちに温度設定を75℃として2時間、A.I.V.N0.5gを加えて2時間反応した。冷却後、200メッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率98%で、平均粒径0.8μmの単分散性が良好なラテックスであった。また、重量平均分子量Mwは、2×10(ポリスチレン換算GPC値)で、ガラス転移点Tgは50℃であった。
なお、粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定を行った。また、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移点(Tg)は、白色分散物の一部を遠心分離機(回転数1×10r.p.m.、回転数60分)にかけて、沈降した樹脂粒子分を捕集、乾燥し、測定を行った。以下、微粒子(A2)、樹脂(B)についても同様の方法で測定した。
Figure 2009220299
・微粒子(A2)の作製方法
下記構造の分散安定用樹脂(Q−2)15g、ベンジルメタクリレート75g、メチルアクリレート25g、3−メルカプトプロピオン酸メチル1.3gおよびアイソパーH522gの混合溶液を窒素気流下、攪拌しながら温度55℃に加熱した。重合開始剤として、A.C.P.P.1gを加え、2時間反応した。更に、A.C.P.P.0.8g加え、2時間反応させた。開始剤A.I.V.N.0.8gを加えた後、反応温度を75℃に設定し、3時間反応した。次に、90℃に加温し、減圧度20〜30mmHg下で未反応単量体を留去した後、冷却し、200メッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は、重合率98%で、平均粒径0.20μmの単分散性が良好なラテックスであった。また、分子量Mwは2.8×10で、Tgは55℃であった。
Figure 2009220299
・樹脂(B)〔浸透抑制層〕の作製方法
下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g、酢酸ビニル100gおよびアイソパーH384gの混合溶液を窒素気流下、攪拌しながら温度70℃に加熱した。重合開始剤として、A.I.V.N.0.8gを加え、3時間反応した。開始剤を添加してから20分後に白濁を生じ、反応温度は88℃まで上昇した。更に、A.I.V.N.を0.5g加え、2時間反応した後、温度を100℃に設定し、2時間攪拌し、未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後、200メッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は、重合率90%で、平均粒径0.23μmの単分散性が良好なラテックスであった。また、分子量Mwは2×105で、Tgは38℃であった。
Figure 2009220299
微粒子含有溶液No.1〜6は、上記微粒子A1、A2、樹脂Bの質量%濃度が表2になるようにアイソパーHと混合し、No.3のコーティングロッドを用いて記録媒体に塗布した。塗布時の溶液の厚みは、およそ5.5g/mであり、各微粒子含有液中の微粒子および樹脂の付与量を表2に示す。
Figure 2009220299
[処理液]
下記組成で混合し処理液を作製した。
マロン酸(和光純薬製) ・・・10質量%
オルフィンE1010(日信化学製) ・・・ 1質量%
イオン交換水 ・・・ 残部
[インク]
・分散用ポリマーの作製
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加え窒素雰囲気下で72℃に加熱した。ここに、メチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、メチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温し4時間加熱した。得られた反応溶液は、大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥して分散用ポリマー96g得た。
得られた分散用ポリマーの組成はH−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
・インクの作製
チバ・スペシャリティーケミカルズ社のCromophtal Jet Magenta DMQ(PR-122)10g、分散用ポリマー10g、グリセリン4g、及びイオン交換水26gを攪拌混合させて分散液を調製した。次いで、超音波照射装置(SONICS社製 Vibra-cell VC-750、テーパーマイクロチップ:φ5mm、Ampitude:30%)を用いて、前述の分散液に、超音波を間欠照射(照射0.5s/休止1.0s)で2時間照射して顔料を更に分散させ、20質量%顔料分散液とした。
これとは別に、下記の化合物を秤量攪拌混合して、混合液Iを調製した。
グリセリン ・・・ 5.0g
オルフィンE1010(日信化学工業製) ・・・ 1.0g
イオン交換水 ・・・11.0g
この混合液Iを、攪拌した44%SBR分散液(ポリマー微粒子:アクリル酸3質量%、Tg30℃)23.0gにゆっくりと滴下して、攪拌混合し、混合液IIを調製した。また、この混合液IIを、上述の20%顔料分散液に、ゆっくりと滴下しながら攪拌混合して、マゼンタインクを100g調製した。
[評価]
≪カール≫
A5サイズにカットしたユーライトに、微粒子含有溶液をNo.3のコーティングロッドを用いて塗布を行った。塗布後、所定の温度の熱風をドライヤーで3秒間当てて、アイソパーHの乾燥を行った。微粒子含有溶液を乾燥後、処理液を全面にベタ打滴し、処理液の乾燥を行った実施例については、40℃のホットプレート上でドライヤーを当てて乾燥させた。その後、インクをおよそ全面にベタ打滴し、IRヒータ及び熱風を当てて40℃でインクの乾燥を行った。インクの乾燥後、90℃に設定した加熱ローラを用いて、加熱定着を行った。紙の4頂点の浮き上がり高さを測定し、4点の算術平均が1.0cm未満であった場合を○、1.0cm以上あった場合を×とした。また、印刷面の中央付近が盛り上がるように紙がカールした場合は、紙をひっくり返し、4頂点が上に反り上がるようにして測定を行った。なお、処理液およびインクのベタ打滴の密度は1200×1200dpi、液滴量は処理液が2pL、インクが4pLで行った。
≪定着≫
インクの乾燥までは、上記カールと同様の方法で印字を行った。加熱ローラの温度を90℃と45℃で行い、加熱定着を行った。印刷された紙の印字部を、印字を行っていない紙(ユーライト)で10往復こすって評価を行った。こすった紙に色材が付着していなく、こすられた紙にも画像の劣化が認められない場合を○、こすった紙には色材が付着したが、こすられた紙には画像の劣化が認められた場合を△、こすった紙には色材が付着し、こすられた紙にも画像の劣化が認められた場合を▲、こすられた紙よりこすった紙の方が色が濃くなった場合を×とした。さらに、○のサンプルについて、より強い力でこすっても画像の劣化が認められない場合を◎とした。
≪描画性≫
〔滲み(凝集性)〕
処理液の乾燥までは、上記カールと同様の方法で行った。その後、インクを1200dpiのラインをシングルパスで印刷し、IRヒータ及び熱風を当てて40℃でインクの乾燥を行った。インクの乾燥後、90℃に設定した加熱ローラを用いて、加熱定着を行った。ライン幅の不均一、ラインの切れ、液だまりが認められた場合を×、それ以外を○とした。
〔ドット浮遊〕
処理液の乾燥までは、上記カールと同様の方法で行った。その後、インクを150dpi間隔の格子パターンをシングルパスで印刷し、ドット間距離が平均して3%以上(即ち、5.1μm以上)ずれた場合を×、それ以外を○とした。
〔色材変形〕
処理液の乾燥までは、上記カールと同様の方法で行った。その後、インクを1200dpiの解像度で一辺が1inchの正方形のベタ画像を描画し、IRヒータ及び熱風を当てて40℃でインクの乾燥を行った。インクの乾燥後、90℃に設定した加熱ローラを用いて、加熱定着を行った。面積が1inchに対して10%以上変化した場合を×、5%以上10%未満の場合を△、5%未満の場合を○とした。
Figure 2009220299
結果を表3に示す。処理液を乾燥せずにインクを付与した比較例4〜6は、処理液が液体の状態でインクが付与されるため、凝集した色材は処理液中に存在し、紙(記録媒体)と密着しないため、ドット浮遊が生じ、色材のずれが生じていると考えられる。しかしながら、実施例1〜7は処理液を乾燥したため、インクの着弾時に記録媒体と直接触れるため、凝集した色材が記録媒体と絡み合うことで、ドット浮遊を防止することができた。
また、実施例1から7より、微粒子を含有させた溶液を付与することにより、記録媒体上に微粒子の凹凸を形成することができるので、水平方向のアンカリング力を発現させることができ、色材変形を抑制できることが確認できた。また。微粒子含有溶液の乾燥60℃と微粒子のガラス転移温度Tg1より高い温度で乾燥した実施例3、5については、微粒子が溶融することにより、記録媒体上で凹凸が形成されにくくなるため、色材変形が若干確認された。逆に微粒子を含有しない溶液を付与した比較例2〜4は、凝集体の間で働く力(凝集体間のファンデルワールス力、色材と溶媒の液架橋力など)が、凝集体と記録媒体の間で生じる摩擦力より大きくなるため色材が所定の位置から移動し色材変形が生じていた。
また、微粒子含有溶液中に樹脂を含有していない実施例1については、若干、カールの発生が見られた。インクの定着についても、90℃で行った方が、45℃で行った方が、微粒子を溶融させることができるので、定着性の良好な印刷を行うことができた。
本発明に係るインクジェット画像記録装置の全体構成図である。 本発明に係るインクジェット記録方法の一例を示した摸式図である。
符号の説明
10…記録媒体、12…微粒子含有溶液、14…樹脂、16…微粒子、18…浸透抑制層、20…処理液、22…凝集処理層、24…インク凝集体、26…加熱ローラ、100…インクジェット記録装置、102…給紙部、104…微粒子含有溶液、106…処理液付与部、108…印字部、110…加熱定着部、112…排出部、114…記録媒体、120…給紙台、122…フィーダボード、124a〜124d…渡し胴、126a〜126d…圧胴、128…用紙予熱ユニット、130…微粒子含有溶液ヘッド、132…微粒子含有溶液乾燥ユニット、134…用紙予熱ユニット、136…処理液ヘッド、138…処理液乾燥ユニット、140C、140M、140Y、140K、140R、140G、140B…インクヘッド、142a、142b…溶媒乾燥ユニット、144…印字検出部、148a、148b…加熱ローラ、150…排紙胴、152…排紙台、154…排紙用チェーン

Claims (8)

  1. 微粒子が溶媒に分散した微粒子含有液を記録媒体に付与する微粒子含有溶液付与手段と、
    前記微粒子含有溶液中の溶媒を乾燥させる微粒子含有溶液乾燥手段と、
    前記乾燥後の微粒子上に色材と反応する成分を含有する処理液を付与する処理液付与手段と、
    前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段と、
    前記乾燥後の処理液が付着した記録媒体に、インクを吐出させるインクヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記微粒子含有液中に、さらに樹脂を含有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記微粒子のガラス転移温度をTg1、前記樹脂のガラス転移温度をTg2、前記微粒子含有溶液を乾燥させる温度をT1としたとき、Tg1>T1>Tg2であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インクが付与された記録媒体を加熱する加熱定着手段を備え、
    前記微粒子のガラス転移温度をTg1、加熱定着手段の加熱温度をT2としたとき、Tg1<T2であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記微粒子の粒子径をφ1、前記樹脂の粒子径をφ2としたとき、φ1>φ2であることを特徴とする請求項2から4いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記微粒子の付与量が0.1g/m以上3.0g/m以下であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記微粒子の付与量が0.3g/m以上2.0g/m以下であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 色材と反応する成分を含有する処理液とインクとの両方を付着させるインクジェット記録方法において、
    微粒子が溶媒に分散した微粒子含有液を記録媒体に付与する微粒子含有溶液付与工程と、
    前記微粒子含有溶液中の溶媒を乾燥させる微粒子含有溶液乾燥工程と、
    前記処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、
    前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥工程と、
    前記インクを打滴するインク打滴工程と、を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
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