JPWO2016052131A1 - 画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、バリア層を備えた記録媒体上に、インクジェット方式により水性インクを吐出することを含む画像記録方法であって、画像形成後の記録媒体の変形を効果的に抑え、且つ、バリア層の影響によるドット径の変動及び画像の光沢度の上昇をも抑えた画像記録方法に関する。本発明の画像記録方法は、下記工程(a)〜(c)を含む:(a)非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを含有してなる溶液を用いて、記録媒体上にバリア層を形成する工程;(b)上記バリア層上に、有機酸を含有する層を形成する工程;及び(c)上記の有機酸を含む層上に、インクジェット方式により水性インクを吐出して画像を形成する工程。

Description

本発明は、画像記録方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙等の記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などの記録方法がある。
インクジェット記録方法は、印刷版を必要とせず、画像形成部のみにインクを吐出して記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率的に使用でき、ランニングコストが安い。更に、インクジェット記録方法は印刷装置も従来の印刷機に比べ比較的低コストで、小型化も可能であり、騒音も少ない。このように、インクジェット記録方法は他の画像記録方式に比べて種々の利点を兼ね備えている。
インクジェット記録方法により記録媒体に画像を記録すると、水性インク中の水が、記録媒体である紙中のセルロースの水素結合を切断し、切断された水素結合が乾燥後に再結合すること等により、記録媒体が変形する現象(カール、カックル)が生じることが知られている。
この記録媒体の変形を防止するために、インクに糖類等のカール防止剤を添加する方法や、搬送部の紙抑え機構により強制的にカールやカックルを抑える等の方法が提案されているが、いずれも記録媒体の変形を十分に抑えるには至っていない。
また、記録媒体上に水性インクの浸透を防ぐための層(バリア層)を形成して、水性インクの記録媒体内部への浸透を防ぎ、画像形成後の記録媒体のカールやカックルを抑える技術も検討されている。
例えば特許文献1には、特定の高分子化合物と、ヒドロキシ基を含む高分子化合物とを含むインク吸着皮膜層を基体表面に有するインクジェット記録媒体が記載され、この記録媒体をインクジェット記録に用いた際にカールの発生が抑えられたことが記載されている。
また、特許文献2には、インクジェットによる画像記録の前に、水溶性ポリマーを含む水性処理液で記録媒体を処理することにより、画像の滲みや混色の発生が抑えられ、さらに記録媒体のカールとカックルの発生も抑えたことが記載されている。
また、特許文献3には、記録媒体上に、SP値が9.5以上の樹脂粒子を含有する遮断層を形成することで、画像形成後の記録媒体のカールの発生が抑えられたことが記載されている。
特開平11−28417号公報 特開2010−23339号公報 特開2009−226598号公報
しかし、上記特許文献1に記載される高分子化合物を含む層を記録媒体上に設けると、その上に形成した画像の光沢度が高まり、自然な色合いの画像を形成しにくくなる問題がある。
また、特許文献2に記載されるように、水溶性ポリマーを含む水性の処理液で記録媒体を処理する場合には、処理液中の水分により記録媒体が膨潤するため、記録媒体の変形抑制作用には制約がある。
また、特許文献3に記載されるように、樹脂微粒子を用いて遮断層を形成する場合には、樹脂微粒子間の隙間から水が浸透して記録媒体の変形が生じる可能性がある。
さらに、バリア層は一般に記録媒体表面の性状を変化させるため、例えばインクジェット方式でバリア層を有する記録媒体上にインクを吐出した場合、バリア層を有しない記録媒体上にインクを吐出した場合に比べてドット径が変化する問題がある。すなわち、記録媒体が本来的に有する画像品質が、バリア層を設けることにより低下しうる問題がある。
本発明は、バリア層を備えた記録媒体上に、インクジェット方式により水性インクを吐出することを含む画像記録方法であって、画像形成後の記録媒体の変形を効果的に抑え、且つ、バリア層の影響によるドット径の変動及び画像の光沢度の上昇をも抑えた画像記録方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、酸性基を有するポリマーを非水性媒体に溶解してなる溶液を用いて記録媒体上にバリア層を形成し、さらにその上に有機酸を含有する層を設けることにより、インクジェットインクにより水性インクを吐出して画像を形成した際に、記録媒体のカックルの発生を大幅に抑えることができ、且つ、バリア層の影響によるドット径の変動も抑えられ、さらにバリア層の影響による画像の光沢度の上昇をも抑制でき、品質に優れた画像を形成できることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね完成されるに至った。
本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
〔1〕
下記工程(a)〜(c)を含む画像記録方法:
(a)非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを含有してなる溶液を用いて、記録媒体上にバリア層を形成する工程;
(b)上記バリア層上に、有機酸を含有する層を形成する工程;及び
(c)上記の有機酸を含有する層上に、インクジェット方式により水性インクを吐出して画像を形成する工程。
〔2〕
上記の酸性基を有するポリマーが、下記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(2)で表される構成単位とからなる、〔1〕に記載の画像記録方法。
式中、R及びRは水素原子又はメチルを示す。Y及びYは−C(=O)O−、−C(=O)NR−又はフェニレン基を示す。Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、アルキル基又は芳香族基を示す。Lは単結合又は2価の連結基を示す。Aは水素原子又は酸性基であり、Aが水素原子の場合、−Y−L−Aはカルボキシ基である。
〔3〕
上記の酸性基を有するポリマー中、上記一般式(1)で表される構成単位の含有率が70〜99質量%であり、上記一般式(2)で表される構成単位の含有率が1〜30質量%である、〔2〕に記載の画像記録方法。
〔4〕
上記酸性基が−COOH、−SOH、及び−OP(=O)(OH)、及び−P(=O)(OH)から選ばれる少なくとも1種の基である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の画像記録方法。
〔5〕
上記酸性基が−OP(=O)(OH)及び−P(=O)(OH)から選ばれる少なくとも1種の基である、〔4〕に記載の画像記録方法。
〔6〕
上記の酸性基を有するポリマーの酸価が200mgKOH/g以下である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の画像記録方法。
〔7〕
上記の酸性基を有するポリマーの重量平均分子量が20000未満である、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の画像記録方法。
〔8〕
上記有機酸が、DL−リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、マレイン酸、及びリン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の画像記録方法。
〔9〕
バリア層中の上記酸性基を有するポリマーの量が10g/m未満である、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の画像記録方法。
〔10〕
上記記録媒体が紙媒体である、〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の画像記録方法。〔11〕
上記紙媒体が炭酸カルシウムを含有するコート層を有する、〔10〕に記載の画像記録方法。
〔12〕
上記工程(c)が、画像を加熱して定着させる工程を含む、〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の画像記録方法。
本明細書において、特に断りがない限り、特定の符号で表示された置換基、連結基、配位子、繰り返し単位等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。
本明細書において、各置換基の例として説明される各基の「基」は無置換の形態及び置換基を有する形態のいずれも包含する意味に用いる。例えば、「アルキル基」は置換基を有してもよいアルキル基を意味する。
本明細書において、「化合物」という語を末尾に付して呼ぶとき、あるいは化合物を特定の名称ないし化学式で示すときには、特に断わりのない限り、化合物そのものに加え、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両者を含む意味に用いる。このことは、「(メタ)アクリル酸」についても同様である。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の画像記録方法によれば、画像形成後の記録媒体の変形を効果的に抑えることができる。また、バリア層の影響によるドット径の変動が小さく、さらにバリア層の影響による画像の光沢度の上昇も抑えられる。
本発明の画像記録方法は、下記工程(a)〜(c)を含む。
(a)非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを含む(好ましくは、非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを溶解してなる)溶液を用いて、記録媒体上にバリア層を形成する工程
(b)上記バリア層上に、有機酸を含有する層を形成する工程
(c)上記の有機酸を含む層上に、インクジェット方式により水性インクを吐出して画像を形成する工程
本発明の画像記録方法の好ましい実施形態について以下に説明する。
[工程(a)(バリア層形成工程)]
上記工程(a)では、非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを含む(好ましくは、非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを溶解してなる)溶液を用いて、記録媒体上にバリア層を形成する。通常は、非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを溶解してなる溶液を記録媒体上に塗布し、乾燥させることで、記録媒体上に、酸性基を有するポリマーを含有してなるバリア層を形成する。
バリア層は、水性インク中の水分の記録媒体内部への浸透を抑える役割を担う。
<非水性媒体>
酸性基を有するポリマーを溶解する上記非水性媒体は、含水率が1質量%未満の有機溶媒を意味し、好ましくは含水率が0.5質量%未満の有機溶媒を意味する。上記非水性媒体の含水率は、0%であることも好ましいが、通常は0.01質量%以上である。非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを溶解し、これを用いてバリア層を形成することにより、記録媒体中に水分を浸透させずにバリア層を形成することができ、記録媒体の変形を抑えることができる。上記非水性媒体は、塗布、乾燥工程に適した沸点を有する観点や、ポリマーの溶解性を考慮し適宜に選択される。
上記非水性媒体は含水率が1質量%未満の有機溶媒であれば特に制限はなく、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル化合物、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、プロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物、プロピレングリコールジアルキルエーテル化合物、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、ジエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル化合物、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物、アルコール化合物及びラクトン化合物を挙げることができる。
上記エチレングリコールモノアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテルを挙げることができる。
上記エチレングリコールジアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びエチレングリコールジプロピルエーテルを挙げることができる。
上記エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物の具体例として、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを挙げることができる。
上記プロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びプロピレングリコールモノブチルエーテルを挙げることができる。
上記プロピレングリコールジアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル、及びプロピレングリコールジエチルエーテル、を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物の具体例として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートを挙げることができる。
上記ジエチレングリコールジアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルを挙げることができる。
上記ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物の具体例として、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを挙げることができる。
上記ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル及びジプロピレングリコールモノブチルエーテルを挙げることができる。
上記ジプロピレングリコールジアルキルエーテル化合物の具体例として、例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル及びジプロピレングリコールエチルメチルエーテルを挙げることができる。
上記ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物の具体例として、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートを挙げることができる。
上記エステル化合物の具体例として、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル及びピルビン酸エチルを挙げることができる。
上記ケトン化合物の具体例として、例えば、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン及びアセトンを挙げることができる。
上記アミド化合物の具体例として、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、メトキシプロピオンアミド、N−メチルメトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチルメトキシプロピオンアミド、n−ブトキシプロピオンアミド、N−メチルn−ブトキシプロピオンアミド及びN,N−ジメチルn−ブトキシプロピオンアミドを挙げることができる。
上記アルコール化合物の具体例として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール及び2−メチルプロパンジオールを挙げることができる。
さらに、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレンウレア、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル等を用いることもできる。
上記した非水性媒体のなかでも、エチレングリコールモノアルキルエーテル化合物、ケトン化合物及びアルコール化合物から選ばれる媒体を用いるのが好ましく、メチルエチルケトン及びプロパノールから選ばれる媒体を用いるのがさらに好ましい。
本発明において、非水性媒体として、上述した非水性媒体の1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
<酸性基を有するポリマー>
本明細書において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基を意味する。酸性基はプロトンを放出して解離した形を採っていてもよく、塩であってもよい。
上記酸性基を有するポリマーは、好ましくは酸性基として−COOH,−SOH、−OP(=O)(OH)、及び−P(=O)(OH)から選ばれる少なくとも1種の基を有することが好ましく、なかでも酸性基として−OP(=O)(OH)及び−P(=O)(OH)から選ばれる少なくとも1種の基を有する形態が好ましく、さらに好ましくは酸性基として−OP(=O)(OH)を有する形態である。
上記酸性基を有するポリマーに特に制限はないが、ポリマー溶液の粘度および光沢度の観点から、酸性基を有するポリマーの酸価が200mgKOH/g以下であることが好ましく、170mgKOH/g以下であることがより好ましい。また、ぬれ性の観点から、酸性基を有するポリマーの酸価が15mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。酸価は、JIS K0070に準拠して測定される。
また、上記酸性基を有するポリマーの重量平均分子量は、4000〜20000であることが好ましく、20000未満であることがより好ましく、13000〜19000であることがさらに好ましい。酸性基を有するポリマーの重量平均分子量を上記好ましい範囲内とすることにより、バリア層の影響による光沢度の変化を抑え、且つ、水に対するバリア性を効果的に発現させることができる。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZM−H、TSKgeL Super HZ4000、TSKgeL Super HZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)の3本を直列に接続し、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なう。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−80」、「F−20」、「F−4」、「F−2」、「A−5000」、「A−1000」の6サンプルから作製する。
バリア層を形成するポリマーが酸性基を有することにより、記録媒体のカックルを効果的に抑制することができる。その理由は定かではないが、水性インクに含まれる成分の凝集がポリマーの酸性基により促進されることが一因と推定される。
また、バリア層を形成するポリマーが酸性基を有することにより、後述する有機酸を有する溶液を弾きにくく、バリア層上に均一な凝集誘導層を設けることができる。
上記酸性基を有するポリマーは、より好ましくは下記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(2)で表される構成単位とからなるポリマー(好ましくはランダムポリマー)であることが好ましい。上記酸性基を有するポリマーは、下記一般式(1)で表される構成単位を1種有する形態でも、2種以上有する形態でもよい。また、上記酸性基を有するポリマーは、下記一般式(2)で表される構成単位を1種有する形態でも、2種以上有する形態でもよい。
式中、R及びRは水素原子又はメチルであり、メチルであることがより好ましい。
及びYは−C(=O)O−、−C(=O)NR−又はフェニレン基を示し、−C(=O)O−であることが好ましい。Rは水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、さらに好ましくはメチル又はエチル)を示す。Rはより好ましくは水素原子である。
は水素原子、アルキル基または芳香族基を示し、アルキル基であることが好ましい。
として採り得るアルキル基としては、炭素原子数が1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらのアルキル基の中では、炭素原子数1〜18の直鎖状、炭素原子数3〜12の分岐状、又は、炭素原子数5〜10の環状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル又はエチルが更に好ましい。
として採り得る芳香族基は、芳香族性を示す基をいい、アリール基とヘテロアリール基とを含む意味に用いる。
がアリール基の場合、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。Rがアリール基の場合の好ましい具体例としてフェニル基又はナフチル基を挙げることができる。なかでも、フェニル基であることが好ましい。
がヘテロアリール基の場合、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ベンゾオキサゾリル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基を例示することができる。
は単結合または2価の連結基を示す。
が2価の連結基の場合、アルキレン基が好ましい。Lがアルキレン基の場合、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8、さらに好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。このアルキレン基は直鎖でも分岐を有してもよい。
本明細書において「アルキレン基」とは、−C2m−(mは1以上の整数)の態様の他、アルキレン基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子(好ましくは酸素原子又は硫黄原子、より好ましくは酸素原子)に置き換わった形態、アルキレン基の炭素鎖中にエステル結合及び/又はアリーレン基(好ましくはフェニレン基)が組み込まれた形態を含む意味に用いる。
が2価の連結基の場合、好ましくは−C2m−、又は−[(CHO]−である。ここで、mは1〜10の整数であり、好ましくは2〜6の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。また、nは1〜5の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは2である。また、pは1〜10の整数であり、好ましくは2〜5の整数、さらに好ましくは3又は4である。
は水素原子又は酸性基であり、Aが水素原子の場合、−Y−L−Aはカルボキシ基である。また、Aが酸性基の場合、上記Lは2価の連結基であることが好ましい。
として採り得る酸性基は、−COOH(カルボキシ基)、−SOH(スルホ基)、又は−OP(=O)(OH)が好ましい。カックルの発生をより効果的に抑える観点から、Aは−OP(=O)(OH)であることがより好ましい。Aは−OP(=O)(OH)である場合、Lは上述した−C2m−、又は−[(CHO]−であることが好ましい。
本発明に用いる、酸性基を有するポリマーが、上記一般式(1)で表される構成単位と上記一般式(2)で表される構成単位とから構成される場合、酸性基を有するポリマー中、一般式(1)で表される構成単位の含有率が70〜99質量%で、一般式(2)で表される構成単位の含有率が1〜30質量%であることが好ましく、一般式(1)で表される構成単位の含有率が75〜98質量%で、一般式(2)で表される構成単位の含有率が2〜25質量%であることがより好ましく、一般式(1)で表される構成単位の含有率が80〜96質量%で、一般式(2)で表される構成単位の含有率が4〜20質量%であることがさらに好ましく、一般式(1)で表される構成単位の含有率が82〜94質量%で、一般式(2)で表される構成単位の含有率が6〜18質量%であることが特に好ましい。
本発明に用いうる、酸性基を有するポリマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記構造式中、構成単位の数を示す数値は単に質量比を示すものであり、ポリマーがブロック共重合体の形態であることを示すものではない。本明細書中において、構造式中の「*」は連結部位を示す。
<バリア層の形成>
バリア層形成工程は、上述した非水性媒体中に、上述した酸性基を有するポリマーを含む(好ましくは、上述した酸性基を有するポリマーを溶解してなる)溶液(以下、「バリア層形成溶液」という。)を、記録媒体上に付与し、乾燥することにより形成することができる。
(記録媒体)
本発明の画像形成方法に用いる記録媒体は紙媒体であることが好ましい。すなわち、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙社製の「OKプリンス上質」、日本製紙社製の「しらおい」、及び日本製紙社製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、日本製紙社製の「シルバーダイヤ」等の上質コート紙、王子製紙社製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙社製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙社製の「OKコートL」及び日本製紙社製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙社製の「OKトップコート+」及び日本製紙社製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙社製の「OK金藤+」及び三菱製紙社製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられるいわゆる塗工紙(コート紙)が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。なかでも原紙と重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましい。また、原紙とカオリンおよび重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのも好ましい。より具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙または微塗工紙がより好ましい。
上記の中でも、色材移動の抑制効果が大きく、従来以上に色濃度及び色相の良好な高品位な画像を得る観点から、記録媒体の水の吸収係数Kaは、0.05〜0.5mL/m・ms1/2が好ましく、0.1〜0.4mL/m・ms1/2がより好ましく、0.2〜0.3mL/m・ms1/2がさらに好ましい。
水の吸収係数Kaは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No51:2000(発行:紙パルプ技術協会)に記載されているものと同義であり、具体的には、吸収係数Kaは、自動走査吸液計KM500Win(熊谷理機社製)を用いて接触時間100msと接触時間900msにおける水の転移量の差から算出されるものである。
(バリア層形成溶液と記録媒体上への付与)
記録媒体上へのバリア層形成溶液の付与方法に特に制限はなく、公知の液体付与方法を特に制限なく用いることができる。例えば、インクジェット法、スプレー塗布法、ローラー塗布法、浸漬等を広く採用することができる。
上記バリア層形成溶液の付与方法の具体例として、例えば、ホリゾンタルサイズプレス法、ロールコーター法、カレンダーサイズプレス法などに代表されるサイズプレス法;エアーナイフコーター法などに代表されるサイズプレス法;エアーナイフコーター法などに代表されるナイフコーター法;ゲートロールコーター法などのトランスファーロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、リバースロールコーター法、スクイズロールコーター法などに代表されるロールコーター法;ビルブレードコーター法、ショートデュエルコーター法;ツーストリームコーター法などに代表されるブレードコーター法;ロッドバーコーター法などに代表されるバーコーター法;キャストコーター法;グラビアコーター法;カーテンコーター法;ダイコーター法;ブラシコーター法;転写法などが挙げられる。
また、特開平10−230201号公報に記載の塗布装置のように、液量制限部材を備えた塗布装置を用いることで、塗布量を制御して塗布する方法であってもよい。
バリア層形成溶液は、記録媒体全体に付与する全面付与であっても、インク付与工程でインクが付与される領域に部分的に付与する部分付与であってもよい。
バリア層形成溶液の記録媒体上への付与は、バリア層中の、酸性基を有するポリマーの量が、光沢度の観点から、10g/m未満となるように付与することが好ましい。また、ぬれ性の観点から、バリア層中の、酸性基を有するポリマーの量が0.1g/m以上となるように付与することがより好ましい。バリア層形成溶液の記録媒体上への付与は、バリア層中の、酸性基を有するポリマーの量が、より好ましくは0.2〜10g/m、さらに好ましくは0.2〜7.5g/m、よりさらに好ましくは0.3〜5g/m、特に好ましくは0.5〜3g/m、最も好ましくは0.5〜1.8g/mとなるように付与する。
バリア層中の酸性基を有するポリマーの量を上記好ましい範囲内とするために、バリア層形成溶液中の、酸性基を有するポリマーの濃度は1〜50質量%とすることが好ましく、3〜45質量%とすることがより好ましく、5〜40質量%とすることがさらに好ましい。
バリア層形成溶液の25℃における粘度は、塗布適正の観点から、0.1〜100mPa・sが好ましく、0.3〜50mPa・sがより好ましい。粘度はJIS Z 8803に準拠して測定される。
バリア層形成溶液は、酸性基を有するポリマーの他に、界面活性剤、消泡剤、低分子有機酸、pH調整剤、粘度調整剤、防腐剤、防錆剤等を含有してもよい。
バリア層形成溶液を記録媒体上に付与した後の乾燥処理に特に制限はなく、例えば、加熱処理(40℃〜250℃、好ましくは50℃から200℃、より好ましくは60℃から150℃の加熱処理)、送風処理(乾燥風をあてる等)等により乾燥処理を行い、バリア層を形成することができ、バリア層付記録媒体を得ることができる。
[工程(b)(凝集誘導層形成工程)]
工程(b)では、工程(a)でバリア層を形成した記録媒体の、バリア層上に、有機酸を含有する層(以下、「凝集誘導層」という)を形成する。凝集誘導層は、その上に付与される水性インクに作用し、顔料等のインク成分を凝集させる作用を有し、これにより、水性インクにより形成した画像を記録媒体上に固定化することができる。
凝集誘導層は、有機酸を含有する溶液(以下、「有機酸溶液」という。)を、工程(a)で形成したバリア層上に付与し、乾燥させることで形成することができる。有機酸溶液は、通常は水溶液である。
<有機酸>
有機酸は、記録媒体上において水性インクと接触することにより、水性インク中の成分の凝集(固定化)を引き起こす化合物であり、固定化剤として機能する。
有機酸としては、例えば、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、シュウ酸、安息香酸、リン酸化合物が挙げられる。揮発抑制と溶媒への溶解性の両立という観点から、有機酸は分子量35以上1000以下の酸が好ましく、分子量50以上500以下の酸がさらに好ましく、分子量50以上200以下の酸が特に好ましい。また、pKa(in
O、25℃)としては、インクにじみ防止と光硬化性の両立という観点から、−10以上7以下の酸が好ましく、1以上7以下の酸がより好ましく、1以上5以下の酸が特に好ましい。
pKaはAdvanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V11.02(1994−2014 ACD/Labs)による計算値、あるいは文献値(例えばJ.Phys.Chem.A 2011,115,6641−6645等)に記載の値を用いることができる。
本発明に用いる有機酸は、水溶性の高い酸性化合物が好ましい。また、インク成分と反応してインク全体を固定化させる観点から、3価以下の酸性化合物が好ましく、2価又は3価の酸性化合物が特に好ましい。
好ましくはDL−リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、マレイン酸、及びリン酸化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましく、マロン酸及びリンゴ酸を併用することがさらに好ましい。
上記リン酸化合物としては、オルトリン酸(以下、単に「リン酸」ともいう)、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、又はこれらの塩から選ばれる化合物が好ましい。
上記有機酸溶液中の有機酸の含有量は、40質量%以下が好ましく、15〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%がさらに好ましく、20〜30質量%が特に好ましい。有機酸溶液中の有機酸の含有量を15〜40質量%とすることでインク中の成分をより効率的に固定化することができる。
上記有機酸溶液のpHは、インク組成物を凝集しやすくする観点から、25℃において0.1〜6.0が好ましく、0.5〜5.0がより好ましい。
また、有機酸溶液の25℃における粘度は、塗布性の観点から、0.1〜100mPa・sが好ましく、0.5〜80mPa・sがより好ましい。粘度は上述のバリア層形成溶液の粘度の測定と同じ方法で測定することができる。
上記有機酸溶液のバリア層上への付与量としては、水性インクを凝集させるに足る量であれば特に制限はないが、水性インクを固定化し易いとの観点から、有機酸の付与量が0.1g/m〜2.0g/mとなるように有機酸溶液を付与することが好ましく、0.2g/m〜1.5g/mとなるように処理剤を付与することが好ましい。
有機酸溶液は、上記有機酸、水に加え、さらに水溶性有機溶剤や界面活性剤を含有してもよい。さらに、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
<有機酸溶液のバリア層上への付与>
有機酸溶液のバリア層上への付与方法に特に制限はなく、上述したバリア層形成溶液の記録媒体上への付与方法と同じ方法を採用することができる。
有機酸溶液をバリア層上に付与した後の乾燥処理に特に制限はなく、例えば、加熱処理、送風(乾燥風をあてる等)等により乾燥し、凝集誘導層を形成することができる。
[工程(c)(画像形成工程)]
工程(c)では、上記凝集誘導層上に、インクジェット方式で水性インクを吐出することにより、画像を形成する。
<水性インク>
本発明に用いる水性インクは、少なくとも着色剤と水を含有し、通常はさらに水溶性有機溶剤を含有する。本発明に用いる水性インクは、各成分が均質に混じり合った組成物の形態である。
本発明に用いる水性インク(以下、単に「インク」ということがある)は、単色画像の形成のみならず、多色画像(例えばフルカラー画像)の形成にも用いることができ、所望の1色または2色以上を選択して画像形成することができる。フルカラー画像を形成する場合、インクを、例えば、マゼンタ色調インク、シアン色調インクおよびイエロー色調インクとして用いることができる。また、更にブラック色調インクとして用いてもよい。
また、本発明に用いる水性インクは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の色調以外のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、白色(W)の色調のインクや、いわゆる印刷分野における特色のインクであってもよい。
上記の各色調の水性インクは、着色剤の色相を所望により変更することにより調製できる。
(着色剤)
本発明に用いる水性インクは、着色剤として、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。形成した画像の着色性の観点からは、水に殆ど不溶であるかまたは難溶である着色剤が好ましい。具体的には、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができる。さらに耐光性を考慮すると、顔料であることがより好ましい。
本発明に用いる水性インクが含有しうる顔料の種類に特に制限はなく、通常の有機もしくは無機顔料を用いることができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料又は多環式顔料がより好ましい。アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料が挙げられる。多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料が挙げられる。染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
本発明に用いることができる顔料の具体例は、特開2007−100071号公報の段落番号0142〜0145に記載の顔料などが挙げられる。
また、本発明において着色成分として染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを着色剤として用いることができる。染料としては公知の染料を特に制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料を本発明においても好適に用いることができる。また、担体としては、水に不溶または水に難溶であれば特に制限なく、無機材料、有機材料およびこれらの複合したものを用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体を本発明においても好適に用いることができる。
染料を保持した担体(着色剤)はそのまま、あるいは必要に応じて分散剤を併用して用いることができる。分散剤としては後述する分散剤を好適に用いることができる。
上記の着色剤は、1種単独でも、複数種を選択して組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いる水性インク中の着色剤の含有量は、色濃度、粒状性、インク安定性、吐出信頼性の観点から、水性インクの全質量に対して、1〜35質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましい。
−分散剤−
本発明に用いる水性インクが水系であり、着色剤が顔料である場合、顔料は、分散剤によって水系溶媒に分散された着色粒子(以下、単に「着色粒子」という)を構成していることが好ましい。
分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性ポリマー分散剤でも水不溶性ポリマー分散剤の何れでもよい。
上記低分子の界面活性剤型分散剤については、例えば、特開2011−178029号公報の段落0047〜0052に記載された公知の低分子の界面活性剤型分散剤を用いることができる。
上記ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸のホモポリマーや、アクリル酸、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入された親水性高分子化合物が好ましい。
水不溶性ポリマー分散剤は、水不溶性のポリマーであって、顔料を分散可能であれば特に制限はなく、従来公知の水不溶性ポリマー分散剤を用いることができる。水不溶性ポリマー分散剤は、例えば、疎水性の構造単位と親水性の構造単位の両方を含んで構成することができる。
ここで、疎水性の構造単位を構成するモノマー成分としては、スチレン系モノマー成分、アルキル(メタ)アクリレート成分、芳香族基含有(メタ)アクリレート成分等を挙げることができる。
また、親水性の構造単位を構成するモノマー成分としては、親水性基を含むモノマー成分であれば特に制限はない。この親水性基としては、ノニオン性基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。なお、ノニオン性基は、水酸基、(窒素原子が無置換の)アミド基、アルキレンオキシド重合体(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等)に由来する基、糖アルコールに由来する基等が挙げられる。
上記親水性構造単位は、分散安定性の観点から、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましく、ノニオン性基とカルボキシル基を共に含む形態であることもまた好ましい。
水不溶性ポリマー分散剤として、具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
水不溶性ポリマー分散剤は、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシ基を含むビニルポリマーであることが好ましい。さらに、疎水性の構造単位として少なくとも芳香族基含有モノマーに由来する構造単位を有し、親水性の構造単位としてカルボキシル基を含む構造単位を有するビニルポリマーであることがより好ましい。
また、水不溶性ポリマー分散剤の重量平均分子量は、顔料の分散安定性の観点から、3,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜100,000、さらに好ましくは5,000〜80,000、特に好ましくは10,000〜60,000である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel SuperHZM−H、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ2000(東ソー社製、4.6mmID×15cm)が用いられる。GPCの詳細な条件は、特開2010−155359号公報の段落番号〔0076〕に記載されたとおりである。
着色粒子における分散剤の含有量は、顔料の分散性、インク着色性、分散安定性の観点から、顔料100質量部に対し、分散剤が10〜90質量部であることが好ましく、20〜70質量部がより好ましく、30〜50質量部が特に好ましい。
着色粒子中の分散剤の含有量が、上記範囲内にあることにより、顔料が適量の分散剤で被覆され、粒径が小さく経時安定に優れた着色粒子を得やすい傾向となり好ましい。
着色粒子は、例えば、顔料、分散剤、必要に応じて溶媒(好ましくは有機溶剤)等を含む混合物を、分散機により分散することで着色粒子分散物として得ることができる。
着色粒子分散物は、例えば、上記顔料と上記ポリマー分散剤とこの分散剤を溶解または分散する有機溶剤との混合物に、塩基性物質を含む水溶液を加える工程(混合・水和工程)の後、有機溶剤を除く工程(溶剤除去工程)を設けて分散物として製造することができる。これにより、着色剤が微細に分散され、保存安定性に優れた着色粒子の分散物を作製することができる。
有機溶剤は、分散剤を溶解または分散できることが必要であるが、これに加えて水に対してある程度の親和性を有することが好ましい。具体的には、20℃において水に対する溶解度が10〜50質量%以下であるものが好ましい。
有機溶剤の好ましい例としては、水溶性有機溶剤が挙げられる。なかでもイソプロパノール、アセトンおよびメチルエチルケトンが好ましく、特に、メチルエチルケトンが好ましい。有機溶剤は、1種単独で用いても複数併用してもよい。
上記塩基性物質は、ポリマーが有することがあるアニオン性基(好ましくは、カルボキシル基)の中和に用いられる。アニオン性基の中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる着色剤粒子の分散物の液性が、例えばpHが4.5〜10であるものが好ましい。上記ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。
着色粒子分散物の製造工程での有機溶剤の除去は、特に方法が限定されるものではなく、減圧蒸留等の公知に方法により除去できる。
本発明に用いる水性インクにおいて、上記着色粒子は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において着色剤(または着色粒子)の体積平均粒径は、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。体積平均粒径が200nm以下であることで色再現性が良好になり、インクジェット方式の場合には打滴特性が良好になる。また、体積平均粒径が10nm以上であることで、耐光性が良好になる。
また、着色剤(または着色粒子)の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布または単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ着色剤を、2種以上混合して使用してもよい。
なお、着色剤(または着色粒子)の体積平均粒径は、Micorotrac粒度分布測定装置(商品名:Version 10.1.2−211BH、日機装社製)を用いて動的光散乱法により測定することができる。
(溶媒)
本発明に用いる水性インクは溶媒として、水を含有し、さらに通常は水溶性有機溶媒を含有する。水性インクに含まれる溶媒中、水の含有量は10質量%以上が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、30〜90質量%がさらに好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
水性インクに含まれうる上記水溶性有機溶媒は、20℃において水に対する溶解度が0.1質量%以上であるものが好ましい。この水溶性有機溶媒として、例えば、アルコール、ケトン、エーテル化合物、アミド化合物、二トリル化合物、スルホン化合物が挙げられる。
これらのうちアルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。
また、ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
エーテル化合物としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンが挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドが挙げられる。
ニトリル化合物としては、例えば、アセトニトリルが挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランが挙げられる。
(樹脂粒子)
本発明に用いる水性インクは、必要に応じ樹脂粒子を含有することができる。
この樹脂粒子は、上述の凝集誘導層と接触した際に分散不安定化して凝集しインクを増粘させることによりインクを固定化する機能を有することが好ましい。このような樹脂粒子は、水および有機溶剤の少なくとも1種に分散されているものが好ましい。
樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等あるいはそのラテックスを用いることができる。アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
また樹脂粒子はラテックスの形態で用いることもできる。
樹脂粒子を構成するポリマーの重量平均分子量は1万以上20万以下が好ましく、より好ましくは2万以上20万以下である。
また樹脂粒子の体積平均粒径は、1nm〜1μmの範囲が好ましく、1nm〜200nmの範囲がより好ましく、2nm〜100nmの範囲が更に好ましく、5nm〜50nmの範囲が特に好ましい。樹脂粒子の体積平均粒径は、上述の着色剤の体積平均粒径と同じ方法で測定することができる。
樹脂粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
Tgは、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220を用いて、昇温速度10℃/分で測定ときに、樹脂微粒子のガラス転移に伴いベースラインが変化しはじめる温度と、再びベースラインに戻る温度との平均として測定される。
上記樹脂粒子としては、自己分散性樹脂粒子を用いることが好ましい。
自己分散性樹脂とは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性樹脂をいう。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性樹脂が液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性樹脂が固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
上記自己分散性樹脂粒子としては、特開2010−64480号公報の段落0090〜0121や、特開2011−068085号公報の段落0130〜0167に記載されている自己分散性樹脂粒子を用いることができる。
自己分散性樹脂粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
自己分散性樹脂粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構造単位(好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位)を共重合比率として自己分散性ポリマー粒子の全質量の15〜80質量%を含むことが好ましい。
また、上記水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましい。更に、上記水不溶性ポリマーは、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
上記樹脂粒子の含有量は、水性インクの全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
また、樹脂微子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
(界面活性剤)
本発明に用いる水性インクは、表面張力調整剤として界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物等のアセチレンジオール誘導体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
これらの界面活性剤のなかでも、安定性の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アセチレンジオール誘導体がより好ましい。
本発明に用いる水性インクをインクジェット記録方式に用いる場合、インク吐出性の観点から、水性インクの表面張力が20〜60mN/mとなるよう界面活性剤の量を調整することが好ましく、より好ましくは20〜45mN/mとなる量であり、さらに好ましくは25〜40mN/mとなる量である。
水性インクの表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、25℃の温度下で測定される。
水性インク中の界面活性剤の含有量は、水性インクを上記表面張力の範囲内とすることができる量であることが好ましい。より具体的には、水性インク中の界面活性剤の含有量は0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.2〜3質量%である。
(他の成分)
本発明に用いる水性インクは、さらに必要に応じて、乾燥防止剤(膨潤剤)、乾燥剤、着色防止剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘土調整剤、pH調製剤、キレート剤等の添加剤を混合してもよい。混合方法に特に制限はなく、通常用いられる混合方法を適宜に選択し、水性インクを得ることができる。
(水性インクの物性)
本発明に用いる水性インクの25℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。
水性インクの粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、25℃の温度下で測定される。
本発明に用いる水性インクのpHは、分散安定性の観点から、25℃におけるpHが6〜11が好ましく、7〜10がより好ましく、7〜9がさらに好ましい。
<画像形成>
上記水性インクを上記凝集誘導層上に付与することにより、所望の画像を形成することができる。本発明において水性インクは、インクジェット方式により凝集誘導層上に吐出される。
本発明に好ましいインクジェット方式を用いた記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。以下、インクジェット方式についてさらに詳述する。
(インクジェット方式)
本発明の画像記録に用いるインクジェット方式には、特に制限はなく、公知の方式を採用することができる。例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等のいずれであってもよい。
また、インクジェット方式で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。さらに上記インクジェット方式により記録を行う際に使用するインクノズル等についても特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
なお、インクジェット方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
またインクジェット方式として、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行うことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。
インク付与工程をインクジェット方式で実施する場合、高精細印画を形成する観点から、インクジェット方式により吐出される水性インクの液滴量が1.5〜3.0pLであることが好ましく、1.5〜2.5pLであることより好ましい。吐出される水性インクの液滴量は、吐出条件を適宜に調整して調節することができる。
(インク乾燥工程)
工程(c)は、必要に応じて、凝集誘導層上に付与された水性インク中の溶媒(例えば、水、前述の水系媒体など)を乾燥除去するインク乾燥工程を備えていてもよい。インク乾燥工程は、インク溶媒の少なくとも一部を除去できれば特に制限はなく、通常用いられる方法を適用することができる。
(熱定着工程)
工程(c)は、必要により、上記インク乾燥工程の後に、熱定着工程を備えることが好ましい。熱定着処理を施すことにより、記録媒体上の画像の定着が施され、画像の擦過に対する耐性をより向上させることができる。熱定着工程として、例えば、特開2010−221415号公報の段落<0112>〜<0120>に記載の熱定着工程を採用することができる。
(インク除去工程)
本発明のインクジェット記録方法は、必要に応じて、インクジェット記録用ヘッドに付着した水性インク(例えば、乾燥により固形化したインク固形物)をメンテナンス液により除去するインク除去工程を含んでいてもよい。メンテナンス液及びインク除去工程の詳細は、国際公開第2013/180074号に記載されたメンテナンス液及びインク除去工程を好ましく適用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[略語]
本実施例に記載の略語の意味は下記の通りである。
MMA:メチルメタクリレート (和光純薬工社製)
MAA:メタクリル酸 (和光純薬工業社製)
EtMA:エチルメタクリレート (和光純薬工業社製)
nBuMA:ノルマルブチルメタクリレート (和光純薬工業社製)
iBuMA:イソブチルメタクリレート (和光純薬工業社製)
tBuMA:t−ブチルメタクリレート (和光純薬工業社製)
HMA:ヘキシルメタクリレート (和光純薬工業社製)
BzMA:ベンジルメタクリレート (和光純薬工業社製)
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート (和光純薬工業社製)
C12MA:ドデシルメタクリレート (和光純薬工業社製)
C18MA:ステアリルメタクリレート (和光純薬工業社製)
IBOMA:イソボルニルメタクリレート (和光純薬工業社製)
HO−MS:2−メタクリロイロキシエチルコハク酸 (共栄社化学社製)
PhMA:フェニルメタクリレート (アルドリッチ社製)
CB−1:2−メタクリロイロキシエチルフタル酸 (新中村化学社)
StCOOH:ビニル安息香酸 (東京化成社製)
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 (東京化成社製)
ホスマーM: リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル (ユニケミカル社製)
ホスマーPE: リン酸 2−(メタクリロイルオキシ)ポリオキシエチル (ユニケミカル社製)
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
St:スチレン(和光純薬工業社製)
V−65:2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)
V−601:2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬工業社製)
MEK:2−ブタノン(和光純薬工業社製、含水率0.02質量%)
Mw:重量平均分子量
下記に示すポリマーを合成した。
[合成例1] ポリマーA−1の合成
3つ口フラスコにMEK(104.06g)を入れ、窒素雰囲気下において85℃に昇温した。MMA(63.652g)、MAA(6.33g)、及びV−601(2.79g、モノマーのモル量の合計100mol%に対して1.2mol%)をMEK(25g)に溶解して得られた溶液を、上記3つ口フラスコ内に2時間かけて滴下した。滴下終了後85℃で4時間攪拌した。その後、1.39gのV−601をMEK1gに溶解した溶液を、上記3つ口フラスコ内に加え、85℃で2時間撹拌して反応を終了させ、ポリマーA−1を得た。得られたポリマーA−1の酸価は58.9mgKOH/g、重量平均分子量は13000であった。
[合成例2] ポリマーA−2の合成
3つ口フラスコにMEK(104.06g)を入れ、窒素雰囲気下において85℃に昇温した。MMA(63.652g)、MAA(6.33g)、及びV−601(5.58g、モノマーのモル量の合計100mol%に対して2.4mol%)をMEK(25g)に溶解して得られた溶液を、上記3つ口フラスコ内に2時間かけて滴下した。滴下終了後85℃で4時間攪拌した。その後、1.39gのV−601をMEK1gに溶解した溶液を、上記3つ口フラスコ内に加え、85℃で2時間撹拌して反応を終了させ、ポリマーA−2を得た。得られたポリマーA−2の酸価は110.5mgKOH/g、重量平均分子量は14000であった。
[合成例3〜23] ポリマーA−3〜A−23の合成
上記合成例1において、使用するモノマーの種類と使用量を、上記のポリマーA−3〜A−23の構造式に示される構成単位の質量比になるように変更したこと以外は、上記合成例1と同様にしてポリマーA−3〜A−23を合成した。
[比較合成例1] ポリマーB−1の合成
上記合成例1において、MAAを用いなかったこと以外は、上記合成例1と同様にしてポリマーB−1を合成した。
上記各合成例、比較合成例で調製したポリマーの組成、重量平均分子量、酸価を下記表1にまとめて示す。
[バリア層の形成]
上記合成例及び比較合成例で合成した各ポリマーを、MEKで希釈し、各ポリマーが15.8質量%濃度で溶解した23種のポリマー溶液(バリア層形成溶液)を調製した。得られたバリア層形成溶液の25℃における粘度は0.3〜5.2mPa・sの範囲内にあった。
このバリア層形成溶液を、A4サイズの記録媒体(OKトップコート127、王子製紙株式会社製、コート層が炭酸カルシウムを含む)のコート層上に、ポリマーの塗布量が下記表3に記載のとおりになるように全面塗布した。その後、80℃で10分間乾燥し、バリア層を形成した。
[凝集誘導層の形成]
下記組成の有機酸溶液を調製した。
マロン酸(和光純薬社製) ・・・11.3質量%
リンゴ酸(和光純製) ・・・14.5質量%
DEGmBE(ジエチレングリコールモノブチルエーテル) ・・・7.5質量%
TEGmME(トリエチレングリコールモノメチルエーテル) ・・・2.5質量%
イオン交換水 ・・・残部
得られた有機酸溶液の25℃におけるpHは1.1、25℃における粘度は0.6mPa・sであった。
上記で調製した有機酸溶液を、記録媒体上に形成したバリア層の上に、バーコーターを用いて、有機酸の塗布量が0.25g/mとなるように全面塗布した。その後、50℃で2秒間乾燥させ、凝集誘導層を形成した。
[インクの調製]
<ポリマー分散剤P−1の合成>
以下の通りポリマー分散剤P−1を合成した。
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに72℃で1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られたポリマー分散剤の組成は、H−NMRで確認した。また、重量平均分子量は44600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、1.16mgKOH/gであった。
<顔料分散液の調製>
(シアン分散液の調製)
シアン顔料であるピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)10部と、上記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1規定 NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部と、を混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。更に、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心管を使用し、8000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した
その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(シアン分散液C)を得た。得られたシアン分散液Cの顔料粒子の体積平均粒径は105nmであった。
体積平均粒径は、ナノトラック粒度分布測定装置 UPA−EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により測定した。
(マゼンタ分散液の調製)
シアン分散液の調製において、ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)の代わりに、マゼンタ顔料であるピグメント・レッド122を用いた以外は、シアン分散液の調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(マゼンタ分散液M)を調製した。得られたマゼンタ分散液Mの体積平均粒径は85nmであった。
(イエロー分散液の調製)
シアン分散液の調製において、ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)の代わりに、イエロー顔料であるピグメントイエロー74を用いた以外は、シアン分散液の調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(イエロー分散液Y)を調製した。得られたイエロー分散液Yの体積平均粒径は82nmであった。
(ブラック分散液の調製)
シアン分散液の調製において、ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)の代わりに、ブラック顔料であるカーボンブラック(デグッサ社製NIPEX160−IQ)を用いた以外は、シアン分散液の調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(ブラック分散液K)を調製した。得られたブラック分散液Kの体積平均粒径は130nmであった。
<自己分散性樹脂粒子D−01の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g、イソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。得られた共重合体の重量平均分子量は64000、酸価は0.69mmol/gであった。
次に、共重合溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1mol/LのNaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化させた。その後、大気圧下にて、反応容器内温度を80℃として2時間、次いで反応容器内温度を85℃として2時間、さらに反応容器内温度を90℃として2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0%の自己分散性樹脂粒子(D−01)の水分散物(エマルジョン)を得た。
<インクの作製>
上記で得られた各顔料分散液(シアン分散液C、マゼンタ分散液M、イエロー分散液Y、ブラック分散液K)及び自己分散性樹脂粒子D−01を用い、下記表2に示すインクの組成(単位:質量%)となるように各成分を混合し、各インク組成物(ブラックインク組成物K、シアンインク組成物C、マゼンタインク組成物M、イエローインク組成物Y)を調製した。
調製した各インク組成物を、プラスチック製ディスポーサブルシリンジを用いて、PVDF5μmフィルター(ミリポア社製Millex SV、直径25mm)で濾過し、完成インク(ブラックインクK、シアンインクC、マゼンタインクM、イエローインクY)とした。
[試験例]
<カックル(Cockle)の評価>
株式会社リコー製GELJET GX5000プリンターヘッドを用意した。このプリンターヘッドは、96本のノズルが並ぶラインヘッドである。このプリンターヘッドを、特開2013−223960号公報の図1に記載された構造のインクジェット記録装置に固定配置した。
このときの配置は、インクジェット記録装置のステージの移動方向と同一平面上で直交する方向に対し、96本のノズルが並ぶ方向が75.7°傾斜する配置とした。
上述した、コート層上にバリア層と凝集誘導層をこの順に設けた記録媒体の凝集誘導層上に、下記の方式でインク打滴を開始した。
(打滴方法)
記録媒体を上記ステージの移動方向に定速移動させながら、上記プリンターヘッドから上記で調製されたブラックインクK、シアンインクC、マゼンタインクM、及びイエローインクYを、それぞれインク液滴量1.2pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×1200dpi(dot per inch)、ステージ速度50mm/sの吐出条件にて、ライン方式で吐出し、各色のドットが重なるようにベタ画像を印画した。より詳細には、記録媒体の凝集誘導層上の中央部に、上記条件での4色シングルパス画像形成により、ブラック色100%ベタ画像(2cm×10cm)を印画した。
印画直後、60℃で3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施した。
その後、印画直後に発生する波打ち(カックル)を評価した。
− 記録媒体の変形の評価 −
上記で形成した画像を目視観察し、カックルの発生状態を下記評価基準により評価した。
A:画像形成部位の全体に渡ってカックルが生じなかった。
B:画像形成部位の一部にカックルが生じたが、実用上問題ないレベルであった。
C:画像形成部位の広い範囲にカックルが生じた。
D:画像形成部位の全体にカックルが生じた。
結果を下記表3に示す。
<ドット径の評価>
GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製)を用意し、これらに繋がる貯留タンクを上記で調製したイエローインクYに詰め替えた。このプリンターヘッドを、特開2013−223960号公報の図1に記載された構造のインクジェット記録装置に固定配置した。
具体的には、GELJET GX5000プリンターヘッドを、上記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、上述した、バリア層と凝集誘導層をこの順に設けた記録媒体を、副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてライン方式で吐出し、イエロードットを印画した。
印画直後、60℃で3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施し、イエローインクによるドット画像が形成されたドットの評価サンプルを得た。
得られた評価サンプルについて、イエローインクのドット20個の直径を、顕微鏡を用いて測定し、その平均値をドット径とした。このドット径から、コート層上にバリア層を形成せずに凝集誘導層を形成した記録媒体を用いて上記と同様にして形成したイエロードットのドット径を差し引くことで、ドット径差を算出し、下記評価基準に従って評価した。
− ドット径の評価 −
A:ドット径差の絶対値が3.0μm以下であった。
B:ドット径差の絶対値が3.0μmを超えて4.0μm以下であった。
C:ドット径差の絶対値が4.0μmを超えて5.0μm以下であった。
D:ドット径差の絶対値が5.0μmを超えた。
結果を下記表3に示す。
<光沢度の評価>
GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製)を用意し、これらに繋がる貯留タンクを上記で調製したブラックインクKに詰め替えた。このプリンターヘッドを、特開2013−223960号公報の図1に記載された構造のインクジェット記録装置に固定配置した。
具体的には、GELJET GX5000プリンターヘッドを、上記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、上述した、バリア層と凝集誘導層をこの順に設けた記録媒体を、副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてライン方式で吐出し、凝集誘導層の全面にブラックベタ画像を印画した。
印画直後、60℃で3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施した。
得られた画像を、光沢度計IG−410(HORIBA社製)を用いて、JIS K 5600で規定されている60度光沢度で評価した。具体的には、コート層上にバリア層を形成せずに凝集誘導層を形成した記録媒体を用いて上記と同様にして形成したベタ画像の光沢度との差(光沢度差)に基づき、下記評価基準により評価した。なお、バリア層を形成した記録媒体を用いた場合の光沢度は、バリア層を形成していない記録媒体を用いた場合の光沢度と同等か、あるいはバリア層を形成していない記録媒体を用いた場合の光沢度よりも高かった。
− 光沢度の評価 −
A:光沢度差が1未満である。
B:光沢度差が1以上3未満である。
C:光沢度差が3以上5未満である。
D:光沢度差が5以上10未満である。
E:光沢度差が10以上である。
表3の結果から、バリア層を有さない比較例1では、画像形成部位の全体にカックルが生じ、記録媒体の変形が顕著であった。
また、バリア層に含まれるポリマーが酸性基を有さない比較例2では、カックルが抑えられ、ドット径の変動も比較的小さいが、画像の光沢度が上昇する結果となった。
これに対し実施例1〜23では、いずれもカックルの発生が抑えられ、光沢度の変動も抑えられていた。また、ドット径の変動が大きくなることもなかった。

Claims (12)

  1. 下記工程(a)〜(c)を含む画像記録方法:
    (a)非水性媒体中に酸性基を有するポリマーを含有してなる溶液を用いて、記録媒体上にバリア層を形成する工程;
    (b)前記バリア層上に、有機酸を含有する層を形成する工程;及び
    (c)前記の有機酸を含有する層上に、インクジェット方式により水性インクを吐出して画像を形成する工程。
  2. 前記の酸性基を有するポリマーが、下記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(2)で表される構成単位とからなる、請求項1に記載の画像記録方法。

    式中、R及びRは水素原子又はメチルを示す。Y及びYは−C(=O)O−、−C(=O)NR−又はフェニレン基を示す。Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、アルキル基又は芳香族基を示す。Lは単結合又は2価の連結基を示す。Aは水素原子又は酸性基であり、Aが水素原子の場合、−Y−L−Aはカルボキシ基である。
  3. 前記の酸性基を有するポリマー中、前記一般式(1)で表される構成単位の含有率が70〜99質量%であり、前記一般式(2)で表される構成単位の含有率が1〜30質量%である、請求項2に記載の画像記録方法。
  4. 前記酸性基が−COOH、−SOH、及び−OP(=O)(OH)、及び−P(=O)(OH)から選ばれる少なくとも1種の基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記酸性基が−OP(=O)(OH)及び−P(=O)(OH)から選ばれる少なくとも1種の基である、請求項4に記載の画像記録方法。
  6. 前記の酸性基を有するポリマーの酸価が200mgKOH/g以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記の酸性基を有するポリマーの重量平均分子量が20000未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  8. 前記有機酸が、DL−リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、マレイン酸、及びリン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  9. バリア層中の前記酸性基を有するポリマーの量が10g/m未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  10. 前記記録媒体が紙媒体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  11. 前記紙媒体が炭酸カルシウムを含有するコート層を有する、請求項10に記載の画像記録方法。
  12. 前記工程(c)が、前記画像を加熱して定着させる工程を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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