JP2010031267A - インクジェット記録用インクセット、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクセット、およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1色目のインクを付与してから第2色目のインクを付与するまでの時間が1秒以下の高速記録を行う場合、2次色目の画像が収縮する、いわゆる2次色画像変形が発生する。このような高速記録においても2次色画像変形の発生を抑制可能なインクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】色材と、メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上含むポリマー粒子とを含有するインク組成物30C,30M,30Y,30Kと、前記インク組成物と接触したときに凝集物を形成可能な処理液12Sとを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録用インクセット、およびこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録用の被記録媒体としては、様々な記録媒体が検討されており、高品位の画像を形成し得る技術が求められている。また、インクにおいても、耐水性や耐光性等の観点から、種々のインク材料が検討されている。
例えば、インク材料の含有成分の1つである着色剤には、顔料が広く用いられており、顔料は水等の媒質中に分散されて用いられる。顔料を分散させて用いる場合、分散させたときの分散粒径や分散後の安定性、サイズ均一性等や、吐出ヘッドからの吐出性などが重要であり、これらを向上させる技術の検討が種々行なわれている。
その一方で、普通紙などに記録を行なうにあたって、発色濃度以外にも、定着性(例えば擦過耐性)、解像度などにおいて、充分な性能が得られていない場合がある。特に、インクジェット記録を高速化する場合が挙げられ、シャトルスキャン方式ではなく、1回のヘッド操作で記録可能なシングルパス方式で高速記録する場合の記録適性が求められるようになってきている。
上記に関連する技術として、記録媒体上に、インク組成物と接触したとき凝集物を生じさせる反応剤を含む反応液と、表面張力が記録媒体の表面張力以下であるインク組成物と、を付着させる記録方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−52804号公報
しかし、特許文献1に記載のインク組成物では、第1色目のインクを付与してから第2色目のインクを付与するまでの時間が1秒以下の高速記録を行う場合、2次色目の画像が収縮する、いわゆる2次色画像変形が発生する。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、高速記録においても2次色画像変形の発生を抑制可能なインクジェット記録用インクセット、および該インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
本発明は、色材を含有するインク組成物に、メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上含むポリマー粒子を含有させることで、高速記録においても2次色画像変形の発生を抑制できるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上有するポリマー粒子と色材とを含有するインク組成物と、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成可能な処理液と、を含むインクジェット記録用インクセット。
<2> 前記ポリマー粒子はメタクリル酸誘導体由来の構成単位を80質量%以上含む、前記<1>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<3> 前記ポリマー粒子は自己分散性ポリマー粒子である、前記<1>または<2>に
記載のインクジェット記録用インクセット。
<4> 前記色材は顔料である、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
<5> 前記色材はポリマー分散剤で被覆された顔料である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
<6> 色材と、メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上含むポリマー粒子とを含有するインク組成物を、記録媒体上にインクジェット方式で付与するインク付与工程と、前記インク組成物と接触したときに凝集物を形成可能な処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、を有するインクジェット記録方法。
<7> 前記インク付与工程は、第1のインク組成物を記録媒体上に付与する第1のインク付与工程と、前記第1のインク組成物を付与してから1秒以内に、前記第1のインク組成物とは異なる第2のインク組成物を前記記録媒体上に付与する第2のインク付与工程と、を含み、前記第1のインク付与工程および前記第2のインク付与工程の少なくとも一方はライン方式によるインク付与である、前記<6>に記載のインクジェット記録方法。
<8> 前記記録媒体は、水の吸収係数Kaが0.05〜0.5mL/m・ms1/2である、前記<6>または<7>に記載のインクジェット記録方法である。
本発明によれば、高速記録においても2次色画像変形の発生を抑制可能なインクジェット記録用インクセット、および該インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明の画像記録方法の実施に用いるインクジェット記録装置の構成例を示す概略構成図である。
以下、本発明のインクジェット記録用インクセット、及びこれを用いたインクジェット記録方法について詳細に説明する。
<インクジェット記録用インクセット>
本発明のインクジェット記録用インクセットは、メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上有するポリマー粒子と色材とを含有するインク組成物と、インク組成物と接触したときに凝集体を形成可能な処理液とを備え、インク組成物を処理液との接触時に凝集させて画像化するものである。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、インク組成物、および処理液それぞれを1種含む形態であってもよいし、複数種含む形態であってもよい。本発明においては、少なくともインク組成物を、複数種含む形態であることが好ましい。
従来、2種以上のインク組成物を用いてインクジェット方式で多色画像を記録する場合、顔料等の色材と共にラテックス等のポリマー粒子が混在されたインク組成物では、最終的にポリマー粒子で皮膜化された画像が得られるが、例えば第1色目の画像記録後にこれに接触ないし重なり領域を持つように第2色目又は第3色目以降の画像を記録する際に、例えば第1色目の画像上で色材移動が生じ、最終画像中に濃度ムラや色ムラ等が目立って高画質化に支障を来たすことがあった。この現象は2次色画像変形と呼ばれ、第1色目のインク打滴と第2色目のインク打滴の時間間隔が1秒以下の高速記録において問題となることがあった。この2次色画像変形は特に、第1色目のインクと第2色目のインクがともにベタ画像を形成する場合に顕著に発生することが知られている。
本発明においては、インクジェット記録用インクセットを構成するインク組成物が含有するポリマー粒子が、メタクリル酸誘導体に由来する構成単位を65質量%以上有していることで、多色のべた画像を高速記録する場合においても、2次色画像変形の発生を効果的に抑制することができる。
−インク組成物−
インク組成物は、メタクリル酸誘導体に由来する構成単位を65質量%以上有するポリマー粒子の少なくとも1種と、色材の少なくとも1種とを含み、必要に応じて、親水性有機溶媒と、界面活性剤と、水と、更にその他の添加剤などを用いて構成することができる。以下、インク組成物を構成する各成分について詳述する。
(ポリマー粒子)
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有する。本発明におけるポリマー粒子を構成するポリマー(分子)は、メタクリル酸誘導体モノマーに由来する構成単位と、その他のモノマーに由来する構成単位とから構成され、ポリマーの構成単位の65質量%以上がメタクリル酸誘導体に由来することを特徴とする。本発明においては、2次色画像変形抑制の観点から、ポリマーの構成単位の80質量%以上がメタクリル酸誘導体に由来することが好ましい。
ここでメタクリル酸誘導体とは、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、およびメタクリル酸を意味する。
メタクリル酸エステル類としてはメタクリル酸のエステルであれば特に制限はなく、アルキルエステルであっても、アリールエステルであってもよい。具体的には例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート;ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレートなどの芳香環を含有するアルキルメタクリレート;ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシペンチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート等の水酸基を有するアルキルメタクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート等のジアルキルアミノアルキルメタクリレート;フェニルメタクリレート等のアリールメタクリレート等を挙げることができる。
また、メタクリル酸アミド類としてはメタクリル酸のアミドであれば特に制限はなく、アルキルアミドであっても、アリールアミドであってもよい。具体的には例えば、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、Nーヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシブチルメタクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキルメタクリルアミド;N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシエチルメタクリルアミド、N−エトキシエチルメタクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチルメタクリルアミド等のN−アルコキシアルキルメタクリルアミド等を挙げることができる。
本発明においてメタクリル酸誘導体としては、2次色画像変形抑制の観点から、メタクリル酸エステル類およびメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、およびメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明においてポリマーを構成するメタクリル酸誘導体は、1種単独であっても2種以上の組合せであってもよい。
本発明におけるポリマーを構成するメタクリル酸誘導体由来の構成単位以外の構成単位を構成するその他のモノマーとしては、メタクリル酸誘導体と重合可能なモノマーであれば特に制限はなく、例えば、アクリル酸誘導体、ビニルエステル誘導体、スチレン誘導体、オレフィン類(エチレン等)、不飽和多価カルボン酸誘導体(マレイン酸、イタコン酸等)等を挙げることができる。
本発明におけるポリマー粒子としては、吐出安定性及び後述の色材(特に顔料)を用いた場合の液安定性(特に分散安定性)の観点から、自己分散性ポリマー粒子が好ましく、カルボキシル基を有する自己分散性ポリマー粒子がより好ましい。自己分散性ポリマー粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンション)の両方の状態を含むものである。
本発明における水不溶性ポリマーにおいては、インク組成物としたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー粒子の分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、分散状態が25℃で少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる状態をいう。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
前記水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて親水性有機溶媒を含んでいてもよい。本発明においては、水と水に対して0.2質量%以下の親水性有機溶媒とから構成されることが好ましく、水から構成されることがより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー粒子は、自己分散性の観点から、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含む水不溶性ポリマーを含むことが好ましい。
前記親水性の構成単位は、親水性基含有モノマーに由来するものであれば特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であってもノニオン性親水性基であってもよい。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
本発明における親水性基含有モノマーは、自己分散性と凝集性の観点から、解離性基含有モノマーであることが好ましく、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマーであることが好ましい。
解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとして具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとして具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとして具体的には、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー粒子は、自己分散性と処理液と接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価(mgKOH/g)が25〜120であるポリマーを含むことがより好ましい。更に、前記酸価は、自己分散性と処理液と接触したときの凝集速度の観点から、50〜120であることがより好ましく、60〜110であることが特に好ましい。
特に、酸価は、25以上であると自己分散性の安定性が良好になり、120以下であると凝集性が向上する。
前記芳香族基含有モノマーは、芳香族基と重合性基とを含む化合物であれば特に制限はない。前記芳香族基は芳香族炭化水素に由来する基であっても、芳香族複素環に由来する基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましい。
また前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
本発明における芳香族基含有モノマーは、芳香族炭化水素に由来する芳香族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。芳香族基含有モノマーは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記芳香族基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明における自己分散性ポリマー粒子は、アクリル系ポリマーの粒子であることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%未満であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。
本発明においては、自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒
体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー粒子は、例えば、芳香族基含有モノマーに由来する構成単位と、解離性基含有モノマーに由来する構成単位とを用いて構成することができる。更に、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んでもよい。
前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記芳香族基含有モノマーと解離性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限はない。中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
本発明における自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なう。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
本発明における自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構造単位(好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位)を共重合比率として自己分散性ポリマ
ー粒子の全質量の15〜80質量%を含むことが好ましい。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、アニオン基(好ましくはカルボキシル基)含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、アニオン基(好ましくはカルボキシル基)含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜120であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が50〜120であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
以下に、自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの具体例として、例示化合物B−01〜B−07を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、括弧内は共重合成分の質量比を表す。
B−01:メタクリル酸メチル/メトキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=44/15/35/6
(メタクリル酸誘導体比率:85質量%)
B−02:メタクリル酸メチル/フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/アクリル酸=50/15/30/5
(メタクリル酸誘導体比率:80質量%)
B−03:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸=16/35/43/6
(メタクリル酸誘導体比率:84質量%)
B−04:メタクリル酸メチル/フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=45/23/26/6
(メタクリル酸誘導体比率:100質量%)
B−05:メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/アクリル酸=70/25/5
(メタクリル酸誘導体比率:70質量%)
B−06:メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/アクリル酸=65/30/5
(メタクリル酸誘導体比率:65質量%)
B−07:メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/メタクリル酸=70/25/5
(メタクリル誘導体比率:75質量%)
本発明における自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの製造方法としては特に制限はなく、例えば、重合性界面活性剤の存在下に、乳化重合を行い、界面活性剤と水不溶性ポリマーとを共有結合させる方法、上記親水性基含有モノマーと芳香族基含有モノマーとを含むモノマー混合物を溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合法により、共重合させる方法を挙げることができる。前記重合法の中でも、凝集速度とインク組成物としたときの打滴安定性の観点から、溶液重合法が好ましく、有機溶媒を用いた溶液重合法がより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー粒子は、凝集速度の観点から、有機溶媒中で合成されたポリマーを含み、該ポリマーはアニオン基(好ましくはカルボキシル基)を有し、(好ましくは酸価が20〜100であって)該ポリマーのアニオン基(例えばカルボキシル基)の一部又は全部は中和され、水を連続相とするポリマー分散物として調製されたものであることが好ましい。すなわち、本発明における自己分散性ポリマー粒子の製造は、有
機溶媒中でポリマーを合成する工程と、前記ポリマーのアニオン基(例えばカルボキシル基)の少なくとも一部が中和された水性分散物とする分散工程とを設けて行なうことが好ましい。
前記分散工程は、次の工程(1)及び工程(2)を含むことが好ましい。
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
前記工程(1)は、まずポリマー(水不溶性ポリマー)を有機溶媒に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。
アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶媒を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、自己分散性ポリマーが水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。自己分散性ポリマーが解離性基としてアニオン性の解離基(例えば、カルボキシル基)を有する場合、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアニン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、本発明の自己分散性ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましく、10〜110モル%であることがより好ましく、15〜100モル%であることが更に好ましい。15モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、100モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させ、粘度の上昇を抑制する効果がある。
前記工程(2)においては、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶媒を留去して水系へと転相することで自己分散性ポリマー粒子の水性分散物を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)の平均粒子径は、体積平均粒子径で1〜400nmの範囲が好ましく、1〜200nmの範囲がより好ましく、1〜100nmの範囲が更に好ましく、特に好ましくは1〜50nmの範囲である。1nm以上の平均粒子径であることで製造適性が向上する。平均粒子径を1nm以上とすることで、ポリマー粒子の水分散液の粘度上昇が抑制され、取り扱い性がより良好になる。また、400nm以下の平均粒子径とすることで保存安定性が向上する。また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、水不溶性粒子を2種以上混合して使用してもよい。
なお、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定することにより求められるものである。
ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)のインク組成物中における含有量としては、画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
インク組成物に含まれる色材と、ポリマー粒子(好ましくは自己分散性ポリマー粒子)との間の比率(色材/ポリマー粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
(色材)
本発明におけるインク組成物は、色材の少なくとも1種を含有する。前記色材は水不溶性色材であることが好ましい。水不溶性色材を含有することで、インク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
水不溶性色材とは、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である色材をいい、具体的には、25℃の水に溶解する量が0.5質量%以下であることをいう。
水不溶性色材を構成する色材成分としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができ、顔料がより好ましい。
本発明においては、水不溶性の顔料自体、又は分散剤で表面処理された水不溶性の顔料を水不溶性色材として含有することができる。
前記顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機及び無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても、水相に分散可能であればいずれも使用できる。更に、前記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も使用可能である。
これら顔料のうち、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナ
クリドン顔料、カーボンブラック系顔料が好ましい。
本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
マゼンタ又はレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
グリーン又はシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、米国特許4311775号明細書に記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック6、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
〜分散剤〜
色材として顔料を含有する場合、分散剤によって水系溶媒に分散されていることが好ましい。分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては、水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤(以下、「低分子分散剤」ということがある。)は、インクを低粘度に保ちつつ、有機顔料を水溶媒に安定に分散させることができる。ここでいう低分子分散剤は、分子量2000以下の低分子分散剤である。また、低分子分散剤の分子量は、100〜2000が好ましく、200〜2000がより好ましい。
前記低分子分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基は、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基を連結するための連結基も適宜有することができる。
前記親水性基としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等を挙げることができる。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであれば特に制限はないが、リン酸基、
ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基又はカルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
カチオン性基は、プラスの電荷を有するものであれば、特に制限はないが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンを含むカチオン性基であることがより好ましく、窒素を含むカチオン性基であることが更に好ましい。中でも、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることが特に好ましい。
ノニオン性基は、マイナス又はプラスの電荷を有しないものであれば、特に制限はなく、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
本発明においては、顔料の分散安定性と凝集性の観点から、親水性基がアニオン性基であることが好ましい。
また、低分子分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、そのpKaは3以上であることが好ましい。本発明における低分子分散剤のpKaは、テトラヒドロフラン−水=3:2(V/V)溶液に低分子分散剤1mmol/Lに溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。
理論上、低分子分散剤のpKaが3以上であれば、pH3程度の処理液と接したときに、アニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。この観点から、低分子分散剤が、アニオン性基としてカルボン酸基を有していることが好ましい。
一方、前記疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等のいずれの構造を有するものであってもよいが、特に炭化水素系であることが好ましい。また、これらの疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また、疎水性基は、1本鎖状構造、又は2本以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基が更に好ましい。
ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物を用いることができる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
天然物を原料として化学修飾した親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
また、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、顔料の分散安定性と凝集性の観点から、カルボキシル基を含む高分子化合物が好ましく、例えば、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂等のようなカルボキシル基を含む高分子化合物が特に好ましい。
ポリマー分散剤のうち非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量としては、3,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜100,000、更に好ましくは5,000〜80,000、特に好ましくは10,000〜60,000である。
また、顔料と分散剤との混合質量比(顔料:分散剤)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
着色材として染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを水不溶性色材として用いることができる。染料としては公知の染料を特に制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料を本発明においても好適に用いることができる。また、担体としては、水に不溶又は水に難溶であれば特に制限なく、無機材料、有機材料及びこれらの複合材料を用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体を本発明においても好適に用いることができる。
染料を保持した担体(水不溶性色材)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
色材は、画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と分散剤とを含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含むことがより好ましく、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含むことが特に好ましい。中でも、水不溶性色材としては、凝集性、ひいてはインク定着性の観点から、色材(好ましくは顔料)が(好ましくはカルボキシル基を有する)ポリマー分散剤で被覆された水不溶性のものが好ましく、更には、顔料がアクリル系ポリマーで被覆された水不溶性のものが好ましい。アクリル系ポリマーとしては、例えば、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂等が好ましい。
更に、凝集性の観点から、前記ポリマー粒子(好ましくは自己分散性ポリマー粒子)の酸価に対して、ポリマー分散剤の酸価が大きいことが好ましい。
色材の平均粒子径(体積平均粒子径)としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になり、10nm以上であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
なお、ポリマー粒子の体積平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により求められるものである。
水不溶性色材のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
水不溶性色材は、1種単独で又は2種以上を組合わせて使用してもよい。
(親水性有機溶媒)
本発明におけるインク組成物は、水を溶媒として含むものであるが、親水性有機溶媒の少なくとも1種を更に含有することが好ましい。親水性有機溶媒を含有することで、乾燥防止、浸透促進を図ることができる。親水性有機溶媒を乾燥防止剤として用いる場合、インク組成物をインクジェット法で吐出して画像記録する際に、インク吐出口でのインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。
乾燥防止のためには、水より蒸気圧の低い親水性有機溶媒が好ましい。乾燥防止に好適な親水性有機溶媒の具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体等が挙げられる。
中でも、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。また、これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの親水性有機溶媒は、インク組成物中に10〜50質量%含有されることが好ましい。
また、浸透促進のためには、インク組成物を記録媒体により良く浸透させる観点から親水性有機溶媒が好適に用いられる。浸透促進に好適な親水性有機溶媒の具体的な例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類が挙げられる。またラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等も浸透促進に好適に用いられる。これらは、インク組成物中に5〜30質量%含有されることで良好な効果が得られる。また、これらの親水性有機溶媒は、印字・画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲内で用いられるのが好ましい。
また、親水性有機溶媒は、上記以外にも粘度の調整に用いることができる。粘度の調整に用いることができる親水性有機溶媒の具体的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。
なお、親水性有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
(界面活性剤)
本発明におけるインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いられる。表面張力調整剤として、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤は、インクジェット法で良好に打滴するために、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる量を含有するのが好ましい。中でも、界面活性剤の含有量は、表面張力を20〜45mN/mに調整できる量が好ましく、より好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
インク組成物の表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、プレート法により25℃の条
件下で測定されるものである。
界面活性剤の具体的な例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社)、オルフィンE1010(日信化学工業(株))も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等も挙げられ、耐擦過性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物
、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
(水)
本発明におけるインク組成物は、水を含有することが好ましい。また含有する水の量には特に制限はない。本発明において水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
(その他の添加剤)
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を更に含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物を調製後に直接添加してもよく、インク組成物の調製時に添加してもよい。
前記紫外線吸収剤を含有することにより、画像の保存性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載のベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載のベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載の桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載のトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載の化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤を含有することにより、画像の保存性を向上させることができる。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIない
しJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載の化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載の代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
前記pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は、インク組成物の保存安定性を向上させる観点から、インク組成物のpHが6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
本発明におけるインク組成物の粘度は、インクジェット法で吐出する場合の吐出安定性、及び後述の処理液を用いた際の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ま
しく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製
)を用い、インク組成物を20℃の条件下で測定されるものである。
−処理液−
本発明における処理液は、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成できる水性組成物であり、具体的には、インク組成物と混合されたときに、インク組成物中の色材粒子(顔料等)などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成可能な凝集成分を少なくとも含み、必要に応じて、他の成分を用いて構成することができる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
(凝集成分)
処理液は、インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分の少なくとも1種を含有する。インクジェット法で吐出された前記インク組成物に処理液が混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
処理液の例としては、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせることができる液体が挙げられる。このとき、処理液のpH(25℃±1℃)は、インク組成物の凝集速度の観点から、0.5〜6であることが好ましく、0.5〜4であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。この場合、吐出工程で用いる前記インク組成物のpH(25±1℃)は、7.5〜9.5(より好ましくは8.0〜9.0
)であることが好ましい。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃±1℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃±1℃)が1〜4である場合が好ましい。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
処理液は、凝集成分として、酸性化合物の少なくとも1種を用いて構成することができる。酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩(例えば多価金属塩)を使用することができる。中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシル基を有する化合物がより好ましく、カルボキシル基を有する化合物であることが更に好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩(例えば多価金属塩)等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
本発明における処理液は、上記酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水)を更に含んで構成することができる。
処理液の酸性化合物の含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい
また、高速凝集性を向上させる処理液の好ましい一例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩、及びポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体を挙げることができる。金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
金属の塩の処理液中における含有量としては、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲である。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜50mN/mであることがより好ましく、25〜45mN/mであることがさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、インク組成物と接触したときに凝集体を形成可能な既述の処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、既述のインク組成物を記録媒体上にインクジェット方式で付与するインク付与工程と、を少なくとも設けて構成されたものであり、必要に応じて、他の工程を設けて構成することができる。
本発明のインクジェット記録方法におけるインク組成物は、メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上有するポリマー粒子と、色材とを少なくとも含んでなる。各成分の詳細及び好ましい態様については既述した通りである。
また処理液は、凝集成分等を用いて構成することができ、各成分の詳細及び好ましい態様については既述した通りである。
本発明のインクジェット記録方法においては、色材とポリマー粒子とを含有するインク組成物に、該インク組成物との間で凝集体を形成可能な処理液を作用させて画像化する記録系を構成する際に、インク組成物に含まれるポリマー粒子がメタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%含む構成とすることで、複数種のインク組成物が同一記録媒体上で互いに接触ないし重なった際の色材移動を抑制することができ、記録画像の色濃度及び色相が向上する。
以下、本発明のインクジェット記録方法を構成する各工程を説明する。
−インク付与工程−
インク付与工程は、既述のインク組成物をインクジェット法で記録媒体上に付与する。本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。なお、インク組成物の詳細については既述の通りである。
インクジェット法を利用した画像の記録は、具体的には、エネルギーを供与することに
より、所望の被記録媒体、すなわち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に液体組成物を吐出することにより行なえる。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェットヘッドとしては、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明のインクジェット記録方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦過性の向上効果が大きい。
本発明におけるインク付与工程は、第1のインク組成物を記録媒体上に付与する第1のインク付与工程と、前記第1のインク組成物を付与してから1秒以内(より好ましくは、0.6秒以内、より好ましくは0.4秒以内)に、前記第1のインク組成物とは異なる第2のインク組成物を前記記録媒体に付与する第2のインク付与工程とを含み、前記第1のインク付与工程と前記第2のインク付与工程の少なくとも一方はライン方式によるインク付与であることが好ましい。
上述した本発明のインク組成物をかかるインク付与工程に適用することで、より効果的
に、2次色画像変形の発生を抑制することができる。
本発明における第1のインク組成物および第2のインク組成物としては、既述のインク組成物を特に制限なく適用することができる。また第2のインク組成物は第1のインク組成物と異なることを特徴とするが、含有する成分が異なるものであっても、各成分の含有率が異なるものであってもよい。本発明においては、2次色画像変形抑制の観点から、色材の種類または含有率の少なくとも一方が異なるものであることが好ましく、色材の種類が異なるものであることがより好ましい。
−処理液付与工程−
処理液付与工程は、インク組成物と接触したときに凝集体を形成可能な既述の処理液を記録媒体上に付与し、インク組成物と処理液とを接触させて画像化する構成とすることができる。この場合、処理液が例えば顔料粒子を含有するインク組成物と接触したときには、インク組成物中の顔料粒子を含む分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。
処理液の詳細及び好ましい態様については、既述の通りである。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。すなわち、記録媒体上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の色材(好ましくは顔料)を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
本発明のインクジェット記録方法においては、最初に画像記録する記録媒体として中間転写体を用い、中間転写体上に、本発明における液体組成物をインクジェット法により付与するインク付与工程と、中間転写体上に、液体組成物と接触したときに凝集体を形成可能な処理液を付与する処理液付与工程とを設け、液体組成物と処理液とを接触させて中間転写体上に画像を形成した後、中間転写体に形成された画像を所望とする最終の被記録媒体に転写する転写工程を設けた方法であってもよい。この場合も、処理液付与工程で処理液を付与した後に吐出工程を設ける態様が好ましい。
また、本発明においては、処理液付与工程後にインク付与工程を設け、処理液を記録媒体上に付与した後、インク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を加熱乾燥する加熱乾燥工程を更に設けることが好ましい。インク付与工程前に予め処理液を加熱乾燥させることにより、にじみ防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
加熱乾燥は、ヒーター等の公知の加熱手段やドライヤー等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒーター等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒーターを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
−記録媒体−
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明のインクジェット記録方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しおらい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
上記の中でも、色材移動の抑制効果が大きく、従来以上に色濃度及び色相の良好な高品位な画像を得る観点からは、好ましくは、水の吸収係数Kaが0.05〜0.5でmL/m・ms1/2の記録媒体であり、より好ましくは0.1〜0.4mL/m・ms1/2の記録媒体であり、更に好ましくは0.2〜0.3mL/m・ms1/2の記録媒体である。
水の吸収係数Kaは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No51:2000(発行:紙パルプ技術協会)に記載されているものと同義であり、具体的には、吸収係数Kaは、自動走査吸液計KM500Win(熊谷理機(株)製)を用いて接触時間100msと接触時間900msの水の転移量の差から算出されるものである。
本発明において、処理液の付与量、および水性インクの付与量は、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、処理液と水性インクとが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために、処理液の付与量を変えてもよい。
次に、本発明のインクジェット記録媒方法により画像を形成する一例を、図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示すインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる加熱手段(不図示)を備えた処理液乾燥ゾーン13と、各種水性インクを吐出するインク吐出部14と、吐出された水性インクを乾燥させるインク乾燥ゾーン15とが配設されている。また、記録媒体の搬送方向におけるインク乾燥ゾーン15の下流側には、更に記録媒体上の画像を定着する画像定着部16が配設されている。
このインクジェット記録装置に供給された記録媒体は、記録媒体が装填されたケースから記録媒体を給紙する給紙部から、搬送ローラによって、処理液付与部12、処理液乾燥ゾーン13、インク吐出部14、インク乾燥ゾーン15と順に送られ、更に必要に応じて画像定着部16での定着処理を経て集積部に送られる。搬送は、搬送ローラによる方法の
ほか、ドラム状部材を用いたドラム搬送方式やベルト搬送方式、ステージを用いたステージ搬送方式などを採用してもよい。
複数配置された搬送ローラのうち、少なくとも1つのローラはモータ(不図示)の動力が伝達された駆動ローラとすることができる。モータで回転する駆動ローラを定速回転することにより、記録媒体は所定の方向に所定の搬送量で搬送されるようになっている。
処理液付与部12には、処理液を貯留する貯留タンクに繋がる処理液吐出用ヘッド12Sが設けられている。処理液吐出用ヘッド12Sは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから処理液を吐出し、記録媒体の上に処理液を液滴付与できるようになっている。なお、処理液付与部12は、ノズル状のヘッドから吐出する方式に限らず、塗布ローラを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は、下流側に配置されたインク吐出部14で記録媒体上にインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に処理液を容易に付与することができる。記録媒体上の処理液の厚みを一定にするために、例えば、エアナイフを用いたり、あるいは尖鋭な角を有する部材を、処理液の規定量に対応するギャップを記録媒体との間に設けて設置したりする等の方法を設けてもよい。
処理液付与部12の記録媒体搬送方向の下流側には、処理液乾燥ゾーン13が配置されている。処理液乾燥ゾーン13は、ヒーター等の公知の加熱手段やドライヤー等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段を用いて構成することができる。加熱手段は、記録媒体の遮断層形成面と反対側(例えば、記録媒体を自動搬送する場合は記録媒体を載せて搬送する搬送機構の下方)にヒーター等の発熱体を設置する方法や、記録媒体の遮断層形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒーターを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と該計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら遮断層を形成することが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
また、溶媒除去ローラ等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
インク吐出部14は、処理液乾燥ゾーン13の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク吐出部14には、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクを貯留するインク貯留部の各々と繋がる記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30C、30M、30Y、30Kが配置されている。不図示の各インク貯留部には、各色相に対応する顔料とポリマー粒子と親水性有機溶剤と界面活性剤と水とを含有する水性インク(液体組成物)が貯留されており、画像の記録に際して必要に応じて各インク吐出用ヘッド30C、30M、30Y、30Kに供給されるようになっている。
インク吐出用ヘッド30C、30M、30Y、30Kは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから、それぞれ画像に対応するインクを吐出する。これにより、記録媒体の記録面上に各色インクが付与され、カラー画像が記録される。
処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、及び30Yはいずれも、記録媒体上に記録される画像の最大記録幅(最大記録幅)にわたって多数の吐出口(ノズル)が配列されたフルラインヘッドとなっている。記録媒体の幅方向(記録媒体搬送面において搬送方向と直交する方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行なうシリアル型のものに比べて、記録媒体に高速に画像記録を行なうこ
とができる。本発明においては、シリアル型での記録、又は比較的高速記録が可能な方式、例えば1回の走査で1ラインを形成するシングルパスで主走査方向に吐出して記録できる方式での記録のいずれを採用してもよいが、本発明の画像記録方法によればシングルパスによる方式でも、吐出安定性を保ちつつ、画像再現性が高く耐擦過性に優れた高品位の画像が得られる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30C、30M、30Y、及び30Kは、全て同一構造になっている。
処理液の付与量と水性インクの付与量とは、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、処理液と水性インクとが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために、処理液の付与量を変えてもよい。
インク乾燥ゾーン15は、インク吐出部14の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク乾燥ゾーン15は、処理液乾燥ゾーン13と同様に構成することができる。
画像乾燥後、記録媒体により強固な定着性を付与するために別途必要に応じて、画像定着部16を設けてもよい。
画像定着部16は、インク乾燥ゾーン15の記録媒体搬送方向の更に下流側に配置されている。画像定着部16には、定着ローラ40A,40Bが互いに圧接するローラ対が設けられており、定着ローラ40A及び40Bの間を記録媒体が通過することにより、記録媒体上に形成された画像は加圧、加熱され、記録媒体上に記録された画像の定着性を向上させることができる。なお、定着ローラ40A、40Bとしては、1個の加圧ローラと1個の加熱ローラからなるローラ対が好ましいが、これに限定されるものではない。
また、インクジェット記録装置には、給紙部から集積部までの搬送路に、記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を配置することもできる。例えば、処理液乾燥ゾーンの上流側や、インク吐出部14とインク乾燥ゾーン15との間、などの所望の位置に加熱手段を配置することで、記録媒体を所望の温度に昇温させることにより、乾燥、定着を効果的に行なうようにすることが可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
(ポリマー分散剤P−1の合成)
下記スキームにしたがって、以下に示すようにしてポリマー分散剤P−1を合成した。
Figure 2010031267
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂の組成は、1H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
(樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製)
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)10部と、前記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1規定
NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した後、更に、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、8000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物を得た。
(樹脂被覆顔料粒子の分散物Mの調製)
樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製において、ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)の代わりに、ピグメント・レッド122を用いた以外は樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物Mを調製した。
(自己分散性ポリマー粒子の合成および水分散物の調製)
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。メチルメタクリレート158.4g、メトキシエチルアクリレート54.0g、ベンジルメタクリレート126.0g、メタクリル酸21.6g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」
(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は66000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))であった。
次に、重合溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1モル/LのNaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0%の下記自己分散ポリマー(B−01)の水分散物(B−01Lx)を得た。得られた水分散物(B−01Lx)の平均粒径を、測定に適した濃度に水で希釈して、ナノトラックUPA EX-150(日機装(株)製)を用いて体積平均粒径として測定した。その結果、水分散物(B−01Lx)の平均粒径は15nmであった。
なお、下記化合物例(B−01)の各構成単位の数字は質量比を表す
Figure 2010031267
メタクリル酸メチル/メトキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=44/15/35/6(メタクリル酸誘導体比率:85質量%)
また、モノマーの組成を下記組成に変更する以外は、上記B−01Lxの調製と同様の方法で以下の自己分散性ポリマー微粒子の水分散物B−02Lx〜B−06Lxをそれぞれ調製した。
・B−02Lx:
メタクリル酸メチル/フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/アクリル酸=50/15/30/5 (メタクリル酸誘導体比率:80質量%)、平均粒径45nm
・B−03Lx:
フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタアクリル酸=16/35/43/6 (メタクリル酸誘導体比率:84質量%)、平均粒径40nm
・B−04Lx:
メタクリル酸メチル/フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=45/23/26/6 (メタクリル酸誘導体比率:100質量%)、平均粒径30nm
・B−05Lx:
メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/アクリル酸=70/25/5 (メタクリル酸誘導体比率:70質量%)、平均粒径40nm
・B−06Lx:
メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/アクリル酸=65/30/5 (メタクリル酸誘導体比率:65質量%)、平均粒径35nm
更に、モノマーの組成を下記組成に変更する以外は、上記B−01Lxの調製と同様の方法で以下の比較用ポリマー微粒子の水分散物B−101LxおよびB−102Lxをそれぞれ調製した。
・B−101Lx:
メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/アクリル酸=60/35/5 (メタクリル酸誘導体比率:60質量%)
・B−102Lx:
メタクリル酸メチル/ベンジルアクリレート/アクリル酸=45/50/5 (メタクリル比率:45質量%)
[実施例1]
以下のようにして、シアンインクC−1、マゼンタインクM−1および処理液からなるインクジェット記録用インクセット1を作製した。
(水性インクの調製)
上記で得られた樹脂被覆顔料粒子の分散物CおよびMを用い、下記の各組成になるように各成分を混合してシアン色及びマゼンタ色の顔料インク液をそれぞれ調液した。調液後、得られた顔料インク液の各々をプラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、PVDF5μmフィルター(Millex−SV、直径25mm、ミリポア社製)で濾過し、シアンインク(C−1)及びマゼンタインク(M−1)を調製した。また、下記処理液の物性値と同様の方法で測定した粘度、表面張力、及びpHを表1に示す。
<シアンインクC−1>
・シアン顔料(ピグメント・ブルー15:3) :4%
・ポリマー分散剤(P−1) :2%
・ポリマー微粒子(B−01Lx) :8%
・サンニックスGP250 :10%
(三洋化成工業(株)製、親水性有機溶媒)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル :5%
(和光純薬製、親水性有機溶媒)
・オルフィンE1010 :1%
(日信化学製、界面活性剤)
・イオン交換水 :70%
<マゼンタインクM−1>
・マゼンタ顔料(ピグメント・レッド122) :4%
・ポリマー分散剤(P−1) :2%
・ポリマー微粒子(水分散物B−01Lx) :8%
・サンニックスGP250 :10%
(三洋化成工業(株)製、親水性有機溶媒)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル :5%
(和光純薬製、親水性有機溶媒)
・オルフィンE1010 :1%
(日信化学製、界面活性剤)
・イオン交換水 :70%
(処理液の調製)
下記組成となるように各成分を混合することで処理液を調製した。
−処理液の組成−
マロン酸(和光純薬製) :15.0%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬製) :20.0%
N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム(界面活性剤) :1.0%
イオン交換水 :64.0%
上記処理液の物性値を測定したところ、粘度2.6mPa・s、表面張力37.3mN/m、pH1.6であった。 なお、表面張力の測定は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で行ない、粘度の測定は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で行なった。また、pHは、25℃にて測定した。
[実施例2〜6、比較例1〜2]
実施例1において、ポリマー微粒子の水分散物B−01Lxの代わりに、上記で得られた自己分散性ポリマー微粒子の水分散物B−02Lx〜B−06Lx、B−101Lx、B−102Lxを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用インクセット2〜8をそれぞれ作製した。
<画像記録及び評価>
−1.2次色画像変形−
まず、記録媒体として、特菱アート両面N(水吸収係数Ka=0.21mL/m・ms1/2;三菱製紙(株)製)を用意し、以下に示すようにして、上記より得た処理液を塗布し乾燥させた後、シアンインク及びマゼンタインクを用いて画像を記録した。記録は、記録用ヘッドとして、GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を用意し、これに繋がる貯留タンクを上記で得たシアンインク及びマゼンタインクに詰め替えて行なった。
まず、特菱アート両面Nを500mm/秒で所定方向に直線的に移動可能なステージ上に固定し、ステージ温度を30℃に保持した。これに上記で得た処理液をワイヤーバーコーターで約2.5μmの厚み(マロン酸0.38g/m)となるように塗布し、塗布直後に50℃で2秒間乾燥させた。
その後、GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を、前記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7°傾斜するように固定配置し、記録媒体を
副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にて、マゼンタインクをライン方式で吐出し、マゼンタ色のベタ画像を印字した。続いて、このマゼンタ色のベタ画像上に重ねるようにしてシアンインクを吐出し、シアン色のベタ画像を印字した。このとき、マゼンタインクの打滴終了からシアンインクの打滴開始までの間隔を0.3秒とした。なお、シアンインク及びマゼンタインクの組み合わせは、下記表1に示す。
印字直後、60℃で3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施し、評価サンプルを得た。
評価サンプルを50倍の顕微鏡、および目視により観察し、2次色画像変形の有無を下記の評価基準にしたがって行なった。評価結果は、下記表1に示す。
〜評価基準〜
◎:2次色画像変形は、認められなかった。
○:2次色画像変形が、顕微鏡ではわずかに確認できたが、目視では確認できなかった。△:2次色画像変形が、顕微鏡でも目視でも確認できた。
×:顕微鏡で紙の白地が見えるほど画像変形が発生していた。
−2.耐擦過性−
特菱アート両面N(記録媒体、三菱製紙製)を500mm/秒で稼動するステージ上に固定し、処理液をワイヤーバーコーターで約2.5μmの厚みとなるように塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、走査方向に対して斜めに配置して固定してあるリコー社製GELJET GX5000プリンターヘッドで解像度1200×600dpi、打滴量3.5pL、ライン方式でシアン色のべた画像を印字した。
印字直後、60℃、3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmで定着を実施して印字サンプルを作製した。
未印字の特菱アート両面N(三菱製紙製)を文鎮(重量470g、サイズ15mm×30mm×120mm)に巻きつけ(未印字の特菱アートと評価サンプルが接触する面積は150mm)、上記印字サンプルを3往復擦った(荷重260kg/mに相当)。擦った後の印字面を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
○:印字面に画像(色材)のはがれが視認できなかった。
×:印字面に画像(色材)のはがれが視認できた。
評価の結果、本発明のインクは耐擦過性が悪化することなく、すべて評価○であった。
−3.初期吐出性−
リコー社製GELJET GX5000プリンターヘッドを用いて、インク液滴量3.5pLで吐出周波数24kHz、ノズル配列方向×搬送方向75×1200dpiで96
本のラインを10cm印字した。記録媒体としては富士フイルム製画彩写真仕上げProを用いた。印字サンプルの打滴開始部から5cmの部位の96本のライン間の距離を王子計測機器製ドットアナライザーDA−6000で測定し、その標準偏差を算出し、下記評価基準に従って初期吐出性(方向精度)を評価した。
〜評価基準〜
○:3μm以上、4μm未満であった。
△:4μm以上、5μm未満であった。
×:5μm以上であった。
Figure 2010031267
前記表1に示すように、No.1〜No.6(本発明)では、2次色画像を形成した場合に色材移動による画像変形が抑制され、色濃度及び色相が良好で、しかも耐擦過性に優れた多色画像が得られた。一方、No.7及びNo.8(比較例)では、2次色画像変形が発生していた。
12・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・画像定着部
30C、30M、30Y、30K・・・インク吐出用ヘッド

Claims (8)

  1. メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上有するポリマー粒子と色材とを含有するインク組成物と、
    前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成可能な処理液と、
    を含むインクジェット記録用インクセット。
  2. 前記ポリマー粒子はメタクリル酸誘導体由来の構成単位を80質量%以上含む、請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 前記ポリマー粒子は自己分散性ポリマー粒子である、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録用インクセット。
  4. 前記色材は顔料である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 前記色材はポリマー分散剤で被覆された顔料である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  6. 色材と、メタクリル酸誘導体由来の構成単位を65質量%以上含むポリマー粒子とを含有するインク組成物を、記録媒体上にインクジェット方式で付与するインク付与工程と、
    前記インク組成物と接触したときに凝集物を形成可能な処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    を有するインクジェット記録方法。
  7. 前記インク付与工程は、第1のインク組成物を記録媒体上に付与する第1のインク付与工程と、
    前記第1のインク組成物を付与してから1秒以内に、前記第1のインク組成物とは異なる第2のインク組成物を前記記録媒体上に付与する第2のインク付与工程と、を含み、
    前記第1のインク付与工程および前記第2のインク付与工程の少なくとも一方はライン方式によるインク付与である、請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記記録媒体は、水の吸収係数Kaが0.05〜0.5mL/m・ms1/2である、請求項6または請求項7に記載のインクジェット記録方法。
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