JP2015098157A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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陽平 政田
愛子 政田
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愛子 政田
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Abstract

【課題】インク及び水分の付与量が多い場合であっても、記録部におけるコックリングの発生を有効に抑制し、大掛かりな装置を使用しなくても高品位な画像を記録することが可能なインクジェット画像記録方法を提供する。
【解決手段】記録媒体に液体組成物を塗布する液体組成物塗布工程と、液体組成物が塗布された記録媒体に水性インクを付与して画像を記録する画像記録工程と、を有するインクジェット記録方法である。液体組成物が、塩化マグネシウムを25質量%以上50質量%以下含有するとともに、水を30質量%以上70質量%以下含有し、液体組成物塗布工程における、記録媒体への塩化マグネシウムの付与量が、2.5g/m2以上7.0g/m2以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法に使用するインクとして、高含水量のインク(水性インク)が広く使用されている。しかし、水性インクを用いてコピー用紙などの普通紙をはじめとする記録媒体に画像を記録すると、水性インク中の水分の影響によって、普通紙にカールが生じたり、記録部に凹凸(コックリング)が生じたりすることが問題となっている。
カールやコックリングの発生を抑制すべく、インクジェットインクにベタイン類、糖類、又は尿素類などの化合物を防止剤として含有させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、画像を記録した用紙を加湿した後、ヒートローラを用いて用紙を素早く乾燥させる工程を有する記録方法、及びこの記録方法を採用した記録装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1で提案された防止剤は、十分なコックリング防止効果を有するものではなかった。また、特許文献2で提案された記録装置は、加湿機構、送風ファン、及びヒートローラなどがその内部に配置されているために装置自体が大掛かりになるとともに、加熱に要するエネルギーが膨大となる。さらに、加熱によって用紙が変形しやすくなる場合もあった。これらのような課題を解決すべく、低含水量のインクが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−248477号公報 特開2011−37195号公報 特開2007−91905号公報
しかし、特許文献3で提案された低含水量のインクを用いて画像を記録する場合であっても、インクの打ち込み量(付与量)を多くすると付与される水分量も多くなるため、コックリングの抑制効果は必ずしも十分であるとは言えなかった。
したがって、本発明の目的は、インク及び水分の付与量が多い場合であっても、記録部におけるコックリングの発生を有効に抑制し、大掛かりな装置を使用しなくても高品位な画像を記録することが可能なインクジェット画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、記録媒体に液体組成物を塗布する液体組成物塗布工程と、前記液体組成物が塗布された前記記録媒体に水性インクを付与して画像を記録する画像記録工程と、を有するインクジェット記録方法であって、前記液体組成物が、塩化マグネシウムを25質量%以上50質量%以下含有するとともに、水を30質量%以上70質量%以下含有し、前記液体組成物塗布工程における、前記記録媒体への前記塩化マグネシウムの付与量が、2.5g/m2以上7.0g/m2以下であることを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、インク及び水分の付与量が多い場合であっても、記録部におけるコックリングの発生を有効に抑制し、大掛かりな装置を使用しなくても高品位な画像を記録することが可能なインクジェット画像記録方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明者らは鋭意検討した結果、塩化マグネシウムを25質量%以上50質量%含有する水溶液を記録媒体に塗布しておくことで、水性インクを用いて画像を記録した場合であってもコックリングが発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明のインクジェット記録方法に用いる液体組成物及び水性インク、並びにインクジェット記録方法の詳細について説明する。
<液体組成物>
本発明のインクジェット記録方法で用いる液体組成物は、塩化マグネシウムを25質量%以上50質量%以下含有するとともに、水を30質量%以上70質量%以下含有する水溶液である。この液体組成物を記録媒体に塗布することで、記録媒体に塩化マグネシウムを付与することができる。記録媒体に塩化マグネシウムを付与することにより、コックリングの発生を抑制可能となるメカニズムについては明らかではないが、以下のように推測される。塩化マグネシウムは潮解性を有するため、記録媒体中で水分子を保持する。記録媒体中で保持された水分子は、記録媒体を構成する紙繊維同士の水素結合を阻害して、紙繊維同士の結びつきを弱める。このため、コックリングの発生要因となる記録媒体の内部応力の変化が減少し、コックリングの発生が有効に抑制されると考えられる。
塩化マグネシウムの含有量が25質量%以上50質量%以下の液体組成物を記録媒体に塗布することで、液体組成物に含まれる水分によりコックリングの発生を防止することができる。液体組成物中の塩化マグネシウムの含有量が25質量%未満であると、液体組成物塗布工程においてコックリングが生じてしまう。一方、液体組成物中の塩化マグネシウムの含有量が50質量%を超えると、塩化マグネシウムが液体組成物中に析出しやすくなる。
また、液体組成物中の水の含有量が30質量%未満であると、コックリングの発生を抑制することができない。一方、液体組成物中の水の含有量が70質量%を超えると、水が多すぎるために、かえってコックリングが発生しやすくなる。
(界面活性剤)
液体組成物は界面活性剤をさらに含有することが好ましい。界面活性剤を含有する液体組成物を用いることで、記録媒体への液体組成物の浸透を促進させることができる。なお、液体組成物中の界面活性剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。また、界面活性剤を含有させることで、液体組成物の表面張力を下げることができる。表面張力の表面張力は、15mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上32mN/m以下であることがさらに好ましい。
界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等の非イオン性界面活性剤;以下、商品名で、サーフィノール82、104、440、465、485(以上、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ製)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学製)等のアセチレングリコール系界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両イオン性界面活性剤等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の成分)
液体組成物には、必要に応じて、上記以外の成分(その他の成分)をさらに含有させることができる。その他の成分としては、水溶性有機溶剤、水溶性高分子、尿素やエチレン尿素などの含窒素化合物、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などを挙げることができる。なお、記録媒体に塗布する方法に応じて、粘度やpHなどの液体組成物の溶液物性を適宜調整してもよい。
<水性インク>
本発明のインクジェット記録方法で用いる水性インクは、通常、着色剤及び水を含有する。また、水性インクは、必要に応じて、水分散性樹脂、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、及びその他の成分をさらに含有する。水性インクの主溶媒は水である。主溶媒を水とすることによって、有機溶媒を主溶媒とした場合に比してインクの粘度が過剰に高くなることがない。このため、水を主溶媒とする水性インクを用いることで、インクジェットヘッドにより安定して吐出することができる。
水性インクのpHは、水性インク中の各成分の分散性や安定性が保持される範囲であればよい。具体的には、水性インクのpHは5以上10以下の中性であることが好ましい。
(着色剤)
インクに用いる着色剤としては、顔料及び染料のいずれであってもよく、顔料と染料を混合して用いてもよい。一般的なインクジェット用のインクには、アニオン性の顔料又は染料が用いられている。
水性インク中の着色剤の含有量は、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく1質量%以上12質量%以下であることがさらに好ましい。着色剤の含有量が0.1質量%未満であると、着色力が低下し、画像濃度が低くなる場合がある。また、水性インクの粘度が低下し、フェザリングや滲みが生ずる場合がある。一方、着色剤の含有量が15質量%を超えると、記録装置を放置した場合等にノズルが乾燥して不吐出現象が発生しやすくなる場合がある。また、インクの粘度が高くなって記録媒体への浸透性が低下する場合がある。さらには、記録媒体に付与したインクのドットが広がりにくくなるので、画像濃度が低下することがある。
[顔料]
顔料を着色剤として用いると、液体組成物塗布工程によって付与された塩化マグネシウムと顔料が凝集反応し、記録される画像の光学濃度が上昇するために好ましい。顔料の種類は特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、無機顔料と有機顔料のいずれであってもよい。さらに、無機顔料と有機顔料の複数種類を混合して用いてもよい。
有機顔料の具体例としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキなどを挙げることができる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉などを挙げることができる。
顔料の粒子径は、0.01μm以上0.30μm以下であることが好ましい。顔料の粒子径が0.01μm未満であると、染料のように小さいため、記録される画像の耐光性及びフェザリングが低下する場合がある。一方、顔料の粒子径が0.30μmを超えると、吐出口やプリンター内のフィルタで目詰まりが発生しやすくなり、吐出安定性が低下する場合がある。なお、顔料の色は特に制限されず、目的に応じて、黒色用の顔料やカラー用の顔料を適宜選択することができる。また、二種以上の色の顔料を組み合わせて用いてもよい。
分散剤を用いて水性媒体に顔料を分散させることによって、インクジェット用の水性インクを得ることができる。顔料を水性媒体中に分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂等の高分子分散剤や、水溶性界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、及びフマール酸誘導体等から選択される少なくとも2以上の単量体を用いて得られるブロック共重合体及びランダム共重合体などを挙げることができる。これらの共重合体は塩を形成していてもよい。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶性の樹脂である。
水溶性樹脂の重量平均分子量は、3,000以上20,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が上記範囲内である水溶性樹脂を顔料の分散剤として用いると、水性媒体中に顔料を容易に分散させることが可能であるとともに、得られる水性インクの粘度を低くすることができる。なお、高分子分散剤と自己分散顔料を併用することもできる。
また、親水性基を有する樹脂によって顔料を被覆し、顔料をマイクロカプセル化して水性媒体中に分散させることもできる。水不溶性の顔料を樹脂によって被覆してマイクロカプセル化する方法としては、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、及び機械的製法などの従来公知の方法を挙げることができる。樹脂によって被覆した顔料を含有する水性インクで記録すると、顔料が記録媒体に強固に付着するので、画像の耐擦過性を向上させることができる。
[染料]
染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、又は食用染料に分類される染料であって、耐水性及び耐光性が優れたものを用いることが好ましい。これらの染料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて、顔料等のその他の色材と染料を組み合わせて用いてもよい。
(水溶性高分子)
水性インクには、水溶性高分子成分として樹脂エマルジョンをさらに含有させることができる。樹脂エマルジョンを含有させることで、記録媒体上における着色剤の定着性を増大させ、画像の耐候性及び耐擦過性を向上させることができる。
樹脂エマルジョンは、通常、水等の分散媒体中に樹脂からなる樹脂粒子が分散したものである。樹脂粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、及びエポキシ系樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂のなかでも、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−メタクリル酸系共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル系共重合体、及びスチレン−マレイン酸−ハーフエステル系共重合体等が好ましい。これらの樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂粒子を構成する樹脂は、通常、その分子構造中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持っている。疎水性部分は、樹脂粒子の内部に存在して周囲の水から隔離されている。また、親水性部分は樹脂粒子の表面に存在して周囲の水と馴染む。このため、その分子構造中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持った樹脂からなる樹脂粒子は、分散媒体中に安定して分散しているために好ましい。
(水溶性有機溶剤)
水性インクは、水と水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有することが好ましい。水としては脱イオン水(イオン交換水)を使用することが好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例としては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン及びケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を有するアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン;2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤のなかでも、インクの乾燥を抑制する効果を有するものを選択して使用することが好ましい。なお、これらの水溶性有機溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の成分)
水性インクには、必要に応じて、上記以外の成分(その他の成分)をさらに含有させることができる。その他の成分としては、尿素やエチレン尿素などの含窒素化合物、界面活性剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤などを挙げることができる。
<記録媒体>
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体の種類は特に限定されない。記録媒体の具体例としては、上質紙、再生紙、コピー用紙、ボンド紙、インクジェット記録用紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被覆紙(レジンコート紙)、バライタ紙、板紙、和紙、及び不織布などを挙げることができる。
インクジェット記録用紙には、一般に、多孔性無機粒子を主成分とするインク受容層を紙基材上に設けた構成を有するものも含まれる。多孔性無機粒子としては、多孔性非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が好適に用いられる。インク受容層中の多孔性無機粒子の含有量は、通常、固形分換算で40質量%以上90質量%である。また、インク受容層には、通常、塗膜強度を確保するため、ポリビニルアルコール等のバインダー樹脂が含有される。インクジェット記録用紙は、面質の違いにより、マット調、半光沢調、光沢調、及び高光沢調などに分類される。本発明のインクジェット記録方法では、上記のいずれに分類されるインクジェット記録用紙であっても好適に使用することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に液体組成物を塗布する液体組成物塗布工程と、液体組成物が塗布された記録媒体に水性インクを付与して画像を記録する画像記録工程とを有する。
(液体組成物塗布工程)
液体組成物塗布工程では、記録媒体への塩化マグネシウムの付与量が2.5g/m2以上7.0g/m2以下、好ましくは4.0g/m2以上6.0g/m2以下となるように、記録媒体に液体組成物を塗布する。塩化マグネシウムの付与量が2.5g/m2未満であると、画像記録工程において記録媒体に付与される水性インク中の水分の影響により発生するコックリングを十分に抑制することができない。一方、塩化マグネシウムの付与量が7.0g/m2を超えると、コックリングの発生を抑制することはできるが、記録媒体のヤング率が大きく低下してしまう。このため、記録媒体の強度が低下してしまい、得られる記録物の品位が損なわれる場合がある。
記録媒体に液体組成物を塗布する方法は、記録媒体の被記録面に所定量の塩化マグネシウムを付与することができる方法であれば、どのような方法であってもよい。記録媒体に液体組成物を塗布する方法の具体例としては、インクジェット法、バーコーター法、スプレー法、ブレードコーター法、ロールコーター法、ロッドコーター法、スプレー法、サイズプレス法、フィルムトランスファー法、エアーナイフコーター法、カーテンコーター法などを挙げることができる。なお、液体組成物を塗布する回数は1回であってもよく、塩化マグネシウムの付与量が所定量となるまで液体組成物を複数回繰り返し塗布してもよい。
液体組成物は、少なくとも水性インクが高dutyで付与される領域に塗布すればよい。また、水性インクが付与されない領域も含めて液体組成物を塗布してもよい。本発明における「水性インクが高dutyで付与される領域」とは、水性インクが水分量換算で2ng/mm2以上付与される領域をいう。これは、水性インクの付与量が水分量換算で2ng/mm2未満であれば、コックリングは生じないためである。
液体組成物は、画像記録工程の前であればどの段階で記録媒体に塗布してもよい。例えば、画像記録工程の直前に記録媒体に塗布してもよいし、製紙した直後の記録媒体に液体組成物を塗布してもよい。
(乾燥工程)
本発明のインクジェット記録方法においては、液体組成物塗布工程と画像記録工程の間に、液体組成物が塗布された記録媒体を乾燥させる乾燥工程をさらに有することが好ましい。液体組成物が塗布された記録媒体を乾燥させてある程度の水分を除去することで、その後に付与される水性インク中の水分の紙繊維への影響をより小さくすることができ、コックリングの発生をより有効に抑制することができる。液体組成物が塗布された記録媒体を乾燥させて水分を除去する方法は特に限定されない。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、通気乾燥、熱風乾燥、加熱板や加熱ローラによる伝熱乾燥、赤外線ヒータによる複写伝熱を用いた乾燥などを挙げることができる。
(画像記録工程)
画像記録工程では、液体組成物が塗布された記録媒体に水性インクを付与して画像を記録する。記録媒体への水性インクの1回の付与量については特に制限されないが、15g/m2以下とすることが好ましい。本発明における「1回の付与量」とは、記録媒体中の水分量が10g/m2以下となる前に付与された水性インクの総量を意味する。水性インクの1回の付与量を15g/m2以下とすることで、インクの裏抜けやブリードなどを防止することが可能である。なお、記録媒体中の水分量が10g/m2以下となった後は、さらに水性インクを付与してもインクの浸透深さを抑制できるので、上記のようなインクの裏抜けやブリードなどが生ずることがない。
画像記録工程では、公知のインクジェット方式によって水性インクを記録媒体に付与する。記録媒体に付与する水性インクの液滴の大きさは1pL以上40pL以下とすることが好ましい。水性インクの液滴を吐出噴射する速さは5m/s以上20m/s以下とすることが好ましい。水性インクの液滴を付与する駆動周波数は1kHz以上とすることが好ましい。また、解像度は300dpi以上とすることが好ましい。インクジェット方式としては、ピエゾ方式などの周知のいずれの方式であってもよい。なかでも、熱エネルギーを利用してインク中に生じさせた気泡の圧力によってインクの液滴を吐出する方式が好ましい。
水性インクの色相(種類)、濃度、及び数は任意に組み合わせることができる。例えば、水性インクの色相(種類)としては、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)を用いることができる。また、各色の水性インクについて濃インクと淡インクを用いることができる。
水性インクを吐出するプリントヘッドとしては、いわゆるフルマルチタイプのプリントヘッドやシリアルタイプのプリントヘッドのいずれであっても用いることができる。フルマルチタイプのプリントヘッドは、搬送される記録媒体のプリント領域の全幅に対応する範囲にインク吐出口が配列されたプリントヘッドである。また、シリアルタイプのプリントヘッドは、記録媒体に対して走査のための移動を行うプリントヘッドである。
なお、水性インクを付与する方法として、記録媒体に含まれる水分量を少なくする方法を採用することで、コックリングの発生をより有効に抑制することができる。具体的には、記録媒体中の水分量が2ng/mm2以上とならないように水性インクを分割して記録媒体に付与すると、記録媒体が乾燥しやすくなるため、コックリングの発生をより有効に抑制することができる。
さらに、水性インクを付与する前に記録媒体を予め加熱しておく、或いは画像記録工程の後に記録媒体を乾燥させる工程を設けることで、水分を素早く蒸発させ、コックリングの発生をさらに抑制することができる。水分を蒸発させる方法は特に限定されないが、例えば、自然乾燥、送風乾燥、通気乾燥、熱風乾燥、加熱板や加熱ローラによる伝熱乾燥、赤外線ヒータによる複写伝熱を用いた乾燥などを挙げることができる。上記の乾燥は、水性インクが記録媒体に付与された直後に実施することが好ましく、水性インクを付与した部分(領域)から乾燥を開始することが好ましい。
また、搬送時に記録媒体をステージ上に吸着する、或いはステージ上で記録媒体に引張テンションを加えることにより、記録媒体の変形を抑えることも有効である。搬送時に記録媒体をステージ上に吸着する方法としては、吸引又は静電気による吸着などを挙げることができる。いずれの方法であっても、記録媒体が変形しようとする力を抑えることで、水性インクを付与した際に生ずるコックリングを抑制することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<液体組成物の調製>
(液体組成物(1)〜(11))
各成分を表1に示す配合にしたがって混合した後、ポアサイズ0.2μmのメンブレンフィルターにて加圧ろ過し、液体組成物(1)〜(11)を得た。なお、表1中の「SF620」は、第一工業製薬製のカチオン性ポリマーの商品名である。また、「アセチレノールE100」は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)の商品名である。
Figure 2015098157
<水性インクの調製>
(水性インク(1))
各成分を以下に示す配合(合計100部)にしたがって混合した後、ポアサイズ0.2μmのメンブレンフィルターにて加圧ろ過し、水性インク(1)を得た。なお、以下に示す「Cab−o−jet400」は、自己分散カーボンブラック(キャボット製、固形分15%)の商品名である。
Cab−o−jet400 30部
グリセリン 7.0部
トリメチロールプロパン 7.0部
ジグリセロール 5.0部
アセチレノールE100 1.0部
水 残部
(水性インク(2))
各成分を以下に示す配合(合計100部)にしたがって混合した後、ポアサイズ0.2μmのメンブレンフィルターにて加圧ろ過し、水性インク(2)を得た。
Acid Red 289 4部
グリセリン 7.0部
トリメチロールプロパン 7.0部
ジグリセロール 5.0部
アセチレノールE100 1.0部
水 残部
<画像の記録(1)(実施例1〜7、比較例1〜12)>
A4サイズの普通紙(商品名「GF500」、キヤノン製)の20cm×28cmの領域に、インクジェット方式(4.5pL、1200dpi)により液体組成物を塗布した。25℃、相対湿度50%で24時間自然乾燥した後、インクジェット方式(4.5pL、1200dpi)により液体組成物を塗布した領域内に水性インクを付与し、所定の記録dutyの画像(10cm×10cm)を記録した。用いた液体組成物の種類及び付与量、塩化マグネシウムの付与量、並びに用いた水性インクの種類、記録duty及び付与回数を表2に示す。
Figure 2015098157
<評価(コックリング抑制)>
画像を記録した記録媒体を25℃、相対湿度50%で24時間自然乾燥した後、レーザー変位計(キーエンス製)を使用してコックリング(凹凸)を測定し、以下に示す基準にしたがってコックリング抑制(画像記録工程後)を評価した。また、画像を記録する直前(自然乾燥後)の記録媒体についても、同様にしてコックリング(凹凸)を測定し、以下に示す基準にしたがってコックリング抑制(液体組成物塗布工程後)を評価した。結果を表3に示す。
A:1.0mm未満
B:1.0mm以上5.0mm未満
C:5.0mm以上
Figure 2015098157
<画像の記録(2)(実施例8〜10、比較例13及び14)>
A4サイズの普通紙(商品名「GF500」、キヤノン製)に、バーコーターを用いて液体組成物を塗布した。25℃、相対湿度50%で24時間自然乾燥した後、インクジェット方式(4.5pL、1200dpi)により水性インクを付与し、記録duty 100%の画像(10cm×10cm)を1パスで記録した。用いた液体組成物の種類及び付与量、塩化マグネシウムの付与量、並びに用いた水性インクの種類を表4に示す。さらに、コックリング抑制(液体組成物塗布工程後及び画像記録工程後)を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2015098157
Figure 2015098157

Claims (2)

  1. 記録媒体に液体組成物を塗布する液体組成物塗布工程と、前記液体組成物が塗布された前記記録媒体に水性インクを付与して画像を記録する画像記録工程と、を有するインクジェット記録方法であって、
    前記液体組成物が、塩化マグネシウムを25質量%以上50質量%以下含有するとともに、水を30質量%以上70質量%以下含有し、
    前記液体組成物塗布工程における、前記記録媒体への前記塩化マグネシウムの付与量が、2.5g/m2以上7.0g/m2以下であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記液体組成物塗布工程と前記画像記録工程の間に、前記液体組成物が塗布された前記記録媒体を乾燥させる乾燥工程をさらに有する請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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