JP2013234003A - インクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法 - Google Patents

インクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法 Download PDF

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義章 清水
Masao Sakurai
正夫 桜井
Masahito Shimizu
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Abstract

【課題】インクジェットプリンタにより樹脂面に高密着度で情報を印刷することのできるインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタで樹脂面に情報を印刷する情報印刷段階(S11)と、情報印刷段階(S11)で情報が印刷された樹脂である情報印刷面に樹脂が溶融する熱量を加えて情報を形成するインクと樹脂とを密着させる密着段階(S12)とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法に係り、特に、樹脂容器表面あるいは樹脂によりラミネートされた容器の表面に情報を印刷する方法に関する。
商品には、製造者情報、製造年月日、消費期限等の情報を表示することが法律で義務付けられているものが多数存在する。
このような商品の中には樹脂容器もしくは樹脂でラミネートされた容器で包装されるものも多いため、樹脂面に情報を表示することが必要となるが、従来はゴム印、金属印、金属焼付け印等の印章により情報を押印していた。
しかし、昨今、トレーサビリティの確保等の品質管理上の観点から、表示すべき情報が増大、複雑化したため印章での対応が困難となってきた。
この課題を解決するために、表示すべき情報を任意かつ迅速に変更できるインクジェットプリンタによる印刷が主流となってきている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された発明は、食品の包装に使用されるラップフィルムに情報を印刷する包装体用プリンタに関するものであり、冷蔵庫等に食品を保存する際に保存日、保存者等をラップフィルムに容易に印刷することを目的とするものである。
特開2001−232862号公報([0015]、図7、図8)
しかしながら、インクジェットプリンタによる情報の樹脂面への印刷には、従来以下のような課題があった。
1.印刷情報と包装容器との密着度が十分でない。特に、包装容器が樹脂製である場合、樹脂でラミネートされている場合には密着度の不足が顕著となる。
2.このため、印刷面が他の物体と接触した場合には、印刷情報の鮮明度が劣化することを回避できない。
3.印刷情報がシンナ、アルコール等の溶剤により消去されることを回避できない。
4.このため、情報が改竄される可能性を否定できない。
なお、上記特許文献1に記載されているように「印刷面がかすれて見にくくなるのを防ぐために、ラップフィルムと親和性の高いインクを使用」したとしても、溶剤で払拭して情報を消去することを回避することは困難である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、インクジェットプリンタにより樹脂面に高密着度で情報を印刷することのできるインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法を提供することを目的とする。
本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、インクジェッ
トプリンタで樹脂面に情報を印刷する情報印刷段階と、前記情報印刷段階で情報が印刷された前記樹脂面に前記樹脂面が溶融する熱量を加えて前記情報を形成するインクと前記樹脂とを密着させる密着段階とを含む構成を有している。
本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、インクジェットプリンタで樹脂面に情報を印刷する情報印刷段階と、前記情報印刷段階で情報が印刷された前記樹脂面の樹脂および前記情報を形成するインク粒が溶融する熱量を加えた後加熱を停止して前記情報を形成するインクと前記樹脂とを再凝固により密着させる密着段階とを含む構成を有している。
この構成により、インクジェットプリンタにより樹脂面に高密着度で情報を印刷することのできることとなる。
本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、前記密着段階が、前記樹脂面に熱風を噴射して前記樹脂面に熱量を加える構成を有している。
本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、前記密着段階が、前記樹脂面に発熱源を押圧することにより前記樹脂面に熱量を加える構成を有している。
本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、前記密着段階が、前記樹脂面に熱源から輻射熱を照射することにより前記樹脂面に熱量を加える構成を有している。
本発明は、情報が印刷された樹脂面に樹脂面が溶融する熱量を加えて情報を形成するインクと樹脂とを密着させる密着段階を設けることにより、インクジェットプリンタにより樹脂面に高密着度で情報を印刷することができるという効果を有するインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法を提供することができるものである。
本発明の流れ図である。 本発明が適用される牛乳パック製造設備の斜視図である。
以下、本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、図1の流れ図に示すように、インクジェットプリンタで樹脂面に情報を印刷する情報印刷段階(S11)と、情報印刷段階(S11)で情報が印刷された前記樹脂面に前記樹脂面が溶融する熱量を加えて情報を形成するインクと樹脂とを密着させる密着段階(S12)とを含む。
図2は本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法を適用した牛乳パック製造設備の斜視図であって、牛乳が注入され注入口が封止された牛乳パック1はベルトコンベア2の走行により矢印方向に搬送される。
そして、インクジェットプリンタ3は、予め定められた所定部位(例えば、封止された注入口、牛乳パック側面等)に必要な情報、例えば製造年月日をインク粒の集合として印刷する。
なお、情報が鮮明に印刷されたか否かを検査するために、インクジェットプリンタ3の下流に印刷評価装置(図示せず)を設置し、印刷が不鮮明な牛乳パックを排除するようにしてもよい。
エアヒータ4は、情報が印刷された樹脂面(情報印刷面)のラミネート材および情報を形成するインク粒のうち少なくともラミネート材が融解する熱量を加えるための設備であり、エア源(図示せず)から圧力調整弁43および流量調整弁44を介して供給されるエアを、電力源(図示せず)からコントローラ42を介して供給される電力により加熱してホットエアとし、ノズル41を介してホットエアを情報印刷面に噴射する。
次に牛乳パック製造設備の動作を説明する。
牛乳パック1がインクジェットプリンタ3の前を通過すると、インクジェットプリンタ3により牛乳パック1の封止された注入口に製造年月日が印刷される。
インクジェットプリンタ3から噴射されるインクは速乾性であることが一般的であるため、インク粒は極めて短時間で凝固し、インク粒の集合で形成される情報がラミネート材上に印刷されることとなる。
牛乳パック1がベルトコンベア2により搬送されエアヒータ4の前に到着すると、エアヒータ4のノズル41から噴射されるホットエアにより情報印刷面には情報印刷面に存在しているラミネート材および情報を形成するインク粒のうち少なくともラミネート材を融解する熱量が加えられる。
この加熱により、情報印刷面は少なくともラミネート材が熔融する温度(例えば摂氏300度)にまで加熱される。
情報印刷面に加えるべき熱量は、ベルトコンベア2の走行速度、情報印刷面の面積、ラミネート材の厚さ、ラミネート材の材質等によって異なるが、情報印刷面のラミネート材をほとんど溶融させる程度の熱量とすることが望ましい。
すると、情報を形成するインク粒は、溶融したラミネート材中に沈み込む。牛乳パック1がベルトコンベア2によりさらに搬送されて加熱域を脱すると、インクの大部分がラミネート材中に沈み込んだ状態でラミネート材は再び凝固するので、インクとラミネート材の密着度が向上する。
加熱により情報を形成するインク粒が溶融する場合もあるが、この場合は再凝固により両者が混在する領域が形成されるため、インクとラミネート材の密着度は一層向上することとなる。
以下の条件にて本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法の効果を確認した。
ベルトコンベア2の走行速度:毎分6メートル
エアヒータ4のコントローラ42の設定温度:摂氏750度
ノズル41の直径:11ミリメートル
ノズル41の先端と情報印刷面の距離:6ミリメートル
情報印刷面長さ:32ミリメートル
情報印刷面加熱時間(情報印刷面のノズル径通過時間):0.11秒
上記条件で印刷した結果、樹脂面を溶剤で払拭しても、樹脂面に残存するインクが除去される結果印刷情報は多少薄くなるものの、視認性は損なわれないことが確認できた。
また、情報印刷面を顕微鏡で観察した結果、情報を形成するインク粒と樹脂との間には両者の混在領域が存在することが確認でき、樹脂だけでなくインク粒の表面も溶融、再凝固したことが判明した。また、この場合でもインク粒の集合としての情報の視認性には影響ないことも確認できた。
なお、実際の生産現場においては、ベルトコンベアの走行速度は毎分18メートル程度であることが一般的であるが、この場合にはノズル直径を大きくする、設定温度を高くする等により、情報印刷面に供給する熱量を約3倍とすることが必要となる。
以上説明したように、本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法によれば、情報と樹脂との密着度が向上するので、情報印刷面と他の物体との接触による印刷の不鮮明化が防止できるだけでなく、溶剤による情報の消去も困難となり、情報の改竄を防止することが可能となる。
なお、上記実施例にあっては、エアヒータにより熱風を噴射して情報印刷面を加熱しているが、ハロゲンヒータ、火炎等の輻射熱により、情報印刷面に熱量を加えるようにしてもよい。
さらに、情報印刷面を高温ローラ間に挟み込んで、情報印刷面に熱量を加えるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、牛乳パックへ情報を印刷する場合について説明したが、プリン、ヨーグルト等の包装に使用されるカップ状の包装容器の蓋あるいは包装容器側面に情報を印刷する場合にも本発明を適用できることはいうまでもない。
特に、蓋に情報が印刷されたカップ状包装容器を、段積みにして段ボール箱に収納して輸送しても、蓋に印刷された情報が消えたり、不明瞭となったりすることを防止できる。
以上のように、本発明に係るインクジェットプリンタによる樹脂面への情報印刷方法は、印刷した情報の包装容器への密着度を向上することができるという効果を有し、樹脂面への情報印刷方法として有効である。
1 牛乳パック
2 ベルトコンベア
3 インクジェットプリンタ
4 エアヒータ

Claims (1)

  1. 樹脂容器又は樹脂がラミネートされた容器の樹脂面への情報印刷方法であって、
    インクジェットプリンタで樹脂面に情報を印刷する情報印刷段階と、
    前記情報印刷段階で情報が印刷された前記樹脂面の樹脂および前記情報を形成するインク粒が溶融する熱量を樹脂面に熱源から輻射熱を照射することにより加えた後、加熱を停止して前記情報を形成するインクと前記樹脂とを再凝固により密着させる密着段階とを含むインクジェットプリンタによる樹脂容器又は樹脂がラミネートされた容器の樹脂面への情報印刷方法。
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