JP6122624B2 - 改ざん防止性能を有する包装容器表面への情報印字方法 - Google Patents

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Description

商品、特に食品包装容器には製造年月日、賞味期限あるいは消費期限等の情報を表示することが法律で義務付けられている。
このような表示すべき情報を印刷する手段としては、任意かつ高速に実施できるインクジェットプリンターが現在の主流となっている。
インクジェットプリンターによる包装容器への情報印刷では、容器の材質および容器形態などの制約があることから、工業塗料などで採用されている高温での加熱硬化手段がとれないため、通常は常温乾燥にとどまらざるを得ない状況にある。
このような常温乾燥の場合、包装容器においては、時間をかけた加熱などの手段により密着性をあげることができないために、商品の製造過程や流通過程で、印字が擦れてかすんでしまったり、あるいは削り取られて消失してしまうような問題がたびたび発生していた。
特にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン基材を使用した包装容器においては、インク皮膜の密着性は脆弱なものであることから、印刷された情報が擦れや引っかきなどによって容易に消失してしまう難点があり、その改善策が長年求められてきた。
インクジェットプリンターで印刷された商品情報を末端消費者に伝えるためにも、商品の製造過程あるいは流通過程での擦れや引っかきに対する耐性を改善すべく、これまでも種々の改善提案がなされてきた。
特開2000−38530号公報 特表2001−520298号公報 特開平10−204346号公報 特開2002−201393号公報 特開平2002−146245号公報 特開平10−195356号公報 特表2010−518214号公報 特開2010−275467号公報
特許文献1にはコロナ放電処理のないポリプロピレンなどの包装フィルムに対して充分な密着性と耐久性を有するインクジェット用インクが、また、特許文献2および特許文献3にはポリオレフィンに対する耐磨耗引っかきの良好なジェット用インクが、特許文献4および特許文献5にはポリオレフィンへの密着性が良好なバインダー樹脂を含むインクが、そのほか類似の技術が特許文献6あるいは特許文献7などに開示されている。
また製造物責任に対する認識の高まりから、衛生面での注意意識が進み、製品あるいは製造環境内でのアルコール噴霧あるいは洗浄処理が行われる場合もあり、従来の印字やマーキングなどについても、アルコールその他シンナー類に対する耐性も要求されるようになっている。
特許文献8にはポリオレフィン基材に対して、擦れ、アブレジョン、手もみなどの耐性が良好であり、かつエタノールにも耐性のあるインク組成物が開示されている。
前期開示例において、特許文献1はバインダー樹脂がポリアミド樹脂とロジン樹脂の組
み合わせからなるインク、また特許文献2はバインダー樹脂にニトロセルロースを主としたインク、あるいは特許文献4および特許文献5はバインダー樹脂がブチラール樹脂からなるインクであり、特許文献1及び2は樹脂自体の耐久性はややあるもののポリオレフィン基材に対する密着はほとんどなく、ロジン樹脂等の添加により密着性を補っているとされているが、アブレジョンや引っ掻き耐性を満足するものではない。特許文献4及び5は樹脂自体のオレフィン基材への付着性があると言及しているが、実用的には引っかき抵抗やアブレジョン抵抗などの耐性は不十分である。
これらのインクは、印字後にエタノールに浸漬するだけで、容易に印字情報は消失してしまう。
特許文献6の開示例は、塩素化ポリオレフィン樹脂をバインダーに使用したインクであり、これは通常の樹脂類よりポリオレフィン基材への付着性はよい。しかしながら、樹脂自体は脆弱であり、引っかきやアブレジョンなどの機械的耐久性を満足できるものではない。エタノール耐性もよいとはいえない。
特許文献7は、溶剤に樹脂の溶解性のよい非環状アセタール類を用いることにより、環境衛生面で問題のあるメチルエチルケトンを使用しないインクの提案であり、ポリオレフィン基材にも使用できるとしている。しかしながら、およそ前記の開示例をしのぐものではない。
本発明者らは、特許文献8において機械的耐久性のよい塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリオレフィンとを組み合わせたバインダー樹脂によるインクを提案した。これらは従来の公知技術に比して機械的耐久性およびエタノール耐性はよいものの、メチルエチルケトンのような樹脂を冒しやすいシンナーなどでは容易に消失する。
以上のとおり、インクジェットプリンターによる情報の樹脂面への印刷には、従来、以下のような課題があった。
1、包装容器の樹脂表面、特にポリオレフィン樹脂表面では印刷インクとの密着が充分ではないため、印刷面が擦られたり、引っ掻かれたりすると印刷された商品情報がかすれてしまったり、消失してしまう。
2、製造物責任との係りの中で、衛生性の観点から商品がアルコールやシンナーなどの溶剤に晒される機会が多くなり、印刷された商品情報がこのような溶剤により消失してしまう。
3、さらに、最も重要な課題は、従来の公知技術ではインクジェット方式による印刷された商品情報の改ざんを防止することが困難な点である。
本発明者らは上記課題解決について研究を進めた結果、バインダー樹脂、色素、溶剤、導電剤からなるインクジェット用インクにおいて、前期色素が溶剤可溶性染料でかつ非イオン性の染料であり、該組成のインクを用いてインクジェットにより商品情報を印刷後、その印刷部を加熱することで、エタノールは無論のこと、メチルエチルケトンなどの溶剤で擦り取ろうとしても情報が消えることなく、鮮明な状態で残るので、印刷情報の改ざんを防止することができることを見出した。
本発明者らは、先に特願2008−285490において、インクジェットプリンターによる印刷情報を加熱エアーを用いて加熱処理する情報印刷方法を提案した。
この先行技術は、包装容器のポリオレフィン基材表面およびインク皮膜を同時に加熱することで両方を溶融させ、ポリオレフィン基材表面にインク皮膜を強固に融着固定化させようとするものであった。
しかしながら、ポリオレフィン基材を溶融させるまでに加熱することは、容器表面のダ
レを生じ、容器の見栄えを損なう上に、少しでも滞留すれば加熱部分の基材の材質を劣化させ、食品保存容器としての品質を損なう危険がある。
そのため、加熱の程度には制約があり、軟質ポリエチレン基材において、メチルエチルケトンなどのシンナーで擦り取った場合、印字情報はかろうじて判読できる程度のものであるが、ポリプロピレンや硬質ポリエチレン基材においては、メチルエチルケトンなどのシンナーで擦り取った場合、印刷情報はほとんど消失してしまい、未だ満足できるものではなかった。
本発明者らは、インクジェット用インクに使用される色素が溶剤可溶性であり、かつ非イオン性の染料を使用すると、前記種々の開示例より温和な加熱条件で加熱したときでも、メチルエチルケトンで擦っても、鮮明な印刷情報が保持できることを発見したものである。
特許文献3、4及び7には含金属錯塩染料を使用すること、また、その他の開示例でも好ましい色素として含金属錯塩染料があげられており、これら含金属錯塩染料は溶媒溶解状態でイオン解離し、それ自体が導電性を示すことが知られており汎用されているが、これらのイオン性含金属錯塩染料は加熱による包装容器基材への染着は極めて困難であった。
このように従来の一連の先行特許文献の開示例からは、特定の色素がこのような印刷情報の改ざんを防止することができる作用効果をもたらすことは見出し得なかった。
理由は定かではないが、染料が溶剤可溶性染料でありかつ非イオン性である場合、無極性のポリプロピレンやポリエチレンと親和性があり、加熱により基材に浸透しやすくなるためと推測される。
これはトルエンやシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤が、ポリオレフィンに対して親和性があり、無極性のポリオレフィン基材を拡散透過しやすいこと、一方ケトンやアルコールなどの極性溶剤は拡散透過しにくいことと同じ現象と思われる。
本発明において、さらに特徴的なことは、従来では全く不可能であったポリエチレンテレフタレートのような基材に対しても同様の効果を示すことである。
本発明を更に詳しく説明する。
[色素]
本発明のジェットプリンター用インク組成物で使用される色素は、実質的に溶剤可溶性染料であり、かつ、非イオン性の染料であることが特徴である。
具体的例は、CIソルベント染料のブラック3、 レッド3,18,19,23,24,25,27,49,73、 イエロー2,14,16,29、 ブルー4,5,11,35,38、 グリーン3,5,7、
デイスパース染料のブルー1,3,7,26、 イエロー3,5,7,8,42,60,64、 レッド1,4,13,17,60,65、 ブラック1,29、
バイオレット1,4,26,28、 オレンジ1,3,5,13,30、
アシッドレッド2のような一部酸性染料などが、代表的な染料としてあげられる。
特に好ましい染料は、モノアゾ、ジスアゾ、アンスラキノン、トリフェニルメタンの構造を有するものの中から選ばれる。
これらの染料はバリファストカラーやオイルカラー(オリエント)、Brysolb(B.R.Y chem)、Kyalon(日本化薬))、アイゼンスピロン(保土ヶ谷化学)、などの商品名で販売されている。そのほか三菱化成やファイン商事など、市販の染料で、溶剤可溶性染料であり非イオン性の染料であればいずれでもよい。
これらの染料は単独で、あるいは複数組み合わせて使用してもよい。
染料のインク組成物中の含有量は、すくなくとも0.3〜10重量%、(以降特に断らない限り重量%を単に%で示す)、これより少ないと加熱後の印字情報が薄くなり好ましくない。好ましい含有量は1〜7%である。
インク組成物中には、上記染料に加えてそのほかの色素を添加できる。それらの色素としては、含金属錯塩染料、塩基性染料、酸性染料、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。
インク組成物中の色素の全含有量は2%〜10%が標準的であり、これより少ないと印字情報の色調が淡くなる。また多いとインクジェット適性あるいはインク皮膜物性が弱くなる。
[バインダー樹脂]
アクリル樹脂、スチレンーアクリル樹脂、アクリルエステル樹脂、アクリルーマレイン酸樹脂などの各種アクリル樹脂および共重合樹脂、スチレン樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンーマレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ロジンおよびロジンエステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール変性ロジン、ブチラール樹脂、ケトン樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、石油樹脂、ポリエステル樹脂、塩酢ビ樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂、硝酸セルロース樹脂などの各種セルロース系樹脂など一般的な樹脂ならいずれでもよい。
これらは単独でも、あるいは2種以上組み合わせて使用してもよく、インク組成物の用途あるいは具備すべき性能によって任意に選択できる。
特に好ましいものとしてはアクリルエステル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、塩酢ビ樹脂などがあげられる。またポリオレフィンへの付着性を付与させたい場合には、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ロジン変性樹脂、エステル樹脂などを、これら樹脂と併用して使用するとよい。
インク組成物中の樹脂含量は、全インク重量に対して5〜30%が標準的である。
樹脂含有量は使用するバインダー樹脂の特性によって決められるが、5%より少ないと、粘度が低くなり、インクジェット適性、あるいは色素保持性が低下する。また、30%を超えると、インク粘度が高くなりすぎ、インクジェット適性がやはり低下する。
好ましい含有量は5〜20%である。
[溶剤]
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチルなどの酸エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールモノエチルエーテル、モノメトキシプロパノール、エチレングリコールモノアセチルエステル、エチレングリコールモノアセチルーメチルエーテルどのグリコールエーテル、エステル類、1,1ジメトキシエタン、1,1ジエトキシエタンなどのアセタール類、フランなどの環状エーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。
溶剤は、使用するバインダー樹脂を溶解するものであれば任意に使用でき、これらを複数組み合わせて使用してもよい。
[導電剤]
コンテニアス方式のインクジェットでは、インクに導電性を持たせる必要がある。
一般に色素が溶剤中でイオン解離性のある場合には、特に導電剤の添加は不要である場合が多いが、本発明の染料が含金属錯塩やイオン性を有する染料ではないため導電剤が必
要である。
導電剤には、塩化リチウムや臭化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどの無機塩類、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム、アルキルおよびアリール第4級アンモニウム塩やホスホニウム塩、アルキルおよびアリールアミンやアルカノールアミンの塩酸塩など種々の有機塩類がある。無論ここに記載した導電剤に限られるものではなく、一般にこの分野で使用される導電剤を使用できる。
これらは単独で、あるいは2種以上を混合してしようしてもよい。
導電剤の添加量は0.2〜1.0%の範囲、少ないとインクジェット適性を損なうことになり、また多いと印字被膜物性を損なう。
[加熱方法]
本発明方法においては、色素が溶剤可溶性染料であり、且つ、非イオン性の染料を含むことが必須であるが、更に印字情報部分を加熱することも必須となる。
好ましい加熱方法として、加熱エアーを、コンベヤー上を移動する製品の印字情報部分に吹き付ける方法があげられる。加熱エアーは、すくなくとも400℃以上に加熱されたエアーであればよい。
そのほか加熱ロールなどの治具を印字情報部分に押圧する方法、また印字情報を施した包装容器自体を加熱オーブン中で加熱する方法でもよいが、これらの場合には容器の形態や容器の性能などの品質を損なわない程度の条件で加熱することが必要である。
さらに包装容器自体を加熱する方法としては、包装容器に内容品を充填密封後、必要に応じた加熱殺菌処理による加熱を利用する方法もある。たとえば、100℃以上の殺菌処理などがあげられる。
加熱方法は、ここにあげた方法に限定されるものではない。
[その他の添加剤]
本発明においては、上記バインダー樹脂、色素、溶剤、導電剤のほかに、本発明のインク組成物の性質を損なわない範囲で界面活性剤、可塑剤、アルコキシシラン類、他の添加物を使用してもよい。
シリコン系やフッ素系およびその他の界面活性剤は、印字のにじみを改善できる。
中でもシリコン系界面活性剤が溶剤溶解性や調整の簡便さなどの観点から好ましく、アルキル変性シリコン、アルコキシ変性シリコン、ポリオキシエチレン変性、ポリアルキルエーテル変性シリコンやそのほかポリアルキルエーテルシロキサン化合物など種々あげられる。
本発明の改ざん防止方法は、包装容器自体、または包装容器表面の樹脂層が、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂により形成されている場合により顕著な効果を示すものである。
上記包装容器表面のポリオレフィン樹脂層は、コーティング又はラミネートにより形成されていてもよいが、包装容器自体または包装容器の表面がこれらの樹脂に限定されるものではない。
たとえば熱硬化性樹脂などで被覆塗装された金属缶、表面層がナイロン樹脂やセルロース樹脂あるいは塩化ビニル樹脂などで形成された柔軟包装容器、あるいはPETボトルなど、その他種々の樹脂製ないしは種々の樹脂により被覆された包装容器にも、充分な改ざん防止効果を示すことができる。
以下本発明の具体的な例を示す。
実施例1
アクリル樹脂(パラロイドB67、ROM&HASS)7重量%、エステル樹脂(ハリ
タックE10、ハリマ化成)6重量%(以下重量%を単に%で示す)からなるバインダー樹脂と、更に、オイルブラック860(色素1;ソルベントブラック3 オリエント化学)を4%、シリコンオイル(FZ2123、東レダウコーニング)0.5%、および導電剤テトラエチルアンモニウムクロライド0.6%の色素、導電剤、およびレベリング剤を、1,2−エチレングリコールジメチルエーテルとエタノール4/6重量比の溶剤に溶解させ、東洋ロ紙5Cにてろ過して、本発明実施例1のインクジェットプリンター用インク組成物を作成した。
ポリエチレンで表面コートされた紙製牛乳充填容器を、20m/分の速度のコンベヤー上で移動させ、日立製コンテニアス型インクジェットプリンターにて、本実施例のインクにより日付印字を行い、更に引き続き、熱風加熱装置にて600℃の加熱エアーを日付印字部に吹き付けて加熱した。
このようにして印字後加熱した日付印字部は、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦っても、日付印字が若干薄くなるものの鮮明な状態を維持しており、改ざんすることは不可能であった。
また、表面被覆のポチエチレン基材の加熱部分は、若干光沢が弱くなっている程度であり、ダレなどもなく正常な状態であった。
更に加熱エアー温度を800℃、700℃、500℃、400℃にした場合、500℃の加熱ではメチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦ると日付印字は薄くなるものの、充分判読できる状態であった。また400℃の加熱の場合には、メチルエチルケトンで同様に処理すると、日付印字はかなり薄くなるが、判読は可能であり改ざんは不可能であった。
そして、これらの場合、いずれもポリエチレン被覆基材の加熱部分は全く変化なく正常であった。
一方加熱エアー温度が800℃、700℃の場合はメチルエチルケトンを滲みこませたウエスで擦っても、日付印字はメチルエチルケトンでの処理前の状態とほとんど変わらず鮮明な状態であった。表面被覆のポチエチレン基材の加熱部分は、700℃では若干ダレが見られるものの、商品品質には問題なかったが、800℃の加熱の場合には表面が溶融しかなりダレた状態となり、商品として好ましい状態ではなかった。
比較例1
実施例1において、熱風加熱装置の温度を、加熱なしおよび300℃の温度で加熱した場合、加熱なしでは、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦ると、日付印字は消失してしまった。300℃の加熱では日付印字は微かに残るが、判読は困難であり、これらの場合にはその上から再印字し、熱風加熱装置で600℃程度の温度で加熱することにより改ざんが可能であった。
以上実施例1および比較例1の結果を表1にまとめた。
(評価);印字・加熱後の日付印字部の評価は、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで数回擦ったとき、以下の基準で日付印字残存状態および容器表面樹脂基材の被膜の状態を目視で評価した。
日付印字残存状態
◎;ほとんど変化なく、メチルエチルケトン処理前の鮮明な状態を保っていた。
○;やや薄くなる程度であり、改ざん不可能
△;かなり薄いが判読は充分可能で、改ざんは不可能
×;微かに残るが判読困難であり、改ざん可能
××;完全消失して改ざん容易
加熱後の容器表面樹脂基材の状態
◎;ほとんど変化なく、正常な状態である。
○;若干光沢が薄くなる程度で、正常な状態を保っている
△;光沢がなくなり、若干ダレがみられるが、容器品質には問題ない
×;表面がかなりダレた状態であり、商品品質に問題ある
Figure 0006122624
比較例2
実施例1における色素のオイルブラック860に換えて、イオン性染料であるバリファストブラック3820(色素2;ソルベントブラック27 アゾクロム錯塩 オリエント化学)を使用する以外は実施例1と同様にして作成したインクを用いて、実施例1と同様の条件で紙製牛乳容器に印字・加熱を行った。
この日付印字部をメチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦ったところ、日付印字が消えてしまい、何も残らなかった。
比較例3
比較例2における日付印字後の加熱エアー温度を、700℃、800℃に上げて加熱した。700℃の加熱エアーの場合容器表面の樹脂皮膜は若干ダレが見られるものの容器品質には問題ない程度であるが、日付印字はメチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦ると薄茶色の状態で微かに残っている程度で判読は困難であった。加熱エアーを800℃にあげて加熱したところ、日付印字はコゲ茶色に残っており判読はできるものの、容器表面の被覆樹脂がかなり荒れた状態になり、容器としての見栄えが損なわれてしまった。
実施例2
実施例1のインクを用いて、包装容器がポリプロピレン製カップ容器および再外装がポリエチレンテレフタレートのパウチ容器に日付印字を施したのち、熱風加熱装置で加熱エアー温度800℃、700℃、600℃、および500℃の条件で加熱後、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦り評価を行った。
比較例4
比較例2で使用したインクを用いて、実施例2と同様に日付印字および加熱を行った。
実施例2および比較例4の評価結果を表2にまとめて示した。
Figure 0006122624
表2に示すように、容器樹脂基材がポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートの場合においても、本発明のインクでは改ざんを防止することが可能であることがわかる。
実施例3
実施例1において色素のオイルブラック860に換えて、オイルレッド5B(色素3;ソルベントレッド25 オリエント化学)を使用する以外は実施例1と同様にして作成したインクを用いて、実施例1と同様の条件で紙製牛乳容器に印字・加熱を行ったところ、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦っても、日付印字が消えることなく鮮明な状態を維持していた。
以下表1に示した色素を用いて、実施例1と同様の方法で評価を行った。
Figure 0006122624
色素4;オイルスカーレット318(ソルベントレッド18
色素5;オイルブルー2N(ソルベントブルー35
色素6;オイルグリーン530(ソルベントグリーン3
色素7;オイルレッド25/オイルグリーン530 1/1ブレンド
色素8;ディスパースブルー3
色素9;ディスパースレッド17
色素10;ディスパースブラック1
色素1ジスアゾ系
色素3ジスアゾ系
色素4トリフェニルメタン系
色素5アンスラキノン系
色素6アンスラキノン系
色素8アンスラキノン系
色素9モノアゾ系
色素10モノアゾ系
メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦った場合、実施例3は印字の残存濃さが薄いものの、容易に判読でき、改ざんは不可能であった。実施例4−9のいずれも印字の残存濃さが充分あり、無論改ざんは不可能であった。
比較例5
表4に示す比較例の各イオン性色素を用いて、実施例1と同様にしてインクを作成し評価を行った。
いずれの場合も印字が消失してしまい、改ざんを防止できるようなものではなかった。
Figure 0006122624
色素11;バリファストブラック1815(アシッドブラック1)
色素12;アシッドブラック26
色素13;アシッドレッド18
色素14;ベーシックブラック2
色素15;ベーシックバイオレット1(メチルバイオレット)
実施例10
実施例1のインクを用いてポリエチレンで被覆した紙製バター外装容器に日付印字を施したのち加熱条件を120℃のオーブンに1分通過させたのち、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦りとったところ、日付印字はやや薄くなるものの鮮明な状態で残存しており、改ざんは不可能であった。
比較例10
実施例10において、比較例2のインクを用いる以外は実施例10と同様にして評価したところ、日付印字は消失してしまい。改ざんが可能な状態となった。
実施例11
バインダー樹脂として、バイロン240(樹脂1;ポリエステル樹脂 東洋紡)を12%、オイルブラック860(色素1)を4%、レベリング剤FZ2123を0.4%、および導電剤としてチオシアン酸カリウムを0.6%となるようにメチルエチルケトンに溶解させ、東洋ロ紙5Cにてろ過して、インクジェットプリンター用インク組成物を作成した。
このインクを用いて、実施例1と同様の条件にて評価を行った。
以下表3に示す組成のインクを実施例として作成し評価を行った。
いずれの場合も本発明の目的に充分かなうものであった。
Figure 0006122624
樹脂2;塩素化ポリオレフィン樹脂224H(日本製紙ケミカル)
樹脂3;塩素化ポリオレフィン樹脂S2510S(日本製紙ケミカル)
樹脂4;エポキシ樹脂#1007(三菱化学)
樹脂5;アクリル樹脂パラロイドB66(ROM&HASS)
樹脂6;ポリエステル樹脂バイロン614(東洋紡)
樹脂7;塩酢ビ樹脂E15/40A(ワッカー)
樹脂8;ロジンーマレイン酸変性樹脂(日立化成)
実施例19
実施例1および実施例6のインクを用いて、実施例1と同様の方法で、牛乳瓶のポリエチレンキャップに日付印字後、加熱エアーの温度条件を700℃、600℃,500℃と変えて加熱処理を行った。
その結果、500℃では、印字がかなり薄くなり判読困難な状態であった。また600℃では日付印字は若干薄くなるものの判読は可能であり、改ざんすることは不可能であった。700℃の場合は加熱部分のポリエチレンキャップの表面状態がややダレが生じるものの、商品の品質的に問題なく、また日付印字は鮮明な状態を保っていた。
比較例11
比較例2および9のインクを用いて、実施例19と同様にして評価を行ったが、日付印字はきれいに消えてしまった。
加熱エアー温度を700℃まで上げてみたが、やはりメチルエチルケトンを滲み込ませたウエス処理で微かに印字が残っているものの、判読しがたく、改ざんは可能であった。加熱エアー温度が800℃では加熱部分の樹脂基材が歪んでしまい容器品質を損なってしまった。
このように、本発明の方法によれば、特にポリオレフィン製プラスチック包装容器の品質を損なうことなく、従来では不可能であった改ざんを防ぐことが可能である。
実施例20
実施例1および6のインクを用いて、コーヒー飲料用金属缶(TULC缶および加熱硬化塗料被覆缶)の缶底に印字後、実施例1と同様の条件で加熱処理を行ったのち、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスでふき取り処理を行ったところ、印字はやや薄いものの鮮明に残存していた。
実施例21
実施例20で使用した金属缶および最外装がポリエチレンテレフタレート被覆パウチ容器に、実施例20で使用したインクを用いて日付印字を施したのち、121℃で20分レトルト殺菌させたのち、日付印字部を、メチルエチルケトンを滲み込ませたウエスで擦ったが、印字は消えることなく鮮明に残っていた。
比較例12
実施例21において、比較例2のインクを用いる以外は、実施例21と同様にして評価を行ったが、日付印字は消失してしまった。
本発明は、バインダー樹脂、色素、溶剤、導電剤からなるインクジェット用インクにおいて、前記色素として、溶剤可溶性染料でかつ非イオン性の染料を用い、該組成のインクを用いてインクジェットにより情報を印刷後、情報印刷部を加熱することで、エタノールは無論のこと、メチルエチルケトンなどの溶剤で擦り取ろうとしても情報が消えることなく、鮮明な状態で残り、印刷情報の改ざんを防止することができるため、特に、合成樹脂製食品容器に対する製造年月日等の印刷に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 表面が樹脂層である包装容器表面へのインクジェットプリンターによる情報印字方法であって、溶剤可溶性かつ非イオン性の染料を含むインクを使用し、インクにより情報を印字した後、該情報印字部を少なくとも400℃以上に加熱された加熱エアーによって加熱することを特徴とする改ざん防止性能を有する情報印字方法。
  2. 前記加熱が、情報印字部に加熱エアーを吹き付ける局所的な加熱であることを特徴とする請求項1に記載の情報印字方法。
  3. 前記情報印字方法が、コンテニアス方式のインクジェットプリンターを用いた印字方法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報印字方法。
  4. 包装容器自体又は包装容器表面の樹脂層が、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報印字方法。
  5. 包装容器表面の樹脂層が、コーティング又はラミネートにより形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報印字方法。
  6. 前記溶剤可溶性かつ非イオン性の染料が、CIソルベント染料のブラック3、 レッド3,18,19,23,24,25,27,49,73、 イエロー2,14,16,29、 ブルー4,5,11,35,38、 グリーン3,5,7、
    デイスパース染料のブルー1,3,7,26、 イエロー3,5,7,8,42,60,64、 レッド1,4,13,17,60,65、 ブラック1,29、
    バイオレット1,4,26,28、 オレンジ1,3,5,13,30、
    アシッドレッド2のような一部酸性染料から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の情報印字方法。
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