JPH1072496A - 亜鉛結合が増大したインシュリン誘導体 - Google Patents
亜鉛結合が増大したインシュリン誘導体Info
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Abstract
提供。 【解決手段】 このインシュリン誘導体は、式I 【化1】 (式中、Zはヒスチジン残基であるか、または1〜5個
のヒスチジン残基を含有する、2〜35個の遺伝学的に
コード化可能なアミノ酸残基を有するペプチドである)
を有し、糖尿病の治療のための薬剤の製造に適してい
る。式Iのインシュリンは亜鉛との複合体を形成し、こ
の複合体はインシュリンヘキサマーとヘキサマー1モル
につき約5〜9モルの亜鉛を含有する。
Description
はその会合作用に依存する。インシュリンは中性の水溶
液中でヘキサマー(6量体)を形成する。インシュリン
が組織から血流に入り、作用部位に達する場合、それは
最初に毛細管の壁を通過しなければならない。モノマー
およびダイマーのインシュリンはこれができるが、ヘキ
サマーのインシュリンや比較的高分子量の会合体は全く
できないか、できてもほんの僅かであると考えられる
(Brangeらの「糖尿病のケア」、13、第923〜95
4頁(1990年);Kangらの「糖尿病のケア」、1
4、第942〜948頁(1991年))。したがって、
ヘキサマーの解離は皮下組織から血流への迅速な通過の
前提条件である。
2+に影響され、それはヘキサマーを安定化し、中性付近
のpHで比較的高分子量の凝集物を生成し、沈殿が起こ
る。しかしながら、ヒトインシュリンの非緩衝溶液(pH
4)への添加剤としてのZn2+は作用プロフィールにほ
んの僅かしか影響を与えない。そのような溶液は注射時
皮下組織において迅速に中和され、インシュリン−亜鉛
複合体が生成するが、ヒトインシュリンと亜鉛の自然な
結合はヘキサマーおよびより大きな凝集物を安定化する
のに不十分である。そのためZn2+の添加によりヒトイ
ンシュリンの放出が著しく遅れることはなく、強力な貯
留効果が達成される。知られているインシュリンヘキサ
マーはインシュリンヘキサマー1モルにつき約2モルの
Zn2+を含有する(BlundellらのAdv. Protein Chem.
26, 第323〜328頁(1972年))。インシュリ
ンヘキサマー1個につき2個のZn2+イオンがしっかり
とインシュリンヘキサマーに結合し、そしてこれらは通
常の透析により除去することができない。いわゆる4−
亜鉛インシュリン結晶は一般によく知られているが、こ
れらの結晶は平均してインシュリンヘキサマー1モルに
つき3モル未満のZn 2+しか含有しない(G. D. Smith
らのProc. Natl. Acad. Sci. USA:81、第7093〜
7097頁)。
増大した亜鉛結合力を有し、インシュリンヘキサマーお
よびZn2+を含有する安定な複合体を形成し、そして皮
下注射において遅延型作用プロフィールを有するインシ
ュリン誘導体を見い出すことである。
あり、R3は遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基で
あり、Yは遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であ
り、Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または b) 1〜5個のヒスチジン残基を含有する2〜35個
の遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基を有するペプ
チドであり、残基A2〜A20はヒトインシュリン、動
物インシュリンまたはインシュリン誘導体のA鎖のアミ
ノ酸配列に相当し、そして残基B2〜B29はヒトイン
シュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘導体
のB鎖のアミノ酸配列に相当する〕のインシュリンおよ
び/またはその生理学的に許容しうる塩を見い出した。
Asn、Gly、Ser、Thr、Ala、Asp、G
luおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残
基であり、YはAla、Thr、SerおよびHisか
らなる群より選択されるアミノ酸残基であり、Zはa)
アミノ酸残基Hisであるか、または b) 1または2個のヒスチジン残基を含有する、4〜
7個のアミノ酸残基を有するペプチドである式Iのイン
シュリンが特に好ましい。
り、R3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、
Asp、GluおよびGlnからなる群より選択される
アミノ酸残基であり、YはAla、Thr、Serおよ
びHisからなる群より選択されるアミノ酸残基であ
り、Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または b) 1または2個のヒスチジン残基を含有する、2〜
7個のアミノ酸残基を有するペプチドである、式Iのイ
ンシュリンが好ましい。Zは1または2個のヒスチジン
残基を含有する、1〜5個のアミノ酸残基を有するペプ
チドである式Iのインシュリンが特に好ましい。
AsnおよびGlyからなる群より選択されるアミノ酸
残基であり、YはThrおよびHisからなる群より選
択されるアミノ酸残基であり、そしてZは1または2個
のヒスチジン残基を含有する、1〜5個のアミノ酸残基
を有するペプチドである式Iのインシュリンが特に好ま
しい。さらにR1はフェニルアラニン残基であり、R3は
グリシン残基であり、Yはトレオニン残基であり、そし
てZは1または2個のヒスチジン残基を含有する1〜5
個のアミノ酸残基を有するペプチドである式Iのインシ
ュリンが好ましい。
Ala His His Arg, Ala Ala His His ArgまたはAla Ala
His His 配列を有するペプチドである式Iのインシュ
リンが特に好ましい。ペプチドおよびタンパク質のアミ
ノ酸配列はアミノ酸鎖のN−末端以降から表示される。
式Iの括弧内の記号、例えばA1、A6、A7、A1
1、A20、B1、B7、B19またはB30はインシ
ュリンのAまたはB鎖のアミノ酸残基の位置に相当す
る。
y encodable)アミノ酸残基」なる表現はGly, Ala, Se
r, Thr, Val, Leu, Ile, Asp, Asn, Glu, Gln, Cys, Me
t, Arg, Lys, His, Tyr, Phe, Trp, Proおよびセレノシ
ステインの残基を示す。動物インシュリンの「残基A2
〜A20」および「残基B2〜B29」なる表現は例え
ばウシ、ブタまたはニワトリのインシュリンのアミノ酸
配列を意味すると理解される。インシュリン誘導体の
「残基A2〜A20」および「残基B2〜B29」なる
表現は他の遺伝学的にコード化可能なアミノ酸によるア
ミノ酸の置換によって生成するヒトインシュリンの相当
するアミノ酸配列を示す。
番号1): Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn を有する。ヒトインシュリンのB鎖は次の配列(配列番
号2): Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr を有する。
工学構造物(EP 0 489 780、EP 0 347
781、EP 0 368 187、EP 0 453 96
9)を用いて微生物において生成することができる。遺
伝子工学構造物は大腸菌またはストレプトミセテス科の
放線菌のような微生物において発酵中に発現される。生
成したタンパク質は微生物の体内に貯蔵され(EP 0
489 780)、または発酵溶液中に分泌される。
(B33)-OH Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-His(B32)-His
(B33)-OH Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-His(B32)-His
(B33)-Arg(B34)-OH Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-Ala(B32)-His
(B33)-His(B34)-OH Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-Ala(B32)-His
(B33)-His(B34)-Arg(B35)-OHである。
準法に従って位置特異的変異誘起を用いた遺伝子工学技
術により製造される。このために、所望の式Iのインシ
ュリン誘導体に対する遺伝子構造コードは宿主細胞、好
ましくは大腸菌または酵母、特にサッカロミセスセレビ
シアエ(Saccharomyces cerevisiae)のような細菌におい
て構成および発現され、そして融合タンパク質に対して
遺伝子構造のコード化が行われる場合、式Iのインシュ
リン誘導体は融合タンパク質から放出される;同様の方
法は例えばEP−A−0 211 299、EP−A−0
227 938、EP−A−0 229 998、EP−
A−0 286 956およびDE特許出願P 38 21
159に記載されている。細胞の破壊後、融合タンパ
ク質部分はハロゲン化シアンを用いて化学的に(EP−
A−0 180 920を参照)あるいはリソスタフィン
またはトリプシンを用いて酵素的に(DE−A−37
39 347を参照)切断されることができる。
MarshallおよびA. S. Inglisの「タンパク質の応用化学
−便覧」(A. Darbre編)、第49〜53頁(1986
年)に記載の方法に従って酸化的亜硫酸分解に付され、
そして例えばG. H. DixonおよびA. C. WardlowのNatur
e, 第721〜724頁(1960年)に記載の方法に
従ってチオールの存在下で適当なジスルフィドブリッジ
の生成を伴って再生される。しかしながら、インシュリ
ン前駆体はまた、直接折りたたむ(fold)ことができる
(EP−A−0 600 372;EP−A−0 668
292)。Cペプチドおよび、もし存在する場合前置配
列(式IIのR2)は例えばKemmlerらのJ. B. C., 第67
86〜6791頁(1971年)に記載の方法に従って
トリプシン分解により除去され、そして式Iのインシュ
リン誘導体はクロマトグラフィー(例えばEP−A−0
305 760)および結晶化のような知られている方
法により精製される。
およびインシュリンヘキサマー1モルにつき約5〜9モ
ルのZn2+、好ましくはインシュリンヘキサマー1モル
につき5〜7モルのZn2+を含有し、インシュリンヘキ
サマーは6個の式Iのインシュリン分子からなる複合体
に関する。亜鉛とインシュリンヘキサマーの結合はしっ
かりしているため、インシュリンヘキサマー1モルにつ
き5〜9モルのZn2+は例えばpH7.4の水性10mMト
リス/HCl緩衝液を用いた40時間の通常の透析によ
り除去することができない。皮下投与後、式Iのインシ
ュリンは本質的に亜鉛を含まない製剤(pH4)の場合、
ヒトインシュリンと比べて極めてわずかな作用の遅れを
示す。製剤1mlにつき約20μgのZn2+を加えると、
皮下投与後に遅い作用開始が観察される。作用の遅延は
好ましくは40μg/mlのZn2+で観察される。より高
い亜鉛濃度はこの効果を高める。
の式Iで定義された通りであり、R1はフェニルアラニ
ン残基または共有結合であり、R2はa) 遺伝学的に
コード化可能なアミノ酸残基であるか、または b) 2〜45個のアミノ酸残基を有するペプチドであ
り、そして残基A2〜A20およびB2〜B29はヒト
インシュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘
導体のAおよびB鎖のアミノ酸配列に相当し、そしてZ
1は1〜5個のヒスチジン残基を含有する2〜40個の
遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基を有するペプチ
ドである〕のプレプロインシュリンに関する。式IIのプ
ロインシュリンは式Iのインシュリンの製造において中
間体として適当である。好ましい式IIのプロインシュリ
ンはR2が2〜25個のアミノ酸残基を有するペプチド
であるものである。特に好ましい式IIのプロインシュリ
ンはR2が2〜15個のアミノ酸残基を有するペプチド
であり、そしてMet、LysおよびArgからなる群
より選択されるアミノ酸残基がンルボキシル末端にある
ものである。
/またはインシュリンヘキサマーとヘキサマー1モルに
つき5〜9モルのZn2+を含有する複合体および/また
はそれらの生理学的に許容しうる塩(例えばアルカリ金
属またはアンモニウム塩)は主に糖尿病、特に真性糖尿
病の治療のための薬剤において活性化合物として使用さ
れる。薬剤は好ましくは注射用溶液または懸濁液であ
る;それは少なくとも1種の本発明の式Iのインシュリ
ン誘導体および/または複合体および/または少なくと
も1種のその生理学的に許容しうる塩を溶解した形態、
非晶質および/または結晶質形態、好ましくは溶解した
形態で含有する。
4.0〜8.5のpHを有し、無菌の水溶液中で適当な等張
化剤、適当な保存剤、場合により適当な緩衝剤、好まし
くはさらに特定濃度の亜鉛イオンを含有する。活性化合
物を除く、薬剤の構成成分のすべては薬物担体溶液を形
成する。式Iのインシュリンの溶液を含有する薬剤は
2.5〜4.5、特に3.5〜4.5、好ましくは4.0のp
Hを有する。式Iのインシュリンの懸濁液を含有する薬
剤は6.5〜8.5、特に7.0〜8.0、好ましくは7.
4のpHを有する。適当な等張化剤は例えばグリセロー
ル、グルコース、マンニトール、NaCl、カルシウム
化合物またはマグネシウム化合物、例えばCaCl2ま
たはMgCl2である。
果として、インシュリン誘導体またはその生理学的に許
容しうる塩の溶解度は弱酸性のpHで影響される。適当な
保存剤は例えばフェノール、m−クレゾール、ベンジル
アルコールおよび/またはp−ヒドロキシ安息香酸エス
テルである。特にpHを約4.0〜8.5に調整するのに使
用されうる緩衝物質は例えば酢酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウムまたはリン酸ナトリウムである。別法とし
て、生理学的に許容しうる希酸(典型的にはHCl)ま
たはアルカリ(典型的にはNaOH)もまた、pHを調整
するのに適している。薬剤がZn2+を含有する場合、Z
n2+含量は1μg〜2mg/ml、特に5μg〜200μg/m
lが好ましい。
ために、非修飾インシュリン、好ましくはウシ、ブタま
たはヒトインシュリン、特にヒトインシュリン、あるい
は修飾インシュリン、例えばモノマーのインシュリン、
迅速に作用するインシュリンまたはGly(A21)−
Arg(B31)−Arg(B32)−ヒトインシュリ
ンもまた混合することができる。好ましい活性化合物濃
度は約1〜1500、さらに好ましくは約5〜100
0、特に約40〜400国際単位/mlである。
製造 本質的にUS 5,358,857に記載のようにして発
現系の製造を行った。ベクターpINT 90dおよび
pINT 91d(実施例17参照)、PCRプライマ
ーTIRおよびInsu 11もまた、そこに記載されてい
る。これらの4成分を下記のベクター構造物の出発物質
として使用する。最初に、Gly(A21)に対するコド
ンをミニプロインシュリンの配列コードに挿入する。こ
れを行うために、pINT 91dを鋳型として使用
し、そしてプライマーTIRおよびInsu 31を用いて
PCR反応を行う。 Insu 31(配列番号10): 5′TTT TTT GTC GAC CTA TTA GCC GCA GTA GTT CTC CAG
CTG 3′ PCRサイクルは次のようにして行う。最初の1分間は
94℃、次の1分間は55℃、最後の1分間は72℃。
このサイクルを25回繰り返し、混合物を72℃で7分
間、次に4℃で一晩インキュベートする。得られるPC
Rフラグメントをエタノール中で沈殿させて精製し、乾
燥し、そして製造業者の手引に従って制限酵素NcO1
およびSal1を使用して制限緩衝液中で消化する。次
に、反応混合物をゲル電気泳動により分離し、NcO1
−プレ−プロインシュリン−Sal1フラグメントを単
離する。同様に、NcO1およびSal1を使用してプ
ラスミドpINT 90dのDNAを分解し、そしてサ
ルのプロインシュリンフラグメントをこのようにpIN
T残余プラスミドから放出する。両方のフラグメントを
ゲル電気泳動により分離し、残余プラスミドDNAを単
離する。このDNAをNcO1−Sal1 PCRフラ
グメントとリガーゼ反応により反応させる。このように
して得られるプラスミドpINT 150dを大腸菌に
より形質転換した後、精製し、再び単離する。
プラスミドpINT 302の出発物質として使用す
る。それは所望のインシュリン変体の製造を可能にす
る。プラスミドを構成するために、US 5,358,8
57に記載の方法(実施例6参照)を採用した。互いに
独立している2つのPCR反応をこのために行い、プラ
スミドpINT 150dのDNAを鋳型として使用す
る。一方の反応はプライマー対TIRおよびpINT
B5(配列番号11): 5′GAT GCC GCG GTG GTG GGT CTT GGG TGT GTAG 3′ を使用して行い、他方の反応はプライマー対Insu11お
よびpINT B6(配列番号12): 5′A CCC AAG ACC CAC CAC CGC GGC ATC GTG GAG 3′ を使用して行う。得られるPCRフラグメントは部分的
に相補性であるため、第3のPCR反応においてそれら
はB31およびB32の位置により延長されたGly
(A21)ミニプロインシュリンについてコード化する
フラグメントをもたらす。このフラグメントをNcO1
およびSal1を使用して分解し、上記のpINT90
d残余プラスミドのDNAとリガーゼ反応により反応さ
せてプラスミドpINT302を得る。
菌K12 W3110をUS 5,227,293の実施例
4に記載のようにして発酵させ、後処理する。(トリプ
シン分解前の)中間体として得られるプレプロインシュ
リン誘導体は次のアミノ酸配列を有する: プレプロインシュリン(配列番号3): Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr His His Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
この場合R2は11個のアミノ酸残基を有するペプチド
であり、R1はPhe(B1)であり、YはThr(B
30)であり、ZはHis His Arg(B31〜B33)であり、R3
はGly(A21)であり、A2〜A20はヒトインシ
ュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)
であり、そしてB2〜B29はヒトインシュリンのB鎖
のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
7,293に記載のようにして実施例4に従ってトリプ
シンで分解する。得られる生成物をカルボキシペプチダ
ーゼBと実施例11に従って反応させてインシュリン1
を得る。インシュリン1は式Iに相当し、この場合R1
はPhe(B1)であり、YはThr(B30)であ
り、ZはHis His(B31〜B32)であり、R3はGly(A2
1)であり、A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖の
アミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列
(アミノ酸残基2〜29)である。
る: インシュリン1(配列番号4): B鎖:Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr His His A鎖:Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
3)-Arg(B34)-OHの製造発現ベクターを実施例1に従って
構成する。 プライマー対TIRおよびpINT B7(配列番号1
3): 5′GAT GCC GCG GTG GTG CGC GGT CTT GGG TGT GTAG
3′ またはInsu11およびpINT B8(配列番号1
4): 5′ACCC AAG ACC GCG CAC CAC CGC GGC ATC GTG GAG
3′ を用いた、互いに独立している2つのPCR反応におい
て、プラスミドpINT150dを鋳型として使用す
る。両方の反応で得られるPCRフラグメントは部分的
に相補性であり、第3のPCR反応において、所望のイ
ンシュリン変体についてコード化する完全配列を与え
る。反応のフラグメントを酵素NcO1およびSal1
で処理し、NcO1/Sal1が開いたpINT 90
d DNAの残余プラスミドに連結する。得られるプラ
スミドpINT 303を大腸菌K12 W3110によ
り形質転換した後、所望のプレ−ミニプロインシュリン
の発現の基礎原料として使用する。発酵および後処理は
実施例1のようにして行うが、カルボキシペプチダーゼ
B反応は不要である。
のアミノ酸配列を有する: プレプロインシュリン2(配列番号5): Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Ala His His Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
この場合R1はPhe(B1)であり、R2は11個のア
ミノ酸残基を有するペプチドであり、YはThr(B3
0)であり、ZはAla His His Arg(B31〜B34)であり、
R3はGly(A21)であり、A2〜A20はヒトイ
ンシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜2
0)であり、そしてB2〜B29はヒトインシュリンの
B鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
ンと反応させてインシュリン2を得る。インシュリン2
は式IIに相当し、この場合R1はPhe(B1)であ
り、YはThr(B30)であり、ZはAla His His Ar
g(B31〜B34)であり、R3はGly(A21)であり、A
2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列
(アミノ酸残基2〜20)であり、そしてB2〜B29
はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残
基2〜29)である。
る: インシュリン2(配列番号6): B鎖:Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Ala His His Arg A鎖:Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
3)-His(B34)-OHの製造発現ベクターを実施例1に従って
構成する。 プライマー対TIRおよびpINT 316a(配列番
号15): 5′GAT GCC GCG ATG ATG CGC CGC GGT CTT GGG TGT GTA
G 3′ またはInsu11およびpINT 316b(配列番号1
6): 5′A CCC AAG ACC GCG GCG CAT CAT CGC GGC ATC GTG G
AG 3′ を用いた、互いに独立している2つのPCR反応におい
て、プラスミドpINT150dを鋳型として使用す
る。両方の反応で得られるPCRフラグメントは部分的
に相補性であり、第3のPCR反応において、所望のイ
ンシュリン変体についてコード化する完全配列を与え
る。反応のフラグメントを酵素NcO1およびSal1
で処理し、NcO1/Sal1が開いたpINT 90
d DNAの残余プラスミドに連結する。得られるプラ
スミドpINT 316を大腸菌K12 W3110によ
り形質転換した後、所望のプレ−ミニプロインシュリン
の発現の基礎原料として使用する。発酵および後処理は
実施例1のようにして行うが、カルボキシペプチダーゼ
B反応は不要である。
ミノ酸配列を有する: プレプロインシュリン3(配列番号7): Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Ala Ala His His Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
この場合R1はPhe(B1)であり、R2は11個のア
ミノ酸残基を有するペプチドであり、YはThr(B3
0)であり、ZはAla Ala His His Arg(B31〜B35)であ
り、R3はGly(A21)であり、A2〜A20はヒ
トインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2
〜20)であり、そしてB2〜B29はヒトインシュリ
ンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)であ
る。
ンおよび実施例11に従ってカルボキシペプチダーゼB
と反応させてインシュリン3を得る。インシュリン3は
式Iに相当し、この場合R1はPhe(B1)であり、
YはThr(B30)であり、ZはAla Ala His His Ar
g(B31〜B34)であり、R3はGly(A21)であり、A
2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列
(アミノ酸残基2〜20)であり、そしてB2〜B29
はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残
基2〜29)である。
る: インシュリン3(配列番号8): B鎖:Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Ala Ala His His A鎖:Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
に従ってカルボキシペプチダーゼBと反応させてインシ
ュリン4を得る。インシュリン4は式Iに相当し、この
場合R1はPhe(B1)であり、YはThr(B3
0)であり、ZはAla His His(B31〜B33)であり、R3は
Gly(A21)であり、A2〜A20はヒトインシュ
リンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)で
あり、そしてB2〜B29はヒトインシュリンのB鎖の
アミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
る: インシュリン4(配列番号9): B鎖:Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Ala His His A鎖:Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
ン、0.13MのNaCl、0.1%フェノール、80μ
g/ml(1.22mM)のZn2+、10mMのトリス/HC
l、pH7.4)を15℃で10mMのトリス/HCl(pH
7.4)に対して40時間(16時間および24時間後
に緩衝液交換)透析する。次に透析液を酸性にし、イン
シュリンの濃度をHPLCにより測定し、そして亜鉛の
濃度を原子吸光分光分析法により測定する。亜鉛の数値
はインシュリンを含まない対照バッチの亜鉛含量を使用
して補正する。その結果を表1に示す。
鉛依存性 投与経路:皮下 投与量:0.3IU/kg;調製液のpH4.0 実験1回あたりのイヌの数(n):6 表2は初期値の%として表される血中グルコースを示
す。
g(B34)ヒトインシュリン(インシュリン2)の作用プロ
フィール 実施例2に従って製造したインシュリン2を次の配合物
において使用する:20mg/mlのグリセロール、2.7m
g/mlのm−クレゾール、40IU/mlのインシュリン
2。IUは国際単位を示し、約6ナノモルのインシュリ
ン、例えばヒトインシュリンまたは式Iのインシュリン
に相当する。pHはNaOHまたはHClを使用して調整
する。 投与経路:皮下 投与量:0.3IU/kg 試験したイヌの数:6 調製液のpH:4.0 表3は始発値の%として表される血中グルコースを示
す。
インシュリン(インシュリン4)の作用プロフィール 実施例4に従って製造したインシュリン4を実施例7の
ようにして配合し、使用する。 投与経路:皮下 投与量:0.3IU/kg n=6 調製液のpH:4.0 表4は始発値の%として表される血中グルコースを示
す。
リン(インシュリン1)の作用プロフィール 実施例1に従って製造したインシュリン1を実施例7の
ようにして配合し、使用する。 投与経路:皮下 投与量:0.3IU/kg n=6 調製液のpH:4.0 表5は始発値の%として表される血中グルコースを示
す。
4)ヒトインシュリン(インシュリン3)の作用プロフィ
ール 実施例1に従って製造したインシュリン3を実施例7の
ようにして配合し、使用する。 投与経路:皮下 投与量:0.3IU/kg n=6 調製液のpH:4.0 表6は始発値の%として表される血中グルコースを示
す。
に従って製造した200mgのインシュリンを95mlの1
0mM HClに溶解する。5mlの1Mトリス/HCl
(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;pH8)を
加えた後、HClまたはNaOHを使用してpHを8に調
整する。0.1mgのカルボキシペプチダーゼBを加え
る。90分後、アルギニンの切断を終了する。HClを
加えて混合物をpH3.5に調整し、ポンプで逆相カラム
(PLRP−S RP300 10μ、2.5×30cm、
ポリマー ラボラトリーズアマースト社製)に送り込
む。移動相Aは0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水
である。相Bは0.09%トリフルオロ酢酸を含有する
アセトニトリルからなる。カラムを5ml/分の流量で操
作する。使用後、カラムを150mlのAで洗浄する。直
線勾配の22.5〜40%のBを400分間使用するこ
とにより分別溶離を行う。分析用逆相HPLCにより各
フラクションを分析し、十分な純度のDes−Arg−
インシュリンを含有するフラクションを合一する。Na
OHを使用してpHを3.5に調整し、アセトニトリルを
回転蒸発器で除去する。次に、pHを6.5に設定してD
es−Arg−インシュリンを沈殿させる。沈殿物を遠
心分離し、50mlの水で2回洗浄し、最後に凍結乾燥す
る。インシュリン1が60〜80%の収率で得られる。
Claims (16)
- 【請求項1】 式I 【化1】 〔式中、R1はフェニルアラニン残基または水素原子で
あり、 R3は遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であり、 Yは遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であり、 Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または b) 1〜5個のヒスチジン残基を含有する2〜35個
の遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基を有するペプ
チドであり、 残基A2〜A20はヒトインシュリン、動物インシュリ
ンまたはインシュリン誘導体のA鎖のアミノ酸配列に相
当し、そしてB2〜B29はヒトインシュリン、動物イ
ンシュリンまたはインシュリン誘導体のB鎖のアミノ酸
配列に相当する〕のインシュリンまたはその生理学的に
許容しうる塩。 - 【請求項2】 R1はフェニルアラニン残基であり、 R3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、As
p、GluおよびGlnからなる群より選択されるアミ
ノ酸残基であり、 YはAla、Thr、SerおよびHisからなる群よ
り選択されるアミノ酸残基であり、 Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または b) 1または2個のヒスチジン残基を含有する、4〜
7個のアミノ酸残基を有するペプチドである、請求項1
記載の式Iのインシュリン。 - 【請求項3】 R1はフェニルアラニン残基であり、 R3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、As
p、GluおよびGlnからなる群より選択されるアミ
ノ酸残基であり、 YはAla、Thr、SerおよびHisからなる群よ
り選択されるアミノ酸残基であり、 Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または b) 1または2個のヒスチジン残基を含有する、2〜
7個のアミノ酸残基を有するペプチドである、請求項1
記載の式Iのインシュリン。 - 【請求項4】 Zは1または2個のヒスチジン残基を含
有する、1〜5個のアミノ酸残基を有するペプチドであ
る請求項3記載の式Iのインシュリン。 - 【請求項5】 R1はフェニルアラニン残基であり、 R3はAsnおよびGlyからなる群より選択されるア
ミノ酸残基であり、 YはThrおよびHisからなる群より選択されるアミ
ノ酸残基であり、そしてZは1または2個のヒスチジン
残基を含有する、1〜5個のアミノ酸残基を有するペプ
チドである、請求項1〜4の何れかの項記載の式Iのイ
ンシュリン。 - 【請求項6】 R1はフェニルアラニン残基であり、R3
はグリシン残基であり、Yはトレオニン残基であり、そ
してZは1〜5個のアミノ酸残基を有するペプチドであ
る請求項1記載の式Iのインシュリン。 - 【請求項7】 ZはHis His, His His Arg, Ala His Hi
s, Ala His His Arg, Ala Ala His His ArgまたはAla A
la His His 配列を有するペプチドである請求項6記載
の式Iのインシュリン。 - 【請求項8】 インシュリンヘキサマーおよびインシュ
リンヘキサマー1モルにつき5〜9モルのZn2+、特に
インシュリンヘキサマー1モルにつき5〜7モルのZn
2+を含有し、インシュリンヘキサマーは請求項1〜7の
何れかの項記載の式Iのインシュリン分子6個からなる
複合体。 - 【請求項9】 有効量の請求項1〜7の何れかの項記載
の少なくとも1種の式Iのインシュリンおよび/または
少なくとも1種の式Iのインシュリンの生理学的に許容
しうる塩を溶解した形態、非晶質および/または結晶質
形態で含有する薬剤。 - 【請求項10】 追加的に1μg〜2mg、好ましくは5
μg〜200μg/mlの亜鉛を含有する請求項9記載の薬
剤。 - 【請求項11】 2.5〜8.5のpHを有する請求項9ま
たは10記載の薬剤。 - 【請求項12】 2.5〜4.5のpHを有する請求項9〜
11の何れかの項記載の薬剤。 - 【請求項13】 追加的に非修飾インシュリン、好まし
くは非修飾ヒトインシュリン、または修飾インシュリ
ン、好ましくはGly(A21)−Arg(B31)−
Arg(B32)−ヒトインシュリンを含有する請求項
9〜12の何れかの項記載の薬剤。 - 【請求項14】 式II R2−R1−B2−B29−Y−Z1−Gly−A2−A20−R3 (II) 〔式中、R3およびYは請求項1〜7の何れかの項記載
の式Iで定義された通りであり、 R1はフェニルアラニン残基または共有結合であり、 R2はa) 遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基で
あるか、または b) 2〜45個のアミノ酸残基を有するペプチドであ
り、そして残基A2〜A20およびB2〜B29はヒト
インシュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘
導体のAおよびB鎖のアミノ酸配列に相当し、そしてZ
1は1〜5個のヒスチジン残基を含有する2〜40個の
遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基を有するペプチ
ドである〕のプロインシュリン。 - 【請求項15】 R2は2〜25個のアミノ酸残基を有
するペプチドである請求項14記載の式IIのプロインシ
ュリン。 - 【請求項16】 R2は2〜15個のアミノ酸残基を有
するペプチドであり、そしてMet、LysおよびAr
gからなる群より選択されるアミノ酸残基はカルボキシ
ル末端にある請求項14または15記載の式IIのプロイ
ンシュリン。
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