JP4046388B2 - 亜鉛結合が増大したインシュリン誘導体 - Google Patents

亜鉛結合が増大したインシュリン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
皮下投与されるインシュリンの薬物動態学はその会合作用に依存する。インシュリンは中性の水溶液中でヘキサマー(6量体)を形成する。インシュリンが組織から血流に入り、作用部位に達する場合、それは最初に毛細管の壁を通過しなければならない。モノマーおよびダイマーのインシュリンはこれができるが、ヘキサマーのインシュリンや比較的高分子量の会合体は全くできないか、できてもほんの僅かであると考えられる(Brangeらの「糖尿病のケア」、13、第923〜954頁(1990年);Kangらの「糖尿病のケア」、14、第942〜948頁(1991年))。したがって、ヘキサマーの解離は皮下組織から血流への迅速な通過の前提条件である。
【0002】
インシュリンの会合および凝集作用はZn2+に影響され、それはヘキサマーを安定化し、中性付近のpHで比較的高分子量の凝集物を生成し、沈殿が起こる。しかしながら、ヒトインシュリンの非緩衝溶液(pH4)への添加剤としてのZn2+は作用プロフィールにほんの僅かしか影響を与えない。そのような溶液は注射時皮下組織において迅速に中和され、インシュリン−亜鉛複合体が生成するが、ヒトインシュリンと亜鉛の自然な結合はヘキサマーおよびより大きな凝集物を安定化するのに不十分である。そのためZn2+の添加によりヒトインシュリンの放出が著しく遅れることはなく、強力な貯留効果が達成される。知られているインシュリンヘキサマーはインシュリンヘキサマー1モルにつき約2モルのZn2+を含有する(BlundellらのAdv. Protein Chem. 26, 第323〜328頁(1972年))。インシュリンヘキサマー1個につき2個のZn2+イオンがしっかりとインシュリンヘキサマーに結合し、そしてこれらは通常の透析により除去することができない。いわゆる4−亜鉛インシュリン結晶は一般によく知られているが、これらの結晶は平均してインシュリンヘキサマー1モルにつき3モル未満のZn2+しか含有しない(G. D. SmithらのProc. Natl. Acad. Sci. USA:81、第7093〜7097頁)。
【0003】
本発明の目的はヒトインシュリンと比べて増大した亜鉛結合力を有し、インシュリンヘキサマーおよびZn2+を含有する安定な複合体を形成し、そして皮下注射において遅延型作用プロフィールを有するインシュリン誘導体を見い出すことである。
【0004】
今般、上記の特徴を満たす式I
【化2】
Figure 0004046388
〔式中、R1はフェニルアラニン残基または水素原子であり、
3は遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であり、
Yは遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であり、
Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または
b) 1〜5個のヒスチジン残基を含有する2〜35個の遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基を有するペプチドであり、
残基A2〜A20はヒトインシュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘導体のA鎖のアミノ酸配列に相当し、そして
残基B2〜B29はヒトインシュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘導体のB鎖のアミノ酸配列に相当する〕のインシュリンおよび/またはその生理学的に許容しうる塩を見い出した。
【0005】
1はフェニルアラニン残基であり、
3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、Asp、GluおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
YはAla、Thr、SerおよびHisからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または
b) 1または2個のヒスチジン残基を含有する、4〜7個のアミノ酸残基を有するペプチドである
式Iのインシュリンが特に好ましい。
【0006】
さらに、R1はフェニルアラニン残基であり、
3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、Asp、GluおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
YはAla、Thr、SerおよびHisからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
Zはa) アミノ酸残基Hisであるか、または
b) 1または2個のヒスチジン残基を含有する、2〜7個のアミノ酸残基を有するペプチドである、
式Iのインシュリンが好ましい。
Zは1または2個のヒスチジン残基を含有する、1〜5個のアミノ酸残基を有するペプチドである式Iのインシュリンが特に好ましい。
【0007】
1はフェニルアラニン残基であり、
3はAsnおよびGlyからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
YはThrおよびHisからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、そして
Zは1または2個のヒスチジン残基を含有する、1〜5個のアミノ酸残基を有するペプチドである式Iのインシュリンが特に好ましい。
さらにR1はフェニルアラニン残基であり、R3はグリシン残基であり、Yはトレオニン残基であり、そしてZは1または2個のヒスチジン残基を含有する1〜5個のアミノ酸残基を有するペプチドである式Iのインシュリンが好ましい。
【0008】
ZはHis His, His His Arg, Ala His His, Ala His His Arg, Ala Ala His His ArgまたはAla Ala His His 配列を有するペプチドである式Iのインシュリンが特に好ましい。
ペプチドおよびタンパク質のアミノ酸配列はアミノ酸鎖のN−末端以降から表示される。式Iの括弧内の記号、例えばA1、A6、A7、A11、A20、B1、B7、B19またはB30はインシュリンのAまたはB鎖のアミノ酸残基の位置に相当する。
【0009】
「遺伝学的にコード化可能な(genetically encodable)アミノ酸残基」なる表現はGly, Ala, Ser, Thr, Val, Leu, Ile, Asp, Asn, Glu, Gln, Cys, Met, Arg, Lys, His, Tyr, Phe, Trp, Proおよびセレノシステインの残基を示す。
動物インシュリンの「残基A2〜A20」および「残基B2〜B29」なる表現は例えばウシ、ブタまたはニワトリのインシュリンのアミノ酸配列を意味すると理解される。
インシュリン誘導体の「残基A2〜A20」および「残基B2〜B29」なる表現は他の遺伝学的にコード化可能なアミノ酸によるアミノ酸の置換によって生成するヒトインシュリンの相当するアミノ酸配列を示す。
【0010】
ヒトインシュリンのA鎖は次の配列(配列番号1):
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu
Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
を有する。
ヒトインシュリンのB鎖は次の配列(配列番号2):
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu
Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr
Thr Pro Lys Thr
を有する。
【0011】
式Iのインシュリン誘導体は様々な遺伝子工学構造物(EP 0 489 780、EP 0 347 781、EP 0 368 187、EP 0 453 969)を用いて微生物において生成することができる。遺伝子工学構造物は大腸菌またはストレプトミセテス科の放線菌のような微生物において発酵中に発現される。
生成したタンパク質は微生物の体内に貯蔵され(EP 0 489 780)、または発酵溶液中に分泌される。
【0012】
典型的な式Iのインシュリンは、
Gly(A21)−ヒトインシュリン−His(B31)-His(B32)-OH
Gly(A21)−ヒトインシュリン−His(B31)-His(B32)-Arg(B33)-OH
Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-His(B32)-His(B33)-OH
Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-His(B32)-His(B33)-Arg(B34)-OH
Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-Ala(B32)-His(B33)-His(B34)-OH
Gly(A21)−ヒトインシュリン−Ala(B31)-Ala(B32)-His(B33)-His(B34)-Arg(B35)-OH
である。
【0013】
式Iのインシュリン誘導体は主として、標準法に従って位置特異的変異誘起を用いた遺伝子工学技術により製造される。このために、所望の式Iのインシュリン誘導体に対する遺伝子構造コードは宿主細胞、好ましくは大腸菌または酵母、特にサッカロミセスセレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のような細菌において構成および発現され、そして融合タンパク質に対して遺伝子構造のコード化が行われる場合、式Iのインシュリン誘導体は融合タンパク質から放出される;同様の方法は例えばEP−A−0 211 299、EP−A−0 227 938、EP−A−0 229 998、EP−A−0 286 956およびDE特許出願P 38 21 159に記載されている。
細胞の破壊後、融合タンパク質部分はハロゲン化シアンを用いて化学的に(EP−A−0 180 920を参照)あるいはリソスタフィンまたはトリプシンを用いて酵素的に(DE−A−37 39 347を参照)切断されることができる。
【0014】
次に、インシュリン前駆体は例えばR. C. MarshallおよびA. S. Inglisの「タンパク質の応用化学−便覧」(A. Darbre編)、第49〜53頁(1986年)に記載の方法に従って酸化的亜硫酸分解に付され、そして例えばG. H. DixonおよびA. C. WardlowのNature, 第721〜724頁(1960年)に記載の方法に従ってチオールの存在下で適当なジスルフィドブリッジの生成を伴って再生される。しかしながら、インシュリン前駆体はまた、直接折りたたむ(fold)ことができる(EP−A−0 600 372;EP−A−0 668 292)。
Cペプチドおよび、もし存在する場合前置配列(式IIのR2)は例えばKemmlerらのJ. B. C., 第6786〜6791頁(1971年)に記載の方法に従ってトリプシン分解により除去され、そして式Iのインシュリン誘導体はクロマトグラフィー(例えばEP−A−0 305 760)および結晶化のような知られている方法により精製される。
【0015】
本発明はさらに、インシュリンヘキサマーおよびインシュリンヘキサマー1モルにつき約5〜9モルのZn2+、好ましくはインシュリンヘキサマー1モルにつき5〜7モルのZn2+を含有し、インシュリンヘキサマーは6個の式Iのインシュリン分子からなる複合体に関する。
亜鉛とインシュリンヘキサマーの結合はしっかりしているため、インシュリンヘキサマー1モルにつき5〜9モルのZn2+は例えばpH7.4の水性10mMトリス/HCl緩衝液を用いた40時間の通常の透析により除去することができない。
皮下投与後、式Iのインシュリンは本質的に亜鉛を含まない製剤(pH4)の場合、ヒトインシュリンと比べて極めてわずかな作用の遅れを示す。製剤1mlにつき約20μgのZn2+を加えると、皮下投与後に遅い作用開始が観察される。作用の遅延は好ましくは40μg/mlのZn2+で観察される。より高い亜鉛濃度はこの効果を高める。
【0016】
本発明はさらに、式II
2−R1−B2−B29−Y−Z1−Gly−A2−A20−R3 (II)
〔式中、R3およびYは請求項1〜6の何れかの項記載の式Iで定義された通りであり、
1はフェニルアラニン残基または共有結合であり、
2はa) 遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であるか、または
b) 2〜45個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、そして残基A2〜A20およびB2〜B29はヒトインシュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘導体のAおよびB鎖のアミノ酸配列に相当し、そして
1は1〜5個のヒスチジン残基を含有する2〜40個の遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基を有するペプチドである〕のプレプロインシュリンに関する。
式IIのプロインシュリンは式Iのインシュリンの製造において中間体として適当である。
好ましい式IIのプロインシュリンはR2が2〜25個のアミノ酸残基を有するペプチドであるものである。
特に好ましい式IIのプロインシュリンはR2が2〜15個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、そしてMet、LysおよびArgからなる群より選択されるアミノ酸残基がンルボキシル末端にあるものである。
【0017】
本発明の式Iのインシュリン誘導体および/またはインシュリンヘキサマーとヘキサマー1モルにつき5〜9モルのZn2+を含有する複合体および/またはそれらの生理学的に許容しうる塩(例えばアルカリ金属またはアンモニウム塩)は主に糖尿病、特に真性糖尿病の治療のための薬剤において活性化合物として使用される。
薬剤は好ましくは注射用溶液または懸濁液である;それは少なくとも1種の本発明の式Iのインシュリン誘導体および/または複合体および/または少なくとも1種のその生理学的に許容しうる塩を溶解した形態、非晶質および/または結晶質形態、好ましくは溶解した形態で含有する。
【0018】
薬剤は好ましくは約2.5〜8.5、特に約4.0〜8.5のpHを有し、無菌の水溶液中で適当な等張化剤、適当な保存剤、場合により適当な緩衝剤、好ましくはさらに特定濃度の亜鉛イオンを含有する。活性化合物を除く、薬剤の構成成分のすべては薬物担体溶液を形成する。
式Iのインシュリンの溶液を含有する薬剤は2.5〜4.5、特に3.5〜4.5、好ましくは4.0のpHを有する。
式Iのインシュリンの懸濁液を含有する薬剤は6.5〜8.5、特に7.0〜8.0、好ましくは7.4のpHを有する。
適当な等張化剤は例えばグリセロール、グルコース、マンニトール、NaCl、カルシウム化合物またはマグネシウム化合物、例えばCaCl2またはMgCl2である。
【0019】
等張化剤および/または保存剤の選択の結果として、インシュリン誘導体またはその生理学的に許容しうる塩の溶解度は弱酸性のpHで影響される。
適当な保存剤は例えばフェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコールおよび/またはp−ヒドロキシ安息香酸エステルである。
特にpHを約4.0〜8.5に調整するのに使用されうる緩衝物質は例えば酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムである。別法として、生理学的に許容しうる希酸(典型的にはHCl)またはアルカリ(典型的にはNaOH)もまた、pHを調整するのに適している。
薬剤がZn2+を含有する場合、Zn2+含量は1μg〜2mg/ml、特に5μg〜200μg/mlが好ましい。
【0020】
本発明の薬剤の作用プロフィールを変えるために、非修飾インシュリン、好ましくはウシ、ブタまたはヒトインシュリン、特にヒトインシュリン、あるいは修飾インシュリン、例えばモノマーのインシュリン、迅速に作用するインシュリンまたはGly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)−ヒトインシュリンもまた混合することができる。
好ましい活性化合物濃度は約1〜1500、さらに好ましくは約5〜1000、特に約40〜400国際単位/mlである。
【0021】
【実施例】
実施例1
Gly(A21)−ヒトインシュリン−His(B31)-His(B32)-OHの製造
本質的にUS 5,358,857に記載のようにして発現系の製造を行った。
ベクターpINT 90dおよびpINT 91d(実施例17参照)、PCRプライマーTIRおよびInsu 11もまた、そこに記載されている。これらの4成分を下記のベクター構造物の出発物質として使用する。
最初に、Gly(A21)に対するコドンをミニプロインシュリンの配列コードに挿入する。これを行うために、pINT 91dを鋳型として使用し、そしてプライマーTIRおよびInsu 31を用いてPCR反応を行う。
Insu 31(配列番号10):
5′TTT TTT GTC GAC CTA TTA GCC GCA GTA GTT CTC CAG CTG 3′
PCRサイクルは次のようにして行う。最初の1分間は94℃、次の1分間は55℃、最後の1分間は72℃。このサイクルを25回繰り返し、混合物を72℃で7分間、次に4℃で一晩インキュベートする。
得られるPCRフラグメントをエタノール中で沈殿させて精製し、乾燥し、そして製造業者の手引に従って制限酵素NcO1およびSal1を使用して制限緩衝液中で消化する。次に、反応混合物をゲル電気泳動により分離し、NcO1−プレ−プロインシュリン−Sal1フラグメントを単離する。同様に、NcO1およびSal1を使用してプラスミドpINT 90dのDNAを分解し、そしてサルのプロインシュリンフラグメントをこのようにpINT残余プラスミドから放出する。両方のフラグメントをゲル電気泳動により分離し、残余プラスミドDNAを単離する。このDNAをNcO1−Sal1 PCRフラグメントとリガーゼ反応により反応させる。このようにして得られるプラスミドpINT 150dを大腸菌により形質転換した後、精製し、再び単離する。
【0022】
プラスミドpINT 150dのDNAをプラスミドpINT 302の出発物質として使用する。それは所望のインシュリン変体の製造を可能にする。
プラスミドを構成するために、US 5,358,857に記載の方法(実施例6参照)を採用した。互いに独立している2つのPCR反応をこのために行い、プラスミドpINT 150dのDNAを鋳型として使用する。一方の反応はプライマー対TIRおよびpINT B5(配列番号11):
5′GAT GCC GCG GTG GTG GGT CTT GGG TGT GTAG 3′
を使用して行い、他方の反応はプライマー対Insu11およびpINT B6(配列番号12):
5′A CCC AAG ACC CAC CAC CGC GGC ATC GTG GAG 3′
を使用して行う。
得られるPCRフラグメントは部分的に相補性であるため、第3のPCR反応においてそれらはB31およびB32の位置により延長されたGly(A21)ミニプロインシュリンについてコード化するフラグメントをもたらす。このフラグメントをNcO1およびSal1を使用して分解し、上記のpINT90d残余プラスミドのDNAとリガーゼ反応により反応させてプラスミドpINT302を得る。
【0023】
このプラスミドを用いて形質転換した大腸菌K12 W3110をUS 5,227,293の実施例4に記載のようにして発酵させ、後処理する。(トリプシン分解前の)中間体として得られるプレプロインシュリン誘導体は次のアミノ酸配列を有する:
プレプロインシュリン(配列番号3):
Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe
Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu
Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe
Tyr Thr Pro Lys Thr His His Arg Gly Ile Val Glu
Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu
Glu Asn Tyr Cys Gly
【0024】
プレプロインシュリン1は式IIに相当し、この場合
2は11個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、
1はPhe(B1)であり、
YはThr(B30)であり、
ZはHis His Arg(B31〜B33)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0025】
プレプロインシュリン1をUS 5,227,293に記載のようにして実施例4に従ってトリプシンで分解する。得られる生成物をカルボキシペプチダーゼBと実施例11に従って反応させてインシュリン1を得る。インシュリン1は式Iに相当し、この場合
1はPhe(B1)であり、
YはThr(B30)であり、
ZはHis His(B31〜B32)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0026】
インシュリン1は次のアミノ酸配列を有する:
Figure 0004046388
ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
【0027】
実施例2
Gly(A21)-ヒトインシュリン-Ala(B31)-His(B32)-His(B33)-Arg(B34)-OHの製造
発現ベクターを実施例1に従って構成する。
プライマー対TIRおよびpINT B7(配列番号13):
5′GAT GCC GCG GTG GTG CGC GGT CTT GGG TGT GTAG 3′
またはInsu11およびpINT B8(配列番号14):
5′ACCC AAG ACC GCG CAC CAC CGC GGC ATC GTG GAG 3′
を用いた、互いに独立している2つのPCR反応において、プラスミドpINT150dを鋳型として使用する。
両方の反応で得られるPCRフラグメントは部分的に相補性であり、第3のPCR反応において、所望のインシュリン変体についてコード化する完全配列を与える。反応のフラグメントを酵素NcO1およびSal1で処理し、NcO1/Sal1が開いたpINT 90d DNAの残余プラスミドに連結する。得られるプラスミドpINT 303を大腸菌K12 W3110により形質転換した後、所望のプレ−ミニプロインシュリンの発現の基礎原料として使用する。発酵および後処理は実施例1のようにして行うが、カルボキシペプチダーゼB反応は不要である。
【0028】
得られるプレプロインシュリン誘導体は次のアミノ酸配列を有する:
プレプロインシュリン2(配列番号5):
Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe
Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu
Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe
Tyr Thr Pro Lys Thr Ala His His Arg Gly Ile Val
Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln
Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
【0029】
プレプロインシュリン2は式IIに相当し、この場合
1はPhe(B1)であり、
2は11個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、
YはThr(B30)であり、
ZはAla His His Arg(B31〜B34)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0030】
次に、プレプロインシュリン2をトリプシンと反応させてインシュリン2を得る。インシュリン2は式IIに相当し、この場合
1はPhe(B1)であり、
YはThr(B30)であり、
ZはAla His His Arg(B31〜B34)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0031】
インシュリン2は次のアミノ酸配列を有する:
Figure 0004046388
ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
【0032】
実施例3
Gly(A21)-ヒトインシュリン-Ala(B31)-Ala(B32)-His(B33)-His(B34)-OHの製造
発現ベクターを実施例1に従って構成する。
プライマー対TIRおよびpINT 316a(配列番号15):
5′GAT GCC GCG ATG ATG CGC CGC GGT CTT GGG TGT GTA G 3′
またはInsu11およびpINT 316b(配列番号16):
5′A CCC AAG ACC GCG GCG CAT CAT CGC GGC ATC GTG GAG 3′
を用いた、互いに独立している2つのPCR反応において、プラスミドpINT150dを鋳型として使用する。
両方の反応で得られるPCRフラグメントは部分的に相補性であり、第3のPCR反応において、所望のインシュリン変体についてコード化する完全配列を与える。反応のフラグメントを酵素NcO1およびSal1で処理し、NcO1/Sal1が開いたpINT 90d DNAの残余プラスミドに連結する。得られるプラスミドpINT 316を大腸菌K12 W3110により形質転換した後、所望のプレ−ミニプロインシュリンの発現の基礎原料として使用する。発酵および後処理は実施例1のようにして行うが、カルボキシペプチダーゼB反応は不要である。
【0033】
得られるプレプロインシュリン3は次のアミノ酸配列を有する:
プレプロインシュリン3(配列番号7):
Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe
Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu
Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe
Tyr Thr Pro Lys Thr Ala Ala His His Arg Gly Ile
Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr
Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
【0034】
プレプロインシュリン3は式IIに相当し、この場合
1はPhe(B1)であり、
2は11個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、
YはThr(B30)であり、
ZはAla Ala His His Arg(B31〜B35)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0035】
次に、プレプロインシュリン3をトリプシンおよび実施例11に従ってカルボキシペプチダーゼBと反応させてインシュリン3を得る。インシュリン3は式Iに相当し、この場合
1はPhe(B1)であり、
YはThr(B30)であり、
ZはAla Ala His His Arg(B31〜B34)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0036】
インシュリン3は次のアミノ酸配列を有する:
Figure 0004046388
ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
【0037】
実施例4
実施例2に従って製造したインシュリン2を実施例11に従ってカルボキシペプチダーゼBと反応させてインシュリン4を得る。
インシュリン4は式Iに相当し、この場合
1はPhe(B1)であり、
YはThr(B30)であり、
ZはAla His His(B31〜B33)であり、
3はGly(A21)であり、
A2〜A20はヒトインシュリンのA鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜20)であり、そして
B2〜B29はヒトインシュリンのB鎖のアミノ酸配列(アミノ酸残基2〜29)である。
【0038】
インシュリン4は次のアミノ酸配列を有する:
Figure 0004046388
ジスルフィドブリッジは式Iのように形成される。
【0039】
実施例5
インシュリン誘導体の亜鉛結合
インシュリンの調製液(0.243mMのヒトインシュリン、0.13MのNaCl、0.1%フェノール、80μg/ml(1.22mM)のZn2+、10mMのトリス/HCl、pH7.4)を15℃で10mMのトリス/HCl(pH7.4)に対して40時間(16時間および24時間後に緩衝液交換)透析する。次に透析液を酸性にし、インシュリンの濃度をHPLCにより測定し、そして亜鉛の濃度を原子吸光分光分析法により測定する。亜鉛の数値はインシュリンを含まない対照バッチの亜鉛含量を使用して補正する。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004046388
【0041】
実施例6
イヌにおけるヒトインシュリンの作用プロフィールの亜鉛依存性
投与経路:皮下
投与量:0.3IU/kg;調製液のpH4.0
実験1回あたりのイヌの数(n):6
表2は初期値の%として表される血中グルコースを示す。
【表2】
Figure 0004046388
【0042】
実施例7
イヌにおけるGly(A21)Ala(B31)His(B32), His(B33), Arg(B34)ヒトインシュリン(インシュリン2)の作用プロフィール
実施例2に従って製造したインシュリン2を次の配合物において使用する:20mg/mlのグリセロール、2.7mg/mlのm−クレゾール、40IU/mlのインシュリン2。
IUは国際単位を示し、約6ナノモルのインシュリン、例えばヒトインシュリンまたは式Iのインシュリンに相当する。pHはNaOHまたはHClを使用して調整する。
投与経路:皮下
投与量:0.3IU/kg
試験したイヌの数:6
調製液のpH:4.0
表3は始発値の%として表される血中グルコースを示す。
【0043】
【表3】
Figure 0004046388
【0044】
実施例8
イヌにおけるGly(A21)Ala(B31)His(B32), His(B33)ヒトインシュリン(インシュリン4)の作用プロフィール
実施例4に従って製造したインシュリン4を実施例7のようにして配合し、使用する。
投与経路:皮下
投与量:0.3IU/kg
n=6
調製液のpH:4.0
表4は始発値の%として表される血中グルコースを示す。
【0045】
【表4】
Figure 0004046388
【0046】
実施例9
イヌにおけるGly(A21)His(B31),His(B32)ヒトインシュリン(インシュリン1)の作用プロフィール
実施例1に従って製造したインシュリン1を実施例7のようにして配合し、使用する。
投与経路:皮下
投与量:0.3IU/kg
n=6
調製液のpH:4.0
表5は始発値の%として表される血中グルコースを示す。
【0047】
【表5】
Figure 0004046388
【0048】
実施例10
イヌにおけるGly(A21)Ala(B31)Ala(B32)His(B33)His(B34)ヒトインシュリン(インシュリン3)の作用プロフィール
実施例1に従って製造したインシュリン3を実施例7のようにして配合し、使用する。
投与経路:皮下
投与量:0.3IU/kg
n=6
調製液のpH:4.0
表6は始発値の%として表される血中グルコースを示す。
【0049】
【表6】
Figure 0004046388
【0050】
実施例11
プレプロインシュリン1からのインシュリンの製造
1個のArgがB鎖のカルボキシ末端にある、実施例1に従って製造した200mgのインシュリンを95mlの10mM HClに溶解する。5mlの1Mトリス/HCl(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;pH8)を加えた後、HClまたはNaOHを使用してpHを8に調整する。
0.1mgのカルボキシペプチダーゼBを加える。90分後、アルギニンの切断を終了する。HClを加えて混合物をpH3.5に調整し、ポンプで逆相カラム(PLRP−S RP300 10μ、2.5×30cm、ポリマー ラボラトリーズ アマースト社製)に送り込む。移動相Aは0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水である。相Bは0.09%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリルからなる。カラムを5ml/分の流量で操作する。使用後、カラムを150mlのAで洗浄する。直線勾配の22.5〜40%のBを400分間使用することにより分別溶離を行う。分析用逆相HPLCにより各フラクションを分析し、十分な純度のDes−Arg−インシュリンを含有するフラクションを合一する。NaOHを使用してpHを3.5に調整し、アセトニトリルを回転蒸発器で除去する。次に、pHを6.5に設定してDes−Arg−インシュリンを沈殿させる。沈殿物を遠心分離し、50mlの水で2回洗浄し、最後に凍結乾燥する。インシュリン1が60〜80%の収率で得られる。
【0051】
【配列表】
Figure 0004046388
【0052】
Figure 0004046388
【0053】
Figure 0004046388
【0054】
Figure 0004046388
【0055】
Figure 0004046388
【0056】
Figure 0004046388
【0057】
Figure 0004046388
【0058】
Figure 0004046388
【0059】
Figure 0004046388
【0060】
Figure 0004046388
【0061】
Figure 0004046388
【0062】
Figure 0004046388
【0063】
Figure 0004046388
【0064】
Figure 0004046388
【0065】
Figure 0004046388
【0066】
Figure 0004046388

Claims (12)

  1. 式I
    Figure 0004046388
    〔式中、R1はフェニルアラニン残基または水素原子であり、
    3は遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であり、
    Yは遺伝学的にコード化可能なアミノ酸残基であり、
    ZはHis His, His His Arg, Ala His His, Ala His His Arg, Ala Ala His His ArgまたはAla Ala His His 配列を有するペプチドであり、
    残基A2〜A20はヒトインシュリンまたは動物インシュリンのA鎖のアミノ酸配列に相当し、そして
    B2〜B29はヒトインシュリンまたは動物インシュリンのB鎖のアミノ酸配列に相当する〕のインシュリンまたはその生理学的に許容しうる塩。
  2. 1はフェニルアラニン残基であり、
    3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、Asp、GluおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
    YはAla、Thr、SerおよびHisからなる群より選択されるアミノ酸残基である、請求項1記載の式Iのインシュリン。
  3. 1はフェニルアラニン残基であり、
    3はAsn、Gly、Ser、Thr、Ala、Asp、GluおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
    YはAla、Thr、SerおよびHisからなる群より選択されるアミノ酸残基である、請求項1記載の式Iのインシュリン。
  4. 1はフェニルアラニン残基であり、
    3はAsnおよびGlyからなる群より選択されるアミノ酸残基であり、
    YはThrおよびHisからなる群より選択されるアミノ酸残基である、請求項1〜3の何れかの項記載の式Iのインシュリン。
  5. 1はフェニルアラニン残基であり、R3はグリシン残基であり、Yはトレオニン残基である、請求項1記載の式Iのインシュリン。
  6. インシュリンヘキサマーおよびインシュリンヘキサマー1モルにつき5〜9モルのZn2+を含有し、インシュリンヘキサマーは請求項1〜5の何れかの項記載の式Iのインシュリン分子6個からなる複合体。
  7. 有効量の請求項1〜5の何れかの項記載の少なくとも1種の式Iのインシュリンおよび/または少なくとも1種の式Iのインシュリンの生理学的に許容しうる塩を溶解した形態、非晶質および/または結晶質形態で含有する薬剤。
  8. 追加的に1μg〜2mg/mlの亜鉛を含有する請求項7記載の薬剤。
  9. 2.5〜8.5のpHを有する請求項7または8記載の薬剤。
  10. 2.5〜4.5のpHを有する請求項7〜9の何れかの項記載の薬剤。
  11. 追加的にGly(A21)−Arg(B31)−Arg(B32)−ヒトインシュリンを含有する請求項7〜10の何れかの項記載の薬剤。
  12. 式II
    2−R1−B2−B29−Y−Z1−Gly−A2−A20−R3 (II)
    〔式中、R3およびYは請求項1〜5の何れかの項記載の式Iで定義された通りであり、
    1はフェニルアラニン残基または共有結合であり、
    2は11個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、そこでArgであるアミノ酸残基はカルボキシル末端にあり、そして
    残基A2〜A20およびB2〜B29はヒトインシュリンまたは動物インシュリンのAおよびB鎖のアミノ酸配列に相当し、そして
    1は His His Arg, Ala His His ArgまたはAla Ala His His Arg配列を有するペプチドである〕のプロインシュリン。
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