JPH10502379A - 殺菌剤組成物及び菌の侵入の抑制方法 - Google Patents

殺菌剤組成物及び菌の侵入の抑制方法

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JPH10502379A JP8504087A JP50408796A JPH10502379A JP H10502379 A JPH10502379 A JP H10502379A JP 8504087 A JP8504087 A JP 8504087A JP 50408796 A JP50408796 A JP 50408796A JP H10502379 A JPH10502379 A JP H10502379A
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Abstract

(57)【要約】 メタラキシル,フララキシル又はベナラキシルのR−エナンチオマーが使用される場合、この事は、ラセミ体の有効成分のデータに比べて、土壌中の植物殺菌剤の著しく増大した生物分解性及び植物に対する一層高い活性を生じさせる。前記の改良された性質を示す殺菌剤組成物は、有効成分の総量に対して70重量%を越えるR−エナンチオマー含有率を有する前記殺菌剤の何れかからなる。

Description

【発明の詳細な説明】 殺菌剤組成物及び菌の侵入の抑制方法 技術分野 本発明は、以下の本文中で有効成分Iと称する、各場合において70重量%を 越えるR−エナンチオマー含有率を有するメタラキシル(metalaxyl),フララキ シル(furalaxyl)又はベナラキシル(benalaxyl)を使用することにより、植物の 鞭毛菌亜門卵菌綱(Oomycetes)感染を抑制及び防止する新規方法、並びに前記目 的のために適する殺菌剤組成物に関するものである。 背景技術 メタラキシルは、元はアシルアラニンと称され、後にフェニルアミドと称され た一連の種類の有効成分(これらは、鞭毛菌亜門卵菌綱に対して著しく有効であ る)における最初の市販製剤であった。鞭毛菌亜門卵菌綱は、主にジャガイモ, トマト,ブドウ,ホップ,トウモロコシ,甜菜,タバコ,野菜,レタス、しかし 更にバナナ,ゴムの木、並びに芝生及び観賞植物を攻撃する全てのベト病菌を包 含する。 アシルアラニン殺菌剤の好ましい用途は葉使用であり、葉及び生長している植 物が有効成分で処理される。幾つかの有効成分は植物により吸収されるが、しか し、幾つかは植物上に残り次いで雨により洗い流されるか、又は、他のものは葉 からの滴下又は時間の経過に応じて土壌に より吸収される。土壌使用の場合には、有効成分は、それを液体形態で用いるこ とにより、又は例えば、粒子として用いることにより、土壌に直接配合される。 前記場合の不具合は、土壌中の前記物質種の代表的なものの遅い分解速度であ り、これは、土壌が腐植質土壌,混合された砂/ローム質土壌又は強い吸着性土 壌(ローム/粘土)の何であるかに大きく依存する。延長された処理時間の場合 には、一方ではブドウのような多年生作物、他方ではジャガイモ,甜菜又は芝生 のような代表的な土壌作物に関して、土壌はアシルアラニン殺菌剤の累積的負荷 を受ける可能性があり、この事は、それ故、環境的に有害であり、特に、地下水 に対して有害である。 メタラキシルは、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(メトキシアセチ ル)−DL−アラニンメチルエステルである。 ベナラキシルは、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(フェニルアセチ ル)−DL−アラニンメチルエステルである。 フララキシルは、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2−フラニルカ ルボニル)−DL−アラニンメチルエステルである。 前記化合物は文献に記載されている。分解データは変化に富んでいる。ザ ブ リティッシュ クロップ プロテクション カウンシル(the British Crop Prot ection Council)により出版された参考文献“ザ ペスチサイ ド マニュアル(The Pesticide Mannual)”第10版,1994年には、前記生 成物の加水分解の半減期に関する下記の情報が記載されている。(DT=消失時 間) メタラキシル:DT−50(20℃) pH1:>200日 pH9:115日 ベナラキシル:DT−50 pH9.25:86日 フララキシル:DT−50(20℃) pH1:>200日 pH9:>200日 前記データは、水性媒体中での望ましくない高い安定性を示している。 適する製剤の手段、例えば、土壌中への有効成分の一層深い浸透を妨げ且つ有 効成分を日が当たり且つ高められた温度の表面に暴露する疎水性添加剤の手段に より、分解挙動を促進するための試みが行われた。アシルアラニン殺菌剤の別の 不都合な性質、すなわち、それらの高い揮発性(これは、太陽及び高温の影響下 で困ることである)を除くことが試みられた。土壌表面での有効成分の揮発性は 同様に高いであろうということが予想されたであろうが、この事実は実際には観 察されなかった。 全ての前記の試みは、確実な回答を与えなかった。一旦、有効成分が土壌に吸 着されると、僅か2cm以内においてさえも、分解は劇的に減少し、この事は、 僅かに分解性の有効成分の全ての不利な結果を伴う(この事を、専門家は熟知し ている)。 全体として驚くべきことに、前記問題の解はアシルア ラニン有効成分自身に見出され、この場合、R−エナンチオマーは、予期し得な いことに、S−エナンチオマーよりも又は市販の有効成分(これは、問題のラセ ミ体をベースとしている)よりも一層急速に分解されることが今や判った。19 75年(この年は、前記物質種が知られた年である)以降、一層殺菌剤的に有効 な成分はやはりR−エナンチオマーであるという事実が公知であった(例えば、 GB−1500581参照)。 実際の使用のための解として、19年間、文献には、当初から、アシルアラニ ン殺菌剤の各々のR−エナンチオマーを使用することに関する伝承された近似解 は決して厳密に記載されていなかった。一方では、純粋な形態のR−エナンチオ マー又はR−エナンチオマーを富化した活性物質を製造することの技術的困難性 (例えば、ラセミ体の分別結晶又は立体特異的合成)を過小評価してはならず、 他方では、このような活動の従業者には刺激的且つ技術的な必要性は全く存在し なかった。しかしながら、決定的な因子はこの事である。ラセミ体中のS−エナ ンチオマーの比率の減少又は完全な削除は、土壌中の有効成分の緩慢な長い滞留 時間の問題を解決するであろうと予想することはできないであろう。更に又、ア シルアラニン殺菌剤のR−エナンチオマー又はR−エナンチオマー富化ラセミ体 は、市場には全く提供されていなかった。アシルアラニン殺菌剤、特にメタラキ シルを用いるベト病菌(鞭毛菌亜門卵菌綱)の他の有効な抑制の 生態学的な状況の全体に関して、本文中に提供される分解問題の解は、世界的な 農業実務において決定的に技術的に重要である。必要とされる最低投与濃度で、 そして同時に可能な限り低い環境汚染を保持して、有効成分を用いて最適な効果 を得ることは、作物保護における標準的な要求である。 アシルアラニン殺菌剤の分野において、特にアシルアラニン殺菌剤の主に代表 的なもの、メタラキシル、において、前記問題は解決すべきであると思われる。 土壌中の明らかに良好な生物分解性は、有効成分中のR−エナンチオマー含有率 が70重量%を越える場合に達成される。 発明の開示 本発明は、各々の場合において、全有効成分の少なくとも70重量%の、次式 : R=OCH3(R−メタラキシル) R=C65(R−ベナラキシル) で表わされるメタラキシル又はベナラキシルのR−エナ ンチオマーを使用することにより、又は次式: で表わされるフララキシルのR−エナンチオマーを使用することにより、植物へ の鞭毛菌亜門卵菌綱の侵入を抑制及び防止する生態学的に望ましい方法を提供す る。 以下の本文中で、3種の有効成分:メタラキシル,ベナラキシル及びフララキ シルは有効成分Iと称される。有効成分中のR−エナンチオマー含有率が増大す るに伴って、土壌の分解性は改良される。 本発明は好ましくは、用いられる有効成分が、有効成分の総量に対して、85 重量%を越える、特に92重量%を越える、そして好ましくは97重量%を越え るR−エナンチオマー含有率を有する、鞭毛菌亜門卵菌綱の抑制方法に関するも のである。特に好ましい方法は、有効成分Iが本質的にR−エナンチオマーを含 み、且つ本質的にS−エナンチオマーを含まない(<1%)方法である。 本発明は更に、有効成分I中のR−エナンチオマー含有率が、有効成分の総量 に対して、70重量%を越える、好ましくは85重量%を越える、そして特に好 ましくは 92重量%を越える含有率である鞭毛菌亜門卵菌綱を抑制するための組成物に関 するものである。特に、本発明は、有効成分中のR−エナンチオマー含有率が9 7重量%を越え、且つ特に、有効成分が本質的にS−エナンチオマーを含まない (<1重量%)組成物に関するものである。記載された%値は、工業的に生産さ れた有効成分は付加的に微量の副生成物及び中間体(約3〜5重量%)を含むこ とを計算に入れていない。 本発明の組成物及び方法は、鞭毛菌亜門卵菌綱、特にツユカビ目(Peronospora les)、特にプラスモパラ ヴィチコラ(Plasmopara viticola)、更にフィトフト ラ属(Phytophthora spp.)、例えばフィトフトラ インフェスタンス(Phytophtho ra infestans)、フィチウム パソジェンズ(Pythium pathogens)、ブレミア(Bre mia)、プソイドペロノスポラ(Pseudoperonospora)及び他のものからなる群に属 する有害菌類を抑制する。 施用(土壌又は同種のものへの噴霧,ダスチング,配合)当りの濃度は、純粋 なR−エナンチオマーの60g有効成分/haないし300g有効成分/haで ある。 用いられる有効成分はフララキシル,ベナラキシルであってよいが、しかし好 ましくはメタラキシルである。R−メタラキシルからなる製剤は、高濃縮(30 重量%を越える有効成分)されていることが好ましい。この事は、輸送及び貯蔵 容量を節約する。 更に、生存植物に関して、病原体は、有効成分IのR −エナンチオマーにより示される活性は前記ラセミ体を用いる場合と比較して複 数倍高く、且つ予想される如く正に2倍高いというわけではないことを示した。 前記活性は、前記ラセミ体の場合よりも、20倍ないし30倍、特定条件下では 100倍まで、高くなり得る。 配置に関する研究により、上記式のアシルアラニンの問題における有効成分の タイプにおいて、フェニル−N−軸回りの回転障害が、置換基Rが結合したメチ レン基が前記フェニル基に対して角度を形成するエネルギーに打ち勝ち得る場合 には、結晶状態にある時及び溶液状態にある時、分子の右手側半分(上記参照) は、上記式に示される如く〔アール.ニフェラー(R.Nyfeler),ピー.ファクス レイ(P.Huxley),モノグラフ(Monograph)No.31,ブリティッシュ クロッ プ プロテクション コンフェランス パブリケーション(British Crop Prote ction Conference Publication),クロイドン(Croydon),1985年,第45頁 以降〕、2,6−ジメチルフェニル平面に関して実質的に垂直な位置に固定され るということが判った。この事は、分子中の残りの置換基が、前記アラニンメチ ルエステルの炭素原子に対してそれらの位置を変え得ることを意味し、これは絶 対配置に対応する。この事は、上記に示される置換基CH2−Rの代わりに2− フラニル基が結合した化合物フララキシルにも同様に適用される。 近年、多数の生物学的研究が行われ、原則的に、R− エナンチオマーはS−エナンチオマーよりも良好な殺菌剤活性を有するというこ とが見出された。フィトフトラ パルミボラ(phytophthora palmivora)において 、ディー.ジェイ.フィッシャー(D.J.Fisher)及びエイ.エル.ヘイズ(A.L.Hay es)〔クロップ プロテクション(Crop Protection)[1985](4)第5 01〜510頁〕は、核酸合成の際のED50抑制値は、メタラキシルのR−エナ ンチオマーの場合よりもメタラキシルのS−エナンチオマーの場合の方が約50 倍も好ましくなく、そして、R−エナンチオマーとラセミ体との相当するED50 値は約3.1:5.6の比率であることを見出した。当業者はそれ故、R−エナ ンチオマーの所定量の活性はラセミ体の2倍量の活性に等しいことを予想するで あろうし、そして、ラセミ体中のS−エナンチオマーの非常に低い活性は、この S−エナンチオマーが、本質的に不活性物質の原因である(その存在はどうでも よい)と容易に結論付けるであろう。 それ故、ラセミ体の高い活性のためのみの場合でさえも、有効成分Iのラセミ 体の分離及びR−エナンチオマーの使用のみが、従業者の選択ではなく、従って 、実務使用に対する解として、ここ19年間の文献には、有効成分Iのラセミ体 の分離及びR−エナンチオマーの使用は提案されなかった。 ここで、容易に使用することができる状態のラセミ体有効成分Iにおいて、活 性に対するR−エナンチオマー の寄与は、S−エナンチオマーにより及び分子の他の配置により、拮抗的に減少 されるということが予想された。例えば、非常に多数の生化学的レセプターはラ セミ体Iの無効成分により鋳型的に占有されるが、しかし、恒久的には阻止され ないということが考えられる。更に、有効成分I(特に、メタラキシル及びフラ ラキシル)はシステム(systemic)及び浸透作用を有することが知られることとな ったので、前記異性体の別の負の効果(これらは、植物の細胞組織内へのR−エ ナンチオマーの急速な浸透能を先に妨げる)も原因をなすであろう。 式Iで表わされるR−エナンチオマーは、例えば、N−(2,6−ジメチルフ ェニル)−α−アミノプロピオン酸とN−含有の所望の活性塩基とから調製され た塩を分別結晶し、次いで所望の活性対掌体を遊離し、次いでメタノールでエス テル化することにより得ることができる。所望の活性塩基の例はα−フェニルエ チルアミンである(GB P.1448810)。 更に、有効成分のR−エナンチオマーは、天然産のL(+)乳酸,エステル又 は塩、及びその置換体内の脱離基としてのヒドロキシル基を、2,6−ジメチル アニリンにより反転配置に活性化することにより得ることもできる。前記酸又は その塩を使用すると、次いでメタノールを用いるエステル化が必要となる。純粋 なR−メタラキシルの沸点は143〜145℃/0.03mbarである。 問題の有効成分は、例えば、GB P.150058 1に記載されている如く、公知方法で製剤化されて殺有害生物剤を与える。 前記製剤は、例えば、有効成分を、例えば溶媒,固体担体、そして所望により 表面活性化合物(界面活性剤)のような増量剤と混合及び/又は粉砕することに より、公知方法で調製される。 適する担体及び添加剤は固体又は液体であってよく、そして、例えば、天然又 は再生鉱物物質,溶媒,分散剤,湿潤剤,粘着付与剤,増粘剤,結合剤又は肥料 のような製剤技術において慣用の物質に相当する。 R−エナンチオマーを施用する好ましい方法は、植物の空気中の部分、とりわ け葉に施用する方法である(葉施用)。施用の数及び濃度は、病原体に関する生 物学的及び気候的環境条件に依存する。或いは又、R−エナンチオマーは、液体 組成物で植物部位を浸すことにより、又は前記物質を固体形態で、例えば粒子の 形態で、土壌中に混入することにより(土壌施用)、根システムを通って土壌を 介して植物に到達し得る(システム作用)。 前記化合物は、純粋な有効成分として、又は好ましくは、製剤技術において慣 用の助剤と一緒に用いられ、それ故、公知方法で加工されて、例えば、乳剤原液 ,分散性ペースト,直接噴霧可能な又は希釈可能な溶液,希釈乳剤,水和剤,可 溶性粉末,ダスト,粒剤を与えるか、或いは、例えば、ポリマー状物質中にカプ セル化することにより加工される。噴霧,アトマイジング,ダスチン グ,散布,ブラッシング又は注入、並びに配合物のタイプのような施用方法は、 意図する目的及び環境に拡散するために適するように選択する。 通常、農薬組成物は、有効成分I0.1ないし99%、特に0.1ないし95 %、固体又は液体添加剤99.9ないし1%、特に99.9ないし5%、及び界 面活性剤0ないし25%、特に0.1ないし25%からなる。 市販品としては濃縮された組成物が一層好ましいけれども、末端消費者は、通 常、希釈配合物を使用する。このような化学配合物(農薬)は本発明の一部であ る。 発明を実施するための最良の形態 下記の実施例は本発明を説明するためのものであるが、“有効成分I”は、好 ましくは高いR−エナンチオマー含有率(70〜100重量%)を有する、好ま しくはメタラキシル、しかし更にフララキシル又はベナラキシルである。水和剤 有効成分を添加剤と充分に混合し、次いでこの混合物を適するミルで充分に粉 砕する。これにより、水で希釈すると何れかの所望濃度の懸濁液を得ることがで きる水和剤が得られる。乳剤原液 有効成分メタラキシル 10% (96%R−エナンチオマー) オクチルフェノールポリエチレングリコール エーテル(エチレンオキシド4〜5モル) 3% ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3% ヒマシ油ポリグリコールエーテル (エチレンオキシド35モル) 4% シクロヘキサノン 30% キシレン混合物 50% 作物保護において用いることができる何れかの所望希釈度の乳剤を、水で希釈 することにより、この原液から 調製することができる。粉剤 そのまま使用できる粉剤は、有効成分を担体と混合し、次いで適するミルでこ の混合物を粉砕することにより得られる。押出粒剤 有効成分I(>92% 15% R−エナンチオマー) リグノスルホン酸ナトリウム 2% カルボキシメチルセルロース 1% カオリン 82% 有効成分を助剤と混合し、次いでこの混合物を粉砕し、次いで水で湿らせる。 この混合物を押出し、次いで空気流中で乾燥する。被覆粒剤 有効成分I(>70% 8% R−エナンチオマー) ポリエチレングリコール(分子量200) 3% カオリン 89% ミキサー中で、細かく粉砕した有効成分を、ポリエチレングリコールで湿らせ たカオリンに均一に塗布する。この方法により、非粉塵性の被覆粒剤が得られる 。懸濁原液 有効成分I(>92% 40% R−エナンチオマー) プロピレングルコール 10% ノニルフェノールポリエチレング リコールエーテル(エチレンオキ シド15モル) 6% リグノスルホン酸ナトリウム 10% カルボキシメチルセルロース 1% シリコーンオイル 1% (75%水性乳剤の形態) 水 32% 細かく粉砕された有効成分を添加剤と均一に混合する。これにより、水で希釈 すると何れかの所望濃度の懸濁液を調製することができる懸濁原液が得られる。 このような希釈は、噴霧,散水又は浸漬により生存植物及び植物増殖体を処理す るために、並びに微生物の攻撃から生存植物及び植物増殖体を保護するために使 用することができる。 I)生物学的実施例 試験方法 ブドウ植物、すなわち“ガテデル(Gutedel)”を、ポ ット(φ=6cm)当り1つの植物を使用して温室条件下で栽培し、次いで、二 葉期又は三葉期の何れかに、乳化濃厚液から調製された噴霧ブイヨン(spray bro th)を用いて噴霧する。四つの植物からなるバッチ当り、下記の有効成分濃厚液 を使用する:200;60;20;6;2;0.6;0.2;0.06mg有効 成分/l。この希釈系は、葉噴霧の際に、施用前に、脱イオン水中で即座に調製 される。近傍における有効成分の気相効果を除去するために、半透明なプラスチ ック箔を使用して、全ての植物を側方に互いに分離し、次いで20〜22℃及び 約100%の相対湿度で一日暗所に保持する。 次いで、前記植物の葉の表面全体に、プラスモパラヴィチコラのメタラキシル 感受性株の新たに調製した胞子嚢懸濁液(120000/ml)を、滴下点まで 均一に噴霧する。この植物を次いで、20〜22℃で人工日光を用いる16時間 の日照期間及び約100%の相対湿度の下で7日間保持する。これに関して、次 いで、二葉期噴霧と三葉期噴霧とを別にして、侵入の評価を行う。下記の表は、 四つの平行して行った噴霧の各々の場合を示す。 A)二葉期における噴霧(ブドウに対するプラスモパラヴィチコラ) 慣用のラセミ体メタラキシルは、60mg有効成分/l以下の濃度範囲で葉侵 入に対して明確な活性を示さず、且つ20mg有効成分/l以下の濃度で実用目 的のための効果が無いけれども、エナンチオマーのR−メタラキシルは、2mg 有効成分/lの希釈まで30倍良好である。 三葉期における噴霧の場合には、下記表B)に示される如く、活性の相違は更 に明らかである。 B)三葉期における噴霧(ブドウに対するプラスモパラヴィチコラ) 慣用のラセミ体メタラキシルは、6mg有効成分/lの(又はそれより低い) 濃度範囲で実質的に全く活性を示さず、且つ一層明確な活性は20mg有効成分 /lで 認められるのみであるけれども、エナンチオマーのR−メタラキシルの活性は、 0.6mg有効成分/Eの濃度範囲まで、約100倍良好である。 II)土壌中の有効成分の分解 実施例1 中程度に重い土壌中のラセミ体メタラキシル及びR−メタラキシルの分解挙動 各々、生物学的に活性な土壌〔シルト/ローム;ローム:13.9%;シルト :54.3%;砂:31.8%;有機炭素:2.1%;pH7.3;バイオマス :65.1mg微生物炭素/100g土壌;起源:スイス国,ヴァライス(Valai s),レ エボート(Les Evouettes)〕8個の試料からなる二つの群を、平行して 、各々、ラセミ体メタラキシル又はR−メタラキシルで、各々の場合においてア セトン中で、処理する。施用濃度は0.5mg/土壌試料kgであり、これは0 .5kg/haの施用濃度に相当する。結果は0,7,14及び21日後に対と して評価する。 結果: 分解方程式は以下の如くである。 ラセミ体メタラキシル:Ct=86.66*e(-0.0644*t) DT−50=ln2/0.0644; DT−90=ln10/0.0644 R−メタラキシル:Ct=95.9*e(-0.1776*t) DT−50=ln2/0.01776;DT−90=ln10/0.1776 分解曲線を図1に示す(添付図)。 これらから、下記の分解時間を計算することができる。 実施例2 砂土壌中のラセミ体メタラキシル及びR−メタラキシルの分解挙動 各々、生物学的に活性な土壌〔砂土壌;ローム:5.1%;シルト:11.4 %;砂:83.5%;有機炭素:1.6%;pH4;バイオマス:51mg微生 物炭素/100g土壌;起源:スイス国,ヴァライス(Valais),コロムベイ(Col lombey)〕16個の試料からなる二つの群を、平行して、各々、ラセミ体メタラ キシル又はR−メタラキシルで、各々の場合においてアセトン中で、処理する。 施用濃度は0.5mg/土壌試料kgであり、これは0.5kg/haの施用濃 度に相当する。結果は0,1,3,7,9,15,21及び29日後に対として 評価する。 結果: 分解方程式 ラセミ体メタラキシル:Ct=93.67*e(-0.05006*t) DT−50=ln2/0.05006;DT−90=ln10/0.5006 R−メタラキシル:Ct=98.53*e(-0.08548*t) DT−50=ln2/0.08548;DT−90=ln10/0.08548 分解曲線を図2に示す(添付図)。 これらから、下記の分解時間を計算することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG, MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S I,SK,TJ,TM,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ソッツィ,ディーノ スイス国,ツェーハー−4450 ジザッハ, タイヒヴェーク 19 (72)発明者 エルゲ−ハウゼン,ホルム スイス国,ツェーハー−4312 マグデン, ビュルゲンシュタール 5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.適する担体物質と一緒になった、有効成分中のR−エナンチオマー含有率が 70重量%を越える、メタラキシル(metalaxyl),フララキシル(furalaxyl)及び ベナラキシル(benalaxyl)から選択された鞭毛菌亜門卵菌綱(Oomycetes)抑制殺菌 剤を基剤とする、土壌中で改良された分解性を有する殺菌剤組成物。 2.有効成分中のR−エナンチオマー含有率が85重量%を越える請求項1記載 の組成物。 3.有効成分中のR−エナンチオマー含有率が92重量%を越える請求項2記載 の組成物。 4.有効成分中のR−エナンチオマー含有率が97重量%を越える請求項3記載 の組成物。 5.有効成分が本質的にS−エナンチオマーを含まない請求項4記載の組成物。 6.R−エナンチオマーが富化された有効成分がメタラキシルである請求項1記 載の組成物。 7.R−エナンチオマーが富化された有効成分がフララキシルである請求項1記 載の組成物。 8.R−エナンチオマーが富化された有効成分がベナラキシルである請求項1記 載の組成物。 9.担体物質に加えて、30重量%を越える有効成分の高濃縮製剤としてメタラ キシルを含む請求項6記載の組成物。 10.鞭毛菌亜門卵菌綱(Oomycetes)に感染され易い植物,植物の部分又は栽培 地に、メタラキシル,フララキシル及びベナラキシルから選択された殺菌剤を施 用することにより、鞭毛菌亜門卵菌綱の攻撃を抑制又は防止する方法において、 土壌中の良好な生物分解性のために、前記殺菌剤が70重量%を越えるR−エナ ンチオマーを含む改良方法。 11.請求項10記載の方法において、殺菌剤が85重量%を越えるR−エナン チオマーを含む方法。 12.請求項11記載の方法において、使用される殺菌剤が92重量%を越える R−エナンチオマーを含むメタラキシルである方法。 13.請求項12記載の方法において、使用されるメタラキシルが97重量%を 越えるR−エナンチオマーを含む方法。 14.請求項11記載の方法において、使用される殺菌剤が92重量%を越える R−エナンチオマーを含むベナラキシルである方法。 15.請求項11記載の方法において、使用される殺菌剤が92重量%を越える R−エナンチオマーを含むフララキシルである方法。 16.請求項10記載の方法において、施用濃度が、本質的に純粋なR−エナン チオマーの60g有効成分/haないし300g有効成分/haに相当する方法 。
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