JPH1040807A - 電子放出素子と電子源及びそれを用いた画像形成装置及びそれらの製造方法 - Google Patents

電子放出素子と電子源及びそれを用いた画像形成装置及びそれらの製造方法

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JPH1040807A
JPH1040807A JP10873997A JP10873997A JPH1040807A JP H1040807 A JPH1040807 A JP H1040807A JP 10873997 A JP10873997 A JP 10873997A JP 10873997 A JP10873997 A JP 10873997A JP H1040807 A JPH1040807 A JP H1040807A
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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な電子放出特性と長寿命化を同時に実現
する表面伝導型を例示として電子放出素子の製造方法と
それを用いた電子源及び画像形成装置の製造方法を提供
する。 【解決手段】 電子放出部を有する導電性膜と、この導
電性膜と電気的に接続された対向する一対の素子電極と
を有する電子放出素子の製造方法において、(a)上記
導電性膜を構成する物質の前駆体である有機金属化合物
あるいは錯体よりなる膜を上記素子電極に接続して設け
る工程と、(b)上記有機金属化合物あるいは錯体より
なる膜に上記素子電極を介して電圧を印加しながら、該
有機化合物あるいは錯体の分解温度以上に保持し、該有
機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を前記電子放出部
を有する導電性膜とする工程と、を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子の製
造方法、電子源の製造方法、該電子源を用いた画像形成
装置の製造方法及び電子放出素子、電子源、及び画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては大別し
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放
出型(以下、「FE型」という)、金属/絶縁層/金属
型(以下、「MIM型」という)や表面伝導型電子放出
素子等がある。
【0003】FE型の例としては W.P.Dyke & W.W.Dola
n、“Field emission”、Advance in Electron Physics
、8、89(1956)あるいは C.A. Spindt 、“PHYSICAL
Properties of thin-film field emission cathodes wi
th molybdenium cones”、J.Appl. Phys.、47、5248(19
76)等に開示されたものが知られている。
【0004】MIM型の例としては C.A.Mead 、“Oper
ation of Tunnel-Emission Devices”、J. Appl. Phy
s.、32、646(1961)等に開示されたものが知られてい
る。
【0005】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson 、Radio Eng. Electron Phys. 、10、1290
(1965)等に開示されたものがある。
【0006】さらに、これら冷陰極電子放出素子を利用
した画像形成装置として、電子放出素子を多数形成した
電子源基板と、透明電極および蛍光体を具備した陽極基
板とを平行に対向させ、真空に排気した平面型の電子線
表示パネルが知られている。
【0007】このような画像形成装置において、電界放
出型電子放出素子を用いたものは、例えば、I.Brodie,
“Advanced technology: flat cold-cathode CRTs”,
Information Display, 1/89, 17(1989) に開示されたも
のがある。
【0008】また、表面伝導型電子放出素子を用いたも
のは、例えば、特開平7−235255等に開示されて
いる。
【0009】平面型の電子線表示パネルは、現在広く用
いられている陰極線管(cathode ray tube:CRT)表
示装置に比べ、軽量化、大画面化を図ることができ、ま
た、液晶を利用した平面型表示パネルやプラズマ・ディ
スプレイ、エレクトロルミネッセント・ディスプレイ等
の他の平面型表示パネルに比べて、より高輝度、高品質
な画像を提供することができる。
【0010】表面伝導型電子放出素子の構成ならびに製
造方法、および、表面伝導型電子放出素子を利用した表
示パネルの構成ならびに製造方法を、特開平7−235
255に開示されている例を用いて簡単に説明する。
【0011】図19は、表面伝導型電子放出素子の構造
を示した一例である。図中、1は基板、2と3は素子電
極、4は導電性薄膜で、有機パラジウム化合物膜を焼成
することにより形成されたパラジウム薄膜等からなり、
後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により電子
放出部5が形成される。
【0012】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理によって、電子放出部
5を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミ
ングとは前記導電性薄膜4の両端に直流電圧あるいは非
常にゆっくりとした昇電圧例えば1V/分程度を印加通
電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せ
しめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成
することである。尚、電子放出部5は導電性薄膜4の一
部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が行われ
る。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子放
出素子は、上述導電性薄膜4に電圧を印加し、素子に電
流を流すことにより、上述電子放出部5より電子を放出
せしめるものである。
【0013】また、好ましくはフォーミングを終えた素
子に対して活性化工程と呼ばれる処理を施す。活性化工
程とは、この工程により、素子電流If、放出電流Ie
が、著しく変化する工程である。
【0014】活性化工程は、例えば、有機物質のガスを
含有する雰囲気下で、素子電極2,3間にパルス電圧の
印加を繰り返すことで行うことができる。この処理によ
り、雰囲気中に存在する有機物質から、炭素あるいは炭
素化合物が素子上に堆積し、素子電流If、放出電流I
eが、著しく変化するようになる。
【0015】一方、真空容器内に、これらの表面伝導型
電子放出素子をはしご状あるいはマトリックス状に配置
した電子源基板と、その電子源基板から放出される電子
の照射により発光する蛍光体、更に必要に応じて制御電
極等を具備したフェースプレートを対向して配置するこ
とで、画像形成装置に用いられる表示パネルを構成する
ことができる。
【0016】図20は表面伝導型電子放出素子をマトリ
クス状に配置した電子源を用いた表示パネルの概略構成
を示したものである。図中、201は電子放出素子を複
数配した電子源基板、202は電子源基板201を固定
したリアプレート、203はガラス基板内面に蛍光膜2
04とメタルバック205等が形成されたフェースプレ
ートである。また、206は支持枠であり、リアプレー
ト202、フェースプレート203と支持枠206がフ
リットガラス等を用いて固着されている。207は外囲
器であり、その内部は真空に排気されており、マトリッ
クス配線に対応した端子、Dox1〜Doxm、Doy
1〜Doym、および、高圧端子208が設けられてい
る。
【0017】この端子Dox1〜DoxmおよびDoy
1〜Doynに対して、単純マトリックス駆動の電圧パ
ルスを印加することで、電子源基板の所望の位置の素子
から電子を放出させることができる。高圧端子208に
は、例えば1〜10kVの直流電圧が供給されるが、こ
れは素子から放出される電子ビームに対して、蛍光体を
励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧
である。
【0018】以上のように、表面伝導型電子放出素子を
用いた表示パネルを構成し、適当な駆動回路と組み合わ
せることで、高輝度、高品質な画像形成装置を実現でき
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、表面
伝導型電子放出素子の製造工程では、導電性薄膜4に通
電フォーミング処理を施して電子放出部5を形成するの
が一般的であった。この工程では、導電性の薄膜に通電
するので比較的大きい電力を必要とする。特に、表示パ
ネルに用いる電子源基板のように、同一基板上に多数の
表面伝導型電子放出素子を作製する場合、複数の表面伝
導型電子放出素子(例えば1ライン)を同時にフォーミ
ングできることが望ましいが、素子一個当たりのフォー
ミング電力が大きいと同時にフォーミングできる素子数
が制限されてしまう。このため、導電性薄膜4の膜厚を
より薄くしたり、微粒子状の膜をもちいることで、より
小さな電力でフォーミングできるように工夫されてい
る。
【0020】すなわち、このような電子放出部の超薄膜
や微粒子膜は、使用する導電性材料のバルクの融点に比
べ、より低温で、融解、凝集を起こすため、通電フォー
ミングに必要な電力が小さくて済むという利点があっ
た。
【0021】一方、このような表面伝導型電子放出素子
を利用した表示パネルの製造工程では、導電性薄膜形成
後に、以下のような加熱工程を必要とする。
【0022】まず、表示パネル外囲器207は真空容器
であるので、リアプレート202、フェースプレート2
03、支持枠206によって密閉容器にしなければなら
ない。このため、これらの部材をフリットガラス等を用
いて封着するが、この工程では、例えば大気中あるいは
窒素中で、400〜500℃の温度範囲で10分以上焼
成する必要がある。
【0023】また、前述したように、電子源基板201
とフェースプレート203上の蛍光膜204の間には高
電圧が印加されるが、通常、電子源基板201と蛍光膜
204との間隔は電子ビームの拡がり等を考慮して1m
m〜10mm程度とする。従って、蛍光膜に10kVの
電圧を印加する場合、電子源基板201と蛍光膜204
との間の電界は106 〜107 V/mに及ぶ。
【0024】このような強電界下で、表面伝導型電子放
出素子を動作させる場合、外囲器207中の圧力が十分
低くないと、残留分子のイオン化により、異常な帯電現
象や放電等の影響が生じ、電子放出特性を著しく悪化さ
せたり、時には素子が破壊されることも起こりうる。
【0025】特に、前述の活性化工程を行なう場合、外
囲器207内に有機物質のガスを導入するため、外囲器
207内は一時的に汚染されることになる。
【0026】このため、外囲器207は、封止する前に
十分なベークアウト工程を行なうのが好ましく、300
℃〜400℃程度で10時間以上の真空中ベーキングを
行なうのが好ましい。
【0027】従って、表面伝導型電子放出素子の構成部
材は、400〜500℃での長時間の加熱工程におい
て、十分な耐熱性を有するのが望ましい。しかし、この
要求と前述のフォーミング処理に必要な電力を小さくす
るという要求を十分に両立するのはむずかしい。
【0028】以上のことから、加熱工程での耐熱性の高
い導電性薄膜4に対し、フォーミング工程において、低
電力で電子放出部5を形成する表面伝導型電子放出素子
の製造方法が望まれている。
【0029】本発明は、上記問題を鑑み、良好な電子放
出特性と長寿命化を同時に実現する表面伝導型を例示と
して電子放出素子の製造方法とそれを用いた電子源及び
画像形成装置の製造方法を提供し、更にこれらの製造方
法により作成される電子放出素子、電子源及び画像形成
装置を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために鋭意検討を行って成されたものであ
り、後述する方法によって達成されるものである。
【0031】即ち、本発明の電子放出素子の製造方法
は、電子放出部を有する導電性膜と、この導電性膜と電
気的に接続された対向する一対の素子電極とを有する電
子放出素子の製造方法において、(a)上記導電性膜を
構成する物質の前駆体である有機金属化合物あるいは錯
体よりなる膜を上記素子電極に接続して設ける工程と、
(b)上記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜に上
記素子電極を介して電圧を印加しながら、該有機化合物
あるいは錯体の分解温度以上に保持し、該有機金属化合
物あるいは錯体よりなる膜を電子放出部を有する導電性
膜とする工程を有することを特徴とする。
【0032】また、上記対向する素子電極間に、第一の
導電性膜を形成する工程と、該第一の導電性膜の一部に
亀裂を形成する工程とを行なった後、該第一の導電性膜
に重ねて上記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を
形成する工程と、素子電極間に電圧を印加しながら、該
有機化合物あるいは錯体の分解温度以上に保持し、該有
機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を電子放出部を有
する第二の導電性膜とする工程を有してもよく、上記第
一の導電性膜に亀裂を形成する工程としては、上記素子
電極間にパルス電圧を印加して行なうことができる。
【0033】また、本発明の電子放出素子の製造方法
は、少なくとも、一対の素子電極を形成する工程と、有
機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を形成する工程
と、該有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜に通電す
るとともに加熱焼成を施す工程と、活性化工程と、を備
えてなるものである。上記有機金属化合物あるいは錯体
よりなる膜に通電するとともに加熱焼成を施す工程は酸
化性雰囲気中で行なわれ、その後、上記活性化工程は有
機物質を含む雰囲気中で行なわれてもよく、あるいは、
上記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜に通電する
とともに加熱焼成を施す工程を不活性ガス雰囲気中ない
し真空中で行ない、該工程が活性化工程を兼ねることも
できる。さらに、上記有機金属化合物あるいは錯体より
なる膜に通電するとともに加熱焼成を施す工程を有機物
質を含む雰囲気中で行ない、該工程が活性化工程を兼ね
てもよい。
【0034】更に本発明は、電子源の製造方法及び画像
形成装置の製造方法を包含する。
【0035】本発明の電子源の製造方法は、電子放出部
を有する導電性膜と、これに電気的に接続された対向す
る一対の素子電極を有する電子放出素子を複数基体上に
配置して成る、電子源の製造方法であって、上記のいず
れかに記載の電子放出素子の製造方法により上記電子放
出素子を作成することを特徴とする。
【0036】本発明の画像成形装置の製造方法は、上記
の電子源と、該電子源より放出される電子ビームの照射
により発光して画像を形成する画像形成部材を真空容器
に内包してなる画像形成装置の製造方法であって、上記
の方法により該電子源を作成することを特徴とする。
【0037】更に本発明は、上記の電子放出素子の製造
方法で製造された電子放出素子を包含する。
【0038】本発明の電子放出素子は、電子放出部を有
する導電性膜と、この導電性膜と電気的に接続された対
向する一対の素子電極とを有し、さらに少なくとも該電
子放出部に炭素を主成分とする被膜を有してなる電子放
出素子であって、該導電性膜の電気抵抗が室温から摂氏
500度までの温度上昇に対して非可逆な増加を起こさ
ないことを特徴とする。好ましくは、上記導電性膜の熱
凝集温度が摂氏500度以上である。
【0039】また、電子放出部を有する導電性膜と、こ
の導電性膜と電気的に接続された対向する一対の素子電
極とを有し、さらに少なくとも該電子放出部に炭素を主
成分とする被膜を有してなる電子放出素子であって、該
積層構造の膜の電気抵抗が室温から摂氏500度までの
温度上昇に対して非可逆な増加を起こさないことを特徴
とする。好ましくは、上記積層構造の膜を構成する下層
以外の層の少なくとも一層の熱凝集温度が摂氏500度
以上である。
【0040】更に本発明は、電子源及び画像形成装置を
包含する。
【0041】本発明の電子源は、複数の、本発明の電子
放出素子と、それらを電気的に接続するための配線を基
体上に設けて成ることを特徴とする。
【0042】本発明の画像形成装置は、真空容器内に、
上記の電子源と、該電子源に対向して配置され、該電子
源より放出される電子によって照射されて画像を形成す
る画像形成部材とを有して成ることを特徴とする。
【0043】本発明の電子放出素子の製造方法によれ
ば、安定した電子放出特性を長時間にわたって保持し得
る電子放出素子を実現できる。また、本発明の電子源の
製造方法によれば、安定した電子放出特性を長時間にわ
たって保持し電子を放出し得る電子源を実現できる。更
に、本発明の画像形成装置の製造方法によれば、長時間
にわたり安定で良好な品質の画像を形成できる。
【0044】
【発明の実施の形態】次に本発明の好ましい実施態様
を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0045】[電子放出素子の製造方法]図1は、本発
明による表面伝導型電子放出素子の製造方法の一例を示
す模式図である。
【0046】図1において、1は基板、2と3は素子電
極、4aは有機金属化合物あるいは錯体からなる膜、4
bは有機金属化合物あるいは錯体からなる膜4aを分解
して得られる導電性膜、5は電子放出部である。
【0047】以下、工程(1)〜(5)について、詳細
に説明する。
【0048】(1)基板1を、洗剤、純水および有機溶
剤等を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等
により素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフ
ィー技術を用いて基板1上に素子電極2,3を形成する
(図1(a))。
【0049】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラ
ス基板及びアルミナ等のセラミックス及びSi基板等を
用いることができる。
【0050】対向する素子電極2,3の材料としては、
一般的な導体材料を用いることができる。これは例えば
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属或は合金及びPd,Ag,Au,Ru
2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等か
ら構成される印刷導体、In2 3 −SnO2 等の透明
導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜
選択することができる。
【0051】(2)素子電極2,3を設けた基板1に、
有機金属化合物あるいは錯体からなる膜4aを形成する
(図1(b))。
【0052】なお、以後便宜上、該膜4aを有機金属膜
と呼ぶことにするが、後述のように、無機金属錯体の膜
等を用いてもよく、これを否定するものではない。有機
金属膜4aの具体的な形成方法としては、有機金属化合
物溶液を塗布して有機金属膜を形成すればよい。有機金
属化合物溶液には、導電性膜4bの材料の金属を主元素
とする有機金属化合物の溶液を用いることができる。導
電性膜4bを構成する材料としては、比較融点の高いも
のを用いるのが好ましく、Pd,Pt,Ni,Ru,T
i,Zr,Hf,Cr,Fe,Ta,W,Nb,Ir,
Mo等の金属、PdO,SnO2 ,In2 3 等の酸化
物、カーボン等が挙げられるが、本発明はこれらの材料
に限定されるものではない。また、有機金属膜4aは、
加熱によって分解することで上記材料を主成分とする導
電性膜4bを形成可能な有機金属化合物の膜が好まし
く、アルキル金属、有機酸塩、アルコキシド類、有機金
属錯体等を用いることができる。また、金属カルボニ
ル、アンミン錯体等の一部の無機金属錯体も同様に用い
ることができる。さらに、これらの有機金属膜4aに、
予め加熱や紫外線照射等の前処理を行なうと、その後の
経時安定性が向上したりパターニングが容易になる場合
がある。本発明では、この前処理は、有機金属膜4aが
導電性膜4bに変化するのに十分な分解を引き起こさな
い条件で行なうのが望ましい。
【0053】さて、本発明で用いることのできる有機金
属膜4aの電気抵抗は、その後分解によって得られる導
電性膜4bの電気抵抗より高い抵抗値を有する。現実的
には、導電性膜4b抵抗値に比べ3桁以上高い抵抗であ
れば、本発明の効果は十分期待できる。数桁以上高けれ
ば、更に効果的である。
【0054】なお、ここで述べている抵抗値とは、膜の
シート抵抗を示したものであって、素子電極2,3間の
抵抗値を意味するものではない。なぜなら、後述のよう
に分解中に電圧を印加しておくことで、導電性膜4bに
は電子放出部5が形成されるために、素子電極2,3間
で測定される抵抗値は導電性膜4b自身より高くなって
しまうためである。
【0055】上記有機金属膜4aをリフトオフ、エッチ
ング、レーザートリミング等によるパターニング、ある
いは、インクジェット、オフセット印刷等により直接パ
ターン印刷する。
【0056】(3)つづいて、加熱により有機金属膜4
aを分解する工程を施す。本実施形態では、このとき、
素子電極2,3間に、不図示の電源を用いて電圧+Vを
印加する(図1(c))。
【0057】ここでは、有機金属膜4aを大気中高温炉
内で加熱焼成する場合を示す。始め、有機金属膜4a
は、電気的にほぼ絶縁体であるため、電流はほとんど流
れない。有機金属膜4aの温度が材料の分解温度に達す
ると、次第に炭化水素成分は蒸発(燃焼)し、金属原子
同志が結合して、導電性が生じ始める。有機金属膜4a
が導電性膜4bに変化する時間は、膜の加熱レートや保
持温度にもよるが、一般には瞬時ではなく、数秒〜数時
間の時間を要す。したがってこの時間内で、膜の抵抗は
徐々に低下する。
【0058】このとき、ミクロな視点では、金属原子の
集まったクラスターが徐々に成長し、クラスター間の結
合、ネットワーク状の導電路の形成を経て、最終的な導
電性膜へと変化すると考えられる。ここで、有機金属膜
4aに適当な電圧が印加されていると、導電路が形成さ
れると同時に電流密度の高い電流が導電路を流れるた
め、ジュール熱の発生により、ミクロに断線する。この
過程が、導電路形成の度に起こるため、最終的に導電性
膜4bが形成されたとき、導電性膜4bの部位に、局所
的に破壊、変形もしくは変質等の構造の変化した部位が
形成されている。該部位が電子放出部5を構成する。
【0059】形成される上記電子放出部5の形状は、有
機金属膜4aを分解するための加熱条件や、有機金属膜
4aに印加する電圧値や電圧波形等の条件によって、異
なる場合がある。電子放出部5の形状の差異は電子放出
特性に影響するため、特に複数の均一な特性の電子放出
素子を設けた電子源を構成する場合、各素子における電
子放出部5の形状はできるだけ均一に形成するのが好ま
しい。
【0060】図2は、電子放出部5の形状を均一に形成
する製造方法による一例を示した概略図である。図2に
おいて、1は基板、2と3は素子電極、4aは有機金属
膜、4bは有機金属膜4aを分解して得られる第二の導
電性膜、4b′は第一の導電性膜、5は第二の導電性膜
に形成された電子放出部、5′は第一の導電性膜に形成
された亀裂である。
【0061】あらかじめ第一の導電性膜4b′として比
較的耐熱性の低い薄い膜を形成し、後述の通電フォーミ
ングにより亀裂5′を形成しておく(図2(a))。こ
のとき、第一の導電性膜4b′を低電力でフォーミング
可能な材料および膜厚に設定して通電条件を適宜設定す
ることで、均一な亀裂5′形状を得ることができる。
【0062】この上に第二の導電性膜4bとなるべき有
機金属膜4aを形成し(図2(b))、前述と同様の方
法で加熱分解中に電圧を印加することで第二の導電性膜
4bに電子放出部5を形成することができる。このと
き、電子放出部5の形状は第一の導電性膜4b′の亀裂
5′に沿って形成されるため、均一な形状に制御される
(図2(c))。
【0063】なお、上記いずれの方法においても、加熱
方法としては、上記高温炉内で加熱する以外に、赤外線
ランプアニールやレーザーアニール等の手法が使えるこ
とは言うまでもない。
【0064】導電性膜4bに電圧を印加し、通電により
電子放出部5を形成する手法は公知であり、これは通電
フォーミングと呼ばれている。この手法では、通電フォ
ーミングに要する電力は、膜の厚さが厚くなると(すな
わち抵抗がより低くなると)、それにつれて上昇してし
まう。また、高い融点を持つ材料を用いた場合も通電フ
ォーミングに要する電力が高くなってしまう。本実施形
態では、導電性膜4bの加熱分解過程で通電を行なって
いるので、上述のように徐々にフォーミングが進行する
ため、最終的に得られる導電性膜4bの膜厚が厚くと
も、低電力でのフォーミングが可能であり、また融点の
高い材料を用いることも可能である。すなわち、通電フ
ォーミングが完了するためのエネルギー(電力×時間)
は従来法と変わらなくても、本実施形態では部分的なフ
ォーミングが時間的に分散して起こるため、瞬間的な大
電力の投入を必要としないと言い換えることもできる。
したがって、電子放出部5を形成した導電性膜4bの厚
さや融点は、少なくともフォーミング電力の観点からは
特に制限されず、より厚くあるいは融点の高い、耐熱性
の高い導電性膜を用いることができる。
【0065】なお、電圧波形は、パルス波形が好まし
い。本実施形態においては、図3(a)に示すように、
パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する
手法が好ましく用いられる。
【0066】図3におけるT1及びT2は電圧波形のパ
ルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μsec〜1
0msec、T2は、10μsec〜数100msec
程度の範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォー
ミング時の電圧)は、表面伝導型電子放出素子の形態に
応じて適宜選択される。このような条件のもと、例え
ば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は三
角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の波形
を採用することができる。
【0067】パルス電圧の印加は、有機金属膜4aが分
解によって十分に導電性膜4bに変化するまで続けられ
る。
【0068】ところで、本実施形態における好適な導電
性膜4bの材料および膜厚は以下のように設定すること
ができる。
【0069】前述したように、10nm程度の膜厚を有
する超薄膜や微粒子膜は、膜を構成する材料のバルクの
融点に比べ、より低温で、融解、凝集を起こすことが知
られている。たとえば、金属パラジウムのバルクの融点
は1552℃であるが、10nmの膜厚のパラジウム微
粒子膜は、基板の種類、加熱雰囲気等にもよるが、およ
そ250℃程度の加熱により膜の融解、凝集を生じる場
合がある。膜の融解、凝集は、膜の不連続状態を引き起
こし、電気導電性を著しく悪化させる。図4に、有機パ
ラジウム化合物の加熱分解によって得られた種々の膜厚
10nm〜50nmの石英基板上の金属パラジウム膜の
昇温過程における抵抗値の変化を示す。図4のように、
融解、凝集が起こると抵抗値が急激に増大する。なお、
この抵抗変化は非可逆であり、一度温度上昇とともに増
大した抵抗値は、その後の温度の下降により温度上昇の
際と逆の変化を示すことはなく、降温後に元に戻らな
い。従って、このような膜を導電性膜として用いること
はできなくなる。
【0070】以上のような、融解、凝集温度の膜厚依存
性は、様々な材料において同様に見られる。しかしなが
ら、バルクの融点の高い材料を用いた場合、その融点に
応じて、薄膜の融解、凝集温度も高くなることは言うま
でもない。例えて言えば、金属タングステンのバルクの
融点は3380℃であるため、10nm程度の膜厚のタ
ングステン超薄膜では600℃程度の加熱によっても膜
の融解、凝集は起こらない。
【0071】本実施形態の主たる目的は、導電性膜4b
に、電子放出素子の製造過程における加熱工程及び素子
の駆動時の発熱に対する耐熱性を付与することにある。
上述のように、製造過程において導電性膜4bは400
〜500℃程度の加熱過程を経験するため、少なくとも
500℃までの耐熱性を有するのが好ましい。もちろ
ん、それ以上の耐熱性を付与してもよい。
【0072】従って、電子放出素子を動作させる最低温
度から製造工程での最高到達温度の範囲、すなわち50
0℃程度以下の温度範囲で導電性膜4bの非可逆的な抵
抗変化が生じないように、導電性膜4bの材料と膜厚を
設定するのが望ましい。
【0073】(4)導電性膜4bの分解工程およびフォ
ーミングを終えた素子には活性化工程と呼ばれる処理を
施すのが好ましい。活性化工程とは、この工程により、
素子電流If、放出電流Ieが著しく変化する工程であ
る。
【0074】活性化工程は、例えば、有機物質のガスを
含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パル
スの印加を繰り返すことで行うことができる。この雰囲
気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用
いて真空容器内を排気した場合に、雰囲気内に残留する
有機ガスを利用して形成することができる他、イオンポ
ンプなどにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機
物質のガスを導入することによっても得られる。このと
きの好ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、
真空容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるた
め場合に応じ適宜設定される。適当な有機物質として
は、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、
ケトン類、アミン類、フェノール、カルボン、スルホン
酸等の有機酸類等を挙げることが出来、具体的には、メ
タン、エタン、プロパンなどCn 2n+2で表される飽和
炭化水素、エチレン、プロピレンなどCn 2n等の組成
式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メ
タノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミ
ン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸等が使用できる。この処理により、雰囲気中に存在
する有機物質から、炭素および/又は炭素化合物が素子
上に堆積し、素子電流If、放出電流Ieが、著しく変
化するようになる(図1(d))。なお、図は炭素およ
び/又は炭素化合物の堆積を模式的に示すもので、その
微細な構造を示しているものではない。
【0075】活性化工程の終了判定は、素子電流If及
び/又は放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。なお
パルス幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定さ
れる。
【0076】炭素及び炭素化合物とは、例えばグラファ
イト(いわゆるHOPG,PG,GCを包含する。HO
PGはほぼ完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶
粒が20nm程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは
結晶粒が2nm程度になり結晶構造の乱れがさらに大き
くなったものを指す)、非晶質カーボン(アモルファス
カーボン及び、アモルファスカーボンと前記グラファイ
トの微結晶の混合物を指す)であり、その膜厚は、50
nm以下の範囲とするのが好ましく、30nm以下の範
囲とすることがより好ましい。
【0077】以上が活性化工程であるが、本実施形態に
おいては、上記(3)の有機金属膜4aを分解する工程
と上記(4)の活性化工程を同時に進行させることも可
能である。この同時進行の活性化工程の例を以下に示
す。
【0078】まず、上記(2)で述べた手法と同様に、
有機金属膜4aを形成する。次に、有機金属膜4aに電
圧を印加しながら、加熱により有機金属膜4aを分解す
る工程を施すが、ここでは、有機金属膜4aを真空中で
加熱する。有機金属膜4aの温度が材料の分解温度に達
すると、次第に金属原子同志が結合して導電性が生じ始
めるが、炭化水素成分は燃焼しないため、一部は真空中
に蒸発するが、一部は膜中に残る。有機金属膜4aに適
当な電圧、すなわち活性化電圧(=フォーミング電圧)
が印加されていると、最終的に導電性膜4bが形成され
たとき、導電性膜4bの部位に、局所的に破壊、変形も
しくは変質等の構造の変化した部位が形成される。この
とき、導電性膜4b中の炭化水素成分が膜中を拡散、あ
るいは一度気相に放出されたものが再付着するなどし
て、炭素および/又は炭素化合物が素子上に堆積し、素
子電流If、放出電流Ieが、著しく増加し、活性化が
生じる。
【0079】なお、上記の工程は、窒素、ヘリウム等の
不活性ガス雰囲気中で行なうこともできる。
【0080】さらに、上記真空中に、上記(4)で述べ
た様に、あらかじめ適当な有機物質のガスを導入してお
くことによって、より短時間で活性化工程を終了するこ
ともできる。
【0081】(5)このような工程を経て得られた電子
放出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工
程は、真空容器内の残留有機物質を排気することで新た
な堆積が起こらないようにし、特性を一定に保つ工程で
ある。真空容器内の圧力は、1.3×10-5Pa以下が
好ましく、さらに1.3×10-6Pa以下が特に好まし
い。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全
体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着し
た有機分子を排気しやすくするのが好ましい。このとき
の加熱条件は、真空容器および電子放出素子を構成する
部材の熱的安定性が許すかぎり高温かつ長時間行なうの
が望ましく、必要に応じて適宜条件を定める。なお、本
実施形態の製法によれば、導電性膜の耐熱性の向上が図
られているので、より高温の加熱条件に耐えられる。
【0082】また、前述の、電子放出部形成と活性化を
兼ねた工程を真空中で行なった場合、真空容器中に有機
物質のガスを導入しないために、この工程の処理がより
容易になる。
【0083】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、圧力自体は多少上昇しても十分安定な特
性を維持することが出来る。
【0084】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素及び/又は炭素化合物の堆積を抑制で
き、結果として素子電流If、放出電流Ieが、安定す
る。
【0085】上述した工程を経て得られた本発明を適用
可能な電子放出素子の基本特性について図5、図6を参
照しながら説明する。
【0086】図5は、真空処理装置の一例を示す模式図
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
をも兼ね備えている。図5においても、図1に示した部
位と同じ部位には図1に付した符号と同一の符号を付し
ている。図5において、55は真空容器であり、56は
排気ポンプである。真空容器55内には電子放出素子が
配されている。即ち、1は電子放出素子を構成する基体
であり、2及び3は素子電極、4bは導電性膜、5は電
子放出部である。51は、電子放出素子に素子電圧Vf
を印加するための電源、50は素子電極2,3間の導電
性膜4bを流れる素子電流Ifを測定するための電流
計、54は素子の電子放出部より放出される放出電流I
eを捕捉するためのアノード電極である。53はアノー
ド電極54に電圧を印加するための高圧電源、52は素
子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定す
るための電流計である。一例として、アノード電極の電
圧を1kV〜10kVの範囲とし、アノード電極と電子
放出素子との距離Hを2mm〜8mmの範囲として測定
を行うことができる。
【0087】真空容器55内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータリーポ
ンプからなる通常の高真空装置系と更に、イオンポンプ
等からなる超高真空装置系とにより構成されている。こ
こに示した電子放出素子を搭載した基板1を配した真空
処理装置の全体は、不図示のヒーターにより加熱でき
る。従って、この真空処理装置を用いると、前述の電子
放出部形成以降の工程も行うことができる。
【0088】図6は、図5に示した真空処理装置を用い
て測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧V
fの関係を模式的に示した図である。図6においては、
放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので
任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニアスケ
ールである。
【0089】図6からも明らかなように、本発明を適用
可能な電子放出素子は、放出電流Ieに関して対する三
つの特徴的性質を有する。即ち、 (i)本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ)以上の
素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一
方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検
出されない。つまり、放出電流Ieに対する明確なしき
い値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0090】(ii)放出電流Ieが素子電圧Vfに単調
増加に依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制
御できる。
【0091】(iii)アノード電極54に捕捉される放出
電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。つま
り、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧
Vfを印加する時間により制御できる。
【0092】以上の説明より理解されるように、本実施
形態を適用可能な電子放出素子は、入力信号に応じて、
電子放出特性を容易に制御できることになる。この性質
を利用すると、複数の電子放出素子を配して構成した電
子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能となる。
【0093】図6においては、素子電流Ifが素子電圧
Vfに対して単調増加する例(以下、「MI特性」とい
う)を実線に示した。素子電流Ifが素子電圧Vfに対
して電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特性」
という。)を示す場合もある(不図示)。これら特性
は、前述の工程を制御することで制御できる。
【0094】本実施形態を適用し得る表面伝導型電子放
出素子の基本的構成には図7に示す様な平面型(図1、
図2で説明した製法による構成)のほかに図8に示す様
な垂直型がある。
【0095】ここでは、図2で説明した積層構造の導電
性膜を用いた場合について説明する。
【0096】図7に示す平面型表面伝導型電子放出素子
において、図2に示した部位と同じ部位には図1に付し
た符号と同一の符号を付している。素子電極2,3の間
隔L、素子電極2および3の長さW、第二の導電性膜4
b、第一の導電性膜4b′の形状等は、応用される形態
等を考慮して、設計される。
【0097】垂直型表面伝導型電子放出素子は、図8に
示すとおりであり、図8中、図2に示した部位と同じ部
位には図2に付した符号と同一の符号を付している。8
1は段差形成部である。基板1、素子電極2及び3、第
二の導電性膜4b、第一の導電性膜4b′、電子放出部
5、電子放出部5′は、前述した平面型表面伝導型電子
放出素子の場合と同様の材料で構成することができる。
段差形成部81は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等
で形成されたSiO2 等の絶縁性材料で構成することが
できる。段差形成部81の膜厚は、先に述べた平面型表
面伝導型電子放出素子の素子電極間隔Lに対応する。
【0098】第一の導電性膜4b′は、素子電極2及び
3と段差形成部81作製後に、該素子電極2、3の上に
形成される。第一の導電性膜4b′を通電フォーミング
して亀裂5′を形成した後、第一の導電性膜4b′上に
第二の導電性膜4bを形成する。亀裂5′および電子放
出部5は、図8においては、段差形成部81に形成され
ているが、作製条件、フォーミング条件(特に第一の導
電性膜のフォーミング条件)等に依存し、形状、位置と
もこれに限られるものでない。
【0099】[電子放出素子の応用例]次に、本実施形
態を適用可能な電子放出素子の応用例について以下の述
べる。本実施形態を適用可能な表面伝導型電子放出素子
の複数個を基板上に配列し、例えば電子源あるいは、画
像形成装置が構成できる。
【0100】[電子源]電子放出素子の配列について
は、種々のものが採用できる。一例として、並列に配置
した多数の電子放出素子の個々を両端で接続し、電子放
出素子の行を多数個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と
直交する方向(列方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上
方に配した制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子
放出素子からの電子を制御駆動するはしご状配置のもの
がある。これとは別に、電子放出素子をX方向及びY方
向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子
放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共通に接続
し、同じ列に配された複数の電子放出素子の電極の他方
を、Y方向の配線に共通に接続するものが挙げられる。
このようなものは所謂単純マトリクス配置である。まず
単純マトリクス配置について以下に詳述する。
【0101】本実施形態を適用可能な表面伝導型電子放
出素子については、前述したとおり(i)乃至(iii) の特
性がある。即ち、表面伝導型電子放出素子からの放出電
子は、しきい値電圧以上では、対向する素子電極間に印
加するパルス状電圧の波高値と幅で制御できる。一方、
しきい値電圧以下では、殆ど放出されない。この特性に
よれば、多数の電子放出素子を配置した場合において
も、個々の素子にパルス状電圧を適宜印加すれば、入力
信号に応じて、表面伝導型電子放出素子を選択して電子
放出量を制御できる。
【0102】以下この原理に基づき、本発明を適用可能
な電子放出素子を複数配して得られる電子源基板につい
て、図9を用いて説明する。図9において、91は基
板、92はX方向配線、93はY方向配線である。94
は表面伝導型電子放出素子、95は素子電極2,3に接
続した結線である。尚、表面伝導型電子放出素94は、
前述した平面型あるいは垂直型のどちらであってもよ
い。
【0103】m本のX方向配線92は、DX1,DX
2..DXmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ
法等を用いて形成された導電性金属等で構成することが
できる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方
向配線93は、DY1,DY2..DYnのn本の配線
よりなり、X方向配線92と同様に形成される。これら
m本のX方向配線92とn本のY方向配線93との間に
は、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気
的に分離している(m,nは、共に正の整数)。不図示
の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を
用いて形成されたSiO2 等で構成される。例えば、X
方向配線92を形成した基板91の全面或は一部に所望
の形状で形成され、特に、X方向配線92とY方向配線
93の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、
製法が適宜設定される。X方向配線92とY方向配線9
3は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0104】表面伝導型放出素子94を構成する一対の
電極(不図示)は、m本のX方向配線92とn本のY方
向配線93と導電性金属等からなる結線95によって電
気的に接続されている。
【0105】配線92と配線93を構成する材料、結線
95を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例え
ば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0106】X方向配線92には、X方向に配列した表
面伝導型放出素子94の行を、選択するための走査信号
を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一
方、Y方向配線93には、Y方向に配列した表面伝導型
放出素子94の各列を入力信号に応じて、変調するため
の不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出
素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走
査信号と変調信号の差電圧として供給される。
【0107】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0108】[画像形成装置]このような単純マトリク
ス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置につい
て、図10と図11及び図12を用いて説明する。図1
0は、画像形成装置の表示パネルの一例を示す模式図で
あり、図11は、図10の画像形成装置に使用される蛍
光膜の模式図である。図12は、NTSC方式のテレビ
信号に応じて表示を行なうための駆動回路の一例を示す
ブロック図である。
【0109】図10において、91は電子放出素子を複
数配した電子源基板、101は電子源基板91を固定し
たリアプレート、106はガラス基板103の内面に蛍
光膜104とメタルバック105等が形成されたフェー
スプレートである。102は支持枠であり、該支持枠1
02には、リアプレート101、フェースプレート10
6がフリットガラス等を用いて接続されている。108
は外囲器であり、例えば大気中あるいは窒素中で、40
0〜500℃の温度範囲で10分以上焼成することで、
封着して構成される。
【0110】94は、図7における電子放出部に相当す
る。92,93は、表面伝導型電子放出素子の一対の素
子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線である。
【0111】外周器108は、上述の如く、フェースー
プレート106、支持枠102、リアプレート101で
構成される。トアプレート101は主に基板91の強度
を補強する目的で設けられるため、基板91自体で十分
な強度を持つ場合は別体のリアプレート101は不要と
することがてきる。即ち、基板91に直接支持枠82を
封着し、フェースプレート106、支持枠102及び基
板91で外囲器108を構成しても良い。一方、フェー
スープレート106、リアプレート101間に、スペー
サーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、
大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器108を構成す
ることもできる。
【0112】図11は、蛍光膜を示す模式図である。蛍
光膜104は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構
成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列によりブラックストライプあるいはブラックマト
リクスなどと呼ばれる黒色導電材111と蛍光体112
とから構成することができる。ブラックストライプ、ブ
ラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、
必要となる三原色蛍光体の各蛍光体112間の塗り分け
部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍
光膜104における外光反射によるコントラストの低下
を抑制することにある。ブラックストライプの材料とし
ては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の
他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用
いることができる。
【0113】ガラス基板に蛍光体を塗布する方法は、モ
ノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用
できる。蛍光膜104の内面側には、通常メタルバック
105が設けられる。メタルバック105を設ける目的
は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレー
ト106側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させ
ること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極とし
て作用させること、外囲器108内で発生した負イオン
の衝突によるダメージから蛍光体を保護すること等であ
る。メタルバック105は、蛍光膜104作製後、蛍光
膜104の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミ
ング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等
を用いて堆積させることで作製できる。
【0114】フェースプレート106には、更に蛍光膜
104の伝導性を高めるため、蛍光膜104の外面側に
透明電極(不図示)を設けてもよい。この場合はメタル
バックを設けなくてもよく、高圧電圧をこの透明電極に
印加する。
【0115】前述の外囲器108の封着を行う際には、
カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させ
る必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0116】図10に示した画像形成装置は、例えば以
下のようにして製造される。
【0117】外囲器108は、前述の安定化行程と同様
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置により不図示の
排気管を通じて排気し、13×15-5Pa程度の真空度
の有機物質の十分少ない雰囲気にした後、封止が成され
る。外囲器108の封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行なうこともできる。これは、外囲器1
08の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱ある
いは高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器108内
の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱
し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba
等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえ
ば1.3×10-3ないしは1.3×10-5Paの真空度
を維持するものである。ここで、表面伝導型電子放出素
子のフォーミング処理ないし活性化以降の行程は適宜設
定できる。
【0118】[画像形成装置の駆動]次に、単純マトリ
クス配置の電子源を用いて構成した表示パネルに、NT
SC方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行
う為の駆動回路の構成例について、図12を用いて説明
する。図12において、121は画像表示表示パネル、
122は走査回路、123は制御回路、124はシフト
レジスタである。125はラインメモリ、126は同期
信号分離回路、127は変調信号発生器、VxおよびV
aは直流電圧源である。
【0119】表示パネル121は、端子Dox1乃至D
oxm、端子Doy1乃至Doyn及び高圧端子107
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている電子
源、即ち、m行n列の行列状にマトリクス配線された表
面伝導型電子放出素子群を一行(n素子)ずつ順次駆動
する為の走査信号が印加される。
【0120】端子Dy1乃至Dynには、前記走査信号
により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素
子の出力電子ビームを抑制する為の変調信号を印加され
る。高圧端子107には、直流電圧源Vaより、例えば
10kVの直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型
電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体を励起
するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧であ
る。
【0121】走査回路122について説明する。同回路
は、内部にm個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、SlないしSmで膜式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0〔V〕(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル121の端子Dx1ないしDxmと電気的に
接続される。Sl乃至Smの各スイッチング素子は、制
御回路123が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせることにより構成することができ
る。
【0122】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
よう設定されている。
【0123】制御回路123は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路123は、同期
信号分離回路126より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよ
びTmryの各制御信号を発生する。
【0124】同期信号分離回路126は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路126により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
TSYNC信号として図示した。前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ124に入力され
る。
【0125】シフトレジスタ124は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路123より送られる制御信号TSFTに基づいて動
作する(即ち、制御信号TSFTは、シフトレジスタ12
4のシフトクロックであるということもできる。)。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子n素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1
乃至Idnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ
124より出力される。
【0126】ラインメモリ125は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為のFIFOやシフ
トレジスタ等の記憶装置であり、制御回路123より送
られる制御信号TMRYに従って適宜Id1乃至Idnの
内容を記憶する。記憶された内容は、Id1’乃至Id
n’として出力され、変調信号発生器127に入力され
る。
【0127】変調信号発生器127は、画像データId
l’乃至Idn’の各々に応じて表面伝導型電子放出素
子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その
出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パ
ネル121内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0128】前述したように、本実施形態を適用可能な
電子放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を
有している。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧V
thがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子
放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対して
は、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化す
る。このことから、本素子にパルス状の電圧を印加する
場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子
放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する
場合には電子ビームが出力される。その際、パルスの波
高値Vmを変化させる事により出力電子ビームの強度を
制御することが可能である。また、パルスの幅Pwを変
化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量
を制御する事が可能である。
【0129】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器127として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0130】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器127として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0131】シフトレジスタ124やラインメモリ12
5は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のもの
をも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0132】デジタル信号式を用いた場合には、同期信
号分離回路126の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには同期信号分離回路126の
出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連して
ラインメモリ125の出力信号がデジタル信号かアナロ
グ信号かにより、変調信号発生器127に用いられる回
路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用
いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器127には、
例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路な
どを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生
器127には、例えば高速の発振器および発振器の出力
する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出
力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレ
ータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、比較
器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付加することもできる。
【0133】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器127には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
【0134】このような構成をとり得る本発明を適用可
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを
介して電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。
高圧端子107を介してメタルバック105、あるいは
透明電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速
する。加速された電子は、蛍光膜104に衝突し、発光
が生じて画像が形成される。
【0135】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、
これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、
MUSE方式をはじめとする高品位TV信号)方式をも
採用できる。
【0136】[はしご型の電子源及び画像形成装置]次
に、はしご型配置の電子源及び画像形成装置について図
13及び図14を用いて説明する。
【0137】図13は、はしご型配置の電子源の一例を
示す模式図である。図13において、130は電子源基
板、131は電子放出素子である。また、Dx1〜Dx
10は、電子放出素子131を接続するめたの共通配線
である。電子放出素子131は、基板130上に、X方
向に並列に複数個配されている(これを素子行と呼
ぶ)。この素子行が複数個配されて、電子源を構成して
いる。各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加すること
で、各素子行を独立に駆動させることができる。即ち、
電子ビームを放出させたい素子行には、電子放出素子の
しきい値以上の電圧を、電子ビームを放出しない素子行
には、電子放出素子のしきい値以下の電圧を印加する。
各素子行間の共通配線Dx2〜Dx9は、例えばDx
2,Dx3を同一配線とすることもできる。
【0138】図14は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。140はグリッド電極、141は電子が通過する
ため空孔、142はDxo1,Dxo2,…Dxomよ
りなる容器外端子である。143は、グリッド電極14
0と接続されたG1,G2,…Gnからなる容器外端
子、144は各素子行間の共通配線を同一配線とした電
子源基板である。図14においては、図10、図13に
示した部位と同じ部位には、これらの図に付したのと同
一の符号を付している。ここに示した画像形成装置と、
図10に示した単純マトリクス配置の画像形成装置との
大きな違いは、電子源基板130とフェースプレート1
06の間にグリッド電極140を備えているか否かであ
る。
【0139】図14においては、基板144とフェース
プレート106の間には、グリッド電極140が設けら
れている。グリッド電極140は、表面伝導型放出素子
から放出された電子ビームを変調するためのものであ
り、はしご型配置の素子行と直交して設けられたストラ
イプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に
対応して1個ずつ円形の開口141が設けられている。
グリッドの形状や設置位置は図14示したものに限定さ
れるものではない。例えば、開口としてメッシュ状に多
数の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導型
放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
【0140】容器外端子142およびグリツド容器外端
子143は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
【0141】本例の画像形成装置では、素子行を1列ず
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
【0142】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成させた光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0143】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0144】(実施例1)本発明にかかわる基本的な表
面伝導型電子放出素子の製法は、図1に示したものと同
様である。
【0145】以下、図1を用いて、本発明に関わる素子
の基本的な構成及び製造法を説明する。図1において1
は基板、2と3は素子電極、4aは有機金属膜、4bは
導電性膜、5は電子放出部である。
【0146】以下、順をおって製造方法の説明を図1に
基づいて説明する。
【0147】[工程−a]清浄化した青板ガラス上に厚
さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した
基板1上に、素子電極2,3と所望の電極形状開口を有
するパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
日立化成社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ5n
mのTi、厚さ0.1μmのNiを順次堆積した。ホト
レジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積
膜をリフトオフし、素子電極2,3の間隔L=10μm
を有する素子電極2,3を形成した(図1(a))。
【0148】[工程−b]次に、素子電極2,3を形成
した基板上に膜厚0.1μmのCr膜を真空蒸着により
堆積し、ホトレジスト(AZ1370ヘキスト社製)で
導電性膜4bを形成すべきパターンの開口を有するレジ
ストパターンを形成した後、該パターンのCrをエッチ
ング除去した。その後、ホトレジストパターンを有機溶
剤で溶解し、洗浄した基板上に有機パラジウム化合物の
溶液(ccp4230奥野製薬(株)製)をスピンナー
により回転塗布し、大気中、室温にて1時間放置し、乾
燥した。なお、同一条件で、石英基板上に有機Pdを成
膜し、乾燥させたサンプルの抵抗値を測定したところ、
シート抵抗値は測定不能で、少なくとも108 Ω/□以
上であった。また、同一条件で成膜し、300℃一定で
10分間の加熱焼成処理したサンプルを評価したとこ
ろ、得られた膜はPdを主元素としてなり、膜厚は10
0nm、シート抵抗値は2×102 Ω/□であった。
【0149】なお、この膜を室温から500℃まで昇温
しながらシート抵抗を測定したところ、抵抗は僅かに増
加したが、降温しながらの測定では抵抗値は可逆的に戻
っていた。
【0150】[工程−c]次に、有機Pdよりなる有機
金属膜4aを形成した基板1を、有機金属膜4aを表と
し、UV/オゾン処理装置(UV−300サムコ社製)
により、15分間、室温でUV/オゾン処理した(不図
示)。なお、同一条件で、石英基板上に有機Pdを成膜
し、UV/オゾン処理したサンプルの抵抗値を測定した
ところ、シート抵抗値は測定不能で、少なくとも108
Ω/□以上であった。
【0151】[工程−d]Cr膜およびUV/オゾン処
理後の有機金属膜4aを酸エッチャントによりリフトオ
フして所望のパターンの有機金属膜4aを形成した。
【0152】以上の工程により基板1上に、素子電極
2,3、有機金属膜4aを形成した(図1(b))。
【0153】[工程−e]次に、基板1を図1(c)に
示すクリーンオーブン中に設置し、素子電極2,3に素
子電圧+Vfを印加するための不図示の電源より、素子
の素子電極3に電圧を印加しながら、室温から300℃
まで10℃/分のレートで昇温し、通電処理(フォーミ
ング)を行なった(図1(c))。なお、温度が300
℃に達した後、10分間そのまま電圧印加を続け、電圧
印加を終了後、自然冷却により室温に戻した。なお、通
電処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示したものであ
る。
【0154】図中、T1及びT2は電圧波形のバルス幅
とバルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は12Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4aないし4b
を流れる電流を測定した。本実施例では、本工程中で測
定された素子電流となる電流値は、最大5mAであり、
300℃、10分経過時は、1μA以下であった。
【0155】[工程−f]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの圧力
に達した後、アセトンをスローリークバルブを開いて全
圧が1.3×10-3Paとなるように測定評価装置内に
導入し、維持した。次にフォーミング処理した素子に、
図3(a)に示した波形で14Vの波高値で、素子電極
3に印加した。図中、T1及びT2は電圧波形のパルス
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1mse
c、T2を10msecとした。素子電流Ifが約20
分でほぼ飽和したので、通電を停止した後、スローリー
クバルブを閉め、活性化工程を終了した。
【0156】こうして表面伝導形電子放出素子を作製し
た(図1(d))。
【0157】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の測定評価装置を
用いて測定した。この測定は、イオンポンプをメインポ
ンプとした超高真空排気装置を用いて排気し、サンプル
温度400℃、チャンバー温度200℃で24時間加熱
し、有機物質の汚染を極力排除した条件で行なった。
【0158】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導形電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kV、圧力は1.3×10-7Paとした。
【0159】表面伝導型電子放出素子の素子電極2,3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、If=2.0mA,Ie=3.6μAであり、正常
に動作した。
【0160】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、低いフォーミング電力で電子放
出部を形成できた。
【0161】(実施例2)本実施例では、図1に示す構
成の電子放出素子の製造方法について説明する。[工程
−a]は実施例1と同様に素子電極2,3を形成した基
板1を作製した。
【0162】[工程−b]次に、素子電極2,3を形成
した基板上に有機金属膜4a、を以下の方法で成形し
た。
【0163】まず、酢酸パラジウムモノエタノールアミ
ン3.2グラムにエチレングリコール1グラムとポリビ
ニルアルコール0.05グラム、さらに25グラムのI
PAを加え、全量100グラムとなるように水を加えて
溶液を調整した。この溶液を、バブルジェット方式のイ
ンクジェット装置(Canon製BJ−10Vの部品を
流用)を用い、所望の位置、すなわち図1(b)に示す
位置に塗付した。なお、同一条件で、石英基板上に有機
Pdを塗布したサンプルの抵抗値を測定したところ、シ
ート抵抗値は測定不能で、少なくとも108 Ω/□以上
であった。また、同一条件で塗布し、350℃一定で1
5分間の加熱焼成処理したサンプルを評価したところ、
得られた薄膜はPdを主元素としてなり、膜厚は120
nm、シート抵抗値は1.5×102 Ω/□であった。
【0164】なお、この膜を室温から500℃まで昇温
しながらシート抵抗を測定したところ、抵抗は僅かに増
加したが、降温時の抵抗値は可逆的に戻っていた。
【0165】以上の工程により基板1上に、素子電極
2,3、有機金属膜4aを形成した。
【0166】[工程−c]次に、基板1をクリーンオー
ブン中に設置し、素子に素子電圧+Vfを印加するため
の付図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し
ながら、室温から350℃まで10℃/分のレートで昇
温し、通電処理(フォーミング)を行なった。なお、温
度が350℃に達した後、15分間そのまま電圧印加を
続け、電圧印加を終了後、自然冷却により室温に戻し
た。なお、通電処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示
したものである。
【0167】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は12Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4aないし導電
性膜4bを流れる電流を測定した。本実施例では、本工
程中で測定された電流値は最大6mAであり、350
℃、15分経過時は、1μA以下であった。
【0168】[工程−d]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの圧力
に達した後、アセトンをスローリークバルブを開いて全
圧が1.3×10-3Paとなるように測定評価装置内に
導入し、維持した。次にフォーミング処理した素子に、
図3(a)に示した波形で14Vの波高値で、素子電極
3に印加した。図中、T1及びT2は電圧波形のパルス
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1mse
c、T2を10msecとした。素子電流Ifが約20
分でほぼ飽和したので、通信を停止した後、スローリー
クバルブを閉め、活性化工程を終了した。
【0169】こうして、本実施例による表面伝導型電子
放出素子を作製した。
【0170】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の測定評価装置を
用いて測定した。この測定は、超高真空排気装置を用い
て排気し、サンプル温度400℃、チャンバー温度20
0℃で、24時間加熱し、有機物質の汚染を極力排除し
た条件で行なった。
【0171】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kV、圧力は1.3×10-7Paとした。
【0172】表面伝導型電子放出素子の素子電極2,3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、素子電流If=2.5mA,放出電流Ie=4.0
μAであり、正常に動作した。
【0173】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、低いフォーミング電力で電子放
出部を形成できた。
【0174】(実施例3)本実施例にかかわる基本的な
表面伝導型電子放出素子の製法は、図1および図2に示
したものと同様である。
【0175】以下、図1、図2を用いて、本発明に関わ
る素子の基本的な構成及び製造法を説明する。図1にお
いて1は基板、2と3は素子電極、4aは有機金属膜、
4bは導電性膜、5は電子放出部である。図2において
1は基板、2と3は素子電極、4aは有機金属膜、4b
は有機金属膜4aを分解して得られる第二の導電性膜、
4b′は第一の導電性膜、5は第二の導電性膜に形成さ
れた電子放出部、5′は第一の導電性膜に形成された亀
裂である。
【0176】以下、順をおって製造方法の説明を図1、
図2に基づいて説明する。
【0177】[工程−a]本工程は、実施例1と同様に
行なって、図1(a)に示す形態を形成した。
【0178】[工程−b]次に、素子電極2、3を形成
した基板上に膜厚0.1μmのCr膜を真空蒸着により
堆積し、ホトレジスト(AZ1370ヘキスト社製)
で、第一の導電性膜4b′を形成すべきパターンを形成
した後、該パターンのCrをエッチング除去した。その
後、ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、洗浄し
た基板上に有機Pd(ccp4230奥野製薬(株)
製)をスピンナーにより回転塗布し、300℃で12分
間の加熱焼成処理をした。また、こうして形成された、
Pdを主元素としてなる微粒子からなる第一の導電性膜
4b′の膜厚は、10nmであった。
【0179】[工程−c]Cr膜および焼成後の第一の
導電性膜4b′を酸エッチャントによりエッチングして
所望のパターンを形成した。
【0180】[工程−d]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-5Paの圧力
に達した後、素子に素子電圧+Vfを印加するための不
図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し、通
電フォーミングを行なった。通電フォーミング処理の電
圧Vfの波形は図3(b)に示したものである。
【0181】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は0.1Vステップで昇圧し、フォーミン
グ処理を行なった。また、フォーミング処理中は、同時
に、0.1Vの電圧で、T2間に抵抗測定パルスを挿入
し、抵抗を測定した。尚フォーミング処理の終了は、抵
抗測定パルスでの測定値が、約1MΩ以上になった時と
し、素子への電圧の印加を終了した。
【0182】[工程−e]次に、上記処理を施した基板
を測定評価装置の外に取り出し、有機金属膜4aを以下
の方法で形成した。
【0183】まず、酢酸パラジウムモノエタノールアミ
ン3.2グラムにエチレングリコール1グラムとポリビ
ニルアルコール0.05グラム、さらに25グラムのI
PAを加え、全量100グラムとなるように水を加えて
溶液を調整した。この溶液を、バブルジェット方式のイ
ンクジェット装置を用い、所望の位置、すなわち第一の
導電性膜4b′に重なる位置(図2(b))に塗布し
た。なお、同一条件で、石英基板上に有機Pdを塗布し
たサンプルの抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は
測定不能で、少なくとも108 Ω/□以上であった。ま
た、同一条件で塗布し、350℃一定で15分間の加熱
焼成処理したサンプルを評価したところ、得られた薄膜
はPbを主元素としてなり、膜厚は120nm、シート
抵抗値は1.5×102 Ω/□であった。
【0184】なお、この膜を室温から500℃まで昇温
しながらシート抵抗を測定したところ、抵抗は僅かに増
加したが、降温時の抵抗値は可逆的に戻っていた。
【0185】以上の工程により、基板1上に、素子電極
2、3、第一の導電性膜4b′、有機金属膜4aを形成
した。
【0186】[工程−f]次に、基板1をクリーンオー
ブン中に設置し、素子に素子電圧+Vfを印加するため
の不図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し
ながら、室温から350℃まで10℃/分のレートで昇
温し、通電処理(フォーミング)を行なった。なお、温
度が350℃に達した後、15分間そのまま電圧印加を
続け、電圧印加を終了後、自然冷却により室温に戻し
た。なお、通電処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示
したものである。
【0187】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は12Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4aないし導電
性膜4bを流れる電流を測定した。本実施例では、本工
程中で測定された電流値は最大4mAであり、350
℃、15分経過時は、1μA以下であった。
【0188】[工程−g]次に、再度、測定評価装置に
設置し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの
圧力に達した後、アセトンをスローリークバルブを開い
て、全圧が1.3×10-3Paとなるように測定評価装
置内に導入し、維持した。次にフォーミング処理した素
子に、図3(a)に示した波形で14Vの波高値で、素
子電極3に印加した。図中、T1及びT2は電圧波形の
パルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1m
sec、T2を10msecとした。素子電流Ifが約
20分でほぼ飽和したので、通電を停止した後、スロー
リークバルブを閉め、活性化工程を終了した。
【0189】こうして、本実施例による表面伝導型電子
放出素子を作製した。
【0190】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の測定評価装置を
用いて測定した。この測定は、超高真空排気装置を用い
て排気し、サンプル温度400℃、チャンバー温度20
0℃で、24時間加熱し、有機物質の汚染を極力排除し
た条件で行なった。
【0191】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kV、真空度は1.3×10-7Paとし
た。
【0192】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、素子電流If=3.0mA、放出電流Ie=4.5
μAであり、正常に動作した。
【0193】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、より低いフォーミング電力で電
子放出部を形成できた。
【0194】実施例2、3の素子を走査電子顕微鏡(S
EM)により観察したころ、両者とも電子放出部は素子
電極2、3の間で蛇行した形状で形成されていたが、蛇
行幅は実施例3の場合の方がはるかに小さかった。多数
の素子を作成する場合には実施例3による素子の方がよ
り均一な特性を示すと思われる。
【0195】(実施例4)本実施例では、[工程−a]
は実施例1と同様に素子電極2、3を形成した基板1を
作製した。
【0196】[工程−b]次に、洗浄した基板上にドデ
カカルボニル四イリジウムのジクロロメタン溶液をスピ
ンナーにより回転塗布した。なお、同一条件で、石英基
板上にIr錯体を成膜し、乾燥させたサンプルの抵抗値
を測定したところ、シート抵抗値は測定不能で、少なく
とも108 Ω/□以上であった。また、同一条件で成膜
し、300℃一定で10分間の加熱焼成処理したサンプ
ルを評価したところ、得られた薄膜はIrを主元素とし
てなり、膜厚は5nm、シート抵抗値は1×104 Ω/
□であった。
【0197】なお、この膜を室温から500℃まで昇温
しながらシート抵抗を測定したところ、抵抗は僅かに増
加したが、降温時の抵抗値は可逆的に戻っていた。
【0198】[工程−c]次に、Ir錯体よりなる有機
金属膜4aを形成した基板1を、レーザー加工機を用い
て、図1(b)に示す所望の形状に有機金属膜4aをト
リミングした(不図示)。
【0199】以上の工程により基板1上に、素子電極
2、3、有機金属膜4aを形成した。
【0200】[工程−d]次に、基板1をクリーンオー
ブン中に設置し、素子に素子電圧+Vfを印加するため
の不図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し
ながら、室温から250℃まで10℃/分のレートで昇
温し、通電処理(フォーミング)を行なった。なお、温
度が250℃に達した後、30分間そのまま電圧印加を
続け、電圧印加を終了後、自然冷却により室温に戻し
た。なお、通電処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示
したものである。
【0201】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、矩形波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は12Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4を流れる電流
を測定した。本実施例では、本工程中で測定された電流
値は最大10mAであり、250℃、30分経過時は、
1μA以下であった。
【0202】[工程−e]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの圧力
に達した後、アセトンをスローリークバルブを開いて全
圧が1.3×10-3Paとなるように測定評価装置内に
導入し、維持した。次にフォーミング処理した素子に、
図3(a)に示した波形で14Vの波高値で、素子電極
3に印加した。図中、T1及びT2は電圧波形のパルス
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1mse
c、T2を10msecとした。素子電流Ifが約20
分でほぼ飽和したので、通電を停止した後、スローリー
クバルブを閉め、活性化工程を終了した。
【0203】こうして、本実施例4による表面伝導型電
子放出素子を作製した。
【0204】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の評価系を用いて
測定した。この測定は、超高真空排気装置を用いて排気
し、サンプル温度400℃、チャンバー温度200℃で
24時間加熱し、有機物質の汚染を極力排除した条件で
行なった。
【0205】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kV、真空度は1.3×10-7Paとし
た。
【0206】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、If=2.2mA、Ie=4.0μAであり、正常
に動作した。
【0207】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、低いフォーミング電力で電子放
出部を形成できた。
【0208】(実施例5)本実施例では、[工程−d]
まで実施例3と同様に素子電極2、3、第一の導電性膜
4b′を形成した基板1を作製した。
【0209】[工程−e]次に、上記処理を施した基板
を測定評価装置から取り出し、ドデカカルボニル四イリ
ジウムのジクロロメタン溶液をスピンナーにより回転塗
布して、有機金属膜4aを形成した。なお、同一条件
で、石英基板上にIr錯体を成膜し、乾燥させたサンプ
ルの抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は測定不能
で、少なくとも108 Ω/□以上であった。また、同一
条件で成膜し、300℃一定で10分間の加熱焼成処理
したサンプルを評価したところ、得られた薄膜はIrを
主元素としてなり、膜厚は5nm、シート抵抗値は1×
104 Ω/□であった。
【0210】なお、この膜を室温から500℃まで昇温
しながらシート抵抗を測定したところ、抵抗は僅かに増
加したが、降温時の抵抗値は可逆的に戻っていた。
【0211】[工程−f]次に、Ir錯体よりなる有機
金属膜4aを形成した基板1を、レーザー加工機を用い
て、図2(a)に示す所望の形状に有機金属膜4aをト
リミングした(不図示)。
【0212】以上の工程により基板1上に、素子電極
2、3、有機金属膜4aを形成した。
【0213】[工程−g]次に、基板1をクリーンオー
ブン中に設置し、素子に素子電圧+Vfを印加するため
の不図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し
ながら、室温から250℃まで10℃/分のレートで昇
温し、通電処理(フォーミング)を行なった。なお、温
度が250℃に達した後、30分間そのまま電圧印加を
続け、電圧印加を終了後、自然冷却により室温に戻し
た。なお、通電処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示
したものである。
【0214】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は12Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4aないし4b
を流れる電流を測定した。本実施例では、本工程中で測
定された電流値は最大8mAであり、250℃、30分
経過時は、1μA以下であった。
【0215】[工程−h]次に、再度、測定評価装置に
設置し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの
圧力に達した後、アセトンをスローリークバルブを開い
て全圧が1.3×10-3Paとなるように測定評価装置
内に導入し、維持した。次にフォーミング処理した素子
に、図3(a)に示した波形で14Vの波高値で、素子
電極3に印加した。図中、T1及びT2は電圧波形のパ
ルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ms
ec、T2を10msecとした。素子電流Ifが約2
0分でほぼ飽和したので、通電を停止した後、スローリ
ークバルブを閉め、活性化工程を終了した。
【0216】こうして、実施例5による表面伝導型電子
放出素子を作製した。
【0217】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の測定評価装置を
用いて測定した。この測定は、真空オイルを使用しない
イオンポンプ等の超高真空排気装置を用いて排気し、サ
ンプル温度400℃、チャンバー温度200℃で24時
間加熱し、有機物質の汚染を極力排除した条件で行なっ
た。
【0218】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kV、真空度は1.3×10-7Paとし
た。
【0219】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、素子電流If=2.8mA、放出電流Ie=4.5
μAであり、正常に動作した。
【0220】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、より低いフォーミング電力で電
子放出部を形成できた。
【0221】(実施例6)本実施例では、[工程−b]
まで実施例2と同様に素子電極2、3、有機金属膜4a
を形成した基板1を作製した。
【0222】[工程−c]次に、基板1を真空ポンプに
よって減圧可能なバキュームオーブン中に設置し、一
度、10Pa程度まで排気した後、ヘリウムを流して、
雰囲気置換を行なった。その後、10PaのAr雰囲気
下で素子に素子電圧+Vfを印加するための不図示の電
源より、素子の素子電極3に電圧を印加しながら、室温
から350℃まで10℃/分のレートで昇温し、通電処
理(フォーミング)を行なった。なお、温度が350℃
に達した後、30分間そのまま電圧印加を続け、電圧印
加を終了後、自然冷却により室温に戻した。なお、通電
処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示したものであ
る。
【0223】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、矩形波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は14Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4aないし4b
を流れる電流を測定した。本実施例では、本工程中で測
定された電流値は最大6mAであり、350℃30分経
過時は、1.5mAであった。
【0224】同様に作製した観察用サンプルをSEMを
用いて観測したところ、電子放出部5の近傍に堆積物が
観察された。なお、この堆積物をオージェ電子分光測定
により元素分析したところ、カーボンを主元素としてな
るものであることがわかった。
【0225】比較のため、上記加熱通電工程を大気中で
行なった観察用サンプルをSEMを用いて観測したとこ
ろ、電子放出部5に堆積物は観測されなかった。
【0226】[工程−d]次に、測定評価装置に設置
し、上述の工程で作製した表面伝導型電子放出素子の電
子放出特性を測定した。この測定は、超高真空排気装置
を用いて排気し、サンプル温度400℃、チャンバー温
度200℃で24時間加熱し、圧力は1.3×10-7
aの条件で行なった。
【0227】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kVとした。
【0228】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、素子電流If=1.5mA、放出電流Ie=2.5
μAであり、正常に動作した。
【0229】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、低いフォーミング電力で電子放
出部を形成できた。また、フォーミングと活性化の処理
を同一工程で行うことができ、製造工程を簡略化するこ
とができた。
【0230】(実施例7)上記実施例6の[工程ーc]
を、実施例2の[工程ーd]を用いた真空装置中で、圧
力を一旦1.3×10-6Paまで下げた後、実施例6と
同様に加熱と電圧印加を行って実行した。それ以外は実
施例6と同様にした。フォーミング電力、素子の特性
は、実施例6の場合とほぼ同じであった。
【0231】また、上記の工程を実施例2の工程dと同
じ、アセトンを含有する雰囲気中で行い、350℃での
保持時間を実施例6の半分の15分としたところ、やは
りほぼ同様の結果を得た。これは雰囲気中のアセトンか
らも炭素が供給され、炭素及び/または炭素化合物の堆
積が速く進むためと思われる。
【0232】(実施例8)本実施例では、[工程−a]
は実施例1と同様に素子電極2、3を形成した基板1を
作製した。
【0233】[工程−b]次に、洗浄した基板上にヘキ
サカルボニルビス(η−シクロペンタジエニル)二タン
グステンのクロロホルム溶液をスピンナーにより回転塗
布した。なお、同一条件で、石英基板上にW錯体を成膜
し、乾燥させたサンプルの抵抗値を測定したところ、シ
ート抵抗値は測定不能で、少なくとも108 Ω/□以上
であった。また、同一条件で成膜し、アルゴン雰囲気下
で300℃一定で10分間の加熱処理したサンプルを評
価したところ、得られた薄膜はWを主元素としてなり、
膜厚は5nm、シート抵抗値は1×10-3Ω/□であっ
た。
【0234】なお、この膜を室温から500℃まで昇温
しながらシート抵抗を測定したところ、抵抗は僅かに増
加したが、降温時の抵抗値は可逆的に戻っていた。
【0235】[工程−c]次に、W錯体よりなる有機金
属膜4aを形成した基板1を、レーザー加工機を用い
て、図1(b)に示す所望の形状に有機金属膜4aをト
リミングした(不図示)。
【0236】以上の工程により基板1上に、素子電極
2、3、有機金属膜4aを形成した。
【0237】[工程−d]次に、基板1をバキュームオ
ーブン中に設置し、一度、10Pa程度まで排気した
後、ヘリウムを大気圧になるまで導入し、雰囲気置換を
行なった。その後、素子に素子電圧+Vfを印加するた
めの不図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加
しながら、室温から300℃まで10℃/分のレートで
昇温し、通電処理(フォーミング)を行なった。なお、
温度が300℃に達した後、30分間そのまま電圧印加
を続け、電圧印加を終了後、自然冷却により室温に戻し
た。なお、通電処理の電圧Vfの波形は図3(a)に示
したものである。
【0238】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、矩形波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は14Vとして、フォーミング処理を行な
った。また、フォーミング処理中は、膜4aないし4b
を流れる電流を測定した。本実施例では、本工程中で測
定された電流値は最大10mAであり、300℃、30
分経過時は、1.0mAであった。
【0239】同様に作製した観察用サンプルをSEMを
用いて観測したところ、電子放出部5の近傍に堆積物が
観察された。なお、この堆積物をオージェ電子分光測定
により元素分析したところ、カーボンを主元素としてな
るものであることがわかった。
【0240】比較のため、上記加熱通電工程を大気中で
行なった素子を作製したところ、フォーミングは起こら
ず、電子放出部5は形成されなかった。
【0241】[工程−e]次に、測定評価装置に設置
し、上述の工程で作製した表面伝導型電子放出素子の電
子放出特性を測定した。この測定は、真空オイルを使用
しないイオンポンプ等の超高真空排気装置を用いて排気
し、サンプル温度400℃、チャンバー温度200℃で
24時間加熱し、圧力は1.3×10-7Paの条件で行
なった。
【0242】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kVとした。
【0243】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本実施例の素
子は、素子電流If=1.0mA、放出電流Ie=2.0
μAであり、正常に動作した。
【0244】本実施例の素子は、高温の加熱処理に対す
る耐熱性が高く、また、低いフォーミング電力で電子放
出部を形成できた。また、工程も実施例6と同様に簡略
化できた。
【0245】(比較例1)有機金属膜4aの加熱焼成工
程で通電を行なわない以外は、[工程−e]まで、実施
例1と同様に、基板1上に、素子電極2、3、導電性膜
4bを形成した。
【0246】[工程−f]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの圧力
に達した後、素子に素子電圧+Vfを印加するための不
図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し、通
電フォーミングを行なった。通電フォーミング処理の電
圧波形は図3(b)に示したものである。
【0247】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本比較例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は0.1Vステップで昇圧し、フォーミン
グ処理を行なった。また、フォーミング処理中は、同時
に、0.1Vの電圧で、T2間に抵抗測定パルスを挿入
し、抵抗を測定した。尚フォーミング処理の終了は、抵
抗測定パルスでの測定値が、約1MΩ以上になった時と
し、素子への電圧の印加を終了した。このときのフォー
ミング電圧は、10.5Vで、フォーミング中に観測さ
れた最大電流は50mAであった。
【0248】[工程−g]続いて、アセトンをスローリ
ークバルブを開いて全圧が1.3×10-3Paとなるよ
うに測定評価装置内に導入し、維持した。次にフォーミ
ング処理した素子に、図3(a)に示した波形で14V
の波高値で、素子電極3に印加した。図中、T1及びT
2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、本比較例
ではT1を1msec、T2を10msecとした。素
子電流Ifは約20分でほぼ飽和したので、通電を停止
した後、スローリークバルブを閉め、活性化工程を終了
した。
【0249】こうして、比較例1による表面伝導型電子
放出素子を作製した。
【0250】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の測定評価装置を
用いて測定した。この測定は、超高真空排気装置を用い
て排気し、サンプル温度400℃、チャンバー温度20
0℃で24時間加熱し、有機物質の汚染を極力排除した
条件で行なった。
【0251】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を4kV、圧力は1.3×10-7Paとした。
【0252】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本比較例の素
子は、素子電流If=2.0mA、放出電流Ie=3.
6μAであり、正常に動作した。
【0253】本比較例の素子は、正常な電子放出特性が
得られたものの、実施例1に比較して5倍程度のフォー
ミング電力を必要とした。
【0254】(比較例2) [工程−e]比較例1と同様に、基板1上に、素子電極
2、3、導電性膜4bを形成したが、導電性膜4bの膜
厚が10nmとなるように有機Pdの成膜条件を調整し
た。
【0255】なお、導電性膜4bと同様に作製した評価
用の膜を室温から500℃まで昇温しながらシート抵抗
を測定したところ、230℃付近で抵抗が急激に上昇
し、400℃では測定不能であった。また、この膜を室
温に戻しても抵抗は増大したままであった。
【0256】[工程−f]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-3Paの圧力
に達した後、素子に素子電圧+Vfを印加するための不
図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し、通
電フォーミングを行なった。通電フォーミング処理の電
圧Vfの波形は図3(b)に示したものである。
【0257】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本比較例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、矩形波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は0.1Vステップで昇圧し、フォーミン
グ処理を行なった。また、フォーミング処理中は、同時
に、0.1Vの電圧で、T2間に抵抗測定パルスを挿入
し、抵抗を測定した。尚フォーミング処理の終了は、抵
抗測定パルスでの測定値が、約1MΩ以上になった時と
し、同時に素子への電圧の印加を終了した。このときの
フォーミング電圧は、10.8Vで、フォーミング中に
観測された最大電流は12mAであった。
【0258】[工程−g]続いて、アセトンをスローリ
ークバルブを開いて全圧が1.3×10-3Paとなるよ
うに真空内に導入し、維持した。次にフォーミング処理
した素子に、図3(a)に示した波形で14Vの波高値
で、素子電極3に印加した。図中、T1及びT2は電圧
波形のパルス幅とパルス間隔であり、本比較例ではT1
を1msec、T2を10msecとした。素子電流I
fが約20分でほぼ飽和したので、通電を停止した後、
スローリークバルブを閉め、活性化工程を終了した。
【0259】こうして、比較例2による表面伝導型電子
放出素子を作製した。
【0260】さらに、上述の工程で作製した表面伝導型
電子放出素子の電子放出特性を、上述の測定評価装置を
用いて測定した。この測定は、超高真空排気装置を用い
て排気し、サンプル温度200℃、チャンバー温度20
0℃で24時間加熱し、有機物質の汚染を排除した条件
で行なった。
【0261】なお、図5におけるアノード電極54と表
面伝導型電子放出素子の距離を5mmとし、アノード電
極の電位を1kV、圧力は1.3×10-6Paとした。
【0262】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。本比較例の素
子は、素子電流If=1.8mA、放出電流Ie=1.7
μAであり、正常に動作した。また、連続して動作させ
ることにより放出電流Ieの低下は実施例2と比べて早
いことがわかった。
【0263】また、同様に作製した素子を、サンプル温
度400℃、チャンバー温度200℃で24時間加熱し
て、有機物質の汚染を極力排除し、アノード電極の電位
を4kV、圧力は1.0×10-7Paとして、同様の評
価をした。
【0264】表面伝導型電子放出素子の素子電極2、3
間に14Vの素子電圧を印加し、そのときに流れる素子
電流Ifおよび放出電流Ieを測定した。この素子は、
測定開始時には、素子電流If=1.8mA、放出電流
Ie=3.4μAであったが、測定中にIf、Ieとも
に減少し、10分後には放出電流が観測されなくなっ
た。
【0265】本比較例の素子は、実施例1に比べ大きな
フォーミング電力を要し、かつ高温での処理を行なった
場合、正常な電子放出特性を示すことができなかった。
【0266】(比較例3)有機金属膜4aの加熱焼成工
程で通電を行なわない以外は、[工程−e]まで、実施
例4と同様に、基板1上に、素子電極2、3、導電性膜
4bを形成した。
【0267】[工程−f]次に、測定評価装置に設置
し、真空ポンプにて排気し、1.3×10-6Paの圧力
に達した後、素子に素子電圧+Vfを印加するための不
図示の電源より、素子の素子電極3に電圧を印加し、通
電フォーミングを試みた。通電フォーミング処理の電圧
Vfの波形は図3(b)に示したものである。
【0268】図中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本比較例ではT1を1msec、
T2を10msecとし、矩形波の波高値(フォーミン
グ時の電圧)は0.1Vステップで昇圧し、フォーミン
グ処理を試みたが、30Vまで昇圧してもフォーミング
は起こらなかった。
【0269】本比較例の素子は、通常の条件でのフォー
ミングはできなかった。
【0270】(実施例9)本実施例は、多数の表面伝導
型電子放出素子を単純マトリクス配置した画像形成装置
の例である。
【0271】電子源の一部の平面図を図15に示す。ま
た、図中のA−A′断面図を図16に示す。但し図1
5、図16で、同じ記号を示したものは、同じものを示
す。ここで91は基板、92は図9のDxmに対応する
X方向配線(下配線とも呼ぶ)、93は図9のDynに
対応するY方向配線(上配線とも呼ぶ)、4bは導電性
膜、5は電子放出部、2,3は素子電極、161は層間
絶縁層、162は、素子電極2と下配線92と電気的接
続のためのコンタクトホールである。
【0272】次に製造方法を図17、図18により工程
順に従って具体的に説明する。
【0273】[工程−a]清浄化した青板ガラス上に厚
さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した
基板1上に、真空蒸着により厚さ5nmのCr、厚さ
0.6μmのAuを順次積層した後、ホトレジスト(A
Z1370ヘキスト社製)をスピンナーにより回転塗
布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像して、下
配線92のレジストパターンを形成し、Au/Cr堆積
膜をウェットエッチングして、所望の形状の下配線92
を形成する(図17(a))。
【0274】[工程−b]次に厚さ1μmのシリコン酸
化膜からなる層間絶縁層161をRFスパッタ法により
堆積する(図17(b))。
【0275】[工程−c]つぎに、[工程−b]で堆積
したシリコン酸化膜にコンタクトホール162を形成す
るためのホトレジストパターンを作り、これをマスクと
して層間絶縁層161をエッチングコンタクトホール1
62を形成する(図17(c))。エッチングはCF4
とH2 ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法
によった。
【0276】[工程−d]その後、素子電極2と素子電
極間ギャップLとなるべきパターンをホトレジスト(R
D−2000N−41 日立化成社製)形成し、真空蒸
着法により、厚さ5nmのTi、厚さ0.1μmのNi
を順次堆積した。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶
解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔
L=3μm、素子電極の幅W=0.3mmを有する素子
電極2,3を形成した(図17(d))。
【0277】以下の工程を図18に示す。
【0278】[工程−e]素子電極2,3の上に上配線
93のホトレジストパターンを形成した後、厚さ5nm
のTi、厚さ0.5μmのAuを順次真空蒸着により堆
積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の
形状の上配線93及びコンタクトホール162を形成し
た(図18(a))。
【0279】[工程−f]コンタクトホール162部分
以外にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真
空蒸着により厚さ5nmのTi、厚さ0.5μmのAu
を順次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除去す
ることにより、コンタクトホール162を埋め込んだ
(図18(b))。
【0280】[工程−g]次に、素子電極2,3を形成
した基板上に有機金属膜4aを以下の方法で形成した。
【0281】まず、酢酸パラジウムモノエタノールアミ
ン3.2グラムにエチレングリコール1グラムとポリビ
ニルアルコール0.05グラム、さらに25グラムのI
PAを加え、全量100グラムとなるように水を加えて
溶液を調整した。この溶液を、バブルジェット方式のイ
ンクジェット装置を用い、所望の位置、すなわち図18
(c)に示す位置に塗布した。なお、同一条件で、石英
基板上に有機Pdを塗布したサンプルの抵抗値を測定し
たところ、シート抵抗値は測定不能で、少なくとも10
8 Ω/□以上であった。また、同一条件で塗布し、35
0℃一定で15分間の加熱焼成処理したサンプルを評価
したところ、得られた薄膜はPdを主元素としてなり、
膜厚は120nm、シート抵抗値は1.5×102 Ω/
□であった。
【0282】以上の工程により基板1上に、素子電極
2,3、有機金属膜4aを形成した。
【0283】[工程−h]次に、基板1をクリーンオー
ブン中に設置し、素子に素子電圧+Vfを印加するため
の不図示の電源より、全素子の素子電極3に同時に電圧
を印加しながら、室温から350℃まで10℃/分のレ
ートで昇温し、通電処理(フォーミング)を行なった
(図18(d))。なお、温度が350℃に達した後、
15分間そのまま電圧印加を続け、電圧印加を終了後、
自然冷却により室温に戻した。なお、通電処理の電圧V
fの波形は図3(a)に示したものである。
【0284】本実施例ではT1を1msec、T2を1
0msecとして、三角波の波高値(フォーミング時の
電圧)は12Vとし、フォーミング処理を行なった。
【0285】本発明では、従来のフォーミング手法に比
べ、フォーミング中に瞬間的に投入される電力が小さ
く、電源や配線等への負荷が少ないため多くの素子を同
時にフォーミングすることが可能となった。
【0286】以上の工程により絶縁性基板1上に下配線
92、層間絶縁層161、上配線93、素子電極2,
3、導電性膜4bを形成した。
【0287】つぎに、以上のようにして作製した電子源
を用いて表示装置を構成した例を、図9と図10を用い
て説明する。
【0288】以上のようにして多数の平面型表面伝導電
子放出素子を作製した基板1をリアプレート101上に
固定した後、基板1の5mm上方に、フェースプレート
106(ガラス基板103の内面に蛍光膜104とメタ
ルバック105が形成されて構成される)を支持枠10
2を介し配置し、フェースプレート106、支持枠10
2、リアプレート101の接合部にフリットガラスを塗
布し、大気中で400℃で10分焼成することで封着し
た(図10)。またリアプレート101への基板1の固
定もフリットガラスで行なった。
【0289】図10において、94は電子放出素子、9
2,93はそれぞれX方向及びY方向の素子配線であ
る。
【0290】蛍光膜104は、モノクロームの場合は蛍
光体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ
形状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その
間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜104を作製し
た。ブラックストライプの材料として通常良く用いられ
ている黒鉛を主成分とする材料を用いた。ガラス基板1
03に蛍光体を塗布する方法はスラリー法を用いた。
【0291】また、蛍光膜104の内面側には通常メタ
ルバック105が設けられる。メタルバック105は、
蛍光膜104を製作後、蛍光膜104の内面側表面の平
滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その
後、A1を真空蒸着することで作製した。
【0292】フェースプレート106には、更に蛍光膜
104の導伝性を高めるため、蛍光膜94の外面側に透
明電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例
では、メタルバック105のみで十分な導伝性が得られ
たので省略した。
【0293】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行なった。
【0294】以上のようにして完成したガラス容器(以
下、「パネル」と呼ぶ)内の雰囲気を排気管(図示せ
ず)を通じ真空ポンプにて排気し、パネル内の圧力が1
-6Pa台まで達した後、パネルの排気管よりアセトン
をスローリークバルブを開いて全圧が1.3×10-3
aとなるようにパネル内に導入し、維持した。次にフォ
ーミング処理した素子に、図3(a)に示した波形で1
4Vの波高値で、素子電極3に印加した。図中、T1及
びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、本実
施例ではT1を1msec、T2を100msecとし
た。素子電流Ifは約30分でほぼ飽和したので、通電
を停止した後、スローリークバルブを閉め、活性化工程
を終了した。
【0295】次にパネル温度300℃で24時間加熱す
ることで有機物質の汚染を極力排除し、10-7Pa程度
の圧力まで排気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱
することで溶着しパネルの封止を行なった。
【0296】最後に封止後の圧力を維持するために、高
周波加熱法でゲッター処理を行なった。
【0297】以上のように完成した本実施例の画像表示
装置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1
ないしDxm、Dy1ないしDynを通じ、走査信号及
び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ、印加
することにより、電子放出させ、高圧端子107を通
じ、メタルバック105、あるいは透明電極(不図示)
に数kV以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍
光膜104に衝突させ、励起・発光させることで画像を
表示した。
【0298】本実施例における画像表示装置は、良好な
画像を長時間にわたって安定に表示することができた。
【0299】(実施例10)本実施例では、実施例8の
画像形成装置を、例えばテレビジョン放送をはじめとす
る種々の画像情報源より提供される画像情報を表示でき
るように構成した表示装置の一例を示す。図10に示し
た画像形成装置を図12に示した駆動回路を用いて、N
TSC方式のテレビ信号に応じて表示を行なった。
【0300】本画像形成装置においては、とりわけ表面
伝導型放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネ
ルの薄形化が容易なため、画像形成装置の奥行きを小さ
くすることができる。それに加えて、表面伝導型放出素
子を電子ビーム源とするディスプレイパネルは大画面化
が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本画像
形成装置は臨場感にあふれ迫力に富んだ画像を視認性良
く表示する事が可能である。
【0301】本実施例における画像形成装置は、NTS
C方式のテレビ信号に応じたテレビ画像を良好に、かつ
長時間安定して表示することができた。
【0302】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の表面伝導型
を代表とする電子放出素子によれば、高温のプロセスに
耐える電子放出素子が得られると同時に、その耐熱性に
よって良好な電子放出特性を長時間にわたり保持し得る
電子放出素子を提供できる。
【0303】さらには、入力信号に応じて電子を放出す
る電子源においては、上記の電子放出素子を、基体上に
複数個配置して電子源を構成することにより、また、個
々の素子の両端を配線に接続した電子放出素子の行を複
数もち、更に、変調手段を有している配置法、あるい
は、基体に、互いに、電気的に、絶縁されたm本のX方
向配線とn本のY方向配線とに、該電子放出素子の一対
の素子電極とを接続した電子放出素子を複数個配列した
配置とする電子源に本発明を適用することで、フォーミ
ング電力を減縮してフォーミング工程が容易になり、高
温のプロセスに耐えるとともに、各電子放出素子が、良
好な電子放出特性を長時間にわたり保持し得る電子源を
提供できる。
【0304】また、画像形成装置においては、画像形成
部材と前記電子源より構成され、入力信号に基づいて画
像を形成するため、電子放出特性の安定性と寿命の向上
がなされ、例えば蛍光体を画像形成部材とする画像形成
装置においては、高品位な画像形成装置例えば、カラー
フラットテレビが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な表面伝導型電子放出素子の製造
方法の一例の工程図である。
【図2】本発明に好適な表面伝導型電子放出素子の製造
方法の一例の工程図である。
【図3】本発明に好適な通電フォーミングの電圧波形図
の例である
【図4】本発明を説明する導電性膜の特性図である。
【図5】電子放出特性を測定するための測定評価装置の
概略構成図である。
【図6】本発明に好適な表面伝導型電子放出素子の放出
電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典
型的な例である。
【図7】本発明に好適な基本的な表面伝導型放出素子の
構成を示す模式的平面図及び断面図である。
【図8】本発明に好適な基本的な垂直型表面伝導型電子
放出素子の構成を示す模式図である。
【図9】本発明に好適な単純マトリクス配置の電子源で
ある。
【図10】本発明に好適な画像形成装置の表示パネルの
概略構成図である。
【図11】本発明に好適な蛍光膜の平面図である。
【図12】本発明に好適な画像形成装置をNTSC方式
のテレビ信号に応じて表示を行なう例の駆動回路のブロ
ック図である。
【図13】本発明に好適な梯配置の電子源の概略図であ
る。
【図14】本発明に好適な画像形成装置の表示パネルの
概略構成図である。
【図15】本発明による実施例9によるマトリックスパ
ネルの部分平面図である。
【図16】本発明による実施例9による表面伝導型電子
放出素子の断面図である。
【図17】本発明による実施例9による電子源の製法図
である。
【図18】本発明による実施例9による電子源の製法図
である。
【図19】従来の表面伝導電子放出素子の平面図であ
る。
【図20】従来の表面伝導電子放出素子を用いた画像形
成装置の表示パネルの概略構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4a 有機金属膜 4b (第2の)導電性膜 5 電子放出部 4′b 第1の導電性膜 5′ 亀裂 50 素子電極2、3間の導電性薄膜を流れる素子電
流Ifを測定するための電流計 51 電子放出素子に素子電圧Vfを印加するための
電源 52 素子の電子放出部より放出される放出電流Ie
を測定するための電流計 53 アノード電極54に電圧を印加するための高圧
電源 54 アノード電極 55 真空容器 56 排気ポンプ 81 段さ形成部 91 基板 92 X方向配線 93 Y方向配線 94 表面伝導型電子放出素子 95 結線 101 リアプレート 102 支持枠 103 ガラス基板 104 蛍光膜 105 メタルバック 106 フェースプレート 107 高圧端子 108 外囲器 111 黒色導電材 112 蛍光体 121 表示パネル 122 走査回路 123 制御回路 124 シフトレジスタ 125 ラインメモリ 126 同期信号分離回路 127 変調信号発生器 130 電子源基板 131 電子放出素子 132 Dx1〜Dx10は、前記電子放出素子を配
線するための共通配線 140 グリッド電極 141 電子が通過するための空孔 142 Dox1、Dox2、…、Doxmよりなる
容器外端子 143 グリッド電極130と接続されたG1、G
2、…、Gnからなる容器外端子 144 電子源基板 161 層間絶縁層 162 コンタクトホール 201 電子源基板 202 リアプレート 203 フェースプレート 204 蛍光膜 205 メタルバック 206 支持枠 207 外囲器 208 高圧端子 VxおよびVa 直流電圧源

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出部を有する導電性膜と、この導
    電性膜と電気的に接続された対向する一対の素子電極と
    を有する電子放出素子の製造方法において、 (a)上記導電性膜を構成する物質の前駆体である有機
    金属化合物あるいは錯体よりなる膜を上記素子電極に接
    続して設ける工程と、 (b)上記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜に上
    記素子電極を介して電圧を印加しながら、該有機化合物
    あるいは錯体の分解温度以上に保持し、該有機金属化合
    物あるいは錯体よりなる膜を前記電子放出部を有する導
    電性膜とする工程と、を有することを特徴とする電子放
    出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記対向する素子電極間に、第一の導電
    性膜を形成する工程と、該第一の導電性膜の一部に亀裂
    を形成する工程とを行なった後、該第一の導電性膜に重
    ねて上記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を形成
    する工程と、前記素子電極間に電圧を印加しながら、該
    有機化合物あるいは錯体の分解温度以上に保持し、該有
    機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を前記電子放出部
    を有する第二の導電性膜とする工程と、を有することを
    特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第一の導電性膜に亀裂を形成する工
    程は、上記素子電極間にパルス電圧を印加して行なうこ
    とを特徴とする請求項2に記載の電子放出素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    電子放出素子の製造方法であって、 少なくとも一対の前記素子電極を形成する工程と、 前記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜を形成する
    工程と、 前記有機金属化合物あるいは錯体よりなる膜に通電する
    とともに加熱分解を施す工程と、 活性化工程と、 を備えてなる電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記有機金属化合物あるいは錯体よりな
    る膜に通電するとともに加熱分解を施す工程は、酸化性
    雰囲気中で行なわれ、その後、上記活性化工程は有機物
    質を含む雰囲気中で行なわれることを特徴とする請求項
    4に記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記有機金属化合物あるいは錯体よりな
    る膜に通電するとともに加熱分解を施す工程は、不活性
    ガス雰囲気中ないし真空中で行なわれ、該工程が活性化
    工程を兼ねることを特徴とする請求項4に記載の電子放
    出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記有機金属化合物あるいは錯体よりな
    る膜に通電するとともに加熱分解を施す工程は、有機物
    質を含む雰囲気中で行なわれ、該工程が活性化工程を兼
    ねることを特徴とする請求項4に記載の電子放出素子の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 電子放出部を有する導電性膜と、これに
    電気的に接続された対向する一対の素子電極を有する電
    子放出素子を複数基体上に配置して成る電子源の製造方
    法であって、 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子放出素子の
    製造方法により上記電子放出素子を作成することを特徴
    とする電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 電子放出部を有する導電性膜と、これに
    電気的に接続された対向する一対の素子電極を有する電
    子放出素子を複数基体上に配置して成る電子源と、該電
    子源より放出される電子ビームの照射により発光して画
    像を形成する画像形成部材を真空容器に内包してなる画
    像形成装置の製造方法であって、 請求項8に記載の電子源の製造方法により上記電子源を
    作成することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 電子放出部を有する導電性膜と、この
    導電性膜と電気的に接続された対向する一対の素子電極
    とを有し、さらに少なくとも該電子放出部に炭素及び/
    又は炭素化合物を主成分とする被膜を有してなる電子放
    出素子であって、 該導電性膜の電気抵抗が室温から摂氏500度までの温
    度上昇に対して非可逆な増加を起こさないことを特徴と
    する電子放出素子。
  11. 【請求項11】 上記導電性膜の熱凝集温度が摂氏50
    0度以上であることを特徴とする請求項10に記載の電
    子放出素子。
  12. 【請求項12】 電子放出部を有する導電性膜と、この
    導電性膜と電気的に接続された対向する一対の素子電極
    とを有し、さらに少なくとも該電子放出部に炭素及び/
    又は炭素化合物を主成分とする被膜を有してなる電子放
    出素子であって、 該導電性膜が少なくとも下層と上層を有する積層構造を
    成し、該積層構造の膜の電気抵抗が室温から摂氏500
    度までの温度上昇に対して非可逆な増加を起こさないこ
    とを特徴とする電子放出素子。
  13. 【請求項13】 上記積層構造の膜を構成する下層以外
    の層の少なくとも一層の熱凝集温度が摂氏500度以上
    であることを特徴とする請求項12に記載の電子放出素
    子。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至13のいずれか1項に
    記載の電子放出素子を複数有し、それらを電気的に接続
    するための配線を基体上に設けて成ることを特徴とする
    電子源。
  15. 【請求項15】 真空容器内に、請求項14に記載の電
    子源と、該電子源に対向して配置され、該電子源より放
    出される電子によって照射されて画像を形成する画像形
    成部材とを有して成ることを特徴とする画像形成装置。
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