JPH11195374A - 電子源の製造方法及び画像形成装置の製造方法及び電子源の製造装置 - Google Patents
電子源の製造方法及び画像形成装置の製造方法及び電子源の製造装置Info
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- JPH11195374A JPH11195374A JP26150898A JP26150898A JPH11195374A JP H11195374 A JPH11195374 A JP H11195374A JP 26150898 A JP26150898 A JP 26150898A JP 26150898 A JP26150898 A JP 26150898A JP H11195374 A JPH11195374 A JP H11195374A
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Abstract
縮、もしくは製造コストの低減を図る。 【解決手段】 電子放出部に堆積物を堆積させる工程と
して、電子放出素子が設置される空間に、有機物質を含
む気体を粘性流領域まで導入して、堆積を行う工程を用
いる。
Description
する電子源の製造方法、画像形成装置の製造方法、及び
これらの製造装置に関する。
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放
出方(以下、「FE型」という。)や、金属/絶縁層/
金属型(以下、「MIM型」という。)や、表面伝導型
電子放出素子等がある。
W.W.Dolan,“Fieldemissio
n”,Advance in Electoron P
hysics,8,89(1956)、あるいはC.
A.Spindt,“PHYSICAL Proper
ties of thin−film field e
mission cathodes with mol
ybdenium cones”,J.Appl.Ph
ys.,47,5248(1976)等に開示されたも
のが知られている。
d,“Operation of Tunnel−Em
ission Devices”,J.Apply.P
hys.,32,646(1961)等に開示されたも
のが知られている。
M.I.Elinson,Recio Eng.Ele
ctron Phys.,10,1290(1965)
等に開示されたものがある。
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]、In2 O3 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”519(1975)]、カーボン薄
膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、
22頁(1983)]等が報告されている。
な例として、前述のM.ハートウェルの素子構成を図1
6に模式的に示す。同図において1は基板、2、3は素
子電極である。4は導電性薄膜で、H型形状のパターン
に、スパッタで形成された金属酸化物薄膜等からなり、
後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により電子
放出部5が形成される。尚、図中の素子電極間隔L1
は、0.5〜1mm、W′は、0.1mmで設定されて
いる。
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4に、予め通
電フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部
5を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミ
ングとは前記導電性薄膜4両端に直流電圧あるいは非常
にゆっくりとした昇電圧例えば1V/分程度を印加通電
し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成す
ることである。
に亀裂等が発生しその亀裂等の付近から電子放出が行わ
れる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子
放出素子は、上述の導電性薄膜4に電圧を印加し、素子
に電流を流すことにより、上述の電子放出部5より電子
を放出せしめるものである。
単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数
素子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を
生かせるようないろいろな応用が研究されている。例え
ば、荷電ビーム源、表示装置等があげられる。多数の表
面伝導型電子放出素子を配列形成した例としては、後述
する様に、並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個
々の素子の両端を配線(共通配線とも呼ぶ)で、それぞ
れ結線した行を多数行配列した電子源があげられる(例
えば、特開昭64−031332号公報、特開平1−2
83749号公報、特開平2−257552号公報
等)。
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRT
に替わって、普及してきたが、自発光型でないため、バ
ックライトを持たなければならない等の問題点があり、
自発光型の表示装置の開発が、望まれてきた。自発光型
表示装置としては、表面伝導型電子放出素子を多数配置
した電子源と電子源より放出された電子によって、可視
光を発光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置であ
る画像形成装置が、挙げられる(例えば、USP.50
66883)。
典型例として図2に模式的に示す構成を有する表面伝導
型電子放出素子およびそれを用いた画像形成装置を提案
している。この電子放出素子及び画像形成装置の構成及
び製造方法の詳細については、例えば特開平7−235
255号公報、特開平7−235275号公報、特開平
8−171849号公報などに記載されている。以下で
はその要点を簡単に説明する。
上に対向する一対の素子電極2,3と、該素子電極2,
3に接続されその一部に電子放出部5を有する導電性膜
4とを有してなる素子である。該電子放出部5は、上記
導電性膜4の一部が、破壊・変形ないし変質され、高抵
抗となった部分であり、該電子放出部には、導電性膜に
亀裂が形成されており、該亀裂付近から電子が放出され
る。また、電子放出部及びその周辺には、少なくとも炭
素を含む堆積膜が形成されている。
(フォーミング工程)で電子放出部を好ましい状態に形
成するためには、導電性微粒子により構成されたもので
あることが好ましい。
に説明する。
トリソグラフィー技術など、適当な方法により、素子電
極2,3を形成する(図4(A))。
の材料を、真空蒸着、スパッタリング等の方法で成膜
し、パターニングしても良いし、導電性膜の原料を含ん
だ液体を塗布するなどの方法でも良い。
し、これを熱分解して金属、あるいは金属酸化物とする
方法が適用できる。このとき適当な条件で処理すれば、
微粒子膜とすることができる。
状にパターニングしても良いが、特開平9−69334
号公報に記載されているように、インクジェット装置な
どにより、所望の形状に上記原料液体を付与して、熱分
解すれば、パターニングの工程なしに所望の形状の導電
性膜が得られる。
は、上記素子電極2,3間に電圧を印加し、導電性膜4
に電流を流して、導電性膜の一部を変形・変質させる方
法(通電フォーミング処理)を適用することができる。
このとき印加する電圧は、パルス電圧であることが好ま
しい。パルス電圧の波形は、図5(A)に示すように、
波高値を一定とする方法、図5(B)に示すように、波
高値を時間とともに漸増させる方法のいずれも適用でき
る。また、両方を適当に組み合わせても良い。また、フ
ォーミングのための上記パルスの休止期間中(パルスと
パルスの間)に、十分に低い波高値のパルスを挿入して
抵抗値を測定し、電子放出部の形成により抵抗値が十分
上昇したところで、例えば抵抗値が1MΩを越えたとこ
ろで、パルスの印加を終了するようにするのが望まし
い。
ャンバー内に設置し、チャンバー内を排気して行う。こ
のとき真空チャンバー内は、排気装置により排気した状
態、これに酸化性のガスを導入した状態、還元性のガス
を導入した状態などいずれの状態とすることも可能であ
り、導電性膜の材質などの条件に応じて適当な状態を採
用する。
上記の工程(フォーミング工程)で形成された電子放出
部付近に、少なくとも炭素を含む堆積物を堆積させ被膜
を形成する工程で、これにより放出される電子の量が大
幅に増大する。この処理は、通常素子を真空チャンバー
内に設置し、チャンバー内を排気して行い、電子放出素
子の一対の素子電極の間にパルス電圧を印加することに
より、真空中に低い分圧で存在する有機物質を分解・重
合して少なくとも炭素を含む堆積物として堆積させるこ
とにより行う。上記の有機物質は、真空チャンバー内を
排気した後、適当な物質を導入しても良いし、排気装置
として油拡散ポンプなど適当な装置を用い、この装置か
ら真空チャンバーへ拡散する有機物質を用いても良い。
れは、電子放出素子自体やその周辺、あるいは電子放出
素子を動作させる真空容器の壁面に吸着した有機物質の
分子を、十分に除去することにより、これ以降電子放出
素子を駆動しても更なる少なくとも炭素を含む堆積物が
堆積せず、従って電子放出素子の特性が安定するように
行う工程である。
真空チャンバー内に設置し(上記活性化工程に引き続き
行っても良い)、イオンポンプなどのオイルフリーの排
気装置を用いて排気を行いながら、電子放出素子及び真
空チャンバー自体を加熱する。これは、電子放出素子や
真空チャンバー内壁に吸着した有機物質分子などを温度
を上げることにより脱離させ、十分に除去するためであ
る。これと同時に、あるいは加熱を終了した後に、排気
を続けながら電子放出素子に駆動電圧を与えて電子を放
出させることにより、さらに効果が上がる場合もある。
また、活性化工程で導入する有機物質の種類などの条件
によっては、真空チャンバー内を高真空にして電子放出
素子を駆動することで、同様の効果が得られる場合もあ
る。それぞれの場合の条件に応じて、適当な方法で該安
定化処理を行う。
放出素子の動作特性の典型例を図13に模式的に示す。
図7は、素子に印加する電圧Vf に対する電子を流れる
電流(素子電流)If と、電子放出に伴う電流(放出電
流)Ie の関係を示す。なお、Ie の値はIf に比べ、
極めて小さいため、それぞれ任意目盛で示してある。た
だし、いずれの目盛もリニアスケールである。図からわ
かるように、放出電流Ie はVf に対し明瞭な閾値(V
th)を有する非線形特性を示す。Vf がVth以下では、
実質的にIe はゼロであり、Vf がVthを越えるとIe
は急激に上昇する。図7では、If もIe と同様に、V
f に対する閾値を持ち、閾値以上のVfに対しIf が単
調増加する場合(MI特性)を示したが、製造工程や、
測定条件によっては、If が電圧制御型負性抵抗を示す
場合(VCNR特性)もある。VCNR特性を示す場合
は、そのIf −Vf 特性は安定ではなく、この場合にも
Ie はMI特性を示すが、やはり安定ではない。この場
合、例えば特開平7−235275号公報に開示されて
いるように、安定化工程を施すことにより、安定なMI
特性を示す様にすることができる。
閾値を有する非線形な対応があるため、基体上にこの電
子放出素子を複数配置し、マトリクス状に配線して、所
望の電子放出素子のみから電子放出を行わせることがで
き、単純マトリクス駆動が可能となる。
源を用いた画像形成装置は、該電子源と、画像形成部材
をガラスなどにより構成される真空容器に内包したもの
である。この電子源の作成も上記の工程と基本的には同
様の方法で行う。ただし、真空チャンバーを用いる代わ
りに、導電性膜の形成を行った電子源を、画像形成部材
とともに、上記ガラスなどにより構成される真空容器に
内包させ、これの内部を排気して、フォーミング、活性
化、安定化の各工程を行うことができる。このようにす
ると、画像形成装置を製造するための特別の真空チャン
バーを用いる必要がなく、簡易な装置により製造するこ
とができる。
多数の電子放出素子を集積して用いるものであるため、
形成されたすべての電子放出素子が正常に動作する電子
源を、歩留まり良く製造するのは、高度な技術である。
上記のように、電子源を真空容器内に内包させてから各
種工程を行う場合、途中で不良が発生しても、これを修
復することはほぼ不可能である。従って、非常に多くの
電子放出素子を用いる、大型あるいは高精細度の画像形
成装置の製造においては、大型の真空チャンバーを用い
て各種工程を行った後に、電子源と画像形成部材を真空
容器に内包させる方が有利な場合もある。
いは途中まで真空チャンバーを用いて工程を行い、その
後電子源、画像形成部材を真空容器に内包させて以降の
工程を行う、両者の中間の方法を採用することができ
る。
型に配線した電子源を用い、図14に模式的に示すよう
な画像形成装置を形成することも可能である。この場合
は、画像形成部材に到達する電子線の量を変調するため
のグリッド電極も有する。
は、有機物質とキャリアガスを混合したガスを用いて表
面伝導型放出素子の活性化を行う構成が開示されてい
る。
決しようとする課題は、電子源、即ち電子放出素子の製
造における低コスト化、もしくは製造時間の短縮化、も
しくは製造される電子放出素子の特性の向上など、電子
放出素子の製造に関わる物である。
造方法の一つは以下である。
あって、電子放出素子において電子を放出する部分とな
る領域を少なくとも含む領域に、堆積物を堆積させる堆
積工程を有しており、該堆積工程は、前記堆積物の原料
を少なくとも含む気体雰囲気で、かつ前記気体が粘性流
状態となる平均自由行程を有する状態で行うことを特徴
とする電子源の製造方法。
あって、電子放出素子において電子を放出する部分とな
る領域を少なくとも含む領域に、堆積物を堆積させる堆
積工程を有しており、該堆積工程は、前記堆積物の原料
を少なくとも含む気体雰囲気で、かつ該雰囲気の圧力が
1Paより大きい状態で行うことを特徴とする電子源の
製造方法。
電子を放出する部分となる領域は、堆積工程の前に、既
に電子を放出する部分となっていてもよい。
る物質を例えば不活性ガスなどの希釈気体で希釈した気
体であってもよい。
る物質と窒素もしくはヘリウムもしくはアルゴンとを含
む気体であってもよい。
む化合物と窒素もしくはヘリウムもしくはアルゴンとを
含む気体であってもよい。
前記電子を放出する部分となる領域に電圧を印加するこ
とによって、前記堆積物を堆積させるものであってもよ
い。
は、第1の間隙を挟んで対向する導電性物質の該第1の
間隙の近傍部分であり、前記堆積工程によって、該対向
する導電性物質に前記堆積物を堆積させ、前記第1の間
隙部分よりも狭い第2の間隙を形成するようにしてもよ
い。
1の間隙部分を形成する第1間隙形成工程を有するもの
であってもよい。ここで、前記第1間隙形成工程は、導
電性膜の前記第1の間隙を形成する部分に通電すること
によって前記第1の間隙を形成する工程であってもよ
い。
工程とを同程度の圧力下で行うものであってもよい。
工程とを大気圧程度の圧力下で行うものであってもよ
い。
工程は、不活性ガス中で行われる物であったり、酸化性
ガスもしくは酸化性ガスを含む混合ガス中で行われる物
であったり、還元性ガスもしくは還元性ガスを含む混合
ガス中で行われる物であったりする。
工程は、内部を前記雰囲気にできる容器内で行う物であ
ってもよい。
部に含む製造物、例えば後述する画像形成装置の外囲器
を用いてもよく、また、チャンバーなど、電子源や電子
源を用いた画像形成装置などの製造物とは異なる製造装
置を用いてもよい。その場合、前記堆積工程終了後の工
程においては、前記堆積工程で用いた容器とは異なる容
器を用いるようにしてもよい。
気体を拡散する拡散手段を有するものであってもよい。
拡散手段としては、例えばメッシュなどを用いることが
できる。
器に導入して行うものであってもよく、前記気体を前記
容器に流しながら行うものであってもよい。気体を容器
内に導入したり、流したりする方法としては、プロペラ
やポンプ等の積極的な導入手段を用いる方法を取ること
もできる。
と流出口を有する容器内で行うものであってもよい。ま
た前記堆積工程において、前記容器から流出した気体を
前記容器に再流入するようにしてもよい。この再流入の
手段としては、前記プロペラやポンプなどの積極的な導
入手段(循環手段)を用いることができる。また、前記
再流入の前に、前記容器から流出した気体から不要物を
減らすようにしてもよい。
気から減少させる工程を有するものであってもよい。
あるとよい。特には、表面伝導型放出素子に好適に適用
できる。
素子を複数形成する場合に特に有効である。
発明として、以下の発明を含む。
より画像を形成する画像形成部材とを有する画像形成装
置の製造方法であって、上述の製造方法によって製造し
た電子源と、前記画像形成部材とを一体とする工程を有
することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
して以下の発明を含む。
あって、内部に気体を導入できる容器と、該容器内に前
記電子放出素子において電子を放出する部分となる領域
を少なくとも含む領域に堆積する堆積物の原料を少なく
とも含む気体を導入する手段とを有しており、該導入す
る手段は、前記気体が粘性流状態となる状態で導入を行
うことを特徴とする電子源の製造装置。
あって、内部に気体を導入できる容器と、該容器内に前
記電子放出素子において電子を放出する部分となる領域
を少なくとも含む領域に堆積する堆積物の原料を少なく
とも含む気体を導入する手段とを有しており、該導入す
る手段は、容器内の雰囲気が1Paより大きくなるよう
に導入を行うことを特徴とする電子源の製造装置。
は、前記容器に設けた導入もしくは流入口であったり、
気体もしくは気体の元となる液体などの原料を収容して
いるボンベなどの気体源であったり、導入のための配管
であったりする。
流出した気体を前記容器に再流入させる循環手段を有す
るものであったり、前記容器から流出した気体を前記容
器に再流入させる配管を有するものであってもよい。ま
た、前記容器に再流入させる気体の水分を除去する手段
を有するものであってもよい。
前記被堆積領域を少なくとも含む基板などの部材を内包
するようにかぶせる物であってもよい。
なくとも含む部材を搬送する搬送手段を有するものであ
ってもよい。
を挙げて説明していく。
施例について、概略を説明する。
しながら本発明実施例を説明する。図1は、本発明の表
面伝導型電子放出素子作製装置の1例を示す模式図であ
る。
子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部、54は素子
の電子放出部より放出される放出電流を捕捉するための
アノード電極、55は真空容器、132は配管、135
は排気装置、136は圧力計、137は四重極質量分析
器、139は導入量制御手段、140は導入物質源、2
01は循環器、202は吸湿装置、203はバルブであ
る。
から導入量制御手段139を通して、真空容器55へ導
入される。
素子電極2、3及びアノード電極には、後述する図6に
示されるように電源が接続されている。
ながるバルブ203B,Cだけが開けられ、他のバルブ
203A,Dは閉じられる。これによって、真空容器内
の圧力分布を一定に保ったまま、活性化工程を施すこと
ができ、且つ、真空容器内から発生する水分を効率よく
取り除くこともできる。
子の基本的構成には大別して、平面型及び垂直型の2つ
がある。
伝導型電子放出素子について説明する。
導型電子放出素子の構成を示す模式図であり、図2
(a)は平面図、図2(b)は断面図である。
極、4は導電性薄膜、5は電子放出部である。
a等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青
板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層
したガラス基板及びアルミナ等のセラミックス及びSi
基板等を用いることができる。
料としては、一般的な導体材料を用いることができる。
これは例えば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,T
i,Al,Cu,Pd等の金属或は合金及びPd,A
g,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化
物とガラス等から構成される印刷導体、In2 O3 −S
nO2 等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体
材料等から適宜選択することができる。
薄膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して設計さ
れる。素子電極間隔Lは、好ましくは、数百nmから数
百μmの範囲とすることができ、より好ましくは、数μ
mから数十μmの範囲とすることができる。
出特性を考慮して、数μmから数百μmの範囲とするこ
とができる。素子電極2,3の膜厚dは、数十nmから
数μmの範囲とすることができる。
上に、導電性薄膜4、対向する素子電極2,3の順に積
層した構成とすることもできる。
電子放出特性を得るために、微粒子で構成された微粒子
膜を用いるのが好ましい。
カバレージ、素子電極2,3間の抵抗値及び後述するフ
ォーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常
は、0.1nmの数倍から数百nmの範囲とするのが好
ましく、より好ましくは1nmより50nmの範囲とす
るのが良い。
07 Ω/□の値である。なおRsは、厚さがt、幅がw
で長さがlの薄膜の抵抗Rを、R=Rs(l/w)とお
いたときに現れる量である。
ついては、通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミ
ング処理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生
じさせて高抵抗状態を形成する処理を包含するものであ
る。
t,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pd等の金属、PdO、S
nO2,In2 O3 ,PbO,Sb2 O3 等の酸化物、
HfB2 ,ZrB2 ,LaB6,CeB6 ,YB4 ,G
dB4 等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,Ta,
C,SiC,WC等の炭化物、TiN,ZrN,HfN
等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン等の中か
ら適宜選択される。
数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造は、微粒
子が個々に分散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣
接、あるいは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集
合し、全体として島状構造を形成している場合も含む)
をとっている。微粒子の粒径は、0.1nmの数倍から
数百nmの範囲、好ましくは、1nmから20nmの範
囲である。
う言葉を用いるので、その意味について説明する。
も小さなものを「超微粒子」と呼ぶ。「超微粒子」より
もさらに小さく原子の数が数百個程度以下のものを「ク
ラスター」と呼ぶことは広く行われている。
ではなく、どの様な性質に注目して分類するかにより変
化する。また「微粒子」と「超微粒子」を一括して「微
粒子」と呼ぶ場合もあり、本明細書中での記述はこれに
沿ったものである。
(木下是雄 編、共立出版 1986年9月1日発行)
では次のように記述されている。
だいたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特
に超微粒子というときは粒径が10nm程度から2〜3
nm程度までを意味することにする。両者を一括して単
に微粒子と書くこともあってけっして厳密なものではな
く、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が
2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼
ぶ。」(195ページ 22〜26行目)付言すると、
新技術開発事業団の“林・超微粒子プロジェクト”での
「超微粒子」の定義は、粒径の下限はさらに小さく、次
のようなものであった。
ジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ
(径)がおよそ1〜100nmの範囲のものを“超微粒
子”(ultra fine particle)と呼
ぶことにした。すると1個の超微粒子はおよそ100〜
108 個くらいの原子の集合体という事になる。原子の
尺度でみれば超微粒子は大〜巨大粒子である。」(「超
微粒子−創造科学技術−」林主税、上田良二、田崎明
編;三田出版 1988年 2ページ1〜4行目)「超
微粒子よりさらに小さいもの、すなわち原子が数個〜数
百個で構成される1個の粒子は、ふつうクラスターと呼
ばれる」(同書2ページ12〜13行目)。
本明細書において「微粒子」とは多数の原子・分子の集
合体で、粒径の下限は0.1nmの数倍から1nm程
度、上限は数μm程度のものを指すこととする。
膜4の一部に形成された高抵抗の亀裂等により構成さ
れ、導電性薄膜4の膜厚、膜質、材料及び後述する通電
フォーミング等の手法等に依存したものとなる。電子放
出部5の内部には、0.1nmの数倍から数十nmの範
囲の粒径の導電性微粒子が存在する場合もある。この導
電性微粒子は、導電性薄膜4を構成する材料の元素の一
部、あるいは全ての元素を含有するものとなる。活性化
工程を経て、電子放出部5には、炭素ないし炭素化合物
あるいは両者の混合物よりなる堆積物を有する。また、
この堆積物は、電子放出部5の近傍の導電性薄膜4の上
にも存在する場合もある。
垂直型表面伝導型電子放出素子について説明する。
を適用できる垂直型表面伝導型電子放出素子の一例を示
す模式図である。
部位には図2に付した符号と同一の符号を付している。
21は、段差形成部である。基板1、素子電極2及び
3、導電性薄膜4、電子放出部5は、前述した平面型表
面伝導型電子放出素子の場合と同様の材料で構成するこ
とができる。段差形成部21は、真空蒸着法、印刷法、
スパッタ法等で形成されたSiO2 等の絶縁性材料で構
成することができる。段差形成部21の膜厚は、先に述
べた平面型表面伝導型電子放出素子の素子電極間隔Lに
対応し、数百nmから数十μmの範囲とすることができ
る。この膜厚は、段差形成部の製法、及び、素子電極間
に印加する電圧を考慮して設定されるが、数十nmから
数μmの範囲が好ましい。
形成部21作成後に、該素子電極2,3の上に積層され
る。電子放出部5は、図3においては、段差形成部21
に形成されているが、作成条件、フォーミング条件等に
依存し、形状、位置ともこれに限られるものではない。
述の表面伝導型電子放出素子の製造方法としては様々な
方法があるが、その一例を図4に模式的に示す。
法の一例について説明する。図4においても、図2に示
した部位と同じ部位には図2に付した符号と同一の符号
を付している。
を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等によ
り素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー
技術を用いて基板1上に素子電極2,3を形成する(図
4(a))。
機金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成する。有機
金属溶液には、前述の導電性膜4の材料の金属を主元素
とする有機金属化合物の溶液を用いることができる。有
機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング
等によりパターニングし、導電性薄膜4を形成する(図
4(b))。ここでは、有機金属溶液の塗布法を挙げて
説明したが、導電性薄膜4の形成法はこれに限られるも
のでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積
法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等を用
いることもできる。また上記の有機金属化合物の溶液を
インクジェット装置により所望の位置に液滴として付与
する方法を用いることもできる。この場合はリフトオフ
やエッチングによるパターニング工程は不要となる。
ォーミング工程を施す。このフォーミング工程の方法の
一例として通電処理による方法を説明する。素子電極
2,3間に、不図示の電源を用いて、通電を行うと、導
電性薄膜4の部位に、構造の変化した電子放出部5が形
成される(図4(c))。通電フォーミングによれば導
電性薄膜4に局所的に破壊、変形もしくは変質等の構造
の変化した部位が形成される。該部位が電子放出部5を
構成する。
示す。電圧波形は、パルス波形が、好ましい。これには
パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する
図5(a)に示した手法とパルス波高値を増加させなが
ら、電圧パルスを印加する図5(b)に示した手法があ
る。
形のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μse
c.〜10msec.、T2は10μsec.〜数10
0msec.の範囲で設定される。三角波の波高値(通
電フォーミング時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放
出素子形態に応じて適宜選択される。このような条件の
もと、例えば、数秒から数十分間電圧を印加する。パル
ス波形は三角波に限定されるものではなく、矩形波など
所望の波形を採用することができる。
(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度づつ、増加させることができる。
隔T2中に、導電性薄膜2を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示
した時、通電フォーミングを終了させる。
上記の方法以外でも、電子放出部が適切に形成される方
法であれば採用することができる。
た素子には活性化工程と呼ばれる処理を施す。活性化工
程とは、この工程により、素子電流If、放出電流Ie
が、著しく変化する工程である。
例を示した。
くはヘリウムなどの不活性ガスに有機物質のガスを含ん
だ混合ガスの雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、
パルス電圧の印加を繰り返すことで行うことができる。
混合ガスの導入圧力は、混合ガスを構成する気体分子の
平均自由行程λが、電子放出素子が設置された空間内部
の代表的寸法値(例えば、真空容器の内径もしくは、後
述する画像形成装置における基板とフェースプレートと
の距離)に比べて、十分小さくなる程度の圧力以上とす
る。これは、いわゆる粘性流領域であり、具体的には、
構成ガスが窒素で代表的寸法が5mmのとき、約1Pa
程度以上であるが、粘性流領域として扱えれば、この限
りではない。一般には、100Paから大気圧程度の範
囲で用いるのが好ましい。
「大気圧程度」の圧力とは、処理装置内の雰囲気を維持
するために、処理装置に特別厳しい機密性や、機械的強
度を要求しない範囲の圧力であり、0.5気圧程度から
1.5気圧程度、好ましくは1気圧±20%程度の圧力
を意味する。
味]以下、活性化工程を大気圧程度の圧力下で行う技術
的な意味について説明する。活性化工程は、電子衝突あ
るいはジュール熱により、有機物質の重合、分解を生じ
させ、堆積物を生成する一種のCVD法(化学的気相成
長法)と考えられる。一般的なCVD法(化学気相成長
法)には、常圧CVD法、減圧CVD法がある。常圧C
VD法はソースガスを容器内にいれて、常圧下で熱分解
等を行い堆積膜を形成するものであり、減圧CVD法は
容器内を真空状態とした後、ソースガスを入れて、減圧
下で熱分解等を行い堆積膜を形成するものである。
及び利点について説明する。
(Cを含む場合)となる場合がある; 2) 希釈ガスの選択によっては、希釈ガスが堆積物に
含まれる。例えば、N2を希釈ガスにしたとき、Nが堆
積物に含まれる; 3) 堆積膜の分布が生じやすい。これはガスの消耗に
よって、ガスの導入口からガスの出口に渡って分布を生
ずるからである; ことが挙げられる。
が大きい点が挙げられる。
含まれる。例えば、N2を希釈ガスにしたとき、Nが堆
積物に含まれる; ことが挙げられる。
過剰はなく、作られたものが高分子状(Cを含む場合)
を作るケースは少ない点が挙げられる。
には一長一短がある。
化工程を常圧において行った場合にも上述した一般的な
常圧CVD法の欠点が生じないことを見出した。
も上述した常圧CVD法の欠点が生じない理由は次のよ
うに考えることができる。 1) 高分子を作りにくい。これは、活性化工程におけ
る亀裂近傍における温度が高いために、活性化物質は高
分子にならず熱分解し、グラファイト等の生成が起こる
からである。 2) 堆積膜の分布が小さい。これは、一般の常圧CV
D法では導入ガスをフィラメント等で分解した前駆体
(precurser )が堆積されるが、活性化工程において
は、電子放出部の亀裂に吸着した分子のみ分解し、グラ
ファイト等を形成するので導入量の消耗が少なく、堆積
膜の分布が小さいからである。 3) 希釈ガスを含みにくい。これは、上記1)の理由
と同様で、グラファイト等が生成し、希釈ガスは含みに
くいからである。
場合、減圧で行った場合と比べ堆積レートは大きい。こ
れは、吸着量が導入ガス圧等により決まるために、活性
化工程において、グラファイト等を形成する速度が増加
するためである。
圧力のもとで行うことにより、真空装置を用いる場合に
比べ、装置が簡易になったことはもちろん、真空装置内
を排気するのに必要な時間を省略することができ、製造
に必要な時間を短縮することができる。
工程において、容器外部に設けた循環器201を用いて
封入した混合ガスを容器全体に満遍なく行き渡らせる。
さらに、この循環器の吸気側もしくは排気側に吸湿装置
202を設けておき、容器内部から発生する水分を効率
よく除去する。
ペラ、ルーツポンプやメンブランポンプなどの機械式ポ
ンプなどを用いることができる。また、吸湿装置として
は、シリカゲル、モレキュラーシーブなどの乾燥材、P
2 O5 などの潮解性の物質、氷点下に冷却されたトラッ
プなどを用いることができる。
前述の応用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類
などにより異なるため、適宜設定される。一般には、全
導入圧力の1/106 から1/104 程度の混合比で用
いるのが好ましい。
ては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、
ケトン類、アミン類、フェノール、カルボン、スルホン
酸等の有機酸類等を挙げることが出来、具体的には、メ
タン、エタン、プロパンなどCn H2n+2で表される飽和
炭化水素、エチレン、プロピレンなどCn H2n等の組成
式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メ
タノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミ
ン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸等あるいはこれらの混合物が使用できる。
る有機物質から、炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆
積し、素子電流If,放出電流Ieが、著しく変化する
ようになる。
放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。なおパルス
幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定される。
元素として少なくとも炭素を含む堆積物とは、例えばグ
ラファイト(いわゆるHOPG,PG,GCを包含す
る。HOPGはほぼ完全なグラファイトの結晶構造、P
Gは結晶粒が200Å程度で結晶構造がやや乱れたも
の、GCは結晶粒が20Å程度になり結晶構造の乱れが
さらに大きくなったものを指す。)、非晶質カーボン
(アモルファスカーボン及び、アモルファスカーボンと
前記グラファイトの微結晶の混合物を指す。)すなわ
ち、炭素からなる堆積物、炭素化合物からなる堆積物、
あるいは炭素と炭素化合物の混合物からなる堆積物であ
る。
するのが好ましく、30nm以下の範囲とすることがよ
り好ましい。
て得られた電子放出素子は、安定化工程を行うことが好
ましい。この工程は、真空容器内の有機物質を排気する
工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置
から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないよう
に、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具
体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空
排気装置を挙げることが出来る。
素及び炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3
×10-6Pa以下が好ましく、さらには、1.3×10
-8Pa以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気す
るときには、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁
や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやす
くするのが好ましい。このときの加熱条件は、80〜2
50℃、好ましくは150℃以上で、できるだけ長時間
処理するのが望ましいが、特にこの条件に限るものでは
なく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成な
どの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容
器内の圧力は極力低くすることが必要で、1.3×10
-5Pa以下が好ましく、さらに1.3×10-6Pa以下
が特に好ましい。
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することが出来る。
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
また真空容器や基板などに吸着したH2 O,O2 なども
除去でき、結果として素子電流If、放出電流Ieが、
安定する。
を経て得られた本発明を適用可能な電子放出素子の基本
特性について図6、図7を参照しながら説明する。
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
をも兼ね備えている。図6においても、図2に示した部
位と同じ部位には図2に付した符号と同一の符号を付し
ている。図6において、55は真空容器であり、56は
排気ポンプである。真空容器55内には電子放出素子が
配されている。即ち、1は電子放出素子を構成する基体
であり、2及び3は素子電極、4は導電性薄膜、5は電
子放出部である。51は、電子放出素子に素子電圧Vf
を印加するための電源、50は素子電極2,3間の導電
性薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流
計、54は素子の電子放出部より放出される放出電流I
eを捕捉するためのアノード電極である。53はアノー
ド電極54に電圧を印加するための高圧電源、52は素
子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定す
るための電流計である。一例として、アノード電極の電
圧を1kV〜10kVの範囲とし、アノード電極と電子
放出素子との距離Hを2mm〜8mmの範囲として測定
を行うことができる。
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータリーポ
ンプからなる通常の高真空装置系と、更に、イオンポン
プ等からなる超高真空装置系とにより構成されている。
ここに示した電子源基板を配した真空処理装置の全体
は、不図示のヒーターにより加熱できる。従って、この
真空処理装置を用いると、前述の通電フォーミング以降
の工程も行うことができる。
て測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧V
fの関係を模式的に示した図である。図7においては、
放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいの
で、任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニア
スケールである。
可能な表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに関し
て対する三つの特徴的性質を有する。
中のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流
Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流
Ieがほとんど検出されない。つまり、放出電流Ieに
対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子であ
る。
増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御
できる。
電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。つま
り、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧
Vfを印加する時間により制御できる。
を適用可能な表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応
じて、電子放出特性を容易に制御できることになる。こ
の性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成し
た電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能とな
る。
Vfに対して単調増加する(以下、「MI特性」とい
う。)例を実線に示した。素子電流Ifが素子電圧Vf
に対して電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特
性」という。)を示す場合もある(不図示)。この場合
上記安定化工程を行うことによりMI特性に変化させる
ことができる。これら特性は、前述の工程を制御するこ
とで制御できる。
可能な電子放出素子の応用例について以下に述べる。本
発明を適用可能な表面伝導型電子放出素子の複数個を基
板上に配列し、例えば電子源あるいは、画像形成装置が
構成できる。
のが採用できる。
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動するはしご状配置のものがある。
向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された
複数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共
通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の電
極の他方を、Y方向の配線に共通に接続するものが挙げ
られる。このようなものは所謂単純マトリクス配置であ
る。まず単純マトリクス配置について以下に詳述する。
適用可能な表面伝導型電子放出素子については、前述し
たとおり(i)ないし(iii)の特性がある。即ち、表面
伝導型電子放出素子からの放出電子は、しきい値電圧以
上では、対向する素子電極間に印加するパルス状電圧の
波高値と幅で制御できる。一方、しきい値電圧以下で
は、殆ど放出されない。この特性によれば、多数の電子
放出素子を配置した場合においても、個々の素子に、パ
ルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて、表面
伝導型電子放出素子を選択して電子放出量を制御でき
る。
な電子放出素子を複数配して得られる電子源基板につい
て、図8を用いて説明する。図8において、71は電子
源基板、72はX方向配線、73はY方向配線である。
74は表面伝導型電子放出素子、75は結線である。
尚、表面伝導型電子放出素子74は、前述した平面型あ
るいは垂直型のどちらであってもよい。
2,…,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッ
タ法等を用いて形成された導電性金属等で構成すること
ができる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。
Y方向配線73は、Dy1,Dy2,…,Dynのn本
の配線よりなり、X方向配線72と同様に形成される。
これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線73と
の間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者
を電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配
線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよ
うに、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向配
線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として引
き出されている。
電極(不図示)は、m本のX方向配線72とn本のY方
向配線73と導電性金属等からなる結線75によって電
気的に接続されている。
75を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例え
ば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
面伝導型放出素子74の行を、選択するための走査信号
を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一
方、Y方向配線73には、Y方向に配列した表面伝導型
放出素子74の各列を入力信号に応じて、変調するため
の不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出
素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走
査信号と変調信号の差電圧として供給される。
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
像形成装置]このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図9と図10及
び図11を用いて説明する。図9は、画像形成装置の表
示パネルの一例を示す模式図であり、図10は、図9の
画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図である。図1
1は、NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行なう
ための駆動回路の一例を示すブロック図である。
配した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリ
アプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84
とメタルバック85等が形成されたフェースプレートで
ある。82は、支持枠であり該支持枠82には、リアプ
レート81、フェースプレート86が低融点のフリット
ガラスなどを用いて、接合される。
る。72,73は、表面伝導型電子放出素子の一対の素
子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線である。
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に基板71の強度を補強する
目的で設けられるため、基板71自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート81は不要とすることがで
きる。即ち、基板71に直接支持枠82を封着し、フェ
ースプレート86、支持枠82及び基板71で外囲器8
8を構成しても良い。一方、フェースプレート86、リ
アプレート81間に、スペーサーとよばれる不図示の支
持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度
をもつ外囲器88を構成することもできる。
光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成
することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリ
クスなどと呼ばれる黒色導電材91と蛍光体92とから
構成することができる。ブラックストライプ、ブラック
マトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要と
なる三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒く
することで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84
における外光反射によるコントラストの低下を抑制する
ことにある。ブラックストライプの材料としては、通常
用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性が
あり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることがで
きる。
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等
が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバ
ック85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、
蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート8
6側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させるこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によ
るダメージから蛍光体を保護すること等である。メタル
バックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化
処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、
その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製
できる。
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせを行う。
画像形成装置の製造方法の一例を以下に説明する。
す模式図である。画像形成装置131は、2本の配管1
32が取り付けられており、一方は、排気装置135に
連結され、一方は、導入物質源140に連結されてお
り、導入物質がアンプルやボンベなどに入れて貯蔵され
ている。また、2本の配管は循環器201および吸湿装
置202を通して連結されている。画像形成装置131
と導入物質源140を結ぶ配管には、導入物質を導入す
るレートを制御するための導入量制御手段139が設け
られている。該導入量制御手段としては具体的には、ス
ローリークバルブなど逃す流量を制御可能なバルブや、
マスフローコントローラーなどが、導入物質の種類に応
じて、それぞれ使用が可能である。なお、画像形成装置
131には、不図示の電源が接続されている。
画像形成装置131の内部を排気し、フォーミングを行
う。この際、例えば図15に示すように、Y方向配線7
3を共通電極141に接続し、X方向配線72の内の一
つに接続された素子に電源142によって、同時に電圧
パルスを印加して、フォーミングを行うことができる。
パルスの形状や、処理の終了の判定などの条件は、個別
素子のフォーミングについての既述の方法に準じて選択
すればよい。また、複数のX方向配線に、位相をずらせ
たパルスを順次印加(スクロール)することにより、複
数のX方向配線に接続された素子をまとめてフォーミン
グする事も可能である。図中143は電流測定用抵抗
を、144は、電流測定用のオシロスコープを示す。
化工程を行う。画像形成装置131内は、十分に排気し
た後、導入物質源140より有機物質を含んだ混合ガス
が導入され、粘性流領域に相当する圧力に達したところ
で、全てのバルブが閉じられ、混合ガスが封止される。
続いて、循環器201および吸湿装置202に接続する
バルブのみが開けられ、画像形成装置131内の混合ガ
スを循環させる。
囲気中で、各電子放出素子に電圧を印加することによ
り、炭素あるいは炭素化合物、ないし両者の混合物が電
子放出部に堆積し、電子放出量がドラスティックに上昇
するのは、個別素子の場合と同様である。このときの電
圧の印加方法は、上記フォーミングの場合と同様の結線
により、一つの方向配線につながった素子に、同時の電
圧パルスを印加すればよい。
素子の場合と同様に、安定化工程を行うことが好まし
い。
50℃に保持しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置135により配
管132を通じて排気し、有機物質の十分少ない雰囲気
にした後、配管をバーナーで熱して溶解させて封じき
る。画像形成装置131の封止後の圧力を維持するため
に、ゲッター処理を行なうこともできる。これは、画像
形成装置131の封止を行う直前あるいは封止後に、抵
抗加熱あるいは高周波加熱等を用いた加熱により、画像
形成装置131内の所定の位置(不図示)に配置された
ゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッ
ターは通常はBa等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作
用により、画像形成装置131内の雰囲気を維持するも
のである。
ス配置の電子源を用いて構成した表示パネルに、NTS
C方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行う
為の駆動回路の構成例について、図11を用いて説明す
る。図11において、101は画像表示パネル、102
は走査回路、103は制御回路、104はシフトレジス
タである。105はラインメモリ、106は同期信号分
離回路、107は変調信号発生器、VxおよびVaは直
流電圧源である。
oxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている電子
源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された表
面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動
する為の走査信号が印加される。
信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の
各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加
される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例え
ば10kVの直流電圧が供給されるが、これは表面伝導
型電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体を励
起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧で
ある。
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示
パネル101の端子Dox1ないしDoxmと電気的に
接続される。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制
御回路103が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせることにより構成することができ
る。
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
よう設定されている。
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期
信号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよ
びTmryの各制御信号を発生する。
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分
離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表
した。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力さ
れる。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記シフ
トレジスタ104より出力される。
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶され
た内容は、Id’1乃至Id’nとして出力され、変調
信号発生器107に入力される。
d’1乃至Id’nの各々に応じて表面伝導型電子放出
素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、そ
の出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示
パネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加され
る。
放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vth
があり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出
が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素
子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。こ
のことから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、
例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は
生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合に
は電子ビームが出力される。その際、パルスの波高値V
mを変化させる事により出力電子ビームの強度を制御す
ることが可能である。また、パルスの幅Pwを変化させ
ることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御
する事が可能である。
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
5は、デジタル信号式のものもアナログ信号式のものも
採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶
が所定の速度で行なわれれば良いからである。
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには106の出力部にA/D変
換器を設ければよい。これに関連してラインメモリ10
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器107に用いられる回路が若干異なった
ものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式
の場合、変調信号発生器107には、例えばD/A変換
回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パ
ルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107には、例
えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数す
る計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリ
の出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合わ
せた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパ
ルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の
駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加するこ
ともできる。
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを
介して電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。
高圧端子Hvを介してメタルバック85、あるいは透明
電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速す
る。加速された電子は、蛍光膜84に衝突し、発光が生
じて画像が形成される。ここで述べた画像形成装置の構
成は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例であり、
本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。
入力信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号
はこれに限られるものではなく、PAL,SECAM方
式など他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号
(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方
式をも採用できる。
置]次に、はしご型配置の電子源及び画像形成装置につ
いて図13及び図14を用いて説明する。
示す模式図である。図13において、110は電子源基
板、111は電子放出素子である。112、Dx1〜D
x10は、電子放出素子111を接続するための共通配
線である。電子放出素子111は、基板110上に、X
方向に並列に複数個配されている(これを素子行と呼
ぶ)。この素子行が複数個配されて、電子源を構成して
いる。各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加すること
で、各素子行を独立に駆動させることができる。即ち、
電子ビームを放出させたい素子行には、電子放出しきい
値以上の電圧を、電子ビームを放出しない素子行には、
電子放出しきい値以下の電圧を印加する。各素子行間の
共通配線Dx2〜Dx9は、例えばDx2,Dx3を同
一配線とすることもできる。
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。120はグリッド電極、121は電子が通過する
ため空孔、122はDxo1,Dxo2,…,Dxom
よりなる容器外端子である。123は、グリッド電極1
20と接続されたG1,G2,…,Gnからなる容器外
端子、110は各素子行間の共通配線を同一配線とした
電子源基板である。図14においては、図9、図13に
示した部位と同じ部位には、これらの図に付したのと同
一の符号を付している。ここに示した画像形成装置と、
図9に示した単純マトリクス配置の画像形成装置との大
きな違いは、電子源基板110とフェースプレート86
の間にグリッド電極120を備えているか否かである。
プレート86の間には、グリッド電極120が設けられ
ている。グリッド電極120は、表面伝導型放出素子か
ら放出された電子ビームを変調するためのものであり、
はしご型配置の素子行と直交して設けられたストライプ
状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応
して1個ずつ円形の開口121が設けられている。グリ
ッドの形状や設置位置は図14に示したものに限定され
るものではない。例えば、開口としてメッシュ状に多数
の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導型放
出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
子123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
明する。
型電子放出素子を設置し、フォーミング工程、活性化工
程を行った。1は電子放出素子を構成する基板であり、
2及び3は素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部
である。54は素子の電子放出部より放出される放出電
流Ieを捕捉するためのアノード電極である。これら素
子電極2及び3とアノード電極54は、真空容器55の
外に設置された、素子駆動用電源(不図示)及び放出電
子測定用高圧電源(不図示)に、それぞれ接続されてい
る。
態様に記述された方法で作製した。フォーミング工程
は、該真空容器内において、素子にパルス電圧を印加す
ることで行った。印加パルスは、図5(b)の様な三角
波とし、パルス幅1msec、パルス間隔10msec
とした。また、電圧は徐々に上げることでフォーミング
を行った。
ンを分圧にして1Paだけ混合した混合ガスを用いた。
真空容器55内に、該混合ガスを大気圧まで導入し、全
てのバルブを閉じた。その後、循環器201と吸湿装置
202に接続するバルブを開け、循環器201を用いて
真空容器内の混合ガスを循環させた。
根のプロペラを用い、吸湿装置としては、シリカゲルを
用いた。これにより、真空容器内から発生する水分を除
去することができる。
で、波高値は15Vとし、30分間の駆動を行った。そ
の結果、素子電流Ifは、8mAまで上昇した。
気することによって安定化工程を施した。その結果、素
子の電子放出特性として、15Vの印加電圧、アノード
印加電圧1kVに対し、If=7mA、Ie=10μ
A、電子放出効率η=0.14%が得られた。
説明する。
複数並べた画像形成装置を作製した。作製方法は、実施
態様に示した方法に準じた。配管132の、画像形成装
置131に接続する部分は、ガラス管になっている。
Y方向配線を共通電極に接続し、X方向配線に接続され
た素子に電圧パルスを印加することで行った。このとき
の印加パルスは三角波で、パルス幅1msec、パルス
間隔16.7msecとし、電圧は徐々に上げていっ
た。
混合した混合ガスを用いた。アセチレンの混合分圧は1
Paとした。また、混合ガスの導入圧力は、5×104
Paとした。
を用い、吸湿装置としては、冷媒で−10℃に冷やされ
たコールドトラップを用いた。
を用い、波高値は14Vとした。パルスを印加した時間
は、1時間であった。
がら排気することによって、安定化工程を施し、続いて
配管をガスバーナーで加熱溶融して封止した。その後、
各素子の特性を評価したところ、14Vの印加電圧、ア
ノード印加電圧5kVに対し、平均でIf=4.1m
A、Ie=8.3μA、電子放出効率η=0.20%が
得られた。また、各素子での特性ばらつきは小さく、輝
度ムラの少ない高品位な画像形成装置を作製することが
できた。
の混合ガスの圧力を、該混合ガスが粘性流領域の気体と
して扱える程度にしたことによって、必要なガスを速や
かに供給することができた。また、素子特性のむらを減
らすことができた。また高真空の排気形を用いることな
く、活性化を行えることができるので、生産コストを低
く抑えることができる。
混合ガスの圧力を大気圧とすることによって、必要なガ
スをより速やかに供給できた。実施例2では、混合ガス
の圧力を5×104 Paとすることにより、実施例1の
場合と比べると、時間はかかったものの、充分短い時間
で活性化できた。
大気圧程度、もしくは大気圧に近い圧力を採用すればよ
い。ただし、圧力が大きすぎると装置のコストが上昇す
るので、数気圧程度以下にすることが望ましい。
よい。その場合、活性化を行う際の気体の圧力(活性化
を行う容器内の全圧)は0.5気圧以下、特には0.2
気圧以下、更には0.1気圧以下としてもよい。圧力を
低めにすることによって特性の向上も実現できる。ただ
し、気体をより効果的に供給するためには、活性化を行
う際の気体の圧力(活性化を行う容器内の全圧)は1P
aより大きいことが望まれ、特には、100Pa以上、
より望ましくは1000Pa以上が望ましい。
用いて活性化時のガスを供給したため、導入される原料
ガスの濃度分布をより均一にすることができた。それに
より各素子の特性をより近づけることができる。
生する水分を除去できるため、水分による悪影響を除去
することができる。
施例3を説明する。
有機物質としては、上記実施例1,2と同様の物を用い
ることができ、希釈ガス、不活性ガスとしては、アルゴ
ン、ヘリウムなどの希ガス、窒素などを用いることがで
きる。
である場合には、ガス流量を制御して混合すればよい。
また有機物質が液体また固体である場合には、容器内で
蒸発また昇華させてこれを不活性ガスと混合するなどの
方法を用いることができ、両者の混合比は、上記の容器
の温度を制御して調整することができる。
用いる活性化のための装置の特に処理容器の構成を模式
的に示す。なお、図17は、処理すべき素子と、上記の
雰囲気の形成に着目した物であり、パルス電圧を印加す
るための配線や電源装置などは示されていない。図17
(A)は本実施例及び実施例4で用いる処理容器であ
り、容器1706の中央上部より、活性化用のガスを導
入する。容器内はほぼ1気圧となり、容器の端から流出
したガスは局所排気装置などにより適宜処理される。図
17(B)は実施例5で用いる構成であり、活性化のた
めに容器内に流入したガスを外部に流出させず、還流路
を設けた物である。図17(C)は実施例6で用いる構
成であり、容器内にメッシュ1707を設けており、例
えば複数の電子放出素子を一度に処理する場合、素子の
おかれた位置により、ガスの流量が異なることを抑制
し、活性化が更に均一に進むようにすることができる物
である。
は、素子電流If を測定しながら、適宜行う。なお、パ
ルス幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定され
る。
空容器内の有機成分の分圧は、先の実施例と同様に上述
の炭素もしくは炭素化合物の新たな堆積を抑制できるよ
うになっているとよく、より望ましくは、1×10-8T
orr以下が好ましく、さらには1×10-10 Torr
以下が特に好ましい。真空容器内の圧力は極力低くする
ことが望まれ、1×10-7Torr以下が好ましく、さ
らには1×10-8Torr以下が特に好ましい。
る場合は、安定化工程を行ってから、電子源、画像形成
部材、真空容器形成部材等をフリットガラスなどを用い
て接合し、組立工程を行い、内部を排気して、排気管を
バーナーなどを用いて加熱して封じ切る。この後、必要
に応じてゲッタ処理を行ってもよい。また、組立工程を
行った後、安定化工程を行ってもよい。
概要を示す模式図である。画像形成装置1801は、排
気管1802を介して真空チャンバー1803に連結さ
れ、さらにゲートバルブ1804を介して排気装置18
05に接続されている。真空チャンバー1803には、
内部の圧力及び雰囲気中の各成分の分圧を測定するため
に、圧力計1806、四重極質量分析器1807等が取
り付けられている。画像表示装置1801の外囲器88
内部の圧力などを直接測定することは困難であるため、
該真空チャンバー1803内の圧力などを測定する。
適当な温度に保持しながら、イオンポンプ、ソープショ
ンポンプなどのオイルを使用しない排気装置1805に
より排気管1802を通じて排気し、有機物質の十分少
ない雰囲気にし、圧力計1806及び四重極質量分析器
1807によりこれを確認した後、排気管をバーナーで
熱して溶解させて封じきる。外囲器88の封止後の圧力
を維持するために、ゲッター処理を行なうこともでき
る。これは、外囲器88の封止を行う直前あるいは封止
後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用いた加熱法に
より、外囲器88内の所定の位置(不図示)に配置され
たゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲ
ッターは通常はBa等が主成分であり、該蒸着膜の吸着
作用により、外囲器88内の雰囲気を維持するものであ
る。
は、図2(A),(B)に模式的に示される構成を有す
る。
れを洗剤、純水及び有機溶剤により洗浄した後、フォト
レジストRD−2000N(日立化成(株)製)をスピ
ンナーにより塗布(2500rpm、40秒)し、80
℃,25分間のプリベークを行った。
スクを用いて、密着露光し、現像液を用いて現像、12
0℃,20分間のポストベークを行って、レジストマス
クを形成した。
膜レートは0.3nm/sec.で膜厚を100nmと
した。
ストマスクを溶解し、リフトオフによりNiの素子電極
2,3を形成した。電極間隙は2μm、電極長は500
μmである(図4(A))。
セトン、イソプロパノール、酢酸ブチルで洗浄し乾燥し
た後、真空蒸着法によりCrを50nm成膜した。次い
でフォトレジストAZ1370(ヘキスト社製)をスピ
ンナーにより塗布(2500rpm、30秒)し、90
℃,30分間のプリベークを行った。
導電性薄膜の形状に対応する開口を形成、120℃,3
0分間のポストベークを行ってレジストマスクを形成し
た。次いで、エッチャント((NH4 )Ce(NO3 )
6 /HCl/H2 O=17g/5cc/100cc)に
30秒間浸漬し、マスク開口部のCrエッチングし、次
いでアセトンによりレジストを剥離しCrマスクを形成
した。
4230;奥野製薬(株)製)をスピンナーで塗布(8
00rpm、30秒)し、300℃,10分間の焼成を
行いPdO微粒子よりなる導電性膜を形成した。
て、Crマスクを除去し、リフトオフにより、所望のパ
ターンの、導電性膜4を形成した(図4(C))。
模式的に示した装置に設置し、排気装置56により真空
チャンバー55内を排気し、圧力が1×10-5Torr
以下となってから素子電極2,3の間に図5(B)に示
すような、波高値の漸増する三角波パルスを印加した。
パルス幅T1 は1msec.、パルス間隔T2 は10m
sec.とした。波高値が約5.0Vと成ったところ
で、フォーミングが完了した。
取り出し、図17(A)に模式的に示したガス導入装置
に設置した。ガス導入ラインには不図示の脱水フィルタ
が取り付けられており、水分を除去するようにしてい
る。導入するガスはH2 とC2 H2 の混合ガスで、流量
制御器により、H2 を2(l/min.)、C2 H2 を
1(cc/min.)で流し混合することにより調整し
た。この気流中で素子電極間に図14に示すような波高
値一定の矩形波パルスを繰り返し印加した。波高値は1
4Vパルス幅T3 は100μsec.、パルス間隔T4
は10msec.とした。
に設置し、素子を150℃に保持して排気を行ったとこ
ろ、約3時間で1×10-8Torrの圧力に到達した。
極に1kVの電圧を印加し、工程−dで用いたのと同じ
波形のパルス電圧を印加して特性の測定を行った。な
お、アノード電極と素子の間隔は4mmにセットした。
流Ie は7μA、電子放出効率η(=Ie /If )=
0.14%であった。
の方法により、活性化工程と安定化工程にかかる時間は
従来よりも極めて短いもので十分であった。
で用いたアセチレンの代わりに、アセトンを用いた。バ
ブラー容器内にアセトンを入れ、窒素ガスをバブリング
させてアセトン蒸気を含ませたものを、図17(A)の
装置内に導入し、同様の処理を行った。他の工程は実施
例3と同じである。
含むN2 ガス雰囲気で、ほぼ1気圧に保たれている。ガ
スは、図19に模式的に示すような多段に連結したバブ
リング装置1901により、N2 ガスをアセトン190
2中を通したものである。バブリング装置全体を、恒温
槽1903により25℃に保つようにし、飽和蒸気圧の
アセトン蒸気を含んだN2 ガスが毎秒1cm3 (1気
圧)ずつ流出するように、ガス注入口1904にN2 ガ
スを流入させる。流出したガスは、混合器1905で高
純度N2 ガスと混合され100倍に希釈、つづいて分配
機1906で99:1に分岐され、1907に分岐され
た方は排気となり、コールドトラップ1907でアセト
ンを除去した後、放出される。他方に分岐された方は、
再度100倍に希釈、さらに10倍に希釈され、全体で
は、105 倍に希釈される。アセトンの25℃における
飽和蒸気圧は、3×104 Pa程度であるから、最終的
に、活性化処理室に流入するガス中のアセトン分圧は、
3×10-1Pa程度となる。なお、このように非常に大
きな比率で希釈することを考慮して、高純度N2 ガスの
純度は、99.9999%(6N)のものを使用した。
子電流If =4mA、放出電流Ie=4.4μA、電子
放出効率はη=0.11%であった。
示したマトリクス配線の電子源と、これを用いた画像形
成装置(図9)の製造方法に関するものである。図20
は本実施例により形成されたマトリクス配線の電子源の
構成を模式的に示す部分平面図で、図中の折れ線A−A
に沿った断面の構造を図21に示す。以下、図22〜図
28を参照して、電子源の製造工程を説明し、さらに画
像形成装置の製造工程も説明する。 (工程−A)洗浄した青板ガラス上にシリコン酸化膜を
スパッタリング法により0.5μm形成し、これを基板
として、この上にCr5nm、Au600nmを真空蒸
着法により順次成膜した後、フォトレジストAZ137
0(ヘキスト社製)を用い、フォトリソグラフィー技術
により下配線72を形成した(図22)。
酸化膜よりなる層間絶縁層2101をスパッタリング法
により堆積する(図23)。
ル2102を形成するためのフォトレジストパターンを
作成、これをマスクとしてCF4 とH2 を用いたRIE
(Reactive Ion Eching )法により、層間絶縁膜210
1をエッチングした(図24)。
る開口を有するフォトレジスト(RD−2000N−4
1;日立化成社製)のマスクパターンを形成し、真空蒸
着法により5nmのTi、100nmのNiを順次堆
積、次いで有機溶剤によりフォトレジストを除去してリ
フトオフにより素子電極2,3を形成した(図25)。
素子電極の間隔は3μmとした。
ストを用いたフォトリソグラフィー法により、5nmの
Ti、500nmのAuの積層構造を有する上配線73
を形成した(図26)。
Crマスクを用いたリフトオフにより、PdO微粒子よ
りなる導電性膜4を形成した(図27)。
外を覆うレジストパターンを形成し、真空蒸着により、
5nmのTi、500nmのAuを順次堆積し、レジス
トパターンを除去して不要な積層膜を除去してコンタク
トホールの埋め込みを行った(図28)。
置し、各配線を通じて、実施例3の工程−cと同様に三
角波パルスを印加し、フォーミング工程を行って電子放
出部を形成した。 (工程−I)電子源を真空装置から取り出し、図17
(B)に模式的に示す装置を用いて、実施例3の工程−
dと同じ条件で活性化処理を行った。
置内に設置し、実施例3の工程−eと同様に安定化工程
を行った。同様に約3時間で圧力が1×10-8Torr
に到達した。
ところ、すべての素子が正常に電子放出を行った。
形成装置を作成した。
定し、基板の5mm上方にフェースプレートを支持枠8
2を介して配置し、接合部にフリットガラスを塗布し窒
素雰囲気中で400℃に10分間保持して接合し、外囲
器を形成した。フェースプレートの内面には蛍光膜84
とメタルバック85が形成されている。蛍光膜84はス
トライプ形状(図10(A))のものを採用し、印刷法
により形成した。黒色導電材はグラファイトを主成分と
する材質を用いた。メタルバックは、蛍光膜の内面を平
滑処理(フィルミング)した後、Alを真空蒸着するこ
とにより形成した。
子との対応を正確に行い、十分に位置合わせを行った。
なお、外囲器内にはゲッター装置(不図示)も取り付け
られている。
囲器内を排気し、圧力を1×10-6Torr以下とした
後、高周波加熱法によりゲッター処理を行い、排気管を
バーナーで加熱して封じきった。
を接続し、TV信号を入力して画像を表示させたとこ
ろ、高品位の画像を安定に表示することができた。
様に行った。ただし、工程−Iにおいては図17(C)
に模式的に示す構造の装置を用いた。その後、組み立て
工程を行い外囲器を形成、ついで外囲器内を排気管を通
じて排気しながら、150℃,5時間の安定化工程を行
ったところ、圧力が1×10-6Torrに到達した。次
いで、ゲッター処理を行い排気管を封じきって画像形成
装置を完成した。実施例5と同様に高品位な画像を安定
して表示することができた。
に示す各工程により構成される。左側に示したステップ
S1 〜S6 の「基板洗浄」〜「検査工程」までが電子放
出素子ないし電子源を製造する工程であり、これを用い
た画像形成装置の製造にはさらに、右側に示したステッ
プS7 〜S11の「画像形成部材形成」〜「排気管封止」
までを行う。
ミング工程S3 、活性化工程S4 、安定化工程S5 をい
ずれも大気圧程度の圧力下で行うものである。なお、安
定化工程S5 は必ずしも大気圧程度の圧力下で行わなく
てもよい。ここで「大気圧程度の圧力」は、大気圧およ
び大気圧に近い圧力をいい、その工程を行うための処理
容器が、その内部の雰囲気を形成、維持するために、例
えば真空装置のような大がかりな装置を必要としない条
件であり、具体的には数分の一気圧から数気圧程度の範
囲の圧力であり、0.5〜1.5気圧の範囲が好まし
く、さらには1気圧の±20%が特に好ましい。
、活性化工程S4 を大気圧程度の圧力下で行う(さら
には、安定化工程S5 も大気圧程度の圧力下で行うこと
が望ましい。)ものである。
においては、その処理のための容器は、真空容器のよう
に微量の漏れに対して厳重な対策をする必要はなく、ま
た容器内壁などに吸着している気体分子が放出されるこ
とにより活性化工程の処理条件が大きく影響を受ける可
能性も、比較的少ない。また、特に1気圧程度の圧力の
場合、内外の圧力差に耐えるような機械的強度を要求す
る必要もないので、処理に用いる装置が極めて簡便にで
きる。
るため、処理する電子放出素子あるいは電子源を適当な
容器内に置き、該容器内に所望の雰囲気を形成するため
のガスを流入させて行う。
給せずにそのまま処理を続けると、素子の周囲の雰囲気
が変化してしまう場合があるので、これを防ぐために十
分な量のガスが容器内に流入し、他方で容器外へ流出し
て容器内に気流が形成されていることが望ましい。
処理に用いる容器の構成の一例を示す模式図である。電
子放出素子あるいは電子源3007を設置したホルダー
に、図のような容器3001を被せ、端面3002をO
リング3003に押しつけることにより、ガスの漏れを
防ぐ。上記容器3001には、ガス流入口3004が設
けられ、他方ホルダー3005にはガス流出口3006
が設けられている。ガス流入口3004から、所望の組
成のガスを流入させ、流入口3006から同量が流出す
る。あるいは、図30(B)のように、被せる容器30
01を2重構造とするなどして、流入、流出口とも容器
の側に設ける構成でも良い。あるいは、このほかの構成
でも、所望のガスの流入、流出を十分に行える構成であ
れば差し支えない。
で、上記のOリング3003や、それとつきあわせられ
る容器の端面3002に関しては、例えば真空装置のよ
うに厳密な気密性は要求されない。また、活性化工程を
上記装置で行うことで導入ガスの圧力分布が減少し、電
子放出素子の特性分布が改善される。
例えば図31に示すように適当な搬入口、搬出口を有す
る、箱状の容器を連ねて用い、処理する電子放出素子あ
るいは電子源の方を順次移動させても良い。この際各処
理容器3101,3102,3103の内部は、適当な
ガスの気流が形成されているが、搬入口(試料導入部)
3105、接続部3104、搬出口(試料排出部)(不
図示)にも不活性ガスなどの気流が形成されていること
が好ましい。
要に応じて電子放出素子あるいは電子源に、電圧を印加
するための接続端子が設けられている。
子の素子電極、導電性膜、必要な配線などを形成する。
それぞれは、真空蒸着法やスパッタ法による成膜、フォ
トリソグラフィー法などによるパターニングを行って形
成しても良いし、印刷法やインクジェット法によりこれ
らを形成してもよい。
線、導電性膜がダメージを受けない程度の温度に加熱す
るなどの方法により、脱ガス処理を行った後、フォーミ
ング工程を行う。
(a)または図5(b)に示したようなパルス電圧を印
加して電子放出部の形成を行う。このときの処理容器内
の雰囲気は、導電性膜の材質等により、様々のものが用
いられる。例えば、ヘリウム(He)などの希ガスある
いは窒素ガス(N2 )などの、不活性なガスを用いるこ
とが可能である。なお、不活性ガスはヘリウム(He)
などの周期律0族に属する希ガスのみをいう場合もある
が、ここでは希ガスの他に窒素ガスなどを含む。また、
酸化性の雰囲気、例えば酸素を含む雰囲気、を用いる場
合もあり、導電性膜が金属酸化物により形成されてお
り、これがパルス電圧印加によるジュール熱で還元され
るのを避ける必要がある場合などはこのような雰囲気が
好ましく用いられる。あるいは、還元性の雰囲気、例え
ば水素ガスを含む雰囲気を採用する場合もある。例え
ば、比較的還元されやすい金属酸化物、PdOなど、の
微粒子により導電性膜が形成されている場合、不活性ガ
ス雰囲気中で、図5(a)のような(それだけでは電子
放出部の形成に至らない程度の)一定の波高値を持つパ
ルスを印加し、次いで雰囲気中に水素ガスを少量混合さ
せ、PdO微粒子を還元し、凝集しやすくすることによ
り、上記のパルス電圧の電力が比較的低くても電子放出
部を形成することができる。
ミングのためのパルスの合間に、導電性薄膜を破壊、変
形あるいは変質しない程度の例えば0.1V程度の波高
値のパルス電圧を挿入し、このとき流れる電流を測定す
ることにより、導電性膜の抵抗値を検知し、例えば抵抗
値が1素子あたり1MΩを越えたことを検知して、フォ
ーミング処理を終了することができる。
は、上記フォーミング工程で形成された電子放出部とそ
の周辺に、少なくとも炭素を含む堆積物を堆積させる処
理で、これにより、素子の電気的特性は大きく変化す
る。具体的な処理方法としては、処理容器内に電子放出
素子、あるいは電子源を設置して、容器内に有機物質の
ガス(あるいは蒸気)と不活性ガス(アルゴン、ヘリウ
ム、窒素など)の混合ガスを、流入、流出させ、この混
合ガスの気流中で電子放出素子の素子電極間に、パルス
電圧を繰り返し印加することにより行う。上記混合ガス
に用いる有機物質が、例えばメタン、エチレン、アセチ
レンなど常温で気体である場合には、ガス流量制御装置
などを用いて、所望の混合比率に調整する。また、アセ
トン、エタノールなどの常温で液体である物質の場合に
は、不活性ガスを有機物質の液体中にバブリングさせ、
蒸気を含ませる。バブリング装置の温度を正確に管理
し、飽和蒸気圧の有機物質蒸気を含ませた後、蒸気を含
まない不活性ガスと混合することにより、混合比を制御
することができる。
は、電子放出素子あるいは電子源を実際に電子放出させ
て用いる際に、該電子放出素子あるいは電子源に吸着し
ている、有機物質分子が供給源となって、少なくとも炭
素を含む堆積物の堆積がさらに進行し、電子放出特性が
不安定となることを防ぐために、不要な吸着有機物質分
子を除去する工程である。この処理は、適当なガスを容
器に流入、流出させつつ、電子放出素子あるいは電子源
を加熱することにより行う。加熱により、吸着した有機
物質分子は、脱離しやすくなり、脱離した分子はガスの
気流により容器外に運び去られる。なお、脱離した有機
物質分子が、処理容器の内壁に再度吸着した場合、容器
が低温であると脱離しづらく、容器内に残留する恐れが
あるので、容器自体も加熱することが望ましい。
同程度の波高値を持つ電圧パルスを印加しながら、加熱
処理を行うと、本工程がさらに効果的に行われる場合も
ある。
酸化性を有するものを用いることができる。このように
すると、吸着した有機物質分子は、酸化され、主にCO
2 ,CO,H2 O等に変化する。これらは、高真空を形
成する際などには、必ずしも排気しやすいガスではない
が、ある程度重合の進んだ有機物質の吸着分子に比べれ
ば、排気しやすいものであり、本工程の目的を達成しや
すくなる。
装置を用いて、低真空として行っても良い。排気装置と
して高真空用の大がかりなもの、例えばターボポンプ
や、イオンポンプを用いることもできるが、本工程の目
的程度であれば、スクロールポンプなどの通常予備排気
に用いられる程度の排気装置により行うことができ、容
器、排気装置ともさほど大がかりにはならない。また、
排気に時間を要することもないので、本発明の目的を損
なわず、本発明を構成する工程として好適に採用するこ
とができる。
あるいは電子源を例えばガラスの真空容器に封入して、
画像形成装置を形成する場合などには、封入する前に電
子放出素子あるいは電子源が、正常に形成されているこ
とを確認するのが好ましい。確認の方法としては、電子
放出素子の電気特性、すなわち素子電圧Vf と素子電流
If の関係を測定することにより行うことができる。さ
らに、万全を期するためには、電子放出素子、あるいは
電子源を測定用の真空装置内に設置して、実際に電子を
放出させて、電子放出特性を測定しても良い。この方法
は、最も確実であるが、真空装置内を十分に排気するた
めにある程度の時間を要し、またそのための装置も大が
かりとなる。全体の工程を考慮し、最もコストが低くな
るような確認方法を採用する。
素子あるいは電子源を、画像形成部材など必要な部材と
ともに、真空容器内に封入する。電子放出素子あるいは
電子源以外の各部材も、予め加熱するなどして十分に脱
ガスを行っておく。各部材を内部に設置して真空容器を
形成した後、該真空容器内を排気管を介して排気し、次
いで排気管をバーナーなどで加熱して封じきる。この際
に用いる排気装置は、有機物質を真空中に拡散させるこ
とのないよう、オイルフリーの装置を用いる。
は、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用いた加熱によ
り、真空容器内の所定の位置に配置されたゲッタを加熱
し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッタは通常Ba等
が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、真空容器
内の雰囲気を維持するものである。ゲッタ処理は、容器
内を十分排気した後、あるいは排気管を封じきるのに先
立って行っても良い。
る代わりに、内部で組立作業を行うことができる真空チ
ャンバー内に必要な部材を入れ、真空中で組立てても良
い。本発明に係わる電子源には、図9に示すように、電
子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個配し、
同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一方を、
X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された複数の
電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に共通に接
続するものが挙げられるが、その他にも、図13及び図
14に示したような、並列に配置した多数の電子放出素
子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数個配
し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列方向
と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電極
(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電子
を制御駆動するはしご状配置のものがある。以下に本実
施例をより具体的に説明する。
子の製造方法である。本発明により作成される、表面伝
導型電子放出素子の構成を、図2(a)、図2(b)に
模式的に示す。図2(a)は平面図、図2(b)は断面
図である。
洗浄した後、Ti及びPtをスパッタリング法により、
それぞれ5nm、60nm重ねて成膜し、通常のフォト
リソグラフィーの方法によりパターニングして素子電極
2,3を形成した(図2(a))。電極の間隔Lは、2
μmとした。
りCrを50nm堆積し、フォトリソグラフィーの方法
により、導電性膜4のパターンに対応する開口を形成
し、次いで有機Pd化合物の溶液(ccp−4230;
奥野製薬(株)製)を塗布、大気中300℃,12分間
の焼成を行い、PdO微粒子膜を形成、次いでCrエッ
チャントにより上記Cr膜を剥離し、所望の形状の導電
性膜4を形成した(図2(b))。
行うが、この工程から上述の安定化工程までは、図31
に示すような、それぞれの処理容器61〜63を連絡路
64で連結した処理装置を用いて行う。各処理容器、す
なわちフォーミング処理容器3101、活性化処理容器
3102、安定化処理容器3103(図にはその一部の
み記載)には、それぞれの工程で必要なガスを導入、送
出するための、ガス導入管3106、ガス排気管310
7が接続されている。また、試料導入部3105がフォ
ーミング処理容器3101に、試料排出部(不図示)が
安定化処理容器3103にそれぞれ接続されている。連
結路3104、試料導入部3105、試料排出部にも、
それぞれの内部を適当な雰囲気とするため、ガス導入管
3106、ガス排出管3107が接続されている。31
08は試料搬送装置である。
109に設置され(素子電極への配線が設けられ、処理
容器外の電源装置などと接続されるようになってい
る。)、試料導入部3105に入れられ、試料搬送装置
3108にセットされ、フォーミング処理容器3101
内へ搬送される。試料導入部3105及びフォーミング
処理容器3101内は、1気圧のN2 で満たす。そのた
めガス導入管3106、ガス排出管3107によりN2
ガスが流されている。
に図5(b)に示すような波高値の漸増する三角波パル
スを印加し、電子放出部5を形成する。また、不図示で
あるがフォーミング用パルスの合間に波高値0.1Vの
矩形波パルスを挿入し、このとき流れる電流を測定し
て、素子の抵抗を検知する。抵抗が1MΩを越えたとこ
ろで、本工程を終了する。
化処理容器3102内へ移動して、活性工程を行う。活
性化処理容器3102の内部は、アセトン蒸気を含むN
2 ガス雰囲気で、ほぼ1気圧に保たれている。ガスは、
図19に模式的に示すような多段に連結したバブリング
装置1901により、N2 ガスをアセトン1902中を
通したものである。バブリング装置全体を、恒温槽19
03により25℃に保つようにし、飽和蒸気圧のアセト
ン蒸気を含んだN2 ガスが毎秒1cm3 (1気圧)ずつ
流出するように、ガス注入口1904にN2 ガスを流入
させる。流出したガスは、混合器1905で高純度N2
ガスと混合され100倍に希釈、つづいて分配機190
6で99:1に分岐され、1907に分岐された方は排
気となり、コールドトラップ1907でアセトンを除去
した後、放出される。他方に分岐された方は、再度10
0倍に希釈、さらに10倍に希釈され、全体では、10
5 倍に希釈される。アセトンの25℃における飽和蒸気
圧は、3×104 Pa程度であるから、最終的に、活性
化処理室に流入するガス中のアセトン分圧は、3×10
-1Pa程度となる。なお、このように非常に大きな比率
で希釈することを考慮して、高純度N2 ガスの純度は、
99.9999%(6N)のものを使用した。
にパルス電圧を印加する。パルスは、波高値14Vの矩
形波で、パルス間隔は10msec.パルス幅は1ms
ec.とし、30分間パルスの印加を続けた後、処理を
終了した。
化処理容器3103内へ移動し、安定化処理を行った。
容器内は、N2 ガスが流入、流出しており、温度は15
0℃に保持されている。圧力はほぼ1気圧に保たれてい
る。素子を該安定化容器内に7時間保持した後、図6に
模式的に示す測定装置の真空チャンバー55内に設置し
た。
れて電子を補足するアノード電極54が設置されてい
る。素子とアノード電極の間隔Hは5mmとした。56
は超高真空用の排気装置で、イオンポンプとスクロール
ポンプを組み合わせたものである。該排気装置により、
真空チャンバー内を排気し、圧力を10-8Pa以下とし
た。
4Vの矩形波パルスを素子電極2,3の間に印加して、
電流計50により、素子に流れる電流If を測定した。
また、アノード電極54には、高圧電源53により1k
Vの電位を与え、電流計52により、放出電流Ie を測
定した。
Bまでを同様に行った。つづいて、(工程−d)素子
を、真空装置内に設置し、排気装置により圧力を10-3
Pa以下とした。この真空装置は、真空チャンバー内を
排気するだけでなく、適当なガスを導入できるようにし
たものである。また、素子の電極に配線を接続するため
の端子も有する。上記圧力に減圧するまでに、1時間1
5分を要した。
間に図5(b)に示す、波高値の漸増する三角波パルス
を印加し、電子放出部を形成する。
真空チャンバー内を一旦1×10-6Paまで減圧した
後、アセトンを導入し、圧力を3×10-1Paとし、素
子電極間に14Vの矩形波パルスを印加する。最初の減
圧により上記圧力に達するまでに、3時間を要した。パ
ルス間隔、パルス幅は実施例7の場合と同様とした。パ
ルス印加を30分間続けた後、活性化工程を終了した。
真空チャンバー内を排気しながら、真空チャンバーと素
子を150℃に加熱し、保持する。10時間加熱と排気
を続けたところ、圧力が1×10-6Paを下回るように
なったので、安定化工程を終了した。
取り出し、上述の測定用真空チャンバーに設置して、実
施例7と同様の測定を行った。
した。If −Vf 、Ie −Vf 特性とも、明確な閾値を
持ち、閾値以上の素子電圧に対し、単調増加特性(MI
特性)を示す。この特性は、14V以上の電圧をかけな
い限り、変化せず、測定の際のパルス波高値(ただし1
4V以下)、パルス幅、パルス間隔に依存しないもので
あった。また、パルス印加を暫く停止した後に、測定を
再開した場合にも、一時的に電流が大きくなるような現
象は見られなかった。
た特性示すものであるが、実施例7の方法は、比較例1
の方法と比べ、真空容器内を排気するのに必要な時間な
どが大幅に短縮でき、製造コストを抑制できた。また製
造装置も、比較例1で用いたような、製造工程に用いる
真空装置を必要とせず、装置が大がかりになることによ
るコストの上昇も抑制できた。
るのは、表面伝導型電子放出素子を多数有し、マトリク
ス状に配線されて電子源、及びそれを用いた画像形成装
置である。製造工程を、図32を参照して説明する。
に、0.5μmのSiO2 層をスパッタリングにより形
成し、基板1とした。
ラフィー法を用いて表面伝導型電子放出素子の素子電極
2と3を形成する。材質は5nmのTi、100nmの
Niを積層したものである。素子電極間隔は2μmとし
た(図32(A))。
定の形状に印刷し、焼成することによりY方向配線91
を形成した。該配線の幅は100μm、厚さは約10μ
mである(図32(B))。
ガラスバインダーを混合したペーストを用い、同じく印
刷法により絶縁層3202を形成する。これは上記Y方
向配線3201と後述のX方向配線を絶縁するもので、
厚さ約20μmとなるように形成した。なお、素子電極
3と重なる部分には切り欠き3203を設けて、X方向
配線と素子電極の接続をとるようにしてある(図32
(C))。
を上記絶縁層3202に形成する(図32(D))。方
法はY方向配線の場合と同じで、配線の幅は300μ
m、厚さは約10μmである。
膜4を形成する。有機Pd化合物の水溶液を、所定の位
置に、バブルジェット方式のインクジェット装置を用い
て、液滴として付与し、乾燥させた後、大気中で300
℃,10分間の加熱処理を行い、PdO微粒子膜とする
ことにより形成した(図32(E))。
う。実施例7で用いたのと同じ処理装置を用いる。
示すように、配線が行われている。X方向配線3201
は、各配線がフィードスルー3304を介して処理容器
3303外に取り出されている。Y方向配線3204は
共通電極3302にすべて接続され、共通電極につなが
った配線が、フィードスルー3304を介して外部に取
り出されている。3301は電子放出素子を示す。パル
スジェネレータ3305は、上記共通電極と、X方向配
線の一つとに接続されている。3306は電流測定用の
抵抗、3307は電流モニタである。実施例7と同様に
フォーミング用に波高値の漸増する三角波パルスを印
加、該フォーミング用パルスの合間に、波高値0.1V
の矩形波パルスを印加し、電流を測定して、抵抗を検知
した。抵抗値が1素子あたり、100kΩを越えたとこ
ろで、そのX方向配線に接続された電子放出素子330
1のフォーミングを完了し、パルスジェネレータ330
5の接続を次のX方向配線につなぎ替える。これを繰り
返してすべての電子放出素子に電子放出部を形成する。
実施例7と同様のアセトンを含有するN2 ガスを流入さ
せ、工程−Fと同様の配線により、各X方向配線ごとに
波高値18Vの矩形波パルスを印加した。検知される電
流の量がほぼ飽和した時点で、パルスジェネレータの接
続を次のX方向配線に切り替え、順次同様の処理を行
い、すべての電子放出素子の活性化工程を完了した。
実施例7と同様に、上記電子源を150℃のN2気流中
で、7時間保持した。
測定し、短絡などの異常がないことを確認した。 (工程−J)上記電子源と組み合わせる真空容器の部材
と、画像形成部材を準備する。ガラス製真空容器は、フ
ェースプレート、リアプレート、及び支持枠より成り、
さらに容器内部を排気するための排気管を有する。画像
形成部材は、上記フェースプレートの真空容器内側表面
上に、蛍光膜とメタルバックを積層したものである。本
実施例では、蛍光膜としては図10(A)に示した、ス
トライプ状の構造を採用した。上記のフィルミング処理
を行った後、Alを真空蒸着により成膜し、メタルバッ
クを形成した。
アプレート及び支持枠は予めN2 気流中450℃,1時
間の熱処理を行い、吸着物を除去した。
リアプレートと支持枠、フェースプレート、排気管を組
み合わせ、固定して、真空容器を形成した。この際電子
源と画像形成部材の位置を厳密に合わせた。接合にはフ
リットガラスを用い、大気中で400℃に加熱すること
により固定した。このようにして形成した画像形成装置
は、図9に模式的に示すような構成を有する。81はリ
アプレート、82は支持枠、83はフェースプレート
で、これらにより真空容器(外囲器)88が作製され
る。84は蛍光膜、85はメタルバックで両者により画
像形成部材が構成される。901は真空容器88の内部
を排気するための排気管、87はメタルバック85に接
続され、電子を加速するための電圧を画像形成部材に印
加するための高圧端子である。このほか、図には示され
ていないが、電子源の周囲にゲッタが配置されている。
装置に接続し、真空容器内を排気、圧力を10-6Pa以
下になるまで排気を続けた。
封じきった。次いで、高周波加熱により、ゲッタを加熱
し、ゲッタ処理を行い、画像形成装置を完成した。
印加し、マトリクス駆動により動作を確認したところ、
正常に動作することが確かめられた。
は、実施例8と同様の電子源及びそれを用いた画像形成
装置である。実施例8の工程−Aから工程−Eまでと同
様の工程を行った後、(工程−F)フォーミング工程を
行う。電子源をフォーミング処理容器内に設置し、容器
内に先ずN2 ガスを流入させる。配線は、図33に示し
たものと基本的には同じであるが、パルスジェネレータ
3305とX方向配線の接続端子との間に、スイッチン
グ装置を置き、1パルス毎に、接続するX方向配線が順
次切り替わるようにする。この状態で、波高値5V、パ
ルス幅100μsecの矩形波パルスを各X方向配線に
順次印加する。
9%−H2 1%の混合ガスに切り替える。
に低下し、その後急激に上昇に転じて高抵抗となり、電
子放出部が形成される。なお、H2 の爆発濃度範囲の下
限は、空気中で4%であるので、上記混合ガスの使用に
関しては特別な防爆設備は設けず、装置の周囲を通常の
換気が行われるようにした。
理容器内には、N2 99%−CH4 1%の混合ガスを流
入させる。なお、メタンCH4 の爆発濃度範囲の下限
は、空気中で5%であるので、上記混合ガスに関して特
別な防爆設備は設けていない。
パルス波高値は初め5Vとし、0.5V/min.のレ
ートで昇圧し、18Vとなった時点で、波高値を固定し
た。本工程は、電流を観測しながら行い、電流値の増加
が飽和傾向を示したところで、工程を終了した。
安定化処理容器内には、N2 を流入させ、150℃で5
時間保持した。このうち、最初の1時間は、工程−Gに
おけると同様なパルスの印加を行った。波高値は18V
とした。
特性を測定し、すべての素子が正常に形成されているこ
とを確かめた。
画像形成装置、真空容器を組み合わせ、画像形成装置を
作成した。高圧端子に5kVを印加し、動作を確認した
ところ、正常に動作することが確かめられた。電子放出
素子から放出電流は、実施例2の場合よりもやや大きい
ものであった。
のは、実施例8と同様の電子源及びそれを用いた画像形
成装置である。実施例8の工程−Aから工程−Eまでと
同様の工程を行った後、(工程−F)電子源をフォーミ
ング処理容器内に設置する。フォーミング処理容器内
に、乾燥空気を流入させながら、実施例8のフォーミン
グ工程と同様の方法でパルス電圧を印加し、電子放出部
を形成した。
移し、容器内にN2 99.95%−C2 H2 0.05%
の混合ガスを流入させた。実施例2と同様に電子源にパ
ルス電圧を印加し、活性化を行った。
移し、容器内に、N2 95%−O2 5%の混合ガスを流
入させた。内部を150℃に保持し、3時間の処理を行
った。
様に行った後、実施例8と同様にして画像形成装置を作
成し、動作の確認を行った。実施例2とほぼ同様の結果
であった。
で行った後、安定化工程を次のようにして行った。 (工程−H)電子源を真空チャンバー内に設置し、真空
チャンバーをスクロールポンプにより、圧力が10-3P
aとなるよう排気を行った。この圧力に達するまで、1
5分を要した。次いで、真空チャンバー全体を加熱して
150℃とした後、排気を続けながら10時間保持し
た。用いた真空チャンバーは、簡易なバルブを介して上
記スクロールポンプに接続されたもので、極めて簡易な
装置である。
様に行った後、実施例8と同様にして画像形成装置を作
成し、動作の確認を行った。実施例8とほぼ同様の結果
であった。
かに活性化原料を電子放出素子に供給でき、また、むら
を減らすことができる。また、活性化の工程において高
真空の雰囲気を用いないので、活性化工程に先立ち電子
放出素子もしくは電子源を真空装置に設置し排気、必要
な場合には処理後にリークするということを行う必要が
ない。それにより全体の工程の時間を非常に短くするこ
とができ、量産性の面でも特に好ましい。また、真空装
置を真空搬送路で連結して処理を行わなくてもいいの
で、そのような大型で極めて高価な製造装置を用いる必
要がない。
の真空装置で行う場合、活性化工程では、真空容器内に
有機物質が導入され、ついで安定化工程でこれを除去す
ることになる。活性化工程で導入された有機物質は電子
放出素子或いは電子源のみならず、真空容器自体の内壁
に大量に吸着されてしまうため、これを除去するには長
時間を要する。それに対して、活性化工程における雰囲
気を保持する容器と、その後の工程において用いる容器
が異なる実施例においては、活性化工程において用いる
容器への有機物質の吸着が生じてもその後の工程には影
響を与えないため、製造プロセスにかかる時間を短くす
ることができる。
電子放出素子や電子源や画像形成装置の製造にかかる時
間を短縮でき、またコストを減少することができる。
例を示す模式図である。
構成を示す模式的平面図及び断面図である。
素子の構成を示す模式図である。
製造方法の一例を示す模式図である。
製造に際して採用できる通電フォーミング処理における
電圧波形の一例を示す模式図である。
す模式図である。
ついての放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧Vfの
関係の一例を示すグラフである。
子源の一例を示す模式図である。
の一例を示す模式図である。
応じて表示を行なうための駆動回路の一例を示すブロッ
ク図である。
化工程を行うための真空排気装置の模式図である。
を示す模式図である。
ルの一例を示す模式図である。
性化工程のための結線方法を示す模式図である。
模式図である。
性化工程において使用する処理装置の構造を示す模式図
である。
使用される真空装置の構成の一例を示す模式図である。
使用されるバブリング装置の構成の一例を示す模式図で
ある。
電子源の構成を模式的に示す平面図である。
模式的に示す断面図である。
ための図である。
ための図である。
ための図である。
ための図である。
ための図である。
ための図である。
ための図である。
めの流れ図である。
器の構成の例を示す模式図である。
式図である。
電子源の製造法の一例を示す模式図である。
れる配線方法を説明するための模式図である。
流Ifを測定するための電流計 51 電子放出素子に素子電圧Vfを印加するための電
源 52 素子の電子放出部5より放出される放出電流Ie
を測定するための電流計 53 アノード電極54に電圧を印加するための高圧電
源 54 素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを
捕捉するためのアノード電極 55 真空容器 56 排気ポンプ 71 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 高圧端子 88 外囲器 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 VxおよびVa 直流電圧源 110 電子源基板 111 電子放出素子 112 Dx1〜Dx10は、前記電子放出素子を配線
するための共通配線 120 グリッド電極 121 電子が通過するため空孔 122 Dxo1,Dxo2,…,Dxomよりなる容
器外端子 123 グリッド電極120と接続されたG1,…Gn 131 画像表示装置 132 配管 135 排気装置 136 圧力計 137 四重極質量分析器 139 導入量制御手段 140 導入物質源 141 共通電極 142 電源 143 電流測定用抵抗 144 オシロスコープ 201 循環器 202 吸湿装置 203 バルブ 1706,3001 容器 1707 メッシュ 3003 Oリング 3108 試料搬送装置 3110 仕切り 1901 バブラー
Claims (42)
- 【請求項1】 電子放出素子を有する電子源の製造方法
であって、 電子放出素子において電子を放出する部分となる領域を
少なくとも含む領域に、堆積物を堆積させる堆積工程を
有しており、該堆積工程は、前記堆積物の原料を少なく
とも含む気体雰囲気で、かつ前記気体が粘性流状態とな
る平均自由行程を有する状態で行うことを特徴とする電
子源の製造方法。 - 【請求項2】 前記雰囲気は、圧力が1Pa以上の雰囲
気である請求項1に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項3】 電子放出素子を有する電子源の製造方法
であって、 電子放出素子において電子を放出する部分となる領域を
少なくとも含む領域に、堆積物を堆積させる堆積工程を
有しており、該堆積工程は、前記堆積物の原料を少なく
とも含む気体雰囲気で、かつ該雰囲気の圧力が1Paよ
り大きい状態で行うことを特徴とする電子源の製造方
法。 - 【請求項4】 前記雰囲気は、圧力が100Pa以上の
雰囲気である請求項1乃至3いずれかに記載の電子源の
製造方法。 - 【請求項5】 前記雰囲気は、圧力が1000Pa以上
の雰囲気である請求項1乃至3いずれかに記載の電子源
の製造方法。 - 【請求項6】 前記雰囲気は、圧力が数気圧以下の雰囲
気である請求項1乃至5いずれかに記載の電子源の製造
方法。 - 【請求項7】 前記雰囲気は、圧力が1.5気圧以下の
雰囲気である請求項1乃至5いずれかに記載の電子源の
製造方法。 - 【請求項8】 前記雰囲気は、圧力が0.5気圧以下の
雰囲気である請求項1乃至5いずれかに記載の電子源の
製造方法。 - 【請求項9】 前記雰囲気は、圧力が0.2気圧以下の
雰囲気である請求項1乃至5いずれかに記載の電子源の
製造方法。 - 【請求項10】 前記雰囲気は、圧力が0.1気圧以下
の雰囲気である請求項1乃至5いずれかに記載の電子源
の製造方法。 - 【請求項11】 前記雰囲気は、圧力が大気圧程度の雰
囲気である請求項1乃至3いずれかに記載の電子源の製
造方法。 - 【請求項12】 前記気体は、前記堆積物の材料となる
物質を希釈気体で希釈した気体である請求項1乃至11
いずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項13】 前記希釈気体は、不活性ガスである請
求項12に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項14】 前記気体は、前記堆積物の材料となる
物質と窒素もしくはヘリウムもしくはアルゴンとを含む
気体である請求項1乃至11いずれかに記載の電子源の
製造方法。 - 【請求項15】 前記気体は、炭素もしくは炭素を含む
化合物と窒素もしくはヘリウムもしくはアルゴンとを含
む気体である請求項1乃至11いずれかに記載の電子源
の製造方法。 - 【請求項16】 前記堆積工程は、前記雰囲気中で、前
記電子を放出する部分となる領域に電圧を印加すること
によって、前記堆積物を堆積させるものである請求項1
乃至15いずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項17】 前記電子を放出する部分となる領域
は、第1の間隙を挟んで対向する導電性物質の該第1の
間隙の近傍部分であり、前記堆積工程によって、該対向
する導電性物質に前記堆積物を堆積させ、前記第1の間
隙部分よりも狭い第2の間隙を形成する請求項1乃至1
6いずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項18】 前記第1の間隙部分を形成する第1間
隙形成工程を有する請求項17に記載の電子源の製造方
法。 - 【請求項19】 前記第1間隙形成工程は、導電性膜の
前記第1の間隙を形成する部分に通電することによって
前記第1の間隙を形成する工程である請求項18に記載
の電子源の製造方法。 - 【請求項20】 前記第1間隙形成工程と、前記堆積工
程とを同程度の圧力下で行う請求項18もしくは19い
ずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項21】 前記第1間隙形成工程と、前記堆積工
程とを大気圧程度の圧力下で行う請求項18もしくは1
9いずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項22】 前記堆積工程は、内部を前記雰囲気に
できる容器内で行う請求項1乃至21いずれかに記載の
電子源の製造方法。 - 【請求項23】 前記堆積工程終了後の工程において
は、前記堆積工程で用いた容器とは異なる容器を用いる
請求項22に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項24】 前記堆積工程で用いる容器は、前記気
体を拡散する拡散手段を有する請求項22もしくは23
に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項25】 前記堆積工程は、前記気体を前記容器
に導入して行う請求項22乃至24いずれかに記載の電
子源の製造方法。 - 【請求項26】 前記堆積工程は、前記気体を前記容器
に流しながら行う請求項25に記載の電子源の製造方
法。 - 【請求項27】 前記堆積工程は、前記気体の流入口と
流出口を有する容器内で行う請求項22乃至26いずれ
かに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項28】 前記堆積工程において、前記容器から
流出した気体を前記容器に再流入する請求項22乃至2
7いずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項29】 前記再流入の前に、前記容器から流出
した気体から不要物を減らす請求項28に記載の電子源
の製造方法。 - 【請求項30】 前記再流入の前に、前記容器から流出
した気体から水分をを減らす請求項28に記載の電子源
の製造方法。 - 【請求項31】 前記堆積工程の後、前記気体を雰囲気
から減少させる工程を有する請求項1乃至30いずれか
に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項32】 前記電子放出素子は、冷陰極素子であ
る請求項1乃至31いずれかに記載の電子源の製造方
法。 - 【請求項33】 前記電子放出素子は、表面伝導型放出
素子である請求項1乃至31いずれかに記載の電子源の
製造方法。 - 【請求項34】 前記電子放出素子を複数形成する請求
項1乃至33いずれかに記載の電子源の製造方法。 - 【請求項35】 電子源と、該電子源から放出される電
子により画像を形成する画像形成部材とを有する画像形
成装置の製造方法であって、請求項1乃至34いずれか
に記載の製造方法によって製造した電子源と、前記画像
形成部材とを一体とする工程を有することを特徴とする
画像形成装置の製造方法。 - 【請求項36】 電子放出素子を有する電子源の製造装
置であって、 内部に気体を導入できる容器と、該容器内に前記電子放
出素子において電子を放出する部分となる領域を少なく
とも含む領域に堆積する堆積物の原料を少なくとも含む
気体を導入する手段とを有しており、該導入する手段
は、前記気体が粘性流状態となる状態で導入を行うこと
を特徴とする電子源の製造装置。 - 【請求項37】 電子放出素子を有する電子源の製造装
置であって、 内部に気体を導入できる容器と、該容器内に前記電子放
出素子において電子を放出する部分となる領域を少なく
とも含む領域に堆積する堆積物の原料を少なくとも含む
気体を導入する手段とを有しており、該導入する手段
は、容器内の雰囲気が1Paより大きくなるように導入
を行うことを特徴とする電子源の製造装置。 - 【請求項38】 前記容器から流出した気体を前記容器
に再流入させる循環手段を有する請求項36もしくは3
7いずれかに記載の電子源の製造装置。 - 【請求項39】 前記容器から流出した気体を前記容器
に再流入させる配管を有する請求項36もしくは37い
ずれかに記載の電子源の製造装置。 - 【請求項40】 前記容器に再流入させる気体の水分を
除去する手段を有する請求項38もしくは39に記載の
電子源の製造装置。 - 【請求項41】 前記容器は、前記堆積を行う際に、前
記被堆積領域を少なくとも含む部材にかぶせる物である
請求項36乃至40いずれかに記載の電子源の製造装
置。 - 【請求項42】 前記容器内に、前記被堆積領域を少な
くとも含む部材を搬送する搬送手段を有する請求項36
乃至40いずれかに記載の電子源の製造装置。
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