JP3062990B2 - 電子放出素子及びそれを用いた電子源並びに画像形成装置の製造方法と、電子放出素子の活性化装置 - Google Patents

電子放出素子及びそれを用いた電子源並びに画像形成装置の製造方法と、電子放出素子の活性化装置

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JP3062990B2 JP18204895A JP18204895A JP3062990B2 JP 3062990 B2 JP3062990 B2 JP 3062990B2 JP 18204895 A JP18204895 A JP 18204895A JP 18204895 A JP18204895 A JP 18204895A JP 3062990 B2 JP3062990 B2 JP 3062990B2
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/027Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of thin film cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/316Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode having an electric field parallel to the surface, e.g. thin film cathodes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出素子及びそれ
を用いた電子源並びに画像形成装置の製造方法と、電子
放出素子の放出電流を増加させる活性化処理を行う活性
化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては大別し
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」と称す。)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」と称す。)や表面伝導型電子放出
素子等が有る。
【0003】FE型の例としては、W.P. Dyke
and W.W. Dolan,“Field Em
ission”, Advance in Elect
ron Physics, 8,89(1956)ある
いはC.A. Spindt, “PHYSICAL
Properties of thin−filmfi
eld emission cathodes wit
h molybdenum cones”, J. A
ppl. Phys. ,47,5248(1976)
等に開示されたものが知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A. Mea
d, “Operation ofTunnel−Em
ission Devices”, J. Appl.
Phys., 32,646(1961)等に開示され
たものが知られている。
【0005】表面伝導型電子放出素子の例としては、
M.I. Elinson, Radio Eng.
Electron Phys., 10,1290(1
965)等に開示されたものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”, 9,317(1972)]、In23
SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell an
d C.G. Fonstad:“IEEETran
s. ED Conf.”, 519(1975)]、
カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26
巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されてい
る。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図27
に模式的に示す。同図において1は基板である。4は導
電性薄膜で、H型形状のパターンに、スパッタで形成さ
れた金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミン
グと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成され
る。尚、図中の素子電極間隔Lは0.5〜1mm、W’
は0.1mmで設定されている。
【0008】表面伝導型電子放出素子の構成は、上記の
ようなH型形状に限るものではなく、例えば上記H型形
状の両側の部分を電極として形成し、これを連結するよ
うに導電性薄膜を形成しても良い。このとき、電極と導
電性薄膜の材質や厚さが互いに異なるものであっても差
し支えない。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予めフォ
ーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部5を形
成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミングと
は前記導電性薄膜4の両端に直流電圧あるいは非常にゆ
っくりとした昇電圧例えば1V/分程度を印加通電し、
導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、
電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成するこ
とである。尚、電子放出部5は導電性薄膜4の一部に亀
裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が行われる。前
記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子
は、上述の導電性薄膜4に電圧を印加し、素子に電流を
流すことにより、上述電子放出部5より電子を放出せし
めるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本出願人らは、表面伝
導型電子放出素子において、前述のフォーミング処理に
より電子放出部を形成した後、例えば有機物質などを含
む雰囲気中で素子に電圧を印加することにより、素子か
ら放出される電流が著しく増加することを見いだした。
このような処理を行う工程を「活性化」と呼ぶ。これ
は、上記のような処理により電子放出部の近傍に炭素ま
たは炭素化合物などの活性化堆積物の膜が堆積すること
に起因するものである。
【0011】上記表面伝導型電子放出素子は、構造が単
純であるため、大面積にわたって多数の素子を配列した
電子源を作成することが容易であるという利点がある。
この特徴を活かすため種々の応用が研究されており、例
えば自発光型の薄型画像表示装置などの画像形成装置へ
の利用などが挙げられる。
【0012】多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成
した電子源の例としては、図14に示すように一つの行
の素子の正極・負極をそれぞれ共通の配線に接続した構
造(はしご型)、図10のようにマトリクス状に配線し
た構造などが挙げられる。
【0013】このような電子源に活性化工程を施す場
合、適当な雰囲気下で、例えば同一行に属する素子に一
斉にパルス状の電圧を印加したり、或いは各素子に順次
パルス電圧を印加し活性化物質の膜を堆積させることに
より行う。
【0014】ところで、電子放出素子の特性について
は、電子放出素子を適用した画像形成装置が明るい表示
画像を安定して提供できるよう更に均一な電子放出特性
及び電子放出の効率向上が要望されている。ここでの効
率は、表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極に電圧
を印加した際に、両電極間を流れる電流(以下、「素子
電流」という。)と真空中に放出される電流(以下、
「電子放出電流」という。)との比で表されるものであ
り、素子電流が小さく、放出電流が大きい電子放出素子
が望まれている。一つの電子源を形成する多数の電子放
出素子の電子放出特性の均一性と効率の向上がなされれ
ば、例えば蛍光体を画像形成部材とする画像形成装置に
おいては低電流で明るい高品位な画像形成装置、例えば
フラットテレビが実現できる。また、低電流化に伴い、
画像形成装置を構成する駆動回路等のローコスト化も図
れる。
【0015】しかしながら、上記の製造方法では、予め
定められた条件で、一定の時間、パルス電圧を印加する
などして活性化を行うため、各素子の製造途中の条件の
僅かな違い、例えば導電性薄膜の厚さや揺らぎや、素子
の位置による有機物質の分圧の違いなど、によって活性
化の速さなどが異なり、結果として素子の特性が不均一
となる場合があった。この様な特性の不均一性による電
子放出量のバラツキ、画像形成装置の場合の明るさのバ
ラツキを解決するためには、駆動する際に、素子毎に適
当な補正を行う事が考えられるが、そのためには素子毎
の補正情報を有するメモリーを具備することが必要とな
り、たとえば画像形成装置などの場合、素子数が膨大で
あるため装置が大掛かりになり、コストを押し上げるこ
とにもなる。
【0016】また、活性化工程を行う際、活性化堆積物
の膜が不必要な部分にも形成され正極側と負極側が連結
されると電子放出に寄与しない電流(リーク電流)が流
れ、実効的な電子放出効率が低下して、消費電力が増大
する。これにより不要な発熱が生じるため、放熱機構が
必要になったり、駆動回路の電流容量を大きくする必要
があるなど、実際に使用する際の装置の設計に重大な制
約を課することになる。これを避けるためには、上記の
ようなリーク電流の経路があまり成長しないうちに活性
化を終了し安定化と呼ばれる工程を行って、僅かにつな
がっているリーク電流経路を除去する事などが考えられ
るが、電子放出電流が十分大きくなる前に活性化を打ち
切ることになり、問題が残る。
【0017】本発明の目的は、上述した技術的課題を解
決し、均一な電子放出特性を有し電力消費の少ない電子
放出素子、及びこれを用いた電子源並びに画像形成装置
を得ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
すべく成された本発明の構成は以下の通りである。
【0019】即ち、本発明の第一は、電極間に、電子放
出部を有する導電性膜を備える電子放出素子の製造方法
において、放出電流を増加させる活性化工程を有し、該
活性化工程は、a)間隙部を有する導電性膜に電圧(V
act)を印加する工程と、b)前記導電性膜の電気的
特性を検知する工程と、c)前記検知された電気的特性
に基づき前記導電性膜に印加する電圧波形を変更す
、雰囲気ガス種を変更する、または雰囲気有機物質ガ
ス分圧を調整する工程とを有することを特徴とする電子
放出素子の製造方法にある。
【0020】また、本発明の第二は、複数の電子放出素
子を結線した素子行を複数有する電子源、あるいはマト
リクス配線された複数の電子放出素子を有する電子源の
製造方法において、前記電子放出素子を上記本発明第一
の方法により製造することを特徴とする電子源の製造方
法にある。
【0021】また、本発明の第三は、電子放出素子と画
像形成部材とを有する画像形成装置の製造方法におい
て、前記電子放出素子を上記本発明第一の方法により製
造することを特徴とする画像形成装置の製造方法にあ
る。
【0022】更に、本発明の第四は、電極間に、電子放
出部を有する導電性膜を備える電子放出素子の、放出電
流を増加させる活性化処理を行う活性化装置であって、
該活性化装置は、a)間隙部を有する導電性膜に電圧
(Vact)を印加する手段と、b)前記導電性膜の電
気的特性を検知する手段と、c)前記検知された電気的
特性に基づき、前記導電性膜に印加する電圧波形の変
更、雰囲気ガス種の変更、または雰囲気有機物質ガス分
圧の調整を制御する制御手段とを有することを特徴とす
る電子放出素子の活性化装置にある。
【0023】上記b)により検知するのは、素子の両極
に流れる電流(素子電流)If、素子から真空中に放出
され、アノード電極に流れ込む電流(放出電流)Ie、
素子の両電極間に印加する電圧(素子電圧)Vfのうち
少なくとも2者の間の関係であるのが一般的である。
【0024】上記c)により変更されるのは、活性化の
ために素子に印加する電圧パルスの波形、活性化雰囲気
の条件である。パルスの波形とは、例えば、パルス電
圧、パルス幅、パルスの間隔などのパラメーターや、三
角波,矩形波,台形波などのタイムチャート上での形そ
のものなどを指す。また雰囲気の制御とは、活性化雰囲
気中の有機物質など、活性化ガスの分圧制御、あるいは
水素などのエッチングガスの一時的導入や分圧制御など
を指す。
【0025】各手段の間の関連を図1にブロック図とし
て示す。
【0026】本発明に係る活性化工程は、具体的には、
(A)初期条件を設定し活性化工程を開始するためのシ
ーケンス、(B)予め定められた手順により活性化工程
を維持するレギュラーシーケンス、(C)上記レギュラ
ーシーケンスに定期的に割り込み、あるいは常時併走し
て電子放出素子、電子源の電気特性を検知するステッ
プ、(D)上記(C)のステップによって得た情報を元
に、従前のレギュラーシーケンスの継続、レギュラーシ
ーケンスの条件変更、活性化工程の終了のいずれかを選
択するステップ、(E)上記(D)のステップの選択に
基づき、活性化工程を終了するための各ステップを実行
するシーケンス、を有するものである。
【0027】各シーケンス、ステップの関連を示すフロ
ーチャートを図2に示す。
【0028】上記(A)のシーケンスは、具体的には、
活性化のためのパルスを発振させるための発振器の設
定、素子ないし素子のグループ毎にパルスを印加する場
合には、スイッチング装置のプログラム設定、装置内へ
の有機ガスの導入、あるいはそのタイミングのプログラ
ム設定等、また上記有機ガス導入の前に真空装置内を一
旦高真空にする場合には、排気と必要に応じて真空装置
をベーキングするなどの一連の処理、その他を含む。
【0029】上記(B)のレギュラーシーケンスは、一
定の雰囲気で、一定の電圧パルスの印加を継続すること
に限らず、パルス波高値、パルス幅などを予め定められ
たプログラムに従って変化させたり、雰囲気を定期的に
変化させたりすることも含むものである。
【0030】上記(C)のステップは、素子または素子
のグループのIe−Vf,If−Vf特性を検出するも
ので、レギュラーシーケンスでの活性化パルスの合間
に、定期的に測定用のパルスを挿入し、それにより特性
を検知したり、三角波、台形波または階段状パルスを活
性化パルスとして用いる事により、常時レギュラーシー
ケンスと併走する場合などを含む。
【0031】ここで検知するIf−Vf特性及び/また
はIe−Vf特性は、If,IeとVfのフルレンジで
の対応を指す場合も、特定のVfの値に対するIf,I
eの値を指す場合もあり、目的に応じて適宜定める。
【0032】上記(D)のステップは、上記ステップ
(C)で検知された特性から、例えば活性化パルスの波
高値Vactより低い或電圧Vf2での素子電流If
(Vf2)の値、Ie,Ifの閾値電圧や両者の差、I
e(Vact)の値などを検知し、予め定められた条件
により、レギュラーシーケンスの継続、特定の処理ない
し活性化工程の終了を選択するものである。
【0033】上記(E)のステップは、上記ステップ
(D)の判定に従ってレギュラーシーケンスにおける活
性化パルスの形状や雰囲気の変更、あるいは一時的にレ
ギュラーシーケンスとは異なる処理を行った後にレギュ
ラーシーケンスに復帰する等の処理を行うものである。
【0034】上記(F)のシーケンスは、活性化パルス
の停止、有機物質の導入停止、装置内の排気など活性化
工程終了のための一連のステップを行うシーケンスであ
る。
【0035】上記シーケンス並びにステップを具体的に
どの様に行うかは、目的などに応じて適宜定める。
【0036】例えば、上記製造装置・製造方法を用い、
複数の素子を製造する場合、Ie(Vact)を検知し
ながら活性化を行い、これが予め決めた値を超えたとこ
ろで活性化を終了するように制御すれば、放出電流の値
が揃った素子が得られる。複数の素子を、梯子状あるい
はマトリクス状の配線により結線した電子源あるいは、
それを用いた画像形成装置の製造の場合も同様である。
【0037】また、素子の電気的特性は活性化の進行に
伴い徐々に変化するが、例えばIeなどはあるところで
最大値を取り、それ以上処理を続けるっとかえって減少
するのが一般的である。このとき、Ieをモニタしなが
らdIe/dtを算出し、Ieの極大すなわちdIe/
dt=0を検知して活性化を停止するように制御するこ
とにより、最大のIeを実現することが出来る。すなわ
ちIeについての最適化が出来る。
【0038】同様の方法により、η=Ie/Ifなどの
適当なパラメータについて最適化を行うことが出来る。
【0039】また、Vmid=Vact/2なる電圧に
おけるIfの値If(Vmid)をモニタしながら活性
化工程を行い、リーク電流が増加してこれが例えばIf
(Vact)の1/200を超えた場合に、一時的に高
い電圧のパルスを印加する事により、リーク電流を減少
させるように制御すれば、最終的にリーク電流の少ない
素子が得られる。マトリクス配線の電子源を単純マトリ
クス駆動により例えば画像形成に用いる場合、ある瞬間
に電子を放出するように選択された1つの素子と同じ行
及び列に属する素子には、選択された素子にかかる電圧
(駆動電圧)の半分の電圧(半選択電圧)が掛かる。こ
のときIf(Vmid)が大きければ、それらの素子に
は無効な電流が流れ、電力消費が増えるだけでなく、電
子源の駆動回路に過大な負荷が掛かる、駆動に伴って熱
が発生するなどの問題が生ずるが、この問題の低減に有
効である。
【0040】実際の工程に沿って具体的に説明する。
【0041】図3は、本発明を適用可能な表面伝導型電
子放出素子の構成を示す模式図であり、図3(a)は平
面図、図3(b)は断面図である。
【0042】図3において1は基板、2と3は素子電
極、4は導電性薄膜、5は電子放出部である。
【0043】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等によりSiO2 を積層したガラス基板及
びアルミナ等のセラミックス及びSi基板等を用いるこ
とができる。
【0044】対向する素子電極2,3の材料としては、
一般的な導体材料を用いることができる。これは例えば
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属或は合金及びPd,Ag,Au,Ru
2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等か
ら構成される印刷導体、In23 −SnO2 等の透明
導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜
選択することができる。
【0045】素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性
薄膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して、設計
される。
【0046】素子電極間隔Lは、数百nmから数百μm
の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、素子電
極間に印加する電圧等を考慮して数μmから数十μmの
範囲とすることができる。
【0047】素子電極長さWは、電極の抵抗値、電子放
出特性を考慮して、数μmから数百μmの範囲とするこ
とができる。素子電極2,3の膜厚dは、数十nmから
数μmの範囲とすることができる。
【0048】尚、図3に示した構成だけでなく、基板1
上に、導電性薄膜4、対向する素子電極2,3の順に積
層した構成とすることもできる。
【0049】導電性薄膜4には、良好な電子放出特性を
得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが
好ましい。その膜厚は、素子電極2,3へのステップカ
バレージ、素子電極2,3間の抵抗値及び後述するフォ
ーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は、
0.1nmの数倍から数百nmの範囲とするのが好まし
く、より好ましくは1nmから50nmの範囲とするの
が良い。その抵抗値は、Rs が102 から107 Ω/□
の値である。なおRs は、厚さがt、幅がwで長さがl
の薄膜の抵抗Rを、R=Rs (l/w)とおいたときに
現れる値である。本願明細書において、フォーミング処
理については、通電処理を例に挙げて説明するが、フォ
ーミング処理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂
を生じさせて高抵抗状態に形成する物理的処理、あるい
は化学的処理を包含するものである。
【0050】導電性薄膜4を構成する材料は、Pd,P
t,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、PdO,S
nO2,In23 ,PbO,Sb23 等の酸化物、
HfB2 ,ZrB2 ,LaB6,CeB6 ,YB4 ,G
dB4 等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,
SiC,WCなどの炭化物、TiN,ZrN,HfN等
の窒化物、Si,Ge等の半導体の中から適宜選択され
る。
【0051】ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子
が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に
分散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるい
は重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体
として島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、0.1nmの数倍から数百μmの
範囲、好ましくは、1nmから20nmの範囲である。
【0052】なお、本明細書では頻繁に「微粒子」とい
う言葉を用いるので、その意味について説明する。
【0053】小さな粒子を「微粒子」と呼び、これより
も小さなものを「超微粒子」と呼ぶ。「超微粒子」より
もさらに小さく、原子の数が数百個程度以下のものを
「クラスター」と呼ぶことは広く行われている。
【0054】しかしながら、それぞれの境は厳密なもの
ではなく、どの様な性質に注目して分類するかにより変
化する。また「微粒子」と「超微粒子」を一括して「微
粒子」と呼ぶ場合もあり、本明細書中での記述はこれに
沿ったものである。
【0055】「実験物理学講座14 表面・微粒子」
(木下是雄 編、共立出版 1986年9月1日発行)
では次のように記述されている。
【0056】「本稿で微粒子と言うときにはその直径が
だいたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特
に超微粒子というときは粒径が10nm程度から2〜3
nm程度までを意味することにする。両者を一括して単
に微粒子と書くこともあってけっして厳密なものではな
く、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が
2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼
ぶ。」(195ページ 22〜26行目)。
【0057】付言すると、新技術開発事業団の“林・超
微粒子プロジェクト”での「超微粒子」の定義は、粒径
の下限はさらに小さく、次のようなものであった。
【0058】「創造科学技術推進制度の“超微粒子プロ
ジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ
(径)がおよそ1〜100nmの範囲のものを“超微粒
子”(ultra fine particle) と呼ぶことにした。すると
1個の超微粒子はおよそ100〜108 個くらいの原子
の集合体という事になる。原子の尺度でみれば超微粒子
は大〜巨大粒子である。」(「超微粒子−創造科学技
術」林主税、上田良二、田崎明 編;三田出版 198
8年 2ページ1〜4行目)/「超微粒子よりさらに小
さいもの、すなわち原子が数個〜数百個で構成される1
個の粒子は、ふつうクラスターと呼ばれる」(同書2ペ
ージ12〜13行目)。
【0059】上記のような一般的な呼び方をふまえて、
本明細書において「微粒子」とは多数の原子・分子の集
合体で、粒径の下限は0.1nmの数倍から1nm程
度、上限は数μm程度のものを指すこととする。
【0060】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の
膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング等の手
法等に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、
0.1nmの数倍から数十nmの範囲の粒径の導電性微
粒子が存在する場合もある。この導電性微粒子は、導電
性薄膜4を構成する材料の元素の一部、あるいは全ての
元素を含有するものとなる。電子放出部5及びその近傍
の導電性薄膜4には、炭素及び炭素化合物を有すること
もできる。
【0061】次に、垂直型表面伝導型電子放出素子につ
いて説明する。
【0062】図4は、本発明の表面伝導型電子放出素子
を適用できる垂直型表面伝導型電子放出素子の一例を示
す模式図である。
【0063】図4においては、図3に示した部位と同じ
部位には図3に示した符号と同一の符号を付している。
21は段さ形成部である。基板1、素子電極2及び3、
導電性薄膜4、電子放出部5は、前述した平面型表面伝
導型電子放出素子の場合と同様の材料で構成することが
できる。段さ形成部21は、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等で形成されたSiO2 等の絶縁性材料で構成す
ることができる。段さ形成部21の膜厚は、先に述べた
平面型表面伝導型電子放出素子の素子電極間隔Lに対応
し、数百nmから数十μmの範囲とすることができる。
この膜厚は、段さ形成部の製法、及び素子電極間に印加
する電圧等を考慮して設定されるが、数十nmから数μ
mの範囲が好ましい。
【0064】導電性薄膜4は、素子電極2及び3と段さ
形成部21作成後に、該素子電極2,3の上に積層され
る。電子放出部5は、図4においては、段さ形成部21
に形成されているが、作成条件、フォーミング条件等に
依存し、形状、位置ともこれに限られるものではない。
【0065】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法があるが、その一例を図5に模式的
に示す。
【0066】以下、図3及び図5を参照しながら製造方
法の一例について説明する。図5においても、図3に示
した部位と同じ部位には図3に示した符号と同一の符号
を付している。
【0067】1)基板1を洗剤、純水および有機溶剤等
を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等によ
り素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー
技術を用いて基板1上に素子電極2,3を形成する(図
5(a))。
【0068】2)素子電極2,3を設けた基板1に、有
機金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成する。有機
金属溶液には、前述の導電性薄膜4の材料の金属を主元
素とする有機金属化合物の溶液を用いることができる。
有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチン
グ等によりパターニングし、導電性薄膜4を形成する
(図5(b))。ここでは、有機金属溶液の塗布法を挙
げて説明したが、導電性薄膜4の形成法はこれに限られ
るものでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆
積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等を
用いることもできる。
【0069】3)つづいて、フォーミング工程を施す。
このフォーミング工程の方法の一例として通電処理によ
る方法を説明する。素子電極2,3間に、不図示の電源
を用いて、通電を行うと、導電性薄膜4の部位に、電子
放出部5が形成される(図5(c))。通電フォーミン
グによれば、導電性薄膜4に局所的に破壊、変形もしく
は変質等の構造の変化した部位が形成される。該部位が
電子放出部5を構成する。通電フォーミングの電圧波形
の例を図6に示す。
【0070】電圧波形は、パルス波形が、好ましい。こ
れにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印
加する図6(a)に示した手法と、パルス波高値を増加
させながら電圧パルスを印加する図6(b)に示した手
法がある。
【0071】図6(a)におけるT1及びT2は電圧波
形のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μse
c.〜10μsec.、T2は10μsec.〜100
msec.の範囲で設定される。三角波の波高値(通電
フォーミング時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出
素子の形態に応じて適宜選択される。このような条件の
もと、例えば、数秒から数十分間電圧を印加する。パル
ス波形は三角波に限定されるものではなく、矩形波など
の所望の波形を採用することができる。
【0072】図6(b)におけるT1及びT2は、図6
(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度づつ、増加させることができる。
【0073】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示
した時、通電フォーミングを終了させる。
【0074】4)フォーミング処理を終えた素子には活
性化処理と呼ばれる処理を施す。活性化工程とは、この
工程により、素子電流If、放出電流Ieが、著しく変
化する工程である。
【0075】活性化工程は、例えば、有機物質のガスを
含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パル
スの印加を繰り返すことで行うことができる。この雰囲
気は、例えば油拡散ホンプやロータリーポンプなどを用
いて真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有
機ガスを利用して形成することができる他、イオンポン
プなどにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物
質のガスを導入することによっても得られる。このとき
の好ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真
空容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため
場合に応じ適宜設定される。
【0076】このとき用いられる有機物質としては、ア
ルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香
族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン
類、アミン類、フェノール、カルボン酸、スルホン酸な
どの有機酸類などを挙げることが出来、具体的には、メ
タン、エタン、プロパンなどCn2n+2で表される飽和
炭化水素、エチレン、プロピレンなどCn2n等の組成
式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メ
タノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミ
ン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸等が使用できる。
【0077】この処理により、雰囲気中に存在する有機
物質から、炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、
素子電流If,放出電流Ieが、著しく変化するように
なる。
【0078】尚、上記のような有機物質ばかりでなく、
一酸化炭素(CO)などの無機物質も活性化物質として
利用可能である。
【0079】炭素及び炭素化合物とは、例えばグラファ
イト、非晶質カーボン(アモルファスカーボン及び、ア
モルファスカーボンとグラファイトの微結晶の混合物を
指す)であり、その膜厚は、50nm以下の範囲とする
のが好ましく、30nm以下の範囲とすることがより好
ましい。
【0080】活性化工程は、例えば次のように行われ
る。
【0081】表面伝導型電子放出素子ないし、複数の表
面伝導型電子放出素子によって構成される電子源、に対
し本工程を行うための装置の構成を図1に示す。11は
真空容器で、活性化処理を施すべき電子放出素子または
電子源が内部に設置される。真空容器には必要に応じて
排気装置15などが接続されている。
【0082】12は特性検知手段で、電子放出素子ある
いは電子源の電気的な特性をモニタするための装置群で
ある。必要に応じて、電流計、高圧電源、種々の解析装
置等から構成される。検知される特性は、If−Vf特
性、Ie−Vf特性、特定のVfに対するIfまたはI
eの値、Ie/Ifの値、あるいはそれらの時間微分、
また複数の素子についての平均値など、適宜設定され
る。
【0083】13は条件設定手段で、素子への印加電圧
を設定し、電圧パルスを発生するパルスジェネレータ
ー、印加する素子を適宜切り替える必要のある場合には
スイッチング手段、パルスジェネレーターとスイッチン
グ手段を同調させるための制御手段、必要に応じて電流
アンプ等から構成される活性化パルス印加手段、真空容
器内の雰囲気を検知し調整するための圧力計や四重極質
量分析器(Q−mass)等の雰囲気検出装置、マスフ
ローコントローラーや電磁弁などのガス導入装置、両者
を適当に調整し所望の雰囲気を実現する雰囲気設定用ド
ライバー、その他活性化条件を設定するために必要な装
置により構成される。
【0084】ガラスなどの真空容器と電子源および蛍光
体などの画像形成部材を有する画像表示装置を製造する
場合の活性化工程の説明図を、図29に示す。画像標示
装置17は排気管18により真空チャンバー11に接続
され、雰囲気の制御は真空チャンバー内の雰囲気を検知
し、ガス導入装置(条件設定手段13の一部)と排気用
のゲートバルブ16を適宜制御することにより実現す
る。
【0085】14は制御手段である。特性検知手段12
により得られた情報を基に、活性化工程の条件を調整し
たり、工程を終了する判定を、定められたプログラムに
基づいて行い、条件設定手段13を動作させて工程を制
御する。
【0086】制御の方法について、図2のフローチャー
トにより説明する。
【0087】スターティングシーケンス(Starti
ng sequence)は活性化工程の開始に必要な
初期条件を設定するものである。例えば、真空容器内の
排気を行い所定の圧力以下に減圧した後、活性化に必要
な物質例えばメタン、アセトンなどの有機物質などの真
空容器内への導入、必要な場合は電子源フォルダーの加
熱など、適宜定められた一連の動作を完了する。
【0088】この後、レギュラーシーケンス(Regu
lar sequence)に移る。このシーケンス
は、雰囲気・パルス電圧とも一定に維持する場合だけで
なく、パルス波高値、パルス幅などを時間とともに定め
られたプログラムに従って変化させる場合や、雰囲気を
変化させる場合、例えば、有機物質の分圧を徐々に変え
たり、水素などのカーボンをエッチングするガス(エッ
チングガス)を、決まった周期で間欠的に導入したりす
る場合など、適宜選択された標準工程を実行するもので
ある。
【0089】検知ステップ(Sensing ste
p)は、制御を行うための情報、すなわち電子放出素子
の電気的特性を得るもので、レギュラーシーケンスに定
期的に割り込んで、測定用のパルス電圧を印加するなど
して測定を行う場合ろ、レギュラーシーケンスで使用す
る電圧パルスが、測定用パルスを兼ね、常時特性の検知
を行う場合とがある。
【0090】前者の例としては、例えばレギュラーシー
ケンスでは適当な矩形波パルスにより活性化を進行させ
つつ、間欠的に三角波パルスを印加し、このときに測定
したIfまたは/及びIeの波形から特性をモニタす
る、といった方法が挙げられる。測定用のパルスとして
は、三角波に限らず、レギュラーシーケンスとは異なる
測定用の波高値を有する矩形波パルスを用いることもあ
り得る。
【0091】一方、後者の例としては、レギュラーシー
ケンスにおいて三角波、台形波あるいは階段状パルス等
により活性化を進行させ、Ifまたは/及びIeを常時
測定して特性をモニタする方法が挙げられる。
【0092】なお、複数の素子を活性化処理したり、複
数の素子からなる素子のラインをさらに複数有してなる
電子源をライン毎に電圧パルスを印加して活性化を行う
場合などは、上記電気的特性の検知をそれぞれの素子、
あるいは素子のライン毎に行う場合の他、1または複数
の素子またはラインの特性を検知してこれを代表として
用いる場合、あるいはモニタ専用の素子またはラインを
設けておき、この特性を検知して代表として用いる場合
もある。いずれの方法を用いるかは処理の目的に応じて
適宜選択する。
【0093】判定ステップ(Deciding ste
p)では、上記でモニタされた特性を、予め定められた
条件に照らし条件設定手段をどの様に制御するかを判定
する。その結果、(1)従前のレギュラーシーケンスを
継続する、(2)処理シーケンスに移る、(3)終了シ
ーケンスに移る、のいずれかが選択される。
【0094】処理シーケンス(Processing
sequence)は、レギュラーシーケンスに何らか
の変更を行う一連の処理で、レギュラーシーケンスの条
件を変更する、特定の処理工程を経て従前の或いは変更
されたレギュラーシーケンスに戻る、等の場合がある。
【0095】終了シーケンス(Closing seq
uence)は、活性化処理を終了するための一連の処
理で、例えばパルス印加の停止、有機物質やエッチング
ガスの導入停止、真空容器内の排気と一定の圧力以下へ
の到達の確認等を含む。
【0096】5)このような工程を経て得られた電子放
出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工程
は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真空
容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイ
ルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用
しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープ
ションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げる
ことが出来る。
【0097】前記の活性化の工程で、排気装置として油
拡散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生す
るオイル成分に由来する有機ガスを用いた場合には、こ
の成分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内
の有機成分の分圧は、上記の炭素及び炭素化合物がほぼ
新たに堆積しない分圧で1×10-6Pa以下が好まし
く、さらには1×10-8Pa以下が特に好ましい。さら
に真空容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱
して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物
質分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加
熱条件は、80〜250℃で5時間以上が望ましいが、
特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや
形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ば
れる条件により行う。真空容器内の圧力は極力小さくす
ることが必要で、1〜4×10-5Pa以下が好ましく、
さらに1×10-6Pa以下が特に好ましい。
【0098】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することが出来る。
【0099】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
結果として素子電流If,放出電流Ieが安定する。
【0100】上述の工程を経て得られた本発明を適用可
能な電子放出素子の基本特性について図8、図9を参照
しながら説明する。
【0101】図8は、真空処理装置の一例を示す模式図
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
も兼ね備えている。図8において、31は真空容器であ
り、32は排気ポンプである。真空容器31内には電子
放出素子が配されている。即ち、1は電子放出素子を構
成する基体であり、2及び3は素子電極、4は導電性薄
膜、5は電子放出部である。33は電子放出素子に素子
電圧Vfを印加するための電源、34は素子電極2・3
間の導電性薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するため
の電流計、35は素子の電子放出部より放出される放出
電流Ieを捕捉するためのアノード電極である。36は
アノード電極35に電圧を印加するための高圧電源、3
7は素子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを
測定するための電流計である。一例として、アノード電
極の電圧を1kV〜10kVの範囲とし、アノード電極
と電子放出素子との距離Hを2〜8mmの範囲として測
定を行うことができる。
【0102】真空容器31内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ32は、ターボポンプ、ロータリーポ
ンプからなる通常の高真空装置系と更に、イオンポンプ
等からなる超高真空装置系とにより構成されている。こ
こに示した電子源基板を配した真空処理装置の全体は、
不図示のヒーターにより250℃程度まで加熱できる。
【0103】図9は、図8に示した真空処理装置を用い
て測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧V
fとの関係を模式的に示した図である。図9において
は、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さい
ので、任意単位で示している。尚、縦・横軸ともリニア
スケールである。
【0104】図9からも明らかなように、本発明を適用
可能な表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに関し
て3つの特徴的性質を有する。
【0105】即ち、(I)本素子はある電圧(しきい値
電圧と呼ぶ:図9中のVth)以上の素子電圧を印加す
ると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧V
th以下では放出電流Ieが殆ど検出されない。つま
り、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを
持った非線形素子である。
【0106】(II)放出電流Ieが素子電圧Vfに単
調増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制
御できる。
【0107】(III)アノード電極35に捕捉される
放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。
つまり、アノード電極35に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0108】以上の説明より理解されるように、本発明
を適用可能な表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応
じて、電子放出特性を容易に制御できることとなる。こ
の性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成し
た電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能とな
る。
【0109】図9においては、素子電流Ifは素子電圧
Vfに対して単調増加する(以下、「MI特性」とい
う。)例を実線で示した。素子電流Ifが素子電圧Vf
に対して電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特
性」という。)を示す場合もある(不図示)。これらの
特性は、前述の工程を制御することで制御できる なお、Ifに対してもIeと同様にしきい値電圧が存在
するが、リーク電流が無視できない場合には破線で模式
的に示したようにVfの低い領域までIfが裾を引く様
になり、しきい値が低下してしまう。
【0110】本発明を適用可能な電子放出素子の応用例
について以下に述べる。本発明を適用可能な表面伝導型
電子放出素子の複数個を基板上に配列し、例えば電子源
あるいは、画像形成装置が構成できる。
【0111】電子放出素子の配列については、種々のも
のが採用できる。
【0112】一例として、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動するはしご状配置のものがある。これとは
別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数
個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の
一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配され
た複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に
共通に接続するものが挙げられる。このようなものは所
謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配置
について以下に詳述する。
【0113】本発明を適用可能な表面伝導型電子放出素
子については、前述したとおり、(I)乃至(III)
の特性がある。即ち、表面伝導型電子放出素子からの放
出電子は、しきい値電圧以上では、対向する素子電極間
に印加するパルス状電圧の波高値と幅で制御できる。一
方、しきい値電圧以下では、殆ど電子は放出されない。
この特性によれば、多数の電子放出素子を配置した場合
においても、個々の素子に、パルス状電圧を適宜印加す
れば、入力信号に応じて、表面伝導型電子放出素子を選
択して電子放出量を制御できる。
【0114】以下この原理に基づき、本発明を適用可能
な電子放出素子を複数配して得られる電子源基板につい
て、図10を用いて説明する。図10において、71は
電子源基板、72はX方向配線、73はY方向配線であ
る。74は表面伝導型電子放出素子、75は結線であ
る。尚、表面伝導型電子放出素子74は、前述した平面
型あるいは垂直型のどちらであってもよい。
【0115】m本のX方向配線72は、Dx1,Dx
2,……,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成するこ
とができる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計され
る。Y方向配線73は、Dy1,Dy2,……,Dyn
のn本の配線よりなり、X方向配線72と同様に形成さ
れる。これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線
73との間には、不図示の層間絶縁層が設けられてお
り、両者を電気的に分離している(m,nは共に正の整
数)。
【0116】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配
線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよ
うに、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向配
線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として引
き出されている。
【0117】表面伝導型電子放出素子74を構成する一
対の素子電極(不図示)は、m本のX方向配線72とn
本のY方向配線73と導電性金属等からなる結線75に
よって電気的に接続されている。
【0118】配線72と配線73を構成する材料、結線
75を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、また夫々異なってもよい。これらの材料は、例えば
前述の素子電極の材料等より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0119】X方向配線72には、X方向に配列した表
面伝導型電子放出素子74の行を、選択するための走査
信号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に接
続される。一方、Y方向配線73には、Y方向に配列し
た表面伝導型電子放出素子74の各列を入力信号に応じ
て、変調するための不図示の変調信号発生手段が接続さ
れる。更に、各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給される。
【0120】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0121】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図11と図12
及び図13を用いて説明する。図11は、画像形成装置
の表示パネルの一例を示す模式図であり、図12は、図
11の画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図であ
る。図13は、NTSC方式のテレビ信号に応じて表示
を行うための駆動回路の一例を示すブロック図である。
【0122】図11において、71は電子放出素子を複
数配置した電子源基板、81は電子源基板71を固定し
たリアプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜
84とメタルバック85等が形成されたフェースプレー
トである。82は支持枠であり、該支持枠82には、リ
アプレート81、フェースプレート86がフリットガラ
ス等を用いて接続されている。87は外囲器であり、例
えば大気中あるいは窒素中で、400〜500℃の温度
範囲で10分以上焼成することで、封着して構成され
る。
【0123】74は電子放出素子。72,73は、表面
伝導型電子放出素子の一対の素子電極と接続されたX方
向配線及びY方向配線である。
【0124】外囲器87は、上述の如く、フェースプレ
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に基板71の強度を補強する
目的で設けられるため、基板71自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート81は不要とすることがで
きる。即ち、基板71に直接支持枠82を封着し、フェ
ースプレート86、支持枠82及び基板71にて外囲器
87を構成しても良い。一方、フェースプレート86、
リアプレート81間に、スぺーサーと呼ばれる不図示の
支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強
度を持つ外囲器87を構成することもできる。
【0125】図12は、蛍光膜を示す模式図である。蛍
光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成
することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列により、ブラックストライプ(図12(a))ある
いはブラックマトリクス(図12(b))などと呼ばれ
る黒色導電材91と蛍光体92とから構成することがで
きる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設け
る目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体
の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで混色等
を目立たなくすることと、蛍光膜84における外光反射
によるコントラストの低下を抑制することにある。黒色
導電材91の材料としては、通常良く用いられている黒
鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及
び反射が少ない材料を用いることができる。
【0126】ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法が
採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバッ
ク85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍
光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86
側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、
電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用さ
せること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダ
メージからの蛍光体を保護すること等である。メタルバ
ックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処
理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、そ
の後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製で
きる。
【0127】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
【0128】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0129】表面伝導型電子放出素子のフォーミング処
理は、後述する方法などにより適宜行う。
【0130】活性化工程は次のように行われる。図29
を用いてこの工程を行う装置の構成を説明する。
【0131】上記のように封着された画像形成装置17
は、排気管18を通じて真空チャンバー11に連結され
る。真空チャンバー11は排気装置15により排気さ
れ、適宜設定された圧力に到達する。
【0132】特性検知手段12、条件設定手段13、制
御装置14の働きは、独立の表面伝導型電子放出素子及
び電子源について活性化工程を施す場合と同様である。
ただし、雰囲気の制御は画像形成装置の外囲器内部の雰
囲気を直接モニタするのが難しいので、真空チャンバー
内の雰囲気を検知、制御して行うのが一般的である。
【0133】制御の方法は、独立の電子放出素子及び電
子源の場合と同様、図2のフローチャートによって示さ
れるもので、各シーケンス及びステップの内容は前述の
ものと同様である。
【0134】外囲器87は、前述の安定化工程と同様
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置により排気管を
通じて排気し、10-5Pa程度の真空度の有機物質の十
分少ない雰囲気にした後、封止が成される。外囲器87
の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行
うこともできる。これは、外囲器87の封止を行う直前
あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用
いた加熱により、外囲器87内の所定の位置に配置され
たゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理
である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着
膜の吸着作用により、例えば1×10-4ないしは1×1
-5乗Paの真空度を維持するものである。
【0135】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例
について、図13を用いて説明する。図13において、
101は画像表示表示パネル、102は走査回路、10
3は制御回路、104はシフトレジスタである。105
はラインメモリ、106は同期信号分離回路、107は
変調信号発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0136】表示パネル101は、端子Dox1乃至D
oxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている電子
源、即ちm行n列の行列状にマトリクス配線された表面
伝導型電子放出素子群を一行(n素子)づつ順次駆動す
る為の走査信号が印加される。
【0137】端子Doy1乃至Doynには、前記走査
信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の
各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加
される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例え
ば10k[V]の直流電圧が供給されが、これは表面伝
導型電子放出素子から放出される電子ビームに、蛍光体
を励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電
圧である。
【0138】走査回路102について説明する。同回路
は、内部にm個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧電源Vxの出力電圧もしく
は0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dox1乃至Doxmと電
気的に接続される。S1乃至Smの各スイッチング素子
は、制御回路103が出力する制御信号Tscanに基
づいて動作するものであり、例えばFETのようなスイ
ッチング素子を組み合わせることにより構成することが
できる。
【0139】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電
子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力す
るよう設定されている。
【0140】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように、各部の
動作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同
期信号分離回路106より送られる同期信号Tsync
に基づいて、各部に対してTscan、Tsft及びT
mryの各制御信号を発生する。
【0141】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分
離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表
した。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力さ
れる。
【0142】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ1
04のシフトクロックであるということもできる。)。
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放
出素子n素子分の駆動データに相当)のデータは、Id
1乃至Idnのn個の並列信号として前記シフトレジス
タ104より出力される。
【0143】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間だけ記憶する為の記憶装置であり、制
御回路103より送られる制御信号Tmryに従って適
宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された内容
は、Id’1乃至Id’nとして出力され、変調信号発
生器107に入力される。
【0144】変調信号発生器107は、画像データI
d’1乃至Id’nの各々に応じて表面伝導型電子放出
素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、そ
の出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示
パネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加され
る。
【0145】前述したように、本発明を適用可能な電子
放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vth
があり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出
が生じる。電子放出しきい値電圧以上の電圧に対して
は、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化す
る。このことから、本素子にパルス状の電圧を印加する
場合、例えば電子放出しきい値電圧以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値電圧以上
の電圧を印加する場合には電子ビームが出力される。そ
の際、パルスの波高値Vmを変化させる事により出力電
子ビームの強度を制御することが可能である。また、パ
ルスの幅Pwを変化させる事により出力される電子ビー
ムの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0146】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0147】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0148】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のもの
をも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行えるものであれば良いからであ
る。
【0149】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには同期信号分離回路106の
出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連し
て、ラインメモリ105の出力信号がデジタル信号かア
ナログ信号かにより、変調信号発生器107に設けられ
る回路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号
を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器107に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号
発生器107には、例えば高速の発振器及び発振器の出
力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の
出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパ
レータ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じて、
比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための
増幅器を付加することもできる。
【0150】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することも
できる。
【0151】このような構成をとり得る本発明を適用可
能な画像形成装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを
介して電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。
高圧端子Hvを介してメタルバック85、あるいは透明
電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速す
る。加速された電子は、蛍光膜84に衝突し、発光が生
じて画像が形成される。
【0152】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL,SECAM方式などの
他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例え
ば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも
採用できる。
【0153】次に、はしご型配置の電子源及び画像形成
装置について図14及び図15を用いて説明する。
【0154】図14は、はしご型配置の電子源の一例を
示す模式図である。図14において、110は電子源基
板、111は電子放出素子である。112(Dx1乃至
Dx10)は、電子放出素子111を接続するための共
通配線である。電子放出素子111は、基板110上
に、X方向に並列に複数個配置されている(これを素子
行と呼ぶ。)。この素子行が複数行配されて、電子源を
構成している。各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加
することで、各素子行を独立に駆動させることができ
る。即ち、電子ビームを放出させたい素子行には、電子
放出しきい値電圧以上の電圧を、電子ビームを放出しな
い素子行には、電子放出しきい値電圧以下の電圧を印加
する。各素子行間の共通配線Dx2乃至Dx9は、例え
ばDx2,Dx3を同一配線とすることもできる。
【0155】図15は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。120はグリッド電極、121は電子が通過する
ための空孔、122はDox1乃至Doxmよりなる容
器外端子である。123は、グリッド電極120と接続
されたG1乃至Gnからなる容器外端子、110は電子
源基板である。ここに示した画像形成装置と、図11に
示した単純マトリクス配置の画像形成装置との大きな違
いは、電子源基板110とフェースプレート86の間に
グリッド電極120を備えているか否かである。
【0156】グリッド電極120は、表面伝導型電子放
出素子から放出された電子ビームを変調するためのもの
であり、はしご型配置の素子行と直交して設けられたス
トライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素
子に対応して1個づつ円形の開口121が設けられてい
る。グリッドの形状や配置位置は図15に示したものに
限定されるものではない。例えば、開口としてメッシュ
状に多数の通過口を設けることもでき、グリッドを表面
伝導型電子放出素子の周囲や近傍に設けることもでき
る。
【0157】容器外端子122及びグリッド容器外端子
123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
【0158】本例の画像形成装置では、素子行を1列ず
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を印加する。これによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
【0159】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光ドラム等を用いて構成された光プ
リンターとしての画像形成装置としても用いることがで
きる。
【0160】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を説明す
る。
【0161】[実施例1]本実施例のに用いる電子放出
素子の構成を図3に模式的に示す。図では煩雑さをさけ
るため1素子のみ表示しているが、本実施例で用いた電
子源は、一枚の基板に5素子が並列に形成されたもので
ある。電子源の製造プロセスを図5を用いて説明する。
【0162】工程−a 清浄化した青板ガラス上に0.5μmのシリコン酸化膜
をスパッタリング法により形成し、これを基板1として
用いる。基板1に、電極のパターンに対応する開口部を
有するホトレジスト(RD−2000N−41;日立化
成社製)のマスクパターンを形成し、真空蒸着法により
厚さ5nmのTi、厚さ100nmのNiを順次積層。
ホトレジストを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti膜をリフ
トオフして、素子電極2,3を形成した。素子電極の間
隔Lは3μm、電極幅Wは300μmである(図5
(a))。
【0163】工程−b 上記素子に厚さ100nmのCr膜を真空蒸着法により
形成し、フォトリソグラフィー技術により、導電性薄膜
のパターンに対応する開口部を設け、導電性薄膜形成の
ためのCrマスクを形成する。
【0164】これにPdアミン錯体溶液(ccp423
0;奥野製薬(株)製)をスピンナーを用いて塗布、大
気中で300℃10分間の焼成処理を行いPdOを主成
分とする導電性の微粒子膜を形成した。この膜の厚さは
10nmであった。
【0165】工程−c Cr膜をウエットエッチングして除去し、PdO微粒子
膜をリフトオフにより所望の形状の導電性薄膜4を得
る。該導電性薄膜の抵抗値は、Rs =2×104Ω/□
であった(図5(b))。
【0166】工程−d 本工程以降の工程について、図16を用いて説明する。
【0167】上記電子源43を、図16に模式的に示す
装置の真空容器41内の試料ホルダー42に設置し、排
気装置44により真空容器41内を排気して圧力を1.
3×10-3Paとした。このとき用いた装置は、ターボ
ポンプとロータリーポンプからなる所謂高真空用排気装
置である。排気装置44はこのほかに超高真空用のイオ
ンポンプを備えており、適宜切り替えて用いることが出
来る。45は排気装置のドライバーで、ポンプの切り替
えや、排気計のバルブの開閉、ポンプのオン−オフを行
う。各素子に駆動回路46によりパルス電圧を印加して
フォーミング処理を行い、電子放出部5を形成した(図
5(c))。このときのパルス電圧の波形は図6(b)
のような、波高値の漸増する三角波パルスであり、パル
ス幅はT1=1msec.、パルス間隔はT2=10m
sec.とした。また、フォーミング処理中は、フォー
ミングパルスの休止時間内に、0.1Vの抵抗測定用パ
ルスを挿入し、抵抗値が1MΩを超えたところでフォー
ミングを終了した。終了時のパルスの波高値は5.0〜
5.1Vであった。
【0168】工程−e 続いて活性化工程を施した。この処理の間、真空容器内
の圧力は1.3×10-3Pa程度であった。
【0169】各素子に駆動回路46により波高値14V
の矩形波パルスを印加する。47は素子電流Ifを検出
するための電流計であるが、この工程では用いなかっ
た。48は電子源43から放出された電子を捕獲するア
ノード電極であり、高圧電源49により電子源43に対
し+1kVの電位が与えられた。素子とアノード電極の
距離はH=4mmとした。放出電流Ieは電流計50に
よって検出される。
【0170】電流計50によって検出されたIeの値
は、制御装置55によって取り込まれる。
【0171】本実施例では各素子の放出電流Ieが0.
9μAに達したことを検知してそれぞれの素子への電圧
パルスの印加を停止するように、制御装置55により駆
動回路46を制御した。
【0172】工程−f 続いて安定化工程を行う。排気装置44を超高真空用の
イオンポンプに切り替え、試料ホルダー42に内蔵した
ヒーター(不図示)により電子源を120℃に加熱し、
10時間放置した。真空容器41内の圧力は6.3×1
-5Pa程度(有機物質(工程d,eで用いた高真空用
排気装置用のオイルに起因する)の分圧は6.3×10
-6Pa以下)となっていることを雰囲気検出器53(本
実施例では電離真空計と四重極質量分析器)で確認し
た。なお、54は雰囲気検出器の駆動回路である。
【0173】この状態で、14Vパルス(パルス幅10
0μsec.)を印加してしばらく電子放出させ、Ie
が飽和したのを確認した。
【0174】この電子源について14Vの三角波パルス
(パルス幅100μsec.)を印加して、特性を測定
した。いずれの素子もほぼ同様のMI特性を示した。
【0175】[実施例2]実施例1と同様に工程dまで
を行い、工程eと同様な活性化工程を開始、#1〜4と
比べ#5の素子のIeの増加がやや遅かった。制御装置
55は電流計50により検出したIeの増加率を素子毎
に演算し、それらの平均値と比較してある程度以上ズレ
ている場合にはその素子に対するパルスの波高値をズレ
の大きさに応じて変化させるように予め設定した。この
結果、途中から#5の素子のみパルス波高値が15Vに
変更された。さらに、終了の条件として、Ie≧0.9
μAが設定され、これに従って、Ieが0.9μAに達
した素子から順次パルスの印加を中止し、活性化工程を
終了した。
【0176】続いて実施例1の工程fと同様の安定化工
程を施し、特性の測定を行った。
【0177】いずれの素子もほぼ同様のMI特性を示し
た。
【0178】[実施例3]実施例1と同様に工程dまで
を行い、工程eと同様な活性化工程を開始、#1〜4と
比べ#5の素子のIeの増加がやや遅かった。標準工程
は、パルス波高値14V、パルス幅30msec.の矩
形波パルスを印加して活性化を行い、ある程度活性化の
進んだ段階で、パルス幅を20msec.に変更し、活
性化処理を完了するものである。制御装置55は電流計
50により検出したIeの増加率を素子毎に演算し、そ
れらの平均値と比較してある程度以上ズレている場合に
は、上述のパルス幅の変更の時期以降、その素子に対す
るパルス幅をズレの大きさに応じて変化させるように予
め設定した。#1〜#4の素子については、標準工程に
従い、パルス幅を20msec.に変更した。また#5
の素子に対しては引き続き30msec.幅のパルスを
印加して活性化を完了させた。いずれの素子もIe=
0.9μAとなったところで順次パルス印加を停止し
た。
【0179】この後実施例1の工程fと同様の安定化工
程を施し、特性を測定したところ、いずれの素子もほぼ
同様のMI特性を示した。
【0180】[比較例1]実施例1と同様に工程dまで
を行い、引き続き、すべての素子に14V矩形波パルス
を印加して活性化処理を施した。その後工程fと同様の
処理を行い、14Vの三角波パルスを印加して特性の測
定を行った。いずれの素子もMI特性を示したが、#1
〜#4は、上記実施例1〜3に比べややバラツキが見ら
れ、#5の素子はIfが他の2/3程度、Ieでは1/
2程度の値となった。
【0181】実施例1〜3および比較例1の素子は、工
程dまで同様な工程においてつくられており、#5の素
子がやや特性が低くなりやすい傾向が見られた。これは
工程dまでのプロセスに何か要因があるものと考えられ
るが、はっきりとは分からなかった。しかし、本発明の
製造装置により活性化工程を行うことにより、この問題
点が解決されることが示された。
【0182】#1〜#4のバラツキは、もっと小さなも
ので、多分に偶然的な要因を含むと考えられるが、これ
についても本発明を用いることにより抑制の効果があっ
た。
【0183】[実施例4、比較例2]本実施例及び比較
例に用いた素子は、図3と同様な構造を持つもので、図
17に模式的に示すように、1枚の基板に48個の素子
を一列に並べて形成したものである。
【0184】実施例1の工程cまでと同様の処理を行
い、PdO微粒子からなる導電性薄膜を形成した後、工
程dと同様のフォーミング処理を行った。このときの真
空容器内部の圧力は2.7×10-4Paであった。
【0185】工程−e 続いて活性化工程を行った。
【0186】真空容器内は、制御装置55により、イオ
ンポンプにより一旦10-6Pa程度に排気した後、ガス
導入装置51と電磁弁52を制御してアセトンを導入し
圧力を2.7×10-1Paとなるように、調節した。こ
のとき同時に排気装置の駆動回路を制御しゲートバルブ
を絞って排気速度も調整した。
【0187】素子に1番から48番まで通し番号を付
け、偶数番目の素子に対し次のように処理した。
【0188】素子に印加するパルスは、図18(b)に
示すような、交互に逆方向の極性を有する矩形波パルス
で、パルス幅はどちらの極性のパルスも同じで、T1=
1msec.、T2=10msec.、従って1周期は
20msec.、周波数は50Hzとした。
【0189】パルス波高値Vactは初め10Vで、
0.2V/min.のレートで上昇し、18Vに達する
ように制御される。これをレギュラーシーケンスとし、
30秒毎に上記矩形波パルスと同じ波高値の三角波パル
スを印加して、If−Vf特性を検知する。
【0190】本実施例では、Vactよりも低い電圧V
f2におけるIfの値が一定値を越えないように制御す
る。具体的には、Vf2=0.8×Vactとし、If
(Vf2)<0.05mAを「継続条件」として判定っ
し、これを満たす場合には、従前のレギュラーシーケン
スを継続する。
【0191】一方、これを満たさなかった場合、すなわ
ちIf(Vf2)≧0.05mAとなった場合には、V
actを0.2V増加させたうえで、レギュラーシーケ
ンスに戻る。このとき、If−Vf特性は図9の破線で
模式的に示したように、Vfの小さな領域まで裾を引く
様になり、そのためIf(Vf2)が大きくなるのであ
る。これは電子放出部を挟んで対向する正極側及び負極
側の導電性薄膜の間に、炭素または炭素化合物によって
リーク電流の小さな経路が形成されたためではないかと
推定している。Vactを上昇させることによりIf−
Vf特性の「裾引き」は解消されるが、これは上記経路
を形成する炭素または炭素化合物がジュール熱によって
蒸発するのではないかと推定している。
【0192】レギュラーシーケンスに戻った後再びIf
(Vf2)が大きくなった場合はこの処理を繰り返すこ
とにより、最終的に所望の特性を得ることが出来る。
【0193】Vactが18Vに達したとき、If≧2
mAを満たしていれば、終了シーケンスへ移って活性化
工程を終了、この条件を満たさない場合には、Vact
=10Vに戻して、レギュラーシーケンスをやり直す。
【0194】奇数番目の素子は、比較のため、上記レギ
ュラーシーケンスと同様の、両極性の矩形波パルスを、
Vact=10Vから18Vまで0.2V/min.の
レートで上昇させ、40分間で処理を終了した。これら
の素子を「比較例2」とする。
【0195】続いて真空容器内をイオンポンプで排気し
ながら、真空容器及び電子放出素子を180℃に加熱し
2時間維持し安定化工程を施した。なお、活性化工程完
了後と安定化工程完了後のIfの値は、通常相異なる。
【0196】この後、16Vの三角波パルスを印加し、
電子放出特性の測定を行った。真空容器内の圧力は1.
3×10-7Pa、アノード電極と電子放出素子との距離
は4mm、電位差は1kVとした。
【0197】Vf=8VのところでのIfの値をIfm
idとして示した。この値は素子を複数配列した、単純
マトリクス配線した電子源を駆動したとき、「半選択電
流」として流れる電流に相当し、これが小さい方が好ま
しい。実施例、比較例とも24素子について平均値と、
Ieのバラツキ幅を示す。
【0198】
【表1】
【0199】[実施例5、比較例3]実施例4と同様の
素子を作成し、フォーミング工程までを終了させ、続い
て以下の工程を行った。
【0200】工程−e 真空容器内を一旦イオンポンプで排気した後、ガス導入
装置51と電磁弁52を制御してn−ヘキサンを導入、
圧力を2.7×10-3Paに保つように調整した。
【0201】印加する電圧のパルス波形は、図7(a)
に示すような波高値が16Vの台形波で、パルスの立ち
下がりが傾斜を有し、この部分を使って、If−Vfお
よびIe−Vf特性を測定する。パルスの形状は、T2
=10msec.、T3=10μsec.であり、パル
ス幅T1は、10μsec.から始まって、5分間で2
倍になる割合で、徐々に増加させ、これをレギュラーシ
ーケンスとして設定した。なお、アノードろ素子の間隔
は4mmであり、電位差は1kVとした。
【0202】検知した特性から、Vact=16Vにお
けるIf,Ieの値の1/100の電流値となる電圧を
それぞれの閾値電圧、Vtf,Vteと決定する。実施
例4と同様偶数番目の素子に対して、Vte−Vtf<
1Vの継続条件を満たしていれば、レギュラーシーケン
スを従前の通り継続し、条件を満たさない場合その時点
でT2を2倍にした後、レギュラーシーケンスに戻るよ
うに、制御した。こうして、T1≧1msec.となっ
たとき、Ie≧2μAであれば、終了シーケンスに移
る。そうでないときはT1=10μsec.として、レ
ギュラーシーケンスに戻るようにした。
【0203】なお、有機物質としてn−ヘキサンを用い
ることにより、アセトンに比べて低い分圧で活性化工程
を行うことが出来る。実施例4のようにアセトン分圧を
10-1Paとした場合、Ie測定のためにアノードに高
圧を印加すると放電現象が起こり電子放出素子を破壊し
てしまう危険がある。本実施例においては、これに比べ
低い分圧のn−ヘキサン雰囲気であるので、Ieをモニ
タしながら活性化処理を行うことが可能である。
【0204】比較のため、奇数番目の素子は、同様なパ
ルスを印加し、T1を同様に、10μsec.から約3
分おきに2倍にのばし、2.56msec.まで変化さ
せ、約30分で活性化を終了した。これらの素子を「比
較例3」とする。
【0205】この後、安定化工程を行い、実施例4と同
様な評価を行った。結果は以下の通りである。なお、I
eもIfと同様活性化工程完了後と安定化工程完了後で
は値が異なるのが通常である。
【0206】
【表2】
【0207】[実施例6、比較例4]実施例4と同様の
素子を作成し、フォーミング工程までを終了させ、続い
て以下の工程を行った。
【0208】工程−e 真空容器内をイオンポンプで排気した後、排気装置駆動
回路45、ガス導入装置51と電磁弁52を制御してド
デカンを導入、圧力が2.7×10-3Paとなるように
調整した。印加するパルスは図7(b)に示すような階
段状パルスで、パルス幅はT1=1msec.、パルス
の間隔は、T2=10msec.、パルス波高値は16
V、パルスの後ろの電圧の下がった部分が12V、この
部分の幅T3=100μsec.とした。
【0209】レギュラーシーケンスは、このパルスの印
加を継続するものとする。
【0210】実施例4、5と同様、偶数番目の素子に対
し、以下のような処理を行った。
【0211】実施例5と同様にIf,Ieを観測しなが
ら、If(Vf=12V)≧0.05mVとなったと
き、5秒間のみパルス波高値を18Vとし、その後レギ
ュラーシーケンスに戻る。
【0212】Ie(Vf=16V)≧2μAとなったと
き、終了シーケンスに移り、活性化工程を終了する。
【0213】奇数番目の素子については、16Vの上記
パルスの印加を30分間継続し、活性化を終了した。こ
れらの素子を「比較例4」とする。
【0214】これに続き、安定化工程を行い、実施例
4、5と同様の評価を行った。結果は以下の通り。
【0215】
【表3】
【0216】[実施例7]実施例6と同様に素子を、同
様のレギュラーシーケンスにより活性化する。If(V
f=12V)≧0.05mAとなったとき、Ie測定の
ためのアノードに電圧を印加する高圧電源をオフしてか
ら、ガス導入装置51と電磁弁52を制御して真空容器
内に水素ガスを導入する。このとき、水素ガスの分圧が
0.13Pa程度となるよう、ガス流量を調整してお
く。20秒後に電磁弁を閉じガス導入を停止、高圧電源
をオンにしてレギュラーシーケンスに戻る。
【0217】活性化の停止は、実施例6と同様に判定す
る。
【0218】この後、安定化工程を行って、特性の評価
を行った。結果は以下の通りである。
【0219】
【表4】
【0220】[実施例8、比較例5]実施例4と同様に
フォーミング工程までを行い、続いて以下の工程を行っ
た。
【0221】工程−e 真空容器内をイオンポンプで一旦排気してから、排気装
置の駆動回路45、ガス導入装置51と電磁弁52を制
御してアセトンを導入し、圧力を2.7×10-1Paと
なるよう調節し、これを初期設定とする。
【0222】実施例4と同様のパルスを印加する、ただ
し波高値は変化せず16Vである。
【0223】実施例4〜6と同様偶数番目の素子に対
し、次のような活性化工程を施した。
【0224】上記パルスを印加しながら、If(Vf=
16V)の値を検知し、If>1.5mAとなるか、ま
たはその分圧での処理時間が20分を越えた時点でアセ
トン分圧が1/10となるよう導入量を調整する。これ
を繰り返し、アセトン分圧2.7×10-5Pa以下で、
If>1.5mAとなった時点で、終了シーケンスに移
り、活性化を終了する。
【0225】奇数番目の素子については、アセトン分圧
2.7×10-2Paの雰囲気下で、上記と同様のパルス
印加を30分間行った。これらの素子を「比較例5」と
した。
【0226】この後安定化工程を行なって、実施例4〜
7と同様に特性を評価した。結果は次の通りである。
【0227】
【表5】
【0228】[実施例9、比較例6]本実施例では、1
枚の基板に4素子を作成したものである。
【0229】実施例1と同様にして、工程dまでを行な
った後、以下の工程を行なった。
【0230】工程−e 活性化工程を行なった。真空容器内の圧力は2.0×1
-3Paであった。このとき使用した排気装置は、高真
空用の排気装置である。
【0231】素子に印加したパルス波形は、図18
(a)に示す矩形波パルスで、波高値は14V、パルス
幅100μsec.、パルス間隔10msec.とし
た。
【0232】活性化処理は素子電流Ifと、放出電流I
eをモニタしながら行なった。電子放出素子とアノード
の距離は4mm、アノード電位は1kVに設定した。
【0233】制御装置は、Ie検知用の電流計のデータ
を読み込みながら、Ieの増加率dIe/dtを演算
し、Ieの極大すなわちdIe/dt=0を検出する。
実際には、測定されるIeの値にはノイズが混じるの
で、時定数を1秒として積分した値を用い、dIe/d
tの値が0の周辺に1分間停滞したところで活性化を終
了した。
【0234】上記4素子の内、2素子について上述の活
性化を施したところ、いずれの素子も約60分で活性化
を終了した。
【0235】残り2素子は比較のため、同様のパルスに
より活性化を行ない、40分で停止するように設定し
た。
【0236】続いて、排気装置をイオンポンプに切り替
え、実施例1の工程fと同様の条件で安定化工程を施し
た。このときIe,Ifとも減少するが、暫くすると一
定の値に落ちついた。このときの値を以下に示す。
【0237】
【表6】
【0238】[実施例10]本実施例では、排気装置と
してドライポンプ(スクロールポンプ)と磁気浮上式タ
ーボポンプを用いた。これによると排気装置からの有機
物質の真空容器内への拡散がほぼ抑制でき、以下の処理
を行なうのに十分な真空雰囲気をつくることができる。
【0239】実施例9の工程dまでと同様の処理を行な
った後、以下の工程を行なった。
【0240】工程−e ガス導入装置51と電磁弁52を制御して真空容器内に
アセトンを導入する。導入量を適当に調整してアセトン
の圧力を1.3×10-3Paとした。
【0241】続いて実施例9と同様のパルスを印加、I
f,Ieを観測しながらdIe/dt=0を検知して活
性化を終了した。活性化時間は約50分であった。
【0242】この後アセトンの導入を停止、真空容器内
の圧力を約1.3×10-5Paまで減圧し、実施例1と
同様の安定化工程を行なった。
【0243】得られた素子の特性は次の通りである。
【0244】
【表7】
【0245】[実施例11]実施例9と同様に工程dま
でを行ない、続いて以下の工程を行なった。
【0246】工程−e 真空装置内は、ターボポンプとロータリーポンプからな
る高真空用排気装置により2.0×10-3Pa程度の圧
力に排気した。
【0247】実施例9と同様に、If,Ieをモニタし
ながら活性化処理を施した。制御装置は、If,Ieの
観測値からη=Ie/Ifを算出し、さらにdη/dt
を計算して、ηの極大すなわちdη/dt=0を検出し
て活性化を停止するように設定した。
【0248】活性化処理は約2分で終了した。
【0249】続いて、排気装置をイオンポンプに切り替
えて真空容器内を排気し、実施例1と同様の安定化工程
を施した。
【0250】得られた素子の特性は次の通りである。
【0251】
【表8】
【0252】[実施例12]本実施例は、基板上に表面
伝導型電子放出素子を複数配置し、マトリクス的に配線
した電子源の製造に本発明を用いた例である。素子の数
は、X方向、Y方向とも100個である。
【0253】製造方法を図19及び図20を使って工程
順に従って具体的に説明する。尚、各工程A〜Hは図1
9の(a)〜(d)及び図20の(e)〜(h)に対応
する。
【0254】工程−A 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5μmのシリコン酸
化膜をスパッタ法で形成した基板1上に、真空蒸着法に
より、厚さ5nmのCr、厚さ600nmのAuを順次
積層した後、ホトレジスト(AZ1370・ヘキスト社
製)をスピンナーにより回転塗布し、ベークした後、ホ
トマスク像を露光、現像して、下配線72のレジストパ
ターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエッチン
グして、所望の形状の下配線72を形成した。
【0255】工程−B 次に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜からなる、層間絶
縁層61をRFスパッタ法により堆積した。
【0256】工程−C 工程Bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホール6
2を形成するためのホトレジストパターンを作り、これ
をマスクとして層間絶縁層61をエッチングしてコンタ
クトホール62を形成した。エッチングはCF4 とH2
ガスを用いたRIE(Reactive Ion Et
ching)法によった。
【0257】工程−D その後、素子電極2,3と素子電極間ギャップGとなる
べきパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
・日立化成社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ5
nmのTi、厚さ100nmのNiを順次堆積した。ホ
トレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆
積膜をリフトオフし、素子電極間隔3μm、幅300μ
mの素子電極2,3を形成した。
【0258】工程−E 素子電極2,3の上に上配線73のホトレジストパター
ンを形成した後、厚さ5nmのTi、厚さ500nmの
Auを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフにより不
要の部分を除去して、所望の形状の上配線73を形成し
た。
【0259】工程−F 次に、膜厚30nmのCr膜63を真空蒸着により堆
積、導電性薄膜4の形状の開口部を有するようにパター
ニングし、その上にPdアミン錯体溶液(ccp423
0・奥野製薬(株)製)をスピンナーにより回転塗布、
300℃12分間の加熱焼成処理を施してPdO微粒子
よりなる導電性薄膜4を形成した。この膜の膜厚は70
nmであった。
【0260】工程−G Cr膜63をエッチャントを用いてウエットエッチング
してPdO微粒子よりなる導電性薄膜4の不要部分とと
もに除去し、所望の形状の導電性薄膜4を形成した。抵
抗値はRs =4×104 Ω/□程度であった。
【0261】工程−H コンタクトホール62部分以外にレジストパターンを形
成し、真空蒸着により厚さ5nmのTi、厚さ500n
mのAuを順次堆積した。リフトオフにより不要な部分
を除去することにより、コンタクトホールを埋め込ん
だ。
【0262】この様にして作成した電子源を用いて画像
形成装置を構成した。図11及び図12を用いて説明す
る。
【0263】工程−I 電子源基板71をリアプレート81上に固定した後、基
板71の5mm上方に、フェースプレート86(ガラス
基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック85が形成
されて構成される)を支持枠82を介して配置し、フェ
ースプレート86、支持枠82、リアプレート81の接
合部にフリットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素雰
囲気中で400℃ないし500℃で10分以上焼成する
ことで封着した。またリアプレート81への基板71の
固定もフリットガラスで行った。図11において、74
は電子放出素子、72,73はそれぞれX方向及びY方
向の素子配線である。
【0264】蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみからなるが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作製した。ブ
ラックストライプの材料として通常よく用いられている
黒鉛を主成分とする材料を用いた。ガラス基板83に蛍
光体を塗布する方法はスラリー法を用いた。
【0265】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
【0266】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省
略した。
【0267】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
【0268】工程−J 以上のようにして完成したガラス容器内の雰囲気を排気
管(図示せず)を通じ真空ポンプにて10-4Pa程度の
真空度まで排気し、図21に示すように、Y方向配線を
共通結線して1ライン毎にフォーミング処理を行う。図
中131はY方向配線73を共通結線した共通電極、1
32は電源、133は電流測定用抵抗、134は電流を
モニタするためのオシロスコープである。
【0269】工程−K 続いて、活性化処理を行なう。雰囲気条件設定手段の構
成を図30に示す。画像表示装置17は排気管18を介
して真空チャンバー11に接続されている。真空チャン
バー11は排気装置15により排気され、内部の雰囲気
は圧力計58と四重極質量分析器(Q−mass)57
によって検知される。真空チャンバー11にはまた、2
系統のガス導入系が接続されており、一方は活性化物質
の導入用、他方は活性化物質をエッチングする物質(エ
ッチングガス)の導入用である。本実施例ではエッチン
グガス用の導入系は使用しない。
【0270】活性化物質導入系は電磁弁とマスフローコ
ントローラーよりなるガス導入装置59を介して、活性
化物質源60に接続されている。本実施例ではアセトン
をアンプルに入れたものを使用した。メタンなど常温常
圧で気体である活性化物質を用いる場合には、ボンベを
使用する。
【0271】ガス導入装置59を制御してアセトンをパ
ネル内に導入し圧力が1.3×10-1Paとなるように
調整して、18V矩形波パルスを印加する。パルス幅は
100μsec.、パルス間隔は20msec.とし
た。
【0272】活性化処理は、1行づつ実行した。一つの
行の素子に接続された1本のX方向配線に、波高値Va
ct=18Vの矩形波パルスを印加し、Y方向配線は、
工程Jと同様に共通電極に結線する。1分間毎にパルス
を三角波に変更し、If−Vf特性を測定する。Vf2
=Vact/2=9VにおけるIfの値が、If(Vf
2)≧If(Vact)/220であれば、30秒間矩
形波パルスの波高値を19Vに上昇させ、その後18V
に戻して活性化処理を継続する。
【0273】1素子あたりの素子電流がIf(18V)
≧2mAとなったところでその行の活性化を終了し、次
の行の活性化処理に移って、同様の処理を繰り返す。
【0274】工程−L すべての行の活性化が終了したところで、ガス導入装置
のバルブを閉じアセトンの導入を停止し、ガラスパネル
全体を約200℃に加熱しながら排気、5時間排気を続
けたところで、単純マトリクス駆動により、電子を放出
させ、蛍光体膜を全面発光させ、正常に動作することを
確認した後、排気管を加熱溶着して封じきる。この後、
高周波加熱によりパネル内に設置したゲッター(不図
示)を高周波加熱によりフラッシュさせる。
【0275】[比較例7]実施例12と同様に工程Jま
での処理を行ない、工程Kと同様の雰囲気中で、波高値
Vact=18Vの矩形波パルスを印加し、一行あたり
30分間づつの活性化処理を施した。
【0276】続いて工程Lと同様の処理を施した。
【0277】実施例12、比較例7の画像表示装置につ
き、16V矩形波パルスを印加して、Ie,Ifの測定
を行なった。測定は、活性化工程と同様に行毎に行な
い、同じ行に属する100素子全体のIf,Ieを測定
した。また8V矩形波パルスを印加したときのIfの値
(Ifmid )を測定した。メタルバックと電子源の間の
電位差は1kVに設定した。
【0278】1行(100素子)あたりのIf,Ieの
平均値及びIeのバラツキ(△Ie)は次の通りであ
る。
【0279】
【表9】
【0280】[実施例13]実施例12と同様に工程J
までを行なった後、以下の工程を行なった。
【0281】工程−K 実施例12と同様に、ガス導入装置を制御してアセトン
をパネル内に導入し、圧力が1.3×10-1Paとなる
ように調整して、Vact=18Vの矩形波パルスを、
1パルスづつ各行に順次印加するよう、X方向配線への
接続の切り替えを順次行なう。この場合のパルス印加手
段と電子源の接続を、図22に模式的に示す。161は
パルス発生器、162はライン選択部である。パルス発
生器とライン選択部は活性化ドライバー163により、
パルス発振とライン選択の切り替えの周期が同期するよ
うになっている。
【0282】パルス発生器により生成された電圧パルス
は、ライン選択部に入力された出力端子Sx1〜Sxm
のいずれかに出力される。Sx1〜Sxmはそれぞれ電
子源164のX方向配線Dx1〜Dxmに接続されてお
り、Y方向配線Dy1〜Dynは共通結線されてグラン
ドレベルに接続されている。
【0283】165はメタルバック(不図示)に電圧を
印加する高圧電源、166はIeを測定するための電流
計であるが、活性化工程ではアセトンの分圧が高いた
め、放電現象による損傷を避けるため使用しない。
【0284】167はIfを測定するための電流計であ
る。Ie,Ifの測定値(本実施例ではIfのみ)は制
御装置168に読み込まれ、制御装置168はこれを基
に活性化ドライバー163の動作を制御する。制御の方
法は次の通りである。
【0285】図23はライン選択部162の動作を説明
するための模式図である。出力端子Sx1〜Sxmはそ
れぞれスイッチsw1〜swmに接続されており、各ス
イッチは、パルス発生器に接続された入力ライン、また
はグランドレベルのいずれかにつながれ、活性化ドライ
バーによりそれぞれ独立に制御される。
【0286】図24は、パルス発生器によって生成され
たパルス波形と、ライン選択部のスイッチの動作の対応
を示すタイムチャートである。sw1〜swmが入力側
につながっている状態を“ON”、グランドレベル側に
つながっている状態を“GND”で示した。この様に入
力側につながっているスイッチは同時には1個に限り、
パルス間隔と同じ周期で次のスイッチを入力側につなぐ
ようにドライブした。
【0287】この結果、図25に示すように、X方向配
線の各ラインに順次1パルスづつ印加される。
【0288】パルス発生器の生成するパルスは、パルス
幅100μsec.、パルス間隔200μsec.、ラ
イン選択部によるスイッチ切り替えの周期はパルス間隔
と同じ200μsec.で、100行全部にパルスが印
加されるのにかかる時間は20msec.となる。従っ
て、各行に印加されるパルスは、パルス幅100μse
c.、パルス間隔20msec.で、実施例12と同じ
になる。
【0289】実施例12と同様に1分間毎に三角波パル
スを各行に印加し、各行のIf−Vf特性を検知、1素
子あたりIf(Vf2)≧If(Vact)/220と
なった行には、30秒間、矩形波パルスの波高値を19
Vに上昇させる処理シーケンスに移行した後、レギュラ
ーシーケンスに戻って同様の処理を繰り返す様に、制御
装置のプログラムを設定した。このとき、制御装置は必
要な行のみ19Vのパルスが印加され、他の行には従前
通り18Vのパルスが印加されるようパルス発生器とラ
イン選択部のスイッチングを同期させるように活性化ド
ライバーを制御する。また1素子あたりIf(Vac
t)≧2mAとなった行にはパルスの印加を停止するよ
う設定した。このとき、当該の行のみパルス印加が停止
されるよう、活性化ドライバーを制御する。いずれの行
も約30分でパルス印加の停止に至った。この様な活性
化駆動を行なうことにより、行毎に活性化を行なう場合
に比べ、パルス休止時間中他の行に活性化電圧を印加す
ることが出来るため活性化工程に必要な全体の時間が大
幅に短縮される。
【0290】その後、実施例12と同様の安定化工程を
施し、排気管を封じきり、ゲッターフラッシュを行なっ
た。
【0291】こうして得られた画像表示装置を実施例1
2と同様な方法で測定したところ、ほぼ同等の性能を示
した。
【0292】以上のように完成した本発明の画像形成装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dox1
ないしDoxm,Doy1ないしDoynを通じ、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞ
れ、印加することにより、電子放出させ、高圧端子Hv
を通じ、メタルバック85に5.0kVの高圧を印加
し、電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、励起
・発光させることで画像を表示した。
【0293】図26は、実施例13の画像形成装置(デ
ィスプレイパネル)に、例えばテレビジョン放送をはじ
めとする種々の画像情報源より提供される画像情報を表
示できるように構成した表示装置の一例を示すための図
である。図中141はディスプレイパネル、142はデ
ィスプレイパネルの駆動回路、143はディスプレイコ
ントローラ、144はマルチプレクサ、145はデコー
ダ、146は入出力インターフェース回路、147はC
PU、148は画像生成回路、149及び150及び1
51は画像メモリーインターフェース回路、152は画
像入力インターフェース回路、153及び154はTV
信号受信回路、155は入力部である。
【0294】尚、本表示装置は、例えばテレビジョン信
号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信
する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生する
ものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報
の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路やスピ
ーカー等については説明を省略する。
【0295】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明する。
【0296】まず、TV信号受信回路154は、例えば
電波や空間光通信等のような無線伝送系を用いて伝送さ
れるTV信号を受信するための回路である。
【0297】受信するTV信号の方式は特に限られるも
のではなく、例えばNTSC方式、PAL方式、SEC
AM方式等、いずれの方式でもよい。また、これらより
更に多数の走査線よりなるTV信号、例えばMUSE方
式を初めとする所謂高品位TVは、大面積化や大画素数
化に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに
好適な信号源である。TV信号受信回路154で受信さ
れたTV信号は、デコーダ145に出力される。
【0298】TV信号受信回路153は、例えば同軸ケ
ーブルや光ファイバー等のような有線伝送系を用いて伝
送されるTV信号を受信するための回路である。前記T
V信号受信回路154と同様に、受信するTV信号の方
式は特に限られるものではなく、また本回路で受信され
たTV信号もデコーダ145に出力される。
【0299】画像入力インターフェース回路152は、
例えばTVカメラや画像読み取りスキャナーなどの画像
入力装置から供給される画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ145に出力され
る。
【0300】画像メモリーインターフェース回路151
は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)に記
憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込
まれた画像信号はデコーダ145に出力される。
【0301】画像メモリーインターフェース回路150
は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込
むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ14
5に出力される。
【0302】画像メモリーインターフェース回路149
は、静止画ディスクのように、静止画像データを記憶し
ている装置から画像信号を取り込むための回路で、取り
込まれた静止画像データはデコーダ145に入力され
る。
【0303】入出力インターフェース回路146は、本
表示装置と、外部のコンピュータもしくはコンピュータ
ネットワークもしくはプリンターなどの出力装置とを接
続するための回路である。画像データや文字・図形情報
の入出力を行うのは勿論のこと、場合によっては本表示
装置の備えるCPU147と外部との間で制御信号や数
値データの入出力などを行うことも可能である。
【0304】画像生成回路148は、前記入出力インタ
ーフェース回路146を介して外部から入力される画像
データや文字・図形情報や、あるいはCPU147より
出力される画像データや文字・図形情報に基づき、表示
用画像データを生成するための回路である。本回路の内
部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積する
ための書き換え可能メモリーや、文字コードに対応する
画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリー
や、画像処理を行うためのプロセッサー等を初めとし
て、画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0305】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ145に出力されるが、場合によっては前
記入出力インターフェース回路146を介して外部のコ
ンピュータネットワークやプリンターに出力することも
可能である。
【0306】CPU147は、主として本表示装置の動
作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わる作業を
行う。
【0307】例えば、マルチプレクサ144に制御信号
を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適
宜選択したり組み合わせたりする。その際には表示する
画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ14
3に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や走査方
法(例えばインターレースかノンインターレースか)や
一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制御す
る。また、前記画像生成回路148に対して画像データ
や文字・図形情報を直接出力したり、あるいは前記入出
力インターフェース回路146を介して外部のコンピュ
ータやメモリーをアクセスして画像データや文字・図形
情報を入力する。
【0308】尚、CPU147は、これ以外の目的の作
業にも関わるものであってよい。例えば、パーソナルコ
ンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を生成
したり処理する機能に直接関わってもよい。あるいは前
述したように、入出力インターフェース回路146を介
して外部のコンピュータネットワークと接続し、例えば
数値計算等の作業を外部機器と協同して行ってもよい。
【0309】入力部155は、前記CPU147に使用
者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入力する
ためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、ジ
ョイスティック、バーコードリーダー、音声認識装置等
の多様な入力機器を用いることが可能である。
【0310】デコーダ145は、前記148ないし15
4より入力される種々の画像信号を3原色信号、又は輝
度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路であ
る。尚、図中に点線で示すように、デコーダ145は内
部に画像メモリーを備えるのが望ましい。これは、例え
ばMUSE方式を初めとして、逆変換するに際して画像
メモリーを必要とするようなテレビ信号を扱うためであ
る。画像メモリーを備える事により、静止画の表示が容
易になる。あるいは前記画像生成回路148及びCPU
147と協同して、画像の間引き、補間、拡大、縮小、
合成を初めとする画像処理や編集が容易になるという利
点が生まれるからである。
【0311】マルチプレクサ144は、前記CPU14
7より入力される制御信号に基づき、表示画像を適宜選
択するものである。即ち、マルチプレクサ144はデコ
ーダ145から入力される逆変換された画像信号の内か
ら所望の画像信号を選択して駆動回路142に出力す
る。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切り
換えて選択することにより、所謂多画面テレビのよう
に、一画面を複数の領域に分けて領域によって異なる画
像を表示することも可能である。
【0312】ディスプレイパネルコントローラ143
は、前記CPU147より入力される制御信号に基づ
き、駆動回路142の動作を制御するための回路であ
る。
【0313】ディスプレイパネルの基本的な動作に関わ
るものとして、例えばディスプレイパネルの駆動用電源
(図示せず)の動作シーケンスを制御するための信号を
駆動回路142に対して出力する。ディスプレイパネル
の駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周波数
や走査方法(例えばインターレースかノンインターレー
スか)を制御するための信号を駆動回路142に対して
出力する。また、場合によっては、表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路142に対して出力する場合
もある。
【0314】駆動回路142は、ディスプレイパネル1
41に印加する駆動信号を発生するための回路であり、
前記マルチプレクサ144から入力される画像信号と、
前記ディスプレイパネルコントローラ143より入力さ
れる制御信号に基づいて動作するものである。
【0315】以上、各部の機能を説明したが、図26に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル1
41に表示することが可能である。即ち、テレビジョン
放送を初めとする各種の画像信号は、デコーダ145に
おいて逆変換された後、マルチプレクサ144において
適宜選択され、駆動回路142に入力される。一方、デ
イスプレイコントローラ143は、表示する画像信号に
応じて駆動回路142の動作を制御するための制御信号
を発生する。駆動回路142は、上記画像信号と制御信
号に基づいてディスプレイパネル141に駆動信号を印
加する。これにより、ディスプレイパネル141におい
て画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU1
47により統括的に制御される。
【0316】本画像形成装置においては、前記デコーダ
145に内蔵する画像メモリや、画像生成回路148及
び情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表
示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移
動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横比
変換等を初めとする画像処理や、合成、消去、接続、入
れ換え、嵌め込み等を初めとする画像編集を行うことも
可能である。また、本実施例の説明では特に触れなかっ
たが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声情報に関
しても処理や編集を行なうための専用回路を設けてもよ
い。
【0317】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画
像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、ワー
ドプロセッサを初めとする事務用端末機器、ゲーム機な
どの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用ある
いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0318】尚、図26は、表面伝導型電子放出素子を
電子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた表示装
置の構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像形成装
置がこれのみに限定されるものでないことは言うまでも
ない。
【0319】例えば図26の構成要素の内、使用目的上
必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。
また、これとは逆に、使用目的によっては更に構成要素
を追加してもよい。例えば、本表示装置をテレビ電話機
として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、
照明機、モデムを含む送受信回路等を構成要素に追加す
るのが好適である。
【0320】[実施例14]本実施例は、はしご型配線
をした電子源及びそれを用いた、画像表示装置である。
図28は、以下の工程の一部を模式的に示したものであ
る。以下、本実施例の製造方法について述べる。
【0321】工程−A 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5μmのシリコン酸
化膜をスパッタ法で形成した基板71上に、素子電極を
兼ねる共通配線の形状の開口を有するホトレジスト(R
D−2000N−41・日立化成社製)パターンを形成
し、真空蒸着法により、厚さ5nmのTi、厚さ100
nmのNiを順次積層した。この後、ホトレジストパタ
ーンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオ
フして、素子電極を兼ねる共通配線171を形成した。
電極間距離はL=3μmとした。
【0322】工程−B 真空蒸着法により厚さ300nmのCr膜172を堆積
し、通常のフォトリソグラフィー技術により導電性薄膜
のパターンに相当する開口部173を形成する。その上
にPdアミン錯体溶液(ccp4230・奥野製薬
(株)製)をスピンナーにより回転塗布し、大気中30
0℃12分間の加熱焼成処理を施した。こうして形成さ
れた膜はPdOを主成分とする導電性の微粒子膜で、厚
さは7nm前後であった。
【0323】工程−C Crマスク172をウエットエッチしてPdO膜の不要
部分とともに除去し、所望の形状にパターニングされた
導電性薄膜4を得た。この導電性薄膜の抵抗値はRs
2×104 Ω/□程度であった。
【0324】工程−D 実施例12と同様にして表示パネルを形成した。ただし
本実施例はグリッド電極を有するため構成は若干異な
る。図15のように電子源基板71、リアプレート8
1、フェースプレート86とグリッド電極120を組み
合わせ、外部に容器外端子122、容器外グリッド電極
端子123を接続した。
【0325】このようにして作成した画像形成装置に実
施例12と同様にフォーミング処理を施した。このとき
各行の正極側・負極側の配線を、それぞれ電源に接続し
て行なった。
【0326】続いて、活性化工程を施した。電気的な接
続は実施例13に準ずるもので、各行の負極側配線を共
通結線したグランドに落とし正極側配線をライン選択部
の出力端子Sx1〜Sx100に接続した。実施例13
と同様な方法で矩形波パルスを印加、Ifを測定しなが
ら活性化を進め、1素子あたりのIfが2mAを超えた
行について順次パルス印加を停止するように制御した。
【0327】なお、活性化中の雰囲気は実施例12と同
様アセトン分圧が、1.3×10-1Paとなるように制
御した。
【0328】各行とも約30分で活性化が終了した。こ
の後、内部を排気し、安定化工程を行なって排気管を封
じきりゲッター処理を行なった。
【0329】実施例12と同様に各行毎に特性の測定を
行なった。測定中グリッド電極の電位はグランドレベル
とした。結果は後述する。
【0330】[実施例15]実施例12と同様に工程J
まで行ない、続いて活性化処理を行なった。活性化物質
としてn−ヘキサンを導入、分圧は2.7×10-3Pa
とした。実施例13と同様な手法で18V矩形波パルス
を印加して、メタルバックに1kVの電圧を印加してI
eの値を測定しながら活性化を行なった。1素子あたり
のIeの値が2μAを超えた行について順次パルス印加
を停止するように制御した。約30分で活性化を終了し
た。
【0331】その後、実施例12と同様に安定化工程を
行なった後、排気管を封じ切りゲッター処理を行なっ
た。
【0332】その後、実施例12と同様に特性の測定を
行なった。結果は後述する。
【0333】[実施例16]実施例12と同様に工程J
まで行ない、続いて活性化処理を行なった。活性化物質
としてアセトンを導入、分圧は1.3×10-1Paとし
た。実施例13と同様な方法で、各行に活性化パルスを
印加、パルスは三角波パルスとし、パルス幅、パルス間
隔は実施例13と同様とした。
【0334】パルス波高値Vactは、10Vからスタ
ートし、0.2V/min.のレートで昇圧するのをレ
ギュラーシーケンスとした。
【0335】活性化処理は各行のIfを検知しながらす
すめ、素子電圧Vf2=Vact/2に対応するIfの
値がIf(Vf2)≧If(Vact)/220となっ
たとき、当該の行に、その時点のVactより1V高い
波高値の矩形波パルスを印加する処理を30分間施した
後、レギュラーシーケンスに復帰するように制御を行っ
た。なお、この制御は、活性化開始2分後からスタート
し、1分間隔で検知、判定を行う。
【0336】パルス波高値が18Vに達した時点で、活
性化工程を終了し、実施例12と同様に安定化工程、排
気管の封じきり、ゲッター処理を行った。その後特性測
定を行った。
【0337】実施例14〜16で作成した画像表示装置
の特性測定は、活性化処理の際と同様な手法で各行にパ
ルス電圧を印加することにより、行毎にIf,Ieの測
定を行った。パルスは16V矩形波パルスで、Vf=8
Vに対するIfの値をIfmid として示した。なお、I
e測定のためメタルバックに印加した電圧は1kVであ
る。
【0338】
【表10】
【0339】なお、上記実施例12〜16では、すべて
の行について特性を検知し、独立に処理シーケンスを施
したが、場合によっては、1ないし複数の代表行を決
め、この行に対して特性を検知し、制御する事も可能で
ある。例えば実施例14、15のように、IfまたはI
eを検知して活性化の終了を決定する場合において、活
性化物質や、画像表示装置の形状などの条件から、十分
均一な特性が得られることが予測される場合、代表行に
ついて検知を行い、この結果によて活性化の終了を判定
する、という制御を行うことが考えられる。
【0340】また、複数の独立に配線した素子を同時に
活性化する場合も同様である。
【0341】
【発明の効果】以上説明したように、表面伝導型電子放
出素子、それを複数配置してなる電子源及びそれを用い
た画像表示装置の製造において、これらの活性化工程を
行う装置として、電子放出素子の電気的特性を検知する
手段と、活性化の条件を設定する手段と、該電気的特性
を検知する手段により得られた情報を元に、活性化条件
を適宜変更し、また活性化工程の終了を判断する制御手
段よりなる装置を用いることにより、素子の特性の均一
性の向上、リーク電流の低下、特性の最適化など所望の
特性改善を実現することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の構成の一例を示すブロック
図である。
【図2】本発明の製造方法を説明するフローチャートで
ある。
【図3】本発明を適用する表面伝導型電子放出素子の構
成の一例を示す模式図である。
【図4】本発明を適用する表面伝導型電子放出素子の構
成の別の一例を示す模式図である。
【図5】本発明を適用する表面伝導型電子放出素子の製
造方法を説明する模式図である。
【図6】表面伝導型電子放出素子の製造において、フォ
ーミング工程で用いる電圧パルス波形を説明する図であ
る。
【図7】本発明の製造装置及び製造方法において、活性
化工程で用いるパルス電圧の波形の例を説明するための
図である。
【図8】表面伝導型電子放出素子あるいは電子源の電子
放出特性を測定するための装置の模式図である。
【図9】表面伝導型電子放出素子あるいは電子源の電子
放出特性を説明するための模式図である。
【図10】マトリクス配列の電子源の構成を説明する模
式図である。
【図11】マトリクス配列の電子源を用いた画像形成装
置の構成を示す模式図である。
【図12】蛍光膜の構成を説明する模式図である。
【図13】本発明を適用する画像形成装置の構成の一例
を示すシステムブロック図である。
【図14】はしご型配列の電子源の構成を示す模式図で
ある。
【図15】はしご型配列の電子源を用いた画像形成装置
の構成を示す模式図である。
【図16】本発明の製造装置の一例の構成を示す模式図
である。
【図17】本発明を適用する表面伝導型電子放出素子の
構成の一例を示す模式図である。
【図18】本発明の製造装置及び製造方法において、活
性化のために素子に印加される電圧パルスの波形を説明
する図である。
【図19】本発明を適用する電子源の製造方法を説明す
るための図である。
【図20】本発明を適用する電子源の製造方法を説明す
るための図である。
【図21】本発明を適用するマトリクス配列の電子源の
製造方法において、フォーミング工程を行う際の結線の
一例を示す図である。
【図22】実施例13における活性化パルスの印加手段
の構成を示す模式図である。
【図23】実施例13におけるライン選択部の動作を説
明するための模式図である。
【図24】実施例13におけるパルスの発生とライン選
択部の動作の関係を示すタイムチャートである。
【図25】実施例13において、各方向配線に印加され
るパルス電圧を示すタイムチャートである。
【図26】本発明を適用する画像形成装置の構成の一例
を示すシステム図である。
【図27】従来の表面伝導型電子放出素子の構成を説明
する模式図である。
【図28】はしご型配線の電子源の製造工程の一部を説
明する模式図である。
【図29】本発明の製造装置の構成の他の一例を示すブ
ロック図である。
【図30】本発明の製造装置の他の一例の構成を示す模
式図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 導電性薄膜 5 電子放出部 11 真空容器 12 特性検知手段 13 条件設定手段 14 制御装置 15 排気装置 16 ゲートバルブ 17 画像表示装置 18 排気管 21 段さ形成部 31 真空容器 32 排気ポンプ 33 電源 34 If測定用電流計 35 アノード電極 36 高圧電源 37 Ie測定用電流計 41 真空容器 42 試料ホルダー 43 電子源 44 排気装置 45 排気装置駆動回路 46 素子駆動回路 47 If測定用電流計 48 アノード電極 49 高圧電源 50 Ie測定用電流計 51 ガス導入装置 52 電磁弁 53 雰囲気検出器 54 雰囲気検出器駆動回路 55 制御装置 56 雰囲気調整用ドライバー 57 四重極質量分析器(Q−mass) 58 圧力計 59 ガス導入装置 60 導入物質源 61 層間絶縁層 62 コンタクトホール 63 Crマスク 71 基板 72 X方向配線(下配線) 73 Y方向配線(上配線) 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 外囲器 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 110 電子源基板 111 表面伝導型電子放出素子 112 共通配線 120 グリッド電極 121 電子通過孔 122 容器外端子 123 グリッド電極に接続された容器外端子 131 共通電極 132 電源 133 電流測定用抵抗 134 オシロスコープ 141 ディスプレイパネル 142 駆動回路 143 ディスプレイコントローラ 144 マルチプレクサ 145 デコーダ 146 入出力インターフェース回路 147 CPU 148 画像生成回路 149 画像メモリーインターフェース回路 150 画像メモリーインターフェース回路 151 画像メモリーインターフェース回路 152 画像入力インターフェース回路 153 TV信号受信回路 154 TV信号受信回路 155 入力部 161 パルス発生器 162 ライン選択部 163 活性化ドライバー 164 電子源 165 電源 166 電流計 167 電流計 168 制御装置 171 共通配線 172 Crマスク 173 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−177943 (32)優先日 平成7年6月22日(1995.6.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 池田 外充 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 河出 一佐哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−112632(JP,A) 特開 平8−153465(JP,A) 特開 平8−69746(JP,A) 特開 平7−192610(JP,A) 特開 平8−7749(JP,A) 特開 平1−292728(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02

Claims (39)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極間に、電子放出部を有する導電性膜
    を備える電子放出素子の製造方法において、放出電流を
    増加させる活性化工程を有し、該活性化工程は、a)間
    隙部を有する導電性膜に電圧(Vact)を印加する工
    程と、b)前記導電性膜の電気的特性を検知する工程
    と、c)前記検知された電気的特性に基づき前記導電性
    膜に印加する電圧波形を変更する工程とを有することを
    特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電圧波形を変更する工程は、前記導
    電性膜に印加されるパルス電圧の波高値を変更する工程
    を有する請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電圧波形を変更する工程は、前記導
    電性膜に印加されるパルス電圧のパルス幅を変更する工
    程を有する請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電圧波形を変更する工程は、前記導
    電性膜に印加されるパルス電圧のパルス間隔を変更する
    工程を有する請求項1に記載の電子放出素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 電極間に、電子放出部を有する導電性膜
    を備える電子放出素子の製造方法において、 放出電流を増加させる活性化工程を有し、該活性化工程
    は、a)間隙部を有する導電性膜に電圧(Vact)を
    印加する工程と、b)前記導電性膜の電気的特性を検知
    する工程と、c)前記検知された電気的特性に基づき雰
    囲気ガス種を変更する工程とを有することを特徴とする
    電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記雰囲気ガス種を変更する工程は、雰
    囲気中にエッチングガスを導入する工程を有する請求項
    に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチングガスは、水素ガスである
    請求項6に記載の電子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 電極間に、電子放出部を有する導電性膜
    を備える電子放出素子の製造方法において、 放出電流を増加させる活性化工程を有し、該活性化工程
    は、a)間隙部を有する 導電性膜に電圧(Vact)を
    印加する工程と、b)前記導電性膜の電気的特性を検知
    する工程と、c)前記検知された電気的特性に基づき雰
    囲気有機物質ガス分圧を調整する工程とを有することを
    特徴とする電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電気的特性を検知する工程は、前記
    導電性膜に流れる電流を検知する工程を有する請求項
    〜8のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記導電性膜に流れる電流を検知する
    工程は、前記Vactよりも低い電圧(Vf2)におけ
    る前記導電性膜に流れる電流(If2)を検知する工程
    を有する請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記Vf2は、Vact/2である請
    求項10に記載の電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記電気的特性を検知する工程は、前
    記導電性膜に流れる電流と前記導電性膜から放出される
    電流とを検知する工程を有する請求項1〜8のいずれか
    に記載の電子放出素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記電気的特性を検知する工程は、更
    に、前記導電性膜に流れる電流(If)と前記導電性膜
    から放出される電流(Ie)とからIe/If(η)を
    検知する工程を有する請求項12に記載の電子放出素子
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記電気的特性を検知する工程は、更
    に、前記ηの時間に対する変化率(dη/dt)を検知
    する工程を有する請求項13に記載の電子放出素子の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記電気的特性を検知する工程は、更
    に、前記導電性膜に流れる電流の閾値電圧(Vthf)
    と前記導電性膜から放出される電流の閾値電圧(Vth
    e)とを検知する工程を有する請求項12に記載の電子
    放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記電気的特性を検知する工程は、更
    に、前記Vthfと前記Vtheとの差電圧(Vthe
    −Vthf)を検知する工程を有する請求項15に記載
    の電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記電気的特性を検知する工程は、前
    記導電性膜から放出される電流を検知する工程を有する
    請求項1〜8のいずれかに記載の電子放出素子の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 前記電気的特性を検知する工程は、更
    に、前記導電性膜から放出される電流(Ie)の時間に
    対する変化率(dIe/dt)を検知する工程を有する
    請求項17に記載の電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子
    放出素子である請求項1〜18のいずれかに記載の電子
    放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 複数の電子放出素子を結線した素子行
    を複数有する電子源の製造方法において、前記電子放出
    素子を請求項1〜19のいずれかに記載の方法により製
    造することを特徴とする電子源の製造方法。
  21. 【請求項21】 マトリクス配線された複数の電子放出
    素子を有する電子源の製造方法において、前記電子放出
    素子を請求項1〜19のいずれかに記載の方法により製
    造することを特徴とする電子源の製造方法。
  22. 【請求項22】 電子放出素子と画像形成部材とを有す
    る画像形成装置の製造方法において、前記電子放出素子
    を請求項1〜19のいずれかに記載の方法により製造す
    ることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 電極間に、電子放出部を有する導電性
    膜を備える電子放出素子の、放出電流を増加させる活性
    化処理を行う活性化装置であって、該活性化装置は、
    a)間隙部を有する導電性膜に電圧(Vact)を印加
    する手段と、b)前記導電性膜の電気的特性を検知する
    手段と、c)前記検知された電気的特性に基づき、前記
    導電性膜に印加する電圧波形の変更を制御する制御手段
    とを有することを特徴とする電子放出素子の活性化装
    置。
  24. 【請求項24】 前記制御手段は、前記導電性膜に印加
    されるパルス電圧の波高値を変更する手段を有する請求
    項23に記載の電子放出素子の活性化装置。
  25. 【請求項25】 前記制御手段は、前記導電性膜に印加
    されるパルス電圧のパルス幅を変更する手段を有する
    求項23に記載の電子放出素子の活性化装置。
  26. 【請求項26】 前記制御手段は、前記導電性膜に印加
    されるパルス電圧のパルス間隔を変更する手段を有する
    請求項23に記載の電子放出素子の活性化装置。
  27. 【請求項27】 電極間に、電子放出部を有する導電性
    膜を備える電子放出素子の、放出電流を増加させる活性
    化処理を行う活性化装置であって、該活性化装置は、
    a)間隙部を有する導電性膜に電圧(Vact)を印加
    する手段と、b)前記導電性膜の電気的特性を検知する
    手段と、c)前記検知された電気的特性に基づき、雰囲
    気ガス種の変更を制御する制御手段とを有することを特
    徴とする電子放出素子の活性化装置。
  28. 【請求項28】 前記制御手段は、雰囲気中にエッチン
    グガスを導入する手段を有する請求項27に記載の電子
    放出素子の活性化装置。
  29. 【請求項29】 電極間に、電子放出部を有する導電性
    膜を備える電子放出素子の、放出電流を増加させる活性
    化処理を行う活性化装置であって、 該活性化装置は、a)間隙部を有する導電性膜に電圧
    (Vact)を印加する手段と、b)前記導電性膜の電
    気的特性を検知する手段と、c)前記検知された電気的
    特性に基づき、雰囲気有機物質ガス分圧の調整を制御す
    る制御手段とを有することを特徴とする電子放出素子の
    活性化装置。
  30. 【請求項30】 前記電気的特性を検知する手段は、前
    記導電性膜に流れる電流を検知する手段を有する請求項
    23〜29いずれかに記載の電子放出素子の活性化装
    置。
  31. 【請求項31】 前記導電性膜に流れる電流を検知する
    手段は、前記Vactよりも低い電圧(Vf2)におけ
    る前記導電性膜に流れる電流(If2)を検知する手段
    を有する請求項30に記載の電子放出素子の活性化装
    置。
  32. 【請求項32】 前記Vf2は、Vact/2である請
    求項31に記載の電子放出素子の活性化装置。
  33. 【請求項33】 前記電気的特性を検知する手段は、前
    記導電性膜に流れる電流と前記導電性膜から放出される
    電流とを検知する手段を有する請求項23〜29いずれ
    に記載の電子放出素子の活性化装置。
  34. 【請求項34】 前記電気的特性を検知する手段は、更
    に、前記導電性膜に流れる電流(If)と前記導電性膜
    から放出される電流(Ie)とからIe/If(η)を
    検知する手段を有する請求項33に記載の電子放出素子
    の活性化装置。
  35. 【請求項35】 前記電気的特性を検知する手段は、更
    に、前記ηの時間に対する変化率(dη/dt)を検知
    する手段を有する請求項34に記載の電子放出素子の活
    性化装置。
  36. 【請求項36】 前記電気的特性を検知する手段は、更
    に、前記導電性膜に流れる電流の閾値電圧(Vthf)
    と前記導電性膜から放出される電流の閾値電圧(Vth
    e)とを検知する手段を有する請求項33に記載の電子
    放出素子の活性化装置。
  37. 【請求項37】 前記電気的特性を検知する手段は、更
    に、前記Vthfと前記Vtheとの差電圧(Vthe
    −Vthf)を検知する手段を有する請求項36に記載
    の電子放出素子の活性化装置。
  38. 【請求項38】 前記電気的特性を検知する手段は、前
    記導電性膜から放出される電流を検知する手段を有する
    請求項23〜29いずれかに記載の電子放出素子の活性
    化装置。
  39. 【請求項39】 前記電気的特性を検知する手段は、更
    に、前記導電性膜から放出される電流(Ie)の時間に
    対する変化率(dIe/dt)を検知する手段を有する
    請求項38に記載の電子放出素子の活性化装置。
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