JP3397738B2 - 電子源および画像形成装置 - Google Patents

電子源および画像形成装置

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JP3397738B2 JP2000025582A JP2000025582A JP3397738B2 JP 3397738 B2 JP3397738 B2 JP 3397738B2 JP 2000025582 A JP2000025582 A JP 2000025582A JP 2000025582 A JP2000025582 A JP 2000025582A JP 3397738 B2 JP3397738 B2 JP 3397738B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/12Manufacture of electrodes or electrode systems of photo-emissive cathodes; of secondary-emission electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/316Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode having an electric field parallel to the surface, e.g. thin film cathodes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の配線と、複
数の電子放出素子を有する電子源および画像形成装置
関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に多数の電子放出素子とこれらに
接続する配線とを配置して、平面型の電子源を形成し、
このうち所望の電子放出素子から電子ビームを放出させ
て、画像表示などに用いる装置は、多くの物が知られて
いる。たとえば米国特許第5942849号(Neil
Alexander Cade)公報には、フィール
ドエミッタチップからの電子放出を、互いに直交するよ
うに形成された2つのグリッド電極(配線)により制御
する装置が開示されている。この場合には、電子放出素
子は、配線の交差部に形成されている。また、配線交差
部の近傍で、基板面上の配線のない部分に電子放出素子
が配置された構成のものも知られている。本出願人も、
このような構造を有する装置に関する提案をすでに行っ
ている。たとえば米国特許第5654607号公報にそ
のような装置が開示されている。
【0003】また、特に、電子放出素子は大別すると、
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子とに分けられる。
冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下、「FE型」
と称する)、金属/絶縁層/金属型(以下、「MIM
型」と称する)や表面伝導型電子放出素子等がある。
【0004】FE型の例としては、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field emmisi
on”,Advance in Electron P
hysics,8,89(1956)あるいはC.A.
Spindt,“Physical Properti
es of thin−film field emi
ssion cathodes with molyb
denium cones”, J.Appl. Ph
ys.,47,5284(1976)等に開示されたも
のがある。
【0005】また、MIM型の例としては C.A.M
ead,“Operation of Tunnel−
Emision Devices”,J.Apply.
Phys.,32,646(1961)等に開示され
たものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子の例としては、
M.I.Elinson, Recio Electr
on Phys.,10,1290(1965)等に開
示されたものがある。
【0007】表面伝導型電子放出素子は、絶縁性基板上
に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流す
ことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリン
ソン等によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によ
るもの[G.Dittmer;“Thin Solid
Films”, 9,317(1972)]、In2
3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell
and C.G.Fonstad;“IEEETran
s. ED Conf.”519(1975)]、カー
ボン薄膜によるもの[荒木久 他;真空、第26巻、第
1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0008】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図19
に模式的に示す。基板401上に、H型形状のパターン
に、スパッタで形成された金属酸化物薄膜等からなる導
電性膜404が形成されており、図19中ハッチングで
示す部分に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理
により電子放出部405が形成される。なお、図19中
の素子電極間隔Lは、0.5〜1mm、W’は、0.1
mmで設定されている。
【0009】これらの表面伝導型電子放出素子において
は、電子放出を行う前に導電性膜404を予め通電フォ
ーミングと呼ばれる通電処理を施して電子放出部405
を形成するのが一般的である。即ち、通電フォーミング
とは導電性膜404の両端に電圧を印加し、導電性膜4
04を局所的に破壊、変形もしくは変質させて構造を変
化させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部405を形
成する処理である。なお、電子放出部405では導電性
膜404の一部に亀裂が発生しており、その亀裂付近か
ら電子放出が行われる。
【0010】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
であることから、大面積に亘って多数素子を配列形成で
きる利点がある。そこで、この特徴を生かせるようない
ろいろな応用が研究されている。例えば、荷電ビーム
源、表示装置等の画像形成装置への利用があげられる。
【0011】従来、多数の表面伝導型放出素子を配列形
成した例としては、後述する様に、並列に表面伝導型電
子放出素子を配列し、個々の表面伝導型電子放出素子の
両端(両素子電極)を配線(共通配線)にてそれぞれ結
線した行を多数行配列(梯子状配置)した電子源があげ
られる(例えば、特開昭64−031332号公報、特
開平1−283749号公報、特開平2−257552
号公報等)。
【0012】また、特に表示装置においては、近年、液
晶を用いた表示装置と同様の平板型表示装置とすること
が可能で、しかもバックライトが不要な自発光型の表示
装置として、表面伝導型放出素子を多数配置した電子源
と、この電子源からの電子線の照射により可視光を発光
する蛍光体とを組み合わせた表示装置が米国特許第50
66883号公報に開示されている。
【0013】また本出願人は先に特開平6−34263
6号公報に、図20に模式的に概略構成が示されている
ような配線パターンで、かつ、表面伝導型電子放出素子
を有する電子源を用いた画像表示装置の一例を開示して
いる。図20において、上配線73と下配線72によっ
て複数の表面伝導型電子放出素子がマトリクス状に配線
されている。
【0014】また、図21(a)は表面伝導型電子放出
素子の構成を示す平面図、図21(b)は図21(a)
に示した表面伝導型電子放出素子の構成を示す断面図で
ある。表面伝導型電子放出素子は、絶縁性の絶縁性基板
201上に、一対の電極である電極202、203と、
電極202、203に電気的に接続された、微粒子から
なる導電性薄膜204と、導電性薄膜204の一部に形
成された、電子を放出する電子放出部205とを有す
る。この表面伝導型電子放出素子において、前記一対の
電極202、203の間隔は数千Å〜数百μmに設定さ
れ、また素子電極長さは、素子電極の抵抗値、電子放出
特性を考慮して数μm〜数百μmに設定される。また、
素子電極の膜厚は、導電性膜204と電気的な接続を保
つために数百Å〜数μmの範囲に設定される。電極20
2、203は、例えば、フォトリソグラフィ技術により
形成される。導電性膜204の膜厚は、電極2、3への
ステップカバレージ、素子電極間の抵抗値およびフォー
ミング条件等を考慮して適宜設定されるが、数Å〜数千
Åの範囲に設定するのが好ましく、さらに、10Å〜5
00Åの範囲に設定することがより好ましい。また、導
電性膜のシート抵抗値は、Rsが102〜107Ω/□に
設定することが好ましい。なお、Rsは、厚さがt、幅
がw、長さがlの薄膜の長さ方向に測定した抵抗をRと
する時、R=Rs(l/w)で表される。また、厚さt
と抵抗率ρが一定である場合、Rs=ρ/tで表され
る。
【0015】図22は、上述した特開平6−34263
6号公報に開示されている、複数の表面伝導型電子放出
素子をマトリクス状に配線した電子源を用いた画像表示
装置の一例を示す概略構成図である。リアプレート8
1、外枠82、フェースプレート86の各接続部を不図
示の低融点ガラスフリット等の接着剤により封着し、画
像表示装置内部を真空に維持するための外囲器(気密容
器)88を構成している。リアプレート81には、基板
71が固定されている。この基板71上には表面伝導型
電子放出素子がm×n個配列形成されている(m、nは
2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じ
て適宜設定される)。また、表面伝導型電子放出素子7
4は、図22に示すとおり、m本の行方向配線72とn
本の列方向配線73とにより配線されている。行方向配
線72、および列方向配線73は、例えば、フォトリソ
グラフィ技術により形成される。これら、基板71、表
面伝導型電子放出素子などの複数の電子放出素子74、
行方向配線72、列方向配線73によって構成される部
分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、少なくとも、行
方向配線72と列方向配線73の交差する部分には、両
配線間に不図示の層間絶縁層が形成されており、行方向
配線72と列方向配線73との電気的な絶縁が保たれて
いる。
【0016】フェースプレート86の下面には、蛍光体
からなる蛍光膜84が形成されており、赤(R)、緑
(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図示)が塗り分
けられている。また、蛍光膜84をなす上記各色蛍光体
の間には黒色体(不図示)が配されている。さらに、蛍
光膜84のリアプレート82側の面にはAl等からなる
メタルバック85が形成されている。
【0017】Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynは、当該
画像表示装置と不図示の電気回路とを電気的に接続する
ために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1
〜Dxmは、マルチ電子ビーム源の列方向配線と電気的
に接続している。Dy1〜Dynも同様にマルチ電子ビ
ーム源の行方向配線と電気的に接続している。
【0018】上記外囲器(気密容器)の内部は1.33
×10-4Pa以下の真空に維持されている。そのため、
画像表示装置の表示画面を大きくする程、外囲器(気密
容器)内部と外部との圧力差によるリアプレート81お
よびフェースプレート86の変形あるいは破壊を防止す
る手段が必要となる。そのため、フェースプレート86
とリアプレート81との間に耐大気圧支持のためのスペ
ーサあるいはリブと呼ばれる支持部材(不図示)を配置
する場合がある。
【0019】このようにして、電子放出素子が形成され
た基板71と蛍光膜が形成されたフェースプレート86
との間は、一般に数百μm〜数mmに保たれ、外囲器
(気密容器)内部は高真空に維持されている。以上説明
した画像表示装置は、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy
1〜Dyn、および行方向配線72、列方向配線73を
通じて各表面伝導型電子放出素子に電圧を印加すること
で、各表面伝導型電子放出素子から電子が放出される。
【0020】それと同時に、メタルバック85に容器外
端子を通じて数百V〜数kVの高電圧を印加すること
で、表面伝導型電子放出素子から放出された電子を加速
し、フェースプレート86の内面に形成された各色蛍光
体に衝突させる。これにより、蛍光体が励起され発光
し、画像が表示される。
【0021】上記画像表示装置を形成するには、上記電
子放出素子、行方向および列方向配線を多数配列形成す
る必要がある。
【0022】上記電子放出素子、行方向および列方向配
線を多数配列形成する方法として、上述したフォトリソ
グラフィ技術、エッチング技術などが挙げられる。
【0023】しかしながら、例えば、表面伝導型電子放
出素子を用いた数十インチの大画面の画像表示装置を形
成する場合、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術
を用いるとすると、対角数十インチの大型基板に対応す
る蒸着装置やスピンコータを始め、露光装置、エッチン
グ装置などの大型製造設備が必要となり、製造工程上の
取り扱いの難しさや、高コスト化などの問題がある。
【0024】そこで、比較的安価で、真空装置など必要
なく、大面積に対応しえる印刷技術を用いて、上記電子
放出素子、行方向および列方向配線を多数配列形成する
ことが考えられ、たとえば本出願人による特開平9−2
93469公報に開示されている。
【0025】また、本出願人は、先に特開平8−341
10号公報に、スクリーン印刷技術を用いて、上記行方
向および列方向配線を多数配列形成することを開示して
いる。
【0026】スクリーン印刷は、配線にある程度大きな
電流を流すために、配線の厚さを厚くするのに適してお
り、例えば金属粒子を混ぜた印刷ペーストを所望のパタ
ーンの開口が形成された版をマスクとして、開口部から
印刷ペーストを被印刷体である基板上に転写し、その
後、焼成を行うことで所望のパターンの導体配線などを
形成するものである。
【0027】スクリーン印刷に関して、スクリーン印刷
装置に用いられるスクリーンメッシュ42と基板100
との斜視図である図23およびスクリーンメッシュ42
と基板100の断面図である図24を用いて説明する。
【0028】なお、図23は印刷状況を説明しやすくす
るため、版枠41とスクリーンメッシュ42の一部を破
断して図示している。
【0029】まず、スクリーン印刷の概略に関して説明
する。
【0030】図23に示すように、スクリーンメッシュ
42はステンレス等の材質のメッシュ上に形成した樹脂
フィルムに印刷ペースト47を吐出するための版パター
ン46が抜いて形成されており、適宜設定された張力で
版枠41に張られている。このパターン45が形成され
ているスクリーンメッシュ42には、被印刷物である基
板100に印刷される印刷ペースト47が展開されてお
り、スキージ43でスクリーンメッシュ42を押し付け
ながら掃引することで、印刷パターン46が基板100
上に印刷される。
【0031】次に、スクリーン印刷の手順に関して説明
する。
【0032】まず、版枠41、即ちスクリーンメッシュ
42の面と、基板100を所定のギャップ48にセット
する。次に、スクリーンメッシュ42が押圧部44にお
いて基板100に接するまでスキージ43を下げる。次
に、スキージ43の手前に印刷ペースト47を展開し、
スクリーンメッシュ42が基板100に常に接するよう
にスキージ43を下げたままスキージ43を図23の矢
印E方向に掃引して印刷ペースト47を掻き取る。この
際、スキージ43からの圧力によって、印刷ペースト4
7は版パターン46を通って基板100上に、印刷ペー
スト47が転写される。これと同時にスクリーンの押圧
部44の張力44の垂直成分に由来する復元力によりス
クリーンメッシュ42が基板100から離れることでス
クリーンメッシュ42から印刷ペースト47が分離さ
れ、基板100上に図23に示す所望の印刷パターン4
6が形成される。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、互いに
直交する、それぞれが複数の配線からなる配線の群(以
下、「行方向配線」および「列方向配線」)とそれらに
接続する複数の電子放出素子よりなる電子源において
は、基板の縁部近くを除いては、基板表面は、行方向配
線、列方向配線により細かく区切られているが、基板の
縁部近くでは上記行方向配線、列方向配線の少なくとも
一方が配置されていない。例えば、図25に示すよう
な、基板上402に、3×3のマトリクス状に配置され
た9個の電子放出素子に電力を供給するために行方向配
線、列方向配線がそれぞれ3本づつ形成された電子源の
場合、配線以外の部分の露出した部分が比較的広い、表
面の帯電量が大きい帯電領域が図中に示す部分に形成さ
れやすい。とりわけ、図25のように、電子放出素子
が、配線の交差部ではなく、基板402の表面に形成さ
れる構成の場合、一番外側の素子の行のうちの一方であ
る外側素子401は、その外側、すなわち、基板402
の外縁部と外側素子401との間に行方向配線がなく、
したがって素子の近くの、基板402の表面の帯電量の
増加した帯電領域の影響を強く受ける恐れがある。外側
素子401の列方向に関しても同様の危惧がある。
【0034】上記の、素子近傍での基板表面の帯電量の
増加に起因する問題点としては、以下の点が懸念され
る。 (1)上記の、外側に行方向配線のない素子の行、外側
に列方向配線のない素子の列に属する電子放出素子にお
いては、素子近傍の基板表面の帯電量がその他の素子に
比べて大きくなり、素子周辺の電界の分布が異なる。こ
のため電子放出特性も他の部分の電子放出特性とは異な
り、電子放出特性の均一性が損なわれる。 (2)上述のように素子周辺の電界の分布が異なるた
め、放出される電子の軌道が他の部分と異なってしま
う。このため、電子源としての実効的な均一性がさらに
損なわれる。 (3)基板表面の帯電量は、素子の駆動の条件(駆動電
圧、駆動パルス幅など)によっても変動する。このた
め、外側に行方向配線や列方向配線のない電子放出素子
はこの影響も他より大きく、上記(1)、(2)を原因
とする特性の変化も時間的に大きく変動して特性の揺ら
ぎがこの部分で特に大きくなる。 (4)帯電量が大きくなるため、基板表面の帯電した部
分と、素子、配線などとの間で放電が発生する恐れがあ
り、これにより電子放出素子が損傷を受け、電子放出量
が低下したり、素子が破壊される場合がある。
【0035】また、上述のスクリーン印刷法を用いて、
複数の平行な配線を形成する場合は、以下のような問題
が生じる。上述したように、スクリーン印刷はメッシュ
スクリーンを基板に押しつける。印刷ペーストがメッシ
ュスクリーンに形成されたパターンを通って基板に転写
された後に、メッシュスクリーンが基板から離れる際、
メッシュスクリーンの当該部分には、上述したようにメ
ッシュスクリーン自体の張力に起因する、基板から離そ
うとする力と、基板に転写された印刷ペーストがメッシ
ュスクリーンを基板に接着させる力とが働く。1本の配
線のパターンに着目すると、その両側にも印刷パターン
が形成されつつあり、各パターンによる接着しようとす
る力の影響を受けながら、メッシュスクリーンが基板か
ら離れる過程が進行する。したがって、多数の平行な配
線のパターンのうち、中央付近のパターンと、端の方の
パターンとでは、力の受け方が異なる。特に、最も外側
の配線パターンでは、それより外側では、接着しようと
する力が働かないため、印刷ペーストの転写が不均一に
なりやすく、印刷パターンの形状不良を生じ、配線と素
子電極のコンタクト不良、配線の抵抗分布、および外周
部での高抵抗化、断線等を生じる場合があった。
【0036】そこで、本願発明は、良好な特性を有す
る、電子源および画像形成装置を実現することを課題と
する。本願に係る発明の具体的な実施例を説明する発明
の実施の形態では、以上具体的に説明した問題点の少な
くとも一つを改善できる具体例を説明している。
【0037】
【課題を解決するための手段】本願に係る電子源の発明
の一つは以下のように構成される。
【0038】基板上に、第1の方向に概略沿った方向を
長手方向とする複数の第1配線と、前記第1の方向と交
差する第2の方向に概略沿った方向を長手方向とする少
なくとも1つの第2配線と、前記複数の第1配線のそれ
ぞれと前記第2配線とに接続されている複数の電子放出
素子とを有する電子源であって、前記複数の電子放出素
子のうちの、前記基板の外縁部との間に前記第1配線が
存在しない第1の外側電子放出素子と、前記外縁部との
間で、かつ、前記第1の外側電子放出素子の近傍に、前
記第1の外側電子放出素子側の辺が前記第1の方向に概
略沿った形状であ前記第1配線に印加される電位と
同じ電位が印加される少なくとも1つの第1の導電体を
有しており、前記第1の導電体には、前記第2配線と接
続される電子放出素子は接続されていないことを特徴と
する電子源。この構成においては、第1の導電体により
帯電を抑制することができ、および/もしくは帯電によ
る影響を緩和することができる。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】また、複数の電子放出素子のうちの、基板
の外縁部との間に第2配線が存在しない第2の外側電子
放出素子と、外縁部との間で、かつ、第2の外側電子放
出素子の近傍に、第2の外側電子放出素子側の辺が第2
の方向に概略沿った形状である、少なくとも1つの第2
の導電体を有しているとよい。ここでもこの導電体には
駆動され得る電子放出素子が接続されていないのが望ま
しい。特に、第1の導電体には第2配線に接続される電
子放出素子が接続されていない構成とするのが好適であ
り、第2の導電体には第1配線に接続される電子放出素
子が接続されない構成とするのが好適である。
【0044】第2の導電体が第1配線もしくは第2配線
と電気的に接続されているのが好ましい。
【0045】また、本発明の電子源は、第2配線を複数
有し、第2の導電体が複数の第2配線のうち、第2の導
電体に最も近接している第2配線以外の第2配線に電気
的に接続されていると好適である。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】また、第1の導電体が複数の第1配線のう
ち、該第1の導電体に最も近接している第1配線以外の
第1配線に電気的に接続されていると好適である。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】また本願は電子源の発明として以下の発明
を含み、上記述べた各発明と組み合わせて好適に用いる
ことができる。
【0056】基板上に、第1の方向に概略沿った方向を
長手方向とする複数の第1配線と、前記第1の方向と交
差する第2の方向に概略沿った方向を長手方向とする複
数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交差
部毎に対応する電子放出素子とを有する電子源であっ
て、前記複数の電子放出素子のうちの、前記基板の外縁
部との間に前記第1配線が存在しない第1の外側電子放
出素子と、前記外縁部との間で、かつ、前記第1の外側
電子放出素子の近傍に、前記第1の外側電子放出素子側
の辺が前記第1の方向に概略沿った形状であ前記第
1配線に印加される電位と同じ電位が印加される少なく
とも1つの第1の導電体と、前記複数の電子放出素子の
うちの、前記基板の外縁部との間に前記第2配線が存在
しない第2の外側電子放出素子と、前記外縁部との間
で、かつ、前記第2の外側電子放出素子の近傍に、前記
第2の外側電子放出素子側の辺が前記第2の方向に概略
沿った形状である、少なくとも1つの第2の導電体とを
有していることを特徴とする電子源。また、本発明の電
子源は、第1の導電体が複数の第1配線のうち、該第1
の導電体に最も近接している第1配線以外の第1配線に
電気的に接続されていることが好ましい。また、第2の
導電体が第1配線もしくは第2配線と電気的に接続され
ていると好適である。さらには、第2の導電体が複数の
第2配線のうち、第2の導電体に最も近接している第2
配線以外の第2配線に電気的に接続されていると好適で
ある。
【0057】また、本願は以下の2つの発明も含んでい
る。この発明も、上記述べてきた各発明の範囲に限定さ
れないが、上記各発明と組み合わせても好適に用いるこ
とができる。
【0058】基板上に第1の方向に概略沿った方向を
長手方向とする複数の第1配線と、前記複数の第1配線
のそれぞれに接続される複数の電子放出素子とを有する
電子源であって、前記複数の電子放出素子のうちの、前
記基板の外縁部との間に前記第1配線が存在しない外側
電子放出素子と、前記外縁部との間で、かつ、前記外側
電子放出素子の近傍に、前記外側電子放出素子側の辺が
前記第1の方向に概略沿った形状である、前記第1の方
向と交差する第2の方向に並設された複数の第1の導電
体を有していることを特徴とする電子源。
【0059】基板上に第1の方向に概略沿った方向を
長手方向とする複数の第1配線と、前記各第1配線のそ
れぞれに接続される複数の電子放出素子とを有する電子
源であって、前記複数の電子放出素子のうちの、前記基
板の外縁部との間に前記第1配線が存在しない外側電子
放出素子と、前記外縁部との間で、かつ、前記外側電子
放出素子の近傍に、前記外側電子放出素子側の辺が前記
第1の方向に概略沿った形状である、少なくとも1つの
第1の導電体を有しており、前記第1の導電体は前記
第1配線に印加される電位と同じ電位が印加されること
を特徴とする電子源。また、本発明の電子源は、第1の
導電体が複数の第1配線のうち、該第1の導電体に最も
近接している第1配線以外の第1配線に電気的に接続さ
れているものであってもよい。
【0060】また本願は画像形成装置の発明として、上
記述べてきた本発明の電子源と、該電子源から放出され
る電子により発光する蛍光体とを有する画像形成装置の
発明を含んでいる。
【0061】
【0062】
【0063】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。
【0064】図1は本発明の電子源の一例の構成を示す
模式的な平面図である。ここでは、簡単のため、3×3
のマトリクス状に配置された9個の電子放出素子よりな
るものを示してあるが、実際の電子源は、もっと多数の
電子放出素子が配置されている。
【0065】電子源9の基板1上に、X方向には、X1
〜X3で示された電子放出素子駆動用の配線である行方
向配線5と、X0で示された、本発明の特徴である非駆
動用の配線である擬行方向配線5’とが形成され、Y方
向には、Y1〜Y3で示された電子放出素子駆動用の配
線である列方向配線6と、Y0で示された本発明の特徴
である非駆動用の配線である擬列方向配線6’が形成さ
れている。また、行方向配線5および擬行方向配線5’
と、列方向配線6および擬列方向配線6’との間には、
行方向配線5および擬行方向配線5’と列方向配線6お
よび擬列方向配線6’と電気的に絶縁する層間絶縁層7
が形成されている。
【0066】すなわち、擬行方向配線5’は、基板1の
外縁部と電子放出素子との間に行方向配線5が存在しな
いような電子放出素子、すなわち、X1の行方向配線5
に接続されている電子放出素子、と基板1の上側外縁部
との間(図1中Aの範囲)で、かつ、上側外縁部近傍で
はなく、X1の行方向配線5に接続されている電子放出
素子に近い領域に設けられている。また、擬行方向配線
5’の、X1の行方向配線5に接続されている電子放出
素子側の長手方向の辺B(上側外縁部側である、擬行方
向配線5’の辺Cではない)が、行方向配線5の長手方
向に平行に沿って形成されている。さらに、この擬行方
向配線5’には、後述するように電子放出素子として機
能するための導電性膜4は擬電極2’と擬電極3’との
間に接続されていない。なお、擬行方向配線5’の辺C
も行方向配線5の長手方向に平行に沿って形成されてい
るものであってもよい。
【0067】また、擬列方向配線6’に関しても同様
に、図1において、擬列方向配線6’は、基板1の外縁
部と電子放出素子との間に列方向配線6が存在しないよ
うな電子放出素子、すなわち、Y1の列方向配線6に接
続されている電子放出素子と基板1の左側外縁部との間
(図1中Dの範囲)で、かつ、左側外縁部近傍ではな
く、Y1の列方向配線6に接続されている電子放出素子
に近い領域に設けられている。また、擬列方向配線6’
の、Y1の列方向配線6に接続されている電子放出素子
側の長手方向の辺E(左側外縁部側である、擬列方向配
線6’の辺Fではない)が、列方向配線6の長手方向に
平行に沿って形成されている。さらに、この擬列方向配
線6’には、後述するように電子放出素子として機能す
るための導電性膜4は擬電極2’と擬電極3’との間に
接続されていない。擬列方向配線6’の辺Fも列方向配
線6の長手方向に平行に沿って形成されているものであ
ってもよい。
【0068】なお、擬行方向配線5’は、行方向配線5
と同様の形状であることが好ましい。これは後述の電子
放出素子周辺の電界を他の素子と同様にするためであ
る。擬列方向配線6’も、同様の理由で、擬列方向配線
6’と同様の形状であることが好ましい。
【0069】表面伝導型の電子放出素子は、炭素を主成
分とする堆積物に被膜が形成され、電子を放出する不図
示の亀裂が形成された導電性膜4と、この導電性膜4と
行方向配線5とを接続する電極2と、導電性膜4と列方
向配線6とを接続する電極3とで構成されている。電極
2、3は導電性膜4と行方向配線5および列方向配線6
とのオーム接触を良好にするために設けられるものであ
る。通常、導電性膜4は、配線用の導体層と比べて著し
く薄い膜であるために「ヌレ性」、「段差保持性」等の
問題を回避するために設けているものである。また、各
電子放出素子は、行方向配線5とも列方向配線6とも重
ならない、別の位置に形成されている。なお、電子放出
素子の一例として表面伝導型の電子放出素子を示した
が、これに限定されるものではなく、どのような種類の
素子であっても良い。
【0070】また、基板1の外縁側に形成されている擬
行方向配線5’には電極2に対応する擬電極2’が、同
様に基板1の外縁側に形成されている擬列方向配線6’
には電極3に対応する擬電極3’がそれぞれ電気的に接
続されている。これら擬電極2’、3’には、導電性膜
4は接続されていない。また、擬電極2’、3’は、X
1の行方向配線5、Y1の列方向配線6に接続する電子
放出素子の周辺の電界を他の素子により近づけるために
設けられたものであるが、必ずしも必要ではなく、これ
らが設けられていない場合でも本発明の効果は得られ
る。
【0071】なお、この擬電極2’、3’の形成された
部分に他の部分と同じように電子放出素子を形成するこ
とは避けるのが好ましい。なぜならば、電子源9を駆動
するために、行方向配線5および列方向配線6に電位を
与えると、行方向配線5あるいは列方向配線6のうちの
いくつかと擬行方向配線5’あるいは擬列方向配線6’
の間には電位差が発生し、多少の電流が流れる。これに
より全く不要な電力が消費されてしまうこととなる。さ
らに、もし、基板1の外縁部で放電が発生した場合、擬
行方向配線5’あるいは擬列方向配線6’に電子放出素
子が接続されていると、擬行方向配線5’あるいは擬列
方向配線6’に接続された電子放出素子を介して電荷が
行方向配線5および列方向配線6に流れ込む恐れがあ
り、その場合、電子源9として通常用いられる電子放出
素子も損傷を受ける恐れがある。しかしながら、擬行方
向配線5’あるいは擬列方向配線6’に電子放出素子が
形成されていなければ、この電荷は擬行方向配線5’あ
るいは擬列方向配線6’を通って外部に流れ出ることと
なり、電子源9の損傷を防止することができる。このよ
うな問題を回避するためには、擬配線に接続する素子を
形成することは回避すべきである。ただし、この理由か
ら明らかなように、擬行方向配線5’あるいは擬列方向
配線6’には、行方向配線5あるいは列方向配線6に接
続されない電子放出素子であれば、接続されていてもよ
い。
【0072】このように、電子放出素子を接続していな
い擬行方向配線5’および擬列方向配線6’は、後述す
るスクリーン印刷法で各配線パターンを形成する場合
に、その外側に配線がないことによる印刷パターンの不
良を抑制する役目を果たすこと、および、後述するよう
に、基板1の外縁部付近の電子放出素子周辺の電界を他
の素子と同様にすることの他に、不測の放電等による電
子源9の損傷を防止する効果をも有する。
【0073】
【0074】擬行方向配線5’は行方向配線5に、ま
た、擬列方向配線6’は列方向配線6にそれぞれ接続さ
れているものでもよい。この場合、擬行方向配線5’お
よび擬列方向配線6’は、擬行方向配線5’および擬列
方向配線6’に最も近接している行方向配線5および列
方向配線6以外の行方向配線5および列方向配線6に接
続されているのが好適である。擬配線と配線とがこのよ
うな接続がなされるのは、後述するように、複数ある行
のうちのどの配線、あるいは複数ある列のうちのどの配
線に信号を印加するかを選択するための選択電圧がかけ
られる配線に対して、擬配線が電気的に接続されている
場合が好ましい。なお、後述の実施例では、行選択電圧
の印加される行方向配線5に対して、擬行方向配線5’
が、上述のような、擬配線に最も近い配線以外の配線に
擬配線が電気的に接続されている実施例として示されて
いるが、列方向配線6に列選択電圧が印加されるような
構成であった場合は、上述の電気的な接続関係がなされ
ているものであってもよいのは言うまでもない。
【0075】また、擬行方向配線5'および擬列方向配
線6'は、図1に示すような各1本ずつ形成されている
ものに限られるものではなく、複数本ずつ設けられてい
るものでも良い。
【0076】また、擬行方向配線5’は、X1で示され
る一番外側の行方向配線5の外側(図1では上側)に位
置する電子放出素子列の外側に設けられているが、反対
側の端、すなわち、X3よりも下側にも設けられている
ものであってもよい。このようにすると、上述した擬行
方向配線5’を形成することにより得られる効果が基板
1の両側で得られることとなる。擬列方向配線6’につ
いても同様である。
【0077】次に、図2A〜図2Eを用いて、図1に示
した本発明の一例である電子源の製造工程の一例を示
す。なお、基板1は省略している。
【0078】なお、図2A〜図2Eに示された電子源9
の製造工程で形成される各列方向配線、各擬列方向配線
および層間絶縁層は、スクリーン印刷法により形成され
るものであるが、電子源の製造方法は、この製造方法に
限定されるものではなく、フォトリソグラフィ技術によ
って製造されるものであってもよい。
【0079】まず、図2Aに示すように、洗浄した基板
1上に電極2、3および擬電極2’、3’を形成する。
図2A中、破線で囲まれた領域内に形成された電極が擬
電極2’、3’であり、それ以外が通常の電極として機
能することとなる電極2、3である。
【0080】電極2、3および擬電極2’、3’を形成
する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、C
VD法などの薄膜堆積技術とフォトリソグラフィによる
パターニング技術を用いる方法、あるいは電極の原料と
なる材料のパターンを印刷法により形成した後、これを
熱処理することにより所望の形状・材質よりなる電極な
いし擬電極とする方法などを用いることができる。な
お、先にも述べたが、擬電極2’、3’は、存在する方
が好ましい場合があるが、本発明にとって必ずしも必要
なものではなく、電極2、3のみを形成しても良い。
【0081】次に、図2Bに示すように、列方向配線6
および擬列方向配線6’を、電極3および擬電極3’に
電気的に接続されるように形成する。
【0082】まず、Ag等を含む導電性ペーストが展開
された不図示の列方向配線用スクリーン版を基板1に対
して所定の間隔を持たせて対向配置させる。不図示の版
枠に取付けられた不図示の列方向配線用スクリーン版に
は列方向配線パターンと擬列方向配線パターンとが形成
されている。
【0083】次に、列方向配線用スクリーン版に不図示
のスキージを押し当てながら、所定の方向に掃引するこ
とで、列方向配線用スクリーン版上の導電性ペーストを
基板1に転写する。基板1に転写された列方向配線6お
よび擬列方向配線6’は、乾燥後、焼成される。
【0084】次に、図2Cに示すように、層間絶縁層7
を形成する。層間絶縁層7は、SiO2、PbOなどの
絶縁体からなる。形成方法としては、上述した列方向配
線6および擬列方向配線6’と同様のスクリーン印刷法
の他に、スパッタリング法などの薄膜堆積法により形成
する方法、ガラスペーストを印刷し、これを熱処理する
方法などが挙げられる。
【0085】この層間絶縁層7は、列方向配線6および
擬列方向配線6’と後述する行方向配線5および擬行方
向配線5’との間に形成されることで、列方向配線6と
および擬列方向配線6’と行方向配線5および擬行方向
配線5’とが交差する部分でのそれぞれの電気的な接続
がなされないようにするためのものであるが、この層間
絶縁層7は、後述するように行方向配線5および擬行方
向配線5’は電極2および擬電極2’と電気的に接続す
るため、電極2および擬電極2’に対応する部分に切り
欠き部8が形成されている。なお、図では、層間絶縁層
7は、帯形状に形成されているが、上述したような行方
向配線5および擬行方向配線5’は電極2および擬電極
2’と電気的に接続され、かつ、列方向配線6および擬
列方向配線6’と行方向配線5および擬行方向配線5’
とが交差する部分ではそれぞれが電気的に絶縁されるよ
うに機能させるためには、層間絶縁層7は各交差部にの
み、離散的に形成されているものであってもよい。
【0086】続いて、図2Eに示すように、行方向配線
5および擬行方向配線5’を形成する。行方向配線5お
よび擬行方向配線5’は層間絶縁層7上に形成される
が、上述のように行方向配線5および擬行方向配線5’
は、層間絶縁層7の切り欠き部8で電極2あるいは擬電
極2’に電気的に接続される。
【0087】続いて、導電性膜の形成、フォーミング工
程、活性化工程、安定化工程などを経て、本発明の電子
源9が完成するが、これらの工程は、ここで示した表面
伝導型電子放出素子に特有の工程であり、その具体的な
方法として、例えば、米国特許第5591061号公
報、日本国特許第2836015号公報などに開示され
た方法を適用することができる。なお、本発明は、電子
放出素子として、他の種類の素子を用いることもできる
が、その場合には、素子形成のための工程は適宜変更さ
れる。
【0088】なお、上記工程の中で説明した、スクリー
ン印刷により配線、層間絶縁層および擬配線を形成する
本発明の電子源の製造方法は、上述のようなマトリクス
状の配線を有する電子源9に対してだけではなく、一方
向(たとえば行方向)のみの配線を有する電子源9に対
しても適用され、同様の効果を有することは当然であ
る。
【0089】続いて、上記のようにして作製された電子
源を用いた、本発明の画像形成装置について説明する。
【0090】図3に本発明の画像形成装置の一例を模式
的に示す斜視図を示す。なお、図3は内部構造を示すた
めに、一部を切り欠いて示している。
【0091】気密容器18は、リアプレート11と、支
持枠12と、フェースプレート16とが各接続部を不図
示の低融点ガラスフリット等の接着剤により封着され、
内部に上述のようにして形成された電子源9を内蔵して
いる。フェースプレート16の下面には、蛍光膜14が
形成されており、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原
色の蛍光体(不図示)が塗り分けられている。また、蛍
光膜14をなす上記各色蛍光体の間には黒色体(不図
示)が配されている。さらに、蛍光膜14のリアプレー
ト11側の面にはアルミニウム等からなるメタルバック
15が形成されている。
【0092】蛍光膜14は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから構成することができる。上述したようなカラ
ーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックスト
ライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色
導電材と蛍光体とから構成することができる。ブラック
ストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラ
ー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体間の
塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくするこ
とと、蛍光膜における外光反射によるコントラストの低
下を抑制することにある。ブラックストライプの材料と
しては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の
他、導電性があり、光の透過および反射が少ない材料を
用いることができる。
【0093】ガラス基板に蛍光体を塗布する方法は、モ
ノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用
できる。
【0094】メタルバック15を設ける目的は、蛍光体
の発光のうち内面側への光をフェースプレート16側へ
鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電子
ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させる
こと、気密容器18内で発生した負イオンの衝突による
ダメージから蛍光体を保護すること等である。メタルバ
ック15は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑
化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行
い、その後アルミニウムを真空蒸着等を用いて堆積させ
ることで作製できる。
【0095】フェースプレート16には、蛍光膜の導電
性を高めるため、蛍光膜の外面側に透明電極(不図示)
を設けてもよい。
【0096】外部端子Tox1〜Toxmおよび外部端
子Toy1〜Toynは、電子源9の、行方向配線5の
X1〜Xmおよび列方向配線6のY1〜Ynにそれぞれ
接続されている。外部端子Tox0、外部端子Toy0
は、擬行方向配線5’のX0、擬列方向配線6’のY0
にそれぞれ接続されている。また、外部端子17はメタ
ルバック15に接続されている。
【0097】外部端子Tox1〜Toxm、Toy1〜
Toynに適当な電圧を印加して、所望の電子放出素子
から電子放出を起こさせる。この時、擬行方向配線5’
および擬列方向配線6’には、外部端子X0、Y0を介
して適当な電位(たとえば、グランド電位)を与えるこ
とにより、基板1の外縁部近傍に帯電量の多い領域が生
じることを防止できる。そして、基板1の外縁部側に行
方向配線5および列方向配線6をもたない、X1の位置
の行方向配線5およびY1の位置の列方向配線6に接続
された電子放出素子の周りの電界と、それ以外の電子放
出素子の周りの電界との差異を少なくすることができる
ため、基板1に配設された全ての電子放出素子の電子放
出特性の均一性を向上させることができる。
【0098】なお、擬行方向配線5’が行方向配線5の
いずれかと、あるいは擬列方向配線6’が列方向配線6
のいずれかと電気的に接続される場合は、外部端子To
x0あるいはToy0はなくてもよい。
【0099】メタルバック15には外部端子17を介し
て高電圧を印加し、電子源9から放出された電子を加速
して、電子をメタルバック15と蛍光膜よりなる積層構
造に入射させ、蛍光膜中の蛍光体を励起して発光させる
ことにより、画像を形成する。
【0100】上記の画像形成装置を駆動する方法は、擬
行方向配線5’、擬列方向配線6’に適当な電位を与え
ておく以外は、上述した公報等の中で説明された方法と
基本的に同じものであるから、ここでは改めて説明はし
ない。
【0101】以下、実施例に基づいて、本発明をさらに
説明する。なお、以下の説明で用いる記号は、上述の実
施の形態において用いられた記号と同じ記号を用いて説
明する。
【0102】
【実施例】(第1の実施例)本実施例では、電子源9を
フォトリソグラフィ技術により形成する各工程に関して
説明する。
【0103】120個の電子放出素子が配列されて構成
された素子の行が80行平行に配列された電子源を作製
した。
【0104】本実施例の電子源の電子放出素子、行方向
配線、列方向配線、擬行方向配線および擬列方向配線の
配置の特徴的な部分の平面図を、模式的に図4に示す。
なお、各配線および各擬配線の交差部で両者を電気的に
絶縁するために、先に説明した層間絶縁層が形成されて
いるが、図を見やすくするために、図4においては省略
した。また、図4中A−Aで示した折れ線に沿った断面
の構造を図5に模式的に示す。なお、電子放出素子は導
電性膜に亀裂が形成されるなど微細な構造を有するが、
図5では省略した。また、図6A〜図6Gは、図4およ
び図5に示した本実施例の電子源の各製造工程を示す図
である。なお、図6A〜図6Gは、図5と同じように、
図4中A−Aで示した部分の断面構造を工程毎に模式的
に示したものである。
【0105】工程−A 洗浄した青板ガラス上に、厚さ0.5μmの酸化シリコ
ンの膜を、スパッタリング法で形成して、これを基板1
として用いた。基板1上に、真空蒸着法により厚さ5n
mのCr、厚さ600nmのAuを順に堆積させた後、
フォトレジスト(AZ1370/ヘキスト社製)をスピ
ンナを用いて塗布し、ベーキングした後、フォトマスク
を用いて所望のパターンを露光、ついで現像して、列方
向配線5(下配線)および擬列方向配線5’の形状に対
応するレジストパターンを形成した。ついで上記Au/
Cr積層膜のレジストパターンに覆われていない部分
を、ウェットエッチングして除去し、さらにレジストパ
ターンを溶剤を用いて除去して、図6Aに示す列方向配
線5および擬列方向配線5’を形成した。
【0106】工程−B 次に、厚さ1.0μmの酸化シリコン膜を高周波スパッ
タリング法により堆積させ、図6Bに示す層間絶縁層7
を形成する。層間絶縁層7は後述するコンタクトホール
21の部分を除いて基板のほぼ全面に形成される。
【0107】工程−C 次に、図6Cに示すコンタクトホール21を形成するた
め、コンタクトホール21を形成する部分に開口を有す
るレジストパターンを形成し、これをマスクとして用い
て、層間絶縁層7をエッチングして、コンタクトホール
21を形成した。
【0108】なお、エッチングは反応性イオンエッチン
グ(Reactive Ion Etching: RIE)法により、エッチン
グガスとしてはCF4とH2を用いた。
【0109】工程−D 次に、図6Dに示す電極2、3を形成した。電極2、3
の形状に対応する開口を有するレジストパターンを、フ
ォトレジスト(RD−2000N−41/日立化成社
製)を用いて形成し、真空蒸着法により厚さ5nmのT
i、厚さ100nmのNiを順次堆積させた。ついで上
記レジストパターンを溶剤を用いて除去し、リフトオフ
法により、所望のパターン形状の電極2、3を得た。こ
こで、電極2、3の間隔は20μmとした。
【0110】工程−E 次に、図6Eに示す行方向配線6(上配線)および擬行
方向配線6’を形成した。本工程も、上記工程−Dと同
様に、リフトオフ法により、行方向配線6および擬行方
向配線6’のパターンを作製する。
【0111】まず、上記と同様にフォトレジストのパタ
ーンを形成し、この上に真空蒸着法により厚さ5nmの
Ti、次いで厚さ500nmのAuを順次堆積させ、つ
いでレジストパターンを溶剤により除去し、リフトオフ
法により所望の形状の行方向配線6および擬行方向配線
6’を形成した。
【0112】工程−F 次に、図6Fに示す導電性膜4を形成した。導電性膜4
のパターニングは、Crマスクパターンを用いてリフト
オフにより行った。まず、厚さ100nmのCr膜を真
空蒸着法により堆積させる。ついでフォトレジストとエ
ッチャントを用いて、導電性膜4のパターンに対応する
部分のCr膜を除去し、その後フォトレジストも除去し
て、Crマスクを形成する。
【0113】ついでこれに、有機Pd化合物の溶液(c
cp4230:奥野製薬(株)製)をスピンナを用いて
塗布し、乾燥させた後、300℃で10分間、熱処理を
行った。これにより、PdOを主要成分とする膜が形成
された。ついで、エッチャントを用いて、Crマスクを
除去して、リフトオフ法により、PdO膜の不要部分を
除去することにより、所定のパターンの導電性膜4を形
成した。導電性膜4は、詳細に観察すると、微粒子が集
合して網目状につながる複雑な形態を示すもので、厚さ
が約10nm、シート抵抗値は5×104Ω/□程度の
ものであった。
【0114】工程−G コンタクトホール21以外の部分を覆うようにレジスト
パターンを形成し、真空蒸着法により厚さ5nmのT
i、ついで厚さ500nmのAuを堆積させ、その該レ
ジストパターンを溶剤により除去することにより、Au
/Ti膜の不要な部分を除去して、図6Gに示すように
コンタクトホール21を埋め込んだ。
【0115】工程−H ついで、導電性膜4に亀裂を形成する、フォーミング処
理を行う。上記の、基板1上に列方向配線5、擬列方向
配線5’、行方向配線6、擬行方向配線6’、層間絶縁
層7、電極2、3、および導電性膜4の形成された、未
完成の電子源9を、真空チャンバ内に設置し、チャンバ
内を排気する。列方向配線6はすべてグランドに接続し
た。行方向配線5には、それぞれに所望の電圧が印加で
きるようにスイッチング装置を介してパルス発生器に接
続した。パルス発生器が発生するパルス電圧は、パルス
幅1msec.、パルス間隔3msec.の矩形波パル
スで、パルス波高値は11Vとした。1つの行方向配線
5に1パルス印加される毎に、スイッチング装置によ
り、パルス発生器は1つ隣の行方向配線5につなぎかえ
られ、240msec.で80本の行方向配線のすべて
に1パルスずつ印加されるようにした。これを繰り返す
ことにより、それぞれの行方向配線5には、パルス幅1
msec.、パルス間隔240msec.のパルスが印
加されることになる。
【0116】電子源9は、全体が約50℃となるよう、
温度を制御した。上記の手順によるパルスの印加を開始
すると同時に、真空チャンバ内にH2 とN2 からなる混
合ガスを導入した。この直後、各行方向配線5とグラン
ドとの間の抵抗値が急激に上昇して、フォーミング処理
が完了した。
【0117】工程−I ついで、活性化処理を行った。真空チャンバの内部を十
分に排気して、圧力を低下させた後、ベンゾニトリルを
導入した。チャンバ内の圧力が1.3×10-4Paとな
るよう、導入量を制御した。
【0118】各行方向配線5へのパルス電圧の印加は、
上記工程−Hと類似の方法で行ったが、すべての行方向
配線5に対して、同時に処理を行うのではなく、10本
ずつの行方向配線5を1つのブロックとし、このブロッ
クを単位として、上記工程−Hで行ったのと同様の手順
で電圧印加を行う。1ブロックについて活性化処理を終
了させた後、次のブロックの処理を開始することを繰り
返し、すべての電子放出素子に対して活性化を完了す
る。
【0119】この際印加されるパルス電圧は、各行方向
配線5から見て、パルス幅1msec.、パルス間隔1
0msec.、波高値16Vの矩形波である。この処理
により、導電性膜4などの上に炭素を主成分とする堆積
物が形成され、素子に流れる電流(If)が増大すると
ともに、電子放出が可能となる。
【0120】この後、真空チャンバと電子源9を、約3
00℃に加熱しながら、真空チャンバ内を排気する。加
熱と同時に、チャンバ内の圧力はいったん上昇し、その
後徐々に減少して、真空チャンバ内は圧力が充分低い状
態になる。その後加熱を止め真空チャンバと電子源は室
温まで徐冷される。
【0121】真空チャンバ内で電子源9に対向させてア
ノード電極を配置し、アノード電極に1kVの電位を与
え、行方向配線5に行選択電圧を、列方向配線6に信号
電圧を印加することで、所望の電子放出素子から電子を
放出させ、アノードに流れる電流を測ることで、電子放
出に伴う電流(Ie)を測定した。 (第1の比較例)第1の実施例における、X0の位置に
擬行方向配線5’、Y0の位置に擬列方向配線6’を形
成しなかったことを除いて、第1の実施例と同様の手順
で第1の比較例の電子源を作製し、第1の実施例と同様
の測定を行った。この測定結果を表1に示す。
【0122】
【表1】 Ie(Y1) σy1 Ie(X1) σx1 第1の実施例 1.8μA 0.1μA 1.8μA 0.1μA 第1の比較例 2.1μA 0.4μA 2.0μA 0.5μA 第1の実施例の電子源9においては、Y1の列方向配線
6に接続する80素子について、Ieの平均値は1.8
μA、標準偏差σy1が0.1μAで、X1の行方向配
線5に接続する120素子について、放出電流Ieの平
均値は1.8μAであり、標準偏差σx1は0.1μA
であった。これに対し、第1の比較例においては、Y1
の列方向配線6に接続する素子のIeの平均は2.1μ
A、標準偏差σy1が0.4μAで、X1の行方向配線
5に接続する素子のIeの平均値は2.0μA、標準偏
差σx1が0.5μAであった。第1の比較例の電子源
に対し、第1の実施例の電子源9は、上記の行方向配線
および列方向配線に関して、均一性が良い。
【0123】これ以外の行方向配線および列方向配線の
素子についてみると、両者の間に有為の違いはなかっ
た。 (第2の実施例:参考例) 第1の実施例では配線や層間絶縁層などの材質を堆積さ
せるのに真空蒸着法やスパッタリング法などの薄膜堆積
技術を用いたのに対し、本実施例では、これらをスクリ
ーン印刷法により行った。
【0124】以下に、図7A〜図7Eを参照しながら、
本実施例の製造手順を説明する。
【0125】図7A〜図7Eでは図面を簡単にするた
め、3行×3列の9個の電子放出素子のみが描かれてい
るが、実際に作製した電子源は、行方向に720、列方
向に240の素子が配列されたものである。
【0126】まず、図7Aに示すように、洗浄された青
板ガラス基板上に電極2、3、および後電極2’、3’
を形成した。印刷に用いたペーストは、熱分解して金属
を生成する、有機金属化合物を含む、「MOD(Met
al Organic Deposition)ペース
ト」と呼ばれるもので、これを用いてスクリーン印刷法
により基板上にペーストのパターンを形成した。該ペー
ストの金属成分はAuである。これを電気炉を用いて、
70℃で10分間保持して乾燥させた後、550℃まで
温度を上げ、8分間保持した後、徐冷した。形成された
パターンの寸法は、電極3の方が350μm×200μ
m、他方の電極2は、500μm×150μm(擬電極
2’も同様)である。膜厚は約0.3μm、電極2、3
の間の間隔は約20μmとした。なお、後程Y0の位置
の擬列方向配線6’に接続される擬電極3’に関して
は、図7Aに示すようにすべてがつながった形状とし
た。また、Y0の位置の擬列方向配線6’とは反対の端
に位置する、Y3の列方向配線6に接続される電極3に
ついても同様につながった形状とした。これは上述した
ように一番外側の印刷パターンは、形状不良となり断線
を生ずる可能性があり、その場合にも、電極3をこのよ
うな形状にしておくことにより、擬列方向配線6’およ
び列方向配線6が、ある程度その機能を保持することが
できるからである。
【0127】次に、図7Bに示すように、列方向配線6
および擬列方向配線6’を形成した。用いたペースト
は、酸化鉛を主成分とするガラスバインダーに、導電性
材料の微粒子を混合したもので、導電性材料としては、
Agを用いた。スクリーン印刷法により、Agペースト
のパターンを形成した後、電気炉を用いて、110℃に
20分間保持して乾燥させ、次いで温度を550℃に上
昇させ15分間保持してから徐冷した。形成された列方
向配線6および擬列方向配線6’の幅は約100μm、
厚さは12μm程度であった。
【0128】続いて、図7Cに示すように、層間絶縁層
7を形成した。同じくスクリーン印刷法により、PbO
を主成分とするガラスペーストを用いて、ペーストのパ
ターンを形成し、110℃で20分間の乾燥の後、55
0℃で15分間保持して徐冷し、幅約500μm、厚さ
約30μmの層間絶縁層7を得た。
【0129】ついで、図7Dに示すように、層間絶縁層
7に重ねて、行方向配線5および擬行方向配線5’を形
成した。形成方法は、列方向配線6および擬列方向配線
6’と同じである。
【0130】続いて、図7Eに示すように、電極2、3
にまたがるように、導電性膜4を形成した。なお、擬行
方向配線5’および擬列方向配線6’に接続する擬電極
2’、3’には、導電性膜4は形成しない。
【0131】導電性膜4の形成は、次のような方法によ
り行った。
【0132】まず、有機Pd化合物の溶液を、インクジ
ェット装置により、液滴の状態で、電極2と電極3とを
またぐように塗布した。該液滴が乾燥した後、300℃
で10分間の熱処理を施し、PdOを主要材質とする導
電性膜4を形成した。導電性膜4の微視的な形態は、第
1の実施例の場合と同様に、微粒子が集合し、これらが
網目状に連結されている複雑な形態を示している。
【0133】本実施例では、電子源9を用いて、図3に
模式的に示した構造の画像形成装置を作製した。リアプ
レート11、フェースプレート16、支持枠12はフリ
ットガラスにより互いに接合され、気密容器18を構成
している。本実施例では、電子源9と、フェースプレー
ト16との間隔は5mmとした。また、不図示である
が、気密容器18の内部を排気するために、画像形成装
置の製造途中では、排気管が取り付けられており、製造
工程の最後で、排気管を封じ切った。また、同じく不図
示であるが、気密容器18内の周辺部には、ゲッタが配
置されており、後程高周波加熱することにより、ゲッタ
処理を行うものである。
【0134】フェースプレート16は、図3に示すよう
に、ガラス基板13の内表面に蛍光膜14、メタルバッ
ク15を形成したものである。蛍光膜14は、ガラス基
板13上に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に
対応する蛍光体と、それらを分離するように黒色部材5
1を配置したものである。本実施例では、図8に模式的
に示すパターンを採用した。R、G、Bのそれぞれに対
応する蛍光体52のストライプが交互に配置され、それ
らの間には、上記の黒色部材51が配置されている。こ
のようなパターンでは、黒色部材51は「ブラックスト
ライプ」と呼ばれる。黒色部材51は黒鉛を主成分とし
たものである。
【0135】なお、図9に、蛍光膜14の別のパターン
の例を示す。蛍光体52のドットが三画格子状に配置さ
れ、その間を黒色部材51が埋めている。この場合、黒
色部材51は「ブラックマトリックス」と呼ばれる。
【0136】本実施例においては、第1の実施例で説明
した、フォーミング工程、活性化工程を、気密容器18
を形成した後に行った。この方法では、処理のための真
空チャンバは必要としない。
【0137】電子源9を内包した気密容器18を形成し
た後、上記の排気管を介して、排気装置により気密容器
18内を排気し、気密容器18内部の圧力を1.33×
10 4Pa程度とした後、パルス電圧を印加して、フォ
ーミング処理を行った。印加したパルス電圧は、パルス
幅1msec.、パルス間隔10msec.の三角波パ
ルスで、波高値は10V、パルス印加時間は60秒間と
した。
【0138】ついで、活性化工程を第1の実施例と同様
に行った後、気密容器18内を排気しながら気密容器1
8全体を加熱して、気密容器18内に残留している、有
機物質や水などを減少させた後、排気管を加熱し、溶解
させて封じ切った。
【0139】最後に、高周波加熱により、上記ゲッタを
加熱して、ゲッタ処理を行った。該ゲッタは、Baを主
成分とするもので、これが加熱されて蒸発し、気密容器
18の内壁に蒸着膜を形成し、該蒸着膜の吸着作用によ
り、真空容器18内部の圧力を低い状態で維持するもの
である。 (第3の実施例)図10に示すように、X0の位置に加
え、X0’の位置に擬行方向配線5’を、また、Y0の
位置に加え、Y0’の位置に擬列方向配線6’を設け
た、擬配線がそれぞれ2本づつ設けられた電子源9を作
製した。擬電極は、X0’の位置の擬行方向配線5’、
Y0’の位置の擬列方向配線6’に接続するものは設け
ていない。また、第2の実施例の擬電極3’のように、
擬電極同士が最初から連結されるような構成は取ってい
ない。このほかに関しては、第2の実施例と同様に作製
した。 (第2の比較例)擬行方向配線5’、擬列方向配線6’
および擬電極2’、3’を設けないことを除いて、第2
および第3の実施例と同様に作製した。
【0140】メタルバック15に接続する外部端子17
を介して、メタルバック15に8kVの電位を印加し、
電子源9から電子を放出させ、画像を表示させた。擬行
方向配線5’および擬列方向配線6’は、外部端子17
を介して、グランドに接続した。
【0141】X1の行方向配線5およびY1の列方向配
線6に接続する電子放出素子の電子放出に伴う電流Ie
は、第1の実施例と同様の条件でフェースプレート16
に1kVの加速電圧を印加して測定し、それらの電子放
出素子からの電子の照射により得られる輝点、蛍光体の
輝度についてはパルス幅:25μsec、60Hzの駆
動周波数で緑(G)の電子照射部のみの輝度に着目し、
その平均値と、標準偏差を求めた。測定結果を表2およ
び表3に示す。実際の画像表示装置としての輝度は電子
照射されていない蛍光体領域と前述したブラックストラ
イプ領域が光っていない分、1/5程度になる。
【0142】
【表2】 Ie(Y1) σy1 Ie(X1) σx1 第2の実施例 1.7μA 0.1μA 1.7μA 0.1μA 第3の実施例 1.6μA 0.1μA 1.6μA 0.1μA 第2の比較例 1.9μA 0.35μA 2.0μA 0.4μA
【0143】
【表3】 輝度(Y1) σy1 輝度(X1) σx1 第2の実施例 4000 cd/m2 150 cd/m2 4100 cd/m2 160 cd/m2 第3の実施例 3900 cd/m2 130 cd/m2 3900 cd/m2 145 cd/m2 第2の比較例 3700 cd/m2 500 cd/m2 3800 cd/m2 540 cd/m2 表2および表3に示すように、第2の比較例の場合に比
べ、第2および第3の実施例においては、均一性の向上
が見られる。なお、第2の比較例においては、輝度の平
均点が低下しているが、これは、電子放出素子近傍の電
界の分布が乱れることにより、電子ビームが本来の軌道
から外れて、蛍光膜のなかの、蛍光体のある場所に入射
する電子ビームが、そのビームの中心から外れた、電子
の密度のやや低い部分になっているためと思われる。
【0144】なお、第3の実施例において、擬電極3’
を列方向にはじめから連結した構造としなかったのは、
X0の位置の外側であるX0’の位置に擬列方向配線
6’がさらにもう1本あり、内側の擬行方向配線6’が
印刷の不具合により断線する可能性が低く、その対策を
要しないからである。また、第3の実施例では、擬列方
向配線6’のある側と反対側の端の列方向配線6に関し
ては、電極3を第2の実施例と同様にはじめから連続し
たパターンとしたが、この上記反対側にも、擬列方向配
線6’を形成すれば、同様に、電極を連続した構成とす
る必要はなくなる。
【0145】電界分布の均一性に関しても、このように
した方がより好ましいと思われる。擬列方向配線6’に
関しても、この点は同様に好ましいと思われる。 (第4の実施例、第5の実施例)本実施例は、擬配線を
他の配線に電気的に接続させ、擬配線に外部端子を通じ
て電位を与える必要をなくしたものである。
【0146】第4の実施例は、図11に模式的に示すよ
うに、X0の位置の擬行方向配線5’とX2の位置の行
方向配線5とを接続する接続線10を設けた。接続線1
0とX1の位置の行方向配線5とは、交差部に層間絶縁
層7を設けることにより電気的に絶縁されている。不図
示であるが、Y0の位置の擬列方向配線6’は、Y1の
列方向配線6に接続した。
【0147】第5の実施例は、擬行方向配線X0を隣接
するX1の行方向配線5に接続したものである。
【0148】他の部分に関しては、第2の実施例と同様
に作製した。上記と同様の評価を行ったところ、以下の
ような結果であった。
【0149】
【表4】 Ie(Y1) σy1 Ie(X1) σx1 第4の実施例 1.7μA 0.1μA 1.7μA 0.1μA 第5の実施例 1.7μA 0.1μA 1.8μA 0.11μA
【0150】
【表5】 輝度(Y1) σy1 輝度(X1) σx1 第4の実施例 4000 cd/m2 150 cd/m2 4100 cd/m2 160 cd/m2 第5の実施例 4100 cd/m2 160 cd/m2 4300 cd/m2 200 cd/m2 第5の実施例のX1の行方向配線5に接続する素子行の
電子放出量Ie、および輝度が若干高くなり他の行方向
に接続する素子行との輝度差が発生した。これは、本実
施例の駆動においては、行方向配線5には行選択電圧が
かかり、列方向配線6には信号電圧がかかるように駆動
されているので、Xの位置の行方向配線5に電気的に
接続された電子放出素子から電子放出が起こる時に、擬
行方向配線5’もこれと同じ電位となる。一方、他の行
の場合は、その行の電子放出素子から電子放出が起こる
時には、その両側の行方向配線5はグランド電位になっ
ており、X1の行方向配線5に電気的に接続された電子
放出素子の行のみ状況が異なってしまうことが原因だと
思われる。
【0151】なお、上記実施例においては、擬行方向配
線5'が接続された行方向配線5の違いによる効果を確
かめたが、擬列方向配線6'と列方向配線6の接続の仕
方についても、同様の現象が起こることが予測される。 (第6の実施例:参考例) 本実施例は、擬行方向配線5'および擬列方向配線6'を
多数設けた例である。
【0152】各製造工程における電子源の一部模式平面
図である図12〜図14および電子源の各製造工程を示
すフローチャートである図15を参照して、本実施例の
製造工程を説明する。
【0153】まず、青板ガラス基板に、スパッタリング
法により、Pt膜を成膜し、フォトリソグラフィ法とド
ライエッチング法を用いて、不要な部分のPt膜を除去
して、Ptよりなる電極2、3を形成する。なお、図で
は、見やすくするために素子の数を省略して9個の素子
に対応する電極を示してあるが、実際は480×192
0のマトリクス状に電子放出素子を配列したものであ
る。
【0154】電極2と電極3との間隔は、20μm、配
列のピッチは、列方向が0.9mm、行方向が0.3m
mである。次にスクリーン印刷法により、列方向配線6
および、擬列方向配線6’を形成する。図12では擬列
方向配線6’を、列方向配線6の両側に1本ずつ示して
あるが、実際にはそれぞれ10本ずつ形成した。
【0155】印刷に用いたのはAgを含むペーストであ
り、SUS400メッシュコンビネーションスクリーン
版よりなる、擬列方向配線パターン61および列方向配
線パターン62の形成された、図16に模式図として示
すスクリーンを用いて、基板上にAgペーストのパター
ンを形成した。この後、これを100℃に保持して乾燥
させた後、530℃に温度を上げて熱処理を行い、図1
2に示すような、Agよりなる列方向配線6および擬列
方向配線6’を形成した。
【0156】次に層間絶縁層7を形成する。ガラスペー
ストを用い、スクリーンはSUS300メッシュコンビ
ネーション版を用いた。この層間絶縁層パターン63お
よび後述の切り欠き部8のある層間絶縁層7を形成する
ための櫛形層間絶縁層パターン64が形成されたスクリ
ーン版は、図17に模式図として示すようなパターンの
ものである。層間絶縁層7のパターンは、図13に示す
ように、電極のある部分には、切り欠き部8が設けら
れ、電極が覆われないようにしたものである。パターン
を形成した後、100℃で乾燥、さらに530℃で熱処
理する。これを3回繰り返すことにより、十分な厚さ
で、ピンホールなどによる絶縁不良のない、層間絶縁層
7を得ることができた。
【0157】ついで、AgペーストとSUS300メッ
シュコンビネーションスクリーンよりなる、擬行方向配
線パターン65および行方向配線パターン66が形成さ
れた、図18に模式図として示すスクリーン版を用い、
スクリーン印刷により、図14に示すような行方向配線
5および擬行方向配線5’を、層間絶縁層7の上に形成
した。擬行方向配線5’は実際には行方向配線5の両側
にそれぞれ10本ずつ形成した。
【0158】このように、実際に配線として用いる行方
向配線5および列方向配線6を形成する際に、基板1の
外縁部に最も近い行方向配線5および列方向配線6の両
側に、電子放出素子を駆動するためには実際には用いな
い擬行方向配線5’および擬列方向配線6’を同時に形
成することにより、パターンの不良が抑制された。
【0159】以下の工程は、第2の実施例と同様である
ため、詳細の説明は省略する。
【0160】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、基板に第1の導電体および第2の導電体を設けるこ
とにより、基板の外縁部付近に帯電量の多い帯電領域が
形成されるのを抑制することができ、これにより、電子
放出素子の電子放出特性の均一性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子源の一例を示した模式的な平面図
である。
【図2】図1に示した電子源の各製造工程を説明するた
めの模式図である。
【図3】本発明の電子源を用いた画像形成装置の一例の
構成を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例の電子源の構成を説明す
るための模式的な平面図である。
【図5】図4のラインA−Aに沿った断面の構造を示す
模式図である。
【図6】本発明の第1の実施例の電子源の各製造工程を
説明するための模式図である。
【図7】本発明の第2の実施例の電子源の各製造工程を
説明するための模式図である。
【図8】蛍光膜のパターンを示す模式図である。
【図9】蛍光膜の別のパターンを示す模式図である。
【図10】本発明の第3の実施例の電子源の構成を説明
するための模式的な平面図である。
【図11】本発明の第4および第5の実施例の電子源の
構成を説明するための模式的な平面図である。
【図12】本発明の第6の実施例の電子源の列方向配線
および擬列方向配線の構成を説明するための模式図であ
る。
【図13】本発明の第6の実施例の電子源の層間絶縁膜
の構成を説明するための模式図である。
【図14】本発明の第6の実施例の電子源の行方向配線
および擬行方向配線の構成を説明するための模式図であ
る。
【図15】本発明の第6の実施例の電子源の各製造工程
を説明するためのフローチャートである。
【図16】列方向配線および擬列方向配線用のスクリー
ン版の平面模式図である。
【図17】層間絶縁膜用のスクリーン版の平面模式図で
ある。
【図18】行方向配線および擬行方向配線用のスクリー
ン版の平面模式図である。
【図19】従来の表面伝導型電子放出素子の一例の模式
図である。
【図20】従来の電子源の配線パターンの一例を模式的
に示す図である。
【図21】従来の別の表面伝導型電子放出素子の一例の
模式図である。
【図22】従来の画像形成装置の一例の構成を模式的に
示す斜視図である。
【図23】従来のスクリーンメッシュと基板との一部を
破断した斜視図である。
【図24】従来のスクリーンメッシュと基板との側断面
である。
【図25】従来の基板に形成された帯電領域を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2、3 素子電極 2’、3’ 擬電極 4 導電性膜 5 行方向配線 5’ 擬行方向配線 6 列方向配線 6’ 擬列方向配線 7 層間絶縁層 8 切り欠き部 9 電子源 10 接続線 11 リアプレート 12 支持枠 13 ガラス基板 14 蛍光膜 15 メタルバック 16 フェースプレート 17 外部端子 18 気密容器 21 コンタクトホール 41 版枠 42 スクリーンメッシュ 43 スキージ 44 押圧部 45 スクリーンメッシュに形成されたパターン 46 印刷パターン 47 印刷ペースト 48 ギャップ 49 スクリーン版の張力 51 黒色部材(ブラックストライプ、ブラックマト
リックス) 52 蛍光体 61 擬列方向配線パターン 62 列方向配線パターン 63 層間絶縁層パターン 64 櫛形層間絶縁層パターン 65 擬行方向配線パターン 66 行方向配線パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−212909(JP,A) 特開 平9−82214(JP,A) 特開 平9−27270(JP,A) 特開 平9−27285(JP,A) 特開 平10−321167(JP,A) 特開2000−323076(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/30 - 1/316 H01J 29/04 H01J 31/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、第1の方向に概略沿った方向
    を長手方向とする複数の第1配線と、前記第1の方向と
    交差する第2の方向に概略沿った方向を長手方向とする
    少なくとも1つの第2配線と、前記複数の第1配線のそ
    れぞれと前記第2配線とに接続されている複数の電子放
    出素子とを有する電子源であって、前記複数の電子放出
    素子のうちの、前記基板の外縁部との間に前記第1配線
    が存在しない第1の外側電子放出素子と、前記外縁部と
    の間で、かつ、前記第1の外側電子放出素子の近傍に、
    前記第1の外側電子放出素子側の辺が前記第1の方向に
    概略沿った形状であ前記第1配線に印加される電位
    と同じ電位が印加される少なくとも1つの第1の導電体
    を有しており、前記第1の導電体には、前記第2配線と
    接続される電子放出素子は接続されていないことを特徴
    とする電子源。
  2. 【請求項2】 前記複数の電子放出素子のうちの、前記
    基板の外縁部との間に前記第2配線が存在しない第2の
    外側電子放出素子と、前記外縁部との間で、かつ、前記
    第2の外側電子放出素子の近傍に、前記第2の外側電子
    放出素子側の辺が前記第2の方向に概略沿った形状であ
    る、少なくとも1つの第2の導電体を有している、請求
    に記載の電子源。
  3. 【請求項3】 前記第2の導電体が前記第1配線もしく
    は前記第2配線と電気的に接続されている、請求項2に
    記載の電子源。
  4. 【請求項4】 前記第2配線を複数有し、前記第2の導
    電体が前記複数の第2配線のうち、前記第2の導電体に
    最も近接している第2配線以外の第2配線に電気的に接
    続されている、請求項に記載の電子源。
  5. 【請求項5】 前記第1の導電体が前記複数の第1配線
    のうち、該第1の導電体に最も近接している第1配線以
    外の第1配線に電気的に接続されている、請求項1ない
    4のいずれかに記載の電子源。
  6. 【請求項6】 基板上に、第1の方向に概略沿った方向
    を長手方向とする複数の第1配線と、前記第1の方向と
    交差する第2の方向に概略沿った方向を長手方向とする
    複数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交
    差部毎に対応する電子放出素子とを有する電子源であっ
    て、 前記複数の電子放出素子のうちの、前記基板の外縁部と
    の間に前記第1配線が存在しない第1の外側電子放出素
    子と、前記外縁部との間で、かつ、前記第1の外側電子
    放出素子の近傍に、前記第1の外側電子放出素子側の辺
    が前記第1の方向に概略沿った形状であ前記第1配
    線に印加される電位と同じ電位が印加される少なくとも
    1つの第1の導電体と、 前記複数の電子放出素子のうちの、前記基板の外縁部と
    の間に前記第2配線が存在しない第2の外側電子放出素
    子と、前記外縁部との間で、かつ、前記第2の外側電子
    放出素子の近傍に、前記第2の外側電子放出素子側の辺
    が前記第2の方向に概略沿った形状である、少なくとも
    1つの第2の導電体とを有していることを特徴とする電
    子源。
  7. 【請求項7】 前記第1の導電体が前記複数の第1配線
    のうち、該第1の導電体に最も近接している第1配線以
    外の第1配線に電気的に接続されている、請求6に記載
    の電子源。
  8. 【請求項8】 前記第2の導電体が前記第1配線もしく
    は前記第2配線と電気的に接続されている、請求項6ま
    たは7に記載の電子源。
  9. 【請求項9】 前記第2の導電体が前記複数の第2配線
    のうち、前記第2の導電体に最も近接している第2配線
    以外の第2配線に電気的に接続されている、請求項6ま
    たは7に記載の電子源。
  10. 【請求項10】 基板上に第1の方向に概略沿った方
    向を長手方向とする複数の第1配線と、前記複数の第1
    配線のそれぞれに接続される複数の電子放出素子とを有
    する電子源であって、 前記複数の電子放出素子のうちの、前記基板の外縁部と
    の間に前記第1配線が存在しない外側電子放出素子と、
    前記外縁部との間で、かつ、前記外側電子放出素子の近
    傍に、前記外側電子放出素子側の辺が前記第1の方向に
    概略沿った形状である、前記第1の方向と交差する第2
    の方向に並設された複数の第1の導電体を有しているこ
    とを特徴とする電子源。
  11. 【請求項11】 基板上に第1の方向に概略沿った方
    向を長手方向とする複数の第1配線と、前記各第1配線
    のそれぞれに接続される複数の電子放出素子とを有する
    電子源であって、 前記複数の電子放出素子のうちの、前記基板の外縁部と
    の間に前記第1配線が存在しない外側電子放出素子と、
    前記外縁部との間で、かつ、前記外側電子放出素子の近
    傍に、前記外側電子放出素子側の辺が前記第1の方向に
    概略沿った形状である、少なくとも1つの第1の導電体
    を有しており、前記第1の導電体は前記第1配線に
    加される電位と同じ電位が印加されることを特徴とする
    電子源。
  12. 【請求項12】 前記第1の導電体が前記複数の第1配
    線のうち、該第1の導電体に最も近接している第1配線
    以外の第1配線に電気的に接続されている、請求11に
    記載の電子源。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の電子源と、該電子源から放出される電子により発光す
    る蛍光体とを含むことを特徴とする画像形成装置。
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