JP3478807B2 - 平板型画像形成装置及びその製造方法 - Google Patents

平板型画像形成装置及びその製造方法

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JP3478807B2 JP2001151497A JP2001151497A JP3478807B2 JP 3478807 B2 JP3478807 B2 JP 3478807B2 JP 2001151497 A JP2001151497 A JP 2001151497A JP 2001151497 A JP2001151497 A JP 2001151497A JP 3478807 B2 JP3478807 B2 JP 3478807B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子の応
用である表示装置等の画像形成装置にかかわり、特に表
面伝導型放出素子を多数個備える電子放出素子を組み込
んだ画像形成装置の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子放出素
子と冷陰極電子放出素子の2種類が知られている。冷陰
極電子放出素子には電界放出型(以下FE型と略す)、
金属/絶縁層/金属型(以下MIM型と略す)や表面伝
導型電子放出素子(以下SCEと略す)等がある。FE
型の例としてはW.P.Dyke&W.W.Dola
n、“Field emission”、Advanc
es in Electronics Elecron
Physics、8,89(1956)あるいはC.
A.Spindt,“PHYSICAL Proper
ties thin−film field emis
sion cathodes with molybd
enium concs”J.Appl.Phys.,
47,5248(1976)等が知られている。MIM
型の例としてはC.A.Mead、“The tunn
el−emission amplifier、J.A
ppl.Phys.,32,646(1961)等が知
られている。
【0003】SCE型の例としては、M.I.Elin
son、Radio Eng.Electron Ph
ys.,10、(1965)等がある。
【0004】SCE型は基板上に形成された小面積の薄
膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が
生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電子
放出素子としては、前記エリンシン等によるSnO2
膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Dittm
er:“Thin Solid Films”、9,3
17(1972)」、In23 /SnO2 薄膜による
もの[M.Haetwell and C.G.Fon
stad:“IEEE Trans.ED,Con
f.”,519(1975)]、カーボン薄膜によるも
の[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(1
983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図16に示す。同図において1は絶縁性基板である。4
は電子放出部形成用薄膜で、H型形状のパターンに、ス
パッタで形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の
フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部5が
形成される。4は電子放出部を含む薄膜と呼ぶことにす
る。尚、図中のL1 は、0.5〜1mm、Wは、0.1
mmで設定されている。
【0006】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜4
を予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放
出部5を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミ
ングとは前記電子放出部形成用薄膜4の両端に電圧を印
加通電し、電子放出部形成用薄膜を局所的に破壊、変形
もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子
放出部5を形成することである。尚、電子放出部5は電
子放出部形成用薄膜4の一部に亀裂が発生しその亀裂付
近から電子放出が行われる。前記フォーミング処理をし
た表面伝導型電子放出素子は、上述電子放出部を含む薄
膜4に電圧を印加し、素子に電流を流すことにより、上
述電子放出部5より電子を放出せしめるものである。し
かしながら、これら従来の表面伝導型電子放出素子にお
いては、実用化にあたっては、様々な問題があったが、
本出願人等は、後述する様な様々な改善を鋭意検討し、
実用化上の様々な問題点を解決してきた。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造の容易であることから、大面積にわたって多数素
子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を生
かせるようないろいろな応用が研究されている。例え
ば、荷電ビーム源、表示装置等があげられる。多数の表
面伝導型放出素子を配列形成した例としては、並列に表
面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素子の両端を配
線にてそれぞれ結線した行を多数行配列した電子放出素
子があげられる。(例えば、本出願人の特開平1−03
1332)また、特に表示装置等の画像形成装置におい
ては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRTに
替わって、普及してきたが、自発光型でないため、バッ
クライト等を持たなければならない等の問題点があり、
自発光型の表示装置の開発が、望まれてきた。表面伝導
型放出素子を多数配置した電子放出素子と電子放出素子
より放出された電子によって、可視光を発光せしめる蛍
光体とを組み合わせた表示装置である画像形成装置は、
大画面の装置でも比較的容易に製造でき、かつ表示品位
の優れた自発光型表示装置である。(例えば、本出願人
の米国特許5066883) 尚、従来、多数の表面伝導型電子放出素子より構成され
た電子放出素子より、電子放出をし、蛍光体を発光をさ
せる素子の選択は、上述の多数の表面伝導型電子放出素
子を並列に配置し結線した配線(行方向配線と呼ぶ)、
行配線と直交する方向に(列方向と呼ぶ)、該電子放出
素子と蛍光体間の空間に設置された制御電極(グリッド
と呼ぶ)と列方向配線への適当な駆動信号によるもので
ある。(例えば、本出願人の特開平1−31332) しかし、当然のことながら、個々の表面伝導型電子放出
素子とグリッドとの位置合わせ、あるいは、均一なグリ
ッドと表面伝導型電子放出素子間の距離であることが、
必要であり、製造方法上の問題であった。これらの問題
を鑑みて、更に、本出願人は、これらグリッドに伴う製
造方法上の問題を解決するため、グリッドを表面伝導型
電子放出素子上に積層した新規な構成を提案してきた。
(例えば、本出願人の特開平3−20941)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本出願
人は、提案してきた表面伝導型電子放出素子を複数設置
した電子放出素子と対抗した位置に蛍光体を配置した該
表面装置等の画像形成装置においても、特に、50イン
チ以上の大面積の画像形成装置を製造する場合において
以下の様な問題点があった。 1)行方向配線及び列方向配線は絶縁層を介して同一基
板上に形成されていたため、行方向配線と列方向配線の
間の電気的な絶縁を画像形成装置全体にわたって保つこ
とが難しく、画像形成装置を生産する場合の歩留りがよ
くなかった。 2)従来の本出願人が、提案してきた表面伝導型電子放
出素子を複数設置した電子放出素子及び電子放出素子と
対抗した位置に蛍光体を配置した該表面装置等の画像形
成装置においては、蛍光体を有するフェースプレートを
大気圧に対して支えるためにスペーサをある一定長さお
きに配置させる必要があったが、このスペーサは画素の
間に置かなくてはならないため、電子ビームをさえぎら
ない様にスペーサを配置することが難しかった。 3)フェースプレートに対向する絶縁性基板上に形成さ
れた表面伝導型電子放出素子では、素子から放射される
電子ビームは両素子電極に印加された電圧による電界と
フェースプレートと素子間に印加される電圧による電界
の方向が90°異なるために、蛍光面に到達する電子ビ
ームのパターンを絞ることができず、高精細な画像を得
ることが難しかった。 4)表面伝導型電子放出素子は、構造が単純で製造も容
易であるが、個々の素子電極間の寸法が数ミクロンから
数十ミクロン程度であるため、例えばフォトリソグラフ
ィーといった方法によってパターンニングしなければな
らないが、従来のパターンニング方法では一挙に50イ
ンチ以上の大面積にわたってパターンニングすることは
難しく、このため従来の製造方法を適用しようとする
と、製造装置を新たに開発しなければならない上に大が
かりな装置が必要になり、生産コストが高価になってし
まうという欠点があった。 5)画像形成装置の表示面積と同じ大きさの基板上に電
子放出素子を多数個、一度に形成しなければならないの
で、不良素子が生じた場合、素子の交換ができないの
で、特に、画素数が大きくなった場合、画素に欠陥のな
い平板型画像形成装置を製造することが難しかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも配
線の一部に底部より上部の方が幅が広いテーパ状の溝が
設けられている絶縁性基板と、前記絶縁性基板と対向し
て配置されたフェースプレートと、前記溝にはめ込まれ
前記絶縁性基板に対して前記フェースプレートを支持す
るスペーサ部材とを少なくとも有し、前記スペーサは少
なくとも前記溝に当接する部分に電極を有することを特
徴とする画像形成装置に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0011】本発明に係わる平板型画像形成装置に使用
される表面伝導型電子放出素子の構成、及び製法の特徴
は、次の様なものがあげられる。
【0012】1)フォーミングとよばれる通電処理を行
う前の電子放出部形成用薄膜は、微粒子分散体を分散し
形成された微粒子からなる薄膜、あるいは、有機金属等
を加熱焼成し形成された微粒子からなる薄膜等、基本的
には、微粒子より構成される。
【0013】2)フォーミングとよばれる通電処理後の
電子放出部を含む薄膜は、電子放出部、電子放出部を含
む薄膜とも基本的には、微粒子より構成される。
【0014】まず、本発明に使用される表面伝導型電子
放出素子の基本的な構成について説明する。図1a,b
は、それぞれ、基本的な表面伝導型電子放出素子の構成
を示す平面図及び断面図である。図1において1は絶縁
性基板、2と3は素子電極、4は電子放出部を含む薄
膜、5は電子放出部である。
【0015】絶縁性基板1としては、石英ガラス、Na
等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板
ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層し
たガラス基板等及びアルミナ等のセラミックス等が、あ
げられる。対向する素子電極2,3の材料としては導電
性を有するものであればどのようなものであっても構わ
ないが、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,Pt,T
i,Al,Cu,Pd等の金属或は合金及びPd,A
g,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化
物とガラス等から構成される印刷導体、In23−Sn
2等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材
料等が挙げられる。素子電極間隔L1は、数百オングス
トロームより数百ミクロンであり、素子電極の製法の基
本となるフォトリソグラフィー技術、即ち、露光器の性
能とエッチング方法等、及び、素子電極間に印加する電
圧と電子放出し得る電界強度等により設定されるが、好
ましくは、数ミクロンより数十ミクロンである。素子電
極長さW1,素子電極2,3の膜厚dは、電極の抵抗
値、前述したX,Y配線との結線、多数配置された電子
放出素子の配置上の問題より適宜設定され、通常は、素
子電極長さW1は、数ミクロンより数百ミクロンであ
り、素子電極2,3の膜厚dは、好ましくは数百オング
ストロームより数ミクロンである。
【0016】絶縁性基板1上に設けられた対向する素子
電極2と素子電極3間及び素子電極2,3上に配置され
た電子放出部を含む薄膜4は、電子放出部5を含んでい
る。この素子の構成として図1bに示された場合だけで
なく、絶縁性基板1上に、電子放出部形成用薄膜4、対
抗する素子電極2,3の電極順に積層構成した場合もあ
る。また、対向する素子電極2と素子電極3間全てが、
製法によっては、電子放出部として機能する場合もあ
る。この電子放出部を含む薄膜4の膜厚は、数オングス
トロームより数千オングストローム好ましくは数十オン
グストロームより数百オングストロームであり、素子電
極2,3へのステップガバレージ、電子放出部5と素子
電極2,3間の抵抗値及び電子放出部5の導電性微粒子
の粒径、後述する通電処理条件等によって、適宜設定さ
れる。その抵抗値は、10の3乗より10の7乗オーム
/□のシート抵抗値を示す。電子放出部を含む薄膜4を
構成する材料の具体例を挙げるならばPd,Ru,A
g,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,S
n,Ta,W,Pb等の金属、PdO,SnO2 ,In
23 ,PbO,Sb23 等の酸化物、HfB2 ,Z
rB2 ,LaB6 ,CeB 6 ,YB4 ,GdB4 等の硼
化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC
等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、S
i,Ge等の半導体、カーボン、AgMg,NiCu,
Pb,Sn等であり、微粒子膜からなる。なおここで述
べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、
その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した状態
のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは重なり合っ
た状態(島状も含む)の膜をさす。電子放出部5は、数
オングストロームより数千オングストローム、好ましく
は10オングストロームより200オングストロームの
粒径の導電性微粒子多数個からなり、電子放出部を含む
薄膜4の膜厚及び後述する通電処理条件等の製法等に依
存しており、適宜設定される。電子放出部5を構成する
材料は、電子放出部5を含む薄膜4を構成する材料の限
度の一部あるいは全てと同様のものである。
【0017】電子放出部5を有する電子放出素子の製造
方法としては様々な方法が考えられるが、その一例を図
2に示す。
【0018】2は電子放出部形成用薄膜で例えば微粒子
膜が挙げられる。
【0019】1)絶縁性基板1を洗剤、純水および有機
溶剤により十分に洗浄後、スパッタ法により素子電極材
料を堆積後、フォトリソグラフィー技術により該絶縁性
基板1の面上に素子電極2,3を形成する(図2
(a))。
【0020】2)絶縁性基板1上に設けられた素子電極
2と素子電極3との間に、素子電極2と3を形成した絶
縁性基板上に有機金属溶液を塗布して放置することによ
り、有機金属薄膜を形成する。なお、有機金属溶液と
は、前記Pd,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,
Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属を主
元素とする有機化合物の溶液である。この後、有機金属
薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等によ
りパターニングし、電子放出部形成用薄膜4を形成する
(図2(b))。尚、ここでは、有機金属溶液の塗布法
により説明したが、これに限る物でなく、真空蒸着法、
スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピ
ング法、スピンナー法等によって形成される場合もあ
る。
【0021】3)つづいて、フォーミングと呼ばれる通
電処理を素子電極2,3間に電圧を電源7によりパルス
状あるいは、高速の昇電圧による導電処理がおこなわれ
ると、電子放出部形成用薄膜4の部位に構造の変化した
電子放出部5が形成される(図2(c))。この通電処
理により電子放出部形成用薄膜4を局所的に破壊、変形
もしくは変質せしめ、構造の変化した部位を電子放出部
5と呼ぶ。先に説明したように、電子放出部5は導電性
微粒子で構成されていることを本出願人らは観察してい
る。フォーミング処理の電圧波形を図3に示す。図3
中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔で
あり、T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マ
イクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高値(フォー
ミング時のピーク電圧)は4V〜10V程度とし、フォ
ーミング処理は真空雰囲気下で数十秒間程度で適宜設定
した。
【0022】以上説明した電子放出部を形成する際に、
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミング処
理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を用い
ても良く、その波高値及びパルス幅・パルス間隔等につ
いても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に形
成されれば所望の値を選択することが出来る。
【0023】上述のような素子構成と製造方法によって
作成された電子放出素子の基本特性について図4,図5
を用いて説明する。
【0024】図4は、図1に示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図4において、1は絶縁性基板、2及び3は
素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、5は電子放出部
を示す。また、8は素子に素子電圧Vfを印加するため
の電源、9は素子電極2,3間の電子放出部を含む薄膜
4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、10
は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉
するためのアノード電極、11はアノード電極10に電
圧を印加するための高圧電源、12は素子の電子放出部
5より放出される放出電流Ieを測定するための電流計
である。電子放出素子の上記素子電流If、放出電流I
eの測定にあたっては、素子電極2,3に電源8と電流
計9とを接続し、該電子放出素子の上方に電源11と電
流計12とを接続したアノード電極10を配置してい
る。また、本電子放出素子及びアノード電極10は真空
装置内に設置され、その真空装置には不図示の排気ポン
プ及び真空計等の真空装置に必要な器具が具備されてお
り、所望の真空下で本素子の測定評価を行えるようにな
っている。
【0025】なお、アノード電極の電圧は1kV〜10
kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3mm
〜8mmの範囲で測定した。
【0026】更に、本発明者等は、上述の本発明に使用
される表面伝導型電子放出素子の特性を鋭意検討した結
果、本発明の原理となる特性上の特徴を見いだした。図
4に示した測定評価装置により限定された放出電流Ie
および素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例
を図5に示す。なお、図5は著しくIf,Ieの大きさ
が異なるため任意単位で示されており、(放出電流Ie
は素子電流Ifのおおよそ2000分の1程度であ
る。)図5からも明らかなように、本電子放出素子は放
出電流Ieに対する三つの特性を有する。
【0027】まず第一に、本素子はある電圧(しきい値
電圧と呼ぶ、図5中のVth)以上の素子電圧を印加す
ると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧V
th以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。す
なわち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vt
hを持った非線形素子である。第二に、放出電流Ieが
素子電圧Vfに依存するため、放出電流Ieは素子電圧
Vfで制御できる。第三に、アノード電極10に捕捉さ
れる放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存す
る。すなわち、アノード電極10に捕捉される電荷量
は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。以
上のような特性を有するため、電子放出素子は、多方面
への応用が期待できる。
【0028】また、素子電流Ifは素子電圧Vfに対し
て単調増加する(MI特性と呼ぶ)特性の例を図5に示
したが、この他にも、素子電流Ifが素子電圧Vfに対
して電圧制御型負性抵抗(VCNR特性と呼ぶ)特性を
示す場合もある。なおこの場合も、本電子放出素子は上
述した三つの特性上の特徴を有する。
【0029】なお、上述の基本的な製造方法に限ること
なく、基本的な素子構成の基本的な製造方法のうち一部
を変更してもよい。
【0030】次に、本発明の主眼である電子放出素子及
び画像形成装置について、述べる。前述した表面伝導型
電子放出素子の基本的特性の3つの特徴によれば、表面
伝導型電子放出素子からの放出電子は、しきい値電圧以
上では、対抗する素子電極間に印加するパルス状電圧の
波高値と幅に制御される。一方、しきい値電圧以下で
は、放出されない。この特性によれば、多数の電子放出
素子を配置した場合においても、個々の素子に、上記パ
ルス状電圧を適宜印加すれば、任意の表面伝導型電子放
出素子を選択し、その電子放出量が、制御できる事とな
る。以下この原理に基づき構成した電子放出素子基板の
参考構成例について、図6を用いて説明する。
【0031】13は絶縁性基板、14はX方向配線、1
5はY方向配線、16は電子放出素子、17はフェース
プレートである。
【0032】同図において、絶縁性基板13は、ガラス
基板等であり、その大きさ及びその厚みは、本発明の平
板型画像表示装置に設置される電子放出素子の個数及び
個々の素子の設計上の形状に依存し、更には、電子放出
素子の使用時容器の一部を絶縁性基板13が構成する場
合には、その容器を真空に保持するための条件等に依存
して適宜設定される。n本のX方向配線14は、DX
1,DX2,..DXnからなり、絶縁性基板13上
に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成し、所望
のパターンとした導電性金属等からなり、多数の表面伝
導型素子にほぼ均等な電圧が供給される様に、材料、膜
厚、配線幅が設定される。真空蒸着法、印刷法、スパッ
タ法等で形成し、所望のパターンとした導電性金属等か
らなり、多数の表面伝導型素子にできるだけほぼ均等な
電圧が供給される様に、材料、膜厚、配線幅等が設定さ
れる。これらn本のX方向配線14とm本のY方向配線
15は、別々の基板上に形成されているので、完全に電
気的に分離されて、マトリックス配線を構成する。(こ
のm,nは、共に正の整数)短冊状の絶縁性基板18の
厚さは画素の大きさ、及び画素の間隔による。スペーサ
19は、支えるフェースプレート17の重さ等の設計上
のパラメータに依存して決定される。また、スペーサの
高さは絶縁性基板とフェースプレートの距離となるが、
フェースプレートに印加する加速電圧や電子放出素子の
形状等に依存して決定される。さらに、短冊状の絶縁性
基板18の長手方向の長さは絶縁性基板13のY方向の
長さとほぼ同等になるように決定されるが、Y方向の配
線の電気的導通を保てるようにすれば、その長さよりも
短い複数本の短冊状の絶縁性基板18をつなぎ合わせる
様にしても一向に構わない。
【0033】また、X方向配線14とY方向配線15
は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0034】更に、前述と同様にして、電子放出素子1
6の対向する電極(不図示)が、n本のX方向配線DX
1,DX2・・・DXn14とm本のY方向配線DY
1,DY2,・・・DYm15と、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成された導電性金属等からなる結
線、或いはハンダづけや圧着法等によって電気的に接続
されている。尚、n本のX方向配線14とm本のY方向
配線15と結線と対向する素子電極の導電性金属は、そ
の構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、また
それぞれ異なってもよく、Ni,Cr,Au,Mo,
W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或いは合金
及びPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属
或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、I
23 −SnO2等の透明導体及びポリシリコン等の半
導体導体材料等により適宜選択される。
【0035】また、前記X方向配線14には、X方向に
配列する表面伝導型電子放出素子16の行を任意に走査
するための走査信号を印加するための不図示の走査信号
発生手段と電気的に接続されている。一方、Y方向配線
15には、Y方向に配列する電子放出素子16の列の各
列を任意に変調するための変調信号を印加するための不
図示の変調信号発生手段と電気的に接続されている。更
に、電子放出素子の各素子に印加される駆動電圧は、当
該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として
供給されるものである。
【0036】つぎに、以上のようにして作製した電子放
出素子を用いた表示等に用いる画像形成装置について図
7と図8を用いて説明する。図7は、画像形成装置の斜
視図であり、図8は、断面図である。13は、上述のよ
うにX方向配線14の形成された絶縁性基板であり、設
計により、絶縁性基板の外側にリアプレート22を配す
る場合もある。18は上述のように電子放出素子16と
Y方向配線15の形成された短冊状の基板、17はガラ
ス基板22の内面に蛍光膜19とメタルバック20等が
形成されたフェースプレート、23は支持枠であり、リ
アプレート21及びフェースプレート17をフリットガ
ラス等で封着して、外囲器を構成する。外囲器を構成す
るに当ってはX方向配線14が形成された絶縁性基板1
3に図14(h)のように複数本の溝部34を形成し、
図15に示すように絶縁性基板13の溝部34に短冊状
基板18を順次差し込むことによってX方向配線14と
短冊状基板18に設けられた電極32、33、との電気
的な接触を良好に保持した状態で組立てることができ
る。
【0037】外囲器は、上述の如く、フェースプレート
17、支持枠23、リアプレート21で構成されている
が、リアプレート21は主に基板13の強度を補強する
目的で設けられるため、基板13自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート21は不要であり、基板1
3に直接支持枠23を封着し、フェースプレート17、
支持枠23、基板13にて外囲器を構成しても良い。
【0038】なお、短冊状基板18は外囲器を組立てる
前に予め図2(C)のようにフォーミング処理を行い電
子放出部5を形成しておくことが電子放出素子の特性を
予め検査し得るので好ましいがフォーミング処理を予め
行うことなく、外囲器を組立てた後、完成された組立品
についてフォーミング処理を行い電子放出部5を形成す
るようにしてもよい。
【0039】図9は、蛍光膜である。蛍光膜19は、モ
ノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍
光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプ
あるいはブラックマトクリスなどと呼ばれる黒色導電体
24と蛍光体25とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトクリスが設けられる目的は、カラー表
示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体25間の
塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくするこ
とと、蛍光膜19における外光反射によるコントラスト
の低下を抑制することである。ブラックストライプの材
料としては、通常良く用いられている黒鉛を主成分とす
る材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が
少ない材料であればこれに限るものではない。
【0040】ガラス基板22に蛍光体を塗布する方法は
モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法が用い
られる。
【0041】また、蛍光膜19の内面側には通常メタル
バック20が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をガラス基板23側へ鏡面
反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加
速電圧を印刷するための電極として作用すること、外囲
器内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの蛍
光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、
蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと
呼ばれる)を行い、その後A1を真空蒸着等で堆積する
ことで作製できる。フェースプレート17には、更に蛍
光膜19の導伝性を高めるため、蛍光膜19の外面側に
透明電極(不図示)を設けてもよい。前述の封着を行う
際、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応
させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行う必
要がある。
【0042】外囲器は、不図示の排気管を通じ10のマ
イナス6乗トール程度の真空度にされ、封止が行われ
る。尚、容器外端子Dox 1ないしDox n,Do
y 1ないしDoy mを通じ素子電極2,3間に電圧
を印加し、上述のフォーミングを行い、電子放出部5を
形成し電子放出素子を作製した。また、外周器の封止後
の真空度を維持するために、ゲッター処理を行う場合も
ある。これは、外囲器の封止を行う直前あるいは封止後
に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外
囲器内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを
加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常
Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、た
とえば1×10マイナス5乗ないしは1×10マイナス
7乗[Torr]の真空度を維持するものである。
【0043】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dox
1ないしDoy mを通じ、電圧を印加することによ
り、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック
20,あるいは透明電極(不図示)に数kV以上の高圧
を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜19に衝突さ
せ、励気・発光させることで画像を表示するものであ
る。
【0044】次に図10〜図12に基づき平板型画像表
示装置の実施例を説明する。なお、各図において前記の
図6〜図8の同一箇所は同一符号を使用する。
【0045】この例では短冊状絶縁性基板18は蛍光体
25を有していて絶縁性基板13に対向するフェースプ
レート17を前記絶縁性基板13に対して支持するため
の複数個のスペーサ部材を兼ねており、このスペーサ部
材にそれぞれの画素に対応した電子放出素子16を設け
てある。このスペーサ部材を兼ねた短冊状絶縁性基板1
8並びにスペーサ部材と別個に設けた短冊状絶縁性基板
18はいずれも片面のみならず両面に表面伝導型電子放
出素子16を設けてもよく、片面に複数個以上の電子放
出素子16を設けてもよい。またスペーサ部材は絶縁性
基板13上に垂直方向から傾斜するように取付けること
もできる。なお、この短冊状の絶縁性基板18は図14
(a)〜(e)に示すように方形の石英ガラス等の絶縁
性基板13上に複数本のY方向配線15及び電極26を
形成し、複数個の電子放出素子16を多数列に形成した
図14(c)(d)に示すような絶縁性基板13をダイ
シングソーによって図14(e)のように切断して製作
する。この短冊状の絶縁性基板18の厚さは画素の大き
さ、及び、画素の間隔、支えるフェースプレート17の
重さ等の設計上のパラメータに依存して決定される。ま
た、高さは絶縁性基板とフェースプレートの距離となる
が、フェースプレートに印加する加速電圧や電子放出素
子の形状等に依存して決定される。さらに、短冊状の絶
縁性基板18の長手方向の長さは前記の図6〜図8の
例と同様に絶縁性基板13のY方向の長さとほぼ同等
になるように決定されるが、Y方向の配線の電気的導通
を保てるようにすれば、その長さよりも短い複数本の短
冊状の絶縁性基板18をつなぎ合わせる様にしても一向
に構わない。
【0046】また、X方向配線14とY方向配線15
は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0047】この実施例に使用される各材料、部材は前
記の参考例と同様のものを使用することができ、技術手
段も同様の手段が採用できる
【0048】外囲器を構成するに当っては前記の図6〜
8の参考例と同様にX方向配線14が形成された絶縁性
基板13に図14(h)のように複数本の溝部34を形
成し、図14(j)に示すように絶縁性基板13の溝部
34に短冊状基板18を順次差し込むことによってX方
向配線14と短冊状基板18に設けられた電極26との
電気的な接触を良好に保持した状態で組立てることがで
きる。
【0049】なお、短冊状基板18は前記図6〜図8の
参考例と同様に外囲器を組立てる前に予め図14(f)
(g)のようにフォーミング処理を行い電子放出部5を
形成しておくことが電子放出素子の特性を予め検査し得
るので好ましいがフォーミング処理を予め行うことな
く、外囲器を組立てた後、完成された組立品についてフ
ォーミング処理を行い電子放出部5を形成するようにし
てもよい。
【0050】以上のように完成した本発明の画像表示装
置においては、各電子放出素子には、容器外端子Dox
1ないしDoxn、Doy1ないしDoymを通じ、電
圧を印加することにより、電子放出させ、高圧端子Hv
を通じ、メタルバック20、あるいは透明電極(不図
示)に数kV以上の興電圧を印加し、電子ビームを加速
し、蛍光膜19に衝突させ、励起・発光させることで画
像を表示するものである。
【0051】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像装置の用途に適するよう適宜
選択する。
【0052】また、本発明の思想によれば、表示に用い
られる好適な画像形成装置に限るものでなく、感光性ド
ラムと発光ダイオード等で構成された光プリンターの発
光ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成
装置を用いることもできる。またこの際、上述のm本の
行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択すること
で、2次元状の発光源だけでなく、ライン状の発光源と
しても応用できる。
【0053】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。
【0054】実施例1 図15は本発明の第1の実施例を表わす構成図で電子放
出素子の断面方向から見た図である。本構成に於てはス
ペーサを兼ねた短冊状の絶縁性基板18の両面に表面伝
導型電子放出素子28,29および、Y方向配線30,
31、X方向配線と電気的接触を得るための電極32,
33が形成されている。また、絶縁性基板13に形成さ
れている溝部34および、短冊状絶縁性基板18のはめ
込み部35には図示されているようなテーパ部が形成さ
れていて、外囲器を封着する時点でフェースプレート大
気圧によって受ける力によってX方向電極14と電極3
2,33の接触が保たれる構造に成っている。したがっ
てハンダ付けというような方法によらず電気的な接触を
良好に保つことができるので、画像形成装置の製造コス
トの低減や、歩留りの向上に大いに効果が認められる。
【0055】実施例2 本実施例も実施例1と同様にスペーサを兼ねた短冊状の
絶縁性基板の上になるべく多数個の電子放出素子を並べ
て、スペーサの数を減らすように工夫を行ったものであ
る。
【0056】図16は本発明の第2の実施例を表わす構
成図で電子放出素子の断面方向から見た図である。本構
成に於ては、電子放出素子は短冊状の絶縁性基板36の
短辺の方向に表面伝導型の電子放出素子を複数個形成さ
れている。本実施例に於ては3個の電子放出素子を形成
した。フェースプレートの蛍光膜は前記の電子放出素子
のそれぞれに対応した蛍光体40,41,42が配置さ
れている。フェースプレート上のメタルバック層20と
短冊状絶縁性基板36上の電極の間に加えられた電圧に
よって形成される電気力線の分布はほぼ楕円形状となる
のでそれぞれの電子放出素子から放出した電子線は図1
6の様にそれぞれに対応した蛍光体に到達するようにな
り、素子を独立にマトリクス駆動することによって、蛍
光体から発する光の強度を独立に制御することができ
る。
【0057】実施例3 本実施例では、スペーサを兼ねた短冊状の絶縁性基板の
たて方を前述の実施例とは変えたものである。前述の実
施例では短冊状の絶縁性基板はすべて絶縁性基板13或
はリアプレート21に対して垂直になるように構成され
ていた。本出願人らが表面伝導型の電子放出素子の電子
放出特性を調べた結果、素子電極2,3に電圧を加える
とき、加える電圧の局性によって放出される電子線の方
向が異なることを観察している。つまり、素子電極2を
3に対してマイナスとなるように電圧を印加したとする
と放出された電子が素子電極3の方向で斜め上方に放出
されることを観測している。本実施例は、この効果を積
極的に利用するもので、図17の様に短冊状の基板を垂
直方向から傾けて電子線の集光特性を向上させたもので
ある。
【0058】実施例4 本実施例では、短冊状の絶縁性基板の形状が前述の実施
例とは異なるものである。前述の実施例では短冊状の絶
縁性基板はすべて長方形の形状をしていたが、本実施例
では、画像形成装置内部の真空の排気特性を向上させる
ため、更には、放出された電子線が短冊状の絶縁性基板
にかからない様にするために形状を変更している。図1
8aは、短冊状絶縁性基板44の上部に長方形の切り込
み46をいれた構成図であり、図18bは短冊状絶縁性
基板45に長方形状の穴47をあけた構成図である。ス
ペーサを介して隣同士のセル間で通気性が向上したた
め、均一にフォーミングできるようになるとともに、電
子放出素子から放出された電子が蛍光体に到達する前に
短冊状絶縁性基板にケラレることがなくなる。
【0059】実施例5(参考例)参考例は、スペーサと別個に設けた短冊状の絶縁性基
板18の上になるべく多数個の電子放出素子を並べて、
短冊状絶縁性基板の数を減らすように工夫を行ったもの
である。
【0060】図19は本発明の別の参考例を表わす構成
図で電子放出素子の断面方向から見た図である。本構成
に於ては短冊状の絶縁性基板18の両面に表面伝導型電
子放出素子28、29および、Y方向配線30、31、
X方向配線14と電気的接触を得るための電極32、3
3が形成されている。また、絶縁性基板13に形成され
ている溝部34および、短冊状絶縁性基板18のはめ込
み部35には図示されているようなテーパ部が形成され
ている。
【0061】実施例6(参考例)参考例では、スペーサと別個に設けた短冊状の絶縁性
基板のたて方を前述の参考例とは変えたものである。前
述の参考例では短冊状の絶縁性基板はすべて絶縁性基板
13或はリアプレート21に対して垂直なるように構成
されていた。本出願人らが表面伝導型の電子放出素子の
電子放出特性を調べた結果、素子電極2、3に電圧を加
えるとき、加える電圧の局性によって放出される電子線
の方向が異なることを観測している。つまり、素子電極
2を3に対してマイナスになるように電圧を印加したと
する放出された電子は素子電極3の方向で斜め上方に放
出されることを観測している。本参考例は、この効果を
積極的に利用するもので、図20の様に短冊状の基板を
垂直方向から傾けて電子線の集光特性を向上させたもの
である。
【0062】実施例7 電子放出素子の一部の平面図およびA−A’断面図を図
13に示す。ここで18は基板、15は図10のDYm
に対応するY方向配線、26は図10のDXnと電気的
接触をとるための電極、4は電子放出部を含む薄膜、
2,3は素子電極である。
【0063】次に製造方法を図14により工程順に従っ
て具体的に説明する。 工程−a 清浄化した厚さ300ミクロン一辺の長さが200mm
の正方形の石英ガラス上に厚さ0.5ミクロンのシリコ
ン酸化膜をスパッタ法で形成した基板13上に、真空蒸
着により厚さ50ÅのCr、6000ÅのAuを順次積
層した後、ホトレジスト(AZ1370ヘキスト社製)
をスピンナーにより回転塗布、ベークした後、ホトマス
ク像を露光、現像して、レジストパターンを形成し、A
u/Cr堆積膜をウェットエッチングして、所望の形状
の配線15,26を形成する。 工程−b その後、素子電極2,3と素子電極間ギャップとなるべ
きパターンをホトレジスト(RD−2000N−41日
立化成社製)により形成し、真空蒸着法により、厚さ5
0ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順次積層した。ホ
トレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆
積膜をリフトオフし、素子電極間隔L1(図2(a)参
照)が3ミクロン、素子電極の幅W1(図2(a)参照)
が300ミクロン、の素子電極2,3を形成した。 工程−c 素子電極間ギャップL1およびこの近傍に開口を有する
マスクにより、真空蒸着法により堆積された膜厚100
0ÅのCr膜をパターニングし、そのうえに有機Pd
(ccp4230奥野製薬(株)社製)をスピンナーに
より回転塗布し、300℃で10分間の加熱焼成処理を
した。こうして形成された主元素としてPdよりなる微
粒子からなる電子放出部形成用薄膜4の膜厚は100オ
ングストローム、シート抵抗値は5×10の4乗Ω/□
であった。なおここで述べる微粒子膜とは、上述したよ
うに、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造
として、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、
微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島
状も含む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で粒子
形状が認識可能な微粒子についての径をいう。 工程−d Cr膜および焼成後の電子放出部形成用薄膜4をエッチ
ャントによりエッチングして所望のパターンを形成し
た。 工程−e 石英ガラス基板をダイシングソーによって、切断し、長
手方向が200mm、幅が5mmの短冊状の基板に分割
した。 工程−f 以上の様にして作製された短冊状の基板を再度加熱して
基板に付着している水分を十分除去した後に、不図示の
真空容器の中に入れ、十分な真空度に達した後、電子放
出素子の素子電極2,3間に電圧を印加し、電子放出部
形成用薄膜4を通電処理(フォーミング処理)すること
により、電子放出部5を作成した。フォーミング処理の
電圧波形を図3に示す。図3中、T1及びT2は電圧波
形のパルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を
1ミリ秒、T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フ
ォーミング時のピーク電圧)は5Vとし、フォーミング
処理は約1×10マイナス6乗torrの真空雰囲気下
で60秒間行った。このように作成された電子放出部5
は、パラジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置さ
れた状態となり、その微粒子の平均粒径は30オングス
トロームであった。その後、更に通電を行って電子放出
素子16を形成した。 工程−g 更に図4の様な電子放出素子の検査装置の電子放出素子
の形成された短冊状の基板18を保持した後、素子電極
2,3間に電源11により14Vを印加して素子電流I
fを流しながら、放出電子による電流Ieを測定した。
この測定は短冊状の絶縁性基板18上のすべての電子放
出素子について行った。この測定の結果、放出電流が
1.0マイクロアンペアに満たない素子が短冊状の絶縁
性基板18の上に一つでもあった場合は、その短冊状絶
縁性基板18を不良品として次の工程に流さないように
した。 工程−h 一方、長さ500mm、幅300mmの大面積の絶縁性
基板13にダイシングソーによって幅310ミクロン、
深さ1mmの溝部を多数形成した。 工程−i 次に、スクリーン印刷法によって絶縁性基板13上に厚
さ2ミクロン、幅100ミクロンのX方向配線を形成し
た。 工程−j ここで、工程−gによって選別された短冊状電子放出素
子を大面積基板の溝部に差し込むことによって順次なら
べていった。このとき、短冊状基板18に設けられた電
極26との電気的な接触を得るために少量のハンダ27
を用いた。 工程−k 以上のようにして多数の短冊状基板18を組み込んだ絶
縁性基板13をリアプレート21上に固定した後、絶縁
性基板13に対向するように、フェースプレート17
(ガラス基板22の内面に蛍光膜19とメタルバック2
0が形成されて構成される)を支持枠23を介し配置
し、フェースプレート17、支持枠、絶縁性基板13の
接合部にフリットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素
雰囲気中で400℃ないし500℃で10分以上焼成す
ることで封着した。またリアプレート21への基板13
の固定もフリットガラスで行った。(不図示) 蛍光膜19は、モノクロームの場合は蛍光体のみから成
るが、本実施例では蛍光体はストライプ形状を採用し、
先にブラックストライブを形成し、その間隙部に各色蛍
光体を塗布し、蛍光膜19を作製した。ブラックストラ
イブの材料として通常良く用いられている黒鉛を主成分
とする材料を用いたがガラス基板22に蛍光体を塗布す
る方法はスラリー法を用いた。また、蛍光膜19の内面
側には通常メタルバック20が設けられる。メタルバッ
クは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを
真空蒸着することで作製した。フェースプレート17に
は、更に蛍光膜19の導伝性を高めるため、蛍光膜19
の外側面に透明電極(不図示)が設けられる場合もある
が、本実施例では、メタルバックのみで十分な導伝性が
得られたので省略した。前述の封着を行う際、カラーの
場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくては
いけないため、十分な位置合わせを行った。 工程−l 次に10のマイナス6乗トール程度の真空度で、不図示
の排気管のガスバーナーで熱することで溶着し外囲器の
封止を行った。 工程−m 最後に封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理
を行った。これは、封止を行う直前に、高周波加熱等の
加熱法により、画像形成装置内の所定の位置(不図示)
に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成処理し
た。ゲッターはBa等を主成分とした。
【0064】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子に、容疑外端子Dx1ない
しDxn,Dy1ないしDymを通じ、走査信号及び変
調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加するこ
とにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタル
バック20に数kV以上の高圧を印加し、電子ビームを
加速し、蛍光膜19に衝突させ、励起・発光させること
で画像を表示した。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば以下のような利点が得ら
れる。
【0066】1)行方向配線及び列方向配線は別々の基
板上に形成されているため、行方向配線と列方向配線の
間の電気的な絶縁を画像形成装置全体にわたって保つこ
とが容易にでき、画像形成装置を生産する場合の歩留り
がよくなった。
【0067】2)短冊状の基板の上に電子放出素子を形
成すればよく、画像表示装置と同じ大きさの基板の上に
電子放出素子をパターニングする必要がなくなり、従来
の製造装置によって容易に生産できるので、生産コスト
を安く抑えることができるようになった。
【0068】3)電子放出素子が形成されている基板が
フェースプレートを支えるためのスペーサ部材を兼ねて
いるので、従来の画像形成装置のように電子放出素子か
ら出射した電子ビームがスペーサによってけられること
がない。
【0069】4)リアパネルとは別々の基板状に電子放
出素子が形成されているので、電子放出素子の電子放出
の角度特性に応じて電子放出素子の形成された基板の向
きを設計することができるため、蛍光面に到達する電子
ビームのパターンを必要に応じて絞ったり、拡散させた
りすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される平面型表面伝導電子放出素
子の基本構成図。
【図2】本発明に使用される平面型表面伝導電子放出素
子の基本的な製法図。
【図3】表面伝導電子放出素子の通電処理の電圧波形。
【図4】表面伝導電子放出素子の基本的な測定評価装置
図。
【図5】表面伝導電子放出素子の基本的な特性図。
【図6】参考例の一例を示す画像形成装置の斜視図。
【図7】参考例の画像形成装置の斜視図。
【図8】図7の画像形成装置の横断面図。
【図9】蛍光膜の説明図。
【図10】本発明の画像形成装置の他の例を示す斜視
図。
【図11】本発明の画像形成装置の断面図。
【図12】本発明の画像形成装置の斜視図。
【図13】電子放出素子の平面図及びA−A’断面図。
【図14】画像形成装置の製法図。
【図15】実施例1の画像形成装置の断面図。
【図16】実施例2の画像形成装置の断面図。
【図17】実施例3の画像形成装置の断面図。
【図18】実施例4の画像形成装置の断面図。
【図19】実施例5(参考例)の画像形成装置の断面
図。
【図20】実施例6(参考例)の画像形成装置の断面
図。
【図21】従来の表面伝導型電子放出素子の例。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2,3 素子電極 4 電子放出部形成用薄膜 5 電子放出部 8 素子電圧印加電源 9 素子電流測定用電流計 10 アノード電極 11 アノード電圧印加電源 12 放出電流測定用電流計 13 絶縁性基板 14 X方向配線 15 Y方向配線 16 電子放出素子 17 フェースプレート 18 短冊状絶縁性基板 19 蛍光膜 20 メタルバック 21 リアプレート 22 ガラス基板 23 支持枠 24 黒色導電体 25 蛍光体 26 電極 27 ハンダ 28,29 電子放出部を含む薄膜 30,31 Y方向配線 32,33 電極 34 溝部 35 楔部 36 短冊状絶縁性基板 37,38,39 電子放出部を含む薄膜 40,41,42 蛍光膜 43,44,45 絶縁性基板 46 長方形状の切り込み 47 長方形状の穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/12 H01J 9/24 - 9/26 H01J 29/87

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも配線の一部に底部より上部の
    方が幅が広いテーパ状の溝が設けられている絶縁性基板
    と、 前記絶縁性基板と対向して配置されたフェースプレート
    と、 前記溝にはめ込まれ前記絶縁性基板に対して前記フェー
    スプレートを支持するスペーサ部材とを少なくとも有
    し、 前記スペーサは少なくとも前記溝に当接する部分に電極
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記画像形成装置内に、前記配線と電気
    的に接続する複数の電子放出素子と、この電子放出素子
    に対応し、前記電子放出素子からの放出電子の照射を受
    け画像を形成する複数の蛍光体とを有する請求項1記載
    の画像形成装置。
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