JP3119417B2 - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP3119417B2
JP3119417B2 JP06273606A JP27360694A JP3119417B2 JP 3119417 B2 JP3119417 B2 JP 3119417B2 JP 06273606 A JP06273606 A JP 06273606A JP 27360694 A JP27360694 A JP 27360694A JP 3119417 B2 JP3119417 B2 JP 3119417B2
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大画面で平板型の画像
表示装置に関し、特に、電子放出素子と蛍光体とを備え
る平板型CRTを大画面化するための新規な構成を有す
る画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として、熱陰極
素子と冷陰極素子の2種類が知られているが、このうち
冷陰極素子では、例えば、表面伝導型電子放出素子、電
界放出型電子放出素子(以下、FE型と略す)、金属/
絶縁層/金属型電子放出素子(以下、MIM型と略す)
等がある。
【0003】まず、上記表面伝導型電子放出素子として
は、例えば、M. I. Elinson、Radio E
ng. Electron Pys. 、10、1290
(1965)や、その他にも後述するものが知られてい
る。
【0004】上記表面伝導型電子放出素子は、基板上に
形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこ
とにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリン
ソン(M.I.Elinson)等によるSnO2 薄膜
を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G. Dit
tmer:”Thin Solid Films”、
9、317(1972)]、In23 /SnO2 薄膜
によるもの[M. Hartwell and C.G.
Fonstad:”IEEE Trans. ED Co
nf. ”、519(1975)]、カーボン薄膜による
もの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁
(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成の例として、図32に前述のM.ハートウェ
ル(M.Hartwell)らによる素子の平面図を示
す。図32において、3001は基板で、3004はH
字形の平面形状に、スパッタなどで形成された金属酸化
物よりなる導電性薄膜である。この導電性薄膜3004
に、後述する通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を施
すことにより電子放出部3005が形成される。尚、図
32中、間隔Lは0. 5〜1. 0mm、Wは0. 1mm
で設定されている。また、図32においては、図示の便
宜上、電子放出部3005は、導電性薄膜3004の中
央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであ
り、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現してい
るわけではない。
【0006】M.ハ−トウエルらによる素子を始めとす
る上述の表面伝導型電子放出素子においては、電子放出
を行う前に、導電性薄膜3004に通電フォ−ミングと
呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005
を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォ−ミン
グとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電
圧、もしくは、例えば、1V/分程度の非常にゆっくり
としたレ−トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導
電性薄膜3004を局所的に破壊、変形、変質せしめ、
電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成する
ことである。なお、局所的に破壊、変形、変質した導電
性薄膜3004の一部には、亀裂が発生し、前記通電フ
ォ−ミング後に導電性薄膜3004に適当な電圧を印加
した場合には、前記亀裂付近において、電子放出が行わ
れる。
【0007】また、上記FE型の例としては、例えば、
W. P. Dyke&W. W. Dolan、”Field
emission”、Advance in Ele
ctron Physics、8、89(1956)、
あるいは、C. A. Spindt、”PHYSIACL
Properties of thin−filmf
ield emission cathodes wi
th molybdenum cones”、J. Ap
pl. Phys. 、47、5248(1976)等が知
られている。
【0008】上記FE型の素子の典型的な素子構成の例
として、図33に前述のC.A.Spindtらによる
素子の断面図を示す。この図33において、3010は
基板で、3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3
012はエミッタコ−ン、3013は絶縁層、3014
はゲ−ト電極であり、本素子は、エミッタコ−ン301
2とゲ−ト電極3014の間に適当な電圧を印加するこ
とによって、エミッタコ−ン3012の先端部より電界
放出を起こさせるものである。
【0009】また、FE型の他の素子構成としては、前
記図33のような積層構造のものではなく、基板上に基
板平面とほぼ平行にエミッタとゲ−ト電極とを配置した
例もある。
【0010】また、上記MIM型の例としては、例え
ば、C. A. Mead、”Operation of
tunnel−emission Devices”、
J. Appl. Phys. 、32、646(1961)
等が知られている。
【0011】上記MIM型の素子の典型的な素子構成の
例を、図34に示す。この図34は素子の断面図であ
り、同図において、3020は基板で、3021は金属
よりなる下電極、3022は厚さ100オングストロ−
ム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜300オン
グストロ−ム程度の金属よりなる上電極であるが、この
MIM型の素子においては、上電極3023と下電極3
021の間に適当な電圧を印加することにより、上電極
3023の表面より電子放出を起こさせるものである。
【0012】以上述べた、冷陰極素子は、熱陰極素子に
比較すると、低温で電子放出を得ることができるので加
熱ヒ−タ−を必要とせず、よって、熱陰極素子よりも構
造が単純であり、微細な素子を作成することが可能であ
る点や、基板状に多数の素子を高い密度で配置しても、
基板の熱溶融などの問題が発生しにくく、また、熱陰極
素子がヒ−タ−の加熱により動作するために応答速度が
遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速
いなどの利点を有する。このため、冷陰極素子を応用す
るための研究が盛んに行われてきている。
【0013】例えば、上記表面伝導型電子放出素子は、
冷陰極素子の中でも特に、その構造が単純であり、製造
も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形
成できる利点を有する。そこで、例えば、本出願人によ
る特開平64−31332号公報において開示されるよ
うな多数の素子を配列して駆動するための方法が研究さ
れている。
【0014】また、表面伝導型電子放出素子の応用にお
いては、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画
像形成装置や、荷電ビ−ム源などが研究され、特に、上
記画像表示装置への応用として、例えば、本出願人によ
る米国特許公報5,066,883号、特開平2−25
7551号公報、及び、特開平4−28137号公報に
おいて開示されるような、表面伝導型電子放出素子と電
子ビ−ムの照射により発光する蛍光体とを組み合わせて
用いた画像表示装置が研究されており、このような表面
伝導型電子放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画
像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優
れた特性が期待されている。例えば、近年、普及してき
た液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバッ
クライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れて
いると言える。
【0015】また、上記FE型の素子を多数並べて駆動
する方法は、例えば、本出願人による米国特許公報4,
904,895号に開示されており、また、FE型の素
子を画像表示装置に応用した例としては例えば、R.M
eyerらにより報告された平板型表示装置が知られて
いる[R.Meyer:”Recent Develo
pment on Microtips Displa
y at LETI”,Tech.Digest of
4th Int.Vacuum Microelec
tronics Conf.,Nagahama,p
p.6〜9(1991)]。
【0016】また、上記MIM型の素子を多数並べて画
像表示装置に応用した例は、例えば、本出願人による特
開平3−55738号公報に開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記従
来の電子放出素子を始めとする様々な材料、製法、構造
の冷陰極素子を試み、更には、多数の冷陰極素子を配列
したマルチ電子ビ−ム源、及び、このマルチ電子ビ−ム
源を応用した画像表示装置について研究を行ってきた。
【0018】本発明者らは、例えば、図35に示す電気
的な配線方法によるマルチ電子ビ−ム源を試みている。
即ち、このマルチ電子ビ−ム源は、冷陰極素子を2次元
的に多数配列し、これら素子を図35に示すようにマト
リクス状に配線したマルチ電子ビ−ム源である。
【0019】図35中、4001は冷陰極素子を模式的
に示したもの、4002は行方向配線、4003は列方
向配線であり、行方向配線4002及び列方向配線40
03は、実際には有限の電気抵抗を有するものであり、
図35においては、配線抵抗4004及び4005とし
て示されている。尚、上述のような配線方法を単純マト
リクス配線と呼ぶ。
【0020】また、同図においては、図示の便宜上、6
×6のマトリクスで示しているが、マトリクスの規模は
むろんこれに限られるものではなく、例えば、画像表示
装置用のマルチ電子ビ−ム源の場合には、所望の画像表
示を行うのに足りるだけの素子を配列し配線するもので
ある。
【0021】冷陰極素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビ−ム源においては、所望の電子ビ−ムを出力さ
せるため、行方向配線4002及び列方向配線4003
に適当な電気信号を印加する。例えば、マトリクス中の
任意の1行の冷陰極素子を駆動するには、選択する行の
行方向配線4002には選択電圧Vsを印加し、同時に
非選択の行の行方向配線4002には非選択電圧Vns
を印加する。そして、これと同期して列方向配線400
3に電子ビ−ムを出力するための駆動電圧Veを印加す
る。
【0022】この方法によれば、配線抵抗4004及び
4005による電圧降下を無視すれば、選択する行の冷
陰極素子にはVe−Vsの電圧が印加され、また、非選
択行の冷陰極素子にはVe−Vnsの電圧が印加され
る。ここで、Ve、Vs、Vnsを適当な大きさの電圧
にすれば選択する行の冷陰極素子だけから所望の強度の
電子ビ−ムが出力されるはずであり、また、列方向配線
の各々に異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択する行
の素子の各々から異なる強度の電子ビ−ムが出力される
はずである。また、駆動電圧Veを印加する時間の長さ
を変えれば、電子ビ−ムが出力される時間の長さも変え
ることができるはずである。
【0023】以上より、冷陰極素子を単純マトリクス配
線したマルチ電子ビ−ム源は、いろいろな応用の可能性
があり、例えば、画像情報に応じた電気信号を適宜印加
すれば、画像表示装置用の電子源として好適に用いるこ
とができる。
【0024】一方、情報化社会の急速な進展に伴い、民
生用、産業用を問わず、画像表示装置には、表示画面が
大きいことや解像度が高いことなどが求められており、
前記冷陰極素子を応用した画像表示装置も例外ではな
く、大画面、高解像力の実現が期待されている。
【0025】しかしながら、以下に述べるような理由に
より、大画面と高解像力とを両立させることは非常に困
難である。
【0026】例えば、対角長が数十インチの表示画面を
得るためには、これと同等な大面積の基板上に、表示画
素の配列ピッチと同等な配列ピッチで多数の冷陰極素子
を形成して配線したマルチ電子ビ−ム源を用いなければ
ならず、このようなマルチ電子ビ−ム源を一枚の基板上
に製造することは、精度や歩留まり、製造にかかるコス
ト等の点で困難である。
【0027】例えば、製造工程中の成膜技術に関して
は、IC製造などの分野で知られた真空成膜技術を用い
るのが一般的だが、大面積基板に対応した成膜装置は大
型となるため設備投資に費用がかかるうえ、大面積にわ
たり均質な膜を成膜するのは技術的に困難である。
【0028】また、製造工程中のパタ−ニング技術に関
しては、IC製造などの分野で知られたフォトリソグラ
フィ−・エッチング技術を用いるのが一般的だが、ここ
で用いる露光装置もまた大型となるため、やはり、設備
投資に費用がかかるうえ、更には、その際、大面積を一
括露光する方式を採用した場合においては、光学的限界
(収差など)により画面の周辺部でパタ−ニング解像力
が低下する点や、大画面の露光マスクが極めて高価にな
る点なども問題となる。また、大画面を分割して順次露
光していく方式を採用した場合においては、全面を処理
するのにかなりの時間を要するため、露光装置の台数を
多くする必要が生じ、製造コストの増大を招く点が問題
となる。
【0029】以上のような問題点を解決するために、予
め冷陰極素子を形成した小面積基板を複数組み合わせて
大面積のマルチ電子ビ−ム源を構成する方法が考えられ
る。この方法によれば、成膜やパタ−ニングを小面積で
行えるため、製造装置の大型化や精度低下のような問題
点を回避できるうえに、不良の発生した基板を予め排除
して良品基板のみを組み合わせて用いることができるた
め、大面積基板を用いた場合と比較して不良発生時の資
源の無駄が少なくて済むという利点を有する。しかしな
がら、この方法によるマルチ電子ビ−ム源には、画像表
示装置に応用するうえでは大きな問題がある。
【0030】この問題について具体的に説明するため
に、マルチ電子ビ−ム源を用いた画像表示装置の一例を
図36の(1)(断面図)及び(2)(平面図)に示
す。
【0031】図36中、4010Aと4010Bは別体
の基板で、接合部4011で接合されており、また、各
基板4010A及び4010Bの上には冷陰極素子40
01が多数形成されている。また、4012は画像表示
装置のフェ−スプレ−トで、その内面には蛍光体401
3が設けられており、この装置は、冷陰極素子4001
から放出された電子ビ−ムe- が蛍光体4013を照射
することにより可視光を発光する発光型の画像表示装置
である。
【0032】ここで、画像表示装置として所望の解像度
を得るために、例えば、X方向にPxのピッチで画素を
配置することが必要であるとしたならば、フェ−スプレ
−ト4012には蛍光体4013を表示画面の全面にわ
たりPxのピッチで設ければ良く、また、基板4010
A上の冷陰極素子の配列ピッチPAxはPxと等しく
し、同様に基板4010B上の冷陰極素子の配列ピッチ
PBxもPxと等しくすれば良い。
【0033】ところが、図36の(2)に示すように、
基板の端部から一定の距離Ldの範囲内(図中の点線に
て囲まれた部分C)には製造上の制限から冷陰極素子を
形成することが極めて困難である。その理由としては、
例えば、成膜やパタ−ニングの際、基板端部から一定の
距離内には成膜材料やエッチャントの分布に不均一が発
生し易いこと、基板端部では膜剥れが発生し易いこと、
及び、基板の固定や搬送の際に保持するための空間が必
要であることなどが挙げられる。
【0034】上記距離Ldの大きさは、基板の厚さや用
いる製造装置の性能に依存するため一概に数値を決める
ことはできないが、一般的には画面対角長が数十インチ
の画像表示装置に望まれる画素ピッチと比較すれば大き
な数値であると言える。
【0035】上述のような基板の接合部4011の周辺
(図中の点線にて囲まれた部分C)においては冷陰極素
子を形成することが困難であるために、図36の(1)
の表示装置において、表示不能領域(図中の点線にて囲
まれた部分D)ができてしまう問題が生じ、この表示不
能領域では、例え、蛍光体4013(図中に黒塗りで示
す)を設けたとしても、電子ビ−ムを照射することがで
きないため画像を表示することが不可能となる。よっ
て、大画面の画像表示装置を作成しても、基板の接合部
の位置にストライプ状あるいは格子状の表示不能領域が
画面に出てきてしまい、画質を大幅に損ねる結果とな
る。
【0036】本発明は、以上の問題点に鑑みなされた発
明であり、その主たる目的は、電子放出素子が形成され
た基板を複数用いた画像表示装置において、基板間の境
界部に表示不能領域が発生しないような画像表示装置を
提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、画像表示装置であって、複数の基体と画像形成
部材とを有しており、前記複数の基体は互いに並設さ
れており、前記複数の基体のそれぞれには複数の電子
放出素子が配置されており、前記電子放出素子は負極
と正極を有しており、駆動電圧を印加したときに電子放
出部をとおり前記基体平面から前記画像形成部材に向け
た法線に対して非対称な電位分布が生じるような電子放
出素子であり、前記画像形成部材は前記電子放出素子
から放出される電子線の照射により画像を形成するもの
であり、前記複数の基体のそれぞれにおいては、前記
複数の電子放出素子それぞれを構成する前記負極と前記
正極の並んでいる方向が共通であり、かつその方向が前
記基体間の境界に向いている、ことを特徴とする画像表
示装置、である。
【0038】以下に、本発明について詳述する。
【0039】本発明は、電子放出素子を形成した基板を
複数組み合わせた大面積のマルチ電子ビ−ム源と蛍光体
等の画像形成部材とを備えた画像表示装置において、電
子放出素子から蛍光体に向けて飛翔する電子ビ−ムが、
蛍光体に衝突する前に、基板間の境界部方向に向かって
適当な距離を進行するよう制御されることにより、表示
不能領域の発生を防止することを特徴としている。
【0040】本発明に係る上述の制御方法は、任意の枚
数の基板の組み合わせにおいて適用が可能であるが、説
明の便宜上、まず2枚の基板を組み合わせる場合につい
て図1及び図2を用いて以下に説明する。
【0041】図1の(1)は、本発明の原理を説明する
ための断面図であり、同図中、10A及び10Bは別体
の基板であって、それぞれの基板の上面には電子放出素
子1が形成されている。尚、電子放出素子1の構造、配
置あるいは駆動電圧の印加方法等については後述する。
【0042】また、基板10A及び10Bは境界11で
接しており、境界11付近の点線で囲まれた部分Cにお
いては上述された理由により電子放出素子は配置されて
いない。
【0043】また、12はフェ−スプレ−トに相当する
基板であり、その内面には画像形成部材としての蛍光体
13が設けられている。
【0044】本発明では、電子放出素子1から放出され
た電子ビ−ムがフェ−スプレ−ト12に向かって飛翔す
る際に、Z方向に直線的に飛翔するのではなく、図示の
ようにZ方向に進行しながら境界部11方向にも進行す
るように、該電子ビ−ムを制御する。即ち、図1の
(1)に示す例において、基板10A上の電子放出素子
から放出された電子ビ−ムは、Z方向に進行すると同時
にX方向に向かって進行し、また、基板10B上の電子
放出素子から放出された電子ビ−ムはZ方向に進行する
と同時にX方向と180度逆向きに向かって進行する。
【0045】以上のように、電子ビ−ムの進行方向を制
御することにより、従来は、電子ビ−ムを照射すること
ができなかった領域(図中の点線にて囲まれた部分
D’)にも電子ビ−ムを照射することが可能となる。
尚、同図において、X方向に関しての画素の配列ピッチ
をPxとするならば、基板10A上の電子放出素子の配
列ピッチPAx、及び、基板10B上の電子放出素子の
配列ピッチPBxは、PAx=PBx=Pxとなるよう
に設定する。
【0046】次に、上述した本発明による電子ビ−ムの
飛翔の制御方法に関し、好ましい2つの態様を例に挙げ
て以下に詳述する。
【0047】(好ましい第1の態様)本発明の第1の態
様は、基板上に形成される電子放出素子の配置方法に特
徴を有する。
【0048】図1の(2)は、電子放出素子の形成され
た基板10A及び10Bの平面図であり、上述のよう
に、X方向に関して、電子放出素子の配列ピッチは、P
Ax=PBx=Pxに設定されており、また、基板10
Aと基板10Bの境界部11を挟む部分の電子放出素子
の間隔Lsは、Pxよりも大きいことは当然であるが、
Ldの2倍よりも大きく設定されている。尚、Lsにつ
いては、後に更に詳しく説明する。
【0049】また、基板10Aの上に配置された電子放
出素子1と、基板10Bの上に配置された電子放出素子
1は、X方向に関して、180度逆向きに配置されてい
る(同図においては、電子放出素子1の向きを模式的に
矢印で表しており、この矢印の向きは、後述するベクト
ルEfの向きを示している)。
【0050】以下、図1の(2)について、更に詳述す
る。
【0051】まず、図1の(2)で示した態様に用いる
電子放出素子としては、駆動状態(電子ビ−ムを放出さ
せるための駆動電圧を電子放出素子に印加した状態)に
おいて、電子放出素子の電子放出部の周辺の空間に、電
子放出部をとおり基板平面から蛍光体に向けた法線に対
して非対称な電位分布が生じるような電子放出素子であ
る。
【0052】上述のような非対称な電位分布を生じる電
子放出素子について図2を用いて具体的に説明する。
【0053】図2の(1)は、本発明に用いる電子放出
素子を説明するための断面図であり、図中、20は電子
放出素子が配置された基板、21は電子放出素子の正
極、22は電子放出素子の負極、23は電子放出素子の
電子放出部、24は電子ビ−ムのタ−ゲット、VFは電
子放出素子に駆動電圧Vf[V]を印加するための電
源、VAはタ−ゲット24にタ−ゲット電圧Va[V]
を印加するための電源である。尚、実際の画像表示装置
においては、タ−ゲット24は蛍光体であり、また、一
般にVa>Vfの関係を有する。
【0054】本発明の第1の態様において用いられる電
子放出素子は、少なくとも、正極21と負極22及び電
子放出部23を構成部材として備え、これら構成部材は
基板20の平面上に並んで配置(並設)されている。こ
こで、前述した図33及び図34の電子放出素子は、そ
の構成部材が基板平面上の垂直方向に積層されているた
め、本態様における、構成部材が並設された電子放出素
子には該当せず、また、図32の電子放出素子はこれに
該当する。
【0055】このような電子放出素子においては、電子
放出部23から放出される電子ビ−ムは、負極22から
正極21に向かう方向の初速度成分を持つのが一般的で
あり、よって、電子ビ−ムは基板平面から垂直方向には
進行しない。
【0056】更に、このような構成部材が基板平面に並
設されたタイプの電子放出素子の場合、正極21と負極
22が基板平面に並んでいるために、駆動電圧を印加し
たときに電子放出部23の上方の空間に生成される電位
分布は、電子放出部23を通り、基板平面と垂直な線
(図2の(1)の一点鎖線)に対して非対称な分布とな
る。即ち、図2の(1)に、電子放出素子とタ−ゲット
24間の電位分布を点線で示す通り、等電位面は、タ−
ゲット24の近傍では基板平面とほぼ平行であるが、電
子放出素子の近傍では駆動電圧Vf[V]の影響により
傾斜したものとなり、よって、電子放出部23から放出
された電子ビ−ムは、空間を飛翔する間に傾斜電位によ
りZ方向に力を受けると同時にX方向にも力を受けるこ
ととなり、電子ビ−ムの軌道は図示のような曲線(矢印
- )を描く。従って、電子ビ−ムがタ−ゲット24を
照射する位置は、電子放出部の鉛直上方の位置から距離
LefだけX方向にずれた位置となる。
【0057】図2の(2)は、タ−ゲット24を上方か
ら見た場合の平面図であり、25はタ−ゲット下面の電
子ビ−ム照射位置を模式的に示したものである(尚、上
述の図2の(1)は、図2の(2)のJ−J’に沿って
切断した場合の断面図に相当する)。また、ここでは、
タ−ゲットにおいて電子ビ−ムの照射位置が電子放出部
の鉛直上方の位置からどのようにずれるかを一般化して
表すために、便宜的にベクトルEfを用いてずれの方向
と距離とを表現する。
【0058】まず、ベクトルEfの方向は、基板平面上
に電子放出素子の負極、電子放出部、正極が並んでいる
方向と等しく、例えば、図2の場合においては、基板2
0の上に、X方向に沿って電子放出素子の負極22、電
子放出部23、正極21が順に並んでいるため、ベクト
ルEfはX方向と同じ向きになる。
【0059】尚、基板平面上に電子放出素子が形成され
ている向き、及び、ベクトルEfの向きを図示する便宜
上、これらを図3に示すような方法で模式的に表すこと
にする。
【0060】図3の(1)は、電子放出素子1の負極、
電子放出部、正極がX方向に沿って並んで基板平面上に
形成された例で、また、図3の(2)はX方向に対して
Rの角度の方向に形成された例である。
【0061】また、ベクトルEfの大きさ(即ち、Le
f)は、電子放出素子とタ−ゲットの距離Lh、電子放
出素子の駆動電圧Vf、タ−ゲットの電位Va、電子放
出素子の種類や形状などに依存して決まるが、概略的な
数値は下記の[1]式により算出できる。 Lef=2×K×Lh×(Vf/Va)1/2 ・・・[1] 但し、Lh[m]は電子放出素子とタ−ゲットの距離、
Vf[V]は電子放出素子に印加する駆動電圧、Va
[V]はタ−ゲットに印加する電圧、Kは電子放出素子
の種類や形状により決まる定数をそれぞれ表す。
【0062】尚、上記[1]式で概略的な数値を求める
際に、用いる電子放出素子の種類や形状が未知の場合に
はK=1を代入する。
【0063】また、電子放出素子の種類や形状が既知の
場合には、実験あるいは計算機シミュレ−ションにより
当該電子放出素子の定数Kを決定する。
【0064】また、さらに高い精度でLefを求めるに
は、Kを定数ではなくVfの関数とするのが望ましい
が、画像表示装置を設計する場合に要求される精度に対
しては定数で十分な場合が多い。
【0065】以上を参照して、図1の(2)の構成につ
いて説明を補足する。
【0066】基板10A上には電子放出素子1がR=0
[度]の向きで形成され、基板10B上には電子放出素
子1がR=180[度]の向きで形成されている。ま
た、2枚の基板の境界部11を挟んで対向する電子放出
素子の間の距離Lsは、下記の[2]式で定まる値に設
定されている。 Ls=Px+(2×Lef)・・・[2] 但し、Pxは画素の配列ピッチ、Lefは上記[1]式
で定まる距離をそれぞれ表す。
【0067】上記[1]式、及び、[2]式から明らか
なように、適当な条件を設定することにより、Lsを十
分な大きさとすることが可能である。即ち、上述した第
一の態様によれば、基板の端部付近に電子放出素子を設
けなくても、表示不能領域が発生するのを防止すること
が可能である。
【0068】以上、図1の(1)に示した本発明の電子
ビ−ムの飛翔の制御方法を実現するための第1の態様に
ついて説明したが、次に、上記制御方法の第2の態様に
ついて以下で説明する。
【0069】(参考の態様) 次に、本発明の電子ビームの飛翔の制御方法に係る参考
の態様について図4を用いて説明する。
【0070】本発明の参考の態様は、基板境界部に向け
て電子ビームを偏向させるための偏向電極を有すること
を特徴とする。
【0071】図4に示すのは、参考の態様による画像表
示装置の断面図であり、図4中の部材で、前記図1の
(1)と共通するものについては、同じ部材番号で示し
ている他、14は画像表示装置の側壁、15、16及び
17は電子ビームを偏向するための偏向電極、Vdef
は偏向用電圧源である。
【0072】図4に示された本態様においては、基板の
境界部11が高電位側になるような極性で適宜の偏向電
圧を偏向電極間に印加することにより、電子放出素子1
から放出された電子ビ−ムを基板の境界部11の方向に
偏向することができるので、基板の境界部11の付近に
電子放出素子を配置しなくても、蛍光体を電子ビ−ムで
照射することが可能となり、表示不能領域が発生するの
を防止できた。
【0073】以下に、参考の態様について、更に詳しく
説明する。
【0074】フェ−スプレ−ト12の画素のX方向の配
列ピッチをPx、基板10A上の電子放出素子の配列間
隔をPAx、基板10B上の電子放出素子の配列間隔を
PBxとしたとき、これらの数値はPAx=PBx=P
xを満たすように設定されている。
【0075】尚、ここに用いられる電子放出素子は、前
記第1の態様の場合とは異なり、正極、負極、電子放出
部が基板平面上に垂直に積層したものであっても差し支
えなく、前述の図33及び図34に例示した電子放出素
子であっても良い。
【0076】また、偏向電極16は基板境界部11のほ
ぼ上方に置かれ、偏向電極15、16、17はX方向に
互いに距離Ldxだけ隔てて設置されており、また、ど
の偏向電極も、基板上の電子放出素子1とほぼ同じ高さ
に設置されて、その高さはLdzである。
【0077】このような構成において、基板の境界部1
1を挟んで両側に設けられた電子放出素子の間隔Ls
は、概略的には下記の[3]式で設定される。 Ls=Px+(2・Vdef・Lh・Ldz)/(Va・Ldx)・・・[3] 但し、Px[m]は画素のX方向の配列ピッチ、Lh
[m]は電子放出素子と蛍光体の距離、Ldx[m]は
偏向電極間の距離、Ldz[m]は偏向電極の高さ、V
a[V]は蛍光体に印加する電圧、Vdef[V]は偏
向電極に印加する電圧をそれぞれ表す。
【0078】尚、偏向電極の高さLdzが、電子放出素
子と蛍光体の距離Lhと比較して大幅に異なる場合に
は、上記[3]式に補正項を設けるのが望ましい。ま
た、用いる電子放出素子の種類によっては、電子ビ−ム
の初速度が比較的大きい場合もあるが、そのような場合
においても上記[3]式に補正項を追加し、実験かシュ
ミレ−ションにてその補正項を決定することが好まし
い。
【0079】上記[3]式から明らかなように、適当な
条件を設定することにより、Lsを十分な大きさとする
ことが可能である。即ち、基板の端部付近に電子放出素
子を設けなくても、表示不能領域が発生するのを防止す
ることが可能である。
【0080】以上、図1の(1)に示した本発明の電子
ビームの飛翔の制御方法を実現するための参考の態様に
ついて説明した。尚、上記の第1の態様と参考の態様と
を組み合わせて用いることもまた可能である。
【0081】以下に、本発明の好ましい実施態様につい
て説明する。
【0082】(複数の電子源基板の配置の態様)本発明
を実施するにあたり、電子放出素子を形成した基板(以
下の説明では電子源基板と記す)については、用いられ
る枚数や配置に制限があるわけではないが、一般的に言
って、画像表示装置の画面の形としては矩形が望まれる
ことから、複数の電子源基板は図5の(1)〜(4)に
例示するような態様で配置されるのが望ましい。
【0083】図5の(1)〜(4)は、いずれも電子源
基板の配置を示す平面図で、図中のE1〜E20は各
々、別の電子源基板であり、図5の(1)〜(4)は、
各々、電子源基板を2枚、4枚、6枚、8枚配置した例
を示している。また、図中の一点鎖線は電子源基板の境
界部を示している。
【0084】近年では、例えば、高品位テレビのように
画面形状が横に長い画像表示装置が要求される場合が多
いため、図5の(1)〜(4)の例はこれに従ったが、
もちろん、縦に長くなる配置や縦横が等しくなる配置も
可能である。
【0085】また、組み立てを容易にするため、各電子
源基板の形状は正方形かあるいは矩形が望ましく、ま
た、互いに隣接する電子源基板同志は、境界部に沿う辺
の長さは等しくするのが望ましい。
【0086】(電子源基板の設置方法の態様)本発明を
実施する際、複数の電子源基板を画像表示装置の構造体
に設置する方法に関して、以下に説明する。
【0087】複数の電子源基板を画像表示装置の構造体
に設置する方法を大別すると、電子源基板が画像表示装
置の真空容器の気密構造の一部を担うものと、そうでな
いものに分けられる。このうち前者は、電子源基板同志
の境界部が気密構造を有するか否かに分けられ、また、
後者は、電子源基板同志の境界部が当接するか否かに分
けられる。
【0088】これらの方法について、図6の(1)〜
(4)を参照して説明する。
【0089】図6の(1)〜(4)は、2枚の電子源基
板を備えた画像表示装置の断面を例示したもので、図中
のE1とE2は電子源基板、70はフェ−スプレ−ト、
71は側壁、72は底板、点線で囲まれた73は電子源
基板の境界部である。
【0090】図6の(1)と(2)は電子源基板が真空
容器の気密構造の一部を担っている例であり、(3)と
(4)は担っていない例である。
【0091】まず、図6の(1)に例示する方法におい
ては、電子源基板E1もしくはE2が側壁71と接合す
る部分と、電子源基板E1とE2の境界部73とは気密
構造となっており、この構造では、電子源基板E1およ
びE2は大気圧を直接受けるため、十分な板厚にして機
械的な強度を保証するのが望ましい。また、この方法は
例えば、電子源基板の基体としてガラス基板を用いる場
合に適し、気密性と機械強度を保証するため境界部73
の接合には低融点ガラスを接着剤として用いるのが好ま
しい。
【0092】また、図6の(2)に例示する方法におい
ては、電子源基板E1もしくはE2が側壁71と接合す
る部分と、電子源基板E1もしくはE2が底板72と接
合する部分とは気密構造となっており、この構造では、
電子源基板E1とE2の接触面は気密構造である必要は
なく、また、大気圧に対する機械的な強度を主として底
板72が保持するため、電子源基板の板厚を特別厚くす
る必要はない。このため、電子源基板の基体を軽量化で
きる。従って、図6の(1)の場合と比較して、電子放
出素子や配線を形成するために成膜やパタ−ニングを行
う際、基板の保持や搬送が容易である。
【0093】また、図6の(3)に例示する方法におい
ては、電子源基板E1およびE2は、真空容器の気密構
造を担うものではなく、大気圧に対する機械的な強度も
主として底板72が保持するので、電子源基板E1およ
びE2は、薄い板厚で差し支えなく、また、堅固に底板
72に固定する必要もない。従って、この構造は、電子
源基板の基体に例えば、シリコンウエハ−を使用する場
合などに適する。
【0094】また、図6の(4)に例示する方法は、図
6の(3)の方法と基本的には似ているが、電子源基板
同志が境界部73で当接しない点が異なり、この方法
は、電子源基板の外辺形状を直線にできなかった場合な
どに適する。即ち、例えば、電子源基板の製造工程のな
かで切断や研削を行った際、外辺にぎざぎざやバリが生
じていた場合には、基板同志を当接させても所定の位置
精度が達成できないので、製法上このようなことが予測
される場合には、予め電子放出素子の間の距離Ls(図
1の(2)、図4を参照)を充分に大きく設定してお
き、図6の(4)の設置方法を用いれば本発明を好適に
実施できる。
【0095】(電子源基板への給電方法の態様)本発明
を実施する際の、複数の電子源基板への給電方法に関し
て好ましい態様を以下に説明する。
【0096】図7の(1)〜(4)は電子源基板への給
電方法を例示するための模式図で、図中のE1〜E20
の各々は電子源基板、DxおよびDyは各電子源基板に
図示外の電気回路から駆動信号を給電するための給電端
子である。また、各電子源基板には、多数の電子放出素
子が形成され、例えば、図35で例示したようにマトリ
クス状に配線されている。
【0097】まず、図7の(1)に示すのは、もっとも
基本的な方法で、電子源基板毎に個別に設けた給電端子
から給電する方法であるが、この方法は、電子源基板同
志を電気的に接続していないため、基板の境界部が簡易
な構造で済むという利点があり、電子源基板の枚数が2
枚もしくは4枚の場合に好適な態様である。
【0098】また、図7の(2)に示すのは、電子源基
板の配線同志を電気的に接続した例であり、行方向配線
についてはE3とE5、およびE4とE6を接続し、列
方向配線についてはE3とE4、およびE5とE6とを
接続している。この方法によれば、給電端子Dx,Dy
および駆動回路の数を半数に節約できるという利点があ
る。
【0099】図8は、図7の(2)の方法を具体的に説
明するための平面図で、電子源基板E3とE5の境界部
において両基板の行方向配線同志を電気的に接続した様
子を示している。図8中の80は電子源基板の基体、8
1は電子放出素子、82(E3)は電子源基板E3の行
方向配線、82(E5)は電子源基板E5の行方向配
線、83(E3)は電子源基板E3の列方向配線、83
(E5)は電子源基板E5の列方向配線、84は配線接
続部である。尚、電子源基板の製造方法については、後
に実施例を挙げて詳述するので、ここでは、配線接続部
84について述べる。
【0100】配線接続部84の形成方法としては、接続
部材として例えば、金属フリットやクリ−ム半田をスク
リ−ン印刷やディスペンサ−により適量塗布した後、加
熱して接続する方法が挙げられるが、その他にも、あら
かじめ配線の端部に半田メッキをしておき、基板同志を
当接させた後に加熱してリフロ−させて接続しても良
く、また、基板同志を当接させた後にメッキを行って接
続しても良く、また、ボンディングにより電気的な導通
を得ても良い。
【0101】また、図7の(3)に示すのは、前記図7
の(1)の方法を変形した例で、電子源基板の外辺から
容易に取り出せる配線については、給電端子Dx、Dy
を用いているが、同図のE9やE10の行方向配線のよ
うに直接取り出すのが困難な配線については基板の側面
から基板の裏側に配線を延伸させて取り出している。
尚、同図においては、端子Dxuとして模式的に点線で
示している。
【0102】このような基板の側面から裏面に配線を延
伸させての取り出し部分について、図9の(1)及び
(2)を参照してより具体的に説明する。
【0103】図9の(1)は、一例として電子源基板E
9において行方向配線が基板の側面を回り込んで裏側に
延伸した形態を示した断面図で、図中の90は基体、9
2は行方向配線、93は列方向配線、94は側面導電部
材、95は行方向配線と列方向配線の間の絶縁層、Dx
uは給電端子である。
【0104】図9の(1)の側面導電部材94は、例え
ば、図10に示す製造方法により基体90の側面に好適
に形成することができる。即ち、図10は、側面導電部
材94を印刷により形成する方法を例示しており、図中
の103はロ−ラ−、104は金属メッシュを用いたス
クリ−ン、105は、例えば、ニッケル、銅、銀などを
主成分とする導電性ペ−ストである。また、印刷装置に
は、予め行方向配線92と給電端子Dxuが形成された
基体90を、基体側面がスクリ−ンに面する向きでセッ
トしてあり、適宜の力を加えながらロ−ラ−103を回
転させ、これにより、基体90の側面に側面導電部材9
4を形成することができる。
【0105】また、図9の(2)は、図9の(1)で示
した電子源基板E9と、電子源基板E11の接合部分を
示した断面図であり、図中の97〜100は電子源基板
E11の構成部材を示している。即ち、97は電子源基
板の基体、98は行方向配線、99は列方向配線、10
0は絶縁層であり、また、101および102は電子源
基板E9と電子源基板E11を接着するための接着剤で
ある。図に示されるようにして、電子源基板E9の行方
向配線92は、側面導電部材94を介して基板裏面の給
電端子Dxuと電気的に接続されている。尚、接着剤1
01と102については、十分な機械的強度と気密性を
得るため、低融点フリットガラスをこれに用いた。
【0106】次に、図7の(4)に示すのは、前記図7
の(3)の方法を変形した例で、電子源基板を8枚以上
用いる場合に望ましい態様である。図7の(4)のよう
に、電子源基板E15とE17の行方向配線は、基板の
境界部で電気的に接続されるとともに、基板の側面を経
由して基板裏面に形成された給電端子Dxwと電気的に
接続している(同図では、模式的に点線で示されてい
る)。尚、電子源基板E16とE18についても、同様
の電気的接続が行われている。
【0107】図11は、電子源基板E15とE17の接
合部の構造を示すための断面図で、図示のように、概略
的には前記図9の(2)の方法と類似している(図中、
図9と共通の部材は同一の部品番号で示す)が、同図の
構成では行方向配線92と98が、当接部110におい
て電気的に接続しており、従って、給電端子Dxwから
両方の電子源基板の行方向配線に給電することが可能な
わけである。また、当接部110に関しては、基本的に
は機械的な接触により電気的な接続を得るものである
が、より良好で確実な接続を得るために、例えば、この
部分に可塑性の高い金属部材を配置して圧接する方法
や、あるいはこの部分に低融点の金属部材を配置して溶
着する方法を用いても良い。
【0108】以上、複数の電子源基板を用いる際の電子
源基板への給電方法について説明したが、上記の方法を
単独に、もしくは組み合わせて行うことにより、2枚以
上の電子源基板を用いる場合に好適に給電することが可
能である。
【0109】次に、図1の(2)を参照して前述した本
発明の第1の態様について、更に好ましいその実施態様
を以下に詳述する。
【0110】図12は、画像表示装置のフェ−スプレ−
トの画素配列の一例を示す平面図であり、図12中の1
2はフェ−スプレ−トの基板、Piは画素を示してお
り、同図に示されるように、表示画面の中に多数の画素
Piが、X方向に関してはPxのピッチで、Y方向に関
してはPyのピッチで配列しているものとする。
【0111】図12のような画素配列の場合において、
本発明の第1の態様で用いられる電子源基板の態様を、
図13の(1)、(2)及び図14の(1)、(2)を
参照しながら説明する。尚、図13の(1)、(2)及
び図14の(1)、(2)は各々、前記図5の(1)〜
(4)の基板配置方法に対応した態様である。
【0112】図13及び図14は、複数の電子源基板の
配置、ならびに各電子源基板上に形成された電子放出素
子の配置方法を説明するための模式的な平面図であり、
図中、電子源基板の境界は一点鎖線で示されている他、
各電子源基板上の電子放出素子はその配置方向を明確に
するために、前記図3で説明したマ−ク(即ち、矩形の
中に矢印を置いた図形)を用いて示している。また、各
電子源基板上の素子の配置方向Rを区別するため、例え
ば、電子源基板E1に形成されている素子の方向はR
(E1)のように表記している。
【0113】図13の(1)は、2枚の電子源基板E1
とE2を用いた場合の態様で、電子放出素子の向きは、
R(E1)=0[度]、R(E2)=180[度]に設
定され、また、電子放出素子の配列ピッチは画素の配列
ピッチPx、Pyと等しく設定されている。また、基板
境界部の両側の電子放出素子の間隔Lsは、すでに説明
したように上記[1]式及び[2]式を満足する数値で
設定されている。
【0114】次に、図13の(2)は、4枚の電子源基
板E3〜E6を用いた場合の態様で、各電子源基板上の
電子放出素子の配列ピッチは、画素の配列ピッチPx、
Pyと等しく設定されている。
【0115】また、各電子源基板上の電子放出素子の向
きは、 0<R(E3)< 90 90<R(E5)<180 180<R(E6)<270 270<R(E4)<360 以上の不等式で規定される角度範囲の中に含まれてい
る。尚、以後の説明で、特にことわりが無い限りは、角
度は[度]を単位として表わされているものとする。
【0116】更に、以下の関係式も満たしているが、こ
れは、基板の境界を対称軸としたとき、電子放出素子の
向きが線対称に設定されていることを意味している。 R(E4)=360−R(E3) R(E5)=180−R(E3) R(E6)=180+R(E3) また、基板境界部の両側の電子放出素子の間隔Lsx、
Lsyについては、 Lsx=Px+2・Lef・COS[R(E3)] Lsy=Py+2・Lef・SIN[R(E3)] 以上を満足するよう設定されている。但し、Lefは前
記[1]式より求められる数値である。
【0117】次に、図14の(1)は、6枚の電子源基
板E7〜E12を用いた場合の態様で、各電子源基板上
の電子放出素子の配列ピッチは、画素の配列ピッチP
x、Pyと等しく設定されている。また、各電子源基板
上の電子放出素子の向きは、以下の条件を満たすよう設
定されている。
【0118】0<R(E7) < 90 90<R(E11)<180 180<R(E12)<270 270<R(E8) <360 R(E9) = 90 R(E10)=270 R(E8) =360−R(E7) R(E11)=180−R(E7) R(E12)=180+R(E7) また、基板境界部の両側の電子放出素子の間隔Lsx、
Lsy1、Lsy2については、 Lsx =Px+Lef・COS[R(E7)] Lsy1=Py+2・Lef・SIN[R(E7)] Lsy2=Py+2・Lef 以上を満足するよう設定されている。但し、Lefは前
記[1]式より求められる数値である。
【0119】次に、図14の(2)は、8枚の電子源基
板E13〜E20を用いた場合の態様で、各電子源基板
上の電子放出素子の配列ピッチは、画素の配列ピッチP
x、Pyと等しく設定されている。また、各電子源基板
上の電子放出素子の向きは、以下の条件を満たすよう設
定されている。
【0120】0<R(E13)<R(E15)< 90 90<R(E17)<R(E19)<180 180<R(E20)<R(E18)<270 270<R(E16)<R(E14)<360 R(E14)=360−R(E13) R(E19)=180−R(E13) R(E20)=180+R(E13) R(E16)=360−R(E15) R(E17)=180−R(E15) R(E18)=180+R(E15) また、基板境界部の両側の電子放出素子の間隔Lsx
3、Lsx4、Lsy3、Lsy4については、 Lsx3=Px+Lef・{COS[R(E13)]−
COS[R(15)]} Lsx4=Px+2・Lef・COS[R(E15)] Lsy3=Py+2・Lef・SIN[R(E13)] Lsy4=Py+2・Lef・SIN[R(E15)] 以上を満足するよう設定されている。但し、Lefは前
記[1]式より求められる数値である。
【0121】以上、図13の(1)、(2)及び図14
の(1)、(2)を参照して、第1の態様に関して、い
ろいろな枚数の電子源基板を用いた実施態様を説明した
が、要するに、各電子源基板に形成される電子放出素子
の配列ピッチを画素ピッチと等しく設定し、なおかつ電
子源基板毎に電子放出素子の向きを適宜設定した。
【0122】この構成により、電子ビ−ムを基板境界部
に向けて適宜の距離を飛翔させることが可能になり、境
界部の両側の電子放出素子の距離を大きくしても表示不
能領域ができるのを防止できた。
【0123】次に、本発明の第1の態様で用いる電子放
出素子について、好適な態様を説明する。
【0124】第1の態様で用いる電子放出素子は、正
極、負極、電子放出部を構成部材として備え、しかもこ
れらの部材が基板平面上に並んで配置(並設)されてい
るものである。尚、負極の一部が電子放出部を兼ねる素
子でも良い。
【0125】このような要件を満たすものとしては、例
えば、表面伝導型放出素子や、横形の電界放出素子を挙
げることができるが、以下に、この表面伝導型放出素
子、及び、横形の電界放出素子の順に説明する。
【0126】表面伝導型放出素子には、例えば、前記図
32の態様や、電子放出部の近傍に微粒子を備えた態様
等がある。
【0127】前者に関しては、すでに従来技術の項で説
明したようにさまざまな材料のものがすでに知られてい
るが、これらはすべて第1の態様で用いる電子放出素子
として適する。
【0128】また、後者に関しては、後述の実施例にお
いて材料、構成、製法などを詳しく説明するが、すべて
第1の態様で用いる電子放出素子として適する。即ち、
第1の態様を実施するにあたり、表面伝導型放出素子を
用いる場合には、該素子の材料、構成、製法などに特に
制限はない。
【0129】そして、表面伝導型放出素子に関しては、
電子ビ−ムが偏向される方向を示すベクトルEfは、図
15の(1)及び(2)に示す向きとなる。ここで、図
15の(1)は断面図、図15の(2)は平面図であ
り、図中の140は基板、141は正極、142は負
極、143は電子放出部、VFは素子に駆動電圧を印加
するための電源である。
【0130】次に、横形の電界放出素子とは、電界放出
素子の中でも特に負極、電子放出部、正極が基板平面に
沿って並設された態様のものをさしており、例えば、前
記図33の素子は、基板平面に対して垂直方向に負極、
電子放出部、正極が設けられているため、横形の範疇に
は含まれないが、図16の(1)〜(3)に例示する素
子は横形の範疇に含まれる。
【0131】図16の(1)〜(3)は典型的な横形の
電界放出素子が基板平面上のX方向に沿って形成されて
いる例を示す斜視図で、図中の150は基板、151は
正極、152は負極、153は電子放出部である。
【0132】横形の電界放出素子には、図16の(1)
〜(3)に例示したもの以外にも、いろいろな形状のも
のがあるが、要するに図2を参照して説明したように電
子ビ−ムの軌道が鉛直方向から偏向するものであれば、
本発明の第1の態様に用いる素子として適する。したが
って、例えば、図16の(1)〜(3)の形態に、電子
ビ−ムの強度を変調するための変調電極を付加したもの
でも良く、また、電子放出部153は、負極152の一
部がこれを兼ねるものであっても良いし、負極のうえに
付加した部材であっても良い。
【0133】また、横形の電界放出素子の電子放出部に
用いる材料には、例えば、高融点金属やダイアモンドが
挙げられるが、良好に電子を放出する材料であればこれ
に限るものではない。
【0134】そして、横形の電界放出素子に関しては、
電子ビ−ムが偏向される方向を示すベクトルEfは、図
17の(1)、(2)に示す向きとなる。図17の
(1)は断面図、図17の(2)は平面図であり、図中
の150は基板、151は正極、152は負極、153
は電子放出部、VFは素子に駆動電圧を印加するための
電源である。
【0135】以上、本発明の第1の態様について、より
詳細な実施態様を説明したが、次に、本発明の参考の態
様に関し、より詳細な実施態様を以下に説明する。
【0136】参考の態様の要点は、電子源基板の境界部
の方向に電子ビームを偏向させるための偏向電極を設け
ることにあり、偏向電極の構成は必ずしも前記図4の例
に限られるものではない。
【0137】例えば、図18の断面図に示すように、電
子源基板毎に個別に偏向電極を設けても良い。同図中、
1は電子放出素子、10Aおよび10Bは電子源基板、
11は基板の境界部、14は画像表示装置の側壁、12
はフェ−スプレ−ト、13は蛍光体、18Aと18Bは
電子源基板10Aのための偏向電極、19Aと19Bは
電子源基板10Bのための偏向電極である。また、上記
2対の偏向電極には、それぞれ電圧源Vdef1とVd
ef2が個別に接続されている。
【0138】図18の例もまた、電子ビ−ムを偏向させ
る基本的な原理は前述と同じであるが、2対の偏向電極
に独立して電圧を印加できる構成としたことにより、電
子ビ−ムの偏向を電子源基板毎に独立して制御すること
が可能であるため、例えば、組み立て誤差により基板境
界部11に対して表示装置の構造が非対称になったとし
ても、Vdef1とVdef2の出力電圧を適宜調整す
ることにより、不都合なく表示を行うことが可能であ
る。
【0139】次に、参考の態様で用いる電子放出素子に
ついて態様を説明する。
【0140】第1の態様と異なり、参考の態様を実施す
る場合には、正極、電子放出部、負極が基板平面上に並
設された素子でなくとも差し支えなく、したがって、例
えば、図33で示した電界放出素子や、図34で示した
MIM型素子であっても構わない。もちろん、第1の構
成で用いられた表面伝導型放出素子や横形の電界放出素
子であっても差し支えない。また、これらの電子放出素
子の他に、例えば、PN接合を有する半導体電子放出素
子などであっても良く、要するに、参考の態様において
は、画像表示装置の蛍光体を十分に励起しうるだけの電
子ビームを放出できて、かつ、基板上に高い密度で形成
できる素子であれば、これを用いることが可能である。
【0141】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述す
る。
【0142】(実施例1)本発明の第一の態様に係る実
施例について説明する。
【0143】図19は、2枚の電子源基板を用いた表示
パネルの斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの
一部を切り欠いて示している。本表示パネルは、電子源
基板の配置に関しては図5の(1)の態様、電子源基板
の設置方法に関しては図6の(3)の態様、電子源基板
への給電方法に関しては図7の(1)の態様、電子放出
素子の配置に関しては図13の(1)の態様を採ってい
る。
【0144】以下、本表示パネルに関して、画素の配
列、電子放出素子の配置、表示パネルの構造と製法、電
子放出素子の素子構成と製法および特性、電子源基板の
構造、表示パネルの駆動方法を順に説明してゆく。
【0145】画素の配列 本表示パネルにおいては、画素を以下のピッチで配列し
た。即ち、図12の平面図を参照して示せば、 Px=0.5[mm] Py=0.5[mm]である。
【0146】電子放出素子の配置 本表示パネルにおいては、電子放出素子を以下のように
配置した。即ち、図13の(1)の平面図を参照して示
せば、 Px=Py=0.5[mm] Ls=10.5[mm] R(E1)=0[度] R(E2)=180[度]である。
【0147】尚、上記の数値は、以下に説明する設計指
針に基づいて決定した。
【0148】・まず表示パネルに用いる蛍光体と電子放
出素子を選択した。
【0149】具体的には、蛍光体材料には発光効率と色
純度の点で優れるP−22を用い、電子放出素子には電
子放出特性が優れていてしかも製造が容易な表面伝導型
放出素子を用いた。
【0150】・次に、表示パネルの性能として要求され
る最高輝度を達成するのに必要な駆動条件を求めた。
【0151】例えば、最高輝度を100[Cd/m2
に設定した場合、蛍光体P−22の発光効率が8[lm
/W]であるとするなら、蛍光体に投入すべき単位面積
あたりの電力は39[W/m2 ]と算出される。これに
基づいて、蛍光体に印加する電圧Va[V]と表面伝導
型放出素子に印加すべき電圧を決定した。
【0152】即ち、Va=10[kV]とした時、蛍光
体には単位面積あたり39×10-4[A/m2 ]の電子
ビ−ムを表面伝導型放出素子から照射する必要がある。
表面伝導型放出素子の単位面積あたりの素子数は画素ピ
ッチに基づいて4X106 [個/m2 ]と設定されてい
るが、1行単位の走査方法で駆動するので、1素子には
最大で3.3×10-7[A]の電子ビ−ム出力が要求さ
れる。そこで、この大きさの電子ビ−ムを出力可能な適
宜の表面伝導型放出素子を設計し、素子の駆動電圧Vf
[V]を20[V]に設定した。
【0153】尚、蛍光体と電子源基板の距離Lhは、1
0[kV]の電圧に対する耐圧を維持するため40[m
m]に設定した。
【0154】・上記の駆動条件を、前記[1]式と
[2]式に代入し、Lsを算出した。Ls=10.5
[mm]は、従来の問題を解決するのに十分な距離であ
ると判断できるため、これを設計値として採用した。
尚、Lsの大きさが十分でないと判断された場合には、
Va、Vf、Lh、表面伝導型放出素子のデザイン等の
パラメ−タを再設定し、十分なLsが得られるように適
宜の設計をすればよい。
【0155】表示パネルの構造と製法 図19の表示パネルについて、構造と製法を説明する。
【0156】図中、1005はリヤプレ−ト、1006
は側壁、1007はフェ−スプレ−トであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。
【0157】また、気密容器を組み立てるにあたって
は、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させる
ために封着する必要があるが、例えば、フリットガラス
を接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中にて、
摂氏400〜500度で10分以上焼成することにより
封着を達成した。尚、気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。
【0158】また、リアプレ−ト1005には、電子源
基板E1とE2が固定されているが、各電子源基板上に
はそれぞれ(N/2)×M個づつの表面伝導型放出素子
が形成され、各素子は行方向配線1003と列方向配線
1004によりマトリクス配線されている。
【0159】電子源基板E1とE2を合わせてマルチ電
子ビ−ム源と呼べば、該マルチ電子ビ−ム源はN×M個
の表面伝導型放出素子を具備していると言える。
【0160】図19では図示の便宜上から簡略化してい
るが、実際には表示パネルの用途に応じて非常に多数の
表面伝導型放出素子が形成されている。例えば、高品位
テレビジョン用の表示パネルの場合、N=3000、M
=1000以上が望ましく、実施例においてはN=30
72、M=1024とした。
【0161】尚、本表示パネルでは、平面型もしくは垂
直型の表面伝導型放出素子を用いたが、これについては
後に詳しく述べる。
【0162】また、フェ−スプレ−ト1007の下面に
は、蛍光体1008が形成されており、本実施例はカラ
−表示装置であるため、蛍光膜1008の部分にはCR
Tの分野で用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体が塗
り分けられ、各色の蛍光体は、例えば、図20に示すよ
うにストライプ状に塗り分けられ、蛍光体のストライプ
の間には黒色の導電体1010が設けてある。この黒色
の導電体1010を設ける目的は、電子ビ−ムの照射位
置に多少のずれがあっても表示色にずれが生じないよう
にすることや、外光の反射を防止して表示コントラスト
の低下を防ぐこと、電子ビ−ムによる蛍光膜のチャ−ジ
アップを防止することなどである。尚、黒色の導電体1
010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的
に適するものであればこれ以外の材料を用いても良い。
【0163】また、モノクロ−ムの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用い
れば良く、また、黒色の導電材料は必ずしも用いなくと
も良い。
【0164】また、蛍光体1008のリヤプレ−ト側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けており、メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して利用効
率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜10
08を保護すること、電子ビ−ム加速電圧を印加するた
めの電極として作用させること、蛍光膜1008を励起
した電子の導電路として作用させること等である。
【0165】メタルバック1009は、蛍光膜1008
をフェ−スプレ−ト基板1007上に形成した後、蛍光
膜表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方
法により形成した。尚、蛍光膜1008に低電圧用の蛍
光材料を用いた場合には、メタルバック1009は用い
ない。
【0166】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
−スプレ−ト基板1007と蛍光膜1008との間に、
例えば、ITOを材料とする透明電極を設けても良い。
【0167】また、Dx1〜Dxm及びD’x1〜D’xm、D
y1〜Dyn、Hvは、表示パネルと不図示の電気回路とを
電気的に接続するために設けられた気密構造の電気接続
用端子である。Dx1〜Dxm及びD’x1〜D’xmはマルチ
電子ビ−ム源の行方向配線1003と、Dy1〜Dynはマ
ルチ電子ビ−ム源び列方向配線1004と、Hvはフェ
−スプレ−トのメタルバック1009と電気的に接続し
ている。
【0168】また、気密容器を真空に排気するには、気
密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポンプと
を接続し、気密容器内を10-7torr程度の真空度ま
で排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器内
の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後
に気密容器内の所定の位置にゲッタ−膜(不図示)を形
成する。このゲッタ−膜とは、例えば、Baを主成分と
するゲッタ−材料をヒ−タ−もしくは高周波加熱により
加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッタ−膜の吸着
作用により気密容器内は、10-5〜10-7torrの真
空度に維持される。
【0169】以上、本実施例の表示パネルの基本構成と
製法について説明した。
【0170】電子放出素子の素子構成と製法および特性 次に、実施例の表示パネルで用いた表面伝導型放出素子
について説明する。
【0171】本発明者らは、電子放出部もしくはその周
辺部を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素子が電子
放出特性に優れており、しかも設計や製造が容易である
ことを見い出している。即ち、大画面で高輝度の画像表
示装置用のマルチ電子ビ−ム源に用いるには、上記微粒
子膜を用いた素子が最も適した素子だと言える。
【0172】実際に、微粒子膜から形成した平面型の表
面伝導型放出素子を用いて表示パネルを作成したとこ
ろ、極めて良好な結果を得た。また、微粒子膜から形成
した垂直型の表面伝導型放出素子を用いて作成した表示
パネルも良好な結果を得た。
【0173】そこで、微粒子膜から形成した平面型およ
び垂直型の表面伝導型放出素子について、以下に詳しく
説明する。
【0174】まず、平面型の表面伝導型電子放出素子に
ついて説明する。
【0175】図21の(a)及び(b)はそれぞれ、平
面型の表面伝導型電子放出素子の基本構成を示す模式的
平面図及び断面図である。図21において、1101は
基板、1102は正極、1103は負極、1104は導
電性薄膜、1105は通電フォ−ミング処理により形成
した電子放出部、1113は通電活性化処理により形成
した薄膜である。
【0176】基板1101としては、例えば、石英ガラ
スや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アル
ミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上記
各種基板上に、例えばSiO2 を材料とする絶縁層を積
層した基板等を用いることができる。
【0177】また、基板1101上に、基板面と平行に
対向して設けられた正極1102と負極1103は、導
電性を有する材料により形成されている。例えば、N
i、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Cu、Pd、
Ag等の金属、或いはこれら金属の合金、あるいはIn
23 −SnO2 をはじめとする金属酸化物、ポリシリ
コン等の半導体等の中から適宜材料を選択して用いれば
良い。
【0178】また、正極、負極の電極を形成するには、
例えば、真空蒸着などの成膜技術とフォトリソグラフィ
−、エッチング等のパタ−ニング技術を組み合わせて用
いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(例えば、
印刷技術)を用いて形成しても差し支えない。
【0179】正極1102と負極1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される
が、一般的には、電極間隔Lは通常は、数百オングスト
ロームから数百マイクロメートルの範囲から適当な数値
を選んで設計されるが、中でも表示装置に応用するため
に好ましいのは、数マイクロメ−トルから数十マイクロ
メ−トルの範囲である。また、その厚さdについては、
通常は数百オングストロ−ムから数マイクロメ−トルの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0180】導電性薄膜1104の部分には、微粒子膜
を用いる。
【0181】尚、ここで述べる微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことを指す。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは、
微粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互い
に重なり合った構造が観測される。
【0182】また、微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、
数オングストロ−ムから数千オングストロ−ムの範囲に
含まれるものであるが、特に好ましくは、10オングス
トロ−ム〜200オングストロ−ムの範囲のものであ
る。
【0183】また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるよ
うな諸条件を考慮して適宜設定される。即ち、素子電極
(正極1102あるいは負極1103)と電気的に良好
に接続するのに必要な条件、後述する通電フォ−ミング
を良好に行うのに必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗
を後述する適当な値にするために必要な条件等である。
【0184】微粒子膜の膜厚は、具体的には、数オング
ストロ−ムから数千オングストロ−ムの範囲の中で設定
するが、特に好ましくは10オングストロ−ム〜500
オングストロ−ムの範囲の中で設定される。
【0185】また、微粒子膜を形成するのに用いられる
材料としては、例えば、Pd、Pt、Ru、Ag、A
u、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、T
a、W、Pb等の金属、PdO、SnO2 、In2
3 、PbO、Sb23 等の酸化物、HfB2 、ZrB
2 、LaB6 、CeB6 、YB4 、GdB4 等の硼化
物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等
の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、
Ge等の半導体、カーボン等が挙げられ、これらの材料
の中から適宜選択される。
【0186】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシ−ト抵抗値については、
103 〜107 [オ−ム/□]の範囲に含まれるよう設
定した。
【0187】尚、導電性薄膜1104と正極1102及
び負極1103とは、電気的に良好に接続されるのが望
ましいため、互いの一部が重なり合うような構造をとっ
ている。その重なり方は、図21の例においては、下か
ら、基板、正極及び負極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては、下から、基板、導電性薄膜、正極
及び負極の順番で積層しても差し支えない。
【0188】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。この亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述す
る通電フォ−ミングの処理を行うことにより形成する。
【0189】また、亀裂内には、数オングストロームか
ら数百オングストロームの粒径の微粒子が配置されてい
る場合がある。尚、実際の電子放出部の位置や形状を精
密かつ正確に図示するのは困難であるため、図21にお
いては模式的に示した。
【0190】次に、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜であり、電子放出部1105及びそ
の近傍を被覆している。この薄膜1113は、通電フォ
−ミング処理後に、後述する通電活性化の処理を行うこ
とにより形成する。
【0191】薄膜113は、単結晶グラファイト、多結
晶グラファイト、非晶質カ−ボンのいずれかか、もしく
はその混合物であり、膜厚は500オングストロ−ム以
下とするが、好ましくは300オングストロ−ム以下と
するのが望ましい。
【0192】尚、実際の薄膜1113の位置や形状を精
密に図示するのは困難なため、図21においては模式的
に示した。また、平面図(a)においては、薄膜111
3の一部を除去した素子を図示した。
【0193】以上、好ましい電子放出素子の基本構成を
述べたが、本実施例においては以下のような素子を用い
た。即ち、基板1101に青板ガラスを用い、正極11
02と負極1103にはNi薄膜を用いた。正極及び負
極の電極厚dは1000オングストロ−ム、電極間隔L
は2マイクロメ−トルとした。
【0194】また、微粒子膜の主材料としてPdもしく
はPdOを用い、微粒子膜の厚さは約100オングスト
ロ−ム、幅Wは100マイクロメ−トルとした。
【0195】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0196】図22の(a)〜(c)は、表面伝導型放
出素子の製造工程を説明するための断面図であり、各部
材の表記は前記図21と同一である。
【0197】1)まず、図22の(a)に示すように、
基板1101上に正極1102及び負極1103を形成
する。
【0198】上記正極及び負極の素子電極を形成するに
あたり、予め、基板1101を、洗剤、純粋、及び有機
溶剤を用いて充分に洗浄した後、素子電極の材料を堆積
させる。この堆積方法としては、例えば、蒸着法、スパ
ッタ法等の真空成膜技術を用いれば良い。その後、堆積
した電極材料を、フォトグラフィ−・エッチング技術を
用いてパタ−ニングし、図1の(a)に示した一対の素
子電極(正極1102及び負極1103)を基板110
1上に形成する。
【0199】2)次に、図22の(b)に示すように、
導電性薄膜1104を形成する。
【0200】導電性薄膜1104を形成するにあたり、
まず、前記図22の(a)の基板に有機金属溶液を塗布
して乾燥し、加熱焼成処理して微粒子膜を成膜した後、
リソグラフィ−・エッチングにより所定の形状にパタ−
ニングする。ここで、有機金属溶液とは、導電性薄膜に
用いる微粒子の材料を主元素とする有機金属化合物の溶
液である。具体的には、本実施例では主元素としてPd
を用いた。また、本実施例では塗布方法として、ディッ
ピングホウを用いたが、それ以外にも例えばスピンナ−
法やスプレ−法等を用いても良い。
【0201】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施例で用いた有機金属溶液の塗布
による方法以外の、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、
化学的気相堆積法等を用いる場合もある。
【0202】3)次に、図22の(c)に示すように、
フォ−ミング用電源1110から正極1102と負極1
103の間に適宜の電圧を印加して、通電フォ−ミング
処理を行い、電子放出部1105を形成する。
【0203】この通電フォ−ミング処理とは、微粒子膜
で作られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一
部を適宜、破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出
を行うのに好適な構造に変化させる処理のことである。
微粒子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うの
に好適な構造に変化した部分(即ち、電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
尚、電子放出部1105が形成される前と比較すると、
形成された後、は正極1102と負極1103の間で計
測される電気抵抗は大幅に増大する。
【0204】通電方法をより詳しく説明するために、図
23に、フォ−ミング用電源1110から印加する電圧
波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄膜をフ
ォ−ミングする場合には、パルス状の電圧が好ましく、
本実施例の場合には図23に示したようにパルス幅T1
の三角パルスをパルス間隔T2で連続的に印加した。そ
の際には、三角パルスの波高値Vpfを、順次、昇圧し
た。また、電子放出部1105の形成状況をモニタ−す
るためのモニタ−パルスPmを適宜の間隔で三角パルス
の間に挿入し、その際に流れる電流を電流計1111で
計測した。
【0205】本実施例においては、例えば、10-5to
rr程度の真空雰囲気下において、パルス幅T1を1ミ
リ秒、パルス間隔T2を10ミリ秒とし、波高値Vpf
を1パルス毎に0.1Vずつ昇圧した。そして、三角波
を5パルス印加する度に1回の割で、モニタ−パルスP
mを挿入した。フォ−ミング処理に悪影響を及ぼすこと
のないように、モニタ−パルスの電圧Vpmは0.1V
に設定した。そして、正極1102と負極1103の間
の電気抵抗が、1×106 オ−ムになった段階、即ち、
モニタ−パルス印加時に電流計1111で計測される電
流が1×10-7A以下になった段階で、フォ−ミング処
理にかかわる通電を終了した。
【0206】尚、上記の方法は、本実施例の表面伝導型
放出素子に関する好ましい方法であり、例えば、微粒子
膜の材料、膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0207】4)次に、図22の(d)に示すように、
活性化用電源1112から正極1102と負極1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0208】通電活性化処理とは、前記通電フォ−ミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、電子放出部の近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積せしめる処理のことである。図22の
(d)においては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆
積物を部材1113として模式的に示した。尚、通電活
性化処理を行うことにより、行う前と比較して、同じ印
加電圧における放出電流を典型的には100倍以上に増
加させることができる。
【0209】具体的には、10-4〜10-5torrの範
囲内の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に印加する
ことにより、真空雰囲気中に存在する有機化合物を起源
とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆積物1
113は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイト、
非晶質カ−ボンのいずれかか、もしくはその混合物であ
り、膜厚は500オングストロ−ム以下、より好ましく
は300オングストロ−ム以下である。
【0210】通電方法をより詳しく説明するために、図
24の(a)に、活性化用電源1112から印加する電
圧波形の一例を示す。本実施例においては、一定電圧の
矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行ったが、
具体的には、矩形波の電圧Vacは14V、パルス幅T
3は1ミリ秒、パルス間隔T4は10ミリ秒とした。
尚、上述の通電条件は、本実施例の表面伝導型放出素子
に関する好ましい条件であり、表面伝導型放出素子の設
計を変更した場合には、それに応じて条件を適宜変更す
るのが望ましい。
【0211】図22の(d)に示す1114は、表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノ−ド電極で、直流高電圧電源1115及び電流
計1116が接続されている。尚、基板1101を、表
示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合に
は、表示パネルの蛍光面をアノ−ド電極1114として
用いる。
【0212】活性化用電源1112から電圧を印加する
間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電活性
化処理の進行状況をモニタ−し、活性化用電源1112
の動作を制御する。電流計1116で計測された放出電
流Ieの一例を図24の(b)に示すが、活性化用電源
1112からパルス電圧を印加し始めると。時間経過と
ともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほと
んど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ
飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加を
停止し、通電活性化処理を終了する。
【0213】尚、上述の通電条件は、本実施例の表面伝
導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導型
放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条件
を適宜変更するのが望ましい。
【0214】以上のようにして、図22の(e)に示す
平面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0215】次に、電子放出部もしくはその周辺を微粒
子膜から形成した表面伝導型放出素子のもう一つの代表
的な形態である、垂直型の表面伝導型放出素子の基本的
な構成について以下に説明する。
【0216】図25は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202は正極、1203は負極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォ−ミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0217】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、正極1202が段差形成部材1206上に設けられ
ており、導電性薄膜1204が段差形成部材1206の
側面を被覆している点にある。
【0218】従って、前記図21の平面型における素子
電極間隔Lは、垂直型においては、段差形成部材120
6の段差高Lgとして設定される。尚、基板1201、
正極1202及び負極1203、微粒子膜を用いた導電
性薄膜1204については、前記平面型の説明中に列挙
した材料を同様に用いることが可能である。
【0219】また、段差形成部材1206には、例え
ば、SiO2 のような電気的に絶縁性の材料を用いる。
【0220】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。
【0221】図26の(a)〜(f)は、製造工程を説
明するための断面図で、各部材の表記は前記図25と同
一である。
【0222】1)まず、図26の(a)に示すように、
基板1201上に負極1203を形成する。
【0223】2)次に、図26の(b)に示すように、
段差形成部材を形成するための絶縁層を積層する。ここ
で、絶縁層は、例えば、SiO2 をスパッタ法で積層す
れば良いが、真空蒸着法や印刷法等の他の成膜方法を用
いても構わない。
【0224】3)次に、図26の(c)に示すように、
絶縁層の上に正極1202を形成する。
【0225】4)次に、図26の(d)に示すように、
絶縁層の一部を、例えば、エッチング法を用いて除去
し、1203を露出させる。
【0226】5)次に、図26の(e)に示すように、
微粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。この
導電性薄膜を形成するには、前記平面型の場合と同じ
く、例えば、塗布法等の成膜技術を用いれば良い。
【0227】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォ−ミング処理を行い、電子放出部を形成する。こ
の通電処理も、図22の(c)にて説明した平面型の通
電フォ−ミング処理と同様の処理を行えば良い。
【0228】7)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積させる。この活性化処理も、図22の
(d)を用いて説明した平面型の通電活性化処理と同様
の処理を行えば良い。
【0229】以上のようにして、図26の(f)に示す
垂直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0230】表示装置に用いた表面伝導型放出素子の特
以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子について素
子構成と製法を説明したが、次に、表示装置に用いた素
子の特性について述べる。
【0231】図27に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、及び、(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。尚、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著し
く小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、こ
れらの特性は素子の大きさや形状等のパラメ−タを変更
することにより変化するものであるため、2本のグラフ
は各々任意単位で図示した。
【0232】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0233】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即
ち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持
った非線形素子である。
【0234】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0235】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0236】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。
【0237】例えば、多数の素子を表示画面の画素に対
応して設けた表示装置において、第一の特性を利用すれ
ば、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能であ
る。即ち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾
値電圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素
子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。そして、
駆動する素子を順次切り替えていくことにより、表示画
面を順次走査して表示を行うことが可能である。
【0238】また、第二の特性または第三の特性を利用
することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。
【0239】電子源基板の構造 次に、上述の表面伝導型放出素子を基板上に配列して単
純マトリクス配線した電子源基板の構造について述べ
る。
【0240】図28に示すのは、前記図19の表示パネ
ルに用いた電子源基板E1の平面図である。
【0241】基板上には、前記図21で示したものと同
様な表面伝導型放出素子が配列され、これらの素子は行
方向配線電極1003と列方向配線電極1004により
単純マトリクス状に配線されている。また、行方向配線
電極1003と列方向配線電極1004の交差する部分
には、電極間に絶縁層(不図示)が形成されており、電
気的な絶縁が保たれている。
【0242】図28のA−A’に沿った断面図を図29
に示す。
【0243】尚、このような構造の電子源基板E1は、
予め基板1001上に、行方向配線電極1003、列方
向配線電極1004、電極間絶縁層(不図示)、及び表
面伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した
後、行方向配線電極1003及び列方向配線電極100
4を介して各素子に給電して、通電フォ−ミング処理と
通電活性化処理とを行うことにより製造した。
【0244】表示パネルの駆動方法 次に、図19の表示パネルを用いて画像表示を行う方法
について、図30と図31を参照して説明する。
【0245】尚、図30は電気回路のブロック図で、図
31は電気回路の動作を示すタイミングチャ−トであ
る。
【0246】図30において、1300は図19で示し
た表示パネル、1301は走査側駆動回路、1302は
変調側駆動回路、1303はデコ−ダ、1304はタイ
ミング制御回路、1305はシフトレジスタ、1306
は1ラインメモリ、1307は変調信号発生器、130
8は走査信号発生器、VaとVfは電源である。
【0247】以下、各部の動作を順をおって説明してゆ
く。
【0248】まず、外部からデコ−ダ1303に入力さ
れる画像信号(たとえばテレビジョン信号)は、通常は
時系列的にシリアルな手順で入力される。そこで、外部
より供給される画像信号は、デコ−ダ1303により同
期信号Syncと画像デ−タDataに分離され、それ
ぞれタイミング制御回路1304とシフトレジスタ13
05に対して出力される。より詳細には、同期信号Sy
ncは、画像1ラインの同期信号たる水平同期信号と、
画像の1画面の同期信号たる垂直同期信号より成るが、
説明の便宜上、両方をまとめて同期信号Syncと呼
ぶ。また、画像デ−タDataは、カラ−画像信号の場
合には、RGBの3原色成分より成るが、説明の便宜
上、まとめて画像デ−タDataと呼ぶ。
【0249】タイミング制御回路1304は、前記同期
信号Syncに基づき、表示装置の各部の動作を整合さ
せるための各種のタイミング制御信号を発生する。
【0250】まず、シフトレジスタ1305に対して、
表示パネルの1ライン(=n画素)分の画像デ−タをサ
ンプリングしてシリアル/パラレル変換するためのシフ
トクロックTsftを出力する。ここで、Data及び
Tsftを、図31のタイムチャ−トの(1)と(2)
に示す。
【0251】シリアル/パラレル変換された画像1ライ
ン分のデ−タ(Id1〜Idn)は、前記タイミング制
御回路1304の出力するメモリ−ロ−ドタイミング制
御信号Tmryに基づいてラインメモリ1306に蓄積
される。ここで、図31のタイムチャ−トの(3)、
(4)に、メモリ−ロ−ドタイミング制御信号Tmry
と、ラインメモリ1306の出力信号(I’d1〜I’
dn)を図示する。
【0252】変調信号発生器1307は、前記ラインメ
モリ1306の出力信号(I’d1〜I’dn)に基づ
いて、変調信号Gm1〜Gmnを発生する。
【0253】本実施例では、変調信号発生器1307
に、画像デ−タに応じてパルスの長さを変調するパルス
幅変調方式を用いた。
【0254】変調信号Gm1〜Gmnのタイミングを図
31の(6)に示す。
【0255】変調側駆動回路1302は、電圧がVf
[V]で、長さを変調信号Gm1〜Gmnに準じて制御
されたパルス信号を発生する。このパルス信号は、表示
パネルの給電端子Dy1〜Dynを経由して電子源基板
の列方向配線に印加される。尚、本実施例では、Vfは
20[V]に設定されている。
【0256】一方、タイミング制御回路1304は、表
示パネル1300内のマルチ電子ビ−ム源を走査するた
めの制御信号Tscanを発生して、走査信号発生器1
308に出力する。本実施例においては、表示パネル内
の2枚の電子源基板について、それぞれ個別に走査信号
発生器1308と走査側駆動回路1301を設けている
が、これらは同一のタイミングで動作するものである。
【0257】走査信号発生器1308は、制御信号Ts
canにもとづいて走査信号Gs1〜Gsmを発生す
る。走査信号Gs1〜Gsmの内容を図31の(5)に
示すが、ここでオンと記されているものに対応して、走
査側駆動回路1301はグランドレベルすなわち0
[V]を給電端子に接続する。即ち、表示パネルの給電
端子Dx1〜DxmおよびD’x1〜D’xmを経由し
て、電子源基板の行方向配線に0[V]の走査パルスが
印加される。
【0258】また、電源Vaからは、10[kV]の直
流電圧が出力されており、これは給電端子Hvを経由し
て表示パネル1300内の蛍光体に印加される。
【0259】以上、表示パネル1300の駆動方法につ
いて説明した。
【0260】(実施例2)本発明の第1の態様による他
の実施例として、4枚の電子源基板を用いた表示装置に
ついて説明する。
【0261】本実施例の画素の配列、表示パネルの構造
と製法、電子放出素子の素子構成と製法および特性、電
子源基板の構造、表示パネルの駆動方法の主要な部分は
前記実施例1とほぼ同一なため説明を省略する。
【0262】実施例2の電子放出素子の配置に関して
は、図13の(2)を参照して説明する。
【0263】本実施例においては、表面伝導型放出素子
を以下のように配置した。 Px=Py=0.5[mm] Lsx=Lsy=7.5[mm] R(E3)=45 [度] R(E4)=315[度] R(E5)=135[度] R(E6)=225[度] 尚、以下の条件は実施例1と同様である。 Va=5[kV]、Vf=20[V]、Lh=40[m
m]
【0264】(実施例3)本発明の第1の態様による他
の実施例として、6枚の電子源基板を用いた表示装置に
ついて説明する。
【0265】本実施例の画素の配列、表示パネルの構造
と製法、電子放出素子の素子構成と製法および特性、電
子源基板の構造、表示パネルの駆動方法の主要な部分は
前記実施例1とほぼ同一なため説明を省略する。
【0266】実施例3の電子放出素子の配置に関して
は、図14の(1)を参照して説明する。
【0267】本実施例においては、表面伝導型放出素子
を以下のように配置した。 Px=Py=0.5[mm] Lsx=4.9[mm] Lsy1 =5.5[mm] Lsy2 =10.5[mm] R(E7) = 30[度] R(E8) =330[度] R(E9) = 90[度] R(E10)=270[度] R(E11)=150[度] R(E12)=210[度] 尚、以下の条件は実施例1と同様である。 Va=5[kV]、Vf=20[V]、Lh=40[m
m]
【0268】(実施例4)本発明の第1の態様による他
の実施例として、8枚の電子源基板を用いた表示装置に
ついて説明する。
【0269】本実施例の画素の配列、表示パネルの構造
と製法、電子放出素子の素子構成と製法および特性、電
子源基板の構造、表示パネルの駆動方法の主要な部分は
前記実施例1とほぼ同一なため説明を省略する。
【0270】実施例3の電子放出素子の配置に関して
は、図14の(1)を参照して説明する。
【0271】本実施例においては、表面伝導型放出素子
を以下のように配置した。 Px=Py=0.5[mm] Lsx3 = 3.2[mm] Lsx4 = 3.9[mm] Lsy3 = 5.5[mm] Lsy4 = 9.9[mm] R(E13)= 30[度] R(E14)=330[度] R(E15)= 70[度] R(E16)=290[度] R(E17)=110[度] R(E18)=250[度] R(E19)=150[度] R(E20)=210[度] 尚、以下の条件は実施例1と同様である。 Va=5[kV]、Vf=20[V]、Lh=40[m
m]
【0272】(参考例1) 本発明の参考の態様による参考例について説明する。
【0273】図4を参照しながら、各部の詳細を説明す
る。
【0274】まず、電子放出素子1には電界放出型素子
を用いた。また、各部の寸法は、以下のように設定し
た。 Px=PAx=PBx=0.5[mm] Lh=40[mm] Ldx=127[mm] Ldz=38[mm] Ls=4.5[mm] また、蛍光体13に印加する電圧Va、および偏向電極
に印加する電圧Vdefは、以下のように設定した。 Va=5[kV]、Vdef=840[V]
【0275】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では複数の
電子源基板を組み合わせて大画面の表示装置を実現する
際、電子ビ−ムを電子源基板の境界部の方向に適宜の距
離だけ偏向させる。
【0276】これにより、従来から問題となっていた表
示不能領域の発生を防止できた。
【0277】また、本発明により提供される大画面表示
装置は、画像品位が優れるため、民生用や産業用として
高い利用価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本思想を説明する断面図(1)、本
発明の第1の態様を示す平面図(2)。
【図2】電子ビ−ムの軌道を示す図。
【図3】電子放出素子の配置される向きを示す模式図。
【図4】本発明の参考の態様を示す断面図。
【図5】本発明の電子源基板の配置の態様を示す平面
図。
【図6】本発明の電子源基板の設置方法の態様を示す断
面図。
【図7】本発明の電子源基板への給電方法の態様を示す
図。
【図8】図7の(2)の態様を具体的に示す平面図。
【図9】図7の(3)の態様を具体的に示す断面図。
【図10】図9の電子源基板E9の製造方法を示す図。
【図11】図7の(4)の態様を具体的に示す断面図。
【図12】表示パネルの画素配置を示す平面図。
【図13】本発明の第1の態様の例を示す平面図。
【図14】本発明の第1の態様の他の例を示す平面図。
【図15】表面伝導型放出素子の向きを示す図。
【図16】第1の態様に好適な横形の電界放出素子を例
示する斜視図。
【図17】横形の電界放出素子の向きを示す図。
【図18】本発明の参考の態様を示す断面図。
【図19】本発明の実施例である画像表示装置の表示パ
ネルの一部を切り欠いて示した斜視図。
【図20】表示パネルのフェ−スプレ−トの蛍光体配列
を例示した平面図。
【図21】実施例で用いた平面型の表面伝導型放出素子
の平面図(a)、断面図(b)。
【図22】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図。
【図23】通電フォ−ミング処理の際の印加電圧波形の
例を示す図。
【図24】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a)、
放出電流Ieの変化(b)の例を示す図。
【図25】実施例で用いた垂直型の表面伝導型放出素子
の断面図。
【図26】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図。
【図27】実施例で用いた表面伝導型放出素子の典型的
な特性を示すグラフ。
【図28】実施例で用いた電子源基板の平面図。
【図29】実施例で用いた電子源基板の一部断面図。
【図30】実施例の表示パネルの駆動回路のブロック
図。
【図31】実施例の駆動回路の動作手順を示すタイミン
グチャ−ト
【図32】従来の表面伝導型放出素子の一例を示す平面
図。
【図33】従来の電界放出型素子(FE型)の一例を示
す断面図。
【図34】従来のMIM型素子の一例を示す断面図。
【図35】電子放出素子の配線方法の例を示す図。
【図36】従来問題となっていた表示不能領域について
説明するための図。
【符号の説明】
10,20,72,80,90,97,140,15
0,1101,1201基板 11,73,110 境界部(基板当接部) 12,70,1007 フェ−スプレ−ト 13,1008 蛍光体 14,71,1006 側壁 15,16,17,18,19 偏向電極 1,81 電子放出素子 21,141,151,1102,1202 正極(素
子電極) 22,142,152,1103,1203 負極(素
子電極) 23,143,153,1105,1205 電子放出
部 24 タ−ゲット 25 電子ビ−ム照射位置 82,92,98,1003 行方向配線 83,93,99,1004 列方向配線 84 配線接続部 94 側面導電部材 95,100 絶縁層 101,102 接着剤 1005 リヤプレ−ト 1009 メタルバック 1010 黒色導電体 1104,1204 導電性薄膜 1112 活性化用電源 1113,1213 薄膜 1114 アノ−ド電極 1115 直流高電圧電源 1116 電流計 1206 段差形成部材 103 ロ−ラ− 104 スクリ−ン 105 導電性ペ−スト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠貫 有二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−266832(JP,A) 特開 平1−100842(JP,A) 特開 平7−134559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/46 H01J 31/12 H01J 31/15

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示装置であって、 複数の基体と画像形成部材とを有しており、 前記複数の基体は互いに並設されており、 前記複数の基体のそれぞれには複数の電子放出素子が
    配置されており、 前記電子放出素子は負極と正極を有しており、駆動電
    圧を印加したときに電子放出部をとおり前記基体平面か
    ら前記画像形成部材に向けた法線に対して非対称な電位
    分布が生じるような電子放出素子であり、 前記画像形成部材は前記電子放出素子から放出される
    電子線の照射により画像を形成するものであり、 前記複数の基体のそれぞれにおいては、前記複数の電
    子放出素子それぞれを構成する前記負極と前記正極の並
    んでいる方向が共通であり、かつその方向が前記基体間
    の境界に向いている、 ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記電子放出素子及び前記画像形成部材
    の各々に電圧を印加する電圧印加手段を含む請求項1に
    記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子放
    出素子である請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子は、横形の電界放出型
    電子放出素子である請求項1に記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記基体と前記画像形成部材との間に配
    置される偏向電極を有する請求項1に記載の画像表示装
    置。
  6. 【請求項6】 前記複数の電子放出素子は、行方向配線
    及び列方向配線によりマトリクス配線されている請求項
    1に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の基体の各々に配設されている
    配線は、前記基体間の境界において、互いに電気的に接
    続されている請求項1に記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 更に、前記基体間の境界には、基体の側
    面から裏面にかけて導電部材が配置されており、前記複
    数の基体の各々に配設される配線は、前記導電部材と電
    気的に接続されている請求項1に記載の画像表示装置。
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