JP3167072B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J2201/00—Electrodes common to discharge tubes
- H01J2201/30—Cold cathodes
- H01J2201/316—Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
- H01J2201/3165—Surface conduction emission type cathodes
Description
装置に関し、特に表面伝導形電子放出素子を多数個備え
る電子源を用いた表示装置等の画像形成装置に関するも
のである。
陰極電子源の2種類が知られている。
出型(以下、FE型と略す)、金属/絶縁層/金属型
(以下、MIM型と略す)や表面伝導形電子放出素子等
がある。
e&W.W.Dolan、“Fieldemissio
n”、Advance in Electron Ph
ysics、8、89(1956)あるいはC.A.S
pindt、“PHYSICALProperties
of thin−film field emiss
ion cathodes with molybde
niumcones”、J.Appl.Phys.、4
7、5248(1976)等が知られている。
ad、“The tunnel−emission a
mplifier、J.Appl.Phys.、32、
646(1961)等が知られている。
は、M.I.Elinson、Radio Eng.E
lectron Pys.、10、(1965)等があ
る。
形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこ
とにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである
が、この表面伝導形電子放出素子としては、前記エリン
ソン等によるSnO2 薄膜を用いたものの他、Au薄膜
によるもの[G.Dittmer:“Thin Sol
id Films”、9、317(1972)]、In
2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwel
l and C.G.Fonstad:”IEEE T
rans.ED Conf.”、519(197
5)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、
第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告され
ている。
な素子構成として、前述のM.ハートウェルの素子構成
を図43に示す。同図において431は絶縁性基板、4
32は電子放出部形成用薄膜で、H型形状のパターン
に、スパッタで形成された金属酸化物薄膜等からなり、
後述のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出
部433が形成される。ここで、434は電子放出部を
含む薄膜と呼ぶことにする。尚、図43中のL1は0.
5〜1mm、Wは0.1mmで設定されている。
おいては、電子放出を行う前に、電子放出部形成用薄膜
432に、予めフォーミングと呼ばれる通電処理を施す
ことにより、電子放出部433を形成するのが一般的で
あった。即ち、フォーミングとは、前記電子放出部形成
用薄膜432の両端に、直流電圧あるいは非常にゆっく
りとした昇電圧、たとえば1V/分程度を印加通電し、
電子放出部形成用薄膜432を局所的に破壊、変形もし
くは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出
部433を形成することである。尚、電子放出部433
は、電子放出部形成用薄膜432の一部に亀裂が発生
し、その亀裂付近から電子放出が行われる。前記フォー
ミング処理を施した表面伝導形電子放出素子は、上述電
子放出部を含む薄膜434に電圧を印加し、素子に電流
を流すことにより、前記電子放出部433より電子を放
出せしめるものである。
子放出素子においては、実用化にあたっては、様々の問
題があったが、本出願人等は後述する様な様々な改善を
鋭意検討し、実用化上の様々な問題点を解決してきた。
単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数
素子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を
生かせるようないろいろな応用が研究されているが、例
えば、荷電ビーム源、表示装置等が挙げられる。
した例としては、並列に表面伝導形電子放出素子を配列
し、個々の素子の両端を配線にてそれぞれ結線した行を
多数行配列した電子源があげられる(例えば、本出願人
の特開昭64−31332号公報)。
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに
替わって普及してきたが、自発光型でないため、バック
ライト等を持たなければならない等の問題点があり、自
発光型の表示装置の開発が望まれてきた。表面伝導形電
子放出素子を多数配置した電子源と、電子源より放出さ
れた電子によって、可視光を発光せしめる蛍光体とを組
み合わせた表示装置である画像形成装置は、大画面の装
置でも比較的容易に製造でき、かつ表示品位の優れた自
発光型表示装置である(例えば、本出願人の米国特許公
報5066883号)。
より構成された電子源より、電子放出させて蛍光体を発
光させる素子の選択は、上述の多数の表面伝導形電子放
出素子を並列に配置し結線した配線(行方向配線と呼
ぶ)と、これに直交する方向(列方向と呼ぶ)に、該電
子源と蛍光体間の空間に設置された制御電極(グリッド
と呼ぶ)とへの適当な駆動信号によるものである(例え
ば、本出願人の特開平1−283749号公報)。
表面伝導形電子放出素子とグリッドとの位置合わせや、
グリッドと表面伝導形電子放出素子間の距離が均一であ
ることが必要であり、これらは製造方法上の問題点であ
った。これらの問題点に鑑みて、これらグリッドに伴う
製造法上の問題を解決するため、グリッドを表面伝導形
電子放出素子近傍に積層した新規な構成が提案された
(例えば、本出願人の特開平3−20941号公報)。
用いた表面素子の例としては、特公昭45−31615
号公報に、図44、図45に示すように、直列に接続さ
れた横電流型電子放出体442と、この電子放出体44
2と格子を形成するが如く配置された帯状の透明電極4
44との間に、小さな孔443′を有するガラス板44
3を、その孔443′が丁度、前述の格子の交点にくる
ように配置し、その孔443′にガスを封入し、電子を
放出している横電流型電子放出体442と、加速電圧E
2の加えられた透明電極444との交点のみが、ガス放
電によって発光するようにした表示装置が開示されてい
る。尚、この特公昭45−31615号公報のなかで
は、横電流型電子放出体に関する詳細な説明はないが、
記載された材料(金属薄膜、ネサ膜)や、ネック部44
2′の構造が、前述の表面伝導形電子放出素子と同一で
あることから、表面伝導形電子放出素子の範疇に含まれ
るものと考えられる。尚、本願発明者等が用いた表面伝
導形電子放出素子という呼称は、“薄膜ハンドブック”
の記載に準じたものである。
れていた表面伝導形電子放出素子を用いて試みられた画
像表示装置において、発生していた問題点について説明
する。
された表示装置においては、以下に述べるような、主と
して3つの問題点があった。
体から放出された電子を加速し、ガス分子と衝突せしめ
て放電させるものであるが、横電流型電子放出体に同じ
電流を流しても、放電発光輝度が画素毎にばらついた
り、同一画素でも輝度が変動するという問題があった。
その原因としては、放電強度はガスの状態に大きく依存
するものであり、制御性が良くない事、更に、横電流型
電子放出体の出力は、その実験例のなかで述べられてい
る様な、15mmHg程度の圧力下では必ずしも安定で
はない事、などが挙げられる。
難であり、用途が限定される。
変える事により、発光色を変える事が可能であるが、一
般に放電発光で得られる可視光波長は限られており、必
ずしも広い範囲の色を表現できるものではない。また、
ガスの種類によっては、放電発光の最適圧力も異なる場
合が多い。
すると、孔毎に封入するガスの種類や圧力を変える必要
があり、パネルの製造を著しく困難にしていた。また、
異なるガスを封入した三枚のパネルを積層してカラー化
するのは、装置の大きさ、重量や費用の面で現実的では
なかった。
の作成された基板、帯状の透明電極、ガスを封入した孔
等の構成要素を組合わせてなるため 構造が複雑であ
り、しかも各要素間の位置ずれに対する許容誤差が小さ
い。また、前記公報中に例示されている通り、放電発光
の閾値電圧が35[V]と高いため、パネルを駆動する
電気回路には、高い耐圧の電気素子を使用する必要があ
る。
かり、該装置を安価に提供する事は困難であった。
前記表示装置はテレビジョン受像機等に広く応用される
には至ってない。
これまで提案してきた表面伝導形電子放出素子を複数設
置した電子源、及び、該電子源と対向した位置に蛍光体
を配置した該表示装置等の画像形成装置においても、以
上に述べるような問題点があった。
配列した素子の配線(行方向配線)と直交する方向(列
方向配線)にグリッドを設ける事が、電子を放出する素
子を選択するためには必須であり、この点において、前
記電子源は電子を放出する素子を選択してその電子放出
量を制御し得る電子源であるが、簡易な構成でかつ容易
に製造できる電子源とは言い難かった。
おいては、該電子源と対向した位置に配置された蛍光体
を、選択的に制御された明るさで発光せしめるには、上
記電子源同様、グリッドが必須であり、簡易な構成でか
つ容易に製造でき、入力信号に応じて電子を放出する素
子を選択しその電子放出量を制御して、蛍光体の輝度を
制御でき得る表示装置等の画像形成装置であるとは言い
難かった。
数の表面伝導形電子放出素子を備える電子源から、入力
信号に応じて任意の該素子を選択し、その放出電子量を
制御し得る簡易な構成でかつ容易に製造でき、安価で新
規な構成の電子源を用い、該電子源と対向した位置に蛍
光体等の画像形成部材を配置した表示装置等の画像形成
装置であって、選択的に制御された明るさで、前記画像
形成部材を発光せしめる表示品位の高い、しかもカラー
化の容易な新規な構成の画像形成装置を提供することを
目的とする。
て、階調表示特性にも優れた画像形成装置を提供するこ
とを目的とする。
て、発光点の形状にも優れ、発光点間のクロストークも
また少ない等の表示品位の高い画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
発明は、基板と、該基板上に絶縁層を介して積層された
m本の行方向配線およびn本の列方向配線と、並設され
た高電位側素子電極と低電位側素子電極との間に電子放
出部を含む薄膜を有する表面伝導形電子放出素子の複数
とを有し、該高電位側および低電位側の素子電極と該行
方向配線および該列方向配線とが結線された電子源と、
画像を構成する画素に対応して行列状に配列された前記
表面伝導形電子放出素子からの電子線が照射される画像
形成部材と、該複数の表面伝導形電子放出素子の中か
ら、素子行を選択する選択手段と、入力信号に応じて変
調信号を発生し、該選択手段により選択された該素子行
に、該変調信号を印加する変調手段とを有し、該入力信
号に応じて画像を形成する画像形成装置において、前記
画像を構成する画素の各々に対し、2以上の電子ビーム
が重ね合わされて輝点を形成するものであって、前記2
以上の電子ビームを放出する複数の電子放出部は、夫々
の電子放出部を備える表面伝導形電子放出素子各々の前
記高電位側素子電極を間に挟んで並設されており、その
並設方向における前記複数の電子放出部の間隔Wが互い
に以下の関係式(I)を満たして配置されていることを
特徴とする画像形成装置である。 K2×2H(Vf/Va)1/2≧W/2≧K3×2H
(Vf/Va)1/2 …(I) [但し、K2=1.25±0.05、K3=0.35±
0.05、Hは表面伝導形電子放出素子と画像形成部材
との距離、Vfは電子放出時に表面伝導形電子放出素子
に印加される電圧、Vaは画像形成部材に印加される電
圧を示す]
を詳述する。
6822号公報等を参考にして本発明に係る電子放出素
子の基本的な構成と製造方法、及び、その特徴について
以下に概説する他、本発明者等が、鋭意検討した結果見
出した、本発明の原理となる、新たな、表面伝導形電子
放出素子の特性について概説する。
成及び製造方法の特徴は、次の様なものが挙げられる。
の電子放出部形成用薄膜は、微粒子分散体を分散し形成
された微粒子からなる薄膜、あるいは有機金属等を加熱
焼成し形成された微粒子からなる薄膜等、基本的には微
粒子より構成される。
の電子放出部を含む薄膜は、電子放出部、電子放出部を
含む薄膜ともに、基本的には微粒子より構成される。
いて説明する。
に係る基本的な平面型表面伝導形電子放出素子の構成を
示す平面図及び断面図である。この図1を用いて、本発
明に係る素子の基本的な構成を説明する。
極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部であ
る。
の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガ
ラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層した
ガラス基板等、あるいはアルミナ等のセラミックス等の
とりわけ、絶縁性基板が好適に用いられる。
としては、導電性を有するものであればどのようなもの
であっても構わないが、例えばNi、Cr、Au、M
o、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属、或は
合金及びPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag等の
金属、或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導
体、In2 O3 −SnO2 等の透明導電体及びポリシリ
コン等の半導体材料等が挙げられる。
ムから数百マイクロメートルであり、素子電極の製法の
基本となるフォトリソグラフィー技術、即ち、露光機の
性能とエッチング方法等、及び、素子電極間に印加する
電圧と電子放出し得る電界強度等により設定されるが、
好ましくは数マイクロメートルから数十マイクロメート
ルである。
厚dは、電極の抵抗値、前述したX配線及びY配線との
結線、多数配置された電子放出素子の配置上の問題より
適宜設計され、通常は素子電極長さW1は、数マイクロ
メートルから数百マイクロメートルであり、素子電極
5、6の膜厚dは、数百オングストロームから数マイク
ロメートルである。
及び素子電極6間と、素子電極5、6上に設置された、
電子放出部を含む薄膜4は、電子放出部3を含むが、図
1(b)に示された形態だけでなく、素子電極5、6上
には設置されない形態もある。即ち、基板1上に、電子
放出部形成用薄膜2、対向する素子電極5、6の順に積
層構成した形態もある。また、製法によっては、対向す
る素子電極5と素子電極6の間全てが電子放出部として
機能する場合もある。この電子放出部を含む薄膜4の膜
厚は、好ましくは数オングストロームから数千オングス
トロームで、特に好ましくは10オングストロームから
500オングストロームであり、素子電極5、6へのス
テップカバレージ、電子放出部3と素子電極5、6間の
抵抗値、電子放出部3の導電性微粒子の粒径、さらには
後述する通電処理条件等によって適宜設定される。また
その抵抗値は、10の3乗から10の7乗オーム/□の
シート抵抗値を示す。
具体例を挙げるならば、Pd、Nb、Mo、Rh、H
f、Re、Ir、Pt、Al、Co、Ni、Cs、B
a、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、F
e、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、S
nO2 、In2 O3 、PbO、Sb2 O3 、BaO、M
gO等の酸化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、Ce
B6 、YB4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、
HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、Z
rN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カー
ボン等であり、微粒子からなる。
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さす。
グストロームから数百オングストローム、特に好ましく
は10オングストロームから500オングストロームの
粒径の導電性微粒子多数個からなり、電子放出部を含む
薄膜4の膜厚及び後述する通電処理条件等の製法に依存
しており、適宜設定される。また、電子放出部3を構成
する材料は、電子放出部を含む薄膜4を構成する材料の
元素の一部あるいは全てを有する材料である。
の製造法としては、様々な方法が考えられるが、その一
例を図2に示す。図2中、2は電子放出部形成用薄膜
で、例えば微粒子膜が挙げられる。
び図2に基づいて説明する。
り十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により素子
電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技術により該
基板1の面上に素子電極5、6を形成する(図2の
(a))。
子電極6との間の基板1上に、有機金属溶液を塗布して
放置することにより、有機金属薄膜を形成する。尚、有
機金属溶液とは、前記Pd、Ru、Ag、Au、Ti、
In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb
等の金属を主元素とする有機化合物の溶液である。この
後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッ
チング等によりパターニングし、電子放出部形成用薄膜
2を形成する(図2の(b))。尚、ここでは有機金属
溶液の塗布法により説明したが、これに限る物でなく、
真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布
法、ディッピング法、スピンナー法等によって形成され
る場合もある。
電処理を、素子電極5、6間に電圧を不図示の電源によ
り、パルス状あるいは高速の昇電圧によって行うと、電
子放出部形成用薄膜2の部位に構造の変化した電子放出
部3が形成される(図2の(c))。この通電処理によ
り電子放出部形成用薄膜2を局所的に破壊、変形もしく
は変質せしめ、構造の変化した部位を電子放出部3と呼
ぶ。尚、先に説明したように、電子放出部3は導電性微
粒子で構成されていることを本出願人らは観察してい
る。
一例を図4に示す。
幅とパルス間隔であり、T1を1マイクロ秒〜10ミリ
秒、T2を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波
の波高値(フォーミング時のピーク電圧)は4〜10V
程度とし、フォーミング処理は真空雰囲気化で数十秒間
から数分間程度で適宜設定した。
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミング処
理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波などの所望の波形を用
いても良く、その波高値及びパルス幅、パルス間隔等に
ついても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に
形成されるように、電子放出素子の抵抗値等に合わせ
て、所望の値を選択することができる。
表面伝導形電子放出素子においては、前記製造方法の一
部を変更しても良い。
ような製造方法によって作成される本発明に係る電子放
出素子の基本特性について、図3、図5を用いて説明す
る。
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。
電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部を示
す。また、31は素子に素子電圧Vfを印加するための
電源、30は素子電極5、6間の電子放出部を含む薄膜
4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、34
は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉
するためのアノード電極、33はアノード電極34に電
圧を印加するための高圧電源、32は素子の電子放出部
3より放出される放出電流Ieを測定するための電流計
である。
流Ieの測定にあたっては、素子電極5、6に電源31
と電流計30とを接続し、該電子放出素子の上方に電源
33と電流計32とを接続したアノード電極34を配置
している。また、電子放出素子及びアノード電極34は
真空装置内に設置され、その真空装置には不図示の排気
ポンプ及び真空計等の真空装置に必要な機器が具備され
ており、所望の真空化で本素子の測定評価を行えるよう
になっている。尚、排気ポンプは、ターボポンプ、ロー
タリーポンプからなる通常の高真空装置系と、更に、イ
オンポンプからなる超高真空装置系からなる。また、真
空装置全体、及び電子源基板は、不図示のヒーターによ
り200℃程度まで加熱できるようになっている。ま
た、アノード電極の電圧は1kV〜10kV、アノード
電極と電子放出素子との距離Hは2mm〜8mmの範囲
で測定した。
る表面伝導形電子放出素子の特性を鋭意検討した結果、
本発明の原理となる特性上の特徴を見いだした。
た放出電流Ieおよび素子電流Ifと、素子電圧Vfの
関係の典型的な例を図5に示す。尚、図5は放出電流I
eが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任意単位
で示されている。この図5からも明らかなように、本電
子放出素子は放出電流Ieに対する三つの特性を有す
る。
(これを、閾値電圧と呼び、図5中にはVthで示して
ある)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ie
が増加し、一方、閾値電圧Vth以下では放出電流Ie
がほとんど検出されない。即ち、本電子放出素子は、放
出電流Ieに対する明確な閾値電圧Vthを持った非線
形素子である。
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。即
ち、アノード電極34に捕捉される電荷量は、素子電圧
Vfを印加する時間により制御できる。
係る電子放出素子は、多方面への応用が期待できる。
て、単調増加する特性(図5の実線で示され、これを、
MI特性と呼ぶ)を示す場合と、電圧制御型負性抵抗特
性(図5の破線で示され、これをVCNR特性と呼ぶ)
を示す場合とがあるが、このような素子電流Ifの特性
は、その素子の製造方法に依存することを本発明者等は
新たに見出した。
常の真空装置系で、フォーミングを行ったときに発生
し、その特性は、フォーミング時の電気的条件や、真空
装置系の真空雰囲気条件等、あるいは、フォーミングを
既に行った電子放出素子の特性測定時の真空装置系の真
空雰囲気条件や、該測定時の電気的測定条件、例えば、
電子放出素子の電流−電圧特性を得るために、素子に印
加する電圧を低電圧から高電圧まで掃引した時の掃引速
度等、あるいは、該測定時までの電子放出素子の真空装
置内での放置時間等に依存して、大きく変化することが
判明した。尚、このとき、放出電流Ieに関しては、M
I特性を示す。
鑑み、通常の真空装置内で、素子電流IfがVCNR特
性を示す表面伝導形電子放出素子を、超高真空系に移設
して、高温ベーキング処理(例えば、100℃で15時
間放置)後、該特性の測定を行うと、素子電流If、放
出電流Ie共に、電圧Vfに対して、MI特性を示すこ
とを新たに見出した。
増加に類似の特性は、例えば、本出願人の特開平1−2
79542号公報に記載の素子のように、通常の真空装
置系で素子をフォーミング処理する際に、低電圧から高
電圧への比較的速い掃引速度で電圧を素子に印加した場
合に観察されているが、本発明者等が見出した、前記超
高真空系でのIe、Ifの単調増加特性とは異なり、そ
の電流値が相違する。よって、従来の前記素子とは、素
子の状態が明らかに相違するものと推定される。
素子電流If、放出電流Ieの素子印加電圧Vfに対す
る単調増加特性(MI特性)は、本発明に係わる表面伝
導形電子放出素子の更なる多方面への応用を期待させ
る。
電子放出素子である垂直型表面伝導形電子放出素子につ
いて説明する。
面伝導形電子放出素子の構成を示す図である。
は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部、67は段差
形成部である。ここで、基板1、素子電極5と6、電子
放出部を含む薄膜4、電子放出部3は、前述した平面型
表面伝導形電子放出素子と同様の材料で構成されたもの
であり、垂直型表面伝導形電子放出素子を特徴付ける段
差形成部67、電子放出部を含む薄膜4について詳述す
る。
スパッタ法等で形成されたSiO2等の絶縁性材料で構
成され、段差形成部67の厚さは、先に述べた平面型表
面伝導形電子放出素子の素子電極間隔L1に対応し、数
百オングストロームから数十マイクロメートルであり、
段差形成部の製法、及び素子電極間に印加する電圧と電
子放出し得る電界強度により設定されるが、好ましくは
数千オングストロームから数マイクロメートルである。
6と段差形成部67作成後に、形成するため、素子電極
5、6の上に積層され、場合によっては、素子電極5、
6との電気的接続をする重なりをもった所望の形状にさ
れる。また電子放出部を含む薄膜4の膜厚は、その製法
に依存しており、段差部での膜厚と素子電極5、6の上
に積層された部分の膜厚では、異なる場合が多く、一般
に段差部分の膜厚は薄い傾向にある。また、電子放出部
3は、薄膜4のいずれかの位置に形成されるものであっ
て、図6に示された位置に形成されるとは限らない。
構成、製法について述べたが、本発明の思想によれば、
表面伝導形電子放出素子の特性で先に述べた3つの特徴
を有すれば、上述の構成、製法等に限定されず、後述の
電子源や、表示装置等の画像形成装置に於ても適用でき
る。
置について述べる。
素子の3つの基本的特性の特徴、即ち、第一に本電子放
出素子は閾値電圧(図5中のVth)以上の素子電圧を
印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方、閾値電
圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されな
い。即ち、本電子放出素子は、放出電流Ieに対する明
確な閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存
する。即ち、アノード電極34(図3)に捕捉される電
荷量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御でき
る。
放出素子は、閾値電圧以上では、対向する素子電極間に
印加するパルス状電圧の波高値と幅で制御される。一
方、閾値電圧以下では、ほとんど放出されない。この特
性によれば、多数の電子放出素子を配置した場合におい
ても、個々の表面伝導形電子放出素子に、上記パルス状
電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて、任意の表面
伝導形電子放出素子を選択し、その電子放出量が制御出
来るという作用効果を奏する事となる。
特性を有する表面伝導形電子放出素子の中でも、上記作
用効果の点において、より好ましく適用され得る表面伝
導形電子放出素子は、上述した通り、素子電流If、放
出電流Ieの双方とも、対向する一対の素子電極に印加
する電圧Vfに対して、単調増加特性(MI特性)を有
する表面伝導形電子放出素子である。
基板の構成について、図7を用いて説明する。
線、73はY方向配線、74は表面伝導形電子放出素
子、75は結線である。尚、表面伝導形電子放出素子7
4は、前述した平面型あるいは垂直型どちらであっても
よい。
絶縁性基板であり、その大きさ及びその厚みは、基板1
に設置される表面伝導形電子放出素子の個数及び個々の
素子の設計上の形状、及び電子源の使用時容器の一部を
構成する場合にはその容器を真空に保持するための条件
等に依存して適宜設定される。
2、…、DXmからなり、基板1上に、真空蒸着法、印
刷法、スパッタ法等で形成し、所望のパターンとした導
電性金属等からなり、多数の表面伝導形電子放出素子に
ほぼ均等な電圧が供給される様に、その材料、膜厚、配
線幅が設定される。
…、DYnのn本の配線よりなり、X方向配線72と同
様に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成し、所
望のパターンとした導電性金属等からなり、多数の表面
伝導形電子放出素子にほぼ均等な電圧が供給される様
に、その材料、膜厚、配線幅等が設定される。
向配線73との間には、不図示の層間絶縁層が設置さ
れ、電気的に分離されて、マトリックス配線を構成す
る。尚、ここでm、nは共に正の整数である。
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X
方向配線72を形成した基板1の全面或は一部の所望の
形状で形成され、特に、X方向配線72とY方向配線7
3の交差部の電位差に耐え得る様に、その膜厚、材料、
製法が適宜設定され、X方向配線72とY方向配線73
の交差部のみに設置される場合もあり、このときは、結
線75とX方向配線72あるいはY方向配線73との電
気的接続は、コンタクトホールを介さず行う事ができ
る。また、X方向配線72とY方向配線73は、それぞ
れ外部端子として引き出されている。
Y方向配線73を層間絶縁層を介して設置した例で説明
したが、n本のY方向配線73の上に、m本のX方向配
線72を層間絶縁層を介して設置する場合もある。ま
た、層間絶縁層が、前述した垂直型表面伝導形電子放出
素子の段差部の形成材の一部あるいは全部となる場合も
ある。
放出素子74の対向する電子電極(不図示)は、m本の
X方向配線(DX1、DX2、…、DXm)72及びn
本のY方向配線(DY1、DY2、…、DYn)73
と、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成された導
電性金属等からなる結線75によって電気的に接続され
ている。
方向配線73、結線75、及び対向する素子電極を構成
する導電性金属は、その構成元素の一部あるいは全部が
同一であっても、またそれぞれ異なっていてもよく、例
えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al,
Cu、Pd等の金属或は合金及びPd、Ag、Au、R
uO2 、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス
等から構成される印刷導体、In2 O3 −SnO2
等の透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等より
適宜選択される。また、表面伝導形電子放出素子は、基
板1あるいは、不図示の層間絶縁層上にどちらに形成し
てもよい。
2には、X方向に配列する表面伝導形電子放出素子74
の行を入力信号に応じて走査するために、X方向配線7
2に走査信号を印加するための不図示の走査信号印加手
段が電気的に接続されている。一方、Y方向配線73に
は、Y方向に配列する表面伝導形電子放出素子74の列
の各列を入力信号に応じて変調するために、Y方向配線
73に変調信号を印加するための不図示の変調信号発生
手段が電気的に接続されている。更に、複数の表面伝導
形電子放出素子の各素子に印加される駆動電圧は、当該
素子に印加される走査信号と変調信号との差電圧として
供給されるものである。
用いた、表示等に用いる画像形成装置について、図8と
図9を用いて説明する。尚、図8は画像形成装置の基本
構成図であり、図9は蛍光膜を示す図である。
放出素子を作製した電子源基板、81は電子源基板1を
固定したリアプレート、86はガラス基板83の内面に
蛍光膜84とメタルバック85等が形成されたフェース
プレート、82は支持枠であり、これらリアプレート8
1、支持枠82及びフェースプレート86を、それらの
接合面にフリットガラス等を塗布し、大気中あるいは窒
素中で400〜500℃、10分以上の条件で焼成する
ことにより封着して、外囲器88を構成する。尚、図8
において、74は図1における電子放出部に相当し、ま
た、72、73は表面伝導形電子放出素子の一対の素子
電極と接続されたX方向配線及びY方向配線である。こ
こで、これら素子電極と接続された配線は、素子電極と
同一の材料よりなる場合には、素子電極と呼ぶこともあ
る。
ェースープレート86、支持枠82、リアプレート81
で構成したが、リアプレート81は主に基板1の強度を
補強する目的で設けられるため、基板1自体で十分な強
度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要であり、
基板1に直接支持枠82を封着し、フェースプレート8
6、支持枠82、基板1にて外囲器88を構成しても良
い。
8の蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみか
ら成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によ
りブラックストライプあるいわブラックマトリクスなど
と呼ばれる黒色導伝材91と蛍光体92とで構成され
る。
ラックマトリクス設けられる目的は、カラー表示の場合
必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体92間の塗り分け
部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍
光膜84における外光反射によるコントラストの低下を
抑制することである。
は、通常良く用いられている黒鉛を主成分とする材料だ
けでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材
料であればこれに限るものではない。
法はモノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が
用いられる。また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられるが、メタルバックの目的は、蛍
光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86
側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子
ビーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、フィ
ルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等
で堆積することで作製できる。
蛍光膜84の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側
に透明電極(不図示)を設けてもよい。
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけな
いため、十分な位置合わせを行う必要がある。
0のマイナス6乗トール程度の真空度にされ、外囲器8
8の封止がおこなわれる。尚、この時、不図示の排気管
を通じ、例えば、ロータリーポンプ、ターボポンプをポ
ンプ系とするような通常の真空装置系で、10のマイナ
ス6乗トール程度の真空中で、容器外端子Dox1〜Doxm
とDoy1〜Doynを通じて、素子電極間に電圧を印加し、
上述のフォーミグ処理を行い、電子放出部を形成して表
面伝導形電子放出素子を作成する。但し、本発明におい
て特に好適な表面伝導形電子放出素子である、上述の素
子電流If及び放出電流Ieが単調増加特性(MI特
性)を示す表面伝導形電子放出素子とする場合には、例
えば、上記フォーミング処理の後、80℃〜150℃で
ベーキングを3〜15時間行いながら、イオンポンプ等
の超高真空装置系に切り替える等の工程が付加される。
するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、
外囲器88の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器88内
の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱
し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba
等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば
1×10マイナス5乗〜1×10マイナス7乗トールの
真空度を維持するものである。
成装置において、各電子放出素子には、容器外端子Dox
1〜Doxm、Doy1〜Doynを通じ、電圧を印加することに
より電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック
85あるいは透明電極(不図示)は数kV以上の高圧を
印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、
励起・発光させることで画像を表示するものである。
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。
施態様例について説明する。
前記走査信号を印加する手段(選択手段ともいう)は、
前記m本のX方向配線のうち任意に選択された配線に対
してはV1[V]、残る他の配線に対してはV2[V]
の電圧を印加する事により、V1[V]の印加された配
線と接続する表面伝導形放出素子を選択的に走査するも
のである(V1[V]とV2[V]は互いに異な
る。)。また前記変調信号発生手段は、前記n本のY方
向配線に対して一定の長さのパルス状の電圧を発生する
ものであるが、n本の各々に対して対応する入力信号、
例えば、原画像信号の輝度レベルに応じてパルスの電圧
波高値(Vm[V]と呼ぶ)を変更する事により、表示
画像の輝度を変調するものである。
放出素子に印加される駆動電圧Vm−V1[V]の絶対
値は、先に述べた電子放出素子のVfとIeの関係を利
用して変調され、各々原画像信号の輝度レベルに応じて
所望強度の電子ビームが出力されるよう制御される。
加される駆動電圧Vm[V]−V2[V]の絶対値は、
先に述べた電子放出素子のしきい値電圧Vthの絶対値
を越えないよう制御される。このため、走査されている
電子放出素子からのみ所望強度の電子ビームが一定のさ
の間出力され、走査されていない電子放出素子からは電
子ビームが出力される事はない。
れば、前記走査信号を印加する手段は、前記m本のX方
向配線のうち任意に選択された配線に対してはV3
[V]、残る他の配線に対してはV4[V]の電圧を印
加する事により、V3[V]の印加された配線と接続す
る表面伝導形放出素子を選択的に走査するものである
(V3[V]とV4[V]は互いに異なる。)。
Y方向配線に対して一定の波高値(Vp[V]と呼ぶ)
を有するパルス状の電圧を発生するものであるが、n本
の各々に対して対応する原画像信号の輝度レベルに応じ
てパルスの長さ(Pw[S]と呼ぶ)を変更する事によ
り、表示画像の輝度を変調するものである。
放出素子に印加される駆動電圧Vp−V3[V]の絶対
値は、先に述べた電子放出素子のしきい値電圧Vthの
絶対値を越えるものであり、パルスの長さPw[S]を
個別に変調することにより、各々入力信号、例えば、原
画像信号の輝度レベルに応じた所望の電荷量の電子が出
力されるよう制御される。
加される駆動電圧Vp−V4[V]の絶対値は、電子放
出素子のしきい値電圧Vthの絶対値を越えないように
制御される。このため、走査されている電子放出素子か
らのみ所望の電荷量の電子が出力され、走査されていな
い電子放出素子からは、電子ビームが出力される事はな
い。
れば、前記走査信号を印加する手段は、前記m本のX方
向配線のうち任意に選択された配線に対してはV5
[V]、残る他の配線に対してはV6[V]の電圧を印
加する事により、V5[V]の印加された配線と接続す
る表面伝導形放出素子を選択的に走査するものである
(ここで、V5[V]とV6[V]との間には、V5−
V6=一定の条件が満足される必要がある。)。
Y方向配線に対してパルス状の電圧を発生するものであ
るが、n本の各々に対して対応する原画像信号の輝度レ
ベルに応じてパルスを印加するタイミングもしくは電圧
波高値もしくはその両方を変更する事により、表示画像
の輝度を変調するものである(ここで、パルスを印加す
るタイミングとはパルスの長さ、もしくは走査信号に対
するパルスの位相、もしくはその両方を意味する。)。
放出素子に印加される駆動電圧は、パルスの長さ及び波
高値の両方を変調された電圧パルスであり、当該素子の
走査期間を通じて放出される電子の電荷積分量が入力信
号、例えば原画像の輝度レベルに応じた量となるように
制御されている。
加される駆動電圧は、当該素子の走査期間を通じて、電
子放出素子のしきい値電圧Vthを越えないように制御
される。このため、走査されている電子放出素子からの
み所望の電荷量の電子が出力され、走査されていない電
子放出素子からは、電子ビームが出力される事はない。
素子の基本特性、即ち、素子電流If、電子放出電流I
eが共に、素子に印加する電圧に対して、単調増加特性
を示す本発明の電子源及び画像形成装置によれば、本発
明にかかわる3つの駆動法において、走査されていない
電子放出素子からは電子ビームが出力される事はない
が、電子放出電流Ieが素子に印加する電圧に対して単
調増加特性を示すが、素子電流IfがVCNR特性を示
す場合は、走査されていない電子放出素子からは電子ビ
ームが出力される場合もある。これは、走査されていな
い電子放出素子に印加される駆動電圧Vm[V]−V2
[V]の印加中に、表面伝導形電子放出素子の状態が変
化し、先に述べた電子放出素子のしきい値電圧Vthの
絶対値を越えたと推定される。
法の実施態様例について説明する。
を有する線電子放出素子(X1 、X2 、…)と、変
調電極群(Y1 、Y2 、…)とがXYマトリックス
状(行列状)に配置されている装置において、複数の線
電子放出素子(X1 、X2、…)のうち任意の一列
に、電子放出に必要な電圧Vfが印加され、変調電極群
(Y1 、Y2 、…)には該一列分の情報信号に応じ
た電圧が印加されて、該一列分の情報信号に応じた電子
線の放出パターンが形成される。かかる動作を前記線電
子放出素子の各列毎に順次行い、一画面分、さらには多
画面分の電子線放出パターンが形成される。更に、該放
出パターンの電子線を画像形成部材面に照射させること
により、一画面分、更には多画面分の画像が該画像形成
部材面に形成される。
変調電極群(Y1 、Y2 、…)への情報信号に応じ
た電圧印加にあたって、オン電圧が印加される変調電極
(例えばY2 )と隣接する変調電極(Y1 、Y3
)には、情報信号にかかわらずカットオフ電圧が印加
される。この結果、変調電極Y1 、Y3 は定電位に
維持される。
ン電圧によって画像形成部材へ飛翔する電子線は、上述
の如き隣接する変調電極列へ印加される電圧の悪影響を
受けない。また、電子ビーム間のクロストークもなくな
る。
調電極群への情報信号の入力を上記変調電極のn列(n
≧1)おきに、時間的にn+1回に分割して行い、且つ
該情報信号が入力されていない変調電極にはカットオフ
信号を入力する駆動方法である。
(Y1 、Y2 、…)の偶数列と奇数列とに、2回に
分割して入力され、各回の入力信号非入力の変調電極に
はカットオフ信号が入力される。例えば、電子放出に必
要な電圧Vfは線電子放出素子のX1 列に印加され、
変調電極群(Y1 、Y2 、Y3 …)への情報信号
の入力は、1)まず、変調電極Y1 、Y3 、Y5
列に情報信号が、変調電極Y2 、Y4 、Y6 列に
はカットオフ信号がそれぞれ入力され、次に、2)変調
電極Y2 、Y4 、Y6 列に情報信号が、変調電極
Y1 、Y3 、Y5 列にはカットオフ信号がそれぞ
れ入力されて、X1 列分の情報信号に応じた電子線放
出パターンが形成される。かかる動作を各線電子放出素
子列毎に順次行い一画面分、さらには多画面分の電子線
放出パターンが形成される。更に、該放出パターンの電
子線を画像形成部材面に照射させることにより、一画面
分、さらに多画面分の画像が該画像形成部材面に形成さ
れる。
電子線が効率的に画像形成部材面に照射させるために、
該画像形成部材に適度な電圧が印加されるが、かかる電
圧の大きさは、上記オン電圧並びにカットオフ電圧の大
きさ、及び用いる電子放出素子の種類によって適宜選定
される。
号、即ち、電子線の画像形成部材への一定量以上の照射
を許容し得る電圧信号と上記カットオフ信号、即ち、電
子線の画像形成部材への照射を阻止し得る電圧信号とを
有するが、画像の諧調表現を行う場合には、更に諧調信
号、即ち電子線の画像形成部材への照射量を可変する電
圧信号をも含む。また、上記オン信号、カットオフ信号
は用いられる電子放出素子の種類、あるいは該画像形成
部材に印加される電圧の大きさなどによって適宜設定さ
れるものである。
子源及び画像形成装置の構成については、例えば、画像
形成部材としてレッド(R)、グリーン(G)、ブルー
(B)の蛍光体を配置した、カラー表示の画像形成部材
であっても良い。
図10で示した2分割のみならず、適宜設定される。
接する変調電極には、カットオフ信号を入力したが、カ
ットオフ信号を入力しない場合には、一素子あたりに許
される時間が分割数分増加し、十分な電子放出が得られ
るという別の効果も期待できる。
くX1 、X2 、…を分割して駆動しても良い。
り高品位な画像を得ることのできる実施態様例を以下に
示す。
を、マトリクス状に配置した電子源を用いた、前述の図
8に示すような画像形成装置の一画素分に対応する概略
構成及び電子線の飛翔状態を示す図である。
子電極、6は低電位側素子電極であり、これらは狭いギ
ャップを有して基板1上に形成されており、この狭いギ
ャップ間に薄膜から電子放出部3を形成して表面伝導形
電子放出素子を構成し、更に、該素子基板と対向して配
置されるフェースプレート86とにより画像表示装置を
構成している。
3とメタルバック85、画像形成部材84(ここでは蛍
光体)から成り、基板1の上方、距離Hの位置に置かれ
ている。
子駆動用電源10により電圧Vfを印加すると、電子が
電子放出部3から放出され、電子ビーム加速用電源11
からメタルバック85を通じて蛍光体84に印加される
加速電圧Vaにより、当該電子は加速され蛍光体84に
衝突し、これを発光させフェースプレート86上に輝点
9を形成する。
いて、本発明者らが観察した蛍光体の輝点9の拡大概略
図である。
体は素子電極への電圧印加方向(図中X方向)及びそれ
と垂直な方向(Y方向)にある広がりを持っていること
が確認された。
電子ビームがある広がりを持って画像形成部材に到達す
る理由については、表面伝導形電子放出素子の電子放出
機構について完全に解明されてはいないので明確ではな
いが、本発明者らは、幾多の実験から初速度を持った電
子があらゆる方向へ散乱されるように放出されているた
めと考えている。
される電子のうち、高電位側素子電極方向(図中Xプラ
ス方向)に放出された電子が輝点の先端部18に到達
し、低電位側素子電極方向(図中Xマイナス方向)に放
出された電子が輝点の尾部19に到達するというよう
に、基板面に対し角度分布を有する電子が放出されるこ
とによりX方向についてある広がりを持った輝点が得ら
れると考えている。但し、輝点の尾部の輝度は他の部分
に比べ一層低かったため、低電位側素子電極方向に放出
される電子の量は非常に少ないと推察される。
及び図12において、輝点9は電子放出部3の鉛直上方
からXプラス方向、即ち、高電位側素子電極5の側へず
れていることがわかった。
空間の電位分布が、図13に示されるように、電子放出
部3の近傍において等電位面が画像形成部材85面と平
行になってないため、放出された電子は加速電圧Vaに
より加速され図中Z方向に飛翔するだけでなく、高電位
側素子電極5方向にも加速されるためと本発明者らは考
えている。
圧Vfにより、電子は放出された直後、偏向作用を受け
ることが避けられないためと考えられる。
さ、電子放出部3の鉛直上方からX方向への位置ずれの
値などを詳細に検討し、輝点先端部までのずれ量(図1
1中のΔX1)と輝点尾部までのずれ量(図11中のΔ
X2)をVa、Vf、Hをパラメーターとして表わすこ
とを試みた。
(Z方向)距離HにVa(V)の電圧が印加されたター
ゲットがあり、電子源〜ターゲット間には一様な電場が
存在する時、X方向には初速度V(eV)、Z方向には
初速度0で射出した電子は、ターゲットに到達するまで
に、X方向に
に印加する電圧の影響で、図13に示したように、電子
放出部近傍において電場が湾曲しており、X方向へも電
子が加速されるが、通常電子放出素子に印加する電圧に
対し、画像形成部材に印加される電圧が十分大きいの
で、電子は電子放出部の近傍のみでX方向に加速され、
その後はX方向速度はほとんど一定と考えられるので、
電子放出部近傍でX方向に加速された後の速度を式
(1)のVに代入すれば、X方向への電子ビームのずれ
が求められると考えられる。
されたあと得たX方向の速度成分をC(eV)とする
と、Cは素子に印加する電圧Vfの値によって変化する
定数と考えられる。そこでCをVfの関数としてC(V
f)(単位はeV)として表し(1)式に代入すれば、
ずれ量ΔX0は下記(2)式で表せる。
出された電子が、電子放出部近傍で素子電極間に印加さ
れる電圧Vfの影響でX方向速度C(eV)となった場
合のずれ量を表している。
放出素子から放出される電子はあらゆる方向に初速度を
もって放出されると考えられるため、その初速度の大き
さをv0(eV)とすると、(1)式から、X方向へ最
も大きくずれる電子ビームのずれ量は ΔX1=2H√((C+v0)/Va)…(3) X方向へのずれ量が最も小さい電子ビームのずれ量は ΔX2=2H√((C−v0)/Va)…(4) となると考えられる。
圧エネルギーであるVfにより値が変化する定数と考え
られるから、結局Cもv0もVfの関係であると言える
から、定数K2、K3を用いて √(C+v0)(Vf)=K2√Vf、 √(C−v0)(Vf)=K3√Vf と書き換えられる。
1、ΔX2も測定可能な量である。
f、Vaを変えてΔX1、ΔX2を測定する実験を種々
行うことにより、K2、K3の値としてそれぞれ下記の
値を得た。
の時、特に良く成り立つ。
面での電子ビームスポットの電子放出素子への電圧印加
方向(X方向)の大きさ(S1とする)は、S1=ΔX
1−ΔX2として簡単に求められる。
式から S1=K1×2H√(Vf/Va)…(7) 但し、0.8≦K1≦1.0 となる。
な方向のスポットサイズを考えると上述したことから、
電子放出素子への電圧印加方向と垂直な方向(図11Y
方向)へも、電子ビームは初速度v0で放出されると考
えられるが、図からもわかるように電子ビームは射出以
降、Y方向へはほとんど加速されない。
Yプラス方向、Yマイナス方向とも ΔY=2H√(v0/Va)…(8) となると考えられる。
2)=K4と置けば、画像形成部材面での電子ビームス
ポットのY方向の大きさ(S2とする)は、電子放出部
のY方向の長さをLとして、次式で表せる。
であるから、S2を実験で測定することにより、係数K
4の値は決められるが、K2=1.25±0.05、K
3=0.35±0.05であることと、K4の定義から
は0.08≦K4≦0.09となる。これは、Y方向の
スポットサイズを求める実験から、得られた値と良く一
致していた。
式をもとに、複数の電子放出部から放出される電子ビー
ムの、画像形成部材面上での関係を考察した。
は、素子電極近傍の電場の湾曲(図13)や、電極のエ
ッジの影響等で、図12に示したように、X軸に非対称
な形状で画像形成部材面に達する。
の解像度の低下を引き起こし、特に文字などを表示する
場合、文字の判別性が低下し、また動画の場合でも画像
のきれが悪く、鮮明な画像が得られない。
が、先端部から尾部までが、電子放出部の鉛直上方から
どれだけずれるかは、式(5)、(6)から明らかであ
るから、本発明者らは、複数の電子放出部が電圧印加方
向において、下記(13)式で表される間隔Dをもって
配置されれば、該複数の電子放出部から放出された電子
ビームが、画像形成部材面上で一つに重なることによ
り、対称性の良い輝点形状が得られる事を見いだした。
も、上述した内容から、Y方向の長さLの電子放出部か
ら放出された電子による輝点が、Y方向に連続であるこ
とが必要なとき、電子放出素子のY方向の配列ピッチP
を下記(14)式を満たすようにすれば良い。
る輝点がY方向において非連続であることが必要な場合
は、電子放出素子のY方向の配列ピッチPを下記(1
5)式を満足するようにすれば良い。
画像形成装置に限るものでなく、感光性ドラムと発光ダ
イオード等で構成された光プリンターの発光ダイオード
等の代替の発光源として、上述の画像形成装置を用いる
こともできる。この際、上述のm本の行方向配線とn本
の列方向配線を、適宜選択することで、ライン状発光源
だけでなく、2次元状の発光源としても応用できる。
述する。
型表面伝導形電子放出素子を層間絶縁層上に形成し、素
子電極、X方向配線、Y方向配線、及び、該素子電極と
該配線とを結ぶ結線の夫々を構成する材料が、同一ある
いはその材料を構成する元素の一部が同一である場合を
示す参考例である。
た、図中のA−A′断面図を図15に、また、その製造
方法を示す図を、図16、図17に示す。但し、図1
4、図15、図16で同じ記号を示したものは、同じも
のを示す。
応するX方向配線(下配線とも呼ぶ)、73は図7のD
Ynに対応するY方向配線(上配線とも呼ぶ)、4は電
子放出部を含む薄膜、5、6は素子電極、111は層間
絶縁層、112は、素子電極5と下配線72と電気的接
続のためのコンタクトホールである。
順に従って具体的に説明する。
0.5ミクロンのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成し
た基板1上に、真空蒸着により厚さ50オングストロー
ムのCr、厚さ6000オングストロームのAuを順次
積層した後、ホトレジスト(AZ1370 ヘキスト社
製)をスピンナーにより回転塗布、ベークした後、ホト
マスク像を露光、現像して、下配線72のレジストパタ
ーンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエッチング
して、所望の形状の下配線72を形成する(図16の
(a))。
リコン酸化膜からなる層間絶縁層111をRFスパッタ
法により堆積する(図16の(b))。
酸化膜にコンタクトホール112を形成するためのホト
レジストパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁
層111をエッチングして、コンタクトホール112を
形成する(図16の(c))。
たRIE(Reactive Ion Etchin
g)法によった。
極間ギャップGとなるべきパターンをホトレジスト(R
D−2000N−41 日立化成社製)形成し、真空蒸
着法により、厚さ50オングストロームのTi、厚さ1
000オングストロームのNiを順次堆積した。ホトレ
ジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜
をリフトオフし、素子電極間隔Gは3ミクロンとし、素
子電極の幅W1が300ミクロンとなるように素子電極
5、6を形成した(図16の(d))。
3のホトレジストパターンを形成した後、厚さ50オン
グストロームのTi、厚さ5000オングストロームの
Auを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフにより不
要の部分を除去して、所望の形状の上配線73を形成し
た(図17の(e))。
用薄膜2のマスクの平面図の一部を示す。素子間電極ギ
ャップL1およびこの近傍に開口を有するマスクであ
り、このマスクにより膜厚1000オングストロームの
Cr膜121を真空蒸着により堆積・パターニングし、
その上に有機Pd(ccp4230奥野製薬(株)社
製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分間
の加熱焼成処理をした(図17の(f))。
Pdよりなる微粒子からなる電子放出部形成用薄膜2の
膜厚は100オングストローム、シート抵抗値は5×1
0の4乗Ω/□であった。なお、ここで述べる微粒子膜
とは、上述したように、複数の微粒子が集合した膜であ
り、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した
状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重な
り合った状態(島状も含む)の膜をさし、その粒径と
は、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子についての
径をいう。
子放出部形成用薄膜2を酸エッチャントによりエッチン
グして所望のパターンを形成した(図17の(g))。
外にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空
蒸着により厚さ50オングストロームのTi、厚さ50
00オングストロームのAuを順次堆積した。リフトオ
フにより不要の部分を除去することにより、コンタクト
ホール112を埋め込んだ(図17(h))。
72、層間絶縁層111、上配線73、素子電極5、
6、電子放出部形成用薄膜2を形成した。
用いて表示装置を構成した例を、図8と図9を用いて説
明する。
電子放出素子を作製した基板1をリアプレート81上に
固定した後、基板1の5mm上方に、フェースプレート
86(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバッ
ク85が形成されて構成される)を支持枠82を介し配
置し、フェースプレート86、支持枠82、リアプレー
ト81の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で4
10℃で10分焼成することで封着した(図8)。
もフリットガラスで行った。尚、図8において、74は
電子放出素子、72と73はそれぞれX方向及びY方向
の素子配線である。
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作製した。こ
こで、ブラックストライプの材料としては、通常良く用
いられる黒鉛を主成分とする材料を用いた。尚、ガラス
基板83に蛍光体を塗布する方法はスラリー法を用い
た。
バック85を設けた。このメタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
84の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明
電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本参考例で
は、メタルバックのみで十分な導伝性が得られたので省
略した。
は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけ
ないため、十分な位置合わせを行った。
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1〜Doxm
とDoy1〜Doynを通じ電子放出素子74の素子電極間に
電圧を印加して、電子放出部を、電子放出部形成用薄膜
を通電処理(フォーミング処理)することにより作成し
た。フォーミング処理の電圧波形を図4に示す。
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、
T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング
時のピーク電圧)は10Vとし、フォーミング処理は約
1×10マイナス6乗トールの真空雰囲気下で60秒間
行った。
ジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態
となり、その微粒子の平均粒径は30オングストローム
であった。
度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶
着し外囲器の封止を行った。
高周波加熱法でゲッター処理を行った。
て、各電子放出素子には、容器外端子Dox1〜Doxm、D
oy1〜Doynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信
号発生手段よりそれぞれ印加することにより、電子放出
させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック85に5kV
の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝
突させ、励起・発光させることで画像を表示した。
導形電子放出素子の特性を把握するために、同時に、図
1に示した平面型表面伝導形電子放出素子のL1、W
1、W2等を同様のものにした標準的な比較サンプルを
作製し、その電子放出特性の測定を上述の図3の通常真
空装置系の測定評価装置を用いて行った。尚、比較サン
プルの測定条件は、アノード電極と電子放出素子間の距
離を4mm、アノード電極の電位を1kV、電子放出特
性測定時の真空装置内の真空度を1×10マイナス6乗
トールとした。また、素子に印加する電圧の掃引速度
は、素子電流If及び電子放出電流Ie共に単調増加す
る約1V/秒とした。
圧を印加し、その時に流れる素子電流If及び放出電流
Ieを測定したところ、図5に示したような電流−電圧
特性が得られた(図19)。また、本素子では、図19
に示すように、素子電圧8V程度から急激に放出電流I
eが増加し、素子電圧14Vでは素子電流Ifが2.2
mA、放出電流Ieが1.1マイクロAとなり、電子放
出効率η=Ie/If×100(%)は0.05%であ
った。尚、実施態様においては前述したように、測定条
件、真空装置の条件等により、素子の特性は変化するた
め、これらの条件はでき得るかぎり一定となるように測
定を行った。
型表面伝導形電子放出素子を基板上に形成し、X方向配
線とY方向配線との層間絶縁層が、垂直型表面伝導形電
子放出素子の段差形成部を兼ねており、素子電極、X方
向配線、Y方向配線、及び該素子電極と該配線とを結ぶ
結線の各々を構成する材料が、同材料あるいはその構成
元素の一部が同一である場合を示す参考例である。
様であるから省略する。また、図14中のA−A′断面
図を図20に示す。但し、図20で上述の図と同じ記号
を示したものは同じものを示す。ここで1は基板、72
は図7のDxmに対応するX方向配線(ここでは、上配
線とも呼ぶ)、73は図7のDynに対応するY方向配
線(ここでは、下配線とも呼ぶ)、4は電子放出部を含
む薄膜、5、6は素子電極、111は層間絶縁層であ
る。
って具体的に説明する。
基板1上に、真空蒸着により厚さ5000オングストロ
ームのPdを積層した後、ホトレジスト(AZ1370
ヘキスト社製)をスピンナーにより回転塗布、ベーク
した後、ホトマスク像を露光、現像して、Y方向配線7
3のレジストパターンを形成し、Pd膜をエッチングし
て、所望の形状のY方向配線73と素子電極5を同時に
形成する(図21の(a))。
リコン酸化膜からなり、X方向配線72とY方向配線7
3との層間絶縁層111であり、しかも、垂直型表面伝
導形電子放出素子の段差形成部67を兼ねる層間絶縁層
111をRFスパッタ法により堆積する(図21の
(b))。
ン酸化膜に所望の形状の段差形成部67及び層間絶縁層
111を形成するためのホトレジストパターンを作り、
これをマスクとして層間絶縁層111をエッチングし
て、所望の形状の段差形成部67及び層間絶縁層111
を形成する(図21の(c))。
いてRIE(Reactive Ion Etchin
g)法によった。
5となるべきパターンをホトレジスト(RD−2000
N−41日立化成社製)形成し、真空蒸着法により、厚
さ1000オングストロームのPdを堆積した。ホトレ
ジストパターンを有機溶剤で溶解し、Pd堆積膜をリフ
トオフし、段差形成部67の厚さに対応する素子電極間
隔は1.5ミクロンとなり、素子電極5に対向する素子
電極6を電極幅を500ミクロンとし形成した(図21
の(d))。
開口を有するような形状で、膜厚1000オングストロ
ームのCr膜を真空蒸着により堆積・パターニングし、
その上に有機Pd(ccp4230奥野製薬(株)社
製)をスピンナーにより回転塗布し、300℃で10分
間の加熱焼成処理をして電子放出部形成用薄膜2を形成
した。
である微粒子からなる電子放出部形成用薄膜2の膜厚は
150オングストローム、シート抵抗値は7×10の4
乗Ω/□であった。その後、Cr膜および焼成後の電子
放出部形成用薄膜2を酸エッチャントによりウエットエ
ッチングして所望のパターンを形成した(図21の
(e))。
クロンのAg−Pd導体を印刷し、所望の形状のX方向
配線72を形成した(図21の(f))。
向配線72、層間絶縁層111、Y方向配線73、素子
電極5、6、電子放出部形成用薄膜2等を形成した。
用い、参考例1と同様にして、表示装置を構成した。
型表面伝導形電子放出素子の特性を把握するために、垂
直型表面伝導形電子放出素子の素子電極間隔、電極幅等
を同様にした図6に示すような標準的な比較サンプルを
作製し、その電子放出特性の測定を上述の図3の測定評
価装置を用いて、参考例1と同様に測定した。
圧を印加し、その時に流れる素子電流If及び放出電流
Ieを測定したところ、図5に示したような電流−電圧
特性が得られた)。
激に放出電流Ieが増加し、素子電圧14Vでは素子電
流Ifが2.5mA、放出電流Ieが1.2マイクロA
となり、電子放出効率η=Ie/If×100(%)は
0.048%であった。
て、参考例1同様に、各電子放出素子には、容器外端子
Dox1〜Doxm、Doy1〜Doynを通じ、走査信号及び変調
信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ、印加するこ
とにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタル
バック85に数kV以上の高圧を印加して、電子ビーム
を加速し、蛍光膜84に衝突させ、励起・発光させるこ
とで画像を表示した。
型表面伝導形電子放出素子を基板上に形成し、X方向配
線とY方向配線との層間絶縁層が、該X、Y方向配線の
交差部にのみ存在し、素子電極とX方向配線及びY方向
配線との結線がコンタクトホールを介さずに結線されて
電気的に接続され、かつ、絶縁性基板に直接設置された
場合の実施例である。
また、図22中のA−A′断面図を図23に示す。但
し、図22と図23で、同じ記号で示したものは、同じ
ものを表す。ここで1は基板、72は図7のDxmに対
応するX方向配線(ここでは、上配線とも呼ぶ)、73
は図7のDynに対応するY方向配線(ここでは、下配
線とも呼ぶ)、4は電子放出部を含む薄膜、5、6は素
子電極、75は結線、3は電子放出部である。
って具体的に説明する。
基板1上に、真空蒸着により厚さ50オングストローム
のCr、厚さ1000オングストロームのAuを積層し
た後、ホトレジスト(AZ1370 ヘキスト社製)を
スピンナーにより回転塗布、ベークした後、ホトマスク
像を露光、現像して、素子電極5と6、結線75、Y方
向配線73のレジストパターンを形成し、Au/Cr膜
をエッチングして、所望の形状Y方向配線73、素子電
極5、6(電極幅;300ミクロン、素子電極間隔;2
ミクロン)と結線75を同時に形成する(図24の
(a))。
リコン酸化膜からなるY方向配線73とX方向配線72
との層間絶縁層111をRFスパッタ法により堆積する
(図24の(b))。
ン酸化膜にY方向配線73とX方向配線72の交差部の
みに設ける所望の形状層間絶縁層111を形成するため
のホトレジストパターンを作り、これをマスクとして層
間絶縁層111をエッチングして、層間絶縁層111形
成する(図24の(c))。
用いたRIE(ReactiveIon Etchin
g)法によった。
べきパターンを、ホトレジスト(RD−2000N−4
1日立化成社製)を形成し、真空蒸着法により、厚さ5
000オングストロームのAuを堆積した。その後、ホ
トレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Au堆積膜を
リフトオフしてX方向配線72を形成した(図24の
(d))。
開口を有するような形状で、膜厚1000オングストロ
ームのCr膜を真空蒸着により堆積・パターンニング
し、その上に有機Pd(ccp4230の奥野製薬
(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で
10分間の加熱焼成処理をした。
する微粒子からなる電子放出部形成用薄膜2の膜厚は7
5オングストローム、シート抵抗値は1×10の5乗オ
ーム/□であった。
形成用薄膜2を酸エッチャントによりウエットエッチン
グして所望のパターンを形成した(図24の(e))。
向配線72、層間絶縁層111、Y方向配線73、素子
電極5と6、電子放出部形成用薄膜2等を形成した。
用い、参考例1と同様にして、表示装置を構成した。
型表面伝導形電子放出素子の特性を把握するために、上
述の平面型表面伝導形電子放出素子の素子電極間隔、素
子電極幅等のものと同様にした標準的な比較サンプルを
作製し、その電子放出特性の測定を上述の図3の測定評
価装置を用いて参考例1と同様にして測定した。
素子電圧を印加し、その時に流れる素子電流Ifおよび
放出電流Ieを測定したところ、図5に示したような電
流−電圧特性が得られた。
激に放出電流Ieが増加し、素子電圧14Vでは素子電
流Ifが2.1mA、放出電流Ieが1.0マイクロA
となり、電子放出効率η=Ie/If×100(%)は
0.05%であった。
て、参考例1同様に、各電子放出素子には、容器外端子
Dox1〜Doxm、Doy1〜Doynを通じ、走査信号および変
調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ、印加する
ことにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタ
ルバック85に数kV以上の高圧を印加し、電子ビーム
を加速し、蛍光膜84に衝突させ、励起・発光させるこ
とで画像を表示した。
述の第1の駆動法、および第2の駆動法を適用した例で
ある。
造方法は、同様であり、またそれに引き続いて行なわれ
るフォーミング、フェイスプレート、支持枠、リアプレ
ート等からなる外囲器の封着も実施例1と同様である。
ここまでは、2つの装置を同時に作成した。
トール程度の真空度で、真空にひきながら、不図示の排
気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器の封止
を行った装置を表示パネルAとする。
プレート、リアプレート側から、ホットプレート状の熱
源ではさみこみ、装置全体が約120度に維持し、べー
キング(熱処理)を1時間行った。その後、真空装置系
を超高真空装置系のイオンポンプ系に変え、同様に加熱
しながら、10時間真空排気した。その後、真空にひき
ながら、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで
溶着し、外囲器の封止を行った。この装置を以後表示パ
ネルBとする。
表示パネルA、表示パネルBとも抵抗加熱法でゲッター
処理を行った。
表示パネルA、表示パネルBを表示動作を行う電気回路
構成を以下に例示する。
動方法の参考例に関り、NTSC方式のテレビ信号にも
とずきテレビジョン表示を行うための駆動回路の概略構
成をブロック化して示したものである。図25中、表示
パネル1701は、前述した用に製造された、表示パネ
ルAあるいは、表示パネルBである。また、走査回路1
702は表示ラインを走査し、制御回路1703は、走
査回路に入力する入力信号等を生成する。シフトレジス
タ1704は、1ライン毎のデータをシフトし、ライン
メモリ1705には、シフトレジスタ1704からの1
ライン分のデータを変調信号発生器1707に入力す
る。同期信号分離回路1706は、入力信号であるNT
SC信号から同期信号を分離する。
明する。
いしDxmおよび端子Dy1ないしDyn、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続されている。こ
のうち、端子Dx1ないしDxmには、表示パネル17
01内に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわち
m行n列の行列状にマトリクス配線された表面伝導形放
出素子群を一行(n素子)ずつ順次駆動してゆくための
走査信号が印加される。
走査信号により選択された一行の表面伝導形放出素子の
各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印
加される。また、高圧端子Hvには、直流電圧源Vaよ
り、例えば10K[V]の直流電圧が供給されるが、こ
れは表面伝導形放出素子より出力される電子ビームに蛍
光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するための
加速電圧である。
る。
(図中、S1ないしSmで模式的に示されている)を備
えるもので、各スッチング素子は、直流電圧源Vxの出
力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか
一方を選択し、表示パネル1701の端子Dx1ないし
Dxmと電気的に接続するものである。S1ないしSm
の各スイッチング素子は、制御回路1703が出力する
制御信号Tscanに基づいて動作するものだが、実際
にはたとえばEFTのようなスイッチング素子を組み合
わせる事により容易に構成する事が可能である。
合には、走査されていない素子に印加される駆動電圧が
電子放出しきい値Vth電圧以下となるよう、7[V]
の一定電圧を出力するよう設定されている(これについ
ては、図28であらためてふれる。)。
する画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明
する同期信号分離回路1706より送られる同期信号T
syncにもとづいて、各部に対してTscanおよび
TsftおよびTmryの各制御信号を発生する。尚、
各制御信号のタイミングに関しては、後に図30を用い
て詳しく説明する。
力されるNTSC方式にテレビ信号から、同期信号成分
と輝度信号成分とを分離するための回路で、よく知られ
ているように周波数分離(フィルタ)回路を用いれば容
易に構成できるものである。同期信号分離回路1706
により分離された同期信号は、よく知られるように垂直
同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便
宜上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレ
ビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DA
TA信号と表すが、同信号はシフトレジスタ1704に
入力される。
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路1703より送られる制御信号Tsftにもと
づいて動作する。すなわち、制御信号Tsftは、シフ
トレジスタ1704のシフトクロックであると言い換え
ることもできる。
ン分(電子放出素子n素子分の駆動データに相当する)
のデータは、Id1ないしIdnのn個の並列信号とし
て前記シフトレジスタ1704より出力される。
のデータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置で
あり、制御回路1703より送られる制御信号Tmry
にしたがって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶す
る。記憶された内容は、I′d1ないしI′dnとして
出力され、変調信号発生器1707に入力される。
タI′d1ないしI′dnの各々に応じて、表面伝導形
放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源で、
その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて表示
パネル1701内の表面伝導形放出素子に印加される。
述べたように、本発明に関わる電子放出素子は放出電流
Ieに対して以下の基本特性を有している。すなわち、
前記図5のIeのグラフから明らかなように、電子放出
には明確なしきい値電圧Vth(本実施例の素子では8
[V])があり、Vth以上の電圧を印加された時のみ
電子放出が生じる。
に対しては、グラフのように電圧の変化に応じて放出電
流Icも変化してゆく。尚、電子放出素子の材料や構
成、製造方法を変える事により、電子放出しきい値電圧
Vthの値や、印加電圧に対する放出電流の変化の度合
いが変わる場合もあるが、いずれにしても以下のような
事がいえる。
する場合、例えば図31(1)に示す用に電子放出閾値
以下の電圧を印加しても電子放出は、基本的には、生じ
ないが、図31(2)のように電子放出閾値以上の電圧
を印加する場合には電子ビームが出力される。
変化させる事により出力電子ビームの強度を制御する事
が可能である。
せる事により出力される電子ビームの電荷の総量を制御
する事が可能である。
動方法を実施するには、変調信号発生器1707として
は、一定の長さの電圧パルスを発生するが入力されるデ
ータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧
変調方式の回路を用いる。
るには、変調信号発生器1707としては、一定の波高
値の電圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて
適宜電圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式
の回路を用いるものである。
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図26ないし図
29を用いて前記表示パネル1701の動作についてよ
り詳しく説明しておく。
6(すなわちm=n=6)として説明するが、実際に用
いる表示パネル1701はこれよりもはるかに多数の画
素を備えたものである事は言うまでもない。
面伝導形放出素子をマトリクス配線したマルチ電子ビー
ム源であり、説明上、各素子を区別するためにD(1、
1)、D(1、2)ないしはD(6、6)のように
(X、Y)座標で位置を示している。
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
っている。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆
動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対
応する行の端子に0[V]を、それ以外の端子には7
[V]を印加する。それと同期して、当該ラインの画像
パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に変
調信号を印加する。
を表示する場合を例にとって説明する。説明の便宜上、
画像パターンの発光部の輝度は等しく、例えば100
[フートランバート]相当であるとする。前記表示パネ
ル1701においては、蛍光体に従来公知のP−22を
用い、加速電圧を10K[V]とし、画面表示の繰り返
し周波数を60[Hz]とし、電子放出素子として前記
特性の表面伝導形放出素子を用いたが、この場合には1
00[フートランバート]の輝度を得るのに、発光画素
に対応する素子には10マイクロ[秒]の間14[V]
の電圧を印加するのが適当であった。尚、この数値は各
パラメータを変更すれば当然変わるべきものである。
3ライン目を発光させる期間中を例にとって説明する。
図28は、前記画像の第3ライン目を発光させる間に、
端子Dx1ないしDx6、および端子Dy1ないしDy
6を通じてマルチ電子ビーム源に印加する電圧値を示し
たものである。同図から明らかなように、D(2、
3)、D(3、3)、D(4、3)の各表面伝導形放出
素子には、電子放出のしきい値電圧8[V]を越える1
4[V](図中黒塗りで示す素子)が印加されて電子ビ
ームが出力される。一方、上記3素子以外は7[V]
(図中斜線で示す素子)もしくは0[V](図中白ぬき
で示す素子)が印加されるが、これは電子放出のしきい
値電圧8[V]以下であるため、これらの素子からは電
子ビームは出力されない。
7の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動し
てゆくが、この様子を時系列的に示したのが図29のタ
イムチャートである。
ラインずつ駆動してゆく事により1画面の表示が行われ
るが、これを毎秒60画面の速さで繰り返す事により、
ちらつきのない画像表示が可能である。
れていないが、階調表示は次の様にして可能になる。
示を行う場合、輝度をより大きく(小さく)するには、
第1の駆動方法として、端子Dy1ないしDy6に印加
される変調信号のパルスの電圧波高値を14[V]より
も大きく(小さく)する方法があり、それにより変調可
能である。
ら15.9[V]の範囲で0.5[V]単位に段階的に
変化させれば、発光輝度はゼロを含めて17段階の変調
が可能である。さらにより多くの階調を望む場合には、
電圧の範囲を広げるかまたは変化の単位をより小さくす
ればよい。
を10マイクロ[秒]よりも長く(短く)する方法があ
り、それによっても変調が可能である。
イクロ[秒]の範囲で、0.5マイクロ[秒]を単位と
して変化させれば、発光輝度はゼロを含めて31段階の
変調が可能である。さらにより多くの階調を望む場合に
は、パルス幅の範囲を広げるかまたは変化の単位をより
小さくすればよい。
例にとって、表示パネル1701の駆動方法を説明した
が、次に図25の装置の全体動作について、図30のタ
イムチャートを参照しながら説明する。
るNTSC信号から同期信号分離回路1706により分
離された輝度信号DATAのタイミングであり、図に示
すように1ライン目データから順次2ライン目、3ライ
ン目と分離されて出力される。これと同期して制御回路
1703からシフトレジスタ1704に対して図30
(2)に示すようなシフトクロックTsftが出力され
る。
ーが蓄積されると、同図(3)に示すタイミングで、制
御回路1703からラインメモリ1705に対してメモ
リーライト信号Tmryが出力され、1ライン(n素子
分)の駆動データが書き込まれる。その結果、ラインメ
モリ1705の出力信号であるI′d1ないしI′dn
の内容は同図(4)に示すタイミングで変化する。
制御信号Tscanの内容は同図(5)に示すようなも
のとなる。すなわち、1ライン目を駆動する場合には、
走査回路1702内のスイッチング素子S1のみが0
[V]で他のスイッチング素子は7[V]、また2ライ
ン目を駆動する場合には、スイッチング素子S2のみが
0[V]で他のスイッチング素子は7[V]、以下同
様、というように動作が制御される。
ネルA、Bを用いてテレビジョンの表示を行った結果、
表示パネルBは極めて良好な表示画像を得たが、一方、
表示パネルAにおいては、表示画素以外の画素において
も、わずかであるが、蛍光体の発光による発光が観察さ
れた。このため、参考例1と同様の比較サンプルを表示
パネルA、表示パネルBの条件で作成し、テレビジョン
の表示と同様の駆動周波数で、Vth以下に素子印加電
圧を保ち、電子放出電流Ie、素子電流Ifとを、表示
パネルA、Bを用いて観察した結果、表示パネルBにお
いては、電子放出電流Ie、素子電流Ifは一定に保持
されるが、表示パネルAにおいては、電子放出電流I
e、素子電流Ifは一定に保持されず、電子放出電流I
e、素子電流Ifが、わずかであるが、増加することが
判明した。これは、本発明者等が新たに見いだした現
象、即ち、実施態様で示した素子の基本特性が、表示パ
ネルBでは、安定であり、表示パネルAでは、駆動条
件、表示パネル内の真空の質等に依存して、不安定であ
ることに由来すると考えられる。
シフトレジスタ1704やラインメモリ1705は、デ
ジタル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差し
支えなく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や記
憶が所定の速度で行われればよい。尚、デジタル信号式
を用いる場合には、同期信号分離回路1706の出力信
号DATAをデジタル信号化する必要があるが、これは
同期信号分離回路1706の出力部にA/D変換器を備
えれば容易に可能であることは言うまでもない。
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器1707に用いられる回路が若干異なっ
たものとなるのは言うまでもない。すなわち、デジタル
信号の場合には、第1の駆動方法の場合、変調信号発生
器1707には、たとえばよく知られるD/A変換回路
を用い、必要に応じて増幅回路などを付け加えればよ
い。
生器1707は、例えば高速の発振器および発振器の出
力する波数を計数する計数器(カウンタ)および計数器
の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コン
パレータ)を組み合わせた回路を用いれば当業者であれ
ば容易に構成できる。
変調された変調信号を表面伝導形放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
動方法の場合、変調信号発生器1707には、たとえば
よく知られるオペアンプなどを用いた増幅回路を用いれ
ばよく、必要に応じてレベルシフト回路などを付け加え
てもよい。
ばよく知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用いれ
ばよく、必要に応じて表面伝導形放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
電圧と幅とを変調して駆動する方法に関わる装置につい
て、第5と第6の2つの参考例を挙げて説明する。尚、
表示パネルは第5、第6の参考例にも参考例4に用いた
表示パネルBを用いた。
略構成のブロック図である。図中の構成要素のうち、表
示パネル1701、走査回路1702、制御回路170
3、シフトレジスタ1704、ラインメモリ1705、
同期信号分離回路1706、変調信号発生器1707、
直流電圧源Vaの各構成要素は、図17の第1の駆動方
法の実施例において説明したものと同様である。また、
Vnsは直流電圧源であり、パルス電圧発生源2401
は後述の様にパルスを発生する。
01、1704、1705、1706、Vaの各構成要
素については前記図25における説明と同様であるた
め、ここでは省略する。
チング素子を備えるもので(図中、S1ないしSmで模
式的に示している)、各スイッチング素子は、パルス電
圧発生源2401の出力電圧か、もしくは直流電圧源V
nsの出力電圧のいずれか一方を選択し、表示パネル1
701の端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するも
のである。S1ないしSmの各スイッチング素子は、制
御回路1703が発生する制御信号Tscanにもとづ
いて動作するものだが、実際にはたとえばFETのよう
なスイッチング素子を組み合わせる事により容易に構成
する事が可能である。
例と同様、適切な表示が行われるように各部の動作を整
合させる働きをもつが、本参考例においては、図25の
場合に加えて、パルス電圧発生源2401に対して制御
信号Tpu1を発生するものである。
回路1703の発生する制御信号Tpu1にもとづいて
パルス電圧を発生するものであるが、発生するタイミン
グおよび発生する波形については後に図33を用いて説
明する。また、直流電圧源Vnsの出力する電圧につい
ても、後に図33を用いて説明する。
I′d1ないしI′dnの各々に応じて、表面伝導形放
出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源である
が、その出力信号波形については後に図33を用いて説
明する。
したが、次に、図33を用いて、本参考例において表面
伝導形放出素子に印加される駆動電圧の波形について述
べる。
ルス電圧発生源2401の発生するパルス電圧の波形を
説明するための図である。パルス電圧発生源2401は
パルスを発生しない期間中は出力電圧7[V]を維持し
ているが、制御信号Tpu1にもとづいて同図に示すよ
うなパルスを適時発生する。即ち、そのパルスは、幅が
30マイクロ[秒]であってパルス印加期間中は出力電
圧0[V]となるような矩形パルスである。
nsの出力電圧を説明するための図である。電圧源Vn
sは同図に示したように7[V]の直流電圧を常に出力
するものである。尚、説明の便宜上、時間の前後関係を
明確にするためにパルス電圧発生源2401が0[V]
のパルスを発生している期間を図中に示した。
707の発生する変調信号の波形を説明するための図で
ある。変調信号発生器1707は変調信号を発生しない
期間中は出力電圧7[V]を維持しているが、パルス電
圧発生源2401が0[V]のパルスを出力するのと同
期して画像の輝度データI′d1ないしI′dnに応じ
た変調信号を発生する。変調信号は同図(3)に点線で
示すような成分a、b、c、dより成り、変調信号発生
器1707は原画像の輝度データに応じて成分a、b、
c、dを任意に組み合わせて出力する。
12[V]、13[V]、14[V]の電圧を有するパ
ルスで、いずれも5マイクロ[秒]の長さを有する。
尚、図33(1)のパルスは、変調信号よりも前後5マ
イクロ[秒]ほど長く設定されているが、これは何らか
の理由で両者の時間的関係にずれが生じても、この範囲
内であれば動作に不都合が生じないようにするためのも
のである。
出素子に印加される駆動波形について説明する。
パルス電圧発生源2401の出力が選択されたときの表
面伝導形放出素子の駆動電圧波形である。すなわちこれ
は図33(3)の変調電圧波形と図33(1)のパルス
波形との差電圧と等しいものである。同図中、点線で示
した成分a′、b′、c′、d′の各々は図33(3)
の成分a、b、c、dに各々対応するものである。この
うち例えば成分a′が印加されれば、電圧が印加された
表面伝導形放出素子からは、5マイクロ[秒]の間、
0.27[マクロアンペア(瞬時電流値)]の電子ビー
ムが出力される。同様に、成分b′が印加されれば0.
37[マイクロアンペア]、成分c′が印加されれば
0.49[マイクロアンペア]、成分d′が印加されれ
ば0.66[マイクロアンペア]の瞬時電流をもつ電子
ビームが各々5マイクロ[秒]の間出力される。ここに
おいて、前記表面伝導型放出素子の電子放出特性が非線
形であるため、上記4種類の電子ビーム電流値の間の差
は互いに等しくはならない。このため、たとえば成分
a′とb′とを印加しても成分c′を印加した場合の出
力と等しくはならず、また他の組み合わせについても同
じような事がいえる。従って、成分a′ないしd′を任
意に組み合わせて素子を駆動する事により、この間に出
力される電子ビームの総電荷量を16通りに制御できる
(a′ないしd′を1つも用いない場合にもこの中に含
む)。これにより発光輝度も16通りの変調が可能とな
る。
により直流電圧源Vnsの出力が選択された表面伝導形
放出素子の駆動電圧波形であり、即ちこれは33(3)
の変調波形と図33(2)の直流電圧の差電圧と等しい
ものである。同図中、点線で示したa′、b′、c′、
d′の各部分は図33(3)のa、b、c、dに対応す
るが、いずれの部分においても電子放出しきい値電圧
(個の場合には8[V])を越えないため、電子ビーム
が出力されることはない。
伝導形放出素子は駆動される。尚、本参考例の表示装置
の全体動作は、前記図25の実施例とおおむね等しい手
順で行われるものなので、ここでは説明を省略する。
調電圧が成分a、b、c、dの4つより成るとしたが、
実際にはより多数の部分から成るのが望ましい。電子放
出素子の非線形な電子放出特性を利用すれば、一般にn
個の部分(すなわちn種の変調電圧)を用いれば、2の
n乗通りの階調表示が可能である。
は7以上が望ましい。
c、dの各々はパルスの長さが等しく5マイクロ[秒]
であったが、必ずしも各部の長さを等しくする必要はな
い。また成分a、b、c、dの順に大きな電圧値とし、
隣り合うもの同志の電圧差は等しく1[V]であった
が、必ずしも電圧差を等しくする必要はない。
パネルの第3の駆動方法、すなわち電子放出素子に印加
する電圧とパルス幅とにより表示する画像の輝度を制御
する方法の第2参考例を説明する。
概略構成を示す図である。第2実施例の図32と共通す
る部分も多いので、その差異についてのみ述べる。図
中、パルス電圧発生源2601および2602は、各々
制御回路1703の発生する制御信号Tpu11および
Tpu12に従って動作するが、その出力するパルスの
波形は、前記図32中のパルス電圧源2401とは異な
り、矩形ではなく。また、変調信号発生器1707は、
原画像信号I′d1ないしI′dnに応じて変調信号を
発生するが、その信号波形は図32の場合とは異なる。
これらの電圧波形について図27を用いて説明する。
1の発生するパルス電圧の波形を説明するための図であ
る。パルス電圧発生源2601はパルスを発生しない期
間中は出力電圧7[V]を維持しているが、制御信号T
pu11にもとづいて同図に示すようなパルスを適時発
生する。すなわち、発生されるパルスはその幅が30マ
イクロ[秒]であって、パルスの開始とともに3[V]
から0[V]に向かって直線的に減少してゆくランプ波
形である。
2602の発生するパルス電圧の波形を説明するための
図である。パルス電圧発生源2602はパルスを発生し
ない期間中は出力電圧7[V]を維持しているが、制御
信号Tpu12にもとづいて同図に示すようなパルスを
適時発生する。すなわち、パルスの幅は30マイクロ
[秒]であって、パルスの開始とともに7[V]から4
[V]に向かって直線的に減少してゆくランプ波形であ
る。尚、図35(1)と(2)のパルスは前記制御信号
Tpu11とTpu12により同期されているため、パ
ルスの発生している間は、両者の間には常に4[V]の
電位差がある。
707の発生する変調信号の波形を説明するための図で
ある。変調信号発生器1707は、変調信号を発生しな
い期間中は出力電圧7[V]を維持しているが、パルス
電圧発生源2601および2602がパルスを出力する
のと同期して原画像信号の輝度データI’dIないし
I’dnに応じた変調信号を発生する。該変調信号は、
同図(3)に点線で示すような成分a、b、c、dより
成り、変調信号発生器1707は原画像の輝度データに
応じて成分a、b、c、dを任意に組み合わせて出力す
る。成分a、b、c、dは各々14[V]の電圧と5マ
イクロ[秒]の長さをもつ矩形の電圧パルスであるが、
図27(1)および(2)に示した30マイクロ[秒]
のパルスの開始時点から数えて各々5、10、15、2
0マイクロ[秒]後に印加されるものである。
放出素子に印加される駆動波形について説明する。
査回路1702によりパルス電圧発生源2601の出力
が選択された場合の表面伝導形放出素子の駆動電圧波形
である。すなわちこれは同図(3)の変調電圧波形と
(1)のパルス波形との差電圧と等しいものである。同
図中、点線で示したa’、b’、c’、d’の各部分は
同図(3)のa、b、c、dに各々対応するもので、こ
れらはいずれも電子放出しきい値電圧(この場合には8
[V])を越えている。このため、これらの波形が印加
されれば、電子放出特性にみあった強度の電子ビームが
出力されるが、表面伝導形放出素子の電子放出特性が非
線形であるため、a’、b’、c’、d’の各々から出
力される電子ビームの電荷量は相互に差が等しくはなら
ない。
圧波形の成分a、b、c、dを任意に組み合わせる事に
より16通りの変調が可能である。
によりパルス電圧発生源2602の出力が選択された場
合の表面伝導形放出素子の駆動波形である。図25の場
合と同様、電子放出素子のしきい値電圧を越えないた
め、電子ビームはほとんど出力される事はない。
33の場合と同様、変調信号は成分a、b、c、dの4
つの部分より成るとしたが、本参考例の場合も、より多
くの部分から成るのが望ましいのは言うまでもない。す
なわち、n個の時分割された部分を用いれば、2のn乗
通りの変調が可能だが、たとえばテレビジョン画像を表
示する場合には、nは7以上が望ましい。
602の発生するパルス波形は、時間とともに直線的に
減少するランプ波形を用いたが、例えば時間とともに増
加するような波形や、変化が直線的でない波形も用いる
事が可能である。
パルスの説明においては、パルスの成分a、b、c、d
の各々は電圧と幅が等しく、パルスの開始時期を等間隔
でずらして隣接させているが、必ずしもこれに限るもの
ではなく、例えばa、b、c、dの各々の電圧や長さを
異ならせたり、パルスの開始時間を非等間隔としてもよ
い。
いて、参考例5との差異を中心に説明した。
の駆動方法もしくは第3の駆動方法に関わる参考例にお
いては、表示パネルに実施例の冒頭で述べたような表面
伝導型放出素子を用いたが、電子放出素子の材料や構造
あるいは製造方法が異なる場合には電子放出特性(しき
い値電圧Vthや特性カーブの形)が多少変わる場合も
ある。その場合でも、本発明の基本思想の適用には何ら
支障はなく、その特性に合わせて走査および変調に用い
るパルス電圧の波形を適宜設定すればよい。あるいは従
来技術の項であげたような表面伝導形放出素子に対して
これらの駆動方法を行っても不都合はない。
ビ信号に基づきテレビジョン表示を行う例を示したが、
本発明を適用できる表示装置またはその応用はこれに限
るものではない。他の方式のテレビジョン信号、あるい
は、計算機や画像メモリ、通信ネットワークなど種々の
画像信号源と直接あるいは間接に接続された表示装置に
広く用いることが可能であり、とりわけ大容量の画像を
表示する大画面の表示に好適である。
限られるものではなく、たとえばいわゆる光プリンタの
ように光像を記録する記録装置の光源に応用しても差し
支えない。
する電子ビーム描画装置の電子ビーム源の駆動方法に適
用しても差し支えない。
出素子を、複数個、マトリクス状に配置した電子源、あ
るいは、画像形成装置であって、複数の電子放出部から
の電子ビームを重ね合わせることで、画像形成部材上で
の高品位な画像を形成した例である。本実施例の電子放
出素子の構成は、マトリクス状に配置された複数の電子
放出素子から、1個の電子をぬきだして、示した図36
の構成をもち、他の参考例と同様にして、画像形成装置
を作成した。
して配置されるフェースプレートについては他の参考例
と同様である。
た後、高電位側素子電極362の素子配線電極373を
Niを主成分とする材料で厚さ1μm、幅600μmに
て蒸着とエッチングで作製した。次に、基板上全面にS
iO2 を厚さ2μm蒸着し、絶縁層372とした。
373上のSiO2 に100μm角の穴を開け、その穴
を通じ、素子配線電極373と接続するように、穴の部
分のみ予めNi等の材料を蒸着し、次に全面にNi材を
0.1μmの厚さに蒸着した。
グ技術により、Ni電極を所望のパターンに形成して、
素子配線電極373に接続された高電位側素子電極36
2と、該電極362の幅方向(図中X方向)の両側に電
極ギャップを有し素子配線電極373と直交する低電位
側素子電極363を形成した。
部に微粒子膜を形成し、電子放出部364とし、所望の
電圧を印加することにより電子放出させることができる
のは他の参考例と同様である。
4に挟まれた高電位側素子電極362のX方向幅(W)
を400μmとし、高電位側素子電極362に+14
V、低電位側素子電極363に0V印加し電子放出さ
せ、距離2.5mm上方に設置したフェースプレート上
の蛍光体に6kV印加した時、対称性が良く、ほぼ円形
の輝点形状が得られた。尚、本実施例において輝点の径
はほぼ500μmφであった。
出素子からの電子ビームは、画像形成部材面、ここで
は、蛍光体面上で、対称性の良くない輝点形状に、なる
が、一方、複数の電子放出部が、電圧印加方向に後述す
る式であらわされる間隔Wをもって、素子電極の高電位
側電極を挟んで形成されれば、複数の電子放出部から放
出された電子ビームが、画像形成部材面、ここでは、蛍
光体面上で、一つに重なることにより、対称性の良い輝
点形状が、本実施例の様に、得られる。
K3×2d(Vf/Va)1/2 但し、K2、K3は定数でK2=1.25±0.05 K3=0.35±0.05 Vf:素子印加電圧 Va:画像形成部材にかける電圧(加速電圧) d:表面伝導形電子放出素子と画像形成部材間の距離 W:電子放出部間の距離
形電子放出素子の配置に関する実施例であり、図37に
本実施例の画像形成装置の模式図を示す。
拡大斜視図を、図39に上記素子のX軸に沿った断面図
を示す。
電子放出素子を作製する方法は以下に示す。
を説明する。
381上に素子配線電極389をNiを主成分とする材
料で1μmの厚さに、蒸着技術とホトリソグラフィー技
術で作製した。
ら成る絶縁層390を2μmの厚さで成膜した。
チング技術にて穴(コンタクトホール)を開けた後、素
子電極382及び383を蒸着技術とホトリソグラフィ
ー技術にて39000Åの厚さにて作製した。材料はN
iを主成分とする材料で作製した。
配線電極389と電気的に接続され、素子電極382と
383は2μmの狭ギャップを挟んで対向しており、該
狭ギャップ部にPd微粒子膜を形成し、電子放出部38
4を作製する工程以降は他の参考例と同様なので省略す
る。
続された素子電極382と、X方向に接続された素子電
極383によりXYマトリクスを構成しており、これら
の狭ギャップ部に電子放出部を有することにより、電子
放出素子が複数マトリクス状に形成されている。
に、高電位側素子電極382の電圧印加方向(X方向)
の両側に電子放出部384を形成しており、本実施例で
は高電位側素子電極のX方向の幅(W)を800μm、
素子電極382、383間のギャップ幅(G)を2μm
に作製した。
140μm、電子放出素子のY方向の配列ピッチ(P)
を750μmとした。
は、本実施例では1mmとした。
性基板381の上方に、他の参考例と同様に内面の透明
電極386と蛍光体(画像形成部材)387が塗布され
たフェースプレート388を支持枠を介し距離d=4.
5mmだけ離して配置し、基板、支持枠、フェースプレ
ートの接合部にフリットガラスを塗布し、430℃で1
0分以上焼成することで接着した。
いて、透明電極386を通じて蛍光体387に5000
ボルトの加速電圧Vaを印加し、素子配線電極389を
通じて素子電極382、383間に14ボルトの電圧V
fを印加し電子放出させた。
V、素子電圧Vf=14V、素子/フェイスプレート間
距離d=4.5mm、素子の電子放出部のY方向長さL
=140μ、電子放出素子のY方向配列ピッチP=75
0μ、高電位側電極幅W=800μである。実施例7と
同様に、2つの電子放出部より、放出された電子ビーム
は、画像形成部材上で、輝点の中心軸が、ほぼ一致し、
これらの輝点が、ちょうど対称にかさなり、全体とし
て、ほぼ円形の1つの輝点形状が観察された。これは、
実施例7で示した式に本実施例の条件が、合致したため
と推定される。
明者等が鋭意検討した結果、次式で表される配置の規定
で制御できることがわかった。
合 P<L+2K5×2d(Vf/Va)1/2 但し、K5は、定数であり、K5=0.80 加速電圧Va、素子電圧Vf、素子/フェイスプレート
間距離d=4素子の電子放出部のY方向長さL、電子放
出素子のY方向配列ピッチP、高電位側電極幅Wであ
る。
ある場合 P≧L+2K6×2d(Vf/Va)1/2 但し、K6は、定数であり、K6=0.90 上の式の条件下に、電子放出素子をY方向に配列すれ
ば、よいことがわかった。本実施例は、Y方向での各輝
点が、重ならず、不連続である場合の式の範囲に入って
おり、各輝点は、独立した輝点として観察された。
は、最適な輝点形状が得られると共に、判別性やきれが
良く、高輝度で高精細な表示画像が得られた。
素子をマトリクス状に配置し画像形成装置、及び駆動法
にしており、図40及び図41を用いて説明する。
リクス状に配置した電子源より一部を取り出した斜視
図、図41は、本参考例の駆動法を示す図である。以
下、詳述する。
は、素子電極461a、461bと配線462a、46
2bとを接続した。462aはX方向配線、462bは
Y方向配線である。図41に示される様に、レッド
(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に対応する表面
伝導形電子放出素子が、配列された構成の電子源であ
り、参考例4と同様に形成された。また、外囲器も同様
に作成された。
図41を用いて説明する。
おいて、まず、 (1)電圧印加手段(不図示)にて、透明電極に定電圧
を印加し、M=1列に電子放出電圧Vfを印加する。
ち、グリーン表示の信号配線電極G及びブルー表示の信
号配線電極Bに入力される情報信号がメモリー480内
に蓄積される。また、レッド表示の信号配線電極Rに入
力される情報信号は、電圧印加手段481を通じて、該
情報信号に応じたオン電圧、カットオフ電圧及び階調電
圧を有する変調電圧(VmR)としてそのまま該信号配
線電極Rに入力される。この間、信号配線電極G及びB
には、情報信号にかかわらず、信号切換回路482から
カットオフ信号が発せられ、電圧印加手段483を通じ
てカットオフ電圧(Voff)が印加される。
1(=M)走査列分の情報信号のうち、先にメモリー4
80に蓄積された情報信号のうち、グリーン表示の情報
信号が信号配線電極Gに入力されるように切換られ、電
圧印加手段を通じて、該情報信号に応じたオン電圧、カ
ットオフ電圧及び階調電圧を有する変調電圧(VmG)
が信号配線電極Gに入力される。この間、信号配線電極
R及びBには情報信号にかかわらず、信号切換回路48
2からカットオフ信号が発せられ、電圧印加手段を通じ
てカットオフ電圧(Voff)が印加される。
1(=M)走査列分の情報信号のうち、先にメモリー4
80に蓄積された情報信号のうち、ブルー表示の情報信
号が信号配線電極Bに入力されるよう切換られ、電圧印
加手段を通じて、該情報信号に応じたオン電圧、カット
オフ電圧及び階調電圧を有する変調電圧(VmB)が信
号配線電極Bに入力される。この間、信号配線電極R及
びGには情報信号にかかわらず、信号切換回路482か
らカットオフ信号が発せられ、電圧印加手段を通じてカ
ットオフ電圧(Voff)が印加される。
を各色毎に、即ち、2列おきに、時間的に3分割して信
号配線電極に入力する動作は、一走査列分の表示のタイ
ミングの間に行われる。
順次繰り返し、一画面分、さらには多画面分のフルカラ
ー画像が蛍光体面に表示される。
面での表示画像を形成する複数の輝点(スポット)は、
互いに極めて均一で安定したサイズと形状を呈し、しか
も、クロストークがなく、画像の色純度の向上した色再
現性に優れるフルカラー画像を表示できた。
源として用いたディスプレイパネルに、たとえばテレビ
ジョン放送をはじめとする種々の画像情報源より提供さ
れる画像情報を表示できるように構成して表示装置の一
例を示すための図である。図中500はディスプレイパ
ネル、501はディスプレイパネルの駆動回路、502
はディスプレイコントローラ、503はマチプレクサ、
504はデコーダ、505は入出力インターフェース回
路、506はCPU、507は画像生成回路、508お
よび509および510は画像メモリーインターフェー
ス回路、511は画像入力インターフェース回路、51
2および513はTV信号受信回路、514は入力部で
ある(なお、本表示装置は、たとえばテレビジョン信号
のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信す
る場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生するも
のであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報の
受信、分離、再生、処理、記憶などに関する回路やスピ
ーカーなどについては説明を省略する。)。
を説明してゆく。
ば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝
送されるTV画像信号を受信する為の回路である。受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、たと
えば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式など
の諸方式でもよい。また、これらよりさらに多数の走査
線よりなるTV信号(たとえばMUSE方式をはじめと
するいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に
適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適
な信号源である。TV信号受信回路513で受信された
TV信号は、デコーダ504に出力される。
ば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送系
を持ついて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。前記TV信号受信回路513と同様に、受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、また
本回路で受信されたTV信号もデコーダ504に出力さ
れる。
1は、たとえばTVカメラや画像読み取りスキャナーな
どの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に
出力される。
510は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略
す)に記憶されている画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力され
る。
509は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を
取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコー
ダ504に出力される。
508は、いわゆる静止画像ディスクのように、静止画
像データを記憶している装置から画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ5
04に入力される。
は、本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコンピ
ュータネットワークもしくはプリンターなどの出力装置
とを接続するための回路である。画像データや文字・図
形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によっ
ては本表示装置の備えるCPU506と外部との間で制
御信号や数値データの入出力などを行うことも可能であ
る。
インターフェース回路505を介して外部から入力され
る画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU50
6より出力される画像データや文字・図形情報に基づき
表示用画像データを生成するための回路である。本回路
の内部には、たとえば画像データや文字・図形情報を蓄
積するための書き換え可能メモリーや、文字コードに対
応する画像パターンが記憶されている読み出し専用メモ
リーや、画像処理を行うためのプロセッサーなどをはじ
めとして画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
は、デコーダ504に出力されるが、場合によっては前
記入出力インターフェース回路505を介して外部のコ
ンピュータネットワークやプリンターに出力することも
可能である。
置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わる
作業を行う。
号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を
適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際には
表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントロ
ーラ502に対して制御信号を発生し、画像表示周波数
や走査方法(たとえばインターレースかノンインターレ
ースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適
宜制御する。
像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは
前記入出力インターフェース回路505を介して外部の
コンピュータやメモリーをアクセスして画像データや文
字・図形情報を入力する。なお、CPU506は、むろ
んこれ以外の目的の作業にも関わるものであって良い。
たとえば、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ
などのように、情報を生成したり処理する機能に直接関
わっても良い。あるいは、前述したように入出力インタ
ーフェース回路505を介して外部のコンピュータネッ
トワークと接続し、たとえば数値計算などの作業を外部
機器と協同して行っても良い。
に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入
力するためのものであり、たとえばキーボードやマウス
のほか、ジョイスティック、バーコードリーダ、音声認
識装置など多様な入力機器を用いる事が可能である。
し513より入力される種々の画像信号を3原色信号、
または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回
路である。なお、同図中に点線で示すように、デコーダ
504は内部に画像メモリーを備えるのが望ましい。こ
れは、たとえばMUSE方式をはじめとして、逆変換す
るに際して画像メモリーを必要とするようなテレビ信号
を扱うためである。また、画像メモリーを備える事によ
り、静止画の表示が容易になる、あるいは前記画像生成
回路507およびCPU506と協同して画像の間引
き、補間、拡大、縮小、合成をはじめとする画像処理や
編集が容易に行えるようになるという利点が生まれるか
らである。
U506より入力される制御信号に基づき表示画像を適
宜選択するものである。すなわち、マルチプレクサ50
3はデコーダ504から入力される逆変換された画像信
号のうちから所望の画像信号を選択して駆動回路501
に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信
号を切り替えて選択することにより、いわゆる多画面テ
レビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によっ
て異なる画像を表示することも可能である。
02は、前記CPU506より入力される制御信号に基
づき駆動回路501の動作を制御するための回路であ
る。
に関わるものとして、たとえばディスプレイパネルの駆
動用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御するため
の信号を駆動回路501に対して出力する。また、ディ
スプレイパネルの駆動方法に関わるものとして、たとえ
ば画面表示周波数や走査方法(たとえばインターレース
かノンインターレースか)を制御するための信号を駆動
回路501に対して出力する。
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路501に対して出力する場合
もある。
ネル500に印加する駆動信号を発生するための回路で
あり、前記マルチプレクサ503から入力される画像信
号と、前記ディスプレイパネルコントローラ502より
入力される制御信号に基づいて動作するものである。
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル5
00に表示する事が可能である。すなわち、テレビジョ
ン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ504
において逆変換された後、マルチプレクサ503におい
て適宜選択され、駆動回路501に入力される。一方、
ディスプレイコントローラ502は、表示する画像信号
に応じて駆動回路501の動作を制御するための制御信
号を発生する。駆動回路501は、上記画像信号と制御
信号に基づいてディスプレイパネル500に駆動信号を
印加する。これにより、ディスプレイパネル500にお
いて画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU
506により統括的に制御される。
ダ504に内蔵する画像メモリや、画像生成回路507
および情報の中から選択したものを表示するだけでな
く、表示する画像情報に対して、たとえば拡大、縮小、
回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像
の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合成、消
去、接続、入れ換え、はめ込みなどをはじめとする画像
編集を行う事も可能である。また、本参考例の説明では
特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様
に、音声情報に関しても処理や編集を行うための専用回
路を設けても良い。
放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像およ
び動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機
器、ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、
ゲーム機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、
産業用あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
を電子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた表示
装置の構成の一例を示したにすぎず、これのみに限定さ
れるものでない事は言うまでもない。たとえば、図42
の構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回
路は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目
的によってはさらに構成要素を追加しても良い。たとえ
ば、本表示装置をテレビ電話機として応用する場合に
は、テレビカメラ、音声マイク、照明機、モデムを含む
送受信回路などを構成要素に追加するのが好適である。
形放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルの
薄形化が容易なため、表示装置の奥行きを小さくするこ
とができる。それに加えて、表面伝導形放出素子を電子
ビーム源とするディスプレイパネルは大画面化が容易で
輝度が高く視野角特性にも優れるため、本表示装置は臨
場感にあふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表示する事
が可能である。
伝導形電子放出素子の3つの基本的特性の特徴、つま
り、第一に、本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、
図5中のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放
出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では
放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出
電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非
線形素子である。
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。す
なわち、アノード電極34に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間により制御できる。
放出電流Ie、双方とも、対向する一対の素子電極に印
加する電圧に対して、単調増加特性(MI特性と呼ぶ)
を有する、表面伝導形放出素子である。以上によれば、
表面伝導形電子放出素子からの放出電子は、しきい値電
圧以上では、対抗する素子電極間に印加するパルス状電
圧の波高値と巾で制御される。一方、しきい値電圧以下
では、殆ど放出されない。
放出素子を本発明の如く配置した場合においても、前記
入力信号に基づいた波高のパルスあるいは、幅、あるい
は、波高と幅とを有するパルスを発生する前記変調手段
と、前記入力信号に含まれる同期信号を分離する分離手
段と、前記同期信号に基づいて、所定の幅で、互いに異
なる波高のパルス成分を組み合わせることで表面伝導形
電子放出素子を順番に選択する前記選択手段を有する構
成によって、入力信号に応じた表面伝導形電子放出素子
を選択し、その電子放出量が、制御できる駆動法を提供
できる。
特性に基づく本発明の新規な構成と駆動法によれば、従
来の様に、グリッド電極に寄ることなく、グリッド電極
なしに、m本の行方向配線とn本の列方向配線にそれぞ
れ入力信号より得た走査信号と変調信号を与えること
で、多数の表面伝導形電子放出素子からなる電子源よ
り、入力信号に応じて、電子放出素子を選択し、放出電
子量を制御する高品位な電子源となる。
する一対の素子電極、m本の行方向配線とn本の列方向
配線とによって、表面伝導形電子放出素子の対抗する一
対の素子電極とをそれぞれ結線する結線、m本の行方向
配線とn本の列方向配線の少なくとも一部が、構成元素
の一部あるいは全てが同一であることによって、特に、
装置作製上に高い温度がかかる場合には、異種金属間を
接続の問題が解消され、信頼性の高い、安価でかつ簡易
な構成が提供できる。
配線とn本の列方向配線の交差部近傍のみにあること及
び垂直型表面伝導形放出素子の段さ形成部が、該絶縁層
の一部あるいは全てが同一の製法で製造されることによ
って、コンタクトホールなしにm本の行方向配線あるい
はn本の列方向配線と素子の電気的接続が可能になる等
製法が簡略化され、安価でかつ簡易な構成の電子源及び
画像形成装置が提供できる。
複数の入力信号群に分割する入力信号分割手段を更に備
え、該入力信号分割手段により発生した複数の分割され
た入力信号に応じて、複数行(あるいは、列)の表面伝
導形電子放出素子が、選択、変調される分割駆動である
ため、該表面伝導形電子放出素子行(あるいは列)に許
容される時間が増加できるため、駆動IC、表面伝導形
電子放出素子に対して、余裕のある設計がなされること
ができる。
の行(あるいは、列)の隣接する電子放出素子の行(あ
るいは、列)は定電位印加の状態である様に維持する駆
動法である。このため、各電子放出素子から放出された
電子ビーム間の電子ビーム照射面上でのクロストークが
ない。
伝導形電子放出素子の複数の電子放出部から、放出され
た複数の電子ビームを重ね合わせることで、電子照射面
での電子ビームの形状は、対称性の良い形状に制御でき
る電子源を提供できる。
配置することで、各電子放出素子から放出された電子ビ
ーム間の電子ビーム照射面上での重なりが制御できる。
放出する電子放出素子を選択と、その電子放出量を制御
しうる電子源を提供できる。
は、入力信号に基づいて、画像を形成する装置であっ
て、画像を構成する画素に対応して、基板上にm本の行
方向配線と絶縁層を介して積層されたn本の列方向配線
とによって、少なくとも素子電極と電子放出部を含む薄
膜とで構成される表面伝導形電子放出素子の対抗する一
対の素子電極とをそれぞれ結線され、行列状に、配列さ
れた複数子の表面伝導形放出素子と、同期信号と画像信
号を含む入力信号の、該同期信号に基づいて、前記複数
の表面伝導形電子放出素子行の中から、適当な素子行を
選択する選択手段と、前記同期信号に基づき、前記画像
信号に応じた変調信号を発生して、前記選択手段により
選択された電子放出素子に入力する変調手段とを備える
ことを特徴とする画像形成装置であり、特には、前記電
子源基板と対向した位置に電子ビームの照射により可視
光を発する蛍光体とを備えた画像形成装置であり、より
好ましくは、表面伝導形電子放出素子の、放出電流、素
子電流双方が、対向する一対の素子電極に印加する電圧
に対して、単調増加特性(MI特性と呼ぶ)を示す真空
度を有する画像形成装置である。
特性に基づく本発明の画像形成装置の新規な構成と駆動
法によれば、従来の様に、グリッド電極に寄ることな
く、グリッド電極なしに、m本の行方向配線とn本の列
方向配線にそれぞれ入力信号より得た走査信号と変調信
号を与えることで、多数の表面伝導形電子放出素子から
なる電子源より、入力信号に応じて、電子放出素子を選
択し、放出電子量を制御でき、画素間のクロストークが
なく、表示輝度を制御性良く変調する事ができ、多階調
の表示が可能となり、たとえばテレビジョン画像を高い
品位で表示できる装置を実現できた。
体を励起するため、従来CRTなどの分野で公知の、発
光特性の優れた各色の蛍光体を発光源として使用でき
る。このため、カラー化も容易で、広い範囲の色彩を表
現できる。また、蛍光体を塗り分けるだけでカラー化が
可能であり、パネルの製造が容易である。走査や変調に
要する電圧も小さいため、電気回路の集積化が容易であ
る。これらの長所があいまって、製造に要する費用が低
減でき、極めて安価に表示装置を提供する事が可能であ
る。
表示品位の高い表示装置などの画像形成装置が、提供で
きる。
する一対の素子電極、m本の行方向配線とn本の列方向
配線とによって、表面伝導形電子放出素子の対抗する一
対の素子電極とをそれぞれ結線する結線、m本の行方向
配線とn本の列方向配線の少なくとも一部が、構成元素
の一部あるいは全てが同一である構成である。
に、あるいは、該絶縁層上に形成された構成である。
方向配線の交差部近傍のみにあること及び垂直型表面伝
導形放出素子の段さ形成部が、該絶縁層の一部あるいは
全てが同一である等の構成である。等の構成の電子源を
有する画像形成装置であるため、信頼性が高く、安価な
新規な構成の画像形成装置が提供できた。
形成装置は、別の駆動法によれば、入力信号を、複数の
入力信号群に分割する入力信号分割手段を更に備え、該
入力信号分割手段により発生した複数の分割された入力
信号に応じて、複数行(あるいは、列)の表面伝導形電
子放出素子が、選択、変調される分割駆動であるため、
該表面伝導形電子放出素子行(あるいは列)に許容され
る時間が増加できるため、駆動IC、表面伝導形電子放
出素子に対して、余裕のある設計がなされることができ
る。
の行(あるいは、列)の隣接する電子放出素子の行(あ
るいは、列)は定電位印加の状態である様に維持する駆
動法である。このため、各電子放出素子から放出された
電子ビーム間の画像形成部材上でのクロストークがな
い。
伝導形電子放出素子の複数の電子放出部から、放出され
た複数の電子ビームを画像形成部材上で、重ね合わせる
ことで、発光輝点形状が、対称性の良い形状に制御でき
る画像形成装置を提供できる。
配置にすることで、各電子放出素子から放出された電子
ビーム間の画像形成部材上での重なりが制御できるた
め、入力画像に応じた高品位な画像を提供できる。
TV信号、画像入力装置からの信号、画像メモリーから
の信号、コンピュータからの信号等を入力信号とできる
ために、テレビジョン放送の表示機器、テレビ会議の端
末機器、静止画像及び動画像を扱う画像編集機器、コン
ピュータの端末機器、ワードプロセッサをはじめとする
事務用端末機器、ゲーム機などの機能を一台で兼ね備え
ることが可能で、産業用あるいは民生用として極めて応
用範囲が広い。
の基本構成図。
的な製法図。
的な測定評価装置図。
伝処理の電圧波形。
的な特性図。
の基本構成図。
示す斜視図。
状を示す図。
置の電子ビームの軌道を説明するための等電位図。
を実施する為の概略回路構成の一例。
たマルチ電子源の一部回路図。
を示す図。
てゆく際のタイムチャート。
タイムチャート。
圧を説明するための図。
施例の概略回路構成の一例。
圧を説明するための図。
施例の概略構成の一例。
圧を説明するための図。
図。
Claims (20)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に絶縁層を介して積層
されたm本の行方向配線およびn本の列方向配線と、並
設された高電位側素子電極と低電位側素子電極との間に
電子放出部を含む薄膜を有する表面伝導形電子放出素子
の複数とを有し、該高電位側および低電位側の素子電極
と該行方向配線および該列方向配線とが結線された電子
源と、画像を構成する画素に対応して行列状に配列され
た前記表面伝導形電子放出素子からの電子線が照射され
る画像形成部材と、該複数の表面伝導形電子放出素子の
中から、素子行を選択する選択手段と、入力信号に応じ
て変調信号を発生し、該選択手段により選択された該素
子行に、該変調信号を印加する変調手段とを有し、該入
力信号に応じて画像を形成する画像形成装置において、
前記画像を構成する画素の各々に対し、2以上の電子ビ
ームが重ね合わされて輝点を形成するものであって、前
記2以上の電子ビームを放出する複数の電子放出部は、
夫々の電子放出部を備える表面伝導形電子放出素子各々
の前記高電位側素子電極を間に挟んで並設されており、
その並設方向における前記複数の電子放出部の間隔Wが
互いに以下の関係式(I)を満たして配置されているこ
とを特徴とする画像形成装置。 K2×2H(Vf/Va)1/2≧W/2≧K3×2H
(Vf/Va)1/2 …(I) [但し、K2=1.25±0.05、K3=0.35±
0.05、Hは表面伝導形電子放出素子と画像形成部材
との距離、Vfは電子放出時に表面伝導形電子放出素子
に印加される電圧、Vaは画像形成部材に印加される電
圧を示す] - 【請求項2】 前記表面伝導形電子放出素子が、平面型
表面伝導形電子放出素子である請求項1に記載の画像形
成装置。 - 【請求項3】 前記表面伝導形電子放出素子が、垂直型
表面伝導形電子放出素子である請求項1に記載の画像形
成装置。 - 【請求項4】 前記表面伝導形電子放出素子は、素子電
流及び電子放出電流が素子印加電圧に対して、単調増加
特性を有する表面伝導形電子放出素子である請求項1に
記載の画像形成装置。 - 【請求項5】 前記電子放出部を含む薄膜が、導電性微
粒子で構成された膜である請求項1に記載の画像形成装
置。 - 【請求項6】 前記導電性微粒子が、Pd、Nb、M
o、Rh、Hf、Re、Ir、Pt、Al、Co、N
i、Cs、Ba、Ru、Ag、Au、Ti、In、C
u、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb、Pd
O、SnO2、In2 O3 、PbO、Sb2 O3 、Ba
O、MgO、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB
6 、YB4 、GdB4 、TiC、ZrC、HfC、Ta
C、SiC、WC、TiN、ZrN、HfN、Si、G
e、カーボンの中から選ばれる少なくとも一種の材料か
らなる請求項5に記載の画像形成装置。 - 【請求項7】 前記絶縁層が、前記m本の行方向配線と
前記n本の列方向配線の交差部近傍のみにある請求項1
に記載の画像形成装置。 - 【請求項8】 前記表面伝導形電子放出素子が、前記基
板面上に形成されている請求項1に記載の画像形成装
置。 - 【請求項9】 前記表面伝導形電子放出素子が、前記絶
縁層上に形成されている請求項1に記載の画像形成装
置。 - 【請求項10】 前記変調手段が、前記入力信号に基づ
いた波高のパルスを発生する手段である請求項1に記載
の画像形成装置。 - 【請求項11】 前記変調手段が、前記入力信号に基づ
いた幅のパルスを発生する手段である請求項1に記載の
画像形成装置。 - 【請求項12】 前記変調手段が、前記入力信号に基づ
いた波高と幅とを有するパルスを発生する手段である請
求項1に記載の画像形成装置。 - 【請求項13】 更に、前記入力信号に含まれる同期信
号を分離する分離手段を有し、前記選択手段は、該同期
信号に基づいて、前記表面伝導形電子放出素子行を順次
選択する手段である請求項1に記載の画像形成装置。 - 【請求項14】 前記選択手段は、選択素子行と非選択
素子行とを、互いに波高の異なるパルスを発生すること
で選択する手段である請求項1に記載の画像形成装置。 - 【請求項15】 前記変調手段が、前記入力信号に基づ
いた波高のパルスを発生する手段である請求項14に記
載の画像形成装置。 - 【請求項16】 前記変調手段が、前記入力信号に基づ
いた幅のパルスを発生する手段である請求項14に記載
の画像形成装置。 - 【請求項17】 前記変調手段が、前記入力信号に基づ
いた波高と幅とを有するパルスを発生する手段である請
求項14に記載の画像形成装置。 - 【請求項18】 前記表面伝導形電子放出素子の素子電
流及び電子放出電流が、印加電圧に対して、単調増加特
性を示す真空度に維持されている請求項1に記載の画像
形成装置。 - 【請求項19】 前記画像形成部材が、蛍光体である請
求項1に記載の画像形成装置。 - 【請求項20】 前記入力信号が、TV信号、画像入力
装置からの信号、画像メモリーからの信号、コンピュー
タからの信号のうち少なくとも一つである請求項1に記
載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33670993A JP3167072B2 (ja) | 1992-12-29 | 1993-12-28 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-359796 | 1992-12-29 | ||
JP35979692 | 1992-12-29 | ||
JP36135592 | 1992-12-29 | ||
JP4-361355 | 1992-12-29 | ||
JP5-1224 | 1993-01-07 | ||
JP122493 | 1993-01-07 | ||
JP5-78165 | 1993-04-05 | ||
JP7816593 | 1993-04-05 | ||
JP5-77897 | 1993-04-05 | ||
JP7789793 | 1993-04-05 | ||
JP33670993A JP3167072B2 (ja) | 1992-12-29 | 1993-12-28 | 画像形成装置 |
Related Child Applications (1)
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