JPH08212944A - 画像形成装置および電子ビーム発生源 - Google Patents

画像形成装置および電子ビーム発生源

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JPH08212944A
JPH08212944A JP1497795A JP1497795A JPH08212944A JP H08212944 A JPH08212944 A JP H08212944A JP 1497795 A JP1497795 A JP 1497795A JP 1497795 A JP1497795 A JP 1497795A JP H08212944 A JPH08212944 A JP H08212944A
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electron beam
image forming
electron
image
surface conduction
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Eiji Yamaguchi
英司 山口
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 配線抵抗による電圧降下の影響を低減して、
輝度分布をより均一化することができる画像形成装置お
よび電子ビーム発光源を提供する。 【構成】 表示パネル108は上下二つに画面分割されて
いる。その一方を変調信号発生器107aと走査回路102aで
駆動制御し、他方を変調信号発生器107aと走査回路102a
で駆動制御することにより、表示パネル108の二ライン
を同時に発光することで、ラインの走査周波数を1/2に
して、一ライン当りの発光時間を二倍にする。 【効果】 発光時間が二倍になることから、発光素子の
電流を低減しても所望する発光輝度を得ることができる
ので、発光素子を結ぶ配線を流れる駆動電流を低減し
て、配線における電圧降下を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像形成装置および電子
ビーム発生源に関し、例えば、複数の冷陰極電子源を配
設した電子ビーム発生源を用いた画像形成装置に関する
ものである。
【従来技術】電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極素
子の二種類がある。このうち冷陰極素子には、例えば、
電界放出型素子(以下「FE型」と記す)、金属/絶縁層/
金属型放出素子(以下「MIM型」と記す)や表面伝導型
電子放出素子などがある。
【0002】FE型の例としては、例えば、W.P.Dyke &
W.W.Dolan, "Field emission", Advance in Electron P
hysics, 8, 89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt, "Phys
icalproperties of thin-film field emission cathode
s with molybdenium cones",J.Appl.Phys., 47, 5248(1
976)などがある。
【0003】また、MIM型の例としては、例えば、C.A.M
ead, "Operation of Tunnel-emission Devices", J.App
l.Phys., 32, 646(1961)などがある。
【0004】また、表面伝導型電子放出素子としては、
例えば、M.I.Elinson, Radio Eng.Electron Phys., 10,
1290(1965)や、後述する他の例がある。
【0005】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生じる現象を利用したものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinsonなど
によるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer: "Thin Solid Films", 9, 317(1972)]、In2
O3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:
"IEEE Trans. ED Conf.", 519(1975)]やカーボン薄膜
によるもの[荒木久他: 真空、第26巻、第1号、22(198
3)]などが報告されている。
【0006】これらの表面伝導型電子放出素子の素子構
成の典型的な例として、図1に前述のHartwellなどによ
る素子の平面図を示す。同図において、3001は基板、30
04はスパッタで形成された金属酸化物からなる導電性薄
膜である。導電性薄膜3004は、図に示すように、H字形
の平面形状に形成されている。この導電性薄膜3004に後
述する通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すこと
により、電子放出部3005が形成される。図中の距離Lは
0.5〜1mm、Wは0.1mmに設定されている。なお、図示の便
宜から、電子放出部3005を導電性薄膜3004の中央に矩形
の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の
電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけでは
ない。
【0007】Hartwellなどによる素子をはじめとして、
上述の表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を
行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するの
が一般的である。すなわち、通電フォーミングとは、導
電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例え
ば1V/分程度の非常に緩いレートで昇圧する直流電圧を
印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊もしく
は変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電
子放出部3005を形成することである。なお、局所的に破
壊もしくは変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部
には、亀裂が発生する。この通電フォーミング後に、導
電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記の
亀裂付近において電子放出が行われる。
【0008】上述の表面伝導型電子放出素子は、構造が
単純で製造も容易であることから、大面積に亘り多数の
素子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人
による特開昭64-31332号公報に開示されたように、多数
の素子を配列して駆動するための方法が研究されてい
る。
【0009】また、表面伝導型電子放出素子の応用につ
いては、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画
像形成装置や、荷電ビーム源などが研究されている。と
くに画像表示装置への応用としては、例えば本出願人に
よるUSP 5,066,883や特開平2-257551号公報に開示され
たように、表示伝導型放出素子と電子ビームの照射によ
り発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置
が研究されている。表面伝導型電子放出素子と蛍光体と
を組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他の方式
の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。例
えば、近年普及した液晶表示装置と比較しても、自発光
型であるためバックライトを必要としない点や、視野角
が広い点が優れているといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記従来
例に記載したものをはじめとして、様々な材料、製法、
構造の表面伝導型電子放出素子を試みてきた。さらに、
多数の表面伝導型電子放出素子を配列したマルチ電子ビ
ーム源、並びに、このマルチ電子ビーム源を応用した画
像表示装置についての研究を行ってきた。
【0011】発明者らは、例えば、図2に示す電子的な
配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてきた。すな
わち、表面伝導型電子放出素子を二次元的に多数個配列
し、これらの素子を図に示すようにマトリクス上に配線
したマルチ電子ビーム源である。
【0012】図中、4001は表面伝導型電子放出素子を模
式的に示したもの、4002は行方向配線、4003は列方向配
線である。行方向配線4002および列方向配線4003は、実
際には有限の電気抵抗を有するものであるが、図におい
ては配線抵抗4004および4005として示されている。この
ような配線方法を「単純マトリクス配線」と呼ぶ。な
お、図示の便宜上、6×6のマトリクスを示したが、勿
論、マトリクスの規模はこれに限るわけではなく、例え
ば画像表示装置用のマルチ電子ビーム源の場合には、所
望の画像表示を行うのに足りる素子を配列し配線するも
のである。
【0013】表面伝導型電子放出素子を単純マトリクス
配線したマルチ電子ビーム源においては、所望の電子ビ
ームを出力させるため、行方向配線4002および列方向配
線4003に適宜の電気信号を印加する。例えば、マトリク
スの中の任意の一行の表面伝導型電子放出素子を駆動す
るには、選択する行の行方向配線4002には選択電圧Vsを
印加し、同時に、非選択の行の行方向配線4002には非選
択電圧Vnsを印加する。これと同期して、列方向配線400
3に電子ビームを出力するための駆動電圧Veを印加す
る。
【0014】この方法によれば、配線抵抗4004および40
05による電圧降下を無視すると、選択する行の表面伝導
型電子放出素子には、電圧Ve-Vsが印加され、また非選
択行の表面伝導型電子放出素子には電圧Ve-Vnsが印加さ
れる。Ve,Vs,Vnsを適宜の大きさの電圧にすれば、選択
する行の表面伝導型電子放出素子だけから所望の強度の
電子ビームが出力されるはずであり、また列方向配線40
03のそれぞれに、異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択
する行の素子のそれぞれから異なる強度の電子ビームが
出力されるはずである。また、表面伝導型電子放出素子
の応答速度は高速であるため、駆動電圧Veを印加する時
間の長さを変えれば、電子ビームが出力される時間の長
さも変えることができるはずである。
【0015】従って、表面伝導型電子放出素子を単純マ
トリクス配線したマルチ電子ビーム源は、色々な応用の
可能性があり、例えば画像情報に応じた電気信号を適宜
印加すれば、画像表時装置用の電子源として好適に用い
ることができる。しかしながら、表面伝導型電子放出素
子を用いた画像形成装置において、以下に説明するよう
な問題がある。
【0016】図1に示した表面伝導型電子放出素子を用
いた画像形成装置において、行単位に素子の駆動走査を
行い、行方向配線4002の一つを選択したときを考える。
このとき、行および列方向配線自体の配線抵抗4004およ
び4005によって電圧降下を生じる。一方、列方向配線40
03から注入された駆動電流は、選択された行方向配線40
02を通して流れる。従って、とくに行方向配線4002にお
ける電圧降下が無視できない大きさになり、選択した行
方向配線4002に接続された複数の素子に印加される電圧
に分布を生じて、その放出電流にも分布を生じ、その結
果、輝度が一様の画像を表示した場合に輝度分布を生じ
る問題がある。
【0017】また、後述するように、表面伝導型電子放
出素子の抵抗成分は、素子の両端に印加される電圧によ
り二桁程度その大きさが変る。すなわち、単純マトリク
ス構造において半選択駆動を受けている状態では、選択
駆動を受けている場合に比べて抵抗値が大きくなるの
で、半選択駆動を受けている素子は解放状態と見なすこ
とができる。従って、図2に示すようなn行m列の表面伝
導型電子放出素子を有するマルチ電子ビーム源の等価回
路は、選択駆動しているライン上の素子のみを抽出した
図3に示す等価回路で表すことができる。
【0018】図3において、列方向配線端子Dy1からDyn
を通り、それぞれの表面伝導型電子放出素子に流れた駆
動電流はすべて、行方向配線端子Dxkから流れ出す。従
って、行方向配線の配線抵抗分であるrxによる電圧降下
を生じ、図4に示すように、素子によって印加される電
圧が異なるようになり、電子放出量に分布が生じ、その
結果、表示に輝度分布を生じることになる。さらに、表
示輝度を上げるようとすると、素子の駆動電流が増加す
るために、配線を流れる電流が増加し、上述の理由か
ら、さらに大きな輝度分布を生じる結果になる。
【0019】本発明は、上述の問題を解決するためのも
のであり、配線抵抗による電圧降下の影響を低減して、
輝度分布をより均一化することができる画像形成装置お
よび電子ビーム発生源を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】および
【作用】本発明は、前記の目的を達成する一手段とし
て、以下の構成を備える。
【0021】本発明にかかる画像形成装置は、少なくと
も、基板上に表面伝導型電子放出素子を配列した電子ビ
ーム発生源と、前記電子ビーム発生源より発生された電
子ビームの照射によって発光する蛍光体と、入力された
画像信号に基づいて、前記蛍光体に照射する前記電子ビ
ームを線順次走査するとともに、その走査方向に少なく
とも二つに分割された画像形成領域において独立に前記
電子ビームを変調する走査変調手段とを有することを特
徴とする。
【0022】本発明にかかる電子ビーム発生源は、基板
上に複数の表面伝導型電子放出素子を二次元的に配列
し、行方向配線と列方向配線により各素子をマトリクス
状に結線した電子ビーム発生源であって、少なくとも二
つに分割された領域ごとに前記行方向配線または前記列
方向配線を電気的に分離したことを特徴とする。
【0023】また、基板上において列方向に沿って複数
の表面伝導型放出素子を配置した素子群をその列方向と
略直交する行方向に複数配列し、前記素子群の上方に前
記列方向に沿って複数のグリッド電極を配列した電子ビ
ーム発生源であって、少なくとも二つに分割された領域
ごとに前記グリッド電極を電気的に分離したことを特徴
とする。
【0024】
【実施例】以下、本発明にかかる一実施例の画像形成装
置を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
【第1実施例】本発明を適用した画像形成装置の表示パ
ネルの構成と製造法について、具体的な例を示して説明
する。
【0026】[表示パネルの構成と製造法]図5は本実
施例に用いる表示パネルの斜視図で、その内部構造を示
すためにパネルの一部を切欠いて示してある。
【0027】図中、1005はリアプレート、1006は側壁、
1007はフェースプレートであり、これらにより表示パネ
ルの内部を略真空に維持するための気密容器を形成して
いる。気密容器を組立てるに当っては、各部材の接合部
に充分な強度と気密性を保持するため封着する必要があ
る。例えば、フリットガラスを接合部に塗布し、大気中
あるいは窒素雰囲気中において400℃から500℃で10分以
上の焼成を行うことにより封着する。なお、気密容器内
部を略真空に排気する方法については後述する。
【0028】リアプレート1005には、基板1001が固定さ
れているが、その基板1001上には表面伝導型電子放出素
子1002がN×M個形成されている。なお、NとMは、ともに
2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じ
て適宜設定される。例えば、高品位テレビジョンを表示
することを目的とする装置においては、N=3,000, M=1,0
00以上の数を設定することが望ましいが、本実施例にお
いては、例えばN=3,072, M=1,024とする。N×M個の表面
伝導型電子放出素子は、二つの群に分割され、各群はそ
れぞれM/2本の行方向配線1003とN本の列方向配線1004に
より単純マトリクス配線されている。ここで、行方向と
列方向とは略直交する方向であることは言うまでもな
い。
【0029】なお、符号1001〜1004で示す各部によって
構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶが、その製
造方法や構造については後で詳しく説明する。また、本
実施例においては、気密容器のリアプレート1005にマル
チ電子ビーム源の基板1001を固定する構成としたが、基
板1001が充分な強度を有すれば、基板1001自体を気密容
器のリアプレートとして用いてもよい。
【0030】フェースプレート1007の下面には、蛍光膜
1008が形成される。本実施例はカラー画像を形成する装
置であるため、蛍光膜1008は、CRTの分野で用いられる
赤緑青の三原色の蛍光体で塗り分ける。各色の蛍光体92
は、例えば、図6Aに示すようにストライプ状に塗り分け
られ、蛍光体のストライプの間には黒色導電体91が設け
てある。黒色導電体91を設ける目的は、電子ビームの照
射位置に多少のずれがあっても、表示色にずれが生じな
いようにすること、外光の反射を防止して表示コントラ
ストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜1008の
帯電を防止することなどである。黒色導電体91は黒鉛を
主成分として用いるが、上記の目的に適するものであれ
ば、これ以外の材料を用いてもよい。
【0031】三原色の蛍光体92の塗り分け方は、図6Aに
示すストライプ状の配列に限られるものではなく、例え
ば、図6Bに示すようなデルタ状配列や、それ以外の配列
であってもよい。なお、モノクロームの表示パネルを作
成する場合は、単色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用いれ
ばよく、また黒色導電材91は必ずしも必要としない。蛍
光体92の塗布方法には、モノクロームの場合は沈殿法や
印刷法を用いるが、カラーの場合はスラリー法を用い
る。ただし、カラーの場合に印刷法を用いても、勿論、
同等の塗布膜が得られる。
【0032】また、蛍光膜1008のリアプレート1005側の
面には、CRTの分野で公知のメタルバック1009を設けて
ある。メタルバック1009を設ける目的は、蛍光膜1008が
発する光の一部を鏡面反射して光利用率を向上させるこ
と、負イオンの衝突から蛍光膜1008を保護すること、電
子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させ
ること、蛍光膜1008を励起した電子の導電路として作用
させることなどである。メタルバック1009は、蛍光膜10
08をフェースプレート1007上に形成した後、蛍光膜1008
の表面を平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)
し、その上にAl(アルミ)を例えば真空蒸着する方法に
より形成する。なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材
料を用いる場合は、メタルバック1009を用いない。ま
た、本実施例では用いないが、加速電圧の印加用や、蛍
光膜1008の導電性向上を目的として、フェースプレート
1007と蛍光膜1008との間に、例えばITOを材料とする透
明電極を設けてもよい。
【0033】Dx1〜Dxm,Dy1〜Dyn,Dz1〜DznおよびHv
は、表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続す
るために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1
〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線1003と、Dy1〜
Dynはマルチ電子ビーム源の一方の群の列方向配線1004
と、Dz1〜Dznは他方の群の列方向配線1004と、Hvはフェ
ースプレート1007のメタルバック1009と電気的に接続し
ている。
【0034】気密容器内部を真空に排気するには、気密
容器を組立てた後、不図示の排気管と真空ポンプとを気
密容器に接続し、容器内を10^(-7)Torr程度の真空度ま
で排気する(a^bはaのb乗を表す)。その後、排気管を
封止するが、容器内の真空度を維持するために、封止の
直前あるいは封止後に気密容器内の所定位置にゲッタ膜
(不図示)を形成する。ゲッタ膜とは、例えばBaを主成
分とするゲッタ材料をヒータもしくは高周波加熱により
加熱して蒸着した膜で、ゲッタ膜の吸着作用により容器
内は10^(-5)から10^(-7)Torrの真空度に維持される。な
お、気密容器の組立て、つまりフェースプレート1007、
側壁1006、リアプレート1005の接合部を封着する際は、
各色の蛍光体92と電子放出素子とを対応させなければな
らないので、充分に位置合わせを行う必要がある。
【0035】[表面伝導型電子放出素子の好適な素子構
成と製法]以上、本実施例の表示パネルの基本構成と製
造方法を説明したが、次に、本実施例の表示パネルに用
いるマルチ電子ビーム源の製造方法について説明する。
【0036】本実施例の画像形成装置に用いる電子ビー
ム源は、表面伝導型電子放出素子を単純マトリクス配線
した電子源であれば、表面伝導型電子放出素子の材料や
形状あるいは製法に制限はない。しかしながら、発明者
らは、表面伝導型電子放出素子の中では、電子放出部も
しくはその周辺部を微粒子膜から形成したものが、電子
放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見い
だしている。従って、電子放出部もしくはその周辺部を
微粒子膜から形成した表面伝導型電子放出素子は、高輝
度で大画面の画像形成装置のマルチ電子ビーム源に用い
るには、最も好適であると言える。そこで、まず好適な
表面伝導型電子放出素子について、基本的な構成と製法
およびその特性を説明した後、多数の素子を単純マトリ
クス配線したマルチ電子ビーム源の構造について説明す
る。
【0037】なお、電子放出部もしくはその周辺部を微
粒子膜から形成する表面伝導型電子放出素子の代表的な
構成には、平面型と垂直型の二種類があるので、これら
を順に説明する。
【0038】[平面型の表面伝導型電子放出素子]ま
ず、平面型の表面伝導型電子放出素子の素子構成と製法
について説明する。図7Aは平面型の表面伝導型電子放出
素子の構成を説明する平面図、図7Bはその断面図であ
る。
【0039】同図において、1101は基板、1102と1103は
素子電極、1104は導電性薄膜、1105は通電フォーミング
処理により形成した電子放出部、1113は通電活性化処理
により形成した薄膜である。
【0040】基板1101としては、例えば石英ガラスや青
板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アルミナを
はじめとする各種セラミクス基板、あるいは、上述の各
種基板上に例えばSiO2を材料とする絶縁層を積層した基
板などを用いる。
【0041】基板1101上に基板面と平行に互いに対向し
て設けられた素子電極1102と1103は、導電性を有する材
料によって形成する。例えば、Ni, Cr, Au, Mo, W, Pt,
Ti,Cu, Pd, Agなどをはじめとする金属や、これら金属
の合金、あるいは、In2O3-SnO2をはじめとする金属酸化
物や、ポリシリコンなどの半導体などから適宜材料を選
択して用いる。素子電極1102と1103は、例えば真空蒸着
などの成膜技術とフォトリソグラフィ・エッチングなど
のパターンニング技術を組合わせれば容易に形成できる
が、それ以外の方法、例えば印刷技術を用いて形成して
も差し支えない。素子電極1102と1103の形状は、その電
子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計する。電極間
隔Lは、通常、数百Åから数百μmの範囲から適当な数値
を選んで設計するが、画像形成装置に応用するために好
ましいのは数μmから数十μmの範囲である。また、素子
電極1102と1103の厚さdは、通常、数百Åから数μmの範
囲から適当な数値を選ぶ。
【0042】導電性薄膜1104には微粒子膜を用いる。こ
こで述べる微粒子膜とは、構成要素として多数の微粒子
を含んだ膜(島状の集合体も含む)を指す。微粒子膜を
微視的に調べれば、通常、個々の微粒子が離間して配置
された構造、微粒子が互いに隣接した構造、あるいは、
微粒子が互いに重なり合った構造が観測される。微粒子
膜に用いる微粒子の粒径は、数Åから数千Åの範囲に含
まれるものであるが、好ましいのは10Åから200Åの範
囲のものである。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べ
るような諸条件を考慮して適宜設定される。すなわち、
素子電極1102あるいは1103と電気的に良好に接続するの
に必要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行う
のに必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適
宜の値にするために必要な条件などである。具体的に
は、数Åから数千Åの範囲で設定するが、好ましいのは
10Åから500Åの範囲である。微粒子膜を形成するのに
用いる材料は、例えば、Pd, Pt, Ru, Ag, Au, Ti, In,
Cu, Cr, Fe, Zn, Sn, Ta, W,Pbなどをはじめとする金
属、PdO, SnO2, In2O3, PbO, Sb2O3などをはじめとする
酸化物、HfB2, ZrB2, LaB6, CeB6YB4, GdB4などをはじ
めとする炭化物、Ti
【0043】N, ZrN, HfNなどをはじめとする窒化物、S
i, Geなどをはじめとする半導体、カーボンなどがあげ
られ、これらの中から適宜選択する。
【0044】以上述べたように、導電性薄膜1104を微粒
子膜で形成するが、そのシート抵抗値は10^3から10^7Ω
/cm^2の範囲に含まれるよう設定する。なお、導電性薄
膜1104と素子電極1102と1103とは、電気的に良好に接続
されるのが望ましいので、互いにその一部が重なり合う
ような構造をとっている。なお、図7Bには、下から基板
1101、素子電極1102と1103、導電性薄膜1104の順で積層
する例を示したが、場合によっては、下から基板1101、
導電性薄膜1104、素子電極1102と1103の順で積層しても
差し支えない。
【0045】電子放出部1105は、導電性薄膜1104の一部
に形成された亀裂状の部分で、電気的には周囲の導電性
薄膜1104よりも高抵抗な性質を有している。亀裂は、導
電性薄膜1104に後述する通電フォーミング処理を行うこ
とにより形成する。亀裂内には、数Åから数百Åの粒径
の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電子放出
部1105の位置や形状を、精密かつ正確に図示するのは困
難であり、図7Aと7Bには模式的に示している。
【0046】薄膜1113は、炭素もしくは炭素化合物から
なる薄膜で、電子放出部1105およびその近傍を被覆して
いる。薄膜1113は、通電フォーミング処理後に、後述す
る通電活性化処理を行うことにより形成する。薄膜1113
は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイト、非晶質
カーボンの何れか、もしくはその混合物で、膜厚は500
Å以下にするが、300Å以下にするのがさらに好まし
い。なお、実際の薄膜1113の位置や形状を、精密かつ正
確に図示するのは困難であり、図7Aと7Bには模式的に示
している。また、図7Aと7Bは薄膜1113の一部を除去した
状態を示している。
【0047】以上、好ましい素子の基本構造を説明した
が、実施例においては、基板1101に青板ガラスを、素子
電極1102と1103にNi薄膜を用い、素子電極1102と1103の
厚さdは約1000Å、電極間隔Lは約2μmとし、微粒子膜の
主要材料としてPdもしくはPdOを用い、微粒子膜の厚さ
は約100Å、幅Wは約100μmにした素子を用いる。
【0048】次に、好適な平面型の表面伝導型電子放出
素子の製造方法について説明する。図8Aから8Eは表面伝
導型電子放出素子の製造工程を説明するための断面図で
ある。
【0049】工程1: 基板1101上に素子電極1102と1103
を形成する(図8A)。具体的には、基板1101を洗剤、純
水、有機溶剤を用いて予め充分に洗浄し、電極材料を堆
積させる。なお、この堆積には例えば蒸着法やスパッタ
法などの真空成膜技術を用いる。そして、堆積した電極
材料を、フォトリソグラフィ・エッチング技術を用いて
パターニングし、一対の素子電極1102と1103を形成す
る。
【0050】工程2: 導電性薄膜1104を形成する(図8
B)。具体的には、素子電極1102と1103を形成した基板1
101に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィ・エッチ
ングにより所定の形状にパターニングして、導電性薄膜
1104を形成する。ここで、有機金属溶剤とは、導電性薄
膜に用いる微粒子材料を主要元素とする有機金属化合物
の溶液で、本実施例では主要元素としてPdを用いた。ま
た、塗布方法として、ディッピング法を用いるが、それ
以外の、例えばスピンナ法やスプレイ法を用いてもよ
い。また、微粒子膜からなる導電性薄膜の成膜方法とし
ては、本実施例で用いた有機金属溶液を塗布する方法以
外にも、例えば真空蒸着法やスパッタ法など、あるいは
化学的気相堆積法(CVD)などを用いることができる。
【0051】工程3: 素子電極1102と1103の間に、フォ
ーミング用電源1110から適宜の電圧を印加して、通電フ
ォーミング処理を行い、電子放出部1105を形成する(図
8C)。ここで、通電フォーミング処理とは、微粒子膜か
らなる導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を適宜
に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行うの
に好適な構造に変化させる処理のことである。微粒子膜
からなる導電性薄膜1104のうち電子放出を行うのに好適
な構造に変化した部分、つまり電子放出部1105において
は、薄膜に適当な亀裂が形成されている。なお、電子放
出部1105を形成する前と比較して、形成後は素子電極11
02と1103の間の電気抵抗が大幅に増加する。
【0052】図9は通電フォーミング処理における通電
方法を詳しく説明するための図で、フォーミング用電源
1110から印加する適宜の電圧波形の一例を示す。微粒子
膜からなる導電性薄膜1104をフォーミングする場合、パ
ルス状の電圧波形を印加するのが好ましく、本実施例の
場合は、図9に示すように、パルス幅T1の三角波パルス
を繰返間隔T2で連続的に印加する。その際、三角波パル
スの波高値Vpfを順次昇圧する。
【0053】なお、本実施例においては、例えば10^(-
5)Torr程度の真空雰囲気下で、例えばパルス幅T1を約1m
s、繰返間隔T2を約10msにし、波高値Vpfを一パルスごと
に約0.1Vずつ昇圧した。そして、三角波を五パルス印加
する度に一回の割合で、フォーミング処理に悪影響を及
ぼすことがないように波高値Vpmが約0.1Vのモニタパル
スPmを挿入して、その際に流れる電流を電流計1111で計
測することにより、電子放出部1105の形成状況をモニタ
する。そして、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が1M
Ω以上になった段階、すなわちモニタパルスPmを印加し
たときに電流計1111で計測される電流が0.1μA以下にな
った段階で、フォーミング処理にかかる通電を終了す
る。なお、この方法は、本実施例の表面伝導型電子放出
素子に関して好ましく、微粒子膜の材料や膜厚、あるい
は、素子電極間隔Lなど、表面伝導型電子放出素子の設
計を変更した場合には、それに応じて通電条件を適宜変
更するのが望ましい。
【0054】工程4: 素子電極1102と1103の間に活性化
用電源1112から適宜の電圧を印加して、通電活性化処理
を行い、電子放出特性を改善する(図8D)。ここで、通
電活性化処理とは、通電フォーミング処理により形成さ
れた電子放出部1105に適宜の条件で通電を行い、その近
傍に炭素もしくは炭素化合物を堆積させる処理のことで
ある。図8Dは、炭素もしくは炭素化合物からなる堆積物
を、部材1113として模式的に示している。なお、通電活
性化処理を行う前と比較して、処理後は同じ印加電圧に
おける放出電流を、典型的な場合に百倍以上に増加させ
ることができる。
【0055】より具体的には、10^(-4)から10^(-5)Torr
の範囲の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に印加す
ることにより、真空雰囲気中に存在する有機化合物を起
源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆積物
1113は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイト、非
晶質カーボンの何れかか、もしくはその混合物で、その
膜厚は500Å以下、より好ましくは300Å以下にする。次
に、通電方法をより詳しく説明する。
【0056】図10Aは通電活性化用処理時に印加する適
宜の電圧波形の一例を示す図である。本実施例において
は、一定電圧の矩形波を周期的に印加して通電活性化処
理を行うが、具体的には、矩形波の電圧Vacを約14V、パ
ルス幅T3を約1ms、パルス間隔T4を約10msにする。この
通電条件は、本実施例の表面伝導型電子放出素子に関す
る好ましい条件であり、表面伝導型電子放出素子の設計
を変更した場合は、それに応じて通電条件を適宜変更す
るのが望ましい。
【0057】図8Dに示す1114は、表面伝導型電子放出素
子から放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード
電極で、直流高電圧電源1115および電流計1116を接続す
る。なお、基板1101を、表示パネル中に組込んでから通
電活性化処理を行う場合は、表示パネルの蛍光面をアノ
ード電極1114として用いる。
【0058】活性化用電源1112から電圧を印加する間、
電流計1116で放出電流Ieを計測して、通電活性化処理の
進行状況をモニタし、活性化用電源1112の動作を制御す
る。図10Bは電流計1116で計測した放出電流Ieの一例を
示す図で、活性化電源1112からパルス電圧を印加し始め
ると、時間の経過とともに放出電流Ieは増加するが、や
がて飽和してほとんど増加しなくなる。このように、放
出電流Ieがほぼ飽和した時点で、活性化用電源1112から
の電圧印加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0059】以上のようにして、図8Eに一例を示す平面
型の表面伝導型電子放出素子を製造する。
【0060】[垂直型の表面伝導型電子放出素子]次
に、電子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成し
た表面伝導型電子放出素子のもうひとつの代表的な構
成、すなわち垂直型の表面伝導型電子放出素子の構成に
ついて説明する。
【0061】図11は垂直型の表面伝導型電子放出素子の
基本構成を説明するための模式的な断面図で、1201は基
板、1202と1203は素子電極、1206は段差形成部材、1204
は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205は通電フォーミン
グ処理により形成した電子放出部、1213は通電活性化処
理により形成した薄膜である。
【0062】先に説明した平面型と垂直型とが異なる点
は、素子電極の一方(1202)が段差形成部材1206上に設け
られていて、導電性薄膜1204が段差形成部材1206の側面
を被覆している点にある。従って、図7Aと7Bに示した平
面型における素子電極間隔Lは、垂直型においては段差
形成部材1206の段差高Lsとして設定される。なお、基板
1201、素子電極1202と1203、微粒子膜を用いた導電性薄
膜1204については、前記平面型の説明中に列挙した材料
を同様に用いることができる。また、段差形成部材1206
には、例えばSiO2のような電気的な絶縁性材料を用い
る。
【0063】次に、垂直型の表面伝導型電子放出素子の
製法について説明する。図12Aから12Fは垂直型の表面伝
導電子放出素子の製造工程を説明する断面図である。
【0064】工程1: 基板1201上に素子電極1203を形成
する(図12A)。
【0065】工程2: 段差形成部材(以下「絶縁層」と
呼ぶ場合がある)1206を積層する(図12B)。絶縁層120
6は、例えばSiO2をスパッタ法で積層すればよいが、例
えば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いても
よい。
【0066】工程3: 絶縁層1206の上に素子電極1202を
形成する(図12C)。
【0067】工程4: 絶縁層1206の一部を例えばエッチ
ング法を用いて除去し、素子電極1203を露出させる(図
12D)。
【0068】工程5: 微粒子膜を用いた導電性薄膜1204
を形成する(図12E)。前記平面型の場合と同じく、例
えば塗布法などの成膜技術を用いる。
【0069】工程6: 前記平面型の場合と同様の通電フ
ォーミング処理を行い、電子放出部1205を形成する(図
12F)
【0070】工程7: 前記平面型の場合と同様の通電活
性化処理を行い、電子放出部1205近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積させる(図12F)
【0071】以上のようにして、図12Fに一例を示す垂
直型の表面伝導型電子放出素子を製造する。
【0072】[表面伝導型電子放出素子の特性]次に、
装置に用いる素子の特性について説明する。図13は画像
形成装置に用いる素子のIe(放出電流)対Vf(素子電
圧)特性およびIf(素子電流)対Vf(素子電圧)特性の
典型的な例を示す図である。なお、放出電流Ieは素子電
流Ifに比べて著しく小さく、同一尺度で図示するのが困
難である上、これらの特性は素子の大きさや形状などの
設計パラメタを変更することにより変化するものである
ため、これらの特性を示す二本のカーブは任意単位で図
示する。装置に用いた素子は、放出電流Ieに関して次の
三つの特性を有している。
【0073】第一に、ある電圧Vth(これを「閾値電
圧」と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急
激に放出電流Ieが増加するが、閾値電圧Vth未満の電圧
では放出電流Ieはほとんど検出されない。すなわち、放
出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthをもった非線形
素子である。
【0074】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電圧
Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流Ieの大き
さを制御できる。
【0075】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して、
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電圧
Vfを印加する時間の長さによって、素子から放出される
電子の電荷量を制御できる。
【0076】以上のような特性を有するため、表面伝導
型電子放出素子を画像形成装置に好適に用いることがで
きる。例えば、画面の画素に対応して多数の素子を設け
た装置において、第一の特性を利用すれば、画面を順次
走査して画像を形成することが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望する発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択(非駆動)状態の素
子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。このように
して、駆動する素子を順次切替えることにより、画面を
順次走査して画像を形成することができる。また、第二
の特性かまたは第三の特性を利用することにより、発光
輝度を制御することができるので、階調表示を行うこと
が可能である。なお、素子電流Ifの特性から解るよう
に、表面伝導型電子放出素子の電気抵抗は、非線形に変
化する。例えば、Vth以下の電圧に対して電気抵抗は極
めて大きいが、電圧Vfを増加させるにつれて二桁程度小
さな値に変化する。
【0077】[マルチ電子ビーム源の構造]次に、上述
した表面伝導型電子放出素子を、基板上に配列して、単
純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源の構造につい
て説明する。図14Aは図5に示した表示パネルに用いたマ
ルチ電子ビーム源の部分平面図、図14Bは図14AのA-A'矢
視断面図である。基板上に、図7Aと7Bに示したものと同
様な表面伝導型電子放出素子を配列し、図5に示したよ
うにこれらの素子を二つの群に分割して、その群ごとに
行方向配線1003と列方向配線1004により単純マトリクス
状に結線する。行方向配線1003と列方向配線1004の交差
する部分には、絶縁層(不図示)を形成して、配線間の
電気的な絶縁を保つ。
【0078】なお、このような構造のマルチ電子ビーム
源は、予め基板上に行方向配線1003、列方向配線1004、
電極間絶縁層(不図示)および表面伝導型電子放出素子
の素子電極1102と1103と導電性薄膜1104を形成した後、
行方向配線1003および列方向配線1004を介して、各素子
に電圧を印加して通電フォーミング処理および通電活性
化処理を行うことにより製造する。[マルチ電子ビーム
源の駆動方法]
【0079】次に、マルチ電子ビーム源の駆動方法につ
いて詳しく説明する。ここでは、便宜上、表面伝導型電
子放出素子群を列方向に上下二分割し、同時にライン走
査して画像を形成する、所謂、画面分割駆動法により画
像形成を行う駆動方法について詳しく説明する。
【0080】図15は画面分割駆動法に好適な表示パネル
の電子ビーム源の構成例を示す図で、m×nマトリクス状
に配列されたの表面伝導型電子放出素子を有している。
表示パネルの上半分に位置する素子を接続する列方向配
線を端子Dy1からDynに、下半分に位置する素子を接続す
る列方向配線を端子Dz1からDznにそれぞれ引出し、Dy配
線群とDz配線群とは互いに電気的に独立した構造にす
る。
【0081】図16は図15に示す表示パネルを駆動する駆
動回路の構成例を示すブロック図である。同図におい
て、表示する画像データは、例えばNTSC信号などのテレ
ビジョン信号から、あるいはパーソナルコンピュータな
どで生成されて入力され、画像メモリ109に格納され
る。なお、説明を簡単にするため、画像メモリ109はVRA
Mとして一般的なデュアルポートRAMであるとし、不図示
のCPUなどにより画像が展開されている間でも、その格
納内容を読取ることができるものとする。また、表示パ
ネル108の上半分の素子を駆動制御するためにラインメ
モリ105a,変調信号発生器107a,走査回路102aを設け、
下半分の素子を駆動制御するためにラインメモリ105b,
変調信号発生器107b,走査回路102bを設ける。
【0082】さて、制御回路103は、上画面,下画面の
順に画像メモリ109から一ライン分の画像データを取出
すためのアドレス信号を生成するとともに、画像メモリ
109に対してはリード信号を出力し、ラインメモリ105a
と105bに対しては交互に書込信号を出力する。画像メモ
リ109からラインメモリ105aと105bヘの接続は共通にな
っているので、ラインメモリ105aと105bへの書込みは交
互に行う必要がある。制御回路103は、それぞれ一ライ
ン分のデータがラインメモリ105aと105bに格納される
と、メモリロードタイミング信号Tmry-aおよびTmry-bを
出力するとともに、次ラインのデータの読出しを行う。
【0083】変調信号発生器107aは、ラインメモリ105a
に格納されたデータに対応する駆動信号を列方向配線端
子Dy1からDynへ出力し、また走査回路102aは、制御回路
103から入力されたTscan-a信号により、端子Dx1からDx
(m/2)に接続された行方向配線のうち表示すべきライン
の配線へ駆動信号を出力する。これと同時に、変調信号
発生器107bは、ラインメモリ105bに格納されたデータに
対応する駆動信号を列方向配線端子Dz1からDznへ出力
し、また走査回路102bは、制御回路103から入力されたT
scan-b信号により、端子Dx((m/2)+1)からDxmに接続され
た行方向配線のうち表示すべきラインの配線へ駆動信号
を出力する。すなわち、表示パネル108の二ラインを同
時に駆動制御しながら、画像を表示するものである。
【0084】このように、画面分割駆動法により表示パ
ネル108を駆動制御することにより、表示パネル108の二
ラインを同時に発光することができ、ラインの走査周波
数を1/2にすることができるので、一ライン当りの発光
時間を二倍にして二倍の輝度を得ることができる。
【0085】また、逆に、発光時間が二倍になることか
ら放出電流Ieを1/2に減らしても所望の輝度を得ること
ができるので、素子電圧Vfを低減することができる。素
子電圧Vfを低減すれば、当然、素子電流Ifも低減される
ので、行方向配線1003を流れる駆動電流も低減されるこ
とになり、前述した配線での電圧降下による印加電圧の
分布を改善して、この印加電圧の分布に起因する輝度分
布の発生を大幅に改善することができる。なお、図17は
印加電圧の分布が改善される様子を示す図で、実線は画
面分割駆動して放出電流Ieを1/2に減らした場合の印加
電圧の分布を表し、破線は図4に示したのと同じカー
ブ、つまり放出電流Ieを減らす前(改善前)の印加電圧
の分布を表している。
【0086】以上説明したように、本実施例によれば、
一ライン当りの発光時間を長くすることが可能であるた
めに、少ない駆動電流で同等の発光輝度を得ることがで
き、配線抵抗により電圧降下の影響を低減し、素子の位
置による放出電流をより均一化して、輝度分布をより均
一化することができる。
【0087】
【第2実施例】以下、本発明にかかる第2実施例の画像形
成装置を説明する。なお、第2実施例において、第1実施
例と略同様の構成については、同一符号を付して、その
詳細説明を省略する。
【0088】図18は本発明にかかる第2実施例の画像形
成装置に用いる表示パネルの斜視図で、その内部構造を
示すためにパネルの一部を切欠いて示してある。
【0089】同図に示す表示パネルは、例えば本出願人
による特開平1-31332号公報に開示された構造を備えて
いる。つまり、表面伝導型電子放出素子を多数並列に配
置し、個々の素子の両端を行方向配線1013にそれぞれ結
線した行を多数配列した基板1001をリアプレート1005上
に固定した後、基板1001の上方に、電子通過孔205を有
するグリッド206を、素子の配置方向に直交させて配置
した構造を備えている。
【0090】その他の構造は、図5に示した表示パネル
とほぼ同様なので、詳細な説明は省略するが、気密容器
内を充分な真空度にして、容器外へ引き出した端子DR1
からDRmおよびDL1からDLmを通じて、素子電極1203間に
電圧を印加することにより、前述した通電フォーミング
処理および通電活性化処理を行って、電子放出部1205を
形成し、排気管(不図示)をガスバーナなどで熱するこ
とにより溶着して、外囲器(気密容器)を封止し、最後
に、封止後の真空度を維持するためにゲッタ処理を行
う。
【0091】このようにして形成した表示パネルの素子
それぞれに、端子DR1からDRmおよびDL1からDLmを通じて
電圧を印加することにより、各電子放出部1205から電子
を放出させる。こうして放出された電子は電子ビーム変
調用のグリッド(変調電極)206の電子通過孔205を通過
した後、高圧端子Hvを通じてメタルバック1009あるいは
透明電極(不図示)に印加された数kV以上の高圧により
加速されて蛍光膜1008に衝突し、これにより蛍光体92を
励起・発光させる。その際、画像信号に応じた電圧を、
端子G11からG1nを通じてグリッド206に印加することに
より、電子通過孔205を通過する電子ビームを制御して
画像を形成する。本実施例では、例えばSiO2の絶縁層
(不図示)を介して、基板1001の約10μm上方に約50μm
径の電子通過孔205を有するグリッド206を配置し、加速
電圧として約6kV印加した場合に、電子ビームのオンと
オフ(つまり電子通過孔205を通過する通過しない)を5
0V以内の変調電圧(グリッド電圧Vg)で制御することが
できる。
【0092】なお、以上で述べた構成は、画像形成装置
を作成する上で必要な概略構成であり、例えば各部材の
材料や寸法・位置関係などの詳細部分は上述の説明に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択することができる。
【0093】図19はグリッド206に印加するグリッド電
圧Vgと蛍光膜1008へ流れる蛍光面電流との関係を示す図
で、グリッド電圧Vgを増加していくと、ある閾値電圧Vg
1以上で蛍光面電流が流れ始め、さらにグリッド電圧Vg
を増加するに従って蛍光面電流は単調に増加して、最終
的に飽和する特性を有している。
【0094】次に、この表示パネルを前述した実施例と
同様に二ライン同時の線順次で駆動する方法について説
明する。
【0095】図20は図18に示したグリッド206を抜出し
て示す図である。端子G11からG1nおよびG21からG2nによ
って外部と接続されるグリッド206は、それぞれ二分割
されたグリッド206aと206bを備え、蛍光膜1008から照射
された電子が通過する電子通過孔205であるH1からHmを
設けてある。図21はこのようなグリッド構造の表示パネ
ルの外観例を示す斜視図で、グリッド206aおよび206bに
それぞれ接続された端子G11からG1nおよびG21からG2nが
配置されている。
【0096】図22は図21に示す表示パネルを駆動する駆
動回路の構成例を示すブロック図である。この駆動回路
の構成および画像形成動作・制御は、表示パネル110以
外は、図16に示した駆動回路と同じなので、詳細な説明
は省略する。なお、図16に示した表示パネル108の端子D
x1からDxmが図22の表示パネル110の端子DL1からDLmに、
端子Dy1からDynが端子G11からG1nに、端子Dz1からDznが
端子G21からG2nに、それぞれ対応する。また、表示パネ
ル110の端子DR1からDRmは接地電位に接続する。
【0097】このような構成にすれば、図18および図20
に示したような電子ビームを変調するグリッドを備えた
表示パネル110を用いても、第1実施例と同様に画面分割
駆動を実現して、表示パネル110の二ラインを同時に表
示することができ、ラインの走査周波数を1/2にするこ
とができるので、一ライン当りの発光時間を二倍にして
二倍の輝度を得ることができる。
【0098】また、第1実施例と同様に、発光時間が二
倍になることから、放出電流Ieを1/2に減らしても所望
の輝度を得ることができるので、前述した配線での電圧
降下による印加電圧の分布を図17に示したように改善し
て、この印加電圧の分布に起因する輝度分布の発生を大
幅に改善することができる。ただし、本実施例の駆動電
流は、外囲器の互いに対向する側面に配置された端子DR
iとDLiの間を流れるので、印加電圧の分布は図17に示す
ようにはならず、中央の素子位置で最低になり両端の素
子位置で最高になる略U字型になる。
【0099】以上説明したように、本実施例によれば、
グリッド電極により発光制御を行う電子ビーム発生源を
用いた画像形成装置においても、第1実施例と同様の効
果を得ることができる。
【0100】
【第3実施例】以下、本発明にかかる第3実施例の画像形
成装置を説明する。なお、第3実施例において、第1実施
例と略同様の構成については、同一符号を付して、その
詳細説明を省略する。
【0101】以下では、前述した実施例の画像形成装置
をディスプレイパネルに用いて、例えばテレビジョン放
送をはじめとする種々の画像情報源より提供される画像
情報を表示するように構成した多機能表示装置について
説明する。図23はこの多機能表示装置の一例を示すブロ
ック図である。
【0102】同図において、2100はディスプレイパネ
ル、2101はディスプレイパネルの駆動回路、2102はディ
スプレイコントローラ、2103はマルチプレクサ、2104は
デコーダ、2105は入出力インタフェイス回路、2106はCP
U部、2107は画像生成回路、2108から2110は画像メモリ
インタフェイス回路、2111は画像入力インタフェイス回
路、2112と2113はTV信号受信回路、2114は入力部であ
る。
【0103】なお、CPU部2106はCPU、予めプログラムが
格納されたROM、ワークRAM、I/Oなどを含み、入力部211
4には、必要に応じて、タッチパネルやキーボードおよ
びマウスなどのポインティングデバイスが接続される。
また、本装置は、例えばテレビジョン信号のように映像
情報とサウンド情報の両方を含む信号を受信する場合
は、当然、映像の表示と同時にサウンドを再生するもの
であるが、本発明の特徴と直接関係しないサウンド情報
の受信,分離,再生,処理,記憶などに関する回路や、
サウンドを再生するスピーカなどについては説明を省略
する。以下、画像信号の流れに沿って各部の機能を説明
する。
【0104】TV信号受信回路2113は、例えば電波や空間
光通信などのような無線伝送系を用いて伝送されるTV画
像信号を受信するための回路で、受信したTV信号をデコ
ーダ2104へ出力する。なお、受信するTV信号の方式はと
くに限られるものではなく、例えばNTSC, PAL, SECAMな
どの諸方式でよい。また、これらの方式よりさらに多数
の走査線数をもつTV信号、例えばMUSE方式をはじめとす
る所謂高品位TVは、大面積化や大画素数化に適した本実
施例のディスプレイパネル2100の利点を生かすのに好適
な信号源である。
【0105】TV信号受信回路2112は、例えば同軸ケーブ
ルや光ファイバなどのような有線伝送系を用いて伝送さ
れるTV画像信号を受信するための回路で、受信したTV信
号をデコーダ2104へ出力する。なお、TV信号受信回路21
13と同様に、受信するTV信号の方式はとくに限られるも
のではない。
【0106】画像入力インタフェイス回路2111は、例え
ばTVカメラやイメージスキャナなどの画像入力装置から
供給される画像信号を入力するための回路で、入力した
画像信号をデコーダ2104へ出力する。
【0107】画像メモリインタフェイス回路2110は、ビ
デオテープレコーダ(以下「VTR」と略す)で再生され
た画像信号を入力するための回路である。画像メモリイ
ンタフェイス回路2109は、ビデオディスクに記録された
画像信号を入力するための回路である。画像メモリイン
タフェイス回路2108は、所謂静止画ディスクのように、
静止画像データを記録したメディアから画像信号を入力
するための回路である。なお、これらの画像メモリイン
タフェイス回路2108から2110は、入力した画像信号をデ
コーダ2104へ出力する。
【0108】入出力インタフェイス回路2105は、本装置
と、外部のコンピュータやプリンタなどの出力装置を直
接に、あるいはコンピュータネットワークを介して接続
するための回路で、画像データや文字・図形情報の入出
力を行うのは勿論のこと、場合によっては本装置のCPU2
106と外部との間で、制御信号や数値データの入出力な
どを行うことも可能である。
【0109】画像生成回路2107は、入出力インタフェイ
ス回路2105を介して外部から入力された画像データや文
字・図形情報、あるいはCPU2106から入力された画像デ
ータや文字・図形情報に基づいて、表示用画像データを
生成するための回路である。本回路の内部には、例えば
画像データや文字・図形情報を蓄積するための書換え可
能なメモリや、文字コードに対応する画像情報が記憶さ
れた読出し専用のメモリや、文字・図形情報を画像に展
開するなどの画像処理を行うためのプロセッサなどをは
じめとして、画像の生成に必要な回路が組込まれてい
る。本回路により生成された表示用画像データはデコー
ダ2104へ出力されるが、場合によっては入出力インタフ
ェイス回路2105を介して外部のコンピュータネットワー
クやプリンタへ出力することも可能である。
【0110】CPU2106は、主として本装置の動作制御
や、表示画像の生成や選択や編集に関わる作業を行う。
例えば、マルチプレクサ2103に制御信号を出力し、ディ
スプレイパネル2100に表示する画像信号を適宜選択した
り組合わせたりする。また、その際には、表示する画像
信号に応じて、ディスプレイパネルコントローラ2102に
対して制御信号を発生し、画面表示周波数、走査方法
(例えばインタレースかノンインタレースか)や一画面
の走査線数など、表示装置の動作を適宜制御する。ま
た、CPU2106は、画像生成回路2107に対して、画像デー
タや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは入出力
インタフェイス回路2105を介して外部のコンピュータや
メモリをアクセスして画像データや文字・図形情報を入
力する。
【0111】勿論、CPU2106は、これら以外の目的の作
業にも関わるものであってもよい。例えば、パーソナル
コンピュータやワードプロセッサなどのように、情報を
生成したり処理する機能に直接関わってもよい。あるい
は、前述したように、入出力インタフェイス回路2105を
介して外部のコンピュータネットワークと接続し、例え
ば数値計算などの作業を外部機器と協同して行ってもよ
い。
【0112】入力部2114は、本装置のオペレータがCPU2
106に命令やプログラムあるいはデータなどを入力する
ためのものであり、例えばキーボードやマウスのほか、
ジョイスティック,バーコードリーダ,音声認識装置な
ど多様な入力機器を接続することが可能である。
【0113】デコーダ2104は、画像生成回路2107からTV
信号受信回路2113より入力される種々の画像信号を、三
原色信号または輝度信号とI信号,Q信号に逆変換するた
めの回路である。なお、図に破線で示すように、デコー
ダ2104は内部に画像メモリを備えるのが望ましく、これ
は例えばMUSE方式のTV信号をはじめとして、逆変換する
に際して画像メモリを必要とするような画像信号を扱う
ためである。また、画像メモリを備えることにより、JP
EG方式などで圧縮された静止画の表示や、MPEG方式など
で圧縮された動画の表示が容易になる上、画像生成回路
2107およびCPU2106と協同して画像の間引き,補間,拡
大,縮小,合成をはじめとする各種の画像処理や編集が
容易に行えるようになるという利点が生まれる。
【0114】マルチプレクサ2103は、CPU2106より入力
される制御信号に基づいて、表示画像を適宜選択するも
のである。すなわち、マルチプレクサ2103は、デコーダ
2104から入力される逆変換された画像信号の中から所望
の画像信号を選択して、駆動回路2101へ出力する。その
場合に、一画面を表示する時間内で複数の画像信号を切
替えて選択することにより、所謂マルチ画面テレビのよ
うに、一画面を複数の領域に分けて、その領域ごとに異
なる画像を表示することも可能である。
【0115】ディスプレイパネルコントローラ2102は、
CPU2106より入力される制御信号に基づいて、駆動回路2
101の動作を制御するための回路で、ディスプレイパネ
ル2100の基本動作に関わるものとして、例えばディスプ
レイパネル2100の駆動用電源(不図示)の動作シーケン
スを制御するための信号を駆動回路2101に対して出力す
る。また、ディスプレイパネル2100の駆動方法に関わる
ものとして、例えば画面表示周波数や走査方法を制御す
るための信号を駆動回路2101に対して出力する。また、
場合によっては、表示画像の輝度・コントラスト・色調
・シャープネスといった画質の調整に関わる制御信号を
駆動回路2101に対して出力する場合もある。
【0116】駆動回路2101は、ディスプレイパネル2100
に印加する駆動信号を発生するための回路で、マルチプ
レクサ2103から入力された画像信号と、ディスプレイパ
ネルコントローラ2102より入力された制御信号とに基づ
いて動作するものである。
【0117】以上、各部の機能を説明したが、図23に例
示した構成により、本装置においては多様な画像情報源
より入力される画像情報をディスプレイパネル2100に表
示することが可能である。すなわち、TV放送をはじめと
する各種の画像信号はデコーダ2104において逆変換され
た後、マルチプレクサ2103において適宜選択され、駆動
回路2101に入力される。一方、ディスプレイコントロー
ラ2102は、表示する画像信号に応じて駆動回路2101の動
作を制御するための制御信号を発生する。駆動回路2101
は、これら画像信号と制御信号に基づいて、ディスプレ
イパネル2100に駆動信号を印加する。これにより、ディ
スプレイパネル2100において画像が表示される。これら
の一連の動作は、CPU2106により統括的に制御される。
【0118】また、本装置においては、デコーダ2104に
内蔵する画像メモリや、画像生成回路2107およびCPU210
6が関与することにより、単に複数の画像情報の中から
選択したものを表示するだけでなく、表示する画像情報
に対して、例えば拡大,縮小,回転,移動,エッジ強
調,間引き,補間,色変換,画像の縦横比変換などをは
じめとする画像処理や、合成,消去,接続,入換え,は
め込み,切抜きなどをはじめとする画像編集を行うこと
も可能である。
【0119】また、上記の説明ではとくに触れなかった
が、上述した画像処理や画像編集と同様に、サウンド情
報に関しても処理や編集を行うための専用回路を設けて
もよい。
【0120】このように、本装置は、TV放送の表示機
器,テレビ会議の端末機器,静止画像および動画像を扱
う画像編集機器,コンピュータの端末機器,ワードプロ
セッサをはじめとする事務用端末機器,ゲーム機などの
機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用あるいは
民生用として極めて応用範囲が広い。
【0121】なお、図23は表面伝導型電子放出素子を電
子ビーム源とするディスプレイパネル2100を用いた表示
装置の構成例を示したに過ぎず、本実施例の表示装置は
これだけに限定されるものではない。例えば、図23に示
す構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回
路は省いても差し支えないし、これとは逆に、使用目的
によってはさらに構成要素を追加してもよい。例えば、
本装置をテレビ電話機に応用する場合は、テレビカメ
ラ,照明,音声マイク,スピーカ,MODEMやNCUを含む送
受信回路などを構成要素に追加する。
【0122】本装置においては、とくに表面伝導型電子
放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネル2100
が容易に薄形化できるため、装置全体の奥行きを小さく
することが可能である。それに加えて、表面伝導型電子
放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネル2100
は大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるた
め、本装置は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性よ
く表示することが可能である。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
配線抵抗による電圧降下の影響を低減して、輝度分布を
より均一化する画像形成装置および電子ビーム発生源を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面伝導型電子放出素子の素子構成の典型的な
例を示す平面図、
【図2】電子的な配線方法によるマルチ電子ビーム源の
一例を示す図、
【図3】図2に示すマルチ電子ビーム源において選択駆
動されているライン上の素子のみを抽出した等価回路、
【図4】素子によって印加される電圧の分布を示す図、
【図5】本実施例に用いる表示パネルの斜視図、
【図6A】蛍光膜の一例を示す図、
【図6B】蛍光膜の一例を示す図、
【図7A】平面型の表面伝導型電子放出素子の構成を説
明する平面図、
【図7B】図7Aに示す素子の断面図、
【図8A】図7Aに示す素子の製造工程を説明するための
断面図、
【図8B】図7Aに示す素子の製造工程を説明するための
断面図、
【図8C】図7Aに示す素子の製造工程を説明するための
断面図、
【図8D】図7Aに示す素子の製造工程を説明するための
断面図、
【図8E】図7Aに示す素子の製造工程を説明するための
断面図、
【図9】通電フォーミング処理における通電方法を詳し
く説明するための図、
【図10A】通電活性化用処理時に印加する適宜の電圧
波形の一例を示す図、
【図10B】通電活性化処理の進行状況を示す図、
【図11】垂直型の表面伝導型電子放出素子の基本構成
を説明するための模式的な断面図、
【図12A】図11に示す素子の製造工程を説明する断面
図、
【図12B】図11に示す素子の製造工程を説明する断面
図、
【図12C】図11に示す素子の製造工程を説明する断面
図、
【図12D】図11に示す素子の製造工程を説明する断面
図、
【図12E】図11に示す素子の製造工程を説明する断面
図、
【図12F】図11に示す素子の製造工程を説明する断面
図、
【図13】表面伝導型電子放出素子の放出電流Ieおよび
素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を示す図、
【図14A】図5に示す表示パネルに用いるマルチ電子
ビーム源の部分平面図、
【図14B】図14AのA-A'矢視断面図、
【図15】画面分割駆動法に好適な表示パネルの電子ビ
ーム源の構成例を示す図、
【図16】図15に示す表示パネルを駆動する駆動回路の
構成例を示すブロック図、
【図17】印加電圧の分布が改善される様子を示す図、
【図18】本発明にかかる第2実施例の画像形成装置に
用いる表示パネルの斜視図、
【図19】図18に示すグリッドに印加するグリッド電圧
Vgと蛍光膜へ流れる蛍光面電流との関係を示す図、
【図20】図18に示すグリッドを抜出して示す図、
【図21】図20に示すグリッド構造の表示パネルの外観
例を示す斜視図、
【図22】図21に示す表示パネルを駆動する駆動回路の
構成例を示すブロック図、
【図23】本発明にかかる第3実施例の多機能表示装置
の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
102 走査回路 103 制御回路 105 ラインメモリ 107 変調信号発生器 108,110 表示パネル 109 画像メモリ 205 電子通過孔 206 グリッド 1005 リアプレート 1006 側壁 1007 フェースプレート 1008 蛍光膜 1009 バックプレート 1013 行方向配線 1014 列方向配線 1101 基板 1102,1103 素子電極 1104 導電性薄膜 1105 電子放出部 1113 通電活性化処理により形成した薄膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、基板上に表面伝導型電子放
    出素子を配列した電子ビーム発生源と、 前記電子ビーム発生源より発生された電子ビームの照射
    によって発光する蛍光体と、 入力された画像信号に基づいて、前記蛍光体に照射する
    前記電子ビームを線順次走査するとともに、その走査方
    向に少なくとも二つに分割された画像形成領域において
    独立に前記電子ビームを変調する走査変調手段とを有す
    ることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記走査変調手段は前記分割された画像
    形成領域を略同時に線順次走査することを特徴とする請
    求項1に記載された画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電子ビーム発生源は、前記基板上に
    複数の前記表面伝導型電子放出素子を二次元に配列し、
    行方向配線と列方向配線により各素子をマトリクス状に
    結線したことを特徴とする請求項1に記載された画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記電子ビーム発生源は前記画像形成領
    域ごとに前記行方向配線または前記列方向配線を電気的
    に分離したことを特徴とする請求項3に記載された画像
    形成装置。
  5. 【請求項5】 前記走査変調手段は前記分離された配線
    によって前記分割された画像形成領域を略同時に線順次
    走査することを特徴とする請求項4に記載された画像形
    成装置。
  6. 【請求項6】 前記電子ビーム発生源は、前記基板上に
    おいて列方向に沿って複数の前記表面伝導型放出素子を
    配置した素子群をその列方向と略直交する行方向に複数
    配列し、前記列方向に沿って複数のグリッド電極を配列
    したことを特徴とする請求項1に記載された画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記電子ビーム発生源は前記画像形成領
    域ごとに前記グリッド電極を電気的に分離したことを特
    徴とする請求項6に記載された画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記走査変調手段は前記分離されたグリ
    ッド電極によって前記分割された画像形成領域を略同時
    に線順次走査することを特徴とする請求項7に記載され
    た画像形成装置。
  9. 【請求項9】 基板上に複数の表面伝導型電子放出素子
    を二次元に配列し、行方向配線と列方向配線により各素
    子をマトリクス状に結線した電子ビーム発生源であっ
    て、 少なくとも二つに分割された領域ごとに前記行方向配線
    または前記列方向配線を電気的に分離したことを特徴と
    する電子ビーム発生源。
  10. 【請求項10】 基板上において列方向に沿って複数の
    表面伝導型放出素子を配置した素子群をその列方向と略
    直交する行方向に複数配列し、前記素子群の上方に前記
    列方向に沿って複数のグリッド電極を配列した電子ビー
    ム発生源であって、 少なくとも二つに分割された領域ごとに前記グリッド電
    極を電気的に分離したことを特徴とする電子ビーム発生
    源。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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