JP2000311597A - 電子放出素子の製造方法及び装置、駆動方法並びに調整方法 - Google Patents

電子放出素子の製造方法及び装置、駆動方法並びに調整方法

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JP2000311597A
JP2000311597A JP2000042952A JP2000042952A JP2000311597A JP 2000311597 A JP2000311597 A JP 2000311597A JP 2000042952 A JP2000042952 A JP 2000042952A JP 2000042952 A JP2000042952 A JP 2000042952A JP 2000311597 A JP2000311597 A JP 2000311597A
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voltage
electron
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electrodes
driving
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Miki Tamura
美樹 田村
Yasuhiro Hamamoto
康弘 浜元
Keisuke Yamamoto
敬介 山本
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Canon Inc
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/027Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of thin film cathodes

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 放出電子量の経時的な減少及び不安定性を抑
える。 【解決手段】電子放出素子を製造又は調整する際、或は
通常の駆動に先立って、電極間に通常の駆動電圧の最大
値V2と以下の関係にある電圧V1を印加する。電圧V
の印加に伴って流れる電流Iを、 I=f(V) とし、f'(V)を電圧Vにおけるf(V)の微係数とす
るとき、 f(V1)/{V1・f'(V1)−2f(V1)}> f(V2)/{V2・f'(V2)−2f(V2)}
(式2) 電圧V1の印加が終了した後電圧V2をパルス状に連続
して2回印加したときの、(式2)における右辺の1回
目の値をXn-1 、2回目の値をXn としたときに、 (Xn-1 −X)/Xn-1 ≦0.02 (式A) の条件を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子の駆
動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては大別し
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放
出型(以下、「FE型」という)、金属/絶縁層/金属
型(以下、「MIM型」という)や表面伝導型(以下、
「SCE型」という)等がある。
【0003】FE型の例としては W. P. Dyke & W. W.
Dolan, "Field emission", Advancein Electron Physic
s, 8, 89(1956) あるいは C. A. Spindt, "PHYSICAL Pr
operties of thin-film field emission cathodes with
molybdenum cones", J. Appl. Phys., 47, 5248(1976)
等に開示されたものが知られている。MIM型の例と
しては C. A. Mead, "Operation of Tunnel-Emission D
evices", J. Apply. Phys., 32, 646(1961) 等に開示さ
れたものが知られている。SCE型の例としては、 M.
I. Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10, 1290,(1
965)等に開示されたものがある。
【0004】SCE型の素子は基板上に形成された小面
積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子
放出が生ずる現象を利用するものである。このSCE型
素子としては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を
用いたもの[M. I. Elinson,Radio Eng. Electron Phy
s., 10, 1290,(1965)] 、Au薄膜によるもの [G. Ditt
mer,"Thin Solid Films", 9, 317(1972)]、In23
/SnO2 薄膜によるもの [M. Hartwell and C. G. Fo
nstad,"IEEE Trans. ED Conf.", 519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久他:真空、第26巻、第1号、22
頁(1983)]等が報告されている。
【0005】上述のFE型、MIM型、SCE型等の電
子放出素子は、基板上に多数素子を配列形成できる利点
があり、これらを応用した様々な画像表示装置の提案が
なされている。
【0006】また、SCE型の電子放出素子の製造工程
として、実際の駆動時に印加する電圧よりも大きい電圧
を印加しておくことにより、実際に駆動する際の特性の
変化を抑制できることが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の電子放出素子を
用いて形成した画像表示装置においては、長期にわたり
画像表示に好適な明るさやコントラストを維持すること
が求められる。これを実現するためには、電子放出素子
から放出される電子量の減少を抑え、期待される期間に
おいて一定量以上の電子放出を行うことが、電子放出素
子に求められる。
【0008】しかしながら、上述の従来の電子放出素子
は、同一の駆動電圧で長期間駆動すると放出電子量が徐
々に低下するという問題があった。上述のいずれの電子
放出素子においても、駆動中の電子放出部近傍の電界強
度は極めて高く、この高い電界強度に起因する電子放出
部近傍の経時的な変化が、放出電子量の低下となって現
れているものと思われる。
【0009】本発明は、電子放出素子の特性の経時的な
変化を抑制できる電子放出素子の製造方法と駆動方法を
提供しようとするものである。特に、電子放出素子から
の放出電子量の経時的な減少と不安定性を抑制できる電
子放出素子の製造方法と駆動方法を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる電子放
出素子の製造方法は以下のように構成される。すなわ
ち、少なくとも2つの電極を有しており、該2つの電極
間に電圧を印加することで電子を放出する電子放出素子
の製造方法であって、前記電子放出素子を構成する2つ
の電極間に電圧V1を印加する電圧印加工程を有してお
り、該電圧V1は、この電圧印加工程の後、通常の駆動
電圧として印加される電圧の最大値V2との関係が、前
記2つの電極間に電圧を印加したときに電子放出を伴う
電圧範囲内の電圧Vを前記2つの電極間に印加したとき
に該電圧Vの印加に伴って流れる電流Iを、
【0011】
【数11】 とし、f'(V)を電圧Vにおけるf(V)の微係数とす
るとき、
【0012】
【数12】 という第1の条件を満たす電圧であり、前記電圧印加工
程は、該電圧印加工程が終了した時に、該電圧印加工程
終了後の前記2つの電極間に前記電圧V2をパルス状に
連続して2回印加したときの、先のパルス状電圧V2印
加時の前記式2の右辺、すなわちf(V2)/{V2・
f'(V2)−2f(V2)}の値をXn-1 、後のパルス
状電圧V2印加時の前記式2の右辺、すなわちf(V
2)/{V2・f'(V2)−2f(V2)}の値をXn
としたときに、該Xn-1 とXn
【0013】
【数13】 を満たすという第2の条件を満たす工程であることを特
徴とする電子放出素子の製造方法である。
【0014】ここで、前記電圧印加工程を経て製造され
た電子放出素子は実際の駆動時(正常に使用するとき)
に印加される電圧の最大値V2を長時間印加された時の
特性の変化が良好に抑制される。なおここで、前記2つ
の電極間に電圧を印加したときに電子放出を伴う電圧範
囲内の電圧Vを前記2つの電極間に印加したときに該電
圧Vの印加に伴って流れる電流Iとは、該電圧Vの印加
により放出される電流や前記2つの電極間に流れる電流
である。例えばFE型や表面伝導型の電子放出素子の場
合は、一対の電極の間に流れる電流であったり、放出さ
れる電流であったりする。またMIM型の電子放出素子
である場合は、間に絶縁層を挟む2つの電極の間に流れ
る電流(ダイオード電流)であったり、放出電流であっ
たりする。なお、ある電圧Vnにおけるf(Vn)の微
係数f'(Vn)は、ある電圧Vnを印加したときの放出
電流(もしくは2つの電極間に流れる電流)Inと該電
圧Vnを印加する直後もしくは直前に該電圧Vnよりも
微小値であるdVnだけ小さい電圧Vn2を印加したと
きの放出電流(もしくは2つの電極間に流れる電流)I
n2を求め、In−In2をdVnで割ることによって
求めることができる。すなわち、f(V)/{V・f'
(V)−2f(V)}はIn/{Vn・(In−In
2)/dVn−2In}として求めることができる。
【0015】特に前記第2の条件が、前記Xn の変化
率、すなわち(Xn-1 −Xn )/Xn- 1 が1%以下であ
るという条件であると更に好適である。前記電圧V1の
印加の仕方はきまざまであり、その大きさも前記式2の
条件を満たすものであれば、一定である必要もない。特
にはパルス状の電圧として印加するのが好適である。
【0016】また、前記電圧印加工程によって、前記第
2の条件を満たすようにするためには、単純には、本発
明を適用する電子放出素子の少なくとも一部となるべき
2つの電極と同等の2つの電極間へ、本願発明を適用す
る際の条件と同等の条件での電圧印加を行い、その工程
によって得られた電子放出素子に対して、前記Xn-1
n を測定し、それらが前記(式A)を、より好ましく
は(式B)を満たすための条件を求めておくとよい。具
体的には、例えば電圧印加工程において、式2を満たす
電圧V1をパルス状に複数回印加する場合には、該パル
ス電圧V1を何回印加すれば第2の条件を満たすことが
できるかを予め求めておき、それで決まる回数だけ電圧
印加工程においてパルス状の電圧を印加すればよい。ま
たは、電圧印加工程をどれくらいの時間行うことにより
前記第2の条件を満たすことができるかを予め求めてお
き、それで決まる時間だけ電圧印加工程を行えばよい。
または、特性をモニターしながら行うことにより、間接
的もしくは直接的に第2の条件を満たしているか満たし
ていないかを確認しながら電圧印加工程を行ってもよ
い。例えば電圧印加工程において、前記式2の左辺、す
なわちf(V1)/{V1・f'(V1)−2f(V
1)}の変化率が所定の値(例えば5%、もしくは3
%)以下になったら第2の条件を満たすことを予め確認
しておき、電圧印加工程において、f(V1)/{V1
・f'(V1)−2f(V1)}の変化率を例えばパルス
状の電圧V1を印加するたびに求め、その変化率が前記
予め確認されている所定の値以下になったら電圧印加工
程を終了すればよい。もしくは電圧印加工程の途中で、
実際に電圧V2を2つの電極間に印加し、第2の条件を
満たしているかどうかを確認して、第2の条件を満たし
ていることが確認できるまで、電圧印加工程と、電圧V
2の印加による確認工程を繰り返すことによって、第2
の条件を満たす電圧印加工程を実現できる。
【0017】また本発明の製造方法において、前記電圧
印加工程は、高真空雰囲気で行うのが好ましい。また本
発明の製造方法において、前記2つの電極はそれらの間
に間隙部を有するものである場合、前記電圧印加工程
は、該電圧印加工程において前記2つの電極の間の間隙
部が雰囲気中の物質もしくは雰囲気中の物質に基づく物
質の堆積により狭くならない雰囲気で行うのが好まし
い。また本発明の製造方法において、前記電圧印加工程
は、雰囲気中の炭素及び炭素化合物の分圧が1×10-6
Pa以下の雰囲気で行うのが好ましい。より好ましくは
前記分圧が1×10-8Pa以下であるとよい。また全圧
は1×10-5Pa以下、より好ましくは1×10-6Pa
以下が好適である。なおここで、前記電圧印加工程を行
ったときの雰囲気で前記Xn-1 とXn が(Xn-1 −X
n )/Xn-1 ≦0.02もしくは(Xn-1 −Xn )/X
n-1 ≦0.01を満たしていれば前記第2の条件は満た
されているものとする。
【0018】先にも述べたように、前記電圧印加工程に
おいて電圧印加の対象となる2つの電極としては、FE
型の電子放出素子の一対の電極(具体的には、例えばス
ピント型の電子放出素子の場合はエミッタコーン電極と
ゲート電極)や、表面伝導型の電子放出素子の一対の電
極(高電位側電極と低電位側電極)や、MIM型の電子
放出素子の間に絶縁層を挟む一対の電極などがある。
【0019】例えばFE型の電子放出素子や、表面伝導
型の電子放出素子のように電子放出のための電圧が印加
される2つの電極の間に間隙部を有するものに対して本
発明は特に好適に適用できる。
【0020】また本発明は、上記電子放出素子の製造方
法において用いる電子放出素子の製造装置を含んでお
り、該製造装置は前記2つの電極の間に電圧を印加する
ための電位出力部を有していることを特徴とする。
【0021】また、本発明にかかわる電子放出素子の駆
動方法は以下のように構成される。すなわち、少なくと
も2つの電極を有しており、該2つの電極間に電圧を印
加することで電子を放出する電子放出素子の駆動方法で
あって、前記電子放出素子は電子放出素子を構成する2
つの電極間に電圧V1を印加する電圧印加工程を経たも
のであり、この駆動方法は 通常の駆動電圧の最大値を
V2として駆動する駆動プロセスを有しており、前記電
圧V1は、前記電圧V2との関係が、前記2つの電極間
に電圧を印加したときに電子放出を伴う電圧範囲内の電
圧Vを前記2つの電極間に印加したときに該電圧Vの印
加に伴って流れる電流Iを、
【0022】
【数14】 とし、f'(V)を電圧Vにおけるf(V)の微係数とす
るとき、
【0023】
【数15】 という第1の条件を満たす電圧であり、前記電圧印加工
程は、該電圧印加工程が終了したときに、該電圧印加工
程終了後の前記2つの電極間に前記電圧V2をパルス状
に連続して2回印加したときの、先のパルス状電圧V2
印加時のf(V2)/{V2・f'(V2)−2f(V
2)}の値をXn-1 、後のパルス状電圧V2印加時のf
(V2)/{V2・f'(V2)−2f(V2)}の値を
n としたときに、該Xn-1とXn
【0024】
【数16】 を満たすという第2の条件を満たす工程であることを特
徴とする電子放出素子の駆動方法である。
【0025】また、本発明は、製造方法における電圧印
加工程として述べた上記電圧印加工程を出荷前の調整の
際に、もしくは実際の使用開始後の調整の際に用いる調
整方法を含んでいる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、上記課題を解決するため
の手段を詳しく説明する。図2は、本発明を適用可能な
FE型の電子放出素子の一例を示す模式図である。図2
中、23はカソード、24はカソードから電子を引き出
すためのゲート電極、21はカソード23と電気的接続
を行うための電極、22はカソード23並びに電極21
とゲート電極24とを電気的に絶縁するための絶縁層、
25はカソード23から放出された電子を捕捉するため
のアノードである。
【0027】図3は、上記FE型電子放出素子の構成な
らびに製法の代表的な例を示す。電極23はシリコン基
板からなり、同基板23上に熱酸化法やスパッタリン
グ、化学的気相成長法などにより二酸化シリコンからな
る絶縁層22を数百ナノメートル(nm)から数マイク
ロメートル(μm)の厚みで形成した後、電子ビーム蒸
着法等によりモリブデン等からなるゲート電極用の膜を
数百nmから数μmの厚みで成膜する。次に、一般的な
リソグラフィー技術を用いて、カソードを形成する位置
に対応したレジストパターンを上記ゲート電極用の膜上
に形成し、エッチング法により数百nmから数μmの径
を持つ開口部を、ゲート電極材料に形成することでゲー
ト電極24を作成する。その後、バッファー弗酸等を用
いてゲート電極24の開口部に対応した位置の絶縁層2
2を除去する。次にレジストパターンを除去し、真空蒸
着装置内で基板を回転させながらアルミニウム等からな
る金属層を斜方蒸着し、その後モリブデン等からなるカ
ソード電極材料を基板の垂直方向から蒸着してカソード
23を形成する。この後、ゲート電極24上に形成した
アルミニウム等からなる金属層とカソード電極材料を除
去することで、FE型電子放出素子を完成させる。上記
FE型電子放出素子を用いて画像表示装置を作成する場
合は、カソード23が形成された面から距離を隔てた位
置に、蛍光体を形成したアノード25を配置して、これ
らの部材を内包する真空容器を作成する。
【0028】以上のように作成した電子放出素子に対
し、カソード23とゲート電極24の間に電圧を印加し
てカソード23の先端から電子を放出させ、この放出さ
せた電子をアノード25で加速してアノード25上に形
成した蛍光体に衝突させることで、アノード25上の蛍
光体を発光させることができる。この際、カソード23
とゲート電極24間に印加する電圧は、カソード23が
低電位側となるように選び、電子が放出する電圧(数十
Vから数百V)に設定する。また、アノード25は、例
えばガラス基板上に透明電極を形成した上に蛍光体を配
置して、発光した光が外部に放出されるように作成した
ものを用い、蛍光体を発光させるために必要な加速電圧
(100Vから数kV以上)を印加する。上述のFE型
電子放出素子を一個以上近接させて形成した一群と、こ
れに対応する蛍光体を一画素とし、複数の画素をマトリ
クス状に形成した画像表示装置を画素毎に選択駆動する
ことで、画像表示を行うことができる。
【0029】上述のように構成された本発明を適用可能
なFE型電子放出素子は、図1に示すような電気特性を
有する。図1のグラフの横軸は、カソード23とゲート
24間に印加する電圧Vの逆数であり、縦軸は、カソー
ド23とアノード25間に流れる電流Iを電圧Vの2乗
で除した値の対数値を示す。このグラフ上に、上述した
FE型電子放出素子の電気特性をプロットすると、一般
的には図中にプロットされた連続線のようになる。
【0030】FowlerとNordheimらによれ
ば、FE型の電子放出素子から放出される電流Iと、カ
ソード−ゲート間に印加される電圧Vとの関係は
【0031】
【数17】 で表される。ここで、A並びにBは、電子放出部近傍の
材料並びに放出面積に依存する定数であり、βは電子放
出部近傍の形状に依存するパラメータであり、電圧Vに
βを乗じた値が電界強度となる。
【0032】従って、図1のように、1/Vに対してl
og(I/V2 )をプロットし、直線(図1中の破線)
の傾きSを求めることによりβの定性的な値を見積もる
ことができ、印加電圧Vを近似直線の傾きSで除した値
に負符号を付けた値
【0033】
【数18】 が、カソード23とゲート24間に形成される電界の強
度に比例することが分かる。更に、上記関係をもう少し
一般化して表現すると、放出電流Iと電圧Vとの関係を
【0034】
【数19】 なる関数で表現し、f'(V) を電圧Vにおけるf(V)の微係
数とする時、電圧Vにおける電界強度は
【0035】
【数20】 に比例することがわかる。これを電界強度相当値とす
る。
【0036】FE型電子放出素子における上記電界強度
の代表的な値は、およそ107 V/cmのオーダーと非
常に高い値である。また、絶縁層22にかかる電界強度
の値も、およそ106 V/cmとなる。このように大き
な電界強度のもとで、通常の方法によって長期間駆動を
継続していくと、強電界下における構成部材の変化が不
定期に発生し、放出電流値が不安定になる。また、上記
変化が不可逆的に起こると、放出電流の低下を伴うこと
が多く、画像表示装置においては輝度の低下となって現
れる。上述の駆動中の電流の不安定性は、通常の駆動に
先立ち本発明の電圧印加工程(以降、「予備駆動」と呼
ぶ)を行うことで低減することができる。
【0037】本発明の予備駆動は、例えば以下のような
手順にて実施する。先ず、予備駆動を適用する電子放出
素子の、少なくとも二組の異なる駆動電圧における印加
電圧と放出電流、並びに、それぞれの印加電圧における
放出電流の微係数を求める。例えば、図4に示すよう
に、V1の印加電圧に対応する放出電流値I1と、V1をdV1
だけ微小変化させた時の放出電流の変化量dI1から、f'
(V1)=dI1/dV1を求め、同様にして、V2に対応する放
出電流値I2と、f'(V2)=dI2/dV2を求める。
【0038】次に、各印加電圧V1、V2に対応する式6中
のf(V)をI1、I2とし、(式7)から求まる値を比較す
る。この時例えば、
【0039】
【数21】 という関係が得られた場合、V1を予備駆動電圧(以下、
Vpreと表記する)として採用し、V2を通常の駆動電
圧(以下、Vdrvと表記する)として採用する。ここ
で、通常の駆動電圧とは、この電子放出素子(を含む装
置)の使用の際に印加する電圧であり、通常の駆動時の
正常な電圧印加範囲における最大値である。逆に、
【0040】
【数22】 という関係が得られた場合、V2を予備駆動電圧(以下、
Vpreと表記する)として採用し、V1を通常の駆動電
圧(以下、Vdrvと表記する)として採用する。
【0041】以上の方法により求めた予備駆動電圧Vp
reにてしばらく電子放出素子を駆動することにより、
Vpreの電圧において主たる電子放出源である電子放
出部を大きな電界強度にて駆動を行うことで、不安定性
の原因となる構成部材の変化を、短期間に集中的に発現
させ、変動要因を減少させることができる。
【0042】なお、V1>V2なる電圧において、(式9)
のような関係がある場合は、予備駆動電圧Vpreに対
して通常の駆動電圧Vdrvが高い電圧となり、Vpr
eの電圧にて変化させた電子放出部(電子放出部Aと呼
ぶ)に対しては、Vdrvの電圧を印加した時点で更に
高い電界強度がかかることになる。しかし、この時点で
の電子放出量を左右する主たる電子放出源は異なる別の
電子放出部(電子放出部Bと呼ぶ)となっており、全放
出電流に占める電子放出部Aの寄与は小さい。このよう
な関係であっても、やはり予備駆動は有効であり、予め
Vpreの電圧を印加することで、電子放出部Aの大幅
な変動要因を予め減少させ、その後のVdrvの駆動電
圧における破壊的な変動を未然に防ぐことができる。
【0043】上記予備駆動は、駆動時における電界強度
が安定するまでの時間行うことが望ましいが、本発明者
らが行った実験結果から、予備駆動時の電界強度の相対
的な変化率が5%以内に収まるまで予備駆動を継続すれ
ば、引き続き駆動を行っても電界強度の変動率は5%程
度以内に収まり、実際の駆動電圧印加時における電界強
度の変化率、特には実際の駆動電圧を印加する初期にお
ける電界強度の変化率を小さくすることができ、予備駆
動の効果が十分実現されることがわかった。従って、
(式7)より、f(V1)/{V1・f'(V1) - 2f(V1)}の値の変化
率が5%以内になるまでの時間予備駆動を実施すればよ
い。
【0044】上記予備駆動時には、予備駆動時における
電界強度の変化率をモニターしながら、電圧の印加を行
うとよい。予備駆動電圧にはパルス電圧を好適に用いる
ことができ、例えばパルス休止時間(パルス電圧が印加
されてから、次のパルス電圧が印加されるまでの間)に
電界強度の変化率を算出しながら電圧の印加を行い、上
記変化率が5%以内になったところで電圧の印加を停止
すればよい。
【0045】予備駆動時の電界強度の変化率を見るため
には、例えば以下の方法を用いることができる。予備駆
動時に、予備駆動電圧V1と、V1と微少電圧dV1異なる電
圧V12 を連続して印加し、それぞれの電圧を印加した時
に流れる電流I1、I12 、及びI1、I12 の差dI1を求め
る。ここで、 f'(V1) =dI1/dV1であり、また、(式
1)よりf(V1) =I1であるから、上記の電界強度相当値
f(V1)/{V1・f'(V1) - 2f(V1)}は
【0046】
【数23】 となり、Epreの値の変化率を見ればよいことにな
る。
【0047】予備駆動における電圧波形としては、図1
1(a)、(b)、(c)に示すような電圧波形を用い
ることができる。図11(a)は予備駆動電圧V1をT1時
間印加した直後に電圧V12 までT12 時間かけて電圧が変
化する電圧波形である。図11(b)は、予備駆動電圧
V1をT1時間印加した直後に電圧V12 をT12 時間印加する
電圧波形である。また、図11(c)は、予備駆動電圧
V1を時間印加した後にV12 の電圧をT12 時間印加する電
圧波形である。各印加電圧V1、V12 における電流値よ
り、上記Epreの値の変化率を求め、変化率が5%以
内になるまで予備駆動を実施すればよい。
【0048】なお、長期的な通常の駆動を行うときの特
性の経時変化を抑制したいので、本発明では実際の使用
電庄を印加したときの電界強度相当値の変化率を2%以
下にすることを条件とするのであるが、そのために本実
施形態では上述のようにまた以下に示した具体的な実施
例のように、予備駆動時の電界強度相当値の変化率が5
%以下、より好適には3%以下になるまで予備駆動を行
っている。予備駆動時の電界強度相当値の変化率をどの
程度以下になるまで行うかについては、予備駆動時の印
加電圧の大きさと実際の駆動時の印加電圧の大きさの差
によっても変わってくる。例えば予備駆動時に電界強度
相当値の値を実際の駆動時の電界強度相当値の値よりも
極端に大きくすることによって、短い予備駆動で実際の
使用電圧を印加したときの電界強度相当値の変化率を2
%以下にすることが可能となるが、その場合素子の特性
の極端な劣化や素子の破壊の危険性を伴う。よって、予
備駆動時の電圧としては、予術駆動を開始したときの電
界強度相当値の変化率が10%を大きく超えない程度に
設定するとよい。
【0049】上述した本発明の電圧印加工程は、FE型
電子放出素子以外の電子放出素子、例えばSCE型、M
IM型の電子放出素子に対しても有効である。次に、図
5を用いて、本発明を適用可能なSCE型の電子放出素
子について説明する。本発明を適用し得る表面伝導型電
子放出素子の基本的構成には大別して、平面型及び垂直
型の2つがある。
【0050】先ず、平面型表面伝導型電子放出素子につ
いて説明する。図5は、本発明を適用可能な平面型表面
伝導型電子放出素子の構成を示す模式図であり、図5
(a)は平面図、図5(b)は断面図である。図5にお
いて、51は基板、52と53は素子電極、54は導電
性薄膜、55は電子放出部である。基板51としては、
石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、
青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成した
SiO2 を積層したガラス基板及びアルミナ等のセラミ
ックス及びSi基板等を用いることができる。
【0051】対向する素子電極52、53の材料として
は、一般的な導体材料を用いることができる。これは例
えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、
Cu、Pd等の金属或は合金及びPd、Ag、Au、R
uO2 、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等
から構成されるの印刷導体、In23 −SnO2 等の
透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から
適宜選択することができる。
【0052】素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性
薄膜54の形状等は、応用される形態等を考慮して設計
される。素子電極間隔Lは、好ましくは数百nmから数
百μmの範囲とすることができ、より好ましくは、数μ
mから数十μmの範囲とすることができる。素子電極長
さWは、電極の抵抗値、電子放出特性を考慮して、数μ
mから数百μmの範囲とすることができる。素子電極5
2、53の膜厚dは、数十nmから数μmの範囲とする
ことができる。なお、図5に示した構成だけでなく、基
板51上に、導電性薄膜54、対向する素子電極52、
53の順に積層した構成とすることもできる。
【0053】導電性薄膜54には、良好な電子放出特性
を得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるの
が好ましい。その膜厚は、素子電極52、53へのステ
ップカバレージ、素子電極52、53間の抵抗値及び後
述するフォーミング条件等を考慮して適宜設定される
が、通常は、数百pmから数百nmの範囲とするのが好
ましく、より好ましくは1nmより50nmの範囲とす
るのが良い。その抵抗値は、Rsが102 から107 Ω
/□の値である。なおRsは、厚さがt、幅がwで長さ
がlの薄膜の抵抗Rを、R=Rs(l/w)と置いたと
きに現れる量である。本明細書において、フォーミング
処理については、通電処理を例に挙げて説明するが、フ
ォーミング処理はこれに限られるものではなく、膜に亀
裂を生じさせて高抵抗状態を形成する処理を包含するも
のである。
【0054】導電性薄膜54を構成する材料は、Pd、
Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、F
e、Zn、Sn、Ta、W、Pd等の金属、PdO、S
nO 2 、In23 、PbO、Sb23 等の酸化物、
HfB2 、ZrB2 、LaB 6 、CeB6 、YB4 、G
dB4 等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、
SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の
窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等の中から適
宜選択される。
【0055】ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子
が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に
分散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるい
は重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体
として島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、0.1nmの数倍から数百nmの
範囲、好ましくは、1nmから20nmの範囲である。
【0056】電子放出部55は、導電性薄膜54の一部
に形成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜
54の膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング
等の手法等に依存したものとなる。電子放出部55の内
部には、0.1nmの数倍から数十nmの範囲の粒径の
導電性微粒子が存在する場合もある。この導電性微粒子
は、導電性薄膜54を構成する材料の元素の一部、ある
いは全ての元素を含有するものとなる。電子放出部55
及びその近傍の導電性薄膜54には、炭素及び炭素化合
物を有することもできる。
【0057】次に、垂直型表面伝導型電子放出素子につ
いて説明する。図5(c)は、本発明の表面伝導型電子
放出素子を適用できる垂直型表面伝導型電子放出素子の
一例を示す模式図である。図5(c)においては、図5
(a)ならび(b)に示した部位と同じ部位には図5
(a)ならび(b)に付した符号と同一の符号を付して
いる。56は、段差形成部である。基板51、素子電極
52及び53、導電性薄膜54、電子放出部55は、前
述した平面型表面伝導型電子放出素子の場合と同様の材
料で構成することができる。段差形成部56は、真空蒸
着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等の
絶縁性材料で構成することができる。段差形成部56の
膜厚は、先に述べた平面型表面伝導型電子放出素子の素
子電極間隔Lに対応し、数百nmから数十μmの範囲と
することができる。この膜厚は、段差形成部の製法、及
び素子電極間に印加する電圧を考慮して設定されるが、
数十nmから数μmの範囲が好ましい。
【0058】導電性薄膜54は、素子電極52及び53
と段差形成部56作成後に、該素子電極52、53の上
に積層される。電子放出部55は、図5(c)において
は、段差形成部56に形成されているが、作成条件、フ
ォーミング条件等に依存し、形状、位置ともこれに限ら
れるものでない。
【0059】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法があるが、その一例を図6に模式的
に示す。以下、図5及び図6を参照しながら製造方法の
一例について説明する。図6においても、図5に示した
部位と同じ部位には図5に付した符号と同一の符号を付
している。 1)基板51を洗剤、純水及び有機溶剤等を用いて十分
に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等により素子電極材
料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて
基板51上に素子電極52、53を形成する(図6
(a))。 2)素子電極52、53を設けた基板51に、有機金属
溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成する。有機金属溶
液には、前述の導電性膜54の材料の金属を主元素とす
る有機金属化合物の溶液を用いることができる。有機金
属薄膜を加熱焼成処理し、例えば図6(b)のように導
電性薄膜形状に対応したマスク57を用いてリフトオフ
を行う方法や、エッチング等によりパターニングし、導
電性薄膜54を形成する(図6(c))。ここでは、有
機金属溶液の塗布法を挙げて説明したが、導電性薄膜5
4の形成法はこれに限られるものでなく、真空蒸着法、
スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピ
ング法、スピンナー法等を用いることもでき、インクジ
ェット法等により直接パターニングを行うこともでき
る。
【0060】3)続いて、フォーミング工程を施す。こ
のフォーミング工程の方法の一例として、図6(d)を
用いて真空容器内での通電処理による方法を説明する。
図6(d)において、61は真空容器であり、ゲートバ
ルブ62を通じてターボ分子ポンプやスパッターイオン
ポンプ、クライオポンプなどからなる真空ポンプ63に
より排気される。なお、必要に応じてスクロールポンプ
やロータリーポンプ、ソープションポンプ等からなる補
助ポンプ64が設けられる場合もある。66は以降で説
明する活性化工程で用いる活性化ガスを収容する容器で
あり、バリアブルリークバルブやニードルバルブ等から
なる調節バルブ65を通じて真空容器61に接続してい
る。素子電極52、53には電圧印加手段を接続する。
例えば、図6(d)に示すように、素子電極52をグラ
ンド電位に接続し、素子電極53を電流導入端子を通じ
て電源67に接続する。なお、素子電極52、53間を
流れる電流値をモニターするために、電流計68を設け
る。58はこの後の工程で用いられるアノード電極であ
り、電流計70を通じて高圧電源69に接続している。
【0061】真空容器内を排気した後、素子電極52、
53間に、電源67を用いて通電を行うと、導電性薄膜
54の部位に、構造の変化した電子放出部55が形成さ
れる(図6(d))。通電フォーミングによれば導電性
薄膜54に局所的に破壊、変形もしくは変質等の構造の
変化した部位が形成される。該部位が電子放出部55を
構成する。通電フォーミングの電圧波形の例を図7に示
す。電圧波形は、パルス波形が好ましい。これにはパル
ス波高値を増加させながら、電圧パルスを印加する図7
(a)に示した手法と、パルス波高値を定電圧としたパ
ルスを連続的に印加する図7(b)に示した手法があ
る。図7(a)におけるT1及びT2は、電圧波形のパルス
幅とパルス間隔である。通常T1は1μsec〜10ms
ec、T2は10μsec〜1secの範囲で設定され
る。パルスの波高値は、例えば0.1Vステップ程度ず
つ増加させることができる。通電フォーミング処理の終
了は、例えば導電性薄膜52が局所的に破壊、変形する
ことによって生じる抵抗値の変化を読み取ることで判断
することができ、一例として、パルス間隔T2中に、導電
性薄膜52を局所的に破壊、変形しない程度の電圧を印
加し、電流を測定して検知することができる。例えば
0.1V程度の電圧印加により流れる素子電流を測定
し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示した時、通
電フォーミングを終了させる。パルス波形は矩形波に限
定されるものではなく、三角波など所望の波形を採用す
ることができる。
【0062】図7(b)におけるT1及びT2は、図7
(a)に示したのと同様とすることができる。パルスの
波高値は、表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜
選択される。このような条件のもと、例えば、数秒から
数十分間電圧を印加する。パルス波形は矩形波に限定さ
れるものではなく、三角波など所望の波形を採用するこ
とができる。この工程により導電性膜に間隙部が形成さ
れる。
【0063】4)フォーミングを終えた素子には活性化
工程と呼ばれる処理を施すのが好ましい。活性化工程と
は、この工程により、素子電流If、放出電流Ieが著しく
変化する工程である。活性化工程は、例えば、有機物質
のガスを含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様
に、パルスの印加を繰り返すことで行うことができる。
この雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプ
などを用いて真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残
留する有機ガスを利用して形成することができる他、イ
オンポンプなどにより一旦十分に排気した真空中に適当
な有機物質のガスを導入することによっても得られる。
このときの好ましい有機物質のガス圧は、前述の素子が
応用される形態、真空容器の形状や、有機物質の種類な
どにより異なるため場合に応じ適宜設定される。適当な
有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ア
ルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、カルボ
ン、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることができ、具
体的には、メタン、エタン、プロパン等の飽和炭化水
素、エチレン、プロピレン等の不飽和炭化水素、ブタジ
エン、n−ヘキサン、l−ヘキセン、ベンゼン、トルエ
ン、o−キシレン、ベンゾニトリル、トルニトリル、ク
ロロエチレン、トリクロロエチレン、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、メチルアミン、エチルアミン、酢酸、プロピオ
ン酸等あるいはこれらの混合物が使用できる。この処理
により、雰囲気中に存在する有機物質から、炭素あるい
は炭素化合物が素子上、特には間隙部に堆積し、素子電
流If、放出電流Ieが、著しく変化するようになる。活性
化工程の終了判定は、素子電流Ifや放出電流Ieを測定し
ながら、適宜行う。なおパルス幅、パルス間隔、パルス
波高値などは適宜設定される。
【0064】5)このような工程を経て得られた電子放
出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工程
は、真空容器内の有機物質排気する工程である。真空容
器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイル
等の有機物質が素子の特性に影響を与えないように、オ
イルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的に
は、磁気浮上型ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ソ
ープションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙
げることができる。
【0065】前記活性化の工程で、排気装置として油拡
散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生する
オイル成分に由来する有機ガスを用いた場合は、この成
分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の有
機成分の分圧は、上記の炭素及び炭素化合物がほぼ新た
に堆積しない分圧で1×10-6Pa以下が好ましく、さ
らには1×10-8Pa以下が特に好ましい。さらに真空
容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱して、
真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子
を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱条件
は、80〜250℃好ましくは150℃以上で、できる
だけ長時間処理するのが望ましいが、特にこの条件に限
るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素
子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行
う。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1
×10-5Pa以下が好ましく、さらに1×10-6Pa以
下が特に好ましい。
【0066】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空容器の圧力は多少上昇してもある程
度安定な特性を維持することができる。このような真空
雰囲気を採用することにより、新たな炭素あるいは炭素
化合物の堆積を抑制でき、また真空容器や基板などに吸
着したH2 OやO2 なども除去でき、結果として素子電
流If、放出電流Ieが、比較的安定する。
【0067】上述した工程を経て得られた本発明を適用
可能な電子放出素子の基本特性について図8を参照しな
がら説明する。図8は、図6(d)に示した真空処理装
置を用いて測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電
圧Vfの関係を模式的に示した図である。なお、測定時に
は、電子放出素子の上方に配置したアノード電極58に
高圧電源69を用いて高電圧を印加した。一例として、
アノード電極の電圧を1kV〜10kVの範囲とし、ア
ノード電極と電子放出素子との距離Hを2mm〜8mm
の範囲として測定を行うことができる。図8において
は、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいの
で、任意単位で示している。なお。縦、横軸ともリニア
スケールである。
【0068】図8からも明らかなように、本発明を適用
可能な表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに関して
対する三つの特徴的性質を有する。すなわち、 (i)本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図8中
のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ie
が増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieが
ほとんど検出されない。つまり、放出電流Ieに対する明
確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。 (ii)放出電流Ieが素子電圧Vfに単調増加依存するた
め、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。 (iii)アノード電極58に捕捉される放出電荷は、素子
電圧Vfを印加する時間に依存する。つまり、アノード電
極58に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印加する時
間により制御できる。
【0069】以上の説明より理解されるように、本発明
を適用可能な表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応
じて、電子放出特性を容易に制御できることになる。こ
の性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成し
た電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能とな
る。
【0070】本発明を適用可能な表面伝導型電子放出素
子に対して、放出電流Ieと素子電圧Vfとの関係を図1で
示すグラフに表示すると、ほぼ直線で近似可能な特性を
持つ。また、素子電流に対しても同様にIfとVfの関係を
図1のグラフ上にプロットすると、図中の連続線で示さ
れるような、直線で近似可能な領域を有する特性を持
つ。表面伝導型電子放出素子に対する予備駆動も、FE
型電子放出素子と同様な手法にて適用することができ
る。この場合、図9に示すように、(式8)並びに(式
9)における電圧V1、V2を素子電圧Vf1、Vf2と置換
え、同様に、放出電流をIe1、並びにIe2とすればよ
い。
【0071】また、表面伝導型電子放出素子を用いる場
合は、予備駆動の条件を設定する基準として、駆動電圧
と放出電流の関係だけではなく、駆動電圧と素子電流の
関係を用いることもできる。この場合、図10に示すよ
うに、(式8)並びに(式9)における電圧V1、V2を素
子電圧Vf1、Vf2と置換え、同様に、素子電流をIf1、
並びにIf2とすればよい。
【0072】また本発明の電圧印加工程は図12に示す
ようなMIM型電子放出素子においても適用することが
できる。図12において、121は基板、122は下部
電極、123は絶縁体薄膜、124は上部電極、125
は電子放出部である。下部電極122及び上部電極12
4間に電圧を印加することにより、下部電極122より
放出された電子が絶縁体薄膜123中で加速され、上部
電極124を通して電子放出部125より放出される。
【0073】上述のMIM型電子放出素子の製造方法に
ついて簡単に述べる。まず、基板121上に蒸着法やス
パッタリング法等の成膜方法を用いて金属材料を積層し
て、下部電極122を形成する。次いで、同様の成膜方
法を用いて下部電極122上に絶縁体薄膜123を形成
する。絶縁体薄膜123としてはAl23 、MnO
2 、SiO2 等の酸化物、LiF、KF、MgF2 、N
aBr等のハロゲン化物、ZnS、CdS等の硫化物等
を用いることができる。また、絶縁体薄膜123の膜厚
は数nmから数百nmが適当である。
【0074】次に、同様の成膜方法を用いて絶縁体薄膜
123上に上部電極124を形成する。上部電極材料と
しては、Au、Cu、Ag、Al等を用いることができ
る。このようにしてMIM型電子放出素子を作成した
後、上部電極124が正極となるように下部電極122
と上部電極124間に電圧を印加してフォーミング処理
を行う。このようなフォーミング処理を行うことによ
り、電子放出部125より電子が放出されるようにな
る。
【0075】上述のMIM型電子放出素子においても、
上下電極間に印加される電圧と、両電極間を電子放出部
より放出される放出電流、及び両電極間を流れるダイオ
ード電流との間には、それぞれ図9及び図10と同様の
関係が見られる。従って、上述のFE型電子放出素子及
びSCE型電子放出素子と同様の方法で予備駆動を行う
ことができる。
【0076】なお、この予備駆動は、通常、製造工程の
最終段階、例えば安定化工程の後または安定化工程の一
環として行われるが、在庫後出荷前のリフレッシュ工程
として、または電子放出素子の使用開始後的適宜のリフ
レッシュモードとして行うことも可能である。
【0077】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
なく、本発明の目的が達成される範囲内で、各要素の置
換えや設計変更がなされたものを包含するものである。
【0078】[実施例1]本実施例は、図2に模式的に
示したものと同様の構成を有するFE型の電子放出素子
に対して、本発明の電圧印加工程(予備駆動)を適用し
た例である。以下の工程により、複数個の電子放出素子
(素子A、B、C、D、E)を作成した。図3に基づ
き、本実施例で用いられる電子放出素子の製造方法を説
明する。 工程−1a(図3の(a)) 洗浄化したシリコン基板21を熱酸化法により厚みが
1.5μmの二酸化シリコンの絶縁層22を形成した
後、電子ビーム蒸着法により0.4μmの厚みのモリブ
デンを成膜する。次に、モリブデン膜上にレジスト(P
MM:poly−methyl−methacryla
te)を塗布し、該レジスト上に収束した電子ビームを
照射することでゲート電極の開口部に対応するパターン
を形成し、エッチング法により直径が1.5μmの開口
部を、ゲート電極材料に形成することでゲート電極24
を作成する。その後、バッファー弗酸を用いてゲート電
極24の開口部に対応した位置の絶縁層22を除去す
る。なお、本実施例では、ゲート電極開口部は合計9個
所に作成した。 工程−1b(図3の(b)) 次にレジストパターンを除去し、真空蒸着装置内で基板
を回転させながらアルミニウム26を斜方蒸着する。 工程−1c(図3の(c)) その後モリブデンを基板の垂直方向から蒸着してカソー
ド23を形成する。
【0079】工程−1d(図3の(d)) この後、ゲート電極24上に形成したアルミニウム26
とモリブデンを除去することで、FE型電子放出素子を
完成させる。以上のように完成させた電子放出素子を真
空容器内に配置し、本発明の予備駆動を行った後、電子
放出特性を確認した。図3の(e)は、この様子を概略
的に示す図である。記号21から24は工程−1dまで
に作成した電子放出素子を表し、25は電子放出素子の
5mm上方に配置したアノード電極であり、ガラス基板
上にITOからなる透明電極と蛍光体が形成されてい
る。31は真空容器であり、ゲートバルブ32を通じて
分子ターボポンプ33により排気されており、分子ター
ボポンプは更にスクロールポンプ34により排気されて
いる。また電子放出素子は、シリコン基板からなる電極
21がグランド電位に接続されており、ゲート電極24
は電流導入端子を通じて電源35に接続されており、ア
ノード電極25は電流導入端子を通じて高圧電源36に
接続されている。また、アノード電極を通じて流れる放
出電流は、電流計37によって計測される。
【0080】図3の(e)に示した構成において、真空
容器31内の圧力が1×10-4Paになるまで排気した
後、不図示のヒーターを用いて真空容器31全体並びに
電子放出素子を一旦250℃に10時間加熱し更に排気
を継続することで、その後の室温時における真空容器内
圧力を1×10-7Pa程度に設定した。
【0081】以上のように、真空容器内圧力を調整した
後、本発明の特徴である予備駆動を行った。予備駆動を
適用するに当り、アノード電圧を1000Vとし、ゲー
ト電極に対して異なる二組の電圧を印加して、図4のプ
ロットにおける二組の比較ポイント(白丸と黒丸で表
示)での電気特性を求めた。
【0082】具体的には、V1=200Vのときに流れる
放出電流値I1と、V1をdV1=10Vだけ変化させたとき
に流れる電流の変化量dI1を求めて、V1の電圧に対する
電流の微係数dI1/dV1を求め、同様に、V1とは異なる
電圧V2=160Vにて放出電流I2と、dV2=5Vのとき
のdI2を求め、これよりV2の電圧における電流の微係数
dI2/dV2を求めた。その結果、
【0083】
【数24】 という関係が得られたため、V1を予備駆動の電圧Vpr
eとして採用した。
【0084】このようにして得られた予備駆動電圧Vp
re=200Vにて電子放出素子(素子A、B、C、
D)を予備駆動した。この時、駆動電圧波形は図11
(b)に示す波形とし、V1=200V、V12=190
V、T1=0.2msec、T12=0.05msec、パ
ルス間隔T2=16.7msecとした。予備駆動中に、
V1における電流I1、及びV12における電流I12を測定
し、I1とI12の差dI1及びV1とV12の差dV1より、
【0085】
【数25】 の値を算出しながら予備駆動を行った。
【0086】予備駆動は、素子Aについては上記Epr
eの値の変化率が約10%になるまで行い、素子Bにつ
いては上記Epreの値の変化率が約7%になるまで行
い、素子Cについては上記Epreの値の変化率が約5
%になるまで行い、素子Dについては上記Epreの値
の変化率が約3%になるまで行った。また、素子Eは予
備駆動を行わなかった。
【0087】次に、電圧をV2=160Vに設定して素子
を長時間駆動した。駆動中の放出電流の経時変化や放出
電流の変動は予備駆動を行わなかった素子Eが最も大き
く、次いで、素子A、素子Bの順に大きかった。素子C
及び素子Dにおいては、駆動中の放出電流の減少と変動
が少なく安定な電子放出特性が得られた。
【0088】なお、素子C、Dについて予備駆動終了後
160Vの電圧パルスを2回連続して印加し、それぞれ
における電界強度相当値を調べたところ、いずれも電界
強度相当値の変化率が2%以下であった。とくに素子D
は1%を下回る値であった。
【0089】[実施例2]本実施例は、図5に模式的に
示したものと同様の構成を有するSCE型の電子放出素
子に対して、本発明の電圧印加工程を適用した例であ
る。以下の工程により、複数個の電子放出素子(素子
F、G、H、I、J)を作成した。図6に基づき、本実
施例で用いられる電子放出素子の製造方法を説明する。
【0090】工程−3a(図6の(a)) 石英基板からなる基板51を洗浄後、スパッタ法により
基板51上に5nmのTiと50nmのPtを堆積し
た。その後、堆積膜上にフォトレジストを塗布し、素子
電極対52並びに53に対応する形状のパターンを形成
した後、エッチングにより不要な部分のPtとTiを除
去し、その後レジストを除去することで基板51上に素
子電極52、53を形成した。なお、素子電極52、5
3間の間隔Lは10μm、素子電極の長さWは300μ
mとした。 工程−3b(図6の(b)) 素子電極52、53を設けた基板51上に、真空蒸着に
より厚さ50nmのCrを堆積し、このCr膜に対して
フォトリソグラフィー技術を用いて導電性薄膜を形成す
る位置に対応した開口部を形成する。その後、有機Pd
化合物の溶液(ccp−4230:奥野製薬(株)製)
を塗布し、大気中で300℃の加熱処理を施した。
【0091】工程−3c(図6の(c)) 次に、工程−3bで形成したCr膜をウエットエッチに
より除去し、純水で洗浄後乾燥し、導電性薄膜54を形
成した。以降の工程は、図6の(d)に示すように、製
造工程中の電子放出素子を真空容器内に配置し、電気的
接続を行った後実施した。図に示すように、素子電極5
2はグランド電位に接続し、素子電極53は電流導入端
子を通じて電流計68並びに素子電圧電源67に接続し
ている。また、基板51の5mm上方にアノード電極5
8を配置し、アノード電極58は電流導入端子を通じて
電流計70並びに高圧電源69に接続している。
【0092】工程−3d 真空容器61内を、スクロールポンプ64並びにターボ
分子ポンプ63を用いて、1×10-3Pa以下程度まで
排気した後、素子を構成する2つの電極のうちの一方に
電位を印加することによって2つの電極間に電圧を印加
するための手段である素子電圧電源67で発生させた電
圧を素子電極53に印加し、フォーミング処理を施し電
子放出部55を形成した。印加した電圧は図7の(a)
に示すようにパルス状の電圧であり、時間の経過ととも
に波高値の漸増するパルスである。パルス幅T1は1ms
ecとし、パルス間隔T2は16.7msecとした。フ
ォーミング処理中、パルス波高値が6Vに達した時点で
電流計68を流れる電流値が激減した。その後、パルス
波高値が6.5Vになるまでパルス電圧を印加した後、
電圧の印加を停止し、素子電極52、53間の抵抗値を
測定したところ、1MΩ以上の値を示したため、フォー
ミング処理を終了した。
【0093】工程−3e 真空容器61内の排気を更に継続し、容器内圧力が10
-5Pa以下まで減少した後、バリアブルリークバルブ6
5を調節して、活性化ガス収容容器66より真空容器6
1内にベンゾニトリルガスを導入して活性化工程を行っ
た。活性化工程は、活性化ガスを導入した真空容器内圧
力が10-4Paになるように調節し、素子電圧電源67
で発生させた電圧を素子電極53に印加することで行っ
た。印加した電圧は図7の(b)に示すようにパルス状
の電圧であり、波高値が一定のパルスである。パルス波
高値は16Vとし、パルス幅T1は1msecとし、パル
ス間隔T2は16.7msecとした。活性化処理は1時
間行い、その後電圧の印加を停止し、活性化ガスの導入
を停止して真空容器内より活性化ガスを排気した。
【0094】工程−3f 不図示のヒーターを用いて真空容器61全体並びに電子
放出素子を一旦250℃に10時間加熱し更に排気を継
続することで、その後の室温時における真空容器内圧力
を1×10-7Pa程度まで低下させた。以上のように、
真空容器内圧力を調整した後、本発明の特徴である予備
駆動を行った。予備駆動を適用するに当り、アノード電
圧を0Vとし、素子電極53に対して異なる二組の電圧
を印加して、図10のプロットにおける二組の比較ポイ
ント(白丸と黒丸で表示)での電気特性を求めた。
【0095】具体的には、Vf1=16.0Vのときに流
れる素子電流値If1と、Vf1をdVf1=0.2Vだけ変
化させたときに流れる電流の変化量dIf1を求めて、V
f1の電圧に対する電流の微係数dIf1/dVf1を求め、
同様に、Vf1とは異なる電圧Vf2=14.5Vにて素子
電流If2と、dVf2=0.2VのときのdIf2を求め、
これよりVf2の電圧における電流の微係数dIf2/dV
f2を求めた。その結果、
【0096】
【数26】 という関係が得られたため、Vf1を予備駆動の電圧Vp
reとして採用した。
【0097】このようにして得られた予備駆動電圧Vp
re=16Vにて、電子放出素子(素子F、G、H、
I)を予備駆動した。この時、駆動電圧波形は図11
(b)に示す波形とし、V1=16V、V12=15.7
V、T1=0.5msec、T2=0.05msec、パル
ス間隔T3=16.7msecとした。
【0098】予備駆動中に、V1における電流I1、及びV
12における電流I12を測定し、I1とI12の差dI1及びV1
とV12の差dV1より、Epre=I1/(V1×dI1/dV1
−2×I1)の値を算出しながら予備駆動を行った。
【0099】予備駆動は、素子Fについては上記Epr
eの値の変化率が約10%になるまで行い、素子Gにつ
いては上記Epreの値の変化率が約7%になるまで行
い、素子Hについては上記Epreの値の変化率が約5
%になるまで行い、素子Iについては上記Epreの値
の変化率が約3%になるまで行った。また、素子Jは予
備駆動を行わなかった。
【0100】次に、駆動電圧V2を14.5Vに設定し、
アノード電圧を1000Vとして素子を長時間駆動し
た。駆動中の放出電流の経時変化や放出電流の変動は予
備駆動を行わなかった素子Jが最も大きく、ついで、素
子F、素子Gの順に大きかった。素子H及び素子Iにお
いては、駆動中の放出電流の減少と変動が少なく安定な
電子放出特性が得られた。
【0101】なお、素子H、Iについて予備駆動終了後
14.5Vの電圧パルスを2回連続して印加し、それぞ
れにおける電界強度相当値を調べたところ、いずれも電
界強度相当値の変化率が1%以下であった。
【0102】[実施例3]本実施例では、実施例2で作
成した電子放出素子と同様な構成と製法にて作成した電
子放出素子(素子K、L、M、N、O)を用いた。上記
電子放出素子を、実施例2と同様に適当な真空雰囲気下
に配置して以降の処理を行った。
【0103】予備駆動を適用するに当り、アノード電圧
を1000Vとし、素子電極53に対して異なる二組の
電圧を印加して、図9のプロットにおける二組の比較ポ
イント(白丸と黒丸で表示)での電気特性を求めた。な
お、印加電圧に対応する放出電流の微係数の導出方法
は、実施例2における素子電流を放出電流に置き換えた
ものと同様の手法を用いているので以降省略する。Vf1
=15.5Vのときに流れる放出電流Ie1と、放出電流
の微係数を求め、更に、Vf2=14.3Vのときに流れ
る放出電流Ie2と、放出電流の微係数を求めた。その結
果、
【0104】
【数27】 という結果が得られたため、Vf1を予備駆動の電圧Vp
reとして採用した。このようにして得られた予備駆動
電圧Vpre=15.5Vにて電子放出素子を予備駆動
した。この時、駆動電圧波形は図11(c)に示す波形
とし、V1=15.5V、V12=15.0V、T1=0.2
msec、T12=0.1msec、パルス間隔T2=1
6.7msec、パルス間隔T22=0.05msecと
した。予備駆動中に、V1における電流I1、及びV12にお
ける電流I12を測定し、I1とI12の差dI1及びV1とV12
の差dV1より、Epre=I1/(V1×dI1/dV1 -2×
I1)の値を算出しながら予備駆動を行った。
【0105】予備駆動は、素子Kについては上記Epr
eの値の変化率が約9%になるまで行い、素子Lについ
ては上記Epreの値の変化率が約7%になるまで行
い、素子Mについては上記Epreの値の変化率が約5
%になるまで行い、素子Nについては上記Epreの値
の変化率が約3%になるまで行った。また、素子Oは予
備駆動を行わなかった。次に、駆動電圧V2を14.3V
に設定し、アノード電圧を1000Vとして素子を長時
間駆動した。駆動中の放出電流の経時変化や放出電流の
変動は予備駆動を行わなかった素子Oが最も大きく、つ
いで、素子K、素子Lの順に大きかった。素子M及び素
子Nにおいては、駆動中の放出電流の減少と変動が少な
く安定な電子放出特性が得られた。
【0106】なお、素子M、Nについて予備駆動終了後
14.3Vの電圧パルスを2回連続して印加し、それぞ
れにおける電界強度相当値を調べたところ、いずれも電
界強度相当値の変化率が2%以下であった。とくに素子
Nは1%を下回る値であった。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
通常の駆動中における放出電流の減少と変動の少ない、
安定な電子放出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用可能な電子放出素子の電気特性
をプロットした図である。
【図2】 本発明を適用可能なFE型の電子放出素子を
示す概略断面図である。
【図3】 本発明を適用可能なFE型の電子放出素子の
製造工程を示す図である。
【図4】 実施例1並びに実施例2で作成した電子放出
素子の電気特性を示す図である。
【図5】 本発明を適用可能なSCE型の電子放出素子
を示す概略平面図並びに概略断面図である。
【図6】 本発明を適用可能なSCE型の電子放出素子
の製造工程を示す図である。
【図7】 本発明を適用可能なSCE型の電子放出素子
の製造工程中に使用する電圧パルスを示す図である。
【図8】 本発明を適用可能なSCE型の電子放出素子
の電気特性を示す図である。
【図9】 実施例3で作成した電子放出素子の放出電流
と素子電圧の関係を示す図である。
【図10】 実施例4で作成した電子放出素子の素子電
流と素子電圧の関係を示す図である。
【図11】 本発明の予備駆動に使用される電圧波形を
示す図である。
【図12】 本発明を適用可能なMIM型の電子放出素
子を示す概略断面図である。
【符号の説明】
21:電極、22:絶縁層、23:カソード電極、2
4:ゲート電極、25:アノード電極、26:アルミニ
ウム膜、31:真空容器、32:ゲートバルブ、33:
真空ポンプ、34:補助ポンプ、35:電源、36:高
圧電源、37:電流計、51:基板、52、53:素子
電極、54:導電性薄膜、55:電子放出部、56:段
差形成部、57:マスク、58:アノード電極、61:
真空容器、62:ゲートバルブ、63:真空ポンプ、6
4:補助ポンプ、65:バルブ、66:活性化ガス収容
容器、68:電流計、69:高圧電源、70:電流計、
121:基板、122:下部電極、123:絶縁体薄
膜、124:上部電極、125:電子放出部。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの電極を有しており、該
    2つの電極間に電圧を印加することで電子を放出する電
    子放出素子の製造方法であって、 前記電子放出素子を構成する2つの電極間に電圧V1を
    印加する電圧印加工程を有しており、該電圧V1は、こ
    の電圧印加工程の後、通常の駆動電圧として前記電子放
    出素子に印加される電圧の最大値V2との関係が、 前記2つの電極間に電圧を印加した時に電子放出を伴う
    電圧範囲内の電圧Vを前記2つの電極間に印加したとき
    に該電圧Vの印加に伴って流れる電流Iを、 【数1】 とし、f'(V)を電圧Vにおけるf(V)の微係数とす
    るとき、 【数2】 という第1の条件を満たす電圧であり、 前記電圧印加工程は、該電圧印加工程が終了した時に、 該電圧印加工程終了後の前記2つの電極間に前記電圧V
    2をパルス状に連続して2回印加したときの、先のパル
    ス状電圧V2印加時の前記式2の右辺の値をX n-1 、後
    のパルス状電圧V2印加時の前記式2の右辺の値をXn
    としたときに、該Xn-1 とXn が 【数3】 を満たすという第2の条件を満たす工程であることを特
    徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の条件は、前記Xn-1 とXn
    が、 【数4】 を満たすものである請求項1に記載の電子放出素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記電圧印加工程における電圧V1の印
    加は、パルス状の電圧の印加である請求項1または2に
    記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電圧印加工程において、前記パルス
    状の電圧を複数回印加する請求項3に記載の電子放出素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記電圧印加工程は、前記式2の左辺の値
    をモニターしながら行う請求項1乃至4いずれかに記載
    の電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電圧印加工程は、高真空雰囲気で行
    う請求項1乃至5いずれかに記載の電子放出素子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記電圧印加工程は、雰囲気中の炭素及
    び炭素化合物の分圧が1×10-6Pa以下の雰囲気で行
    う請求項1乃至6いずれかに記載の電子放出素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記2つの電極は間に間隙部を有する請
    求項1乃至7いずれかに記載の電子放出素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記電圧印加工程に先立ち、間に間隙部
    を有する前記2つの電極を形成する工程を有する請求項
    1乃至8いずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電圧印加工程に先立ち、堆積物が
    堆積された間隙部を間に有する前記2つの電極を形成す
    る工程を有する請求項1乃至9いずれかに記載の電子放
    出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電圧印加工程は、該電圧印加工程
    において前記2つの電極の間の間隙部が雰囲気中の物質
    もしくは雰囲気中の物質に基づく物質の堆積により狭く
    ならない雰囲気で行う請求項8乃至10いずれかに記載
    の電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11いずれかに記載の電
    子放出素子の製造方法において用いる電子放出素子の製
    造装置であって、前記2つの電極の間に電圧を印加する
    ための電位出力部を有している電子放出素子の製造装
    置。
  13. 【請求項13】 少なくとも2つの電極を有しており、
    該2つの電極間に電圧を印加することで電子を放出する
    電子放出素子の駆動方法であって、 前記電子放出素子は電子放出素子を構成する2つの電極
    間に電圧V1を印加する電圧印加工程を経たものであ
    り、この駆動方法は通常の駆動電圧の最大値をV2とし
    て駆動する駆動プロセスを有しており、前記電圧V1
    は、前記電圧V2との関係が、 前記2つの電極間に電圧を印加したときに電子放出を伴
    う電圧範囲内の電圧Vを前記2つの電極間に印加したと
    きに該電圧Vの印加に伴って流れる電流Iを、 【数5】 とし、f'(V)を電圧Vにおけるf(V)の微係数とす
    るとき、 【数6】 という第1の条件を満たす電圧であり、 前記電圧印加工程は、該電圧印加工程が終了したとき
    に、 該電圧印加工程終了後の前記2つの電極間に前記電圧V
    2をパルス状に運続して2回印加したときの、先のパル
    ス状電圧V2印加時の前記式2の右辺の値をX n-1 、後
    のパルス状電圧V2印加時の前記式2の右辺の値の値を
    n としたときに、該Xn-1n が 【数7】 を満たすという第2の条件を満たす工程であることを特
    徴とする電子放出素子の駆動方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも2つの電極を有しており、
    該2つの電極間に電圧を印加することで電子を放出する
    電子放出素子の調整方法であって、 前記電子放出素子を構成する2つの電極間に電圧V1を
    印加する電圧印加工程を有しており、該電圧V1は、こ
    の電圧印加工程の後、通常の駆動電圧として印加される
    電圧の最大値V2との関係が、 前記2つの電極間に電圧を印加したときに電子放出を伴
    う電圧範囲内の電圧Vを前記2つの電極間に印加したと
    きに該電圧Vの印加に伴って流れる電流Iを、 【数8】 とし、f'(V)を電圧Vにおけるf(V)の微係数とす
    るとき、 【数9】 という第1の条件を満たす電圧であり、 前記電圧印加工程は、該電圧印加工程が終了したとき
    に、 該電圧印加工程終了後の前記2つの電極間に前記電圧V
    2をパルス状に連続して2回印加したときの、先のパル
    ス状電圧V2印加時の前記式2の右辺の値をX n-1 、後
    のパルス状電圧V2印加時の該右辺の値をXn としたと
    きに、該X X n-1 とXn が 【数10】 を満たすという第2の条件を満たす工程であることを特
    徴とする電子放出素子の調整方法。
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