JP2000243323A - 画像形成装置とその製造方法 - Google Patents

画像形成装置とその製造方法

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JP2000243323A
JP2000243323A JP4245799A JP4245799A JP2000243323A JP 2000243323 A JP2000243323 A JP 2000243323A JP 4245799 A JP4245799 A JP 4245799A JP 4245799 A JP4245799 A JP 4245799A JP 2000243323 A JP2000243323 A JP 2000243323A
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electron
image forming
forming apparatus
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JP4245799A
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Izumi Tabata
泉 田畑
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数個の電子放出素子を備えた電子源と画像
形成部材とスペーサとを有する表示パネルを備えた画像
形成装置において、電子放出特性の均一化を図る。 【解決手段】 有機物質雰囲気下において、電子放出部
を形成した電子放出素子の素子電極間に電圧パルスを印
加して該電子放出部に炭素或いは炭素化合物を堆積させ
ることにより素子電流及び放出電流を増加せしめる活性
化工程において、スペーサからの距離に対応して、素子
毎に活性化時間を変えることによって、各素子の素子電
流を制御し、電子放出効率を均一にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子を複
数個配置してなる電子源を用いて構成された画像形成装
置と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては大別し
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」と称す。)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」と称す。)や表面伝導型電子放出
素子等が有る。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke
and W.W.Dolan,“Field Emis
sion”,Advance in Electron
Physics,8,89(1956)あるいはC.
A.Spindt,“PHYSICAL Proper
ties of thin−film fieldem
ission cathodes with moly
bdenum cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等に開示されたもの
が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d,“Operation of Tunnel−Em
ission Devices”,J.Appl.Ph
ys.,32,646(1961)等に開示されたもの
が知られている。
【0005】表面伝導型電子放出素子の例としては、
M.I.Elinson,RadioEng.Elec
tron Phys.,10,1290(1965)等
に開示されたものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]、In23/Sn
2薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEETrans. E
D Conf.”,519(1975)]、カーボン薄
膜によるもの[荒木久他:真空、第26巻、第1号、2
2頁(1983)]等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図16
に模式的に示す。同図において1は基板である。4は導
電性膜で、H型形状のパターンに、スパッタで形成され
た金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミング
と呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。
尚、図中の素子電極間隔Lは0.5〜1mm、W’は
0.1mmで設定されている。
【0008】表面伝導型電子放出素子の構成は、上記の
ようなH型形状に限るものではなく、例えば上記H型形
状の両側の部分を電極として形成し、これを連結するよ
うに導電性膜を形成しても良い。このとき、電極と導電
性膜の材質や厚さが互いに異なるものであっても差し支
えない。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性膜4に予めフォー
ミングと呼ばれる通電処理を施し、電子放出部5を形成
するのが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは
前記導電性膜4の両端に直流電圧あるいは非常にゆっく
りとした昇電圧例えば1V/分程度を印加通電し、導電
性膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的
に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成することであ
る。尚、電子放出部5は導電性膜4の一部に亀裂が発生
し、その亀裂付近から電子放出が行われる。前記通電フ
ォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述
の導電性膜4に電圧を印加し、素子に電流を流すことに
より、上述電子放出部5より電子を放出せしめるもので
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、表面伝導
型電子放出素子において、前述のフォーミング処理によ
り電子放出部を形成した後、例えば有機物質などを含む
雰囲気中で素子に電圧を印加することにより、素子から
放出される電流が著しく増加することを見いだした。こ
のような処理を行う工程を「活性化」と呼ぶ。これは、
上記のような処理により電子放出部の近傍に炭素または
炭素化合物などの活性化堆積物の膜が堆積することに起
因するものである。
【0011】上記表面伝導型電子放出素子は、構造が単
純であるため、大面積にわたって多数の素子を配列した
電子源を作成することが容易であるという利点がある。
この特徴を活かすため種々の応用が研究されており、例
えば自発光型の薄型画像表示装置などの画像形成装置ヘ
の利用などが挙げられる。
【0012】多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成
した電子源の例としては、図8のようにマトリクス状に
配線した構造などが挙げられる。
【0013】このような電子源に活性化工程を施す場
合、適当な雰囲気下で、例えば同一行に属する素子に一
斉にパルス状の電圧を印加したり、或いは各素子に順次
パルス電圧を印加し活性化物質の膜を堆積させることに
より行う。
【0014】ところで、電子放出素子の特性について
は、電子放出素子を適用した画像形成装置が明るい表示
画像を安定して提供できるよう更に均一な電子放出特性
及び電子放出の効率向上が要望されている。ここでの効
率は、表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極に電圧
を印加した際に、両電極間を流れる電流(以下、「素子
電流」という。)と真空中に放出される電流(以下、
「放出電流」という。)との比で表されるものであり、
素子電流が小さく、放出電流が大きい電子放出素子が望
まれている。一つの電子源を形成する多数の電子放出素
子の電子放出特性の向上と効率の均一性がなされれば、
例えば蛍光体を画像形成部材とする画像形成装置におい
ては低電流で明るい高品位な画像形成装置、例えばフラ
ットテレビが実現できる。また、低電流化に伴い、画像
形成装置を構成する駆動回路等のローコスト化も図れ
る。
【0015】しかしながら、上記の製造方法では、予め
定められた条件で、一定の時間、パルス電圧を印加する
などして活性化を行うため、各素子の製造途中の条件の
僅かな違い、例えば導電性膜の厚さや揺らぎや、また、
画像形成装置の場合には真空を支持するスペーサや容器
壁が構造的に存在し、その影響による有機物質の分圧の
違いなどによって活性化の速さなどが異なり、結果とし
て素子の特性が不均一となる場合があった。特に、スペ
ーサの影響により、図1(a)のように距離によって大
きく素子電流If、放出電流Ie特性がばらつくことが実
験からわかった。また、図1(b)に示すように各素子
の活性化工程でパルス電圧を印加している途中で、ある
一定の素子電流に到達したところで活性化を終了してみ
たところ、全体的には放出電流の均一性は向上したが、
スペーサに近接する素子については、他の素子に比べ放
出電流Ieの均一性が不十分であり、電子放出特性Ie
f=ηに影響を与えた。この様な特性の不均一性によ
る電子放出量のバラツキにより生じる画像形成装置の明
るさのバラツキを解決するためには、駆動する際に、素
子毎に適当な補正を行う事が考えられるが、そのために
は素子毎の補正情報を有するメモリーを具備することが
必要となり、たとえば画像形成装置などの場合、素子数
が膨大であるため装置が大掛かりになり、コストを押し
上げることにもなる。
【0016】本発明の目的は、上述した技術的課題を解
決し、均一な電子放出特性を有し電力消費の少ない電子
源を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は以下の通りである。
【0018】即ち、本発明の画像形成装置の製造方法
は、基板上に形成された一対の素子電極と、該素子電極
のそれぞれに電気的に接続された導電性膜と、該導電性
膜の一部に形成された電子放出部と、該電子放出部に堆
積された炭素を含む堆積物と、を有する電子放出素子を
複数個と各電子放出素子の素子電極間に電圧を印加する
ための配線とを備えた電子源を、該電子源の電子放出素
子から放出された電子線の照射により画像を形成する画
像形成部材及び該電子源と画像形成部材間の距離を保持
するスペーサと組み合わせてなる表示パネルを有する画
像形成装置の製造方法であって、基板上に上記複数個の
電子放出素子の素子電極、導電性膜、電子放出部を形成
した後、有機物質雰囲気下において各素子の導電性膜に
電圧を印加することによって、各素子の電子放出部に炭
素を含む堆積物を堆積させる活性化工程を有し、該活性
化工程において、各素子の素子電極間に流れる素子電流
fの値が素子のスペーサからの距離に応じて異なった
値となるように素子毎に活性化条件を変えることによ
り、各電子放出部から放出される放出電流Ieと素子電
流Ifとの比(Ie/If)で表される各素子の電子放出
効率ηを一定とすることを特徴とする。
【0019】上記本発明の製造方法においては、予め構
成した同一構成の画像形成装置において求めた電子放出
効率ηと素子電流Ifの相関関係のスペーサからの距離
に対する依存性に基づいて、各素子の電子放出効率ηが
一定となるように各素子の素子電流Ifを設定すること
が好ましく、この場合、上記素子毎に変える活性化条件
が活性化時間であって、予め構成した同一構成の画像形
成装置において求めた素子電流Ifと活性化時間との関
係の、素子のスペーサからの距離に対する依存性に基づ
いて、素子毎に活性化時間を制御する、或いは、活性化
工程において、素子毎に素子電流Ifを検知することに
よって、素子毎に設定された素子電流Ifに到達した時
点で電圧印加を停止することが好ましい。さらには、各
素子の電子放出効率ηを検知し、該ηが一定となるよう
に素子毎に活性化工程を繰り返すことが好ましい。
【0020】また本発明の画像形成装置は、基板上に形
成された一対の素子電極と、該素子電極のそれぞれに電
気的に接続された導電性膜と、該導電性膜の一部に形成
された電子放出部と、該電子放出部に堆積された炭素を
含む堆積物と、を有する電子放出素子を複数個と各電子
放出素子の素子電極間に電圧を印加するための配線とを
備えた電子源を、該電子源の電子放出素子から放出され
た電子線の照射により画像を形成する画像形成部材及び
該電子源と画像形成部材間の距離を保持するスペーサと
組み合わせてなる表示パネルを有する画像形成装置であ
って、各電子放出素子の電子放出効率ηが電子源内にお
いて均一であり、上記本発明の画像形成装置の製造方法
により製造されたことを特徴とする。
【0021】上記スペーサからの距離に応じて活性化の
条件を変更するのは、スペーサの表面に活性化に用いる
有機物が吸着したり、素子基板に温度勾配が生じてしま
い、局所的に有機物の雰囲気濃度が高くなり結果的に活
性化の進行を加速させてしまうからである。このため、
スペーサからの距離が近いほど活性化が早く進行し電子
放出部の近傍に炭素または炭素化合物などの活性化堆積
物の膜が過剰に堆積し、放出電流が減少する。スペーサ
に近接している電子放出素子の電子放出特性(Ie/If
=η)の均一化は、素子電流Ifを活性化のパルス電圧
印加時間で調節することで可能となる。
【0022】活性化時の素子電流Ifを制御する活性化
電圧印加時間は、予め構成した同一構成の模擬画像形成
装置から得られたスペーサからの距離依存特性を求め決
定することの他に、活性化工程中に素子電流Ifを検出
しながら活性化終了のタイミングを決める方法がある。
【0023】図1(c)は、電子放出効率ηを一定にす
るためのスペーサからの距離によるIfとIeの関係で、
fと効率η=Ie/Ifの特性相関関係は、スペーサ周
辺で異なる。即ち、スペーサに近接している素子は、効
率を一定とするためにIfをスペーサからの距離に応じ
て最適な値に高め、他の素子と異ならせる必要がある。
上記に説明したように、活性化中の素子電流(If)を
スペーサからの距離に応じ、すなわちスペーサに近接し
ている素子の素子電流Ifを活性化時間で調節すること
で、画像形成装置全体にわたって均一な素子特性を得る
ことができる。また画像形成装置の製造工程の間で定期
的に模擬画像形成装置を活性化し、活性化中にその時の
電子放出特性ηを検知する場合には、素子の両極に流れ
る電流(素子電流)If、素子から真空中に放出され、
アノード電極に流れ込む電流(放出電流)Ieの関係で
あるのが一般的であり、この値を検知し、該値が所望の
電子放出効率ηから逸脱した場合にはパルス電圧印加時
間を修正することができる。
【0024】上記の模擬画像形成装置から得られたIf
値の制御または定期的な特性検出によるIf値の確認お
よび修正をすることにより安定した画像形成装置が得ら
れる。
【0025】このようにして得られた電子放出特性を均
一化した画像形成装置を素子電流一定にして動作させる
ことで均一な放出電流が得られ、表示エリアの明るさバ
ラツキが改善され、駆動回路も定電流駆動回路ですむの
で、コスト的に抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法に係る活性化工
程の流れを示すフローチャートを図2に示す。
【0027】図中のスターティングシーケンス(a)は
具体的には、活性化のためのパルスを発振させるための
発振器の設定、同一構成の模擬画像形成装置のスペーサ
からの距離に応じた最適な素子電流Ifに基づいたIf
御装置のプログラム設定、装置内への有機物質ガスの導
入、あるいはそのタイミングのプログラム設定等、また
有機物質ガス導入の前に真空装置内を一旦高真空にする
場合には、排気と必要に応じて真空装置をベーキングす
るなどの一連の処理、その他を含む。
【0028】レギュラーシーケンス(b)は、一定の雰
囲気で、一定の電圧パルスの印加を継続する処理を行う
ものである。
【0029】検出ステップ(c)は、素子または素子の
グループの電子放出効率η及びIf−Vf特性を検出する
もので、レギュラーシーケンスでの活性化パルスの合間
に、定期的に測定用のパルスを挿入し、それにより特性
を検知したり、三角波、台形波または階段状パルスを活
性化パルスとして用いる事により、常時レギュラーシー
ケンスと併走する場合などを含む。この検出は、常時行
うことができる他、定期的な検出手段として機能させ、
スターティングシーケンスに入力する素子毎の活性化に
要する活性化時間値を修正することができる。
【0030】続いて次の、活性化の継続/終了の判定ス
テップ(d)は、上記ステップ検知された特性から、例
えば素子毎に活性化時のパルス電圧Vfおよび素子電流
fの値、電子放出効率η=Ie/Ifの値などを検知
し、予め定められた条件により、レギュラーシーケンス
の繰り返し、または活性化工程の終了を選択するもので
ある。
【0031】終了シーケンス(e)は、活性化パルスの
停止、有機物質ガスの導入停止、装置内の排気など活性
化工程終了のための一連のステップを行うシーケンスで
ある。
【0032】次に実際の工程に沿って具体的に説明す
る。
【0033】本発明の画像形成装置の好ましい実施形態
として、本発明に好適な表面伝導型電子放出素子を用い
た場合を例に挙げて本発明を説明する。図3は、本発明
の画像形成装置の電子源を構成する電子放出素子に好適
な表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式図であり、
図3(a)は平面図、図3(b)は断面図である。
【0034】図3において1は基板、2と3は素子電
極、4は導電性膜、5は電子放出部である。
【0035】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等によりSiO2を積層したガラス基板及
びアルミナ等のセラミックス及びSi基板等を用いるこ
とができる。
【0036】対向する素子電極2,3の材料としては、
一般的な導体材料を用いることができる。これは例えば
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属或は合金及びPd,Ag,Au,Ru
2,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等か
ら構成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導
電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜選
択することができる。
【0037】素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性
膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して、設計さ
れる。
【0038】素子電極間隔Lは、数百nmから数百μm
の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、素子電
極間に印加する電圧等を考慮して数μmから数十μmの
範囲とすることができる。素子電極長さWは、電極の抵
抗値、電子放出特性を考慮して、数μmから数百μmの
範囲とすることができる。素子電極2,3の膜厚dは、
数十nmから数μmの範囲とすることができる。
【0039】尚、図3に示した構成だけでなく、基板1
上に、導電性膜4、対向する素子電極2,3の順に積層
した構成とすることもできる。
【0040】導電性膜4の膜厚は、素子電極2,3への
ステップカバレージ、素子電極2,3間の抵抗値及び後
述するフォーミング条件等を考慮して適宜設定される
が、通常は、0.1nmの数倍から数百nmの範囲とす
るのが好ましく、より好ましくは1nmから50nmの
範囲とするのが良い。その抵抗値は、Rsが102から1
7Ω/□の値である。なおRsは、厚さがt、幅がwで
長さがlの薄膜の抵抗Rを、R=Rs(l/w)とおい
たときに現れる値である。
【0041】本願明細書において、フォーミング処理に
ついては、通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミ
ング処理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生
じさせて高抵抗状態に形成する物理的処理、あるいは化
学的処理を包含するものである。導電性膜4を構成する
材料は、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,
Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金
属、PdO,SnO2,In23,PbO,Sb23
の酸化物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB
4,GdB4等の硼化物、TiC,ZrC,Hfc,Ta
C,SiC,WCなどの炭化物、TiN,ZrN,Hf
N等の窒化物、Si,Ge等の半導体の中から適宜選択
される。
【0042】電子放出部5は、導電性膜4の一部に形成
された高抵抗の亀裂により構成され、導電性膜4の膜
厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング等の手法
等に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、
0.1nmの数倍から数十nmの範囲の粒径の導電性微
粒子が存在する場合もある。この導電性微粒子は、導電
性膜4を構成する材料の元素の一部、あるいは全ての元
素を含有するものとなる。電子放出部5及びその近傍の
導電性膜4には、炭素或いは炭素化合物の堆積物を有す
る。
【0043】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法があるが、その一例を図4に模式的
に示す。図4においても、図3に示した部位と同じ部位
には図3に示した符号と同一の符号を付している。
【0044】1)基板1を洗剤、純水および有機溶剤等
を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等によ
り素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー
技術を用いて基板1上に素子電極2,3を形成する(図
4(a))。
【0045】2)素子電極2,3を設けた基板1に、有
機金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成する。有機
金属溶液には、前述の導電性膜4の材料の金属を主元素
とする有機金属化合物の溶液を用いることができる。有
機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング
等によりパターニングし、導電性膜4を形成する(図4
(b))。ここでは、有機金属溶液の塗布法を挙げて説
明したが、導電性膜4の形成法はこれに限られるもので
なく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分
散塗布法、ディッピング法、スピンナー法、インクジェ
ット等を用いることもできる。
【0046】インクジェット法を用いた場合には、10
ngから数十ng程度の微小液滴を再現性良く発生し基
板に付与することができ、フォトリソグラフィによるパ
ターニングや真空プロセスが不要であるため、生産性の
上から好ましい。インクジェット法の装置としては、エ
ネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジ
ェットタイプ、或いは圧電素子を用いたピエゾジェット
タイプ等が使用可能である。上記液滴の焼成手段として
は、電磁波照射手段や加熱空気照射手段、基板全体を加
熱する手段が用いられる。電磁波照射手段としては、例
えば赤外線ランプ、アルゴンイオンレーザー、半導体レ
ーザー等を用いることができる。
【0047】3)つづいて、フォーミング工程を施す。
このフォーミング工程の方法の一例として通電処理によ
る方法を説明する。素子電極2,3間に、不図示の電源
を用いて通電を行うと、導電性膜4の部位に、電子放出
部5が形成される(図4(c))。通電フォーミングに
よれば、導電性膜4に局所的に破壊、変形もしくは変質
等の構造の変化した部位が形成される。該部位が電子放
出部5を構成する。通電フォーミングの電圧波形の例を
図5に示す。
【0048】電圧波形は、パルス波形が好ましい。これ
にはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加
する図5(a)に示した手法と、パルス波高値を増加さ
せながら電圧パルスを印加する図5(b)に示した手法
がある。
【0049】図5(a)におけるT1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μsec
〜10μsec、T2は10μsec〜100msec
の範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の形態
に応じて適宜選択される。このような条件のもと、例え
ば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は三
角波に限定されるものではなく、矩形波などの所望の波
形を採用することができる。
【0050】図5(b)におけるT1及びT2は、図5
(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度ずつ、増加させることができる。
【0051】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性膜4を局所的に破壊、変形しない程
度の電圧を印加し、電流を測定して検知することができ
る。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子電
流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示し
た時、通電フォーミングを終了させる。
【0052】4)フォーミング処理を終えた素子には活
性化処理と呼ばれる処理を施す。活性化工程とは、この
工程により、素子電流If、放出電流Ieが著しく変化す
る工程である。
【0053】活性化工程は、有機物質のガスを含有する
雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パルスの印加
を繰り返すことで行うことができる。この雰囲気は、例
えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用いて真空
容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有機ガスを
利用して形成することができる他、イオンポンプなどに
より一旦十分に排気した真空中に適当な有機物質のガス
を導入することによっても得られる。このときの好まし
い有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真空容器の
形状や、有機物質の種類などにより異なるため場合に応
じ適宜設定される。
【0054】このとき用いられる有機物質としては、ア
ルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香
族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン
類、アミン類、フェノール、カルボン酸、スルホン酸な
どの有機酸類などを挙げることが出来、具体的には、メ
タン、エタン、プロパンなどCn2n+2で表される飽和
炭化水素、エチレン、プロピレンなどCn2n等の組成
式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メ
タノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミ
ン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸等が使用できる。
【0055】この処理により、雰囲気中に存在する有機
物質から、炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、
素子電流If,放出電流Ieが、著しく変化するようにな
る。
【0056】尚、上記のような有機物質ばかりでなく、
一酸化炭素(CO)などの無機物質も活性化物質として
利用可能である。
【0057】炭素及び炭素化合物とは、例えばグラファ
イト、非晶質カーボン(アモルファスカーボン及び、ア
モルファスカーボンとグラファイトの微結晶の混合物を
指す)であり、その膜厚は、50nm以下の範囲とする
のが好ましく、30nm以下の範囲とすることがより好
ましい。
【0058】尚、本活性化工程は、先に示したように、
図2のフローに従って行われ、このような工程で得られ
た複数の電子放出素子から構成された画像形成装置は真
空を支持するためのスペーサや容器壁からの距離に関わ
りなく均一な電子放出効率ηを得ることができる。
【0059】上記工程を経て得られた電子放出素子は、
安定化工程を行うことが好ましい。この工程は、真空容
器内の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気
する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の
特性に影響を与えないように、オイルを使用しないもの
を用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポン
プ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げることが出来
る。
【0060】前記の活性化工程で、排気装置として油拡
散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生する
オイル成分に由来する有機ガスを用いた場合には、この
成分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の
有機成分の分圧は、上記の炭素及び炭素化合物がほぼ新
たに堆積しない分圧で1×10-6Pa以下が好ましく、
さらには1×10-8Pa以下が特に好ましい。さらに真
空容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱し
て、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質
分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱
条件は、80〜250℃で5時間以上が望ましいが、特
にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形
状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ばれ
る条件により行う。真空容器内の圧力は極力小さくする
ことが必要で、1〜4×10-5Pa以下が好ましく、さ
らに1×10-6Pa以下が特に好ましい。
【0061】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することが出来る。このような真空雰囲気を
採用することにより、新たな炭素あるいは炭素化合物の
堆積を抑制でき、結果として素子電流If,放出電流Ie
および電子放出効率(η)が安定する。
【0062】次に、上述の工程を経て得られた本発明に
適用可能な電子放出素子の基本特性について図6、図7
を参照しながら説明する。
【0063】図6は、真空処理装置の一例を示す模式図
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
も兼ね備えている。図6において、31は真空容器であ
り、32は排気ポンプである。真空容器31内には電子
放出素子が配されている。即ち、1は電子放出素子を構
成する基板であり、2及び3は素子電極、4は導電性
膜、5は電子放出部である。33は電子放出素子に素子
電圧Vfを印加するための電源、34は素子電極2・3
間の導電性膜4を流れる素子電流Ifを測定するための
電流計、35は素子の電子放出部より放出される放出電
流Ieを捕捉するためのアノード電極である。アノード
電極35と基板1との間には絶縁体等で構成された支持
体等のスペーサ38があり、36はアノード電極35に
電圧を印加するための高圧電源、37は素子の電子放出
部5より放出される放出電流Ieを測定するための電流
計である。一例として、アノード電極の電圧を1kV〜
10kVの範囲とし、アノード電極と電子放出素子との
距離Hを2〜8mmの範囲として測定を行うことができ
る。
【0064】真空容器31内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ32は、ターボポンプ、ロータリーポ
ンプからなる通常の高真空装置系と更に、イオンポンプ
等からなる超高真空装置系とにより構成されている。こ
こに示した電子源基板を配した真空処理装置の全体は、
不図示のヒーターにより250℃程度まで加熱できる。
【0065】図7は、図6に示した真空処理装置を用い
て測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧Vf
との関係を模式的に示した図である。図7においては、
放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、
任意単位で示している。尚、縦・横軸ともリニアスケー
ルである。
【0066】図7からも明らかなように、本発明に適用
可能な電子放出素子は、放出電流Ieに関して3つの特
徴的性質を有する。
【0067】即ち、(I)本素子はある電圧(しきい値
電圧と呼ぶ:図7中のVth)以上の素子電圧を印加する
と急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth
以下では放出電流Ieが殆ど検出されない。つまり、放
出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非
線形素子である。
【0068】(II)放出電流Ieが素子電圧Vfに単調
増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御で
きる。
【0069】(III)アノード電極35に捕捉される
放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。
つまり、アノード電極35に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0070】以上の説明より理解されるように、本発明
に適用可能な表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応
じて、電子放出特性を容易に制御できることとなる。こ
の性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成し
た電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能とな
る。図7においては、素子電流Ifは素子電圧Vfに対し
て単調増加する(以下、「MI特性」という。)例を示
した。素子電流Ifが素子電圧Vfに対して電圧制御型負
性抵抗特性(以下、「VCNR特性」という。)を示す
場合もある(不図示)。これらの特性は、前述の工程を
制御することで制御できる。
【0071】なお、Ifに対してもIeと同様にしきい値
電圧が存在するが、リーク電流が無視できない場合には
fの低い領域までIfが裾を引く様になり、しきい値が
低下してしまう。
【0072】本発明の画像形成装置は、上記したような
電子放出素子を複数個同一基板上に配列した電子源を用
いて構成される。電子放出素子の配列については、種々
のものが採用できる。
【0073】一例として、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両瑞で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動する梯子状配置のものがある。これとは別
に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個
配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一
方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された
複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に共
通に接続するものが挙げられる。このようなものは所謂
単純マトリクス配置である。以下に単純マトリクス配置
の電子源を例に挙げて説明する。
【0074】本発明に適用可能な電子放出素子について
は、前述したとおり、(I)乃至(III)の特性があ
る。即ち、電子放出素子からの放出電子は、しきい値電
圧以上では、対向する素子電極間に印加するパルス状電
圧の波高値と幅で制御できる。一方、しきい値電圧以下
では、殆ど電子は放出されない。この特性によれば、多
数の電子放出素子を配置した場合においても、個々の素
子に、パルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じ
て、表面伝導型電子放出素子を選択して電子放出量を制
御できる。
【0075】以下この原理に基づき、単純マトリクス配
置の電子源について、図8を用いて説明する。図8にお
いて、71は電子源基板、72はX方向配線、73はY
方向配線である。74は表面伝導型電子放出素子、75
は結線である。
【0076】m本のX方向配線72は、Dx1,Dx2
…,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等
を用いて形成された導電性金属等で構成することができ
る。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方向配
線73は、Dy1,Dy2,…,Dynのn本の配線よりな
り、X方向配線72と同様に形成される。これらm本の
X方向配線72とn本のY方向配線73との間には、不
図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分
離している(m,nは共に正の整数)。
【0077】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配
線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよ
うに、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向配
線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として引
き出されている。
【0078】表面伝導型電子放出素子74を構成する一
対の素子電極(不図示)は、m本のX方向配線72とn
本のY方向配線73と導電性金属等からなる結線75に
よって電気的に接続されている。
【0079】配線72と配線73を構成する材料、結線
75を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、また夫々異なってもよい。これらの材料は、例えば
前述の素子電極の材料等より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0080】X方向配線72には、X方向に配列した表
面伝導型電子放出素子74の行を選択するための走査信
号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に接続
される。一方、Y方向配線73には、Y方向に配列した
表面伝導型電子放出素子74の各列を入力信号に応じて
変調するための不図示の変調信号発生手段が接続され
る。更に、各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当
該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として
供給される。上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0081】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した本発明の画像形成装置について、図9と
図10及び図11を用いて説明する。図9は、本発明の
画像形成装置の一実施形態の表示パネルの一例を示す模
式図であり、図10は、図9の表示パネルに使用される
蛍光膜の模式図である。図11は、NTSC方式のテレ
ビ信号に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示す
ブロック図である。
【0082】図9において、71は電子放出素子を複数
配置した電子源基板、81は電子源基板71を固定した
リアプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜8
4とメタルバック85等が形成されたフェースプレート
である。82は支持枠であり、該支持枠82には、リア
プレート81、フェースプレート86がフリットガラス
等を用いて接続されている。87は外囲器であり、例え
ば大気中あるいは窒素中で、400〜500℃の温度範
囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
【0083】74は電子放出素子であり、72,73
は、表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極と接続さ
れたX方向配線及びY方向配線である。尚、導電性膜に
ついては便宜上省略した。
【0084】外囲器87は、上述の如く、フェースプレ
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に基板71の強度を補強する
目的で設けられるため、基板71自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート81は不要とすることがで
きる。即ち、基板71に直接支持枠82を封着し、フェ
ースプレート86、支持枠82及び基板71にて外囲器
87を構成しても良い。一方、フェースプレート86、
リアプレート81間に、スペーサ(支持体)88を設置
することにより、大気圧に対して十分な強度を持つ外囲
器87を構成することができる。
【0085】図10は、蛍光膜を示す模式図である。蛍
光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成
することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列により、ブラックストライプ(図10(a))ある
いはブラックマトリクス(図10(b))などと呼ばれ
る黒色導電材91と蛍光体92とから構成することがで
きる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設け
る目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体
の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで混色等
を目立たなくすることと、蛍光膜84における外光反射
によるコントラストの低下を抑制することにある。黒色
導電材91の材料としては、通常良く用いられている黒
鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及
び反射が少ない材料を用いることができる。
【0086】ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法が
採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバッ
ク85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍
光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86
側ヘ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、
電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用さ
せること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダ
メージからの蛍光体を保護すること等である。メタルバ
ックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処
理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、そ
の後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製で
きる。
【0087】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
【0088】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0089】表面伝導型電子放出素子のフォーミング処
理は、後述する方法などにより適宜行う。
【0090】活性化工程は前記したように図2のフロー
チャートに従って行われる。図17に活性化工程を行う
装置の構成を示す。上記のように封着された表示パネル
17は、排気管18を通じて真空チャンバー11に連結
される。真空チャンバー11は排気装置15により排気
され、適宜設定された圧力に到達する。また、図中12
は特性検知手段、13は条件設定手段、14は制御装置
である。ただし、雰囲気の制御は表示パネル17の外囲
器内部の雰囲気を直接モニタするのが難しいので、真空
チャンバー11内の雰囲気を検知、制御して行うのが一
般的である。
【0091】外囲器87は、前述の安定化工程と同様
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置により排気管を
通じて排気し、10-5Pa程度の真空度の有機物質の十
分少ない雰囲気にした後、封止が成される。外囲器87
の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行
うこともできる。これは、外囲器87の封止を行う直前
あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用
いた加熱により、外囲器87内の所定の位置に配置され
たゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理
である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着
膜の吸着作用により、例えば1×10-4ないしは1×1
-5Paの真空度を維持するものである。
【0092】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例
について、図11を用いて説明する。図11において、
101は表示パネル、102は走査回路、103は制御
回路、104はシフトレジスタである。105はライン
メモリ、106は同期信号分離回路、107は変調信号
発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0093】表示パネル101は、端子Dx1〜Dxm、端
子Dy1〜Dyn、及び高圧端子89を介して外部の電気回
路と接続されている。端子Dx1〜Dxmには、表示パネル
内に設けられている電子源、即ちm行×n列の行列状に
マトリクス配線された表面伝導型電子放出素子群を一行
(n素子)ずつ順次駆動する為の走査信号が印加され
る。
【0094】端子Dy1〜Dynには、前記走査信号により
選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素子の出
力電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。高
圧端子89には、直流電圧源Vaより、例えば10k
[V]の直流電圧が供給されが、これは表面伝導型電子
放出素子から放出される電子ビームに、蛍光体を励起す
るのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧であ
る。
【0095】走査回路102について説明する。同回路
は、内部にm個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1〜Smで模式的に示している)ある。各スイッチ
ング素子は、直流電圧電源Vxの出力電圧もしくは0
[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表
示パネル101の端子Dx1〜Dxmと電気的に接続され
る。S1〜Smの各スイッチング素子は、制御回路103
が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するものであ
り、例えばFETのようなスイッチング素子を組み合わ
せることにより構成することができる。
【0096】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電
子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力す
るよう設定されている。
【0097】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように、各部の
動作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同
期信号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基
づいて、各部に対してTscan、Tsft及びTmryの各制御
信号を発生する。
【0098】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
sync信号として図示した。前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力され
る。
【0099】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて動作
する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ104
のシフトクロックであるということもできる。)。シリ
アル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素
子n素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1〜I
dnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ104よ
り出力される。
【0100】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間だけ記億する為の記億装置であり、制
御回路103より送られる制御信号Tmryに従って適宜
d1〜Idnの内容を記億する。記億された内容は、I
d'1〜Id'nとして出力され、変調信号発生器107に入
力される。
【0101】変調信号発生器107は、画像データI
d'1〜Id'nの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の各
々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信
号は、端子Dy1〜Dynを通じて表示パネル101内の表
面伝導型電子放出素子に印加される。
【0102】前述したように、本発明に適用可能な電子
放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vth
あり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生
じる。電子放出しきい値電圧以上の電圧に対しては、素
子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。こ
のことから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、
例えば電子放出しきい値電圧以下の電圧を印加しても電
子放出は生じないが、電子放出しきい値電圧以上の電圧
を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、
パルスの波高値Vmを変化させる事により出力電子ビー
ムの強度を制御することが可能である。また、パルスの
幅Pwを変化させる事により出力される電子ビームの電
荷の総量を制御する事が可能である。
【0103】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0104】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0105】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5は、デジタル信号式のものもアナログ信号式のものも
採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記億
が所定の速度で行えるものであれば良いからである。
【0106】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには同期信号分離回路106の
出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連し
て、ラインメモリ105の出力信号がデジタル信号かア
ナログ信号かにより、変調信号発生器107に設けられ
る回路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号
を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器107に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号
発生器107には、例えば高速の発振器及び発振器の出
力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の
出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパ
レータ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じて、
比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための
増幅器を付加することもできる。
【0107】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することも
できる。
【0108】このような構成をとり得る本発明の画像形
成装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dx1
〜Dxm、Dy1〜Dynを介して電圧を印加することによ
り、電子放出が生ずる。高圧端子89を介してメタルバ
ック85、あるいは透明電極(不図示)に高圧を印加
し、電子ビームを加速する。加速された電子は、蛍光膜
84に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0109】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL,SECAM方式などの
他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例え
ば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも
採用できる。
【0110】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光ドラム等を用いて構成された光プ
リンターとしての画像形成装置としても用いることがで
きる。
【0111】図15は、本発明の画像形成装置(ディス
プレイパネル)に、例えばテレビジョン放送をはじめと
する種々の画像情報源より提供される画像情報を表示で
きるように構成した表示装置の一例を示すための図であ
る。図中141はディスプレイパネル、142はディス
プレイパネルの駆動回路、143はディスプレイコント
ローラ、144はマルチプレクサ、145はデコーダ、
146は入出力インターフェース回路、147はCP
U、148は画像生成回路、149及び150及び15
1は画像メモリインターフェース回路、152は画像入
力インターフェース回路、153及び154はTV信号
受信回路、155は入力部である。
【0112】尚、本表示装置は、例えばテレビジョン信
号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信
する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生する
ものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報
の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路やスピ
ーカー等については説明を省略する。
【0113】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明する。
【0114】まず、TV信号受信回路154は、例えば
電波や空問光通信等のような無線伝送系を用いて伝送さ
れるTV信号を受信するための回路である。
【0115】受信するTV信号の方式は特に限られるも
のではなく、例えばNTSC方式、PAL方式、SEC
AM方式等、いずれの方式でもよい。また、これらより
更に多数の走査線よりなるTV信号、例えばMUSE方
式を初めとする所謂高品位TVは、大面積化や大画素数
化に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに
好適な信号源である。TV信号受信回路154で受信さ
れたTV信号は、デコーダ145に出力される。
【0116】TV信号受信回路153は、例えば同軸ケ
ーブルや光ファイバー等のような有線伝送系を用いて伝
送されるTV信号を受信するための回路である。前記T
V信号受信回路154と同様に、受信するTV信号の方
式は特に限られるものではなく、また本回路で受信され
たTV信号もデコーダ145に出力される。
【0117】画像入力インターフェース回路152は、
例えばTVカメラや画像読み取りスキャナーなどの画像
入力装置から供給される画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ145に出力され
る。
【0118】画像メモリインターフェース回路151
は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)に記
億されている画像信号を取り込むための回路で、取り込
まれた画像信号はデコーダ145に出力される。
【0119】画像メモリインターフェース回路150
は、ビデオディスクに記億されている画像信号を取り込
むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ14
5に出力される。
【0120】画像メモリインターフェース回路149
は、静止画ディスクのように、静止画像データを記億し
ている装置から画像信号を取り込むための回路で、取り
込まれた静止画像データはデコーダ145に入力され
る。
【0121】入出力インターフェース回路146は、本
表示装置と、外部のコンピュータもしくはコンピュータ
ネットワークもしくはプリンターなどの出力装置とを接
続するための回路である。画像データや文宇・図形情報
の入出力を行うのは勿論のこと、場合によっては本表示
装置の備えるCPUl47と外部との間で制御信号や数
値データの入出力などを行うことも可能である。
【0122】画像生成回路148は、前記入出力インタ
ーフェース回路146を介して外部から入力される画像
データや文字・図形情報や、あるいはCPUl47より
出力される画像データや文字・図形情報に基づき、表示
用画像データを生成するための回路である。本回路の内
部には、例えば画像データや文宇・図形情報を蓄積する
ための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する画
像パターンが記億されている読み出し専用メモリや、画
像処理を行うためのプロセッサー等を初めとして、画像
の生成に必要な回路が組み込まれている。本回路により
生成された表示用画像データは、デコーダ145に出力
されるが、場合によっては前記入出力インターフェース
回路146を介して外部のコンピュータネットワークや
プリンターに出力することも可能である。
【0123】CPUl47は、主として本表示装置の動
作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わる作業を
行う。
【0124】例えば、マルチプレクサ144に制御信号
を出力し、デイスプレイパネルに表示する画像信号を適
宜選択したり組み合わせたりする。その際には表示する
画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ14
3に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や走査方
法(例えばインターレースかノンインターレースか)や
一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制御す
る。また、前記画像生成回路148に対して画像データ
や文字・図形情報を直接出力したり、あるいは前記入出
力インターフェース回路146を介して外部のコンピュ
ータやメモリをアクセスして画像データや文字・図形情
報を入力する。
【0125】尚、CPUl47は、これ以外の目的の作
業にも関わるものであってよい。例えば、パーソナルコ
ンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を生成
したり処理する機能に直接関わってもよい。あるいは前
述したように、入出力インターフェース回路146を介
して外部のコンピュータネットワークと接続し、例えば
数値計算等の作業を外部機器と協同して行ってもよい。
【0126】入力部155は、前記CPUl47に使用
者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入力する
ためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、ジ
ョイスティック、バーコードリーダー、音声認識装置等
の多様な入力機器を用いることが可能である。
【0127】デコーダ145は、前記148ないし15
4より入力される種々の画像信号を3原色信号、又は輝
度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路であ
る。尚、図中に点線で示すように、デコーダ145は内
部に画像メモリーを備えるのが望ましい。これは、例え
ばMUSE方式を初めとして、逆変換するに際して画像
メモリを必要とするようなテレビ信号を扱うためであ
る。画像メモリを備える事により、静止画の表示が容易
になる。あるいは前記画像生成回路148及びCPUl
47と協同して、画像の間引き、補間、拡大、縮小、合
成を初めとする画像処理や編集が容易になるという利点
が生まれるからである。
【0128】マルチプレクサ144は、前記CPUl4
7より入力される制御信号に基づき、表示画像を適宜選
択するものである。即ち、マルチプレクサ144はデコ
ーダ145から入力される逆変換された画像信号の内か
ら所望の画像信号を選択して駆動回路142に出力す
る。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切り
換えて選択することにより、所謂多画面テレビのよう
に、一画面を複数の領域に分けて領域によって異なる画
像を表示することも可能である。
【0129】ディスプレイパネルコントローラ143
は、前記CPUl47より入力される制御信号に基づ
き、駆動回路142の動作を制御するための回路であ
る。
【0130】ディスプレイパネルの基本的な動作に関わ
るものとして、例えばディスプレイパネルの駆動用電源
(図示せず)の動作シーケンスを制御するための信号を
駆動回路142に対して出力する。ディスプレイパネル
の駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周波数
や走査方法(例えばインターレースかノンインターレー
スか)を制御するための信号を駆動回路142に対して
出力する。また、場合によっては、表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路142に対して出力する場合
もある。
【0131】駆動回路142は、ディスプレイパネル1
41に印加する駆動信号を発生するための回路であり、
前記マルチプレクサ144から入力される画像信号と、
前記ディスプレイパネルコントローラ143より入力さ
れる制御信号に基づいて動作するものである。
【0132】以上、各部の機能を説明したが、図15に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル1
41に表示することが可能である。即ち、テレビジョン
放送を初めとする各種の画像信号は、デコーダ145に
おいて逆変換された後、マルチプレクサ144において
適宜選択され、駆動回路142に入力される。一方、デ
イスプレイコントローラ143は、表示する画像信号に
応じて駆動回路142の動作を制御するための制御信号
を発生する。駆動回路142は、上記画像信号と制御信
号に基づいてディスプレイパネル141に駆動信号を印
加する。これにより、ディスプレイパネル141におい
て画像が表示される。これらの一連の動作は、CPUl
47により統括的に制御される。
【0133】また、通常は一定の駆動電圧で素子を駆動
するが、素子に流れる素子電流Ifを一定になるように
定電流駆動制御することによって、電子放出電流Ie
画像表示エリア全体にわたって均一となり、さらにきれ
いな画像を表示することができた。素子電流の大きさは
1ラインあたり110〜120mAの範囲で自由に設定
することができ、表示装置の用途に応じて適宜設定する
ことが可能である。
【0134】本画像形成装置においては、前記デコーダ
145に内蔵する画像メモリや、画像生成回路148及
び情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表
示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移
動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横比
変換等を初めとする画像処理や、合成、消去、接続、入
れ換え、嵌め込み等を初めとする画像編集を行うことも
可能である。また、本実施例の説明では特に触れなかっ
たが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声情報に関
しても処理や編集を行なうための専用回路を設けてもよ
い。
【0135】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画
像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、ワー
ドプロセッサを初めとする事務用端末機器、ゲーム機な
どの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用ある
いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0136】尚、図15は、表面伝導型電子放出素子を
電子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた表示装
置の構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像形成装
置がこれのみに限定されるものでないことは言うまでも
ない。
【0137】例えば図15の構成要素の内、使用目的上
必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。
また、これとは逆に、使用目的によっては更に構成要素
を追加してもよい。例えば、本表示装置をテレビ電話機
として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、
照明機、モデムを含む送受信回路等を構成要素に追加す
るのが好適である。
【0138】本表示装置においては電子放出効率が高効
率且つ一定の為、明るく輝度の均一な画像を視認性良く
表示することが可能であり、大画面のカラーフラットテ
レビ等に応用することができる。
【0139】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を説明す
る。
【0140】[実施例1]本実施例は、基板上に表面伝
導型電子放出素子を複数個配置し、マトリクス的に配線
した電子源の製造に本発明を用いた例である。素子の数
は、X方向、Y方向とも100個で、素子ピッチはそれ
ぞれ290μm、650μmである。
【0141】製造方法を図12及び図13を使って工程
順に従って具体的に説明する。尚、各工程A〜Hは図1
2の(a)〜(d)及び図13の(e)〜(h)に対応
する。
【0142】工程−A 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5μmのシリコン酸
化膜をスパッタ法で形成した基板71上に、真空蒸着法
により、厚さ5nmのCr、厚さ600nmのAuを順
次積層した後、ホトレジスト(ヘキスト社製「AZ13
70」)をスピンナーにより回転塗布し、ベークした
後、ホトマスク像を露光、現像して、下配線72のレジ
ストパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエ
ッチングして、所望の形状の下配線72を形成した。
【0143】工程−B 次に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜からなる、層間絶
縁層61をRFスパッタ法により堆積した。
【0144】工程−C 工程Bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホール6
2を形成するためのホトレジストパターンを作り、これ
をマスクとして層間絶縁層61をエッチングしてコンタ
クトホール62を形成した。エッチングはCF4とH2
スを用いたRIE(Reactive Ion Etc
hing)法によった。
【0145】工程−D その後、素子電極2,3と素子電極間ギャップLとなる
べきパターンをホトレジスト(日立化成社製「RD−2
000N−41」)で形成し、真空蒸着法により、厚さ
5nmのTi、厚さ100nmのNiを順次堆積した。
ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti
堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔3μm、幅300
μmの素子電極2,3を形成した。
【0146】工程−E 素子電極2,3の上に上配線73のホトレジストパター
ンを形成した後、厚さ5nmのTi、厚さ500nmの
Auを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフにより不
要の部分を除去して、所望の形状の上配線73を形成し
た。
【0147】工程−F 次に、膜厚30nmのCr膜63を真空蒸着により堆
積、導電性膜4の形状の開口部を有するようにパターニ
ングし、その上にPdアミン錯体溶液(奥野製薬(株)
製「ccp4230」)をスピンナーにより回転塗布、
300℃12分間の加熱焼成処理を施してPdOよりな
る導電性膜4を形成した。この膜の膜厚は70nmであ
った。
【0148】工程−G Cr膜63をエッチャントを用いてウエットエッチング
してPdO微粒子よりなる導電性膜4の不要部分ととも
に除去し、所望の形状の導電性膜4を形成した。抵抗値
はRs=4×104Ω/□程度であった。
【0149】工程−H コンタクトホール62部分以外にレジストパターンを形
成し、真空蒸着により厚さ5nmのTi、厚さ500n
mのAuを順次堆積した。リフトオフにより不要な部分
を除去することにより、コンタクトホールを埋め込ん
だ。
【0150】この様にして作成した電子源を用いて画像
形成装置を構成した。図9及び図10を用いて説明す
る。
【0151】工程−I 電子源基板71をリアプレート81上に固定した後、基
板71の5mm上方に、フェースプレート86(ガラス
基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック85が形成
されて構成される)をスペーサ88および支持枠82を
介して配置し、フェースプレート86、支持枠82、リ
アプレート81の接合部にフリットガラスを塗布し、大
気中あるいは窒素雰囲気中で400℃ないし500℃で
10分以上焼成することで封着した。またリアプレート
81への基板71の固定もフリットガラスで行った。
【0152】蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみからなるが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作製した。ブ
ラックストライプの材料として通常よく用いられている
黒鉛を主成分とする材料を用いた。ガラス基板83に蛍
光体を塗布する方法はスラリー法を用いた。
【0153】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
【0154】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省
略した。
【0155】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
【0156】工程−J 以上のようにして完成したガラス容器内の雰囲気を排気
管(図示せず)を通じ真空ポンプにて10-4Pa程度の
真空度まで排気し、図14に示すように、Y方向配線7
3を共通結線して1ライン毎にフォーミング処理を行っ
た。図中131はY方向配線73を共通結線した共通電
極、132は電源、133は電流測定用抵抗、134は
電流をモニタするためのオシロスコープである。
【0157】工程−K 続いて、活性化処理を行なった。雰囲気条件設定手段の
構成を図18に示す。表示パネル17は排気管18を介
して真空チャンバー11に接続されている。真空チャン
バー11は排気装置15により排気され、内部の雰囲気
は圧力計58と四重極質量分析器(Q−mass)57
によって検知される。真空チャンバー11にはまた、2
系統のガス導入系が接続されており、一方は活性化物質
の導入用、他方は活性化物質をエッチングする物質(エ
ッチングガス)の導入用である。本実施例ではエッチン
グガス用の導入系は使用しなかった。活性化物質導入系
は電磁弁とマスフローコントローラーよりなるガス導入
装置59を介して、活性化物質源60に接続されてい
る。本実施例ではアセトンをアンプルに入れたものを使
用した。メタンなど常温常圧で気体である活性化物質を
用いる場合には、ボンベを使用する。
【0158】ガス導入装置59を制御してアセトンをパ
ネル内に導入し、圧力が1.3×10-1Paとなるよう
に調整して、18V矩形波パルスを印加した。パルス幅
は100μsec、パルス間隔は20msecとした。
【0159】活性化処理は、1行ずつ実行した。一つの
行の素子に接続された1本のX方向配線に、波高値V
act=18Vの矩形波パルスを印加し、Y方向配線は、
工程−Jと同様に共通電極に結線した。活性化は予め同
一構成の模擬画像形成装置で得られたデータ図1(c)
からスペーサからの距離に応じて電子放出効率ηが一定
になるようにスペーサに近接している電子放出素子毎の
素子電流Ifに制御するために、各々の所望の活性化時
間をスターティングシーケンスにデータを入力してあ
り、具体的には、スペーサに最も近接している素子はス
ペーサからの距離が325μmでIfが180mAにな
るように、第2に近接している素子はスペーサからの距
離が975μmでIfが175mAになるように、第3
より離れている素子は距離が1625μm以上、以降6
50μmピッチで離れており、Ifが170mAになる
ように、その時の活性化に要する時間は最も近接してい
る素子で25分、第2の近接素子で27分、第3以降は
30分にプログラム設定し、各素子毎に前記時間に到達
した時点で活性化を終了した。この活性化によリスペー
サに近接している素子は他の行と同じ素子電流にはなら
ないが、電子放出効率が一定の電子放出素子となる。
【0160】工程−L すべての行の活性化が終了したところで、ガス導入装置
のバルブを閉じアセトンの導入を停止し、ガラスパネル
全体を約200℃に加熱しながら排気、5時間排気を続
けたところで、単純マトリクス駆動により、電子を放出
させ、蛍光体膜を全面発光させ、正常に動作することを
確認した後、排気管を加熱溶着して封じきる。この後、
高周波加熱によりパネル内に設置したゲッター(不図
示)を高周波加熱によりフラッシュさせた。
【0161】[比較例1]実施例1と同様に工程−Jま
での処理を行ない、工程−Kと同様の雰囲気中で、波高
値Vact=18Vの矩形波パルスを印加し、一行あたり
30分間ずつの活性化処理を施した。
【0162】続いて実施例1の工程−Lと同様の処理を
施した。
【0163】実施例1、比較例1の画像表示装置につ
き、16V矩形波パルスを印加して、蛍光体を有する基
板側には加速電圧Va=1.0kVを印加し、素子特性
e,Ifの測定を行なった。測定は、活性化工程と同様
に行毎に行ない、同じ行に属する100素子全体の
f,Ieを測定し、電子放出効率ηを算出した。また8
V矩形波パルスを印加したときのIfの値(If・mid)を
測定した。メタルバックと電子源の間の電位差は1kV
に設定した。
【0164】1行(100素子)あたりのIf,Ieの平
均値及び効率ηのバラツキ(△η)は次の通りである。
【0165】
【表1】
【0166】なお、実施例1の画像形成装置を一定の素
子電流(120mA)で駆動することにより効率バラツ
キが1%以下となり、より一層均一性の優れた画像形成
装置とすることができた。
【0167】[実施例2]実施例1と同様に工程−Jま
でを行なった後、以下の工程を行なった。
【0168】工程−K 活性化処理を行なった。雰囲気条件設定手段の構成は実
施例1と同様図18の構成を用い、ガス導入装置59を
制御してアセトンをパネル内に導入し、圧力が1.3×
10-1Paとなるように調整して、18V矩形波パルス
を印加した。パルス幅は100μsec、パルス間隔は
20msecとした。
【0169】活性化処理は、1行ずつ実行した。一つの
行の素子に接続された1本のX方向配線に、波高値V
act=18Vの矩形波パルスを印加し、Y方向配線は、
工程−Jと同様に共通電極に結線した。活性化は予め実
験で得られたデータ図1(c)からスペーサに近接して
いるラインのみを電子放出効率ηが一定になるようにI
f値を180mAになるように、スターティングシーケ
ンスにデータを入力した。これによって、スペーサに近
接している電子放出素子の素子電流Ifを制御してや
り、所望の値に到達した時点で活性化を終了する。その
後、実施例1と同様の安定化工程を施し、排気管を封じ
きり、ゲッターフラッシュを行なった。
【0170】この画像形成装置を実施例1と同様に評価
を行ったところ、特にスペーサに最近接している素子の
特性は、均一化することができたが実施例1と比較する
とやや効率ηのバラツキが大きかった。
【0171】[実施例3]同一の画像形成装置を連続的
に活性化処理する工程間で、定期的に模擬画像形成装置
を活性化、特性の確認を行い、画像形成装置の製造バラ
ツキを修正した。
【0172】模擬画像形成装置は実施例1と同様に工程
−Jまでを行なった後、以下の工程を行なった。
【0173】工程−K 実施例1と同様に、各行に印加されるパルスは、パルス
幅100μsec、パルス間隔20msecで、同じで
ある。
【0174】活性化の矩形波の印加パルスの間に1分間
毎に三角波パルスを各行に印加し、Ieを検出するため
にフェースプレート86にフェースプレートと電子源間
に電位差1kVになるように電圧を印加した。各行のI
f−Vf特性を検知、さらに、放出電流Ieを検知し、電
子放出効率ηを算出し、前に模擬画像形成装置で得られ
たデータ図1(c)からスペーサに最も近接している素
子はIfが180mAになるか、第2に近接している素
子はIfが175mAになるか、また第3より離れてい
る素子はIfが170mAになるかを確認し、電子放出
効率ηについても一定であるか確認した。その結果、製
造期問の経過やパネルの微妙な形状の変化によって制御
できるIf値が若干ずれていた。その結果活性化に要す
る時間は最も近接している素子で24分、第2の近接素
子で26分、第3以降は30分に活性化する時間を修正
した。
【0175】その後実施例1と同様の工程で新たに画像
形成装置を作成し活性化を行った。次いで、実施例1と
同様の安定化工程を施し、排気管を封じきり、ゲッター
フラッシュを行なった。
【0176】こうして得られた画像表示装置を実施例1
と同様な方法で測定したところ、ほぼ同等の性能を示し
た。
【0177】このようにして定期的に画像形成装置の特
性を確認することで、常に安定した製品を製造すること
ができ、また、毎回活性化の度に条件のフィードバック
がいらないので、工程の短縮および装置を簡略化するこ
とができる。
【0178】以上のように完成した本発明の画像形成装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1〜D
xm,Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示
の信号発生手段よりそれぞれ、印加することにより、電
子放出させ、高圧端子89を通じ、メタルバック85に
5.0kVの高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光
膜84に衝突させ、励起・発光させることで良好な画像
が表示された。
【0179】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、画像形成装置の真空を支持しているスペーサに影響
される活性化工程の特性バラツキを、スペーサからの距
離に応じて活性化時の素子電流を素子毎に異なった適正
値することにより素子の効率特性の均一性が向上、特性
の最適化など所望の特性改善を実現することが可能とな
り、表示特性に優れた画像形成装置を再現性良く提供す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置における素子のスペーサからの距
離による素子電流及び放出電流特性を示す図である。
【図2】本発明の製造方法の活性化工程のフローチャー
トである。
【図3】本発明に適用可能な表面伝導型電子放出素子の
構成の一例を示す模式図である。
【図4】図3の表面伝導型電子放出素子の製造方法の一
例の工程図である。
【図5】本発明の画像形成装置のフォーミング工程で用
いる電圧パルス波形を説明する図である。
【図6】本発明の画像形成装置を構成する電子放出素子
の電子放出特性を評価するための装置の模式図である。
【図7】本発明の画像形成装置を構成する電子放出素子
の電子放出特性を示す図である。
【図8】本発明の画像形成装置の一実施形態を構成する
電子源の模式図である。
【図9】本発明の画像形成装置の一実施形態の表示パネ
ルの構成を示す模式図である。
【図10】図9の表示パネルに用いられる蛍光膜の構成
を説明する模式図である。
【図11】図8に示した表示パネルを駆動する駆動回路
の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施例の画像形成装置の電子源の製
造工程図である。
【図13】本発明の実施例の画像形成装置の電子源の製
造工程図である。
【図14】本発明の画像形成装置の製造方法において、
電子源のフォーミング工程を行う際の結線の一例を示す
図である。
【図15】本発明の画像形成装置の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図16】従来の表面伝導型電子放出素子の模式図であ
る。
【図17】本発明の画像形成装置の製造に用いる製造装
置の一例を示す概略図である。
【図18】本発明の実施例の画像形成装置の製造に用い
た雰囲気条件設定手段の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 導電性膜 5 電子放出部 11 真空チャンバー 12 特性検知手段 13 条件設定手段 14 制御装置 15 排気装置 16 ゲートバルブ 17 表示パネル 18 排気管 31 真空容器 32 排気ポンプ 33 電源 34 電流計 35 アノード電極 36 高圧電源 37 電流計 38 支持体 55 導入ライン 57 四重極質量分析器(Q−mass) 58 圧力計 59 ガス導入装置 60 導入物質源 61 層間絶縁層 62 コンタクトホール 63 Cr膜 71 基板 72 X方向配線(下配線) 73 Y方向配線(上配線) 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 外囲器 88 スペーサ 89 高圧端子 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 131 共通電極 132 電源 133 電流測定用抵抗 134 オシロスコープ 141 ディスプレイパネル 142 駆動回路 143 ディスプレイコントローラ 144 マルチプレクサ 145 デコーダ 146 入出力インターフェース回路 147 CPU l48 画像生成回路 149 画像メモリーインターフェース回路 150 画像メモリーインターフェース回路 151 画像メモリーインターフェース回路 152 画像入力インターフェース回路 153 TV信号受信回路 154 TV信号受信回路 155 入力部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された一対の素子電極と、
    該素子電極のそれぞれに電気的に接続された導電性膜
    と、該導電性膜の一部に形成された電子放出部と、該電
    子放出部に堆積された炭素を含む堆積物と、を有する電
    子放出素子を複数個と各電子放出素子の素子電極間に電
    圧を印加するための配線とを備えた電子源を、該電子源
    の電子放出素子から放出された電子線の照射により画像
    を形成する画像形成部材及び該電子源と画像形成部材間
    の距離を保持するスペーサと組み合わせてなる表示パネ
    ルを有する画像形成装置の製造方法であって、基板上に
    上記複数個の電子放出素子の素子電極、導電性膜、電子
    放出部を形成した後、有機物質雰囲気下において各素子
    の導電性膜に電圧を印加することによって、各素子の電
    子放出部に炭素を含む堆積物を堆積させる活性化工程を
    有し、該活性化工程において、各素子の素子電極間に流
    れる素子電流Ifの値が素子のスペーサからの距離に応
    じて異なった値となるように素子毎に活性化条件を変え
    ることにより、各電子放出部から放出される放出電流I
    eと素子電流Ifとの比(Ie/If)で表される各素子の
    電子放出効率ηを一定とすることを特徴とする画像形成
    装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 予め構成した同一構成の模擬画像形成装
    置において求めた電子放出効率ηと素子電流Ifの相関
    関係のスペーサからの距離に対する依存性に基づいて、
    各素子の電子放出効率ηが一定となるように各素子の素
    子電流Ifを設定する請求項1記載の画像形成装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 素子毎に変える活性化条件が活性化時間
    であって、予め構成した同一構成の画像形成装置におい
    て求めた素子電流Ifと活性化時間との関係の、素子の
    スペーサからの距離に対する依存性に基づいて、素子毎
    に活性化時間を制御する請求項2記載の画像形成装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 上記活性化工程において、素子毎に素子
    電流Ifを検知することによって、素子毎に設定された
    素子電流Ifに到達した時点で電圧印加を停止する請求
    項2記載の画像形成装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 各素子の電子放出効率ηを検知し、該η
    が一定となるように素子毎に活性化工程を繰り返す請求
    項2記載の画像形成装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板上に形成された一対の素子電極と、
    該素子電極のそれぞれに電気的に接続された導電性膜
    と、該導電性膜の一部に形成された電子放出部と、該電
    子放出部に堆積された炭素を含む堆積物と、を有する電
    子放出素子を複数個と各電子放出素子の素子電極間に電
    圧を印加するための配線とを備えた電子源を、該電子源
    の電子放出素子から放出された電子線の照射により画像
    を形成する画像形成部材及び該電子源と画像形成部材間
    の距離を保持するスペーサと組み合わせてなる表示パネ
    ルを有する画像形成装置であって、各電子放出素子の電
    子放出効率ηが電子源内において均一であり、請求項1
    〜5のいずれかに記載の画像形成装置の製造方法によっ
    て製造されたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 上記電子放出素子が表面伝導型電子放出
    素子である請求項5記載の画像形成装置。
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