JPH1140042A - 電子放出素子、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法 - Google Patents
電子放出素子、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法Info
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- JPH1140042A JPH1140042A JP19248697A JP19248697A JPH1140042A JP H1140042 A JPH1140042 A JP H1140042A JP 19248697 A JP19248697 A JP 19248697A JP 19248697 A JP19248697 A JP 19248697A JP H1140042 A JPH1140042 A JP H1140042A
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Abstract
の向上を図るのが困難。 【解決手段】 一対の電極2,3と、該一対の電極に接
続され、電子放出部5が設けられた導電性膜4と、を有
する電子放出素子において、導電性膜4が、微粒子によ
り構成されており、かつ、その密度が、0.8g/cm
3 〜4g/cm3の範囲にある。基体上に一対の電極
と、該一対の電極に接続され、電子放出部が設けられた
導電性膜と、を有する電子放出素子の製造方法におい
て、昇華性有機金属材料と非昇華性有機金属材料を予め
設定された濃度で混合した溶液を前記基体上に付与する
工程と、前記基体上に付与された溶液を焼成し導電性膜
を形成する工程と、を有する。
Description
源、画像形成装置及びそれらの製造方法に係わり、特に
一対の電極と、該一対の電極に接続され、電子放出部が
設けられた導電性膜と、を有する電子放出素子、該電子
放出素子を用いた電子源、画像形成装置及びそれらの製
造方法に関する。
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放
出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金
属型(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子
放出素子等がある。FE型の例としては W.P.Dyke&W.W.
Dolan、“Field emission"、Advance in Electron Physic
s、8、89(1956)あるいはC.A.Spindt,“PHYSICAL Properti
es of thin-film field emission cathodes withmolybd
enium cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976) 等に開示さ
れたものが知られている。
tion of Tunnel-Emission Devices"、J.Apply.Phys.、32、
646(1961) 等に開示されたものが知られている。
M.I.Elinson、Radio Eng.ElectronPys.、10、1290,(1965)
等に開示されたものがある。
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[ G.Dittmer:“Thin Solid Films"、9、317(1972)]、I
n2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[ M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.ED Conf."、519(1975) ]、
カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26
巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されてい
る。
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図17
に模式的に示す。同図において、221は基板である。
224は導電性薄膜で、H型形状のパターンに、スパッ
タで形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電
フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部22
5が形成される。尚、図中の素子電極間隔Lは、0.5
〜1mm、W′は、0.1mmで設定されている。
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜224を予め
通電フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出
部225を形成するのが一般的であった。即ち、通電フ
ォーミングとは前記導電性薄膜224両端に直流電圧あ
るいは非常にゆっくりとした昇電圧例えば1V/分程度
を印加通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしく
は変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部
225を形成することである。尚、電子放出部225は
導電性薄膜224の一部に亀裂が発生しその亀裂付近か
ら電子放出が行われる。前記通電フォーミング処理をし
た表面伝導型電子放出素子は、導電性薄膜224に電圧
を印加し、素子に電流を流すことにより、電子放出部2
25より電子を放出せしめるものである。
単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数
素子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を
生かせるようないろいろな応用が研究されている。例え
ば、荷電ビーム源、表示装置等があげられる。多数の表
面伝導型電子放出素子を配列形成した例としては、後述
するように、梯型配置と呼ぶ並列に表面伝導型電子放出
素子を配列し、個々の素子の両端を配線(共通配線とも
呼ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列した電子源
があげられる(例えば、特開昭 64-031332 号公報、特
開平 1-283749号公報、特開平 1-257552 号公報等)。
また、特に表示装置等の画像形成装置においては、近
年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRTに替わって
普及してきたが、自発光型でないためバックライトを持
たなければならない等の問題点があり、自発光型の表示
装置の開発が望まれていた。自発光型表示装置として
は、表面伝導型電子放出素子を多数配置した電子源と電
子源より放出された電子によって、可視光を発光せしめ
る蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像形成装置
があげられる(例えば、米国特許第 5066883 号)。
子より構成された電子源より、電子放出をし、蛍光体の
発光をさせる素子の選択は、上述の多数の表面伝導型電
子放出素子を並列に配置し結線した配線(行方向配線と
呼ぶ)、行配線と直交する方向に(列方向と呼ぶ)、該
電子源と蛍光体間の空間に設置された制御電極(グリッ
ドと呼ぶ)と列方向配線への適当な駆動信号によるもの
である(例えば、本出願人による特開平 1-283749 号公
報等)。
造方法において、大面積に有利な製造方法として、真空
を用いたスパッタ法や蒸着法によらず、導電性膜を形成
する方法を提案している。その一例は有機金属含有溶液
をスピンナーによって基体上に塗布後、所望の形状にパ
ターニングし、有機金属を熱分解し微粒子からなる導電
性膜を得る電子放出素子の製造方法である。さらに、特
開平 08-171850号公報においては、前記導電性薄膜の所
望の形状にパターニング工程において、リソグラフィー
法を用いず、バブルジェット法やピエゾジェット法等の
インクジェット法によって、基体上に、有機金属含有溶
液の液滴を付与し、所望の形状の導電性薄膜を形成する
製造方法を提案している。
方法で形成された微粒子から構成された導電性膜を用い
た電子放出素子においては、導電性膜の性状が、電子放
出部を形成する工程等に影響を与え、電子放出特性を再
現よく形成する上で問題となる場合があった。また、前
記電子放出素子を複数配置した電子源では、電子放出特
性のばらつきとなり問題となる場合があった。また前記
電子源と蛍光体等の画像形成部材とを対向して配置し構
成した画像形成装置においても、電子放出特性のばらつ
きは、画像品位の低下に結び付き問題となる場合があっ
た。
有溶液を基体に付与し有機金属を熱分解し導電性薄膜を
形成し、更に、通電フォーミング工程によって、導電性
薄膜に亀裂を形成する電子放出素子の製造方法におい
て、前記導電性薄膜に亀裂を形成する通電フォーミング
工程において、通電フォーミングに要するパワーが大き
かったり、ばらつきが大きかったりし、亀裂に影響を与
え、次の工程の活性化工程にも影響を与え、活性化時間
のばらつきや活性化工程後の電子放出素子の電気特性の
ばらつきが発生する場合があった。
になされたもので、良好な電子放出特性を有する電子放
出特性の電子放出素子、及び均一性が高く良好な複数の
電子放出素子を配置した電子源、さらには、均一性が高
く良好な表示品位の前記電子源と蛍光体等の画像形成部
材を対向して構成した画像形成装置、およびこれらのの
製造方法を提供することを目的としている。
子放出素子、電子源、画像形成装置およびこれらの製造
方法を提供することを目的としている。
は、一対の電極と、該一対の電極に接続され、電子放出
部が設けられた導電性膜と、を有する電子放出素子にお
いて、前記導電性膜が、微粒子により構成されており、
かつ、その密度が、0.8g/cm3 〜4g/cm3 の
範囲にあることを特徴とするものである。
属酸化物が好ましくは用いられ、金属元素はPd(パラ
ジウム)が好適に用いられる。
基体上に、複数配置したものであり、更に、本発明の画
像形成装置は、入力信号に応じて、前記電子源の電子放
出素子を選択変調し画像形成した装置である。
上に一対の電極と、該一対の電極に接続され、電子放出
部が設けられた導電性膜と、を有する電子放出素子の製
造方法において、昇華性有機金属材料と非昇華性有機金
属材料を予め設定された濃度で混合した溶液を前記基体
上に付与する工程と、前記基体上に付与された溶液を焼
成し導電性膜を形成する工程と、を有することを特徴と
するものである。
前記非昇華性有機金属材料の熱分解温度より高いことが
好ましく、前記昇華性有機金属材料と、前記非昇華性有
機金属材料の基体上への付与は、水溶液の液滴をインク
ジェット法で行われるのが好ましい。
について説明する。
する方式の電子放出素子を検討した結果、良好な電子放
出特性を得るには、導電性膜として微粒子膜を用いるこ
とが好ましいことを見出した(微粒子膜の説明について
は後述する。)。このような、微粒子膜を用いた導電性
膜は電子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行うこと
ができる利点を有している。
の観点からは電子放出素子間の電気特性のばらつきは極
力抑えることが望ましい。また、電子放出素子からなる
電子源と蛍光体等の画像形成部材とを配置し構成した画
像形成装置、特にフラットディスプレイの様に多くの電
子放出素子の画素からなる画像形成装置においては、電
子放出素子間の電気特性のばらつきは画像品位の低下に
結び付くので、極力抑えることが求められる。
ばらつきをより抑制すべく鋭意検討を行った結果、電子
放出部を有する導電性膜の微粒子の密度が、0.8g/
cm 3 〜4g/cm3 の範囲、より好ましくは1.6g
/cm3 〜3.2g/cm3の範囲であれば上記の要請
を満足しえる電子放出素子を得ることができることを見
出した。導電性膜の微粒子の密度を上記の範囲とするの
は、後述する実験例及び実施例で示すように膜密度が上
記の範囲より大きくなると、電子放出素子の素子電流
(If)や電子放出電流(Ie)のばらつきが大きくなる
一方、上記の範囲より膜密度が小さいと素子抵抗が大き
くなり、電子放出素子の素子電流(If)や電子放出電
流(Ie)が低下し、そのばらつきも大きくなるからで
ある。
場合、フォーミング処理のあと、寄生抵抗の減少のため
還元処理を行い金属に変化させたときは、本発明者らの
実験によれば微粒子の密度は約20%程度減少するの
で、電子放出部形成前の導電性膜の微粒子の密度は、1
g/cm3 〜5g/cm3 の範囲、より好ましくは2g
/cm3 〜4g/cm3 となるように設定するのがよ
い。ただし、導電性膜の材料,作製条件によって、微粒
子の密度の変動幅が変わるので最終的に導電性膜の微粒
子の密度が上記の範囲(0.8g/cm3 〜4g/cm
3、より好ましくは1.6g/cm3 〜3.2g/cm3
)の範囲であればよい。フォーミング処理、その後の
真空加熱処理等で微粒子の密度が変化するのは、微粒子
どうしが凝集を起こしてより大きな粒子になるためと考
えることができる。電子放出部形成前の導電性膜の微粒
子の密度を上記の範囲(1g/cm3 〜5g/cm3 の
範囲、より好ましくは2g/cm3 〜4g/cm3 )に
制御すれば、導電性膜に通電フォーミングを行う際のフ
ォーミングパワーを低下させることができ(後述するよ
うに、膜密度が高いとフォーミングパワーが増大す
る)、良好な亀裂が形成され、次工程の活性化工程にお
いての活性化時間のばらつきが抑制され、形成される電
子放出素子の電気特性は、ばらつきが少なく、より良好
な電気特性を示す。この結果、画像形成装置において
は、ばらつきが少ない品位の高い画像形成装置が提供で
きる。
する導電性膜の微粒子の密度を任意の範囲に制御しうる
電子放出素子の製造方法を鋭意検討した結果、以下に説
明する本発明の電子放出素子の製造方法を見いだした。
性有機金属材料と非昇華性有機金属材料を予め、設定し
た濃度に混合して溶液を基体に付与し、熱分解し、金属
あるいは金属酸化物からなる導電性膜を形成するもので
ある。昇華性有機金属材料として、非昇華性有機金属材
料の熱分解温度より高い昇華性有機金属材料とすること
で、最初に非昇華性有機金属材料を熱分解し、同時また
はその後に、焼成により昇華性有機金属材料が昇華する
ことにより、導電性膜が作製される。
属材料が昇華することにより、非昇華性有機金属材料の
濃度に依存して、膜密度,抵抗が、制御できるため、前
記昇華性有機金属材料と非昇華性有機金属材料の混合比
等で、導電性膜の密度が制御でき、通電フォーミングに
最適な密度が設定でき、ばらつきが少なく、良好な電気
特性の電子放出素子が製造できる。本発明の電子放出素
子の製造方法による電子源と画像形成部材を有する画像
形成装置は、ばらつき少なく、良好な電気特性の電子源
を用いているので、ばらつきが少なく、良好な画像形成
装置が提供できる。
華性有機金属材科は、非昇華性有機金属材料の熱分解後
に昇華が起こる材料が好ましい(非昇華性有機金属材料
の熱分解と昇華性有機金属材料の昇華が同時に起こって
もよい。)。昇華性有機金属材科としては、例えば、酢
酸パラジウム−1−(2ピリジルアゾ)−2−ナフトー
ル、酢酸パラジウムビスジプロピルアミン、酢酸白金−
4−(2−ピリジルアゾ)−2−レゾルシノール等を用
いることができ、非昇華性有機金属林料としては、例え
ば、酢酸パラジウム−モノエタノールアミン、酢酸パラ
ジウム・ジエタノールアミン、酢酸パラジウム・トリエ
タノールアミン等を用いることができる。
構成には大別して、平面型及び垂直型の2つがある。
る。
導型電子放出素子の構成を示す模式図であり、図5
(a)は平面図、図5(b)は断面図である。
素子電極、34は導電性膜、35は電子放出部である。
不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラ
スにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガ
ラス基板及びアルミナ等のセラミックス及びSi基板等
を用いることができる。
は、一般的な導体材料を用いることができる。これは例
えば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,A
l,Cu,Pd等の金属或は合金及びPd,Ag,A
u,RuO2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガ
ラス等から構成される印刷導体、In2 O3 −SnO2
等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等
から適宜選択することができる。
膜34の形状等は、応用される形態等を考慮して、設計
される。素子電極間隔Lは、好ましくは数千オングスト
ロームから数百マイクロメートルの範囲とすることがで
き、より好ましくは、素子電極間に印加する電圧等を考
慮して数マイクロメートルから数十マイクロメートルの
範囲とすることができる。
出特性を考慮して、数マイクロメートルから数百マイク
ロメートルの範囲とすることができる。素子電極32,
33の膜厚dは、数百オングストロームから数マイクロ
メートルの範囲とすることができる。
1上に、導電性膜34、対向する素子電極32,33の
順に積層した構成とすることもできる。
得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが
好ましい。その膜厚は、素子電極32,33へのステッ
プカバレージ、素子電極32,33間の抵抗値及び後述
するフォーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、
通常は、数オングストロームから数千オングストローム
の範囲とするのが好ましく、より好ましくは10オング
ストロームより500オングストロームの範囲とするの
が良い。その抵抗値は、Rs が102から107Ω/□の
値である。なおRs は、厚さがt、幅がwで長さがlの
薄膜の抵抗Rを、R=Rs (l/w)とおいたときに現
れる。本願明細書において、フォーミング処理について
は、通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミング処
理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生じさせ
て高抵抗状態を形成する処理を包含するものである。
t,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、PdO,S
nO2,In2 O3 ,PbO,Sb2 O3 等の酸化物等
の中から適宜選択される。
が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に
分散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるい
は重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体
として島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、数オングストロームから数千オン
グストロームの範囲、好ましくは、10オングストロー
ムから200オングストロームの範囲である。
う言葉を用いるので、その意味について説明する。
も小さなものを「超微粒子」と呼ぶ。「超微粒子」より
もさらに小さく原子の数が数百個程度以下のものを「ク
ラスター」と呼ぶことは広く行われている。
ではなく、どの様な性質に注目して分類するかにより変
化する。また「微粒子」と「超微粒子」を一括して「微
粒子」と呼ぶ場合もあり、本明細書中での記述はこれに
沿ったものである。
(木下是雄 編、共立出版 1986年9月1日発行)
では次のように記述されている。
だいたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特
に超微粒子というときは粒径が10nm程度から2〜3
nm程度までを意味することにする。両者を一括して単
に微粒子と書くこともあってけっして厳密なものではな
く、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が
2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼
ぶ。」(195ページ22〜26行目)。
微粒子プロジェクト”での「超微粒子」の定義は、粒径
の下限はさらに小さく、次のようなものであった。
ジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ(径)が
およそ1〜100nmの範囲のものを“超微粒子”( u
ltrafine particle )と呼ぶことにした。すると1個の
超微粒子は、およそ100〜108 個くらいの原子の集
合体という事になる。原子の尺度でみれば超微粒子は大
〜巨大粒子である。」(「超微粒子−創造科学技術−」
林主税、上田良二、田崎明 編;三田出版 1988年
2ページ1〜4行目)、「超微粒子よりさらに小さい
もの、すなわち原子が数個〜数百個で構成される1個の
粒子は、ふつうクラスターと呼ばれる」(同書2ページ
12〜13行目)。
本明細書において、「微粒子」とは多数の原子・分子の
集合体で、粒径の下限は数オングストローム〜10オン
グストローム程度、上限は数μm程度のものを指すこと
とする。
形成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性膜34
の膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング等の
手法等に依存したものとなる。電子放出部35の内部に
は、数オングストロームから数百オングストロームの範
囲の粒径の導電性微粒子が存在する場合もある。この導
電性微粒子は、導電性膜34を構成する材料の元素の一
部、あるいは全ての元素を含有するものとなる。電子放
出部35及びその近傍の導電性膜34には、炭素及び炭
素化合物を有することもできる。
いて説明する。
る垂直型表面伝導型電子放出素子の一例を示す模式図で
ある。
部位には図5に付した符号と同一の符号を付している。
41は、段さ形成部である。基板31、素子電極32及
び33、導電性膜34、電子放出部35は、前述した平
面型表面伝導型電子放出素子の場合と同様の材料で構成
することができる。段さ形成部41は、真空蒸着法、印
刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等の絶縁性材
料で構成することができる。段さ形成部41の膜厚は、
先に述べた平面型表面伝導型電子放出素子の素子電極間
隔Lに対応し、数千オングストロームから数十マイクロ
メートルの範囲とすることができる。この膜厚は、段さ
形成部の製法、及び、素子電極間に印加する電圧を考慮
して設定されるが、数百オングストロームから数マイク
ロメートルの範囲が好ましい。
段さ形成部41作成後に、該素子電極32,33の上に
積層される。電子放出部35は、図6においては、段差
形成部41に形成されているが、作成条件、フォーミン
グ条件等に依存し、形状、位置ともこれに限られるもの
でない。
としては様々な方法があるが、その一例を図7に模式的
に示す。
法の一例について説明する。図7においても、図5に示
した部位と同じ部位には図5に付した符号と同一の符号
を付している。
剤等を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等
により素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフ
ィー技術を用いて基板31上に素子電極32,33を形
成する(図7(a))。
1に、有機金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成す
る。有機金属溶液には、前述の導電性膜34の材料の金
属を主元素とする有機金属化合物の溶液を用いることが
できる。有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、
エッチング等によりパターニングし、導電性膜34を形
成する(図7(b))。ここでは、有機金属溶液の塗布
法を挙げて説明したが、導電性膜34の形成法はこれに
限られるものでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的
気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー
法等を用いることもできる。有機金属薄膜の形成は、有
機金属含有水溶液の液滴をバブルジェット法やピエゾジ
ェット法と呼ばれるインクジェット法によって、各素子
電極および素子電極間に付与することで行うことができ
る。なお、有機金属含有水溶液の基体への付与法は、ス
ピンナーを用いた塗布法によっても良いが、この場合は
所望の導電性薄膜の形態をうるため、パターニング工程
が必要となる。
す。このフォーミング工程の方法の一例として通電処理
による方法を説明する。素子電極32,33間に、不図
示の電源を用いて、通電を行うと、導電性膜34の部位
に、構造変化した電子放出部35が形成される。(図7
(c))。通電フォーミングによれば導電性膜34に局
所的に破壊、変形もしくは変質等の構造の変化した部位
が形成される。該部位が電子放出部35を構成する。通
電フォーミングの電圧波形の例を図8に示す。
れにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印
加する図8(a)に示した手法とパルス波高値を増加さ
せながら、電圧パルスを印加する図8(b)に示した手
法がある。
のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1マイクロ
秒〜10ミリ秒、T2は10マイクロ秒〜100ミリ秒
の範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子形態に
応じて適宜選択される。このような条件のもと、例え
ば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は三
角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の波形
を採用することができる。
(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度づつ、増加させることができる。
隔T2中に、導電性膜34を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示
した時、通電フォーミングを終了させる。
化工程と呼ばれる処理を施す。活性化工程とは、この工
程により、素子電流If、放出電流Ieが、著しく変化す
る工程である。
含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パル
スの印加を繰り返すことで行うことができる。この雰囲
気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用
いて真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有
機ガスを利用して形成することができる他、イオンポン
プなどにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物
質のガスを導入することによっても得られる。このとき
の好ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真
空容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため
場合に応じ適宜設定される。適当な有機物質としては、
アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳
香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン
類、アミン類、フェノール、カルボン、スルホン酸等の
有機酸類等を挙げることが出来、具体的には、メタン、
エタン、プロパンなどCn H2n+2で表される飽和炭化水
素、エチレン、プロピレンなどCn H2n等の組成式で表
される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノー
ル、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エ
チルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等
が使用できる。この処理により、雰囲気中に存在する有
機物質から、炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積
し、素子電流If、放出電流Ieが、著しく変化するよう
になる。
放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。なおパルス
幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定される。
イト(いわゆるHOPG、PG、GCを包含する。HO
PGはほぼ完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶
粒が200オングストローム程度で結晶構造がやや乱れ
たもの、GCは結晶粒が20オングストローム程度にな
り結晶構造の乱れがさらに大きくなったものを指
す。)、非晶質カーボン(アモルファスカーボン及び、
アモルファスカーボンと前記グラファイトの微結晶の混
合物を指す。)であり、その膜厚は、500オングスト
ローム以下の範囲とするのが好ましく、300オングス
トローム以下の範囲とすることがより好ましい。
放出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工
程は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真
空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオ
イルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使
用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソー
プションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げ
ることが出来る。
散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生する
オイル成分に由来する有機ガスを用いた場合は、この成
分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の有
機成分の分圧は、上記の炭素及び炭素化合物がほぼ新た
に堆積しない分圧で1×10-8Torr以下が好まし
く、さらには1×10-10 Torr以下が特に好まし
い。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全
体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着し
た有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。この
ときの加熱条件は、80〜200℃で5時間以上が望ま
しいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の
大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により
適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の圧力は極力
低くすることが求められ、1〜3×10-7Torr以下
が好ましく、さらに1×10-8Torr以下が特に好ま
しい。
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することが出来る。
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
結果として素子電流If、放出電流Ieが、安定する。
可能な電子放出素子の基本特性について図9,図10を
参照しながら説明する。
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
をも兼ね備えている。図9においても、図5に示した部
位と同じ部位には図5に付した符号と同一の符号を付し
ている。なお、この真空処理装置を用いて、後述する実
施例の通電フォーミング以降の工程も行うことができ
る。
6は排気ポンプである。真空容器55内には電子放出素
子が配されている。即ち、31は電子放出素子を構成す
る基体であり、32及び33は素子電極、34は導電性
膜、35は電子放出部である。51は、電子放出素子に
素子電圧Vfを印加するための電源、50は素子電極3
2・33間の導電性膜34を流れる素子電流Ifを測定
するための電流計、54は素子の電子放出部より放出さ
れる放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極であ
る。53はアノード電極54に電圧を印加するための高
圧電源、52は素子の電子放出部35より放出される放
出電流Ieを測定するための電流計である。一例とし
て、アノード電極の電圧を1kV〜10kVの範囲と
し、アノード電極と電子放出素子との距離Hを2mm〜
8mmとして行うことができる。
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータリーポ
ンプからなる通常の高真空装置系と更に、イオンポンプ
等からなる超高真空装置系とにより構成されている。こ
こに示した電子源基板を配した真空処理装置の全体は、
不図示のヒーターにより300度まで加熱できる。従っ
て、この真空処理装置を用いると、前述する通電フォー
ミング以降の工程も行うことができる。なお、この真空
処理装置は、後述する実験例,比較例における測定装置
あるいは実施例における通電フォーミング以降の工程に
おいても使用することができる。
いて測定された放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧V
fの関係を模式的に示した図である。図10において
は、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいの
で、任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニア
スケールである。
用可能な表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに関
して三つの特徴的性質を有する。
電圧と呼ぶ、図10中のVth)以上の素子電圧を印加す
ると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vt
h以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。つま
り、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持
った非線形素子である。
加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。つま
り、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧
Vfを印加する時間により制御できる。
を適用可能な表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応
じて、電子放出特性を容易に制御できることになる。こ
の性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成し
た電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能とな
る。
圧Vfに対して単調増加する(以下、「MI特性」とい
う。)例を実線に示した。素子電流Ifが素子電圧Vfに
対して電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特
性」という。)を示す場合もある(不図示)。これら特
性は、前述の工程を制御することで制御できる。
について以下に述べる。本発明を適用可能な表面伝導型
電子放出素子の複数個を基板上に配列し、例えば電子源
あるいは、画像形成装置が構成できる。
のが採用できる。
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動するはしご状配置のものがある。これとは
別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数
個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の
一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配され
た複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に
共通に接続するものが挙げられる。このようなものは所
謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配置
について以下に詳述する。
子については、前述したとおり(i)乃至(iii) の特性
がある。即ち、表面伝導型電子放出素子からの放出電子
は、しきい値電圧以上では、対向する素子電極間に印加
するパルス状電圧の波高値と巾で制御できる。一方、し
きい値電圧より低い電圧では、殆ど放出されない。この
特性によれば、多数の電子放出素子を配置した場合にお
いても、個々の素子に、パルス状電圧を適宜印加すれ
ば、入力信号に応じて、表面伝導型電子放出素子を選択
して電子放出量を制御できる。
な電子放出素子を複数配して得られる電子源基板につい
て、図11を用いて説明する。図11において、71は
電子源基板、72はX方向配線、73はY方向配線であ
る。74は表面伝導型電子放出素子、75は結線であ
る。尚、表面伝導型電子放出素子74は、前述した平面
型あるいは垂直型のどちらであってもよい。
…,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等
を用いて形成された導電性金属等で構成することができ
る。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。Y方向
配線73は、Dy1,Dy2,…,Dynのn本の配線よりな
り、X方向配線72と同様に形成される。これらm本の
X方向配線72とn本のY方向配線73との間には、不
図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分
離している(m,nは、共に正の整数)。
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配
線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよ
うに、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向配
線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として引
き出されている。
対の電極(不図示)は、m本のX方向配線72とn本の
Y方向配線73と導電性金属等からなる結線75によっ
て電気的に接続されている。
75を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例え
ば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
面伝導型電子放出素子74の行を、選択するための走査
信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続され
る。一方、Y方向配線73には、Y方向に配列した表面
伝導型電子放出素子74の各列を入力信号に応じて、変
調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。
各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印
加される走査信号と変調信号の差電圧として供給され
る。
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
用いて構成した画像形成装置について、図12と図13
及び図14を用いて説明する。図12は、画像形成装置
の表示パネルの一例を示す模式図であり、図13は、図
12の画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図であ
る。図14は、NTSC方式のテレビ信号に応じて表示
を行うための駆動回路の一例を示すブロック図である。
複数配した電子源基板、145は電子源基板141を固
定したリアプレート、150はガラス基板147の内面
に蛍光膜148とメタルバック149等が形成されたフ
ェースプレートである。146は支持枠であり、該支持
枠146には、リアプレート145、フェースプレート
150がフリットガラス等を用いて接続されている。外
囲器は、フェースプレート150、支持枠146、リア
プレート145で構成され、例えば大気中あるいは、窒
素中で、400〜500度の温度範囲で10分以上焼成
することで、封着して構成される。
する。143,144は、表面伝導型電子放出素子の一
対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線で
ある。
度を補強する目的で設けられるため、基板141自体で
十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート145は不
要とすることができる。即ち、基板141に直接支持枠
146を封着し、フェースプレート150、支持枠14
6及び基板141で外囲器を構成しても良い。一方、フ
ェースプレート150、リアプレート145間に、スペ
ーサーとよばれる不図示の支持体を設置することによ
り、大気圧に対して十分な強度を持つ外囲器を構成する
こともできる。
光膜148は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構
成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列によりブラックストライプあるいはブラックマト
リクスなどと呼ばれる黒色導電材61と蛍光体62とか
ら構成することができる。ブラックストライプ、ブラッ
クマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要
となる三原色蛍光体の各蛍光体62間の塗り分け部を黒
くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜1
48における外光反射によるコントラストの低下を抑制
することにある。ブラックストライプの材料としては、
通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電
性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用いること
ができる。
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等
が採用できる。蛍光膜148の内面側には、通常メタル
バック149が設けられる。メタルバックを設ける目的
は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレー
ト150側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させ
ること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極とし
て作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突
によるダメージから蛍光体を保護すること等である。メ
タルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平
滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行
い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで
作製できる。
148の導電性を高めるため、蛍光膜148の外面側に
透明電極(不図示)を設けてもよい。
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが求められる。
下のようにして製造される。
宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポンプな
どのオイルを使用しない排気装置により不図示の排気管
を通じて排気し、10-7Torr程度の真空度の有機物
質の十分少ない雰囲気にした後、封止が成される。外囲
器の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を
行うこともできる。これは、外囲器の封止を行う直前あ
るいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用い
た加熱により、外囲器内の所定の位置(不図示)に配置
されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理であ
る。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の
吸着作用により、たとえば1×10-5ないしは1×10
-7Torrの真空度を維持するものである。ここで、表
面伝導型電子放出素子のフォーミング処理以降の工程
は、適宜設定できる。
構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に基
づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例に
ついて、図14を用いて説明する。
ル、102は走査回路、103は制御回路、104はシ
フトレジスタである。105はラインメモリ、106は
同期信号分離回路、107は変調信号発生器、Vxおよ
びVaは直流電圧源である。
m、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hvを介して外
部の電気回路と接続している。端子Dox1乃至Doxmに
は、表示パネル内に設けられている電子源、即ち、M行
N列の行列状にマトリクス配線された電子放出素子群を
一行(N素子)ずつ順次駆動する為の走査信号が印加さ
れる。
より選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電子
ビームを制御する為の変調信号が印加される。高圧端子
Hvには、直流電圧源Vaより、例えば6k[V]の直
流電圧が供給されるが、これは電子放出素子から放出さ
れる電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギ
ーを付与する為の加速電圧である。
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1乃至Smで模式的に示している)ある。各スイッ
チング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0
[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表
示パネル101の端子Dox1乃至Doxmと電気的に接続さ
れる。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御回路1
03が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもの
であり、例えばFETのようなスイッチング素子を組み
合わせることにより構成することができる。
出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき走査さ
れていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい
値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定さ
れている。
信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信
号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基づい
て、各部に対してTscan及びTsft及びTmryの各制御信
号を発生する。
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力され
る。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ10
4のシフトクロックであるということもできる。)。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1乃
至IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ10
4より出力される。
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従っ
て適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された内容
は、I′d1乃至I′dnとして出力され、変調信号発生器
107に入力される。
d1乃至I′dnの各々に応じて電子放出素子の各々を適切
に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号は、端
子Doy1乃至Doynを通じて表示パネル101内の電子放
出素子に印加される。
放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthが
あり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生
じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子へ
の印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。このこ
とから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例え
ば電子放出しきい値より低い電圧を印加しても電子放出
は生じないが、電子放出しきい値以上の電圧を印加する
場合には電子ビームが出力される。その際、パルスの波
高値Vmを変化させる事により出力電子ビームの強度を
制御することが可能である。また、パルスの幅Pwを変
化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量
を制御する事が可能である。
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
5は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のもの
をも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行われれば良いからである。
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには同期信号分離回路106の
出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連して
ラインメモリ105の出力信号がデジタル信号かアナロ
グ信号かにより、変調信号発生器107に用いられる回
路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用
いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器107には、
例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路な
どを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生
器107には、例えば高速の発振器および発振器の出力
する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出
力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレ
ータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、比較
器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付加することもできる。
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを介して電圧を
印加することにより、電子放出が生ずる。高圧端子Hv
を介してメタルバック149、あるいは透明電極(不図
示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加速され
た電子は、蛍光膜148に衝突し、発光が生じて画像が
形成される。
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL、SECAM方式など他、
これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、
MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用
できる。
装置について図15及び図16を用いて説明する。
示す模式図である。図15において、110は電子源基
板、111は電子放出素子である。112、Dx1〜Dxm
は、電子放出素子111を接続するための共通配線であ
る。電子放出素子111は、基板110上に、X方向に
並列に複数個配されている(これを素子行と呼ぶ)。こ
の素子行が複数個配されて、電子源を構成している。各
素子行の共通配線間に駆動電圧を印加することで、各素
子行を独立に駆動させることができる。即ち、電子ビー
ムを放出させたい素子行には、電子放出しきい値以上の
電圧を、電子ビームを放出しない素子行には、電子放出
しきい値以下の電圧を印加する。各素子行間の共通配線
Dx2〜Dx9は、例えばDx2,Dx3を同一配線とすること
もできる。
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。120はグリッド電極、121は電子が通過する
ため空孔、122はDox1,Dox2,・・・,Doxmよりなる
容器外端子である。123は、グリッド電極120と接
続されたG1,G2,・・・,Gnからなる容器外端子、
124は各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源
基板である。ここに示した画像形成装置と、図12に示
した単純マトリクス配置の画像形成装置との大きな違い
は、電子源基板110とフェースプレート86の間にグ
リッド電極120を備えているか否かである。
プレート86の間には、グリッド電極120が設けられ
ている。グリッド電極120は、表面伝導型電子放出素
子から放出された電子ビームを変調するためのものであ
り、はしご型配置の素子行と直交して設けられたストラ
イプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に
対応して1個ずつ円形の開口121が設けられている。
グリッドの形状や設置位置は図16に示したものに限定
されるものではない。例えば、開口としてメッシュ状に
多数の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導
型電子放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
子123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
画像形成装置の製造方法の実施例を、図面を用いて詳細
に説明する。
について説明する。 (実験例1)本実験例は、昇華性有機金属材料として、
酢酸パラジウム−1−(2ピリジルアゾ)−2−ナフト
ール(以下PA−PANと略す)を、非昇華性有機材料
として酢酸パラジウム−モノエタノールアミン(以下P
A−MEと略す)を用いた実験例である。
−PANを合成した。
ロピルアルコール(以下IPAと略す)に懸濁し、更
に、16.6gのモノエタノールアミンを加えて室温で
4時間攪拌した。反応終了後、IPAをエバポレーター
により除き、固形物にエタノールを加えて溶解ろ過し、
ろ液よりPA−MEを再結晶させて得た。空気中でTG
(熱重量分析)測定の結果、PA−MEの分解は、10
0℃から310℃で終了した。また、パラジウムの残存
量より、PA−MEは、昇華性のない有機金属材料であ
ることを確認した。なお、最終分解温度は310℃とし
たが、200℃で略重量当たり70%が分解され、パラ
ジウム以外の残分10%が200℃から310℃で分解
された。
PA−MEとほぼ同様である。10gの酢酸Pdを20
0cm3 のIPAに懸濁し、更に、11.1gのp−ニ
トロソジメチルアニリンを加えて室温で4時間攪拌し
た。反応終了後、IPAをエバポレーターにより除き、
固形物に酢酸エチルを加えて溶解ろ過し、ろ液よりPA
−PANを再結晶させて得た。空気中でTG測定の結
果、PA−PANの分解は、250℃から500℃で終
了した。また、TG測定におけるパラジウムの残存量よ
り、昇華性が、顕著にみられないが、後述のスピンナー
で塗布した薄膜化した膜では、ほとんど、Pdが残存せ
ず、焼成工程中に熱分解せず、昇華したと見られる。
−PANを用いて、それぞれの有機金属材料中のパラジ
ウム含量より、表1の作成条件で、PA−MEとPA−
PANの相対濃度を設定し、スピンナー塗布法で塗布す
るため、水溶液とした。尚、PA−PAN、PA−ME
のパラジウム濃度は、0.4wt%とした。こうして作
成した水溶液を、石英基板上に、膜厚10nmになる様
に、スピンナーで塗布した。その後、350℃で10分
間、大気中で焼成し、前記有機金属材料を熱分解し、導
電性膜を得た。
びFESEMで観察した。観察により、いずれの導電性
膜も、酸化パラジウムの微粒子膜であることがわかっ
た。膜密度の算出は、X線回折法によりPdOのピーク
の回折強度面積を算出し、標準試料との比較で存在量を
算出し、また、同時に膜厚を測定し行った。
膜し、同様にX線回折強度面積を得た。また、同時に、
適当な面積を切りだし、Pdを元素分析をおこない、単
位面積当たりの重量を得た。こうして、標準試料の膜密
度とX線回折強度の面積との関係を算出した。標準試料
の膜密度は、8.2g/cm3 であった。
た膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散
配置したもののみならず、微粒子が互いに隣接、あるい
は、かさなりあった状態の膜であるものも含む。微粒子
膜において、微粒子の径とは、前記微細構造形状で粒子
形状が認識可能な微粒子についての径とし、FESEM
により観察した。
導電性膜を形成し、抵抗を測定した。以下に、その作成
法及び評価法を示す。図4に評価サンプルの形態を示
す。図4において、1は基板、2と3は素子電極、4は
導電性膜である。図4に示される様に、素子が、10個
基板上に配置される。測定装置としては図9に示した測
定装置を用いた。
洗浄した石英基板上にPt100nmの厚みの一対の電
極を形成した。この時、電極間距離lは2μmとし、電
極幅wは150μmとした。尚、電極幅方向で、導電性
膜との重なり幅は100μmとした。
プ及びこの近傍に開口を有するCrマスクを100nm
の膜厚で真空蒸着により堆積・パターニングし、その上
に、上記有機金属材料の水溶液をスピンナーにより回転
塗布、350℃で10分間の加熱焼成処理をした。
の導電性膜を酸エッチャントによりエッチングして所望
のパターンを形成した。
電性膜等を形成した。こうして、作成した導電膜を、図
9の測定装置に設置し、真空ポンプにて排気し、10-8
Torrの真空度に達した後、一対の電極に導電性膜の
抵抗を測定するために、電源より、各導電膜の一対の電
極間にそれぞれ、0.1Vのパルス状の電圧を印加し、
各一対の電極間に流れる電流を測定した。尚、パルスの
電圧波形は、パルス幅0.1msecとパルス間隔9m
secとし、測定は10回繰り返し測定し、その平均値
より抵抗値を測定し、シート抵抗を算出した。また、上
記測定条件は、導電性膜が抵抗測定により膜の変化を起
こさない条件である。
す。
置し、更に、上述の評価を行ったところ、酸化パラジウ
ムは、金属パラジウムに還元された。この際、表1に示
されたそれぞれの抵抗値は、約2桁低下し、また、膜密
度は、約20%低下した。 (比較例)酢酸パラジウムビスジプロピルアミン(以下
PA−PA)を合成した。10gの酢酸Pdを200c
m3 の酢酸ブチルに懸濁し、更に、PA−PAと等量分
のジ−nプロピルアミンを加えて室温で4時間攪拌し
た。反応終了後、酢酸ブチルをエバポレーターにより除
き、固形物に酢酸ブチルを加えて溶解ろ過し、ろ液より
PA−PAを再結晶させて得た。空気中でTG測定の結
果、PA−PAの分解は、150℃から250℃で終了
した。また、パラジウムの残存量より、PA−PAは、
昇華性のある有機金属材料であることを確認した。
属材料PA−ME及び昇華性有機金属材料PA−PAN
の適当な濃度の溶液を作成し、焼成すると、最初に非昇
華性有機金属材料が熱分解し、その後、昇華性有機金属
材料が昇華し、非昇華性有機金属材料PA−MEの濃度
に依存して、膜密度、抵抗が、制御できることがわかっ
た。
ピルアミンより形成した導電性膜は、実験例と比べ、有
機金属の熱分解と昇華が同時におこるために、膜密度が
低く、また、抵抗、膜密度のばらつきが大きかった。 (実験例2)本実験例では、昇華性有機金属材料とし
て、酢酸白金−4−(2−ピリジルアゾ)−2−レゾル
シノール(以下PtA−PARと略す)を、非昇華性有
機材料として酢酸パラジウム−ジエタノールアミン(以
下PA−DEと略す)を用いた実験例である。まず、以
下の様にして、PA−DE、PA−PARを合成した。
に懸濁し、更に、24.4gのジエタノールアミンを加
えて室温で4時間攪拌した。反応終了後、IPAをエバ
ポレーターにより除き、固形物にエタノールを加えて溶
解ろ過し、ろ液よりPA−DEを再結晶させて得た。空
気中でTG測定の結果、PA−DEの分解は、100℃
から305℃で終了した。また、パラジウムの残存量よ
り、PA−DEは、昇華性のない有機金属材料であるこ
とを確認した。なお、最終分解温度は305℃とした
が、200℃で略重量当たり70%が分解され、パラジ
ウム以外の残分10%が200℃から305℃で分解さ
れた。
の酢酸Pdを200cm3 のIPAに懸濁し、更に、
9.6gの4−(2−ピリジルアゾ)−2−レゾルシノ
ールを加えて室温で4時間攪拌した。反応終了後、IP
Aをエバポレーターにより除き、固形物に酢酸エチルを
加えて溶解ろ過し、ろ液よりPtA−PARを再結晶さ
せて得た。空気中でTG測定の結果、PtA−PANの
分解は、300℃から390℃で終了した。また、白金
の残存量より、PtA−PARは、昇華性のある有機金
属材料であることを確認した。
属材料を混合し、非昇華性材料のみのサンプルと昇華性
材料を65%含有するサンプルで、PA−DE中のパラ
ジウムを0.5wt%として、実験例1と同様に、スピ
ンナーで膜厚15nmに成るように塗布した後、350
℃で10分間焼成し、膜密度、粒径の評価を行った。ま
た、抵抗の測定も同様に行った。
料のみのサンプルが、膜密度7g/cm3 で平均粒径5
nm、シート抵抗8×103 オーム/□の微粒子膜であ
った。一方、昇華性有機金属材料であるPtA−PAN
65%含有したサンプルは膜密度が2.5g/cm3 、
平均粒径4.8nm、シート抵抗3×104 オーム/□
の微粒子膜であった。
機金属材料PA−DE及び昇華性有機金属材料PtA−
PARの適当な濃度の溶液を作成し、焼成すると、最初
に非昇華性有機金属材料が熱分解し、その後、昇華性有
機金属材料が昇華し、非昇華性有機金属材料PtA−M
Eの濃度に依存して、昇華性有機金属材料、非昇華性有
機金属材料の金属材料の金属が相違しても、膜密度、抵
抗が、制御できることがわかった。
ついて説明したが、次にこのような導電性膜を用いた本
発明の電子放出素子、画像形成装置について説明する。 (実施例1)本実施例は、実施例1の条件で導電性膜を
形成した電子放出素子を作製した例である。図1は本発
明の電子放出素子の構成を示す概略的断面図および平面
図である。同図において、1は基板、4は導電性膜、
2,3は素子電極、5は電子放出部、6は絶縁層(絶縁
性基板を用いる場合はなくてもよい。)である。本実施
例の電子放出素子の作製方法を以下に示す。
水により洗浄し、乾燥した。この石英基板上にPt10
0nmの厚みの一対の電極を形成した。この時、電極間
距離は、2μmとし、電極幅は150μmとした。尚、
電極幅方向で、導電膜との重なり幅は、100μmとし
た。
ANと非昇華性有機金属PA−MEを含有する水溶液を
6種類作成し、インクジェット付与水溶液とした。
製バブルジェット−10V)を用いて、一対の電極間に
上記の水溶液の液滴を付与し、乾燥した。尚、6種類の
水溶液毎に基板を変え、6基板作成した。
℃で焼成し、酸化パラジウム微粒子からなる導電性膜と
した。
9の測定装置内で、フォーミング工程を施した。素子電
極2,3間に、通電を行うと、導電性膜4の部位に、構
造の変化した亀裂からなる高抵抗部が形成された。通電
フォーミングの電圧波形は、パルス波形で、パルス波高
値を0Vから0.1Vステップで増加させる電圧パルス
を印加した。電圧波形のパルス幅とパルス間隔はそれぞ
れ1msec、10msecとした三角波とした。通電
フォーミング処理の終了は、導電性膜の抵抗値が1Mオ
ーム以上とした。
装置に2%H2/N2を導入し、フォーミングを終えた酸
化パラジウム膜を還元し、金属パラジウムとした。これ
は、実験例1で示した様に、導電性膜の抵抗を低下し、
駆動電圧を低下する効果や消費電力の低下の効果を示す
処理である。また、フォーミング時には、導電性膜の抵
抗値が小さすぎると、フォーミング時の消費電力が大き
くなるだけでなく、電子放出特性のばらつき等も増加す
るため、最適な抵抗でおこなうため、酸化パラジウムの
状態でフォーミングを行った。
理を行った。活性化工程とは、フォーミングで形成した
亀裂の先端に炭素および炭素化合物を形成することで、
素子電流If、放出電流Ieが、著しく変化する工程であ
る。
0-3Torr導入し、パルス波高値15V、パルス幅1
msec、パルス間隔10msecとした矩形波のパル
スの印加を20分繰り返した。
器内の雰囲気等に存在する有機ガスを排気し、炭素ある
いは炭素化合物の堆積を抑制し、素子電流If、放出電
流Ieを安定させる工程である。真空容器全体を約25
0℃に加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着
した有機物質分子を排気した。このとき、真空度は、1
×10-8Torrであった。
性を測定した。
抵抗値の大小はあるが、ばらつきが少なく、再現性良
く、膜密度等が再現されている。通電フォーミングのパ
ワーは、膜密度の大小に影響され、膜密度が大きくなる
とフォーミングパワーが増加していくことが分かる。膜
密度がある程度(配合比70%;Pdの密度約3.8 g/c
m3)を超えて大きくなると、電子放出素子の特性(素子
電流及び放出電流)が劣化傾向を示すようになり、ばら
つきも増加するようになる。一方、膜密度が小さくなる
とフォーミングパワーが減少し、電子放出素子の特性も
安定し、ばらつきも減少する。尚、極端に膜密度(Pdの
密度約 0.4 g/cm3)が減少した1%では、抵抗値が大き
く、フォーミングの電圧が大幅に増加したため、電子放
出素子の特性も極端に劣化、ばらつきも増加したと考え
られる。
としての膜密度の値は、0.8g/cm3 から4g/c
m3、より好ましくは1.6g/cm3 から3.2g/
cm3の範囲が、電子放出特性のばらつき及び電子放出
特性の劣化を考慮した時、好ましい範囲と設定される。 (実施例2)本実施例は、本発明の導電性膜材料を用い
て画像形成装置を作成した例である。電子源の概略的構
成を示す平面図を図11に示す。電子源を構成する各電
子放出素子の構成は図1に示した電子放出素子の構成と
同じである。図2は電子源の作製方法を示す工程図であ
る。図3は電子源を有する本発明の画像形成装置を示す
斜視図である。本実施例の画像形成装置においての駆動
は、図14に示した、NTSC方式のテレビ信号に基づ
いたテレビジョン表示を行う為の駆動回路を用いた。
mに対応する行方向配線、73はDynに対応する列方
向配線、74は電子放出素子、75は素子電極である。
を工程順に従って具体的に説明する。
2 をスパッタ法で形成した基板1上に、素子電極2,3
をオフセット印刷法によって作成した。素子電極間隔L
は20μm、素子電極の幅Wを200μmとした。
ーン印刷法で作成した。
3、素子電極2,3を形成した基板を純水で洗浄後、乾
燥した。
プロピルアルコール20%、エチレングリコール1%の
水溶液の液滴25を実施例1と同様にインクジェット法
によって、各素子電極および素子電極間に3回ずつ、同
一箇所に付与した。その後、300℃で10分間焼成し
た。
は、ガラス基板147の内面に蛍光体が配置された蛍光
膜148とメタルバック149が形成されて構成とし
た。蛍光体の配列は、三原色蛍光体の各蛍光体間ブラッ
クストライプを設けた。ブラックストライプの材料とし
ては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料を用
いた。これらは、いずれもスクリーン印刷法によって形
成した。
付けた基板145をリアプレートとして、支持枠146
を介して、フェイスプレートを封着した。支持枠には予
め、通排気に使用される排気管を接着した。
子に電圧を供給できる製造装置で、ライン毎に、フォー
ミングを行った。フォーミングの条件は、実施例1と同
様である。
排気管から導入し、各配線DXm,DYnより各素子に電圧
を供給できる製造装置で、線順走査を実施例1と同様の
パルス電圧が、各素子に印加される様に電圧を印加し、
活性化工程を行った。各ライン25分間の電圧印加され
たとき各ラインとも素子電流が、平均で3mAになった
とき、活性化工程を終了した。
3時間容器全体を加熱しながら排気した。最後にゲッタ
をフラッシュし、排気管を封止した。
置の電子源を用いて構成した画像形成装置に、NTSC
方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行っ
た。テレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例につ
いては、既に説明した図14の駆動回路を用いることが
できる。ここでは、パルス幅変調方式によって変調を行
った。
各電子放出素子に、容器外端子Dox1乃至Doxm、Doy1
乃至Doynを介して電圧を印加することにより、電子放
出が生ずる。高圧端子Hvを介してメタルバック149
に6KVの高圧を印加し、電子ビームを加速する。加速
された電子は、蛍光膜148に衝突し、発光が生じて画
像が形成される。
置は、NTSC信号の入力によって、輝度ばらつきが少
なく、均一性の高い画像形成装置が再現性良く、製造す
ることができた。
電気特性のばらつきが少なく、より良好な電気特性を示
す電子放出素子を得ることができる。その結果、画像形
成装置においては、ばらつきが少ない品位の高い画像形
成装置が得ることができる。
機金属材料と非昇華性有機金属材料との混合比等で、導
電性膜の密度が制御でき、通電フォーミングに最適な密
度が設定でき、ばらつきが少なく、良好な電気特性の電
子放出素子が製造できる。本発明の電子放出素子の製造
方法による電子源と画像形成部材を有する画像形成装置
は、ばらつき少なく、良好な電気特性の電子源を用いて
いるので、ばらつきが少なく、良好な画像形成装置が提
供できる。
断面図及び平面図である。
図である。
斜視図である。
示す模式的平面図である。
を示す模式的平面図及び断面図である。
を示す模式的断面図である。
一例を示す模式図である。
て採用できる通電フォーミング処理における電圧波形の
一例を示す模式図である。
す模式図である。
についての放出電流Ie、素子電流Ifと素子電圧Vfの
関係の一例を示すグラフである。
電子源の一例を示す模式図である。
ルの一例を示す模式図である。
応じて表示を行うための駆動回路の一例を示すブロック
図である。
を示す模式図である。
ルの一例を示す模式図である。
模式図である。
子電流Ifを測定するための電流計 51 電子放出素子に素子電圧Vfを印加するための電
源 53 アノード電極 54 素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを
捕捉するためのアノード電極 55 素子の電子放出部35より放出される放出電流I
eを測定するための電流計 56 真空装置 57 排気ポンプ 71 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 高圧端子 88 外囲器 61 黒色導電材 62 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 Vx,Va 直流電圧源 110 電子源基板 111 電子放出素子 112 Dx1〜Dx10は、前記電子放出素子を配線する
ための共通配線 120 グリッド電極 121 電子が通過するための空孔 122 Dox1,Dox2,・・・,Doxmよりなる容器外端子 123
Claims (18)
- 【請求項1】 一対の電極と、該一対の電極に接続さ
れ、電子放出部が設けられた導電性膜と、を有する電子
放出素子において、 前記導電性膜が、微粒子により構成されており、かつ、
その密度が、0.8g/cm3 〜4g/cm3 の範囲に
あることを特徴とする電子放出素子。 - 【請求項2】 請求項1に記載の微粒子は、金属あるい
は金属酸化物からなることを特徴とする電子放出素子。 - 【請求項3】 請求項2に記載の微粒子は、パラジウム
あるいはパラジウム酸化物であることを特徴とする電子
放出素子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの請求項に記載
の電子放出素子を基体上に複数個配置し、入力信号に応
じて該電子放出素子から電子を放出してなることを特徴
とする電子源。 - 【請求項5】 請求項4に記載の電子源において、基体
に複数の電子放出素子を並列に配置し、各電子放出素子
の両端をそれぞれ配線に共通接続してなる電子放出素子
の行を、複数列配列してなることを特徴とする電子源。 - 【請求項6】 請求項4に記載の電子源において、基体
に、互いに電気的に絶縁されたm本のX方向配線とn本
のY方向配線とを設け、X方向及びY方向に配列された
m×n個の前記電子放出素子の一対の電極を該X方向配
線と該Y方向配線にそれぞれ接続したことを特徴とする
電子源。 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかの請求項に記載
の電子源と、該電子源から放出された電子により画像を
形成する画像形成部材とを有することを特徴とする画像
形成装置。 - 【請求項8】 請求項7に記載の画像形成装置におい
て、前記画像形成部材が蛍光体であることを特徴とする
画像形成装置。 - 【請求項9】 基体上に一対の電極と、該一対の電極に
接続され、電子放出部が設けられた導電性膜と、を有す
る電子放出素子の製造方法において、 昇華性有機金属材料と非昇華性有機金属材料を予め設定
された濃度で混合した溶液を前記基体上に付与する工程
と、 前記基体上に付与された溶液を焼成し導電性膜を形成す
る工程と、を有することを特徴とする電子放出素子の製
造方法。 - 【請求項10】 請求項9に記載の導電性膜に電子放出
部を形成する工程を有する電子放出素子の製造方法にお
いて、 前記導電性膜が微粒子により構成されているとともに、
前記電子放出部を形成する前の導電性膜の密度が、1g
/cm3 〜5g/cm3 の範囲にあることを特徴とする
電子放出素子の製造方法。 - 【請求項11】 請求項9又は請求項10に記載の前記
昇華性有機金属材料の熱分解温度が、前記非昇華性有機
金属材料の熱分解温度より高いことを特徴とする電子放
出素子の製造方法。 - 【請求項12】 請求項9又は請求項10に記載の前記
昇華性有機金属材料の金属が、前記非昇華性有機金属材
料の金属と同一であることを特徴とする電子放出素子の
製造方法。 - 【請求項13】 請求項9〜12のいずれかの請求項に
記載の前記溶液が、水溶液であることを特徴とする電子
放出素子の製造方法。 - 【請求項14】 請求項10〜13のいずれかの請求項
に記載の前記昇華性有機金属材料が、酢酸パラジウム−
1−(2ピリジルアゾ)−2−ナフトール、酢酸パラジ
ウムビスジプロピルアミン、酢酸白金−4−(2−ピリ
ジルアゾ)−2−レゾルシノールから選ばれた少なくと
も一つであることを特徴とする電子放出素子の製造方
法。 - 【請求項15】 請求項9〜14のいずれかの請求項に
記載の前記非昇華性有機金属材料が、酢酸パラジウム−
モノエタノールアミン、酢酸パラジウム・ジエタノール
アミン、酢酸パラジウム・トリエタノールアミンから選
ばれた少なくとも一つであることを特徴とする電子放出
素子の製造方法。 - 【請求項16】 請求項9〜15のいずれかの請求項に
記載の前記昇華性有機金属材料と前記非昇華性有機金属
材料との基体上への付与方法が、インクジェット法であ
ることを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 【請求項17】 請求項9〜16のいずれかの請求項に
記載の電子放出素子の製造方法により作製された電子放
出素子を基体上に、複数個配置したことを特徴とする電
子源の製造方法。 - 【請求項18】 請求項17に記載の電子源の製造方法
により作製された電子源に対向して、該電子源から放出
された電子により画像を形成する画像形成部材を設けた
ことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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