JP2017074003A - 害虫滑落性積層フィルムおよび捕虫器 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態による害虫滑落性積層フィルムの断面模式図を示したものである。一実施形態において、害虫滑落性積層フィルム10は、基材11と、害虫滑落層12と、を備え、害虫滑落層12表面に凹凸付与剤に起因する凹凸構造を有し、さらにその表面に微粒子13が付着してなることを特徴とする。
また、図2に示すように、害虫滑落性フィルム10は、害虫滑落層12を設けた側とは反対の基材上に、接着層または粘着層14を備えていてもよく、接着層または粘着層14上に、保護フィルム15を備えていてもよい。さらに、害虫滑落層12上にも保護フィルム15を備えていてもよい。
基材として、コート紙、印刷用紙、上質紙およびクラフト紙などの紙材であったり、ポリプロピレン、ポリアミドおよびポリエステルなどの樹脂からなる未延伸または延伸フィルムを使用することができる。また、紙材やフィルムに対し、アルミニウムや無機酸化物を蒸着することにより、酸素および水蒸気に対するバリア性および遮光性を向上させてもよい。
これらの中でも、ポリプロピレンフィルムは、透明性が高いため好ましい。
また、上記した紙材と、フィルムとの積層材を基材として用いてもよい。積層方法は、特に限定されず、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ヒートラミネート法などを用いることができる。
害虫滑落層は、積層フィルムの最外層として設けられ、凹凸付与剤を含んでなり、表面に微粒子が付着されてなることを特徴とする。害虫滑落層に微粒子が付着されてなること及び害虫滑落層中の凹凸付与剤の効果により、積層フィルムの最表面が凹凸構造を備えることとなる。積層フィルムがこの凹凸構造を有することにより、害虫が積層フィルムに付着したり、這い上がろうとするのを効果的に防止することができる。
なお、本明細書において、「一次粒子」は、独立して存在する単一の粒子を意味する。また、「二次粒子」は2以上の一次粒子が凝集ないし固着して形成された粒子を意味する。また、平均一次粒子径は、500個の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)などにより得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより、または動的光散乱法、静的光散乱法などを利用する粒度分布計などにより測定することができる。また、ここでいう「平均一次粒子径」とは、個数平均粒子径を指す。なお、平均二次粒子径も同様の方法により測定することができる。
また、本発明による積層フィルムは、害虫滑落層を設けた側とは反対の基材上に接着層または粘着層を備えてなることができる。積層フィルムが、接着層または粘着層を備えてなることにより、積層フィルムを対象物の所望の位置に固定することができる。
また、これら以外にも、以下のような接着層または粘着層を使用することができる。
無機系接着剤・粘着剤としては、シリカ系接着剤、粘着剤として、セラミックス、セメント、はんだ、水ガラスなどが挙げられる。
また、有機系材料接着剤・粘着剤としては、天然系接着剤、アスファルト、アラビアガム、漆、カゼイン接着剤、天然ゴム系接着剤、天然ゴムラテックス接着剤、デンプン系接着剤、膠(にかわ)、ゼラチン、フィブリン接着剤、松やになどが挙げられる。
さらに、合成系接着剤・粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着テープ、α―オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、ウレタン樹脂エマルジョン接着剤、エーテル系セルロース、エチレンー酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、エチレンー酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、水性高分子―イソシアネート系接着剤、スチレンーブタジエンゴム溶液系接着剤、スチレンーブタジエンゴム系ラテックス接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変性シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂接着剤、ポリベンズイミダゾール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤などが挙げられる。
接着層または粘着層は、上記材料を2以上含んでいてもよく、ハイブリッド化した材料を含んでいてもよい。
本発明による積層フィルムは、接着層または粘着層上に保護フィルムを備えてなることができる。また、本発明による積層フィルムは、害虫滑落層上に保護フィルムを備えてなることができる。積層フィルムが、保護フィルムを備えてなることにより、接着層、粘着層、害虫滑落層への傷、ほこり付着、汚染、接着剤、粘着剤の裏移りなどを防止することができる。
本発明の積層フィルムは、所望により、基材と、害虫滑落層との間に熱接着層を備えていてもよい。
本発明の捕虫器10は、図2に示すように、害虫が侵入することのできる開口部を有するフレーム11と、フレーム11内面に貼り付けられた上記害虫滑落性積層フィルム12を備えてなる。
フレーム内面に害虫滑落性積層フィルムが貼り付けられているため、開口部より侵入した害虫は、フレームを這い上がることができない。
厚さ60μmの無軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンZK207)上に、塩化ビニリデンを含んでなるインキ原料(凹凸付与剤含有(平均粒子径15μm、含有量:樹脂組成物100質量部に対し、10質量部)、樹脂成分軟化温度:220℃、東京インキ社製、商品名:LG−HTリケイ剤B)10質量部に、酢酸エチル40質量部を加え、混合することにより得られた害虫滑落層用塗工液を膜密度が0.5g/cm2となるようにラボ用グラビア印刷機(倉敷紡績社製、商品名:GP−10)を用いて塗布し、次いで、ドライヤー(100V、1000W、白光株式会社製、商品名:ハッコーヒーティングガン)を用いて乾燥させることにより、害虫滑落層を形成させた。
上記のようにして得られた害虫滑落性積層フィルムを、ポリプロピレン製のディスポカップ(100cc、アズワン)の内面に両面テープ(ニチバン社製、商品名:ナイスタック)を介して貼り付けた。
このディスポカップにクロオオアリおよびアメイロアリを各10匹入れ、30分間放置し、ディスポカップの内面を這い上がりディスポカップから出てくるアリの数を確認した。結果を表1に表した。
上記のようにして得られた害虫滑落性積層フィルムを、摩擦摩耗試験機(相手材:アルミホイル、荷重:200g、高千穂精機株式会社製、商品名:FR2)により20回擦り、<害虫滑落性試験1>と同様にポリプロピレン製のディスポカップ(100cc、アズワン)の内面に両面テープ(ニチバン社製、商品名 : ナイスタック)を介して貼り付けた。
このディスポカップにクロオオアリおよびアメイロアリを各10匹入れ、30分間放置し、ディスポカップの内面を這い上がりディスポカップから出てくるアリの数を確認した。結果を表1に表した。
害虫滑落層用塗工液および微粒子溶液の塗工量、即ち膜密度を表1に表す量に変更した以外は実施例1と同様にして害虫滑落性積層フィルムを得た。得られた害虫滑落フィルムを用いて、実施例1同様に害虫滑落性試験および耐磨性試験を行った。結果を表1に表した。
厚さ60μmの無軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンZK207)をディスポカップの内面に貼り付け、実施例1同様に害虫滑落性試験を行った。結果を表1に表した。
内面に何も貼り付けないディスポカップについて、実施例1同様に害虫滑落性試験を行った。結果を表1に表した。
厚さ110μmのモスアイフィルム(大日本印刷株式会社製、品名 : モスアイフィルム)をディスポカップの内面に貼り付け、実施例1同様に害虫滑落性試験を行った。結果を表1に表した。
Claims (10)
- 基材と、前記基材上に凹凸付与剤を含んでなる害虫滑落層と、を備え、
前記害虫滑落層の基材側の面とは反対の面に、微粒子を付着してなり、
前記微粒子の付着量が、乾燥後塗布量換算で、0.2g/cm2以上、5.0g/cm2以下であることを特徴とする、害虫滑落性積層フィルム。 - 前記害虫滑落層の膜密度が、0.5g/cm2以上、5.0g/cm2以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記害虫滑落層を備える側の前記積層フィルムの表面粗さRaが、0.5μm以上、1.5μm以下である、請求項1または2に記載の積層フィルム。
- 前記微粒子が、金属微粒子または金属酸化物微粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 前記微粒子の一次粒子径が、1nm以上、300nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 前記害虫滑落層が、軟化温度が120℃以上の樹脂組成物を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 前記凹凸付与剤が、1μm以上、50μm以下の平均粒子径を有するビーズ粒子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 前記害虫滑落層を設けた側とは反対の基材上に、接着層または粘着層を備えてなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 前記接着層または粘着層上に、保護フィルムを備えてなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 開口部を有するフレームと、前記フレーム内面に貼り付けられた請求項1〜9のいずれか一項に記載の害虫滑落性積層フィルムとを備えることを特徴とする、捕虫器。
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