JP2017074003A - 害虫滑落性積層フィルムおよび捕虫器 - Google Patents

害虫滑落性積層フィルムおよび捕虫器 Download PDF

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Abstract

【課題】害虫忌避効果を長期にわたり発揮することができ、低い製造コストで製造することのできる害虫滑落性積層フィルム、及び、害虫滑落性積層フィルムを用いた捕虫器を提供する。【解決手段】害虫滑落性積層フィルム10は、基材11と、基材上に害虫滑落層12と、を備え、害虫滑落層の基材側の面とは反対の面に、微粒子13を付着してなり、微粒子の付着量が、乾燥後塗布量換算で、0.2g/cm2以上、5.0g/cm2以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、害虫滑落性積層フィルムおよび捕虫器に関する。
ショーウインドであったり、自動販売機全面板には、灯りやにおいに誘引され、害虫が付着したり、侵入してしまうため、従来から害虫の付着および侵入を防ぐためのフィルムが提案されている。
例えば、特許文献1には、害虫忌避剤を塗布したフィルムが開示されている。しかしながら、このようなフィルムの害虫忌避効果は長期にわたり持続するものではなく、害虫忌避剤の揮散によりこの効果は無くなってしまっていた。
また、このような害虫忌避効果の持続性という問題を解決するため、特許文献2には、モールドを利用して表面に凹凸構造を形成させたフィルムが提案されている。しかしながら、フィルム表面の凹凸構造は極めて微細であり、害虫が何度も這い上がろうとしたり、人などが触れてしまうことにより損傷してしまうおそれがあり、害虫忌避効果の持続性は十分なものではなかった。また、陽極アルミナからなる転写ロールや活性エネルギー光線照射装置を用いる必要があるため、製造コストが高くなってしまうという問題もあった。
特開05−049379号公報 特開2013−99269号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、害虫忌避効果を長期にわたり発揮することができ、低い製造コストで製造することのできる害虫滑落性積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明による害虫滑落性積層フィルムは、基材と、前記基材上に凹凸付与剤を含んでなる害虫滑落層と、を備え、前記害虫滑落層の基材側の面とは反対の面に、微粒子を付着してなり、前記微粒子の付着量が、乾燥後塗布量換算で、0.2g/cm以上、5.0g/cm以下であることを特徴とするものである。
また、本発明による積層フィルムにおいては、害虫滑落層の膜密度が、0.5g/cm以上、5.0g/cm以下であることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、害虫滑落層を備える側の積層フィルムの表面粗さRaが、0.5〜1.5μmであることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、微粒子が、金属微粒子または金属酸化物微粒子であることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、微粒子の一次粒子径が、1nm以上、300nm以下であることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、害虫滑落層が、軟化温度が120℃以上の樹脂組成物を含んでなることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、凹凸付与剤が、1μm以上、50μm以下の平均粒子径を有するビーズ粒子であることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、害虫滑落層を設けた側とは反対の基材上に、接着層または粘着層を備えてなることが好ましい。
また、本発明による積層フィルムにおいては、接着層または粘着層上に、保護フィルムを備えてなることが好ましい。
本発明による捕虫器は、開口部を有するフレームと、前記フレーム内面に貼り付けられた上記害虫滑落性積層フィルムとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、害虫忌避効果を長期にわたり発揮することができ、低い製造コストで製造することのできる害虫滑落性積層フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態による害虫滑落性積層フィルムの断面模式図である。 本発明の一実施形態による害虫滑落性積層フィルムの断面模式図である。 本発明の一実施形態による捕虫器の断面模式図である。
<害虫滑落性積層フィルム>
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態による害虫滑落性積層フィルムの断面模式図を示したものである。一実施形態において、害虫滑落性積層フィルム10は、基材11と、害虫滑落層12と、を備え、害虫滑落層12表面に凹凸付与剤に起因する凹凸構造を有し、さらにその表面に微粒子13が付着してなることを特徴とする。
また、図2に示すように、害虫滑落性フィルム10は、害虫滑落層12を設けた側とは反対の基材上に、接着層または粘着層14を備えていてもよく、接着層または粘着層14上に、保護フィルム15を備えていてもよい。さらに、害虫滑落層12上にも保護フィルム15を備えていてもよい。
害虫滑落層を備える側の積層フィルムの表面粗さRaは、0.5μm以上、1.5μm以下であることが好ましく、1.0μm以上、1.5μm以下であることがより好ましい。積層フィルムの表面粗さRaを上記数値範囲とすることにより、害虫が積層フィルムに付着したり、這い上がろうとするのを効果的に防止することができる。なお、表面粗さRaは、表面粗さ測定機(株式会社東京精密製、商品名:サーフコム1400G)により測定することができる。
本発明による積層フィルムは、下地の視認性を付与するために、透明または半透明であることが好ましい。
以下、本発明による害虫滑落性積層フィルムを構成する各層について説明する。
(基材)
基材として、コート紙、印刷用紙、上質紙およびクラフト紙などの紙材であったり、ポリプロピレン、ポリアミドおよびポリエステルなどの樹脂からなる未延伸または延伸フィルムを使用することができる。また、紙材やフィルムに対し、アルミニウムや無機酸化物を蒸着することにより、酸素および水蒸気に対するバリア性および遮光性を向上させてもよい。
これらの中でも、ポリプロピレンフィルムは、透明性が高いため好ましい。
また、上記した紙材と、フィルムとの積層材を基材として用いてもよい。積層方法は、特に限定されず、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ヒートラミネート法などを用いることができる。
また、基材の害虫滑落層積層面には、接着性の向上のため、所望により、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理などの表面処理を施すことができる。
基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷が施されていてもよい。印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの従来公知の方式を用いることができる。
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、20μm以上、500μm以下のものを使用することができ、また、30μm以上、200μm以下のものであってもよい。
(害虫滑落層)
害虫滑落層は、積層フィルムの最外層として設けられ、凹凸付与剤を含んでなり、表面に微粒子が付着されてなることを特徴とする。害虫滑落層に微粒子が付着されてなること及び害虫滑落層中の凹凸付与剤の効果により、積層フィルムの最表面が凹凸構造を備えることとなる。積層フィルムがこの凹凸構造を有することにより、害虫が積層フィルムに付着したり、這い上がろうとするのを効果的に防止することができる。
害虫滑落層は、軟化温度が120℃以上の樹脂組成物を含んでなることが好ましい。害虫滑落層がこのような樹脂組成物を含んでなることにより、微粒子を付着させる際の加熱乾燥により、害虫滑落層が軟化し、微粒子が埋没してしまうことを防止することができる。より好ましくは、樹脂組成物の軟化温度は、180℃以上、250℃以下であり、さらに好ましくは、190℃以上、230℃以下である。
上記樹脂組成物は、例えば、塩化ビニリデンやフッ化ビニリデンなどのビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル樹脂、ナイロン樹脂などを含んでなることが好ましい。これらの中でも、耐熱性が高く、付着させる微粒子と相互に作用して、害虫の積層フィルムへの付着および這い上がりを顕著に防止することができるため、ビニリデン樹脂がより好ましく、塩化ビニリデンが特に好ましい。害虫滑落層は、上記した樹脂を1種または2種以上含んでいてもよい。
上記樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂の他にも、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびスチレン系樹脂などのような樹脂を含んでいてもよい。
害虫滑落層に含まれる凹凸付与剤は、平均粒子径(平均一次粒子径)が、1μm以上、50μm以下のビーズ粒子であることが好ましい。害虫滑落層が凹凸付与剤を含んでなることにより、害虫が積層フィルムに付着したり、這い上がろうとするのを効果的に防止することができるとともに、耐磨性を向上させることができる。ビーズ粒子の平均粒子径は、5μm以上、30μm以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、「一次粒子」は、独立して存在する単一の粒子を意味する。また、「二次粒子」は2以上の一次粒子が凝集ないし固着して形成された粒子を意味する。また、平均一次粒子径は、500個の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)などにより得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより、または動的光散乱法、静的光散乱法などを利用する粒度分布計などにより測定することができる。また、ここでいう「平均一次粒子径」とは、個数平均粒子径を指す。なお、平均二次粒子径も同様の方法により測定することができる。
ビーズ粒子としては、有機系のビーズおよび無機系のビーズを使用することができ、有機樹脂ビーズとしてはスチレン系ビーズ、ポリエチレンテレフタレート系ビーズ、ポリスルフォン系ビーズ、ポリテトラフルオロエチレン系ビーズ、ポリ塩化ビニルおよびポリ塩化ビニリデンなどが挙げられ、無機樹脂ビースとしては、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナシリケート、タルクおよびマイカなどが挙げられる。
害虫滑落層における凹凸付与剤の含有量は、害虫滑落層に含まれる樹脂組成物100質量部に対し、2質量部以上、30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上、15質量部以下であることがより好ましい。凹凸付与剤の含有量を上記数値範囲にとすることにより、害虫滑落性をより向上させることができる。
害虫滑落層に付着させる微粒子としては、疎水化表面処理を施した酸化物微粒子、例えば、SiO、TiO、AlおよびMgOなどを使用することができる。これらの中でも、コストの面からSiOが好ましい。これらは1種または2種以上を併用してもよい。疎水化表面処理の方法としては、例えば、乾式法(CVD法、プラズマ法)を用いても、湿式法を用いてもよい。
微粒子の一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は、1nm以上、300nm以下であることが好ましく、3nm以上、100nm以下であることがより好ましい。
害虫滑落層は、本発明の目的を損なわない範囲において、酸化防止剤、滑剤、着色剤、充填剤などの添加剤を含んでいてもよい。
害虫滑落層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤などを加え、水または有機溶剤などの適当な溶剤に溶解または分散させて害虫滑落層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法などの手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
害虫滑落層の膜密度(乾燥後塗布量)は、0.5g/m以上、5.0g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、4.0g/m以下であることがより好ましく、1.5g/m以上、3.0g/m以下であることがさらに好ましい。害虫滑落層の膜密度が上記数値範囲内であれば、害虫が積層フィルムに付着したり、這い上がろうとするのを効果的に防止することができる。
害虫滑落層表面への微粒子の付着は、微粒子をイソプロピルアルコールなどの適当な溶媒に添加し、微粒子溶液とし、これを害虫滑落層上にグラビア法などにより塗布、乾燥させることにより実施することができる。
微粒子の付着量は、乾燥後塗布量換算で、0.2g/m以上、5.0g/m以下であることが好ましく、0.5g/m以上、3.0g/m以下であることがより好ましく、0.8g/m以上、2.0g/m以下であることがさらに好ましい。微粒子の付着量が上記数値範囲内であれば、害虫滑落性を向上させることができる。
(接着層または粘着層)
また、本発明による積層フィルムは、害虫滑落層を設けた側とは反対の基材上に接着層または粘着層を備えてなることができる。積層フィルムが、接着層または粘着層を備えてなることにより、積層フィルムを対象物の所望の位置に固定することができる。
接着層または粘着層は、接着剤または粘着剤を含んでなる。接着剤または粘着剤の中でも、対象物への作業時に貼り直し作業が容易であるという観点から、初期粘着性(接着性)は弱く、時間の経過に伴って、粘着力(接着力)が向上するものが好ましく、例えば、アクリル樹脂系接着剤、アクリル樹脂に所定量のエポキシ熱硬化性樹脂と硬化剤を含んだものが挙げられる。また、貼り直し作業を容易にするため、特定の電離放射線を照射することで粘着力(接着力)を弱めたり、高めたりできるものが好ましく、例えば、アクリル系樹脂に液状もしくは固形状エポキシ樹脂を含み、さらに光硬化剤としてアミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等を含んだものが挙げられる。
また、これら以外にも、以下のような接着層または粘着層を使用することができる。
無機系接着剤・粘着剤としては、シリカ系接着剤、粘着剤として、セラミックス、セメント、はんだ、水ガラスなどが挙げられる。
また、有機系材料接着剤・粘着剤としては、天然系接着剤、アスファルト、アラビアガム、漆、カゼイン接着剤、天然ゴム系接着剤、天然ゴムラテックス接着剤、デンプン系接着剤、膠(にかわ)、ゼラチン、フィブリン接着剤、松やになどが挙げられる。
さらに、合成系接着剤・粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着テープ、α―オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、ウレタン樹脂エマルジョン接着剤、エーテル系セルロース、エチレンー酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、エチレンー酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、水性高分子―イソシアネート系接着剤、スチレンーブタジエンゴム溶液系接着剤、スチレンーブタジエンゴム系ラテックス接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変性シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂接着剤、ポリベンズイミダゾール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤などが挙げられる。
接着層または粘着層は、上記材料を2以上含んでいてもよく、ハイブリッド化した材料を含んでいてもよい。
接着層または粘着層における、接着剤および粘着剤の含有量は、5質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、30質量%以下であることがより好ましい。
接着層または粘着層の厚さは、これに限定されるものではないが、0.1μm以上、20μm以下であることが好ましく、1μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
(保護フィルム)
本発明による積層フィルムは、接着層または粘着層上に保護フィルムを備えてなることができる。また、本発明による積層フィルムは、害虫滑落層上に保護フィルムを備えてなることができる。積層フィルムが、保護フィルムを備えてなることにより、接着層、粘着層、害虫滑落層への傷、ほこり付着、汚染、接着剤、粘着剤の裏移りなどを防止することができる。
保護フィルムは、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類など含んでなることができ、これらを従来公知の方法により、フィルム化し、接着層または粘着層と貼り合わせることにより設けることができる。また、害虫滑落層上へは上記した接着剤などを介して設けることができる。
(その他)
本発明の積層フィルムは、所望により、基材と、害虫滑落層との間に熱接着層を備えていてもよい。
熱接着層は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ポリスチレン樹脂、ビニル樹脂などの熱接着性樹脂を含んでなる。なお、熱接着層は、上記した熱接着性樹脂を2以上含んでいてもよい。
また、熱接着層は、有機樹脂ビーズまたは無機ビーズなどの微粒子を含んでなることができる。熱接着層が微粒子を含んでなることによりブロッキングを防止することができる。有機樹脂ビーズとしては、アクリル樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビーズ、ポリスチレン樹脂ビーズ、スチレン−アクリル共重合体ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、メラミン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズおよびベンゾグアナミン−メラミン縮合体ビーズなどが挙げられる。また、無機ビーズとしては、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナシリケート、タルク、マイカなどが挙げられる。その中でも安定性、コストなどの点から、シリカビーズであることがより好ましい。なお、上記有機樹脂ビーズおよび/または無機ビーズを2種以上用いてもよい。
微粒子の二次粒子の平均粒子径(平均二次粒子径)は、500nm以上、30μm以下であることが好ましく、1μm以上、15μm以下であることがより好ましく、5μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
熱接着層における微粒子の含有量は、1質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上、3質量%以下であることがより好ましい。
熱接着層は、基材上に上記した材料を含んでなる熱接着層用組成物をバーコート法などにより塗布、乾燥することにより形成させることができる。熱接着層が2層からなる場合、上記方法により形成させた第1の熱接着層上に、異なる組成の熱接着層用組成物を塗布、乾燥することにより、第2の熱接着層を形成させることができる。
熱接着層の膜密度(乾燥後塗布量)は、1.0g/m以上、10g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、7g/m以下であることがより好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、所望により、中間層、ガスバリア層などの層を任意の位置に備えていてよい。
(捕虫器)
本発明の捕虫器10は、図2に示すように、害虫が侵入することのできる開口部を有するフレーム11と、フレーム11内面に貼り付けられた上記害虫滑落性積層フィルム12を備えてなる。
フレーム内面に害虫滑落性積層フィルムが貼り付けられているため、開口部より侵入した害虫は、フレームを這い上がることができない。
補虫器は、その内部または開口部付近に害虫誘引剤13を塗布または内蔵してなることが好ましい(図3参照)。害虫誘引剤としては、例えば、ダイアモルア、ピーチフルア、スウィートビルア、メチルオイゲノールなどが挙げられる。
捕虫器のフレームの形状は、特に限定されるものではないが、箱状、筒上、球状など任意の形状であってよい。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ60μmの無軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンZK207)上に、塩化ビニリデンを含んでなるインキ原料(凹凸付与剤含有(平均粒子径15μm、含有量:樹脂組成物100質量部に対し、10質量部)、樹脂成分軟化温度:220℃、東京インキ社製、商品名:LG−HTリケイ剤B)10質量部に、酢酸エチル40質量部を加え、混合することにより得られた害虫滑落層用塗工液を膜密度が0.5g/cmとなるようにラボ用グラビア印刷機(倉敷紡績社製、商品名:GP−10)を用いて塗布し、次いで、ドライヤー(100V、1000W、白光株式会社製、商品名:ハッコーヒーティングガン)を用いて乾燥させることにより、害虫滑落層を形成させた。
害虫滑落層上に、微粒子(疎水性SiO微粒子、一次粒子の平均粒子径約1nm〜300nm)を含有したインキ原料(東京インキ社製、商品名:LG−HTリケイ剤E)20質量部に、イソプロピルアルコール50質量部を加え、混合することにより得られた微粒子溶液を、微粒子の付着量が、乾燥後塗布量換算で、0.2g/cmとなるようにラボ用グラビア印刷機を用いて塗布し、次いで、ドライヤーを用いて乾燥させることにより、害虫滑落層表面に微粒子を付着させ、害虫滑落性積層フィルムを得た。
<害虫滑落性試験1>
上記のようにして得られた害虫滑落性積層フィルムを、ポリプロピレン製のディスポカップ(100cc、アズワン)の内面に両面テープ(ニチバン社製、商品名:ナイスタック)を介して貼り付けた。
このディスポカップにクロオオアリおよびアメイロアリを各10匹入れ、30分間放置し、ディスポカップの内面を這い上がりディスポカップから出てくるアリの数を確認した。結果を表1に表した。
<害虫滑落性試験2:耐磨性の検証>
上記のようにして得られた害虫滑落性積層フィルムを、摩擦摩耗試験機(相手材:アルミホイル、荷重:200g、高千穂精機株式会社製、商品名:FR2)により20回擦り、<害虫滑落性試験1>と同様にポリプロピレン製のディスポカップ(100cc、アズワン)の内面に両面テープ(ニチバン社製、商品名 : ナイスタック)を介して貼り付けた。
このディスポカップにクロオオアリおよびアメイロアリを各10匹入れ、30分間放置し、ディスポカップの内面を這い上がりディスポカップから出てくるアリの数を確認した。結果を表1に表した。
(実施例2〜12)
害虫滑落層用塗工液および微粒子溶液の塗工量、即ち膜密度を表1に表す量に変更した以外は実施例1と同様にして害虫滑落性積層フィルムを得た。得られた害虫滑落フィルムを用いて、実施例1同様に害虫滑落性試験および耐磨性試験を行った。結果を表1に表した。
(比較例1)
厚さ60μmの無軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンZK207)をディスポカップの内面に貼り付け、実施例1同様に害虫滑落性試験を行った。結果を表1に表した。
(比較例2)
内面に何も貼り付けないディスポカップについて、実施例1同様に害虫滑落性試験を行った。結果を表1に表した。
(比較例3)
厚さ110μmのモスアイフィルム(大日本印刷株式会社製、品名 : モスアイフィルム)をディスポカップの内面に貼り付け、実施例1同様に害虫滑落性試験を行った。結果を表1に表した。
Figure 2017074003

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材上に凹凸付与剤を含んでなる害虫滑落層と、を備え、
    前記害虫滑落層の基材側の面とは反対の面に、微粒子を付着してなり、
    前記微粒子の付着量が、乾燥後塗布量換算で、0.2g/cm以上、5.0g/cm以下であることを特徴とする、害虫滑落性積層フィルム。
  2. 前記害虫滑落層の膜密度が、0.5g/cm以上、5.0g/cm以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記害虫滑落層を備える側の前記積層フィルムの表面粗さRaが、0.5μm以上、1.5μm以下である、請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記微粒子が、金属微粒子または金属酸化物微粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. 前記微粒子の一次粒子径が、1nm以上、300nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. 前記害虫滑落層が、軟化温度が120℃以上の樹脂組成物を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  7. 前記凹凸付与剤が、1μm以上、50μm以下の平均粒子径を有するビーズ粒子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  8. 前記害虫滑落層を設けた側とは反対の基材上に、接着層または粘着層を備えてなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  9. 前記接着層または粘着層上に、保護フィルムを備えてなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  10. 開口部を有するフレームと、前記フレーム内面に貼り付けられた請求項1〜9のいずれか一項に記載の害虫滑落性積層フィルムとを備えることを特徴とする、捕虫器。
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