JP7436809B2 - 防虫塗装基材およびその製造方法、ならびに外装建材 - Google Patents

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Description

本発明は、防虫塗装基材およびその製造方法、ならびに外装建材に関する。
従来、屋内において、食べ物屑が多い流し台、ガステーブルなどの台所設備の周辺や、使用時に暖気が発生する冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品の電気回路内またはその周辺には、ゴキブリなどの生活害虫が好んで営巣しやすい。また、屋外においても、例えば、自動販売機の外装板などは、灯りなどに誘発されて虫が侵入しやすい。したがって、屋内や屋外で使用される資材や建材には、虫の侵入や付着を抑制できることが求められている。
そのような防虫効果を有する塗装金属板としては、母材鋼板と、着色塗膜とを有し、着色塗膜が、樹脂と、着色顔料と、防虫剤として二塩基酸飽和ジアルキルエステル化合物および合成ピレスロイド系化合物と、紫外線吸収剤とを含む防虫塗装鋼板が知られている(例えば特許文献1)。しかしながら、防虫剤は、通常、揮発性を有するため、全てが揮発してしまうと、防虫効果を持続できないという問題があった。
これに対し、塗膜の表面に凹凸を付与することで、虫を滑落させやすくし、防虫効果を得る方法が検討されている。例えば基材フィルムと、複数の凸部からなる凹凸構造を有する硬化樹脂層とを有する虫滑落性フィルムが知られている(例えば特許文献2)。また、基材と、その一方の面に配置された、凹凸付与剤として15μmの平均粒子径を有するビーズ粒子を含む虫滑落層とを有する虫滑落性積層フィルムが知られている(例えば特許文献3)。これらのフィルムは、基材フィルムを、接着剤などで対象物に貼り付けて使用できるとされている。
特開2004-209788号公報 特開2013-99269号公報 特開2017-74003号公報
しかしながら、これらの虫滑落性フィルムを対象物の壁面に貼り付けても、十分な虫の滑落性、すなわち、十分な防虫効果は得られなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分な防虫効果を有し、かつその効果を持続可能な防虫塗装基材およびその製造方法、ならびに外装建材を提供することを目的とする。
本発明は、以下の防虫塗装基材およびその製造方法、ならびに外装建材に関する。
本発明の防虫塗装基材は、基材と、その上に配置された防虫塗膜とを有する防虫塗装基材であって、前記防虫塗膜は、樹脂と、平均一次粒子径が1~700nmの粒子とを含み、前記防虫塗膜の表面粗さRaは、0.04~0.20μmである。
本発明の外装建材は、本発明の防虫塗装基材を含む。
本発明の防虫塗装基材の製造方法は、硬化性樹脂と、平均一次粒子径が1~700nmの粒子と、硬化剤とを含み、不揮発成分量が50質量%以下である硬化性樹脂組成物を準備する工程と、基材の表面に、前記硬化性樹脂組成物を付与した後、硬化させて防虫塗膜を形成する工程とを有する。
本発明によれば、良好な防虫効果を有する防虫塗装基材およびその製造方法、ならびに外装建材を提供することができる。
図1AおよびBは、本実施の形態に係る防虫塗装基材の断面図である。
本発明者らは、塗膜の表面に凹凸を付与しつつ、その凹凸を適度に小さくすることで、良好な防虫効果が得られることを見出した。
虫滑落性のメカニズムは明らかではないが、虫の脚の裏と基材との接触面積が小さいと、虫は滑落すると考えられる。すなわち、表面粗さRaが大きすぎると、虫の脚の裏が大きな凹凸と接するため、接触面積が大きくなり滑落性は発現しにくい。また、表面粗さRaが小さすぎても、虫の脚の裏が平滑な面に接するため、接触面積が大きくなり、虫滑落性は発現しにくい。これに対し、表面粗さRaが適度に小さい塗膜を、例えば壁面に形成した場合、虫の脚の裏と接触面積は小さくなるため、虫が滑落しやすい(侵入しにくい)。このように塗膜の凹凸を適度に調整することで、良好な防虫性能を得ることができる。なお、特許文献3の実施例の塗膜の表面のRaは、0.5μm以上であることから、本願の凹凸よりも大きいことは明らかである。以下、本発明の防虫塗装基材の構成について、具体的に説明する。
1.防虫塗装基材
図1Aは、本実施の形態に係る防虫塗装基材の断面図であり、図1Bは、図1Aの部分拡大図である。
図1Aに示されるように、本実施の形態に係る防虫塗装基材10は、基材20と、その上に配置された防虫塗膜30とを有する。防虫塗膜30は、樹脂31と、粒子32とを含む。
1-1.基材
基材は、特に制限されず、金属板、樹脂フィルム、ガラス板のいずれであってもよい。
樹脂フィルムの例には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの樹脂フィルムが含まれる。
金属板は、公知の金属板から選ぶことができる。金属板の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn-Al合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板および銅板が含まれる。
金属板は、耐食性および軽量化の観点から、めっき鋼板またはステンレス鋼板であることが好ましく、さらに対費用効果の観点から、めっき鋼板であることが好ましい。また、金属板は、耐食性をより高める観点などから、溶融55%Al-Zn合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板であることが好ましい。これらのうち、溶融55%Al―Zn合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板であることが好ましい。
金属板の厚みは、防虫塗装金属板の用途に応じて適宜設定されうる。例えば、防虫塗装金属板の用途が外装建材である場合は、金属板の厚みは、例えば0.2~3.0mmであることが好ましく、加工性をより高める観点から、0.25~2.0mmであることが好ましい。
1-2.防虫塗膜
防虫塗膜は、基材の表面に接して、または他の塗膜を介して配置されている。防虫塗膜は、防虫塗装基材の最も外側に配置されていること、すなわち、最表層塗膜であることが好ましい。
前述の通り、防虫塗膜は、樹脂と、粒子とを含む(図1AおよびB参照)。
具体的には、防虫塗膜は、フッ素樹脂やアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂と、粒子とを含む樹脂組成物で構成されてもよいし、硬化性樹脂と、硬化剤と、粒子とを含む硬化性樹脂組成物の硬化物で構成されてもよい。中でも、最表面に配置される防虫塗膜は、十分な硬度および耐候性を有することが望まれることから、硬化性樹脂と、硬化剤と、粒子とを含む硬化性樹脂組成物の硬化物で構成されていることが好ましい。
1-2-1.硬化性樹脂
硬化性樹脂は、硬化剤と反応する官能基を有する樹脂であればよい。硬化剤と反応する基の例には、水酸基やエポキシ基、アミノ基などが含まれ、好ましくは水酸基である。そのような硬化性樹脂の例には、硬化性ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂および変性エポキシ樹脂などが含まれる。
(硬化性ポリエステル)
硬化性ポリエステル樹脂は、水酸基含有ポリエステル樹脂であることが好ましい。水酸基含有ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と、多価アルコール成分との重縮合物(オイルフリーポリエステル樹脂、油変性ポリエステル樹脂)やそれらの変性物(ウレタン変性物、エポキシ変性物)でありうる。
重縮合物を構成する多価カルボン酸成分は、脂肪族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸のいずれであってもよい。多価カルボン酸成分の例には、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などの二価のカルボン酸やそれらのエステル化物;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの三価以上の多価カルボン酸が含まれる。多価カルボン酸は、1種類で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、多価カルボン酸成分は、二価のカルボン酸(好ましくは芳香族二価カルボン酸)を含むことが好ましい。
重縮合物を構成する多価アルコール成分は、脂肪族多価アルコール、脂環式多価アルコール、芳香族多価アルコールのいずれであってもよい。多価アルコール成分の例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどの二価のアルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三価以上のアルコールが含まれる。多価アルコールは、1種類で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、多価アルコール成分は、三価以上のアルコール(好ましくは三価以上の脂肪族アルコール)を含むことが好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとの反応に加えて、油脂肪酸をさらに反応させたもの(油変性ポリエステル樹脂)であってもよい。油脂肪酸の例には、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸が含まれる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを反応させてなる低分子量の重縮合物の水酸基を、ポリイソシアネート化合物と反応させたものでありうる。用いられるポリイソシアネート化合物の例には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が含まれる。
エポキシ変性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを反応させて得られる重縮合物のカルボキシル基を、エポキシ基含有化合物と反応させて得られる反応生成物や;水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基と変性エポキシ樹脂の水酸基とを、ポリイソシアネート化合物を介して結合させた反応生成物が含まれる。
硬化性ポリエステル樹脂の水酸基価は、7~50mgKOH/gであることが好ましく、10~40mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が高いほど、得られる硬化物の架橋密度は高くなりやすく、弾性率も高くなりやすい。水酸基価は、試料1g中に含まれる水酸基をアセチル化させたときに、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数をいう。水酸基価は、JIS K 0070に準拠して測定することができる。
(硬化性アクリル樹脂)
硬化性アクリル樹脂は、特に制限されず、例えば分子内に水酸基を有するアクリル樹脂(水酸基含有アクリル樹脂、アクリルポリオールともいう)でありうる。水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有アクリルモノマーの(共)重合体でありうる。
水酸基含有アクリルモノマーの例には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー類、および水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー類へのγ‐ブチロラクトンの開環付加物が含まれる。水酸基含有アクリルモノマーは、一種類で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
水酸基含有アクリルモノマーと共重合されうる他のエチレン性不飽和モノマーの例には、水酸基を有しない(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類が含まれる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、特に制限されず、分子内に2以上のエポキシ基を有する樹脂(未変性エポキシ樹脂)でありうる。エポキシ樹脂の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールまたはアルキルフェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルであるノボラック型エポキシ樹脂が含まれる。
(変性エポキシ樹脂)
変性エポキシ樹脂は、上記エポキシ樹脂を、硬化剤と反応する官能基とエポキシ基と反応する基とを有する化合物と反応させて得られる樹脂(硬化剤と反応する官能基を有する変性エポキシ樹脂)である。変性エポキシ樹脂は、例えば、分子内にアミノ基やヒドロキシ基などのイソシアネート基と反応する官能基を有する変性エポキシ樹脂(例えばアミン変性されたエポキシ樹脂、またはアルカノールアミンなどのアミノアルコール変性されたエポキシ樹脂)でありうる。
これらの中でも、外装建材として用いる観点では、硬化性ポリエステル樹脂が好ましく、耐候性をさらに高めやすくする観点では、オイルフリーポリエステル樹脂がより好ましい。
硬化性樹脂の重量平均分子量は、2000~12000であることが好ましい。硬化性樹脂の重量平均分子量が12000以下であると、例えばピレスロイド系化合物などの低分子量成分をブリードアウトさせにくくしうる。一方、硬化性樹脂の重量平均分子量が2000以上であると、硬化物の強度や耐候性などを高めやすい。硬化性樹脂の重量平均分子量は、上記観点から3000~10000であることがより好ましい。
硬化性樹脂の重量平均分子量は、JIS K 0124-2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出することができる。具体的な測定条件は、後述する実施例における測定条件と同様としうる。
硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して10質量%以上50質量%以下であることが好ましい。硬化性樹脂の含有量が10質量%以上であると、基材との密着性が得られやすいだけでなく、粒子を安定に保持しやすい。硬化性樹脂の含有量が50質量%以下であると、得られる防虫塗膜が、十分な強度を有しうるだけでなく、良好な耐食性などを有しうる。同様の観点から、硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して10~20質量%であることがより好ましい。
1-2-2.硬化剤
硬化剤は、硬化性樹脂を硬化させるものであればよく、硬化性樹脂に応じて適宜選択されうる。例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂、アミン変性エポキシ樹脂などの水酸基またはアミノ基を有する硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤の例には、イソシアネート化合物やメラミン化合物が含まれる。エポキシ樹脂の硬化剤の例には、アミン化合物、酸無水物およびイミダゾール化合物が含まれる。
中でも、硬化性樹脂が水酸基含有ポリエステル樹脂であることが好ましいことから、硬化剤は、イソシアネート化合物またはメラミン化合物であることが好ましい。
イソシアネート化合物の例には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)などの脂肪族イソシアネート化合物;ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート化合物;メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、フェニレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート化合物が含まれる。中でも、良好な密着性を有するプライマー層を得る観点では、脂肪族イソシアネート化合物が好ましい。
メラミン化合物の例には、メラミンとアルデヒドを反応させて得られるメチロール化メラミン化合物や、そのメチロール基の少なくとも一部がアルコール類(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノールなどの1価アルコール)によってエーテル化されたものが挙げられる。
硬化剤の含有量は、硬化性樹脂に対して10~35質量%であることが好ましい。硬化剤の含有量が10質量%以上であると、硬化性樹脂を十分に硬化させうるため、十分な強度の防虫塗膜が得られやすい。硬化剤の含有量が35質量%以下であると、未反応のまま残留する硬化剤を少なくしうる。
1-2-3.粒子
粒子は、防虫塗膜の表面に凹凸を付与する。すなわち、粒子の少なくとも一部は、防虫塗膜の表面から露出して、凸部を形成しうる。
そのような粒子の平均一次粒子径は、1~700nmであることが好ましい。すなわち、粒子の平均粒子径が上記範囲内であると、防虫塗膜の表面に形成された凹凸と虫の脚の裏が接する面積が小さくなるため、虫を滑落させやすい。同様の観点から、粒子の平均一次粒子径は、7~440nmであることがより好ましい。
防虫塗膜に含まれる粒子の平均一次粒子径は、以下の手順で測定することができる。
まず、防虫塗膜の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する。得られた電子像の画像において、任意の50粒子の一次粒子径を測定した後、それらの平均値を「平均一次粒子径」としうる。
粒子の種類は、特に制限されないが、無機粒子であってもよいし、有機粒子であってもよい。
無機粒子の例には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄(ベンガラ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化クロム、酸化コバルトなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属化合物、Al粉、Ni粉、Cu粉などの金属などの粒子が含まれる。
有機粒子の例には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾクアナミン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、およびフッ素樹脂などの樹脂粒子が含まれる。
中でも、コストの観点から、無機粒子が好ましく、製造しやすい観点から、金属酸化物の粒子であることがより好ましく、シリカ粒子が特に好ましい。
シリカ粒子は、樹脂への分散性を高めて、凝集しにくくする観点から、疎水化剤で表面処理されていてもよい。疎水化剤で表面処理されるとは、シリカ粒子の表面のヒドロキシ基の水素原子が、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、オクチルシリル基、ジメチルポリシロキサン基などのシリル基で置換されることをいう。
表面処理に用いられる疎水化剤の例には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどのアルコキシシラン類;トリエチルシラン、オクチルシランなどのアルキルシラン類;ヘキサメチルジシラザンなどのシラザン類;ジメチルシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル;アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル類;ヘキサメチルシクロトリシロキサンなどのシロキサン類が含まれる。
粒子の含有量は、粒子の粒径や種類にもよるが、防虫塗膜の表面に適度な凹凸を形成する観点では、樹脂(好ましくは硬化性樹脂)に対して10~400質量%であることが好ましい。粒子の含有量が10質量%以上であると、防虫塗膜の表面に適度の数の凸部を形成しうるため、虫の滑落性を高めやすく、400質量%以下であると、粒子の塗料に対する吸油量を越えにくいため、塗料としてのハンドリング性が損なわれにくい。同様の観点から、粒子の含有量は、樹脂(好ましくは硬化性樹脂)に対して20~300質量%であることがより好ましい。あるいは、粒子の含有量は、樹脂(好ましくは硬化性樹脂)に対して10~50体積%としてもよい。
1-2-4.他の成分
最表面に配置される防虫塗膜を構成する硬化性樹脂組成物は、必要に応じて上記以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分の例には、防虫剤や紫外線吸収剤などが含まれる。
(防虫剤)
最表面に配置される防虫塗膜を構成する硬化性樹脂組成物は、防虫剤をさらに含んでもよい。それにより、防虫塗装基材の防虫性能を一層高めうる。防虫剤の種類は、特に制限されないが、その例には、ピレスロイド系化合物が含まれる。
ピレスロイド系化合物は、特に制限されないが、25℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下のピレスロイド系化合物が好ましい。このようなピレスロイド系化合物は、防虫塗膜から揮発しにくいため、耐候性試験後においても良好な防虫性能を維持しうる。ピレスロイド系化合物の25℃における蒸気圧は、上記観点から、1×10-11~1×10-5Paであることが好ましく、1×10-10~1×10-6Paであることがより好ましい。
ピレスロイド系化合物の25℃における蒸気圧は、OECDテストガイドラインの104に記載の気体飽和法により測定することができる。
25℃における蒸気圧が1×10-5Pa以下のピレスロイド系化合物の例には、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、レスメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、およびエトフェンプロックスが含まれる。中でも、初期だけでなく、耐候性試験後においても、良好な防虫性能を維持できる観点から、ペルメトリンおよびエトフェンプロックスが好ましい。
ピレスロイド系化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して0.5~10質量%であることが好ましい。ピレスロイド系化合物の含有量が0.5質量%以上であると、耐候性試験後においても、紫外線などにより分解されないピレスロイド系化合物が適度に残るため、耐候性試験後においても良好な防虫性能を維持しうる。ピレスロイド系化合物の含有量を10質量%以下であると、費用を増大させることなく、高い防虫性能が得られる。ピレスロイド系化合物の含有量は、上記観点から、硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して1~10質量%であることがより好ましい。
ピレスロイド系化合物の含有量は、ガスクロマトグラフ法、ガスクロマトグラフ質量分析法、または高速液体クロマトグラフ法によって確認することができる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、特に制限されないが、焼き付け温度でも良好な耐熱性を有する観点から、トリアジン系紫外線吸収剤、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。中でも、良好な耐熱性を有する観点から、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤は、一種類で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
そのような紫外線吸収剤の例には、TINUVIN 384、TINUVIN 400、TINUVIN 411L、TINUVIN 900、TINUVIN 928(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカル社製)が含まれる。
紫外線吸収剤の含有量は、例えば硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して10質量%未満でありうる。
(防虫塗膜の表面形状について)
防虫塗膜の表面には、粒子の一部が露出していることで、複数の凸部が形成されている(図1AおよびB参照)。
具体的は、防虫塗膜の表面粗さRa(粗さ曲線の算術平均高さ)は、測定長さ50μmにおいて、0.04~0.2μmであることが好ましい。防虫塗膜の表面粗さRaが上記範囲内であると、防虫塗膜と虫の脚の裏が接する面積が小さくなるため虫を滑落させやすい。同様の観点から、Raは、0.08~0.17μmであることがより好ましい。
防虫塗膜の表面の十点平均高さRzjis(粗さ曲線における十点平均高さ)は、特に制限されないが、0.10~0.8μmであることが好ましい。Rzjisが上記範囲内であると、防虫塗膜と虫の脚の裏が接する面積が小さくなるため、虫を滑落させやすい。同様の観点から、Rzjisは、0.2~0.6μmであることがより好ましい。
防虫塗膜の表面粗さRaおよび十点平均高さRzjisは、JIS B 0601-2001(ISO 4287-1997)に準拠して測定することができる。
防虫塗膜の表面の要素の平均長さRsm(粗さ曲線要素の平均長さ)は、特に制限されないが、5.0~18.0μmであることが好ましい。Rsmが上記範囲内であると、凸部が適度に密集しているため、虫が滑落しやすい(侵入しにくい)。同様の観点から、Rsmは、7.0~15.0μmであることが好ましい。
防虫塗膜の表面のRaやRzjis、Rsmは、任意の方法、例えば防虫塗膜に含まれる粒子の大きさ(平均一次粒子径)や含有量、分散状態、塗膜の厚み(T)と粒子の平均一次粒子径(R)との比率などによって調整することができる。
例えば、Raを小さくする場合、平均一次粒子径が小さい粒子(例えば100nm以下)の配合量を少なくし、平均一次粒子径が大きい粒子(例えば100nm超)の配合量は多くすることが好ましい。Rzjisを小さくする場合、例えば粒子の平均一次粒子径(R)やR/Tは小さくすることが好ましく、分散状態は高くする(凝集させにくくする)ことが好ましい。Rsmを小さくする場合、塗膜に含まれる粒子の大きさ(平均一次粒子径)を小さくしたり、含有量を多くしたりすることが好ましい。
(厚み)
防虫塗膜の厚み(T)は、上記のような表面形状(RaやRzjis、Rsm)が得られる程度であれば特に制限されないが、例えば0.1~5μmであることが好ましい。防虫塗膜の厚みが、5μm以下であると、粒子を塗膜の表面から露出または突出させやすく、表面に適度な凹凸を形成しやすい。防虫塗膜の厚みが0.1μm以上であると、基材の表面を十分に被覆しうるため、十分な耐食性が得られやすい。同様の観点から、防虫塗膜の厚み(T)は、1~3μmであることがより好ましい。
なお、防虫塗膜の厚み(T)は、(凸部となる)粒子の露出または突出した部分を含まない塗膜の厚みをいう(図1B参照)。具体的には、塗膜の厚み方向に沿った断面において、凸部間の底部(最も高さが低い部分)を結んだ線と、塗膜の底面(基材30側の面)との距離の平均値として求めることができる。
また、防虫塗膜の厚み(T)と粒子の平均一次粒子径(R)との比(R/T)は、平均一次粒子径(R)によっても異なるが、例えば0.0002~7でありうる。具体的には、粒子の平均一次粒子径(R)が200nm以下である場合、R/Tは、0.0002~0.01であることが好ましく、0.001~0.01であることがより好ましい。粒子の平均一次粒子径(R)が200nm超である場合、R/Tは、0.13~7であることが好ましく、0.13~5であることがより好ましい。R/Tが一定以上であると、粒子の大きさが相対的に大きいため、粒子が塗膜の表面から露出しやすく、上記のような表面形状を形成しやすい。
1-3.その他の塗膜
防虫塗装基材は、必要に応じて上記防虫塗膜以外の他の塗膜をさらに有していてもよい(不図示)。基材が金属板である場合、他の塗膜の例には、化成処理皮膜や下塗り塗膜、上塗り塗膜が含まれる。また、基材が樹脂フィルムである場合、他の塗膜の例には、基材の裏面(防虫塗膜とは反対側の面)に配置された接着層や表面に配置された下塗り塗膜などが含まれる。以下、防虫塗装基材の基材が金属板である例で説明する。
1-3-1.化成処理皮膜
化成処理皮膜は、防虫塗装金属板の密着性や耐食性を向上させる目的で、金属板上に直接、すなわち、金属板と上塗り塗膜との間に配置されうる。化成処理皮膜は、金属板の表面に接して形成された層であり、塗装前処理によって金属板の表面に付着した組成物で構成される。化成処理層の例には、非クロメート系皮膜、およびクロメート系皮膜が含まれる。これらは、いずれも防錆処理による皮膜である。
非クロメート系皮膜は、耐食性を高める観点および防虫塗装金属板の製造および使用における環境への負荷を軽減する観点から好ましく、クロメート系皮膜は、耐食性を高める観点から好ましい。
非クロメート系皮膜の例には、Ti-Mo複合皮膜、フルオロアシッド系皮膜、リン酸塩皮膜、樹脂系皮膜、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜、シリカ系皮膜、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜、ジルコニウム系皮膜、ならびに、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜などが含まれる。
非クロメート系皮膜の付着量は、その種類に応じて適宜に決めることができる。例えば、Ti-Mo複合皮膜の付着量は、全TiおよびMo換算で10~500mg/mであることが好ましく、フルオロアシッド系皮膜の付着量は、フッ素換算または総金属元素換算で3~100mg/mであることが好ましく、リン酸塩皮膜の付着量は、リン元素換算で0.1~5g/mであることが好ましく、樹脂系皮膜の付着量は、樹脂換算で1~500mg/mであることが好ましく、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~50mg/mであることが好ましく、シリカ系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~200mg/mであることが好ましく、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~200mg/mであることが好ましく、ジルコニウム系皮膜の付着量は、Zr換算で0.1~100mg/mであることが好ましく、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Zr換算で0.1~100mg/mであることが好ましい。
クロメート系皮膜の例には、塗布型クロメート処理皮膜、およびリン酸-クロム酸系処理クロメート防錆処理皮膜が含まれる。これらのクロメート系皮膜の付着量は、いずれも、クロム元素換算で20~80mg/mであることが好ましい。
1-3-2.下塗り塗膜
下塗り塗膜は、防虫塗装金属板における上記塗膜の密着性や耐食性を高める観点から、金属板と上塗り塗膜との間、または化成処理皮膜と上塗り塗膜との間に配置されうる。
下塗り塗膜は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成されうる。熱可塑性樹脂の例には、ポリエステル樹脂、変性シリコン樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂および塩化ビニル樹脂などが含まれる。
また、下塗り塗膜は、硬化性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されてもよい。硬化性樹脂および硬化剤は、上記塗膜を構成する硬化性樹脂および硬化剤として挙げたものと同様のものを用いることができる。
中でも、下塗り塗膜は、硬化性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物からなることが好ましく、化成処理皮膜との密着性および上塗り塗膜との密着性が得られやすい観点などから、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物からなることがより好ましい。
下塗り塗膜を構成する樹脂組成物または硬化性樹脂組成物は、防錆顔料粒子などの添加剤をさらに含有していてもよい。防錆顔料粒子の例には、変性シリカ、バナジン酸塩、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、およびポリリン酸アルミニウムなどを含む非クロム系の防錆顔料の粒子、ならびに、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウムなどを含むクロム系防錆顔料の粒子などが含まれる。
下塗り塗膜に含まれる防錆顔料の量は、所望の防錆性能が得られる程度であればよく、例えば10~70質量%とすることができる。
下塗り塗膜の厚みは、特に制限されないが、例えば1~10μmであることが好ましく、3~7μmであることがより好ましい。
1-3-3.上塗り塗膜
上塗り塗膜は、下塗り塗膜と防虫塗膜との間に配置されうる。上塗り塗膜は、防虫塗装基材の意匠性や耐食性などを向上させうる。
上塗り塗膜を構成する樹脂(ベース樹脂)の種類は、特に限定されない。上塗り塗膜を構成する樹脂の例には、ポリエステルやエポキシ樹脂、アクリル樹脂などが含まれる。これらの樹脂は、硬化剤により架橋されていてもよい。硬化剤の種類は、使用する樹脂の種類や焼付け条件などに応じて、適宜選択すればよい。硬化剤の例には、メラミン化合物やイソシアネート化合物などが含まれる。メラミン化合物の例には、イミノ基型、メチロールイミノ基型、メチロール基型または完全アルキル基型のメラミン化合物が含まれる。
上塗り塗膜は、透明であっても、透明でなくてもよいが、防虫塗膜が透明である場合は、意匠性を高める観点から、上塗り塗膜は透明でないこと(つまり、着色されていること)が好ましい。すなわち、上塗り塗膜は、任意の着色顔料を含むことが好ましい。着色顔料の例には、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、鉄黒、チタンイエロー、ベンガラ、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、コバルトグリーン、モリブデン赤などの無機顔料;CoAl、CoCrAl、CoCrZnMgAl、CoNiZnTi、CoCrZnTi、NiSbTi、CrSbTi、FeCrZnNi、MnSbTi、FeCr、FeCrNi、FeNi、FeCrNiMn、CoCr、Mn、Co、SnZnTiなどの金属成分を含む複合酸化物焼成顔料;Al、樹脂コーティングAl、Niなどのメタリック顔料;および、リソールレッドB、ブリリアントスカーレットG、ピグメントスカーレット3B、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、レーキレッドD、パーマネントレッド4R、ボルドー10B、ファストイエローG、ファストイエロー10G、パラレッド、ウォッチングレッド、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、ボンマルーンL、ボンマルーンM、ブリリアントファストスカーレット、バーミリオンレッド、フタロシアニンブロー、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー、アニリンブラックなどの有機顔料;が含まれる。また、上塗り塗膜には、体質顔料などの他の顔料を配合してもよい。体質顔料の例には、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウムなどが含まれる。上塗り塗膜の着色顔料の含有量は、特に制限されないが、例えば0~70質量%とすることができる。
上塗り塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5~30μmが好ましい。膜厚が5μm以上であると、所望の外観を付与しやすく、30μm以下であると、塗料の乾燥時にワキが発生することによる外観不良や加工性の低下を生じにくい。
1-4.用途
本実施の形態に係る防虫塗装基材は、前述の通り、優れた防虫性能を有するため、各種資材や建材(内装建材や外装建材)として好ましく用いることができる。
2.防虫塗装基材の製造方法
防虫塗装基材は、任意の方法で製造することができる。例えば、防虫塗装基材は、1)硬化性樹脂組成物を準備する工程と、2)得られた硬化性樹脂組成物を、基材の表面に付与した後、硬化させて防虫塗膜を形成する工程とを有する。
1)の工程(硬化性樹脂組成物を準備する工程)について
前述の硬化性樹脂、硬化剤および粒子を含む硬化性樹脂組成物を準備する。
硬化性樹脂組成物は、上記成分以外に水または溶剤をさらに含みうる。溶剤の例には、トルエン、キシレンなどの炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、セロソルブなどのエーテル、および、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトンが含まれる。
上記のような表面形状を有する塗膜を得る観点から、硬化性樹脂組成物の粘度は、低いことが好ましい。硬化性樹脂組成物の粘度を低くすることで、粒子の平均一次粒子径(R)に対して防虫塗膜の厚み(T)を相対的に薄くなるため、防虫塗膜の表面から粒子を露出させやすく、防虫塗膜の表面に凹凸を形成しやすい。
具体的には、硬化性樹脂組成物の不揮発成分の量は、50質量%以下であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、10~20質量%であることがさらに好ましい。不揮発成分の量とは、硬化性樹脂組成物の全量に対する、水や溶剤などの揮発成分以外の不揮発成分(固形分)の量をいう。不揮発成分の量が少ないと、硬化性樹脂組成物の粘度も低くなりやすい。
2)の工程(防虫塗膜を形成する工程)について
次いで、得られた硬化性樹脂組成物を、基材の表面に付与する。
硬化性樹脂組成物の付与は、例えばロールコート、カーテンフローコート、スプレーコート、浸漬コートなどの公知の方法によって行うことができる。
そして、基材の表面に付与した防虫塗膜を、硬化させる(焼き付ける)。具体的には、硬化性樹脂組成物から溶剤を揮発させるとともに、当該硬化性樹脂組成物を硬化させる。それにより、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる防虫塗膜を得る。
硬化性樹脂組成物の焼き付けは、加熱により行うことができる。焼き付けは、例えば到達板温200~280℃で20~80秒間行うことが好ましい。
他の工程について
防虫塗装基材の製造方法は、必要に応じて上記以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。例えば、基材が金属板である場合、他の工程の例には、3)化成処理皮膜を形成する工程(化成処理工程)や、4)下塗り塗膜を形成する工程が含まれる。
3)の工程(化成処理皮膜を形成する工程)について
化成処理皮膜を形成する工程は、2)の工程(塗膜を形成する工程)の前に行うことができる。具体的には、化成処理皮膜は、金属板の表面に、化成処理液を、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法などの公知の方法で金属板の表面に塗布した後、乾燥させ得ることができる。
乾燥温度および乾燥時間は、生産性の観点から、例えば、金属板の到達温度で60~150℃、2~10秒間としうる。
4)の工程(下塗り塗膜を形成する工程)について
下塗り塗膜を形成する工程は、2)の工程(塗膜を形成する工程)の前、または、3)の工程(化成処理皮膜を形成する工程)と2)の工程(塗膜を形成する工程)の間に行うことができる。具体的には、下塗り塗膜は、基材または化成処理皮膜の表面に、下塗り塗料(下塗り塗膜用の樹脂組成物または硬化性樹脂組成物)を塗布した後、乾燥および硬化させて得ることができる。下塗り塗料は、必要に応じて、溶剤や添加剤を含んでいてもよい。
硬化温度(焼き付け温度)は、例えば、基材の到達温度で180~260℃としうる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.塗装原板の作製
(塗装原板1の作製)
1-1.金属板の準備
基材として、溶融55%Al―Zn合金めっき鋼板(板厚0.35mm、両面付着量150g/m)を、アルカリ脱脂したものを準備した。
1-2.化成処理
次いで、上記めっき鋼板の表面に、日本ペイント株式会社製の「サーフコートNRC300NS」(「サーフコート」は同社の登録商標)のクロメート処理液を塗布し、塗布後のめっき鋼板を水洗することなく100℃で乾燥させた。それにより、全クロム換算付着量30mg/mの付着量のクロメート処理(化成処理皮膜の形成)を行った。
1-3.下塗り塗膜の形成
次いで、上記めっき鋼板のクロメート処理面に、下記組成を有するエポキシ樹脂系下塗り塗料を塗布した後、めっき鋼板の到達温度が200℃となるように加熱し、乾燥膜厚が5μmの下塗り塗膜を有する塗装原板1を得た。
リン酸塩混合物(防錆顔料):平均一次粒子径10μm、23質量%(固形分)
硫酸バリウム(体質顔料):平均一次粒子径1μm、15質量%(固形分)
シリカ(体質顔料):平均一次粒子径4μm、1質量%(固形分)
エポキシ樹脂系ベース塗料:60質量%(固形分)
(塗装原板2の作製)
塗装原板1の下塗り塗膜の表面に、市販のポリエステル系クリアー塗料、日本ファインコーティングス株式会社製の「CAクリアー」(硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤とを含む塗料)に着色顔料としてカーボンブラックを10質量%(7体積%)配合した塗料を塗布した後、めっき鋼板の到達温度が220℃となるように加熱し、乾燥膜厚が15μmの上塗り塗膜を形成した。それにより、金属板、下塗り塗膜、および上塗り塗膜を有する塗装原板2を得た。
(塗装原板3の作製)
溶融55%Al―Zn合金めっき鋼板(板厚0.35mm、両面付着量150g/m)を、アルカリ脱脂したものを、塗装原板3とした。
(塗装原板4の作製)
特許文献3の実施例1を模擬して、平均粒子径15μmの凹凸付与剤を樹脂組成物100質量部に対して10質量部含むインキ原料(東京インキ社製、商品名:LG-HTリケイ剤B)10質量部と、酢酸エチル40質量部とを混合して、下塗り塗料を得た。
これを、上記めっき鋼板のクロメート処理面に、乾燥状態での膜密度が0.5g/mとなるように塗布した後、めっき鋼板の到達温度が200℃となるように加熱し、下塗り塗膜を有する塗装原板4を得た。
2.塗装金属板の作製および評価
2-1.防虫塗料の材料
(硬化性ポリエステル)
硬化性ポリエステル:水酸基含有ポリエステル(重量平均分子量3000、水酸基価37mgKOH/g)
硬化性ポリエステルの重量平均分子量および水酸基価は、以下の方法で測定した。
〔重量平均分子量〕
JIS K 0124-2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した。測定条件は、以下の通りとした。
(測定条件)
カラム種類:TSKgel SuperHM-H(6.0mmI.D×15cm×2本)
溶離液:THF
カラム温度:40℃
検出器:RI
〔水酸基価〕
水酸基価は、JIS K 0070に準拠して測定した。
(硬化剤)
メラミン化合物(三井サイテック社製サイメル303)
(顔料粒子)
シリカ粒子1:平均一次粒子径1nm、疎水化処理:無し
シリカ粒子2:平均一次粒子径170nm、疎水化処理:有り
シリカ粒子3:平均一次粒子径700nm、疎水化処理:無し
シリカ粒子4:平均一次粒子径5000nm、疎水化処理:無し
アクリル粒子:株式会社日本触媒 MX020W、平均一次粒子径20nm
べんがら(酸化鉄粒子):株式会社尾関 BAYFERROX140M、平均一次粒子径300nm
粒子(艶消し剤):信越化学工業社製X-52-1621(シリコーンレジンパウダー)、平均一次粒子径5μm
(その他)
防虫剤:ペルメトリン(大和化学工業株式会社製、25℃における蒸気圧6.82×10-7kPa)
2-2.防虫塗料(硬化性樹脂組成物)の調製
(防虫塗料1~13、15~18、21~24および26~45の調製)
塗料中の組成が表1または2に示される組成となるように、硬化性ポリエステル樹脂、硬化剤、粒子、および溶媒としてベンゼン、トルエンおよびキシレンを混合して、防虫塗料1~13、15~18、21~24および26~45を得た。
(防虫塗料25の調製)
塗料中の組成が表1に示される組成となるように、上記防虫剤(ペルメトリン)をさらに添加した以外は防虫塗料1と同様にして防虫塗料25を得た。
2-3.塗装金属板の作製および評価
(塗装金属板1~13、15~18、21~24、29および32~55の作製)
準備しておいた塗装原板1の表面に、表1または2に示される防虫塗料を、塗布して、到達温度230℃で50秒間、焼き付けした(硬化させた)。それにより、塗装原板の表面に、表1または2に示される厚みの防虫塗膜(硬化性樹脂組成物の硬化物からなる塗膜)を有する塗装金属板1~13、15~18、21~24、29および32~55を作製した。
(塗装金属板25~28の作製)
防虫塗膜の厚みを表1のように変更した以外は塗装金属板1または7と同様にして塗装金属板25~28を得た。
(塗装金属板30および31の作製)
塗装原板の種類を表1のように変更した以外は塗装金属板1と同様にして塗装金属板30および31を得た。
(塗装金属板56の作製)
塗装原板4上に、得られた下塗り塗膜上に、防虫塗料4を、乾燥状態での微粒子の付着量が0.2g/mとなるように塗布した以外は実施例4と同様にして、塗装金属板56を得た。
(評価)
得られた塗装金属板1~13、15~18、21~56の防虫塗膜の表面粗さRa、十点平均高さRzjis、要素の平均長さRsm、ならびに虫の滑落性(クロヤマアリおよびハエトリグモの滑落性)を、以下の方法で評価した。
(表面粗さRa、十点平均高さRzjis、要素の平均長さRsm)
表面粗さRa、十点平均高さRzjisおよび要素の平均長さRsmは、JIS B 0601-2001(ISO 4287-1997)に準拠して測定長さ50μmにおける値として測定した。
(虫の滑落性)
得られた塗装金属板を、100mm角に切り4枚を張り合わせて、四角柱を作成した。その中に10匹の虫を入れて、四角柱の内壁面を這い上がり、虫が出てくることができるかどうかを目視により観察した。評価は、クロヤマアリ(Formica japonica)とハエトリグモ(jumping spider)のそれぞれについて行った。
そして、以下の基準で評価した。
◎:10匹とも全く登れない
○:3~9匹は全く登れない
△:1または2匹は登れないが、それ以外は登ることができる
×:10匹とも全く滑らずに登れる
○以上であれば良好と判断した。
塗装金属板1~13、15~18、21~31の評価結果を表1に示し、塗装金属板32~56の評価結果を表2に示す。
Figure 0007436809000001
Figure 0007436809000002
表1に示されるように、防虫塗膜の表面のRaが0.04~0.20μmの範囲内である塗装金属板1~13、15~18、21~31では、虫の滑落性に優れ、十分な防虫性能が得られることがわかる。
特に、防虫塗料中の不揮発成分量を少なくすることで、RaやRzjisを適度に高めうることがわかる(塗装金属板1~9と塗装金属板10~13及び15~18との対比)。
これに対して、表2に示されるように、防虫塗膜の表面のRaが0.04μm未満または0.20μm超である塗装金属板32~56(比較例)では、虫の滑落性が低く、十分な防虫性能が得られないことがわかる。
本発明の防虫塗装基材は、良好な防虫性能を有するため、例えば各種資材や建材として好適である。
10 防虫塗装基材
20 基材
30 塗膜(上塗り塗膜)
31 樹脂
32 粒子

Claims (12)

  1. 基材と、その上に配置された防虫塗膜とを有する防虫塗装基材であって、
    前記防虫塗膜は、樹脂と、平均一次粒子径が1~700nmの粒子とを含み、前記防虫塗膜の表面粗さRaは、0.04~0.20μmであり、
    前記防虫塗膜の表面の十点平均高さRzjisは、0.10~0.80μmであり、
    前記防虫塗膜の表面の要素の平均長さRsmは、5~18μmである、
    防虫塗装基材。
  2. 前記粒子は、無機粒子である、
    請求項に記載の防虫塗装基材。
  3. 前記無機粒子は、金属酸化物の粒子である、
    請求項に記載の防虫塗装基材。
  4. 前記粒子の含有量は、前記樹脂に対して10~400質量%である。
    請求項1~のいずれか一項に記載の防虫塗装基材。
  5. 前記防虫塗膜は、硬化性樹脂と、前記粒子と、硬化剤とを含む硬化性樹脂組成物の硬化物である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の防虫塗装基材。
  6. 前記硬化性樹脂は、硬化性ポリエステル樹脂である、
    請求項に記載の防虫塗装基材。
  7. 前記防虫塗膜は、ピレスロイド系化合物をさらに含む、
    請求項1~のいずれか一項に記載の防虫塗装基材。
  8. 前記基材は、金属板である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の防虫塗装基材。
  9. 前記防虫塗膜は、前記防虫塗装基材の最も外側に配置されている、
    請求項1~のいずれか一項に記載の防虫塗装基材。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載の防虫塗装基材を含む、
    外装建材。
  11. 硬化性樹脂と、平均一次粒子径が1~700nmの粒子と、硬化剤とを含み、不揮発成分量が50質量%以下である硬化性樹脂組成物を準備する工程と、
    基材の表面に、前記硬化性樹脂組成物を付与した後、硬化させて防虫塗膜を形成する工程と
    を有する、
    防虫塗装基材の製造方法。
  12. 前記粒子の含有量は、前記硬化性樹脂に対して10~400質量%である、
    請求項11に記載の防虫塗装基材の製造方法。
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