JP3469791B2 - 塗料組成物及びこの組成物からの塗膜を有する塗装金属板 - Google Patents

塗料組成物及びこの組成物からの塗膜を有する塗装金属板

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JP3469791B2
JP3469791B2 JP30180098A JP30180098A JP3469791B2 JP 3469791 B2 JP3469791 B2 JP 3469791B2 JP 30180098 A JP30180098 A JP 30180098A JP 30180098 A JP30180098 A JP 30180098A JP 3469791 B2 JP3469791 B2 JP 3469791B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性、密着性及
び耐沸騰水性に優れた非クロム系塗料組成物、及び該塗
料組成物の塗膜が形成されてなる塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
コイルコーティングなどによって塗装されたプレコート
鋼板などのプレコート金属板は、建築物の屋根、壁、シ
ャッター、ガレージなどの建築資材、各種家電製品、配
電盤、冷凍ショーケース、鋼製家具及び厨房器具などの
住宅関連商品として幅広く使用されている。
【0003】プレコート鋼板からこれらの住宅関連商品
を製造するには、通常、プレコート鋼板を切断しプレス
成型し接合される。したがって、これらの住宅関連商品
には、切断面である金属露出部やプレス加工によるワレ
発生部が存在することが多い。上記金属露出部やワレ発
生部は、他の部分に比べて耐食性が低下しやすいので耐
食性の向上のため、プレコート鋼板の下塗塗膜中にクロ
ム系の防錆顔料を含ませることが一般的に行われてい
る。
【0004】しかしながら、クロム系の防錆顔料は、防
錆性に優れた6価クロムを含有していたり生成したりす
るが、この6価クロムは人体に悪影響を与えるので環境
保護の観点から問題となっている。
【0005】これまで、非クロム系の防錆顔料として
は、燐酸亜鉛、トリポリ燐酸アルミニウム、モリブデン
酸亜鉛など数多くのものが市場に出ているが、クロム系
の防錆顔料に比べて防錆性が大きく劣り、また多量に使
用すると耐沸騰水性が劣ることが多いので、プレコート
鋼板製造においてクロム系の防錆顔料を代替えするまで
には至っていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、非
クロム系であって、耐食性、密着性及び耐沸騰水性など
に優れた塗膜を形成できる塗料を得るために鋭意研究を
行った結果、通常、艶消し剤などの用途に使用されてい
るシリカ微粒子のうち特定のものを使用し、特定範囲の
ガラス転移点の硬化塗膜を形成できる塗料とすることに
より上記目的を達成できることを見出し本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)ポリエステル
樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる水酸基又はエポキシ
基を含有する少なくとも1種の有機樹脂(a)とアミノ
樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物及び多価カ
ルボン酸硬化剤から選ばれる少なくとも1種の硬化剤
(b)との混合物である塗膜形成性樹脂100重量部に
対して、(B)吸油量が30〜200ml/100gの
範囲内であり且つ細孔容積が0.05〜1.2ml/g
の範囲内であるシリカ微粒子を30〜80重量部含有す
る塗料であって、かつ該塗料から形成される硬化塗膜の
ガラス転移温度が40〜125℃の範囲内であることを
特徴とする塗料組成物を提供するものである。
【0008】また、本発明は、化成処理されていてもよ
い金属板上に、上記塗料組成物の塗膜が形成されてなる
ことを特徴とする塗装金属板を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗料組成物につい
て詳細に説明する。
【0010】塗膜形成性樹脂(A) 本発明組成物において、(A)成分である塗膜形成性樹
脂としては、塗膜形成能を有する樹脂であり、ポリエス
テル樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる水酸基又はエポ
キシ基を含有する少なくとも1種の有機樹脂(a)とア
ミノ樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物及び多
価カルボン酸硬化剤から選ばれる少なくとも1種の硬化
剤(b)との混合物を挙げることができる。
【0011】上記水酸基又はエポキシ基を含有する有機
樹脂(a)としては、特に水酸基含有ポリエステル樹脂
及びエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂が
好適である。上記有機樹脂(a)は、通常、樹脂酸価が
50mgKOH/g未満である。
【0012】上記有機樹脂(a)として好適な水酸基含
有ポリエステル樹脂としては、オイルフリーポリエステ
ル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変
性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン
変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、ア
クリル変性ポリエステル樹脂などが包含される。上記水
酸基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量1,500
〜35,000、好ましくは2,000〜25,00
0、ガラス転移温度(Tg点)10〜100℃、好まし
くは20℃〜80℃、水酸基価2〜100mgKOH/
g、好ましくは5〜80mgKOH/gを有するものが
好適である。
【0013】本発明において、樹脂のガラス転移温度
(Tg)は、示差走査型熱分析(DSC)によるもので
あり、また数平均分子量はゲル透過クロマトグラフィ
(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用い
て測定したものである。
【0014】上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多
塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物から
なるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フ
マル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸など
から選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級
アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じ
て安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸など
の一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセ
ントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上
の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分とし
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオー
ル、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要
に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上
の多価アルコールを併用することができる。これらの多
価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使
用することができる。両成分のエステル化又はエステル
交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことがで
きる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、
及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ま
しい。
【0015】アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエ
ステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂
肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであっ
て、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂
肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油
脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げ
ることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特
に5〜20%程度のものが好ましい。
【0016】ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、
上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフ
リーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及
びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイ
ルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合
物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられ
る。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド
樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成
分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポ
リイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せ
しめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹
脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用し
うるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙
げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタ
ン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量が
ウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変
性度合のものを好適に使用することができる。
【0017】エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、
上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造
したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル
基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステ
ル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイ
ソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポ
リエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフ
トなどの反応による反応生成物を挙げることができる。
かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度
合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエ
ステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であ
ることが好適である。
【0018】アクリル変性ポリエステル樹脂としては、
上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造
したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル
基又は水酸基にこれらの基と反応性を有する基、例えば
カルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を含有するアク
リル樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂に(メ
タ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどをパ
ーオキサイド系重合開始剤を使用してグラフト重合して
なる反応生成物を挙げることができる。かかるアクリル
変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、
アクリル樹脂の量がアクリル変性ポリエステル樹脂に対
して、0.1〜50重量%となる量であることが好適で
ある。
【0019】以上に述べたポリエステル樹脂のうち、な
かでもオイルフリーポリエステル樹脂、エポキシ変性ポ
リエステル樹脂が、加工性、耐食性などのバランスの点
から好適である。
【0020】前記有機樹脂(a)として好適なエポキシ
樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂中のエポキ
シ基又は水酸基に各種変性剤が反応せしめられた変性エ
ポキシ樹脂を挙げることができる。変性エポキシ樹脂の
製造において、その変性剤による変性時期は、特に限定
されるものではなく、エポキシ樹脂製造の途中段階に変
性してもエポキシ樹脂製造の最終段階に変性してもよ
い。
【0021】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例
えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に
応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで
縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノ
ールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在
下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低
分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応さ
せることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
【0022】上記ビスフェノールとしては、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフ
ェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキ
シビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス
(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタ
ンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノール
A、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフ
ェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用
することができる。
【0023】ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品と
しては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製の、エピ
コート828、同812、同815、同820、同83
4、同1001、同1004、同1007、同100
9、同1010;旭チバ社製の、アラルダイトAER6
099;及び三井化学(株)製の、エポミックR−30
9などを挙げることができる。
【0024】また、エポキシ樹脂として使用できるノボ
ラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノー
ルグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラッ
ク型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0025】前記変性エポキシ樹脂としては、上記ビス
フェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹
脂に、例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエス
テル樹脂;アクリル酸又はメタクリル酸などを含有する
重合性不飽和モノマー成分を反応させたエポキシアクリ
レート樹脂;イソシアネート化合物を反応させたウレタ
ン変性エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂又は上記各種変性エポキ
シ樹脂中のエポキシ基にアミン化合物を反応させて、ア
ミノ基又は4級アンモニウム塩を導入してなるアミン変
性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0026】前記硬化剤(b)として使用されるアミノ
樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、多価カル
ボン酸硬化剤は、加熱により上記水酸基又はエポキシ基
を含有する有機樹脂(a)と反応して硬化させることが
できるものである
【0027】上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿
素、ベンゾグアナミン、アセトグラナミン、ステログタ
ナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるア
ルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げ
られる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なア
ルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂とし
て使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例
としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタ
ノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0028】上記硬化剤(b)として使用できるブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート
化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤によ
ってブロック化してなる化合物である。
【0029】上記ブロック化する前のポリイソシアネー
ト化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレ
ンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネー
トの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイ
ソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有
機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジ
イソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステ
ル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き
各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソ
シアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0030】イソシアネート基をブロックするブロック
化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレ
ノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−
バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラ
クタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−
又はi−プロピルアルコール、n−,i−又はt−ブチ
ルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミド
キシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエ
チルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェ
ノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム
系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸
エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活
性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用すること
ができる。上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロッ
ク化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソシ
アネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック
することができる。
【0031】多価カルボン酸硬化剤は、有機樹脂(a)
がエポキシ樹脂を含有する場合に、加熱によりエポキシ
基と反応して硬化に寄与することができる硬化剤であ
り、1分子中に2個以上のカルボキシル基又は1個以上
の酸無水基を有するものであり、酸価50〜500mg
KOH/g、好ましくは80〜300mgKOH/gの
カルボキシル基を有する化合物であることが好適であ
り、代表例として、カルボキシル基を有するビニル系重
合体、カルボキシル基含有ポリエステル化合物を挙げる
ことができる。
【0032】上記カルボキシル基を有するビニル系重合
体は、カルボキシル基を有するビニルモノマーとその他
のビニルモノマーとの共重合体を挙げることができる。
上記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸など;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の酸無水基を有するビニルモノマーの酸無水基を
脂肪族モノアルコールなどによりハーフエステル化して
なる基(ハーフエステル基)を有するビニルモノマーを
挙げることができる。また、カルボキシル基を有するビ
ニル系重合体としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸等の酸無水基を有するビニルモノマーとその他のビニ
ルモノマーとの共重合体における酸無水基をハーフエス
テル化してなる共重合体も挙げることができる。
【0033】上記多価カルボン酸硬化剤として用いるこ
とができるカルボキシル基含有ポリエステル化合物の代
表例としては、ポリオールと1,2−酸無水物との付加
反応により生成する数平均分子量1000未満、好まし
くは400〜900の低分子量ハーフエステルを挙げる
ことができる。この低分子量ハーフエステルは、ポリオ
ールと1,2−酸無水物とを、通常、不活性ガス雰囲気
下、溶剤の存在下にて、酸無水物の開環反応が起こる
が、実質上、生成したカルボキシル基によるポリエステ
ル化反応が起こらない条件下、例えば、反応温度70〜
150℃、好ましくは90〜120℃で10分〜24時
間程度反応させることによって得ることができる。
【0034】上記低分子量ハーフエステルの製造に用い
られる1,2−酸無水物としては、例えば、コハク酸無
水物、メチルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水
物、オクタデセニルコハク酸無水物、フタル酸無水物、
テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタ
ル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、エンドメチ
レンテトラヒドロフタル酸無水物、クロレンド酸無水
物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、マレイン
酸無水物などを挙げることができる。
【0035】上記低分子量ハーフエステルの製造に用い
られるポリオールとしては、炭素数2〜20、好ましく
は2〜10のジオール類、トリ以上のポリオール類を1
種で又は2種以上の混合物として使用することができ
る。上記ジオール類としては、例えば、エチレングリコ
ール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,5
−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン
などを挙げることができ、上記トリ以上のポリオール類
としては、例えば、グリセリン、1,2,3−ブタント
リオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールなどを挙げることができる。
【0036】硬化剤(b)は、1種の硬化剤からなって
いてもよいし、2種以上の硬化剤の混合物であってもよ
い。
【0037】前記有機樹脂(a)と上記硬化剤(b)と
を塗膜形成性樹脂(A)として使用する場合の両者の配
合割合は、特に限定されるものではないが、通常、両者
の固形分合計100重量部に基づいて、樹脂(a)が4
0〜95重量部、特に60〜90重量部の範囲内であ
り、固形分量で、硬化剤(b)が5〜60重量部、特に
10〜40重量部の範囲内であることが好適である。
【0038】シリカ微粒子(B) 本発明組成物において、(B)成分であるシリカ微粒子
は、吸油量が30〜200ml/100g、好ましくは
60〜180ml/100gの範囲内であり、且つ細孔
容積が0.05〜1.2ml/g、好ましくは0.2〜
1.0ml/gの範囲内である。吸油量及び細孔容積が
上記範囲内であることによって、耐食性、耐沸騰水性の
良好な塗膜を形成することができる。
【0039】また、シリカ微粒子(B)は、通常、平均
粒子径0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmを有
する。
【0040】本発明において、上記吸油量は、JIS
K5101 21(1991)に準じて測定した値であ
り、上記細孔容積は、JIS K1150 5.2.3
(1994)に規定の窒素吸着等温線による方法に基づ
いて求めた値であり、上記平均粒子径は、コールター社
製、ナノナイザーN−4を用いてコールターカウンター
法により測定して求めた値である。
【0041】本発明組成物において、シリカ微粒子
(B)の配合量は、塗膜形成性樹脂(A)の固形分10
0重量部に基づいて、8〜130重量部、好ましくは3
0〜80重量部の範囲内である。上記シリカ微粒子
(B)の配合量が8重量部未満では得られる塗膜の耐食
性が不十分となり、一方、130重量部を超えると得ら
れる塗膜の耐沸騰水性、加工性が劣化する。
【0042】本発明の塗料組成物は、塗膜形成性樹脂
(A)及びシリカ微粒子(B)から実質的になることが
できるが、通常、有機溶剤が配合され、さらに必要に応
じて、硬化触媒、顔料類;塗料用としてそれ自体既知の
消泡剤、塗面調整剤、沈降防止剤、顔料分散剤などの添
加剤を含有していてもよい。
【0043】上記有機溶剤は、本発明組成物の塗装性の
改善などのために必要に応じて配合されるものであり、
塗膜形成性樹脂(A)を溶解ないし分散できるものが使
用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高
沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶
剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤な
どを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種
以上を混合して使用することができる。
【0044】前記硬化触媒は、塗膜形成性樹脂(A)の
硬化反応を促進するために必要に応じて配合されるもの
であり、塗膜形成性樹脂(A)の一部として水酸基含有
有機樹脂(a)と組合せて用いることができる硬化剤
(b)の種類などに応じて適宜選択して使用される。
【0045】硬化剤(b)がアミノ樹脂、特に低分子量
の、メチルエーテル化またはメチルエーテルとブチルエ
ーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を含有する場合
には、硬化触媒としてスルホン酸化合物又はスルホン酸
化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸
化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ド
デシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホ
ン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げるこ
とができる。スルホン酸化合物のアミン中和物における
アミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミン
のいずれであってもよい。これらのうち、塗料の安定
性、反応促進効果、得られる塗膜の物性などの点から、
p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデ
シルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
【0046】硬化剤(b)がブロック化ポリイソシアネ
ート化合物である場合には、硬化剤であるブロック化ポ
リイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する
硬化触媒が好適であり、好適な硬化触媒として、例え
ば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノ
エート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエー
ト)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを
挙げることができる。
【0047】硬化剤(b)が多価カルボン酸硬化剤であ
る場合には、硬化触媒としてテトラメチルアンモニウム
クロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアン
モニウムクロライド、テトラブチルフォスホニウムブロ
マイドなどの4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチ
ルアミンなどのアミン類を挙げることができる。
【0048】これらの硬化触媒を配合する場合、硬化触
媒の配合量は、通常、塗膜形成性樹脂(A)100重量
部に対して、通常、0.1〜2.0重量部の範囲である
ことが好適である。上記硬化触媒量は、硬化触媒がスル
ホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物であ
る場合には、スルホン酸量を意味し、硬化触媒が有機金
属触媒の場合には固形分量を意味するものとする。
【0049】本発明組成物中に必要に応じて配合できる
顔料類としては、チタン白などの着色顔料;クレー、タ
ルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料;
リン酸亜鉛、トリポリ燐酸アルミニウム、モリブデン酸
亜鉛などの防錆顔料などを挙げることができる。
【0050】本発明組成物は、本発明組成物から得られ
る硬化塗膜のガラス転移温度が40〜125℃、好まし
くは50〜80℃であることが塗膜の耐酸性、耐食性及
び加工性などの点から好適である。本発明において、塗
膜のガラス転移温度は、DINAMIC VISCOE
LASTOMETER MODEL VIBRON(ダ
イナミックビスコエラストメータ モデルバイブロン)
DDV−II EA型(東洋ボールドウィン社製、自動
動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hzにおける
温度分散測定によるtanδの変化から求めた極大値の
温度である。
【0051】本発明組成物は、耐食性、密着性及び耐沸
騰水性に優れた塗膜を形成することができ、例えば金属
板用下塗塗料として好適に使用することができる。
【0052】次に、本発明組成物を用いた塗装金属板に
ついて説明する。
【0053】本発明の塗装金属板は、被塗物である金属
板上に上記本発明の塗料組成物による塗膜が形成されて
なるものである。
【0054】上記被塗物である金属板としては、冷延鋼
板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合
金(亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ニッケルな
どの合金)メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステ
ンレス鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板、アルミニウ
ム板、銅板など;及びこれらの金属板に燐酸塩処理やク
ロム酸塩処理などの化成処理を施した金属板を挙げるこ
とができる。なかでも化成処理されていてもよい、亜鉛
メッキ鋼板(溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板
のいずれも包含する)、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニ
ウムメッキ鋼板及びアルミニウム板が得られる塗装金属
板の耐食性、加工性などの点から好ましい。
【0055】上記金属板上に、ロールコート法、スプレ
ー塗装法、刷毛塗り法、静電塗装法、浸漬法、電着塗装
法、カーテン塗装法、ローラー塗装法などの公知の方法
により本発明組成物を塗装し、乾燥させることにより本
発明の塗料組成物の塗膜を形成することができる。本発
明組成物による塗膜の膜厚は、特に限定されるものでは
ないが、通常2〜10μm、好ましくは3〜6μmの範
囲で使用される。塗膜の乾燥は、使用する樹脂の種類な
どに応じて適宜設定すればよいが、コイルコーティング
法などによって塗装したものを連続的に焼付ける場合に
は、通常、素材到達最高温度が160〜250℃、好ま
しくは180〜230℃となる条件で15〜60秒間焼
付けられる。バッチ式で焼付ける場合には、例えば、雰
囲気温度80〜140℃で10〜30分間焼付けること
によっても行うことができる。
【0056】本発明塗装金属板は、金属板上に上記本発
明の塗料組成物による塗膜のみが形成されてなるもので
あることができるが、金属板上に形成された上記本発明
の塗料組成物による塗膜の上に上塗塗膜が形成されてい
てもよい。上塗塗膜は、ガラス転移温度(Tg)が、2
0〜80℃、好ましくは30〜70℃を有することが好
適であり、上塗塗膜の膜厚は、通常、8〜50μm、好
ましくは10〜25μmであることが適当である。
【0057】上記上塗塗膜を形成する上塗塗料として
は、例えばプレコート金属板用として公知の、ポリエス
テル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコン変性ポリエステ
ル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、フッ素樹脂系
などの上塗塗料を挙げることができる。加工性が特に重
視される場合には高度加工用のポリエステル系上塗塗料
などの加工性の優れた上塗塗料を使用することによって
加工性の特に優れた塗装金属板を得ることができる。上
記上塗塗料は、ロールコート法、カーテン塗装法、スプ
レー塗装法、刷毛塗り法、静電塗装法、浸漬法、ローラ
ー塗装法などの公知の方法により塗装することができ、
焼付けることによって上塗塗膜を好適に形成することが
できる。
【0058】本発明の、上記上塗塗膜を形成した塗装金
属板は、耐食性、密着性及び耐沸騰水性などに優れた塗
膜性能を示すことができる。
【0059】本発明の塗装金属板は、例えば、住宅の屋
根、壁、シャッター、ガレージなどの建築材料;家電製
品、自動車、鋼製家具、厨房器具などに好適に使用する
ことができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重
量基準によるものとする。
【0061】製造例1 多価カルボン酸硬化剤の製造 撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのフラス
コに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール236
部、トリメチロールプロパン134部、ヘキサヒドロ無
水フタル酸1078部及びキシレン780部を仕込み、
窒素雰囲気下で120℃に昇温し反応させた。反応混合
物をこの温度に4時間保った後に冷却し、固形分65
%、ガードナー粘度(25℃)R、酸価271mgKO
H/gのハーフエステルである多価カルボン酸硬化剤
(a−1)の溶液を得た。
【0062】実施例1 バイロンGK−78CS(東洋紡績(株)製、固形分4
0%のポリエステル樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約
10,000、ガラス転移温度は約40℃)を187.
5部(固形分量で75部)、チタン白10部、サイリシ
ア740(富士シリシア化学(株)製、吸油量95ml
/100g、細孔容積0.44ml/g、平均粒子径約
3.5μmを有するシリカ微粒子)30部及び混合溶剤
[ソルベッソ150(エッソ石油社製、芳香族炭化水素
系溶剤)とシクロヘキサノンとの1/1(重量基準)混
合溶剤]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子
径)が10ミクロン以下となるまで分散を行った。次い
で、この分散物にサイメル303(三井サイテック
(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂)25部及び
ネイキュア5225(米国キング・インダストリイズ社
製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩、有効成分
約25%)1.6部(有効成分量0.4部)を加えて
均一に混合し、さらに上記混合溶剤を加えて粘度約80
秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して塗料組成
物を得た。
【0063】実施例2〜7及び比較例1〜7 実施例1と同様に硬化剤以外の皮膜形成性樹脂成分及び
混合溶剤を用いて顔料分を分散し、また塗料配合組成を
後記表1に示す組成とする以外は実施例1と同様にして
塗料組成物を得た。表1中における配合量は重量部(ネ
イキュア5225は有効成分量、このもの以外は固形分
量)にて表示する。
【0064】表1における(註)は下記のとおりであ
る。
【0065】(注1)エポキー820−40CX:三井
化学(株)製、固形分40%のウレタン変性ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約
6,000、ガラス転移温度は約64℃。 (注2)バイロンEP−2940:東洋紡績(株)製、
固形分30%のエポキシ変性ポリエステル樹脂溶液、樹
脂の数平均分子量は約10000、ガラス転移温度は約
72℃ (注3)スーパーベッコライトM6801−30:大日
本インキ化学工業(株)製、固形分30%のポリエステ
ル樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約15,000、ガ
ラス転移温度は約33℃。
【0066】(注4)スーパーベッコライトTF−78
7:大日本インキ化学工業(株)製、固形分40%のポ
リエステル樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約2,00
00、ガラス転移温度は約−3℃。 (注5)エピコート1010:油化シェルエポキシ
(株)製、固形分40%のビスフェノールA型エポキシ
樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約5,500、ガラス
転移温度は約70℃。 (注6)デスモデュールBL−3175:住友バイエル
ウレタン(株)製、メチルエチルケトオキシムでブロッ
ク化したHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート
化合物溶液、固形分濃度75%。
【0067】(注7)タケネートTK−1:武田薬品
(株)製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10
%。 (注8)TEABr:テトラエチルアンモニウムブロマ
イド。
【0068】(注9)サイリシア530:富士シリシア
化学(株)製、吸油量170ml/100g、細孔容積
0.80ml/g、平均粒子径約1.9μmを有するシ
リカ微粒子。 (注10)ミズカシルP−766:水澤化学工業(株)
製、吸油量90ml/100g、細孔容積0.45ml
/g、平均粒子径約6.5μmを有するシリカ微粒子。 (注11)サイリシア250N:富士シリシア化学(株)
製、吸油量310ml/100g、細孔容積1.80m
l/g、平均粒子径約2.7μmを有するシリカ微粒
子。 (注12)サイリシア445:富士シリシア化学(株)
製、吸油量210ml/100g、細孔容積1.25m
l/g、平均粒子径約3.5μmを有するシリカ微粒
子。
【0069】実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた
塗料組成物から得られる硬化塗膜のガラス転移温度を下
記方法により測定した。これらの結果を後記表1に示
す。
【0070】硬化塗膜のガラス転移温度 ブリキ板に、上記各例の塗料組成物を乾燥膜厚が約15
μmになるように塗装し、ブリキ板の最高到達温度が2
25℃となるように50秒間焼付けて硬化させた。この
硬化塗膜を水銀アマルガム法によりブリキ板から剥離し
て、フリー塗膜を得た。このフリー塗膜を所定の大きさ
に切断し、3枚重ねにして、DINAMIC VISC
OELASTOMETER MODEL VIBRON
(ダイナミックビスコエラストメータ モデルバイブロ
ン) DDV−II EA型(東洋ボールドウィン社製、
自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hzにお
ける温度分散測定によるtanδの変化から求めた極大
値の温度である。
【0071】
【表1】
【0072】実施例8 クロメート処理してなる厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッ
キ鋼板(亜鉛目付量60g/m2 )に、前記実施例1で
得た塗料組成物を乾燥膜厚が5ミクロンとなるようにバ
ーコータにて塗装し、素材到達最高温度が225℃とな
るように50秒間焼付けて下塗塗装板を得た。次いでこ
れらの各下塗塗膜上に、アレステックAT2000ブル
ー[関西ペイント(株)製、ポリエステル樹脂系上塗塗
料、青色、硬化塗膜のガラス転移温度は約31℃]をバ
ーコータにて膜厚が約20ミクロンとなるように塗装
し、素材到達最高温度が230℃となる条件にて60秒
間焼付けて上塗塗装板を得た。
【0073】実施例9〜14及び比較例8〜14 実施例8において、下塗塗料として前記実施例1の塗料
組成物のかわりに後記表2に示す塗料組成物を使用する
以外は実施例8と同様に行い下塗塗装板及び上塗塗装板
を得た。
【0074】実施例15〜18 下塗塗料として実施例2の塗料を用い、素材として、ク
ロメート処理してなる厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ
鋼板のかわりに、それぞれ下記の素材を使用する以外
は、実施例8の場合と同様に塗装板を作成をした。
【0075】実施例15〜18で使用した素材種は、以
下のとおりである。実施例15においては厚さ0.5m
mのクロメート処理された亜鉛−アルミニウム合金メッ
キ(メッキ中のアルミニウム含有量約5%)鋼板[表1
中において「Zn−5%Al」と略記する]、実施例1
6においては厚さ0.5mmのクロメート処理された亜
鉛−アルミニウム合金メッキ(メッキ中のアルミニウム
含有量約55%)鋼板[表1中において「Zn−55%
Al」と略記する]、実施例17においては厚さ0.5
mmのクロメート処理されたアルミニウムメッキ鋼板
[表1中において「Al鋼板」と略記する]、実施例1
8においては厚さ0.5mmのクロメート処理されたア
ルミニウム板[表1中において「Al板」と略記する]
をそれぞれ使用した。
【0076】上記実施例8〜18及び比較例8〜14で
得られた各上塗塗装板について、下記試験方法により塗
膜性能の評価を行った。また下塗塗装板については、下
記耐食性の試験を行った。これらの試験結果を後記表2
に示す。
【0077】試験方法 耐食性:下塗塗装板の平面部の耐食性及び上塗塗装板の
耐食性の試験を下記方法に従って行った。各塗装板を7
0×150mmの大きさに切断した後、裏面及び切断面
を防錆塗料にてシールした。下塗塗装板については、シ
ールした塗装板の端から約1cmの箇所に3T折り曲げ
加工(塗装板の表面を外側にして折曲げ、その内側に塗
装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて
180度折曲する加工)を行ったものを塩水噴霧試験に
供した。上塗塗装板については、シールした塗装板のほ
ぼ中央部に素地に到達するクロスカットを入れ、塗装板
の端から約1cmの箇所に3T折り曲げ加工を行ったも
のを塩水噴霧試験に供した。塩水噴霧試験は、JIS
Z−2371に準じて行い塩水噴霧試験時間を500時
間とし、下塗塗装板については平面部及び加工部の錆の
発生程度を、上塗塗装板については加工部の錆の発生程
度及びクロスカット部の平均のフクレ幅を、それぞれ目
視にて下記基準により評価した。
【0078】下塗塗装板における平面部の錆の発生程度 ◎:平面部に錆の発生が認められない ○:錆の発生が認められるが、錆の発生程度が平面部の
5%未満である △:錆の発生程度が平面部の5%以上、30%未満であ
る ×:錆の発生程度が平面部の30%以上である。
【0079】下塗塗装板及び上塗塗装板における加工部
の錆の発生程度 ◎:加工部に錆の発生が認められない ○:錆の発生程度が加工部の長さの10%未満であるが
認められる △:錆の発生程度が加工部の長さの10%以上、30%
未満である ×:錆の発生程度が加工部の長さの30%以上である。
【0080】上塗塗装板におけるクロスカット部の平均
のフクレ幅 ◎:クロスカット部にフクレが認められない ○:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm未満で
ある △:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm以上で
5mm未満である ×:カット傷からの片側の平均フクレ幅が5mm以上で
ある。
【0081】密着性:JIS K5400 8.5.2
(1990)碁盤目−テープ法に準じて、上塗塗装板の
塗膜面に素地に達するようにナイフを使用して約1mm
の間隔で縦、横それぞれ11本の切目を入れてゴバン目
を形成し、その表面にセロハン粘着テープを貼着し、テ
ープを急激に剥離した後のゴバン目塗面を下記基準にて
評価した。 ◎:塗膜の剥離が全く認められない ○:ナイフ傷の角の塗膜の一部にわずかに剥離が認めら
れる △:100個のゴバン目のうち少なくとも上塗塗膜の全
てが剥離したものが1個〜20個である ×:100個のゴバン目のうち少なくとも上塗塗膜の全
てが剥離したものが21個以上である。
【0082】耐沸騰水性:上塗塗装板を約100℃の沸
騰水中に5時間浸漬した後、引上げて塗膜表面の外観を
評価した。 ◎:塗膜にフクレの発生などの異常が認められない ○:塗膜にわずかなフクレの発生が認められる △:塗膜にかなりのフクレの発生が認められる ×:塗膜に著しいフクレの発生が認められる。
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】本発明塗料組成物によって、耐食性、密
着性及び耐沸騰水性に優れた塗膜を形成できるので下塗
塗料組成物として好適に使用できる。本発明の塗料組成
物は、防錆顔料としてクロメート系顔料を使用しなくて
もよいので、6価クロムによる問題を解決でき安全衛生
上有利である。
【0086】本発明塗料組成物からの下塗塗膜上に上塗
塗膜を形成した塗装金属板は、耐食性、密着性及び耐沸
騰水性に優れたものであることができる。本発明塗料組
成物は、なかでもプレコート塗装金属板用の下塗塗料と
して好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 167/02 C09D 167/02 175/04 175/04 (56)参考文献 特開 平7−268279(JP,A) 特開 平5−39443(JP,A) 特開 平10−237478(JP,A) 特開 平7−163940(JP,A) 岩井信次編,塗料ハンドブック,1961 年11月10日,再増補版第3刷,第513− 534頁 (社)色材協会編,色材工学ハンドブ ック,株式会社朝倉書店,1997年 1月 20日,初版第3刷,第677−690頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/08,7/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリエステル樹脂及びエポキシ樹
    脂から選ばれる水酸基又はエポキシ基を含有する少なく
    とも1種の有機樹脂(a)とアミノ樹脂、ブロック化ポ
    リイソシアネート化合物及び多価カルボン酸硬化剤から
    選ばれる少なくとも1種の硬化剤(b)との混合物であ
    塗膜形成性樹脂100重量部に対して、 (B)吸油量が30〜200ml/100gの範囲内で
    あり且つ細孔容積が0.05〜1.2ml/gの範囲内
    であるシリカ微粒子を30〜80重量部含有する塗料で
    あって、かつ該塗料から形成される硬化塗膜のガラス転
    移温度が40〜125℃の範囲内であることを特徴とす
    る塗料組成物。
  2. 【請求項2】 上記塗膜形成性樹脂(A)が、該有機樹
    脂(a)40〜95重量部と該硬化剤(b)5〜60重
    量部との混合物である請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 化成処理されていてもよい金属板上に、
    上記請求項1記載の塗料組成物の塗膜が形成されてなる
    ことを特徴とする塗装金属板。
  4. 【請求項4】 化成処理されていてもよい、亜鉛メッキ
    鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板又
    はアルミニウム板上に形成された上記請求項1記載の塗
    料組成物の塗膜上に、ガラス転移温度20〜80℃の上
    塗塗膜が形成されてなることを特徴とする請求項記載
    の塗装金属板。
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