JP4160188B2 - 艶消し塗装金属板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温加工性、耐酸性、耐水性、耐食性及び耐光性などに優れた3コート艶消し塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、ポリ塩化ビニルゾル塗料をコイルコーティングなどによって塗装されたプレコート金属板は、加工性、耐酸性、耐水性、耐食性及び耐光性などに優れており、冬期における低温での加工性も良好であるので市場で重宝され、建築物の屋根、壁、シャッター、ガレージなどの外装用途に好適に使用されてきた。
【0003】
しかしながら、近年、ポリ塩化ビニルゾル塗料は、塗膜焼却時におけるダイオキシン発生という環境問題からその代替えが必要とされ、代替品の開発が進められている。
【0004】
ポリ塩化ビニルゾル塗料を塗装したプレコート金属板の代替えを2コートで達成しようとすると、加工性の点から、通常、上塗塗膜はガラス転移温度が50℃以下の高加工性塗膜であることが必要であるが、耐ブロッキング性が低下したり、上塗塗膜の架橋密度を上げたとしても外部からの衝撃によって発生する塗膜傷が素地にまで達しやすく、塗膜傷による錆の発生が懸念される。
【0005】
また、屋根用のプレコート金属板としては、60度鏡面光沢度が30以下、さらには15以下の低光沢上塗塗膜を有するものが落ち着いた外観を示すことから多く用いられているが、光沢を低下させるために、通常、塗料中に艶消剤が大量に配合されており、通常、無機質又は有機質の粒子である艶消剤が配合されているので、加工性が劣化しやすく、また耐酸性が十分でなく酸性雨によって塗膜が劣化しやすいという問題がある。
【0006】
本発明者らは、ポリ塩化ビニルゾル塗料を塗装したプレコート金属板の代替品となりうる低温加工性、耐酸性、耐水性、耐食性及び耐光性に優れた艶消プレコート金属板を得るために鋭意研究を行った。その結果、3コート金属板であって特定性状の各塗膜を有し、かつ上塗塗膜が縮み塗料から形成された上塗塗膜である艶消塗装金属板によって上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、表面に化成処理が施されていてもよい金属板上に、
(A)ガラス転移温度が40〜100℃であるプライマー塗膜が形成されており、該プライマー塗膜(A)上に、
(B)水酸基含有ポリエステル樹脂(a)及びエポキシ樹脂(b)から選ばれる少なくとも1種の有機樹脂とアミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の硬化剤(c)との混合物を塗膜形成樹脂とする中塗塗料に基く、ガラス転移温度が0〜70℃であり且つ塗膜伸び率が50〜600%である中塗塗膜が形成されており、さらに該中塗塗膜(B)上に、
(C)水酸基含有樹脂、アミノ樹脂、酸触媒及びアミン化合物を含有する縮み塗料による縮み模様を有し且つガラス転移温度が20〜85℃である艶消し上塗塗膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の塗装金属板について詳細に説明する。
【0009】
本発明の塗装金属板は、被塗物の上に、プライマー塗膜(A)が形成されており、該プライマー塗膜(A)上に中塗塗膜(B)が形成されており、該中塗塗膜(B)上に艶消し上塗塗膜(C)が形成されてなるものである。
【0010】
本発明において、上記被塗物は、化成処理されていてもよい金属板であり、代表例として、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金(亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ニッケルなどの合金)メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板、アルミニウム板、銅板など;及びこれらの金属板に燐酸塩処理やクロム酸塩処理などの化成処理を施した金属板を挙げることができる。なかでも表面にクロム酸塩処理が施された、亜鉛メッキ鋼板(溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板のいずれも包含する)、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板及びアルミニウム板、特に表面にクロム酸塩処理が施された、メッキ中のアルミニウム含有量が約5重量%である亜鉛−アルミニウムメッキ鋼板(「ガルファン」と通称されている)、アルミニウムメッキ鋼板、アルミニウム板が、得られる塗装金属板の耐食性、加工性などの点から好ましい。
【0011】
プライマー塗膜(A)
プライマー塗膜(A)を形成するのに用いられるプライマー塗料における塗膜形成樹脂は、塗膜形成能を有する樹脂である限り特に制限なく使用することができ、代表例として、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの1種又は2種以上の混合樹脂;及びこれらの樹脂と硬化剤との混合物などを挙げることができる。
【0012】
塗膜形成樹脂としては、なかでも、水酸基含有ポリエステル樹脂(a)及びエポキシ樹脂(b)から選ばれる少なくとも1種の有機樹脂と硬化剤(c)との混合物を好適に使用することができる。
【0013】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂(a)としては、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などが包含される。上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量1,500〜35,000、好ましくは2,000〜25,000、ガラス転移温度(Tg点)10〜100℃、好ましくは20℃〜80℃、水酸基価2〜100mgKOH/g、好ましくは5〜80mgKOH/gを有するものが好適である。
【0014】
上記樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱分析(DSC)によるものであり、また数平均分子量はゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
【0015】
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
【0016】
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
【0017】
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられる。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用しうるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変性度合のものを好適に使用することができる。
【0018】
エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフトなどの反応による反応生成物を挙げることができる。かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であることが好適である。
【0019】
アクリル変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基又は水酸基にこれらの基と反応性を有する基、例えばカルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を含有するアクリル樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどをパーオキサイド系重合開始剤を使用してグラフト重合してなる反応生成物を挙げることができる。かかるアクリル変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、アクリル樹脂の量がアクリル変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜50重量%となる量であることが好適である。
【0020】
以上に述べたポリエステル樹脂のうち、なかでもオイルフリーポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂が、加工性、耐食性などのバランスの点から好適である。
【0021】
前記塗膜形成樹脂として好適なエポキシ樹脂(b)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基に各種変性剤が反応せしめられた変性エポキシ樹脂を挙げることができる。変性エポキシ樹脂の製造において、その変性剤による変性時期は、特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂製造の途中段階に変性してもエポキシ樹脂製造の最終段階に変性してもよい。
【0022】
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
【0023】
上記ビスフェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノールA、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0024】
ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製の、エピコート828、同812、同815、同820、同834、同1001、同1004、同1007、同1009、同1010;旭チバ社製の、アラルダイトAER6099;及び三井化学(株)製の、エポミックR−309などを挙げることができる。
【0025】
また、エポキシ樹脂(b)として使用できるノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0026】
前記変性エポキシ樹脂としては、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂に、例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂;アクリル酸又はメタクリル酸などを含有する重合性不飽和モノマー成分を反応させたエポキシアクリレート樹脂;イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂又は上記各種変性エポキシ樹脂中のエポキシ基にアミン化合物を反応させて、アミノ基又は4級アンモニウム塩を導入してなるアミン変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0027】
前記塗膜形成樹脂として好適に使用できる硬化剤(c)としては、加熱により前記水酸基含有ポリエステル樹脂(a)及び/又はエポキシ樹脂(b)と反応して硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができるが、なかでもアミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の硬化剤を好適に使用することができる。
【0028】
上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグラナミン、ステログタナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂として使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0029】
上記硬化剤(c)として使用できるブロック化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤によってブロック化してなる化合物である。
【0030】
上記ブロック化する前のポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0031】
イソシアネート基をブロックするブロック化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用することができる。上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロックすることができる。
【0032】
前記水酸基含有ポリエステル樹脂(a)と前記エポキシ樹脂(b)と上記硬化剤(c)との配合割合は、(a)、(b)及び(c)成分の合計固形分100重量部に基づいて、ポリエステル樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)との合計が55〜95重量部、さらには60〜95重量部であって、硬化剤(c)が5〜45重量部、さらには5〜40重量部の範囲内であることが耐食性、耐水性、加工性、硬化性などの点から好適である。
【0033】
さらには、エポキシ樹脂(b)としてノボラック型エポキシ樹脂を使用し、(a)、(b)及び(c)成分の合計固形分100重量部に基づいて、各成分が下記範囲内にあることが、塗膜の耐食性、特に塩水噴霧試験を行なった時の、塗板の切断面である端面の耐食性、耐沸騰水性、加工性、硬化性などの点からより好適である。
【0034】
ポリエステル樹脂(a):5〜90重量部、好ましくは20〜70重量部、
ノボラック型エポキシ樹脂:5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部、
硬化剤(c):5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部。
【0035】
本発明において、プライマー塗膜(A)は、上記(a)、(b)及び(c)成分からなっていてもよいが、防錆顔料、チタン白などの着色顔料、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料、塗料用としてそれ自体既知の消泡剤、塗面調整剤、沈降防止剤、顔料分散剤などを含有していてもよい。
【0036】
上記防錆顔料としては、例えば、クロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛、クロム酸亜鉛カリウム、クロム酸バリウムなどのクロム系防錆顔料;カルシウムイオン交換シリカなどのイオン交換シリカ、燐酸亜鉛、亜燐酸亜鉛、亜燐酸アルミニウム、亜燐酸カルシウム、トリポリ燐酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、吸油量が30〜200ml/100g、好ましくは60〜180ml/100gの範囲内で且つ細孔容積が0.05〜1.2ml/g、好ましくは0.2〜1.0ml/gの範囲内である小吸油量シリカ微粉末などの非クロム系防錆顔料を挙げることができる。
【0037】
本発明プライマー塗膜(A)は、ガラス転移温度が40〜100℃、好ましくは50〜85℃であることが塗膜の耐酸性、耐食性及び加工性などの点から好適である。
【0038】
本発明のプライマー塗膜(A)の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常2〜10μm、好ましくは3〜6μmの範囲である。
【0039】
本発明において、塗膜のガラス転移温度は、DINAMIC VISCOELASTOMETER MODEL VIBRON(ダイナミック ビスコエラストメータ モデル バイブロン) DDV−II EA型(東洋ボールドウィン社製、自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hzにおける温度分散測定によるtanδの変化から求めた極大値の温度である。
【0040】
中塗塗膜(B)
本発明において、中塗塗膜(B)は、ガラス転移温度が0〜70℃、好ましくは20〜50℃の範囲内であり、且つ塗膜伸び率が50〜600%、好ましくは150〜500%の範囲内であることが、得られる塗装金属板の加工性、耐酸性などの観点から好適である。
【0041】
本発明において、中塗塗膜(B)の塗膜伸び率は、「テンシロンUTN II−20」(東洋ボールドウィン(株)製、商品名、引張り試験機)を用いて、20℃の室温で、長さ20mmの塗膜試料について引張り速度20mm/分の条件にて測定したものである。
【0042】
本発明においては、中塗塗膜(B)を上記プライマー塗膜(A)及び後記上塗塗膜(C)の間に形成することによって、2コート仕様では達成が困難な、加工性、傷付き部の耐食性などの性能のバランスのとれた塗装金属板を得ることができる。
【0043】
中塗塗膜(B)の形成に用いられる中塗塗料における塗膜形成樹脂は、塗膜形成能を有する樹脂である限り特に制限なく使用することができ、代表例として、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの1種又は2種以上の混合樹脂;及びこれらの樹脂と硬化剤との混合物などを挙げることができる。
【0044】
上記塗膜形成性樹脂としては、なかでも、前記プライマー塗料の塗膜形成性樹脂の項で説明した水酸基含有ポリエステル樹脂(a)及びエポキシ樹脂(b)から選ばれる少なくとも1種の有機樹脂と硬化剤(c)との混合物と同様のものであって、得られる塗膜のガラス転移温度及び塗膜伸び率を上記範囲内とできるものを好適に使用することができる。
【0045】
中塗塗膜の膜厚は、通常、10〜50μm、さらには15〜40μmの範囲内であることが好適である。中塗塗膜の膜厚は、硬化剤(c)がアミノ樹脂である場合には、通常、10〜25μmの範囲内であり、硬化剤(c)がブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、通常、15〜40μmの範囲とすることができる。中塗塗膜を厚膜とすることにより総合塗膜を厚膜の塗膜構造とすることができる。
【0046】
艶消し上塗塗膜(C)
本発明において、艶消し上塗塗膜(C)は、縮み模様を有する艶消し上塗塗膜であって、硬化時に縮み模様を形成できる縮み塗料を塗装、硬化させることによって形成されるものである。縮み模様は、硬化時における塗膜表層部と塗膜内部の硬化速度の違いによって形成される。
【0047】
上記縮み塗料としては、例えば、水酸基含有樹脂、アミノ樹脂、酸触媒及びアミン化合物を含有する塗料を挙げることができる。
【0048】
上記水酸基含有有機樹脂としては、例えば、水酸基含有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコンポリエステル樹脂などを挙げることができる。
【0049】
上記アミノ樹脂は、上記水酸基含有樹脂の硬化剤として働くものであり、前記プライマー塗膜(A)の項で説明した硬化剤(c)と同様のものを使用することができ、なかでもアルキルエーテル化したメチロール化アミノ樹脂、特にメチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を好適に使用することができる。
【0050】
上記酸触媒は、水酸基含有有機樹脂とアミノ樹脂との硬化反応を促進する触媒であり、例えば、スルホン酸化合物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができ、なかでもp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が好適である。
【0051】
上記縮み塗料に配合されるアミン化合物は、縮み塗料の硬化時における塗膜表層部と塗膜内部の硬化速度の違いを大きくして良好な縮み塗膜を形成させるために配合されるものであり、2級アミン、3級アミンを好適に使用することができる。アミン化合物の代表例として、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブチルアミンなどを挙げることができる。アミン化合物の量は、上記酸触媒の酸当量に対して過剰当量であることが好ましく、通常、酸1当量に対して1.5〜30当量程度が好適である。このアミン化合物は、上記酸触媒と別々に塗料中に配合してもよいし、アミン化合物と酸触媒とを予め混合してアミン塩として混合してもよい。
【0052】
上記縮み塗料は、上記樹脂成分、酸触媒、アミン化合物以外に、必要に応じて、顔料、有機樹脂微粒子、有機溶剤;消泡剤、塗面調整剤、潤滑性付与剤などの塗料添加剤を含有することができる。
【0053】
上記有機樹脂微粒子は、縮み塗料から形成される上塗塗膜の縮み模様を安定させたり、縮み模様の柄の大きさを調整したり、意匠性を付与するなどの目的で配合される。有機樹脂微粒子は、塗膜形成時の焼付けによって完全には溶融しない有機樹脂微粒子であり、通常、平均粒子径が5〜80μm、好ましくは15〜60μmの範囲内であることが好ましく、該樹脂微粒子中に着色顔料を含有していてもよい。着色顔料を含有する場合には、有機樹脂微粒子によって塗膜を着色することができ、独特の意匠の着色塗膜を形成することができる。
【0054】
有機樹脂微粒子の樹脂種としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂、ポリプロピレン、及びナイロン11やナイロン12などのポリアミドなどを挙げることができる。有機樹脂微粒子の配合量は、塗料の樹脂固形分100重量部当り、30重量部以下が適当である。
【0055】
本発明において、艶消し上塗塗膜(C)は、ガラス転移温度(Tg)が20〜85℃、好ましくは25〜75℃の範囲内であり、上塗塗膜の膜厚は、通常、8〜50μm、好ましくは10〜25μmであることが適当である。
【0056】
本発明の塗装金属板は、縮み模様を有する艶消し塗膜外観を有しており、低温加工性、耐酸性、耐水性、耐食性及び耐光性などに優れた塗膜性能を示すことができる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0058】
実施例1〜13及び比較例1〜9
各実施例及び比較例において、後記表1に示す被塗物の上に、表1に示すプライマー塗料を乾燥膜厚が約5μmになるように塗装し、被塗物の最高到達温度が225℃となるように50秒間焼付けて硬化させた。ついで、このプライマー塗膜の上に表1に示す灰色の中塗塗料を乾燥膜厚が表1に示す膜厚となるように塗装し、被塗物の最高到達温度が225℃となるように50秒間焼付けて硬化させた。さらに、この中塗塗膜の上に表1に示す青色の上塗塗料を乾燥膜厚が約20μmとなるように塗装し、被塗物の最高到達温度が230℃となる条件にて60秒間焼付けて3コート塗装板を得た。
【0059】
後記表1における被塗物、プライマー塗料、中塗塗料及び上塗塗料はそれぞれ下記のとおりである。
【0060】
被塗物
溶融亜鉛メッキ鋼板:クロメート処理された厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ鋼板(亜鉛目付量60g/m2 )、
Zn−5%Al:表面にクロメート処理が施されてなる厚さ0.5mmの亜鉛−アルミニウムメッキ鋼板であって、メッキの組成が亜鉛約95重量%とアルミニウム約5重量%である(メッキの目付量100g/m2 、「ガルファン」と通称されている)、
Zn−55%Al:表面にクロメート処理が施されてなる厚さ0.5mmの亜鉛−アルミニウムメッキ鋼板であって、メッキの組成が亜鉛約45重量%とアルミニウム約55重量%である(メッキの目付量100g/m2 、「ガルバリウム」と通称されている)、
Al鋼板:表面にクロメート処理が施されてなる厚さ0.5mmのアルミニウムメッキ鋼板、
Al板:クロメート処理された厚さ0.5mmのアルミニウム板。
【0061】
プライマー塗料
p−1:クロム酸塩防錆顔料を含有する、ポリエステル−メラミン樹脂系のプライマー塗料、塗膜のガラス転移温度(Tg)は約40℃、
p−2:クロム酸塩防錆顔料を含有する、ポリエステル−メラミン樹脂系のプライマー塗料、塗膜のTgは約50℃、
p−3:クロム酸塩防錆顔料を含有せず、非クロム系防錆顔料を含有する、ポリエステル−メラミン樹脂系のプライマー塗料、塗膜のTgは約70℃、
p−4:クロム酸塩防錆顔料を含有する、エポキシ−ウレタン樹脂系のプライマー塗料、塗膜のTgは約90℃、
ph−1:クロム酸塩防錆顔料を含有する、ポリエステル−メラミン樹脂系のプライマー塗料、塗膜のTgは約30℃、比較用、
ph−2:クロム酸塩防錆顔料を含有する、エポキシ−ウレタン樹脂系のプライマー塗料、塗膜のTgは約120℃、比較用。
【0062】
中塗塗料
n−1:ポリエステル−メラミン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約5℃で、塗膜伸び率は約450%、
n−2:ポリエステル−メラミン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約20℃で、塗膜伸び率は約400%、
n−3:ポリエステル−メラミン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約50℃で、塗膜伸び率は約320%、
n−4:ポリエステル−メラミン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約65℃で、塗膜伸び率は約60%。
【0063】
n−5:ポリエステル−ウレタン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約6℃で、塗膜伸び率は約600%、
n−6:ポリエステル−ウレタン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約25℃で、塗膜伸び率は約530%、
n−7:ポリエステル−ウレタン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約65℃で、塗膜伸び率は約150%。
【0064】
nh−1:ポリエステル−メラミン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約−10℃で、塗膜伸び率は約510%、比較用、
nh−2:ポリエステル−メラミン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約80℃で、塗膜伸び率は約40%、比較用、
nh−3:ポリエステル−ウレタン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約−25℃で、塗膜伸び率は約625%、比較用、
nh−4:ポリエステル−ウレタン樹脂系の中塗塗料、塗膜のTgは約75℃で、塗膜伸び率は約45%、比較用。
【0065】
上塗塗料
t−1:縮み模様の艶消し塗膜形成用のポリエステル−メラミン樹脂系上塗塗料、商品名「アレステックAT2100NMブルー」(関西ペイント(株)製)、塗膜のTgは約29℃、
t−2:縮み模様の艶消し塗膜形成用のポリエステル−メラミン樹脂系上塗塗料、商品名「KPカラー1540NMブルー」(関西ペイント(株)製)、塗膜のTgは約40℃、
t−3:縮み模様の艶消し塗膜形成用のポリエステル−メラミン樹脂系上塗塗料、商品名「KPカラー1573NMブルー」(関西ペイント(株)製)、塗膜のTgは約65℃、
t−4:縮み模様の艶消し塗膜形成用のポリエステル−メラミン樹脂系上塗塗料、商品名「KPカラー1580NMブルー」(関西ペイント(株)製)、塗膜のTgは約74℃、
th−1:高光沢塗膜形成用のポリエステル−メラミン樹脂系上塗塗料、商品名「KPカラー1540ブルー」(関西ペイント(株)製)、塗膜のTgは約39℃、
th−2:縮み模様の艶消し塗膜形成用のポリエステル−メラミン樹脂系上塗塗料、塗膜のTgは約90℃。
【0066】
上記プライマー塗料、中塗塗料、上塗塗料における塗膜のガラス転移温度及び中塗塗料の塗膜伸び率は、下記方法により測定したものである。
【0067】
塗膜のガラス転移温度
ブリキ板に、上記各プライマー塗料、中塗塗料、上塗塗料を乾燥膜厚が約20μmになるように塗装し焼付けて硬化させた。焼付条件は、プライマー塗料ではブリキ板の最高到達温度が225℃となるように50秒間焼付けとし、中塗塗料ではブリキ板の最高到達温度が225℃となるように50秒間焼付けとし、上塗塗料ではブリキ板の最高到達温度が230℃となるように60秒間焼付けとして硬化させた。この各硬化塗膜を水銀アマルガム法によりブリキ板から剥離してフリー塗膜を得た。このフリー塗膜を所定の大きさに切断し3枚重ねにして、DINAMIC VISCOELASTOMETER MODEL VIBRON(ダイナミックビスコエラストメータ モデルバイブロン) DDV−II EA型(東洋ボールドウィン社製、自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hzにおける温度分散測定によるtanδの変化から求めた極大値の温度である。
【0068】
中塗塗料の塗膜伸び率
ブリキ板に、各中塗塗料を乾燥膜厚が約20μmになるように塗装し、ブリキ板の最高到達温度が225℃となるように50秒間焼付けて硬化させた。この各硬化塗膜を水銀アマルガム法によりブリキ板から剥離してフリー塗膜を得た。このフリー塗膜を幅5mmの大きさに切断し、3枚重ねにして試験部位が幅5mm、長さ20mmとなるように「テンシロンUTN II−20」(東洋ボールドウィン(株)製、商品名、引張り試験機)に設置して、20℃の室温で、引張り速度20mm/分の条件にて塗膜伸び率を測定した。10回試験を行い、その平均値を表1中に記載した。
【0069】
上記実施例1〜13及び比較例1〜9で得た各3コート塗装板について下記試験方法により塗膜性能の評価を行った。これらの試験結果を後記表1に示す。
【0070】
試験方法
塗面光沢:JIS K5400 7.6(1990)に規定の60度鏡面光沢度に従い、上塗塗膜の光沢の程度を、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表す。
【0071】
密着性:JIS K5400 8.5.2(1990)碁盤目−テープ法に準じて、塗装板の塗膜面に素地に達するようにナイフを使用して約1mmの間隔で縦、横それぞれ11本の切目を入れてゴバン目を形成し、その表面にセロハン粘着テープを貼着し、テープを急激に剥離した後のゴバン目塗面を下記基準にて評価した。
◎:塗膜の剥離が全く認められない
○:ナイフ傷の角の塗膜の一部にわずかに剥離が認められる
△:100個のゴバン目のうち少なくとも上塗塗膜の全てが剥離したものが1個〜20個である
×:100個のゴバン目のうち少なくとも上塗塗膜の全てが剥離したものが21個以上である。
【0072】
加工性:塗装板の塗膜表面を外側にして折曲げ、その内側に何も挟まずに上記塗装板を万力にて180度折曲する0T折曲げ加工を行ったときの折曲げ部の塗膜状態を下記基準にて評価した。試験は塗装板の温度が20℃及び5℃の2段階の条件で行った。
【0073】
◎:塗膜にワレ、ハガレなどの異常が認められない
○:塗膜にワレが僅かに認められる
△:塗膜にワレがかなり認められる
×:塗膜にワレが著しく認められる。
【0074】
耐食性:塗装板を70×150mmの大きさに切断した後、裏面及び切断面を防錆塗料にてシールした。シールした塗装板のほぼ中央部に素地に到達するクロスカットを入れたものを塩水噴霧試験に供した。塩水噴霧試験は、JIS Z−2371に準じて行い塩水噴霧試験時間を500時間とし、クロスカット部の平均のフクレ幅を、それぞれ目視にて下記基準により評価した。
【0075】
◎:クロスカット部にフクレが認められない
○:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm未満である
△:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm以上で5mm未満である
×:カット傷からの片側の平均フクレ幅が5mm以上である。
【0076】
耐沸騰水性:塗装板を約100℃の沸騰水中に20時間浸漬した後、引上げて塗膜表面の外観を評価した。
◎:塗膜にフクレの発生などの異常が認められない
○:塗膜にわずかなフクレの発生が認められる
△:塗膜にかなりのフクレの発生が認められる
×:塗膜に著しいフクレの発生が認められる。
【0077】
耐酸性:塗装板を70×150mmの大きさに切断し、裏面及び切断面を粘着テープでシールし、濃度5%の硫酸水溶液に浸漬した後の塗膜のフクレ面積%を調べた。浸漬条件は、液温40℃で48時間とした。
◎:塗膜にフクレの発生が認められない
○:塗膜フクレ面積が10%未満である
△:塗膜フクレ面積が10%以上で50%未満である
×:塗膜フクレ面積が50%以上である。
【0078】
促進耐候性:塗装板にサンシャインウェザオメータを使用して1000時間促進耐候性試験を行った。試験後の塗装板の塗膜の光沢保持率(GR%)を記載する。光沢保持率は、試験前の塗装板の塗膜光沢値に対する試験後の塗装板の塗膜光沢値の百分率である。
【0079】
【表1】
Figure 0004160188
【0080】
【表2】
Figure 0004160188
【0081】
【発明の効果】
本発明の塗装金属板は、プライマー塗膜、中塗塗膜及び上塗塗膜を有する3コート塗装板であり、それぞれ特定のガラス転移温度を有し、また中塗塗膜が特定の塗膜伸び率を有するものであるので、低温加工性、耐水性、耐食性に優れ、また、上塗塗膜として縮み塗料による縮み模様を有する低光沢の艶消し塗膜が形成されているので耐酸性、耐光性に優れ、また落ち着いた外観の艶消し塗装仕上げとできるものである。
【0082】
本発明の塗装金属板は、低温加工性、耐酸性、耐水性、耐食性及び耐光性に優れ、住宅の屋根、壁、シャッター、ガレージなどの建築材料;家電製品、自動車、鋼製家具、フードなどの厨房器具などに好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 表面に化成処理が施されていてもよい金属板上に、
    (A)ガラス転移温度が40〜100℃であるプライマー塗膜が形成されており、該プライマー塗膜(A)上に、
    (B)水酸基含有ポリエステル樹脂(a)及びエポキシ樹脂(b)から選ばれる少なくとも1種の有機樹脂とアミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の硬化剤(c)との混合物を塗膜形成樹脂とする中塗塗料に基く、ガラス転移温度が0〜70℃であり且つ塗膜伸び率が50〜600%である中塗塗膜が形成されており、さらに該中塗塗膜(B)上に、
    (C)水酸基含有樹脂、アミノ樹脂、酸触媒及びアミン化合物を含有する縮み塗料による縮み模様を有し且つガラス転移温度が20〜85℃である艶消し上塗塗膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板。
  2. 上塗塗膜(C)のガラス転移温度が25〜75℃の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の塗装金属板。
  3. 金属板が、表面にクロム酸塩処理が施された、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板及びアルミニウム板から選ばれるクロメート処理金属板である請求項1又は2記載の塗装金属板。
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