JP5113638B2 - メタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法 - Google Patents

メタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法 Download PDF

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本発明は塗膜硬度、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性)、耐薬品性、塗膜硬度、耐食性、加工性、意匠性(メタリック調の艶消し塗膜)に優れたメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法に関する。
最近、プレコート塗装金属板の利用分野が広がりつつあり、建築物の内装品やシャッターボックス、ガレージなどに適用されている。従来からのポリ塩化ビニルゾル塗料は、加工性、耐酸性、耐水性、耐食性及び耐候性などに優れているものの、塗膜焼却時において有害物質が発生することもあり、環境問題からその代替えが必要とされてきた。ここで、建築物の内装品やシャッターボックス、ガレージなどは、耐候性や耐擦り傷性に優れることに加えて、例えば、艶消しメタリック塗膜が要求されることがある。
従来から、耐候性や加工性及びメタリック感などの意匠性を有するプレコート金属板で、基板1に下塗層2と中間層3と上塗層4とを順に形成してなるプレコート金属板に関し、中間層3は、金属粉や有機着色ビース等の意匠性粉粒材を配合したメラミン硬化型ポリエステル樹脂のクリヤ塗料に、上塗層4は紫外線吸収剤を含有するクリヤ塗料が開示されている(特許文献1)。しかし、特許文献1のプレコート金属板は、上塗層4のクリヤ塗膜では、紫外線吸収剤が溶出する為、長期にわたる紫外線透過防止効果が期待できず、中塗の劣化による層間剥離、或いは入射した紫外線が中塗り層のアルミフレークによって反射されることによって上層であるクリヤ層の劣化が早く、耐候性(耐膜厚減耗性)が不十分であった。
また、従来からあるように中塗り塗膜が光輝性顔料を含有する場合、中塗り塗膜の意匠性を重視すると、その他の顔料濃度(着色顔料、体質顔料、骨材)を低く調整することがある為に塗膜が柔らかくなることがあり、施工時等での接触や衝撃等により金属素地に達する傷がつき易く。金属素地が露出して耐食性が低下する。その改良を目的として樹脂を硬くすると加工性能が低下することとなり、耐傷付き性と加工性の両立ができなかった。
他に、プライマー硬化塗膜を介して、上塗着色ベース塗料及び上塗クリヤ塗料を塗装し、塗膜を形成する方法であって、上塗クリヤ塗料塗膜は、上塗着色ベース塗膜上にウェットオンウェットで形成され、該上塗着色ベース塗料中に平均粒子径5〜80μmの有機樹脂微粒子及び着色顔料を含有する塗料で、該上塗クリヤ塗料が光輝性粉末を含有する塗料である、上塗ベース上にウェットオンウェットで光輝材入りの縮み模様を形成するクリヤ塗料を塗装してなる金属板の塗装方法が開示されている(特許文献2)。しかし、着色ベース塗料中には平均粒子径5〜80μmの有機樹脂微粒子を含有するものであるが、擦り傷や紫外線の影響を直接受ける上塗クリヤ塗膜の劣化が著しく、さらにはちぢみ模様を有する艶消しメタリック塗膜が得られなかった。特許文献2の上塗クリヤ塗料による塗膜では、光輝性粉末の配向が定まらず、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性)や意匠性に優れた塗膜が得られなかった。
他に、表面に化成処理が施されていてもよい金属板上に、(A)ガラス転移温度が40〜100℃であるプライマー塗膜が形成されており、該プライマー塗膜(A)上に、(B)ガラス転移温度が0〜70℃であり且つ塗膜伸び率が50〜600%である中塗塗膜が形成されており、さらに該中塗塗膜(B)上に、(C)縮み塗料による縮み模様を有し且つガラス転移温度が20〜85℃である艶消し上塗塗膜が形成されてなる塗装金属板に関する発明であって、該艶消し上塗塗膜には、有機樹脂微粒子を含有することが[0052]〜[0053]に開示されている(特許文献3)。
特許文献3には、メタリック調の意匠性を有する塗膜形成に関する記述はない。そこで、メタリック調の意匠性を有する塗膜を得る為に、例えば、中塗塗膜上に、光輝性顔料と着色顔料を含有するメタリック塗膜を塗り重ねることが考えられる。しかし、目的とする色調を得る為に、(C)上塗塗膜中に着色顔料を配合すると、酸性雨や薬品によって塗膜中の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)が劣化することによる色調変動が大きい。一方、着色顔料を配合しないと、好ましい色調や意匠性(例えば、暖色系メタリック意匠)が得られないことがある。
さらに、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性、耐酸性雨性)が不十分であった。具体的には、複層塗膜(図1に未ばくろ塗膜の断面写真を示す。図3にこの時のアルミニウムの配向状態のモデル図を示す。)が、サンシャインウェザオメータによる耐侯性試験を行った後には塗膜がなくなってしまい、アルミニウムが露出して劣化し、塗膜が変色することが問題となっている(耐候試験後の塗膜の断面写真を図2に示す)。
特許文献4には、プライマー硬化塗膜上に、上塗着色ベース塗料塗膜上にウェットオンウェットで上塗クリヤ塗料が塗装されてなる塗装方法であって、該上塗クリヤ塗料は、平均粒子径5〜80μmの有機樹脂粒子を含有し、[0058]には、必要に応じて光輝性粉末を含有することが開示されている。しかし、クリヤ塗料中に、平均粒子径5〜80μmの有機樹脂粒子と光輝性粉末を含有させるだけでは、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性)に優れた塗膜は得られなかった。
特開平8−318592号公報 特開平11−19582号公報 特開2000−204483号公報 特開平11−90322号公報
発明が解決しようとする課題は、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性、耐酸性雨性)、耐薬品性、塗膜硬度、耐食性、加工性、意匠性に優れたメタリック調ちぢみ意匠塗装金属板の塗装方法を見出し、上記諸性能に優れるメタリック調艶消し意匠塗装金属板を提供することである。
本発明者らは、プライマー塗料(A)、中塗り塗料(B)及びメタリック調クリヤ塗料(C)がなる3層の塗膜を焼付け硬化すること。中塗り塗料(B)は、一定量の顔料成分(b)を含有すること。かつメタリック調クリヤ塗料(C)は、平均粒子径が10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)を一定量含有し、かつ平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)を一定量含有することによって、アルミニウム顔料(c3)を望ましい配向とすることができ、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性、耐酸性雨性)、耐薬品性、塗膜硬度、耐食性、加工性、意匠性に優れたメタリック調艶消し意匠金属板を得るに至った。
即ち、本発明は、
「1. 表面に化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗料(A)による乾燥膜厚1〜10μmの硬化塗膜(A1)を形成し、該硬化塗膜(A1)上に、水酸基含有樹脂と架橋剤との固形分合計100質量部に対して、顔料成分を50〜120質量部含有する中塗り塗料(B)を塗装して加熱硬化して乾燥膜厚5〜20μmの硬化塗膜(B1)を形成し、さらに該硬化塗膜(B1)上に、下記特徴のメタリック調クリヤ塗料(C)を塗装して加熱硬化して乾燥膜厚10〜25μmの硬化塗膜(C1)を形成することを特徴とするメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。ここでメタリック調クリヤ塗料(C)は水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)を含んでおり、c1:50〜90質量部と、c2:10〜50質量部との固形分合計100質量部に対して、平均粒子径が10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)1〜10質量部、平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)0.1〜10質量部を含有し、且つ塗膜硬化時に塗膜表面に均一なちぢみ模様が発生ことを特徴とする塗料である。
2.メタリック調クリヤ塗料(C)が、さらに(c1)と(c2)の固形分合計100質量部に対して、平均粒子径10μm以下のシリカ微粉末を0.1〜15質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。
3.塗膜が、JIS B−7533に規定されたサンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験において、2,000時間照射後の膜厚減耗が3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。4.メタリック調クリヤ塗料(C)による乾燥膜厚10〜25μmの硬化塗膜(C1)の光線透過率が波長400nmから700nmの可視光領域において平均10%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。」、に関する。
本発明によって、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性、耐酸性雨性)、耐薬品性、塗膜硬度、耐食性、加工性、意匠性に優れたメタリック調艶消し意匠塗装金属板を提供できる。
本発明の塗装方法による塗装金属板が所望の性能を示す理由として、まず、プライマー塗料(A)、中塗り塗料(B)及びメタリック調クリヤ塗料(C)の3層の塗膜を焼付け硬化し、かつ中塗り塗料(B)は、特定範囲の顔料成分によって塗膜硬度と耐候性に優れた塗膜を得ることができる。
さらに、メタリック調クリヤ塗料(C)は、平均粒子径が10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)と平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)とを一定量含有することによって、アルミニウム顔料(c3)を望ましい配向とすることができ、紫外線を反射できることから意匠性を損うことなく、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性、耐酸性雨性)に優れた塗膜となる。
上記メタリック調クリヤ塗料(C)によるメタリック調クリヤ塗膜(C1)は、中塗着色塗膜が認識できる程度にアルミニウム顔料(c3)を含有したクリヤ塗膜であって、好ましい色調に調整した中塗塗膜の効果と相乗して好ましい意匠性(メタリック調の艶消し塗膜)が得られる。
さらに、メタリック調クリヤ塗料(C)中には着色顔料を含む必要がなく、従来からの光輝性顔料と着色顔料を含有したメタリック塗膜の組み合わせの場合に見られるような、経時での塗膜劣化による変色が少ない、等の理由が考えられる。
本発明は、表面に化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗料(A)に
よる硬化塗膜(A1)を形成し、該硬化塗膜(A1)上に、水酸基含有樹脂と架橋剤との固形分合計100質量部に対して、顔料成分を50〜120質量部含有する中塗り塗料(B)を塗装して加熱硬化して塗膜を形成し、さらに該硬化塗膜(B1)上に、特定のメタリック調クリヤ塗料(C)を塗装して加熱硬化してなる硬化塗膜(C1)を形成することを特徴とするメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法及び塗装金属板である。
以下、詳細に説明する。
[金属被塗物]
被塗物である金属板としては、鉄、アルミニウム合金、真鍮、銅板、ステンレス鋼板、ブリキ板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Feなどの)めっき鋼板、アルミニウムメッキ鋼板などの金属板;これらの金属板表面に燐酸塩処理、クロメート処理などの化成処理を施した表面処理金属板等が挙げられる。上記の金属板の他に、片面又は両面の最外層に金属板を有する「金属板/接着剤層/樹脂層/接着剤層/金属板」の層構成を有する金属樹脂複合板を用いることができる。
また、樹脂等の非金属物質の表面を蒸着等によって金属層で被覆した金属樹脂複合板も被塗物として用いることができ、さらに樹脂を溶融して前記金属樹脂複合板で挟むことによって「金属板/樹脂層/金属板」としたものも被塗物として用いることができる。
なお、軽量性と耐久性の観点から、片面又は両面の最外層に金属板を有する「金属板/接着剤層/樹脂層/接着剤層/金属板」の層構成を有する金属樹脂複合板を用いることが好ましく、さらに金属板としては、アルミニウムが耐食性や加工性の面からより好ましい。
[プライマー塗料(A)]
上記金属被塗物上に、必要に応じてプライマー塗膜が形成される。被塗物である金属板上に、プライマー塗膜の形成に用いられるプライマー塗料としては、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系などのプライマー塗料(A)を挙げることができる。
プライマー塗料(A)による塗膜形成は、通常、金属板上に、プライマー塗料(A)をロールコータなどにより乾燥膜厚が1〜10μm、好ましくは2〜8μmとなるように塗装し、素材到達最高温度(PMT)160〜250℃で15〜180秒の範囲内、特にPMT180〜230℃で20〜120秒の範囲内の条件で、焼付け乾燥することにより硬化塗膜(A1)を形成する。
[中塗り塗料(B)]
硬化塗膜(A1)上に塗装する中塗り塗料(B)は、水酸基含有樹脂と架橋剤との固形分合計100質量部に対して、顔料成分を50〜120質量部含有することによって、塗膜硬度、耐薬品性及び加工性に優れた硬化塗膜(B1)を得ることができる。
水酸基含有樹脂は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの1種又は2種以上を挙げることができる。なかでも、ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、及びこれらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などが包含される。上記ポリエステル樹脂は、数平均分子量(注1)1,500〜35,000、好ましくは2,000〜25,000、ガラス転移温度(注2)10℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃、水酸基価1〜100mgKOH/g、好ましくは5〜80mgKOH/gを有するものが好適である。
(注1)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチ
レンの検量線を用いて測定したものである。
(注2)ガラス転移温度:示差走査型熱分析(DSC)によって求めた。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸、酸の無水物の低級アルキルエステル化物などのエステル形成性誘導体が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。
これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられる。
また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物と反応せしめたもの、ポリエステル樹脂又はアルキド樹脂の製造時にポリイソシアネート化合物を添加して反応せしめたものが挙げられる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用しうるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタン変性樹脂に対して30質量%以下の量となる変性度合のものを好適に使用することができる。
エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフトなどの反応による反応生成物を挙げることができる。かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜30質量%となる量であることが好適である。
アクリル変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基又は水酸基にこれらの基と反応性を有する基、例えばカルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を含有するアクリル樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどをパーオキサイド系重合開始剤を使用してグラフト重合してなる反応生成物を挙げることができる。
かかるアクリル変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、アクリル樹脂の量がアクリル変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜50重量%となる量であることが好適である。以上に述べたポリエステル樹脂のうち、なかでもオイルフリーポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂が、加工性、耐食性などの点から好適である。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基に各種変性剤が反応せしめられた変性エポキシ樹脂を挙げることができる。変性エポキシ樹脂の製造において、その変性剤による変性時期は、特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂製造の途中段階に変性してもエポキシ樹脂製造の最終段階に変性してもよい。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
上記ビスフェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノールA、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用することができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER828、jER812、jER815、jER820、jER834、jER1001、jER1004、jER1007、jER1009、jER1010(以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名);アラルダイトAER6099(旭チバ社製、商品名);及びエポミックR−309(三井化学株式会社製、商品名)などを挙げることができる。
また、上記塗膜形成樹脂として使用できるノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記変性エポキシ樹脂としては、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂に、例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂;アクリル酸又はメタクリル酸などを含有する重合性不飽和モノマー成分を反応させたエポキシアクリレート樹脂;ポリエステル樹脂を反応させたポリエステル変性エポキシ樹脂;イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂又は上記各種変性エポキシ樹脂中のエポキシ基にアミン化合物を反応させて、アミノ基又は4級アンモニウム塩を導入してなるアミン変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
架橋剤:
架橋剤は、加熱により水酸基含有樹脂と反応して硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができ、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂及びブロック化ポリイソシアネート等を使用することができる。この中でも、本発明の課題を得る為には、メラミン樹脂を用いることが好ましい。
上記メラミン樹脂としては、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂が挙げられる。
メラミン樹脂の市販品としては、例えばサイメル202、サイメル232、サイメル235、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267、サイメル272、サイメル285、サイメル301、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル701、サイメル703、サイメル1141(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、ユーバン20SE60(三井サイテック株式会社製)等が挙げられる。
前記水酸基含有樹脂65〜95質量部、好ましくは70〜90質量部、架橋剤5〜35質量部、好ましくは10〜30質量部であることが、塗膜硬度、加工性及び耐食性の点から好適である。
本発明の塗膜形成方法に用いる中塗り塗料(B)は、水酸基含有樹脂と架橋剤との固形分合計100質量部に対して、顔料成分を50〜120質量部、好ましくは60〜100質量部、さらに好ましくは70〜100質量部含有することを特徴とする。上記範囲内であることが、耐傷付き性、耐食性、耐候性に優れたメタリック調艶消し意匠金属板を得る為にも好ましい。
上記顔料成分としては、クレー、タルク、バリタ、炭酸カルシウム等の体質顔料;トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、五酸化バナジウムなどの防錆顔料;例えば、チタン白、亜鉛華などの白色顔料;シアニンブルー、インダスレンブルーなどの青色顔料;シアニングリーン、緑青などの緑色顔料;アゾ系やキナクリドン系などの有機赤色顔料、ベンガラ、ベンガラなどの赤色顔料;ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系及びキノフタロン系などの有機黄色顔料、チタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄などの黄色顔料;カーボンブラック、黒鉛、松煙などの黒色顔料等の着色顔料が挙げられる。
さらに中塗り塗料(B)には、硬化触媒を含有していてもよい。硬化触媒は、水酸基含有樹脂(A)と架橋剤との反応を促進するために必要に応じて配合されるもので、架橋剤(B)がアミノ樹脂である場合には、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。
スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料安定性、反応促進効果、得られる塗膜物性などの点から、p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
架橋剤がブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、硬化触媒としては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物を挙げることできる。硬化触媒は、水酸基含有樹脂と架橋剤の固形分合計量100質量部に対して、0.1〜5.0質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部程度が、耐膜厚減耗性の為にも適している。
中塗り塗料(B)の塗装は、硬化塗膜(A1)上に、中塗り塗料(B)を、カーテン塗装法やロール塗装法などにより硬化膜厚(B1)が5〜20μm、好ましくは10〜18μmとなるように塗装し、素材到達最高温度(PMT)で160〜250℃で15〜180秒の範囲内、特に素材到達最高温度(PMT)で180〜230℃で20〜120秒の範囲内の条件で、焼付け乾燥することにより硬化塗膜(B1)を形成する。
このようにして得られた硬化塗膜(B1)の色調は、次に塗装されるメタリッククリヤ塗料(C)の硬化塗膜(C1)を通じて認識でき、新規な艶消しメタリック感のある塗膜を得ることができる。
[メタリック調クリヤ塗料(C)]
数平均分子量1,500〜25,000、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)50〜90質量部とアミノ樹脂(c2)10〜50質量部との固形分合計100質量部に対して、平均粒子径が10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)1〜10質量部、平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)0.1〜10質量部含有する。
水酸基含有ポリエステル樹脂(c1):
水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)は、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられる。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用しうるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変性度合のものを好適に使用することができる。
エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフトなどの反応による反応生成物を挙げることができる。かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であることが好適である。
アクリル変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基又は水酸基にこれらの基と反応性を有する基、例えばカルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を含有するアクリル樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどをパーオキサイド系重合開始剤を使用してグラフト重合してなる反応生成物を挙げることができる。かかるアクリル変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、アクリル樹脂の量がアクリル変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜50重量%となる量であることが好適である。
以上に述べたポリエステル樹脂のうち、好適なものとしては、オイルフリーポリエステル樹脂が挙げられる。水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)は、数平均分子量1,500〜35,000、好ましくは3,000〜25,000、ガラス転移温度(Tg点)−30〜100℃、好ましくは−20℃〜60℃、水酸基価3〜100mgKOH/g、好ましくは8〜70mgKOH/gを有する。 なお、ガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析(DTA)によるものであり、また数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
上記メタリック調クリヤ塗料(C)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)と反応して架橋させるアミノ樹脂(c2)を用いることができ、具体的には中塗り塗料(B)に用いた架橋剤を使用できる。アミノ樹脂(c2)の配合量は、特に限定されるものではないが、通常、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)との固形分合計量100質量部において、通常、アミノ樹脂(c2)は5〜40質量部の範囲が好適である。
アミノ樹脂(c2):
アミノ樹脂(c2)には、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及び尿素樹脂等が挙げられるが、本発明においては、耐候性、加工性の点からメラミン樹脂を使用することが好ましい。
具体的には、中塗り塗料(B)に例示したメラミン樹脂を使用することができる。前記水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)65〜95質量部、好ましくは70〜90質量部、アミノ樹脂(c2)5〜35質量部、好ましくは10〜30質量部であることがよい。さらに、必要に応じて、硬化触媒やアミン化合物を配合することができる。
上記硬化触媒は、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)との架橋反応を促進するために配合されるものであり、例えば前記中塗り塗料(B)の項で説明した硬化触媒である前記スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物を挙げることができる。
この硬化触媒の量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)との合計100質量部に対して、硬化触媒中の酸の量、例えばスルホン酸化合物のアミン中和物の場合には、スルホン酸化合物の量に換算した値で0.1〜2.0質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部である。
上記アミン化合物は、上塗クリヤ塗膜表面に縮みを発生させるために配合するものであり、沸点30〜250℃の2級又は3級アミンが好適に使用される。アミン化合物の具体例としては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジアリルアミン、ジアミルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジn−オクチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−,2,6−又は3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノールなどの第2級アミン;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジンなどの第3級アミン;N−メチルピペラジンなどの第2級及び第3級アミノ基を有するアミンなどの1種又は2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、ジアルキルアミン、特にジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブルアミンなどが低臭であること及び美しい均一な縮みを形成できることから好適である。
アミン化合物の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
さらにメタリック調クリヤ塗料(C)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)に加えて、平均粒子径10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)及び平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)を含有する。
平均粒子径10〜22μmのアルミニウム顔料(c3):
平均粒子径10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)(以下、平均粒子径10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)を「アルミニウム顔料(c3)」と略することがある)は、キラキラとした光輝感を有する顔料であり、例えば、アルミニウムフレーク、酸化アルミニウムフレーク、塩化オキシビスマスフレーク、ニッケルフレーク、銅フレークなどの鱗片状の光輝性顔料であるのが好ましい。
これらのなかで、アルミニウムフレークがより好ましく、例えば、金属アルミニウムを機械的に粉砕してなるそれ自体既知のノンリーフィング型アルミニウムフレークを好適に使用することができる。
アルミニウム顔料(c3)の平均粒子径は10〜22μm、好ましくは13〜20μm、さらに好ましくは15〜18μmの範囲であることが好ましい。この範囲のアルミニウム顔料(c3)であることにより、平均粒子径10〜20μmのアクリル系有機樹脂粒子(c4)と共に配合した時に、図4のようにアルミニウムの配向とすることができ、従来にない耐膜厚減耗性、耐候性及び意匠性に優れたメタリック調艶消し意匠金属板を得ることができる。
なお、そのような特性の市販品としては、アルミペーストHR−8801(旭化成メタルズ株式会社、商品名、平均粒子径16μm)、アルミペーストHR−9000(旭化成メタルズ株式会社、商品名、平均粒子径10μm)、アルミペースト88NL(旭化成メタルズ株式会社、商品名、平均粒子径13μm)、アルミペーストMC−666(旭化成メタルズ株式会社、商品名、平均粒子径20μm)、アルミペースト EC−500B(旭化成メタルズ株式会社、商品名、平均粒子径22μm)、アルペースト7620NS(東洋アルミニウム社製、商品名、平均粒径19.4μm)、アルペースト9420NS−A(東洋アルミニウム社製、商品名、平均粒径21μm)、アルミペーストPCF7130(東洋アルミニウム社製、商品名、平均粒径20μm)、アルミペーストPCF7620(平均粒径 20μm 東洋アルミニウム社製)、アルミニウムペースト725N(昭和アルミニウムパウダー社製、平均粒子径22μm)、フレンドカラーF500GR(昭和アルミニウムパウダー社製、平均粒子径17μm)、Pariocrom Orange L2800(BASF社製、平均粒子径18μm)等が挙げられる。
なお、本明細書でのアルミニウムフレークの平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(商品名「MT3300」、日機装社製)を使用し、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)の値である。
アルミニウム顔料(c3)の配合量は、クリヤ塗膜を通して中塗塗膜の色が見える範囲内の量であって、良好な耐膜厚減耗性や耐候性及び意匠性を得るために、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)と架橋剤との合計100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは3〜6質量部の範囲で使用することがよい。
アルミニウム顔料(c3)の配合量が1質量部未満であると耐膜厚減耗性が劣ることとなり、耐候性の試験後のクリヤ塗膜が減滅して中塗塗膜が露出してしまう。また、アルミニウム顔料(c3)の配合量が10質量部を超えると、クリヤ塗膜を通して中塗塗膜の色調を見え難くなり、本願の目的とする意匠性を得ることができない。
平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4):
メタリック調クリヤ塗料(C)は、平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)(以下、平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)を「アクリル系有機樹脂微粒子(c4)」と省略することがある)を含有することによって、図4のようなアルミニウムの配向とすることができる。メタリック調クリヤ塗料(C)において使用されるアクリル系有機樹脂微粒子(c4)は、アルミニウム顔料(c3)の配向を調整し、硬化塗膜(C1)に耐膜厚減耗性と耐候性の向上を目的とする。
具体的には、テクポリマー MBX−12(積水化成品工業社製、平均粒子径12μm、アクリル系樹脂)、テクポリマー MBX−15(積水化成品工業社製、平均粒子径15μm、アクリル系樹脂)、テクポリマー MBX−20(積水化成品工業社製、平均粒子径20μm、アクリル系樹脂)、テクポリマー MB30X−20(積水化成品工業社製、平均粒子径20μm、アクリル系樹脂)、テクポリマー BM30X−20(積水化成品工業社製、平均粒子径20μm、アクリル系樹脂)、Diasphere MPB−X10(KOLON社製、商品名、平均粒径10μm、アクリル系樹脂)が挙げられる。
これらのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)の平均粒径は、コールカウンター法で測定した平均粒子径が10〜22μm、好ましくは15〜21μm、さらに好ましくは16〜20μmであることによって、平均粒子径10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)と共に配合した時に、図4のようなアルミニウムの配向とすることができ、従来にない耐膜厚減耗性、耐候性及び意匠性に優れたメタリック調艶消し意匠金属板を得ることができる。
なお、アクリル系有機樹脂微粒子(c4)の配合割合は、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)の固形分合計100質量部に対して、平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)0.1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部、より好ましくは2〜6質量部である。アクリル系有機樹脂微粒子(c4)の配合量が0.1質量部未満では十分な耐膜厚減耗性を得ることができない場合があり、またアクリル系有機樹脂微粒子(c4)の配合量が10質量部を超えると加工性を損う場合がある。
さらに、メタリック調クリヤ塗料(C)に、適宜配合される有機溶剤を塗装性の改善などのために配合することができる。例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤、水などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
他に、メタリック調クリヤ塗料(C)には、必要に応じて、シリカ微粉末を含有していてもよい。このようなシリカ微粉末の平均粒子径10μm以下、好ましくは平均粒子径0.5〜8μmであり、シリカ微粉末を配合することによって、ちぢみ感を有するメタリック塗膜の耐食性、特に凹部およびカット部の耐食性を向上させることができる。
平均粒子径はメタリック調クリヤ塗料(C)中に分散された状態での粒径であり、いわゆる二次粒子径と呼ばれるものである。上記シリカ微粉末には、湿式法、乾式法のいずれの方法によって製造されたものも含まれ、また表面をコーティングなどの処理をされたものであってもよい。
シリカ微粉末は、例えば、アエロジル200、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600(以上、日本アエロジル(株)製)、サイロイド74、サイロイド83、サイロイド161、サイロイド162、サイロイド244、サイロイド308、サイロイド378(以上、富士デヴィゾン化学(株)製)、ミズカシルP−526、ミズカシルP−527、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8(以上、水澤化学工業(株)製)、ニップシールE200A、ニップシールE220(以上、日本シリカ工業(株)製)、ファインシールE−50、ファインシールE−70、ファインシールT−32、ファインシールX−37(以上、徳山曹達(株)製)、カープレックス#67、カープレックス#80(以上、シオノギ製薬(株)製)などが挙げられる。
メタリック調クリヤ塗料(C)における平均粒子径10μm以下のシリカ微粉末の含有量は、ちぢみ模様を安定形成させる為や紫外線透過阻止を目的として、意匠性を損わない程度の配合量が好ましく、水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)との合計100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜8質量部の範囲がよい。
またメタリック調クリヤ塗料(C)には、耐候性を向上させるため必要に応じて、紫外線吸収剤及び光安定化剤のいずれか一方、もしくは両方を塗料組成物に添加することができる。かかる紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系が挙げられ、市販品としては「チヌビン1130」、「チヌビン400」、「ASL−23」、「CYASORBUV−1164L」、「SANDUVOR3206」(以上、チバ・ガイギー社製)が例示できる。
光安定化剤としてはヒンダードアミン系が好適であり、市販品としては「チヌビン123」、「チヌビン144」(以上、チバ・ガイギー社製)、「サノールLS−292」(以上、チバ・ガイギー社製)が例示できる。
メタリック調クリヤ塗料(C)の塗装は、硬化塗膜(B1)上に、メタリック調クリヤ塗料(C)をカーテン塗装法やロール塗装法などにより、硬化膜厚(C1)が10〜25μm、好ましくは12〜20μmとなるように塗装し、素材到達最高温度(PMT)で160〜250℃で15〜180秒の範囲内、特に素材到達最高温度(PMT)で180〜230℃で20〜120秒の範囲内の条件で、焼付け乾燥することにより硬化塗膜(C1)を形成する。
本発明の塗膜形成方法によると、図4に示されるアルミニウムの配向とすることができ、塗膜表層にてより効率的に紫外線を反射することができる。このことから、塗膜の劣化を抑制することができ、従来にない耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性、耐酸性雨性)に優れたメタリック調艶消し意匠金属板を得ることができる。なお、耐膜厚減耗性は、JIS B−7511に規定されたサンシャインウェザーメーター2,000時間照射後の膜厚減耗が3μm以下、好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下である。
さらに、メタリック調クリヤ塗料(C)による硬化塗膜(C1)は、メタリック調クリヤ塗料(C)中に紫外線吸収剤を含有することなく、光線透過率を10%以下、好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下の複層塗膜を得ることができる。なお上記の光線透過率は、クリヤ塗膜を日立自記分光光度計U−3200(日立製作所)を用いて300〜500nmの光線透過率を測定し、透過率曲線の最小値を光線透過率(%)とした。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとする。
製造例1 プライマー塗装金属板の製造
リン酸亜鉛処理を施した厚さ0.5mm×70mm×150mmの溶融亜鉛メッキ鋼板上に、関西ペイント株式会社製、KPカラー8510プライマー(プレコート鋼板用エポキシ樹脂系プライマー)を乾燥膜厚が約4μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるように30秒間焼付け、プライマー塗装金属板を得た。
製造例2 中塗り塗料用樹脂のポリエステル樹脂溶液の製造
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置に、イソフタル酸1079部、アジピン酸407部、ネオペンチルグリコール466部、トリメチロールプロパン802部を仕込み、160℃まで昇温して160℃〜230℃まで3時間かけて徐々に昇温した。
次いで、230℃で30分間反応を続けた後、精留搭を水分離機と置換し、内容部にキシレン124部を加え水分離機にもキシレンを入れて、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去し酸価が10mgKOH/gになるまで反応させ、冷却し、シクロヘキサノン855部を加えて、固形分55%のポリエステル樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、水酸基価184mgKOH/g、数平均分子量2,400、Tg点−18℃を有していた。
製造例3 中塗り塗料No.1の製造
製造例2で得たポリエステル樹脂溶液75部(固形分)、サイメル303(注3)25部(固形分)、ネイキュア5225(注4)0.6部(固形分)、CR−95(注5)70部、サイリシア445(注6)10部、カーボンMA−100(注7)2部、TAROX HY−100(注8)及びトダカラー130R(注9)に、有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール150040/60の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の中塗り塗料No.1を得た。
(注3)サイメル303:日本サイテックインダストリーズ株式会社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂。
(注4)ネイキュア5225:キング・インダストリーズ社製(アメリカ)、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和溶液。
(注5)CR−95:石原産業社製、商品名、チタン白。
(注6)サイリシア445:富士シリシア化学社製、商品名、シリカ。
(注7)カーボンMA−100:三菱化成(株)製、商品名、カーボンブラック。
(注8)TAROX HY−100:チタン工業社製、商品名、黄色酸化鉄。
(注9)トダカラー130R:戸田工業社製、商品名、ベンガラ。
製造例4、5、比較製造例1、2 中塗り塗料No.2〜No.5の製造
表1の配合内容とする以外は製造例3と同様にして、中塗り塗料No.2〜No.5を得た。
Figure 0005113638
製造例6 クリヤ塗料No.1の製造例
バイロンKS−1430V(注10)80部(固形分)、サイメル303(注3参照)を20部(固形分)、アルミペーストHR−8801(注11)4部(固形分)、テクポリマー MB30X−20(注15)を10部(固形分)、ネイキュア5225(注4)を0.3部(固形分)、CYASORBUV−1164L(注21)2部、チヌビン123(注22)1部、及び有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール150040/60の混合溶剤)で希釈して、粘度110秒(フォードカップ#4、25℃)のクリヤ塗料No.1を得た。
製造例7〜17 クリヤ塗料No.2〜No.12の製造例
表2の配合内容とする以外は、製造例6と同様にして、クリヤ塗料No.2〜No.12を得た。
Figure 0005113638
(注10)バイロンKS−1430V:東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂、平均分子量12,000、水酸基価11mgKOH/g、ガラス転移点1℃。
(注11)アルミペーストHR−8801:旭化成メタルズ株式会社、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒子径16μm。
(注12)アルミペーストMC−666:旭化成メタルズ株式会社、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒子径20μm。
(注13)アルペースト7620NS:東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒径19.4μm。
(注14)アルミペーストMR−9000(旭化成メタルズ株式会社、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒子径10μm。
(注15)テクポリマー MB30X−20:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径20μm。
(注16)テクポリマー MBX−12:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径12μm。
(注17)テクポリマー MBX−15:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径15μm。
(注18)テクポリマー MBX−20:積水化成品工業社製、商品名、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径20μm。
(注19)Diasphere MPB−X10:KOLON社製、商品名、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径10μm。
(注20)サイロイド161W:GRACE GMBH社製、商品名、有機処理されたシリカ粉末、吸油量170ml/100g。
(注21)CYASORBUV−1164L:チバガイギー社製、商品名、紫外線吸収剤。
(注22)チヌビン123:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名、光安定性。
比較製造例3 クリヤ塗料No.13の製造例
バイロンKS−1430V(注10)80部(固形分)、サイメル303(注3参照)を20部(固形分)、アルミペーストMR−8801(注11)0.5部(固形分)、テクポリマー MBX−30(注27)を10部(固形分)、ネイキュア5225(注4)を0.3部(固形分)、サイロイド161W(注20)を6部、CYASORBUV−1164L(注21)2部、チヌビン123(注22)1部を混合し、有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール150040/60の混合溶剤)で希釈して、粘度110秒(フォードカップ#4、25℃)のクリヤ塗料No.13を得た。
比較製造例4〜17 クリヤ塗料No.14〜No.25の製造例
表3の配合内容とする以外は、比較製造例3と同様にして、クリヤ塗料No.14〜No.25を得た。
Figure 0005113638
(注23)アルミペーストMF−20:旭化成メタルズ株式会社、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒子径25μm。
(注24)アルミペーストCR−9800RM:旭化成メタルズ株式会社、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒子径8μm。
(注25)アルペースト7220NS:東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒径25μm。
(注26)アルペースト7410NS:東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレーク顔料、平均粒径28μm。
(注27)テクポリマー MBX−30:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径30μm。
(注28)テクポリマー MBX−50:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子、平均粒子径50μm。
(注29)テクポリマー MB30X−5:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子、平均粒径5μm。
(注30)テクポリマー MBXR−8N:積水化成品工業社製、アクリル系樹脂微粒子平均粒径8μm。
(注31)アフロンルプリカント150J:旭硝子社製、ポリテトラフルオロエチレン、平均粒子径9μm。
実施例1
製造例1で得た「プライマー塗装金属板」上に、製造例3で得た中塗り塗料No.1をロールコーターにて乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が190℃で60秒間焼き付けて硬化塗膜を得た。
次いで、上記硬化塗膜上に、クリヤ塗料No.1をロールコーターにて乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が230℃で60秒間焼き付けて複層塗膜No.1を得た。
実施例2〜14
表4の塗料内容及び加熱硬化条件とする以外は、実施例1と同様の操作にて複層塗膜No.2〜No.14を得た。併せて、下記の試験条件に従った試験を行ったので結果を示す。
Figure 0005113638
比較例1〜13
表5の塗料内容及び加熱硬化条件とする以外は、実施例1と同様の操作にて複層塗膜No.15〜No.29を得た。併せて、下記の試験条件に従った試験を行ったので結果を示す。
Figure 0005113638
(注32)塗膜外観:塗膜外観を肉眼で観察し、下記基準により評価した。
◎は、塗面に緻密で均一な縮み模様が発生し、ハジキ、凹み、曇りなどの塗面異常が認められない。
〇は、塗面に縮み模様が発生し、ハジキ、凹み、曇りなどの塗面異常が認められないが、縮み模様の緻密さ又は均一さが上記◎のものに比べて僅かに劣る。
△は、ハジキ、凹み、曇りなどの塗面異常が認められないが、塗面に縮み模様が発生しない。
×は、塗面にハジキ、凹み、曇りなどの塗面異常が認められる。
(注33)鉛筆硬度(耐傷付き性):試験板の塗膜について、JIS K 5600−5−4(1999)に規定する鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の破れによる評価を行った。
(注34)加工性:20℃の室内において、塗装板の塗膜表面を外側にして折曲げ、その内側に何も挟まずに上記塗装板を万力にて180度折曲する0T折曲げ加工を行ったときの折曲げ部の塗膜状態、及び0℃の室内において塗装板の塗膜表面を外側にして折曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さのスペーサを2枚挟んで上記塗装板を万力にて180度折曲する2T折曲げ加工を行ったときの折曲げ部の塗膜状態を下記基準にて評価した。
◎は、塗膜にワレ、ハガレなどの異常が認められない。
○は、塗膜にワレが僅かに認められる。
△は、塗膜にワレがかなり認められる。
×は、塗膜にワレが著しく認められる。
(注35)光沢保持率(耐候性):
JIS B−7533に規定されたサンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験において、照射時間が2,000時間となるまで試験を行った塗膜において、60度鏡面光沢度で測定した初期光沢に対する光沢保持率(%)を調べた。
(注36)耐膜厚減耗性(耐候性):
サンシャインウェザオメータで照射時間が2,000時間となるまで試験を行なった塗膜の膜厚を測定し、初期膜厚との差を求めた。
(注37)耐食性:
上記(注34)加工性、で用いた「0T折曲げ加工」に用いた試験板を塩水噴霧試験に供した。塩水噴霧試験は、JIS Z−2371に準じて行い、塩水噴霧試験時間は1,000時間とし、加工部の錆の発生程度を下記基準により評価した。
◎は、加工部に錆の発生が認められない。
○は、加工部に錆の発生が認められるが加工部の長さの10%未満である
△は、加工部の長さの10%以上で50%未満に錆の発生が認められる
×は、加工部に加工部の長さの50%以上に錆の発生が認められる。
(注38)密着性:
JIS K 5600−5−6(1999)碁盤目−テープ法に準じて、塗装板の塗膜面に素地に達するようにナイフを使用して約1mmの間隔で縦、横それぞれ平行に11本の切目を入れてゴバン目を形成し、その表面にセロハン(登録商標)粘着テープを貼着し、テープを急激に剥離した後のゴバン目塗面を下記基準にて評価した。
◎:塗膜の剥離が全く認められない
○:ナイフ傷における塗膜の一部にわずかに剥離が認められる
△:100個のゴバン目のうち少なくともUVインクの全てが剥離したものが1〜20個である
×:100個のゴバン目のうち少なくともUVインクの全てが剥離したものが21個以上である。
(注39)耐薬品性:濃度5%の硫酸水溶液に、各試験板を60℃で3時間浸漬した後の塗面を目視で評価した。
〇:塗膜にフクレ又はワレなどの異常のないもの。
△:塗膜にフクレ又はワレのいずれかが認められる 。
×:塗膜にフクレ又はワレが著しく認められる。
(注40)光線透過率:ブリキ板に所定の膜厚(15μm)になるように、各クリヤ塗料を塗装する。その後230℃で60秒間加熱乾燥する。次いで、アマルガム法によって塗膜を水銀を用いて剥離してクリヤ単独塗膜を作る。各々のクリヤ単独塗膜を日立自記分光光度計U−3200(日立製作所)を用いて300〜500nmの光線透過率を測定し、透過率曲線の最小値を光線透過率(%)とした。
塗膜硬度、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性)、耐薬品性、耐食性、加工性、意匠性(メタリック調の艶消し塗膜)に優れた塗装金属板を提供できる。
耐候性試験前の複層塗膜の断面電子顕微鏡写真である。 耐候性試験後の複層塗膜の断面電子顕微鏡写真である。 クリヤ塗膜におけるアルミニウムが、従来品の配向状態のモデル図である。 クリヤ塗膜におけるアルミニウムが、本発明品の配向状態のモデル図である。
符号の説明
1.クリヤ塗膜部分を示す。
2.中塗り塗膜部分を示す。
3.減耗膜厚分を示す。
4.アルミニウムの配向を示す。
5.紫外線を示す。
6.表層で紫外線が反射していることを示す。

Claims (4)

  1. 表面に化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗料(A)による乾燥膜厚1〜10μmの硬化塗膜(A1)を形成し、該硬化塗膜(A1)上に、水酸基含有樹脂と架橋剤との固形分合計100質量部に対して、顔料成分を50〜120質量部含有する中塗り塗料(B)を塗装して加熱硬化して乾燥膜厚5〜20μmの硬化塗膜(B1)を形成し、さらに該硬化塗膜(B1)上に、下記特徴のメタリック調クリヤ塗料(C)を塗装して加熱硬化して乾燥膜厚10〜25μmの硬化塗膜(C1)を形成することを特徴とするメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。
    ここでメタリック調クリヤ塗料(C)は水酸基含有ポリエステル樹脂(c1)とアミノ樹脂(c2)を含んでおり、c1:50〜90質量部と、c2:10〜50質量部との固形分合計100質量部に対して、平均粒子径が10〜22μmのアルミニウム顔料(c3)1〜10質量部、平均粒子径10〜22μmのアクリル系有機樹脂微粒子(c4)0.1〜10質量部を含有し、且つ塗膜硬化時に塗膜表面に均一なちぢみ模様が発生することを特徴とする塗料である。
  2. メタリック調クリヤ塗料(C)が、さらに(c1)と(c2)の固形分合計100質量部に対して、平均粒子径10μm以下のシリカ微粉末を0.1〜15質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。
  3. JIS B−7533に規定されたサンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験において、2,000時間照射後の膜厚減耗が3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。
  4. メタリック調クリヤ塗料(C)による乾燥膜厚10〜25μmの硬化塗膜(C1)の光線透過率が波長400nmから700nmの可視光領域において平均10%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタリック調艶消し意匠塗装金属板の塗装方法。
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