JP7378202B2 - 建築物外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板 - Google Patents

建築物外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板 Download PDF

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Description

本発明は、建築物の外装(例えば、屋根、屋上、バルコニー等)の材料として使用するための、遮熱性や耐候性などに優れたポリ塩化ビニル被覆金属板に関する。
近年、特に夏季の冷房負荷の低減やヒートアイランド現象への対策に関する技術として、建築物の外装面(例えば、屋根材、屋上床材、バルコニー床材、等)に施工するための日射反射性の高い材料の需要が高まっている。
一般的に太陽光の照射エネルギーは、紫外線:約6%、可視光線:約52%、赤外線:約42%で構成されると言われている。これらの光を建築物の外装材により高効率で反射することで、建築物の温度上昇を抑えることが可能となる。
一方で、太陽光の照射エネルギーの約半分は可視光線であることから、外装材を明るい色(白色により近い色)とした方が、日射反射率を高めるためには有利である。しかしながら、建築物の外観をより白っぽい色・より明るい色とした場合には、見る者に眩しさやギラつきを感じさせるという問題が発生する。そのため、日射反射率を高めつつ見る者への眩しさやギラつきを感じさせない工夫が必要となる。
これらの問題に対する解決策として、例えば特許文献1では、温度上昇を防ぐことができて耐候性にも優れる塗装金属板が開示されている。金属板に塗装される遮熱性塗料としては、可視領域で吸収を示し近赤外領域では反射を示す顔料と、JISA 5759に定義される日射反射率が12%以上である着色顔料を少なくとも一種以上と、耐候性に優れるビヒクルと、必要に応じて白色顔料と、を含有することが開示されている。
また、特許文献2には、混合顔料と熱可塑性樹脂とを含有する組成物をフィルム状に成形して得られる遮熱性カラーフィルムが開示される。前記混合顔料としては、特定の波長域の日射反射率を規定した白色顔料、青色顔料、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料、及び、黒色顔料からなる群から選択される2種以上の原色顔料を組み合わせてなることが開示されている。
特許文献3には、遮熱性に優れた防水シートとして、カーボン顔料を含まず、中空セラミックバルーンを含有する赤外線反射層を有し、700~2100nm波長域における日射反射率が30%以上である防水シートを開示している。
特開2000-126678号公報 特開2002-12679号公報 特開2004-360332号公報
上記特許文献1~3はいずれも、現在の建築物の外装材料の需要に対しては改善の余地があるものであった。
すなわち、特許文献1は塗装金属板に関する開示であるが、現場施工の容易性や取り扱いの簡便性等の観点から、ラミネート金属板の需要が高まっている。
特許文献2は、2種以上の原色顔料を組み合わせた混合顔料を含有する熱可塑性樹脂フィルムを鋼鈑基材上に配置し、遮熱性を測定した場合にはフィルム裏面の温度上昇が抑えられることが開示されている。しかしながら、最終製品の具体的な日射反射率や耐候性、熱膨張性などに関しては開示がなく、近年の温暖化や住宅密集化に対しても耐え得るものとする必要があった。
特許文献3に開示の遮熱性を有する防水シートは、その施工方法としては躯体上に金属製のディスクを固定し、その上に防水シートを敷設する方式である。しかしながら、施工方法によっては表面に撓み等が発生する可能性があり、また最終製品の熱膨張性などに関しては開示がなく、近年の需要を満たすものではなかった。
上記問題点に鑑み本発明者らが鋭意検討した結果、本発明を想到するに至った。
上記課題を解決するため、本発明の一例を具体化した実施形態では、選択的に列挙される以下の点を特徴とする。
(1)本実施形態における建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板は、金属板と、前記金属板の少なくとも片面に被覆された遮熱層と、を有し、前記遮熱層は、ポリ塩化ビニル樹脂と顔料とを含有しており、前記顔料が少なくともルチル型酸化チタンを含み、前記顔料が、以下の式(1)で表される反射率が50%以上になるように、カーボンブラック濃度とルチル型酸化チタン濃度を組合せてなるものであることを特徴とする。
反射率(%)=
-297(%/重量%)×カーボンブラック濃度(重量%)
+1.17(%/重量%)×ルチル型酸化チタン濃度(重量%)
+46.3(%) ・・・(1)
(2)上記(1)において、前記顔料がカーボンブラックを含まないことが好ましい。
(3)上記(1)又は(2)において、前記遮熱層の厚みが200μm~450μmであることが好ましい。
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、前記遮熱層がエンボス部を有することが好ましい。
(5)上記(4)において、前記エンボス部が前記金属板側に向けた凹部であり、前記凹部の深さが前記遮熱層の厚みの1/2~1/5であることが好ましい。
(6)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、前記遮熱層の外面側から測定したL表色系の明度L値が、50~90であることが好ましい。
(7)上記(1)~(6)のいずれかにおいて、前記金属板の温度上昇率が15℃/min以下であることが好ましい。
(8)上記(1)~(7)のいずれかにおいて、熱膨張率が0.28mm/min以下であることが好ましい。
本発明によれば、建築物の外装(例えば、屋根、屋上、バルコニー等)の材料として使用した場合に、赤外線や可視光線等の反射性能に優れ、長期間太陽光を照射されても外装材の熱膨張を抑制することが可能なポリ塩化ビニル被覆金属板を得ることができる。また、遮熱性、耐食性、耐候性、意匠性を高次元で同時に兼ね備えた建築物の外装材用のポリ塩化ビニル被覆金属板を得ることができる。
本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板の温度上昇の測定方法を示す概念図である。 本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板の他の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板の他の一例を示す断面模式図である。
<建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板>
以下、本実施形態にかかる建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1は、金属板10と、前記金属板の少なくとも片面に被覆された遮熱層20と、を有する。前記遮熱層20は、ポリ塩化ビニル樹脂と顔料とを含有している。前記顔料は少なくともルチル型酸化チタンを含む。さらに前記顔料は、以下の式(1)で表される反射率が50%以上になるように、カーボンブラック濃度とルチル型酸化チタン濃度を組合せてなるものであることを特徴とする。
[式1]
反射率(%)=
-297(%/重量%)×カーボンブラック濃度(重量%)
+1.17(%/重量%)×ルチル型酸化チタン濃度(重量%)
+46.3(%) ・・・(1)
<金属板10>
本実施形態において使用される金属板10は、ラミネート金属板において一般的に使用される金属板を使用することが可能である。例えば、表面処理鋼板、ステンレス板、アルミニウム板或いはアルミニウム合金板等を使用することができる。
表面処理鋼板としては、例えば、亜鉛或いは亜鉛合金めっきを施した表面処理鋼板を使用することができる。具体的には、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛合金めっき鋼板などを挙げることができる。
また、ステンレス板としては例えば、JIS G 4304あるいはJIS G 4305記載のステンレス板が適用できる。
さらに、アルミニウム板或いはアルミニウム合金板からなる基板は、JIS H 4000に記載されたアルミニウム板、アルミニウム合金板を用いることができる。
上記のうち、特に、耐食性の観点から、SUS304等のステンレス板が好ましく使用される。あるいは、入手容易性及び価格等の観点からは、溶融亜鉛めっき鋼板が好ましく使用できる。
金属板10の厚みについては特に制限はないが、例えば、0.1mm~1.2mmの厚さであることが、施工の容易性、及び外観上の観点から好ましい。
金属板の厚さが0.1mm未満であると、好ましい耐食性や耐候性を得ることができない可能性がある。一方、金属板の厚さが1.2mmを超えると、重量が大きくなるため施工の際に支障をきたす可能性が高くなることや、コストの観点から好ましくない。
<遮熱層>
本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1においては、前記金属板10の少なくとも片面に遮熱層20が形成される。前記遮熱層20は、熱可塑性樹脂に、遮熱性能を有する顔料を適宜混合して形成する。
前記熱可塑性樹脂としては、建築物の外装材に使用する観点から、耐候性に優れた樹脂を選択することが必要である。例えば、塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニルとも称する。)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。このうち、耐候性及び価格の観点から、上記した熱可塑性樹脂として特にポリ塩化ビニルが好ましく使用される。
なお上記熱可塑性樹脂は、1種類を使用しても良いし、2種類以上の樹脂を混合して使用しても良い。また、公知の可塑剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
本実施形態において、ポリ塩化ビニル(熱可塑性樹脂)に添加される可塑剤としては、公知の可塑剤を挙げることができる。例えば、フタル酸エステル、エポキシ樹脂、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、セバチン酸エステル、アゼライン酸エステル等を使用することができる。
可塑剤の添加量としては、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、好ましくは10~50重量部添加することが可能である。
前記遮熱層20は、赤外線波長域(一般的には、780nm~2100nmとされる。)の光や、可視光領域の光(一般的には、380nm~780nmとされる。)を反射する機能を有している。具体的には、上記熱可塑性樹脂に、上記波長域の光を反射する性能(以下、遮熱性とも称する。)を有する顔料を適宜混合することにより、遮熱層20を形成する。
本実施形態において使用される顔料としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、白色顔料としては、ルチル型酸化チタン、亜鉛華、鉛白、硫酸鉛、リトボン、硫化亜鉛、酸化アンチモンなどが使用できる。
さらに、艶消し効果が得られる体質顔料としてはバライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、アスベスト、クレー(カオリン)、シリカ粉、微粉ケイ酸、珪藻土、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白などが使用できる。
黒色顔料としてはマグネタイト(鉄黒)、カーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、ペリレンブラックなどが使用できる。
黄色顔料としてはニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、イソインドリノンイエロー、ポリアゾイエローなどが使用できる。
橙色顔料としては赤口黄鉛、クロムパーミリオンなどの無機系顔料の他に有機系顔料としてパーマネントオレンジなどのアゾ系顔料などが使用できる。
赤色顔料としてはベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリーレッド、アンチモン朱などの無機顔料の他に、有機顔料としてパーマネントレッドなどのアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドンレッドなどのキナクリドン系顔料などが使用できる。
紫色顔料としてはコバルト紫[(Co(POあるいはCo(AsO]あるいはマンガン紫などの無機顔料の他に、有機顔料としてファストバイオレットBなどのアゾ系顔料やメチルバイオレットレーキなどの塩基性染色系レーキ顔料が使用できる。
青色顔料としては群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、呉須などの無機顔料の他に、有機顔料としてフタロシアニンブルーなどのフタロシアニン系顔料やアルカリブルーレーキなどの酸性染色レーキ顔料などが使用できる。
緑色顔料としてはクロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーンあるいはコバルトグリーンなどの無機顔料の他に、有機顔料としてピグメントグリーンBなどのニトロソ系顔料やフタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料が使用できる。
これらの顔料単独で混合しても良いし、必要とされる色調に応じてこれらの顔料を適宜混合して使用しても良い。また、添加剤としてアルミ顔料を混合しても良い。
<反射率>
本実施形態のポリ塩化ビニル被覆金属板1における遮熱層20には、上記した顔料のうち少なくともルチル型酸化チタンを含むことを特徴とする。なお本実施形態において、ルチル型酸化チタンは顔料用として一般的に流通しているものを使用することができる。
ルチル型酸化チタンは、赤外線波長域の光をほとんど吸収せずに反射するため、遮熱性能に優れている。しかしながら、可視光領域の光も同時に反射するため、使用する顔料のうちルチル型酸化チタンの割合が多い場合には、最終製品としたときに見る者に眩しさやギラつきを感じさせるという問題が発生する。
このようなルチル型酸化チタン顔料の特性に鑑みて、本発明者らは実験を繰り返した。その結果、ルチル型酸化チタン濃度を、上記した式(1)で定義される反射率が50%以上になるように含有させた場合に、遮熱性に優れ且つ見る者に眩しさやギラつきを感じさせない、実用的なポリ塩化ビニル被覆金属板を製造できることを見出した。
一方で、上記式(1)にも示されるように、本実施形態において遮熱層20の調色をする際に、黒色顔料としてカーボンブラックを所定量以下で添加してもよい。黒色顔料としてカーボンブラックを添加することによって、遮熱層20の明度を低下することができ、落ち着いた色調とすることが可能となる。
しかしながら、カーボンブラックは赤外波長域の光を吸収する性質を有しているため、含有する黒色顔料の量に比例して、遮熱層20の遮熱性(赤外線反射性能+可視光反射性能)が低下するという問題が存在する。従って本実施形態においては、カーボンブラックを遮熱層20に含有する場合であっても、上記式(1)で定義される反射率が50%以上となるような含有量とする必要がある。
なお、上記式(1)においては、ルチル型酸化チタン濃度とカーボンブラック濃度との2種類の顔料のみをパラメータとしているが、遮熱層20には、これら2種類以外の顔料をも混合してよいことは言うまでもない。
すなわち例えばベージュの色調を調色する際に、必要であれば上記2種類以外の顔料(例えば赤系の顔料や茶系の顔料)を適宜混合してもよいことは言うまでもない。
なお、遮熱層20に含まれる全顔料の合計濃度は、遮熱層20を完全隠蔽するのに必要な顔料濃度の1.0倍~5.0倍、好ましくは1.5倍~5.0倍であることが好ましい。全顔料の濃度がそれ以下である場合には、好ましい遮熱性能、耐候性が得られない。また、全顔料の濃度が前記以上の値である場合には、ポリ塩化ビニル樹脂への混合が困難となり、製膜性が低下するとともに、加工性も低下するため好ましくない。
なお、上記した遮熱層20の「完全隠蔽」とは、対象フィルム100μmを作製し、株式会社村上色彩技術研究所製 分光光度計CMS-35SPにて光透過率を測定したときに、400nmにおける光透過率が0%、500nmにおける光透過率が2%以下となるように最低限必要な顔料を添加した状態をいうものとする。
ここで、本実施形態の意義は、遮熱層20をいかなる色調とする場合であっても、上記式(1)で定義される反射率が50%以上とするようにすることで、遮熱性をコントロールできることにある。すなわち、ルチル型酸化チタン濃度とカーボンブラック濃度の2種類のパラメータにより、遮熱性をコントロールできる。
なお本実施形態においては、上記式(1)におけるカーボンブラック濃度をゼロとしても良い。すなわち、遮熱層20に含まれる顔料には、少なくともルチル型酸化チタンを含むが、カーボンブラックは含まなくても良い。
その場合、上記式は、以下の式(2)のように表される。
[式2]
反射率(%)=
+1.17(%/重量%)×ルチル型酸化チタン濃度(重量%)
+46.3(%) ・・・(2)
本実施形態における上記式(1)と、JIS R 3106に規定される日射反射率との関係について説明する。
JIS R 3106に規定の日射反射率は、塗膜等の分光光度計で得られた分光反射率の値により算出される。
一方で、本実施形態の反射率の式(1)によれば、塗膜や樹脂フィルムの製造前に、望ましい反射率の値から添加すべきルチル型酸化チタンの量を算出できる。
本実施形態において開示する上記式(1)は、JIS R 3106に規定の日射反射率の値とほぼ1:1で比例するように規定されている。
すなわち、本実施形態においては、上記式(1)により、JIS R 3106で規定される日射反射率(%)の値を実質的に制御することが可能となるため有益である。
次に、遮熱層20の厚みについて説明する。遮熱層20の厚みとしては、200μm~450μmであることが好ましい。遮熱層20の厚みが200μm未満の場合には、ポリ塩化ビニル被覆金属板1に関して、耐候性が低下してしまうため好ましくない。一方で、遮熱層20の厚みが450μmを超えた場合には、耐候性については問題がないが、製品コストが上昇してしまうため好ましくない。
<色調>
次に、遮熱層20の色(色調)について説明する。物質の色(色調)は、どの波長の光を吸収するか、あるいは反射するかによって決まる。物質の温度を最も上昇させやすいのは赤外線であるが、可視光線に関しても、物質に吸収されて熱エネルギーに変換された場合にはその物質の温度を上昇させる。
上述したように、太陽光の照射エネルギーのうち、可視光線は約52%、赤外線は約42%であるから、可視光線を反射できれば、温度上昇をその分抑えることが可能となる。
可視光線の波長域のうち、すべての色の波長が乱反射される場合には、遮熱層20の色は白色に見える。そのためには、例えば遮熱層20に含有される顔料として、ルチル型酸化チタンを使用することにより達成される。
しかしながらその場合は、上述したように、見る者に眩しさやギラつきを感じさせるという問題が発生する。よって、本実施形態の遮熱層20には、少なくともルチル型酸化チタンを含み、さらに、その他の顔料を含有することが好ましい。
ここで、遮熱層20の色調としては、外面側(表面側)から測定したL*a*b*表色系の明度L*値が、50~90とすることが好ましい。
なお、本実施形態において、L*a*b*表色系の明度L*値は、JIS Z 8729に準じて測定される値である。
<光沢度>
遮熱層20の光沢度の値としては、1~30であることが好ましい。光沢度が1未満である場合、実用に際して好ましい意匠性が得られない。一方、光沢度が30を超えた場合、見る者に眩しさやギラ付きを感じさせる可能性があるため好ましくない。
なお、本実施形態における「光沢度」とは、JIS Z 8741に規定される60度鏡面光沢度(Gs(60°))をいう。具体的な光沢度の測定方法としては、JIS Z 8741に基づいて鏡面光沢度測定器等を用いて測定することが可能である。
<温度上昇率>
本実施形態においては、上記のような構成とすることにより、遮熱性に優れた建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1を製造することが可能となる。
すなわち、本実施形態のポリ塩化ビニル被覆金属板1は、遮熱層20を形成しているため、長時間太陽光等を照射しても、金属板10の温度上昇を抑制することが可能となる。
金属板10の温度上昇は、遮熱層20を形成していない面における金属板10の温度を測定することにより確認することが可能である。
具体的には、上昇温度は例えば次のような方法で確認できる。すなわち図2に示すように、発泡スチロールの箱Pに本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1を遮熱層20が上になるように載置し、遮熱層20の側から赤外線ランプLを照射する。所定の時間が経過した後、遮熱層20を形成していない側の金属板10の表面温度の変化を温度計Tで確認する。
本実施形態においては、上述した金属板10の温度上昇が、本実施形態の遮熱性20を設けないポリ塩化ビニル被覆金属板(以下、従来品と称する。)の場合と比較して、-10℃~-30℃に抑制されていることが好ましい。
すなわち、以下のように表されるΔT-ΔTの値(従来品との温度上昇の差)が、-10℃~-30℃となることが好ましい。
ここで本実施形態における、上記式(1)で規定される反射率が50%以上となるようにして製造した建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1において、赤外線ランプ照射前の温度をTE0、赤外線ランプ照射後の温度をTE1とする。
一方で、従来品の赤外線ランプ照射前の温度をTR0、赤外線ランプ照射後の温度をTR1とする。なお従来品のポリ塩化ビニル層は、式(1)で規定される反射率は50%未満であるが、本実施形態と概ね同じ色調になるように顔料が添加されている。
本実施形態と従来品とで、それぞれ温度上昇を測定した場合、それぞれの上昇温度(℃)を、ΔT=TE1-TE0、ΔT=TR1-TR0、と定義する。
また、本実施形態における温度上昇について、従来品との比較を行わずに本実施形態単独で表現した場合、単位時間あたりの温度上昇(以下、「温度上昇率」と称する。)が、20分間の赤外線照射を行った場合の照射開始直後において、15℃/min以下、好ましくは11℃/min以下であることが好ましい。なお、前記「照射開始直後」とは、温度上昇カーブにおいて直線的な初期勾配を示す範囲を表すものとし、具体的には、照射開始から1分以内をいうものとする。
温度上昇率を上記の数値範囲とすることにより、例えば長時間太陽光に照射された場合でも建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板の温度上昇を抑えることができるため、その上を歩行する際に好適である。また、建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板そのものの耐候性も向上させることが可能となる。さらには後述する熱膨張も抑えることができるので、施工時にも好適である。
<エンボス部>
次に、図3に示されるように、遮熱層20にはエンボス部40を有することがさらに好ましい。エンボス部を有することにより、意匠性が向上するだけでなく、以下の実用的な効果が得られる。
すなわち、エンボス部40を設けることにより、本実施形態のポリ塩化ビニル被覆金属板1を建築物のバルコニー床材等に適用した場合、裸足でその上を歩いた場合でもべたつかず肌触りが良いため好ましい。また、エンボス部40を設けることにより、ポリ塩化ビニル被覆金属板1を施工する場合においても、よれたり撓んだりせず、施工の効率が向上する。
前記エンボス部40の形状としては一般的なものが適用でき、特に制限されるものではない。例えば、図3に示されるように、金属板10の方向に形成された凹部であってもよい。前記凹部の深さは、前記遮熱層20の厚みの1/2~1/5であることが、上記したエンボス部40の効果を最大限に発揮するためには好ましい。具体的には、エンボス部40の深さは、40μm~225μmであることが好ましい。
<接着剤層>
図4に示すように、前記金属板10と前記遮熱層20の間には、接着剤層30が形成されていてもよい。接着剤層30としては一般的な熱硬化型の樹脂塗料を使用することができる。具体的な例としては、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、フラン-ホルムアルデヒド樹脂、キシレン-ホルムアルデヒド樹脂、ケトン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
なお、接着剤層30は必ずしも設けなくともよい。その場合、遮熱層20は、金属板上に熱融着されるか、あるいは溶融樹脂を直接押出して形成される。なお、建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1の具体的な製造方法については後述する。
<熱膨張率>
本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1は、上記の構成とすることにより、熱膨張が抑制されることを特徴とする。
なお、本実施形態において、単位時間あたりの熱膨張量(以下、「熱膨張率」と称する。)は、20分間の赤外線照射を行った場合の照射開始直後において、基準長1000mmに対して、0.28mm/min以下、好ましくは0.23mm/min以下、より好ましくは0.20mm/min以下であることが好ましい。なおここでの「照射開始直後」とは、上述した「温度上昇率」の説明中における定義と同様である。
熱膨張率が0.28mm/minを超えた場合には、実際の建築物の施工現場において、例えば屋外で一日太陽光を照射された場合にポリ塩化ビニル被覆金属板のサイズが変動してしまい、場合によっては施工のやり直しが必要となるため、好ましくない。
<耐候性>
本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1は、耐候性に優れていることを特徴とする。耐候性は具体的には、例えばサンシャインウェザーメーター等の促進耐候性試験機を用いて測定した場合の、所定の紫外線照射時間経過後の色の違い(ΔE*)等により表すことができる。
本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1は、上記におけるΔEが3.0以下、好ましくは2.0以下、さらには1.5以下であることが好ましい。
なお、本実施形態において、耐候性試験方法等については、JIS A 1415に規定された方法により行う。
<ポリ塩化ビニル被覆金属板の製造方法>
続いて、本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1の製造方法について説明する。
本実施形態の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板1の製造方法については、公知の樹脂被覆金属板の製造方法を適用することが可能である。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを製造して金属板に熱溶着する方法や、接着剤を介してポリ塩化ビニル樹脂フィルムを金属板に貼り合わせる方法が適用できる。
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの製造方法としては、例えば、カレンダー成形法や、押出成形法により製造することができる。
以下に、本実施形態におけるポリ塩化ビニル樹脂フィルムの製造方法の一例として、カレンダー成形法による製造について説明する。
すなわち、まずポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、顔料を混合した後に加熱、混練し、流動性のコンパウンドとする。ここで各材料の混合割合としては、ポリ塩化ビニル樹脂50~70重量%、可塑剤20~30重量%、顔料合計5~25%とすることが好ましい。
引き続いて前記コンパウンドを、カレンダー成形機の最初のロール2本に挟み込みながら圧延する。その後、圧延されたコンパウンドは複数のローラーの間を通して加熱しつつ所定の厚さに引き延ばしてフィルム状に成形され、冷却ローラーの表面に沿わせた後に巻き取られ、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムが得られる。
なお、上記のようにカレンダー成形法で製造したポリ塩化ビニル樹脂フィルムの表面にエンボス加工を施す場合には、次工程でエンボス加工機にかけてエンボス加工を施すことが可能である。あるいは、カレンダー成形時に、カレンダー成形機の熱ローラーと冷却ローラーの間にエンボスローラーを配置してエンボス加工を施してもよい。
得られたポリ塩化ビニル樹脂フィルムは、耐熱性及び強度を上げるために、更に、テンター法やチューブラー法により延伸してもよい。
その他、金属板に溶融したポリ塩化ビニル樹脂を直接押出す、直接押出法によりポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板を製造してもよい。
本実施形態に使用される樹脂には、必要に応じ、公知の滑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤等を添加してもよい。これらの添加剤を含有・混合させる方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、樹脂と混合して押出機に供給する方法や押出機の途中で添加する方法等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。
<ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの製造>
ポリ塩化ビニル樹脂ペレット、可塑剤、顔料を混合した後に加熱、混練した。添加する顔料の量としては表1に示すとおりとした。混練材料をカレンダー成形機の最初のロール2本に挟み込みながら圧延し、引き続いて複数のローラーの間を通して加熱しつつ引き延ばした。そして、冷却ローラーの表面に沿わせた後に巻き取り、250μmの厚さのポリ塩化ビニル樹脂フィルムを得た。
引き続いて、得られたポリ塩化ビニル樹脂フィルムを巻き戻しつつエンボス加工機に通してエンボス加工を施し、エンボス加工を有する各色のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを得た。
<ポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板の製造>
上記のようにして得られたポリ塩化ビニル樹脂フィルムを、表1に示す種類の金属板に積層した。いずれもポリエステル樹脂接着剤を使用し、金属板上に塗布した後に180℃で30秒間加熱し、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムと貼り合わせ、ポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板(縦220mm、横150mm)を得た。
<色調の測定>
得られたポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板(実施例1~6、比較例1~3)について、ポリ塩化ビニル樹脂表面の明度(L値)を、コニカミノルタ株式会社製 分光測色計CM-3500dを用いて、JIS Z 8722に準拠した分光反射測定法で測定した。測定条件を以下に示す。また、測定結果を表1に示す。
製造会社: コニカミノルタ株式会社
測定機器名: 分光測色計CM-3500d
光学条件: d/8°法(拡散照明8°受光)
測定方法: 反射光測定
測定波長: 400~700nm
測定波長間隔: 20nm
分光器: くさび状連続干渉フィルタ
照明: パルスキセノンランプ
測定面積: 30mmφ
検出素子: デュアル18素子シリコンフォトダイオードアレイ
反射率: 0-175%
測定温度: 23℃
標準板: 白色
<光沢度の測定>
得られたポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板(実施例1~6、比較例1~3)について、ポリ塩化ビニル樹脂表面の60°鏡面光沢度を測定した。測定は、JIS Z 8741に基づき、以下の条件にて行った。測定条件を以下に示す。また、測定結果を表1に示す。
製造会社: 日本電色工業株式会社
測定機器名: 光沢計VG-2000
測定方法: 鏡面光沢
測定角度: 60°
照明: ハロゲンランプ(電圧5V、電力9W、定格寿命5000時間)
測定面積: 14mm×45mm
検出素子: シリコンフォトセル(高速応答型)
測定温度: 23℃
標準板: 黒色
<日射反射率の測定>
得られたポリ塩化ビニル被覆金属板(実施例1~6、比較例1~3)の日射反射率を、JIS R 3106に準拠して測定した。結果を表1に示す。
<温度上昇率の測定>
上記のようにして得られたポリ塩化ビニル被覆金属板(実施例1~6、比較例1~3)を、金属板の側に株式会社キーエンス製 データ収集システムNR-1000に接続した株式会社チノー製 シース熱電対SCHS1-0を貼り付け、天面のない発泡スチロール箱(縦150mm、横220mm、高さ90mm)上に遮熱層側を上にして載置し、ポリ塩化ビニル被覆金属板の上方向から、岩崎電気株式会社製 アイ赤外線電球IR1000を20分間照射したのち、ランプスイッチを切った。得られた照射開始20分後の温度差ΔT-ΔT(℃)と、照射開始直後1分間の温度変化を単位時間で割った温度上昇率(℃/min)を表1に示す。
なお、温度差ΔT-ΔTは、対商品と概ね同じ色調の従来品を基準とし、基準の照射開始20分後の温度が80℃になるように、ランプとポリ塩化ビニル被覆金属板との離間距離を170mm~190mmの範囲で調整したときの値である。具体的には、実施例1,2は比較例1を基準に、実施例3,4,6は比較例2を基準に、実施例5は比較例3を基準にした。
また、温度上昇率は、全ての対象品に対して比較例2を基準とし、基準の照射開始20分後の温度が80℃になるように、ランプとポリ塩化ビニル被覆金属板との離間距離を170mmに調整したときに得られた値である。
<熱膨張率の算出>
表1に示す熱膨張率は以下のようにして求めた。
まず、得られたポリ塩化ビニル被覆金属板(実施例1~6、比較例1~3)について、熱機械測定(TMA)により線膨張係数(1/℃)を求めた。熱機械測定(TMA)の条件は以下のとおりとし、JIS K 7197に準拠して測定した。
測定機器名: 熱機械的分析装置TMA/SS120
製造会社: エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社
昇温速度: 5℃/min
解析温度: 23~100℃
測定荷重: 5gf(49mN)
雰囲気: N(流量50ml/min)
試験片形状: 4mm(幅)×10mm(チャック間)
得られた線膨張係数(1/℃)により、以下の式を用いて熱膨張率を算出した。なお、基準長は1000mmとした。
熱膨張率(mm/min)= 線膨張係数(1/℃)× 温度上昇率(℃/min)×基準長(mm)
<耐候性試験>
得られたポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板(実施例1~、比較例1~)について、下記の条件で耐候性試験を実施した。
試験方法:JIS A 1415
試験装置:WS型 サンシャインカーボンアーク燈を用いるもの。
試験機:スガ試験機サンシャインウェザーメーター S80型
試験条件:ブラックパネル温度:63℃、雨あり(120分中18分噴霧サイクル)、50%RH
試験時間:2000時間
試験時間経過後の色調(色差)を以下のように測定した。
<色差の測定法>
耐候性試験前のポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板(耐候性試験前)、及び、耐候性試験後のポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板、の樹脂の色差(色調)を、JIS Z 8722に準拠して測定した。測定には、コニカミノルタ株式会社製 分光測色計CM-3500dを使用した。
耐候性試験後のL*値、a*値、b*値の変化を次式から算出した。
ΔL*=L*-L*、Δa*=a*-a*、Δb*=b*-b*
ΔL*:L*値の変化、L*:耐候性試験前のL*値、L*:耐候性試験後のL*値
Δa*:a*値の変化、a*:耐候性試験前のa*値、a*:耐候性試験後のa*値
Δb*:b*値の変化、b*:耐候性試験前のb*値、b*:耐候性試験後のb*値
また、耐候性試験後の色差ΔE*を次式から算出した。
ΔE*=((ΔL*) +(Δa*) +(Δb*)1/2
結果を表1に示す。
以上、本発明のポリ塩化ビニル被覆金属板は、本発明における式(1)で定義される反射率を50%以上となるようにルチル型酸化チタン等の顔料含有量を調整した遮熱層を有する。その結果、温度上昇率、熱膨張率、耐候性のいずれの値も好適なポリ塩化ビニル被覆金属板とすることができた。
一方で、比較例におけるポリ塩化ビニル層は、色調は本発明の実施例と同様に調色されていたものの、本発明における式(1)で定義される反射率が50%未満であった。その結果、温度上昇率、熱膨張率、耐候性のすべてが好適なポリ塩化ビニル被覆金属板とすることができなかった。
なお上記した実施形態と各実施例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明は、耐食性、耐候性、意匠性に加えて、温度上昇率、熱膨張率等にも優れたポリ塩化ビニル被覆金属板を提供するものである。本発明は、建築物の外装(例えば、屋根、屋上、バルコニー等)の材料だけでなく、例えば自動車や船舶など輸送機械等にも好適に適用することが可能である。
1 :ポリ塩化ビニル樹脂被覆金属板
10:金属板
20:遮熱層
30:接着剤層
40:エンボス部

Claims (3)

  1. 0.1mm~1.2mmの厚さを有するステンレス板又は溶融亜鉛めっき鋼板からなる金属板と、
    前記金属板の少なくとも片面に被覆された遮熱層と、
    を有し、
    前記遮熱層は厚みが200μm~450μmであり、前記金属板とは反対側の表面に、前記金属板側に向けた凹部からなるエンボスを備え、前記凹部の深さが前記遮熱層の厚みの1/2~1/5であり、
    前記遮熱層は、ポリ塩化ビニル樹脂50~70重量%、顔料、及び可塑剤を含有しており、
    前記遮熱層に含まれる全顔料の合計濃度が、8.139~20.149重量%であり、前記顔料が少なくともルチル型酸化チタンを含み、且つカーボンブラックを含まず、ルチル型酸化チタンとカーボンブラック以外の種類の顔料を含み、且つ、前記ルチル型酸化チタンの濃度が、17.594重量%以下であり、
    前記顔料が、以下の式(2)で表される反射率が50%以上66.9%以下になるように、ルチル型酸化チタン濃度を含有させてなり、
    前記遮熱層のJIS Z 8741に規定される60度鏡面光沢の値が1~30であり、
    前記遮熱層の外面側から測定したL表色系の明度L値が、50~90であることを特徴とする、建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板。
    反射率(%)=
    +1.17(%/重量%)×ルチル型酸化チタン濃度(重量%)
    +46.3(%) ・・・(2)
  2. 前記遮熱層を形成していない面における前記金属板の温度上昇率が、20分間の赤外線照射を行った場合の照射開始から1分以内において、15℃/min以下であることを特徴とする、請求項1に記載の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板。
  3. 熱膨張率が、20分間の赤外線照射を行った場合の照射開始から1分以内において、JIS K 7197に準拠して基準長1000mmに対して0.28mm/min以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建築外装材用ポリ塩化ビニル被覆金属板。
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