JP2014218007A - ヒートシール性包装材料 - Google Patents

ヒートシール性包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2014218007A
JP2014218007A JP2013098252A JP2013098252A JP2014218007A JP 2014218007 A JP2014218007 A JP 2014218007A JP 2013098252 A JP2013098252 A JP 2013098252A JP 2013098252 A JP2013098252 A JP 2013098252A JP 2014218007 A JP2014218007 A JP 2014218007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
heat
packaging material
adhesion
resistant layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013098252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6102481B2 (ja
Inventor
盧 和敬
Kazuyoshi Ro
和敬 盧
伸彦 今井
Nobuhiko Imai
伸彦 今井
依久乃 井口
Ikuno Iguchi
依久乃 井口
齋藤 博一
Hiroichi Saito
博一 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2013098252A priority Critical patent/JP6102481B2/ja
Publication of JP2014218007A publication Critical patent/JP2014218007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6102481B2 publication Critical patent/JP6102481B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/14Layered products comprising a layer of synthetic resin next to a particulate layer
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D65/00Wrappers or flexible covers; Packaging materials of special type or form
    • B65D65/38Packaging materials of special type or form
    • B65D65/40Applications of laminates for particular packaging purposes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D85/00Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials
    • B65D85/70Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for materials not otherwise provided for
    • B65D85/72Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for materials not otherwise provided for for edible or potable liquids, semiliquids, or plastic or pasty materials

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Abstract

【課題】疎水性微粒子を含有する付着防止層を有する包装材料を前提として、加熱による付着防止性能の低下を防止すること。【解決手段】疎水性微粒子32を固着するバインダー31を無機バインダーとし、しかも、付着防止層3の下地として耐熱性の層2を設け、しかも、付着防止層と耐熱性の層とを、両者の間に別の層を介在させることなく、直接積層する。このため、加熱工程を経た後にも、付着防止層の表面微細な疎水性微粒子に基づく微小凹凸が維持されており、付着防止性能が維持されている。なお、シーラント層は、付着防止層と耐熱性の層との間又は付着防止層の表面に、部分的に設けられており、このパターン状シーラント層を利用してヒートシールすることができる。【選択図】図1

Description

本発明はヒートシール性を有する包装材料に関するもので、例えば、ヨーグルトを収容密封するカップ状容器の蓋材等に適する包装材料に関するものである。
カップ状容器に適用させる蓋材は、基材シートの表面にシーラント層を積層して構成されており、ヨーグルト等の内容物を充填したカップ状容器の上面開口に被せて、周縁部を容器の上縁フランジ部にヒートシールすることによって密封する。
このような蓋材には、ヒートシール性、密封性、開封時の易剥離性等が求められる。また、これら基本的な要求品質に加えて、近年では、内容物の非付着性、即ち蓋材の裏面に内容物が付着し難いものが望まれている。蓋材の裏面に内容物が付着すると、蓋材に付着した内容物の棄損による無駄が生じたり、付着部を取り除くのに手間がかかるなどの問題がある。また、開封時に付着物が手や指、衣類あるいは周辺を汚す恐れがある。
これらの問題を解決するために、脂肪酸アミド等を添加したポリオレフィンによってシーラント層を構成した蓋材が知られている(特許文献1)。また、シーラント層の表面に脂肪酸アミド等を塗布した蓋材も知られている(特許文献2)。しかしながら、これら脂肪酸アミド等の添加剤は、エージング条件により表面析出量が大きく変動して安定性にかけ、その内容物付着効果の点で不十分である。
一方、シーラント層の表面に、一次粒子平均径3〜100nmの疎水性微粒子を付着させて多孔質層を形成し、その内部に含まれる空気によって付着防止性能を発揮する蓋材も知られている(特許文献3)。この蓋材は優れた付着防止性能を有するものの、疎水性微粒子がシーラント層表面に付着しているだけであるから、この疎水性微粒子が脱落しやすく、また、蓋材製造工程中の加熱によって疎水性微粒子がシーラント層の内部に沈み込み埋没して、付着防止性能が低下するおそれがあった。
また、疎水性微粒子に熱可塑性樹脂を混合してシーラント層の表面に塗布することにより、疎水性微粒子をシーラント層表面に固着した蓋材も知られている(特許文献4)。この蓋材では、疎水性微粒子の脱落を防止することが可能である。しかし、一次粒子平均径3〜100nmという微細な粒子を熱可塑性樹脂で固着しているために、加熱によって疎水性微粒子が熱可塑性樹脂中に沈み込み埋没して、付着防止性能が低下することは避けられない。
特開2002-37310号公報 特開2009−73523号公報 特許第4348401号公報 特開2011−93315号公報
本発明は、このような技術的背景に基づいてなされたもので、疎水性微粒子を含有する付着防止層を有する包装材料を前提として、加熱による付着防止性能の低下を防止することを目的とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材シートの最表面に、内容物の付着を防止する付着防止層を有するヒートシール性包装材料において、
前記付着防止層が平均粒径5〜1000nmの疎水性微粒子を無機バインダーで固定して、その微粒子に基づく微小な凹凸を表面に有する層から構成されていると共に、この付着防止層の下地として耐熱性の層を備えていて、付着防止層は耐熱性の層に直接積層されており、
かつ、前記付着防止層と耐熱性の層との間又は付着防止層の表面に、部分的にシーラント層を有することを特徴とするヒートシール性包装材料である。
この発明では、疎水性微粒子を固着するバインダーを無機バインダーとし、しかも、付着防止層の下地として耐熱性の層を備えており、付着防止層と耐熱性の層とは、両者の間に別の層を介在させることなく、直接積層されているから、例えば包装材料の製造工程や使用工程において加熱されても、疎水性微粒子がバインダーや下地の耐熱性層に沈み込むことがない。このため、このような加熱工程を経た後にも、付着防止層の表面、すなわち、包装材料の最表面には、微細な疎水性微粒子に基づく微小凹凸が維持されており、付着防止性能が維持されている。
そして、シーラント層は、付着防止層と耐熱性の層との間又は付着防止層の表面に、部分的に設けられており、このパターン状シーラント層を利用して、例えばカップ状容器の上縁フランジ部にヒートシールすることができる。
なお、シーラント層が付着防止層の表面に配置されている場合には、このシーラント層が設けられた部位では、付着防止層がシーラント層に覆われている。しかしながら、シーラント層の存在する部位は、ヒートシールに利用される部位であって、内容物に直接触れる部位ではないから、付着防止性能に対する影響はない。
また、シーラント層が付着防止層と耐熱性の層との間に配置されている場合には、ヒートシールの際に、疎水性微粒子がシーラント層に沈み込んで埋没されるため、ヒートシール適性に対する付着防止層の影響は僅少である。なお、この場合にあっても、シーラント層が設けられた部位を除き、その他の部位において、付着防止層と耐熱性の層とが、両者の間に別の層を介在させることなく、直接積層されていることが必要である。
以上のように、請求項1に記載の発明に係る包装材料は、ヒートシールすることが可能であって、しかも、加熱によっても付着防止性能が低下することのない耐熱性を有している。
次に、請求項2に記載の発明は、耐熱性の層の材質を特定したものである。すなわち、請求項2に記載の発明は、前記耐熱性層を構成する樹脂が硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシール性包装材料である。
後述するように、硬化型樹脂としては周知の熱硬化型樹脂を使用することができる。また、紫外線硬化型樹脂、あるいは、電子線硬化型樹脂であってもよい。なお、耐熱性層は、硬化型樹脂に加えて、その他の成分を含有するものであってもよい。その他の成分を含有する場合にも、この耐熱性層は、包装材料の製造工程や使用工程の加熱によっても疎水性微粒子が沈み込むことがない程度の耐熱性を有することが必要である。
次に、請求項3に記載の発明は、付着防止性能を高めることを目的とするもので、前記耐熱性層の表面が凹凸を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートシール性包装材料である。
この凹凸は、疎水性微粒子に基づく微小凹凸よりも大きなものであることが望ましく、例えば、十点平均粗さRzが5μm以上であることが望ましい。この場合、耐熱性層の表面に形成された凹凸に沿って、付着防止層が形成されることになる。また、この凹凸は、比較的滑らかな曲面を描く凹凸であることが望ましい。この場合、付着防止層の表面は、耐熱性の層の表面の比較的大きな凹凸と、付着防止層に含まれる疎水性微粒子に基づく微小な凹凸とが重畳した凹凸を有することになる。そして、これら大小2種類の凹凸が重畳して構成された付着防止層の表面は、いわゆるフラクタル構造を有することとなり、この微細なフラクタル構造によって付着防止性能が向上する。
耐熱性層の表面の凹凸は、例えば、耐熱層を構成する樹脂に、平均粒径10〜50μmの粒子を混合することによって形成することができる。そして、この粒子として球状の粒子を使用することにより、その凹凸表面を比較的滑らかな曲面にすることが可能である。また、耐熱層を構成する樹脂が硬化する前にエンボスすることによってこの凹凸を形成することも可能である。
請求項4〜7に記載の発明は、この点を限定したものである。
すなわち、請求項4に記載の発明は、前記耐熱性層が平均粒径10〜50μmの粒子を含有しており、この表面の前記凹凸がこの粒子に基づく凹凸であることを特徴とする請求項3に記載のヒートシール性包装材料である。また、請求項5に記載の発明は、前記耐熱性層に含まれる前記粒子が球形であることを特徴とする請求項4に記載のヒートシール性包装材料であり、請求項6に記載の発明は、前記耐熱性層に含まれる前記粒子がシリコーン、金属酸化物又は合成樹脂から成ることを特徴とする請求項5に記載のヒートシール性包装材料である。
また、請求項7に記載の発明は、耐熱性層表面の前記凹凸がエンボスに基づく凹凸であることを特徴とする請求項3に記載のヒートシール性包装材料である。
以上のように、本発明の包装材料は、ヒートシールすることが可能であって、しかも、加熱によっても付着防止性能が低下することのない耐熱性を有している。
本発明の実施形態に係る包装材料の説明用断面図。
本発明の包装材料は、基材シート、付着防止層、耐熱性の層及びシーラント層を必須の要素とするものである。
付着防止層は、平均粒径5〜1000nmの疎水性微粒子を無機バインダーで固定したもので、その微粒子に基づく微小な凹凸表面によって内容物の付着を防止するものである。このため、付着防止層は、包装材料の最表面に露出するように配置されている必要がある。
次に、耐熱性の層は、この微粒子が沈み込むことを防止する目的で、付着防止層の下地として設けられるものである。したがって、この耐熱性の層と付着防止層とは、両層の間に他の層を介在させることなく、直接積層されていることが必要である。
次に、シーラント層は、ヒートシールを要する部位に、部分的に、すなわち、パターン状に設けられることが必要である。包装材料がカップ状容器の蓋材である場合には、容器の上縁フランジ部に対応する位置である。
基材シートは、任意のシートであってよい。単一のシートから構成されるものであっても良いし、多層構造を有するシートであってもよい。例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン、アルミニウム箔などを使用することができる。また、これらを積層したものであってもよい。
また、基材シートは、金属又は金属酸化物の薄膜を設けた蒸着フィルムを、その層構成中に含むものであってもよい。金属としては、ケイ素、アルミニウムなどが例示できる。また、金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化マグネシウム等が例示できる。また、これらの薄膜を形成する蒸着基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン等が使用できる。そして、これら薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスによって、蒸着基材上に設けることが可能である。
次に、耐熱性の層の基本的な役割は、包装材料が加熱されたときに、付着防止層に含まれる疎水性微粒子が沈み込むことを防止することである。しかしながら、耐熱性の層は、この役割に加えて、付着防止性能を向上させる役割を有している。
疎水性微粒子が沈み込むことを防止するため、耐熱性の層を構成する樹脂を硬化型樹脂とすることが望ましい。また、付着防止性能を向上させるため、耐熱性の層の表面には、付着防止層に含まれる疎水性微粒子に基づく微小な凹凸よりも大きい凹凸が設けられていることが望ましい。好ましくは、十点平均粗さRzが5μm以上の凹凸である。耐熱性の層がこのような大きな凹凸を有する場合には、付着防止層はこの凹凸表面に沿って設けられる。この結果、付着防止層の表面は、耐熱性の層の表面の比較的大きな凹凸と、付着防止層に含まれる疎水性微粒子に基づく微小な凹凸とが重畳した凹凸を有している。このため、これら大小2種類の凹凸が重畳して構成された付着防止層の表面は、いわゆるフラクタル構造を有することとなり、この微細なフラクタル構造によって付着防止性能が向上する。
なお、耐熱性の層2の表面のこの凹凸は、比較的滑らかな曲面を描くように設けられることが望ましい。この場合、付着防止層3の表面は、耐熱性の層2の表面の滑らかな曲面に沿って、しかも、この滑らかな曲面の上に、疎水性微粒子32に基づく微小な凹凸を形成した形状に構成される。
図1に示す包装材料は、耐熱性の層2の表面に、付着防止層3の凹凸に比較して大きい凹凸が形成されており、この凹凸に沿って付着防止層3が形成された例を示している。なお、図1において、耐熱性の層2は、平均粒径10〜50μmの粒子(以下「球形大粒子」という)22を含有する硬化型の樹脂21から構成されており、耐熱性の層2の表面の凹凸は、この球形大粒子22に基づく凹凸であって、滑らかな曲面を描いている。
このような耐熱性の層2は、例えば、硬化型樹脂21に平均粒径10〜50μmの球形大粒子22を混合し、この球形大粒子22に基づく凹凸が表面に形成されるように、薄く塗布し、硬化させて形成することができる。また、硬化型樹脂21の塗膜の表面にエンボス板を重ねて賦形したのち、硬化性樹脂塗膜を硬化させることによって形成することもできる。
硬化型樹脂21としては、例えば、熱硬化型樹脂や放射線硬化型樹脂を使用することができる。熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコ
ーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂などが例示できる。また、放射線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂が例示でき、アクリル系モノマーに重合開始剤や架橋剤を添加して、放射線硬化性能を付与したものが使用できる。
また、球形大粒子22は任意の材質から構成されるものでよいが、一般に無機物は結晶構造を有するためその粒子の形状は不定形であり、球形をとる無機粒子は限られている。無機粒子のうち、シリコーンを材質とするものには球形粒子が存在することが知られている。また、アルミナやチタニア等の金属酸化物粒子の中にも、球形のものが知られている。前記球形大粒子22として、これらシリコーン製球形粒子、あるいはアルミナやチタニア等の金属酸化物球形粒子を好適に使用することができる。
また、この球形大粒子22として、合成樹脂から成るものを使用することもできる。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂である。
硬化型樹脂21と球形大粒子22との配合比は、前述のように、得られる耐熱性層2の表面に球形大粒子22に基づく凹凸が形成され、しかも、この球形大粒子22が確実に固着されて脱落することがないように決定すればよい。望ましくは、その表面の十点平均粗さRzが5μm以上となるように配合比を決定する。
また、耐熱性の層2の表面の凹凸をエンボスによって形成する場合には、硬化性樹脂を基材シート1に塗布してその塗膜を形成し、この塗膜を硬化する前にエンボス版を重ねて賦形し、次いでエンボス版を除去した後、その塗膜を硬化させれば良い。あるいは、未硬化の前記塗膜に重ねたまま塗膜を硬化させることも可能である。例えば、未硬化の紫外線硬化型樹脂塗膜にエンボス版を重ね、このエンボス版を除去した後、あるいはエンボス版を重ねた状態で紫外線を照射して硬化させることができる。
硬化型樹脂21又は硬化型樹脂21と球形大粒子22との混合物を塗布する手法としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。
次に、付着防止層3は内容物の付着を防止する役割を有するもので、この役割を果たすため、平均粒径5〜1000nmの疎水性微粒子32を含有し、しかも、この疎水性微粒子32に基づく微細な凹凸を表面に有することが必要である。また、この疎水性微粒子32が付着防止層3表面に露出して、疎水性微粒子32に基づく疎水性が発揮できることが望ましい。また、疎水性微粒子32が耐熱性の層2のほぼ全面を覆うように付着防止層3を形成することが望ましい。
次に、付着防止層3は、このような微細な疎水性微粒子32を保持してその脱落を防止し、しかも、この微細な疎水性微粒子32に基づく凹凸を表面に形成するため、この疎水性微粒子32をバインダー31で固定している必要がある。そして、疎水性微粒子32をバインダー31で固定するにも拘わらず、このような微細な疎水性微粒子32がバインダー31中に沈みこんで埋没することがないように、そのバインダー31を無機物で構成する必要がある。
また、付着防止層3の凹凸は、耐熱性の層2の表面の前記凹凸をうねりとして除去した後の十点平均粗さRzが200nm以上となるように形成することが望ましい。耐熱性の
層2の十点平均粗さRzが5μm以上である場合、付着防止層3は耐熱性層2の表面に沿って設けられており、付着防止層3の表面には、十点平均粗さRzが5μm以上の耐熱性層2表面の凹凸と、付着防止層3表面の十点平均粗さRz200nm以上の凹凸とが重畳して形成される。
疎水性微粒子32としては、疎水官能基で表面処理した無機酸化物粒子が好ましく使用できる。コアとなる無機酸化物粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが使用できる。また、疎水官能基による表面処理としては、例えば、シランカップリング剤による処理が例示でき、この場合には、コアとなる無機酸化物粒子の表面に疎水性の官能基を付与して、その表面を疎水化することができる。シランカップリング剤としては、ジメチルシリル系シランカップリング剤(化学式:(CH Si(O−R)
)、トリメチルシリルシランカップリング剤(化学式:(CH SiO−R)、ジメチルポリシロキサンシランカップリング剤(化学式:(CH −Si−O−Si(O−R) )、ジメチルシロキサンシランカップリング剤、アミノアルキルシリルシランカップリング剤、アルキルシリルシランカップリング剤、メタクリルシリルシランカップリング剤などが好ましいが、より好ましくはメチル基(化学式:CH )が多いトリメチルシリルシランカップリング剤である。なお、化学式中、「O−R」は加水分解される置換基を示している。
また、無機バインダーとしては、金属アルコキシドの加水分解物が利用できる。金属アルコキシドとしては、化学式 M(OR)nで表される金属アルコキシドである。その一部が加水分解されていてもよい。ここで、MはSi、Al、Ti、Zr等の金属、RはCHまたはC、nは金属元素の酸化数]である。その中でも、水系の溶媒中において比較的安定なものが好ましい。例えば、テトラエチルオルソシリケート(化学式:Si(OC)、トリイソプロピルアルミニウム(化学式:Al(OC)である。
付着防止層3は、疎水性微粒子32と金属アルコキシドとを混合し、前記耐熱性の層2の表面に塗布し、金属アルコキシドを加水分解することによって形成することができる。加水分解によって、金属アルコキシドは、SiO骨格を有する強固な無機皮膜を生成し、この無機皮膜がバインダー31として働き、疎水性微粒子32を固定する。
疎水性微粒子32と金属アルコキシドとの配合比及び塗布量は、前述の役割分担に従い、疎水性微粒子32を無機バインダー31に固定してその脱落を防ぐと共に、その表面に疎水性微粒子32に基づく微小な凹凸が形成される程度でよい。例えば、その配合比は、疎水性微粒子32と無機バインダー31との重量比が95:5〜5:95となる割合である。また、その膜厚は10〜5000nmの範囲でよい。
疎水性微粒子32と金属アルコキシドとの混合物は、例えば、水とアルコールの混合溶媒中に分散させて、塗布することができる。塗布方法としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。
次に、シーラント層4は、包装材料としてヒートシールする際に利用するものである。このシーラント層4は、付着防止層3の表面に設けることができる。また、付着防止層3と耐熱性の層2との間に設けることも可能である。いずれの場合も、シーラント層4は部分的に設けることが必要である。そして、ヒートシールに必要な最小限の部位に設けることが望ましい。このシーラント層4が設けられた部位は、包装材料や包装体を製造する際に、ヒートシールのために利用される。一方、シーラント層4のない部位は、内容物と接
触してその付着を防止する。例えば、包装材料がカップ状容器の蓋材である場合には、カップ状容器の上縁フランジ部に対応する位置にパターン状にシーラント層4を設けて、内容物を収容したカップ状容器に包装材料を重ね、このシーラント層4とカップ状容器の上縁フランジ部とをヒートシールすることにより、包装体を製造することができる。
前述のように、シーラント層4が付着防止層3の表面に配置されている場合には、このシーラント層4が設けられた部位では、付着防止層3がシーラント層に覆われており、付着防止層3は包装材料の最表面に露出していない。しかしながら、シーラント層4の存在する部位は、ヒートシールに利用される部位であって、内容物に直接触れる部位ではないから、付着防止性能に対する影響はない。一方、シーラント層4が設けられていない部位では、付着防止層3は包装材料の最表面に露出して配置されているから、内容物の付着が防止される。
また、シーラント層4が付着防止層3と耐熱性の層2との間に配置されている場合には、ヒートシールの際に、疎水性微粒子がシーラント層4に沈み込んで埋没され、シーラント層4が露出するから、そのヒートシール適性に対する影響も僅少である。もちろん、付着防止性能に対する影響はない。
なお、図1に示す包装材料は、シーラント層4が付着防止層3の表面に配置されている例である。
シーラント層4の材料としては、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ホットメルト樹脂などが使用できる。また、アクリル系のヒートシールニスを使用することも可能である。中でも、部分的に塗布する際の塗布精度の点から、ホットメルト樹脂又はアクリル系ヒートシールニスが好ましい。また、塗布方法としては公知の方法が使用できる。例えば、グラビア印刷法である。
(実施例1)
この実施例1は、シーラント層4を付着防止層3と耐熱性層2との間に配置したヒートシール性包装材料の例である。
この包装材料の層構成は、次のとおりである。すなわち、基材シート1、耐熱性の層2、耐熱性の層2を部分的に被覆して設けられたシーラント層4、付着防止層3をこの順に積層した層構成を有している。そして、この包装材料は、次の工程によって製造したものである。
まず、基材シート1としては、ポリエステルフィルムとアルミニウム箔との積層体を使用した。なお、ポリエステルフィルムとアルミニウム箔とは、ドライラミネート用接着剤で接着したものである。
球形大粒子22として、平均粒径15μmのアクリル樹脂製球形粒子を使用し、熱硬化型樹脂としてウレタン樹脂を使用した。そして、この熱硬化型樹脂中に球形大粒子22を分散して、耐熱性層2用塗布液を調整した。その配合比は、球形大粒子22が固形分の30重量%となる量である。この塗布液を基材シート1のアルミニウム箔の上に塗布し、加熱硬化して耐熱性の層2を形成した。塗布方法はグラビアコーティング法であり、塗布量は固形分が4.0g/mとなる量である。得られた耐熱性層2は、表面に前記球形大粒子22に基づく滑らかな凹凸が形成されていた。
次に、この耐熱性層2の上に、アクリル系ヒートシールニスに酢酸エチルを混合して、その固形分が20重量%となるように調整し、このシーラント層4用塗布液をパターンコートしてシーラント層4を形成した。塗布方法はグラビア印刷法であり、塗布量は固形分が2.0g/mとなる量である。シーラント層4の塗布パターンは、後述するヨーグルト用カップ容器の上縁フランジ部に対応した位置であり、その他の部位では、耐熱性層2に付着防止層3が直接接触して積層されるように構成した。
次に、疎水性微粒子32として、表面をシランカップリング剤で処理して疎水化した酸化ケイ素粒子(日本エアロジル社製RY200S)を使用した。その平均一次粒径は16nmである。また、金属アルコキシドとしてテトラエチルオルソシリケート(TEOS)から成るシリカゾルの溶液を準備した。そして、これら疎水性微粒子32とシリカゾルとを混合し、メタノールで希釈して、付着防止層3用塗布液を調整した。その配合比は、固形分重量比で、疎水性微粒子32:シリカゾルが1:2となる量である。また、メタノールは、固形分濃度が10重量%となるように加えた。この塗布液を、前記シーラント層4を被覆すると共に、シーラント層4のない部位も被覆するように均一に塗布して、付着防止層3を形成した。その塗布方法はグラビアコーティング法であり、塗布量は固形分が1.5g/mとなる量である。得られた付着防止層3は耐熱性層2の表面に沿って設けられており、付着防止層3の表面には疎水性微粒子32が均一に配置されていて、この疎水性微粒子32に基づく微小な凹凸が形成されていた。このため、付着防止層3の表面は、耐熱性層2の大きな凹凸と疎水性微粒子32に基づく凹凸とが重畳することにより、いわゆるフラクタル構造を有する凹凸が形成されていた。
(実施例2)
この実施例2は、シーラント層4を付着防止層3の表面に配置したヒートシール性包装材料の例である。
この包装材料の層構成は、次のとおりである。すなわち、基材シート1、耐熱性の層2、付着防止層3、付着防止層3を部分的に被覆して設けられたシーラント層4、をこの順に積層した層構成を有している。そして、この包装材料は、次の工程によって製造したものである。
基材シート1としては、模造紙とポリエステルフィルムとの積層体を使用した。なお、模造紙とポリエステルフィルムとは、ドライラミネート用接着剤で接着したものである。
球形大粒子22として、平均粒径15μmのポリスチレン樹脂製球形粒子を使用し、熱硬化型樹脂としてウレタン樹脂を使用した。そして、この熱硬化型樹脂中に球形大粒子22を分散して、塗布液を調整した。その配合比は、球形大粒子22が固形分の30重量%となる量である。この塗布液を基材シート1のポリエステルフィルムの上に塗布し、加熱硬化して耐熱性の層2を形成した。塗布方法はグラビアコーティング法であり、塗布量は固形分が4.0g/mとなる量である。得られた耐熱性層2は、表面に前記球形大粒子22に基づく滑らかな凹凸が形成されていた。
次に、実施例1と同じ付着防止層3用塗布液を調整し、この付着防止層3用塗布液を耐熱性層2の全面に均一に塗布して、付着防止層3を形成した。その塗布方法はキスコーティング法であり、塗布量は固形分が1.5g/mとなる量である。得られた付着防止層3は耐熱性層2の表面に沿って設けられており、付着防止層3の表面には疎水性微粒子32が均一に配置されており、この疎水性微粒子32に基づく微小な凹凸が形成されていた。このため、付着防止層3の表面は、耐熱性層2の大きな凹凸と疎水性微粒子32に基づく凹凸とが重畳することにより、いわゆるフラクタル構造を有する凹凸が形成されていた。
最後に、アクリル系ヒートシールニスに酢酸エチルを混合して、その固形分が20重量%となるように調整し、このシーラント層4用塗布液を付着防止層3表面にパターンコートしてシーラント層4を形成した。塗布方法はグラビア印刷法であり、塗布量は固形分が2.0g/mとなる量である。シーラント層4の塗布パターンは、後述するヨーグルト用カップ容器の上縁フランジ部に対応した位置であり、その他の部位では、付着防止層3が包装材料の最表面に露出するように構成した。
(比較例1)
この比較例1は、付着防止層3の下地として、球形大粒子を含有するシーラント層を有するヒートシール性包装材料の例である。この比較例1に係る包装材料は、耐熱性の層(アンカーコート層)を有しているが、この耐熱性の層の全面がシーラント層で覆われており、したがって、耐熱性の層と付着防止層との間にはシーラント層が介在している。すなわち、耐熱性の層は付着防止層の下地として設けられたものではなく、耐熱性の層と付着防止層とは直接積層されたものではない。
この包装材料の層構成は、次のとおりである。すなわち、基材シート、耐熱性のアンカーコート層、アンカーコート層の全面を被覆して設けられたシーラント層、付着防止層をこの順に積層した層構成を有している。そして、この包装材料は、次の工程によって製造したものである。
基材シートとしては、実施例2の基材シート1と同じものを使用した。すなわち、模造紙とポリエステルフィルムとの積層体である。
次に、基材シート1のポリエステルフィルムの上に、アンカーコート層を介して、球形大粒子を含有するシーラント層を形成した。なお、アンカーコート層は、熱硬化性のウレタン系アンカーコートを塗布して形成したものである。球形大粒子としては、平均粒径20μmのアクリル樹脂製球形粒子を使用した。また、シーラント層を構成するヒートシール剤として熱可塑性アクリル樹脂を使用した。そして、これら球形大粒子とヒートシール剤とを混合し、酢酸エチルで希釈して、その固形分が30重量%となるように調整し、この塗布液をアンカーコート層の全面に塗布することにより、球形大粒子を含有するシーラント層を形成した。塗布方法はグラビアコーティングであり、塗布量は固形分が4.0g/mとなる量である。得られたシーラント層は、表面に前記球形大粒子に基づく滑らかな凹凸が形成されていた。
次に、このシーラント層上に付着防止層を形成した。この付着防止層の形成に使用した塗布液及び塗布方法は実施例1と同じである。また、その塗布量も実施例1と同じである。そして、得られた付着防止層は、シーラント層の大きな凹凸と疎水性微粒子に基づく凹凸とが重畳することにより、いわゆるフラクタル構造を有する凹凸が形成されていた。
(比較例2)
この比較例2は従来技術に属するもので、付着防止層3の下地として、球形大粒子を含有するシーラント層を有するヒートシール性包装材料の例である。この包装材料は、耐熱性の層を有していない。
この包装材料の層構成は、次のとおりである。すなわち、基材シート、ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層の全面を被覆して設けられたシーラント層、付着防止層をこの順に積層した層構成を有している。そして、この包装材料は、次の工程によって製造したものである。
基材シートとしては、実施例1の基材シート1と同じものを使用した。すなわち、ポリエステルフィルムとアルミニウム箔との積層体である。
次に、基材シート1のアルミニウム箔の上に、ポリエチレン樹脂層を介して、球形大粒子を含有するシーラント層を形成した。なお、ポリエチレン樹脂層は、溶融したポリエチレン樹脂をアルミニウム箔上に押し出してラミネートしたもので、その厚みは15μmである。
球形大粒子としては、平均粒径15μmのアクリル樹脂製球形粒子を使用した。また、シーラント層を構成するヒートシール剤としてホットメルト剤を使用した。そして、これら球形大粒子とヒートシール剤とを混合し前記ポリエチレン樹脂層の全面に塗布することにより、球形大粒子を含有するシーラント層を形成した。塗布方法はグラビアコーティングであり、塗布量は20.0g/mである。得られたシーラント層は、表面に前記球形大粒子に基づく滑らかな凹凸が形成されていた。
次に、実施例1と同じ付着防止層用塗布液を調整し、この付着防止層用塗布液を耐熱性層の全面に均一に塗布して、付着防止層を形成した。その塗布方法はリバースコーティング法であり、塗布量は固形分が1.5g/mとなる量である。得られた付着防止層はシーラント層の表面に沿って設けられており、付着防止層の表面には疎水性微粒子が均一に配置されており、この疎水性微粒子に基づく微小な凹凸が形成されていた。このため、付着防止層の表面は、シーラント層の大きな凹凸と疎水性微粒子に基づく凹凸とが重畳することにより、いわゆるフラクタル構造を有する凹凸が形成されていた。
(評価)
次に、実施例1〜2に係る包装材料、比較例1〜2に係る包装材料を評価した。評価項目は、ヒートシール性能、付着防止性能、加熱処理後の付着防止性能、摩擦試験後の付着防止性能である。
ヒートシール性能は、次のように評価した。すなわち、ポリスチレン製のヨーグルト用カップ容器に各包装材料を重ね、包装材料のシーラント層がカップ容器の上縁フランジ部に対応するように位置合わせして、ヒートシールした。次に、引張試験機にて、そのシール部分のヒートシール強度を測定した。試料の幅は5mm、引張速度は300mm/min、剥離角度は150度である。そして、各包装材料について3回測定し、その最高値を最高シール強度とした。なお、最高シール強度が高い方がヒートシール性能が高いと評価できる。この結果を表1に示す。
付着防止性能は、水の接触角と転落角、ヨーグルトの接触角と転落角を測定して評価した。接触角が大きい方が付着防止性能が大きいと評価できる。また、転落角は、まず各包装材料を水平に配置し、この包装材料上に液体(水またはヨーグルト)を載せて、次にこの包装材料を次第に傾けていき、液体(水またはヨーグルト)が転落したときの角度(包装材料と水平面との角度)であり、転落角が小さい方が付着防止性能が大きいと評価できる。この結果を表1に示す。なお、表中、「付着」とあるのは、包装材料を傾けても、液体(水またはヨーグルト)が転落しなかったことを示す。
次に、加熱処理は、付着防止層とは反対側からドライヤーで加熱することによって行った。加熱温度は150℃、加熱時間は30秒である。そして、この加熱処理後の接触角及び転落角と、加熱処理前の接触角及び転落角とを比較することにより、加熱処理によって付着防止性能が低下したか否かを評価できる。加熱処理後の接触角が加熱処理前の接触角に比較して小さければ、加熱によって付着防止性能が低下したと評価できる。また、加熱処理後の転落角が加熱処理前の転落角に比較して大きければ、加熱によって付着防止性能
が低下したと評価できる。一方、加熱処理の前後で接触角及び転落角が変化しなければ、加熱による付着防止性能の低下はないと評価できる。加熱処理後の接触角及び転落角を表2に示す。
また、摩擦試験は学振試験機を使用して、付着防止層の表面を200gの荷重で100往復こすることによって行った。そして、そして、この学振試験後の接触角及び転落角と、試験前の接触角及び転落角とを比較することにより、摩擦によって付着防止性能が低下したか否かを評価できる。なお、この試験後の付着防止性能が低下している場合には、摩擦によって付着防止層の疎水性微粒子が脱落している可能性があるから、その表面状態を目視で観察して、擦傷痕などの異常の有無を観察した。学振試験後の接触角、転落角及び表面状態を表3に示す。
Figure 2014218007
Figure 2014218007
Figure 2014218007
(考察)
表1の結果から分かるように、実施例1〜2に係る包装材料及び比較例1〜2に係る包装材料は、いずれも、すぐれたヒートシール性能と付着防止性能を有している。実施例1及び比較例1〜2に係る包装材料は、シーラント層の上に付着防止層が配置されているにも拘らず、そのヒートシール性能は実施例2と同等である。この結果から、シーラント層と付着防止層との位置関係は、ヒートシール性能とは無関係であることが推定できる。
次に、比較例1〜2に係る包装材料は、加熱処理後の接触角が、加熱処理前の接触角に比較して、低下している。また、転落角は増大している。この結果から、比較例1〜2に係る包装材料は、加熱によって付着防止性能が低下したと評価できる。他方、実施例1〜2に係る包装材料は、加熱処理の前後で接触角及び転落角が変化していない。この結果、実施例1〜2に係る包装材料は加熱による付着防止性能の低下はないと評価できる。
ところで、実施例1〜2に係る包装材料と比較例2に係る包装材料との相違は、耐熱性の層の有無である。したがって、耐熱性の層の有無と、加熱処理による付着防止性能の低下の有無とが関連すると推定できる。
一方、実施例1〜2に係る包装材料と比較例1に係る包装材料との相違は、実施例1〜2に係る包装材料が、耐熱性の層が付着防止層の下地として設けられていて、両層が、間に別の層を介在させることなく、直接積層されているのに対して、比較例1に係る包装材料は、耐熱性の層(アンカーコート層)の全面をシーラント層が覆っており、耐熱性の層と付着防止層とがシーラント層を介在させて間接的に積層されていることである。したがって、加熱処理による付着防止性能の低下を防ぐためには、単に包装材料の層構成中に耐熱性の層を有するだけでなく、耐熱性の層が付着防止層の下地として設けられていて、両層が、間に別の層を介在させることなく、直接積層されていることが必要であると推定できる。
次に、摩擦試験の結果も、加熱処理後の結果と同様に推定できる。すなわち、耐熱性の層が付着防止層の下地として設けられていて、両層が、間に別の層を介在させることなく、直接積層されている場合(実施例1〜2)には、摩擦による付着防止性能の低下がない。他方、耐熱性の層がなかったり(比較例2)、耐熱性の層があっても耐熱性の層と付着防止層との間に別の層がある場合には、摩擦による疎水性微粒子の脱落が生じ、付着防止性能が低下する。この結果、摩擦による付着防止性能の低下を防ぐためにも、耐熱性の層が付着防止層の下地として設けられていて、両層が、間に別の層を介在させることなく、直接積層されていることが重要であると推定できる。
本発明に係る包装材料は、前述のように、ヨーグルト用カップ容器の蓋材として利用できる。また、ヨーグルトに限らず、ゼリー、プリン、シロップ等を収容する容器の蓋材として使用できる。
また、蓋材のほか、包装袋の製造に適用する包装用フィルムとして利用することも可能である。この包装袋としては、例えば、おかゆやスープなどを収容するレトルト用包装袋が例示できる。また、化学品や医薬品を収容する包装袋として利用することも可能である。その内容物の性状も任意でよいが、本発明の包装材料は付着防止性能に優れていることから、この性能を生かすことのできる性状の内容物を収容することが望ましい。例えば、液体、半固体、ゲル状等である。
1‥基材シート 2‥耐熱性の層 21‥硬化型樹脂 22‥球形大粒子 3‥付着防止層 31‥バインダー 32‥疎水性微粒子 4‥シーラント層

Claims (7)

  1. 基材シートの最表面に、内容物の付着を防止する付着防止層を有するヒートシール性包装材料において、
    前記付着防止層が平均粒径5〜1000nmの疎水性微粒子を無機バインダーで固定して、その微粒子に基づく微小な凹凸を表面に有する層から構成されていると共に、この付着防止層の下地として耐熱性の層を備えていて、付着防止層は耐熱性の層に直接積層されており、
    かつ、前記付着防止層と耐熱性の層との間又は付着防止層の表面に、部分的にシーラント層を有することを特徴とするヒートシール性包装材料。
  2. 前記耐熱性層を構成する樹脂が硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシール性包装材料。
  3. 前記耐熱性層の表面が凹凸を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートシール性包装材料。
  4. 前記耐熱性層が平均粒径10〜50μmの粒子を含有しており、この表面の前記凹凸がこの粒子に基づく凹凸であることを特徴とする請求項3に記載のヒートシール性包装材料。
  5. 前記耐熱性層に含まれる前記粒子が球形であることを特徴とする請求項4に記載のヒートシール性包装材料。
  6. 前記耐熱性層に含まれる前記粒子がシリコーン、金属酸化物又は合成樹脂から成ることを特徴とする請求項5に記載のヒートシール性包装材料。
  7. 耐熱性層表面の前記凹凸がエンボスに基づく凹凸であることを特徴とする請求項3に記載のヒートシール性包装材料。
JP2013098252A 2013-05-08 2013-05-08 ヒートシール性包装材料 Active JP6102481B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013098252A JP6102481B2 (ja) 2013-05-08 2013-05-08 ヒートシール性包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013098252A JP6102481B2 (ja) 2013-05-08 2013-05-08 ヒートシール性包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014218007A true JP2014218007A (ja) 2014-11-20
JP6102481B2 JP6102481B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=51936949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013098252A Active JP6102481B2 (ja) 2013-05-08 2013-05-08 ヒートシール性包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6102481B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015110444A (ja) * 2013-11-04 2015-06-18 東京インキ株式会社 食品用の非付着性フィルム、該非付着性フィルムの製造方法、食品用の非付着性フィルムへの食品の付着を防止または軽減する方法および食品用包装容器
JP2016084158A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 東京インキ株式会社 非付着性包装容器および非付着性包装容器の製造方法
JP2017074003A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 大日本印刷株式会社 害虫滑落性積層フィルムおよび捕虫器
JP2019142518A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 大和製罐株式会社 納豆用被膜材
WO2019198695A1 (ja) * 2018-04-11 2019-10-17 テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ 包装容器
US11203189B2 (en) 2016-06-15 2021-12-21 Bemis Company, Inc. Heat-seal lid with non-heat sealing layer and hydrophobic overcoat

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0516667A (ja) * 1991-07-15 1993-01-26 Nissan Motor Co Ltd 撥水処理透明樹脂材料
JPH06192454A (ja) * 1992-12-24 1994-07-12 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア材
JP2002037310A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Mitsubishi Alum Co Ltd 充填物付着防止蓋材およびその製造方法
JP2003081317A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Toppan Printing Co Ltd 蓋 材
JP4348401B1 (ja) * 2009-02-13 2009-10-21 東洋アルミニウム株式会社 蓋材
US20120118886A1 (en) * 2009-02-13 2012-05-17 Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha Multilayer body and container
JP2013071779A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Toppan Printing Co Ltd 蓋材
JP2013075715A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Toyo Aluminium Kk 包装材料

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0516667A (ja) * 1991-07-15 1993-01-26 Nissan Motor Co Ltd 撥水処理透明樹脂材料
JPH06192454A (ja) * 1992-12-24 1994-07-12 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア材
JP2002037310A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Mitsubishi Alum Co Ltd 充填物付着防止蓋材およびその製造方法
JP2003081317A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Toppan Printing Co Ltd 蓋 材
JP4348401B1 (ja) * 2009-02-13 2009-10-21 東洋アルミニウム株式会社 蓋材
US20120118886A1 (en) * 2009-02-13 2012-05-17 Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha Multilayer body and container
JP2013071779A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Toppan Printing Co Ltd 蓋材
JP2013075715A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Toyo Aluminium Kk 包装材料

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015110444A (ja) * 2013-11-04 2015-06-18 東京インキ株式会社 食品用の非付着性フィルム、該非付着性フィルムの製造方法、食品用の非付着性フィルムへの食品の付着を防止または軽減する方法および食品用包装容器
JP2016084158A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 東京インキ株式会社 非付着性包装容器および非付着性包装容器の製造方法
JP2017074003A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 大日本印刷株式会社 害虫滑落性積層フィルムおよび捕虫器
US11203189B2 (en) 2016-06-15 2021-12-21 Bemis Company, Inc. Heat-seal lid with non-heat sealing layer and hydrophobic overcoat
JP2019142518A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 大和製罐株式会社 納豆用被膜材
JP7093197B2 (ja) 2018-02-16 2022-06-29 大和製罐株式会社 納豆用被膜材
WO2019198695A1 (ja) * 2018-04-11 2019-10-17 テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ 包装容器
JP2019182486A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 日本テトラパック株式会社 包装容器及び包装材料の製造方法
CN111971235A (zh) * 2018-04-11 2020-11-20 利乐拉瓦尔集团及财务有限公司 包装容器
CN111971235B (zh) * 2018-04-11 2021-06-22 利乐拉瓦尔集团及财务有限公司 包装容器
US11097880B2 (en) 2018-04-11 2021-08-24 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Packaging container

Also Published As

Publication number Publication date
JP6102481B2 (ja) 2017-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6102481B2 (ja) ヒートシール性包装材料
JP6330663B2 (ja) 包装容器
JP2013208817A (ja) 撥水性積層体
JP2013208816A (ja) 熱シール性フィルム
JP2014069557A (ja) 熱シール性フィルム
JP2017154459A (ja) 積層体および包装材料
JP2015131658A (ja) 蓋材とその製造方法
JP6213086B2 (ja) 蓋材
WO2017204258A1 (ja) 蓋材用撥水性積層体、蓋材および容器
JP2016002706A (ja) 包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器
JP2014055013A (ja) 蓋材
JP2000167972A (ja) 透明バリアフィルム、それを使用した積層材および包装用容器
JP6064461B2 (ja) 蓋材およびそれを用いた密封容器
JP5962362B2 (ja) 蓋材
JP7369509B2 (ja) 蓋材用撥水性積層体、蓋材および容器
JP2016083815A (ja) 撥液性フィルム
JP2015193115A (ja) 包装材料および包装容器
JP6790399B2 (ja) 蓋材
JP6354491B2 (ja) 包装材料および包装容器
JP2013189238A (ja) 蓋材と蓋材の製造方法
JP7150410B2 (ja) 蓋材用撥水性積層体、蓋材および容器
JP5879787B2 (ja) 撥水性包装材
JP2016064589A (ja) 包装材料と包装容器
JP5990950B2 (ja) 蓋材及び蓋材の製造方法
JP2018115008A (ja) 包装材料及び包装容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6102481

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250