JP6354491B2 - 包装材料および包装容器 - Google Patents

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本発明は、包装材料および包装容器に関し、より詳しくは、内容物に触れる面の非付着性が高められた包装材料、および、この包装材料を備える包装容器に関する。特に、本発明は、主として食品類の包装用容器に適用されるヒートシール包装材料に関する。さらに詳しくは、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、ムースなどの包装用のカップ状容器に使用する包装材料で、その内面に内容物が付着することを防止する包装材料に関する。
従来、ヨーグルト、ゼリー、プリン、シロップ、お粥、スープ等の食品や、液体、半固体、ゲル状等の医薬品、化粧品、化学品等の保存容器に関して、開封時に内容物が保存容器の外部に飛び散る等の不具合を防ぐために、内容物に対向する面に撥水機能が付与され内容物を付着しにくくした包装材料が知られている。このような包装材料は、内容物が充填された容器本体に対して熱シールにより密着されることがあり、その場合は、内容物に対向する包装材料上に、熱シール性樹脂を塗布した上に撥水機能層が設けられる。
カップ状容器の蓋に使用される包装材料は、カップ状容器の外側から、基材、バリア層、及びシーラント層の順で積層された構成を有する。このように構成された蓋は、ヨーグルトなどの内容物が充填された容器の上面開口に被せて、蓋周縁部を容器の上縁フランジ部にシールすることによって、密封された容器を形成する。
このような包装材料には、ヒートシール性、密着性、開封時の易剥離性が求められる。また、包装材料として、内容物の非付着性、即ち包装材料の裏面に内容物が付着し難い性能を有することが望まれる。包装材料の裏面に内容物が付着すると、包装材料に付着した内容物の棄損による無駄が生じたり、内容物の付着物を取り除くのに手間が掛かったりするなどの問題が発生する。また、開封時に付着物が手や指、衣類あるいは周辺を汚す恐れがあるなどの問題も出る。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、包装材料における最内面のヒートシール層が、付着防止効果を有する非イオン界面活性剤、又は、疎水性添加物を添加したポリオレフィンで形成されている。しかし、このような添加剤は、10重量パーセント以下、好ましくは7%以下の配合しかできない程、相溶性が小さい。この為、エージング条件により表面析出量が大きく変動し、安定性に欠けるなどの問題がある。その為、所望の性能が充分に得られないなどの課題があった。
特許文献2では、包装材料のヒートシール層に、界面活性剤等の非着性添加物を添加せず、最内層に別途付着防止層が形成されている。特許文献2は、付着防止層として、疎水性酸化物微粒子で三次元網目構造のポーラス構造を作ることで、非常に優れた付着防止効果を示すことを開示している。しかし、この付着防止層は、粒子が細かく、耐熱性の面で劣っており、高温環境における保管時間が長くなることで、疎水性微粒子がヒートシール層であるホットメルト樹脂層に沈み込んでしまい、付着防止効果が消滅してしまう問題があった。内容物充填工程、特にシール工程において、このような付着防止効果の消滅は取り扱いの面で非常に厄介な問題となる。
特許文献3は、シーラント層の上に付着防止層を設けることを開示している。付着防止層として、2〜7ミクロンメーターと、平均粒径の大きい湿式シリカ粒子を用いることにより、湿式シリカの沈み込みが少なくした。その為、高温環境や塗布時の乾燥温度が長くなっても付着防止機能を維持できることを開示している。しかし、逆に、湿式シリカ粒子
の粒径が大きいために、付着防止層から湿式シリカ粒子が脱落してしまい、付着防止の機能にムラが生じやすく、付着防止効果が安定しないという問題がある。
特許文献4では、シリコーンエラストマーや含フッ素系エラストマーなどの表面を高度に疎水化処理し、付着を防げたり付着物の容易な除去効果を示したりする包装材料を開示している。しかし、シール性に乏しく、包装材料やパウチといった容器包装への適応は困難であった。
特許文献5には、熱シールにより密着させる包装材料に用いることができる包装材料が記載されている。この包装材料では、熱シール性樹脂として機能する熱可塑性樹脂層に充填粒子を混合して熱シール性樹脂の表面に凹凸を付与することにより最表面に存在する撥水機能を有する疎水性酸化物微粒子の脱落防止性能を向上させている。
しかしながら、特許文献5に記載の包装材料では、熱可塑性樹脂の厚みに対して充填粒子の径が大きく熱可塑性樹脂層中に粒子が含まれるため、包装材料における充填粒子の接着強度が十分でない。また、加熱時に熱可塑性樹脂が流動的になりやすいために粒子も動きやすい。したがって、容器本体への熱シール工程等において、充填粒子が包装材料から脱落する等により、所望の撥水機能を発揮しない恐れがあるという問題がある。
特開2002−37310号公報 特許第4348401号公報 特許第4668352号公報 特開2002−69246号公報 特開2011−093315号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱シール性を有していて、内容物の付着防止性の優れた包装材料の提供を目的とする。
本発明の第一態様の包装材料は、内容物の非付着性を有する包装材料であって、
少なくとも、基材層と、樹脂と凹凸構造を形成する平均粒子径が1〜100μmの凹凸形成粒子を含むアンカーコート層と、シーラント層と、前記凹凸形成粒子よりも小さく、且つ、平均粒子径が5〜1000nmの疎水性微粒子と前記疎水性微粒子を前記シーラント層に固着するための無機バインダーを含有する付着防止層とを有しており、
前記無機バインダーが、Si(OR)(Rはアルキル基)と、Si(OCH(CH)nCF(nは0〜6の自然数)の混合物で表される珪素アルコキシド、または、前記珪素アルコキシドの加水分解物、若しくはそれらの複合物のいずれかを含有する。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記無機バインダーにおけるSi(OR)とSi(OCH(CH)nCFの重量比率が、1:9から9:1の範囲であることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記疎水性微粒子が、アルキルシリル、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、トリメチルシリル、ジメチルシリルの中から少なくとも1種を含む官能基により疎水化表面処理されていることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記疎水性微粒子が、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウムの中から少なくとも1種を含んでいる無機酸化物であることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記凹凸形成粒子が、フッ素樹脂、シリコーン、シリカ、金属酸化物、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂の少なくとも1つを含んで形成されていることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記樹脂が、熱硬化性樹脂からなることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記珪素アルコキシドのSi(OR)として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記珪素アルコキシドのSi(OCH(CH)nCFとして、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロブチルトリメトキシシラン、トリフルオロペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロヘプチルトリメトキシシランの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
本発明の第二態様の包装容器は、容器本体と前記容器本体の開口部を塞ぐ蓋材とからなり、前記蓋材が上記第一態様の包装材料からなり、前記容器本体に熱シールによって接合されている。
本発明の第一態様の包装材料及び第二態様の包装容器の蓋材は、熱シール性を有し、且つ、内容物に対して、高い付着防止機能を有する。
本発明の第1実施形態の包装材料を示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態の包装材料を蓋材として備える包装容器を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の包装材料および包装容器の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の包装材料1を示す拡大断面図、図2は、本発明の第1実施形態の包装材料を蓋材として備える包装容器を模式的に示す断面図である。
本実施形態の包装材料1は、図1に示すように、基材層10と、基材層10上に形成されたアンカーコート層20と、アンカーコート層20上に形成された熱可塑性樹脂からなるシーラント層30と、シーラント層30上に配置される付着防止層40とを備えている。
基材層10の材質は、アンカーコート層20に含まれる樹脂が充分密着する物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチックフィルム等が使用できる。紙としては、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙、クラフト紙などが使用できる。
プラスチックフィルムとしては、ポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、セロファン樹脂等からなる延伸や無延伸のフィルムを使用することができる。
また、ガスバリア性等を要求される場合は、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などからなる無機酸化物蒸着フィルムなどのバリア性基材を使用することができる。また、これらの紙、プラスチックフィルム等を組み合わせて、接着剤等を介して積層された材料を使用しても構わない。
アンカーコート層20は、樹脂21と凹凸構造を形成する凹凸形成粒子22を含んで構成されている。樹脂21としては、基材層10に対する密着性を発揮するとともに、凹凸形成粒子22に対する密着性を発揮する樹脂が好ましく用いることができる。また、熱硬化性樹脂を樹脂21として用いることが好ましい。
樹脂21は、凹凸形成粒子22を基材層10に対して固着させる機能のほか、シーラント層30のアンカーコートとしても機能する。樹脂21に用いる熱硬化性樹脂の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂の材料は、1液硬化型、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のいずれの材料でも構わない。
凹凸形成粒子22は、平均粒子径が1μm以上、100μm以下であり、10μm以上50μm以下が特に好ましい。平均粒子径が1μmより小さいと、アンカーコート層20の表面に十分な大きさの凹凸を付与することが困難となる。また、平均粒子径が100μmより大きいと、高密度で凹凸を付与させることが困難になり、撥水機能を向上させることができない上に、大きく突出した凹凸形成粒子22が、摩擦などの外部応力によって脱落しやすくなる。
凹凸形成粒子22の材料としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などのプラスチック樹脂、酸化珪素(シリカ)や、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)などの金属酸化物を用いることができる。また、これらの材料から複数種類が選択され、異なる材料からなる複数の粒子が混合された混合物が用いられてもよい。
凹凸形成粒子22に用いるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、EFEPなどがよい。
シリコーン樹脂としては、球状シリコーンゴムパウダーの表面がシリコーンレジンで被覆された粉末、または、ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末、または(RSiO3/2)nで表される架橋構造を持つポリオルガノシルセスキオ
キサン硬化物の粉末がよい。
アクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸ブチル、架橋ポリアクリル酸エステルにいずれかであることが好ましい。
熱硬化性の樹脂21と凹凸形成粒子22とを用いることにより、アンカーコート層20が形成されている。またアンカーコート層20を形成している凹凸形成粒子22は熱硬化性樹脂の樹脂21で覆われていることにより耐熱性があり、強固に密着して脱落しにくい。また、アンカーコート層20上に形成されるシーラント層30および付着防止層40の表面形状がフラクタル状になり、包装材料1の全体の撥水機能が向上される。
アンカーコート層20の形成方法は、特に制限はないが、例えば、熱硬化性樹脂の樹脂21に凹凸形成粒子22を混合した材料を基材層10上に塗布し、加熱エージングして熱硬化性樹脂を硬化させることにより、アンカーコート層20を形成することができる。熱硬化性樹脂の量と凹凸形成粒子22の径との関係によっては、凹凸形成粒子22の一部が熱硬化性樹脂の樹脂21から露出することもあるが、いずれの凹凸形成粒子も、基材層10に近い樹脂21の下方部分に位置する樹脂21に支持されて、基材層10上に十分な強度をもって保持される。
なお、本実施形態において、凹凸形成粒子22の平均粒子径は、個々の粒子を球状粒子に換算した平均径を指し、平均粒子径とは、平均1次粒子径のみならず、平均2次粒子径を含む径を意味する。凹凸形成粒子について、本実施形態においては、レーザー散乱法によって計測された値と定義する。また、JIS B0601の内容は、年によって若干異なるため、本発明は1994年のJISに定義された計測方法によって定義された値である。
シーラント層30の熱可塑性樹脂は、包装材料1が接合される容器本体(フランジ部、被着体、包装容器)などに対して熱シール可能であればよく、容器本体などの材質等を考慮して適宜選択することができる。
シーラント層30の樹脂としては、ホットメルトタイプの樹脂、押出し樹脂、シール性フィルムなど使用でき、特定の材料に限定されないが、凹凸層の形状をより効果的に活用できる、溶剤に溶解または分散して、コーティングして用いられるラッカータイプの樹脂系材料を用いることが、最も好ましい。
ラッカータイプの樹脂系材料としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩酢ビ樹脂、SBR樹脂及びそれらの複合材料を用いる。
このような材料を用いるコート方法としては、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法を採用することができる。
例えば、容器本体がポリスチレン樹脂の場合は、シーラント層30の主成分は、ポリアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、塩酢ビ樹脂、エチレン樹脂等から選定すればよい。容器がポリプロピレン樹脂の場合は、ポリアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等から選定すればよい。容器がポリエチレン樹脂の場合は、ポリアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂から選定すればよい。
変性ポリオレフィン樹脂を用いる場合、変性が酸変性であり、不飽和カルボン酸またはその無水物で変性されたオレフィンであることが好ましい。また、オレフィンがプロピレン、あるいはエチレンであることが好ましい。
また、内容物や充填方法により、容器はチルド仕様、アセプティック仕様、ボイル仕様、レトルト仕様などに分類される。したがって、これら用途に応じて容器の材質を選定するとともに、包装材料1のシーラント層30の材質が選定される。
付着防止層40は、少なくとも疎水性微粒子とバインダーとを含んで構成されている。これ以外に、付着防止層40は、層間および層内の密着性を高めるためにシランカップリング剤や、バインダーの反応をコントロールするために触媒などを含んでも構わない。
疎水性微粒子は、無機酸化物であることが好ましく、酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化チタン(チタニア)などの各種無機酸化物を用いることができる。中でも、無機バインダーとの密着性を上げるためにはシリカが好ましく、燃焼法、アーク法などの乾式製法や沈殿法、ゲル法などの湿式製法から得られる合成シリカ、または天然シリカを用いても構わない。
疎水性微粒子の表面には疎水化処理が施されており、付着防止機能が付与されている。疎水化表面処理方法については、乾式法、湿式法など各種の処理が可能であるが、微粒子全面を処理するためには、CVD法、プラズマ法等による乾式処理を施すのが好ましく、疎水性官能基がジメチルシリル基(CHSi(0−R)、トリメチルシリル基(CHSiO−R、ジメチルポリシロキサン基(CH−Si−O−Si(O−R)、ジメチルシロキサン基、アミノアルキルシリル基、アルキルシリル基、メタクリルシリル基を使用することが好ましい。これらの官能基を生成することで、臨界表面張力(表面エネルギー)を小さくして非付着性が向上する。
疎水性微粒子の平均粒子径は、凹凸形成粒子22よりも小さく、5ナノメートル(nm)以上、1μm(1000ナノメートル)以下であれば粒度分布には特に制限はないが、大小様々な径の粒子が存在することで、フラクタル構造を形成し撥水性が高まる。
疎水性微粒子の粒径が1000ナノメートルより大きい場合、疎水性微粒子が大きすぎて、付着防止層40から脱落しやすくなる。また、疎水性微粒子の粒径が5ナノメートルより小さい場合、ハンドリングが非常に悪くなる。
疎水性微粒子の平均粒子径は、付着防止層の表面に付着した疎水性微粒子の粒径を指し、SEMによる目視観察にて計測された値と定義する。目視観察による平均粒子径の測定方法は、SEMにて任意の5箇所の観察表面中にある疎水性微粒子100個の粒径を測定し、全計測値の平均を算出して求める。
バインダーの材料としては、Si(OR)(Rはアルキル基)と、Si(OCH(CH)nCF(nは0〜6の自然数)との混合物で表される珪素アルコキシド、または、前記珪素アルコキシドの加水分解物、若しくはそれらの複合物を用いる。
珪素アルコキシドのSi(OR)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランの少なくとも1つを用いることができる。
また、前記珪素アルコキシドのSi(OCH(CH)nCFとしては、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロブチルトリメトキシシラン、トリフルオロペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロヘプチルトリメトキシシランの少なくとも1つを用いることができる。
無機バインダーにおけるSi(OR)とSi(OCH(CH)nCFの重量比率は、1:9から9:1の範囲であることが好ましい。Si(OR)の重量比が1割よりも低いと、重合が十分に進行しないため、バインダーの形成が不十分になり、疎水性微粒子の付着量が低下するため、摩擦や振動などの外部応力によって疎水性微粒子が脱落し、非付着性能が損なわれやすい。また、Si(OR)の重量比が9割よりも高いと、親水性のヒドロキシル基が最表面を覆う面積が多くなり、十分な非付着性能が出せない。
また、珪素アルコキシドの中に、密着向上や表面改質などの目的で、シランカップリング剤が混合された無機バインダーを用いてもよい。シランカップリング剤は、官能基としてビニル、エポキシ、スチリル、メタクリル、アクリル、アミノ、ウレイド、メルカプト、スルフィド、イソシアネートのうちのいずれか1つを有することが好ましい。
包装材料1において、付着防止層40の表面は、表面粗さRz(JIS B0601 1994年)が5μm以上となるように形成されている。表面粗さRzとは、十点平均粗さである。表面粗さRzを得るには、まず、測定された粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取る。そして、抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求める。表面粗さRzは、このように得られた値がマイクロメートル(μm)で示された値である。
付着防止層40の形成方法として、まず、珪素アルコキシド、あるいは、珪素アルコキシドとシランカップリング剤の混合物を直接あるいはあらかじめ加水分解反応させた材料を疎水性微粒子と混合して複合物溶液を作成する。次に、この複合物溶液を用いて熱可塑性樹脂からなるシーラント層30上にコーティングを施すことにより付着防止層40を形成できる。
コーティングを施す際の塗布方法としては、ロールコート、ダイレクトグラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコート等公知の各種方法を適宜選択して用いることができる。
複合物溶液における疎水性微粒子とバインダーに含まれる珪素酸化物との重量比率は、5:95〜95:5であることが好ましい。複合物溶液における疎水性微粒子の重量とバインダーに含まれる珪素酸化物の重量に対し、疎水性微粒子の重量比が5%以上95%以下であることが好ましい。疎水性微粒子の重量比が5%より低いと、疎水性表面が最表層を覆う面積が小さくなり、十分な非付着性能が出せない。また、疎水性微粒子の重量比が95%以上であると、疎水性微粒子がバインダーと結合することなく最表面に出てくるために、摩擦や振動などの外部応力によって疎水性微粒子が脱落し、非付着性能が損なわれやすい。
バインダーに含まれる珪素酸化物の重量とは、バインダーとして使用する珪素アルコキシド成分が加水分解反応、及び脱水縮合反応を経た後に組成が変化して得られる珪素酸化物としての重量に換算した重量のことを示す。
疎水性微粒子の重量とは、秤量した疎水性微粒子の投入量のことを示す。例えば、粒子を溶媒に分散した分散液としてバインダーに投入する場合、投入する分散液の固形分の重量を示す。
付着防止層40の膜厚は0.1μm以上、20μm以下の範囲内であることが好ましい。この膜厚が0.1μm以下であると疎水性微粒子が最表面に現れる量が少なくなり、付着防止機能が低下する。また、この膜厚が20μm以上である付着防止層が厚くなりすぎて熱シール時にシール阻害を起こしやすく、十分に密閉ができない。また、この膜厚の場合、アンカーコート層20によってもたらされる凹凸を相殺してしまい、十分な撥水機能を発現できない場合がある。
熱可塑性樹脂からなるシーラント層30の膜厚は0.1μm以上、20μm以下の範囲内であることが好ましい。この膜厚が0.1μm以下であると熱シール時に付着防止層40を突き抜けて出てくるシール剤の量が少なく、十分なシール強度が得られない。また、この膜厚が20μm以上であると熱硬化性樹脂21と凹凸形成粒子22からなるアンカーコート層20が構成する凹凸を埋めてしまい、十分な凹凸構造による撥水機能が再現できなくなってしまう。
付着防止層40は、包装材料1の平面視(厚さ方向に見た状態)において、シーラント層30の30%以上、より好ましくは70%以上を覆うように設けられるのが好ましい。被覆面積比が30%未満であると、内容物が非撥水表面と接触する面積が大きくなり、十分な非付着性能を発揮することができない。また、容器本体に対して熱シールにより接着する等により、内容物と接触しないことが予め明らかである部位等には付着防止層40が設けられなくてもよい。
以上説明したように、第1実施形態の包装材料1によれば、内容物に対向する基材層10の一方の面(以下、「対向面」と称することがある。)にアンカーコート層20が設けられ、さらにアンカーコート層20上に熱可塑性樹脂層からなるシーラント30および付着防止層40が設けられている。
アンカーコート層20には凹凸形成粒子22が含まれているため、対向面にはアンカーコート層20により付着防止層40の表面凹凸よりも相対的に大きい、表面粗さRzにして5μm以上の凹凸が形成される。
したがって、アンカーコート層20による構造的な付着防止効果(撥水効果)と付着防止層40による疎水成分による付着防止効果(撥水効果)とがあいまって、対向面に高い付着防止効果(非付着性)を実現することができる。
また、凹凸形成粒子22は、熱硬化性樹脂の樹脂21により基材層10に支持されているため、包装材料1に対して熱シール処理が行われて熱可塑性樹脂からなるシーラント層30が軟化したときも、シーラント層30内で厚さ方向に移動することは殆どない。
したがって、凹凸形成粒子22が熱可塑性樹脂からなるシーラント層に埋もれて相対的に大きい凹凸が損なわれたり、凹凸形成粒子22が包装材料1から脱落したりする等の不具合の発生を好適に抑制して、熱シール処理の前後においても安定した付着防止機能(非付着性能)を発揮することができる。さらに、熱シール処理以外の、例えば搬送等の各種工程において外部から作用する応力等に対しても、凹凸形成粒子22の脱落を好適に防止することができる。
さらに、凹凸形成粒子22が熱硬化性の樹脂21により支持されているため、アンカー
コート層20上にシーラント層30を形成する際、凹凸形成粒子22とシーラント層30の熱可塑性樹脂の比重の値が近似している場合等でも、凹凸形成粒子22がシーラント層30の上方に移動して凹凸形成粒子22の一部が熱可塑性樹脂を貫通してシーラント層30の表面に露出することがない。したがって、付着防止層40は、必ず、シーラント層30と接触するため、確実にシーラント層30と接合され、付着防止層40の疎水性微粒子が脱落しにくい構成を実現することができる。
(第2実施形態)
図2に示すように、包装材料1を、熱シールにより、フランジ部52に接合し、容器本体51を密閉すると、本発明の第2実施形態の包装容器50が完成する。容器本体51の材質には、紙とポリオレフィン樹脂を積層した包装材料や、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂等を用いることができる。
また、包装材料1において熱シールされる部位には、付着防止層40が存在していても問題ない。この場合は、熱シール工程において、容器本体51と接合されるシール部位の付着防止層40にクラックが生じ、当該クラックから溶融した熱可塑性樹脂からなるシーラント層30の一部と溶融した容器本体51の一部が融着し、包装材料1と容器本体51とが接合される。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
以下、本発明の実施例について記載する。
なお、以下の各実施例は、あくまでも本発明の構成の例示であり、これにより本発明の技術的範囲は何ら限定されない。
<実施例1>
基材層10として、厚み79.1グラム/mの模造紙と、厚み16μmのアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを、ドライラミネ―トの方法で貼り合わせた。その貼り合わせた基材層10のアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、ポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤を含む2液硬化型の熱硬化性の樹脂21に、凹凸形成粒子22として平均粒子径20μmのアクリルビーズを含有したアンカーコート層20をコーティングした。その後、さらに、ポリアクリレートを主成分とするラッカータイプのシーラント層30を、アンカーコート層20の上にコーティングした。
付着防止層40には、0.1規定濃度の塩酸溶液にて加水分解させたテトラエトキシシランSi(OC及びトリフルオロプロピルトリメトキシシランSi(OCHCHCHCFの混合溶液の加水分解液と、アルコールで分散させた平均粒子径20nmのジメチルポリシロキサン処理シリカ粒子の疎水性微粒子を、充分に混合させ、塗液の固形分が10%となるように調整し、調整された塗液をシーラント層の上にコート、その後、乾燥させ、付着防止層40を形成した。
付着防止層40において、無機バインダーとなるテトラエトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランの重量混合比を、テトラエトキシシラン/トリフルオロプロピルトリメトキシシランで7:3として実施例1の包装材料を作製した。
<実施例2>
付着防止層40において、無機バインダーとなるテトラエトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランの重量混合比をテトラエトキシシラン/トリフルオロプロピルトリメトキシシランで5:5とした点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例2の包装材料を作製した。
<実施例3>
付着防止層40において、無機バインダーとなるテトラエトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランの重量混合比をテトラエトキシシラン/トリフルオロプロピルトリメトキシシランで3:7とした点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例2の包装材料を作製した。
<実施例4>
付着防止層40中の疎水性粒子として、平均粒子径20nmのトリメチルシリル処理を行ったシリカ粒子を用いた点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例4の包装材料を作製した。
<実施例5>
付着防止層40中の疎水性粒子として、平均粒子径20nmのトリメチルシリル処理を行った二酸化チタン粒子を用いた点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例5の包装材料を作製した。
<実施例6>
凹凸形成粒子22として、シリコーン樹脂からなる平均粒子径20μmの粒子を用いた点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例6の包装材料を作製した。
<実施例7>
熱硬化性の樹脂21としてポリウレタン樹脂とイソシアネート硬化剤を含む2液硬化型の熱硬化性樹脂を用いた点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例7の包装材料を作製した。
<実施例8>
バインダーとしてテトラエトキシシランの代わりにテトラメトキシシランを用い、テトラメトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランの重量混合比が7:3の混合溶液を用いた点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例8の包装材料を作製した。
<実施例9>
バインダーとしてトリフルオロプロピルトリメトキシシランの代わりにトリフルオロメチルトリメトキシシランSi(OCHCFを用い、テトラエトキシシランとトリフルオロブチルトリメトキシシランの重量混合比が7:3の混合溶液を用いた点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で実施例9の包装材料を作製した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
付着防止層が無い点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で比較例1の包装材料を作製した。
<比較例2>
凹凸形成粒子が無い点を除き、実施例1のバインダーとなるテトラエトキシシラン/トリフルオロプロピルトリメトキシシランの重量混合比が7:3の場合と同様の材料及び手順で比較例2の包装材料を作製した。
<比較例3>
バインダーとなる珪素アルコキシドとして、テトラエトキシシランのみを用いている点を除き、実施例1と同様の材料及び手順で比較例3の包装材料を作製した。
<試験方法>
上述した各実施例および各比較例の包装材料に対して、以下の試験を行い、その性能を評価した結果を表1に示す。
<付着防止性>
付着防止の評価は、下記のように行った。
40度傾斜させた台に、各実施例および各比較例の包装材料を、付着防止層を上にして貼り付け、その傾斜した包装材料の付着防止層の上に、液滴を傾斜面の2センチメートル上から滴下し、液滴の付着状態を目視で観察・評価した。
液滴には、ヨーグルト(ダノンジャパン社製「ダノンビオ(R)プレーン加糖」)約0.5ミリリットル、及び、プリン(グリコ社製「プッチンプリン(R)」)1さじを、それぞれ用いた。
評価基準は以下の通りである。
「最良」:液滴の付着なし。(付着防止効果が認められる)
「良」:わずかな付着はするが、液滴の大半は付着せず。(付着防止効果が認められる)「不可」:液滴の付着あり。(付着防止効果が認められない)
Figure 0006354491
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
表1に示すように、実施例の包装材料においては、ヨーグルトおよびプリンのいずれにも高い付着防止機能(非付着性能)を示した。
これに対し、比較例1では、付着防止層が無いために、実施例と比較して付着防止性(非付着性能)が大きく劣る結果が得られた。また、比較例2では、凹凸形成粒子による凹凸がないために、実施例と比較して付着防止性(非付着性能)がやや劣る結果が得られた。
さらに、比較例3においては、付着防止性(非付着性能)について、ヨーグルトに対しては良好な結果が得られたが、プリンに対しては実施例の包装材料と比較してやや劣る結果が得られた。
これは、実施例の包装材料のように、一般式Si(OCH(CH)nCF(nは0〜6の自然数)を含む珪素アルコキシドを加水分解し、バインダーとして用いているのと比較して、比較例3では、Si(OR)のみの珪素アルコキシドをバインダーとして用いているため、バインダー中の親水性の水酸基の数が多く、かつ疎水性のアルキル基が少なく、さらにトリフルオロメチル基を有しないため、疎水性が低いことが原因である。
これと比較し、実施例1から3の包装材料では、付着防止層に用いる無機バインダーで、テトラエトキシシランSi(OCとトリフルオロプロピルトリメトキシシランSi(OCHCHCHCFの重量混合比を、7:3、5:5、3:7としても、いずれの場合においても、ヨーグルトやプリンに対して、良好な非付着性が確保できた。
尚、実施例及び比較例の包装材料を蓋材として用い、ポリスチレン樹脂製の容器本体のフランジ部にヒートシールしたところ、いずれの包装材料も、良好なシール性、密封性を示した。
以上のように本発明の包装材料は、内容物の付着性が低いので、本発明の包装材料を用いた蓋材を容器本体から剥離した時、内容物が多量に蓋材内面に付着しない。その為、内容物を有効に使用できると共に、使用した後の容器本体に内容物の残留が少ない。更に、容器本体及び蓋材(包装材料)を廃棄する場合にも、簡単な水洗浄で容易に容器本体及び蓋材(包装材料)を分別廃棄できるので、消費者への負担も少ないなどのメリットも大きい。
1・・・包装材料
10・・・基材層
20・・・アンカーコート層
21・・・樹脂
22・・・凹凸形成粒子
30・・・シーラント層
40・・・付着防止層
50・・・包装容器
51・・・容器本体
52・・・フランジ部

Claims (9)

  1. 内容物の非付着性を有する包装材料であって、
    前記包装材料は少なくとも、基材層と、樹脂と凹凸構造を形成する平均粒子径が1〜100μmの凹凸形成粒子を含むアンカーコート層と、シーラント層と、平均粒子径が5〜1000nmの疎水性微粒子と、前記疎水性微粒子を前記シーラント層に固着するための無機バインダーを含有する付着防止層とを有しており、
    前記無機バインダーは、Si(OR)(Rはアルキル基)と、Si(OCH(CH)nCF(nは0〜6の自然数)の混合物で表される珪素アルコキシド、または、前記珪素アルコキシドの加水分解物、若しくはそれらの複合物のいずれかを含有することを特徴とする包装材料。
  2. 前記無機バインダーにおけるSi(OR)とSi(OCH(CH)nCFの重量比率が、1:9から9:1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記疎水性微粒子が、アルキルシリル、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、トリメチルシリル、ジメチルシリルの中から少なくとも1種を含む官能基により疎水化表面処理されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料。
  4. 前記疎水性微粒子が、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウムの中から少なくとも1種を含んでいる無機酸化物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装材料。
  5. 前記凹凸形成粒子が、フッ素樹脂、シリコーン、シリカ、金属酸化物、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂の少なくとも1つを含んで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の包装材料。
  6. 前記樹脂が、熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の包装材料。
  7. 前記珪素アルコキシドのSi(OR)として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の包装材料。
  8. 前記珪素アルコキシドのSi(OCH(CH)nCFとして、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロブチルトリメトキシシラン、トリフルオロペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロヘプチルトリメトキシシランの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の包装材料。
  9. 容器本体と前記容器本体の開口部を塞ぐ蓋材とからなる包装容器であって、前記蓋材が請求項1から8のいずれか1項に記載の包装材料からなり、前記容器本体に熱シールによって接合されていることを特徴とする包装容器。
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