JP6064461B2 - 蓋材およびそれを用いた密封容器 - Google Patents

蓋材およびそれを用いた密封容器 Download PDF

Info

Publication number
JP6064461B2
JP6064461B2 JP2012196090A JP2012196090A JP6064461B2 JP 6064461 B2 JP6064461 B2 JP 6064461B2 JP 2012196090 A JP2012196090 A JP 2012196090A JP 2012196090 A JP2012196090 A JP 2012196090A JP 6064461 B2 JP6064461 B2 JP 6064461B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
particles
layer
adhesion
hydrophobic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012196090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014051295A (ja
Inventor
依久乃 井口
依久乃 井口
伸彦 今井
伸彦 今井
盧 和敬
和敬 盧
松尾 龍吉
龍吉 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2012196090A priority Critical patent/JP6064461B2/ja
Publication of JP2014051295A publication Critical patent/JP2014051295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6064461B2 publication Critical patent/JP6064461B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、主として食品類の密封容器に適用される蓋材であり、さらに具体的には、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャムなどの密封容器に適用され、内容物の付着防止性を備えた蓋材に関するものである。
現在、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャムなどの密封容器は、カップ状の容器が使用され、該容器のフランジに蓋材をシールして密封し製品化されている。
係る蓋材には、良好なシール性、密封性、また開封時の適度なイージーピール性が求められるのと同時に、蓋材内面への内容物の非付着性が望まれている。図6に示すように、従来の蓋材50は、その内面に内容物が付着してしまう場合がある。例えば、容器本体31に粘性の低いヨーグルト33が収納されている場合には、蓋材50の内面に、ヨーグルト33が付着してしまう場合がある。内容物が付着していると開封時に衣服や手指、あるいは周辺を汚す恐れがあると共に、内容物の棄損による無駄が生じる問題がある。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、シーラント層に、付着防止効果を有する脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなどの疎水性添加物を添加したポリオレフィン樹脂とするものであるが、このような添加剤は、エージング条件(温度)により表面への析出量が多くなり付着防止性が低下することが知られており、所望の性能が十分に得られていない。
また特許文献2では、シーラント層の表面に付着防止層を形成するものである。付着防止層を形成する疎水性酸化物微粒子が三次元網目構造のポーラス構造を作ることで非常に優れた付着防止効果を示すというものである。
しかし、この付着防止層は、まだ耐熱性の面で劣っており、高温環境や塗布時の乾燥時間が長くなることで、疎水性酸化物微粒子がシーラント層のホットメルト層に沈み込んでしまい、付着防止性が低下する問題がある。特にシール工程においては、高温環境になりやすく、シール強度への阻害要因となることもあった。他方、シーラント層と疎水性酸化物微粒子の密着が弱く、脱落し易い問題がある。
また特許文献3では、特許文献2と同様、シーラント層の表面に付着防止層を形成するものである。付着防止層に平均粒子径の大きい疎水性湿式シリカ粒子を用いることにより、疎水性湿式シリカ粒子の沈み込みがなくなり、高温環境や塗布時の乾燥温度が長くなっても付着防止性を保持できるというものである。
しかし、疎水性湿式シリカ粒子の粒子径が大きいために付着防止層から脱落してしまう問題がある。付着防止性は有するが、シーラント層と疎水性湿式シリカ粒子の密着が弱いために、脱落し易い問題がある。機械的強度が弱い問題がある。
よって、内容物の付着防止性を備え、かつ機械的強度を有した蓋材の要望がある。
特開2002−37310号公報 特許第4348401号公報 特許第4668352号公報
上記の問題を鑑みて、本発明の課題は、内容物の付着防止性を有し、かつ機械的強度を有した蓋材を提供することである。
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
本発明の請求項1に係る発明は、
少なくとも基材層、シーラント層、付着防止層が順次積層された積層体からなる蓋材であって、
前記付着防止層が、平均粒子径〜50μmの範囲の球形粒子と、
平均一次粒子径が10〜500nmの範囲の疎水性酸化物微粒子と、
M(OR)n(Mは金属元素、Oは酸素、Rは有機基を表す)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物と、
シランカップリング剤と、
からなり、
内容物と接する内面の表面が凹凸であることを特徴とする蓋材である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記球形粒子が、酸化珪素粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタニウム粒子の少なくとも一つ、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の蓋材である。
本発明の請求項3係る発明は、前記金属アルコキシドあるいその加水分解物中の金属が、珪素、アルミニウム、チタニウムから選択される一種類以上であることを特徴とする請求項1または2記載の蓋材である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記疎水性酸化物微粒子が、ジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、アルキルシリル、メタクリルシリルのいずれかの官能基で疎水化表面処理された、酸化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材である。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓋材を用いて密封されたことを特徴とする密封容器である。
本発明の蓋材は、内容物と接する内面に、該内面の表面を凹凸にする球形粒子と、撥水性を有する疎水性酸化物微粒子と、該両者をシーラント層と接着させるバインダーと、該球形粒子と該バインダーをさらに強固に接着させるシランカップリング剤と、からなる付着防止層を形成することで、優れた付着防止性と機械的強度を有することができる。また容器本体へのシール性の低下もなく密封容器を形成することができる。
本発明の請求項1によれば、付着防止層は、球形粒子と疎水性酸化物微粒子およびバインダーと、シランカップリング剤とからなっている。バインダーには、M(OR)n(Mは金属元素、Oは酸素、Rは有機基を表す)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物を用いる。該バインダーを用いることで、球形粒子と疎水性酸化物微粒子をシーラント層に強固に接着することができる。さらにシランカップリング剤を使用することで、球形粒子とバインダーを一層強固に接着させ、球形粒子の脱落を防ぎ機械的強度を向上させることができる。機械的強度とは、蓋材を製造する時、例えば、塗布加工、ラミネート加工、抜き加工、シール加工などの加工時に機械的な外力が付加されても、球形粒子や疎水性酸化物微粒子の脱落がなく加工できることをいう。機械的強度を有している蓋材を提供できる。
また球形粒子を平均粒子径1〜50μmの範囲にすることで、付着防止層の表面を凹凸にし、付着防止層の表面積を大きくすることができる。また疎水性酸化物微粒子を平均一次粒子径が10〜500nmの範囲にすることで、球形粒子の周りやシーラント層の表面に均一に配することができ、優れた付着防止性を発現することができる。
本発明の請求項2によれば、球形粒子が、酸化珪素粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタニウム粒子の少なくとも一つ、あるいはこれらの混合物であることにより、バインダーのM(OR)nで表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物と接着できる。またシランカップリング剤を介することによりバインダーとの接着をさらに強固にできる。
本発明の請求項3によれば、金属アルコキシドあるいはその加水分解物中の金属が、珪素、アルミニウム、チタニウムから選択される一種類以上であることにより、球形粒子および疎水性酸化物微粒子との接着を強固にするともに、シーラント層に対する接着性や付着防止層内の凝集力を高め、より強固な膜とすることができる。
本発明の請求項4によれば、疎水性酸化物微粒子が、ジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、アルキルシリル、メタクリルシリルのいずれかの官能基で疎水化表面処理された、酸化珪素または酸化アルミニウムであることにより、優れた付着防止性を付与することができる。
本発明の請求項5によれば、本発明の蓋材を用いて密封された密封容器は、蓋材を開封しても、蓋材の内面には内容物の付着がなく、内容物の棄損による無駄を生じさせないものである。
本発明の蓋材の層構成の一例を示す説明図である。 図1の付着防止層の一例を示す説明図である。 本発明の蓋材が取り付けられた密封容器の一例を示す説明図である。 図3の密封容器の蓋材を開封した状態の一例を示す説明図である。 図2の付着防止層を利用した自立性包装袋の一例を示す説明図である。 従来の密封容器の蓋材を開封した状態の一例を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の蓋材の層構成一例を示す説明図である。本発明の蓋材30は、基材層2、シーラント層3、付着防止層4が順次積層された積層体1からなっている。
図2は、図1の付着防止層の一例を示す説明図である。付着防止層4は、球形粒子5、疎水性酸化物微粒子6、バインダー7{M(OR)nで表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物}およびシランカップリング剤8からなっている。付着防止層4には、球形粒子5および疎水性酸化物微粒子6が、バインダー7{M(OR)nで表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物}とシランカップリング剤8を介してシーラント層3に接着されている。シランカップリング剤8は、球形粒子5とバインダー7との接着を強固にするために使用される。
付着防止層4は、バインダー7およびシランカップリング剤8を介して、球形粒子5がシーラント層3の表面に均一に一次粒子体で凹凸になるように配され、また疎水性酸化物微粒子6は、球形粒子5の周りやシーラント層3の表面を覆うように配されて形成されている。基材層2/シーラント層3/付着防止層4からなる積層体1が形成される。
図3は、本発明の蓋材が取り付けられた密封容器の一例を示す説明図である。密封容器20は、蓋材30が、容器本体31のフランジにシールされ形成されている。容器本体31は、カップ形状である。容器本体31には、例えば、ヨーグルト(図には示していない)が収納されている一例を示している。
図4は、図3の密封容器の蓋材を開封した状態の一例を示す説明図である。図3に示す蓋材30を容器本体31のフランジ32から一部開封した状態の一例を示している。蓋材30の内面には、付着防止層が形成されているために、容器本体31のヨーグルト33が付着されていない状態を示している。
本発明をさらに詳しく説明する。
付着防止層を形成する球形粒子5としては、無機材料からなる球形粒子を使用することができる。例えばアルミニウム、銅、鉄、チタン、銀、カルシュウムなどの金属またはこれらを含む合金または金属化合物、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの酸化物、リン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウムなどの無機酸塩または有機酸塩、ガラス、窒化硼素、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックなどを好適に使用できる。特に、酸化珪素(シリカ)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子、酸化チタニウム(チタニア)粒子の少なくとも一つ、あるいはこれらの混合物であることが好ましい。
また球形粒子の平均粒子径としては、1〜50μmの範囲が好ましい。平均粒子径が1μm未満では、十分な付着防止性が得られない。また平均粒子径が50μmを越える場合は、十分な機械的強度が得られない。
疎水性酸化物微粒子6としては、ジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、アルキルシリル、メタクリルシリルのいずれかの官能基で疎水化表面処理された酸化珪素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物を使用することができる。無機酸化物としては、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタニウムなどの少なくとも一種を用いることができる。中でも疎水性酸化珪素微粒子、即ち疎水性シリカ微粒子が好適に使用できる。
疎水性シリカ微粒子の表面に上記官能基で疎水化表面処理したものを使用できるが、中でもより優れた付着防止性が得られる点で、トリメチルシリル基を有した疎水性シリカ微粒子が好ましい。平均一次粒子径10〜500nmの範囲の疎水性シリカ微粒子である。特に10〜20nmの範囲が好ましい。また、疎水性シリカ微粒子は一次粒子が好ましいが、その一部に一次粒子の凝集体(二次粒子)が含まれていてもよい。また疎水性シリカ微粒子が均一に分散し、球形粒子やシーラント層の表面に配され、優れた付着防止性を得ることができる。
平均一次粒子径が500nmを超えると、疎水性酸化物微粒子の脱落が生じる問題がある。
バインダー7としては、金属アルコキシドあるいはその加水分解物を使用する。水/アルコールの混合溶媒に溶かし溶液にて使用する。またシランカップリング剤もバインダー
の溶液に混合すればよい。金属アルコキシドは、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムあるいはその混合物を用いるのが好ましい。例えば、テトラエチルオルソシリケート{Si(OC}、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS){Si(OH)}、トリイソプロピルアルミニウム{Al(OC}などの、一般式M(OR)n(Mは珪素、チタニウム、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属、Oは酸素、Rはメチル基、エチル基などのアルキル基)で表されるものである。その中でも、金属が珪素、アルミニウム、チタニウムである金属アルコキシドの特性が優れている。
シランカップリング剤7としては、特に球形粒子の材質に合わせて選定すればよく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのメトキシシラン化合物、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのエトキシシラン化合物などが使用できる。
蓋材(積層体)を形成する基材層2としては、例えば、紙、合成紙、フィルムなどが使用できる。フィルムとしては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハンなどの単層またはこれらの複合フィルムが使用できる。また該フィルムを紙などにラミネートした複合材料も使用できる。基材層は通常適宜印刷が施されて意匠性が付与される。
シーラント層3としては、容器本体とのシール性およびイージーピール性が要求される。特に両者の物性が良好なものであれば、その材料は、特に限定されないが、一般的にはラッカータイプの接着剤を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。またワックスとエチレン−不飽和エステル共重合体、粘着付与剤などを含有したホットメルト剤なども挙げられる。容器本体とのシール性およびイージーピール性を確認した後、適宜材料を選定すればよい。
付着防止層4は、予め付着防止層を形成するための付着防止液を作成して、該付着防止液を塗布して形成される。付着防止液は、球形粒子および疎水性酸化物微粒子を、バインダーおよびシランカップリング剤からなる溶液中に分散させて形成する。使用する溶媒としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコールなどの有機溶剤を適宜使用することができる。環境面、衛生面、内容物の付着防止性の観点からアルコールを用いるのが望ましい。また付着防止液中に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤などを併用することができる。
付着防止層を塗布する方法としては、塗布機(コーター機)を用いることができる。例えば、ロールコート、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、バーコート、スプレーコートなどの公知の塗布機を用いることができる。付着防止層の厚みとしては、特に限定されない。シール性、付着防止性、イージーピール性を確認して適宜決めればよい。
付着防止層の表面は、バインダーおよびシランカップリング剤を介して、球形粒子が均一に一次粒子体で凹凸になるように配され、また疎水性酸化物微粒子が球形粒子の周りやシーラント層の表面を覆うように配されて形成される。
この積層体を所定の形状、サイズに打抜き、蓋材を形成する。該蓋材の内面を容器本体のフランジに合わせシールして密封容器を形成する。蓋材の内面が容器本体の内容物と接触することになる。
蓋材には、開封するために適度なイージーピール性が要求される。この場合は、シーラント層にイージーピール特性を有する樹脂を用いれば可能である。
また蓋材には、内容物により、遮光性、デッドホールド性などの要求がされる。例えばヨーグルト、プリン、ゼリーなどである。これらの要求に対応するために、基材層とシーラント層の間に、アルミニウム箔などの中間層を設けて対応することができる。
アルミニウム箔としては、遮光性、デッドホールド性を満足するものとして、厚さ5〜50μm程度のアルミニウム箔が好適に使用される。
また酸素、水蒸気などのガスバリア性の向上の要求があれば、アルミニウム箔の他に、アルミニウム蒸着したフィルム、酸化珪素や酸化アルミニウムなどの無機酸化物を蒸着したフィルムを中間層として使用することができる。
それぞれの層間の接着には、一般的なウレタン系接着剤などを用いて貼り合わせることができる。貼り合わせ方法としては、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ウエットラミネーション方法などが可能である。またホットメルト剤、ポリエチレン樹脂を用いて貼り合わせる場合は、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などが可能である。
本発明において、平均粒子径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には、透過型電子顕微鏡などの他の電子顕微鏡を併用しても可能である。具体的には、粒子形状が球形の場合は、その直径、非球形の場合は、その最長径と最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡などによる観察により任意に選んだ20個分の粒子の直径の平均を平均粒径とした。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
模造紙52.3g/mとアルミニウム蒸着されたポリエステルフィルム16μmを、ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法にて基材層を形成した。該基材層の蒸着面にポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤によるプライマー層を塗布した後、該塗布面にポリアクリレートを主成分とするラッカータイプのシーラント層を形成した。シーラント層の厚みは4g/m(DRY)で形成した。
次に、バインダーとしてのテトラエトキシシラン{Si(OC}の加水分解液と、ビニルトリメトキシシランのシランカップリング剤が含まれたアルコール溶液に、平均粒子径5μmのシリカ球形粒子と、平均一次粒子径10nmのトリメチルシリル基を有した疎水性シリカ微粒子を混合させ、固形分が20重量%となるように調整し塗布液を形成した。テトラエトキシシランの加水分解液は、0.1N(PH=1)の塩酸溶液にて加水分解させ作成した。
次に、上記シーラント層の表面に、上記塗布液を用い、グラビアコートにより、2,0g/m(DRY)で塗布し付着防止層を形成し積層体を作成した。該グラビアコートの際の乾燥を80℃、30秒にて行った。次に該積層体を所定の形状に合わせ、打抜き、蓋材を作成した。
平均粒子径10μmのシリカ球形粒子を用いた以外は、実施例1と同様に行い蓋材を作成した。
平均粒子径20μmのシリカ球形粒子を用いた以外は、実施例1と同様に行い蓋材を作成した。
平均一次粒子径10nmのジメチルシリル基を有した疎水性シリカ微粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
平均一次粒子径10nmのジメチルポリシロキサン基を有した疎水性シリカ微粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
平均粒子径10μmの酸化アルミニウム球形粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
平均一次粒子径50nmのトリメチルシリル基を有した疎水性シリカ微粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
平均一次粒子径200nmのトリメチルシリル基を有した疎水性シリカ微粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
以下、本発明の比較例について詳細に説明する。
<比較例1>
平均粒子径0.5μmのシリカ球形粒子を用いた以外は、実施例1と同様に行い蓋材を作成した。
<比較例2>
シランカップリング剤を省いた以外は、実施例1と同様に行い蓋材を作成した。
<比較例3>
シランカップリング剤を省いた以外は、実施例3と同様に行い蓋材を作成した。
<比較例4>
バインダーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
<比較例5>
バインダーとしてポリアクリレート樹脂を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
<比較例6>
シリカ球形粒子を省いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
<比較例7>
平均一次粒子径1000nmのトリメチルシリル基を有した疎水性シリカ微粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行い蓋材を作成した。
実施例1〜8、比較例1〜7の蓋材の付着防止性、球形粒子の密着性およびヒートシール性を評価した。
<付着防止性>
付着防止層の面に、ヨーグルト{森永乳業(株)製、商標:森永アロエヨーグルト}を約0.5cc滴下した。蓋材を0〜90度まで傾け、液滴が転落した後の付着性を評価した。○:付着なし、×:付着あり、目視で評価した。
<球形粒子の密着性>
付着防止層の面に、セロテープ(登録商標)を貼り、剥がしたときの球形粒子の脱落を評価した。
○:セロテープ(登録商標)に球形粒子が視認できない。
×:セロテープ(登録商標)に球形粒子が視認できる。
<シール強度>
・実施例1〜8、比較例1〜7の蓋材を、ポリエチレン製のカップ容器のフランジにヒートシーラーにて、シール温度210℃、圧力0.2MPa、時間3.0秒の条件下でシールした。シール強度を引張り試験機にて測定した。シール幅を2mmとした。評価は付着防止層を形成する前のシール強度と比較して、シール強度の低下を評価した。
○:付着防止層がない場合とほぼ同等、×:シール強度が30%以上低下したもの、とした。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006064461
評価結果から、バインダーの金属アルコキシドあるいはその加水分解物およびシランカップリング剤を使用することで、球形粒子の平均粒子径が5μm以上であればヨーグルトの付着防止性が得られることが判った。またシランカップリング剤を使用することで、球形粒子の密着性が向上することが判った。また球形粒子が存在しない場合は、付着防止性が低下する。またバインダーもエチレン−酢酸ビルル共重合体樹脂、ポリアクリレート樹脂を評価したが、付着防止性、球形粒子の密着性などが低下すること、また疎水性シリカ微粒子の平均一次粒子径が大きくなると付着防止性が低下すること、などが判った。
本発明の蓋材の付着防止層は、各種容器の内面の利用できる。例えば、容器形状としては、包装袋、例えば図5に示すような自立性包装袋、トレ―、カップ、どんぶり、チューブなどに利用できる。容器の材料としては、プラスチック、紙、またプラスチックと紙の複合材料、金属などが利用できる。また内容物は、液体、粘性体、ゲル状、固体、半固体、などのものに利用できる。
1 積層体
2 基材層
3 シーラント層
4 付着防止層
5 球形粒子
6 疎水性酸化物微粒子
7 バインダー{M(OR)n}
8 シランカップリング剤
20 密封容器
30 本発明の蓋材
31 容器本体
32 フランジ
33 ヨーグルト
40 自立性包装袋
50 従来の蓋材

Claims (5)

  1. 少なくとも基材層、シーラント層、付着防止層が順次積層された積層体からなる蓋材であって、
    前記付着防止層が、平均粒子径〜50μmの範囲の球形粒子と、
    平均一次粒子径が10〜500nmの範囲の疎水性酸化物微粒子と、
    M(OR)n(Mは金属元素、Oは酸素、Rは有機基を表す)で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物と、
    シランカップリング剤と、
    からなり、
    内容物と接する内面の表面が凹凸であることを特徴とする蓋材。
  2. 前記球形粒子が、酸化珪素粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタニウム粒子の少なくとも一つ、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の蓋材。
  3. 前記金属アルコキシドあるいはその加水分解物中の金属が、珪素、アルミニウム、チタニウムから選択される一種類以上であることを特徴とする請求項1または2記載の蓋材。
  4. 前記疎水性酸化物微粒子が、ジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、アルキルシリル、メタクリルシリルのいずれかの官能基で疎水化表面処理された、酸化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓋材を用いて密封されたことを特徴とする密封容器。
JP2012196090A 2012-09-06 2012-09-06 蓋材およびそれを用いた密封容器 Active JP6064461B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012196090A JP6064461B2 (ja) 2012-09-06 2012-09-06 蓋材およびそれを用いた密封容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012196090A JP6064461B2 (ja) 2012-09-06 2012-09-06 蓋材およびそれを用いた密封容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014051295A JP2014051295A (ja) 2014-03-20
JP6064461B2 true JP6064461B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=50610167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012196090A Active JP6064461B2 (ja) 2012-09-06 2012-09-06 蓋材およびそれを用いた密封容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6064461B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6511735B2 (ja) * 2014-06-03 2019-05-15 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ダイレクトブロー容器
JP6354491B2 (ja) * 2014-09-24 2018-07-11 凸版印刷株式会社 包装材料および包装容器
US10513099B2 (en) 2015-03-27 2019-12-24 Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. Structured body having hydrophobic surface, and method for producing the same
JP6657871B2 (ja) * 2015-12-02 2020-03-04 凸版印刷株式会社 包装材料及び包装容器
US11203189B2 (en) 2016-06-15 2021-12-21 Bemis Company, Inc. Heat-seal lid with non-heat sealing layer and hydrophobic overcoat

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2730552B2 (ja) * 1988-06-13 1998-03-25 触媒化成工業株式会社 コーティング組成物
JP4938985B2 (ja) * 2004-02-18 2012-05-23 株式会社日本触媒 金属酸化物粒子およびその用途
JP2007030039A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Nobuyoshi Sasaki 耐熱性粒状セル被覆層の形成方法
KR20090089286A (ko) * 2006-12-15 2009-08-21 아사히 가라스 가부시키가이샤 발수성 표면을 갖는 물품
JP4348401B1 (ja) * 2009-02-13 2009-10-21 東洋アルミニウム株式会社 蓋材
TWI488746B (zh) * 2009-02-13 2015-06-21 Toyo Aluminium Kk 層積體及容器
JP5674221B2 (ja) * 2009-09-29 2015-02-25 東洋アルミニウム株式会社 積層体及び包装材料
JP4668352B1 (ja) * 2010-07-07 2011-04-13 昭和電工パッケージング株式会社 内容物付着防止蓋材およびその製造方法
JP6007548B2 (ja) * 2012-03-30 2016-10-12 凸版印刷株式会社 蓋材および該蓋材を用いて密封された密封容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014051295A (ja) 2014-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4348401B1 (ja) 蓋材
JP5793936B2 (ja) 熱シール性フィルム、及びその製造方法
JP6007548B2 (ja) 蓋材および該蓋材を用いて密封された密封容器
JP5890952B2 (ja) 包装材料
JP6044060B2 (ja) 熱シール性包装材料
JP6064461B2 (ja) 蓋材およびそれを用いた密封容器
JP2013208817A (ja) 撥水性積層体
JP6015318B2 (ja) 熱シール性フィルム
JP5880218B2 (ja) 撥水性積層体
JP2013180790A (ja) 包装材料及びその製造方法
JP6167742B2 (ja) 内容物非付着性包材
JP2016002706A (ja) 包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器
JP6123196B2 (ja) 蓋材
JP6213086B2 (ja) 蓋材
JP5647774B2 (ja) 包装材料
JP6064453B2 (ja) 包装材料およびそれを用いた包装容器
JP5994496B2 (ja) 蓋材
JP5962362B2 (ja) 蓋材
JP6932566B2 (ja) 包装材料
JP2014156256A (ja) 蓋材とその製造方法
JP2016128261A (ja) 積層体及び蓋材
JP5499128B2 (ja) 包装材料の製造方法
JP2016064589A (ja) 包装材料と包装容器
JP5990950B2 (ja) 蓋材及び蓋材の製造方法
JP6098743B2 (ja) 包装袋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6064461

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250