JP2015131658A - 蓋材とその製造方法 - Google Patents

蓋材とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015131658A
JP2015131658A JP2014004104A JP2014004104A JP2015131658A JP 2015131658 A JP2015131658 A JP 2015131658A JP 2014004104 A JP2014004104 A JP 2014004104A JP 2014004104 A JP2014004104 A JP 2014004104A JP 2015131658 A JP2015131658 A JP 2015131658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
particles
adhesion preventing
anchor coat
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014004104A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6318631B2 (ja
Inventor
吉永 雅信
Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2014004104A priority Critical patent/JP6318631B2/ja
Publication of JP2015131658A publication Critical patent/JP2015131658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6318631B2 publication Critical patent/JP6318631B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】乳脂肪分や油脂分の多い内容物に対しても、十分な付着防止効果が得られる蓋材を提供すること。【解決手段】基材1、アンカーコート層2、ヒートシール層3、内容物の付着を防止する付着防止層4をこの順に積層して成る蓋材であって、前記アンカーコート層2が粒子2aを含有し、前記付着防止層4が粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有していると共に、アンカーコート層2の前記粒子2aに基づく凹凸を付着防止層表面に形成する。この凹凸と疎水性微粒子とが協働して、高い付着防止性を発揮する。【選択図】図1

Description

本発明は、蓋材とその製造方法に関するものである。特に食品、飲料、医薬品、化粧品、化学品等を包装する蓋材、更に具体的には、ヨーグルト、ゼリー、プリン、シロップなどの容器の蓋材や、お粥、スープなどのレトルト食品や、化学品や医薬品等の液体、半固体、ゲル状物質などの保存容器に用いる蓋材とその製造方法に関するものである。
通常の蓋材は、内容物が付着して取りづらく、内容物の無駄や汚れの原因となることが多かった。また、フッ素材やシリコーンを用いると、撥水性や付着防止効果はあるものの、熱シール性に乏しく、蓋材に使用することが困難であった。
これらの問題を解決するために、基材層及び熱接着層を有する積層体からなり、熱接着層が一方の面の最外層として積層され、他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着し、疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層を形成している蓋材がある(特許文献1)。
しかし、この蓋材は、疎水性を発現させるために、疎水性酸化物微粒子を使用しているが、その付着防止性は不十分であり、特に、乳脂肪分や油脂分の多い内容物に対して、十分な付着防止効果が得られなかった。
特許第4348401号公報
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、乳脂肪分や油脂分の多い内容物に対しても、十分な付着防止効果が得られる蓋材を提供する。また、その製造方法を提供することを課題としている。
すなわち、請求項1に記載の発明は、容器の開口部に熱接着すると共に内容物が付着することを防止する蓋材であって、基材、アンカーコート層、ヒートシール層、内容物の付着を防止する付着防止層をこの順に積層して成る蓋材において、
前記アンカーコート層が粒子を含有し、前記付着防止層が粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有していると共に、アンカーコート層の前記粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されていることを特徴とする蓋材である。
次に、請求項2に記載の発明は、アンカーコート層の前記粒子が、平均粒径10〜100μmの粒子であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材である。
また、請求項3に記載の発明は、付着防止層が、前記疎水性微粒子が分散された変性シリコーン化合物から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋材である。
また、請求項4に記載の発明は、基材上にアンカーコート層を形成する工程と、このアンカーコート層上にヒートシール層を形成する工程と、このヒートシール層上に付着防止層を形成する工程とを有する蓋材の製造方法において、
アンカーコート層を形成する前記工程が粒子を含有するアンカーコート剤を塗布する工程であり、
付着防止層を形成する前記工程が粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有する塗布液を塗布する工程であり、しかも、この工程がアンカーコート層の前記粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されるように前記塗布液を塗布する工程であることを特徴とする蓋材の製造方法である。
後述する実施例から分かるように、本発明の蓋材は、アンカーコート層中の粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されているため、この凹凸と付着防止層の疎水性微粒子とが協働して、高い付着防止効果を発揮する。また、付着防止層を粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子が分散された変性シリコーン化合物で構成したときには、乳脂肪分や油脂分の多い内容物に対しても、十分な付着防止効果を発揮する。また、本発明の蓋材の製造方法によれば、その蓋材が製造できる。
本発明の蓋材の一例の断面説明図 本発明の蓋材の別の例の断面説明図
本発明は、カップ容器などの容器の開口部に剥離可能に熱接着して、その開口部を密封すると共に、内容物が付着することを防止する蓋材であり、蓋材の基材の上に、アンカーコート層を介して、容器の開口部に熱接着するヒートシール層と、付着防止層とを、この順に積層して構成されるものである。図面の図1はその断面を示している。
アンカーコート層2は、その内部に粒子2aを含有しており、この粒子2aに基づく凹凸を表面に有している。そして、ヒートシール層3と付着防止層4とは、いずれも、この凹凸表面に沿って設けられており、このため、アンカーコート層2表面の凹凸は、ヒートシール層3の表面に反映されており、また、付着防止層4の表面にも反映されている。すなわち、アンカーコート層2の粒子2aに基づく凹凸が付着防止層4の表面、言い換えると、蓋材の表面に形成されている。なお、後述する疎水性微粒子4aと区別するため、以下、アンカーコート層2の粒子2aを「大粒子」と呼ぶ。
そして、付着防止層4は、その内部に粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子4aを含有しており、この疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸が付着防止層4の表面に形成されている。このため、付着防止層4の表面には、大粒子2aに基づく凹凸と疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸とが重畳して形成されている。
なお、疎水性微粒子4aは、それ自体、内容物の付着防止機能を有するが、本発明の蓋材においては、付着防止層4の表面に前記両凹凸が重畳して形成されているため、その付着防止性が増大する。
以下、基材1及び各層の材質と層形成の方法について、順次、説明する。
本発明に係る基材1は、任意のシートであってよい。単一のシートから構成されるものであっても良いし、多層構造を有するシートであってもよい。例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン、アルミニウム箔などを使用することができる。また、これらを積層したものであってもよい。
また、基材1は、金属又は金属酸化物の薄膜を設けた蒸着フィルムを、その層構成中に含むものであってもよい。金属としては、ケイ素、アルミニウムなどが例示できる。また、金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化マグネシウム等が例示できる。また、これらの薄膜を形成する蒸着基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン等が使用できる。そして、これら薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスによって、蒸着基材上に設けることが可能である。
なお、図2は、後述する実施例に使用した蓋材の断面を示すもので、この例では、基材1として5層構成の積層体を使用している。すなわち、まず紙12に印刷11を施し、次にポリエチレンテレフタレートフィルム15にアルミニウム蒸着層14を形成し、これら両者を接着剤13で接着した積層体である。
次に、アンカーコート層2は、アンカーコート剤2bに大粒子2aを添加して塗布することによって形成することができる。アンカーコート剤2bとしては、公知のアンカーコート剤が利用でき、例えば、ポリエステル系アンカーコート剤、ウレタン系アンカーコート剤、変性ポリオレフィン樹脂系アンカーコート剤、アクリル系アンカーコート剤、あるいはオキサゾリン基含有樹脂を使用することができる。
前述のように、アンカーコート層2の表面には、大粒子2aに基づく凹凸が形成されている。この凹凸は、付着防止層4の疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸よりも大きいものである。このため、大粒子2aは、その粒子径が疎水性微粒子4aよりも大きいことが必要である。望ましくは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径が10〜100μmの粒子である。
また、この大粒子2aとしては、任意の材質からなるものであってよいが、例えば、シリコーン製粒子、あるいはアルミナやチタニア等の金属酸化物の粒子を好適に使用することができる。また、この大粒子2aとして、合成樹脂から成る粒子を使用することもできる。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂である。
アンカーコート剤2bと大粒子2aとの配合比は、前述のように、得られるアンカーコート層2表面に大粒子2aに基づく凹凸が形成され、しかも、この大粒子2aが確実に固着されて脱落することがないように決定すればよい。望ましくは、その表面の十点平均粗さRzが5μm以上となるように配合比を決定する。
また、このアンカーコート層2の塗布方法としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。
次に、ヒートシール層3の材料としては、容器の材質に応じて、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ホットメルト樹脂などを使用することができる。
例えば、容器のシール面が、ポリエチレンの場合、ヒートシール層3の材料は、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、ポリエチレンとポリブテン−1の混合樹脂、ポリプロピレンのいずれかから選ぶことができる。
また、容器のシール面が、ポリプロピレンの場合、ヒートシール層3の材料は、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、ポリエチレンとポリブテン−1の混合樹脂、ポリエチレンとポリブテン−1とエチレン・ブテン共重合体の混合樹脂、ポリエチレンとポリブテン−1とプロピレン・ブテン共重合体の混合樹脂、ポリプロピレンのいずれかから選ぶことができる。
また、容器のシール面が、ポリスチレンの場合、ヒートシール層3の材料は、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、ポリエチレンとポリブテン−1の混合樹脂、ポリプロピレンのいずれかから選ぶことができる。
ヒートシール層3は、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどの塗布方法を用いて塗布形成することができる。ヒートシール層3は、アンカーコート層2を被覆して、その全面に塗布すればよい。
また、溶融したヒートシール性樹脂を押し出しコーティングすることによってヒートシール層3を形成することも可能である。
付着防止層4は、平均粒径5〜1000nmの疎水性微粒子4aをバインダー4bで固定したもので、その疎水性微粒子4aに基づく微小な凹凸表面によって内容物の付着を防止するものである。このため、付着防止層4は、蓋材の最表面に露出するように配置されている必要がある。また、この蓋材はヒートシール層3によって容器に熱接着するものであるから、このヒートシール層3の上に、他の層を介することなく、直接、付着防止層4が配置されている必要がある。この場合、容器開口部に蓋材を配置し、加熱加圧することにより、付着防止層4がヒートシール層3に埋没して熱接着することができる。
疎水性微粒子4aによって内容物の付着を防止するため、この微粒子4aは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径が1.0μm以下である必要がある。好ましくは、粒子径5nm〜1.0μmの疎水性微粒子である。
このような疎水性微粒子4aとしては、例えば、疎水官能基で表面処理した無機酸化物粒子が好ましく使用できる。コアとなる無機酸化物粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが使用できる。
また、疎水官能基による表面処理としては、例えば、シランカップリング剤による処理やシリル化剤による処理が例示でき、この場合には、コアとなる無機酸化物粒子の表面に疎水性の官能基を付与して、その表面を疎水化することができる。
シランカップリング剤としては、ジメチルシリル系シランカップリング剤(化学式:(CH Si(O−R) )、トリメチルシリルシランカップリング剤(化学式:(CH SiO−R)、ジメチルポリシロキサンシランカップリング剤(化学式:(CH −Si−O−Si(O−R) )、ジメチルシロキサンシランカップリング剤、アミノアルキルシリルシランカップリング剤、アルキルシリルシランカップリング剤、メタクリルシリルシランカップリング剤などが好ましいが、より好ましくはメチル基(化学式:CH )が多いトリメチルシリルシランカップリング剤である。なお、化学式中、「O−R」は加水分解される置換基を示している。
また、シランカップリング剤としてフッ素系シランカップリング剤を使用することもできる。フッ素系シランカップリング剤としては、疎水基としてフルオロアルキル基(CF(CF)n−)を有するシランカップリング剤などを使用することができる。例えば、トリフルオロプロピルトリアルコキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリアルコキシシラン等である。
また、シリル化剤としては、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、トリメチルシリルイミダゾール、ヘキサメチルジシロキサン、N,N−ジメチルトリメチルシリルアミン、クロロトリイソプロピルシリル、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザンなどを例示することができる。
また、疎水性微粒子4aとしてフッ素系樹脂の微粒子を使用することもできる。フッ素系樹脂の微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロアルコキシ樹脂などの微粒子が例示できる。例えば、ドライパウダーとして市販させているポリテトラフルオロエチレンである。
また、この疎水性微粒子4aを固定するバインダー4bとしては、変性シリコーン化合物を使用することが好ましい。バインダー4bとして変性シリコーン化合物を使用することにより、乳脂肪分や油脂分の多い内容物に対しても、十分な付着防止効果を発揮することができる。このほかの樹脂をバインダーとして使用した場合には、乳脂肪分や油脂分の多い内容物に対して、十分な付着防止効果が得られない。変性シリコーン化合物としては、例えば、ポリメチル水素シロキサンや、そのアルケン及びプロピレン化合物が好ましく使用できる。ポリメチル水素シロキサンのアルケン及びプロピレン化合物は、五洋紙工(株)から市販されている。
なお、付着防止層4は、疎水性微粒子4aがバインダー4b中に沈みこんで埋没することがなく、疎水性微粒子4aの一部が表面に露出して、この疎水性微粒子4aに基づく微小な凹凸表面を構成していることが望ましい。例えば、うねりを除去した後の十点平均粗さRzが200nm以上の付着防止層4である。
付着防止層3は、バインダー4b中に疎水性微粒子4aを分散させて塗工液とし、この塗工液を塗布乾燥することによって形成することができる。塗工液の溶剤は任意のものでよい。バインダー3bと疎水性微粒子3aとの混合比は、重量比で100:5〜100:10が好ましい。また、付着防止層4の厚みは1〜30μmが好ましい。塗布方法としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。
(実施例1)
図2の断面図に示す蓋材を製造して、実施例1とした。
まず、坪量約50g/mの紙12に印刷を施して印刷層11を形成した。一方、ポリエチレンテレフタレートフィルム15にアルミニウム蒸着層14を形成して金属蒸着フィルムを製造した。そして、前記印刷紙の紙12と金属蒸着フィルムのアルミニウム蒸着層14を対向させ、接着剤層13を介して両者を接着することにより、5層構造の基材1を作成した。
次に、ポリウレタン系樹脂を主成分とするアンカーコート剤に、粒子径20μmの球形アクリル粒子2aを添加して、粒子入りのアンカーコート剤を製造した。なお、球形アクリル粒子2aの添加量は、前記ポリウレタン系樹脂に対して球形アクリル粒子が30質量%となる量である。
そして、この粒子入りアンカーコート剤を、基材1のポリエチレンテレフタレートフィルム15の面に塗布してアンカーコート層2を形成した。塗布量は、固形分が1.0g/mとなる量である。得られたアンカーコート層2は、わずか1.0g/mの被膜中に粒子径20μmの球形アクリル粒子2aが固定されているため、図2に示すように、球形アクリル粒子2aの存在する領域が突出していて、この結果、アンカーコート層2の表面に球形アクリル粒子2aに基づく凹凸が形成されていた。
次に、このアンカーコート層2を被覆して、その全面にアクリレート樹脂系ヒートシール剤を塗布して、ヒートシール層3を形成した。その塗布量は固形分が3.0g/mとなる量であり、塗布量が少ないため、形成されたヒートシール層3はアンカーコート層2表面の凹凸を反映して、ヒートシール層3の表面には前記球形アクリル粒子2aに基づく凹凸が形成されていた。
次に、付着防止層4用の塗布液のバインダー4bとしてポリメチル水素シロキサンのアルケン及びプロピレン化合物(五洋紙工(株)製)を使用し、疎水性微粒子4aとしてジメチルポリシロキサンシランカップリング剤で表面処理した無機酸化物粒子(粒子径50nm)を使用した。そして、バインダーのトルエン溶液に微粒子を5質量%添加して、塗布液とし、この塗布液をヒートシール層2上に塗布して付着防止層4を設けた。その塗布量は固形分が2.0g/mとなる量であり、塗布量が少ないため付着防止層4の表面には前記球形アクリル粒子2aに基づく凹凸が形成されており、しかも、疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸も形成されていて、この結果、両凹凸が重畳して形成されていた。
(実施例2)
実施例1と同様に5層構造の基材1を作成した。
次に、カルボキシル基を有するポリオレフィン系樹脂(ユニチカ社製アローベース)を主成分とするアンカーコート剤に、粒子径20μmの球形アクリル粒子2aを添加して、粒子入りのアンカーコート剤を製造した。なお、球形アクリル粒子2aの添加量は、前記ポリウレタン系樹脂に対して球形アクリル粒子が30質量%となる量である。
そして、この粒子入りアンカーコート剤を、基材1のポリエチレンテレフタレートフィルム15の面に塗布してアンカーコート層2を形成した。塗布量は、固形分が1.5g/mとなる量である。得られたアンカーコート層2は、わずか1.5g/mの被膜中に粒子径20μmの球形アクリル粒子2aが固定されているため、図2に示すように、球形アクリル粒子2aの存在する領域が突出していて、この結果、アンカーコート層2の表面に球形アクリル粒子2aに基づく凹凸が形成されていた。
次に、このアンカーコート層2を被覆して、その全面にエチレン系エラストマーを主成分とするヒートシール剤を塗布して、ヒートシール層3を形成した。その塗布量は固形分が6.0g/mとなる量であり、形成されたヒートシール層3の表面には前記球形アクリル粒子2aに基づく凹凸が形成されていた。
次に、付着防止層4用の塗布液のバインダー4bとしてポリメチル水素シロキサンのアルケン及びプロピレン化合物(五洋紙工(株)製)を使用し、疎水性微粒子4aとしてポ
リテトラフルオロエチレンの微粒子(粒子径0.5μm)を使用した。そして、バインダーのトルエン溶液に微粒子を10質量%添加して、塗布液とし、この塗布液をヒートシール層2上に塗布して付着防止層4を設けた。その塗布量は固形分が2.0g/mとなる量であり、塗布量が少ないため、付着防止層4の表面には前記球形アクリル粒子2aに基づく凹凸と疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸とが重畳した凹凸が形成されていた。
(比較例1)
アンカーコート剤に粒子2aを添加することなく基材1に塗布してアンカーコート層2を形成した。その他は実施例1と同様である。
(比較例2)
アンカーコート剤に粒子2aを添加することなく基材1に塗布してアンカーコート層2を形成した。その他は実施例2と同様である。
(比較例3)
前記疎水性微粒子3aとしてジメチルシロキサンシランカップリング剤で表面処理した無機酸化物粒子(粒子径5.0μm)を使用した。その他は実施例1と同様である。
(比較例4)
前記疎水性微粒子3aとしてポリテトラフルオロエチレンの微粒子(粒子径5.0μm)を使用した。その他は実施例2と同様である。
(撥ヨーグルト性試験1)
内面にポリエチレン層が設けられた紙カップを用意し、中にヨーグルト(プレーン、乳脂肪分2.0%)を充填して、実施例と比較例の蓋材を、紙カップのフランジ部にシールし、ひっくり返した後、蓋材を剥離、開封して、蓋材の撥ヨーグルト性を評価した。評価は、きれいにはじいていたものを◎とし、ほぼはじいていた蓋材を○とし、ややはじかずに残っていた蓋材を△とし、ほとんどはじかない蓋材を×とし、その結果を表1にまとめた。
(撥ヨーグルト性試験2)
乳脂肪分4.0%のプレーンヨーグルトを用いた以外は、撥ヨーグルト性1の試験と同様にして、撥ヨーグルト性2を評価した。その結果を表1にまとめた。
(シール性試験2)
撥ヨーグルト性の試験で熱板シールした蓋材を剥離、開封したとき、その密着性および剥離、開封を評価した。密着性や剥離、開封に問題がなかったものを○とし、問題があったものを×として評価した。その結果を表1にまとめた。
Figure 2015131658
(考察)
実施例1〜2、比較例1〜4のいずれの蓋材においても、そのシール性には問題がなかった。
また、粒子径50nm〜1.0μmの疎水性微粒子を使用した実施例1〜2,比較例1〜2では、乳脂肪分の少ない内容物(乳脂肪分2.0%)に対して十分な付着防止性を有していたが、粒子径5.0μmの疎水性微粒子を使用した比較例3〜4はこれより劣り、しかも、ヨーグルト中の乳脂肪分が増えるにしたがって、その付着防止性が劣ることが分かった。この結果から、疎水性微粒子の粒子径が小さくなるにつれて、乳脂肪分の高い内容物に対する付着防止性が向上することが推測できる。そして、その粒子径は1.0μm
以下であれば十分である。なお、この結果は、疎水性微粒子がジメチルシロキサンシランカップリング剤で表面処理した無機酸化物粒子の場合(実施例1、比較例1,3)と、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(実施例2、比較例2,4)のいずれの場合でも同じ傾向が見られたことから、疎水性微粒子の材質によらないことが分かる。
次に、アンカーコート剤に粒子2aを添加して、この粒子2aに基づく凹凸と疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸とが重畳した凹凸を、付着防止層4表面に形成した実施例1〜2では、乳脂肪分の低い内容物(乳脂肪分2.0%)についてはもちろん、乳脂肪分の高い内容物(乳脂肪分4.0%)に対しても十分な付着防止性を有していた。これに対し、アンカーコート剤に粒子2aを添加しなかった比較例1〜2では、乳脂肪分の低い内容物(乳脂肪分2.0%)に対しては十分な付着防止性を有していたが、乳脂肪分の高い内容物(乳脂肪分4.0%)に対しては付着防止性が低下していた。この結果から、乳脂肪分の高い内容物(乳脂肪分4.0%)に対する付着防止性を向上させるためには、単に疎水性微粒子の粒子径だけでなく、アンカーコート剤に粒子2aを添加して、この粒子2aに基づく凹凸を付着防止層4表面に形成することが重要であることが確認できた。
1・・・基材
2・・・アンカーコート層
2a・・粒子
2b・・アンカーコート剤
3・・・ヒートシール層
4・・・付着防止層
4a・・微粒子
4b・・変性シリコーン化合物

Claims (4)

  1. 容器の開口部に熱接着すると共に内容物が付着することを防止する蓋材であって、基材、アンカーコート層、ヒートシール層、内容物の付着を防止する付着防止層をこの順に積層して成る蓋材において、
    前記アンカーコート層が粒子を含有し、前記付着防止層が粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有していると共に、アンカーコート層の前記粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されていることを特徴とする蓋材。
  2. アンカーコート層の前記粒子が、平均粒径10〜100μmの粒子であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 付着防止層が、前記疎水性微粒子が分散された変性シリコーン化合物から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋材。
  4. 基材上にアンカーコート層を形成する工程と、このアンカーコート層上にヒートシール層を形成する工程と、このヒートシール層上に付着防止層を形成する工程とを有する蓋材の製造方法において、
    アンカーコート層を形成する前記工程が粒子を含有するアンカーコート剤を塗布する工程であり、
    付着防止層を形成する前記工程が粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有する塗布液を塗布する工程であり、しかも、この工程がアンカーコート層の前記粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されるように前記塗布液を塗布する工程であることを特徴とする蓋材の製造方法。
JP2014004104A 2014-01-14 2014-01-14 蓋材とその製造方法 Active JP6318631B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014004104A JP6318631B2 (ja) 2014-01-14 2014-01-14 蓋材とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014004104A JP6318631B2 (ja) 2014-01-14 2014-01-14 蓋材とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015131658A true JP2015131658A (ja) 2015-07-23
JP6318631B2 JP6318631B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=53899248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014004104A Active JP6318631B2 (ja) 2014-01-14 2014-01-14 蓋材とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6318631B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017171338A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 凸版印刷株式会社 蓋材
JP2017202142A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 凸版印刷株式会社 滅菌紙
JP2018027783A (ja) * 2016-08-15 2018-02-22 凸版印刷株式会社 蓋材及び蓋材の製造方法
JP2019014493A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 凸版印刷株式会社 蓋材
JP2019151740A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 凸版印刷株式会社 撥液性構造体及び撥液性構造体の製造方法
JP2020050346A (ja) * 2018-09-21 2020-04-02 大日本印刷株式会社 包装材及び包装袋
US11203189B2 (en) 2016-06-15 2021-12-21 Bemis Company, Inc. Heat-seal lid with non-heat sealing layer and hydrophobic overcoat
JP2022501273A (ja) * 2018-08-03 2022-01-06 クライオバック・エル・エル・シー 包装用超疎水性熱可塑性フィルム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011093315A (ja) * 2009-09-29 2011-05-12 Toyo Aluminium Kk 積層体及び包装材料
JP2013023224A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Toppan Printing Co Ltd 撥水性包装材
JP2013075715A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Toyo Aluminium Kk 包装材料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011093315A (ja) * 2009-09-29 2011-05-12 Toyo Aluminium Kk 積層体及び包装材料
JP2013023224A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Toppan Printing Co Ltd 撥水性包装材
JP2013075715A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Toyo Aluminium Kk 包装材料

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017171338A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 凸版印刷株式会社 蓋材
JP2017202142A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 凸版印刷株式会社 滅菌紙
US11203189B2 (en) 2016-06-15 2021-12-21 Bemis Company, Inc. Heat-seal lid with non-heat sealing layer and hydrophobic overcoat
JP2018027783A (ja) * 2016-08-15 2018-02-22 凸版印刷株式会社 蓋材及び蓋材の製造方法
JP2019014493A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 凸版印刷株式会社 蓋材
JP2019151740A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 凸版印刷株式会社 撥液性構造体及び撥液性構造体の製造方法
JP2022501273A (ja) * 2018-08-03 2022-01-06 クライオバック・エル・エル・シー 包装用超疎水性熱可塑性フィルム
JP7253036B2 (ja) 2018-08-03 2023-04-05 クライオバック・エル・エル・シー 包装用超疎水性熱可塑性フィルム
JP2020050346A (ja) * 2018-09-21 2020-04-02 大日本印刷株式会社 包装材及び包装袋
JP7205132B2 (ja) 2018-09-21 2023-01-17 大日本印刷株式会社 包装材及び包装袋

Also Published As

Publication number Publication date
JP6318631B2 (ja) 2018-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6318631B2 (ja) 蓋材とその製造方法
JP5994338B2 (ja) 熱シール性フィルム及び熱シール性フィルムの製造方法
JP5915012B2 (ja) 撥水性包装材
JP5880218B2 (ja) 撥水性積層体
JP5924078B2 (ja) 撥水性積層体
JP2016002706A (ja) 包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器
JP2013071779A (ja) 蓋材
JP2013071336A (ja) 熱シール性包装材料
WO2016190262A1 (ja) 包装材料及び包装容器
JP6485993B2 (ja) 蓋材とその製造方法
JPWO2018003978A1 (ja) 包装シート及び包装体
JP6213086B2 (ja) 蓋材
JP2015131659A (ja) 蓋材とその製造方法
JP6657871B2 (ja) 包装材料及び包装容器
JP2014156257A (ja) 蓋材とその製造方法
JP6269255B2 (ja) 包装材料および包装容器
JP6790399B2 (ja) 蓋材
JP6194590B2 (ja) 蓋材とその製造方法
JP6065996B2 (ja) 積層体及び蓋材
JP6354491B2 (ja) 包装材料および包装容器
JP2016064589A (ja) 包装材料と包装容器
JP6268885B2 (ja) 積層体
JP5879787B2 (ja) 撥水性包装材
JP2017218232A (ja) 蓋材とその製造方法
JP2018115008A (ja) 包装材料及び包装容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6318631

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250