JPH0945478A - 高分子蛍光体とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
高分子蛍光体とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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- JPH0945478A JPH0945478A JP8014118A JP1411896A JPH0945478A JP H0945478 A JPH0945478 A JP H0945478A JP 8014118 A JP8014118 A JP 8014118A JP 1411896 A JP1411896 A JP 1411896A JP H0945478 A JPH0945478 A JP H0945478A
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Abstract
定性も優れた高分子蛍光体とその製造方法、および該高
分子蛍光体を用いて塗布法により容易に作成できる高発
光効率、長寿命の有機EL素子を提供する。 【解決手段】〔I〕固体状態で蛍光を有し、下記式
(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含み、かつ
それらの繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の50モ
ル%以上であり、ポリスチレン換算の数平均分子量が1
03 〜107 である高分子蛍光体において、該高分子蛍
光体の末端構造が下記式(2)で示されるものである、
具体的には、例えば下記式(3)で示される高分子蛍光
体。 −Ar1 −CR1 =CR2 − (1) −CR3 =CR4 −Ar2 (2) および、これらの高分子蛍光体を含む有機エレクトロル
ミネッセンス素子。
Description
の製造方法および該高分子蛍光体を用いて作成された有
機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子
ということがある。)に関する。詳しくは、強い蛍光を
有する溶媒可溶性の高分子蛍光体とその製造方法および
それを用いて作成される高発光効率、長寿命の有機EL
素子に関する。
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが、発光させるのに高電圧の交流が必要で
あった。このような無機EL素子の改良の観点から、有
機蛍光色素を発光層とし、有機電荷輸送化合物とを積層
した二層構造を有する素子(特開昭59−194393
号公報)や、高分子を発光材料とした素子(WO901
3148号公開明細書、特開平3−244630号公
報)が報告されている。これら有機材料を用いたエレク
トロルミネッセンス素子は、無機EL素子に比べ、低電
圧直流駆動、高輝度に加えて多色の発光が容易に得られ
るという特長がある。
して、WO9013148号公開明細書には、可溶性前
駆体を電極上に成膜し、熱処理を行なうことにより共役
系高分子に変換されたポリ−p−フェニレンビニレン薄
膜や、特開平3−244630号公報には、それ自身が
溶媒に可溶であり、熱処理が不要であるという特長を有
するポリ−2,5−ジアルコキシ−p−フェニレンビニ
レン等の共役系高分子が例示されている。末端を置換し
たポリマーとしては、末端にニトロ基を有するポリ−p
−フェニレンビニレンが報告されている(特開平04−
103621号公報)。しかし、このポリマーの発光特
性やEL特性については検討されていない。
共役系を分子内に含有する高分子蛍光体やビニレン基に
シアノ基を導入したポリ−p−フェニレンビニレン誘導
体が報告されている〔ネイチャー(Nature)第3
65巻、628頁(1993年)〕。共役系と非共役系
を分子内に有する高分子蛍光体としては2,5−ジメト
キシ−p−フェニレンエチレン構造とp−フェニレンビ
ニレンのランダム共重合体〔ネイチャー(Natur
e)第356巻、47頁(1992年)〕やフェニレン
ビニレン構造と脂肪族炭化水素をエーテル結合で連結し
た高分子〔マクロモレキュールズ(Macromole
cules)第26巻、1188頁(1993年)〕が
ある。
で報告された有機EL素子に使用された高分子蛍光体
は、炭素−炭素二重結合を生成する反応を利用して、二
官能性のモノマーを重縮合し、ポリアリーレンビニレン
誘導体を得ている。これまでは発光特性について高分子
蛍光体の繰り返し構造を変更し改良する試みが主であ
り、素子の寿命について高分子発光材料の構造を変更し
改良する試みは報告されていない。これらの高分子蛍光
体の重合機構を調べてみると、重縮合で得られる高分子
の重合末端には重合活性基が残存している場合もあり、
有機EL素子中で通電や発光に伴い重合活性基が作用し
て、その発光特性が変化する懸念がある。また、高分子
蛍光体について重合末端を安定な構造へ変換したものは
知られていなかった。さらに、分子末端に重合活性基が
残存する影響についても明らかではなかった。このよう
に、蛍光の量子収率や有機EL素子の発光効率が高く、
しかも安定な材料が求められている。
の量子収率が高く、安定性も優れた高分子蛍光体とその
製造方法、および高分子蛍光体を用いて塗布法により容
易に作成できる高発光効率、長寿命の有機EL素子を提
供することにある。
な事情をみて、高分子蛍光体を発光層として用いた有機
EL素子の発光効率および素子寿命を向上させるために
鋭意検討した結果、主鎖として共役結合を有し、分子末
端にアリール基や複素環化合物基を有する高分子蛍光体
が高い蛍光の量子収率を示すこと、および該高分子蛍光
体を用いることにより塗布法で容易に有機EL素子が作
成でき、しかもこの有機EL素子は高発光効率、長寿命
を示すことを見出し、本発明に至った。
繰り返し単位を1種類以上含み、かつそれらの繰り返し
単位の合計が全繰り返し単位の50モル%以上であり、
ポリスチレン換算の数平均分子量が103 〜107 であ
る高分子蛍光体において、該高分子蛍光体の末端構造が
下記式(2)で示されるものであることを特徴とする高
分子蛍光体。
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
素数4〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる
群から選ばれる基を示す。〕
4個以上50個以下からなるアリール基または複素環化
合物基、R3 、R4 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数4〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる群
から選ばれる基を示す。〕
種類以上を重合後、得られた高分子と下記式(4)の化
合物を反応させることを特徴とする〔1〕記載の高分子
蛍光体の製造方法。
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、G1 、G2 はそれぞれ独立に炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4
〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる群から
選ばれる基を有し、重合の際に炭素−炭素二重結合を生
成する基を示す。〕
4個以上50個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、G3 は水素、炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の複素環
化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を有
し、G3 は式(3)のG1 および/またはG2 と反応
し、炭素−炭素二重結合を生成する基を示す。〕
である一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なく
とも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子
において、該発光層が〔1〕記載の高分子蛍光体を含む
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
する。本発明の式(1)で示す高分子蛍光体は炭素−炭
素二重結合を形成する反応で重縮合により得られるが、
式(1)のAr1 としては、共役結合に関与する炭素原
子数が4個以上20個以下からなる二価のアリーレン基
または複素環化合物基である。ここでAr1 は、炭素と
水素のみからなる六員環、炭素、水素および窒素からな
る六員環、酸素、窒素または硫黄のうち1種類以上と炭
素、水素からなる五員環からなる群から選ばれた環構造
のうち少なくとも1つ、または該環構造を含む縮合環を
含むことが好ましい。ここで、縮合環とは、2つまたは
それ以上の環がそれぞれ2個またはそれ以上の原子を共
有した形で一体となっているものを意味する。
化合物基もしくはその誘導体基またはそれらを組み合わ
せて得られる基が例示される。
素、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキ
シ基およびアルキルチオ基;炭素数6〜18のアリール
基およびアリールオキシ基;ならびに炭素数4〜14の
複素環化合物基からなる群から選ばれた基である。〕
4,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基、
9,10−アントリレン基、2,5−ピリジンジイル
基、2,5−チエニレン基、およびそれらの核置換誘導
体、1,3−フェニレン基、1,3−ナフチレン基、
2,6−ピリジンジイル基、2,4−キノリンジイル
基、およびそれらの誘導体が好ましい。さらに好ましく
は1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、
2,5−ピリジンジイル基、2,5−チエニレン基、
1,3−フェニレン基、2,6−ピリジンジイル基、
2,4−キノリンジイル基、およびそれらの誘導体であ
る。これらのうちから一種類または二種類以上を選ぶこ
とができる。また、式(1)の繰り返し単位中のビニレ
ン基に結合したR1 、R2 は、それぞれ独立に水素、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数4〜20の複素環化合物基ならびにシアノ基
からなる群から選ばれる基である。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、メチル基、
エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基、
4−C1 〜C14アルコキシフェニル基(C 1 〜C14は炭
素数1〜14であることを示す。以下も、同様であ
る。)、4−C 1 〜C14アルキルフェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基などが例示される。複素環化合
物基としては2−ピリジル基、2−キノリル基などが例
示される。
(2)で示されるものである。本発明の目的を損なわな
い範囲で、本発明の高分子蛍光体として式(2)以外の
末端構造を有する高分子を含んでいてもよい。本発明の
高分子螢光体の式(2)で示される末端基のAr2 とし
ては、共役結合に関与する炭素原子数が4〜50のアリ
ール基または複素環化合物基である。ここでAr2 は、
炭素と水素のみからなる六員環、炭素、水素および窒素
からなる六員環、酸素、窒素または硫黄のうち1種類以
上と炭素、水素からなる五員環からなる群から選ばれた
環構造のうち少なくとも1つ、あるいは該環構造を含む
縮合環を含むことが好ましい。ここで、縮合環とは、2
つまたはそれ以上の環がそれぞれ2個またはそれ以上の
原子を共有した形で一体となっているものを意味する。
具体的には、下記化10に示す1価の芳香族化合物基ま
たはその誘導体基が例示される。
炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基およびアル
キルチオ基;炭素数6〜18のアリール基およびアリー
ルオキシ基;ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基
からなる群から選ばれた基である。) これらのなかでフェニル基、1−ナフチル基、9−アン
トリル基、2−ピリジル基、2−チエニル基、オキサジ
アゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、4−(N,N−ジ
フェニルアミノ)フェニル基、1−ピレニル基、2−ピ
レニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、2−
キノリル基、4−(9−カルバゾリル)フェニル基、9
−フェニル−3−カルバゾリル基およびそれらの誘導体
が好ましい。さらに好ましくは、1−ナフチル基、9−
アントリル基、オキサジアゾリル基、4−(N,N−ジ
フェニルアミノ)フェニル基、1−ピレニル基、2−ピ
レニル基、2−フルオレニル基、2−キノリル基、4−
(9−カルバゾリル)フェニル基、9−フェニル−3−
カルバゾリル基およびそれらの誘導体であり、特に好ま
しくは1−ナフチル基、9−アントリル基、1−ピレニ
ル基、2−フルオレニル基およびそれらの誘導体であ
る。
結合するR3 、R4 は、それぞれ独立に水素、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
素数4〜20の複素環化合物基ならびにシアノ基からな
る群から選ばれる基である。具体的には、炭素数1〜2
0のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げら
れ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基が好ましい。アリール基として
は、フェニル基、4−C1 〜C14アルコキシフェニル
基、4−C1 〜C14アルキルフェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基などが例示される。複素環化合物基
としては2−ピリジル基、2−キノリル基などが例示さ
れる。
を有し、式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上
含み、かつそれらの繰り返し単位の合計が全繰り返し単
位の50モル%以上である。繰り返し単位の構造にもよ
るが、式(1)で示される繰り返し単位の合計が全繰り
返し単位の70%以上であることがより好ましい。
がポリスチレン換算で103 〜10 7 であれば特に限定
されず、繰り返し構造やその割合によっても変わる。成
膜性の点から一般には式(1)で示される繰り返し単位
の合計数で好ましくは4〜10000、さらに好ましく
は5〜3000、特に好ましくは8〜2000である。
分子量はクロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリス
チレン換算の数平均分子量である。
ム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよい
し、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロ
ック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光
の量子収率の高い共重合体を得る観点からは完全なラン
ダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体
やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に
枝分かれがあり、末端が三つ以上ある場合も式(2)の
末端基を含むことが望ましい。
て成膜することができるが、より溶解性に優れ、成膜性
のよい重合体を得るためには、1つの共役部分当たりに
少なくとも1つ、炭素数4〜20のアルキル基、アルコ
キシ基もしくはアルキルチオ基;炭素数6〜20のアリ
ール基もしくはアリールオキシ基;または炭素数4〜2
0の複素環化合物基を置換基として1個以上核置換され
たアリール基または複素環化合物基が含まれることがよ
り好ましい。
される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。炭素数4〜20のアルキルチオ基としては、ブ
チルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチ
ルチオ基、オクチルチオ基、デシルオキシ基、ドデシル
チオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ
基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好ましい。炭素
数6〜20のアリール基としては、フェニル基、4−C
1 〜C14アルコキシフェニル基(C1 〜C14は炭素数が
1〜14のいずれかの数であることを示す。)、4−C
1 〜C14アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナ
フチル基などが例示される。炭素数6〜20のアリール
オキシ基としては、フェノキシ基が例示される。複素環
化合物基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2
−フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例
示される。
り返し単位の構成によっても異なるが、溶解性の高い共
重合体を得る観点から、これらの置換基が分子量600
当たり1つ以上であることがより好ましい。該高分子蛍
光体に対する良溶媒としては、含ハロゲン炭化水素、芳
香族炭化水素、環状エーテル系化合物等であり、具体的
にはクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テ
トラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示され
る。高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこ
れらの溶媒に0.1wt%以上溶解させることができ
る。
媒可溶性の高分子蛍光体を用いることにより、溶液から
成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去
するだけでよく、また後述する電荷輸送材料を混合した
場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有
利である。
炭素−炭素二重結合形成反応により、式(1)で示す繰
り返し単位を含む高分子を合成し、ついで、式(2)の
末端基を形成する。本発明で用いる炭素−炭素二重結合
を形成する反応にはWittig反応、脱ハロゲン化水
素法、スルホニウム塩分解法、Knoevenagel
反応などが例示される。このとき、式(3)の2つの重
合活性基を有する化合物を一種類以上用いて重合する。
本発明に用いる式(3)のG1 とG2 は用いる炭素−炭
素二重結合を形成する反応によって適宜選択する。
がアルデヒド基である化合物と、G 1 とG2 がホスホニ
ウム塩である化合物を反応させる。すなわち、たとえば
式(7)で示すジアルデヒド化合物と式(8)で示すジ
ホスホニウム塩化合物を反応させる。Ar3 とAr4 は
同一の基でも異なる基でもよい。これらが異なる場合に
は交互共重合体が得られる。さらに、二種類以上のジア
ルデヒド化合物および/または二種類以上のジホスホニ
ウム塩化合物を用いればそれらすべての共重合体が得ら
れる。
1 で示される基から選ばれる。X1 - は対イオンでハロ
ゲン化物イオンなどが例示される。〕
ゲン化メチル基が結合した芳香族化合物を重縮合する。
基、X2 はハロゲン原子、R298 、R299 はそれぞれ独
立に水素、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数6〜18のアリール基、および炭素数4〜14の複
素環化合物基からなる群から選ばれた基である。〕
ルホニウム塩が結合した芳香族化合物を重縮合する。
基、X3 はハロゲン原子、R302 、R303 はそれぞれ独
立に水素、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、ア
ルコキシ基およびアルキルチオ基;炭素数6〜18のア
リール基およびアリールオキシ基;ならびに炭素数4〜
14の複素環化合物基からなる群から選ばれた基、R
300 とR301 、R304 とR305 はそれぞれ独立に炭素数
1から10までのアルキル基またはR300 とR301 、R
304 とR305 がそれぞれ独立に環構造をとっている炭素
数4以上のシクロアルキル基である。〕
ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(J.
Org.Chem.)第25巻、813頁(1959
年)、マクロモレキュラー・ケミー(Makromo
l.Chem.)第74巻71頁(1964)等に記載
されている方法と同様な方法を用いて共重合体を得るこ
とができる。すなわち、式(11)に示すジアルデヒド
化合物と式(12)で示す化合物とを重縮合する。
1で示される基と同義の基、R306 とR307 はそれぞれ
独立に、水素、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル
基、アルコキシ基およびアルキルチオ基;炭素数6〜1
8のアリール基およびアリールオキシ基;ならびに炭素
数4〜14の複素環化合物基からなる群から選ばれた基
である。〕 具体的には、相当するジアセトニトリル化合物、例え
ば、m−フェニレンジアセトニトリルと、相当するジア
ルデヒド化合物、例えば、2,5−ジオクチルオキシテ
レフタルアルデヒドを、エチルアルコール/クロロホル
ム混合溶媒中で、ナトリウムメトキシドを用いて重合さ
せる例などが挙げられる。二種類以上のジアセトニトリ
ルおよび/または二種類以上のジアルデヒド化合物を反
応させれば、それらすべての共重合体が得られる。さら
に、Wittig反応とKnoevenagel反応
は、どちらもリチウムエトキシド等を用いて行なうこと
ができるので、ジアルデヒド化合物、ジホスホニウム塩
化合物およびジアセトニトリル化合物を相当量ずつ混合
して反応させれば、これらすべての共重合体が得られ
る。
で示す1官能化合物と反応させる。式(4)で示すG3
基は用いる反応、あるいは官能基の異なる2種類のモノ
マーを重縮合した場合には反応に用いたモノマーの多少
により適宜選択する。すなわち、Wittig反応では
末端がホスホニウム塩またはアルデヒドであるので、式
(4)のG3 で示される基としてはそれぞれに対してア
ルデヒド基またはホスホニウム塩が選ばれる。脱ハロゲ
ン化水素法ではハロゲン化メチル基、スルホニウム塩分
解法ではスルホニウム塩基、また、Knoevenag
el反応ではアルデヒド基または活性メチレン基、例え
ばアセトニトリル基であるので、それぞれの重合末端と
反応するG3 基を選び、式(4)の化合物を反応させ
る。これらのうち、Wittig反応やKnoeven
agel反応による方法が、反応の制御や収率の点で好
ましい。
つの例であるアリーレンビニレン系共重合体の合成法を
説明する。Wittig反応によりアリーレンビニレン
系共重合体を得る場合として、具体的にはまず、ビス
(ハロゲン化メチル)化合物、例えば、2,5−ジオク
チルオキシ−p−キシリレンジクロリドをN,N−ジメ
チルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反
応させてホスホニウム塩を合成し、これと式(1)の構
造を含むジアルデヒド化合物、例えば、テレフタルアル
デヒドとを、エチルアルコール中、リチウムエトキシド
を用いて縮合させるWittig反応により、アリーレ
ンビニレン系共重合体が得られる例が挙げられる。二種
類以上のジホスホニウム塩および/または二種類以上の
ジアルデヒド化合物を反応させればそれらすべての共重
合体が得られる。さらに、式(2)の構造を含むハロゲ
ン化メチル化合物、例えば、9−クロロメチルナフタレ
ンをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニ
ルホスフィンと反応させてホスホニウム塩を合成し、こ
れと、先に得られたアルデヒド末端をもつアリーレンビ
ニレン系共重合体とを、先ほどと同様に、例えばエチル
アルコール中、リチウムエトキシドを用いて縮合させる
Wittig反応により、末端を置換された共重合体が
得られる例が挙げられる。また、これらの重合体を有機
EL素子の発光材料として用いる場合、その純度が発光
特性に影響を与えるため、合成後、再沈精製、クロマト
グラフィーによる分別等の純化処理をすることが望まし
い。
有機EL素子の構造については、少なくとも一方が透明
または半透明である一対の電極間に設ける発光層中に、
本発明の高分子蛍光体からなる発光材料が用いられてお
れば、特に制限はなく、公知の構造が採用される。例え
ば、該高分子蛍光体からなる発光層、もしくは該高分子
蛍光体と電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材料の
総称を意味する)との混合物からなる発光層の両面に一
対の電極を有する構造のもの、さらに陰極と発光層の間
に電子輸送材料を含有する電子輸送層および/または陽
極と発光層の間に正孔輸送材料を含む正孔輸送層を積層
したものが例示される。また、発光層や電荷輸送層は1
層の場合と複数の層を組み合わせる場合も本発明に含ま
れる。さらに、発光層に例えば下記に述べる該高分子蛍
光体以外の発光材料を混合使用してもよい。また、該高
分子蛍光体および/または電荷輸送材料を高分子化合物
に分散させた層とすることもできる。
電荷輸送材料、すなわち、電子輸送材料または正孔輸送
材料としては公知のものが使用でき、特に限定されない
が、正孔輸送材料としてはピラゾリン誘導体、アリール
アミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミ
ン誘導体等が、電子輸送材料としてはオキサジアゾール
誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベン
ゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘
導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノ
アンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン
誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導
体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンお
よびその誘導体の金属錯体等が例示される。
同63−175860号公報、特開平2−135359
号、同2−135361号、同2−209988号、同
3−37992号、同3−152184号公報に記載さ
れているもの等が例示される。正孔輸送材料としてはト
リフェニルジアミン誘導体、電子輸送材料としてはオキ
サジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、
アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキシキノ
リンおよびその誘導体の金属錯体が好ましく、特に、正
孔輸送材料としては4,4’−ビス(N−(3−メチル
フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、電子輸
送材料としては2−(4−ビフェニリル)−5−(4−
t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノ
リノール)アルミニウムが好ましい。 これらのうち、
電子輸送性の化合物と正孔輸送性の化合物のいずれか一
方、または両方を同時に使用すればよい。これらは単独
で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよ
い。
層および電子輸送層の総称を意味する。)を設ける場
合、これらの電荷輸送材料を使用して電荷輸送層を形成
すればよい。また、電荷輸送材料を発光層に混合して使
用する場合、電荷輸送材料の使用量は使用する化合物の
種類等によっても異なるので、十分な成膜性と発光特性
を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決めればよ
い。通常、発光材料に対して1〜40重量%であり、よ
り好ましくは2〜30重量%である。
知の発光材料としては特に限定されないが、例えば、ナ
フタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリ
レンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、
クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシ
キノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、
テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、
テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体などを用い
ることができる。具体的には、例えば特開昭57−51
781号、同59−194393号公報に記載されてい
るもの等、公知のものが使用可能である。発光材料の使
用量は使用する化合物の種類によっても異なるので、十
分な成膜性と発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考
慮して適宜決めればよい。通常、高分子蛍光体に対し
て、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.
1〜3重量%である。
EL素子の代表的な作製方法について述べる。陽極およ
び陰極からなる一対の電極で、透明または半透明な電極
としては、ガラス、透明プラスチック等の透明基板の上
に、透明または半透明の電極を形成したものが用いられ
る。陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透
明の金属薄膜等が用いられる。具体的にはインジウム・
スズ・オキサイド(ITO)、酸化スズ等からなる導電
性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)、A
u、Pt、Ag、Cu等が用いられる。作製方法として
は真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などが用い
られる。
重合体、または該重合体と電荷輸送材料を含む発光層を
形成する。形成方法としてはこれら材料の溶融液、溶液
または混合液を使用してスピンコーティング法、キャス
ティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコ
ート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート
法、スプレーコート法、ダイコート法、スクリーン印刷
法等の塗布法が例示されるが、溶液または混合液をスピ
ンコーティング法、キャスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、スプレーコート法、ダ
イコート法、スクリーン印刷法等の塗布法により成膜す
るのが特に好ましい。
〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500nmであ
る。電流密度を上げて発光効率を上げるためには5〜2
00nmの範囲が好ましい。なお、塗布法により薄膜化し
た場合には、好ましくは溶媒を除去するため、減圧下あ
るいは不活性雰囲気下、30〜300℃、さらに好まし
くは60〜200℃の温度で加熱乾燥することが望まし
い。
場合には、上記の成膜方法で発光層を設ける前に陽極の
上に正孔輸送層を形成する、および/または発光層を設
けた後にその上に電子輸送層を形成することが好まし
い。
されないが、粉末状態からの真空蒸着法、または溶液に
溶かした後のスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法、
グラビアコート法、マイクログラビアコート法、スプレ
ーコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法等の塗布
法、または高分子化合物と電荷輸送材料とを溶液状態ま
たは溶融状態で混合し分散させた後のスピンコーティン
グ法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート
法、ロールコート法、グラビアコート法、マイクログラ
ビアコート法、スプレーコート法、ダイコート法、スク
リーン印刷法等の塗布法を用いることができる。混合す
る高分子化合物としては、特に限定されないが、電荷輸
送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に
対する吸収が強くないものが好適に用いられる。電荷輸
送性の高分子化合物であれば、低分子電荷輸送材料と混
合しなくても電荷輸送層に用いることができる。
ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導
体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェ
ニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チ
エニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネー
ト、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどが例
示される。成膜が容易に行なえるという点では、塗布法
を用いることが好ましい。
ルが発生しないような厚みが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電荷輸送層の膜厚は好ましく
は1nm〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500n
m、特に好ましくは5nm〜200nmである。
極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。その材料
としては、特に限定されないが、イオン化エネルギーの
小さい材料が好ましい。例えば、Al、In、Mg、C
a、Li、Mg−Ag合金、In−Ag合金、Mg−I
n合金、Mg−Al合金、Mg−Li合金、Al−Li
合金、グラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方
法としては真空蒸着法、スパッタリング法等が用いられ
る。
して優れているのは、融点や分解温度が比較的高いので
熱的に安定で、また末端重合活性基を不活性基で置換し
ているために化学的にも安定となり、蛍光の量子収率が
高くなるものと考えられる。また塗布法により容易に均
一性に優れた発光層を形成できることから、非常に容易
に高発光効率で長寿命の有機EL素子を作製することが
できる。
らに限定されるものではない。ここで、数平均分子量に
ついては、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレ
ン換算の数平均分子量を求めた。 参考例1 <高分子蛍光体Aの合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジクロリドをN,N−ジメチルホルムア
ミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホス
ホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩9.5
6重量部、テレフタルアルデヒド1.74重量部を、ク
ロロホルムに溶解させた。1.56重量部のリチウムエ
トキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホニウム塩
とジアルデヒドのクロロホルム溶液に滴下し、室温で3
時間重合させた。一夜室温で放置した後、イオン交換
水、エチルアルコールを加えてから濃縮し、クロロホル
ムに溶解させ、これにエチルアルコールを加え再沈精製
した。これを減圧乾燥して、重合体3.02重量部を得
た。得られた高分子を高分子蛍光体Aと呼ぶ。高分子蛍
光体Aの 1H−NMRスペクトルを測定したところ、ア
ルデヒド基に由来するシグナルが9.94ppmに見ら
れた。アルデヒドプロトンの積分値と酸素原子に結合し
たメチレンプロトンの積分値との比較から、数平均重合
度nは5.3個であった。
構造を下記に示す。
は、2.20×103 であった。ポリスチレン換算の数
平均分子量から求めた数平均重合度nは4.5であっ
た。該高分子蛍光体Aの構造については 1H−NMRで
確認した。
をN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニル
ホスフィンと反応させてホスホニウム塩を合成した。得
られたホスホニウム塩2.24重量部、参考例1で得た
高分子蛍光体Aの2.00重量部を、トルエンとエタノ
ールに溶解させた。0.80重量部のリチウムエトキシ
ドを含むエチルアルコール溶液をホスホニウム塩と高分
子発光体Aの溶液に滴下し、室温で3時間重合させた。
一夜室温で放置した後、イオン交換水、エチルアルコー
ルを加えてから濃縮し、トルエンに溶解させ、これにエ
チルアルコールを加え再沈精製した。これを減圧乾燥し
て、重合体1.11重量部を得た。これを高分子蛍光体
1と呼ぶ。高分子蛍光体1の繰り返し単位とその末端構
造を下記に示す。
は、2.56×103 であった。ポリスチレン換算の数
平均分子量から求めた数平均重合度nは4.7であっ
た。該高分子蛍光体1の構造については 1H−NMRで
確認した。
と蛍光の量子収率の評価>高分子蛍光体1重合体は、ク
ロロホルムに容易に溶解させることができた。その0.
2%クロロホルム溶液を石英板上にスピンコートして重
合体の薄膜を作成した。この薄膜の紫外可視吸収スペク
トルと蛍光スペクトルをそれぞれ島津製作所製自記分光
光度計UV365および日立製作所製蛍光分光光度計8
50を用いて測定した。蛍光の量子収率の算出には41
0nmで励起した時の蛍光スペクトルを用いた。蛍光強
度は、横軸に波数をとってプロットした蛍光スペクトル
の面積を、410nmでの吸光度で割ることにより相対
値として求めた。この高分子蛍光体1の蛍光強度は、表
1に示すとおり、強かった。
の代わりに4−メトキシベンジルクロライドより得られ
たホスホニウム塩2.14重量部と高分子蛍光体Aをト
ルエンのみに溶解させた以外は実施例1と同じ方法で合
成、洗浄、再沈を行ない、重合体0.84重量部を得
た。これを高分子蛍光体2という。モノマーの仕込み比
から計算される高分子蛍光体2の繰り返し単位とその末
端構造を下記に示す。
は、2.51×103 であった。ポリスチレン換算の数
平均分子量から求めた数平均重合度nは4.7であっ
た。該高分子蛍光体2の構造については 1H−NMRで
確認した。
子収率の評価>実施例1と同じ方法で高分子蛍光体2の
蛍光強度を求めた。高分子蛍光体2の蛍光強度は、表1
に示すとおり、強かった。
>参考例1で得られた高分子蛍光体Aの蛍光強度を実施
例1と同じ方法で求めた。高分子蛍光体Aの蛍光強度
は、表1に示すとおり、実施例1、2の高分子蛍光体
1、2よりも弱かった。
ウム塩9.56重量部、テレフタルアルデヒド1.34
重量部を、クロロホルムに溶解させた。1.56重量部
のリチウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホ
スホニウム塩とジアルデヒドのクロロホルム溶液に滴下
し、室温で3時間重合させた。一夜室温で放置した後、
イオン交換水、エチルアルコールを加えてから濃縮し、
クロロホルムに溶解させ、これにエチルアルコールを加
え再沈精製した。これを減圧乾燥して、重合体4.20
重量部を得た。得られた高分子を高分子蛍光体Bと呼
ぶ。高分子蛍光体Bの 1H−NMRスペクトルを測定し
たところ、アルデヒド基に由来するシグナルがわずかに
観測された。また、高分子蛍光体Bの繰り返し単位とそ
の末端構造は、化17に示す高分子蛍光体Aと同様であ
るが、 該高分子蛍光体Bのポリスチレン換算の数平均
分子量は、9.90×103 であった。ポリスチレン換
算の数平均分子量から求めた数平均重合度nは21.1
であった。該高分子蛍光体Bの構造については 1H−N
MRで確認した。
より得られたホスホニウム塩0.50重量部と高分子蛍
光体B0.45重量部とから実施例1と同じ方法で合
成、洗浄、再沈を行ない、重合体0.35重量部を得
た。これを高分子蛍光体3という。高分子蛍光体3の繰
り返し単位とその末端構造は、高分子蛍光体1と同様で
化18に示す。該高分子蛍光体3のポリスチレン換算の
数平均分子量は、1.14×104 であった。ポリスチ
レン換算の数平均分子量から求めた数平均重合度nは2
3.7であった。該高分子蛍光体3の構造については 1
H−NMRで確認した。 <吸収、蛍光スペクトルの測定、蛍光の量子収率の評価
>実施例1と同じ方法で蛍光強度を求めた。高分子蛍光
体3の蛍光強度は、表1に示すとおり、強かった。
>実施例3と同じ方法で高分子蛍光体Bの蛍光強度を求
めた。高分子蛍光体Bの蛍光強度は、表1に示すとお
り、実施例3の高分子蛍光体3よりも弱かった。
ウム塩9.56重量部、イソフタルアルデヒド0.6重
量部、テレフタルアルデヒド0.6重量部を、エタノー
ル−クロロホルム混合溶媒に溶解させた。1.08重量
部のリチウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液を
ホスホニウム塩とジアルデヒドのエタノール−クロロホ
ルム溶液に滴下し、室温で3時間重合させた。一夜室温
で放置した後、イオン交換水、エチルアルコールを加え
て析出させ、これをクロロホルムに溶解し、エチルアル
コールを加え再沈精製した。これを減圧乾燥して、重合
体2.37重量部を得た。得られた高分子を高分子蛍光
体Cと呼ぶ。用いた高分子蛍光体Cの繰り返し単位を化
20と化21に、その末端構造を化22に示す。用いた
原料と反応機構から、末端構造のアルデヒド基は化2
0、化21のビニレン基には結合せず、フェニル基に結
合している。
ウム塩(I)10.6重量部、イソフタルアルデヒド
0.6重量部、テレフタルアルデヒド0.6重量部を、
エタノール−クロロホルム混合溶媒に溶解させた。1.
17重量部のナトリウムエトキシドを含むエチルアルコ
ール溶液をホスホニウム塩とジアルデヒドのエタノール
−クロロホルム溶液に滴下し、重合した。引き続き、こ
の反応溶液に1−ピレンカルバルデヒド1.8重量部の
クロロホルム溶液を加えた後、1.17重量部のナトリ
ウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホニ
ウム塩とジアルデヒドのエタノール−クロロホルム溶液
に滴下し、室温で3時間重合させた。一夜室温で放置し
た後、生成した沈殿を回収した。次にこの沈殿をエタノ
ールで洗浄、続いてエタノール−水混合溶媒で洗浄後、
さらにエタノールで洗浄した。そして、この沈殿をトル
エンに溶解させ、これにエチルアルコールを加え再沈精
製した。これを減圧乾燥して、重合体2.50重量部を
得た。得られた高分子を高分子蛍光体4と呼ぶ。さら
に、トルエンとエチルアルコールを用いて再沈精製を行
なった。用いた原料と反応機構から、高分子蛍光体4の
繰り返し単位は前記の化20と化21であり、その末端
構造は1−ピレニルである。GPCにより得られた、該
高分子蛍光体4のポリスチレン換算の数平均分子量は、
2.9×103 であった。該高分子蛍光体4の構造につ
いてはIR、 1H−NMRで確認した。
によって、40nmの厚みでITO膜を付けたガラス基
板に、ポリ(Nービニルカルバゾール)(以下PVC
z)の1.0wt%クロロホルム溶液を用いて、ディッ
ピングにより80nmの厚みで成膜した。次に得られた
高分子蛍光体4の1.0wt%トルエン溶液を用いて、
スピンコートにより50nmの厚みで成膜した。次い
で、これを減圧下150℃で1時間乾燥した後、電子輸
送層として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム
(Alq3 )を0.1〜0.2nm/sの速度で70n
m蒸着した。最後に、その上に陰極としてアルミニウム
−リチウム合金(Al:Li=100:1重量比)を1
00nm蒸着して有機EL素子を作製した。蒸着のとき
の真空度はすべて8×10-6Torr以下であった。こ
の素子に電圧8.2Vを印加したところ、電流密度2.
5mA/cm2 の電流が流れ、輝度233cd/m2 の
黄緑色のEL発光が観察された。この時の発光効率は、
9.32cd/Aであった。輝度はほぼ電流密度に比例
していた。さらに、この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で連続駆動したところ、初期の電圧8.3V、輝
度は233cd/m2 であったが、200時間後には電
圧11.3V、輝度165cd/m2 、500時間後に
は電圧12.9V、輝度138cd/m2 であった。横
軸に経過時間をとり、縦軸に輝度を対数目盛でとってプ
ロットすると、輝度の低下速度は時間とともに小さくな
り、400時間以降の変化はほぼ直線的になった。輝度
の低下が対数目盛で直線的になったところを外挿して、
初期輝度の半分の輝度になる点の時間をとることにより
半減寿命を見積った。半減寿命は約1000時間と見積
った。
分子蛍光体Cを用いた以外は、実施例4と同じ方法で素
子を作成した。この素子に電圧10.3Vを印加したと
ころ、電流密度2.5mA/cm2 の電流が流れ、輝度
170cd/m2 の黄緑色のEL発光が観察された。こ
の時の発光効率は、6.8cd/Aであった。輝度はほ
ぼ電流密度に比例していた。さらに、この素子を定電流
密度2.5mA/cm2 で連続して駆動したところ、初
期の輝度は170cd/m2 であったが、150時間後
には輝度は半減した。
た有機EL素子は、比較例3の高分子蛍光体Cの有機E
L素子よりも、非常に高い発光効率を有し、しかも寿命
が長いなど、優れたEL特性を示した。
ルデヒドの代わりに9−アントラルデヒドを1.61重
量部用いた以外は実施例4と同様に反応させ、高分子蛍
光体5を1.5重量部得た。仕込みモノマー種と反応手
順から推定される高分子蛍光体5の繰り返し単位は化2
0、化21であり、その末端構造は9−アントリルであ
る。GPCにより得られた、該高分子蛍光体5のポリス
チレン換算の数平均分子量は、2.7×103 であっ
た。該高分子蛍光体5の構造についてはIR、 1H−N
MRで確認した。 <素子の作成および評価>高分子蛍光体4の代わりに、
高分子蛍光体5を用いた以外は実施例4と同様に有機E
L素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で駆動したところ、初期の輝度は82.5cd/
m2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくな
った。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛
で直線的になったところを外挿して、半減寿命は約60
0時間と見積った。
ルデヒドの代わりに、2−フルオレンカルバルデヒドを
用いた以外は実施例4と同様に反応し、高分子蛍光体6
を得た。高分子蛍光体6の 1H−NMRスペクトルを測
定したところ、アルデヒド基に由来するシグナルは見ら
れなかった。モノマーの仕込み量と反応手順から推定さ
れる高分子蛍光体6の繰り返し単位は前記の化20と化
21であり、その末端構造は2−フルオレニルである。
GPCにより得られた、該高分子蛍光体6のポリスチレ
ン換算の数平均分子量は、3.0×103 であった。な
お、該高分子蛍光体6の構造についてはIR、 1H−N
MRで確認した。 <素子の作成および評価>高分子蛍光体4の代わりに、
高分子蛍光体6を用いた以外は実施例4と同様に有機E
L素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で駆動したところ、初期の輝度は171cd/m
2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくなっ
た。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛で
直線的になったところを外挿して、半減寿命は約250
時間と見積った。
ルデヒドの代わりに2−キノリンカルバルデヒドを用い
た以外は実施例4と同様に反応させ、高分子蛍光体7を
得た。高分子蛍光体7の 1H−NMRスペクトルを測定
したところ、アルデヒド基に由来するシグナルは見られ
なかった。用いた原料と反応機構から、高分子蛍光体7
の繰り返し単位は前記の化20と化21であり、その末
端構造は2−キノリルである。GPCにより得られた、
該高分子蛍光体7のポリスチレン換算の数平均分子量
は、3.0×103 であった。該高分子蛍光体7の構造
についてはIR、 1H−NMRで確認した。 <素子の作成および評価>高分子蛍光体4の代わりに、
高分子蛍光体7を用いた以外は実施例4と同様に有機E
L素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で駆動したところ、初期の輝度は132cd/m
2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくなっ
た。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛で
直線的になったところを外挿して、半減寿命は約200
時間と見積った。
ルデヒドの代わりに4−メトキシベンズアルデヒド1.
06重量部を用いた以外は実施例4と同様に反応させ、
高分子蛍光体8を1.2重量部得た。高分子蛍光体8の
1H−NMRスペクトルを測定したところ、アルデヒド
基に由来するシグナルは見られなかった。用いた原料と
反応機構から、高分子蛍光体8の繰り返し単位は前記の
化20と化21であり、その末端構造は4−メトキシフ
ェニルである。GPCにより得られた、該高分子蛍光体
8のポリスチレン換算の数平均分子量は、4.0×10
3 であった。該高分子蛍光体8の構造についてはIR、
1H−NMRで確認した。 <素子の作成および評価>高分子蛍光体4の代わりに、
高分子蛍光体8を用いた以外は実施例4と同様に有機E
L素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で駆動したところ、初期の輝度は187cd/m
2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくなっ
た。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛で
直線的になったところを外挿して、半減寿命は約350
時間と見積った。
てそれぞれ作成した有機EL素子は、いずれも比較例3
の高分子蛍光体Cの有機EL素子よりも、寿命が長いな
ど、優れたEL特性を示した。
ヒドとイソフタルアルデヒドの代わりに、テレフタルア
ルデヒドのみを1.2重量部用いた以外は実施例4と同
様に反応させ、高分子蛍光体9を2.0重量部得た。高
分子蛍光体9の 1H−NMRスペクトルを測定したとこ
ろ、アルデヒド基に由来するシグナルは見られなかっ
た。用いた原料と反応機構から、高分子蛍光体9の繰り
返し単位は前記の化20であり、その末端構造は1−ピ
レニルである。GPCにより得られた、該高分子蛍光体
9のポリスチレン換算の数平均分子量は、2.6×10
3 であった。該高分子蛍光体9の構造についてはIR、
1H−NMRで確認した。 <素子の作成および評価>高分子蛍光体4の代わりに、
高分子蛍光体9を用いた以外は実施例4と同様に有機E
L素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で駆動したところ、初期の輝度は149cd/m
2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくなっ
た。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛で
直線的になったところを外挿して、半減寿命は約100
0時間と見積った。
バルデヒドの代わりに4−メトキシベンズアルデヒドを
1.06重量部用いた以外は実施例9と同様に反応さ
せ、高分子蛍光体10を1.2重量部得た。高分子蛍光
体10の 1H−NMRスペクトルを測定したところ、ア
ルデヒド基に由来するシグナルは見られなかった。用い
た原料と反応機構から、高分子蛍光体10の繰り返し単
位は前記の化20であり、その末端構造は4−メトキシ
フェニルである。GPCにより得られた、該高分子蛍光
体10のポリスチレン換算の数平均分子量は、4.0×
103 であった。該高分子蛍光体10の構造については
IR、 1H−NMRで確認した。 <素子の作成および評価>高分子蛍光体4の代わりに、
高分子蛍光体10を用いた以外は実施例4と同様に有機
EL素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA
/cm2 で駆動したところ、初期の輝度は180cd/
m2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくな
った。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛
で直線的になったところを外挿して、半減寿命は約40
0時間と見積った。
高分子蛍光体Bを用いた以外は実施例4と同様に有機E
L素子を作成した。この素子を定電流密度2.5mA/
cm2 で駆動したところ、初期の輝度は172cd/m
2 であった。輝度の低下速度は時間とともに小さくなっ
た。また、実施例4と同様に、輝度の低下が対数目盛で
直線的になったところを外挿して、半減寿命は約300
時間と見積った。
用いてそれぞれ作成した有機EL素子は、いずれも比較
例4の高分子蛍光体Bの有機EL素子よりも、寿命が長
いなど、優れたEL特性を示した。
している上、有機溶媒に可溶であり、安定性も優れてい
るので、有機EL素子の発光材料、色素レーザー用の色
素等として用いることができる。また、本発明の高分子
蛍光体を用いた有機EL素子は、作成が容易で、また優
れた発光特性を示し、長寿命であるので、バックライト
としての面状光源,フラットパネルディスプレイ等の装
置として好ましく使用できる。
ネッセンス素子を2.5mA/cm2 で連続駆動した時
の輝度、電圧の変化を経過時間に対してプロットした図
(500時間までの実線は、実測値を示し、500〜1
000時間の点線は、この実線を直線で外挿したものを
示す。)。
Claims (6)
- 【請求項1】固体状態で蛍光を有し、下記式(1)で示
される繰り返し単位を1種類以上含み、かつそれらの繰
り返し単位の合計が全繰り返し単位の50モル%以上で
あり、ポリスチレン換算の数平均分子量が103 〜10
7 である高分子蛍光体において、該高分子蛍光体の末端
構造が下記式(2)で示されるものであることを特徴と
する高分子蛍光体。 【化1】 −Ar1 −CR1 =CR2 − (1) 〔ここで、Ar1 は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
素数4〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる
群から選ばれる基を示す。〕 【化2】 −CR3 =CR4 −Ar2 (2) 〔ここで、Ar2 は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上50個以下からなるアリール基または複素環化
合物基、R3 、R4 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数4〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる群
から選ばれる基を示す。〕 - 【請求項2】下記式(3)で示されるモノマー一種類以
上を重合後、得られた高分子と下記式(4)の化合物を
反応させることを特徴とする請求項1記載の高分子蛍光
体の製造方法。 【化3】 G1 −Ar1 −G2 (3) 〔ここで、Ar1 は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、G1 、G2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
素数4〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる
群から選ばれる基を有し、重合の際に炭素−炭素二重結
合を生成する基を示す。〕 【化4】 G3 −Ar2 (4) 〔ここで、Ar2 は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、G3 は水素、炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の複素環
化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を有
し、G3 は式(3)のG1 および/またはG2 と反応
し、炭素−炭素二重結合を生成する基を示す。〕 - 【請求項3】少なくとも一方が透明または半透明である
一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
て、該発光層が請求項1記載の高分子蛍光体を含むこと
を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項4】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
て電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とす
る請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項5】陽極と発光層との間に、該発光層に隣接し
て正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とす
る請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項6】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
て電子輸送性化合物からなる層、および陽極と発光層と
の間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる
層を設けたことを特徴とする請求項3記載の有機エレク
トロルミネッセンス素子。
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