JPH1046138A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH1046138A
JPH1046138A JP8208462A JP20846296A JPH1046138A JP H1046138 A JPH1046138 A JP H1046138A JP 8208462 A JP8208462 A JP 8208462A JP 20846296 A JP20846296 A JP 20846296A JP H1046138 A JPH1046138 A JP H1046138A
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JP
Japan
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light emitting
group
emitting layer
cathode
layer
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Application number
JP8208462A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Onishi
敏博 大西
Masanobu Noguchi
公信 野口
Yoshihiko Tsuchida
良彦 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高分子蛍光体を用い、高輝度、高発光効率、低
駆動電圧で、空気中の酸素や水分による陰極材料の劣化
しない有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を提
供する。 【解決手段】一方か両方が透明/半透明である一対の陽
極および陰極間に発光層を有する有機EL素子におい
て、発光層が固体状態で蛍光を有しポリスチレン換算の
数平均分子量103 〜107 の高分子蛍光体を含み、高
分子蛍光体が一般式1の繰り返し単位を全繰り返し単位
の50モル%以上含み、陰極が少なくともCaとAlを
Alに対してCaを0.1〜50wt%含む合金層から
なり、陰極形成全金属に対してAlを50wt%以上含
む有機EL素子。 −Ar−CR=CR’− ・・・・・(1) 〔Arは共役結合に関与するC4〜20からなるアリー
レン基または複素環基、R、R’は独立に水素、C1〜
20のアルキル基、C6〜20のアリール基、C4〜2
0の複素環基またはシアノ基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子蛍光体を用
いて作成された有機エレクトロルミネッセンス素子(以
下、有機EL素子ということがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが、発光させるために高電圧の交流が必要
であった。近年、Tangらは、有機蛍光色素を発光層
とし、これと電子写真の感光体等に用いられている有機
電荷輸送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL
素子を作製し、低電圧駆動、高効率、高輝度の有機EL
素子を実現させた(特開昭59−194393号公
報)。有機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆
動、高輝度に加えて多数の色の発光が容易に得られると
いう特徴があることから素子構造や有機蛍光色素、有機
電荷輸送化合物について多くの試みが報告されている
〔ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ジックス(Jpn.J.Appl.Phys.)第27
巻、L269頁(1988年)〕、〔ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス(J.Appl.Phy
s.)第65巻、3610頁(1989年)〕。
【0003】これまでに、発光層に用いる材料として
は、低分子量の有機蛍光色素が一般に用いられており、
高分子量の発光材料としては、WO9013148号公
開明細書、特開平3−244630号公報、アプライド
・フィジックス・レターズ(Appl.Phys.Le
tt.)第58巻、1982頁(1991年)などで提
案されていた。WO9013148号公開明細書の実施
例には、可溶性前駆体を電極上に成膜し、熱処理を行な
うことにより共役系高分子に変換されたポリ(p−フェ
ニレンビニレン)薄膜が得られ、それを用いたEL素子
が開示されている。また、特開平3−244630号公
報には、それ自身が溶媒に可溶であり、熱処理が不要で
あるという特徴を有する共役系高分子が例示されてい
る。アプライド・フィジックス・レターズ(Appl.
Phys.Lett.)第58巻、1982頁(199
1年)にも溶媒に可溶な高分子発光材料およびそれを用
いて作成した有機EL素子が記載されている。しかし、
これらの材料を用いて作成された有機EL素子は、発光
効率が必ずしも充分に高くはなかった。
【0004】また、低分子の有機蛍光色素を用いた有機
EL素子の陰極用の金属材料として、アルミニウム、マ
グネシウムやマグネシウムインジウム合金、マグネシウ
ムアルミニウム合金、マグネシウム銀合金等の単独材料
または共蒸着された合金材料が、特開昭63−2956
95号公報、特開昭63−264692号公報、特開平
2−15595号公報に例示されている。
【0005】また、WO9216023号公開明細書に
は、高分子蛍光体を用いた有機EL素子では、陰極とし
てカルシウムが例示されており、高効率化や低駆動電圧
化の効果が示されている。
【0006】しかしながら、高分子を発光材料に用いた
これまで報告された有機EL素子において、カルシウム
を陰極材料に用いた素子では、空気中の酸素または水分
による陰極材料の劣化が激しく、駆動時の輝度の低下が
比較的短時間で生じたり、ダークスポットと呼ばれる輝
度の低い欠陥が発光面に生じたりするので、素子製造時
や素子保存時の陰極の安定性の向上が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子蛍光体を用いた、高輝度、高発光効率、低駆動電圧を
有し、空気中の酸素または水分による陰極材料の劣化が
生じない有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情をみて、高分子蛍光体を発光層として用いた有機
EL素子の発光効率を向上させるために陰極材料を鋭意
検討した結果、ポリアリーレンビニレン系高分子蛍光体
からなる発光層を有する有機EL素子に、カルシウムと
アルミニウムを含む陰極を用いることにより、高輝度、
高発光効率の有機EL素子が得られ、駆動時の輝度の低
下が少なく、ダークスポットと呼ばれる輝度の低い欠陥
の発生が少ない有機エレクトロルミネッセンス素子が得
られることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、〔1〕少なくとも一方
が透明または半透明である一対の陽極および陰極からな
る電極間に、少なくとも発光層を有する有機エレクトロ
ルミネッセンス素子において、該発光層が固体状態で蛍
光を有し、かつポリスチレン換算の数平均分子量が10
3 〜107 である高分子蛍光体を含み、該高分子蛍光体
が下記一般式(1)で示される繰り返し単位を、全繰り
返し単位の50モル%以上含み、かつ該陰極が少なくと
もカルシウムとアルミニウムを含む合金層からなり、該
陰極を形成する金属全体に対してアルミニウムを50w
t%以上含み、該合金層は、アルミニウムに対してカル
シウムを0.1wt%以上50wt%以下含む合金から
なる有機エレクトロルミネッセンス素子に係るものであ
る。
【化2】−Ar−CR=CR’− ・・・・・(1) 〔ここで、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4
個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
合物基を示す。R、R’は、それぞれ独立に水素、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数4〜20の複素環化合物またはシアノ基から
選ばれた基を示す。〕
【0010】さらに、本発明は、〔2〕陰極と発光層と
の間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物からなる
層を設けた〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子に係るものである。また、本発明は、〔3〕陽極と
発光層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物
からなる層を設けた〔1〕記載の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に係るものである。また、本発明は、
〔4〕陰極と発光層との間に、該発光層に隣接して電子
輸送性化合物からなる層を設け、かつ陽極と発光層との
間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる層
を設けた〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子に係るものである。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明の有機EL素子につ
いて詳細に説明する。本発明の有機EL素子は、少なく
とも、アリーレンビニレン系高分子蛍光体からなる発光
層と、少なくともカルシウムおよびアルミニウムを含む
合金からなる陰極を有する。
【0012】本発明の有機EL素子の発光層に用いられ
る高分子蛍光体について説明する。該高分子蛍光体は、
一般式(1)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位
の50モル%以上含む重合体である。繰り返し単位の構
造にもよるが、一般式(1)で示される繰り返し単位が
全繰り返し単位の70%以上であることが好ましい。該
高分子蛍光体は、一般式(1)で示される繰り返し単位
以外の繰り返し単位として、2価の芳香族化合物基もし
くはその誘導体、2価の複素環化合物基もしくはその誘
導体またはそれらを組み合わせて得られる基などを含ん
でいてもよい。また、一般式(1)で示される繰り返し
単位や他の繰り返し単位が、エーテル基、エステル基、
アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で連結さ
れていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分
が含まれていてもよい。
【0013】本発明における高分子蛍光体において、一
般式(1)のArとしては、共役結合に関与する炭素原
子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基または
複素環化合物基であり、化3に示す2価の芳香族化合物
基もしくはその誘導体基、2価の複素環化合物基もしく
はその誘導体基またはそれらを組み合わせて得られる基
などが例示される。
【0014】
【化3】 (式中、R1 〜R92は、それぞれ独立に、水素、炭素数
1〜20のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチ
オ基;炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキ
シ基;ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からな
る群から選ばれた基である。)
【0015】これらのなかで、フェニレン基、置換フェ
ニレン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフ
タレンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセ
ン−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10
−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジ
ン−2,5−ジイル基、チエニレン基または置換チエニ
レン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、
ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,
5−ジイル基、チエニレン基である。
【0016】一般式(1)のR、R’が水素またはシア
ノ基以外の置換基である場合について述べると、炭素数
1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基が好ましい。アリール基として
は、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基
(C 1 〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以
下の記載もこれに準じる)、4−C1 〜C12アルキル
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例
示される。
【0017】溶媒可溶性の観点からは、一般式(1)の
Arが、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、アル
コキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜18のア
リール基もしくはアリールオキシ基または炭素数4〜1
4の複素環化合物基から選ばれた基を有していることが
好ましい。
【0018】これらの置換基としては、以下のものが例
示される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。また、アルキルチオ基としては、ブチルチオ
基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基、デシルオキシ基、ラウリルチオ基
などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘ
プチルチオ基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基
としては、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェ
ニル基、4−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基などが例示される。アリールオ
キシ基としては、フェノキシ基が例示される。複素環化
合物基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−
フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例示
される。これら置換基の数は、該高分子蛍光体の分子量
と繰り返し単位の構成によっても異なるが、溶解性の高
い高分子蛍光体を得る観点から、これらの置換基が分子
量600当たり1つ以上であることがより好ましい。
【0019】なお、本発明の有機EL素子に用いる高分
子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合
体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高
分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であ
ってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る
観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯
びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合
体が好ましい。また本発明の有機EL素子は、薄膜か
らの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態で
蛍光を有するものが用いられる。
【0020】該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1wt%以上溶解させることができる。
【0021】本発明における高分子蛍光体は、その分子
量がポリスチレン換算で103 〜107 であり、それら
の重合度は繰り返し構造やその割合によっても変わる。
成膜性の点から、一般には繰り返し構造の合計数で好ま
しくは4〜10000、さらに好ましくは5〜300
0、特に好ましくは10〜2000である。
【0022】有機EL素子作成の際に、これらの有機溶
媒可溶性の高分子蛍光体を用いることにより、溶液から
成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去
するだけでよく、また後述するさらに電荷輸送材料や発
光材料を混合した場合においても同様な手法が適用で
き、製造上非常に有利である。
【0023】本発明の有機EL素子に用いる高分子蛍光
体の合成法としては、特に限定されないが、例えば、ア
リーレン基にアルデヒド基が2つ結合したジアルデヒド
化合物と、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結
合した化合物とトリフェニルホスフィンとから得られる
ジホスホニウム塩からのWittig反応が例示され
る。また、他の合成法としては、アリーレン基にハロゲ
ン化メチル基が2つ結合した化合物からの脱ハロゲン化
水素法が例示される。さらに、アリーレン基にハロゲン
化メチル基が2つ結合した化合物のスルホニウム塩をア
ルカリで重合して得られる中間体から、熱処理により該
高分子蛍光体を得るスルホニウム塩分解法が例示され
る。いずれの合成法においても、モノマーとして、アリ
ーレン基以外の骨格を有する化合物を加え、その存在割
合を変えることにより、生成する高分子蛍光体に含まれ
る繰り返し単位の構造を変えることができるので、一般
式(1)で示される繰り返し単位が50モル%以上とな
るように加減して仕込み、共重合してもよい。これらの
うち、Wittig反応による方法が、反応の制御や収
率の点で好ましい。
【0024】より具体的に、本発明の有機EL素子に用
いられる高分子蛍光体の1つの例であるアリーレンビニ
レン系共重合体の合成法を説明する。Wittig反応
により高分子蛍光体を得る場合は、まず、ビス(ハロゲ
ン化メチル)化合物、例えば、具体的には、2,5−ジ
オクチルオキシ−p−キシリレンジブロミドをN,N−
ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィン
と反応させてホスホニウム塩を合成し、これとジアルデ
ヒド化合物、例えば、具体的には、テレフタルアルデヒ
ドとを、エチルアルコール中、リチウムエトキシドを用
いて縮合させるWittig反応により、フェニレンビ
ニレン基と2,5−ジオクチルオキシ−p−フェニレン
ビニレン基を含む高分子蛍光体が得られる。このとき、
共重合体を得るために2種類以上のジホスホニウム塩お
よび/または2種類以上のジアルデヒド化合物を反応さ
せてもよい。
【0025】これらの高分子蛍光体を有機EL素子の発
光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフによる
分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0026】次に、本発明の有機EL素子に用いられる
陰極について説明する。該陰極は、少なくともカルシウ
ムとアルミニウムを含む合金層を含む金属からなり、該
陰極を形成する金属全体に対してアルミニウムを50w
t%以上含み、かつ該合金層は、アルミニウムに対して
カルシウムを0.1wt%以上50wt%以下含む合金
からなることを特徴とする。該陰極を形成する金属全体
に対してアルミニウムを好ましくは80wt%以上含
み、さらに好ましくは90wt%以上含む。また、該合
金層において、アルミニウムに対してカルシウムを好ま
しくは0.1wt%以上20wt%以下含み、さらに好
ましくは0.1wt%以上10wt%以下含む。
【0027】また、アルミニウムとカルシウム以外に、
銀、金、白金、ゲルマニウム、シリコン、スズ、マグネ
シウム、銅、鉄、コバルト、ニッケル、バナジウム、チ
タン、タンタルから選ばれる少なくとも1つ以上の金属
を含んでいてもよい。カルシウムは、アルミニウムと合
金化することにより表面に不動態を形成し安定化する。
その結果、酸素、水分と反応性の高いカルシウムが反応
性の低い陰極を形成することが可能となる。
【0028】陰極の作成方法としては、蒸着法、スパッ
ター法等、CVD法が例示されるが、蒸着法やスパッタ
ー法が好ましい。蒸着方法には抵抗加熱や電子ビームに
よる方法などがある。例えば、カルシウムを主成分とす
る合金からの蒸着、カルシウムと他の成分との共蒸着に
よって作成することができる。蒸着のときの真空度はす
べて8×10-6Torr以下が好ましい。
【0029】組成の制御方法は、アルミニウムとカルシ
ウムの共蒸着による方法とアルミニウム−カルシウム合
金を蒸着する方法とがある。共蒸着の場合は、カルシウ
ムの蒸着速度を好ましくは0.005〜1.0nm/s
の範囲で、さらに好ましくは0.01〜0.1nm/s
の範囲で制御し、アルミニウムの蒸着速度を好ましくは
0.1〜1.2nm/sの範囲で、さらに好ましくは
0.1〜0.8nm/sの範囲で制御する。カルシウム
−アルミニウム合金を用いる場合は、カルシウムがアル
ミニウムに対して0.1〜50wt%のカルシウム−ア
ルミニウム合金を蒸着して、陰極を作製し組成を制御す
る。陰極として、該合金層を第1層として、その上に第
2の金属層を積層してもよい。この第2の金属層として
は、アルミニウム、チタン、バナジウム、タンタルまた
はそれらを含む合金が例示される。
【0030】本発明の有機EL素子の構造については、
少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極間
に設ける発光層中に前述の高分子蛍光体が用いられてお
り、かつカルシウムおよびアルミニウムを含む陰極が用
いられていれば、特に制限はなく、公知の構造が採用さ
れる。例えば、該高分子蛍光体からなる発光層、もしく
は該高分子蛍光体と電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔
輸送材料の総称を意味する)との混合物からなる発光層
の両面に一対の電極を有する構造のもの、発光層と陽極
との間に正孔輸送材料を含有する正孔輸送層を積層した
もの、発光層と陰極との間に電子輸送材料を含有する電
子輸送層を積層したもの、さらに発光層と陽極との間に
正孔輸送材料を含有する正孔輸送層を積層し、かつ発光
層と陰極との間に電子輸送材料を含有する電子輸送層を
積層したものが例示される。また、発光層や電荷輸送層
は、1層の場合と複数の層を組み合わせる場合も本発明
に含まれる。さらに、発光層に、例えば下記に述べる該
高分子蛍光体以外の発光材料を混合使用してもよい。ま
た、該高分子蛍光体および/または電荷輸送材料を高分
子化合物に分散させた層とすることもできる。
【0031】本発明の高分子蛍光体とともに使用される
電荷輸送材料、すなわち、電子輸送材料または正孔輸送
材料としては、公知のものが使用でき、特に限定されな
い。正孔輸送材料としては、ピラゾリン誘導体、アリー
ルアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジア
ミン誘導体等が例示される。電子輸送材料としては、オ
キサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくは
その誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフト
キノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはそ
の誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくは
その誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノ
エチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、
または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金
属錯体等が例示される。
【0032】具体的には、特開昭63−70257号公
報、同63−175860号公報、特開平2−1353
59号公報、同2−135361号公報、同2−209
988号公報、同3−37992号公報、同3−152
184号公報に記載されているもの等が例示される。正
孔輸送材料としては、トリフェニルジアミン誘導体、電
子輸送材料としてはオキサジアゾール誘導体、ベンゾキ
ノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその
誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘
導体の金属錯体が好ましい。特に、正孔輸送材料として
は、4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−
フェニルアミノ)ビフェニルが好ましく、電子輸送材料
としては、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−
ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベ
ンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノー
ル)アルミニウムが好ましい。これらのうち、電子輸送
性の化合物と正孔輸送性の化合物のいずれか一方、また
は両方を同時に使用すればよい。これらは単独で用いて
もよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0033】発光層と電極との間にさらに電荷輸送層を
設ける場合、これらの電荷輸送材料を使用して電荷輸送
層を形成すればよい。また、電荷輸送材料を発光層に混
合して使用する場合、電荷輸送材料の使用量は使用する
化合物の種類等によっても異なるので、十分な成膜性と
発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決
めればよい。通常、発光材料に対して1〜40重量%で
あり、より好ましくは2〜30重量%である。
【0034】本発明の高分子蛍光体と共に使用できる公
知の発光材料としては、特に限定されないが、例えば、
ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、
ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテ
ン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒド
ロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族
アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはそ
の誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはそ
の誘導体などを用いることができる。具体的には、例え
ば特開昭57−51781号公報、同59−19439
3号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可
能である。
【0035】次に、本発明の発光材料を用いた有機EL
素子の代表的な作製方法について述べる。陽極および陰
極からなる一対の、透明または半透明な電極としては、
ガラス、透明プラスチック等の透明基板の上に、透明ま
たは半透明の電極を形成したものが用いられる。陽極の
材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄
膜等が用いられる。具体的には、インジウム・スズ・オ
キサイド(ITO)、酸化スズ等からなる導電性ガラス
を用いて作成された膜(NESAなど)、金、白金、
銀、銅等が用いられる。作製方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、メッキ法などが用いられる。
【0036】この陽極上に、発光材料として、上記高分
子蛍光体、または該高分子蛍光体と電荷輸送材料を含む
発光層を形成する。形成方法としては、これら材料の溶
融液、溶液または混合液を使用して、スピンコーティン
グ法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート
法、ロールコート法等の塗布法が例示される。これらの
中で、溶液または混合液をスピンコーティング法、キャ
スティング法、ディッピング法、バーコート法、ロール
コート法等の塗布法により成膜する方法が特に好まし
い。
【0037】発光層の厚さとしては、好ましくは1nm
〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500nmであ
る。電流密度を上げて発光効率を上げるためには、該発
光層の厚さとしては、5〜200nmの範囲が好まし
い。なお、発光層を塗布法により薄膜化した場合には、
溶媒を除去するため、発光層形成後に、減圧下または不
活性雰囲気下、好ましくは30〜300℃、さらに好ま
しくは60〜200℃の温度で加熱乾燥することが望ま
しい。
【0038】該発光層の下に正孔輸送層を積層する場合
には、上記の成膜方法で発光層を設ける前に、正孔輸送
層を形成することが好ましい。正孔輸送層の成膜方法と
しては、特に限定されないが、粉末状態からの真空蒸着
法、または溶液に溶かした後のスピンコーティング法、
キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロ
ールコート法等の塗布法、または高分子化合物と電荷輸
送材料とを溶液状態もしくは溶融状態で混合し分散させ
た後のスピンコーティング法、キャスティング法、ディ
ッピング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法
を用いることができる。混合する高分子化合物として
は、特に限定されないが、電荷輸送を極度に阻害しない
ものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くない
ものが好適に用いられる。
【0039】例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビ
ニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、または
ポリシロキサンなどが例示される。成膜が容易に行なえ
るという点では、高分子化合物を用いる場合は、塗布法
を用いることが好ましい。
【0040】正孔輸送層の厚さは、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚さが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電荷輸送層の膜厚は好ましく
は1nm〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500n
m、特に好ましくは5〜200nmである。
【0041】また、該発光層の上にさらに電子輸送層を
積層する場合には、上記の成膜方法で発光層を設けた後
にその上に電子輸送層を形成することが好ましい。電子
輸送層の成膜方法としては、特に限定されないが、粉末
状態からの真空蒸着法、または溶液に溶かした後のスピ
ンコーティング法、キャスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法、または
高分子化合物と電荷輸送材料とを溶液状態もしくは溶融
状態で混合し分散させた後のスピンコーティング法、キ
ャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロー
ルコート法等の塗布法を用いることができる。混合する
高分子化合物としては、特に限定されないが、電荷輸送
を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対
する吸収が強くないものが好適に用いられる。
【0042】例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビ
ニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、または
ポリシロキサンなどが例示される。成膜が容易に行なえ
るという点では、高分子化合物を用いる場合は、塗布法
を用いることが好ましい。
【0043】電子輸送層の厚さは、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚さが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電子輸送層の厚さは、好まし
くは1nm〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500
nm、特に好ましくは5〜200nmである。
【0044】次いで、発光層または電子輸送層の上に電
極を設ける。この電極は前述の方法で行う。陰極形成
後、樹脂やガラス、ガスバリアー性のフィルム等を用い
て封止を行ってもよい。
【0045】
【作用】本発明の有機EL素子は、その陰極として、少
なくともアルミニウムとカルシウムを含む合金層からな
り、かつアルミニウムに対してカルシウムを0.1wt
%以上50wt%以下含む合金からなる陰極を用いてい
るので、電子注入効率が高くなり、したがって素子の発
光効率が高く、駆動電圧が低くなる。そのうえ、アルミ
ニウムの作用により、陰極の耐久性が高くなるので、長
寿命化ができ、ダークスポットの生成が抑えられると考
えられる。さらに、本発明の有機EL素子は、融点や分
解温度が比較的高い高分子材料を用いているので熱的に
安定であり、塗布法により容易に発光層を形成できるこ
とから、非常に容易に高輝度、高発光効率の有機EL素
子を作製することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。ここで、数平均分子量については、クロロホルム
を溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を
求めた。 実施例1 <高分子蛍光体1の合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチルホルムア
ミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホス
ホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩10.
6重量部、およびテレフタルアルデヒド1.2重量部
を、エチルアルコールに溶解させた。1.17重量部の
ナトチウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホ
スホニウム塩とジアルデヒドのエチルアルコール溶液に
滴下し、重合した。引き続き、この反応溶液に1−ピレ
ンカルバルデヒド1.8重量部のクロロホルム溶液を加
えた後、1.17重量部のナトリウムエトキシドを含む
エチルアルコール溶液を滴下し、室温で3時間反応させ
た。一夜室温で放置した後、イオン交換水、エチルアル
コールを加えて析出させ、トルエンに溶解させ、これに
エチルアルコールを加え再沈精製した。さらに、トルエ
ンとエチルアルコールを用いて、再沈精製を2回行っ
た。これを減圧乾燥して、重合体2.50重量部を得
た。得られた高分子を高分子蛍光体1と呼ぶ。用いた原
料と反応機構から、高分子蛍光体1の繰り返し単位は下
記の化4であり、その末端構造は1−ピレニルである。
【0047】
【化4】 (二つの繰り返し単位のモル比は、1:1であり、該二
つの繰り返し単位は、交互に結合している。) GPCにより得られた、該高分子蛍光体1のポリスチレ
ン換算の数平均分子量は、2.9×103 であった。該
高分子蛍光体1の構造については、赤外吸収スペクト
ル、 1H−NMRで確認した。
【0048】<素子の作成および評価>スパッタリング
によって、40nmの厚みでITO膜を付けたガラス基
板に、ポリビニールカルバゾールの1.0wt%クロロ
ホルム溶液を用いて、ディッピングにより50nmの厚
さで成膜した。さらに、高分子蛍光体1の1.0wt%
トルエン溶液を用いて、スピンコートにより50nmの
厚みで成膜した。さらに、これを減圧下120℃で1時
間乾燥した後、電子輸送層として、トリス(8−キノリ
ノール)アルミニウム(Alq3 )を0.1〜0.2n
m/sの速度で35nm蒸着した。その上にカルシウム
を約0.02nm/sの速度で、アルミニウムを約0.
8nm/sの速度で共蒸着し、カルシウム−アルミニウ
ム合金(カルシウム濃度:約1wt%)の陰極を100
nm蒸着して、有機EL素子を作製した。蒸着のときの
真空度はすべて8×10-6Torr以下であった。この
素子に電圧12.5Vを印加したところ、電流密度18
7.9mA/cm2 の電流が流れ、輝度4932cd/
2 の黄緑色のEL発光が観察された。このときの発光
効率は、2.6cd/Aであった。輝度はほぼ電流密度
に比例していた。また、ELピーク波長は、540nm
で、高分子蛍光体1の薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致
しており、高分子蛍光体1からのEL発光が確認され
た。この素子を初期輝度200cd/m2 で定電流駆動
したところ、ダークスポット(非発光点)の発生は少な
く、また、輝度が半減するまでの時間は1300時間以
上であった。
【0049】実施例2 <素子の作成および評価>スパッタリングによって、4
0nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリビ
ニールカルバゾールの1.0wt%クロロホルム溶液を
用いて、ディッピングにより50nmの厚さで成膜し
た。さらに、高分子蛍光体1の1.0wt%トルエン溶
液を用いて、スピンコートにより50nmの厚さで成膜
した。さらに、これを減圧下120℃で1時間乾燥した
後、電子輸送層として、トリス(8−キノリノール)ア
ルミニウム(Alq3 )を0.1〜0.2nm/sの速
度で35nm蒸着した。その上に陰極としてカルシウム
−アルミニウム合金(カルシウム濃度:5wt%)を4
0nm蒸着して有機EL素子を作製した。蒸着のときの
真空度は、すべて8×10-6Torr以下であった。こ
の素子に電圧12.5Vを印加したところ、電流密度9
8.9mA/cm2の電流が流れ、輝度4272cd/
2 の黄緑色のEL発光が観察された。このときの発光
効率は、4.3cd/Aであった。輝度はほぼ電流密度
に比例していた。また、ELピーク波長は540nm
で、高分子蛍光体1の薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致
しており、高分子蛍光体1からのEL発光が確認され
た。この素子を初期輝度200cd/m2 で定電流駆動
したところ、ダークスポットの発生は少なく、また、輝
度が半減するまでの時間は900時間以上であった。
【0050】比較例1 陰極としてカルシウム−アルミニウム合金の代わりに厚
さ50nmのカルシウムと厚さ50nmのアルミニウム
を積層した以外は、実施例1と同じ方法で素子を作成し
た。この素子に電圧12.5Vを印加したところ、電流
密度453.7mA/cm2 の電流が流れ、輝度859
6cd/m2 の黄緑色のEL発光が観察された。この時
の発光効率は、1.9cd/Aであった。輝度は、ほぼ
電流密度に比例していた。また、ELピーク波長は54
0nmで、高分子蛍光体1の薄膜の蛍光ピーク波長とほ
ぼ一致しており高分子蛍光体1からのEL発光が確認さ
れた。この素子を初期輝度200cd/m2 で定電流駆
動したところ、実施例1の素子に比べてダークスポット
の発生が多く、約700時間後、発光すべき領域の約5
0%が発光しなかった。また、約700時間で輝度が半
減した。
【0051】比較例2 陰極としてカルシウム−アルミニウム合金の代わりに厚
さ50nmのアルミニウムを用いた以外は、実施例1と
同じ方法で素子を作成した。この素子に電圧12.5V
を印加したところ、電流密度1.14mA/cm2 の電
流が流れ、輝度21cd/m2 の黄緑色のEL発光が観
察された。このときの発光効率は、1.8cd/Aであ
った。輝度はほぼ電流密度に比例していた。また、EL
ピーク波長は536nmで、高分子蛍光体1の薄膜の蛍
光ピーク波長とほぼ一致しており高分子蛍光体1からの
EL発光が確認された。この素子を初期輝度200cd
/m2 で定電流駆動したところ、実施例1の素子に比べ
てダークスポットの発生が多く、また、約30時間で輝
度が半減した。
【0052】
【表1】 (表1中、寿命*は、定電流(2.5mA/cm2 )に
おける輝度半減寿命を示す。ダークスポットの割合**
は、寿命測定後の発光すべき部分におけるダークスポッ
ト(非発光部分)の面積の割合を示す。) このように、実施例1の高分子蛍光体からなる層と陰極
にカルシウムとアルミニウムの合金層を用いた有機EL
素子は、陰極にカルシウムとアルミニウムの積層、また
はアルミニウムのみを用いた比較例1および比較例2の
有機EL素子よりも、高い発光効率を有し、かつ陰極の
劣化によるダークスポット(非発光点)の発生が少ない
など、優れたEL特性を示した。
【0053】
【発明の効果】本発明の高分子蛍光体と陰極とを用いた
有機エレクトロルミネッセンス素子は、作成が容易で、
また高輝度、高発光効率、低駆動電圧を有し、空気中の
酸素または水分による陰極材料の劣化が生じないので、
バックライトとしての面状光源,フラットパネルディス
プレイ等の装置として好ましく使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、該発光層が固体状態で蛍光を有し、かつポリスチレ
    ン換算の数平均分子量が103 〜107 である高分子蛍
    光体を含み、該高分子蛍光体が下記一般式(1)で示さ
    れる繰り返し単位を、全繰り返し単位の50モル%以上
    含み、かつ該陰極が少なくともカルシウムとアルミニウ
    ムを含む合金層からなり、該陰極を形成する金属全体に
    対してアルミニウムを50wt%以上含み、該合金層
    は、アルミニウムに対してカルシウムを0.1wt%以
    上50wt%以下含む合金からなることを特徴とする有
    機エレクトロルミネッセンス素子。 【化1】−Ar−CR=CR’− ・・・・・(1) 〔ここで、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4
    個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
    合物基を示す。R、R’は、それぞれ独立に水素、炭素
    数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
    基、炭素数4〜20の複素環化合物またはシアノ基から
    選ばれた基を示す。〕
  2. 【請求項2】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】陽極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物からなる層を設け、かつ陽極と発光
    層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物から
    なる層を設けたことを特徴とする請求項1記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子。
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