JP2002100480A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002100480A
JP2002100480A JP2000288266A JP2000288266A JP2002100480A JP 2002100480 A JP2002100480 A JP 2002100480A JP 2000288266 A JP2000288266 A JP 2000288266A JP 2000288266 A JP2000288266 A JP 2000288266A JP 2002100480 A JP2002100480 A JP 2002100480A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低電圧駆動、高輝度に加えて多数の色の発光が
容易に得られるという有機EL素子の特徴を維持しつ
つ、さらに発光効率の高い有機エレクトロルミネッセン
ス素子を提供する。 【解決手段】〔1〕少なくとも一方が透明または半透明
である一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なく
とも正孔注入層と発光層とを有する有機EL素子におい
て、該正孔注入層は陽極に接しており、該正孔注入層の
陽極に接する側の部分の電気伝導度が陽極に接しない側
の部分の電気伝導度より低い有機EL素子。 〔2〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも正孔注入
層と発光層とを有する有機EL素子において、該正孔注
入層は、少なくとも2層の正孔注入層を有し、これらの
うち1層は陽極に接する正孔注入層であり、該陽極に接
する正孔注入層の電気伝導度が、該陽極と最も反対側に
位置する正孔注入層の電気伝導度より低い有機EL素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下、有機EL素子ということがあ
る。)に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、従来の無機EL素子に
比べ、低電圧駆動、高輝度に加えて多数の色の発光が容
易に得られるという特徴があることから素子構造や有機
蛍光色素、有機電荷輸送化合物について多くの試みが報
告されている〔ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプ
ライド・フィジックス(Jpn.J.Appl.Phy
s.)第27巻、L269頁(1988年)〕、〔ジャ
ーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J.App
l.Phys.)第65巻、3610頁(1989
年)〕。
【0003】また、有機EL素子のなかで高分子量の発光材
料(以下、高分子蛍光体と呼ぶ。)を用いる高分子発光
素子が、WO9013148号公開明細書、特開平3−
244630号公報、アプライド・フィジックス・レタ
ーズ(Appl.Phys.Lett.)第58巻、1
982頁(1991年)などに記載されている。高分子
蛍光体またはその前駆体は、溶媒に可溶であり、塗布法
により発光層を形成できるという利点がある。
【0004】有機EL素子は電流注入型の素子であり、注入
された電子と正孔の再結合で発光体の励起状態が生成
し、それからの蛍光が発光として観察される。素子の発
光効率は電子と正孔の再結合確率と陽極や陰極からそれ
ぞれ注入される正孔の数や電子の数のバランスに依存す
る。一方が多ければ、再結合されずに、他方の電極に到
達し、ジュール熱として、消費される。低分子を用いた
有機EL素子では、正孔輸送層と発光層の間にエネルギ
ー障壁が形成されているのが、一般的であるので、正孔
や電子は他方の電極に到達する割合は比較的小さい。一
方、高分子蛍光体を用いた有機EL素子では、陽極とそ
の上に形成された正孔注入層、および高分子蛍光体層、
陰極の構造とするものが一般的になってきている。この
ような構造では、注入された電子や正孔は他方の電極に
容易に到達し、再結合に寄与しない電流が生じ、効率は
低くなる傾向があった。これを改良するために、導電性
を有する正孔注入層材料や陰極の金属を仕事関数の小さ
い金属を使うなどの提案がなされてきた。すなわち、正
孔注入層として、特開平3-273087号公報にはポリアニリ
ンやポリアリーレンビニレンを正孔輸送層に使用するこ
とや特開平4-145192号公報にはこれら導電性高分子を電
荷輸送層と電極との間に用いることが、また、特開20
00−91081号公報にはポリチオフェンおよびその
誘導体などの導電性高分子の利用が開示されている。金
属材料としては、アルカリ土類金属、アルカリ金属が使
用されている。また、特開2000−156291号公
報には正孔注入層あるいは正孔輸送層と発光層の間にフ
ッ素化合物層を形成することが開示されている。また、
ネイチャー、404巻481ページ(2000)(Na
ture 404,481(2000))には、ポリフ
ェニレンビニレン中間体とポリチオフェン誘導体の単分
子状の交互積層膜を熱処理して正孔注入層として用いる
ことが開示されている。
【0005】しかしながら、電子と正孔の注入数のバランス
は材料により異なり、必ずしも十分にバランスが取れて
いない状況であり、素子の発光効率も材料の特性に見合
ったものでない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低電
圧駆動、高輝度に加えて多数の色の発光が容易に得られ
るという有機EL素子の特徴を維持しつつ、さらに発光
効率の高い有機EL素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情をみて検討し、下記の有機EL素子が、正孔と電
子のバランスが取れ、発光効率が高いことを見出し、本
発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、以下の〔1〕〜〔6〕に係
るものである。 〔1〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも正孔注入
層と発光層とを有する有機EL素子において、該正孔注
入層は陽極に接しており、該正孔注入層の陽極に接する
側の部分の電気伝導度が陽極に接しない側の部分の電気
伝導度より低い有機EL素子。 〔2〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも正孔注入
層と発光層とを有する有機EL素子において、該正孔注
入層は、少なくとも2層の正孔注入層を有し、これらの
うち1層は陽極に接する正孔注入層であり、該陽極に接
する正孔注入層の電気伝導度が、該陽極と最も反対側に
位置する正孔注入層の電気伝導度より低い有機EL素
子。 〔3〕上記〔1〕または〔2〕の有機EL素子を用いた
面状光源。 〔4〕上記〔1〕または〔2〕の有機EL素子を用いた
セグメント表示装置。 〔5〕上記〔1〕または〔2〕の有機EL素子を用いた
ドットマトリックス表示装置。 〔6〕上記〔1〕または〔2〕の有機EL素子をバック
ライトとする液晶表示装置。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有機EL素子につ
いて詳細に説明する。本発明〔1〕の有機EL素子は、
少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極お
よび陰極からなる電極間に、少なくとも正孔注入層と発
光層とを有する有機EL素子において、該正孔注入層は
陽極に接しており、該正孔注入層の陽極に接する側の部
分の電気伝導度が陽極に接しない側の部分の電気伝導度
より低いものである。また、本発明〔2〕の有機EL素
子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも正孔注入
層と発光層とを有する有機EL素子において、該正孔注
入層は、少なくとも2層の正孔注入層を有し、これらの
うち1層は陽極に接する正孔注入層であり、該陽極に接
する正孔注入層の電気伝導度が、該陽極と最も反対側に
位置する正孔注入層の電気伝導度より低いものである。
【0010】本発明の有機EL素子は、正孔輸送層、電子注
入層、電子輸送層から選ばれる層を1層以上有していて
もよい。
【0011】また、本発明には、発光層、正孔輸送層、電子
輸送層、正孔注入層のいずれかの層を2層以上用いるこ
とも例示される。これらの各層の素子中での位置は、陰
極から陽極に向かって、電子注入層、電子輸送層、発光
層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に用いられるの
が一般的であるが、上記の1層構造や2層構造の場合は
それぞれ対応する層を省略する。また、それぞれの層を
複数用いる場合は、第2の層を用いる位置に特に制限は
なく、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることが
できる。
【0012】次に、本発明の有機EL素子に用いる部材につ
いて説明する。本発明〔1〕の有機EL素子において、
正孔注入層は陽極に接しており、該正孔注入層の陽極に
接する側の部分の電気伝導度が陽極に接しない側の部分
の電気伝導度より低いものである。陽極に接する側の部
分と、陽極に接しない側の部分との間の部分の電気伝導
度については特に制限はなく、連続的に変化していても
よいし、段階的に変化していてもよいが、陽極に接する
側の部分の電気伝導度と陽極に接しない側の部分の電気
伝導度との間の電気伝導度であることが好ましい。
【0013】本発明〔1〕に用いる正孔注入層としては、陽
極上に電気伝導度の低い材料からなる層を形成した後、
該層の陽極に接しない表面の部分にのみ電荷移動性の材
料をドーピングしてなるものが例示される。この場合、
上記陽極に接する側の部分の電気伝導度とは、電気伝導
度の低い材料からなる層の電気伝導度であり、陽極に接
しない側の部分の電気伝導度とは、電荷移動性の材料が
ドーピングされた正孔注入層の陽極に接しない表面の部
分の電気伝導度をいう。
【0014】また、本発明〔2〕の有機EL素子において、
正孔注入層は、少なくとも2層の正孔注入層を有し、こ
れらのうち1層は陽極に接する正孔注入層であり、該陽
極に接する正孔注入層の電気伝導度が、該陽極と最も反
対側に位置する正孔注入層の電気伝導度より低いもので
ある。本発明〔2〕の有機EL素子は作成が簡便で効率
的である。なお陽極に接する正孔注入層と陽極と最も反
対側に位置する正孔注入層との間にさらに正孔注入層を
設けてもよい。該層の電気伝導度は特に限定されない
が、陽極に接する正孔注入層の電気伝導度と陽極に接し
ない正孔注入層の電気伝導度との間の電気伝導度である
ことが好ましい。
【0015】正孔注入層に用いる材料としては、低分子化合
物、高分子化合物があげられる。低分子化合物の場合に
は、高分子材料と複合して使用することが例示される。
高分子化合物としては導電性高分子として知られる材料
や、正孔輸送性の基を有する高分子材料があげられ、導
電性高分子が好ましい。
【0016】正孔注入層に用いる材料の具体例としては、ポ
リアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびそ
の誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニ
レンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレ
ンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、
ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造
を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子やカ
ーボンなどが例示される。
【0017】本発明〔1〕の有機EL素子に用いる正孔注入
層の陽極に接する側の部分の電気伝導度は素子の効率が
高くなるように正孔と電子の注入のバランスを考慮して
選択されるが、正孔の注入を制限する観点から、1×1
-3S/m以下が好ましく、より好ましくは10-5S/
m以下である。また、陽極と接しない側の部分の電気伝
導度は陽極に接する側の部分の電気伝導度より高いもの
を使用するが、高過ぎると、ドットマトリックス素子で
はクロストークなど発生するために、1×105S/m
以下が好ましい。より好ましくは1×10-2〜1×10
5S/mであり、さらに好ましくは1×10-2〜1×1
1S/mである。陽極に接する側の部分の電気伝導度
の、陽極に接しない側の部分の電気伝導度に対する比が
1×10-3以下であることが、正孔注入の制御性の観点
から好ましい。
【0018】また本発明〔2〕の有機EL素子に用いる正孔
注入層の陽極に接する正孔注入層の電気伝導度は素子の
効率が高くなるように正孔と電子の注入のバランスを考
慮して選択されるが、正孔の注入を制限する観点から、
1×10-3S/m以下が好ましく、より好ましくは10
-5S/m以下である。また、陽極と最も反対側に位置す
る正孔注入層の電気伝導度は陽極に接する層の電気伝導
度より高いものを使用するが、高過ぎると、ドットマト
リックス素子ではクロストークなど発生するために、1
×105S/m以下が好ましい。より好ましくは1×1
-2〜1×105S/mであり、さらに好ましくは1×
10-2〜1×101S/mである。陽極に接する正孔注
入層の電気伝導度の、陽極と最も反対側に位置する正孔
注入層の電気伝導度に対する比が1×10-3以下である
ことが、正孔注入の制御性の観点から好ましい。
【0019】本発明の正孔注入層の材料として導電性高分子
を用いる場合に、その電気伝導度を1×10-3S/m以
上1×105S/m以下とするために、該導電性高分子
に適量のイオンをドープする。ドープするイオンの種類
は、アニオンを用いる。アニオンの例としては、ポリス
チレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸
イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示される。
【0020】正孔注入層の膜厚としては、例えば10nm〜
400nmであり、20nm〜200nmが好ましい。
本発明〔2〕の有機EL素子の正孔注入層においては、
陽極に接する正孔注入層の膜厚として、5nm〜200
nmが例示され、好ましくは20nm〜150nmであ
る。陽極と最も反対側に位置する正孔注入層の膜厚とし
て、5nm〜200nmが例示され、好ましくは10n
m〜150nmである。
【0021】本発明における有機EL素子の発光層に使用す
る発光体には特に制限はなく、通常有機EL素子で使用
される低分子蛍光体、高分子蛍光体ともに使用できる
が、高分子蛍光体が好ましい。
【0022】低分子蛍光体としてはナフタレン誘導体、アン
トラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘
導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シア
ニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくは
その誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニル
シクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラ
フェニルブタジエンもしくはその誘導体などがあげられ
る。具体的には、例えば特開昭57−51781号およ
び特開昭59−194393号公報に記載されているも
のがあげられる。。
【0023】高分子蛍光体としては、固体状態で蛍光を示
し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×104〜1
×107であるものが好ましい。さらに好ましくは、固
体状態で蛍光を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量
が1×104〜1×107であり、下式(1)で示される
繰り返し単位を少なくとも一種類含むものが好ましい。
【化2】 −Ar1−(CR1=CR2k− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、隣接する2つの基とそれぞれ炭素
−炭素結合を形成する2価の基であり、共役に関与する
炭素原子の数が6個以上60個以下からなるアリーレン
基、または共役に関与する炭素原子の数が4個以上60
個以下からなる複素環化合物基であるものを示し、該ア
リーレン基、複素環化合物基は置換基を有していてもよ
い。 またR1、R2は、それぞれ独立に水素原子、炭素
数1〜20の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、
炭素数6〜60のアリール基、炭素数4〜60の複素環
化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示
し、該アリール基、複素環化合物基は置換基を有してい
てもよい。kは0または1である。〕 ここで、上式(1)で示される繰り返し単位の合計が全
繰り返し単位の50モル%以上であるものが好ましく、
90モル%以上であるものがさらに好ましい。さらに、
上式(1)で示されるが、異なる構造の繰り返し単位を
2種類以上含む共役系高分子蛍光体も本発明に含まれ
る。
【0024】本発明の有機EL素子においては、高分子蛍光
体に、低分子化合物からなる発光材料を混合して使用し
てもよい。上記高分子蛍光体以外の発光材料を含む発光
層が、上記高分子蛍光体を含む発光層と積層されていて
もよい。
【0025】Ar1としては、高分子蛍光体の蛍光特性を損
なわないように選択すればよく、具体的な例としては以
下に例示される二価の基があげられる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜20の直
鎖状、分岐状または環状のアルキル基、炭素数1〜20
の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を持つアルコ
キシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状の
アルキル基を持つアルキルチオ基、炭素数1〜60のモ
ノ、ジまたはトリアルキルシリル基、炭素数1〜40の
モノまたはジアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリ
ール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数7
〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリー
ルアルコキシ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル
基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数6
〜60のモノアリールアミノ基またはジアリールアミノ
基(以下、モノまたはジアリールアミノ基ということが
ある)、炭素数2〜60の複素環化合物基ならびにシア
ノ基からなる群から選ばれる置換基をあらわし、アリー
ル基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリー
ルアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアル
キニル基、モノまたはジアリールアミノ基および複素環
化合物基はさらに置換基を有していてもよい。
【0041】上記の例において、1つの構造式中に複数のR
を有しているが、それらは同一であってもよいし、異な
る基であってもよく、それぞれ独立に選択される。ま
た、Ar1の置換基の炭素原子は、酸素原子または硫黄
原子と置き換えられていてもよいし、Ar1の置換基の
一つ以上の水素原子はフッ素原子に置き換えられていて
もよい。
【0042】溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子で
ない置換基を少なくとも1つ以上有していることが好ま
しく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性
が少ないことが好ましい。
【0043】さらに、Rは−X−RとしてAr1に結合して
もよい。この時、Xは−O−,−S−、−CR34−、
−SiR56−、―NR7−、−CO−、−COO−、
−SO2−、−CR8=CR9−、および−C≡C−から
なる群から選ばれる基を示すが、−O−,−S−、−C
10=CR11−、および−C≡C−が好ましく、−O−
がさらに好ましい。R3からR11は、それぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状の
アルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数4〜
60の複素環化合物基およびシアノ基からなる群から選
ばれる基を示し、アリール基および複素環化合物基はさ
らに置換基を有していてもよい。
【0044】Rの具体的な例として、炭素数1〜20の直鎖
状、分岐状または環状のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノ
ニル基、シクロドデシル基などが例示され、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシ
ル基が好ましい。
【0045】炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状の
アルキル基を持つアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピル
オキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキ
シ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基、シクロプロ
ピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチル
オキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオ
キシ基などが例示され、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、シクロヘ
キシルオキシ基、が好ましい。
【0046】炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状の
アルキル基を持つアルキルチオ基としては、メチルチオ
基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロ
ピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ
基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシ
ルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチ
オ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基、シクロプロピル
チオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、
シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基などが例
示され、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチ
オ基、デシルチオ基、シクロヘキシルチオ基が好まし
い。
【0047】炭素数1〜60のモノ、ジまたはトリアルキル
シリル基としては、モノメチルシリル基、ジメチルシリ
ル基、トリメチルシリル基、モノエチルシリル基、ジエ
チルシリル基、トリエチルシリル基、モノプロピルシリ
ル基、ジプロピルシリル基、トリプロピルシリル基、モ
ノブチルシリル基、ジブチルシリル基、トリブチルシリ
ル基、モノペンチルシリル基、ジペンチルシリル基、ト
リペンチルシリル基、モノヘキシルシリル基、ジヘキシ
ルシリル基、トリヘキシルシリル基、モノへプチルシリ
ル基、ジへプチルシリル基、トリへプチルシリル基、モ
ノオクチルシリル基、ジオクチルシリル基、モノオクチ
ルシリル基、ジオクチルシリル基、トリオクチルシリル
基、モノノニルシリル基、ジノニルシリル基、トリノニ
ルシリル基、モノデシルシリル基、ジデシルシリル基、
トリデシルシリル基、モノラウリルシリル基、ジラウリ
ルシリル基、トリラウリルシリル基、エチルジメチルシ
リル基、プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシ
リル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチル
シリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチ
ルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチル
シリル基、ラウリルジメチルシリル基などが例示され、
トリペンチルシリル基、トリヘキシルシリル基、トリオ
クチルシリル基、トリデシルシリル基、ペンチルジメチ
ルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメ
チルシリル基、デシルジメチルシリル基が好ましい。
【0048】炭素数1〜40のモノまたはジアルキルアミノ
基としては、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、
モノエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノプロピル
アミノ基、ジプロピルアミノ基、モノブチルアミノ基、
ジブチルアミノ基、モノペンチルアミノ基、ジペンチル
アミノ基、モノヘキシルアミノ基、ジヘキシルアミノ
基、モノヘプチルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、モノ
オクチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、モノノニルア
ミノ基、ジノニルアミノ基、モノデシルアミノ基、ジデ
シルアミノ基、モノラウリルアミノ基、ジラウリルアミ
ノ基などが例示され、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミ
ノ基、オクチルアミノ基、デシルアミノ基、ジペンチル
アミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジオクチルアミノ基、
ジデシルアミノ基が好ましい。
【0049】炭素数7〜60のアリールアルコキシ基として
は、フェニル−C1〜C12アルコキシ基(C1〜C12は、
炭素数1〜12であることを示す。以下も同様であ
る。)、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アル
コキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アル
コキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2
−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、
フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキ
シフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキ
ルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。炭素
数6〜60のアリール基としては、フェニル基、ナフチ
ル基、アンスリル基、ピレニル基、ペリレニル基などが
例示され、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ
基、C 6〜C20アリール基をさらに置換基として有して
いてもよく、C1〜C12アルコキシ基を有するフェニル
基、C1〜C12アルキル基を有するフェニル基が好まし
い。
【0050】炭素数6〜60のアリールオキシ基としては、
フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基
などが例示され、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アル
コキシ基、C6〜C20アリール基をさらに置換基として
有していてもよく、C1〜C12アルコキシ基を有するフ
ェノキシ基、C1〜C12アルキル基を有するフェノキシ
基が好ましい。
【0051】炭素数7〜60のアリールアルキル基として
は、フェニル−C1〜C12アルキル基、ナフチル−C1
12アルキル基、アンスリル−C1〜C12アルキル基な
どが例示され、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコ
キシ基、C6〜C20アリール基をさらに置換基として有
していてもよく、C1〜C12アルコキシ基を有するフェ
ニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキル基を有
するフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
【0052】炭素数7〜60のアリールアルコキシ基として
は、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、ナフチル−C1
〜C12アルコキシ基、アンスリル−C1〜C12アルコキ
シ基などが例示され、C1〜C12アルキル基、C1〜C12
アルコキシ基、C6〜C2 0アリール基をさらに置換基と
して有していてもよく、C1〜C12アルコキシ基を有す
るフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキ
ル基を有するフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ま
しい。
【0053】炭素数8〜60のアリールアルケニル基として
は、フェニルエテニル基、ナフチルエテニル基、アンス
リルエテニル基、ピレニルエテニル基などが例示され、
1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C6
20アリール基をさらに置換基として有していてもよ
く、フェニルエテニル基、C1〜C12アルコキシ基を有
するフェニルエテニル基、C1〜C12アルキル基を有す
るフェニルエテニル基が好ましい。
【0054】炭素数8〜60のアリールアルキニル基として
は、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、アンス
リルエチニル基、ピレニルエチニル基などが例示され、
1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C6
20アリール基をさらに置換基として有していてもよ
く、フェニルエチニル基、C1〜C12アルコキシ基を有
するフェニルエチニル基、C1〜C12アルキル基を有す
るフェニルエチニル基が好ましい。
【0055】炭素数6〜60のモノまたはジアリールアミノ
基としては、モノフェニルアミノ基、C1〜C12アルキ
ル−フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モノナフ
チルアミノ基、C1〜C12アルキル−ナフチルアミノ
基、ジナフチルアミノ基、フェニルナフチルアミノ基な
どが例示され、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコ
キシ基、C6〜C20アリール基をさらに置換基として有
していてもよく、C1〜C12アルキルフェニルアミノ
基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ま
しい。。
【0056】炭素数2〜60の複素環化合物基としては、ピ
ロリル基、ピリジル基、ピペラジル基、キノリル基、キ
ノキサリル基、インドリル基、カルバゾイル基、フリル
基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、
ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、オキサジアゾ
リル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、チオジアゾ
リル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾジアゾリル基、
シロリル基、ベンゾシロリル基などが例示され、C1
12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C6〜C20
リール基をさらに置換基として有していてもよく、チエ
ニル基、C1 〜C12アルキル基を有するチエニル基、ピ
リジル基、C1〜C12アルキル基を有するピリジル基が
好ましい。
【0057】Ar1の置換基の例のうち、アルキル鎖を含む
置換基においては、それらは直鎖、分岐または環状のい
ずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖
でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシ
ル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル
基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例
示される。高分子蛍光体の溶媒への溶解性を高めるため
には、Ar1の置換基のうちの1つ以上に環状または分
岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。また、
2つのアルキル鎖の先端が連結されて環を形成していて
もよい。さらに、アルキル鎖の一部の炭素原子がヘテロ
原子を含む基で置き換えられていてもよく、それらのヘ
テロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子など
が例示される。
【0058】さらに、Ar1の置換基の例のうち、アリール
基や複素環化合物基をその一部に含む場合は、それらが
さらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
【0059】R1〜R11が、水素原子またはシアノ基以外の
置換基である場合について述べると、炭素数1〜20の
直鎖状、分岐状または環状のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノ
ニル基、シクロドデシル基などが例示され、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシ
ル基が好ましい。
【0060】炭素数6〜60のアリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、ペリレ
ニル基などが例示され、C1〜C12アルキル基、C1〜C
12アルコキシ基、C6〜C20アリール基をさらに置換基
として有していてもよく、フェニル基、C1〜C12アル
キル基を有するフェニル基が好ましい。
【0061】炭素数2〜60の複素環化合物基としては、ピ
ロリル基、ピリジル基、ピペラジル基、キノリル基、キ
ノキサリル基、インドリル基、カルバゾイル基、フリル
基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、
ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、オキサジアゾ
リル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、チオジアゾ
リル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾジアゾリル基、
シロリル基、ベンゾシロリル基などが例示され、C1
12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C6〜C20
リール基をさらに置換基として有していてもよく、チエ
ニル基、C1 〜C12アルキル基を有するチエニル基、ピ
リジル基、C1〜C12アルキル基を有するピリジル基が
好ましい。
【0062】また、高分子蛍光体の末端基は、重合活性基が
そのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿
命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されて
いてもよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有し
ているものが好ましく、例えば、ビニレン基を介してア
リール基または複素環化合物基と結合している構造が例
示される。具体的には、特開平9−45478号公報の
化10に記載の置換基等が例示される。
【0063】該蛍光体の合成法としては、主鎖にビニレン基
を有する場合には、例えば特開平5−202355号公
報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ジアルデヒド
化合物とジホスホニウム塩化合物との重合やジアルデヒ
ド化合物とジ燐酸エステル化合物とのHorner−W
adsworth−Emmons法による重合などのW
ittig反応による重合、ジビニル化合物とジハロゲ
ン化合物とのもしくはビニルハロゲン化合物単独でのH
eck反応による重合、ハロゲン化メチル基を2つ有す
る化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニ
ウム塩基を2つ有する化合物のスルホニウム塩分解法に
よる重縮合、ジアルデヒド化合物とジアセトニトリル化
合物とのKnoevenagel反応による重合などの
方法が例示される。これらのうち、特開平3−2446
30号公報に開示されている、Wittig反応による
重合、脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウム
塩分解法による重縮合が、実施が容易である。
【0064】また、主鎖にビニレン基を有しない場合には、
例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング
反応により重合する方法、Grignard反応により
重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法、F
eCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に
酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間
体高分子の分解による方法などが例示される。より具体
的には、特開平6−73374号公報、WO99/20
675号公報、WO99/48160号公報に記載の材
料が例示される。
【0065】また、該高分子蛍光体は、交互、ランダム、ブ
ロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それ
らの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を
帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収
率の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム
共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブ
ロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分
かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマー
も含まれる。
【0066】また、薄膜からの発光を利用するので該高分子
蛍光体は、固体状態で蛍光を有するものが好適に用いら
れる。該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロ
フラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリ
ン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0067】該高分子蛍光体は、数平均分子量がポリスチレ
ン換算で1×104〜1×107であり、それらの重合度
は、繰り返し構造やその割合によっても変わる。成膜性
の点から一般には繰り返し構造の合計数が、好ましくは
20〜10000、さらに好ましくは30〜1000
0、特に好ましくは50〜5000である。
【0068】発光層の膜厚としては、用いる材料によって最
適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるよ
うに選択すればよいが、例えば1nmから1μmであ
り、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ま
しくは5nm〜200nmである。
【0069】これらの高分子蛍光体を有機EL素子の発光材
料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与え
るため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等
の方法で精製したのちに重合することが好ましく、また
合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の
純化処理をすることが好ましい。
【0070】本発明において、電子注入層を設けた有機EL
素子としては、陰極に隣接して電子注入層を設けた有機
EL素子があげられる。使用される電子注入層の具体的
な例としては、陰極と発光層との間や陰極と電子輸送層
との間に設けられ、陰極材料と発光材料との、あるいは
陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間
の値の電子親和力を有する材料を含む層、導電性高分子
を含む層、ドープした電子輸送製材料層や2nm以下の
絶縁薄膜などが例示される。
【0071】上記電子注入層が導電性高分子を含む層の場
合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-3S/m以上
105S/m以下であることが好ましく、発光画素間の
リーク電流を小さくするためには、10-3S/m以上1
4S/m以下がより好ましく、10-3S/m以上103
S/m以下がさらに好ましい。通常は該導電性高分子の
電気伝導度を10-3S/m以上105S/m以下とする
ために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0072】導電性高分子や電子輸送材料にドープするイオ
ンの種類は、金属イオンやアンモニウムイオンである。
これらのイオンの例としては、リチウムイオン、ナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウ
ムイオンなどが例示される。ドープする方法としては、
導電性高分子では金属と蒸気で接触させる方法や電気化
学的にドーピングする方法、また、電子輸送材料では共
蒸着する方法が例示される。電子注入層の膜厚として
は、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50n
mが好ましい。
【0073】電子注入層に用いる導電性高分子は、電極や隣
接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリア
ニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘
導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレン
ビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンお
よびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリ
キノキサリンおよびその誘導体が例示される。
【0074】ドープした電子輸送材料層として用いることが
できる電子輸送材料は、オキサジアゾール誘導体、ベン
ゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくは
その誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはそ
の誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導
体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオ
レンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェ
ニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノ
ン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、バソク
プロイン、バソフェナンスロリン、フラーレン、カーボ
ン、ポリキノリンが例示される。好ましくは8−ヒドロ
キシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、バソクプ
ロイン、バソフェナンスロリン、フラーレンおよびカー
ボンである。
【0075】膜厚2nm以下の絶縁層は電子注入を容易にす
る機能を有するものである。該絶縁層の材料としては、
金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等があげられ
る。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた有機EL素子とし
ては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた
有機EL素子、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層
を設けた有機EL素子があげられる。
【0076】本発明の有機EL素子が正孔輸送層を有する場
合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカル
バゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその
誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリ
シロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン
誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導
体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導
体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導
体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしく
はその誘導体などが例示される。
【0077】具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭6
3−70257号公報、同63−175860号公報、
特開平2−135359号公報、同2−135361号
公報、同2−209988号公報、同3−37992号
公報、同3−152184号公報に記載されているもの
等が例示される。
【0078】これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材
料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導
体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖
に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導
体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)
もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレン
ビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料
が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール
もしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、
側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサ
ン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高
分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0079】ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体
は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジ
カル重合によって得られる。
【0080】ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミ
カル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、13
59頁(1989年)、英国特許GB2300196号
公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法も
これらに記載の方法を用いることができるが、特にキッ
ピング法が好適に用いられる。
【0081】ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキ
サン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖
または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するも
のが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミン
を側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0082】正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分
子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液か
らの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸
送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0083】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸
送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶
媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等の
エステル系溶媒が例示される。
【0084】溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピ
ンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコー
ト法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート
法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレ
ーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフ
セット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を
用いることができる。
【0085】混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送
を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対す
る吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バ
インダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等
が例示される。
【0086】正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によっ
て最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値とな
るように選択すればよいが、少なくともピンホールが発
生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子
の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸
送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、
好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましく
は5nm〜200nmである。
【0087】本発明の有機EL素子が電子輸送層を有する場
合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用
でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン
もしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導
体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノン
もしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタ
ンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニ
ルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノ
ン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその
誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、
ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレン
もしくはその誘導体等が例示される。
【0088】具体的には、特開昭63−70257号公報、
同63−175860号公報、特開平2−135359
号公報、同2−135361号公報、同2−20998
8号公報、同3−37992号公報、同3−15218
4号公報に記載されているもの等が例示される。
【0089】これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベン
ゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくは
その誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはそ
の誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導
体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオ
レンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェ
ニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノ
ン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキ
ノリンがさらに好ましい。
【0090】電子輸送層の成膜法としては特に制限はない
が、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、
または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、
高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜
による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態
からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよ
い。
【0091】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸
送材料および/または高分子バインダーを溶解させるも
のであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホル
ム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、
エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示
される。
【0092】溶液または溶融状態からの成膜方法としては、
スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア
コート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコ
ート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、ス
プレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、
オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布
法を用いることができる。
【0093】混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送
を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対
する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子
バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、
ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもし
くはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もし
くはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)
もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリシロ
キサンなどが例示される。
【0094】電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によっ
て最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値とな
るように選択すればよいが、少なくともピンホールが発
生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子
の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸
送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、
好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましく
は5nm〜200nmである。
【0095】本発明の有機EL素子を形成する基板は、電極
を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないもので
あればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィ
ルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の
場合には、反対の電極が透明または半透明であることが
好ましい。
【0096】本発明において、陽極が透明または半透明であ
ることが好ましいが、該陽極の材料としては、導電性の
金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体
的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、および
それらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド
(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる
導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)
や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウ
ム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、メッキ法等があげられる。また、該陽極
として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフ
ェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用い
てもよい。
【0097】陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考
慮して、適宜選択することができるが、例えば10nm
から10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであ
り、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0098】また、陽極と、本発明の正孔注入層との間に電
荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、カ
ーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ
化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層
を設けてもよい。
【0099】本発明の有機EL素子で用いる陰極の材料とし
ては、仕事関数の小さい材料が好ましい。上記アルカリ
金属またはアルカリ金属を含む合金を用いることができ
るがそれ以外の金属として、例えば、ベリリウム、マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ア
ルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イット
リウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピ
ウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、および
それらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1
つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバ
ルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との
合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が
用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合
金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−ア
ルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−ア
ルミニウム合金などがあげられる。陰極を2層以上の積
層構造としてもよい。
【0100】陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮し
て、適宜選択することができるが、例えば10nmから
10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、
さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0101】陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等
が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性
高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化
物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を
設けてもよく、陰極作製後、該有機EL素子を保護する
保護層を装着していてもよい。該有機EL素子を長期安
定的に用いるためには、素子を外部から保護するため
に、保護層および/または保護カバーを装着することが
好ましい。
【0102】該保護層としては、高分子化合物、金属酸化
物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることがで
きる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低
透水率処理を施したプラスチック板などを用いることが
でき、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と
貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペー
サーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防
ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような
不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止すること
ができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設
置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメ
ージを与えるのを抑制することが容易となる。これらの
うち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0103】本発明の有機EL素子を用いて面状の発光を得
るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置
すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、
前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマ
スクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く
形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のい
ずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する
方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成
し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように
配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表
示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更
に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰
極をともにストライプ状に形成して直交するように配置
すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体
を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換
フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マル
チカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子
は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合
わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子
は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カー
ナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーな
どの表示装置として用いることができる。
【0104】さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型で
あり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、ある
いは面状の照明用光源として好適に用いることができ
る。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光
源や表示装置としても使用できる。
【0105】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。ここで、数平均分子量については、クロロホルム
を溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を
求めた。
【0106】参考合成例1 <正孔注入材料の合成>特開昭59―199745号公
報の記載に従い、p−キシリレン−ビス(ジエチルスル
ホニウムブロミド)を水溶液中、水酸化ナトリウム水溶
液を滴下して重合し、ポリ−p−フェニレンビニレン
(以下PPV)の中間体水溶液(PPV中間体1)を得
た。さらに、p−キシリレン−ビス(テトラメチレンス
ルホニウムクロリド)を用いて同様に重合し、PPV中
間体2を得た。
【0107】参考合成例2 <高分子蛍光体1の合成>4−ビス(クロロメチル)−
2−{4’−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェ
ニル}ベンゼン0.41gと1,4−ビス(ブロムメチ
ル)−2−(ジメチルオクチルシリル)ベンゼン0.1
84gと2−メチル−5−(3,7−ジメチルオクチ
ル)−p−キシリレンジブロミド0.18gと2−メト
キシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−p−キシリ
レンジクロライド0.0533gとを、1,4−ジオキ
サン(脱水)200gに溶解した。この溶液を、20分
間窒素バブリングすることで系内を窒素置換した後、窒
素雰囲気中、95℃まで昇温した。次にこの溶液に、あ
らかじめ、カリウム−t−ブトキシド 1.1gを1,
4−ジオキサン(脱水)30mlに溶解し、窒素ガスで
バブリングすることで、窒素ガス置換した溶液を、約1
0分間で滴下した。滴下後、引き続き95℃で2時間反
応した。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
【0108】次に、この溶液を冷却した後、酢酸を加え中和
した。この溶液に、メタノールを加え、生成した沈殿を
回収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した後、
減圧乾燥して、重合体0.40gを得た。次に、この沈
殿をTHF約120gに溶解した後、この溶液に、メタ
ノールを加える方法で、再沈精製した。得られた沈殿
を、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体
0.36gを得た。得られた重合体を高分子蛍光体1と
呼ぶ。該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分
子量は、1.2×105であった。
【0109】実施例1 スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けた
ガラス基板に、参考合成例1で得たPPV中間体1の溶
液を一部濃縮したのち、スピンコートした。これを窒素
気流下で200℃で1時間30分間熱処理し、PPVの
構造を有する層を形成した。この層の上に、ポリ(3,
4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホ
ン酸(Bayer製、Bytron P TP AI 40
83)の懸濁液を、スピンコートにより約50nmの厚
みで成膜し、120゜Cで10分間乾燥して層を形成し、
2層からなる正孔注入層を作成した。さらに、その上
に、上記高分子蛍光体1のトルエン溶液をスピンコート
により約80nmの厚みで発光層を成膜した。さらに、
これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、5×10-5
aに真空度が到達したのち、0.5%のLiを含有する
AL−Li合金を50nm蒸着して、有機EL素子を作
製した。得られた素子に窒素気流下で電圧を印加したと
ころ、黄色のEL発光が観測された。窒素気流下、電圧
を印加し、電流と輝度を測定して、発光効率を求めたと
ころ、2.3Vで1cd/m2を越え、3.9Vで1
7.6cd/Aの効率を示した。なお、同一条件でガラ
ス板上で得たPPV膜とポリ(3,4)エチレンジオキ
シチオフェン/ポリスチレンスルホン酸膜はそれぞれ、
約72nmと51nmであった。また、このときの電気
伝導度を電極長1.25cm、電極間隔0.32cmの
表面伝導型セルで測定したところ、PPV膜は4.2×
10-7S/m、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフ
ェン/ポリスチレンスルホン酸膜は6.6×10-1S/
mであった。
【0110】実施例2 実施例1と同様にPPV中間体2の溶液を用いて、2層
の正孔注入層と高分子蛍光体1を有する有機EL素子を
作製した。得られた素子に窒素気流下で電圧を印加した
ところ、黄色のEL発光が観測された。窒素気流下、電
圧を印加し、電流と輝度を測定して、発光効率を求めた
ところ、2.3Vで1cd/m2を越え、4.3Vで1
6.9cd/Aの効率を示した。なお、PPV中間体2
の溶液から製膜され、200℃の熱処理で得られる薄膜
はPPV中間体1から得られるPPVとほぼ同様の構造
を有しており、同様の電気伝導度を示す。
【0111】比較例1 実施例1と同様にPPV中間体2の溶液から、PPV膜
を製膜した後に、高分子蛍光体1を製膜して、有機EL
素子を作製した。得られた素子に窒素気流下で電圧を印
加したところ、黄色のEL発光が観測された。窒素気流
下、電圧を印加し、電流と輝度を測定して、発光効率を
求めたところ、2.6Vで1cd/m2を越え、3.3
Vで7.1cd/Aの効率を示した。
【0112】比較例2 実施例1でPPV膜を製膜することなしに、ポリ(3,
4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホ
ン酸を製膜し、熱処理後に、高分子蛍光体1を製膜し
て、有機EL素子を作製した。得られた素子に窒素気流
下で電圧を印加したところ、黄色のEL発光が観測され
た。窒素気流下、電圧を印加し、電流と輝度を測定し
て、発光効率を求めたところ、2.3Vで1cd/m2
を越え、3.1Vで12.8cd/Aの効率を示した。
【0113】
【発明の効果】本発明の有機EL素子は、有機EL素子
の特徴を維持しつつ、発光効率が高いことから、バック
ライトとしての面状光源,フラットパネルディスプレイ
等の装置として好ましく使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB06 BA06 CA01 CA03 CA05 CA06 CB01 CB03 DB03 EB00 FA01 5G435 AA03 AA04 AA16 BB05 CC05 CC09 EE26 LL04 LL07 LL08 LL14 LL17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも正
    孔注入層と発光層とを有する有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子において、該正孔注入層は陽極に接しており、
    該正孔注入層の陽極に接する側の部分の電気伝導度が陽
    極に接しない側の部分の電気伝導度より低いことを特徴
    とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】正孔注入層の陽極に接する側の部分の電気
    伝導度の、陽極に接しない側の部分の電気伝導度に対す
    る比が1×10-3以下であることを特徴とする請求項1
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも正
    孔注入層と発光層とを有する有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子において、該正孔注入層は、少なくとも2層の
    正孔注入層を有し、これらのうち1層は陽極に接する正
    孔注入層であり、該陽極に接する正孔注入層の電気伝導
    度が、該陽極と最も反対側に位置する正孔注入層の電気
    伝導度より低いことを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  4. 【請求項4】陽極に接する正孔注入層の電気伝導度の、陽
    極と最も反対側に位置する正孔注入層の電気伝導度に対
    する比が1×10-3以下であることを特徴とする請求項
    3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】発光層が、固体状態で蛍光を有し、ポリス
    チレン換算の数平均分子量が1×104〜1×107であ
    り、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を少なく
    とも一種類含む高分子蛍光体を含有することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子。 【化1】 −Ar1−(CR1=CR2k− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、隣接する2つの基とそれぞれ炭素
    −炭素結合を形成する2価の基であり、共役に関与する
    炭素原子の数が6個以上60個以下からなるアリーレン
    基、または共役に関与する炭素原子の数が4個以上60
    個以下からなる複素環化合物基であるものを示し、該ア
    リーレン基、複素環化合物基はさらに置換基を有してい
    てもよい。またR2、R3は、それぞれ独立に水素原子、
    炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状のアルキル
    基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数4〜60の複
    素環化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基
    を示し、該アリール基、複素環化合物基はさらに置換基
    を有していてもよい。kは0または1である。〕
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする面
    状光源。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とするセ
    グメント表示装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とするド
    ットマトリックス表示装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子をバックライトとすることを
    特徴とする液晶表示装置。
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