JP2014003247A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】輝度寿命に優れる有機EL素子を提供する。
【解決手段】発光層は、特定構造を有する高分子化合物Iと、特定構造を有する高分子化合物IIと、を含む組成物を含むか、特定構造を有するブロック型共重合体である高分子化合物IIIを含み、正孔注入層又は正孔輸送層は、特定構造の構成単位を10mol%以上有する高分子化合物IVと、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位(a)、アズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位(b)及びスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位(c)からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を含む高分子化合物Vと、を含む組成物を含むか、特定構造の構成単位を10mol%以上と、前記構成単位(a)〜(c)からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位とを有する高分子化合物VIを含む、有機EL素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、次世代ディスプレイとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という。)を用いた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、「有機ELディスプレイ」という。)が注目されている。この有機EL素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層を備える。有機EL素子は、低分子有機材料を用いて得られる場合と、高分子有機材料を用いて得られる場合とがある。
高分子有機材料を主な材料として使用する場合、インクジェット印刷法やスピンコート法等の塗布法を使用した際に、膜質、厚さが均一な膜を容易に形成することができるため、大型の有機ELディスプレイを製造する場合に、特に有利である。よって、高分子有機材料を有機EL素子に用いることが提案されている(特許文献1参照)。さらに、高分子有機材料を有機EL素子に用いる際に、素子の特性を向上させる目的で、高分子有機材料からなる正孔輸送層及び発光層を用いることが提案されている(特許文献2参照)。
国際公開第99/054385号 国際公開第2005/052027号
しかしながら、従来の高分子有機材料を有機EL素子に用いる場合、有機EL素子の輝度寿命が十分であるとはいえなかった。
そこで、本発明は、輝度寿命に優れる有機EL素子を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記[1]〜[6]を提供する。
[1] 陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた発光層と、陽極及び発光層の間に設けられた正孔注入層又は正孔輸送層と、を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
発光層は、下記式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を有する高分子化合物Iと、下記式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物IIと、を含む組成物を含むか、又は、下記式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位と、下記式(1)で表される構成単位と、を有するブロック型共重合体である高分子化合物IIIを含み、
前記正孔注入層又は正孔輸送層は、下記式(B)で表される構成単位を10mol%以上有する高分子化合物IVと、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位、下記式(2)で表されるアズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位及び下記式(3)で表されるスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を含む高分子化合物Vと、を含む組成物を含むか、又は、下記式(B)で表される構成単位を10mol%以上と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位、下記式(2)で表されるアズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位及び下記式(3)で表されるスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位と、を有する高分子化合物VIを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014003247
(式(A)、(B)及び(C)中、
Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。
Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。
は、−CR=CR−で表される基又は−C≡C−で表される基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。
aは、0又は1を表す。)
−[−(Y)−Z−]− (1)

(式(1)中、
Yは、下記式(Y−1)又は下記式(Y−2)で表される構造から、水素原子を2個除いた2価の基を表す。
Zは、下記式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基を表す。
mは4〜10000の整数を表す。nは1〜3の整数を表す。
複数個あるY、Z及びnは、各々、同一であっても異なっていてもよい。
Y及びZが有する水素原子は、R’で置換されていてもよく、R’は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、ハロゲン原子を表す。R’が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、複数個のR’は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子又は窒素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
Figure 2014003247
Figure 2014003247
(式(Z−1)〜式(Z−8)中、
Xは、−CH=で表される基又はN=で表される基を表す。複数個あるXは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Xとしての−N=で表される基の数は、0〜2である。
は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個のRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
Figure 2014003247
(式(2)中、
は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子を表す。前記官能基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2014003247
(式(3)中、
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。
Ar及びArは、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar及びArはそれぞれ、隣り合うRと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。)
[2] 前記Yが、下記式(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)又は(Y−6)で表される2価の基である、[1]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014003247
(式(Y−3)〜(Y−6)中、
R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよい。複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。)
[3] 前記Zが、下記式(Z−9)、(Z−10)、(Z−11)、(Z−12)、(Z−13)、(Z−14)、(Z−15)、(Z−16)、(Z−17)、(Z−18)、(Z−19)又は(Z−20)で表される2価の基である、[1]又は[2]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014003247
(式(Z−9)〜(Z−20)中、
R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。複数個あるRは互いに結合して環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
[4] 前記Zが、前記式(Z−11)、(Z−15)又は(Z−17)で表される2価の基である、[3]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[5] 前記式(A)で表される構成単位が、それぞれ独立に、下記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、又は(1e)で表される構成単位である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014003247
(式(1a)〜(1e)中、
R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
[6] 前記高分子化合物IV、高分子化合物V又は高分子化合物VIが、架橋基を有する構成単位を含む、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、輝度寿命に優れる有機EL素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、tert−ブチル基を「t−Bu」、フェニル基を「Ph」とそれぞれ表記する場合がある。
[用語の説明]
以下、本明細書において共通して用いられる用語について、必要に応じて具体例を挙げて説明する。
「構成単位」という用語は、高分子化合物の分子鎖に存在する原子又は原子団を表し、「構成連鎖」という用語は、1種以上の複数個の構成単位を所定の順序で含むように連結した分子鎖を表す。
「ハロゲン原子」という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を意味する。
「C〜C」(p、qはp<qを満たす正数である)という用語は、この用語の直後に記載された官能基名に該当する部分構造の炭素原子数が、p〜qであることを意味する。すなわち、「C〜C」の直後に記載された有機基が、複数の官能基名を組み合わせて命名された有機基(例えば、C〜Cアルコキシフェニル基)である場合、複数の官能基名のうち「C〜C」の直後に記載された官能基名(例えば、アルコキシ)に該当する部分構造の炭素原子数が、p〜qであることを意味する。例えば、「C〜C12アルキル基」は炭素原子数が1〜12個であるアルキル基を意味し、「C〜C12アルコキシフェニル基」は「炭素原子数が1〜12であるアルコキシ基」を有するフェニル基を意味する。
「アルキル基」という用語は、置換基を有していてもよい、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基及び環状アルキル基(シクロアルキル基)のいずれかを意味する。アルキル基としては、直鎖状アルキル基又は環状アルキル基が好ましく、ハロゲン原子等で置換されていてもよいアルキル基が好ましい。
ここで「置換基」という用語は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基、1価の複素環チオ基及びハロゲン原子等を意味する。
これらの置換基に含まれ得る水素原子のうちの一部又は全部は、フッ素原子で置換されていてもよい。また、置換基が炭素鎖を有する場合の置換基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましい。
アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜20(分岐状アルキル基および環状アルキル基の場合、好ましくは3〜20)であり、より好ましくは1〜15(分岐状アルキル基および環状アルキル基の場合、好ましくは3〜15)であり、さらに好ましくは1〜12(分岐状アルキル基および環状アルキル基の場合、好ましくは3〜12)である。置換基を有していてもよいアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、アリールアルキル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基及びパーフルオロオクチル基等が挙げられる。
「アリールアルキル基」という用語は、置換基を有していてもよく、好ましくは、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリールアルキル基を意味する。アリールアルキル基の炭素原子数は、好ましくは7〜60であり、より好ましくは7〜48であり、さらに好ましくは7〜30である。
置換基を有していてもよいアリールアルキル基の例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基及び2−ナフチル−C〜C12アルキル基等が挙げられる。
「アルコキシ基」という用語は、置換基を有していてもよい、直鎖状アルコキシ基、分岐状アルコキシ基又は環状アルコキシ基(シクロアルコキシ基)のいずれかを意味する。アルコキシ基としては、直鎖状アルコキシ基又は環状アルコキシ基が好ましく、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアルコキシ基が好ましい。
アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜20(分岐状アルコキシル基および環状アルコキシ基の場合、好ましくは3〜20)であり、より好ましくは1〜15(分岐状アルコキシル基および環状アルコキシ基の場合、好ましくは3〜15)であり、さらに好ましくは1〜12(分岐状アルコキシル基および環状アルコキシ基の場合、好ましくは3〜12)である。
置換基を有していてもよいアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、アリールアルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基及び2−メトキシエチルオキシ基等が挙げられる。
「アリールアルコキシ基」という用語は、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基を意味している。アリールアルコキシ基は、好ましくはハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリールアルコキシ基である。アリールアルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは7〜60であり、より好ましくは7〜48であり、さらに好ましくは7〜30である。
置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基の例としては、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基及び2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基等が挙げられる。
「アルキルチオ基」という用語は、置換基を有していてもよい、直鎖状アルキルチオ基、分岐状アルキルチオ基及び環状アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基)のいずれかを意味する。アルキルチオ基としては、直鎖状アルキルチオ基又は環状アルキルチオ基が好ましく、ハロゲン原子等で置換されていてもよいアルキルチオ基が好ましい。
アルキルチオ基の炭素原子数は、好ましくは1〜20(分岐状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基の場合、好ましくは3〜20)であり、より好ましくは1〜15(分岐状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基の場合、好ましくは3〜15)であり、さらに好ましくは1〜12(分岐状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基の場合、好ましくは3〜12)である。置換基を有していてもよいアルキルチオ基の例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、アリールアルキルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ドデシルチオ基及びトリフルオロメチルチオ基等が挙げられる。
「アリールアルキルチオ基」という用語は、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基を意味する。アリールアルキルチオ基は、好ましくはハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されたアリールアルキルチオ基である。アリールアルキルチオ基の炭素原子数は、好ましくは7〜60であり、より好ましくは7〜48であり、さらに好ましくは7〜30である。置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基の例としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基及び2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基等が挙げられる。
「アリール基」という用語は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合した水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基としては、芳香環のみからなるアリール基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリール基が好ましい。アリール基の例としては、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基、ベンゼン環及び/又は縮合環が2個以上、単結合又は2価の有機基(例えば、ビニレン基等のアルキレン基)を介して結合した基等が挙げられる。
アリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜48であり、さらに好ましくは6〜30である。置換基を有していてもよいアリール基の例としては、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フルオレニル基、ペンタフルオロフェニル基、ビフェニリル基、C〜C12アルコキシビフェニリル基及びC〜C12アルキルビフェニリル基等が挙げられ、中でも、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基、ビフェニリル基、C〜C12アルコキシビフェニリル基又はC〜C12アルキルビフェニリル基が好ましい。
〜C12アルコキシフェニル基の例としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、イソプロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、イソブチルオキシフェニル基、tert−ブチルオキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基又はオクチルオキシフェニル基等が挙げられる。
〜C12アルキルフェニル基の例としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基及びドデシルフェニル基等が挙げられる。
「アリールオキシ基」という用語は、置換基を有していてもよいアリールオキシ基を意味する。アリールオキシ基は、好ましくはハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリールオキシ基である。
アリールオキシ基の炭素原子数は、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜48であり、さらに好ましくは6〜30である。置換基を有していてもよいアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及びペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられ、中でもC〜C12アルコキシフェノキシ基又はC〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
〜C12アルコキシフェノキシ基の例としては、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロピルオキシフェノキシ基、イソプロピルオキシフェノキシ基、ブチルオキシフェノキシ基、イソブチルオキシフェノキシ基、tert−ブチルオキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基及びオクチルオキシフェノキシ基等が挙げられる。
〜C12アルキルフェノキシ基の例としては、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基及びドデシルフェノキシ基等が挙げられる。
「アリールチオ基」という用語は、置換基を有していてもよいアリールチオ基を意味する。アリールチオ基は、好ましくはハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリールチオ基である。アリールチオ基の炭素原子数は、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜48であり、さらに好ましくは6〜30である。置換基を有していてもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基及びペンタフルオロフェニルチオ基等が挙げられる。
「アルケニル基」という用語は、置換基を有していてもよい、直鎖状アルケニル基、分岐状アルケニル基及び環状アルケニル基のいずれかを意味する。アルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜15であり、さらに好ましくは2〜10である。置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基及びアリールアルケニル基等が挙げられる。
「アリールアルケニル基」という用語は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、好ましくはハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリールアルケニル基である。アリールアルケニル基の炭素原子数は、好ましくは8〜60、より好ましくは8〜48、さらに好ましくは8〜30である。置換基を有していてもよいアリールアルケニル基としては、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基及び2−ナフチル−C〜C12アルケニル基等が挙げられ、中でもC〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基又はC〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
「アルキニル基」という用語は、置換基を有していてもよい、直鎖状アルキニル基、分岐状アルキニル基及び環状アルキニル基のいずれかを意味する。アルキニル基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜15であり、さらに好ましくは2〜10である。置換基を有していてもよいアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、1−オクチニル基及びアリールアルキニル基等が挙げられる。
「アリールアルキニル基」という用語は、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基を意味している。アリールアルキニル基は、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基等で置換されていてもよいアリールアルキニル基である。アリールアルキニル基の炭素原子数は、好ましくは8〜60であり、より好ましくは8〜48であり、さらに好ましくは8〜30である。置換基を有していてもよいアリールアルキニル基の例としては、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基及び2−ナフチル−C〜C12アルキニル基等が挙げられ、中でもC〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基又はC〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
「1価の複素環基」という用語は、複素環式化合物から環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合した水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。1価の複素環基としては、非置換の1価の複素環基、又はアルキル基等の置換基で置換された1価の複素環基が好ましく、1価の複素環基が好ましい。1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60であり、より好ましくは3〜30であり、さらに好ましくは4〜20である。複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含む化合物をいう。置換基を有していてもよい1価の複素環基の例としては、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基及びイソキノリル基等が挙げられ、中でもチエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基又はC〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
「1価の複素環チオ基」という用語は、スルファニル基の水素原子が1価の複素環基で置換された基であり、置換基を有していてもよい。1価の複素環チオ基としては、例えば、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジニルチオ基、ピラジニルチオ基及びトリアジニルチオ基等が挙げられる。
「アミノ基」という用語は、置換基を有していてもよいアミノ基を意味する。アミノ基は、好ましくは非置換のアミノ基、又はアルキル基、アリール基及び1価の複素環基から選ばれる1個又は2個の置換基で置換されたアミノ基(以下、「置換アミノ基」という。)である。該置換基はさらに置換基(以下、官能基の有する置換基が、さらに有する置換基を、「二次置換基」という場合がある。)を有していてもよい。
置換アミノ基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜60であり、より好ましくは2〜48であり、さらに好ましくは2〜40である。二次置換基を有していてもよい置換アミノ基の例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ビス(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C〜C12アルキルフェニルアミノ基、ビス(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジニルアミノ基、ピラジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基及び2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基等が挙げられる。
「シリル基」という用語は、置換基を有していてもよいシリル基を意味する。シリル基は、好ましくは非置換のシリル基、又はアルキル基、アリール基及び1価の複素環基から選ばれる1個〜3個の置換基で置換されたシリル基(以下、「置換シリル基」という。)である。該置換基は二次置換基を有していてもよい。
置換シリル基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは1〜60であり、より好ましくは3〜48であり、さらに好ましくは3〜40である。二次置換基を有していてもよい置換シリル基の例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基及びジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
「アシル基」という用語は、置換基を有していてもよいアシル基を意味する。アシル基は、好ましくはハロゲン原子等で置換されていてもよいアシル基である。アシル基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜18であり、さらに好ましくは2〜16である。アシル基の例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基及びペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
「アシルオキシ基」という用語は、置換基を有していてもよいアシルオキシ基を意味する。アシルオキシ基は、好ましくはハロゲン原子等で置換されていてもよいアシルオキシ基である。アシルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜18であり、さらに好ましくは2〜16である。アシルオキシ基の例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基及びペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
「イミン残基」という用語は、一般式:H−CRX1=N−RY1又は一般式:H−N=C(RY1で表される構造のうちの少なくとも一方を有するイミン化合物から、上記一般式中の水素原子を除いた残基を意味する。上記一般式中、RX1は水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルケニル基又はアリールアルキニル基を表し、RY1は、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルケニル基又はアリールアルキニル基を表す。RY1が2個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、また、2個のRY1は相互に結合し一体となって2価の基、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又はヘキサメチレン基等の炭素原子数2〜18のアルキレン基として環を形成していてもよい。このようなイミン化合物としては、例えば、アルジミン、ケチミン又はアルジミン中の窒素原子に結合した水素原子が、アルキル基、アリール基、アリールアルケニル基又はアリールアルキニル基で置換された化合物が挙げられる。イミン残基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜18であり、さらに好ましくは2〜16である。イミン残基の具体例としては、以下の構造式で示される基が挙げられる。
Figure 2014003247
「アミド化合物残基」という用語は、一般式:H−NRX2−CORY2又は一般式:H−CO−N(RY2で表される構造のうちの少なくとも一方を有するアミド化合物から、上記一般式中の水素原子を除いた残基を意味する。上記一般式中、RX2及びRY2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。アミド化合物残基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜18であり、さらに好ましくは2〜16である。アミド化合物残基の例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基及びジペンタフルオロベンズアミド基等が挙げられる。
「酸イミド残基」という用語は、一般式:RX3−CO−NH−CO−RY3で表される構造を有する酸イミドから、上記一般式中の水素原子を除いた残基を意味する。上記一般式中、RX3及びRY3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表すか、又は、RX3及びRY3が互いに結合して形成される環構造を表す。酸イミド残基の炭素原子数は、好ましくは4〜20であり、より好ましくは4〜18であり、さらに好ましくは4〜16である。酸イミド残基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
Figure 2014003247
「アリーレン基」という用語は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合した水素原子2個を除いてなる原子団を意味し、独立したベンゼン環又は縮合環を有するものを含み、置換基を有していてもよい。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜48であり、さらに好ましくは6〜30であり、特に好ましくは6〜18である。アリーレン基の例としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基等のフェニレン基;2,7−ビフェニリレン基、3,6−ビフェニリレン基等のビフェニリレン基;1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基等のナフタレンジイル基;1,4−アントラセンジイル基、1,5−アントラセンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基等のアントラセンジイル基;2,7−フェナントレンジイル基等のフェナントレンジイル基;1,7−ナフタセンジイル基、2,8−ナフタセンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基等のナフタセンジイル基;2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基等のフルオレンジイル基;1,6−ピレンジイル基、1,8−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、4,9−ピレンジイル基等のピレンジイル基;3,9−ペリレンジイル基、及び3,10−ペリレンジイル基等のペリレンジイル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基である。
「2価の複素環基」という用語は、複素環式化合物から環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合した水素原子2個を除いた残りの原子団を意味し、置換基を有していてもよい。2価の複素環基としては、アルキル基等で置換されていてもよい2価の複素環基が好ましい。
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは2〜60であり、より好ましくは3〜30であり、さらに好ましくは4〜12である。2価の複素環基の例としては、2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等のピリジンジイル基;2,5−チオフェンジイル基等のチオフェンジイル基;2,5−フランジイル基等のフランジイル基;2,6−キノリンジイル基等のキノリンジイル基;1,4−イソキノリンジイル基、1,5−イソキノリンジイル基等のイソキノリンジイル基;5,8−キノキサリンジイル基等のキノキサリンジイル基;2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基等の2,1,3−ベンゾチアジアゾールジイル基;4,7−ベンゾチアゾールジイル基等のベンゾチアゾールジイル基;2,7−カルバゾールジイル基、3,6−カルバゾールジイル基等のカルバゾールジイル基;3,7−フェノキサジンジイル基等のフェノキサジンジイル基;3,7−フェノチアジンジイル基等のフェノチアジンジイル基;2,7−ジベンゾシロールジイル基等のジベンゾシロールジイル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは置換基を有していてもよい2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、置換基を有していてもよいフェノキサジンジイル基、置換基を有していてもよいフェノチアジンジイル基である。なお、2価の複素環基としては、2価の複素環基が好ましい。
「置換カルボシキル基」という用語は、カルボキシル基の水素原子が置換基で置換された基を意味する。
置換カルボキシル基の炭素原子数は、好ましくは1〜60であり、より好ましくは2〜20であり、さらに好ましくは3〜15である。置換カルボキシル基の例としては、以下に示される基が挙げられる。
Figure 2014003247
本発明の有機EL素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた発光層と、陽極及び発光層の間に設けられた正孔注入層又は正孔輸送層と、を備え、発光層は、下記式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を有する高分子化合物Iと、下記式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物IIと、を含む組成物を含むか、又は、下記式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位と、下記式(1)で表される構成単位と、を有するブロック型共重合体である高分子化合物IIIを含み、
正孔注入層又は正孔輸送層は、下記式(B)で表される構成単位を10mol%以上有する高分子化合物IVと、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位、下記式(2)で表されるアズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位及び下記式(3)で表されるスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を含む高分子化合物Vと、を含む組成物を含むか、又は、下記式(B)で表される構成単位を10mol%以上と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位、下記式(2)で表されるアズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位及び下記式(3)で表されるスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位と、を有する高分子化合物VIを含む。
Figure 2014003247
式(A)、(B)及び(C)中、
Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。
Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。
は、−CR=CR−で表される基又はC≡C−で表される基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。
aは、0又は1を表す。
−[−(Y)−Z−]− (1)

式(1)中、
Yは、下記式(Y−1)又は下記式(Y−2)で表される構造から、水素原子を2個除いた2価の基を表す。
Zは、下記式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基を表す。
mは4〜10000の整数を表す。nは1〜3の整数を表す。
複数個あるY、Z及びnは、各々、同一であっても異なっていてもよい。
Y及びZが有する水素原子は、R’で置換されていてもよく、R’は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、ハロゲン原子を表す。R’が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、複数個のR’は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子又は窒素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
式(Z−1)〜式(Z−8)中、
Xは、−CH=で表される基又はN=で表される基を表す。複数個あるXは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Xとしての−N=で表される基の数は、0〜2である。
は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個のRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。
Figure 2014003247
式(2)中、
は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子を表す。前記官能基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014003247
式(3)中、
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。
Ar及びArは、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar及びArはそれぞれ、隣り合うRと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
以下、上記有機EL素子に用いられる材料、構成要素について具体的に説明する。
<高分子化合物I>
一般的に有機EL素子に用いられる発光材料としては、例えば、「有機ELディスプレイ」(時任静士、安達千波矢、村田英幸共著、株式会社オーム社、平成16年8月20日第1版第1刷発行)17〜48頁、83〜99頁又は101〜120頁に記載の蛍光材料又は三重項発光材料が利用できる。低分子の蛍光材料としては、例えば、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン色素、キサンテン色素、クマリン色素及びシアニン色素等の色素類、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体、8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体並びにテトラフェニルブタジエン及びその誘導体等が挙げられる。より具体的には、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報に記載されている発光材料等が使用されうる。その他にも、上記発光材料としては、例えば、国際公開第99/13692号、国際公開第99/48160号、独国特許出願公開第2340304号明細書、国際公開第00/53656号、国際公開第01/19834号、国際公開第00/55927号、独国特許出願公開第2348316号明細書、国際公開第00/46321号、国際公開第00/06665号、国際公開第99/54943号、国際公開第99/54385号、米国特許第5777070号明細書、国際公開第98/06773号、国際公開第97/05184号、国際公開第00/35987号、国際公開第00/53655号、国際公開第01/34722号、国際公開第99/24526号、国際公開第00/22027号、国際公開第00/22026号、国際公開第98/27136号、米国特許第573636号明細書、国際公開第98/21262号、米国特許第5741921号明細書、国際公開第97/09394号、国際公開第96/29356号、国際公開第96/10617号、欧州特許出願公開第0707020号明細書、国際公開第95/07955号、特開2001−181618号公報、特開2001−123156号公報、特開2001−3045号公報、特開2000−351967号公報、特開2000−303066号公報、特開2000−299189号公報、特開2000−252065号公報、特開2000−136379号公報、特開2000−104057号公報、特開2000−80167号公報、特開平10−324870号公報、特開平10−114891号公報、特開平9−111233号公報若しくは特開平9−45478号公報等に開示されているポリフルオレン、その誘導体の共重合体、ポリアリーレン、その誘導体の共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体の共重合体、芳香族アミン又はその誘導体の(共)重合体が挙げられる。
本実施形態における発光層に用いられる高分子化合物Iは、下記一般式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位のうちの少なくとも1種を有する。なお、下記一般式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位の少なくとも1種を有していても、上記一般式(1)で表される構成連鎖から成る高分子化合物(発光材料)は、後述の高分子化合物II又はブロック型共重合体である高分子化合物IIIに分類される。
Figure 2014003247
式(A)、(B)及び(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、Xは−CR=CR−で表される基又は−C≡C−で表される基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。aは、0又は1である。
上記高分子化合物Iは正孔輸送性が向上するので、上記一般式(B)で表される構成単位を有することが好ましい。
また、電荷(正孔及び電子を意味する。以下、同じである。)注入性及び電荷輸送性が向上し、かつ、正孔及び電子の結合による励起エネルギーが効率よく形成されるので、上記一般式(A)で表される構成単位と上記一般式(B)で表される構成単位とを有する高分子発光材料、上記一般式(B)で表される構成単位と上記一般式(C)で表される構成単位とを有する高分子発光材料、又は上記一般式(A)で表される構成単位と上記一般式(B)で表される構成単位と上記一般式(C)で表される構成単位とを有する高分子発光材料が好ましい。これらのうち、上記一般式(A)で表される構成単位と上記一般式(B)で表される構成単位とを有する高分子化合物Iが、電荷注入性及び電荷輸送性、並びに正孔及び電子の結合による励起エネルギーの形成の観点からより好ましい。
高分子化合物Iが、上記一般式(B)で表される構成単位と、上記一般式(A)で表される構成単位及び/又は上記一般式(C)で表される構成単位とからなる場合、上記一般式(B)で表される構成単位とその他の構成単位との好ましい含有比(モル比)は、1:99〜40:60であり、より好ましくは3:97〜30:70であり、さらに好ましくは5:95〜20:80である。
上記高分子化合物Iのポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×10〜1×10であり、より好ましくは1×10〜5×10である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは5×10〜1×10である。数平均分子量及び重量平均分子量が上記下限を上回る場合は、電荷移動に対する抵抗が小さくなりやすく、かつ、塗布法による成膜性が向上する傾向があり、上記上限を下回る場合は、塗布法における成膜性が良好となる傾向がある。
一般式(A)において、Arは、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示し、置換基を有していてもよい。ここで、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、置換アミノ基又は1価の複素環基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基がより好ましい。
一般式(A)おいて、Arで表されるアリーレン基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2,7−ビフェニリレン基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−フルオレンジイル基及び3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基等が挙げられる。
一般式(A)で表される構成単位を2種類以上含む場合、これらは置換基を有していてもよいフルオレンジイル基からなる構成単位、置換基を有していてもよいフェニレン基からなる構成単位、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基、置換基を有していてもよい2,7−ビフェニリレン基、置換基を有していてもよい2,7−フェナントレンジイル基からなる群から選ばれることが好ましい。
一般式(A)で表される構成単位の好ましい例としては、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、又は(1e)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2014003247
式(1a)〜(1e)中、
R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。
一般式(1a)〜(1e)で表される構成単位としては、下記一般式(2b)、(3b)、又は(5b)で表される構成単位がさらに好ましい。
Figure 2014003247
式(2b)中、R50及びR51は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。R50及びR51は、好ましくは水素原子、アルキル基又はアリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基又はアリール基である。
Figure 2014003247
式(3b)中、R60及びR61は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。また、R60及びR61は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
60及びR61は、好ましくはアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基又はアリール基である。また、R60及びR61は組み合わせは、好ましくはR60がアルキル基であり、R61がアリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはR60がアルキル基であり、R61がアリール基である。
Figure 2014003247
式(5b)中、R70、R71、R72及びR73は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。また、R70、R71、R72及びR73は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
70、R71、R72及びR73は、好ましくは水素原子、アルキル基又はアリール基又は1価であり、より好ましくは、アルキル基又はアリール基である。
一般式(B)において、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ここで、Ar、Ar及びArが有し得る置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、置換アミノ基、アシル基又はシアノ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基がより好ましい。
一般式(B)において、Ar、Ar及びArであるアリーレン基の例としては、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,7−ビフェニリレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基及び2,7−フルオレンジイル基等が挙げられる。
一般式(B)において、Ar、Ar及びArである2価の複素環基の例としては、2,5−チオフェンジイル基、N−メチル−2,5−ピロールジイル基、2,5−フランジイル基、4,7−ベンゾ[2,1,3]チアジアゾールジイル基、2,5−ピリジンジイル基及び2,5−ピリミジンジイル基等が挙げられる。
Ar及びArは、アリーレン基であることが好ましく、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,7−ビフェニリレン基、1,4−ナフタレンジイル基又は2,6−ナフタレンジイル基であることがより好ましく、1,4−フェニレン基、2,7−ビフェニリレン基又は1,4−ナフタレンジイル基であることがさらに好ましく、1,4−フェニレン基であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arは、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,7−ビフェニリレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,7−フルオレンジイル基又は4,7−ベンゾ[2,1,3]チアジアゾールジイル基であることが好ましく、1,4−フェニレン基、2,7−ビフェニリレン基、1,4−ナフタレンジイル基又は2,7−フルオレンジイル基であることがより好ましく、1,4−フェニレン基又は2,7−ビフェニリレン基であることが特に好ましい。また、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、アリール基であることがさらに好ましい。
一般式(B)で表される構成単位の例としては、下記一般式(B−0)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)及び(B−5)で表される構成単位が挙げられる。
下記一般式(B−0)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)及び(B−5)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
下記一般式(B−0)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)及び(B−5)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表す。複数個あるRbは同一であっても異なっていてもよく、複数個あるRbは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。Rb同士が互いに結合して構成する環構造は、5員環であることが好ましい。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
一般式(B)において、aが1である場合、ArとAr又はArとArは、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。また、aが0である場合、ArとArとは、互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、ArとAr、ArとAr又はArとArは、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子を介して結合していてもよいし、直接的に結合していてもよい。
このような一般式(B)で表される構成単位としては、より具体的には、下記一般式(B−6)、(B−7)、(B−8)、(B−9)又は(B−10)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014003247
式(B−6)、(B−7)、(B−8)、(B−9)及び(B−10)中、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、−(CR1718−で表される基を表す。R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、好ましくはアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。dは0〜2の整数を表す。dは0又は1が好ましく、1がより好ましい。dが2の場合、複数個存在するR17は互いに同一であっても異なっていてもよく、複数個存在するR18は互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(C)におけるArの例としては、上述のArと同様の2価の基が挙げられる。また、Xは、−CR=CR−で表される基又は−C≡C−で表される基である。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表す。
一般式(C)で表される構成単位の例としては、下記式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)、(C−5)、(C−6)、(C−7)、(C−8)又は(C−9)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2014003247
<高分子化合物II>
高分子化合物IIは、下記一般式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物である。
−[−(Y)−Z−]− (1)
式(1)中、Yは、下記一般式(Y−1)又は(Y−2)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基を表す。Zは、下記一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基を表す。mは4〜10000の整数を表す。nは1〜3の整数を表す。複数個あるY、Z及びnは、各々、同一であっても異なっていてもよい。
なお、Y及びZが有する水素原子は、R’で置換されていてもよい。R’は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又はハロゲン原子を表す。R’が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、複数個のR’が互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子又は窒素原子とともに、環構造を形成していてもよい。但し、上記官能基が有する水素原子は置換基で更に置換されていてもよい。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)及び(Z−8)中、Xは、−CH=で表される基又は−N=で表される基を表す。複数個あるXは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Xとしての−N=で表される基の数は、0〜2である。
は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。但し、上記官能基が有する水素原子は置換基で更に置換されていてもよい。
一般式(1)で表される構成単位において、nが2以上である(n≧2)場合であって、複数個あるYが一般式(Y−1)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基である場合には、複数個の一般式(Y−1)で表される構造は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
一般式(1)で表される構成単位において、nが2以上である(n≧2)場合であって、複数個あるYが一般式(Y−1)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基である場合には、複数個の一般式(Y−1)で表される構造は、すべてのXが−CH=で表される構造のみからなっていてもよく、すべてのXが−CH=で表される構造とXのうちの1個又は2個が−N=で表される基であり、残りのXが−CH=で表される基である構造の両方からなっていてもよく、或いはXのうちの1個又は2個が−N=で表される基である構造であり残りのXが−CH=で表される構造のみからなっていてもよく、すべてのXが−CH=で表される構造のみからなることが好ましい。
また、Y及びZが有する水素原子がR’で置換されている場合、R’は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基及び1価の複素環基からなる群より選ばれる官能基又はハロゲン原子である。R’は、より好ましくはアルキル基、アリール基及び1価の複素環基からなる群より選ばれる官能基又はハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基又はアリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。また、R’が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、複数個のR’が互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子又は窒素原子とともに、環構造を形成していてもよい。R’が環構造を形成する場合、不飽和結合を有しない環構造であることが好ましく、そのような構造を形成し得るR’の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基及びシリル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される構成単位において、nが2以上である(n≧2)場合であって、複数個あるYが一般式(Y−2)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基である場合には、複数個の一般式(Y−2)で表される構造は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
一般式(1)で表される構成単位において、nが2以上である(n≧2)の場合であって、複数個あるYが一般式(Y−2)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基である場合には、複数個の一般式(Y−2)で表される構造は、すべてのXが−CH=で表される基のみからなっていてもよく、すべてのXが−CH=で表される基とXのうちの1個又は2個が−N=で表される基であり、残りのXが−CH=で表される基の両方からなっていてもよく、或いはXのうちの1個又は2個が−N=で表される基であり、残りのXが−CH=で表される基のみからなっていてもよく、すべてのXが−CH=で表される基のみからなることが好ましい。
一般式(1)で表される構成単位において、m個ある[−(Y)−Z−]で表される構造は、各々、同一であっても異なっていてもよい。例えば、m=4であって、4個あるnが、連結した4個の構造のうちの配列の一端側に位置する構造から他端側に位置する構造に向かって順番に、n=1、2、1、2である場合、一般式(1)で表される構成単位は、−[−Y01−Z01−]−[−Y02−Y03−Z02−]−[−Y04−Z03−]−[−Y05−Y06−Z04−]−と表される。ここで、Y01、Y02、Y03、Y04、Y05及びY06は、同一であっても異なっていてもよく、Z01、Z02、Z03及びZ04は、同一であっても異なっていてもよい。なお、m及びnが、その他の整数の組み合わせであっても同様である。
一般式(1)で表される構成単位において、式(Z−1)〜(Z−8)及び後述の式(Z−9)〜(Z−20)で表される2価の基に含まれるRは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基又は1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、アリール基であることがさらに好ましい。また、式(Z−4)、(Z−6)、(Z−8)、(Z−15)及び(Z−16)で表される2価の基において、2個のRのうち、1個がアルキル基であり、もう1個がアリール基であることが好ましい。また、式(Z−5)、(Z−17)及び(Z−18)で表される2価の基において、複数個あるR同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していることが好ましい。当該環構造は、不飽和結合を有しない環であってもよいし、不飽和結合を有する環であってもよい。
一般式(1)中、mは4〜10000の整数を表す。mは、10〜10000の整数であることが好ましく、30〜10000の整数であることがさらに好ましく、50〜5000の整数であることが特に好ましい。一般式(1)中、複数個あるnは、互いに独立に1〜3の整数を表す。複数個あるnは、同じであることが好ましく、複数個あるnがすべて1であるか、又はすべて2であることがさらに好ましい。
一般式(1)中、複数個あるYは、互いに独立に、下記一般式(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)又は(Y−6)で表される2価の基であることが好ましく、下記一般式(Y−3)、(Y−4)又は(Y−5)で表される2価の基であることがより好ましく、下記一般式(Y−3)又は(Y−5)で表される2価の基であることがさらに好ましく、下記一般式(Y−3)で表される2価の基であることが特に好ましい。
Figure 2014003247
式(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)及び(Y−6)中、R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよい。
R”は、好ましくは水素原子、アルキル基又はアリール基であり、より好ましくは水素原子又はアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(1)中のYの具体的に好ましい構造としては、下記の2価の基が挙げられる。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
一般式(1)で表される構成単位において、Zは一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基を表す。複数個あるZは一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)及び(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基のうちのいずれか1つの基のみからなっていてもよく、複数種類の基からなっていてもよいが、いずれか1つの基のみからなっていることが好ましい。
一般式(1)で表される構成単位において、複数個あるZのうちの2個以上が一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)及び(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基のうちのいずれか1つである場合、一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造は同一であっても異なっていてもよい。一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造は、好ましくは同一である。複数個あるZのうちの2個以上が一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基である場合、複数個ある一般式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造は、すべてのXが−CH=で表される基のみからなっていてもよく、すべてのXが−CH=で表される基とXのうちの1個又は2個が−N=で表される基であり残りのXが−CH=で表される基の両方からなっていてもよく、或いはXのうちの1個又は2個が−N=で表される基であり残りのXが−CH=で表される基のみからなっていてもよく、すべてのXが−CH=で表される基のみからなることが好ましい。
一般式(1)において、Zは、下記一般式(Z−9)、(Z−10)、(Z−11)、(Z−12)、(Z−13)、(Z−14)、(Z−15)、(Z−16)、(Z−17)、(Z−18)、(Z−19)又は(Z−20)で表される2価の基であることが好ましい。複数個あるZは、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014003247
式(Z−9)〜(Z−20)中、R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよい。但し、Rは上記の通りである。
Zは、これらの中でも、一般式(Z−9)、(Z−11)、(Z−13)、(Z−15)、(Z−16)、(Z−17)又は(Z−19)で表される2価の基であることが好ましく、一般式(Z−9)、(Z−11)、(Z−15)、(Z−16)、(Z−17)又は(Z−19)で表される2価の基であることがより好ましく、一般式(Z−11)、(Z−15)又は(Z−17)で表される2価の基であることがさらに好ましく、一般式(Z−15)で表される2価の基であることが特に好ましい。
一般式(1)のうちのZの具体的に好ましい構造としては、下記の構造(2価の基)が挙げられる。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
一般式(1)におけるYとZとの組み合わせとしては、例えば、式(Y−3)で表される2価の基と式(Z−9)で表される2価の基との組み合わせ(以下、単に「(Y−3)と(Z−9)」という場合がある)が挙げられ、上記(Y−3)と(Z−9)は、(Y−3)と(Z−11)、(Y−3)と(Z−13)、(Y−3)と(Z−15)、(Y−3)と(Z−16)、(Y−3)と(Z−17)、(Y−3)と(Z−19)、(Y−4)と(Z−9)、(Y−4)と(Z−11)、(Y−4)と(Z−13)、(Y−4)と(Z−15)、(Y−4)と(Z−16)、(Y−4)と(Z−17)、(Y−4)と(Z−19)、(Y−5)と(Z−9)、(Y−5)と(Z−11)、(Y−5)と(Z−13)、(Y−5)と(Z−15)、(Y−5)と(Z−16)、(Y−5)と(Z−17)、(Y−5)と(Z−19)、(Y−6)と(Z−9)、(Y−6)と(Z−11)、(Y−6)と(Z−13)、(Y−6)と(Z−15)、(Y−6)と(Z−16)、(Y−6)と(Z−17)又は(Y−6)と(Z−19)であってもよく、好ましくは、(Y−3)と(Z−9)、(Y−3)と(Z−11)、(Y−3)と(Z−13)、(Y−3)と(Z−15)、(Y−3)と(Z−16)、(Y−3)と(Z−17)、(Y−3)と(Z−19)、(Y−4)と(Z−9)、(Y−4)と(Z−11)、(Y−4)と(Z−13)、(Y−4)と(Z−15)、(Y−4)と(Z−16)、(Y−4)と(Z−17)、(Y−4)と(Z−19)、(Y−5)と(Z−9)、(Y−5)と(Z−11)、(Y−5)と(Z−13)、(Y−5)と(Z−15)、(Y−5)と(Z−16)、(Y−5)と(Z−17)又は(Y−5)と(Z−19)であり、より好ましくは、(Y−3)と(Z−9)、(Y−3)と(Z−11)、(Y−3)と(Z−15)、(Y−3)と(Z−16)、(Y−3)と(Z−17)、(Y−3)と(Z−19)、(Y−4)と(Z−9)、(Y−4)と(Z−11)、(Y−4)と(Z−15)、(Y−4)と(Z−16)、(Y−4)と(Z−17)、(Y−4)と(Z−19)、(Y−5)と(Z−9)、(Y−5)と(Z−11)、(Y−5)と(Z−15)、(Y−5)と(Z−16)、(Y−5)と(Z−17)又は(Y−5)と(Z−19)であり、さらに好ましくは、(Y−3)と(Z−11)、(Y−3)と(Z−15)、(Y−3)と(Z−16)、(Y−3)と(Z−17)、(Y−4)と(Z−11)、(Y−4)と(Z−15)、(Y−4)と(Z−16)、(Y−4)と(Z−17)、(Y−5)と(Z−11)、(Y−5)と(Z−15)、(Y−5)と(Z−16)又は(Y−5)と(Z−17)であり、特に好ましくは、(Y−3)と(Z−11)、(Y−3)と(Z−15)、(Y−3)と(Z−17)、(Y−4)と(Z−11)、(Y−4)と(Z−15)、(Y−4)と(Z−17)、(Y−5)と(Z−11)、(Y−5)と(Z−15)又は(Y−5)と(Z−17)である。
一般式(1)で表される構成単位において、[−(Y)−Z−]で表される構造の好ましい具体的な例を下記に示す。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
式中、x、yは共重合比を表し、x+y=1である。
一般式(1)で表される構成連鎖を主鎖に有する高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×10〜1×10であり、より好ましくは1×10〜5×10である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは5×10〜1×10である。
数平均分子量及び重量平均分子量が上記下限を上回る場合は、電荷移動に対する抵抗が小さくなりやすく、かつ、塗布法での成膜性が向上する傾向にあり、数平均分子量及び重量平均分子量が上記上限を下回る場合は、塗布法による成膜性が良好となる傾向がある。
高分子化合物Iと、高分子化合物IIと、を含む組成物(以下、「組成物X」ということがある。)は、高分子化合物I及び高分子化合物IIのみからなる組成物であることが好ましいが、他の化合物を含んでいてもよい。ここで、高分子化合物Iの重量をW、高分子化合物IIの重量をWII、高分子化合物I及びII以外の他の化合物の重量をWIIIとした場合、好ましい組成比としては、特に限定は無いが、下記式(W1)を満たすことが好ましい。
0.5≦WII×100/(W+WII+WIII)≦37.5 (W1)
さらに好ましくは、下記式(W2)を満たすことが好ましい。
1.0≦WII×100/(W+WII+WIII)≦30 (W2)
より好ましくは、下記式(W3)を満たすことが好ましい。
1.0≦WII×100/(W+WII+WIII)≦20 (W3)
特に好ましくは、下記式(W4)を満たすことが好ましい。
2.0≦WII×100/(W+WII+WIII)≦15 (W4)
以下で、本実施形態の高分子化合物I及び高分子化合物IIの好ましい製造方法を詳細に説明する。本実施形態の高分子化合物I及び高分子化合物IIは、例えば縮合重合により製造することができる。
上記縮合重合の方法としては、Suzuki反応により重合する方法(ケミカル レビュー(Chem. Rev.),第95巻,2457頁(1995年))、Grignard反応により重合する方法(共立出版、高分子機能材料シリーズ第2巻、高分子の合成と反応(2)、432〜433頁)、又は山本重合法により重合する方法(プログレス イン ポリマー サイエンス(Prog. Polym. Sci.),第17巻,1153〜1205頁,1992年)などが挙げられる。
上記高分子化合物I及び高分子化合物IIは、縮合重合により合成された高分子化合物であることが好ましく、Suzuki反応により重合する方法により合成された高分子化合物であることがより好ましい。
特に、一般式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物IIを重合する場合、[−(Y)−Z−]で表される構成を含む構造を1つのユニットとして予め合成した後、ポリマー主鎖に組み込む方法や、Suzuki反応により重合する方法など、シーケンスを制御できる重合方法で構成単位を含むポリマーを重合する方法などが挙げられる。これらの中でもSuzuki反応により重合する方法が好ましく、式(1)で表される構成単位からなるポリマーであればその合成方法に関しては特に制限はない。
以下、Suzuki反応により重合する方法について説明する。
高分子化合物IIにおいて、Y及びZで表される基並びに一般式(1)で表される構成単位は、例えば、下記一般式(M1)で表される化合物と下記一般式(M2)で表される化合物とを、又は下記一般式(M3)で表される化合物と下記一般式(M4)で表される化合物とを、縮合重合することにより導入することができる。
高分子化合物Iが上記一般式(A)、(B)又は(C)で表される構成単位を有する場合には、上記一般式(A)、(B)又は(C)で表される構成単位は、例えば、下記一般式(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物を縮合重合することにより導入される。また、高分子化合物Iには、上記一般式(A)、(B)又は(C)で表される構成単位とは相違する任意の構造が縮合重合により導入されていてもよい。
A−Y−A (M1)
式(M1)中、Yは上記と同義である。Aはハロゲン原子を表す。2個あるAは同一であっても異なっていてもよい。
B’−Z−B’ (M2)

式(M2)中、Zは上記と同義である。B’は、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基、下記式(a−1)で表される基、下記式(a−2)で表される基、下記式(a−3)で表される基、又は下記式(a−4)で表される基を表す。2個あるB’は、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014003247
式(a−1)〜(a−4)中、Rは、置換基を有していてもよい、アルキル基又はアリール基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。
A−Z−A (M3)

式(M3)中、Z及びAは上記と同義である。2個あるAは同一であっても異なっていてもよい。
B’−Y−B’ (M4)

式(M4)中、Y及びB’は上記と同義である。2個あるB’は同一であっても異なっていてもよい。
C’−Ar−C’ (M5)

式(M5)中、Arは、上記と同義である。C’は、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基、上記式(a−1)で表される基、上記式(a−2)で表される基、上記式(a−3)で表される基、又は上記式(a−4)で表される基を表す。2個あるC’は、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014003247
式(M6)中、Ar、Ar、Ar、R、R及びC’は、上記と同義である。aは、0又は1である。
C’−Ar−X−C’ (M7)

式(M7)中、Ar、X及びC’は、上記と同義である。
A、C’及びXで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
B’及びC’で表されるホウ酸エステル残基の例としては、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 2014003247
上記式(a−1)中、Rで表される置換基を有しないアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基が挙げられる。Rで表される置換基を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられる。
上記式(a−1)中、Rで表される、置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基が挙げられる。
上記式(a−1)で表される基としては、例えば、メタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、フェニルスルホネート基、4−メチルフェニルスルホネート基が挙げられる。
上記式(a−4)中、Rで表される置換基を有しないアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基が挙げられる。Rで表される置換基を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられる。
上記式(a−1)中、Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基が挙げられる。
上記式(a−4)で表される基としては、例えば、トリメチルスタナニル基、トリエチルスタナニル基、トリブチルスタナニル基が挙げられる。
上記一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物は、予め合成し単離された化合物を用いることも、反応系中で調製してそのまま用いることもできる。
上記一般式(M2)及び(M4)中のB’、並びに(M5)、(M6)及び(M7)中、C’は、上記一般式(M2)、(M4)、(M5)、(M6)及び(M7)で表される化合物の合成が簡便であり、かつ、取り扱いが容易であるので、ホウ酸エステル残基又はホウ酸残基であることが好ましい。
上記縮合重合の方法としては、上記一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物を、適切な触媒や適切な塩基を用いて、反応させる方法が挙げられる。
上記触媒の例としては、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等のパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4−シクロオクダジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体と、必要に応じて、さらにトリフェニルホスフィン、トリ(tert−ブチルホスフィン)、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子とからなる触媒が挙げられる。上記触媒は、予め合成された触媒を用いることもできるし、反応系中で調製した触媒をそのまま用いることもできる。これらの触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記触媒を用いる場合には、上記一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物のモル数の合計に対する触媒の金属原子の量は、0.00001モル当量〜3モル当量であることが好ましく、0.00005モル当量〜0.5モル当量であることがより好ましく、0.0001モル当量〜0.2モル当量であることがさらに好ましく、0.0001モル当量〜0.01モル当量であることが特に好ましい。
上記塩基の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム若しくはリン酸三カリウム等の無機塩基、又はフッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム若しくは水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。これらの塩基は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩基を用いる場合には、その使用量は、上記一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物のモル数の合計に対して、0.5モル当量〜20モル当量であることが好ましく、1モル当量〜10モル当量であることがより好ましい。
縮合重合は、通常、有機溶媒等の溶媒の存在下で行われる。
縮合重合に用いられる得る上記有機溶媒は、上記一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物の種類や反応によって異なる。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド又はN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。副反応を抑制するために、溶媒に対して、脱酸素処理をしておくことが望ましい。溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機溶媒の使用量は、上記一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物の合計濃度が、通常、0.1質量%〜90質量%、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは2質量%〜30質量%となる量である。
縮合重合の反応温度は、好ましくは−100℃〜200℃であり、より好ましくは−80℃〜150℃であり、さらに好ましくは0℃〜120℃である。
上記反応時間は、反応温度等の条件によるが、通常、1時間以上であり、好ましくは2時間〜500時間である。
高分子化合物I及び高分子化合物IIが、いずれも縮合重合で合成される場合、高分子化合物I中の式(A)、(B)、(C)のモル数の合計をN、高分子化合物IIにおける、Y及びZの数をそれぞれN及びNとしたとき、縮合重合により導入されるN、N、及びNは下記式(2’)を満たすことが好ましい。
0.5≦N×100/(N+N+N)≦37.5 (2’)
縮合重合の後処理は、メタノール等の低級アルコールに縮合重合で得られた反応溶液を加えて析出させた沈殿物をろ過し、次いで得られた沈殿物を乾燥する等の工程を含む公知の方法により行うことができる。
上記のようにして得られた高分子化合物及び発光材料は、公知の方法により混合され、組成物とすることができる。
[高分子化合物III(ブロック型共重合体)]
本明細書において、用語「ブロック型共重合体」とは、高分子化合物の一部分に特定の構成単位からなる連鎖構造(以下、ブロックという場合がある)を少なくとも1個含み、当該ブロックに含まれている構成単位が、当該ブロック以外の部分には実質的に存在しないことを構成上あるいは配置上の特徴としている高分子化合物を意味している。
また、ブロック型共重合体には、複数個のブロックが存在し、互いに隣接するブロック同士に含まれる構成単位が異なっているブロックも含まれる。すなわち、隣接するブロック同士は異なる構成単位の連鎖構造で構成されているか、又は同種の構成単位からなるブロックであってもその構成比率又は連鎖構造が異なっている。
例えば、ブロック型共重合体は、ある特定のブロックと、ある特定の2個のブロック同士を連結する構造とが、ブロックの構成上あるいはブロックの配置上の特徴の差異となり得る高分子化合物である。また、例えば、ブロック型共重合体は、ある特定のブロックとその他のブロックとが、ブロックの構成上あるいはブロックの配置上の特徴の差異となり得る高分子化合物である。
なお、ブロック型共重合体において、ブロックの構成は、構成単位の含有量、構成単位の配列様式、又は平均連鎖長が推測できればよく、ブロックの構成についてこれらが完全に算出又は特定できなくてもよい。
本実施形態の高分子化合物IIIは、上記一般式(1)で表される構成単位からなるブロック(以下ブロックAという場合がある)を主鎖に有し、さらに、上記一般式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位のうちの少なくとも1種を有するブロック(以下ブロックBという場合がある)を主鎖に有する。有機EL素子の駆動時の発光はブロックA、ブロックBのどちらからの発光でもよく、ブロックBからの発光であることが好ましい。
上記高分子化合物IIIに含まれるブロックAは上記一般式(1)で表される構成単位を1個〜30個有することが好ましい。一般式(1)で表される構成単位は、高分子化合物IIにおいて既に説明した一般式(1)で表される構成単位と同様である。但し、ブロックBは式(1)で表される構成単位を含まない。
ブロックBは上記一般式(B)で表される構成単位を含むことがより好ましい。さらに好ましくは、上記式(A)で表される構成単位を1種類以上及び上記式(B)で表される構成単位を1種以上含むことが好ましい。一般式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位は、高分子化合物Iにおいて上述した一般式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位と同様である。
ブロック型共重合体において、発光材料を構成する化学構造と上記一般式(1)で表される構成単位との結合としては、例えば、単結合、芳香環を介しての共役結合、又はアルキレン鎖等を介しての非共役結合が挙げられる。これらの中でも、単結合、又は芳香環を介しての共役結合が好ましい。
ブロック型共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×10〜1×10であり、より好ましくは1×10〜5×10である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは5×10〜1×10である。数平均分子量及び重量平均分子量が上記下限を上回る場合は、電荷移動に対する抵抗が小さくなりやすく、かつ、塗布法による成膜性が向上しやすく、上記上限を下回る場合は、塗布法による成膜性が良好になりやすい傾向がある。
ブロック型共重合体である高分子化合物IIIの製造方法について説明する。高分子化合物IIIは、縮合重合により合成されることが好ましく、Suzuki反応により重合する方法など、シーケンスを制御できる重合方法で構成単位を含むポリマーを重合する方法により合成されるものであることがより好ましく、構成単位と発光材料を構成する化学構造とを含むポリマーであればその合成方法に関しては特に制限はない。なお、ブロック型共重合体をSuzuki反応により重合する方法により合成する場合には、上述の高分子化合物と同様にブロック型共重合体を合成することができる。
ブロック型共重合体を縮合重合により得る場合、ブロック型共重合体には、Y及びZで表される基と発光材料を構成する化学構造とが、縮合重合により導入される。また、当該基及び化学構造とは相違する任意の構造が縮合重合により導入されていてもよい。
縮合重合の方法としては、上述と同様の方法が挙げられる。例えば、一般式(1)で表される構成連鎖を有するブロックと、該ブロック以外の発光材料を構成する化学構造を有するブロックとを主鎖に有するブロック型共重合体の製造方法としては、下記の(方法1)、(方法2)又は(方法3)が挙げられる。
(方法1)
一般式(1)で表される構成単位を有するブロックを形成するために必要なモノマーを縮合重合させ、一般式(1)で表される構成単位を有する重合体を調製した後、該重合体に発光材料を構成する化学構造を有するブロックを形成するために必要なモノマーを追加して縮合重合させる。
(方法2)
発光材料を構成する化学構造を有するブロックを形成するために必要なモノマーを縮合重合させた、発光材料を構成する化学構造を有する重合体を調製した後、該重合体に一般式(1)で表される構成単位を有するブロックを形成するために必要なモノマーを追加して縮合重合させる。
(方法3)
一般式(1)で表される構成単位を有するブロックを形成するために必要なモノマーを縮合重合させ、一般式(1)で表される構成単位を有する重合体(a)を調製し、別途、発光材料を構成する化学構造を有するブロックを形成するために必要なモノマーを縮合重合させた重合体(b)を調製し、重合体(a)と重合体(b)とを縮合重合させる。
(方法1)〜(方法3)で用いられる上記モノマーの例としては、上述の高分子化合物又は発光材料と同様の一般式(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物が挙げられる。例えば、上記(方法1)では、一般式(1)で表される構成単位を有する重合体において、一般式(1)で表される構成単位は、上記一般式(M1)で表される化合物と上記一般式(M2)で表される化合物とを、又は上記一般式(M3)で表される化合物と上記一般式(M4)で表される化合物とを、縮合重合することにより導入される。さらに、発光材料を構成する化学構造は、上記一般式(M5)、(M6)又は(M7)で表される化合物を上記重合体に追加して縮合重合することにより導入される。以上のようにして、ブロック型共重合体に、一般式(1)で表される構成連鎖及び発光材料を構成する化学構造が導入される。(方法2)及び(方法3)においても、(方法1)と同様にして、ブロック型共重合体に、一般式(1)で表される構成連鎖及び発光材料を構成する化学構造が導入される。
縮合重合に用いられる触媒、塩基及び有機溶媒の種類と量、並びに反応温度等の条件は、上述と同様である。
ブロック型共重合体における、Yのモル数、Zのモル数、及び式(A)、(B)、(C)で表される構成単位の合計モル数を、それぞれN、N、及びNしたときに、N、N、N及びNが下記式(4’)を満たすことが好ましく、下記式(4’−1)を満たすことがより好ましい。
2≦N×100/(N+N+N)<40 (4’)
3≦N×100/(N+N+N)≦30 (4’−1)
[高分子化合物IV]
高分子化合物IVは、上記式(B)で表される構成単位を10mol%以上有する正孔輸送能を有する高分子化合物である。式(B)で表される構成単位は既に説明した通りである。高分子化合物IVにおける式(B)で表される構成単位の含有量は、10mol%−99mol%であることが好ましく、さらに好ましくは10mol%−90mol%であり、より好ましくは10mol%−50mol%であり、特に好ましくは10mol%−45mol%である。
高分子化合物IVを構成する式(B)以外の構成単位としては、特に制限は無く、正孔注入性、正孔輸送性の観点からは共役高分子を形成し得る構成単位であることが好ましく、式(A)及び/又は式(C)で表される構成単位であることがさらに好ましい。式(A)及び式(C)で表される構成単位については既に説明した通りである。
本実施形態にかかる有機EL素子は、正孔注入層及び/又は正孔輸送層と発光層とを有する。製造の容易性及び素子寿命の観点からは正孔注入層又は正孔輸送層上に発光層を積層する構造とすることが好ましい。このような積層構造を実現するために高分子化合物IVは架橋基を有する構成単位を含むことが好ましい。
高分子化合物IVが含み得る架橋基を有する構成単位としては、例えば、下記式(3A)で表される構成単位及び下記式(4A)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位が挙げられる。
Figure 2014003247
式(3A)中、
bは1〜4の整数を表す。
Ar10は、(2+b)価の芳香族炭化水素基又は(2+b)価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R20は、単結合、アルキレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R20が複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は1価の架橋性基を表す。Qが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(3A)で表される構成単位において、上述のとおり、bは1〜4の整数であるが、式(3A)で表される構成単位を製造する観点からは、1〜3の整数であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
式(3A)で表される構成単位において、Ar10である、置換基を有していてもよい(2+b)価の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、通常、6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜14である。(2+b)価の芳香族炭化水素基としては、2価、3価、4価又は5価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、3価又は4価の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。ここで、「(2+b)価の芳香族炭化水素基」とは、芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に結合した(2+b)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基が含まれる。なお、上記炭素原子数には、Ar10が有し得る置換基の炭素原子数は含まれない。
上記芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、1−テトラセン、ピレン、ペリレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、クリセン、コロネン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、本実施形態の高分子化合物の安定性をより優れたものとすることができ、かつ、当該高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔注入性及び/又は正孔輸送性をより優れたものとできるので、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレンが好ましく、ベンゼン、ナフタレン、フルオレンがより好ましい。
式(3A)で表される構成単位において、Ar10である、置換基を有していてもよい(2+b)価の複素環基の炭素原子数は、通常、3〜60であり、好ましくは3〜20である。(2+b)価の複素環基としては、2価、3価、4価又は5価の複素環基であることが好ましく、2価、3価又は4価の複素環基であることがより好ましい。ここで、「(2+b)価の複素環基」とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に結合した(2+b)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、単環の基、縮合環を有する基を含む。なお、(2+b)価の複素環基の上記炭素原子数には、(2+b)価の複素環基が有し得る置換基の炭素原子数は含まれない。
上記複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアジアゾール、ジベンゾシロールなどが挙げられる。
式(3A)で表される構成単位において、Ar10で表される基が置換基を有する場合、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
式(3A)で表される構成単位において、本実施形態の有機EL素子の正孔注入性、正孔輸送性の向上に加えて、有機EL素子の耐久性を向上させることができるので、Ar10としては置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましい。
式(3A)において、R20で表されるアルキレン基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。原料となるモノマーの合成が容易になるため、R20で表されるアルキレン基は直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状アルキレン基及び分岐状のアルキレン基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。環状アルキレン基の炭素原子数は、通常3〜20であり、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜6である。
アルキレン基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,3−ブチレン基、1,3−ペンチレン基、1,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、1,4−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,6−オクチレン基、1,8−オクチレン基等が挙げられる。
式(3A)で表される構成単位において、R20で表されるフェニレン基は、置換基を有していてもよい。フェニレン基の例としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基が挙げられる。これらのフェニレン基が有していてもよい置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が挙げられる。
式(3A)で表される構成単位において、架橋性基であるQとしては、例えば、下記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)で表される架橋性基が挙げられる。原料となるモノマーの合成が容易となるため、架橋性基は、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−19)で表される架橋性基であることが好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−09)〜(Q−19)で表される架橋性基であることがより好ましく、式(Q−1)、(Q−2)で表される架橋性基であることがさらに好ましい。
Figure 2014003247
式(Q−1)中、ベンゾシクロブテンは置換基を有していてもよい。式(Q−1)で表される架橋性基における置換基の例としては、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、シアノ基又はニトロ基が挙げられる。
Figure 2014003247
式(Q−2)中、nfは、0又は1を表す。
21、R22、R23、R24及びR25は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、1価の複素環基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
なお、式(Q−2)で表される架橋性基において、波線が付記された二重結合を有する基は、E体、Z体であるか、又はE体及びZ体が混在していてもよいことを意味する。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
式(Q−01)〜(Q−19)中、
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数個存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
は、水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
としては、原料となるモノマー合成が容易となるため、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基がより好ましい。
としては、原料となるモノマー合成が容易になるため、アリール基で置換されたアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよい1価の複素環基が好ましい。
式(Q−01)〜(Q−19)中、「*」は結合手を表す。
式(Q−1)で表される架橋性基の例としては、下記式(Q−1−1)又は(Q−1−2)で表される架橋性基が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、式(Q−1−1)で表される架橋性基であることが好ましい。
Figure 2014003247
式(Q−1−1)及び(Q−1−2)中、
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。
としては、原料となるモノマー合成が容易となるため、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましく、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基であることがさらに好ましい。
式(Q−1−1)及び(Q−1−2)中、「*」は結合手を表す。
式(Q−2)で表される架橋性基において、nfは0又は1を表し、原料となるモノマーの合成が容易となるため、0であることが好ましい。
式(Q−2)で表される架橋性基において、R21、R22、R23、R24、R25は、正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性の観点から、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子又はシアノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
式(3A)で表される構成単位としては、正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性の観点から、下記式(3a)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2014003247
式(3a)中、dは1又は2である。
20は、上記の式(3A)で表される構成単位におけるR20と同じ意味を表し、例示や好ましい範囲についても同様である。式(3a)で表される構成単位が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
は前記と同じ意味を表す。Qが複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
30は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(3a)で表される構成単位において、dは、本実施形態の高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される有機EL素子の正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性がより優れ、かつ、当該組成物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点からは、2であることがより好ましい。
式(3a)で表される構成単位において、R30は、本実施形態の高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される有機EL素子の正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性がより優れるので、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましく、置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましく、アルキル基で置換されたアリール基であることがさらに好ましい。
式(3a)で表される構成単位において、フルオレン環は置換基を有していてもよく、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
式(3A)で表される構成単位としては、例えば、下記式(3−101)〜(3−136)が好ましく、式(3−101)〜(3−111)、(3−113)〜(3−116)、(3−119)及び(3−125)〜(3−136)がより好ましく、式(3−101)〜(3−105)、(3−107)、(3−108)、(3−111)、(3−114)〜(3−116)、(3−125)、(3−127)、(3−129)、(3−130)、(3−133)〜(3−136)がさらに好ましく、式(3−103)、(3−105)、(3−111)、(3−115)、(3−125)、(3−131)、(3−133)が特に好ましい。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
Figure 2014003247
高分子化合物IVは、架橋性基を含む構成単位として、上述した前記式(3A)で表される構成単位を1種のみ有していてもよいし、上述した前記式(3A)で表される構成単位のうち異なる複数の構成単位を有していてもよい。高分子化合物IVを含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点からは、上記式(Q−1)で表される1価の架橋性基を少なくとも一種類含むこと、上記式(Q−2)で表される1価の架橋性基を少なくとも一種類含むこと、上記式(Q−1)及び上記式(Q−2)で表される1価の架橋性基を少なくともぞれぞれ一種類含むことが好ましく、上記式(Q−1)及び上記式(Q−2)で表される1価の架橋性基を少なくともそれぞれ一種類以上ずつ含むことがより好ましい。
高分子化合物IVが含み得る、架橋基を有する下記式(4A)で表される構成単位について説明する。
Figure 2014003247
式(4A)中、tは0又は1を表す。
Ar11及びAr13は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar12は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、アリーレン基及び2価の複素環基から選ばれる互いに異なっていてもよい2個以上の基が連結した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は1価の架橋性基を表し、Qは1価の架橋性基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。
式(4A)で表される構成単位において、tは、原料となるモノマーの合成が容易であり、かつ、本実施形態の高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される有機EL素子の正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性をより優れたものとできるため、0であることが好ましい。
式(4A)で表される構成単位において、Ar11、Ar12及びAr13で表される基は、置換基を有してもよいアリーレン基であることが好ましい。
式(4A)で表される構成単位において、Ar11、Ar12及びAr13におけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基及び3,8−ペリレンジイル基を選択することができ、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基及び1,6−ピレンジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基がさらに好ましい。これらの基は置換基を有していてもよい。
式(4A)で表される構成単位において、Ar11、Ar12及びAr13における2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピロールジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基及び2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基を選択することができ、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(4A)で表される構成単位において、Ar12におけるアリーレン基及び2価の複素環基から選ばれる異なっていてもよい2個以上の基が連結した2価の基としては、前記式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−5)、(B−6)又は(B−7)で表される基であることが好ましく、前記式(B−1)で表される基であることがより好ましい。なお、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(4A)で表される構成単位において、Ar11、Ar12及びAr13で表される基が置換基を有する場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
式(4A)で表される構成単位において、Qで表される1価の架橋性基としては、例えば、上記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)で表される架橋性基が挙げられ、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機EL素子の正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性がより優れるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)で表される架橋性基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−07)〜(Q−18)で表される架橋性基がより好ましく、式(Q−1)で表される架橋性基がさらに好ましい。
式(4A)で表される構成単位において、Qで表される1価の架橋性基としては、例えば、上記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)で表される架橋性基が挙げられる。本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機EL素子の正孔注入性、正孔輸送性及び耐久性がより優れるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)で表される架橋性基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−07)〜(Q−18)で表される架橋性基がより好ましく、式(Q−1)で表される架橋性基がさらに好ましい。
式(4A)で表される構成単位において、Qで表される置換基を有していてもよいアルキル基は、上記置換基として説明した「アルキル基」と同じであるが、好ましくは、C〜C20アルキル基である。
式(4A)で表される構成単位において、Qで表される置換基を有していてもよいアリール基は、上記置換基として説明した「アリール基」と同じであるが、好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基又は2−フルオレニル基である。
式(4A)で表される構成単位において、Qで表される置換基を有していてもよい1価の複素環基は、上記置換基として説明した「1価の複素環基」と同じであるが、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基又はキノリル基である。
式(4A)で表される構成単位において、Qは、原料となるモノマーの合成が容易になるため、Qと同じ1価の架橋性基であることが好ましい。
式(4A)で表される構成単位において、Qで表される基が置換基を有する場合、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
式(4A)で表される構成単位としては、例えば、式(4−101)〜(4−105)で表される構成単位が挙げられ、式(4−101)、(4−102)、(4−104)又は(4−105)で表される構成単位が好ましく、式(4−101)又は(4−102)がより好ましく、式(4−101)で表される構成単位がさらに好ましい。
Figure 2014003247
前記架橋基を有する構成単位の含有量(合計含有量)は、高分子化合物IVを含む組成物を用いて有機EL素子を作製する際に、熱架橋性により優れるので、高分子化合物IV中に含まれる全構成単位に対して、0.1mol%〜30mol%であることが好ましく、1mol%〜25mol%であることがより好ましく、3mol%〜20mol%であることがさらに好ましい。
[高分子化合物V]
高分子化合物Vは、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位、前記式(3)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位、及び、前記式(4)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位なる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(構成単位(c−1)という場合がある)を含む高分子化合物である。高分子化合物Vは上記構成単位以外にも正孔注入性、正孔輸送性の観点から式(B)で表される構成単位を含むことが好ましい。
フラーレン誘導体とは、フラーレンを構成する骨格の炭素−炭素間の2重結合を構成する1つの結合が切断されることで生じる2つの結合手のそれぞれが、2つの1価の基または1つの2価の基で置換されている化合物である。切断される炭素−炭素間の2重結合は1つでもよいし、2つ以上でもよい。
フラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位は、フラーレン又はフラーレン誘導体から、フラーレンを構成する骨格の炭素−炭素間の2重結合を構成する1つの結合が切断された原子団を含有する基を含む構成単位(切断される炭素−炭素間の2重結合は1つでもよいし、2つ以上でもよいが、1つであることが好ましい。)である。
高分子化合物Vが含み得るフラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位であれば特に限定されない。高分子化合物Vが含み得るフラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位は、下記式(5−1)で表される構成単位及び下記式(5−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位であることが好ましい。
Figure 2014003247
式(5−1)中、Arは、アリーレン基、又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar14は、アリーリジン基、又は3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、単結合、炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子数が6〜20である置換基を有していてもよいアリーレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルキル基、又は炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。R及びRが複数個存在する場合、各々、同一であっても異なっていてもよい。
環Fはフラーレン環を表す。
qは1〜4の整数を表す。pは0又は1を表す。
、Ar14、R、R、p及び環Fが複数個ある場合、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。なお、pが0の場合、Rで置換されている炭素原子とRで置換されている炭素原子とは直接結合していない。
式(5−1)中、Arで表されるアリーレン基としては、フェニレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基)、ナフタレンジイル基(例えば、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基)、アントラセンジイル基(例えば、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基)、フェナントレンジイル基(例えば、2,7−フェナントレンジイル基)、ジヒドロフェナントレンジイル基(例えば、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基)、ナフタセンジイル基(例えば、5,12−ナフタセンジイル基)、フルオレンジイル基(例えば、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基)又はペリレンジイル基(例えば、3,8−ペリレンジイル基)が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(5−1)中、Arで表される2価の複素環基としては、N−メチル−2,5−ピロールジイル基等のピロールジイル基;2,5−フランジイル基等のフランジイル基;2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等のピリジンジイル基;2,4−キノリンジイル基、2,6−キノリンジイル基等のキノリンジイル基;1,4−イソキノリンジイル基、1,5−イソキノリンジイル基等のイソキノリンジイル基;3,6−カルバゾールジイル基等のカルバゾールジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾシロールジイル基が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(5−1)中、Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基が好ましく、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基であることがより好ましい。
式(5−1)中、Ar14で表される置換基を有していてもよいアリーリジン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常6〜30であり、好ましくは6〜16である。Ar14で示される置換基を有していてもよい3価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常6〜30であり、好ましくは6〜16である。3価の複素環基は、芳香環を形成する原子として、炭素原子に加え、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含んでよい。
式(5−1)中、Ar14で表される置換基を有しないアリーリジン基の例としては、フェニリジン基、ナフタレントリイル基、アントラセントリイル基、フェナントレントリイル基、ナフタセントリイル基、フルオレントリイル基、ペリレントリイル基、クリセントリイル基等が挙げられる。置換基を有するアリーリジン基としては、置換基を有する上述の各基が挙げられる。
式(5−1)中、Ar14で表される置換基を有しない3価の複素環基の例としては、ピロールトリイル基、フラントリイル基、ピリジントリイル基、キノリントリイル基、イソキノリントリイル基が挙げられる。置換基を有する3価の複素環基としては、置換基を有する上述の各基が挙げられる。
式(5−1)中、Rは、好ましくは単結合であるか、又は置換基を有しないアルキレン基であり、より好ましくは単結合であるか、又は炭素原子数が1〜20である置換基を有しないアルキレン基である。
式(5−1)中、R及びRは、好ましくは水素原子である。
式(5−1)中、環Fはフラーレン環を表す。環Fは、C60フラーレン環、C70フラーレン環、C76フラーレン環、C78フラーレン環及びC84フラーレン環等が挙げられ、好ましくは、C60フラーレン環、C70フラーレン環、C84フラーレン環であり、より好ましくは、C60フラーレン環である。ここで、これらのフラーレン環には、アルキル基又はシアノ基が結合していてもよい。
式(5−1)中、qは、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1又は2である。
式(5−1)中、pは、好ましくは0である。
Figure 2014003247
式(5−2)中、Arは、アリーレン基、又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、単結合、炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子数が6〜20である置換基を有していてもよいアリーレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を示す。
は、水素原子、炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルキル基、炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はRとの単結合を表す。複数個存在するRは、各々、同一であっても異なっていてもよい。環Fはフラーレン環を表す。
qは1〜4の整数を表す。R及び環Fが複数個ある場合、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。
式(5−2)中、Ar、R、環F及びqは、それぞれ、前記式(5−1)で表される構成単位の例示、好ましい例と同様である。
式(5−2)中、Rは、好ましくは水素原子である。
上記式(5−1)で表される構成単位は、下記一般式(6)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 2014003247
式(6)中、Rは、単結合、炭素原子数が1〜20である置換基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子数が6〜20である置換基を有していてもよいアリーレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。Rが複数個ある場合、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
sは1又は2である。
式(6)中、Rは、既に説明した前記式(5)及び前記式(9)中のRと同義である。
式(6)中、Rは、好ましくは単結合又は置換基を有しないアルキレン基であり、より好ましくは単結合又は炭素原子数が1〜6である置換基を有しないアルキレン基である。
式(6)中、Rで表される、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及び1価の複素環基は、上述の「用語の説明」の記載及び例と同じである。
式(6)中、Rは、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは置換基を有しないアルキル基又は置換基を有するアリール基である。
一般式(6)で表される構成単位の例としては、下記式(6A−1)、(6A−2)、(6A−3)、(6A−4)、(6A−5)、(6A−6)、(6A−7)、(6A−8)、(6A−9)、(6A−10)、(6A−11)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
下記式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位について説明する。
Figure 2014003247
式(2)中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子を表す。
但し、前記官能基の水素原子は置換基で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。
式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位としては、式(2)のRを1個除いた原子団からなる基を含む構成単位、又は、前記式(2)のRを2個除いてなる構成単位が挙げられ、好ましくは、前記式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体のRを2個除いてなる構成単位である。
前記式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体のRを2個除いてなる構成単位としては、下記式(12−1)〜(12−6)で表される構成単位が好ましく、より好ましくは下記式(12−1)、式(12−2)、式(12−4)、式(12−5)又は式(12−6)で表される構成単位であり、特に好ましくは下記式(12−1)で表される構成単位である。
Figure 2014003247
式(12−1)〜(12−6)中、Rは、前記式(2)におけるRと同じ意味を表し、式(2)における例示や好ましい範囲と同一である。
上記式(12−1)〜(12−6)で表される構成単位の具体例としては、下記式(12−01)〜(12−013)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは、式(12−01)〜(12−06)で表される構成単位であり、より好ましくは式(12−01)〜(12−03)で表される構成単位であり、特に好ましくは式(12−01)で表される構成単位である。
Figure 2014003247
下記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位について説明する。
Figure 2014003247
式(3)中、
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数個存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
Ar及びArは、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar及びArはそれぞれ、隣り合うRと直接結合して、環構造を形成していてもよい。
前記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位としては、前記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体からR、ArおよびArからなる群から選ばれる1個以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を1個除いた原子団からなる基を含む構成単位、又は、前記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体からR、ArおよびArからなる群から選ばれる1個以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を2個除いてなる構成単位が挙げられ、好ましくは前記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体から水素原子を2個除いてなる構成単位である。
前記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体からR、ArおよびArからなる群から選ばれる1個以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を2個除いてなる構成単位としては、下記式(7a)で表される構成単位、下記式(7b)で表される構成単位及び下記式(7c)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位であることが好ましい。
Figure 2014003247
式(7a)中、
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
Arは、アリール基又は1価の複素環基を表す。Arは隣り合うRと直接結合して、環構造を形成していてもよい。
Arは、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2014003247
式(7b)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
Arは、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するArは、同一であっても異なっていてもよい。Arは隣り合うRと直接結合して、環構造を形成していてもよい。
Figure 2014003247
式(7c)中、
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
n’は、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArはRと直接結合して、環構造を形成していてもよい。
Arは、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArはRn’と直接結合して、環構造を形成していてもよい。
式(7a)、式(7b)及び式(7c)中、Rは、前記式(3)におけるRと同じ意味を表し、式(3)における例示や好ましい範囲と同一である。
式(7a)及び式(7c)中、Arは、前記式(3)におけるRと同じ意味を表し、式(3)における例示や好ましい範囲と同一である。
式(7a)、式(7b)及び式(7c)中、Arで表わされる「アリーレン基」及び「2価の複素環基」は、上述の「用語の説明」において説明した通りである。
式(7a)、式(7b)及び式(7c)中、Arは、好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基及びフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基である。
式(7c)中、Rn’で表わされる「アリーレン基」及び「2価の複素環基」は、上述の「用語の説明」において説明した通りである。
式(7c)中、Rn’は、好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基及びフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基である。
前記式(7a)で表される構成単位の具体例としては、輝度寿命の観点から、下記式(7a−1)〜式(7a−11)で表される構成単位が好ましく、式(7a−1)、式(7a−7)〜式(7a−10)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
式(7a−1)〜式(7a−11)中、Rは、前述の記載及び例と同様である。
式(7a−1)〜式(7a−11)中、Ryは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRyは互いに同一であっても異なっていてもよい。
yは、輝度寿命の観点から、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいアリール基であり、さらに好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいフェニル基である。
式(7a−1)〜式(7a−11)中、cは0〜3の整数を表す。cは好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
前記式(7a)で表される構成単位としては、前記式(7a−10)で表される構成単位の好ましい形態である式(7a−20)、前記式(7a−1)で表される構成単位の好ましい形態である式(7a−30)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014003247
前記式(7b)で表される構成単位の具体例としては、輝度寿命の観点から、下記式(7b−1)〜式(7b−9)で表される構成単位が好ましく、式(7b−1)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2014003247
Figure 2014003247
式(7b−1)〜式(7b−9)中、Rは、前述の記載及び例と同様である。
式(7b−1)〜式(7b−9)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のRは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
は、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基またはアリール基である。
式(7b−4)中、Rは、前述の記載及び例と同様である。
前記式(7b)で表される構成単位としては、下記式(7c−1)の好ましい形態である式(7c−20)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014003247
前記式(7b)で表される構成単位の具体例としては、輝度寿命の観点から、式(7c−1)〜式(7c−3)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014003247
前記式(3)で表される構成単位としては、前記式(7b−1)の好ましい形態である式(7b−20)、前記式(7b−2)の好ましい形態である式(7b−30)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014003247
本実施形態の有機EL素子は、正孔注入層及び/又は正孔輸送層と発光層とを有するが、製造の容易性及び素子寿命の観点からは正孔注入層又は正孔輸送層上に発光層が積層されることが好ましい。この積層構造を実現するためには高分子化合物Vは架橋性基を有する構成単位を含むことが好ましい。
架橋性基を有する構成単位及びその含有量に関しては既に説明した通りである。また、架橋性基は式(B)で表される構成単位、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位、上記式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位及び上記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位に含まれていてもよい。
高分子化合物IVと、高分子化合物Vと、を含む組成物(以下、「組成物Y」ということがある。)における、高分子化合物IVと高分子化合物Vとの組成比に関しては、特に制限は無いが、高分子化合物IV及び高分子化合物IVを構成する構成単位のモル数の合計に対して、式(B)で表される構成単位は、10mol%−99mol%であることが好ましく、さらに好ましくは10mol%−90mol%であり、より好ましくは10mol%−50mol%であり、特に好ましくは10mol%−45mol%である。また、構成単位(c−1)は、高分子化合物IV及び高分子化合物IVを構成する構成単位のモル数の合計に対して、0.001mol%〜50mol%であることが好ましく、0.01mol%〜20mol%であることがより好ましく、0.01mol%〜10mol%であることがさらに好ましい。
[高分子化合物VI]
高分子化合物VIについて説明する。高分子化合物VIは、前記式(B)で表される構成単位を10mol%以上含み、且つフラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位、前記式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位、及び、前記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位なる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位である、構成単位(c−1)を含む高分子化合物である。
フラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位、式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位、及び、式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位は上記定義の通りである。
本実施形態の有機EL素子は、正孔注入層及び/又は正孔輸送層と発光層とを有するが、製造の容易性及び素子寿命の観点からは正孔注入層又は正孔輸送層上に発光層が積層されることが好ましい。この積層構造を実現するためには高分子化合物VIは架橋性基を有する構成単位を含むことが好ましい。架橋性基を有する構成単位及びその含有量に関しては既に説明した通りである。また、架橋性基は式(B)で表される構成単位、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む構成単位、上記式(2)で表されるアズレン又はアズレン誘導体を含む構成単位及び上記式(3)で表されるスチルベン又はスチルベン誘導体を含む構成単位に含まれていてもよい。
本実施形態の高分子化合物VI中の式(B)で表される構成単位は、高分子化合物VIを構成する構成単位のモル数の合計に対して、10mol%−99mol%であることが好ましく、さらに好ましくは10mol%−90mol%であり、より好ましくは10mol%−50mol%であり、特に好ましくは10mol%−45mol%である。また、構成単位(c−1)は、高分子化合物VIを構成する構成単位のモル数の合計に対して、0.001mol%〜50mol%であることが好ましく、0.01mol%〜20mol%であることがより好ましく、0.01mol%〜10mol%であることがさらに好ましい。
本実施形態の発光層を形成する組成物Xは、正孔輸送材料及び電子輸送材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含有していてもよい。また、本実施形態の発光層を形成するブロック型共重合体である高分子化合物IIIは、正孔注入材料及び電子注入材料、並びに正孔輸送材料及び電子輸送材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料との組成物としてもよい。
本実施形態の正孔注入層、正孔輸送層を形成する組成物Yは、正孔注入材料、正孔輸送材料を含有していてもよい。また、本実施形態の正孔注入層、正孔輸送層を形成する高分子化合物VIは、正孔注入材料、正孔輸送材料を含有していてもよい。
正孔注入材料及び電子注入材料、並びに正孔輸送材料及び電子輸送材料は、有機EL素子における主に電荷(正孔及び電子)バランスを調整する役割を担う。
正孔注入材料の例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、スターバースト型アミン、フタロシアニン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第3級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、およびこれらを含む重合体が挙げられる。また、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の導電性金属酸化物、ポリアニリン、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子およびオリゴマー、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルフォン酸、ポリピロール等の有機導電性材料およびこれらを含む重合体、上記式(1)で表される構成単位を有する高分子化合物、アモルファスカーボン、オクタデシルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤等を挙げることができる。さらに、上記有機材料にテトラシアノキノジメタン誘導体(例えば2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、1,4-ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ポリニトロ化合物、などのアクセプター性有機化合物を添加した組成物が挙げられる。これらの中でも、芳香族第3級アミン化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の導電性金属酸化物、ポリアニリン、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子およびオリゴマー、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルフォン酸、ポリピロール等の有機導電性材料およびこれらを含む重合体、上記式(1)で表される構成単位を有する高分子化合物、さらに、上記有機材料にアクセプター性有機化合物を添加した組成物が好ましい。
正孔注入層の作製方法としては、特に限定されず公知の方法が利用できる。無機化合物材料の場合は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、低分子有機材料の場合は、例えば真空蒸着法、レーザー転写や熱転写などの転写法、溶液からの成膜による方法(高分子バインダーとの混合溶液を用いてもよい。)等が挙げられる。また、高分子有機材料では、例えば溶液からの成膜による方法が挙げられる。
上記組成物における正孔注入材料の含有割合は、電荷バランスが良好となるので、組成物100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部であり、より好ましくは1〜70重量部であり、さらに好ましくは5〜50重量部である。
電子注入材料としては、公知の電子注入材料が使用でき、電子注入材料の例としては、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、式(1)で表される構成単位を有する高分子化合物などが挙げられる。これらの中でも、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、式(1)で表される構成単位を有する高分子化合物が好ましい。
電子注入層の作製方法としては、特に限定されず公知の方法が利用できる。電子注入層の作製方法の例としては、無機化合物材料の場合は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、低分子有機材料の場合は、真空蒸着法、レーザー転写や熱転写などの転写法、溶液からの成膜による方法(高分子バインダーとの混合溶液を用いてもよい。)等が挙げられる。また、高分子有機材料の場合は、電子注入層の作製方法の例としては、溶液からの成膜による方法が挙げられる。
上記組成物における電子注入材料の含有割合は、電荷バランスが良好となるので、組成物100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部であり、より好ましくは1〜70重量部であり、さらに好ましくは5〜50重量部である。
また、電子注入材料の含有割合は、電荷バランスが良好となるので、ブロック型共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部であり、より好ましくは1〜70重量部であり、さらに好ましくは5〜50重量部である。
正孔輸送材料の例としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、並びにポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、及び特開平3−152184号公報に記載された正孔輸送材料も挙げられる。これらの中でも、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が好ましい。
正孔輸送層の作製方法としては、特に限定されず公知の方法が利用できる。無機化合物材料の場合は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、低分子有機材料の場合は、真空蒸着法、レーザー転写や熱転写などの転写法、溶液からの成膜による方法(高分子バインダーとの混合溶液を用いてもよい)等が挙げられる。また、正孔輸送層の作製方法の例としては、高分子有機材料の場合、溶液からの成膜による方法が挙げられる。
上記組成物における正孔輸送材料の含有割合は、電荷バランスが良好となるので、組成物100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部であり、より好ましくは3〜20質量部であり、特に好ましくは3〜10質量部である。
また、正孔輸送材料は、電荷バランスが良好となるので、ブロック型共重合体100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部、より好ましくは3〜20質量部、特に好ましくは3〜10質量部加えられる。
電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、並びにポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、及び特開平3−152184号公報に記載された電子輸送材料も挙げられる。これらの中でも、オキサジアゾール誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノキサリン及びその誘導体、並びにポリフルオレンが好ましい。
電子輸送層の作製方法としては、特に限定されず公知の方法が利用できる。電子輸送層の作製方法の例としては、無機化合物材料の場合は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、低分子有機材料の場合は、真空蒸着法、レーザー転写や熱転写などの転写法、溶液からの成膜による方法(高分子バインダーとの混合溶液を用いてもよい。)等が挙げられる。また、電子輸送層の作製方法の例としては、高分子有機材料の場合、溶液からの成膜による方法が挙げられる。
上記組成物における電子輸送材料の含有割合は、電荷バランスが良好となるので、組成物100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは5〜30質量部であり、特に好ましくは5〜20質量部である。
また、電子輸送材料の含有割合は、電荷バランスが良好となるので、ブロック型共重合体100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部、特に好ましくは5〜20質量部が加えられる。
[溶液(液状組成物)]
本実施形態の組成物が有機溶媒を含むことにより、また、本実施形態のブロック型共重合体及び高分子化合物が有機溶媒と混合されることにより、溶液又は分散液(以下、単に「溶液」という。)とすることができる。溶液とすることにより、塗布による成膜を行うことができる。この溶液は、一般的に、インキ組成物、液状組成物等と称される。なお、該溶液には、上述の正孔注入材料、電子注入材料、正孔輸送材料及び/又は電子輸送材料が含まれていてもよい。
有機溶媒の例としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼン等の塩素溶媒、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル溶媒、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン及びメシチレン等の芳香族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルベンゾエート及びエチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン及び1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びシクロヘキサノール等のアルコール溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒、並びに、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒が挙げられる。なお、これらの溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの有機溶媒のうち、ベンゼン環を含む構造を有し、かつ融点が0℃以下、沸点が100℃以上である有機溶媒を含むと、溶液の粘度が適切な範囲となり、その結果、成膜性が良好となる傾向があるので好ましい。
有機溶媒の含有割合は、成膜性が良好となるので、組成物1質量部に対して、好ましくは10〜1000質量部であり、より好ましくは20〜500質量部であり、特に好ましくは30〜100質量部である。
また、有機溶媒の含有割合は、成膜性が良好となるので、ブロック型共重合体1質量部に対して、好ましくは10〜1000質量部であり、より好ましくは20〜500質量部であり、特に好ましくは30〜100質量部である。
本実施形態の組成物及び/又はブロック型共重合体が有機溶媒を含んで溶液状とされている場合、組成物及び/又はブロック型共重合体からなる薄膜を成膜する(他の層上に積層する)には、溶液を対象(他の層、基板等)に塗布した後、得られた塗布膜を乾燥することにより有機溶媒を除去するだけでよく、すなわち簡易な工程で成膜することができるので製造上非常に有利である。溶液が塗布されることにより形成される塗布膜は、50℃〜150℃程度に加温して乾燥させてもよく、また塗布膜は圧力を10−3Pa程度に減圧することにより乾燥させてもよい。
上記の積層又は成膜工程には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、及びノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
本実施形態の組成物及び/又はブロック型共重合体が有機溶媒を含む場合、溶液の好ましい粘度は適用される塗布法によって異なる。溶液の粘度は、25℃において0.5mPa・s〜500mPa・sの範囲であることが好ましい。また、インクジェット印刷法等、溶液が吐出装置を経て塗布される場合には、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを防止するために、溶液の粘度は25℃において0.5〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
[薄膜]
上記組成物及び/又はブロック型共重合体は、有機層である薄膜とされる。このような薄膜は、上述の方法により、上記溶液を塗工液として用いる塗布法により簡易な工程で製造することができる。そして、このような薄膜は、上記組成物及び/又はブロック型共重合体を含有するため、有機EL素子の発光層などの機能層として好適であり、当該薄膜を発光層として備える有機EL素子は優れた輝度寿命を有する。
[有機EL素子]
有機EL素子は、陽極と陰極とからなる一対の電極、及び該一対の電極の間に設けられた上記有機層を備える。ここで、上記有機層は、一般的に発光層などの機能層である。有機EL素子は、好ましくは、上記薄膜からなる発光層を備えるものである。
上記有機EL素子の構成の例としては、以下のa)〜l)の構成が挙げられる。
a)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
ここで、符号「/」はこれを挟む各層が隣接するように積層されていることを表す。以下、同様である。
なお、発光層とは発光する機能を有する層である。正孔注入層とは正孔を注入する機能を有する層であり、電子注入層とは電子を注入する機能を有する層である。正孔注入層と電子注入層を総称して電荷注入層と称する。正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層と電子輸送層を総称して電荷輸送層と称する。
各層の積層/成膜は、溶液を用いる塗布法により行うことが好ましい。溶液からの積層/成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、及びノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
発光層の厚さは、駆動電圧と発光効率とが適度な値となるように選択すればよい。発光層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
正孔輸送層の成膜は、如何なる方法で行ってもよいが、正孔輸送材料が低分子化合物である場合には、高分子バインダーとの混合溶液を用いて成膜することが好ましい。正孔輸送材料が高分子化合物である場合には、溶液を用いて成膜することが好ましい。
混合され得る高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しない高分子バインダーであって、可視光に対する吸収が強くないものが好ましい。高分子バインダーの例としては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリシロキサン等が挙げられる。
正孔輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効率とが適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと有機EL素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
有機EL素子が電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料は、既に説明した通りである。電子輸送層の成膜は、如何なる方法で行ってもよいが、電子輸送材料が低分子化合物である場合には、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が好ましい。電子輸送材料が高分子化合物である場合には、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が好ましい。溶液又は溶融状態からの成膜には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液を用いる成膜には、塗布法として既に例示した方法を用いることができる。
混合され得る高分子バインダーは、電荷輸送を極度に阻害しないものであって、可視光に対する吸収が強くないものが好ましい。高分子バインダーの例としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、並びにポリシロキサン等が挙げられる。
電子輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効率とが適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、電極に隣接させて設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と称する場合がある。さらに、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して上記の電荷注入層又は絶縁層を設けてもよく、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。なお、積層される層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して選択すればよい。
電荷注入層としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層等が挙げられる。
電荷注入層が導電性高分子を含む層である場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm〜10S/cmであることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm〜10S/cmであることがより好ましく、10−5S/cm〜10S/cmであることがさらに好ましい。かかる範囲を満たすために、導電性高分子に適量のイオンをドープしてもよい。
ドープされるイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等が挙げられ、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
電荷注入層の厚さは、例えば、1nm〜100nmであり、2nm〜50nmであることが好ましい。
電荷注入層に用いる材料としては、電極や隣接する層の材料との関係で選択すればよく、その例としては、前述の正孔注入材料及び電子注入材料が挙げられる。
絶縁層は、電荷注入を容易にする機能を有する層である。この絶縁層の平均厚さは、通常、0.1〜20nmであり、好ましくは0.5nm〜10nm、より好ましくは1nm〜5nmである。
絶縁層に用いられる材料の例としては、金属フッ化物、金属酸化物、及び有機絶縁材料等が挙げられる。
絶縁層を設けた有機EL素子の構成例としては、以下のm)〜r)の構造を有する有機EL素子が挙げられる。
m)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
n)陽極/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
o)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
p)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
q)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
r)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
[基板]
有機EL素子を形成する基板は、電極、有機層などの機能層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、及びシリコン等の基板が挙げられる。不透明な基板の場合には、該基板により近い電極と反対側の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
本実施形態において、通常は、陽極及び陰極からなる電極の少なくとも一方が透明又は半透明であり、陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
[陽極]
陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられ、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、若しくはそれらの複合体であるインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等からなる導電性無機化合物を用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅等で形成された膜が用いられる。また、陽極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、又はカーボンからなる層、或いは金属酸化物、金属フッ化物、又は有機絶縁材料からなる層を設けてもよい。
陽極の作製方法の例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びメッキ法等が挙げられる。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは40nm〜500nmである。
[陰極]
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、若しくはイッテルビウム等の金属、それらのうち2種以上の合金、又はそれらのうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫のうち1種以上との合金、或いはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。
陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して選択することができる。陰極の厚さは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陰極と発光層又は陰極と電子輸送層との間に、導電性高分子からなる層、或いは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよく、陰極作製後、有機EL素子を保護する保護層を装着していてもよい。該有機EL素子を長期安定的に用いるためには、有機EL素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
保護層としては、樹脂、金属酸化物、金属フッ化物、又は金属ホウ化物等を用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、又は表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができ、該保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴン等の不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。
本実施形態の組成物及び/又はブロック型共重合体を含有する有機層を有する有機EL素子は、曲面状光源、及び平面状光源等の面状光源(例えば、照明);セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置(例えば、ドットマトリックスのフラットディスプレイ)、及び液晶表示装置(例えば、液晶表示装置、液晶ディスプレイのバックライト)等の表示装置等に有用である。また、本実施形態の組成物及び/又はブロック型共重合体は、これらの作製に用いられる材料として好適である以外にも、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、及び有機半導体薄膜等の伝導性薄膜用材料、蛍光を発する発光性薄膜材料、並びに電界効果トランジスタの材料等としても有用である。
白色照明として本実施形態の組成物及び/又はブロック型共重合体を含有する発光層を用いる場合には、白色の色純度を得るために青色以外の発光材料を該発光層に含有させてもよいし、青色以外の発光材料を有する第2の発光層を有していてもよい。
本実施形態の組成物及び/又はブロック型共重合体を含有する有機層を有する有機EL素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極とが重なり合うように配置されればよい。また、パターン状の発光を得るためには、該面状の有機EL素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、陽極及び陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメント表示装置が得られる。さらに、ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、及びビデオカメラのビューファインダー等に用いることができる。
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(数平均分子量及び重量平均分子量)
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)については、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析し、その分析結果からポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を算出した。
<分析条件>
測定装置:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
カラム:PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:40℃
移動層:テトラヒドロフラン
流量:2.0mL/min
検出波長:228nm
(NMRの測定)
NMRの測定は、特に記載がない限りは、測定試料5〜20mgを約0.5mLの有機溶媒に溶解させて、NMR(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:MERCURY 300)を用いて行った。
(LC−MSの測定)
LC−MSの測定は、以下の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に1μL注入した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン及びそれらの混合溶液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
(重合に用いられる化合物の合成)
<合成例1:化合物1Aの合成>
化合物1Aは、Eur.J.Org.Chem.2005年,pp.2207に記載の方法に従って、合成した。
窒素雰囲気下、3口ナスフラスコにアズレン(3.0質量部)を仕込み、ヘキサンを加えて攪拌した。氷浴を用いて0℃まで冷却し、そこに、NBS(N−ブロモスクシンイミド)(10.4質量部)を反応温度を保ちながら少しずつ加えた。反応終了後、得られた混合物を室温で2時間攪拌し、その後溶媒を除去した。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、及び、ヘキサンを用いた再結晶を行い精製した。目的とする化合物1Aは、再結晶からの回収分として3.75質量部(HPLC純度100%)、及び、ろ液からの回収分として2.83質量部(HPLC純度99.6%)が得られた。全収率は99.1%であった。化合物1Aの構造をNMRにより確認した。
Figure 2014003247
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=8.32(d,12Hz,2H),7.81(s,1H),7.68(t,12Hz,1H),7.27(m,2H).
13C−NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)=140.36,138.50,137.01,136.07,124.33,102.99.
<合成例2:化合物3Bの合成>
下記のスキームに従って化合物1Bを合成した。
アルゴン気流下、反応容器に1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(20.0質量部)とテトラヒドロフランとを加え、均一な溶液を調製し、該溶液を−69℃まで冷却した。該溶液に2.76Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)を−68℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、化合物1B−1(9.0質量部)とテトラヒドロフランとからなる溶液を−70℃で1時間かけて滴下し、−70℃で2時間撹拌した。次いで、該溶液に−70℃にてメタノール及び蒸留水を加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて一晩撹拌した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘプタン及び水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮し、化合物1Bを23.4質量部得た。
Figure 2014003247
アルゴン気流下、反応容器に化合物1B(48.0質量部)及びジクロロメタンを加えて、均一な溶液を調製し、−30℃に冷却した。該溶液に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Bに対して1モル当量)を30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、反応混合物を−20℃に冷却し、蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して、分液した水層を有機層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。得られた有機層に10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。該有機層を濃縮し溶媒を除去した。次いで、トルエン及びヘプタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、酢酸ブチルとメタノールを用い再結晶することにより、目的とする化合物2Bを23.2質量部得た。
Figure 2014003247
下記のスキームに従って化合物3Bを得た。
アルゴン気流下、2Lの4口フラスコに化合物2B(9.5質量部)、化合物3B−1(6.6質量部)、1,4−ジオキサン、酢酸カリウム(7.05質量部)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、0.1質量部)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(PdCl(dppf)・CHCl、0.15質量部)を加え、100℃〜102℃で5時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライト及びシリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、ヘキサンを加えて調製した溶液に、活性炭を加え、ヘキサンが還流する温度にて1時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、トルエン及びアセトニトリルで再結晶を行うことにより、目的とする化合物3Bを10.1質量部得た。
Figure 2014003247
<合成例3:化合物3Cの合成>
下記のスキームに従って化合物1Cを得た。
不活性ガス雰囲気下、3口フラスコに、3−n−ヘキシル−5−メチルブロモベンゼン(26.2質量部)及び無水テトラヒドロフランを加え均一溶液とし、−70℃に冷却した。得られた溶液に、2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(3−n−ヘキシル−5−メチルブロモベンゼンに対して0.93モル当量)を、溶液の温度が−70℃に保たれるように滴下し、同温度にて4時間撹拌し、溶液(以下、「溶液A」という)を調製した。
別途、2口フラスコに、2−メトキシカルボニル−4,4’−ジブロモビフェニル(16.0質量部)及び無水テトラヒドロフランを加え、溶液(以下、「溶液B」という)を調製した。
溶液Aに溶液Bを、溶液Aの温度が−70℃に保たれるように滴下し、撹拌した。次いで、反応液を室温にて15時間撹拌した。次いで、反応液に水を0℃にて加え、撹拌した。次いで、得られた混合液を減圧下で濃縮することにより溶媒を留去し、残留物にヘキサン及び水を加え、撹拌し、静置して生成した水層を除去し有機層を得た。この有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、減圧下で濃縮することにより、下記式で表される化合物1Cを白色固体として得た。
Figure 2014003247
不活性ガス雰囲気下、3口フラスコに、化合物1C(30.0質量部)及び無水ジクロロメタンを加え、5℃に冷却した。得られた混合物に、温度が0℃〜5℃の範囲内に保たれるように、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Cに対して4.2モル当量)を滴下した後、室温にて終夜撹拌した。反応液を、氷水に注意深く注ぎ、30分間撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。この有機層に10質量%リン酸カリウム水溶液を加え、2時間撹拌した後、静置して生成した水層を有機層から除去した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、濃縮することにより溶媒を留去し、オイル状の液体を得た。このオイル状の液体にメタノールを加え、固体を得た。この固体をn−ブチルアセテート及びメタノールから再結晶を行うことにより、下記式で表される化合物2Cを24.0質量部得た。
Figure 2014003247
三口フラスコに、合成例3で合成した化合物2C(8.0質量部)、ビス(ピナコレート)ジボロン(6.6質量部)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(Pd(dppf)・CHCl、0.15質量部)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.099質量部)、無水1,4−ジオキサン及び酢酸カリウム(7.0質量部)を加え、100℃で20時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、シリカゲルに通液させ、シリカゲルをトルエンで洗浄し、得られた溶液を濃縮することにより溶媒を留去し、褐色の液体を得た。この液体を、ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶出液を濃縮することにより得られた液体にアセトニトリルを加え、固体を得た。この固体をアセトニトリル及びトルエンを用いて再結晶を1回行い、ジクロロメタン及びメタノールを用いて再結晶を1回行い、減圧下で乾燥させることにより、下記式で表される化合物3Cを2.9質量部得た。
Figure 2014003247
<合成例4:化合物4Fの合成>
3口フラスコに、3,5−ジブロモフェノール9.6質量部、3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)フェニルボロン酸30.9質量部(特開2005−82730号公報に記載の方法に従って合成した。)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド95.0質量部(20質量%水溶液)を加えた後、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。そこに、トルエン及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.15質量部を加え、100℃で8時間加熱した。その後、得られた混合液を放冷すると、結晶が析出した。この結晶を、クロロホルムを加えて溶解させ、得られた溶液に1N塩酸を加えて酸性にし、分液した。得られた水層をクロロホルムで抽出し、抽出後のクロロホルムを有機層と合わせ、水、飽和食塩水の順番で洗浄した。洗浄後の有機層を、シリカゲルを敷いたグラスフィルターに通してろ過し、溶媒を留去したところ、41.8質量部の粗生成物を得た。これに、ヘキサンを加え、還流温度まで昇温後、室温までゆっくり放冷し、ろ過し、ヘキサン洗浄を行ったところ、下記式で表される化合物1Fを28.0質量部得た。
LC−MS(APPI−MS,posi)775([M+H]、exact mass=774)
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.35(36H,s),5.19(1H,s),7.15(s,2H),7.47(d,8H),7.59(s,1H),7.60(d,8H),7.78(s,6H).
13C−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=31.8,34.9,113.9,119.6,125.2,125.7,126.2,127.4,138.6,142.1,142.6,144.0,150.9,156.6.
Figure 2014003247
4口フラスコ内の気体を窒素ガスで置換し、4口フラスコ内で化合物1F 28.0質量部及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン13.0質量部を脱水ジクロロメタンに溶解させ、0℃に冷却した。そこに、無水トリフルオロメタンスルホン酸25.0質量部を30分間かけて滴下した。そして、20分間撹拌後、冷浴を外し、1.5時間撹拌を継続した。得られた混合液を、シリカゲルを敷いたグラスフィルターに通し、ろ過し、トルエンで洗浄した。得られた混合液から溶媒を留去したところ、下記式で表される化合物2Fを28.9質量部得た。
LC−MS(ESI−MS, positive)945([M+K]、exact mass=906)
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.38(36H,s),7.52(8H,d),7.57(2H,s),7.64(8H,d),7.77(4H,s),7.85(2H,s),7.97(1H,s).
13C−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=31.7,34.9,119.3.
Figure 2014003247
4口フラスコ内の気体を窒素ガスで置換し、フェノキサジン6.1質量部を入れ、脱水トルエンに溶解させた。そこに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.71質量部、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン0.86質量部及び炭酸セシウム15.2質量部を加え、110℃に加熱した。そこに、化合物2F 28.9質量部を窒素バブリングした脱水トルエンに溶解させた溶液を1時間かけて滴下した。そして、20時間撹拌後、得られた混合物をシリカゲルを敷いたグラスフィルターで熱時ろ過し、トルエンで洗浄した。得られた混合液から溶媒を留去したところ、33.0質量部の粗生成物を得た。この粗生成物をトルエンに溶解させ、得られた溶液をメタノール1L中に滴下し、再沈殿させた。得られた溶液を、ろ過し、メタノール洗浄したところ、50.0質量部の粗生成物を得た。そこに、トルエンを加え、加熱して溶解させ、エタノールを滴下し、再結晶した。さらに、得られた生成物を、ろ過し、エタノールで洗浄したところ、24.8質量部の生成物を得た。この生成物を、トルエンとエタノールとの混合溶媒を用いて再結晶したところ、下記式で表される化合物3Fを16.6質量部得た。
LC−MS(APCI,positive)940([M+H]、exact mass=939)
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.37(36H,s),6.13−6.16(2H,m),6.62−6.71(6H,m),7.50(8H,d),7.64(8H,d),7.72(2H,s),7.83(6H,s),8.11(1H,s).
13C−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=31.7,34.9,113.7,115.8,121.7,123.7,125.0,126.0,126.1,126.3,127.4,128.8,134.6,138.4,140.4,141.1,142.8,144.3,145.3,151.0.
Figure 2014003247
4口フラスコ内の気体を窒素ガスで置換し、化合物3F 16.6質量部を加え、クロロホルムに溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却し、そこに、6.3質量部のNBS(N−ブロモスクシンイミド)をDMFに溶解させた溶液を50分間かけて滴下した。そして、10分間撹拌後、冷浴を外し、3時間撹拌を継続した。得られた混合液を、再度0℃に冷却し、そこに、0.1質量部のNBSをDMFに溶解させた溶液を滴下した。そして、室温で1.5時間撹拌した後、そこに、水を滴下し分液した。得られた水層をトルエンで2回抽出し、抽出したトルエンを有機層と合わせ、トルエンを加えた。得られた混合液を、水及び飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の混合液を、シリカゲルを敷いたグラスフィルターに通してろ過し、トルエンで洗浄した。得られた混合液から溶媒を留去したところ、下記式で表される化合物4Fを25.1質量部得た。
LC−MS(APCI,positive)1096([M+H]、exact mass=1095)
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.37(36H,s),5.99(2H,d),6.75(2H,d),6.85(2H,brs),7.50(8H,d),7.61−7.65(10H,m),7.82(6H,d),8.11(1H,s).
13C−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=31.7,34.9,113.3,114.9,119.0,125.0,126.2,126.7,127.3,128.2,129.3,133.5,138.3,139.6,140.7,142.9,144.5,145.6,151.1.
Figure 2014003247
<合成例5:化合物4Iの合成>
アルゴンガス雰囲気下、反応容器に、1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(58.4g)及びテトラヒドロフランを加え、均一溶液を調製し、−75℃まで冷却した。該溶液に2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)(71.2mL)を−75℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、そこに、2,7−ジブロモフルオレノン(55.2g)とテトラヒドロフランからなる溶液を−75℃で1時間かけて滴下し、反応液を室温まで昇温させ4時間撹拌した。次いで、該溶液を0℃まで冷却させ、アセトン、2mol%塩酸水溶液をゆっくり加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて静置した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘキサン及び水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮し、下記式で表される化合物1I(30.2g)を得た。
Figure 2014003247
反応容器をアルゴン気流下とし、化合物1I(27.7g)及びトリフルオロ酢酸(36mL)を加えた。該溶液にトリメチルシラン(8.4mL)とヘキサン(25mL)の混合溶液を30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応液を10℃に冷却し、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を有機層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮した。次いで、ヘキサン及びジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、メタノールで洗浄することにより、目的とする下記式で表される化合物2I(12.1g)を得た。
Figure 2014003247
アルゴン気流下で、反応容器に、化合物2I(12.0g)、ジメチルスルホキシド(60mL)、水(2mL)及び水酸化カリウム(4.85g)を加えた。該溶液にヨウ化メチル(4.1mL)を滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応液を室温にて、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を有機層から除去した。次いで、そこに水を加え撹拌し、反応液を静置して分液した水層を有機層から除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮した。次いで、メタノールと酢酸ブチルを用いて再結晶することにより、目的とする下記式で表される化合物3I(4.3g)を得た。
Figure 2014003247
アルゴンガス雰囲気下、反応容器に、化合物3I(4.2g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン)(4.0g)、1,4−ジオキサン(45mL)、酢酸カリウム(4.2g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、59mg)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(PdCl(dppf)・CHCl、88mg)を加え、100℃で20時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライト及びシリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、ヘキサンを加えて調製した溶液に、活性炭を加え、ヘキサンが還流する温度にて1時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、トルエン及びメタノールで再結晶を行うことにより、目的とする下記式で表される化合物4I(3.9g)を得た。
Figure 2014003247
<合成例6:化合物1Tの合成>
100mLの3口フラスコの内部の気体を窒素ガスで置換し、2−エチルヘキシルマグネシウムブロミド(1.0Mジエチルエーテル溶液、25mL、25mmol)を入れ、還流した。この溶液に2−ブロモアントラセン(5.34g、20.8mmol)とPdCl(dppf)・CHCl(33mg、0.04mmol)とを50mLの脱水シクロペンチルメチルエーテルに懸濁させた懸濁液を35分間かけて滴下した。1時間還流後、氷浴につけて反応液を冷却し、2M塩酸(5mL)を滴下した。そこに、トルエン50mLを加え、50mL、30mLの水で順番に分液することにより洗浄した。水層を合わせ、トルエンで再抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水30mLで洗浄した。シリカゲル20gを敷いたグラスフィルターを通して濾過し、トルエンで洗浄した。濾液の溶媒を留去したところ、7.45gの粗生成物を得た。
5.40gの粗生成物をイソプロピルアルコール(54mL)で再結晶を行った。ここで、加熱して粗生成物の溶解を確認した後、放冷したところ、内温65℃で結晶化が見られ、この温度で2時間保温した。その後、得られた溶液をゆっくり冷却し、室温まで放冷した後、ろ過、イソプロピルアルコールで洗浄した。イソプロピルアルコールによる再結晶を更に2回繰り返し、3.81gの2−(2−エチルヘキシル)アントラセン(収率67.2%)を白色固体として得た。
LC−MS(APPI positive)291([M+H]、exact mass=290)
H−NMR(CDCl、300MHz):δ(ppm)=0.87〜0.94(6H、m)、1.27〜1.48(8H、m)、1.68〜1.75(1H、m)、2.71(2H、d)、7.29(1H、d)、7.40〜7.46(2H、m)、7.71(s、1H)、7.91(1H、d)、7.95〜7.98(2H、m)、8.32(1H、s)、8.36(1H、s).
13C−NMR(CDCl、75MHz):δ(ppm)=11.1、14.4、23.4、25.9、29.2、32.8、40.9、41.0、125.2、125.5、125.6、126.2、127.2、128.2、128.3、128.4、128.5、131.0、131.8、132.2、139.2.
Figure 2014003247
300mLの4口フラスコの内部の気体を窒素ガスで置換し、2−(2−エチルヘキシル)アントラセン(3.50g、12.1mmol)を取り、105mLの脱水ジクロロメタンに溶解させた。氷浴につけて、得られた溶液を冷却し、20分で臭素(4.17g、26.1mmol)を20分間かけて滴下した。次いで、45分間攪拌した後、1質量%チオ硫酸ナトリウム水溶液を5分で滴下し、反応を停止させた。分液し、有機層をクロロホルム100mLで抽出した。有機層を合わせ、水洗した。シリカゲル20gを敷いたグラスフィルターを通してろ過し、ヘキサンで洗浄した。濾洗液を濃縮し、5.47gの粗生成物を黄色粘性オイルとして得た。
この黄色粘性オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、展開溶媒ヘキサンのみ)にて精製し、4.26gの黄色粘性オイルとして得た。次いでメタノール1Lを加え加熱して溶解し、一晩静置して結晶を得た。得られたスラリーを約150mLまで濃縮した後、ろ過し、3.91gの淡黄色固体を得た。
得られた固体をヘキサン(50mL)に溶解させ、活性炭1.00gを加え、1時間攪拌した。セライト13gを敷いたグラスフィルターを通してろ過、ヘキサンで洗浄し、濾洗液を濃縮した。これにイソプロピルアルコール(100mL)を加えて加熱した後、35℃まで放冷し、種晶を加えた。攪拌後、ろ過し、イソプロピルアルコールで洗浄し、2.76g(収率51%)の9,10−ジブロモ−2−(2−エチルヘキシル)アントラセン(化合物1T)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl、300MHz):δ(ppm)=0.86〜0.97(6H、m)、1.20〜1.40(8H、m)、1.72〜1.77(1H、m)、2.78(2H、d)、7.43(1H、d)、7.55〜7.59(2H、m)、8.28(1H、s)、8.46(1H、d)、8.51〜8.54(2H、m).
13C−NMR(CDCl、75MHz):δ(ppm)=11.2、14.5、23.3、25.9、29.1、32.7、40.7、40.9、122.8、123.6、127.2、127.3、127.6、128.3、128.4、128.5、130.3、130.8、131.4、141.7.
Figure 2014003247
<合成例7:化合物2Dの合成>
3口フラスコ内の気体を窒素ガスで置換し、3口フラスコ内で、1−ブロモ−3−n−ヘキシルベンゼン22.6質量部を、無水テトラヒドロフランに溶解させた。得られた溶液を−75℃以下に冷却し、2.5M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3−n−ヘキシルベンゼンに対して0.96モル当量)を滴下し、−75℃以下に保ちながら5時間撹拌した。そこに、2−メトキシカルボニル−4,4’−ジブロモビフェニル15.0質量部を無水テトラヒドロフランに溶解させた溶液を−70℃以下に保ちながら滴下した。得られた溶液を室温までゆっくりと昇温後、終夜撹拌した。反応液を0℃で撹拌しながら、水を滴下した。反応液から溶媒を留去した後、残渣に水を加え、ヘキサンで3回抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、水層をヘキサンで再抽出した。得られた有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥させた有機層から溶媒を留去したところ、26.4質量部の下記式で表される化合物1Dの粗生成物を得た。
Figure 2014003247
3口フラスコ内で、上記で合成した化合物1D 26.4質量部を、ジクロロメタンに溶解させ、該フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。得られた溶液を0℃以下に冷却し、5℃以下に保ちながら三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Dに対して5モル当量)を滴下した。室温までゆっくり昇温後、終夜撹拌した。反応液を氷水中に撹拌しながら注ぎ、30分間撹拌した。反応液を分液し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、10質量%リン酸カリウム水溶液を加えて分液し、有機層を水で2回で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥させた有機層から溶媒を留去して得られたオイルをトルエンに溶解させ、シリカゲルを敷いたグラスフィルターに通し、ろ過した。ろ液から溶媒を留去した後、メタノールを加えて激しく撹拌した。得られた結晶をろ過し、メタノールで洗浄した。洗浄した結晶をヘキサンと酢酸ブチルとの混合溶媒で再結晶して、下記式で表される化合物2Dを12.1質量部得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=0.86(6H,t)、1.26(12H,m)、1.52(4H,m)、2.51(4H,t)、6.87(2H,d)、7.00(2H,s)、7.04(2H,d)、7.12(2H,t)、7.46(2H,dd)、7.48(2H,d)、7.55(2H,d).
Figure 2014003247
(重合体の製造)
<重合例1:重合体1の合成>
不活性ガス雰囲気下、化合物3B(2.688g、2.96mmol)、下記式:
Figure 2014003247
で表される化合物1K(1.640g、1.80mmol)、下記式:
Figure 2014003247
で表される化合物F8BR(0.411g、0.75mmol)、下記式:
Figure 2014003247
で表される化合物1L(0.238g、0.45mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(62mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、3時間20分還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(36.8mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに16時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体1を3.12gを得た。重合体1のポリスチレン換算の数平均分子量は8.0×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.6×10であった。
化合物1KはWO2005/049546号記載の合成法に従い合成した。化合物F8BRはWO2002/045184号記載の合成法に従い合成した。化合物1Lは特開2010−215886号記載の合成法に従い合成した。
重合体1は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位とを、50:30:12.5:7.5のモル比で有するランダム共重合体であった。
<重合例2:重合体2の合成>:
不活性ガス雰囲気下、化合物1A(0.0108g、0.04mmol)、化合物3B(2.7072g、2.98mmol)、化合物1K(1.6397g、1.80mmol)、化合物F8BR(0.3907g、0.71mmol)、化合物1L(0.2378g、0.45mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(71mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、3.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(37mg)、及び、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、17.5時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。
この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体2を2.95g得た。重合体2のポリスチレン換算の数平均分子量は7.9×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.3×105であった。
重合体2は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位とを、50:30:11.87:7.5:0.63のモル比で有するランダム共重合体であった。
<重合例3:重合体3の合成>:
不活性ガス雰囲気下、化合物3B(1.8032g、1.99mmol)、下記式;
Figure 2014003247
で表される化合物1Z(国際公開第2011/161417号記載の合成法に従って合成した。)(0.2441g、0.50mmol)、化合物1K(1.0930g、1.20mmol)、化合物1L(0.1584g、0.30mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)(1.8mg)、及び、トルエン(47mL)を混合し、105℃に加熱した。
反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5mL)を滴下し、5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(26mg)、及び、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5mL)を加え、16時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。
この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体3を2.42g得た。重合体3のポリスチレン換算の数平均分子量は3.9×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.9×105であった。
重合体3は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位とを、50:30:7.5:12.5のモル比で有するランダム共重合体であった。
<重合例4:重合体4の合成>:
不活性雰囲気下、重合体1(1.5000g,2.24mmol)、フラーレン:C60フラーレン(シグマアルドリッチ社製)(0.4848g,0.67mmol)、及びオルトジクロロベンゼン110mLを混合した。アルゴンで30分間バブリングを行った後、190℃に加熱し、24時間撹拌した。その後反応溶液をメタノールに再沈殿し、濾過、減圧乾燥を行った。
乾燥後、得られた粗ポリマーにTHF80mLを加えて溶解させ、セライト濾過を行った。その後、桐山ロートの下層にセライト、上層に活性炭とシリカゲルの混合物を積層させ、ポリマー溶液を通液させた。この操作を2回繰り返した後、THFを留去し、トルエンに再溶解させた。ポリマー溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物を濾取し、乾燥させることにより、重合体4を0.86g得た。重合体4のポリスチレン換算の数平均分子量は1.6×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.8×10であった。
また、得られた重合物4の全構成単位に対するフラーレン担持量は6.3mol%であった。なお、重合体4におけるフラーレンを含む構成単位は、上記式(6A−1)で表される構成単位であると推測される。
<重合例5:重合体5の合成>
不活性ガス雰囲気下、化合物3C(2.2749g、2.97mmol)、化合物F8BR(0.3290g、0.60mmol)、化合物2D(1.2375g、1.92mmol)、下記式:
Figure 2014003247
で表される化合物3G(0.1330g、0.18mmol)、化合物4F(0.3295g、0.30mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(76mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、2時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(37mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)、トルエン(6mL)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10ml)を加え、さらに14.5時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、有機層を、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体5 2.42gを得た。重合体5のポリスチレン換算の数平均分子量は1.0×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.9×10であった。化合物3Gは特開2006−169265号記載の合成法に従い合成した。
重合体5は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される構成単位とを、50:10:32:3:5のモル比で有するランダム共重合体であった。
<重合例6:重合体6の合成>
不活性ガス雰囲気下、化合物4I(1.725g、2.55mmol)、化合物1T(0.8401g、2.50mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(39mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、2.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(30.5mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を加え、さらに12時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(18mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(18mL)で2回、水(18mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(253mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(52mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(253mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体6(高分子化合物) 6.4gを得た。重合体6のポリスチレン換算の数平均分子量は1.2×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.8×10であった。
重合体6は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
Figure 2014003247
で表される式(1)中のZに該当する構成単位と、下記式:
Figure 2014003247
で表される式(1)中のYに該当する構成単位とを、50:50のモル比で有し、式(1)で表される構成単位からなる交互共重合体であった。
(有機EL素子の製造と評価)
<実施例1:有機EL素子1の製造と評価>
スパッタ法により45nmの厚さでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入材料であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により50nmの厚さで成膜し、ホットプレートを用いて170℃で15分間乾燥し、有機EL用基材を作製した。
[正孔輸送層の作製]
次に、キシレン溶媒中に0.7質量%の濃度で溶解させた重合体2の溶液をスピンコートして、約20nmの厚さに成膜した。その後、窒素ガス雰囲気下においてホットプレート上で180℃、60分間熱処理した。
[発光層の作製]
次に、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体5の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体6の溶液とを質量比で、重合体5:重合体6=90:10となるように混合して、組成物1を調製した。
組成物1をスピンコート法により2000rpmの回転速度で上記有機EL用基材上に成膜した。厚さは約60nmであった。
これを窒素雰囲気下130℃で10分間乾燥した後、陰極としてフッ化ナトリウムを約3nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、有機EL素子1を作製した。なお、真空度が、1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
得られた有機EL素子1に電圧を印加したところ、この素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.7Vから発光が開始し、最大発光効率は9.3cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子1を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、初期輝度に対して60%になるまでの時間(以下LT60と呼ぶ)は134時間であった。
<実施例2:有機EL素子2の製造と評価>
実施例1における正孔輸送層に用いた重合体2に代えて、キシレン溶媒中に0.7質量%の濃度で溶解させた重合体1の溶液と、キシレン溶媒中に0.7質量%の濃度で溶解させた重合体3の溶液とを質量比で、重合体1:重合体3=90:10となるように混合して、組成物2を調製した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子2を作製した。得られた有機EL素子2に電圧を印加したところ、この有機EL素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該有機EL素子は2.7Vから発光が開始し、最大発光効率は9.4cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子2を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は163時間であった。
<実施例3:有機EL素子3の製造と評価>
実施例1における正孔輸送層に用いた重合体2に代えて、キシレン溶媒中に0.7質量%の濃度で溶解させた重合体1の溶液と、キシレン溶媒中に0.7質量%の濃度で溶解させた重合体4の溶液とを質量比で、重合体1:重合体4=87:13となるように混合して、組成物3を調製した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子3を作製した。得られた有機EL素子3に電圧を印加したところ、この素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.6Vから発光が開始し、最大発光効率は9.0cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子3を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は137時間であった。
<比較例1:有機EL素子4の製造と評価>
実施例1における正孔輸送層に用いた重合体2に代えて、重合体1を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子4を作製した。得られた有機EL素子4に電圧を印加したところ、この有機EL素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該有機EL素子は2.6Vから発光が開始し、最大発光効率は11.2cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子4を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は100時間であった。
<比較例2:有機EL素子5の製造と評価>
実施例1において発光層に用いた組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体5の溶液を調製して発光層として用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子5を作製した。得られた有機EL素子5に電圧を印加したところ、この有機EL素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該有機EL素子は2.6Vから発光が開始し、最大発光効率は6.9cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子5を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は87時間であった。
<比較例3:有機EL素子6の製造と評価>
実施例2における発光層に用いた組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体5の溶液を調製して発光層として用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子6を作製した。得られた有機EL素子6に電圧を印加したところ、この有機EL素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該有機EL素子は2.6Vから発光が開始し、最大発光効率は7.8cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子6を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は82時間であった。
<比較例4:有機EL素子7の製造と評価>
実施例3における発光層に用いた組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体5の溶液を調製して発光層として用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子7を作製した。得られた有機EL素子7に電圧を印加したところ、この素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.6Vから発光が開始し、最大発光効率は7.3cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子7を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は114時間であった。
<比較例5:有機EL素子8の製造と評価>
実施例1における正孔輸送層に用いた重合体2に代えて、重合体1を用い、発光層に用いた組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体5の溶液を調製して発光層として用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子8を作製した。得られた有機EL素子8に電圧を印加したところ、この素子から主に重合体5に由来する460nmにピークを有するEL発光が得られた。該有機EL素子は2.6Vから発光が開始し、最大発光効率は10.6cd/Aであった。
上記で得られた有機EL素子8を初期輝度が5000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、LT60は36時間であった。
以下に上記実施例1〜3、並びに比較例1〜5の結果を表1に示す。
Figure 2014003247

Claims (6)

  1. 陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた発光層と、陽極及び発光層の間に設けられた正孔注入層又は正孔輸送層と、を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    発光層は、下記式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を有する高分子化合物Iと、下記式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物IIと、を含む組成物を含むか、又は、下記式(A)、(B)及び(C)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位と、下記式(1)で表される構成単位と、を有するブロック型共重合体である高分子化合物IIIを含み、
    前記正孔注入層又は正孔輸送層は、下記式(B)で表される構成単位を10mol%以上有する高分子化合物IVと、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位、下記式(2)で表されるアズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位及び下記式(3)で表されるスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を含む高分子化合物Vと、を含む組成物を含むか、又は、下記式(B)で表される構成単位を10mol%以上と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む構成単位、下記式(2)で表されるアズレン若しくはアズレン誘導体を含む構成単位及び下記式(3)で表されるスチルベン若しくはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位と、を有する高分子化合物VIを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014003247
    (式(A)、(B)及び(C)中、
    Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。
    Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。
    は、−CR=CR−で表される基又は−C≡C−で表される基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。
    aは、0又は1を表す。)
    −[−(Y)−Z−]− (1)

    (式(1)中、
    Yは、下記式(Y−1)又は下記式(Y−2)で表される構造から、水素原子を2個除いた2価の基を表す。
    Zは、下記式(Z−1)、(Z−2)、(Z−3)、(Z−4)、(Z−5)、(Z−6)、(Z−7)又は(Z−8)で表される構造から水素原子を2個除いた2価の基を表す。
    mは4〜10000の整数を表す。nは1〜3の整数を表す。
    複数個あるY、Z及びnは、各々、同一であっても異なっていてもよい。
    Y及びZが有する水素原子は、R’で置換されていてもよく、R’は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、ハロゲン原子を表す。R’が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、複数個のR’は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子又は窒素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
    Figure 2014003247
    Figure 2014003247
    (式(Z−1)〜式(Z−8)中、
    Xは、−CH=で表される基又は−N=で表される基を表す。複数個あるXは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Xとしての−N=で表される基の数は、0〜2である。
    は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個のRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
    Figure 2014003247
    (式(2)中、
    は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子を表す。前記官能基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2014003247
    (式(3)中、
    は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar及びArはそれぞれ、隣り合うRと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。)
  2. 前記Yが、下記式(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)又は(Y−6)で表される2価の基である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014003247
    (式(Y−3)〜(Y−6)中、
    R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよい。複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。)
  3. 前記Zが、下記式(Z−9)、(Z−10)、(Z−11)、(Z−12)、(Z−13)、(Z−14)、(Z−15)、(Z−16)、(Z−17)、(Z−18)、(Z−19)又は(Z−20)で表される2価の基である、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014003247
    (式(Z−9)〜(Z−20)中、
    R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
    は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよい。複数個あるRは互いに結合して環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
  4. 前記Zが、前記式(Z−11)、(Z−15)又は(Z−17)で表される2価の基である、請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記式(A)で表される構成単位が、それぞれ独立に、下記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、又は(1e)で表される構成単位である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014003247
    (式(1a)〜(1e)中、
    R”は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数個あるR”は、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるR”は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。
    は、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、1価の複素環基及び1価の複素環チオ基からなる群より選ばれる官能基、又は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す。複数個あるRは、同一であっても異なっていてもよく、複数個あるRは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。前記官能基は置換基を有していてもよい。)
  6. 前記高分子化合物IV、高分子化合物V又は高分子化合物VIが、架橋基を有する構成単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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