JP2003064163A - ブロック共重合体および高分子発光素子 - Google Patents

ブロック共重合体および高分子発光素子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規なブロック共重合体であって、該ブロック
共重合体を高分子蛍光体として高分子発光素子に用いた
ときに、該素子が優れた特性を示すことができるブロッ
ク共重合体を提供する。 【解決手段】 2つ以上のブロックを含み、固体状態で
蛍光を有するブロック共重合体であって、それらのブロ
ックは同一であっても異なっていてもよく、それぞれの
ブロック内では1種類以上の繰り返し単位が共役結合で
結合されており、ブロックとブロックの間は共役結合を
有する接合単位で連結されており、かつ、少なくとも一
つのブロックのポリスチレン換算数平均分子量が1×1
3〜1×108であるブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体状態で蛍光を
有するブロック共重合体及びその製造方法、さらにそれ
を用いた高分子発光素子(以下高分子LEDということ
がある)に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量の発光材料(高分子蛍光体)は
低分子系のそれとは異なり溶媒に可溶で塗布法により発
光素子における発光層等を形成できることから種々検討
されている。
【0003】高分子蛍光体として用いることの可能な重
合体の一つとして、ブロック共重合体が知られている。
このようなブロック共重合体として、例えば、特表平8
−505167には、チオフェンジイル繰り返し単位か
らなる、共役結合で結合されたブロックと −SiMe2
- で示される繰り返し単位からなる、共役結合で結合さ
れていないブロックとから構成されるブロック共重合体
が開示されている。また、繰り返し単位同士が共役結合
で結合されておらず、主鎖がポリエチレン構造であるブ
ロック共重合体も知られている(特表平11−6066
0、特開2000−159846)。例えば、特表平1
1−60660には、ビニルカルバゾールを重合してな
るブロックとオキサジアゾールを含む基を有するビニル
化合物を重合してなるブロックとから構成されるブロッ
ク共重合体が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知のブロック共重合体を高分子蛍光体として用いた高分
子発光素子の発光効率、寿命等の特性は未だ不十分であ
った。本発明の目的は、新規なブロック共重合体であっ
て、該ブロック共重合体を高分子蛍光体として高分子発
光素子に用いたときに、該素子が優れた特性を示すこと
ができるブロック共重合体とそれを用いた高分子発光素
子(以下高分子LEDということがある)を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、2つ
以上のブロックを含み、固体状態で蛍光を有するブロッ
ク共重合体であって、それらのブロックは同一であって
も異なっていてもよく、それぞれのブロック内では1種
類以上の繰り返し単位が共役結合で結合されており、ブ
ロックとブロックの間は共役結合を有する接合単位で連
結されており、かつ、少なくとも一つのブロックのポリ
スチレン換算数平均分子量が1×103〜1×108であ
ることを特徴とするブロック共重合体に関わるものであ
る。
【0006】また本発明は、2つ以上のブロックを含
み、固体状態で蛍光を有するブロック共重合体であっ
て、該ブロックの少なくとも2つは互いに同一でなく、
それぞれのブロック内では1種類以上の繰り返し単位が
共役結合で結合されており、ブロックとブロックの間は
共役連鎖が断たれることなく直接結合で連結されてお
り、かつ、少なくとも一つのブロックのポリスチレン換
算数平均分子量が1×103〜1×108であることを特
徴とするブロック共重合体に関わるものである。本発明
のブロック共重合体において、少なくとも一つのブロッ
クのポリスチレン換算数平均分子量は、好ましくは2×
103〜1×108である。更に本発明のブロック共重合
体は、2つ以上のブロックを含むブロック共重合体であ
って、そのうちの2つは同一でなく、それぞれのブロッ
ク内では1つ以上の繰り返し単位がπ-π共役結合で結
合されており、固体状態で蛍光を有し、ブロックとブロ
ックの間もπ−π共役結合で連結されていることが好ま
しい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のブロック共重合体は、例
えば、下記一般式(1a)で表される。 −A−block−(B)−block−C− (1a) (式中A、Cは同一もしくは異なっていてもよいブロッ
クを示し、Bはブロックの一部でない接合単位を示し、
共役結合を有する。)
【0008】A及びCが1種類の繰り返し単位からのみ
構成される場合において、AがCと同一の繰り返し単位
aを有する場合、接合単位をBで表すと、該ブロック共
重合体は、 −aaaaaaa−block−B−block−aaaaaaa
− で示される。
【0009】AとCが異なる場合、本発明のブロック共
重合体は、接合単位Bを有していても有していなくても
よい。この場合、Aを構成する繰り返し単位をa、Cを
構成する繰り返し単位をcとした場合、該ブロック共重
合体は、 −aaaaaaa−block−B−block−ccccccc
c− もしくは、 −aaaaaaa−block−cccccccc− で示される。
【0010】A及びCのどちらか1つが2種類以上の繰
り返し単位から構成される場合、本発明のブロック共重
合体は接合単位Bを有していても有していなくてもよ
い。例えば、Aを構成する繰り返し単位をaおよびc、
Cを構成する繰り返し単位をcとした場合、ブロック共
重合体は、 −accacaaaca−block−B−block−cccc
cccc− もしくは、 −accacaaaca−block−cccccccc− で示される。この場合のAおよびCを構成するcは同一
であっても異なっていてもよく、Aを構成する繰り返し
単位a、cは規則的に配列していてもランダムに配列し
ていてもよい。
【0011】A及びCの両方が2種類以上の繰り返し単
位から構成される場合において、AおよびCが同一の繰
り返し単位から構成される場合は、本発明のブロック共
重合体は接合単位Bを有する。例えば、AおよびCの両
者共、それを構成する繰り返し単位がaおよびcの場
合、ブロック共重合体は、 −accacaaaca−block−B−block−acca
cacaaa− で示される。AおよびCを構成する繰り返し単位a、c
は規則的に配列していてもランダムに配列していてもよ
い。
【0012】A及びCの両方が2種類以上の繰り返し単
位から構成される場合で、Aを構成する繰り返し単位の
うち少なくとも1つがCを構成する繰り返し単位に含ま
れない場合、または、Cを構成する繰り返し単位のうち
少なくとも1つがAを構成する繰り返し単位に含まれな
い場合においては、本発明のブロック共重合体は上記一
般式(1a)における接合単位Bを有していても有して
いなくてもよい。例えば、Aを構成する繰り返し単位を
a、bおよびc、Cを構成する繰り返し単位をaおよび
cとした場合、ブロック共重合体は、 −acbacabacab−block−B−block−acc
acaaca− もしくは −acbacabacab−block−accacaaa
ca− で示される。
【0013】上記例示のうち、接合単位Bを有するブロ
ック共重合体の場合は、接合単位と接合単位の間をブロ
ックと呼ぶ。本発明のブロック共重合体は、固体状態で
蛍光を有し、例えば上記一般式(1a)であらわされる
ブロック共重合体である。式中A及びCは同一であって
も異なっていてもよいブロックを表し、Bはブロックの
一部でない共役結合を有する接合単位を表す。また一般
式(1a)で表されるポリマーの薄膜が示す蛍光ピーク
波長が、ブロックAのみからなるポリマーの薄膜が示す
蛍光ピーク波長、ブロックCのみからなるポリマーの薄
膜が示す蛍光ピーク波長のいずれよりも5nm以上長波
長であることが好ましい。
【0014】さらに、本発明のブロック共重合体は固体
状態で蛍光を有し、例えば下記一般式(1b)であらわ
されるブロック共重合体である。 −A−block−C− (1b) ここで、A及びCはそれぞれ異なっているブロックを表
し、ブロックとブロックの間は共役連鎖が断たれること
なく直接結合で連結されている。 式(1b)で表され
るポリマーの薄膜が示す蛍光ピーク波長が、ブロックA
のみからなるポリマーの薄膜が示す蛍光ピーク波長より
も5nm以上長波長であることが好ましい。
【0015】また本発明において、2つ以上のブロック
を有するブロック共重合体であって、少なくとも一組の
相隣り合うブロックDとEとした場合、それらのそれぞ
れのブロックのみからなるポリマーの最低非占有軌道
(LUMO)と最高占有軌道(HOMO)の値を比較す
ると、 HOMO(D)>HOMO(E) LUMO(D)<LUMO(E) の関係が成り立つものが特に好ましい。
【0016】HOMOの値の大小関係を比較する方法と
して、十分に大きな差がある場合には、計算または実測
で求めたイオン化ポテンシャル、仕事関数に相当する値
で比較してもよい。また、LUMOの値の大小関係を比
較する方法として、十分に大きな差がある場合には、計
算または実測で求めた電子親和力に相当する値で比較し
てもよい。以下、本願では、これらのパラメータも含め
て、それぞれ単にHOMO、LUMOと称する。
【0017】HOMO、LUMOを求める方法として
は、UPS(紫外線光電子分光法)や分子軌道法により
計算する方法などが知られている。分子軌道法により計
算する方法は、将来十分な精度が得られるようになれ
ば、好ましい方法となり得るが、現状では複雑な高分子
に対して適用するのは困難であるので、UPSや以下に
示す方法で求めることが好ましい。例えば、UPSに関
しては、ポリマー・フォー・アドバンスト・テクノロジ
ーズ(Polymer for AdvancedTe
chnologies)、第9巻、419頁(1998
年)およびそこで引用されている文献に記載の方法が例
示される。
【0018】また、HOMOを求める方法としては、U
PSの他に、日本特許第1234703号に記載の光電
子分光法、電気化学的に酸化電位を求めて換算する方法
などがある。
【0019】日本特許第1234703号に記載の光電
子分光法は、例えば、理研計器社の装置(AC−2)に
より用いることができる。また、電気化学的に酸化電位
を求めて換算する方法としては、具体的には、材料の酸
化開始電位を求めて換算する方法が例示される。
【0020】酸化開始電位を求める具体的な方法として
は、以下の電気化学的な方法を用いることができる。す
なわち、目的とする材料のサイクリックボルタンメトリ
ーを行い、ベースラインから酸化波が立ち上がる電位
(酸化開始電位)を求める。具体的には、例えばまず測
定する材料の溶液からディッピングにより白金電極上に
薄膜を形成する。そして、適度な支持電解質を含む有機
溶媒、例えば0.1規定のテトラブチルアンモニウムテ
トラフルオロボレートのアセトニトリル溶液で、材料で
被覆した白金電極を作用極、もう1つの被覆していない
白金電極を対極、および参照極として例えば銀/塩化銀
電極、飽和カロメル電極、標準水素電極等を用いて、サ
イクリックボルタンメトリーを行う。測定する材料が電
解液として用いる溶媒に容易に溶解する場合には、電極
を被覆する代わりに、これらの材料を電解液に溶解させ
て測定してもよい。このときの濃度は、酸化波が容易に
検出できるように選べばよい。
【0021】このとき電位の掃引速度、掃引範囲等の諸
条件は、いずれの材料の測定の際にも同一にし、例え
ば、掃引速度としては50mV/秒、掃引範囲として
は、ー200〜1500mV(銀/塩化銀電極に対する
電位)等が例示される。得られたサイクリックボルタモ
グラムに対し、ベースライン、酸化波の立ち上がり部分
にそれぞれ接する直線の交点の電位を求める。
【0022】得られた酸化開始電位を標準水素電極に対
する値に換算したものをEox(V)とすると、以下の
式によりHOMOを求めることができる。
【0023】HOMO=Eox+C(eV) (Cは、標準水素電極の真空準位に対する値で、定数
とみなせる。通常は4.5を用いる。) 2つの材料のHOMOの値(eV)を比較する場合に
は、上記式の定数Cは差し引きされるので、厳密な値を
考慮する必要はない。
【0024】LUMOを求める方法としては、上記のU
PSの他に、電気化学的な還元電位から換算する方法、
材料の吸収スペクトルの吸収端波長と上記HOMOの値
から換算する方法が例示される。
【0025】電気化学的な還元電位から換算する方法
は、前記の酸化電位を還元電位に置き換えて同様の方法
で換算すればよい。
【0026】材料の吸収スペクトルの吸収端波長と上記
HOMOの値から換算する方法において、吸収スペクト
ルの吸収端波長を求めるには、吸収スペクトルを測定
し、ベースラインから吸収が立ち上がる波長を求めれば
よい。具体的にはまず、例えば石英板上に測定する材料
の溶液からスピンコート等により、厚さ50〜300n
m程度の薄膜を形成し、吸収スペクトルを求める。この
スペクトルに対し、ベースライン、吸収の立ち上がり部
分にそれぞれ接する直線の交点の波長を吸収端波長とす
る。
【0027】得られた吸収端波長をλedge(nm)
とすると、以下の式によりLUMOを求めることができ
る。
【0028】 LUMO=HOMOーC/λedge(eV) (Cは、単位を換算するための定数で。通常は123
9を用いる。) ここで、HOMOの値は、前記の各種方法のいずれかで
求めた値を用いることができる。
【0029】本発明におけるブロック共重合体におい
て、繰り返し単位が共役結合で結合し形成された上記式
(1a)または(1b)で示されるブロックAおよびCの
うちの少なくとも一つは下記式(2)、および式(3)
からなる繰り返し単位から選ばれた繰り返し単位を一つ
以上有するものであることがさらに好ましい。
【0030】 (ここで、Ar1は、アリーレン基または2価の複素環
基であり、該アリーレン基、2価の複素環基は置換基を
有していてもよい。R1およびR2は、それぞれ独立に水
素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基また
はシアノ基を示し、該アリール基、1価の複素環基は置
換基を有していてもよい。nは0または1である) −Ar−(CR=CR− (3) (ここで、Arは下記一般式(4)で示される2価の
芳香族アミン基である。RおよびRは、それぞれ独
立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環
基またはシアノ基を表し、mは0または1である) −Ar−N(Ar)−Ar− (4) (ここで、ArおよびArはそれぞれ独立にアリー
レン基、下記一般式(5)で表される芳香族化合物基、
または下記一般式(6)の芳香族アミン骨格を有する基
であり、Arは、アリール基、1価の複素環基、下記
一般式(7)で表される芳香族アミン骨格を有する基、
または、下記一般式(8)で表される芳香族エテニレン
骨格を有する基を示す。また、ArとArの間、A
とAr の間、またはArとArの間に環を形
成していてもよい) (ここで、ArおよびArは、それぞれ独立に、ア
リーレン基を示し、該アリーレン基は置換基を有してい
てもよい。RおよびRは、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシ
アノ基、lは0または1である) (ここで、ArおよびArは、それぞれ独立に、ア
リーレン基を示し、該アリーレン基は置換基を有してい
てもよい。Ar10は、置換基を有してもよいアリール
基である。また、ArとAr10の間、ArとAr
の間、またはArとAr10の間に環を形成してい
てもよい) (ここで、Ar11は、アリーレン基を示し、該アリー
レン基は置換基を有していてもよい。RおよびR
は、それぞれ独立にそれぞれ独立に水素原子、アルキ
ル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を表
し、また、Ar11とRの間、Ar11とRの間、
またはRとRの間に環を形成していてもよい) (ここで、Ar12およびAr13は、それぞれ独立
に、アリーレン基を示し、該アリーレン基は置換基を有
していてもよい。RおよびR10は、それぞれ独立に
それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1
価の複素環基またはシアノ基を表し、pは0または1で
ある)。
【0031】上記式(3)で示されるArは、好まし
くは、下記式(9)で表されるものである。 −(Ar14−N(Ar15))−Ar16− (9) (ここで、Ar14およびAr16はそれぞれ独立にア
リーレン基、上記一般式(5)で表される芳香族化合物
基、または上記一般式(6)の芳香族アミン骨格を有す
る基を表し、Ar15はアリール基、1価の複素環基、
上記一般式(7)で表される芳香族アミン骨格を有する
基、または、上記一般式(8)で表される芳香族エテニ
レン骨格を有する基を表す。tは1または2である)。
【0032】本発明において、共役結合を有する接合単
位Bとは、ブロックの一部でない共役系であれば特に限
定されないが、上記式(2)で示されるアリーレン基、
2価の複素環基、アリーレンビニレン基や上記式(3)
および(9)で示される2価の芳香族アミノ基などが好
ましい。
【0033】更に接合単位Bとしては、上記式(2)に
おいてnが0である場合、および上記式(3)において
mが0である場合、下記一般式(10)で表される構造
であることが好ましく、 (ここで、Ar17およびAr18はそれぞれ独立にア
リーレン基または2価の複素環基であり、R11および
12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
ル基、1価の複素環基またはシアノ基を表す)。また、
上記式(2)においてnが1である場合、および上記式
(3)においてmが1である場合、接合単位Bは下記一
般式(11)で表される構造であることが好ましい。 ―Ar19― (11) (式中Ar19はアリーレン基、または2価の複素環基
である。)
【0034】本発明におけるブロック共重合体の製造方
法は、上述した構造を与えるものならば特に限定されな
いが、以下の方法にて製造することが、構造制御を行う
上で好ましい。また、以下の方法によれば、比較的少な
い工程数で、本発明のブロック共重合体のような他の方
法で作ることの難しいブロック共重合体を製造すること
ができる。
【0035】[1]分子内に互いに反応しうる2つの反
応活性基(X1、X2)を有する単量体(I)と、分子内
に該反応活性基(X1、X2)と反応して結合を生成しう
る反応活性基(X3)および該反応活性基(X1、X2
と(X)が反応して結合を生成しうる反応条件下では
反応しない基(Y)を有する単量体(II)とを反応
させて得られた分子末端に基(Y)を有する初期重合
体を、基(Y)同士が反応して結合を生成しうる条件
で反応させることを特徴とするブロック共重合体の製造
方法。および[2]分子内に互いに反応しうる2つの反
応活性基(X1、X2)を有する単量体(I)と、分子内
に該反応活性基(X1、X2)と反応して結合を生成しう
る反応活性基(X3)および該反応活性基(X1、X2
と(X)が反応して結合を生成しうる反応条件下では
反応しない基(Y)を有する単量体(II)とを反応
させて得られた分子末端に基(Y)を有する初期重合
体を、基(Y)と反応して結合を生成しうる2つの基
(Y,Y)を分子内に有する単量体(III)と、
基YとYおよびYが反応して結合を生成しうる条
件で反応させることを特徴とするブロック共重合体の製
造方法。
【0036】本発明の製造方法においては、特に限定さ
れないが、基(Y、Y、Y)同士が反応すること
によって、π−π結合を生成しうることが好ましく、更
にπ−π結合が2重結合もしくはアリール-アリール結
合であることが好ましい。
【0037】本発明の製造方法において、用いる単量体
の構造は特に限定されないが、以下の構造を有するもの
が好ましい。即ち、下記一般式(12)から選ばれる1
種類以上の単量体(I)と、下記一般式(13)から選
ばれる1種類以上の単量体(II)を反応させることに
より初期重合体を得た後、1種類以上の初期重合体同
士、もしくは一般式(14)で表される1種類以上の単
量体(III)と反応させることが好ましい。
【0038】ここで、単量体(I)のなかで好ましいも
のは下記一般式(12)で示される。 X1−Ar20−X2 (12) (ここで、X1、X2は互いに反応して結合を生成しうる
反応活性基を示し、これらは、同一でも異なっていても
よい。Ar20は、上記Arと同様の基を示す。)
【0039】また、単量体(II)のなかで好ましいも
のは下記一般式(13)で示される。 X−Ar21−Y (13) (ここで、Ar21は、Arと同様の基を示す。X
は上記X1、X2と反応して結合を生成しうる反応活性基
を示し、YはX1、X2とXが反応して結合を生成す
る反応条件下では反応しない基を示す。)
【0040】上記製造法によって得られる初期重合体は
下記一般式で表される。 (ここで、sは1以上の整数を示す。a,bは、1であ
る。)
【0041】また、単量体(III)の中で好ましいも
のは、下記式(14)で示される。 Y2-Ar25−Y3 (14) (ここで、Ar25はAr1と同様の基を示す。Y2,Y
3はそれぞれ独立にY1と同様の基を示し、これらは同一
でも異なっていてもよい。)
【0042】本発明において、アリーレン基とは、芳香
族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、
通常炭素数は6〜60程度であり、好ましくは6〜20
である。ここに芳香族炭化水素としては、縮合環をもつ
もの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接
またはビニレン等の基を介して結合したものが含まれ
る。 アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、
下図の式1〜3)、ナフタレン−ジイル基(下図の式4
〜13)、アントラセニレン基(下図の式14〜1
9)、ビフェニレン基(下図の式20〜25)、フルオ
レン−ジイル基(下図の式36〜38)、トリフェニレ
ン基(下図の式26〜28)、スチルベン−ジイル(下
図の式A〜D), ジスチルベン−ジイル (下図の式
E,F)、 縮合環化合物基(下図の式29〜38)な
どが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニレン
基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好
ましい。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】本発明において、2価の複素環基とは、複
素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をい
い、炭素数は通常3〜60程度である。ここに複素環化
合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成
する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リ
ン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものを
いう。
【0048】2価の複素環基としては、例えば以下のも
のが挙げられる。ヘテロ原子として、窒素を含む2価の
複素環基;ピリジン−ジイル基(下図の式39〜4
4)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キ
ノリン−ジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリ
ン−ジイル基(下図の式64〜68)、アクリジン−ジ
イル基(下図の式69〜72)、ビピリジル−ジイル基
(下図の式73〜75)、フェナントロリン−ジイル基
(下図の式76〜78)、など。 ヘテロ原子としてけ
い素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を
有する基(下図の式79〜93)。
【0049】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜9
8)が挙げられる。
【0050】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環縮合複素基:(下図の式99〜1
08)が挙げられる。
【0051】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位
で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の
式109〜113)が挙げられる。
【0052】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位
でフェニル基に結合している基:(下図の式113〜1
19)が挙げられる。
【0053】ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、など
を含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チ
エニル基が置換した基:(下図の式120〜125)が
挙げられる。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】上記の式1〜125で示した例において、
Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、
アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコ
キシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル
基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、
シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、ア
シルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、1価の
複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基または
シアノ基を示す。また、式1〜132の基が有する炭素
原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子と置き換え
られていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されて
いてもよい。
【0064】本発明において、2価の芳香族アミン基と
は、芳香族アミンから水素原子2個を除いた残りの原子
団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、より具体的
には以下の基が例示される。
【0065】
【0066】上記式においてRは、前記式1〜125の
それと同じである。上記の例において、1つの構造式中
に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよ
いし、異なる基であってもよい。溶媒への溶解性を高め
るためには、水素原子以外を1つ以上有していることが
好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対
称性が少ないことが好ましい。
【0067】本発明におけるアルキル基としては、直
鎖、分岐または環状のいずれでもよい。炭素数は通常1
〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル
基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオ
ロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキ
シル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好まし
い。
【0068】アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状の
いずれでもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具
体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ
基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、
オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニ
ルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチ
ルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ
基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ
基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル
基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキ
シ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキ
シ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ
基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ
基が好ましい。
【0069】アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状
のいずれでもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、
具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチ
オ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブ
チルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、
オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチ
オ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ
基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが
挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチル
チオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、
3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0070】アリール基は、炭素数は通常6〜60程度
であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキ
シフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であるこ
とを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキル
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−ア
ントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラ
セニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、
1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフ
ェニル基が好ましい。ここに、アリール基とは、芳香族
炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団である。こ
こに芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立
したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニ
レン等の基を介して結合したものが含まれる。C1〜C
12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、
プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−
ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチ
ルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、
デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウ
リルオキシなどが例示される。C1〜C12アルキルフェ
ニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェ
ニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メ
シチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェ
ニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t
−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミル
フェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル
基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフ
ェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
【0071】アリールオキシ基としては、炭素数は通常
6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1
〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフ
ェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキ
シ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示さ
れ、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アル
キルフェノキシ基が好ましい。C1〜C12アルコキシと
して具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキ
シ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t
−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロ
ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2
−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキ
シ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシ
などが例示される。C1〜C12アルキルフェノキシ基と
して具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ
基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,
3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキ
シ基、i−プロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ
基、i−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ
基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、
ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチ
ルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキ
シ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
【0072】アリールチオ基としては、炭素数は通常3
〜60程度であり、具体的には、フェニルチオ基、C1
〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキル
フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチ
オ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、
1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキ
ルフェニルチオ基が好ましい。
【0073】アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜
60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12
ルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12
ルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アル
キル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナ
フチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C
12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C
12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好まし
い。
【0074】アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7
〜60程度であり、具体的には、フェニルメトキシ基、
フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペ
ンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプ
チロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−
1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル
−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル
−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12
ルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基な
どが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C
12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C
12アルコキシ基が好ましい。
【0075】アリールアルキルチオ基は、炭素数は通常
7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C
12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1
〜C1 2アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−
1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12
ルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ
基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1
〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−
1〜C12アルキルチオ基が好ましい。
【0076】アリールアルケニル基は、炭素数は通常7
〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12
アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C
12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C
12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル
基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示
され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケ
ニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルケ
ニル基が好ましい。
【0077】アリールアルキニル基は、炭素数は通常7
〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12
アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C
12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C
12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル
基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示
され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキ
ニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキ
ニル基が好ましい。
【0078】置換アミノ基は、アルキル基、アリール
基、アリールアルキル基または1価の複素環基から選ば
れる1または2個の基で置換されたアミノ基をいい、該
アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1
価の複素環基は置換基を有していてもよい。炭素数は該
置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度である。
【0079】具体的には、メチルアミノ基、ジメチルア
ミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピル
アミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ
基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブ
チルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ
基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシル
アミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−
ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロ
ペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロ
ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリ
ジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基
フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12
ルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシ
フェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニ
ル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルア
ミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルア
ミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、
ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1
〜C1 2アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニ
ル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフ
ェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12
ルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ
(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)ア
ミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、
2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基などが例示
される。
【0080】置換シリル基は、アルキル基、アリール
基、アリールアルキル基または1価の複素環基から選ば
れる1、2または3個の基で置換されたシリル基をい
い、炭素数は通常1〜60程度である。なお該アルキル
基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素
環基は置換基を有していてもよい。
【0081】具体的には、トリメチルシリル基、トリエ
チルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロ
ピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、ジエ
チル−i−プロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチ
ルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメ
チルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジ
メチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル
基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル
基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラ
ウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキ
ルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12
アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1
12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アル
キルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリ
ル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル
基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル
基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル
基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニル
シリル基などが例示される。
【0082】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
【0083】アシル基は、炭素数は通常2〜20程度で
あり、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチ
リル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル
基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイ
ル基などが例示される。
【0084】アシルオキシ基は、炭素数は通常2〜20
程度であり、具体的には、アセトキシ基、プロピオニル
オキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、
ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオ
ロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ
基などが例示される。
【0085】イミノ基は、炭素数2〜20程度であり、
具体的には、以下の構造式で示される基などが例示され
る。
【0086】アミド基は、炭素数は通常1〜20程度で
あり、具体的には、ホルムアミド基(炭素数1)、アセ
トアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベン
ズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフル
オロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミ
ド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベン
ズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタ
フルオロベンズアミド基、などが例示される。
【0087】イミド基は通常炭素数2〜60程度であ
り、具体的には以下に示す基が例示される。
【0088】1価の複素環基とは、複素環化合物から水
素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常
4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。な
お、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれな
い。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合
物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸
素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含
むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12
ルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル
基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キ
ノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル
基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1
12アルキルピリジル基が好ましい。置換カルボキシル
基は、通常炭素数2〜60程度であり、アルキル基、ア
リール基、アリールアルキル基または1価の複素環基で
置換されたカルボキシル基をいい、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、
i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、
i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル
基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボ
ニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオ
キシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−
エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボ
ニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオ
クチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル
基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオ
ロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボ
ニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パ
ーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカ
ルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシ
カルボニル基、などが挙げられる。なお該アルキル基、
アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基
は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭
素数には該置換基の炭素数は含まれない。
【0089】上記置換基の例のうち、アルキル鎖を含む
置換基においては、それらは直鎖、分岐または環状のい
ずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖
でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシ
ル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル
基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例
示される。また、2つのアルキル鎖の先端が連結されて
環を形成していてもよい。さらに、アルキル鎖の一部の
メチル基やメチレン基がヘテロ原子を含む基や一つ以上
のフッ素で置換されたメチル基やメチレン基で置き換え
られていてもよく、それらのヘテロ原子としては、酸素
原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
【0090】さらに、置換基の例のうち、アリール基や
複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ
以上の置換基を有していてもよい。
【0091】本発明のブロック共重合体の製造に使用さ
れる、式(12)および(13)で示される単量体のX
1、X2、Xは、好ましくは、それぞれ独立にハロゲン
原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニ
ルオキシ基、ホウ酸基(−B(OH))、またはホウ酸
エステル基であり(但し、少なくとも1つ以上がハロゲ
ン原子、アルキルスルホニルオキシ基もしくはアリール
スルホニルオキシ基である)、この場合、式(13)で
表される単量体のY1、および式(14)で表される単
量体のY、Yは、それぞれ独立にアルデヒド基、ア
シル基、ホスホン酸エステル基、またはホスホニウム塩
基である(但し、1つ以上はアルデヒド基もしくはアシ
ル基である)ことが好ましい。
【0092】ここに、ハロゲン原子としては、例えば、
塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、塩素原
子、臭素原子が好ましく、臭素原子が特に好ましい。
【0093】アルキルスルホニルオキシ基は、フッ素原
子で置換されていてもよい。具体的にはトリフルオロメ
タンスルホニルオキシ基が挙げられる。アリールスルホ
ニルオキシ基は、アルキル基で置換されていてもよい。
具体的には、フェニルスルホニルオキシ基、トリルスル
ホニルオキシ基が挙げられる。
【0094】ホウ酸エステル基としては、下記式で示さ
れる基が例示される。 式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
【0095】ホスホン酸エステル基としては、下記式で
示される基が例示される。 −CHPO(OR’) (R’はアルキル基、アリ
ール基、アリールアルキル基を示す。)
【0096】ホスホニウム塩基としては、下記式で示さ
れる基が例示される。 −CHPh (Xはハロゲン原子を示
す。)
【0097】また、本発明のブロック共重合体の製造に
使用される、 式(12)および(13)で示される単
量体のX1、X2、Xは、好ましくは、それぞれ独立に
アルデヒド基、アシル基、ホスホン酸エステル基または
ホスホニウム塩基であり(但し、1つ以上はアルデヒド
基もしくはアシル基である)、この場合、式(13)で
表される単量体のY1、および式(14)で表される単
量体のY、Yは、それぞれ独立にハロゲン原子、ア
ルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ
基、ホウ酸基、またはホウ酸エステル基である(但し、
1つ以上がハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基
もしくはアリールスルホニルオキシ基である)ことが好
ましい。
【0098】また、本発明のブロック共重合体の製造方
法としては、一般式(12)および(13)で示される
単量体のX1、X2、Xから選ばれる基のうち、1つ以
上がホウ酸基またはホウ酸エステル基であり、1つ以上
がハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはア
リールスルホニルオキシ基であり、一般式(13)で示
される単量体のYがアルデヒド基、カルボニル基、ホ
スホン酸エステル基またはホスホニウム塩基から選ばれ
る反応活性基であり、Pd(0)触媒の存在下に反応さ
せることにより末端にアルデヒド基、アシル基、ホスホ
ン酸エステル基またはホスホニウム塩基を有する初期重
合体を得ることによって行うことが好ましい。
【0099】また、本発明のブロック共重合体の製造方
法としては、一般式(12)および(13)で示される
単量体のX1、X2、Xがハロゲン原子、アルキルスル
ホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基であり、
一般式(13)で示される単量体のYがアルデヒド
基、アシル基、ホスホン酸エステル基またはホスホニウ
ム塩基から選ばれる反応活性基であり、Ni(0)の存
在下で反応させることによって末端にアルデヒド基、ア
シル基、ホスホン酸エステル基またはホスホニウム塩基
を有する初期重合体を得ることによって行うことが好ま
しい。
【0100】得られた該初期重合体は、末端にアルデヒ
ド基および/またはアシル基を有するもの同士の組合せ
の場合は、低原子価チタンなどの存在下で還元的に反応
させることにより、二重結合を有するブロック共重合体
を得ることが出来る。同様に、一般式(14)で示され
る単量体のY、Yがアルデヒド基および/またはア
シル基の場合、該初期重合体と反応させることにより,
二重結合を有するブロック共重合体を得ることが出来
る。また、アルデヒド基および/またはアシル基とホス
ホン酸エステル基および/またはホスホニウム塩基を末
端に有するものの組合せの場合は、塩基の存在下で二重
結合を有するブロック共重合体を得ることが出来る。同
様に、一般式(14)で示される単量体のY、Y
が、アルデヒド基および/またはアシル基とホスホン
酸エステル基および/またはホスホニウム塩基の場合、
該初期重合体と反応させることにより,二重結合を有す
るブロック共重合体を得ることが出来る。
【0101】また、本発明のブロック共重合体の製造方
法としては、一般式(12)および(13)で示される
単量体のX1、X2、Xの1つ以上がアルデヒド基また
はアシル基であり、1つ以上がホスホン酸エステル基ま
たはホスホニウム塩基であり、一般式(13)で示され
る単量体のYがハロゲン原子、アルキルスルホニルオ
キシ基、アリールスルホニルオキシ基から選ばれる反応
活性基であり塩基の存在下で反応させることにより末端
にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリー
ルスルホニルオキシ基を有する初期重合体を得ることに
よって行うことが更に好ましい。得られたハロゲン原
子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニル
オキシ基を有する該初期重合体は、Ni(0)の存在下
で反応させることにより、アリール−アリール結合を有
するブロック共重合体を得ることが出来る。
【0102】同様に、一般式(14)で示される単量体
のY、Yが、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオ
キシ基、アリールスルホニルオキシ基の場合、該初期重
合体と反応させることにより,アリール−アリールを有
するブロック共重合体を得ることが出来る。上記の製造
法においては、組合せによって、ブロック共重合体を含
む混合物が得られる。例えば異なる繰り返し構造を有す
る初期重合体(下式(16)、(17))を用いた場
合、 Y−F−Y (16) Y−G−Y (17) これらを反応させて得られる重合体は、接合単位を有す
る場合は、 −F−block−(B)−block−G− −F−block−(B)−block−F− −G−block−(B)−block−G− の混合物が得られる。接合単位を有さない場合は、 −F−block−G− −F−block−F− −G−block−G− の混合物得られる。このことは、該初期重合体と一般式
(14)で示される単量体を用いた方法でも同様であ
る。
【0103】また、ハロゲン原子としては、例えば、塩
素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、塩素原子、
臭素原子が好ましく、臭素原子が特に好ましい。
【0104】アルキルスルホニルオキシ基は、フッ素原
子で置換されていてもよい。具体的にはトリフルオロメ
タンスルホニルオキシ基が挙げられる。アリールスルホ
ニルオキシ基は、アルキル基で置換されていてもよい。
具体的には、フェニルスルホニルオキシ基、トリルスル
ホニルオキシ基が挙げられる。
【0105】上記製造方法において、初期重合体を合成
する方法は、合成時に基(Y)を分解しない反応であ
れば特に限定されず、同様の公知文献記載の方法を用い
ることが出来る。また、上記製造方法において、初期重
合体同士もしくはこれと反応活性基(Y、Y)と反
応して結合を生成しうる反応活性基を分子内に2つ有す
る単量体(III)を反応させる方法としては、特に限
定されないが、以下の公知文献等に記載の方法を用いる
ことが出来る。好ましくは、Wittig反応、Hor
ner反応、McMurry反応、Suzuki反応、
Ni(0)を用いたアリール−アリールのカップリング
反応等があげられる。
【0106】また、必要に応じ反応活性基(Y)を適
当な保護基にて保護し、初期重合体を得た後に脱保護
し、製造に供することも可能である。
【0107】公知文献の例としては、例えば、“オルガ
ニック リアクションズ(Organic React
ions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワ
イリー アンド サンズ(John Wiley&So
ns,Inc.),1965年、“オルガニック リア
クションズ(Organic Reaction
s)”,第27巻,345−390頁,ジョンワイリー
アンド サンズ(JohnWiley&Sons,I
nc.),1982年、“オルガニック シンセシス
(Organic Syntheses)”,コレクテ
ィブ第6巻(Collective Volume V
I),407−411頁,ジョンワイリー アンド サ
ンズ(John Wiley&Sons,Inc.),
1988年、ケミカル レビュー(Chem.Re
v.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャー
ナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.
Organomet.Chem.),第576巻,14
7頁(1999年)、ジャーナル オブ プラクティカ
ル ケミストリー(J.Prakt.Chem.),第
336巻,247頁(1994年)、マクロモレキュラ
ー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム
(Makromol.Chem.,Macromol.
Symp.),第12巻,229頁(1987年)など
があげられる。
【0108】有機溶媒としては、用いる化合物や反応に
よっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用
いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で
反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処
理を行うことが好ましい。(但し、Suzukiカップ
リング反応のような水との2相系での反応の場合にはそ
の限りではない。) より具体的に、反応条件について述べると、Witti
g反応、Horner反応などの場合は、モノマーの官
能基に対して当量以上、好ましくは1〜3当量のアルカ
リを用いて反応させる。アルカリとしては、特に限定さ
れないが、例えば、カリウム−t−ブトキシド、ナトリ
ウム−t−ブトキシド、ナトリウムエチラート、リチウ
ムメチラートなどの金属アルコラートや、水素化ナトリ
ウムなどのハイドライド試薬、ナトリウムアミド等のア
ミド類等を用いることができる。溶媒としては、 N、
N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、トルエン等が用いられる。反応の温度は、通常
は室温から150℃程度で反応を進行させることができ
る。反応時間は、例えば、5分間〜40時間であるが、
十分に重合が進行する時間であればよく、また反応が終
了した後に長時間放置する必要はないので、好ましくは
10分間〜24時間である。反応の際の濃度は、希薄す
ぎると反応の効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難し
くなるので、約0.01wt%〜溶解する最大濃度の範
囲で適宜選択すればよく、通常は、0.1wt%〜20
wt%の範囲である。
【0109】Suzukiカップリング反応の場合は、
触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用
い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等
の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セ
シウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ま
しくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液
として、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、
N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフランなどが例示される。溶媒に
もよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられ
る。溶媒の沸点近くまで昇温し、環流させてもよい。反
応時間は1時間から200時間程度である。
【0110】ゼロ価ニッケル錯体を用いた場合について
説明する。ニッケル錯体としては、ゼロ価ニッケルをそ
のまま使う方法と、ニッケル塩を還元剤の存在下で反応
させ、系内でゼロ価ニッケルを生成させ、反応させる方
法がある。
【0111】ゼロ価ニッケル錯体としては、ビス(1,
5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレ
ン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが
例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ま
しい。
【0112】また、中性配位子を添加することが、収率
向上の観点から好ましい。
【0113】ここに、中性配位子とは、アニオンやカチ
オンを有していない配位子であり、2,2’-ビピリジ
ル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサ
ゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン等の
含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホス
フィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、汎用
性、安価、の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’-
ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。
【0114】特に、重合体の収率向上の点から、ビス
(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む
系に中性配位子として2,2’-ビピリジルを加えた系
が好ましい。
【0115】系内でゼロ価ニッケルを反応させる方法に
おいては、ニッケル塩として塩化ニッケル酢酸ニッケル
等が挙げられる。還元剤としては、亜鉛,水素化ナトリ
ウム,ヒドラジンおよびその誘導体、リチウムアルミニ
ウムハイドライドなどが上げられ、必要に応じて添加物
として、よう化アンモニウム、よう化リチウム、よう化
カリウム等が用いられる。
【0116】重合溶媒としては、重合を阻害しないもの
であれば特に限定されないが、1種類以上の芳香族炭化
水素系溶媒および/またはエーテル系溶媒を含むものが
好ましい。
【0117】ここに芳香族炭化水素系溶媒とは、芳香族
炭化水素化合物からなる溶媒であり、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラ
メチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタリン、テトラ
リン、等が挙げられ、トルエン、キシレン、テトラリ
ン、テトラメチルベンゼンが好ましい。
【0118】また、エーテル系溶媒とは、酸素原子で炭
化水素基が結合した化合物からなる溶媒であり、例え
ば、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、エチレング
リコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエ
ーテル等が挙げられ、高分子蛍光体に対する良溶媒であ
る、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが好
ましい。
【0119】また、重合性、溶解性を改良する観点か
ら、溶媒としては、重合反応を阻害しないものであれ
ば、芳香族炭化水素系溶媒および/またはエーテル系溶
媒と芳香族炭化水素系溶媒およびエーテル系溶媒以外の
溶媒との混合溶媒を用いてもよい。
【0120】反応操作等は、例えば、特開2000−4
4544号公報に記載の方法に準じて行うことができ
る。
【0121】本発明では、例えば、重合反応は、通常ア
ルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフ
ラン溶媒中、60℃の温度で、ゼロ価のニッケル錯体、
中性配位子の存在下行われる。
【0122】重合時間は、通常0.5〜100時間程度
であるが、製造コストの点から、10時間以内が好まし
い 重合温度は、通常0〜200℃程度であるが、高収率、
低加熱費の点から、20〜100℃が好ましい。
【0123】反応終了後、そのまま次に反応に用いても
よいが、反応終了後、重合体を、必要に応じ、酸洗浄、
アルカリ洗浄、中和、水洗浄、有機溶媒洗浄、再沈殿、
遠心分離、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの慣用
の分離操作、精製操作、乾燥その他の操作に供してもよ
い。次の反応の収率向上の観点から、分離操作、精製操
作、乾燥を行うほうが好ましい。
【0124】また、高分子LEDの発光材料として用い
る場合は、薄膜からの発光を利用するので該高分子蛍光
体は、固体状態で蛍光を有するものが好適に用いられ
る。
【0125】該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、デカ
リン、n−ブチルベンゼン、ジオキサンなどが例示され
る。高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこ
れらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができ
る。
【0126】本発明の高分子蛍光体組成物は、本発明の
ブロック共重合体を含むことを特徴とする。ブロック共
重合体の量は、通常高分子蛍光体組成物全体の10重量%
以上である。
【0127】次に、本発明の高分子LEDについて説明
する。本発明の高分子LEDの構造としては、少なくと
も一方が透明または半透明である一対の陽極および陰極
からなる電極間に発光層を有しており、本発明のブロッ
ク共重合体または高分子蛍光体組成物が、該発光層中に
含まれることを特徴とする。
【0128】また、本発明の高分子LEDとしては、陰
極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LE
D、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子
LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、か
つ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子L
ED等が挙げられる。
【0129】例えば、具体的には、以下のa)〜d)の
構造が例示される。 a)陽極/発光層/陰極 b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極 c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極 d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極 (ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示
す。以下同じ。) ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であ
り、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層で
ある。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸
送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それ
ぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0130】また、電極に隣接して設けた電荷輸送層の
うち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、
素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷
注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれるこ
とがある。
【0131】さらに電極との密着性向上や電極からの電
荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入
層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、
界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や
発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
【0132】積層する層の順番や数、および各層の厚さ
については、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いる
ことができる。
【0133】本発明において、電荷注入層(電子注入
層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極
に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣
接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0134】例えば、具体的には、以下のe)〜p)の
構造が挙げられる。 e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極 f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極 g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極 h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極 i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極 j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入
層/陰極 k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極 l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極 m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入
層/陰極 n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送
層/陰極 o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入
層/陰極 p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送
層/電荷注入層/陰極 電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む
層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正
孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン
化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送
層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる
電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を
含む層などが例示される。
【0135】上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の
場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/c
m以上10S/cm以下であることが好ましく、発光
画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5
/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10
−5S/cm以上10S/cm以下がさらに好まし
い。
【0136】通常は該導電性高分子の電気伝導度を10
−5S/cm以上10S/cm以下とするために、該
導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0137】ドープするイオンの種類は、正孔注入層で
あればアニオン、電子注入層であればカチオンである。
アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオ
ン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン
酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチ
ウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テト
ラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0138】電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm
〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0139】電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接す
る層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリ
ンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導
体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビ
ニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよ
びその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキ
ノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖
または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタ
ロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが
例示される。
【0140】膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易
にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料とし
ては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙
げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LE
Dとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を
設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の
絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0141】具体的には、例えば、以下のq)〜ab)
の構造が挙げられる。 q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極 r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2n
m以下の絶縁層/陰極 t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/陰極 u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁
層/陰極 v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送
層/陰極 x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁
層/陰極 y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送
層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/電子輸送層/陰極 aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2
nm以下の絶縁層/陰極 ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発
光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 高分子LED作成の際に、本発明の製造方法で得られ
た、これらの有機溶媒可溶性の高分子蛍光体を用いるこ
とにより、溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾
燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料
や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用
でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法と
しては、スピンコート法、キャスティング法、マイクロ
グラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、
ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコー
ト法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ
印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法
等の塗布法を用いることができる。
【0142】発光層の膜厚としては、用いる材料によっ
て最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値とな
るように選択すればよいが、例えば1nmから1μmで
あり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好
ましくは5nm〜200nmである。
【0143】本発明の高分子LEDにおいては、発光層
に本発明の製造方法で得られた上記高分子蛍光体以外の
発光材料を混合して使用してもよい。また、本願発明の
高分子LEDにおいては、上記高分子蛍光体以外の発光
材料を含む発光層が、上記高分子蛍光体を含む発光層と
積層されていてもよい。
【0144】該発光材料としては、公知のものが使用で
きる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、
アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはそ
の誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、
シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもし
くはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェ
ニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテ
トラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用い
ることができる。
【0145】具体的には、例えば特開昭57−5178
1号、同59−194393号公報に記載されているも
の等、公知のものが使用可能である。
【0146】本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有す
る場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニル
カルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくは
その誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有する
ポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールア
ミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン
誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフ
ェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘
導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘
導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もし
くはその誘導体などが例示される。
【0147】具体的には、該正孔輸送材料として、特開
昭63−70257号公報、同63−175860号公
報、特開平2−135359号公報、同2−13536
1号公報、同2−209988号公報、同3−3799
2号公報、同3−152184号公報に記載されている
もの等が例示される。
【0148】これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸
送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘
導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主
鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導
体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)
もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレン
ビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料
が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール
もしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、
側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサ
ン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高
分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0149】ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導
体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラ
ジカル重合によって得られる。
【0150】ポリシランもしくはその誘導体としては、
ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、
1359頁(1989年)、英国特許GB230019
6号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方
法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特に
キッピング法が好適に用いられる。
【0151】ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シ
ロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、
側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有す
るものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族ア
ミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0152】正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、
低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶
液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正
孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示され
る。
【0153】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正
孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。
該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロ
エタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート
等のエステル系溶媒が例示される。
【0154】溶液からの成膜方法としては、溶液からの
スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア
コート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコ
ート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、ス
プレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、
オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布
法を用いることができる。
【0155】混合する高分子バインダーとしては、電荷
輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に
対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分
子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン
等が例示される。
【0156】正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料に
よって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値
となるように選択すればよいが、少なくともピンホール
が発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、
素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正
孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであ
り、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ま
しくは5nm〜200nmである。
【0157】本発明の高分子LEDが電子輸送層を有す
る場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが
使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメ
タンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘
導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノ
ンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメ
タンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェ
ニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキ
ノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはそ
の誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導
体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオ
レンもしくはその誘導体等が例示される。
【0158】具体的には、特開昭63−70257号公
報、同63−175860号公報、特開平2−1353
59号公報、同2−135361号公報、同2−209
988号公報、同3−37992号公報、同3−152
184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0159】これらのうち、オキサジアゾール誘導体、
ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもし
くはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしく
はその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘
導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフル
オレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフ
ェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキ
ノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリ
キノリンがさらに好ましい。
【0160】電子輸送層の成膜法としては特に制限はな
いが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着
法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法
が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの
成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融
状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用しても
よい。
【0161】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電
子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させ
るものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶
媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶
媒が例示される。
【0162】溶液または溶融状態からの成膜方法として
は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラ
ビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロー
ルコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート
法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印
刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等
の塗布法を用いることができる。
【0163】混合する高分子バインダーとしては、電荷
輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光
に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高
分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビ
ニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、または
ポリシロキサンなどが例示される。
【0164】電子輸送層の膜厚としては、用いる材料に
よって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値
となるように選択すればよいが、少なくともピンホール
が発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、
素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電
子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであ
り、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ま
しくは5nm〜200nmである。
【0165】本発明の高分子LEDを形成する基板は、
電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないも
のであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子
フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基
板の場合には、反対の電極が透明または半透明であるこ
とが好ましい。
【0166】陽極および陰極からなる電極間のうち通常
は、少なくとも一方が透明または半透明であり、陽極側
が透明または半透明であることが好ましい。陽極の材料
としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等
が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜
鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム
・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オ
キサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜
(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、
ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好
ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられ
る。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘
導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の
透明導電膜を用いてもよい。
【0167】陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度と
を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10
nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μm
であり、さらに好ましくは50nm〜500nmであ
る。
【0168】また、陽極上に、電荷注入を容易にするた
めに、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン
などからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、
有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設け
てもよい。
【0169】本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料
としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナ
ジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、
サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウ
ムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あ
るいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マ
ンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、
錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラフ
ァイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、
マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合
金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀
合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネ
シウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−
アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の
積層構造としてもよい。
【0170】陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮
して、適宜選択することができるが、例えば10nmか
ら10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであ
り、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0171】陰極の作製方法としては、真空蒸着法、ス
パッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート
法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導
電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ
化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層
を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護す
る保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期
安定的に用いるためには、素子を外部から保護するため
に、保護層および/または保護カバーを装着することが
好ましい。
【0172】該保護層としては、高分子化合物、金属酸
化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることが
できる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に
低透水率処理を施したプラスチック板などを用いること
ができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板
と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペ
ーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを
防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのよう
な不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止するこ
とができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に
設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダ
メージを与えるのを抑制することが容易となる。これら
のうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好まし
い。
【0173】本発明の高分子発光素子は面状光源、セグ
メント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表
示装置のバックライトして用いることができる。また頃
らの表示装置は、電子機器の表示部に用いることができ
る。
【0174】本発明の高分子LEDを用いて面状の発光
を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように
配置すればよい。また、パターン状の発光を得るために
は、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設け
たマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に
厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極
のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成
する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを
形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるよ
うに配置することにより、数字や文字、簡単な記号など
を表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。
更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と
陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配
置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光
体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変
換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マ
ルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子
は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合
わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子
は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カー
ナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーな
どの表示装置として用いることができる。
【0175】さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄
型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、
あるいは面状の照明用光源として好適に用いることがで
きる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の
光源や表示装置としても使用できる。また、本発明のブ
ロック共重合体は、レーザー用色素、有機太陽電池用材
料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有
機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いるこ
とができる。
【0176】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。ここで、重量平均分子量、数平均分子量について
は、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算
の平均分子量を求めた。
【0177】実施例1 <初期重合体(1)の合成>9,9−ジオクチル−2,
7−ジブロモフルオレン2.7gと4−ブロモ−2,5
−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンズアルデヒ
ド2.3gと2,2’−ビピリジル2.7とを反応容器
に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。こ
れに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気
したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)150mlを加え
た。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオク
タジエン)ニッケル(0)を5.0gを加え、室温で1
0分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反
応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶
液を冷却した後、25%アンモニア水50ml/メタノ
ール200ml/イオン交換水150ml混合溶液中に
そそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を
濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホル
ムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した
後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、
生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、初
期重合体(1)1.4gを得た。得られた初期重合体
(1)のポリスチレン換算重量平均分子量は、6.1x
10 であり、数平均分子量は、2.4x10であっ
た。
【0178】仕込み単量体から予想される初期重合体
(1)の構造は以下のとおりである。
【0179】<高分子蛍光体1の合成>2−メトキシー
5−(2−エチルヘキシルオキシ)−p−キシリレンジ
クロライドと亜りん酸トリエチルとを反応させて得たホ
スホン酸エステル0.016gと、上記初期重合体
(1) 0.5gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内
をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴ
ンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン
(脱水溶媒)50mlを加えた。次に、この溶液に、あ
らかじめカリウムーtert.−ブトキシド0.07g
を、アルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒ
ドロフラン(脱水溶媒)5mlに溶解した溶液を、室温
で、およそ10分間かけて滴下した。引き続き室温で
2.5時間反応させた。反応後、酢酸を加え中和した
後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、約1時間攪
拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この
沈殿を減圧乾燥して、重合体0.46gを得た。得られ
た重合体を、高分子蛍光体1と呼ぶことにする。高分子
蛍光体1のポリスチレン換算重量平均分子量は、9.6
x10であり、数平均分子量は、3.7x10であ
った。仕込み単量体から予想される高分子蛍光体1の構
造以下のとおりである。得られた高分子蛍光体1の薄膜
の蛍光スペクトルを実施例9記載の方法で測定した結
果、蛍光のピーク波長は504nmであった。
【0180】比較例1 <ポリフルオレンの合成>9,9−ジオクチル−2,7
−ジブロモフルオレンと4−ブロモ−2,5−(3,7
−ジメチルオクチルオキシ)ベンズアルデヒドの代わり
に、9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン
のみを用いた以外は、上記重合体(1)の合成と同様に
して、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−
ジイル)を得た。得られたポリフルオレンのポリスチレ
ン換算重量平均分子量は、4.4x10であり、数平
均分子量は、1.2x10であった。得られたポリフ
ルオレンの薄膜の蛍光スペクトルを実施例9記載の方法
で測定した結果、蛍光のピーク波長は428nmであっ
た。上述したように、高分子蛍光体1の蛍光ピーク波長
は、ブロックを構成するポリフルオレンのものよりも7
6nm長波長であった。 実施例2 <初期重合体(2)の合成>9,9−ジオクチル−2,
7−ジブロモフルオレン2.7gと3−ブロモ−p−ア
ニスアルデヒド1.1gと2,2’−ビピリジル2.7
とを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで
置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリン
グして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)15
0mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5
−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を5.0gを加
え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応し
た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反
応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水50
ml/メタノール200ml/イオン交換水150ml
混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生
成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した
後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶
物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込
み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減
圧乾燥して、初期重合体(2)1.2gを得た。得られ
た初期重合体(2)のポリスチレン換算重量平均分子量
は、2.9x10 であり、数平均分子量は、1.1x
10であった。
【0181】仕込み単量体から予想される初期重合体
(2)の構造は以下のとおりである。
【0182】<高分子蛍光体2の合成>2−メトキシー
5−(2−エチルヘキシルオキシ)−p−キシリレンジ
クロライドと亜りん酸トリエチルとを反応させて得たホ
スホン酸エステル0.032gと、上記初期重合体
(2) 0.66gとを反応容器に仕込んだ後、反応系
内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアル
ゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラ
ン(脱水溶媒)30mlを加えた。次に、この溶液に、
あらかじめカリウムーtert.−ブトキシド0.07
gを、アルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラ
ヒドロフラン(脱水溶媒)5mlに溶解した溶液を、室
温で、およそ10分間かけて滴下した。引き続き室温で
2時間反応させた。反応後、酢酸を加え中和した後、こ
の溶液をメタノール中にそそぎ込み、約1時間攪拌し
た。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿
を減圧乾燥して、重合体0.6gを得た。得られた重合
体を、高分子蛍光体2と呼ぶことにする。高分子蛍光体
2のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.1x10
であり、数平均分子量は、2.7x10であった。
仕込み単量体から予想される高分子蛍光体2の構造は以
下のとおりである。得られた高分子蛍光体2の薄膜の蛍
光スペクトルを実施例9記載の方法で測定した結果、蛍
光のピーク波長は456nmであった。
【0183】上述したように、高分子蛍光体2の蛍光ピ
ーク波長は、ブロックを構成するポリフルオレンのもの
よりも26nm長波長であった。 実施例3 <初期重合体(3)の合成>N,N’−ジフェニル−
N,N’−ジ(3−メチル−4−ブロムフェニル)ベン
ジジン3.4gと4−ブロモ−2,5−(3,7−ジメ
チルオクチルオキシ)ベンズアルデヒド2.3gと2,
2’−ビピリジル2.7とを反応容器に仕込んだ後、反
応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめ
アルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロ
フラン(脱水溶媒)150mlを加えた。次に、この混
合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケ
ル(0)を5.0gを加え、室温で10分間攪拌した
後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴン
ガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した
後、25%アンモニア水50ml/メタノール200m
l/イオン交換水150ml混合溶液中にそそぎ込み、
約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収
した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解し
た。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液
をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿
を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、初期重合体
(3)1.5gを得た。得られた初期重合体(3)のポ
リスチレン換算重量平均分子量は、1.1x10 であ
り、数平均分子量は、5.8x10であった。仕込み
単量体から予想される初期重合体(3)の構造は以下の
とおりである。
【0184】<初期重合体(4)の合成>9,9−ジオ
クチル−2,7−ジブロモフルオレン2.8gと4−ブ
ロモ−2,5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベ
ンジルホスホン酸ジエチルエステル2.3gと2,2’
−ビピリジル2.7とを反応容器に仕込んだ後、反応系
内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアル
ゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラ
ン(脱水溶媒)150mlを加えた。次に、この混合溶
液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル
(0)を5.0gを加え、室温で10分間攪拌した後、
60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス
雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、メ
タノール250ml/イオン交換水150ml混合溶液
中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈
殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロ
ホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去し
た後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈し
て、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥し
て、初期重合体(4)1.1gを得た。得られた初期重
合体(4)のポリスチレン換算重量平均分子量は、5.
0x10 であり、数平均分子量は、4.0x10
あった。
【0185】仕込み単量体から予想される初期重合体
(4)の構造は以下のとおりである。
【0186】<高分子蛍光体3の合成>上記初期重合体
(3) 0.4gと上記初期重合体(4) 0.3gと
を反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置
換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリング
して、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)50m
lを加えた。次に、この溶液に、あらかじめカリウムー
tert.−ブトキシド0.11gを、アルゴンガスで
バブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶
媒)5mlに溶解した溶液を、室温で、およそ10分間
かけて滴下した。引き続き室温で2.5時間反応させ
た。反応後、酢酸を加え中和した後、この溶液をメタノ
ール中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成し
た沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥して、
重合体0.5gを得た。得られた重合体を、高分子蛍光
体3と呼ぶことにする。高分子蛍光体3のポリスチレン
換算重量平均分子量は、2.5x10であり、数平均
分子量は、1.0x10であった。仕込み単量体から
予想される高分子蛍光体3の構造は以下のとおりであ
る。得られた高分子蛍光体3の薄膜の蛍光スペクトルを
実施例11記載の方法で測定した結果、蛍光のピーク波
長は470nmであった。
【0187】比較例2 <比較重合体1の合成>原料として、N,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ジ(3−メチル−4−ブロムフェニ
ル)ベンジジン2.0g、2,2’−ビピリジル1.1
g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル
(0)を2.0g用いた以外は実施例1<重合体1>の
合成と同様な方法にて比較重合体1を0.75g得た。
得られた重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、
2.8x10であり、数平均分子量は、1.8x10
であった。
【0188】得られた比較重合体1の薄膜の蛍光スペク
トルを実施例9記載の方法で測定した結果、蛍光のピー
ク波長は422nmであった。上述したように、高分子
蛍光体3の蛍光ピーク波長は、ブロックを構成するポリ
フルオレンのものよりも42nm長波長であり、また比
較重合体1より48nm長波長であった。
【0189】実施例4 <初期重合体(5)の合成>2,5−ビス(クロロメチ
ル)−4‘−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ビフ
ェニルと亜りん酸トリエチルとを反応させて得たホスホ
ン酸エステル3.0gとテレフタルアルデヒド0.6g
と4−ブロモベンズアルデヒド0.28gとを反応容器
に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。こ
れに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気
したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40mlを加え
た。次に、この溶液に、あらかじめカリウムーter
t.−ブトキシド2.2gを、アルゴンガスでバブリン
グして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)10
mlに溶解した溶液を、室温で、およそ20分間かけて
滴下した。引き続き室温で3時間反応させた。反応後、
酢酸を加え中和した後、この溶液をメタノール中にそそ
ぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過
し、回収した。この沈殿をエタノールで洗浄した後、こ
れを減圧乾燥して、重合体2.8gを得た。 得られた
重合体を、初期重合体(5)と呼ぶことにする.初期重
合体(5)のポリスチレン換算重量平均分子量は、5.
1x10であり、数平均分子量は、1.8x10
あった。仕込み単量体から予想される初期重合体(5)
の構造に含まれる単位は以下のとおりである。
【0190】<高分子蛍光体4の合成>9,9−ジオク
チル−2,7−ジブロモフルオレン2.1gと初期重合
体(5)0.25gと2,2’−ビピリジル1.37g
とを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで
置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリン
グして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)10
0mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5
−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2.5gを加
え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応し
た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反
応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水25
ml/メタノール150ml/イオン交換水100ml
混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生
成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した
後、トルエンに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を
除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再
沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥
して、重合体1.1gを得た。この重合体を高分子蛍光
体4と呼ぶことにする.得られた高分子蛍光体4のポリ
スチレン換算重量平均分子量は、2.7x10であ
り、数平均分子量は、5.8x10であった。仕込み
単量体から予想される高分子蛍光体4の構造に含まれる
単位は以下の2つの構造で表される。得られた高分子蛍
光体4の薄膜の蛍光スペクトルを実施例9記載の方法で
測定した結果、蛍光のピーク波長は510nmであり、
高分子蛍光体4の構成ブロックである、ポリフルオレン
よりも82nm長波長であった
【0191】実施例5 <初期重合体(6)の合成>2、5−ジオクチルオキシ
−p−キシリレンジクロライドとトリフェニルホスフィ
ンとを反応させて得たホスホニウム塩4.8gとテレフ
タルアルデヒド0.6gと4−ブロモベンズアルデヒド
0.28gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアル
ゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガス
でバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水
溶媒)40mlを加えた。次に、この溶液に、あらかじ
めカリウムーtert.−ブトキシド2.2gを、アル
ゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラ
ン(脱水溶媒)10mlに溶解した溶液を、室温で、お
よそ20分間かけて滴下した。引き続き室温で3時間反
応させた。反応後、酢酸を加え中和した後、この溶液を
メタノール中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、
生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿をエタノー
ルで洗浄した後、これを減圧乾燥して、重合体1.5g
を得た。 得られた重合体を、初期重合体(6)と呼ぶ
ことにする.初期重合体(6)のポリスチレン換算重量
平均分子量は、4.7x10であり、数平均分子量
は、3.3x10であった。
【0192】仕込み単量体から予想される初期重合体
(6)の構造に含まれる単位は以下のとおりである。
【0193】<高分子蛍光体5の合成>9,9−ジオク
チル−2,7−ジブロモフルオレン2.1gと初期重合
体(6)0.25gと2,2’−ビピリジル1.37g
とを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで
置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリン
グして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)10
0mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5
−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2.5gを加
え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応し
た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反
応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水25
ml/メタノール150ml/イオン交換水100ml
混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生
成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した
後、トルエンに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を
除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再
沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥
して、重合体1.0gを得た。この重合体を高分子蛍光
体5と呼ぶことにする。得られた高分子蛍光体5のポリ
スチレン換算重量平均分子量は、2.4x10であ
り、数平均分子量は、6.3x10であった。仕込み
単量体から予想される高分子蛍光体5の構造に含まれる
単位は以下のとおりである。得られた高分子蛍光体5の
薄膜の蛍光スペクトルを実施例9記載の方法で測定した
結果、蛍光のピーク波長は524nmであり、高分子蛍
光体5の構成ブロックである、ポリフルオレンよりも9
6nm長波長であった。
【0194】実施例6 <初期重合体(7)の合成>原料として、9,9−ジオ
クチル−2,7−ジブロモフルオレン1.64g、ビス
(4-ブロモフェニル)‐(4−(4‘-tertブチ
ル)スチリル)アミン0.42g、4−ブロモベンズア
ルデヒド0.09g、2,2’−ビピリジル1.38
g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル
(0)を2.5gを用いた以外は実施例1<重合体1>
の合成と同様な方法にて初期重合体(7)を1.0g得
た。得られた初期重合体(7)のポリスチレン換算重量
平均分子量は、9.2x10であり、数平均分子量
は、4.2x10であった。仕込み単量体から予想さ
れる初期重合体(7)の構造に含まれる単位は以下のと
おりである。
【0195】<初期重合体(8)の合成>原料として、
9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン3.
6gと4−ブロモベンジルホスホン酸ジエチルエステル
0.61gと2,2’−ビピリジル5.5g、2.7ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)10
g用いた以外は、実施例3<重合体(4)>の合成と同
様にして、重合体8を2.7g得た。得られた重合体の
ポリスチレン換算重量平均分子量は、2.5x10
あり、数平均分子量は、1.1x10であった。仕込
み単量体から予想される初期重合体(8)の構造に含ま
れる単位は以下のとおりである。
【0196】<高分子蛍光体6の合成>原料として上記
初期重合体(7) 0.3gと上記初期重合体(8)
0.08g、t−ブトキシカリウム0.1gを用いた以
外は、実施例3<高分子蛍光体3>の合成と同様にし
て、高分子蛍光体6を0.18g得た。得られた高分子
蛍光体6のポリスチレン換算重量平均分子量は、9.2
x10であり、数平均分子量は、4.2x10であ
った。仕込み単量体から予想される高分子蛍光体6の構
造に含まれる単位は以下のとおりである。
【0197】得られた高分子蛍光体6の薄膜の蛍光スペ
クトルを実施例9記載の方法で測定した結果、蛍光のピ
ーク波長は456nmであり、高分子蛍光体6の構成ブ
ロックである、ポリフルオレンよりも28nm長波長で
あった。
【0198】実施例7 <初期重合体(9)の合成>原料として、9,9−ジオ
クチル−2,7−ジブロモフルオレン1.64g、N,
N‘−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ジフェ
ニルフェニレンジアミン1.0g、4−ブロモベンズア
ルデヒド0.09g、2,2’−ビピリジル1.65
g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル
(0)を3.0gを用いた以外は実施例1<重合体1>
の合成と同様な方法にて重合体9を0.9g得た。得ら
れた重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、3.
9x10であり、数平均分子量は、1.4x10
あった。仕込み単量体から予想される初期重合体(9)
の構造に含まれる単位は以下のとおりである。
【0199】<高分子蛍光体7の合成>原料として上記
初期重合体(9) 0.2gと上記初期重合体(9)重
合体(8) 0.2g、t−ブトキシカリウム0.1g
を用いた以外は、実施例3<高分子蛍光体3>の合成と
同様にして、高分子蛍光体7を0.24g得た。得られ
た高分子蛍光体7のポリスチレン換算重量平均分子量
は、6.3x10であり、数平均分子量は、2.1x
10であった。仕込み単量体から予想される高分子蛍
光体7の構造に含まれる単位は以下のとおりである。
【0200】得られた高分子蛍光体7の薄膜の蛍光スペ
クトルを実施例9記載の方法で測定した結果、蛍光のピ
ーク波長は474nmであり、高分子蛍光体7の構成ブ
ロックである、ポリフルオレンよりも46nm長波長で
あった。
【0201】実施例8 <初期重合体(10)の合成>
【0202】原料として、1,4−ジブロモ−2,5−
ビス(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン1.
54g、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N’,
N’−ジフェニルフェニレンジアミン1.6g、4−ブ
ロモベンズアルデヒド0.09g、2,2’−ビピリジ
ル2.2g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル(0)を4.0gを用いた以外は実施例1<初期重
合体(1)>の合成と同様な方法にて初期重合体(1
0)を0.9g得た。得られた重合体のポリスチレン換
算重量平均分子量は、2.0x10であり、数平均分
子量は、1.1x10であった。仕込み単量体から予
想される初期重合体(10)の構造に含まれる単位は以
下のとおりである。
【0203】<初期重合体(11)の合成>原料とし
て、4,4’−ジブロモ−3,3’−ビス(3,7−ジ
メチルオクチルオキシ)スチルベン1.46g、4−ブ
ロモベンジルホスホン酸ジエチルエステル0.21gと
2,2’−ビピリジル0.83g、2.7ビス(1,5
−シクロオクタジエン)ニッケル(0)1.5g用いた
以外は、実施例3<初期重合体(4)>の合成と同様に
して、初期重合体(11)を0.4g得た。得られた重
合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、8.8x1
であり、数平均分子量は、7.8x10であっ
た。
【0204】<高分子蛍光体8の合成>原料として上記
初期重合体(10) 0.1gと上記初期重合体(1
1) 0.14g、t−ブトキシカリウム0.1gを用
いた以外は、実施例3<高分子蛍光体3>の合成と同様
にして、高分子蛍光体7を0.12g得た。得られた重
合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、6.8x1
であり、数平均分子量は、1.8x10であっ
た。仕込み単量体から予想される高分子蛍光体8の構造
に含まれる単位は以下のとおりである。
【0205】比較例3 <比較重合体2の合成> 原料として、4,4’−ジブロモ−3,3’−ビス
(3,7−ジメチルオクチルオキシ)スチルベン0.7
1g、2,2’−ビピリジル0.5g、ビス(1,5−
シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.0gを用い
た以外は実施例1<重合体1>の合成と同様な方法にて
比較重合体2を0.28g得た。得られた重合体のポリ
スチレン換算重量平均分子量は、2.1x10であ
り、数平均分子量は、5.3x10であった。得られ
た高分子蛍光体8の薄膜の蛍光スペクトルを実施例9記
載の方法で測定した結果、蛍光のピーク波長は465n
mであり、また高分子蛍光体8の構成ブロックである、
比較重合体2の蛍光ピーク波長は438nmに比べ、よ
りも27nm長波長であった。
【0206】実施例9 <蛍光特性>高分子蛍光体(1)〜(8)の0.2wt
%クロロホルム溶液を石英上にスピンコートして高分子
蛍光体の薄膜をそれぞれ作成した。これらの薄膜の蛍光
スペクトルとを、蛍光分光光度計(日立製作所850)
を用いて測定した。いずれも強い蛍光を有していた。
【0207】実施例10 <素子の作成および評価>スパッタ法により150nm
の厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレ
ンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶
液(バイエル社、Baytron)を用いてスピンコー
トにより50nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で
120℃で10分間乾燥した。次に、高分子蛍光体
(1)の1.5wt%トルエン溶液を用いてスピンコー
トにより約100nmの厚みで成膜した。さらに、これ
を減圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極バッファー層
として、フッ化リチウムを0.4nm、陰極として、カ
ルシウムを25nm、次いでアルミニウムを40nm蒸
着して、高分子LEDを作製した。蒸着のときの真空度
は、すべて1〜8×10-6Torrであった。得られた
素子に電圧を引加することにより、高分子蛍光体(1)
からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度
にほぼ比例していた。該素子は、約5.3Vで輝度が1
cd/mを越え、発光効率は最高3.2cd/A、最
高輝度は13000cd/m以上に達した。
【0208】実施例11 <素子の作成および評価>高分子蛍光体(1)の代わり
に高分子蛍光体(4)を用いた以外は、実施例10と同
様にして、高分子LEDを作製した。蒸着のときの真空
度は、すべて1〜8×10-6Torrであった。得られ
た素子に電圧を引加することにより、高分子蛍光体
(4)からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電
流密度にほぼ比例していた。該素子は、約6.1Vで輝
度が1cd/mを越え、発光効率は最高1.8cd/
A、最高輝度は10440cd/mを示した。
【0209】実施例12 <素子の作成および評価>高分子蛍光体(1)の代わり
に高分子蛍光体(5)を用いた以外は、実施例10と同
様にして、高分子LEDを作製した。蒸着のときの真空
度は、すべて1〜8×10-6Torrであった。得られ
た素子に電圧を引加することにより、高分子蛍光体
(5)からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電
流密度にほぼ比例していた。該素子は、約6.3Vで輝
度が1cd/mを越え、発光効率は最高2.2cd/
A、最高輝度は10542cd/mを示した。
【0210】
【発明の効果】本発明のブロック共重合体を高分子蛍光
体として高分子発光素子に用いたときに、該素子が優れ
た特性を示すことができる。また、本発明の高分子蛍光
体は、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トラ
ンジスタ用の有機半導体、導電性薄膜用材料として用い
ることもできる。さらに、該高分子蛍光体を用いた高分
子LEDは、低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分
子LEDである。従って、該高分子LEDは、液晶ディ
スプレイのバックライトまたは照明用としての曲面状や
平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマ
トリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好
ましく使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土居 秀二 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB06 AB11 AB18 DB03 FA01 4J032 CB08

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つ以上のブロックを含み、固体状態で蛍
    光を有するブロック共重合体であって、それらのブロッ
    クは同一であっても異なっていてもよく、それぞれのブ
    ロック内では繰り返し単位が共役結合で結合されてお
    り、ブロックとブロックの間は共役結合を有する接合単
    位で連結されており、かつ、少なくとも一つのブロック
    のポリスチレン換算数平均分子量が1×103〜1×1
    8であることを特徴とするブロック共重合体。
  2. 【請求項2】2つ以上のブロックを含み、固体状態で蛍
    光を有するブロック共重合体であって、該ブロックの少
    なくとも2つは互いに同一でなく、それぞれのブロック
    内では繰り返し単位が共役結合で結合されており、ブロ
    ックとブロックの間は共役連鎖が断たれることなく直接
    結合で連結されており、かつ、少なくとも一つのブロッ
    クのポリスチレン換算数平均分子量が1×103〜1×
    108であることを特徴とするブロック共重合体。
  3. 【請求項3】下記一般式(1a)であらわされる請求項
    1記載のブロック共重合体。 −A−block−(B)−block−C− (1a) (ここで、A及びCは同一であっても異なっていてもよ
    いブロックを表し、Bは共役結合を有する接合単位を表
    し、かつ、一般式(1a)で表されるポリマーの薄膜が
    示す蛍光ピーク波長が、ブロックAのみからなるポリマ
    ーの薄膜が示す蛍光ピーク波長、ブロックCのみからな
    るポリマーの薄膜が示す蛍光ピーク波長のいずれよりも
    5nm以上長波長である)
  4. 【請求項4】下記一般式(1b)であらわされる請求項
    2記載のブロック共重合体。 −A−block−C− (1b) (ここで、A及びCはそれぞれ互いに異なるブロックを
    表し、式(1b)で表されるポリマーの薄膜が示す蛍光
    ピーク波長が、ブロックAのみからなるポリマーの薄膜
    が示す蛍光ピーク波長よりも5nm以上長波長である)
  5. 【請求項5】上記式(1a)または(1b)において、ブ
    ロックを表すAおよびCのうち少なくとも一つが下記式
    (2)および/または式(3)で示される繰り返し単位
    を有する請求項3もしくは4記載のブロック共重合体。 (ここで、Ar1は、アリーレン基または2価の複素環
    基であり、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、
    アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ
    基を示し、nは0または1である) −Ar−(CR=CR− (3) (ここで、Arは下記一般式(4)で示される2価の
    芳香族アミン基である。RおよびRは、それぞれ独
    立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環
    基またはシアノ基を表し、mは0または1である) −Ar−N(Ar)−Ar− (4) (ここで、ArおよびArはそれぞれ独立にアリー
    レン基、下記一般式(5)で表される芳香族化合物基、
    または下記一般式(6)の芳香族アミン骨格を有する基
    であり、Arは、アリール基、1価の複素環基、下記
    一般式(7)で表される芳香族アミン骨格を有する基、
    または、下記一般式(8)で表される芳香族エテニレン
    骨格を有する基を示す。また、ArとArの間、A
    とAr の間、またはArとArの間に環を形
    成していてもよい) (ここで、ArおよびArは、それぞれ独立に、ア
    リーレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に
    水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基ま
    たはシアノ基、lは0または1である) (ここで、ArおよびArは、それぞれ独立に、ア
    リーレン基を示し、Ar 10は、アリール基である。ま
    た、ArとAr10の間、ArとArの間、また
    はArとAr10の間に環を形成していてもよい) (ここで、Ar11は、アリーレン基を示し、Rおよ
    びRは、それぞれ独立にそれぞれ独立に水素原子、ア
    ルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基
    を表し、また、Ar11とRの間、Ar11とR
    間、またはRとRの間に環を形成していてもよい) (ここで、Ar12およびAr13は、それぞれ独立
    に、アリーレン基を示し、RおよびR10は、それぞ
    れ独立にそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、1価の複素環基またはシアノ基を表し、pは0ま
    たは1である)。
  6. 【請求項6】上記式(3)のArが、下記式(9)で
    表される請求項5記載のブロック共重合体。 −(Ar14−N(Ar15))t−Ar16− (9) (ここで、Ar14およびAr16はそれぞれ独立にア
    リーレン基、上記一般式(5)で表される芳香族化合物
    基、または上記一般式(6)の芳香族アミン骨格を有す
    る基を表し、Ar15はアリール基、1価の複素環基、
    上記一般式(7)で表される芳香族アミン骨格を有する
    基、または、上記一般式(8)で表される芳香族エテニ
    レン骨格を有する基を表す。tは1または2である)
  7. 【請求項7】上記式(2)においてnが0である場合、
    および上記式(3)においてmが0である場合、上記式
    (1a)の接合単位Bが、下記一般式(10)で表され
    る請求項5記載のブロック共重合体。 (ここで、Ar17およびAr18はそれぞれ独立にア
    リーレン基または2価の複素環基であり、R11および
    12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、1価の複素環基またはシアノ基を表す)
  8. 【請求項8】上記式(2)においてnが1である場合、
    および上記式(3)においてmが1である場合、上記式
    (1a)の接合単位Bが、下記一般式(11)で表され
    る請求項6記載のブロック共重合体。 ―Ar19― (11) (ここで、Ar19はアリーレン基または2価の複素環
    基である)
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のブロック
    共重合体を含むことを特徴とする高分子蛍光体組成物。
  10. 【請求項10】ブロック共重合体を10重量%以上含む
    ことを特徴とする請求項9記載の高分子蛍光体組成物。
  11. 【請求項11】分子内に互いに反応しうる2つの反応活
    性基(X1、X2)を有する単量体(I)と、分子内に該
    反応活性基(X1、X2)と反応して結合を生成しうる反
    応活性基(X3)および該反応活性基(X1、X2)とX
    が反応して結合を生成しうる反応条件下では反応しな
    い基(Y)を有する単量体(II)とを反応させて得
    られた分子末端に基(Y)を有する初期重合体を、基
    (Y)同士が反応して結合を生成しうる条件で反応さ
    せることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】分子内に互いに反応しうる2つの反応活
    性基(X1、X2)を有する単量体(I)と、分子内に該
    反応活性基(X1、X2)と反応して結合を生成しうる反
    応活性基(X3)および該反応活性基(X1、X2)とX
    が反応して結合を生成しうる反応条件下では反応しな
    い基(Y)を有する単量体(II)とを反応させて得
    られた分子末端に基(Y)を有する初期重合体を、基
    (Y)と反応して結合を生成しうる2つの基(Y
    )を分子内に有する単量体(III)と、基Y1
    およびYが反応して結合を生成しうる条件で反応
    させることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】2種以上の初期重合体を用いることを特
    徴とする請求項11または12記載のブロック共重合体
    の製造方法。
  14. 【請求項14】上記基(Y、Y、Y)がπ−π結
    合を生成しうる基であることを特徴とする請求項12〜
    13のいずれかに記載のブロック共重合体の製造方法。
  15. 【請求項15】上記基(Y、Y、Y)が反応して
    生成するπ−π結合が2重結合であることを特徴とする
    請求項14記載のブロック共重合体の製造方法。
  16. 【請求項16】単量体(I)が、下記一般式(12)で
    示される1種類以上の単量体であり、単量体(II)
    が、下記一般式(13) で示される1種類以上の単量体
    であることを特徴とする請求項11記載のブロック共重
    合体の製造方法。 X1−Ar20−X2 (12) (ここで、X1、X2は互いに反応して結合を生成しうる
    反応活性基を示し、これらは、同一でも異なっていても
    よい。Ar20は、アリーレン基または2価の複素環基
    を示す) X−Ar21−Y (13) (ここで、Ar21は、アリーレン基または2価の複素
    環基を示す。Xは上記X1、X2、Xと互いに反応し
    て結合を生成しうる反応活性基を示し、YはX 1
    2、Xが結合を生成する反応条件下では反応しない
    基を示す)
  17. 【請求項17】単量体(III)が、下記式(14)で
    示される単量体であることを特徴とする請求項12記載
    のブロック共重合体の製造方法。 Y2-Ar25−Y3 (14) (ここで、Ar25はアリーレン基または2価の複素環
    基を示す。Y2,Y3はそれぞれ独立にX1、X2、X
    結合を生成する反応条件下では反応しない基を示し、こ
    れらは同一でも異なっていてもよい)
  18. 【請求項18】式(12)および(13)で示される単
    量体のX1、X2およびXが、それぞれ独立にハロゲン
    原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニ
    ルオキシ基、ホウ酸基、またはホウ酸エステル基であり
    (但し、1つ以上がハロゲン原子、アルキルスルホニル
    オキシ基もしくはアリールスルホニルオキシ基であ
    る)、式(13)、(14)で示される単量体のY
    およびYが、それぞれ独立にアルデヒド基、アシ
    ル基、ホスホン酸エステル基、またはホスホニウム塩基
    である(但し、1つ以上はアルデヒド基もしくはアシル
    基である)、ことを特徴とする請求項16または17記
    載のブロック共重合体の製造方法。
  19. 【請求項19】式(12)および(13)で示される単
    量体のX1、X2およびXが、それぞれ独立にアルデヒ
    ド基、アシル基、ホスホン酸エステル基またはホスホニ
    ウム塩基であり(但し、1つ以上はアルデヒド基もしく
    はアシル基である)、式(13)、(14)で示される
    単量体のY、YおよびYが、それぞれ独立にハロ
    ゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスル
    ホニルオキシ基、ホウ酸基、またはホウ酸エステル基で
    ある(但し、1つ以上がハロゲン原子、アルキルスルホ
    ニルオキシ基もしくはアリールスルホニルオキシ基であ
    る)ことを特徴とする請求項16または17記載のブロ
    ック共重合体の製造方法。
  20. 【請求項20】一般式(12)および(13)で示され
    る単量体のX1、X2、Xから選ばれる基のうち、1つ
    以上がホウ酸基またはホウ酸エステル基であり、1つ以
    上がハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基または
    アリールスルホニルオキシ基であり、一般式(13)で
    示される単量体のY、および一般式(14)で示され
    るY、Yがアルデヒド基、アシル基、ホスホン酸エ
    ステル基またはホスホニウム塩基から選ばれる反応活性
    基であり、Pd(0)触媒の存在下反応させることによ
    り初期重合体を得ることを特徴とする請求項16または
    17記載のブロック共重合体の製造方法。
  21. 【請求項21】一般式(12)および(13)で示され
    る単量体のX1、X2、Xがハロゲン原子、アルキルス
    ルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基であ
    り、一般式(13)で示される単量体のYおよび一般
    式(14)で示されるY、Yがアシル基基、ホスホ
    ン酸エステル基またはホスホニウム塩基から選ばれる反
    応活性基であり、Ni(0)の存在下で反応させること
    によって初期重合体を得ることを特徴とする請求項16
    または17記載のブロック共重合体の製造方法。
  22. 【請求項22】一般式(12)および(13)で示され
    る単量体のX1、X2、Xの1つ以上がアルデヒド基ま
    たはアシル基であり、1つ以上がホスホン酸エステル基
    またはホスホニウム塩基であり、一般式(13)で示さ
    れる単量体のYおよび一般式(14)で示される
    、Yがハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ
    基、アリールスルホニルオキシ基から選ばれる反応活性
    基であり塩基の存在下で反応させることにより初期重合
    体を得ることを特徴とする請求項16または17記載の
    ブロック共重合体の製造方法。
  23. 【請求項23】陽極および陰極からなる電極間に、少な
    くとも発光層を有する高分子発光素子であって、該発光
    層が請求項1〜8記載のブロック共重合体を含むことを
    特徴とする高分子発光素子。
  24. 【請求項24】陽極および陰極からなる電極間に、少な
    くとも発光層を有する高分子発光素子であって、該発光
    層が請求項9または10記載の高分子蛍光体組成物を含
    むことを特徴とする高分子発光素子。
  25. 【請求項25】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接
    して電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴と
    する請求項23または24記載の高分子発光素子。
  26. 【請求項26】陽極と発光層との間に、該発光層に隣接
    して正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴と
    する請求項23または24記載の高分子発光素子。
  27. 【請求項27】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接
    して電子輸送性化合物からなる層、および陽極と発光層
    との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からな
    る層を設けたことを特徴とする請求項23または24記
    載の高分子発光素子。
  28. 【請求項28】請求項23〜27のいずれかに記載の高
    分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  29. 【請求項29】請求項項23〜27のいずれかに記載の
    高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表
    示装置。
  30. 【請求項30】請求項23〜27のいずれかに記載の高
    分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリッ
    クス表示装置。
  31. 【請求項31】請求項23〜27のいずれかに記載の高
    分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液
    晶表示装置。
  32. 【請求項32】請求項29〜31のいずれかに記載の表
    示装置を表示部に用いたことを特徴とする電子機器。
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