JP2004158710A - 有機半導体薄膜及びその製造方法 - Google Patents

有機半導体薄膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を提供する。また、高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を低コスト且つ容易に形成することが可能な有機半導体薄膜の製造方法を提供する。さらに、電子特性の優れた有機半導体素子を提供する。
【解決手段】有機半導体薄膜4を、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒2と、その結晶粒2の間の隙間に介在する有機半導体成分3とで構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等において好適に用いられる有機半導体薄膜及び有機半導体素子に関する。また、低コスト且つ容易な有機半導体薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機半導体を用いたデバイスは、従来の無機半導体デバイスに比べて成膜条件がマイルドであり、各種基板上に半導体薄膜を形成したり、常温で成膜したりすることが可能であるため、低コスト化や、ポリマーフィルム等に薄膜を形成することによるフレキシブル化が期待されている。
【0003】
有機半導体材料としては、ポリフェニレンビニレン,ポリピロール,ポリチオフェン等の共役系高分子化合物やそのオリゴマーとともに、アントラセン,テトラセン,ペンタセン等のポリアセン化合物が研究されている。特に、ポリアセン化合物は分子間凝集力が強いため高い結晶性を有していて、これによって高いキャリア移動度と、それによる優れた半導体デバイス特性とを発現することが報告されている。
【0004】
ポリアセン化合物のデバイスへの利用形態としては蒸着膜又は単結晶があげられ、トランジスタ,太陽電池,レーザー等への応用が検討されている(非特許文献1〜4を参照)。
また、蒸着法以外の方法でポリアセン化合物の薄膜を形成する方法として、ペンタセンの前駆体の溶液を基板上に塗布し、加熱処理してペンタセン薄膜を形成する方法が報告されている(非特許文献5を参照)。この方法は、ポリアセン化合物は溶媒に対する溶解性が低いため、溶解性の高い前駆体の溶液を用いてポリアセン化合物の薄膜を形成するというものである。
【0005】
【非特許文献1】
ショーンら,「サイエンス」,2000年,第289巻,p.559
【非特許文献2】
ジミトラコポウラスら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第80巻,p.2501
【非特許文献3】
ショーンら,「ネイチャー」,2000年,第403巻,p.408
【非特許文献4】
クロークら,「IEEE・トランザクション・オン・エレクトロン・デバイシス」,1999年,第46巻,p.1258
【非特許文献5】
ブラウンら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第79巻,p.2136
【非特許文献6】
「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」,2000年,第122巻,p.12876
【非特許文献7】
グラハムら,「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」,1995年,第60巻,p.5770
【非特許文献8】
アンソニーら,「オーガニック・レターズ」,2000年,第2巻,p.85
【非特許文献9】
ミラーら,「オーガニック・レターズ」,2000年,第2巻,p.3979
【非特許文献10】
シリングハウスら,「サイエンス」,2000年,第290巻,p.2123
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の蒸着膜,単結晶は真空容器中で作製されるため、装置が高価,複雑であり、また、単結晶の場合は利用可能な素子サイズが限定される等の問題があったが、前述のように前駆体を用いてポリアセン化合物の薄膜を形成する方法は、そのような問題がなく好ましい。
【0007】
しかしながら、ポリアセン化合物の薄膜は、ポリアセン化合物の結晶粒が多数生成することによって形成されるが、温度等の結晶化条件(成膜条件)によっては結晶粒同士の間に隙間が生じてしまい、近接する結晶粒間の接続が不十分となる場合があった。そのため、薄膜の導電性が不十分となって(抵抗が大きくなって)、キャリア移動度が低いという問題が生じる場合があった。また、得られた薄膜のキャリア移動度が成膜条件によって異なるという問題点も有していた。
【0008】
さらに、前駆体を用いる方法は、前記前駆体をポリアセン化合物に変換するために150℃以上の高温処理が必要である。そのため、高温によって薄膜に変性が生じて欠陥となることや、ポリアセン化合物への変換反応を完全に行うことが難しいため未反応部分が欠陥として残り薄膜が不均一となる等の問題点を有していた。
【0009】
なお、溶媒に対する溶解性が高い置換基を有するポリアセン化合物が、高橋らによって報告されている(非特許文献6〜9を参照)。これらの報告には各種のポリアセン化合物に置換基を導入した誘導体が記載されているが、有機半導体材料としての特性や薄膜化については記載されていない。
そこで、本発明は、前述のような従来技術が有する問題点を解決し、高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を提供することを課題とする。また、高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を低コスト且つ容易に形成することが可能な有機半導体薄膜の製造方法を提供することを併せて課題とする。さらに、電子特性の優れた有機半導体素子を提供することを併せて課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の有機半導体薄膜は、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を多数含有する有機半導体薄膜において、前記結晶粒の間の隙間に有機半導体成分を介在させ、前記結晶粒を接続したことを特徴とする。
【0011】
このような構成の有機半導体薄膜は、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒の間の隙間に有機半導体成分が介在されており、その有機半導体成分によって前記結晶粒が接続されているので、高いキャリア移動度を有している。また、有機半導体成分を含有しているので、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒のみで有機半導体薄膜が構成されている場合と比べて、薄膜の強度が高い。
【0012】
また、本発明に係る請求項2の有機半導体薄膜は、請求項1に記載の有機半導体薄膜において、前記有機半導体成分は、共役系高分子化合物と非晶状態の低分子化合物との少なくとも一方で構成されていることを特徴とする。
前記共役系高分子化合物は、半導体としての性質を有する有機化合物であれば、結晶状態でも非晶状態でもよい。また、前記非晶状態の低分子化合物は、半導体としての性質を有する有機化合物であれば、その種類は特に限定されるものではなく、前記結晶性低分子有機半導体化合物と同種の化合物でもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る請求項3の有機半導体薄膜は、請求項2に記載の有機半導体薄膜において、所定の断面における前記結晶粒からなる領域の断面積の比率が5〜95%であることを特徴とする。
この断面積の比率が5%未満であるとキャリア移動度が不十分となるおそれがあり、95%を超えると前記結晶粒間の接続が不完全となるおそれがある。この断面積の比率は、有機半導体薄膜の断面を光学顕微鏡,偏光顕微鏡,電子顕微鏡で観察すること等によって求めることができる。
【0014】
さらに、本発明に係る請求項4の有機半導体薄膜の製造方法は、請求項2又は請求項3に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記ベースの表面に前記結晶粒を形成させた後に、前記有機半導体成分を被覆することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項5の有機半導体薄膜の製造方法は、請求項2又は請求項3に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記結晶粒と前記有機半導体成分とを含有する混合物で前記ベースの表面を被覆することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る請求項6の有機半導体薄膜の製造方法は、請求項2又は請求項3に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記有機半導体成分と液体状の前記結晶性低分子有機半導体化合物とを含有する混合物で前記ベースの表面を被覆した後に、前記結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を成長させることを特徴とする。
【0016】
このような有機半導体薄膜の製造方法であれば、高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を、低コスト且つ容易に形成することができる。
さらに、本発明に係る請求項7の有機半導体薄膜は、請求項1に記載の有機半導体薄膜において、前記結晶粒は大粒径であるとともに、前記有機半導体成分は、小粒径な結晶粒と非晶状態の化合物との少なくとも一方で構成されていることを特徴とする。
【0017】
小粒径な結晶粒は、半導体としての性質を有する有機化合物であればその種類は特に限定されるものではなく、低分子化合物の結晶粒でもよいし高分子化合物の結晶粒でもよい。あるいは、大粒径の結晶粒を構成する前記結晶性低分子有機半導体化合物と同種の化合物の結晶粒でもよい。また、非晶状態の化合物についても同様であり、半導体としての性質を有する有機化合物であればその種類は特に限定されるものではなく、低分子化合物でもよいし高分子化合物でもよい。あるいは、非晶状態となっているならば、大粒径の結晶粒を構成する前記結晶性低分子有機半導体化合物と同種の化合物でもよい。
【0018】
なお、後述する縮合多環芳香族化合物や共役系低分子化合物は、比較的結晶状態となりやすい。高分子化合物は比較的非晶状態となりやすいが、レジオレギュラーポリアルキルチオフェン等のように結晶状態となりやすいものもある。
さらに、本発明に係る請求項8の有機半導体薄膜は、請求項7に記載の有機半導体薄膜において、所定の断面における前記大粒径な結晶粒からなる領域の断面積の比率が30〜80%で、前記有機半導体成分からなる領域の断面積の比率が5〜70%であることを特徴とする。
【0019】
大粒径な結晶粒からなる領域の断面積の比率が30%未満であると、キャリア移動度等の半導体特性が不十分となるおそれがある。一方、80%を超えると前記結晶粒間の接続が不完全となるおそれがあり、その結果、有機半導体薄膜の半導体特性や均一性が不十分となるおそれがある。
また、有機半導体成分からなる領域の断面積の比率が5%未満であると、前記結晶粒間の接続が不完全となるおそれがあり、70%を超えると、大粒径な結晶粒の比率が少なくなるのでキャリア移動度が不十分となるおそれがある。この断面積の比率は、有機半導体薄膜の断面を光学顕微鏡,偏光顕微鏡,電子顕微鏡で観察すること等によって求めることができる。なお、空隙部分が存在する場合があるので、両者の合計値が100%とならない場合もあり得る。
【0020】
さらに、本発明に係る請求項9の有機半導体薄膜の製造方法は、請求項7又は請求項8に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒を形成させた後に、前記小粒径な結晶粒と前記非晶状態の化合物との少なくとも一方を形成させることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項10の有機半導体薄膜の製造方法は、請求項9に記載の有機半導体薄膜の製造方法において、前記結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒を形成させる時の前記ベースの温度を、前記小粒径な結晶粒と前記非晶状態の化合物との少なくとも一方を形成させる時の前記ベースの温度よりも高温とすることを特徴とする。
【0021】
このような有機半導体薄膜の製造方法であれば、高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を、低コスト且つ容易に形成することができる。
さらに、本発明に係る請求項11の有機半導体素子は、請求項1,2,3,7,及び8のいずれかに記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする。
【0022】
このような有機半導体素子は、前述のような高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を備えているので電子特性が優れている。
以下に、本発明の有機半導体薄膜及びその製造方法並びに有機半導体素子について詳細に説明する。
〔結晶性低分子有機半導体化合物について〕
本発明における結晶性低分子有機半導体化合物としては、縮合多環芳香族化合物,共役系低分子化合物等を利用することができる。具体的には、アントラセン,テトラセン(ナフタセン),ペンタセン,ベンゾペンタセン,ジベンゾペンタセン,テトラベンゾペンタセン,ナフトペンタセン,ヘキサセン,へプタセン,ナノアセン等のポリアセン化合物や、フェナントレン,ピセン,フルミネン,ピレン,アンタンスレン,ペロピレン,コロネン,ベンゾコロネン,ジベンゾコロネン,ヘキサベンゾコロネン,ベンゾジコロネン,ビニルコロネン等のコロネン化合物などがあげられる。
【0023】
さらに、ペリレン,テリレン,ジペリレン,クオテリレン等のペリレン化合物や、トリナフチレン,ヘプタフェン,オバレン,ルビセン,ビオラントロン,イソビオラントロン,クリセン,サーカムアントラセン,ビスアンテン,ゼスレン,ヘプタゼスレン,ピランスレン,ビオランテン,イソビオランテン,ビフェニル,ターフェニル,クォターフェニル,サーコビフェニル,ケクレン,フタロシアニン,ポルフィリン,フラーレン(C60,C70等)等があげられる。
【0024】
さらに、テトラチアフルバレン化合物,キノン化合物,シアノ化合物(テトラシアノキノジメタン等)及びこれらの誘導体があげられる。さらに、ポリチオフェンのオリゴマー,ポリピロールのオリゴマー,ポリフェニレンのオリゴマー,ポリフェニレンビニレンのオリゴマー,ポリチエニレンビニレンのオリゴマー等があげられる。
【0025】
また、これらの化合物の誘導体を用いることもできる。すなわち、前記化合物にアルキル基,アルコキシル基,ハロゲン基,ケトン基,エステル基,エーテル基,アミノ基,ヒドロキシル基,ベンジル基,ベンゾイル基,フェニル基,ナフチル基等の置換基を導入した誘導体や、前記化合物のキノン誘導体等である。なお、これらの化合物及び誘導体は、単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】
前述の縮合多環芳香族化合物のうちポリアセン化合物の誘導体は、下記のような化学式(I)で表すことができるが(化学式(I)中の官能基R〜R10は前述のような官能基又は水素原子であり、nは2〜7の整数である。)、官能基の置換位置によってその特性が異なる。
【0027】
【化1】
Figure 2004158710
(I)
【0028】
つまり、ポリアセン化合物の誘導体としては、以下の3種類がある。
▲1▼化学式(I)中の官能基R,R,R,Rのうち少なくとも一部が前述のような官能基であり、それ以外の全ての官能基は水素原子であるポリアセン化合物
▲2▼官能基R,R,R,R,R,R10のうち少なくとも一部が前述のような官能基であり、それ以外の全ての官能基は水素原子であるポリアセン化合物
▲3▼官能基R,R,R,Rのうち少なくとも一部と官能基R,R,R,R,R,R10のうち少なくとも一部とが前述のような官能基であり、それ以外の全ての官能基は水素原子であるポリアセン化合物
このうち▲1▼のポリアセン化合物の誘導体は長軸方向の置換位置のみに官能基を有しており、▲2▼のポリアセン化合物の誘導体は短軸方向の置換位置のみに官能基を有していて、有機半導体薄膜において高い移動度を発現するという性質を有しているため好ましい。このような性質を発現する理由は明確にはなっていないが、ポリアセン化合物の分子は薄膜中においてはスタッキングされた構造となっているため、▲3▼のポリアセン化合物の誘導体のように長軸方向及び短軸方向の両方の置換位置に官能基を有する場合は、キャリアの輸送が官能基によって遮断されやすいことが理由として考えられる。
【0029】
前述の種々の官能基の中では、炭素数1〜15の直鎖状,分岐鎖状,又は環状の脂肪族炭化水素基が最も好ましい。脂肪族炭化水素基であれば飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよく、不飽和炭化水素基における不飽和結合の位置は特に限定されるものではない。
不飽和炭化水素基の場合は、不飽和結合により官能基の剛直性が向上する。また、不飽和結合を他の分子と反応させたり、不飽和結合同士を反応又は重合させることもできる。なお、不飽和結合を上記のように反応させたポリアセン化合物からなる薄膜も、有機半導体薄膜として使用することができる。
【0030】
このように、不飽和炭化水素基等のような反応性,重合性を有する官能基をポリアセン化合物に導入すれば、該官能基を反応させて有機半導体薄膜を変性することができる。特に、光反応性,光重合性を有する官能基をポリアセン化合物に導入すれば、ポリアセン化合物に感光性を付与することができる。感光性を有するポリアセン化合物は、光パターニング材料として利用することができるため好ましい。
【0031】
光反応性基,光重合性基を有するポリアセン化合物からなる有機半導体薄膜の所定の部位に輻射エネルギーを照射すれば、該部位を変性させることができる。そして、照射部位と未照射部位との物性(溶媒に対する溶解性や蒸気圧等)の差によってパターニングを行うことができる。
また、有機半導体溶液の粘度を調整する等の目的で、光反応性基,光重合性基を有するポリアセン化合物が溶解した溶液に輻射エネルギーを照射し、該ポリアセン化合物を変性させてもよい。また、ポリアセン化合物の溶媒に対する溶解性を調整する等の目的で、バルク状の光反応性基,光重合性基を有するポリアセン化合物に輻射エネルギーを照射し、該ポリアセン化合物を変性させてもよい。
【0032】
光反応性基,光重合性基の具体例としては、アクリロイルオキシ基,メタクリロイルオキシ基,シンナモイルオキシ基,シンナミル基,ブタジイニル基,スチリル基,ブタジエニル基,イソペンタジエニル基,シクロペンタジエニル基,シクロヘキサジエニル基,ヒドロキシフェニル基等があげられる。
また、輻射エネルギーとしては、赤外線,紫外線,可視光,マイクロ波,X線,ガンマ線,電子線等が使用できる。
【0033】
さらに、官能基が導入されたポリアセン化合物として、テトラブロモシクロヘキサジエン,テトラクロロシクロヘキサジエン,ベンゼン誘導体,スルフィニルアセトアミド,スルフィニルアニリン,スルフィニルトルエンスルホン酸,フラーレン,短いカーボンナノチューブ等の化合物がポリアセン化合物に付加した複合体もあげられる。
【0034】
〔共役系高分子化合物について〕
本発明において使用される共役系高分子化合物としては、ポリチオフェン,ポリピロール,ポリアニリン,ポリフェニレン,ポリフェニレンビニレン,ポリチエニレンビニレン,ポリアセチレン,ポリジアセチレン等があげられる。また、これらの誘導体でもよい。
【0035】
通常の電界効果トランジスタで利用される共役系高分子化合物は、通常のドーピング方法によりアクセプターやドナーでドーピングされた状態ではキャリア濃度が高くなるため、ゲート電圧によるドレイン電流の変調が起こりにくくトランジスタ動作不良となりやすい。ところが、本発明の有機半導体薄膜の場合は、共役系高分子化合物がアクセプターやドナーでドーピングされた状態でも、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒によって良好な電界効果を発現する。すなわち、共役系高分子化合物はドープ状態及び未ドープ状態の両方で用いることができる。
【0036】
ドープされた状態の共役系高分子化合物を用いる場合は、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒に共役系高分子化合物との界面からドーパント拡散が生じることは通常起こりにくいが、ドーパントの種類によっては前記結晶粒にドーパントが濃度勾配をもって拡散する場合がある。このような場合は、両者の界面接合が良好となるため好ましい。
【0037】
ここで用いるアクセプター分子としては、例えば、ヨウ素,臭素,塩素,塩化ヨウ素,臭化ヨウ素等のハロゲン、無水硫酸,二酸化硫黄,硫酸,硫酸塩等の酸化硫黄化合物、硝酸,硝酸塩,二酸化窒素等の酸化窒素化合物、過塩素酸,次亜塩素酸等のハロゲン化化合物、テトラフルオロホウ酸,テトラフルオロホウ酸塩,リン酸,リン酸塩,トリフルオロ酢酸等の酸及び塩、テトラシアノキノジメタン,テトラクロロテトラシアノキノジメタン,テトラフルオロテトラキノジメタン,テトラシアノエチレン,ジクロロシアノエチレン,ジクロロジシアノキノン,テトラクロロキノン等の有機化合物、炭酸ガス、酸素などがあげられる。
【0038】
また、ドナー分子としては、テトラチアフルバレン,テトラメチルテトラチアフルバレン,テトラセレナチアフルバレン等のTTF化合物や、ジフェニルフェニレンジアミン,テトラフェニレンジアミン,テトラフェニルジアミノジフェニル,ポリビニルカルバゾール等のアミン化合物や、フラーレン(C60に代表される炭素クラスター)等があげられる。また、アルカリ金属,アルカリ土類金属,希土類金属,及びこれらの金属と有機化合物との錯体があげられる。
【0039】
なお、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒の間の隙間に共役系高分子化合物を介在させた構成の有機半導体薄膜の場合は、その薄膜構造として以下のようなものが例として考えられる。すなわち、結晶粒の領域と共役系高分子化合物の領域とが膜厚方向に対して均一である構造、両領域の割合(断面積の面積比)が膜厚方向に対して傾斜している構造や分布している構造、両領域が膜厚方向に積層された層状構造等である。
【0040】
〔非晶状態の低分子化合物について〕
本発明において、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒の間に非晶状態で介在される低分子化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール(3分子)とアルミニウムとの錯体、8−ヒドロキシキノリン錯体、1,1−ビス(N,N−ジトルイル−p−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(トルイルフェニレンジアミン)、1,1−ビス(ナフタレンフェニレンジアミン)、トリス(トルイルフェニレンジアミン)アミン、トリフェニレンジアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサゾリン誘導体、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ環を有するアミン化合物、各種の非晶系色素化合物があげられる。
【0041】
なお、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒の間の隙間に非晶状態の低分子化合物を介在させた構成の有機半導体薄膜の薄膜構造は、前述の共役系高分子化合物の場合と同様である。
〔結晶粒の大きさについて〕
本発明において、結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒の間の隙間に有機半導体成分として小粒径な結晶粒を介在させる場合は、大粒径な結晶粒とは粒径が1μm以上の結晶粒を意味し、小粒径な結晶粒とは粒径が1μm未満の結晶粒を意味する。粒径は結晶粒の長軸と短軸との算術平均値とし、薄膜断面を電子顕微鏡やレーザー顕微鏡で観察することによって求めることができる。
【0042】
〔有機半導体薄膜の形成方法について1〕
まず、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒の間の隙間に、共役系高分子化合物と非晶状態の低分子化合物との少なくとも一方を介在させた構成の有機半導体薄膜の形成方法について、図1の概念図を参照しながら説明する。
有機半導体薄膜4の形成方法としては、例えば、
▲1▼ベース1の表面に結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒2を形成させた後に(図1の(a))、有機半導体成分3を被覆する方法(図1の(b))
▲2▼結晶粒2と有機半導体成分3とを含有する混合物でベース1の表面を被覆する方法(1工程で図1の(b)に示すような薄膜が得られる)
▲3▼有機半導体成分と液体状の結晶性低分子有機半導体化合物とを含有する混合物でベースの表面を被覆した後に、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を成長させる方法(得られた薄膜は図1の(b)に示すような構造である)
等があげられる。
【0043】
▲1▼の方法においてベースの表面に結晶粒を形成させる方法としては、例えば、結晶性低分子有機半導体化合物の溶液又は結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒の分散液をベースの表面に塗布する方法や、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を気相成長法により形成する方法があげられる。また、その後に有機半導体成分を被覆する方法としては、例えば、有機半導体成分の溶液をベースの表面に塗布する方法や、有機半導体成分を気相成長法により形成する方法があげられる。
【0044】
▲2▼の方法としては、例えば、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒が分散し且つ有機半導体成分が溶解した溶液を、ベースの表面に塗布する方法があげられる。
▲3▼の方法としては、例えば、結晶性低分子有機半導体化合物及び有機半導体成分が溶解した溶液をベースの表面に塗布した後、結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を薄膜中に成長させる方法があげられる。
【0045】
溶液塗布により薄膜を形成する場合には、共役系高分子化合物等の有機半導体成分を均一に溶解する溶媒又は均一に分散する溶媒を使用することが好ましく、有機半導体成分を均一に溶解する溶媒を使用することがより好ましい。有機半導体成分は薄膜中で結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒間のバインダーとして働くことが考えられるため、結晶粒間の接続を良好とするために均一に溶解することが好ましい。
【0046】
このような溶液には、有機半導体成分と電荷移動錯体を形成可能なドーパント分子(電子供与性分子(ドナー分子)又は電子受容性分子(アクセプター分子))を含有させてもよい。また、薄膜形成後に、ドーパントを均一又は局所的に拡散することも可能である。
この工程においてドナー分子の含有量を調整することによって、半導体をp型,i型,n型と変化させることができるため、i型半導体,n型半導体として利用したり、p−i−n構造,p−n構造,n−p−n構造,p−n−p構造等の種々の半導体素子構造が作製できる。
【0047】
本発明の有機半導体薄膜は、前述の溶液又は分散液を基板等のベース上に被覆した上、加熱等の方法により前記溶媒を気化させることにより得ることができる。前記溶液をベース上に被覆する方法としては、塗布,噴霧の他、ベースを前記溶液に接触させる方法等があげられる。具体的には、スピンコート,ディップコート,ブレード塗布,印刷(スクリーン印刷,インクジェット印刷,平版印刷,凹版印刷,凸版印刷等)等の公知の方法があげられる。
【0048】
このような操作は、通常の大気下又は窒素,アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。ただし、一部の有機半導体化合物は酸化されやすい場合もあるため、溶液の作製,保存及び有機半導体薄膜の作製は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、溶媒を気化させる際には、ベース付近の温度や雰囲気の溶媒蒸気圧により気液界面の溶媒気化速度を調節することによって、結晶成長を制御することができる。さらに、有機半導体化合物の溶液又は分散液にベースを接触させて、過飽和状態でベースの表面に有機半導体薄膜を形成させることも可能である。さらに、所望により、有機半導体化合物の溶液とベースとの界面に、温度勾配,電場,磁場の少なくとも1つを印加して、結晶成長を制御することができる。これらの方法により高結晶性の有機半導体薄膜を製造することが可能であり、得られた有機半導体薄膜は高結晶性であることから半導体特性が優れている。
【0049】
さらに、有機半導体薄膜の安定性,半導体特性の点から、有機半導体薄膜中に残存する溶媒の量は低いことが好ましい。よって、通常は、有機半導体薄膜を形成した後に再度加熱処理及び/又は減圧処理を施して、有機半導体薄膜中に残存する溶媒をほぼ完全に除去することが好ましい。
〔有機半導体薄膜の形成方法について2〕
次に、結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒の間の隙間に、小粒径な結晶粒と非晶状態の化合物との少なくとも一方を介在させた構成の有機半導体薄膜の形成方法について説明する。
【0050】
薄膜の形成方法としては、公知の方法を採用することが可能であり、例えば、真空蒸着,MBE法(Molecular Beam Epitaxy),スパッター,化学蒸着法(CVD法),レーザー蒸着,電子ビーム蒸着,電着,スピンコート,ディップコート,スクリーン印刷,インクジェット印刷,ブレード塗布等があげられる。
このうち真空蒸着は結晶性薄膜形成に多く用いられ、成膜時の基板温度によって薄膜の結晶性や薄膜中の結晶の粒径を調節することができる。蒸着法では、通常は基板温度を高くすると結晶の粒径が大きくなり、低温の基板では微小な結晶や非晶状態となりやすい。真空蒸着以外の方法では、通常は、微小な結晶や非晶状態の薄膜が得られやすい。また、薄膜を形成した後に、大気圧下又は真空下で加熱処理して結晶成長を図り、結晶の粒径を大きくすることもできる。
【0051】
本発明の有機半導体薄膜の形成方法としては、例えば、大粒径な結晶粒を成長させる工程の後に、小粒径な結晶粒及び/又は非晶状態の化合物を形成する工程を行う方法があげられる。
真空蒸着法で行う場合には、ベースの温度を所定の温度に設定して大粒径な結晶粒を成長させた後、ベース温度を前記温度よりも低温として、小粒径な結晶粒及び/又は非晶状態の前記結晶性低分子有機半導体化合物を形成することができる。
【0052】
例えば、ペンタセンの薄膜を蒸着法で形成する場合は、ベース温度が100℃以上だと大きな粒径の結晶粒が生成しやすい。一方、100℃未満では温度の低下とともに生成する結晶粒の粒径が小さくなり、−70℃以下では非晶状態となる。100℃未満のベース温度で均一なペンタセン薄膜を形成した後に、加熱処理して大きな粒径の結晶粒を成長させることもできる。この場合には、加熱温度と加熱時間によって結晶粒の大きさを調節することができる。
【0053】
このような性質はどのような結晶性低分子有機半導体化合物も有しているが、分子構造によって温度と結晶粒の大きさとの関係が異なる。ただし、概ね100℃を境に結晶粒の大きさが大きく変化する。このようなことから、結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒を形成させる時のベース温度は100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。また、小粒径な結晶粒と非晶状態の化合物との少なくとも一方を形成させる時のベース温度は90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
【0054】
〔ベースについて〕
前記ベースの材料としては、例えば、ガラス,石英,酸化アルミニウム,サファイア,チッ化珪素,炭化珪素等のセラミック、シリコン,ゲルマニウム,ガリウム砒素,ガリウム燐,ガリウム窒素等の半導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール,エチレンビニルアルコール共重合体,環状ポリオレフィン,ポリイミド,ポリアミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリエーテルスルフォン,ポリスルフォン,ポリメチルメタクリレート等の樹脂、紙、不織布などがあげられる。結晶性,非晶性に関係なく種々の材料を用いることが可能である。
【0055】
また、ベースの形状は特に限定されるものではないが、通常は板状のベース(基板)が用いられる。
〔有機半導体素子について〕
このような有機半導体薄膜を用いることにより、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等の分野において有益な半導体素子を製造することができる。
【0056】
このような半導体素子の例としては、ダイオード,トランジスタ,薄膜トランジスタ,メモリ,フォトダイオード,発光ダイオード,発光トランジスタ,ガスセンサー,バイオセンサー,血液センサー,免疫センサー,人工網膜,味覚センサー等があげられる。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式ディスプレイ,液晶ディスプレイ,分散型液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,粒子回転型表示素子,エレクトロクロミックディスプレイ,有機発光ディスプレイ,電子ペーパー等の種々の表示素子に利用可能である。
【0057】
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、これらの表示素子において表示画素のスイッチング用トランジスタ,信号ドライバー回路素子,メモリ回路素子,信号処理回路素子等に利用される。
半導体素子がトランジスタである場合には、その素子構造としては、例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造、基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層(誘電体層)/ゲート電極という構造、基板/ソース電極(又はドレイン電極)/半導体層+絶縁体層(誘電体層)+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)という構造等があげられる。このとき、ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
【0058】
トランジスタの構成としては、MOS(メタル−酸化物(絶縁体層)−半導体)型及びバイポーラ型のいずれでも採用可能である。
バイポーラ型トランジスタの素子構造としては、例えば、n型半導体層/p型半導体層/n型半導体層という構造や、p型半導体層/n型半導体層/p型半導体層という構造があげられ、各半導体層に電極が接続されている。
【0059】
また、半導体素子がダイオードである場合には、その素子構造としては、例えば、電極/n型半導体層/p型半導体層/電極という構造があげられる。
半導体素子における有機半導体薄膜内部又は有機半導体薄膜表面と電極との接合面の少なくとも一部は、ショットキー接合及び/又はトンネル接合とすることができる。このような接合構造は、単純な構成でダイオードやトランジスタを作製することができるので好ましい。さらに、このような接合構造を有する有機半導体素子を複数接合して、インバータ,オスシレータ,メモリ,センサ等の素子を形成することもできる。
【0060】
本発明の半導体素子を表示素子として用いる場合は、表示素子の各画素に配置され各画素の表示をスイッチングするトランジスタ素子(ディスプレイTFT)として利用できる。このようなアクティブ駆動表示素子は、対向する導電性基板のパターニングが不要なため、回路構成によっては、画素をスイッチングするトランジスタを持たないパッシブ駆動素子と比べて画素配線を簡略化できる。通常は、1画素当たり1個から数個のスイッチング用トランジスタが配置される。このような表示素子は、基板面に二次元的に形成したデータラインとゲートラインとを交差した構造を有し、データラインやゲートラインがトランジスタのゲート電極,ソース電極,ドレイン電極にそれぞれ接合されている。なお、データラインとゲートラインとを分割することや、電流供給ライン,信号ラインを追加することも可能である。
【0061】
また、表示素子の画素に、画素配線,トランジスタに加えてキャパシタを併設して、信号を記録する機能を付与することもできる。さらに、表示素子が形成された基板に、データライン及びゲートラインのドライバ,画素信号のメモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ等を搭載することもできる。
また、本発明の有機半導体素子は、ICカード,スマートカード,及び電子タグにおける演算素子,記憶素子としても利用することができる。その場合、これらが接触型であっても非接触型であっても、問題なく適用可能である。このICカード,スマートカード,及び電子タグは、メモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ,キャパシタ等で構成されており、さらにアンテナ,バッテリを備えていてもよい。
【0062】
さらに、本発明の有機半導体素子はセンサとして利用することができ、ガスセンサ,バイオセンサ,血液センサ,免疫センサ,人工網膜,味覚センサ等、種々のセンサに応用することができる。通常は、有機半導体素子を構成する有機半導体薄膜に測定対象物を接触又は隣接させた際に生じる有機半導体薄膜の抵抗値の変化によって、測定対象物の分析を行うことができる。
【0063】
なお、本発明の有機半導体素子でダイオード,ショットキー接合構造を有する素子,トンネル接合構造を有する素子を構成すれば、その素子は光電変換素子,太陽電池,赤外線センサ等の受光素子,フォトダイオードとして利用することもできるし、発光素子として利用することもできる。また、本発明の有機半導体素子でトランジスタを構成すれば、そのトランジスタは発光トランジスタとして利用することができる。これらの発光素子の発光層には、公知の有機材料や無機材料を使用することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明に係る有機半導体薄膜及びその製造方法並びに有機半導体素子の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図2は、有機半導体素子の一例である電界効果トランジスタの構成を説明する断面図である。
【0065】
ガラス基板15に電子線蒸着によって厚さ10nmのチタン薄膜を形成後、厚さ40nmの金薄膜を積層した。そして、リフトオフ法によってチタン及び金薄膜からなるゲート電極12のパターンを形成した。その上に、膜厚200nmの絶縁層13(SiO薄膜)をRFスパッタリング法で形成した。さらに、その上に、ソース・ドレイン電極14のパターンをゲート電極12と全く同様の方法で形成して、電界効果トランジスタ用の電極パターンを備えた基板15を作製した。
【0066】
この基板15上に、6,13−ジフェニルペンタセンのトルエン溶液(ジフェニルペンタセンの含有量は0.3質量%)を塗布し乾燥して、ジフェニルペンタセン薄膜を形成した。このジフェニルペンタセン薄膜の表面を顕微鏡で観察したところ、針状結晶が成長した結晶薄膜構造が観測された。そして、この薄膜上にレジオレギュラーポリ(ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ社製)のトルエン溶液(0.1質量%)を塗布・乾燥することにより、有機半導体層11(有機半導体薄膜)を完成させた。
【0067】
なお、ジフェニルペンタセンが本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物に相当し、レジオレギュラーポリ(ヘキシルチオフェン)が本発明の構成要件である有機半導体成分(共役系高分子化合物)に相当する。
この有機半導体薄膜が形成されたガラス基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察した結果、基板界面に形成されたジフェニルペンタセンの板状結晶領域と該結晶領域を取り囲むポリ(ヘキシルチオフェン)からなる領域とが観察された。すなわち、ジフェニルペンタセンの結晶粒の間の隙間に、ポリ(ヘキシルチオフェン)からなる領域が介在していた。この断面像から、ジフェニルペンタセンの結晶領域の断面積とポリ(ヘキシルチオフェン)からなるポリマー領域の断面積との比率は、それぞれ68%、32%であった。
【0068】
また、この有機半導体薄膜のX線回折により、面間距離1.6nmの回折面が観測され、ジフェニルペンタセン分子の長軸が基板面に対して垂直に配向していることが分かった。
このような有機半導体薄膜が形成された電界効果トランジスタのソース・ドレイン電極及びゲート電極に、タングステン針を用いプローバでコンタクトを形成し、ゲート電極の電圧印加とドレイン電極の電圧走査によりドレイン電流を測定した。その結果、ドレイン電圧の増加に伴ってドレイン電流の飽和が観測され、ゲート電圧を負に大きく印加した際、ドレイン電流の増大が認められた。この電流飽和領域の電流値及び電圧値によって求めた薄膜の移動度は、0.2cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0069】
〔実施例2〕
実施例1で作製した基板上に、6,13−ジフェニルペンタセン及びポリ(ヘキシルチオフェン)のトルエン溶液(ジフェニルペンタセンの含有量は0.3質量%で、ポリ(ヘキシルチオフェン)の含有量は0.05質量%)を塗布し乾燥して、有機半導体薄膜を形成した。
【0070】
この有機半導体薄膜が形成されたガラス基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察した結果、ジフェニルペンタセンの角板状結晶領域とそれを取り囲むポリ(ヘキシルチオフェン)の無定形領域とが観察された。すなわち、ジフェニルペンタセンの結晶粒の間の隙間に無定形領域が介在していた。この断面像から、結晶領域の断面積と無定形領域の断面積との比率は、それぞれ81%、19%であった。
【0071】
なお、ジフェニルペンタセンが本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物に相当し、ポリ(ヘキシルチオフェン)が本発明の構成要件である有機半導体成分(共役系高分子化合物)に相当する。
実施例1と同様にして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した結果、ゲート電圧の印加による良好なトランジスタ動作が観測され、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.4cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0072】
〔実施例3〕
実施例1で作製した基板上に、真空蒸着法によって6,13−ジフェニルペンタセンの薄膜を形成した。この時の基板の温度は120℃とした。次に、実施例1で用いたレジオレギュラーポリ(ヘキシルチオフェン)のトルエン溶液を、ジフェニルペンタセン薄膜上に塗布・乾燥することにより、有機半導体薄膜を完成した。
【0073】
この有機半導体薄膜が形成されたガラス基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察した結果、ジフェニルペンタセンの角板状結晶領域とそれを取り囲むポリ(ヘキシルチオフェン)の無定形領域とが観察された。すなわち、ジフェニルペンタセンの結晶粒の間の隙間に無定形領域が介在していた。この断面像から、結晶領域の断面積と無定形領域の断面積との比率は、それぞれ90%、10%であった。
【0074】
実施例1と同様にして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した結果、ゲート電圧の印加による良好なトランジスタ動作が観測され、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.8cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0075】
〔実施例4〕
実施例1で作製した基板上に、2,3,9,10−テトラメチルペンタセンのメシチレン溶液(0.05質量%)を塗布し乾燥して、テトラメチルペンタセン薄膜を形成した。そして、この薄膜上にポリ(ヘキシルチオフェン)のトルエン溶液(0.1質量%)を塗布・乾燥することにより、有機半導体層(有機半導体薄膜)を完成させた。
【0076】
この有機半導体薄膜が形成されたガラス基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察した結果、テトラメチルペンタセンの角板状結晶領域とそれを取り囲むポリ(ヘキシルチオフェン)の無定形領域とが観察された。すなわち、テトラメチルペンタセンの結晶粒の間の隙間に無定形領域が介在していた。この断面像から、結晶領域の断面積と無定形領域の断面積との比率は、それぞれ35%、65%であった。
【0077】
なお、テトラメチルペンタセンが本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物に相当し、ポリ(ヘキシルチオフェン)が本発明の構成要件である有機半導体成分(共役系高分子化合物)に相当する。
実施例1と同様にして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した結果、ゲート電圧の印加による良好なトランジスタ動作が観測され、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.2cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0078】
〔実施例5〕
ペンタセン(アルドリッチ社製)1gと2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン(東京化成株式会社製)0.5gとトルエンとを混合して、10gの分散液を得た。この分散液に直径2mmのステンレスボール200gを添加して、振動ミルで粉砕して分散した。
【0079】
このようにして得られた分散液を、材質をシリコンとする以外は実施例1と同様にして作製したシリコン基板上にスピンコートして、有機半導体薄膜を形成した。
この有機半導体薄膜が形成されたシリコン基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察した結果、ペンタセンの角板状結晶領域とそれを取り囲む2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジンの無定形領域とが観察された。すなわち、ペンタセンの結晶粒の間の隙間に無定形領域が介在していた。この断面像から、結晶領域の断面積と無定形領域の断面積との比率は、それぞれ75%、25%であった。
【0080】
なお、ペンタセンが本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物に相当し、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジンが本発明の構成要件である有機半導体成分(非晶状態の低分子化合物)に相当する。
実施例1と同様にして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した結果、ゲート電圧の印加による良好なトランジスタ動作が観測され、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.05cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0081】
〔比較例1〕
実施例1の有機半導体薄膜を製造する工程におけるポリ(ヘキシルチオフェン)を積層する直前の段階で、ジフェニルペンタセン薄膜の電流・電圧特性を評価した。その結果、ゲート電圧の印加による良好なトランジスタ動作が観測され、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.1cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0082】
なお、このジフェニルペンタセン薄膜が形成された基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察したところ、基板上に形成された角板状結晶領域が観察された。
〔比較例2〕
実施例1で作製した基板上に、ポリ(ヘキシルチオフェン)のトルエン溶液を塗布し乾燥して、有機半導体薄膜を形成した。
【0083】
実施例1と同様にして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価したところ、ドレイン電流は観測されたが、ゲート電圧によるドレイン電流変化(トランジスタ動作)は起こらなかった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は3であった。
〔比較例3〕
実施例3の有機半導体薄膜を製造する工程におけるポリ(ヘキシルチオフェン)を積層する直前の段階で、ジフェニルペンタセン薄膜の電流・電圧特性を評価した。その結果、ゲート電圧の印加による良好なトランジスタ動作が観測され、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.1cm/V・sであった。また、ゲート電圧による電流増大比(on/off電流比)は、1×10であった。
【0084】
〔比較例4〕
実施例1で作製した基板上に、ポリアニリンエメラルディンベース(アルドリッチ社製)の水溶液(0.5質量%)を塗布し乾燥して、薄膜を形成した。
実施例1と同様にして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価したところ、ゲート電圧の印加によるトランジスタ動作は観測されなかった。また、この薄膜の電導度は10−2S/cmであった。
【0085】
〔実施例6〕
表面を酸化させたシリコン基板上に、真空蒸着法によって平均膜厚100nmのペンタセン薄膜(膜厚は水晶振動子により測定した)を形成した。その際の前記基板の温度は120℃とし、ペンタセン結晶の成長速度は5nm/minとした。
【0086】
この有機半導体薄膜が形成されたシリコン基板を破断して、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、長径1〜5μm(平均長径3μm)、短径0.1μmで平均粒径が1.5μmのペンタセンの針状結晶が観察された。また、局所的な膜厚のバラツキがあり、薄膜中に一部空隙があることが分かった。
次に、上記の薄膜の上に、真空蒸着法によって膜厚100nmのペンタセン薄膜をさらに成長させた。その際の前記基板の温度は室温とした。前述と同様にして断面を観察したところ、平均粒径0.05μmの球状の微細な結晶粒が生成していて、前述の平均粒径1.5μmの結晶粒と複合化していることが分かった。すなわち、平均粒径1.5μmの結晶粒の間の隙間に平均粒径0.05μmの微細な結晶粒が介在していた。この断面像から、平均粒径1.5μmの結晶粒からなる領域の断面積と平均粒径0.05μmの結晶粒からなる領域の断面積との比率は、それぞれ50%、50%であった。
【0087】
なお、平均粒径1.5μmの結晶粒が本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒に相当し、平均粒径0.05μmの結晶粒が本発明の構成要件である有機半導体成分(小粒径な結晶粒)に相当する。
該基板にあらかじめ設けておいた金薄膜からなる電極をソース・ドレイン電極とし、基板をゲートとして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した。その結果、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、1.2cm/V・sであった。
【0088】
〔比較例5〕
実施例6の有機半導体薄膜を製造する工程における第2段階目の真空蒸着(基板の温度を室温とした蒸着)を行う直前の段階で、ペンタセン薄膜の移動度を前述と同様にして評価した。その結果、薄膜の移動度は0.02cm/V・sであった。
【0089】
〔比較例6〕
実施例6の有機半導体薄膜を製造する工程において、第1段階目の真空蒸着(基板の温度を120℃とした蒸着)は行わず、第2段階目の真空蒸着(基板の温度を室温とした蒸着)のみを行って薄膜を製造した。そして、その薄膜の移動度を前述と同様にして評価した。その結果、薄膜の移動度は0.5cm/V・sであった。
【0090】
〔実施例7〕
実施例6と同様にして、表面を酸化させたシリコン基板上に、真空蒸着法によって平均膜厚200nmのペンタセン薄膜(膜厚は水晶振動子により測定した)を形成した。その際の前記基板の温度は室温とした。そして、この薄膜をアルゴン雰囲気中120℃で10分間加熱した。
【0091】
この有機半導体薄膜が形成されたシリコン基板を破断して、その断面を電子顕微鏡で観察した結果、長径1〜5μm(平均長径3μm)、短径0.15μmで平均粒径が1.6μmのペンタセンのニードル形状結晶が観察された。
次に、このペンタセン薄膜上に、レジオレギュラー型のポリシクロヘキシルチオフェン(アルドリッチ社製)のトルエン溶液(1質量%)を塗布・乾燥することにより、有機半導体薄膜を完成した。トルエンの乾燥に際しては、100℃で1時間加熱した。
【0092】
このようにして得られた薄膜の断面を前述と同様にして観察したところ、非晶状態のポリシクロヘキシルチオフェンが生成していて、前述の平均粒径1.6μmのペンタセンの結晶粒と複合化していることが分かった。すなわち、平均粒径1.6μmのペンタセンの結晶粒の間の隙間に非晶状態のポリシクロヘキシルチオフェンが介在していた。この断面像から、平均粒径1.6μmのペンタセンの結晶粒からなる領域の断面積と非晶状態のポリシクロヘキシルチオフェンからなる領域の断面積との比率は、それぞれ80%、20%であった。
【0093】
なお、平均粒径1.6μmのペンタセンの結晶粒が本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒に相当し、非晶状態のポリシクロヘキシルチオフェンが本発明の構成要件である有機半導体成分(非晶状態の化合物)に相当する。
実施例6と同様に、該基板にあらかじめ設けておいた金薄膜からなる電極をソース・ドレイン電極とし、基板をゲートとして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した。その結果、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.8cm/V・sであった。
【0094】
〔比較例7〕
実施例7の有機半導体薄膜を製造する工程におけるポリシクロヘキシルチオフェンを積層する直前の段階で、ペンタセン薄膜の移動度を前述と同様にして評価した。その結果、薄膜の移動度は0.08cm/V・sであった。
〔比較例8〕
実施例7の有機半導体薄膜を製造する工程において、第1段階目の真空蒸着は行わず、ポリシクロヘキシルチオフェンの形成のみを行って、ポリシクロヘキシルチオフェン薄膜を製造した。そして、その薄膜の移動度を前述と同様にして評価した。その結果、薄膜の移動度は0.002cm/V・sであった。
【0095】
〔比較例9〕
比較例6で製造したペンタセン薄膜を、アルゴン雰囲気中100℃で1時間加熱した。その薄膜の移動度を前述と同様にして評価した結果、0.05cm/V・sに低下した。
〔実施例8〕
実施例6と同様にして、シリコン基板上に真空蒸着法によってペンタセン薄膜を形成した。ただし、第1段階の真空蒸着の際には基板の温度を120℃として、平均膜厚100nmのペンタセン薄膜を形成した。そして、第2段階の真空蒸着の際には基板の温度を60℃として、平均膜厚100nmのペンタセン薄膜をさらに形成した。ペンタセン結晶の成長速度は、いずれの段階も5nm/minとした。
【0096】
この有機半導体薄膜が形成されたシリコン基板を破断して、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、長径2〜5μm、短径0.15μmで平均粒径が3.6μmのペンタセンの針状結晶と、その針状結晶を取り囲むように複合化した平均粒径0.1μmの微細な球状の結晶粒とが観察された。すなわち、平均粒径3.6μmの結晶粒の間の隙間に平均粒径0.1μmの微細な結晶粒が介在していた。この断面像から、平均粒径3.6μmの結晶粒からなる領域の断面積と平均粒径0.1μmの結晶粒からなる領域の断面積との比率は、それぞれ60%、40%であった。
【0097】
なお、平均粒径3.6μmの結晶粒が本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒に相当し、平均粒径0.1μmの結晶粒が本発明の構成要件である有機半導体成分(小粒径な結晶粒)に相当する。
該基板にあらかじめ設けておいた金薄膜からなる電極をソース・ドレイン電極とし、基板をゲートとして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した。その結果、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、1.3cm/V・sであった。
【0098】
〔実施例9〕
実施例6と同様にして、シリコン基板上に真空蒸着法によってペンタセン薄膜を形成した。ただし、第1段階の真空蒸着の際には基板の温度を130℃として、平均膜厚200nmのペンタセン薄膜を形成した。このときのペンタセン結晶の成長速度は、4nm/minとした。そして、第2段階の真空蒸着の際には基板の温度を−70℃として、平均膜厚100nmのペンタセン薄膜をさらに形成した。
【0099】
この有機半導体薄膜が形成されたシリコン基板を破断して、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、長径3〜10μm(平均長径7μm)、短径0.2μmで平均粒径が3.6μmのペンタセンの針状結晶と、その針状結晶を取り囲むように複合化したペンタセンの不定形領域とが観察された。すなわち、平均粒径3.6μmの結晶粒の間の隙間に非晶状態のペンタセンが介在していた。この断面像から、平均粒径3.6μmの結晶粒からなる領域の断面積と不定形領域の断面積との比率は、それぞれ60%、40%であった。
【0100】
なお、平均粒径3.6μmの結晶粒が本発明の構成要件である結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒に相当し、非晶状態のペンタセンが本発明の構成要件である有機半導体成分(非晶状態の化合物)に相当する。
該基板にあらかじめ設けておいた金薄膜からなる電極をソース・ドレイン電極とし、基板をゲートとして、電界効果トランジスタの電流・電圧特性を評価した。その結果、ドレイン電流の飽和電流と印加したゲート電圧とから求めた薄膜の移動度は、0.08cm/V・sであった。
【0101】
〔比較例10〕
実施例9の有機半導体薄膜を製造する工程における第2段階目の真空蒸着(基板の温度を−70℃とした蒸着)を行う直前の段階で、ペンタセン薄膜の移動度を前述と同様にして評価した。その結果、薄膜の移動度は0.01cm/V・sであった。
【0102】
〔比較例11〕
実施例9の有機半導体薄膜を製造する工程において、第1段階目の真空蒸着(基板の温度を130℃とした蒸着)は行わず、第2段階目の真空蒸着(基板の温度を−70℃とした蒸着)のみを行って薄膜を製造した。そして、その薄膜の移動度を前述と同様にして評価した。その結果、薄膜の移動度は2×10−4cm/V・sであった。
【0103】
【発明の効果】
以上のように、本発明の有機半導体薄膜は、高いキャリア移動度を有している。また、本発明の有機半導体薄膜の製造方法によれば、高いキャリア移動度を有する有機半導体薄膜を低コスト且つ容易に形成することが可能である。さらに、本発明の有機半導体素子は、優れた電子特性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機半導体薄膜の構成とその製造方法を説明する概念図である。
【図2】本発明の有機半導体素子の一実施形態である電界効果トランジスタの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒
3 有機半導体成分
4 有機半導体薄膜
11 有機半導体層
15 基板

Claims (11)

  1. 結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を多数含有する有機半導体薄膜において、前記結晶粒の間の隙間に有機半導体成分を介在させ、前記結晶粒を接続したことを特徴とする有機半導体薄膜。
  2. 前記有機半導体成分は、共役系高分子化合物と非晶状態の低分子化合物との少なくとも一方で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体薄膜。
  3. 所定の断面における前記結晶粒からなる領域の断面積の比率が5〜95%であることを特徴とする請求項2に記載の有機半導体薄膜。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記ベースの表面に前記結晶粒を形成させた後に、前記有機半導体成分を被覆することを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記結晶粒と前記有機半導体成分とを含有する混合物で前記ベースの表面を被覆することを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  6. 請求項2又は請求項3に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記有機半導体成分と液体状の前記結晶性低分子有機半導体化合物とを含有する混合物で前記ベースの表面を被覆した後に、前記結晶性低分子有機半導体化合物の結晶粒を成長させることを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  7. 前記結晶粒は大粒径であるとともに、
    前記有機半導体成分は、小粒径な結晶粒と非晶状態の化合物との少なくとも一方で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体薄膜。
  8. 所定の断面における前記大粒径な結晶粒からなる領域の断面積の比率が30〜80%で、前記有機半導体成分からなる領域の断面積の比率が5〜70%であることを特徴とする請求項7に記載の有機半導体薄膜。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の有機半導体薄膜をベース上に形成するに際して、前記結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒を形成させた後に、前記小粒径な結晶粒と前記非晶状態の化合物との少なくとも一方を形成させることを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  10. 前記結晶性低分子有機半導体化合物の大粒径な結晶粒を形成させる時の前記ベースの温度を、前記小粒径な結晶粒と前記非晶状態の化合物との少なくとも一方を形成させる時の前記ベースの温度よりも高温とすることを特徴とする請求項9に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  11. 請求項1,2,3,7,及び8のいずれかに記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする有機半導体素子。
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