JP2004152787A - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷の効率的な生成と効率的な移動が可能で、変換効率や発光効率に優れており、しかも低コストで簡便に電子デバイスを製造するために有用な半導体素子を提供する
【解決手段】半導体素子は第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続されたナノチューブと、ナノチューブを埋設した半導体層と、該半導体層と電気的に接続され、かつ、前記ナノチューブと接していない第2の電極から構成される。前記ナノチューブは、第1の電極と接する支持層に植設され、第2の電極方向に配向するように半導体層に埋設される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池などの光電変換素子、発光素子、受光素子、ダイオード、トランジスタ、センサ、撮像素子などの半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯端末、ノート型パソコンなどのモバイル機器の普及とエネルギー消費量削減などの環境問題の深刻化に伴い、エネルギー利用効率の高いデバイスへの要求が高まってきている。半導体素子においても、電荷の効率的な生成と効率的な移動が素子性能向上の最も重要な要素である。また、電子機器の低価格化が進行し、高機能なデバイスやシステムが高効率、高機能であるだけでなく、低コストで生産できる技術への要求も非常に高まってきている。
【0003】
この目的のために、様々な技術が提案されているが、ここでは光電変換素子である太陽電池を例にとって説明する。
【0004】
先行技術にはフラーレン及び誘導体を共役系高分子中に分散させたヘテロ接合機能デバイス(ダイオード、太陽電池)が開示されている(特許文献1、14頁参照)。電子受容性材料であるフラーレン及び誘導体と、共役系高分子からなる電子供与性材料の接合面がナノメートルオーダーの間隔で無数に存在する構造により、入射光により励起された電子−正孔対が効率的に分離し、キャリアを生成する効果を目的とするものである。しかし、現状では有機材料やフラーレン集合体の移動度は、無機材料と比較して非常に小さい為、半導体層で生成したキャリアが電極まで移動する際に、トラップや失活などによるロスが大きく、キャリアを有効に利用できていない。
【0005】
また、光生成キャリアを効率的に捕集して電極へと移動させるために、少なくとも電子受容性輸送層、供与性輸送層、介在する光吸収層から構成され、電子受容性輸送層、供与性輸送層のどちらか自体が半導体針状結晶である技術が開示されている(特許文献2、4頁参照)。
【0006】
さらに少なくとも電子受容性輸送層、電子供与性輸送層、介在する光吸収層から構成され、電子受容性輸送層、電子供与性輸送層のどちらか自体が薄片状の半導体結晶である技術が開示されている(特許文献3、4頁参照)。
【0007】
また、光電変換手段により生成した電荷をどちらか一方の電極に繋がった針状の半導体結晶で輸送する技術であって、前記の針状の半導体結晶を電着法で形成する技術も開示されている(特許文献4、4および6〜7頁参照)。
【0008】
また、光電変換手段により生成した電荷をどちらか一方の電極に繋がった針状結晶を通して輸送する技術で、かつ、針状結晶は電着法で形成され、かつ、針状結晶に粒状の半導体結晶を形成する技術が開示されている(特許文献5、4〜6頁参照)。
【0009】
更に同様に、基板上に設けられ、基板の法線方向から所定の角度傾斜した方向から飛来した蒸着物質の堆積により生じた柱状体膜を電荷捕集電極として利用する技術が開示されている(特許文献6、2〜3頁参照)。
【0010】
これらはいずれも電極の有効表面積が大きくなり、電荷の授受の効率化、高速化によりデバイス特性の向上が図れる効果があるとしている。
【0011】
しかし、これらの特許文献2〜5に開示された技術においては、針状、薄片状の半導体結晶を用いることを特徴としているが、アスペクト比(径に対する長さの比)が大きい結晶は、一般に機械的に弱く、素子の製造工程中や製品になった後に外部からの応力で破壊されやすい。
【0012】
また、柱状体膜を電荷捕集電極として利用する技術では、柱状結晶はPVDやCVDなどの一般的な気相成長法ではなく、動的斜め蒸着で得られる特異な柱状構造を用いることを特徴としている(特許文献6、2頁[0011]参照)。この場合、特殊な蒸着装置が必要になるなど方法が複雑になり、製造コストが高くなる。また、一般的に蒸着法では結晶の成長速度が遅く生産効率が悪い。また、蒸着法では気化した原料は蒸発源から広い範囲に飛散し、基板上に達したとしても、再蒸発などがあり材料の利用効率も悪い。
【0013】
【特許文献1】
特表平8−500701号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2001−93590号公報
【0015】
【特許文献3】
特開2001−358347号公報
【0016】
【特許文献4】
特開2002−93471号公報
【0017】
【特許文献5】
特開2002−141115号公報
【0018】
【特許文献6】
特開2002−170557号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように半導体素子、特に有機材料を用いた半導体素子において電荷の効率的な生成と効率的な移動を可能とする技術がいくつか提案されているが、機械的な強度や低コストで簡便な生産性を実現できるものではなかった。本発明は、上記課題を鑑み、電荷の効率的な生成と効率的な移動が可能で、変換効率や発光効率などの素子性能の優れており、しかも低コストで簡便に製造できる電子デバイスを実現するために有用な半導体素子とその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明の半導体素子は、第1の電極と、前記の第1の電極と電気的に接続されたナノチューブと、ナノチューブと接した半導体層と、前記の半導体層と電気的に接続され、かつ、前記ナノチューブとは直接接していない第2の電極から構成された半導体素子である。
【0021】
本発明におけるナノチューブとは、チューブ状又はチューブ状の内部が充填された構造を持ち、少なくとも長軸方向に導電性があり、チューブの外径が1nm程度から数百nm程度のものを意味する。さらに原子、分子からなるシートを丸めた筒状構造の構造体および、径の異なる構造体が同心円状に重なった構造体などで、最も外側の筒上構造の直径が1nm程度から数百nm程度のものを意味する。好適なものとして炭素からなるグラファイトのシート構造を筒状にしたものを基本構造としてもつものがある。また、別の好適なものとして非晶質状態の炭素からなるシート構造を筒状にしたものを基本構造としてもつものがある。本発明によれば、半導体層中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブに到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。特に、半導体層として有機半導体を用いる場合、有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いので、有機半導体を用いる場合には、キャリアの移動距離を短くできる。
【0022】
本発明は他の形態として第1の電極と、前記第1の電極と電気的に接続されたナノチューブと、該ナノチューブと接した半導体層と、前記半導体層と電気的に接続され、かつ、前記ナノチューブとは直接接していない第2の電極から構成された半導体素子において、ナノチューブを植設する支持層を含む構造であっても良い。本構成により、ナノチューブを電極上にしっかりと固定することができる。また、ナノチューブの支持層の材料として導電性材料を用いることにより、ナノチューブと電極との電気的な接触性を高めることができる。
【0023】
さらに他の実施形態として半導体層を、電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料から構成しても良い。例えば電子供与性有機材料と電子受容性有機材料との接合部で生成したキャリアがナノチューブにまで達するまでの距離が短く出来るので生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。
【0024】
前記半導体層を、電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料から構成する場合、電子供与性領域と電子受容性領域とが混在し、両者の接する面(接合面)が複雑に入り組んだ構造を形成しており、前記の接合面を貫くように存在するナノチューブが電極に接続された構造であっても良い。この場合、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、短い距離を移動するだけでナノチューブに達するのでナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0025】
また、前記ナノチューブの表面を電子供与性材料又は電子受容性材料のどちらか一方でコートし、他方がコートした材料と接するように配置した構成としてもよい。ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、接合面からナノチューブまでの距離(即ちコート材料の膜厚)と、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、コート材料の膜厚の距離を移動するだけでナノチューブに達するので、ナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0026】
また、前記半導体層を構成する電子供与性材料又は電子受容性材料を微粒子から構成するか、あるいは、出発材料を微粒子として半導体層を製造しても良い。微粒子を用いることにより、電子供与性材料の領域と電子受容性材料の領域が複雑に入り組んだ構造が容易に作製できる。また、例えば適当な溶媒の無い材料で、通常蒸着法でしか薄膜が作製できないような材料でも、例えば微粒子を溶媒に分散させた液状或いはペースト状試料を基板上に塗布する方法で薄膜作製が可能となり、作製方法が簡便になる。
【0027】
前記半導体層をナノチューブに対してショットキー接合を形成する材料で構成しても良い。例えば、ナノチューブと半導体層の界面近傍に生成するショットキーバリア領域は、半導体層の光励起により生じた電子−正孔ペア(エキシトン)を電子と正孔に解離させる働きをする。ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、ナノチューブに導かれ、ナノチューブは導電性や移動度に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0028】
半導体層が、該半導体層に対してショットキー接合を形成する材料を介してナノチューブに接している構成にしても良い。
【0029】
ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、ショットキー接合面からナノチューブまでの距離、即ち、該半導体層に対してショットキー接合を形成する材料の厚さと、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、ナノチューブは、あらゆる接合面に対して、半導体層に対してショットキー接合を形成する材料の膜厚の距離に存在するので、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、短い距離を移動するだけで、効率よくナノチューブに導かれる。ナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0030】
また、前記の半導体層に対してショットキー接合を形成する材料を、微粒子からなるか、あるいは、出発材料を微粒子として製造される構成にしても良い。また、微粒子を用いることにより、例えば適当な溶媒の無い材料で、通常蒸着法でしか薄膜が作製できないような材料でも、例えば微粒子を溶媒に分散させた液状或いはペースト状試料を基板上に塗布する方法で薄膜作製が可能となり、作製方法が簡便になる。
【0031】
第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続された第1ナノチューブと、第2の電極と、該第2の電極と電気的に接続された第2ナノチューブと、第1ナノチューブ、第2ナノチューブを埋設した半導体層とからなり、前記の第1ナノチューブと、第2ナノチューブとは接触していない構造にしてもよい。
【0032】
本発明によれば、半導体層中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブに到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極及び第2の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いので、有機半導体を用いる場合には、本発明は特に有効である。
【0033】
第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続された第1ナノチューブと、第2の電極と、該第2の電極と電気的に接続された第2ナノチューブと、第1ナノチューブ、第2ナノチューブを埋設した半導体層とからなり、前記第1ナノチューブと、前記第2ナノチューブとは接触していない半導体素子において、ナノチューブを植設する支持層を含む構造であっても良い。本構成により、ナノチューブを電極上にしっかりと固定することができる。また、ナノチューブの支持層の材料として導電性材料を用いることにより、ナノチューブと電極との電気的な接触性を高めることができる。
【0034】
第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続された第1ナノチューブと、第2の電極と、該第2の電極と電気的に接続された第2ナノチューブと、第1ナノチューブ、第2ナノチューブを埋設した半導体層とからなり、前記の第1ナノチューブと、第2ナノチューブとは接触していない半導体素子において、前記半導体層を、電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料から構成しても良い。例えば電子供与性有機材料と電子受容性有機材料との接合部で生成したキャリアがナノチューブにまで達するまでの距離が短く出来るので生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極及び第2の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。
【0035】
半導体層を、電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料から構成する場合、電子供与性領域と電子受容性領域とが混在し、両者の接する面(接合面)が複雑に入り組んだ構造を形成しており、前記の接合面を貫くように存在するナノチューブが電極に接続された構造であっても良い。この場合、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、短い距離を移動するだけでナノチューブに達するのでナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0036】
また、ナノチューブの表面を電子供与性材料又は電子受容性材料のどちらか一方でコートし、他方の材料を前記のコートした材料に接するように配置した構成としてもよい。ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、接合面からナノチューブまでの距離(即ちコート材料の膜厚)と、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、コート材料の膜厚の距離を移動するだけでナノチューブに達するので、ナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0037】
また、半導体層を構成する電子供与性材料又は電子受容性材料を微粒子から構成するか、あるいは、出発材料を微粒子として半導体層を製造しても良い。微粒子を用いることにより、電子供与性材料の領域と電子受容性材料の領域が複雑に入り組んだ構造が容易に作製できる。また、例えば適当な溶媒の無い材料で、通常蒸着法でしか薄膜が作製できないような材料でも、例えば微粒子を溶媒に分散させた液状或いはペースト状試料を基板上に塗布する方法で薄膜作製が可能となり、作製方法が簡便になる。
【0038】
半導体層をナノチューブに対してショットキー接合を形成する材料で構成しても良い。例えば、ナノチューブと半導体層の界面近傍に生成するショットキーバリア領域は、半導体層の光励起により生じた電子−正孔ペア(エキシトン)を電子と正孔に解離させる働きをする。ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、ナノチューブに導かれ、ナノチューブは導電性や移動度に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0039】
ナノチューブの仕事関数は、ナノチューブの表面処理により制御することができるので、第1ナノチューブの仕事関数と第2ナノチューブの仕事関数の間に差をつけることが可能である。例えば、第1ナノチューブ、第2ナノチューブ、半導体層の仕事関数を適当に設定する事により、半導体層が一方のナノチューブに対してショットキー接合を形成し、他方に対してはオーミック接合を形成するようにすることも可能である。
【0040】
半導体層が該半導体層に対してショットキー接合を形成する材料を介してナノチューブに接している構成にしても良い。ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、接合面からナノチューブまでの距離(即ちコート材料の膜厚)と、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、コート材料の膜厚の距離を移動するだけでナノチューブに達するので、ナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブで捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0041】
また、前記の半導体層に対してショットキー接合を形成する材料を、微粒子からなるか、あるいは、出発材料を微粒子として製造される構成にしても良い。また、微粒子を用いることにより、例えば適当な溶媒の無い材料で、通常蒸着法でしか薄膜が作製できないような材料でも、例えば微粒子を溶媒に分散させた液状或いはペースト状試料を基板上に塗布する方法で薄膜作製が可能となり、作製方法が簡便になる。
【0042】
本発明においてナノチューブ(第1ナノチューブおよび第2ナノチューブを含む)を所定の位置に配置する方法として電気泳動法を用いても良い。電気泳動法を用いることにより、真空プロセス、加熱処理、プラズマプロセスなどの高価な設備を必要とし、エネルギー消費の大きい工程を経ずに、簡便で低コストな製造工程を実現できる。電気泳動法は常温のプロセスであるので、熱によるダメージを受けやすい材料を含む構造体の表面上にもナノチューブを配置することができる。また、電気泳動法によれば、ナノチューブをほぼ一方向に揃えて並べることが可能である。
【0043】
本発明においてナノチューブを作製する方法として、CVD法を用いてもよい。CVD法によれば、ナノチューブを基板に対してほぼ垂直に揃えて成長させたり、ナノチューブの密度を容易に制御することが可能である。真空蒸着法では、作製したい薄膜を構成する原子或いは分子そのものを基板上に供給するので、ナノチューブを基板表面上に形成することは一般に困難である。これに対し、CVD法では炭素を含む分子を基板表面に供給し、表面における熱誘起反応、触媒化学反応、プラズマ反応或いは、これらの組み合わせなど用いることによりナノチューブ形成できるので、CVD法はナノチューブを作製する方法としては、気相成長法の中では好適な方法である。主として基板表面上に予め配置しておいた触媒金属などを利用した化学反応が利用される。
【0044】
前記半導体層、前記電子供与性材料からなる領域、前記電子受容性材料からなる領域は、モノマーからの重合により形成することも出来る。ガス状あるいは溶液状のモノマーをナノチューブの表面に供給し、重合させることにより、ポリマーがナノチューブ表面をコートした構造や、ナノチューブをポリマーで埋設した構造を容易に作製できる。もちろん、高分子からなる有機半導体の溶液をナノチューブが配置されている基板に供給し、高分子からなる有機半導体とナノチューブが接した構造を形成してもよいが、高分子の場合、大きな分子量、粘性や表面張力のため、ナノチューブ同士の間隙に高分子半導体が十分に浸透できない場合もある。その点、モノマーの場合は、モノマー分子は小さいのでナノチューブ同士の隙間に入り込み、ナノチューブ表面に容易に達することができるので、モノマーからの重合による方法が好適である。
【0045】
前記半導体層、前記電子供与性材料からなる領域、前記電子受容性材料からなる領域をモノマーからの重合により形成する方法の中でも、電界重合法がより好適に用いられる。電界重合法は、ナノチューブを配置した電極基板を、有機半導体のモノマーの溶液に浸漬して電界を掛けることによりナノチューブ表面にポリマーを生成する方法である。本方法によれば、ナノチューブの微細な間隙にもモノマー溶液が浸透し、ナノチューブ表面でポリマーを形成していくので、ナノチューブ全面にポリマーを形成することが出来る。また、成長時間を制御することにより、ポリマーの膜厚を制御できるので、例えば、ナノチューブ表面をポリマーでコートすることも可能である。また、モノマー溶液に浸漬して電界を印加するだけであるので、蒸着などの方法と比較して、装置も非常に簡便である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に基づく半導体素子の実施の形態について説明する。
【0047】
本発明は、半導体素子全般に利用されうるものであるが、中でも太陽電池などの光起電力素子や、光センサー、フォトダイオードなどに用いられる光電変換素子において好適に利用されうる。したがって、本発明の実施形態を太陽電池や光電変換素子の実施例を用いて詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
(実施の形態1)
<素子の構造>
図1は、本発明による光電変換素子の構造の一例の部分断面図である。基板11上に形成された第1の電極12とその上に形成されたナノチューブの支持層13に配向して植設されたナノチューブ14、ナノチューブを埋設する半導体層15、半導体層15に接して形成された第2の電極16から構成される。ナノチューブ14は、第1の電極12に直接電気的に接続されているか、導電性を付与された支持層13を介して第1の電極12に電気的に接続されている。
【0049】
本発明におけるナノチューブとは、チューブ状又はチューブ状の内部が充填された構造を持ち、少なくとも長軸方向に導電性があり、チューブの外径が1nm程度から数百nm程度のものを意味する。さらに言えば、原子、分子からなるシートを丸めた筒状構造の構造体および、径の異なる構造体が同心円状に重なった構造体などで、最も外側の筒上構造の直径が1nm程度から数百nm程度のものを意味する。好適なものとして炭素からなるグラファイトのシート構造を筒状にしたものを基本構造としてもつものがある。また、別の好適なものとして非晶質状態の炭素からなるシート構造を筒状にしたものを基本構造としてもつものがある。
【0050】
ナノチューブの長さは、数10nmから数100μmの範囲で使用されるが、好ましい長さは、それぞれの半導体素子に求められる仕様によって異なる。例えば光電変換素子の場合で言えば、光電変換素子の半導体層に入射した光が吸収され、電荷が生成されるので、半導体層の厚さがナノチューブの長さを規定する。半導体層の厚さは、素子の効率の面から入射した光が十分吸収される厚さが必要である。通常、半導体層の光の吸収係数は10cm−1程度から大きくとも10cm−1程度であるので、例えば入射光の99%が吸収されるためには、半導体層の厚さは500μm程度から5nm程度必要である。直線的なナノチューブが、基板11の法線方向にほぼ平行に配向している場合、ナノチューブの長さは、半導体層の材料の膜厚とほぼ同程度の長さとなる。ただし、ナノチューブが斜めに配向している場合や、ナノチューブが曲がりくねっている場合には、半導体層から逸脱しない限り、さらに長くてもかまわない。
【0051】
ナノチューブの直径は、約1nmから数100nmのものが用いられるが、数nmから数10nmの直径が好ましい。例えばカーボンナノチューブの場合、最も小さいもので単層のナノチューブの約1nmから、層数が1増えるごとに直径が約0.7nmづつ増加する。ナノチューブの層数に応じて、直径数nmから100nmのものが用いられるが、数nmから数10nmの直径が好ましい。
ナノチューブの密度が小さいと十分な電荷の捕集効率が得られず、大きすぎると半導体層の実質の体積が小さくなり、電荷の量が少なくなり、結果として十分な電荷を捕集できない。半導体材料の種類(特に、電子−正孔ペア(エキシトン)、電子、正孔の拡散距離)、ナノチューブの直径などに応じて、最適な密度が設定される。具体的には、ナノチューブ間の距離は、数nmから1μm、望ましくは、数nmから、数10nmである。
【0052】
ナノチューブの配向(度)は、直線的なナノチューブが、基板11の法線方向にほぼ平行に配向していても良いし、斜めに配向していてもかまわない。ナノチューブ間の距離が均一である方が望ましいので、ナノチューブの配向方向がそろっている方が望ましいが、そろっていなくてもかまわない。また、ナノチューブがらせん状や曲がりくねっていてもかまわない。
【0053】
<ナノチューブの植設方法>
本発明に用いられる電気的に電極に接続されたナノチューブの作製方法には、例えば以下のような方法がある。
【0054】
(1)既存のナノチューブを所望の長さに切断し、これを電気泳動法により電極上に配置する方法。
【0055】
電気泳動法は、ナノチューブを配置したい基板(電極)と、これに対して平行に対向して配置した対向電極との間に電圧を印加すると、電界に沿ってナノチューブが移動して基板(電極)に達する現象を利用したものである。一般には、ナノチューブを配向させて固定するために、支持層が用いられる。支持層としては、導電性を有し、細孔もしくは微細な隙間を有する層が好適に利用される。支持層は導電性であることが好ましい。また、電極自体が支持層を兼ねていてもかまわない。
【0056】
支持層の材料としては、多孔質の構造体、例えば、シリコンやアルミなどの陽極酸化膜、金、銀などの導電性微粒子の集合体膜などがある。また、ポリシランやPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などの導電性高分子も支持層の材料として用いられる。また。高分子あるいは導電性高分子に良導体の微粒子を分散させた材料を使用しても良い。電気泳動法は、常温プロセスであるので、熱によるダメージを受けやすい基板への応用性や生産コストなどの面で望ましい。また、アーク放電法などで大量生産されたナノチューブを利用できるので、生産効率が良く、生産コストも低くなる。
【0057】
(2)化学的気相成長法(CVD法)により、炭素を含む原料ガスを基板表面に供給し、基板表面での化学反応によりナノチューブを成長させる方法。
【0058】
CVD法による方法は、基板上にFe、Ni、Fe−Ni合金、Co、Pdなどの触媒金属層(不連続なドット状でもかまわない)を形成し、加熱しながら、表面にアセチレン(C)などのガス状の原料を供給すると、触媒金属の存在する部分にナノチューブが成長する現象を利用するものである。基板温度は、約600℃から800℃程度が好ましい。原料ガスとともに水素(H)などのガスを流す場合もある。
【0059】
CVD法によれば、ナノチューブの密度は触媒金属の分布状況で制御でき、極めて密に、配向度の高いナノチューブが成長できる。触媒金属の分布状況をあらかじめ所望のパターンにしておくことで、そのパターンの領域にのみナノチューブを作製できる。ナノチューブの長さも、成長時間で制御できる。また、触媒金属の板や膜を基板として利用してもよい。
【0060】
<構成材料>
半導体層を構成する材料
半導体層を構成する材料としては、電子受容性機能を有する材料や電子受容性機能を有する材料であれば特に限定されないが、例えば以下の材料が利用されうる。
【0061】
電子受容性材料としては、ピリジン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、キノリン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフェナンスロリン類およびその誘導体によるラダーポリマー、シアノ−ポリフェニレンビニレンなどの高分子、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体(PTCDA、PTCDIなど)、ナフタレン誘導体(NTCDA、NTCDAなど)、バソキュプロイン及びその誘導体などの低分子が利用されうる。
【0062】
電子供与性材料としてはチオフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレン−ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレン−ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、カルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、イソチアナフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ヘプタジエン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマーなどの高分子、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類およびそれらの誘導体、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、ポルフィリン、テトラメチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、テトラベンズポルフィリン、モノアゾテトラベンズポルフィリン、ジアゾテトラベンズポルフィン、トリアゾテトラベンズポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、オクタアルキルチオポルフィラジン、オクタアルキルアミノポルフィラジン、ヘミポルフィラジン、クロロフィル等の無金属ポルフィリンや金属ポルフィリン及びそれらの誘導体、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、キナクリドン色素、アゾ色素、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン等のキノン系色素などの低分子が利用されうる。金属フタロシアニンや金属ポルフィリンの中心金属としては、マグネシウム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金、鉛などの金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物が用いられる。
【0063】
半導体層としては、上記の材料が、単体でも用いられるが、上記材料が適当なバインダ材料に分散混合されたものを用いることも可能である。また、適当な高分子の主鎖中や側鎖に、上記の低分子を組み込んだ材料などが用いられる。前記のバインダ材料あるいは主鎖となる高分子としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などや、これらの共重合体、あるいは、ポリビニルカルバゾールやポリシランなどの光導電ポリマーなどが用いられる。
【0064】
半導体層には、前記の材料単体あるいは均一な混合物として利用できるが、電子供与性材料からなる領域と電子受容性材料からなる領域の接合構造を構成しても良い。
【0065】
ここで、接合構造とは、2種以上の異種の材料が接する界面(接合面)を有し、この界面(接合面)およびその近傍領域に生じる電子的作用により、素子としての特有の機能(整流、光電変換、発光など)を達成する構造を意味する。
【0066】
基板の材料
基板は、第1の電極が作製でき、安定に保持できるものであれば、材質や厚さは特に限定されない。例えば、ステンレスなど金属類や合金、ガラス、樹脂、紙、布などが挙げられる。光を基板側から入射させる場合には、素子で要求される波長範囲で所定の透明性を有する材料が用いられる。
【0067】
第1および第2の電極の材料
第1および第2の電極の材料としては、金、白金、アルミニウムなどの金属類、合金類、透明電極としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)やフッ素ドープされた酸化スズ、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物が用いられる。ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチアジルなどの導電性高分子を用いてもよい。電極材料は、透明性の他、半導体層との間の電気的性質(オーミック性やショットキー性など)によっても選択される。
【0068】
太陽電池などにおいて、第1および第2の電極の材料として透明導電膜を利用する場合には、通常、陰極側の仕事関数が陽極側よりも小さくする必要がある。仕事関数が小さい導電性金属酸化物は、例えばアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)等の仕事関数の小さい金属(すなわち4.3eV以下の金属)、または酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)や酸化バリウム(BaO)等の酸化物を、ITOやZnOなどの透明導電膜にドーパントとして微量添加することにより実現される。
【0069】
<製法>
まず基板11の上に第1の電極12を形成する。材料は例えば前述の材料が用いられる。第1の電極12の厚さは、十分な導電性が得られる厚さ以上あればよい。電極の作製方法は、特に限定はなく、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法、スピンコート法などが用いられる。たとえば、代表的な透明導電膜であるITOの場合は、50nmから200nm程度あればよく、スパッタ法で作製される。必要に応じて、フォトリソグラフィーなどの公知の方法で電極をパターン化しても良い。次に、第1の電極12の表面にナノチューブ支持層13を形成し、支持層13にナノチューブ14を植設する。ナノチューブ14を植設する方法としては、前記のように、例えば電気泳動法やCVD法などが用いられる。電気泳動法の場合の支持層としては、前記の多孔質の構造体や導電性高分子が用いられる。多孔質の構造体は例えばシリコンやアルミニウムなどの陽極酸化で作製される。陽極酸化膜を作製するには公知の方法が採用可能である。例えば、容器内を化成液で満たし、半導体又は金属あるいは半導体基板又は金属膜を基板上に形成したものを陽極にし、対向電極を陰極にして対向して平行に配置し、電圧を印加すると、半導体又は金属の表面側に細孔を持つ陽極酸化膜が形成される。陽極酸化されていない部分はナノチューブと電極とを電気的に接続する機能を果たす。
【0070】
多孔質の構造体としては例えば導電性微粒子の集合体膜を利用することができる。導電性微粒子の集合体膜を作製するには公知の方法が採用可能である。例えば、金、銀、ニッケルなどの金属の微粒子をペースト状にして第1の電極上に塗布することで作製できる。加熱処理や、ペーストにエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの高分子を混合するなどの方法により、微粒子の集合体膜の強度を高め、電極との密着性を高めることもできる。
【0071】
多孔質の構造体としては例えばポリシランやPEDOTなどの導電性高分子も支持層の材料として用いられる。また、高分子あるいは導電性高分子に良導体の微粒子を分散させた材料を使用しても良い。これらの支持層は、溶媒に溶かした高分子材料、あるいは高分子と良導体の微粒子の混合物をスピンコート法、スクリーン印刷などの塗布法で電極表面に形成できる。これらの高分子膜、高分子と良導体はそのままでも支持層として機能するが、紫外線や電子線などを照射することで、高分子鎖の一部の結合を切断して微細な隙間を形成したものを支持層として利用することも可能である。溶媒に溶かした高分子を用いて、支持層を形成した場合は、溶媒を高分子膜中から除去するために、加熱処理をしてもよい。温度は、溶媒の沸点程度の温度か、それ以上の温度が望ましい。処理時間は、高分子を用いた支持層の厚さに依存し、膜中の溶媒が十分除去されるまでの時間であることが望ましい。
【0072】
CVD法の場合、第1の電極12の表面に形成された触媒金属層が支持層の機能を果たす。触媒金属を用いたCVD法の場合、ナノチューブは触媒金属の微小な粒子を成長点として成長するので、ナノチューブは触媒金属に結合している。
【0073】
半導体層15の形成には、公知の技術が用いられる。例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法、スピンコート法などが用いられる。この他、溶媒中にミセルや微粒子を分散させた液を塗布し、溶媒を蒸発させる方法で半導体層15を形成してもかまわない。微粒子の製造には、気相成長法、粉砕法、再沈法、アシッドペースティング法などの公知の方法が利用できる。この他、半導体層15の形成には電界重合法を用いてもよい。半導体材料の原料となるモノマーあるいはオリゴマーを溶解させた溶液中に、前記のナノチューブを植設した構造体を浸漬して電源の一方の端子に第1の電極を接続し、別に溶液に浸漬した対向電極を電源の他方の端子に接続して対向して電圧をプラスマイナス数Vの範囲でスイープしながら印加すると、溶解していたモノマーあるいはオリゴマーが重合してナノチューブ表面に付着し、半導体層15が形成される。
【0074】
半導体層15の表面に第2の電極16を形成する方法は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法、スピンコート法などが用いられる。半導体層15に有機材料を用いた場合には、第2の電極の形成の際に半導体層表面にダメージが生じないようにすることが望ましい。例えば、第2の電極16形成の際のダメージの原因としては、熱があるが、これに対しては、第2の電極16形成の際に半導体層15を冷却してもよい。また、蒸着法における蒸着源のように、半導体層15の近くに熱源がある場合は、熱源からの輻射熱を遮蔽するための遮蔽版を熱源と半導体層15の間に配置してもよく、この場合は、遮蔽版を回り込んで半導体層15に達した物質により第2の電極は形成される。第2の電極16と半導体層15の間に、第2の電極16と半導体層15との間の電荷の移動を媒介する層を形成してもかまわない。
【0075】
<効果>
本実施例によれば、半導体層15中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブ14に到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。特に、半導体層として有機半導体を用いる場合、有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いので、有機半導体を用いる場合には、キャリアの移動距離を短くできるので、本実施例のような構造は非常に有効である。
【0076】
(実施の形態2)
第1の電極がナノチューブの支持層を兼ねた構成でも良い。一例を示す構成の断面図を図2に示す。
【0077】
<素子の構造>
基板21上に形成された第1の電極22とその上に配向して植設されるナノチューブ24、ナノチューブを埋設する半導体層25、半導体層に接して形成された第2の電極26から構成される。ナノチューブ24は、第1の電極22に接続されている。本実施の形態は、実施の形態1における、支持層13がなく、ナノチューブ24が第1の電極22に直接植設されている点が異なり、基板、ナノチューブ、半導体層、第2の電極については、材料、製法共に実施の形態1の記載と同様である。
【0078】
<製法>
実施の形態1とは、支持層13がなく、ナノチューブ24が第1の電極22に直接配置されている点が異なるので、ナノチューブ24を第1の電極22に直接的に植設する方法についてのみ記載する。他の構成要素の製造方法は、実施の形態1と同様である。
【0079】
第1の電極22に直接ナノチューブを植設する方法としては、例えば、化学的気相成長法(CVD法)により、炭素を含む原料ガスを基板表面に供給し、基板表面での化学反応によりナノチューブを成長させる方法を用いることができる。CVD法による方法では、Fe、Ni、Fe−Ni合金、Co、Pdなどの触媒金属層が成長表面に存在することが必要である。これらの金属は、通常、良好な導電性を示すので、基板上に形成された前記の触媒金属の層を第1の電極22とすることが可能である。基板21上に第1の電極22として触媒金属の層を形成したものを加熱しながら、表面にアセチレン(C)などのガス状の原料を供給すると、触媒金属層上にナノチューブ24が成長する。基板温度は、約600℃から800℃程度が好ましい。原料ガスとともに不活性ガスや水素(H)などのガスを流す場合もある。
【0080】
<効果>
本実施形態3に記載の方法によれば、ナノチューブの支持層を別に設ける必要がないので工程が簡便になる。CVD法によれば、ナノチューブの密度は触媒金属の分布状況で制御でき、極めて密に、配向度の高いナノチューブが成長できる。触媒金属の分布状況をあらかじめ所望のパターンにしておくことで、そのパターンの領域にのみナノチューブを作製できる。ナノチューブの長さも、成長時間で制御できる。
【0081】
(実施の形態3)
<素子の構造>
半導体層が電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の2種の材料から構成される光電変換素子の部分断面図を図3に示す。基板31の上に形成された第1の電極32と、その上に形成されたナノチューブの支持層33と、該ナノチューブの支持層33に植設されたナノチューブ34と該ナノチューブ34を埋設する電子供与性材料領域351と電子受容性材料領域352とが混在する層と、電子供与性材料領域351と電子受容性材料領域352とは直接接しているがナノチューブ34とは直接接していない第2の電極36から構成される。ナノチューブ34は、第1の電極32に直接電気的に接続されているか、導電性を付与された支持層33を介して第1の電極32に電気的に接続されている。本実施の形態は、材料については実施の形態1の記載と同様である。
【0082】
また、ナノチューブは、図2に示す如く第1の電極に直接植設されていてもかまわない。
【0083】
<製法>
本実施の形態の製法は、電子供与性材料領と電子受容性材料からなる半導体層の製造法以外は実施の形態1および2と同様である。前記2種の材料からなる領域の混在構造から構成される半導体層を作製する手法としては、例えば以下に示すような種々の方法がある。
【0084】
(1)2種の高分子材料を溶媒中に混合して溶解あるいは分散し、この混合液体を表面に電極とナノチューブを形成した基板に塗布し、これを乾燥させたのち、加熱し、相分離現象を生じさせることにより2種の材料の微細な接合構造を形成する。
【0085】
(2)高分子材料と結晶性の低分子材料を溶媒中に混合して溶解あるいは分散し、この混合液体を表面に電極とナノチューブを形成した基板に塗布し、結晶性の低分子が凝集して微結晶化することにより高分子材料の中に低分子の微結晶が分散した2種の材料の微細な接合構造を形成する。
【0086】
(3)2種のポリマーが一端で結合したブロックコポリマーの相分離現象を利用して形成する。
【0087】
(4)共に結晶性であるが相溶姓のない材料を混合した溶液を基板上に塗布し、結晶化させることにより2種の材料による微結晶が混在した微細な接合構造を形成する。
【0088】
(5)まず、電子供与性材料から構成される領域又は、電子受容性材料から構成される領域のどちらか一方を電界重合法で形成した後、他方を形成する。
【0089】
なお、本実施の形態における半導体層の構成は、実施の形態2に記載の素子構造の場合にも利用できる。
【0090】
<効果>
本実施の形態による光電変換素子では、電子供与性材料と電子受容性材料のエネルギー準位差により界面近傍に生成する内部電位差(ビルトイン電界)によって、効率的に電荷が生成できる。この内部電位差の大きさは、電子供与性材料と電子受容性材料の組み合わせで制御できる。入射光の波長分布を電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料で相補的にカバーさせることができるので、入射光の利用効率が高まる。
【0091】
(実施の形態4)
<素子の構造>
半導体層が電子供与性材料からなる微粒子と電子受容性材料からなる微粒子から構成されてもかまわない。
【0092】
本実施の形態による光電変換素子の部分断面図を図4に示す。基板41の上に形成された第1の電極42と、その上に形成されたナノチューブの支持層43と、ナノチューブの支持層に植設されたナノチューブ44とナノチューブの間隙を埋めて存在する電子供与性材料からなる微粒子451と電子受容性材料からなる微粒子452とが混在する層と、電子供与性材料からなる微粒子451と電子受容性材料からなる微粒子452とは接しているがナノチューブ44とは接していない第2の電極46から構成される。ナノチューブ44は、第1の電極42に直接電気的に接続されているか、導電性を付与された支持層43を介して第1の電極42に電気的に接続されている。本実施の形態は、材料については実施の形態1の記載と同様である。
【0093】
また、ナノチューブは、図2に示す如く第1の電極に直接植設されていてもかまわない。ナノチューブを第1の電極に直接植設する形態および方法は、実施の形態2に記載のとおりである。
【0094】
<製法>
電子供与性材料と電子受容性材料の微粒子からなる半導体層以外の構成要素の製法は実施の形態1および2記載と同様である。電子供与性材料と電子受容性材料それぞれの微粒子を同時に、あるいは混合して同一基板表面上に供給し2種の材料の微細な接合構造を形成する。接合を強固にするために、不活性ガス、真空雰囲気あるいは、還元雰囲気中などで加熱処理を行ってもよい。微粒子の製造には、気相成長法、粉砕法、再沈法、アシッドペースティング法など公知の方法が利用できる。ミセル構造をとる分子の凝集体も微粒子として利用できる。
【0095】
<効果>
本実施の形態による光電変換素子では、電子供与性材料と電子受容性材料のエネルギー準位差により界面近傍に生成する内部電位差(ビルトイン電界)によって、効率的に電荷が生成できる。特に、半導体層では電子供与性材料と電子受容性材料の微粒子が混在して存在するので電子供与性材料と電子受容性材料の接合面が極めて大面積になり、電荷の生成の効率が高くなる。電荷の生成に必要な内部電位差の大きさは、電子供与性材料と電子受容性材料の組み合わせで制御できる。また、入射光の波長分布を電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料で相補的にカバーさせることができるので、入射光の利用効率が高まる。
【0096】
(実施の形態5)
<素子の構造>
半導体層が電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料から構成される太陽電池において、電子供与性材料又は電子受容性材料でナノチューブがコートされている構造であってもかまわない。その一例を示す断面図を図5に示す。基板51の上に形成された第1の電極52と、その上に形成されたナノチューブの支持層53と、ナノチューブの支持層53に植設されたナノチューブ54と該ナノチューブ54をコートする電子供与性材料からなる領域551と、該電子供与性材料からなる領域551に接している電子受容性材料からなる領域552と、該電子受容性材料からなる領域552と直接接しているがナノチューブとは直接接していない第2の電極56から構成される。ナノチューブ54は、第1の電極52に直接に接続されているか、導電性を付与されたナノチューブの支持層53を介して第1の電極52に電気的に接続されている。
【0097】
図5では、電子供与性材料からなる領域551がナノチューブ54をコートしている構造の例を示したが、電子受容性材料からなる領域552がナノチューブをコートしている構造であってもかまわない。
【0098】
本実施の形態における材料は実施の形態1の記載と同様である。
また、ナノチューブは、図2に示す如く第1の電極に直接植設されていてもかまわない。ナノチューブを第1の電極に直接植設する形態および方法は、実施の形態2に記載のとおりである。
【0099】
前記ナノチューブをコートする厚さは、半導体素子に必要とされる機能により決められるが、例えば光電変換素子では、入射光の波長分布、コートする材料の光の吸収係数、コートする材料内における電荷やエキシトンの移動可能距離(自由行程)などを勘案して決められ、1nm程度から数100nm程度の範囲である。
【0100】
<製法>
本発明の半導体素子において半導体層以外の製法は、実施の形態1および2と同様である。本実施の形態のナノチューブ54は、電子供与性有機材料又は電子受容性有機材料でコートされている。ナノチューブを電子供与性有機材料又は電子受容性有機材料でコートする方法としては、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法、電界重合法などの公知の方法が用いられるが、特に有機材料においては電界重合法が好適に用いられる。電界重合法については、実施の形態1に記載のとおりである。電解重合膜の成長速度は、モノマー溶液の濃度などで制御でき、コートする厚さは、電界重合の時間などで制御できる。
【0101】
<効果>
ナノチューブのアスペクト比は非常に大きいので、接合面からナノチューブまでの距離、即ちコート材料の膜厚と、ナノチューブの密度を適当な値にすることにより、単に表面に対して平行な平面的接合と比較して、非常に大きな接合面積を得ることが出来る。また、接合面近傍で生成したキャリアあるいは接合面近傍に存在するキャリアは、コート材料の膜厚の距離を移動するだけでナノチューブに導かれる。ナノチューブは導電性に優れるため、ナノチューブに達して捕獲されたキャリアは効率的に電極まで達することが出来る。
【0102】
(実施の形態6)
<素子の構造>
図6に基板61上に形成された第1の電極62と、第1の電極62と電気的に接続された第1ナノチューブ641と、第2の電極66と電気的に接続された第2のナノチューブ642と、半導体層65とからなる半導体素子であって、前記第1の電極62と電気的に接続された第1ナノチューブ641と、前記第2の電極66と電気的に接続された第2のナノチューブ642とは接触していない半導体素子の構造の一例の断面図を示す。基板61の上に第1の電極62が形成され、第1の電極62の表面には支持層63に植設された第1ナノチューブ641が形成されている。第1ナノチューブ641は、第1の電極62に直接電気的に接続されているか、導電性を付与された支持層63を介して第1の電極62に電気的に接続されている。第2の電極66には、第2ナノチューブ642が配向して植設されている。第1ナノチューブ641及び第2ナノチューブ642は半導体層65に埋設されているが、第1ナノチューブ641と第2ナノチューブ642は互いに直接には接していない。
【0103】
図示されていないが、第2ナノチューブは第2の電極上に形成された支持層に植設されていてもかまわない。
【0104】
本実施の形態における材料は、実施の形態1記載と同様である。
<製法>
本実施の形態の素子は、例えば、実施の形態1から5において、半導体層の形成を行った2つの構造体を、半導体層の面同士を張り合わせることで作製される。半導体層が、高分子である場合には、前記2つの構造体の半導体層の面同士を密着させた状態で、高分子からなる半導体のガラス転移点あるいは融点近傍の温度まで上げ、高分子に流動性を持たせた状態で一定時間圧着し、常温まで下げることで、前記2つの構造体を張り合わせることが可能である。高分子からなる半導体のガラス転移点あるいは融点近傍の温度に昇温し、保持し、室温に下げる工程は、不活性ガス雰囲気下、真空状態あるいは還元雰囲気であることが望ましく、また、光を遮断した状態であることも望ましい。別の張り合わせの方法としては、半導体層を構成する材料中に架橋剤を混ぜておくか、架橋性の官能基を導入しておき、前記2つの構造体の半導体層の面同士を密着させた状態で、熱、光などの架橋に必要なエネルギーを与え、2つの半導体同士を結合させることも可能である。また、光による架橋の場合において、半導体のガラス転移点あるいは融点近傍の温度まで上げた状態で一定時間圧着しつつ、光を照射してもよい。更に別の張り合わせの方法としては、前記2つの構造体の半導体層の面同士の間に両者を接着するための層を介在させてもよい。
【0105】
<効果>
本発明によれば、半導体層中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブに到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極及び第2の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。特に、有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いので、有機半導体を用いる場合には、キャリアの移動距離を短くできるので、本発明は非常に有効である。
【0106】
(実施の形態7)
<素子の構造>
実施の形態6において、半導体層が電子供与性材料からなる領域と電子受容性材料からなる領域から構成されてもかまわない。一例を示す断面図を図7に示す。構成は実施の形態6とは半導体層が電子供与性材料からなる領域751と電子受容性材料からなる領域752からなる構造である点だけが異なっている。本実施の形態における材料は、実施の形態1記載と同様である。
【0107】
<製法>
半導体層以外の構成要素の製造方法は、実施の形態6と同様である。電子供与性材料からなる領域と電子受容性材料からなる領域から構成されている半導体層の製法は、実施の形態3記載の方法と同様である。
【0108】
<効果>
本発明によれば、半導体層中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブに到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極及び第2の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いので、本発明は、キャリアの移動距離を短くできるため、有機半導体を用いる場合には、特に有効である。本実施の形態による光電変換素子では、電子供与性材料と電子受容性材料のエネルギー準位差により界面近傍に生成する内部電位差(ビルトイン電界)によって、効率的に電荷が生成でき、特に、電子供与性材料と電子受容性材料の領域が混在して存在するので電子供与性材料と電子受容性材料の接合面が極めて大面積になり、電荷の生成の効率が高くなる。電荷の生成に必要な内部電位差の大きさは、電子供与性材料と電子受容性材料の組み合わせで制御できる。また、入射光の波長分布を電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料で相補的にカバーさせることができるので、入射光の利用効率が高まる。
【0109】
(実施の形態8)
<素子の構造>
実施の形態6において、半導体層が電子供与性材料からなる微粒子と電子受容性材料からなる微粒子から構成されてもかまわない。一例を示す断面図を図8に示す。構成は実施の形態6と半導体層が電子供与性材料からなる微粒子851と電子受容性材料からなる微粒子852から構成されている点だけが異なっている。微粒子の粒径は、半導体素子に必要とされる機能により決められるが、例えば光電変換素子では、入射光の波長分布、微粒子の材料の光の吸収係数、微粒子の材料内における電荷やエキシトンの移動可能距離(自由行程)などを勘案して決められ、1nm程度から数100nm程度の範囲であり、数nm〜数10nmが好ましい。
【0110】
<製法>
半導体層以外の構成要素の製造方法は、実施の形態6と同様である。電子供与性材料からなる微粒子と電子受容性材料からなる微粒子の混合層については、実施の形態4記載の方法と同様である。
【0111】
<効果>
本発明によれば、半導体層中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブに到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極及び第2の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いので、本発明は、有機半導体を用いる場合には、キャリアの移動距離を短くでき、有効である。本実施の形態による光電変換素子では、電子供与性材料と電子受容性材料のエネルギー準位差により界面近傍に生成する内部電位差(ビルトイン電界)によって、効率的に電荷が生成できる。特に、電子供与性材料と電子受容性材料の微粒子が混在して存在するので電子供与性材料と電子受容性材料の接合面が極めて大面積になり、電荷の生成の効率が高くなる。電荷の生成に必要な内部電位差の大きさは、電子供与性材料と電子受容性材料の組み合わせで制御できる。また、入射光の波長分布を電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料で相補的にカバーさせることができるので、入射光の利用効率が高まる。
【0112】
(実施の形態9)
<素子の構造>
実施の形態6において、半導体層が電子供与性材料からなる層と電子受容性材料からなる層が積層されている構造でもかまわない。一例を示す断面図を図9に示す。構成は実施の形態6とは半導体層が電子供与性材料からなる領域951の層と電子受容性材料からなる領域952の層の積層構造から構成されている点だけが異なっている。
【0113】
<製法>
本実施の形態の構成の素子は、実施の形態1又は2記載の方法で半導体層の形成までを行った2つの構造体を、実施の形態6に記載の方法で半導体層の面同士を張り合わせることで作製される。
【0114】
<効果>
本発明によれば、半導体層中で存在する(又は生成した)キャリアが拡散又はドリフトにより移動してナノチューブに到達するまでの距離を短く出来るので、半導体層に存在するキャリア或いは、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に第1の電極及び第2の電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いが、本発明は、キャリアの移動距離を短くできるので、特に有効である。本実施の形態による光電変換素子では、電子供与性材料と電子受容性材料のエネルギー準位差により界面近傍に生成する内部電位差(ビルトイン電界)によって、効率的に電荷が生成できる。電荷の生成に必要な内部電位差の大きさは、電子供与性材料と電子受容性材料の組み合わせで制御できる。また、入射光の波長分布を電子供与性材料と電子受容性材料の2種の材料で相補的にカバーさせることができるので、入射光の利用効率が高まる。
【0115】
【実施例】
以下、実施の形態1〜9の代表例を実施例を用いて、さらに具体的に説明する。
【0116】
(実施例1)
実施の形態1の具体的な一例を示す。
【0117】
図1においてまず基板11としてのガラス上に第1の電極12としてITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。この表面に、導電性のナノチューブの支持層13として高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)で90℃で20分程度熱処理する。これをナノチューブ(長さ約1μm)14をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、ナノチューブの支持層13と平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上にナノチューブ14が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。
【0118】
この構造体を、0.05Mのテトラブロモパラキシレン(tetrabromo−p−xylene)と0.1MのTEABF(ホウフッ化テトラエチルアンモニウム)と0.2%の水を含むDMF溶液に浸漬し、電界重合させると、ナノチューブ表面及び基板露出部に半導体層15としてポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)が形成される。
【0119】
半導体層15の表面に第2の電極16としてAuを約50nm蒸着する。以上の過程で太陽電池セルが形成される。
【0120】
半導体層に、ペリレン(perylene)の微粒子を用いる構成の光電変換素子は例えば以下のようにして製造される。
【0121】
前記のようにナノチューブを植設した構造体に、ペリレン(perylene)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)を分散させた液を塗布し、乾燥させるとナノチューブとナノチューブの間隙にペリレン微粒子が充填され、ナノチューブ14の先端側にもペリレン微粒子が堆積されて、半導体層15が形成される。
【0122】
第2の電極16は、半導体層15の表面に膜厚数ÅのAlLiまたはLiFを真空蒸着法で形成した後、真空を破ることなくAl電極を約50nm蒸着することにより2層構造で構成される。以上の過程で光電変換素子が形成される。
【0123】
(実施例2)
実施の形態2の具体的な一例を示す。
【0124】
図2において基板21としての石英上に、第1の電極22としてスパッタ法でFe−Ni合金薄膜を約50nm形成する。これを約700℃に加熱し、表面にアセチレン(C)と水素(H)の混合ガスを供給するとナノチューブ24がほぼ基板に垂直配向して成長する。
【0125】
この構造体を、0.05Mのテトラブロモパラキシレン(tetrabromo−p−xylene)と0.1MのTEABFと0.2%の水のDMF溶液に浸漬し、電界重合させると、ナノチューブ表面及び基板露出部にポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)が半導体層25として形成される。
【0126】
半導体層25の表面に第2の電極26としてAuを約20nmの厚さで蒸着する。以上の過程で光電変換素子が形成される。
【0127】
本実施例の構成の場合、光が半導体層まで十分に侵入できるように、基板1側の第1の電極2または、第2の電極26の膜厚を十分薄くするか、例えば、くしの歯状に隙間のある構造にする必要がある。薄くすると電気抵抗が大きくなる場合には、例えばPEDOTやITOのような透明導電膜を用いても良い。
【0128】
本実施例の場合、ナノチューブを成長させる基板としてFe、NiまたはFe−Ni合金単体を基板21と第1の電極22を兼ねたものとして用いても同様の結果が得られる。
【0129】
半導体層としてペリレンを用いる例は下記のとおりである。
基板21としての石英上に、第1の電極22として例えばFe−Ni合金薄膜を約50nm形成する。これを約700℃に加熱し、表面にアセチレン(C)と水素(H)の混合ガスを供給するとナノチューブ24がほぼ基板に垂直配向して成長する。
【0130】
この構造体に、ペリレン(perylene)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)を分散させた液を塗布し、乾燥させるとナノチューブとナノチューブの間隙にペリレン微粒子が充填され、ナノチューブ24の先端側にもペリレン微粒子が堆積されて、半導体層25が形成される。
【0131】
半導体層25の表面に膜厚数ÅのAlLiまたはLiFを真空蒸着法で形成した後、真空を破ることなくAl電極を約50nm蒸着して、第2の電極26が2層構造で形成される。以上の過程で太陽電池セルが形成される。
【0132】
本実施例の構成の場合、光が半導体層まで十分に侵入できるように、基板1側の第1の電極22または、第2の電極26の膜厚を十分薄くするか、例えば、くしの歯状に隙間のある構造にする必要がある。薄くすると電気抵抗が大きくなる場合には、例えばPEDOTやITOのような透明導電膜を用いても良い。
【0133】
(実施例3)
実施の形態3の具体的な一例を示す。
【0134】
図3においてまず基板31としてのガラス上に第1の電極32としてITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。この表面に、ナノチューブの支持層かつ導電層33として高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)において90℃の温度で20分程度熱処理する。これをナノチューブ(長さ約1μm)34をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上にナノチューブ34が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。この構造体上に電子供与性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体MEH−PPVと電子受容性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体CN−PPVを重量比でMEH−PPV:CN−PPV=9:1の割合でキシレンに溶解させた溶液(約0.5重量%)を用いてスピンコート法でMEH−PPVとCN−PPVの混合膜を作製する。この混合膜の表面に膜厚数ÅのAlLiまたはLiFを真空蒸着法で形成した後、真空を破ることなくAl電極を約50nm蒸着して、第2の電極36が2層構造で形成される。以上の過程で光電変換素子が形成される。
【0135】
(実施例4)
実施の形態4の具体的な一例を示す。
【0136】
図4においてまず基板41としてのガラス上に第1の電極42としてITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。この表面に、ナノチューブの支持層かつ導電層43として高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)において90℃の温度で20分程度熱処理する。これをナノチューブ(長さ約1μm)44をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上にナノチューブ44が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。
【0137】
この構造体に、電子供与性材料からなる微粒子451である銅フタロシアニン(Cu−Phthalocyanine)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)と電子受容性材料からなる微粒子452であるペリレン(perylene)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)との混合物を分散させた液を塗布し、乾燥させるとナノチューブとナノチューブの間隙にペリレン微粒子と銅フタロシアニン微粒子が混在して充填される。また、ナノチューブ44の先端側にもペリレン微粒子と銅フタロシアニン微粒子が混在して堆積する。
【0138】
電子供与性材料からなる微粒子451と電子受容性材料からなる微粒子452の混合層の表面に膜厚数ÅのAlLiまたはLiFを真空蒸着法で形成した後、真空を破ることなくAl電極を約50nm蒸着して、第2の電極46が2層構造で形成される。以上の過程で光電変換素子が形成される。
【0139】
(実施例5)
実施の形態5の具体的な一例を示す。
【0140】
図5において基板51としては、ガラスを用い、表面に第1の電極52としてのITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。ITO表面に、ナノチューブの支持層53として、高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)で90℃で20分程度熱処理する。熱処理後ナノチューブ(長さ約1μm)をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電圧(約2KV/cm)を印加し、PEDOT上にナノチューブ54が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。
【0141】
この構造体を0.05Mのテトラブロモパラキシレン(tetrabromo−p−xylene)と0.1MのTEABFと0.2%の水のDMF溶液に浸漬し、電界重合させると、ナノチューブ54表面及び支持層53露出部に電子供与性材料領域551としてポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)が形成される。本例の場合、膜厚はほぼ5nmであるが、電界重合の時間を適当に制御することにより、ポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)がナノチューブ54の表面全面、あるいは、一部をコートし、ナノチューブ54と隣接するナノチューブの間隙を埋め尽くしていない構造を形成することができる。
【0142】
この構造体に、ペリレン(perylene)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)を分散させた液を塗布し、乾燥させるとポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)でコートされたナノチューブ同士の間隙にペリレン微粒子が充填され、ナノチューブの先端側にもペリレン微粒子が堆積されて、電子受容性材料領域552が形成される。
【0143】
第2の電極56は、電子受容性材料領域552の表面に数Åの厚さのAlLiまたはLiFを真空蒸着法で形成した後、真空を破ることなくAl電極を約50nm蒸着して、2層構造で構成される。以上の過程で光電変換素子が形成される。
【0144】
(実施例6)
実施の形態6の具体的な一例を示す。
【0145】
図6において基板61としては、ガラスを用い、表面に第1の電極62としてのITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。ITO表面に、第1ナノチューブの支持層63として、高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)で90℃で20分程度熱処理する。熱処理後ナノチューブ(長さ約1μm)をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上に第1ナノチューブ641が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。
【0146】
この構造体を0.05Mのテトラブロモパラキシレン(tetrabromo−p−xylene)と0.1MのTEABFと0.2%の水のDMF溶液に浸漬し、電界重合させると、第1ナノチューブ641表面及び支持層63露出部に半導体層65としてポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)が形成される。
【0147】
第2の電極66としてFe−Ni合金基板を用い、これを約700℃に加熱し、表面にアセチレン(C)と水素(H)の混合ガスを供給すると第2ナノチューブ642がほぼ基板に垂直配向して成長する。
【0148】
この構造体を0.05Mのテトラブロモパラキシレン(tetrabromo−p−xylene)と0.1MのTEABFと0.2%の水のDMF溶液に浸漬し、電界重合させると、第2ナノチューブ642の表面及び第2の電極66露出部に半導体層65としてポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)が形成される。
【0149】
前記の第1ナノチューブ641とポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)を含む構造体と、第2ナノチューブ642とポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)を含む構造体を、ポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)を形成した面同士を接触させ、窒素ガス中でポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)のガラス転移点温度近傍まで加熱すると両者を密着させることができ、図6に示す構造の素子が形成できる。
【0150】
(実施例7)
実施の形態7の具体的な一例を示す。
【0151】
図7において基板71としては、ガラスを用い、表面に第1の電極72としてのITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。ITO表面に、第1ナノチューブの支持層73として、高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)で90℃で20分程度熱処理する。熱処理後ナノチューブ(長さ約1μm)をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上に第1ナノチューブ741が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。この構造体上に電子供与性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体MEH−PPVと電子受容性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体のCN−PPVを重量比でMEH−PPV:CN−PPV=9:1の割合でキシレンに溶解させた溶液(約0.5重量%)を用いてスピンコート法でMEH−PPVとCN−PPVの混合膜を作製する。
【0152】
第2の電極76としてFe−Ni合金基板を用い、これを約700℃に加熱し、表面にアセチレン(C)と水素(H)の混合ガスを供給すると第2ナノチューブ742がほぼ基板に垂直配向して成長する。
【0153】
この構造体上に電子供与性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体MEH−PPVと電子受容性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体のCN−PPVを重量比でMEH−PPV:CN−PPV=9:1の割合でキシレンに溶解させた溶液(約0.5重量%)を用いてスピンコート法でMEH−PPVとCN−PPVの混合膜を作製する。
【0154】
前記の基板71上の構造体と、前記の第2の電極76上の構造体をMEH−PPVとCN−PPVの混合膜の面同士で接しさせて、窒素雰囲気下でガラス転移点温度近傍まで加熱するとMEH−PPVとCN−PPVの混合膜の同士が密着し、MEH−PPVとCN−PPVの混合膜が一体化して図7に示す構造の素子が形成できる。
【0155】
(実施例8)
実施の形態8の具体的な一例を示す。
【0156】
図8において基板81としては、ガラスを用い、表面に第1の電極82としてのITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。ITO表面に、第1ナノチューブの支持層83として、高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)で90℃で20分程度熱処理する。熱処理後ナノチューブ(長さ約1μm)をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上に第1ナノチューブ841が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。この構造体に、電子供与性材料からなる微粒子851である銅フタロシアニン(Cu−Phthalocyanine)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)と電子受容性材料からなる微粒子852であるペリレン(perylene)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)を1:1の重量比で混合して分散させた液を塗布し、乾燥させるとナノチューブとナノチューブの間隙にペリレン微粒子と銅フタロシアニン微粒子が混在して充填される。また、第1ナノチューブ841,第2ナノチューブ842の先端側にもペリレン微粒子と銅フタロシアニン微粒子が混在して堆積する第2の電極86としてFe−Ni合金基板を用い、これを約700℃に加熱し、表面にアセチレン(C)と水素(H)の混合ガスを供給すると第2ナノチューブ842がほぼ基板に垂直配向して成長する。この構造体に、電子供与性材料からなる微粒子851である銅フタロシアニン(Cu−Phthalocyanine)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)と電子受容性材料からなる微粒子852であるペリレン(perylene)の微粒子(粒子径 数nm〜数十nm)を1:1の重量比で混合して分散させた液を塗布し、乾燥させるとナノチューブとナノチューブの間隙にペリレン微粒子と銅フタロシアニン微粒子が混在して充填される。また、ナノチューブ84の先端側にもペリレン微粒子と銅フタロシアニン微粒子が混在して堆積する。
【0157】
前記の基板81上の構造体と、前記の第2の電極86上の構造体を、微粒子存在する面同士で接しさせて、窒素雰囲気下で加熱すると微粒子同士が密着し、図8に示す構造の素子が形成できる。
【0158】
(実施例9)
実施の形態9の具体的な一例を示す。
【0159】
図9において基板91としては、ガラスを用い、表面に第1の電極92としてのITOをスパッタ法で膜厚約50nm形成する。ITO表面に、第1ナノチューブの支持層93として、高導電性のPEDOT膜を約50nmの厚さでスピンコート法により形成する。これを不活性ガス中(本例では窒素ガス中)で90℃で20分程度熱処理する。熱処理後ナノチューブ(長さ約1μm)をイソプロピルアルコール中に分散した液に浸漬し、平行に対向して配置した対向電極との間に電界(約2KV/cm)を印加すると、PEDOT上に第1ナノチューブ941が表面に対してほぼ垂直に配向した構造体が得られる。この構造体上に電子供与性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体MEH−PPVをキシレンに溶解させた溶液(約0.5重量%)を用いてスピンコート法でMEH−PPVの薄膜を作製する。
【0160】
第2の電極96としてFe−Ni合金基板を用い、これを約700℃に加熱し、表面にアセチレン(C)と水素(H)の混合ガスを供給すると第2ナノチューブ942がほぼ基板に垂直配向して成長する。
【0161】
この構造体上に電子受容性有機材料であるポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)の誘導体のCN−PPVをキシレンに溶解させた溶液(約0.5重量%)を用いてスピンコート法でCN−PPVの薄膜を作製する。
【0162】
前記の基板91上の構造体と、前記の第2の電極96上の構造体をMEH−PPVとCN−PPVの膜の面同士で接しさせて、窒素雰囲気下でガラス転移点温度近傍まで加熱するとMEH−PPVとCN−PPVとが密着し、図9に示す構造の素子が形成できる。
【0163】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体層で生成したキャリアを効率的かつ、高速に電極に導くことができるようになる。従って、デバイスの特性を向上できる。有機半導体は一般に無機半導体と比較してキャリアの移動度が低いが、本発明によればキャリアの移動距離を短くできるので、半導体層として有機半導体を用いる場合、本発明は特に有効である。
【0164】
また、有機材料を用いることにより、本発明に関する構造を利用したデバイスを形成するためのプロセスを簡単かつ低コストにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図7】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図8】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態である光電変換素子の断面図である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51,61,71,81,91 基板、12,22,32,42,52,62,72,82,92 第1の電極、13,33,43,53,63,73,83,93 支持層、14,24,34,44,54 ナノチューブ、641,741,841,941 第1ナノチューブ、642,742,842,942 第2ナノチューブ、15,25,65 半導体層、351,551,751,951 電子供与性材料からなる領域、352,552,752,952 電子受容性材料からなる領域、451,851 電子供与性材料からなる微粒子、452,852 電子受容性材料からなる微粒子、16,26,36,46,56,66,76,86,96 第2の電極。

Claims (14)

  1. 第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続されたナノチューブと、ナノチューブを埋設した半導体層と、該半導体層と電気的に接続され、かつ、前記ナノチューブと接していない第2の電極から構成されることを特徴とする半導体素子。
  2. ナノチューブを植設し、かつ、第1の電極と接するナノチューブの支持層を備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  3. 半導体層が、電子供与性材料と電子受容性材料の両方の材料から構成されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体素子。
  4. 半導体層がナノチューブに対してショットキー接合を形成することを特徴とする請求項1または2記載の半導体素子。
  5. 半導体層が該半導体層とショットキー接合を形成する材料を介してナノチューブと接していることを特徴とする請求項1または2記載の半導体素子。
  6. 第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続された第1ナノチューブと、第2の電極と、該第2の電極と電気的に接続された第2ナノチューブと、前記第1ナノチューブ、および第2ナノチューブを埋設した半導体層とからなる半導体素子であって、前記第1ナノチューブと、前記第2ナノチューブとは接触していないことを特徴とする半導体素子。
  7. 第1ナノチューブを植設し、かつ、第1の電極と接する第1の支持層、又は、第2ナノチューブを植設し、かつ、第2の電極と接する第2の支持層を備えたことを特徴とする請求項6記載の半導体素子。
  8. 半導体層が、電子供与性材料と電子受容性材料の両方の材料から構成されることを特徴とする請求項6または7記載の半導体素子。
  9. 半導体層がナノチューブに対してショットキー接合を形成することを特徴とする請求項6または7記載の半導体素子。
  10. 半導体層が該半導体層とはショットキー接合を形成する材料を介してナノチューブと接していることを特徴とする請求項6または7記載の半導体素子。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の半導体素子の製造方法においてナノチューブが電気泳動法を用いて電極又は支持層に植設される工程を含むことを特徴とする前記半導体素子の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の半導体素子の製造方法においてナノチューブがCVD法で形成される工程を含むことを特徴とする前記半導体素子の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の半導体素子の製造方法において半導体層がモノマーからの重合により形成される工程を含むことを特徴とする前記半導体素子の製造方法。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の半導体素子の製造方法において半導体層が微粒子を出発材料として形成される工程を含むことを特徴とする前記半導体素子の製造方法。
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