JP4977968B2 - 電子素子の製造方法 - Google Patents
電子素子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4977968B2 JP4977968B2 JP2005154953A JP2005154953A JP4977968B2 JP 4977968 B2 JP4977968 B2 JP 4977968B2 JP 2005154953 A JP2005154953 A JP 2005154953A JP 2005154953 A JP2005154953 A JP 2005154953A JP 4977968 B2 JP4977968 B2 JP 4977968B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- organic
- precursor
- semiconductor layer
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
- Thin Film Transistor (AREA)
Description
中でも上記半導体層に有機化合物を応用した電子素子(以後、有機電子素子と呼ぶことがある)は、塗布印刷プロセスで作製が可能である等、シリコンに代表される無機半導体に無い特徴を有している。中でも有機電子素子を電界効果トランジスタに応用したものは、ディスプレーやICタグ等の高機能なデバイスを容易なプロセスで実現できるものとして期待されている。
特許文献1には、フォトリソグラフィーの手法を用いて、有機半導体層の局所にドーピングを行い、ドーピング剤と有機半導体材料との錯体を形成させ、その部分を電極下に設けることによって、トランジスタ特性を改良することが記載されている。これはフォトリソグラフィーの手法を用いているので、フォトレジストの処理が必要で工程が複雑である。従って、フォトリソグラフィーに代わる低コストの製造プロセスが有機電子素子の特徴を生かすプロセスとして望まれていた。
パターニングプロセス可能な方法として、ビシクロ化合物を熱変換して半導体層にする方法が特許文献2、特許文献3に記載されている。これは、溶解度の低い有機半導体化合物を塗布によって製膜する優れた製膜方法であるが、これらの公知文献においては、有機半導体層に対して金電極が用いられており、電極として有機導電体または有機半導体を用いた例は開示されていない。金電極を用いた場合、正孔を注入するのに金電極が高い仕事関数を有しており有利であるが、有機半導体層と金の接触が良くないという問題がある。
即ち本発明は、基板上にポルフィリン化合物の前駆体の層を形成し、該層をパターン状に部分加熱して、該前駆体の該加熱部分を有機半導体または有機導電体とした後、非加熱部分を除去することにより、パターニングされた電極を形成し、該パターニングされた電極と接触するようにポルフィリン化合物を含む有機半導体層を形成することを特徴とする電子素子の製造方法を要旨とする。
まず本発明の電極を作製するプロセスを説明する。
本発明においては、加熱により、溶解度が変化し、かつ半導体特性あるいは導電性を発現する材料(以後、前駆体と呼ぶことがある)の層を基板上に形成し、直接パターン状に部分加熱した後、非加熱部分を除去し、加熱して半導体特性あるいは導電性を発現するようになった部分を残して電極部分を形成する。この際、加熱された部分と非加熱の部分の導電性の差が大きく、非加熱の部分の導電性が十分小さい場合は、非加熱部分を除去する工程は必要ではない場合がある。
加熱パターニングだけで導電性が十分高ければそのパターンをそのまま電極に用いることができるが、もし不充分であれば、ドーピング操作等も併用して十分な導電性を発現させることができる。
加熱条件は、前駆体が十分に半導体あるいは導電体に変換される温度と時間で加熱することが必要である。加熱している部分としていない部分のコントラストを十分に取るためには、100℃以上、より好ましくは150℃以上に加熱するのが望ましい。加熱温度が高すぎると、基板や絶縁膜等他の材料に損傷を引き起こしたり、変換前後の材料の分解を引き起こす可能性がある為、それらの条件で温度及び加熱時間の上限が決められる。短時間の加熱であれば損傷無しに加熱することもできる。一般に加熱温度の上限は500℃以下とするのが好ましく、より好ましくは400℃以下である。
レーザーは、前駆体層あるいはその近傍の材料で吸収されるものが好ましい。また、有効に光エネルギーを熱エネルギーに変換する波長のレーザーを選択することが好ましい。
パターニングの為には局所的に高いエネルギーの光を短時間照射することが好ましい。パターン状に照射する方法は、1.絞った光を走査しながらレーザー光パワーを変調してパターンを形成する方法、2.マスクを通してレーザー光を照射する方法、の2種類が考えられる。レーザーの発振方法には、連続発振とパルス発振レーザーがあるが、上記2の方法にはパルス発振光を組み合わせるのが良い。長時間同じ場所を照射していると、熱の拡散により解像度が落ちることがあるからである。また、上記1の方法にはパルス発振光、連続発振光のどちらも用いることができるが、連続発振光の方が通常、より好ましい場合が多い。
Molecular Crystals and Liquid Crystals 118巻 361項(1985)
Molecular Crystals and Liquid Crystals 105巻 133項(1984)
J.Am.Chem.Soc. 104巻 83項(1982)
従って、有機導電体の前駆体としては、これらの化合物を誘導できる次のような化合物を挙げることができる。
前駆体の加熱で生成する有機半導体/有機導電体材料に高濃度にキャリアが存在すれば電極として使用するに十分な導電性が得られるが、キャリアが存在しない場合には、キャリア密度を増加させる操作が必要になる。これは一般にドーピング処理によって達成される。
ここで、酸化型の導電性付与剤とは、有機半導体の層に作用させることにより有機半導体の層を酸化させて電気伝導度を向上させる効果を有するものであり、p型の導電性付与剤ということもある。一方、還元型の導電性付与剤とは、有機半導体の層を還元させて電気伝導度を向上させるものであり、n型の導電性付与剤ということもある。
酸、ヨウ素、塩素、臭素、ICl、ICl3、IBr、IF3等のハロゲンなどが挙げられる。
一方、還元型の導電性付与剤としては、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属原子、バリウム、カルシウム、マグネシウム、銀、ユーロピウム、ベリリウム等の金属原子、及びこれらの金属原子を含む原子団などが挙げられる。
また、金属粒子やカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブを分散した導電性の複合材料等を前駆体に分散することは、加工プロセス面において非常に好ましいといえる。
さらに、ドーパントを含む膜を、マスクを有する有機半導体の層に接触させて塗布することによってもドーピング処理が可能である。例えば、ドーパントとPMMAやポリスチレン等のポリマーを溶媒に溶解しておき、これを塗布することによって、ドーピングすることが可能である。また、スルホン化ポリスチレンのような高分子ドーパントを塗布することも可能である。ドーピングを促進するための加熱処理あるいは光照射を行ってもよい。
える移動度を示すものであるので、高い導電性を示すことになる。このAの結合した化合物は、A−CHOのようなアルデヒド体あるいはA−CH2OHのようなアルコール体を
、このポルフィリンを合成する途中のポルフィリノーゲン形成時に添加することにより、メソ位にAの置換基を有するものを合成できる。もちろんこの化合物の周辺、例えば中心に銅や亜鉛の配位した金属錯体や、Aが2個以上メソ位に置換されたもの、周囲のビシクロ構造部分にアルキル基やハロゲン原子、水酸基等の1価の有機基で置換されたものも同様に用いることができる。
このAの具体的なものとしては、アルキル基の一部がアクセプタ分子に置換されたものが挙げられる。例えば、下記の式で表される基である。
有機半導体及び/または有機導電体の前駆体層の形成には、以下に述べる塗布方法を使用することができるが、塗布の方法としては、キャスティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いることができる。
レーザー照射後に、半導体または導電体のパターンを残す為に、前駆体のみ溶解する溶媒で洗浄処理をする。この溶媒は、半導体又は導電体を溶解せず前駆体を溶解するものであればなんでも良いが、通常半導体又は導電体の一般の有機溶媒に対する溶解度は非常に小さくなるので、前駆体を溶解する溶媒が広く使える。ただし余りに沸点の高い溶媒を用いるとその溶媒の除去が難しいことから、沸点が180℃以下、好ましくは150℃以下の溶媒を用いることが望ましい
本発明の電子素子においては、電極を形成した上に半導体層を形成することができる。半導体層の材料としては、低分子、高分子さまざまなものが報告されているが、そのうちいずれも用いることができる。例えば、α−セキシチオフェン、ジアルキルセキシチオフェンに代表される、チオフェン環を4個以上含むオリゴチオフェン類、あるいは、チオフェン環、ベンゼン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環を合計4個以上連結したもの、ナフタレン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、フラーレン等の縮合芳香族炭化水素、アントラジチオフェン、ジベンゾチエノビスチオフェン、α、α´−ビス(ジチエノ[3,2-b´:2´,3´-d]チオフェン)等の縮合チオフェンおよびその誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の、芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物、銅フタロシアニン、パーフルオロ銅フタロシアニン、テトラベンゾポルフィリン及びその金属塩等の大環状化合物、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の共役高分子およびそれらの共重合体等が挙げられ、その中でも特に、レジオレギュラーポリチオフェンのような自己組織化を示すものや、ポリフルオレンやその共重合体に代表される液晶性を示す共役高分子等が好ましく挙げられる。半導体材料はドーピングにより導電性材料になるので電極に用いる材料と半導体材料が同一であることも考えられるのではあるが、高い特性を示す電極用の材料が必ずしも高い半導体特性を示すとは限らないので、この電極上に形成する半導体層の材料としては、電極に用いる材料とは異なる化合物を用いた方が、材料選択の範囲が拡がり好ましい。又、半導体層と電極の密着性を向上させたり、接触抵抗を低くする点からは、半導体材料は電極用材料と同一のものを含む方が好ましい。
塗布の方法としては、キャスティング、スピンコーティング、ディップティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いることができる。さらに、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
半導体層の膜厚は、電界効果トランジスタの場合、素子の特性は必要な膜厚以上であれば所望の特性が得られる場合が多いが、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多い。従って好ましい膜厚は、1nmから10μmの範囲であり、より好ましくは10nmから500nmが望ましい。
本発明の電子素子の一つである電界効果トランジスタにはゲート電極と半導体層の間に絶縁体層が設けられる。絶縁体層に用いられる材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリシロキサン等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化珪素等の窒化膜、SrTiO3、BaTiO3等の強誘電性酸化物膜、あるいは、上記酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させたポリマー膜等が挙げられる。一般に絶縁膜の静電容量が大きくなるほどゲート電圧を低電圧で駆動できることになるので、有利になる。絶縁体層の静電容量を大きくするためには、誘電率の大きな絶縁材料を用いるか、絶縁体層の厚さを薄くする事で対応することができる。絶縁体層は、塗布(スピンコーティングやブレードコーティング)、蒸着、スパッタ、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、アルミ上のアルマイトの様に金属上に酸化膜を形成する方法等、材料特性に合わせた方法で作製することが出来る。
本発明の電子素子の基板としては、ポリマーの板、フィルム、ガラス、あるいは金属に、コーティングにより絶縁膜を形成したものや、ポリマ−と無機材料の複合材等を用いることができる。上記ポリマー材料の例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
本発明の電子素子を電子回路中に組み込んだ電子デバイス(以後、単に、電子デバイスと呼ぶことがある。)を作製することができるが、該電子デバイス作製の為の電極や配線には、金、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、等の金属、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、等の導電性高分子及びそのドーピングされた材料、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、等の半導体及びそのドーピングされた材料、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料、を用いることができる。これらを形成する方法も、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等を用いることができる。また、そのパターニング方法も、フォトレジストのパターニングとエッチング液や反応性のプラズマでのエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法及びこれらの手法の複数の組み合わせた手法を利用することができる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去したり材料の導電性を変化させる事により、直接パターンを作製することも利用できる。
本発明の電子素子は、外気の影響を最小限にするために、保護膜を形成することができる。これには、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等のポリマー膜、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化膜や窒化膜等が挙げられる。ポリマー膜は、溶液を塗布乾燥する方法、モノマーを塗布あるいは蒸着して重合する方法等が挙げられ、さらに架橋処理や多層膜を形成することも可能である。無機物の膜の形成には、スパッタ法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法に代表される溶液プロセスでの形成方法も用いることができる。
本発明が適用できる電子素子としては、2個以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を例えば電気、磁気、光又は化学物質等により制御するものを挙げることができる。例えば、電圧や電流の印加により電流や電圧を制御する素子、磁場の印加による電圧や電流を制御する素子、光の照射による電圧や電流を制御する素子、化学物質を作用させて電圧や電流を制御する素子が挙げられる。この制御としては、整流、スイッチング、増幅、発振が挙げられる。上記の機能を持つ電子素子の具体的なものとしては、抵抗器、整流器(ダイオード)、スイッチング素子(トランジスタ、サイリスタ)、増幅素子(トランジスタ)、メモリー素子、化学センサー等、あるいはこれらの素子の組み合わせや集積化したデバイスが挙げられる。電子素子のより具体的な例は、S.M.Sze著、Physics of Semiconductor Devices、2nd Edition (Wiley−Interscience 1981)に記載されているものを挙げることができる。
本発明の電子素子の例としては、電界効果トランジスタが挙げられる。電界効果トランジスタの断面の構造例を図1にA〜Dとして示す。ここで、図1中において、1は半導体層、2は絶縁体層、3と4はソース及びドレイン電極、5はゲート電極、6は基板である。
その一つの例Eとしては、仕事関数の異なる2つの電極(3及び4)で半導体層(1)を挟んだ構造のものである。
このようなダイオード素子は、整流素子の他、光や化学物質の吸着等、外部の刺激で二端子間の電流電圧特性が変化することを利用して、太陽電池、光検出器、化学センサー等への応用が挙げられる。
以下、電界効果トランジスタの例を用いて、好ましいプロセスの例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図3に、図1Aに示した構造の電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す。
まず、基板(6)上にゲート電極(5)を形成する。これ以前に、回路を形成する為の配線を作製しておく場合もあるが、ここでは、ゲート電極(5)以前の工程については説明を省略する。このゲート電極は、印刷方法、フォトリソグラフィー法等の種々の手法を用いてパターニングすることができるし、本発明の電極パターニングの方法ももちろん用いることができる。
この絶縁体層(2)上に本発明の方法を用いてソース及びドレイン電極(3、4)を形成する。まず、前駆体となる材料の層(8)を塗布方法により全面に形成する。
次に、前駆体層(8)にレーザー照射(9)を行い、電極をパターニングする。
本発明では、高精度での電極のパターニングが可能であり、数μm以下の高精度パターニングが必要なソースドレイン電極間に有効に適用することができる。
次に、パターニングされたソース及びドレイン電極(3、4)の上に半導体層(1)を形成する。
その後、配線(10)を形成する。
また、本発明の電子素子は、ディスプレーのアクティブマトリクスのスイッチング素子として利用することが出来る。これは、ゲートに印加される電圧でソースとドレイン間の電流をスイッチング出来ることを利用して、ある表示素子に電圧を印加あるいは電流を供給する時のみスイッチを入れ、その他の時間は回路を切断する事により、高速、高コントラストな表示を行うものである。
特に、本発明の電子素子は、低温プロセスでの作製が可能であり、プラスチック基板、プラスチックフィルムや紙等の、高温処理に耐えない基板を用いることができる。また、塗布あるいは印刷プロセスでの素子作製が可能であることから、大面積のディスプレーへの応用に適している。また、従来のアクティブマトリクスの代替としても、省エネルギープロセス、低コストプロセスの可能な素子として有利である。
さらに、本発明の電子素子に使用される有機半導体は、ガスや化学物質、温度等の外部の刺激により、特性が大きく変化するので、それらのセンサーへの応用も考えられる。例えば本発明の電子素子の特性が、気体や液体との接触により変化する量を測定することにより、定性的あるいは定量的にそれに含まれている化学物質を検出することが可能である。
ガラス基板上にゲート電極−絶縁膜を積層し、下記化合物(式10)をスピンコート法により塗布し、有機導電体の前駆体層を形成する。
その後、405nmのレーザーを上記前駆体層に集光して、走査し、50μm×50μmのパターンを10μmの間隔を空けて並べて露光し、有機導電体の前駆体化合物を加熱してテトラベンゾポルフィリン化合物に変換する。
その上にさらに有機半導体化合物の層を蒸着法あるいは印刷法で形成する。
ゲート電極に電圧を印加すると、ソース、ドレイン電極間の電流電圧特性を制御できる電界効果トランジスタを作製できる。
下記構造化合物(式11)の1wt%濃度クロロホルム溶液を調整した。この溶液をガラス基板上に金で作製した4端子電極上にスピンコートして膜厚200nmのフィルムを作製した。
m2,速度:3mm/s)を用いてレーザー加熱を行い、上記の前駆体化合物(式11)
が脱エチレン反応を伴い下記構造化合物となった(式12)。
(式11)で表される化合物1wt%濃度クロロホルム溶液30mLとアルバック社製の銀(Ag)微粒子(商品名:AG1T)の30wt%濃度トルエン溶液1mLとを、混ぜ合わせた混合液を調整した。
このフィルムに対し、HORIUCHI INTELLIGENCE TECHNOLOGY社製、CO2 LASER MARKER、LSS−S050VAH(強度:3.
3W/cm2,速度:3mm/s)を用いて、線幅100μm、長さ500μmの直線を
50μm間隔で2本できるようにレーザー加熱パターニングを行った。このとき、レーザー加熱によって上記の前駆体化合物が脱エチレン反応を伴い上記構造化合物となった。
Vt、絶縁膜の単位面積当たりの静電容量をCi、ソース電極とドレイン電極の間隔をL
、幅をW、半導体層の移動度をμとすると、その動作は、次のように表すことができる。
。このプロットのId=0との切片からスレシホールド電圧Vt、Vd=−30V印加時の
Vg=30Vと−50VのIdの比をオンオフ比とした。
このようにして得られた移動度は、0.05cm2/Vs、Vtは−5V、オンオフ比は1.9×105であった。
実施例3において有機半導体化合物にポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル),Regioregular : Aldrich社製、Mw=87000(GPC法)を用いた以外は、実施例3と同様にして電界効果トランジスタを作製した。半導体層の作製条件はポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)を0.5wt%濃度クロロホルム溶液を調整して、ソース・ドレイン電極間にキャストコーティングして膜厚500nmであった。
、Vtは17V、オンオフ比は3.9×103であった。
2 絶縁体層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板
7 他の種類の半導体層
8 前駆体層
9 レーザー
10 配線
11 保護層
Claims (5)
- 基板上にポルフィリン化合物の前駆体の層を形成し、該層をパターン状に部分加熱して、該前駆体の該加熱部分を有機半導体または有機導電体とした後、非加熱部分を除去することにより、パターニングされた電極を形成し、該パターニングされた電極と接触するようにポルフィリン化合物を含む有機半導体層を形成することを特徴とする電子素子の製造方法。
- 前記有機半導体層が前記パターニングされた電極に用いる材料と同一の材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子素子の製造方法。
- 前記加熱がレーザーによるものである請求項1又は2に記載の電子素子の製造方法。
- 前記ポルフィリン化合物の前駆体の層がドーピングされた層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
- 前記電子素子が電界効果トランジスタの素子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005154953A JP4977968B2 (ja) | 2004-06-15 | 2005-05-27 | 電子素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004177451 | 2004-06-15 | ||
JP2004177451 | 2004-06-15 | ||
JP2005154953A JP4977968B2 (ja) | 2004-06-15 | 2005-05-27 | 電子素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006032914A JP2006032914A (ja) | 2006-02-02 |
JP4977968B2 true JP4977968B2 (ja) | 2012-07-18 |
Family
ID=35898832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005154953A Expired - Fee Related JP4977968B2 (ja) | 2004-06-15 | 2005-05-27 | 電子素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4977968B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4673135B2 (ja) * | 2005-06-03 | 2011-04-20 | 大日本印刷株式会社 | 有機半導体層の形成方法 |
JP5243714B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2013-07-24 | 三菱化学株式会社 | 有機光電変換素子の製造方法及び有機光電変換素子 |
EP2023419A4 (en) * | 2006-05-02 | 2013-03-13 | Mitsubishi Chem Corp | PROCESS FOR PRODUCING AN ORGANIC PHOTOELECTRIC TRANSMITTER ELEMENT AND ORGANIC PHOTOELECTRIC CONVERTER ELEMENT |
CN101165937A (zh) * | 2006-10-18 | 2008-04-23 | 清华大学 | 有机复合物p-n结及其制备方法以及应用该p-n结的有机复合物二极管 |
JP5515285B2 (ja) * | 2008-07-25 | 2014-06-11 | 株式会社リコー | Mis積層構造体の作製方法およびmis積層構造体 |
JP5269825B2 (ja) * | 2009-08-28 | 2013-08-21 | 帝人株式会社 | 新規な付加化合物、及び有機半導体デバイス |
EP2471796B1 (en) * | 2009-08-28 | 2019-10-30 | Teijin Limited | Novel adduct compound, solution for formation of organic semiconductor film, method for producing said semiconductor film and method for synthesizing said adduct compound |
JP2011148743A (ja) * | 2010-01-22 | 2011-08-04 | Teijin Ltd | 縮合多環芳香族化合物の精製及び製造方法 |
US9653159B2 (en) * | 2012-01-18 | 2017-05-16 | Xerox Corporation | Memory device based on conductance switching in polymer/electrolyte junctions |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0469971A (ja) * | 1990-07-10 | 1992-03-05 | Sumitomo Chem Co Ltd | 電界効果トランジスタ |
WO2002095805A2 (en) * | 2001-05-23 | 2002-11-28 | Plastic Logic Limited | Laser parrering of devices |
JP2004006750A (ja) * | 2002-03-27 | 2004-01-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | 有機半導体材料及び有機電子デバイス |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005154953A patent/JP4977968B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006032914A (ja) | 2006-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4977968B2 (ja) | 電子素子の製造方法 | |
Dimitrakopoulos et al. | Organic thin film transistors for large area electronics | |
JP4219807B2 (ja) | 有機半導体素子 | |
JP5811640B2 (ja) | 電子デバイス及び半導体装置の製造方法 | |
JP4867168B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタの製造方法 | |
JP2004247716A (ja) | 積層体の製造方法 | |
JP2003304014A (ja) | 有機電子デバイス及びその作製方法 | |
US9735361B2 (en) | Method of making a stack of the type comprising a first electrode, an active layer, and a second electrode | |
JP2005072569A (ja) | 有機電界効果トランジスタ | |
JP4572501B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタの製造方法 | |
JP2004158710A (ja) | 有機半導体薄膜及びその製造方法 | |
JP6592758B2 (ja) | 新規な縮合多環芳香族化合物及びその用途 | |
JP5913108B2 (ja) | 有機半導体材料及び電界効果トランジスタ並びにその製造方法 | |
JP2008226959A (ja) | 有機電界効果トランジスタの製造方法、及び、有機電界効果トランジスタ | |
JP2007273594A (ja) | 電界効果トランジスタ | |
US7868322B2 (en) | Method for fabricating an organic thin film transistor by oxidation and selective reduction of organic semiconductor material | |
JPWO2006129718A1 (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JP2005322895A (ja) | 有機電子デバイスの製造方法及び有機電子デバイス | |
JP5023630B2 (ja) | 有機半導体素子の製造方法 | |
JP2004055649A (ja) | 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法 | |
JP4281324B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ素子、その製造方法及び有機薄膜トランジスタシート | |
KR101101479B1 (ko) | 전하 주입성을 향상시킨 유기박막트랜지스터 및 이의 제조방법 | |
JP4506228B2 (ja) | 有機電界効果トランジスタ、表示素子及び電子ペーパー | |
JP2004228371A (ja) | 電界効果トランジスタ | |
JP2005093990A (ja) | 銅ポルフィリン化合物を用いた有機電子デバイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071128 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20090624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110517 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110714 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110817 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120321 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120403 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |